【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、鋭意検討の結果、採血試料におけるガレクチン測定の有効性、ガレクチン−4の病勢マーカー、存在診断マーカー及び予後予測マーカーとしての有用性、ガレクチン−1の存在診断マーカー及び病勢マーカーとしての有用性、及びガレクチン−3の存在診断マーカーとしての有用性を見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
下記は、新規の大腸がんマーカーに向けられる。
なお、本発明において「病勢マーカー」とは、がんの病態の進行に伴って濃度が増加する腫瘍マーカーをいう。病勢マーカーは、すでに存在していることがわかっているがんについて、進行度の判定や病態の経過観察を行う目的で用いられうる。
【0013】
本発明において「存在診断マーカー」とは、がんが存在する場合にその濃度が非存在時に比べて高い腫瘍マーカーをいう。存在診断マーカーは、体内のがんの存在が未知である場合に、がんの有無を識別する目的で用いられうる。存在診断マーカーの中でも、がんの早期ステージから血中濃度が亢進するものは、早期診断に適している点で好ましい。
【0014】
また、本発明において「予後予測マーカー」とは、ある時点(例えば治療開始時点など)から、疾患の予後(例えば治療開始から5年後など)を予測するために用いられるマーカーをいう。
【0015】
さらに、本明細書において、ある時点T
nで採血された血液に由来する採血試料をS
n、その試料S
nから得られた大腸がんマーカーの測定値をC
n、大腸がんマーカーの基準値をC
ref、試料S
nから測定値C
nを得て基準値C
refと比較する工程をP
nと表記する。また、大腸がんマーカーの閾値をC
thと記載する。なお、以下本明細書中で「陽性率」と記載する場合、解析対象とした全患者のうち、C
thよりも高い値(すなわち陽性)を示す患者検体の割合(%)を指すものとする。
なお、例えば大腸がんマーカーがガレクチン−1と特定されている場合、ガレクチン−1の測定値をC
n[G1]、ガレクチン−1の基準値をC
ref[G1]、ガレクチン−1の閾値をC
th[G1]と表記する。同様に、ガレクチン−3の測定値をC
n[G3]、ガレクチン−3の基準値をC
ref[G3]、ガレクチン−3の閾値をC
th[G3]と表記し、ガレクチン−4の測定値をC
n[G4]、ガレクチン−4の基準値をC
ref[G4]、ガレクチン−4の閾値をC
th[G4]と表記する。
また、例えば大腸がんマーカーがガレクチン−3又はガレクチン−4に特定されている場合、ガレクチン−3の測定値C
n[G3]又はガレクチン−4の測定値C
n[G4]を、C
n[G3/G4]と記載する場合がある。その他の値についても同様である。
【0016】
本明細書においては、ガレクチンの種類(すなわちガレクチン−1、ガレクチン−3及びガレクチン−4)について言及することなく単に「ガレクチン(Galectins)」と記載する場合は、ガレクチン−1、ガレクチン−3及びガレクチン−4を総称するものとする。
【0017】
(1)
ガレクチン−3及びガレクチン−4からなる群から選ばれる大腸がんマーカー。
(2)
前記ガレクチン−4が、病勢マーカー、存在診断マーカー又は予後予測マーカーとして用いられるものである、(1)に記載の大腸がんマーカー。
(3)
前記ガレクチン−3が存在診断マーカーとして用いられるものである、(1)に記載の大腸がんマーカー。
【0018】
下記は、採血試料中のガレクチン濃度の分析方法に向けられる。本発明の分析方法においては、採血試料中ガレクチン測定値とガレクチン基準値とが比較される。
本発明において、大腸がんマーカーの基準値には、別の採血試料において得られた大腸がんマーカーの測定値、及び各々の大腸がんマーカーに固有の閾値が含まれる。
【0019】
(4)
個体由来の採血試料S
n中の、ガレクチン−3及びガレクチン−4からなる群から選ばれる大腸がんマーカーの濃度を測定し測定値C
n[G3/G4]を得て、前記測定値C
n[G3/G4]と前記大腸がんマーカーの基準値C
ref[G3/G4]とを比較することによって分析を行う工程P
nを含む、採血試料中のガレクチン濃度の分析方法。
【0020】
下記は、「病勢マーカー」としてのガレクチン−4を用いた方法の一態様に向けられる。当該態様においては、採血試料中ガレクチン測定値と、それに先立って採血した試料中のガレクチン測定値及び/又はガレクチン閾値とが比較される。
【0021】
(5)
前記工程P
n(n≧1)の前に、前記採血試料S
nの採血時期より前に採血された同一個体由来の採血試料S
n-1のガレクチン−4の濃度を測定し測定値C
n-1[G4]を得る工程P
n-1をさらに含み、
前記工程P
nにおいて前記測定値C
n[G4]と比較される前記基準値C
ref[G4]が、前記測定値C
n-1[G4]及びガレクチン−4の閾値C
th[G4]からなる群から選ばれる値である、(4)に記載の方法。
上記(5)において、前記個体は、前記工程P
nより前に大腸がんに対する治療を受けたものでありうる。
上記(5)の態様の一例を模式的に
図1に示す。
【0022】
下記は、「病勢マーカー」としてのガレクチン−4を用いた方法において、少なくとも外科手術により治療をした態様に向けられる。当該態様においては、外科手術により原発巣の大腸がんの遺残がないこと(すなわち根治度がA又はBであること)を確認できた症例が経過観察対象となり、大腸がん治療前に採血した試料中のガレクチン測定値が閾値を越え、当該治療後に採血した試料中のガレクチン測定値が閾値を下回ったことを条件とする。この条件の下、さらにその後に採血した試料中のガレクチン測定値と閾値とが比較される。この態様の一例を模式的に
図2に示す。
(6)
前記工程P
n(n≧2)の前に、前記採血試料S
nの採血時期より前に採血された同一個体由来の採血試料S
1のガレクチン−4の濃度を測定し測定値C
1[G4]を得る工程P
1と、前記採血試料S
1の採血時期より前に採血された同一個体由来の採血試料S
0のガレクチン−4の濃度を測定し測定値C
0[G4]を得る工程P
0とを含み、
前記個体が、前記工程P
0と工程P
1との間において大腸がんに対する外科手術を受けたものであり、前記工程P
0における測定値C
0[G4]がガレクチン−4の閾値C
th[G4]を上回り、前記工程P
1における測定値C
1[G4]が前記閾値C
th[G4]を下回り、
前記工程P
nにおいて前記測定値C
n[G4]と比較される前記基準値C
ref[G4]が、前記閾値C
th[G4]である、(5)に記載の方法。
【0023】
(7)
前記個体が、さらに、工程P
1と工程P
nとの間において大腸がんに対する非外科的療法(例えば放射線療法や化学療法など)を受けたものである、(6)に記載の方法。
【0024】
下記は、「病勢マーカー」としてのガレクチン−4を用いた方法において、少なくとも非外科的療法(例えば放射線療法や化学療法など)により治療をした態様に向けられる。下記において、「少なくとも大腸がんに対する非外科的療法を受け」たとは、前記個体が非外科的療法のみを受けた場合と、非外科的療法の前に外科的療法を受けた場合との両方を含む。
【0025】
さらに、下記態様は、非外科的療法が1回行われるものであり、大腸がんに対する非外科的療法による治療前(T
n-1)に採血した試料中のガレクチン測定値(C
n-1)が閾値を越えていたことを条件とする。(非外科的療法の前に外科的療法を行った場合においては、外科的療法後(T
n-1)においてなおガレクチン測定値(C
n-1)が閾値を上回っている場合が該当する。)この条件下、さらにその後(T
n)に採血した試料中のガレクチン測定値(C
n)と、前記測定値(C
n-1)及び閾値(C
th)とが比較される。
(8)
前記個体が、前記工程P
n-1と前記工程P
nとの間において少なくとも大腸がんに対する非外科的療法を受けたものであり、
前記工程P
n-1における測定値C
n-1 [G4]がガレクチン−4の閾値C
th[G4]を上回り、前記工程P
nにおいて前記測定値C
n[G4]と比較される前記基準値C
ref[G4]が、前記閾値C
th[G4]及び前記測定値C
n-1[G4]である、(5)に記載の方法。
【0026】
一方、下記態様は、非外科的療法が複数回行われるものであり、大腸がんに対する非外科的療法による治療前(T
0)に採血した試料中のガレクチン測定値が閾値を越えていたことを条件とする。(非外科的療法の前に外科的療法を行った場合においては、外科的療法後(T
0)においてなおガレクチン測定値が閾値を上回っている場合が該当する。)この条件下、さらにその後(T
n)に採血した試料中のガレクチン測定値(C
n)と、前記測定値(C
n-1)及び閾値(C
th)とが比較される。この態様の一例を模式的に
図3に示す。
(9)
前記工程P
n(n≧2)の前に、前記採血試料S
nの採血時期より前に採血された同一個体由来の採血試料S
n-1のガレクチン−4の濃度を測定し測定値C
n-1[G4]を得る工程P
n-1と、前記採血試料S
n-1の採血時期より前に採血された同一個体由来の採血試料S
0のガレクチン−4の濃度を測定し測定値C
0[G4]を得る工程P
0とを含み、
前記個体が、前記工程P
0と工程P
n-1との間において少なくとも大腸がんに対する非外科的療法を受け、前記工程P
n-1と前記工程P
nとの間においても前記非外科的療法を引き続いて受けたものであり、
前記工程P
0における測定値C
0[G4]がガレクチン−4の閾値C
th[G4]を上回り、前記工程P
nにおいて前記測定値C
n[G4]と比較される前記基準値C
ref[G4]が、前記閾値C
th[G4]及び前記測定値C
n-1[G4]である、(5)に記載の方法。
【0027】
下記は、「存在診断マーカー」としてのガレクチン−3又はガレクチン−4を用いた方法に向けられる。当該方法においては、採血試料中ガレクチン測定値とガレクチン閾値とが比較される。
(10)
前記大腸がんマーカーの基準値C
ref[G3/G4]が前記大腸がんマーカーの閾値C
th[G3/G4]である、(4)に記載の方法。
【0028】
下記は、大腸がんマーカーガレクチン−1に向けられる。
(11)
大腸がんの存在診断マーカー又は病勢マーカーとして用いられるガレクチン−1。
下記は、採血試料中のガレクチン−1の濃度の分析方法に向けられる。本発明の分析方法においては、採血試料中ガレクチン測定値とガレクチン基準値とが比較される。
【0029】
(12)
個体由来の採血試料中S
nのガレクチン−1の濃度を測定しC
n[G1]を得て、前記測定値C
n[G1]と前記ガレクチン−1の基準値C
ref[G1]とを比較することによって分析を行う工程P
nを含む、採血試料中のガレクチン濃度の分析方法。
【0030】
下記は、「存在診断マーカー」としてのガレクチン−1を用いた方法に向けられる。当該方法においては、採血試料中ガレクチン測定値とガレクチン閾値とが比較される。
(13)
前記ガレクチン−1の基準値C
ref[G1]が前記ガレクチン−1の閾値C
th[G1]である、(12)に記載のガレクチン濃度の分析方法。
【0031】
下記は、「病勢マーカー」としてのガレクチン−1を用いた方法の一態様に向けられる。当該態様においては、採血試料中ガレクチン測定値と、それに先立って採血した試料中のガレクチン測定値及び/又はガレクチン閾値とが比較される。
(14)
前記工程P
n(n≧1)の前に、前記採血試料S
nの採血時期より前に採血された同一個体由来の採血試料S
n-1のガレクチン−1の濃度を測定し測定値C
n-1[G1]を得る工程P
n-1をさらに含み、
前記工程P
nにおいて前記測定値C
n[G1]と比較される前記基準値C
ref[G1]が、前記測定値C
n-1[G1]及びガレクチン−1の閾値C
th[G1]からなる群から選ばれる値である、(12)に記載の方法。
上記(14)において、前記個体は、前記工程P
nより前に大腸がんに対する治療を受けたものでありうる。
上記(14)の態様の一例を模式的に
図1に示す。
【0032】
下記は、「病勢マーカー」としてのガレクチン−1を用いた方法において、少なくとも外科手術により治療をした態様に向けられる。当該態様においては、外科手術により原発巣の大腸がんの遺残がないこと(すなわち根治度がA又はBであること)を確認できた症例が経過観察対象となり、大腸がん治療前に採血した試料中のガレクチン測定値が閾値を越え、当該治療後に採血した試料中のガレクチン測定値が閾値を下回ったことを条件とする。この条件下、さらにその後に採血した試料中のガレクチン測定値と閾値とが比較される。この態様の一例を模式的に
図2に示す。
(15)
前記工程P
n(n≧2)の前に、前記採血試料S
nの採血時期より前に採血された同一個体由来の採血試料S
1のガレクチン−1の濃度を測定し測定値C
1[G1]を得る工程P
1と、前記採血試料S
1の採血時期より前に採血された同一個体由来の採血試料S
0のガレクチン−1の濃度を測定し測定値C
0[G1]を得る工程P
0とを含み、
前記個体が、前記工程P
0と工程P
1との間において大腸がんに対する外科手術による治療を受けたものであり、
前記工程P
0における測定値C
0[G1]がガレクチン−1の閾値C
th[G1]を上回り、前記工程P
1における測定値C
1[G1]が前記閾値C
th[G1]を下回り、
前記工程P
nにおいて前記測定値C
n[G1]と比較される前記基準値C
ref[G1]が、前記閾値C
th[G1]である、(14)に記載の方法。
【0033】
(16)
前記個体が、さらに、工程P
1と工程P
nとの間において大腸がんに対する非外科的療法(例えば放射線療法や化学療法など)を受けたものである、(15)に記載の方法。
【0034】
下記は、「病勢マーカー」としてのガレクチン−1を用いた方法において、少なくとも非外科的療法(例えば放射線療法や化学療法など)により治療をした態様に向けられる。下記において、「少なくとも大腸がんに対する非外科的療法を受け」たとは、前記個体が非外科的療法のみを受けた場合と、非外科的療法の前に外科的療法を受けた場合との両方を含む。
【0035】
さらに、下記態様は、非外科的療法が1回行われるものであり、大腸がんに対する非外科的療法による治療前(T
n-1)に採血した試料中のガレクチン測定値(C
n-1)が閾値を越えていたことを条件とする。(非外科的療法の前に外科的療法を行った場合においては、外科的療法後(T
n-1)においてなおガレクチン測定値(C
n-1)が閾値を上回っている場合が該当する。)この条件下、さらにその後(T
n)に採血した試料中のガレクチン測定値(C
n)と、前記測定値(C
n-1)及び閾値(C
th)とが比較される。
(17)
前記個体が、前記工程P
n-1と前記工程P
nとの間において少なくとも大腸がんに対する非外科的療法を受けたものであり、
前記工程P
n-1における測定値C
n-1 [G1]がガレクチン−1の閾値C
th[G1]を上回り、前記工程P
nにおいて前記測定値C
n[G1]と比較される前記基準値C
ref[G1]が、前記閾値C
th[G1]及び前記測定値C
n-1[G1]である、(14)に記載の方法。
【0036】
一方、下記態様は、非外科的療法が複数回行われるものであり、大腸がんに対する非外科的療法による治療前(T
0)に採血した試料中のガレクチン測定値が閾値を越えていたことを条件とする。(非外科的療法の前に外科的療法を行った場合においては、外科的療法後(T
0)においてなおガレクチン測定値が閾値を上回っている場合が該当する。)この条件下、さらにその後(T
n)に採血した試料中のガレクチン測定値(C
n)と、前記測定値(C
n-1)及び閾値(C
th)とが比較される。この態様の一例を模式的に
図3に示す。
(18)
前記工程P
n(n≧2)の前に、前記採血試料S
nの採血時期より前に採血された同一個体由来の採血試料S
n-1のガレクチン−1の濃度を測定し測定値C
n-1[G1]を得る工程P
n-1と、前記採血試料S
n-1の採血時期より前に採血された同一個体由来の採血試料S
0のガレクチン−1の濃度を測定し測定値C
0[G1]を得る工程P
0とを含み、
前記個体が、前記工程P
0と工程P
n-1との間において少なくとも大腸がんに対する非外科的療法を受け、前記工程P
n-1と前記工程P
nとの間においても前記非外科的療法を引き続いて受けたものであり、
前記工程P
0における測定値C
0[G1]がガレクチン−1の閾値C
th[G1]を上回り、前記工程P
nにおいて前記測定値C
n[G1]と比較される前記基準値C
ref[G1]が、前記閾値C
th[G1]及び前記測定値C
n-1[G1]である、(14)に記載の方法。
【0037】
上記の方法における閾値としては、高い正診率を示す各ガレクチン−3及び/又はガレクチン−4の濃度値が選択される。好ましくは、下記の特異度を示すガレクチン濃度値が選択される。
(19)
前記閾値として、特異度が80%以上を示すガレクチン−3及び/又はガレクチン−4の濃度値が選択される、(5)〜(10)のいずれかに記載の方法。
【0038】
下記は、本発明の大腸がんマーカーと他の大腸がん病勢マーカーとを組み合わせる態様に向けられる。
(20)
前記工程P
nにおいて、他の大腸がん病勢マーカーの前記採血試料S
n中の濃度を測定し測定値C
n[other]を得て、前記測定値C
n[other]と、前記他の大腸がん病勢マーカーの基準値C
ref[other]とを比較することによって分析を行うことをさらに含む、(5)〜(9)のいずれかに記載の方法。
(21)
前記他の大腸がん病勢マーカーが、がん胎児性抗原(CEA)、及びCA19−9からなる群から選ばれる、(20)に記載の方法。
【0039】
下記は、ガレクチン−3及び/又はガレクチン−4の測定法を特定した態様に向けられる。
(22)
前記測定が、蛍光化合物及び/又は酵素タンパク質により標識された、ガレクチン−3抗体及びガレクチン−4抗体からなる群から選ばれる検出抗体を用いたイムノアッセイを用いて行われるものである、(4)〜(10)のいずれかに記載の方法。
上記方法において、前記酵素タンパク質は、ペルオキシダーゼ、アルカリフォスファターゼ、及びβ−ガラクトシダ−ゼからなる群から選ばれうる。
【0040】
上記の方法における閾値としては、高い正診率を示す各ガレクチン−1の濃度値が選択される。好ましくは、下記の特異度を示すガレクチン濃度値が選択される。
(23)
前記閾値として、特異度が80%以上を示すガレクチン−1の濃度値が選択される、(13)〜(18)のいずれかに記載の方法。
【0041】
下記は、本発明の大腸がんマーカーと他の大腸がん病勢マーカーとを組み合わせる態様に向けられる。
(24)
前記工程P
nにおいて、他の大腸がん病勢マーカーの前記採血試料S
n中の濃度を測定し測定値C
n[other]を得て、前記測定値C
n[other]と、前記他の大腸がん病勢マーカーの基準値C
ref[other]とを比較することによって分析を行うことをさらに含む、(14)〜(18)のいずれかに記載の方法。
(25)
前記他の大腸がん病勢マーカーが、がん胎児性抗原(CEA)、及びCA19−9からなる群から選ばれる、(24)に記載の方法。
【0042】
下記は、ガレクチン−1の測定法を特定した態様に向けられる。
(26)
前記測定が、蛍光化合物及び/又は酵素タンパク質により標識されたガレクチン−1抗体を検出抗体として用いたイムノアッセイを用いて行われるものである、(12)〜(21)のいずれかに記載の方法。
上記方法において、前記酵素タンパク質は、ペルオキシダーゼ、アルカリフォスファターゼ、及びβ−ガラクトシダ−ゼからなる群から選ばれうる。
【0043】
下記は、本発明の大腸がんマーカーを検出するためのキットに向けられる。
(27)
蛍光化合物及び/又は酵素タンパク質により標識されたガレクチン−1抗体、ガレクチン−3抗体及びガレクチン−4抗体からなる群から選ばれる検出抗体を含む、大腸がんマーカー検出キット。
(28)
前記酵素タンパク質が、ペルオキシダーゼ、アルカリフォスファターゼ及びβ−ガラクトシダ−ゼからなる群から選ばれる、(27)に記載のキット。