【文献】
Hyperbranched PEG by Random Copolymerization of Ethylene Oxide and Glycidol,Macromolecular Rapid Communication,2010年,vol31,20,P1811-1815
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
起泡抑制剤としての;整泡剤としての;起泡力増進剤としての;分散剤としての;乳化剤、特に乳化重合における乳化剤としての;湿潤剤、特に硬表面に対する湿潤剤としての;潤滑剤としての;固体を分散させるための、特にコンクリート希釈用セメントを分散させるための;水溶液を増粘させるための;医薬品のための担体又は充填物質としての;洗浄又は清浄目的の界面活性剤としての;硬表面の清浄のための界面活性剤としての;保湿剤としての;化粧製剤、医薬製剤又は作物保護製剤における;活性成分に対するアジュバント又は可溶化剤としての;塗料における;インクにおける;顔料製剤における;コーティング組成物における;粘着剤における;革脱脂組成物における;織物工業用、繊維加工用、水処理用又は飲料水の製造用製剤における;食品工業における;製紙業における;建築用助剤としての;冷却剤及び潤滑剤としての;発酵のための;金属精錬又は電気めっき部門などの選鉱又は金属加工における、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法により製造された重合体の使用。
【背景技術】
【0002】
グリセリンカーボネートは、広い応用分野のある基礎化学品であり、例えば、無水物と反応してエステル結合を形成でき、イソシアネートと反応してウレタン結合を形成できる。また、グリセリンカーボネートは、化粧品又は医薬における溶媒として用いられる。グリセリンカーボネート自体の、低有毒性、低蒸発速度、低可燃性及び保湿性により、グリセリンカーボネートは、化粧品材料の湿潤剤や、医学的に効果的な物質の担体溶媒に適している。また、グリセリンカーボネートは、重合体調製における出発物質として用いることもできる。グリセリンカーボネートの代わりに、エピクロロヒドリン、グリシドール又はグリセリンも重合体調製に用いることができ、出発物質として用いられるこれらのグリセリン誘導体により、それによって調製されるオリゴマー又は重合体の構造を変えることができる。
【0003】
US-A 5,041,688は、環状生成物の割合の少ないポリグリセリンの調製方法であって、リン酸などの酸の存在下においてグリセリンとエピクロロヒドリンとを反応させ、次いで長鎖カルボン酸によりエステル化を行う方法に関する。
【0004】
しかしながら、上記重合方法においては、低い縮合度、幅広い分子量分布、及び、グリセリンの縮合における高熱応力により引き起こされる生成物の黒い、タール状のコンシステンシーが問題となる。
【0005】
これらの問題は、DE-A 199 47 631及びEP-A 1785410に開示されるように、グリセリン又はエピクロロヒドリンの代わりに、グリシドールを用いることによって、少なくとも部分的には打開することができた。他方、グリシドール自身の発がん性及び高い不安定性のために、グリシドールの使用はさらなる問題と関係している。
【0006】
DE-A 199 47 631は、重合度1〜300、多分散性1.7未満、且つ約30%(
13C-NMR分光法により決定される)以下の分岐単位含有量を有する、グリシドールに基づくポリオールの製造方法に関する。上記関連方法では、グリシドールを希釈形態で含む溶液を、塩基性触媒とともに、水素活性出発化合物と反応させる。グリシドールに基づく重合体のさらなる調製方法としては、n-アルキル鎖が10〜20の長さを有する長鎖n-アルキルグリセリルエーテルアルコールの調製を可能とした方法がUS-A 4,298,764に記載されている。
【0007】
EP-A 1 785 410は、30個以下の炭素原子を有するアルコールとグリシドールとからの塩基性触媒作用によって調製される、非分岐ポリグリセリンモノエーテルに関する。上記方法で調製されるポリグリセリンモノエーテルは、グリセリン及び/又はグリシドールの構造ブロックに基づく少なくとも二つのフラグメントを含む。該ポリグリセリンモノエーテルは、少なくとも75%のモノエーテル部分と、5%以下のジエーテル部分とを有するものであり、上記特定の部分は、逆相高速液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)により決定される。
【0008】
グリシドール出発物質の代替として、グリセリンから容易に入手できるグリセリンカーボネート(4-(ヒドロキシメチル)-1,3-ジオキソラン-2-オン)が、塩基触媒重合によるオリゴグリセリンの合成のために提案されてきた。例えば、G. Rokickiら、Green Chemistry、2005、7、529〜539ページには、グリセリンカーボネートをモノマーとして用いて得られる超分岐脂肪族ポリエーテルの調製方法が開示されている。該超分岐脂肪族ポリエーテルは、さらに、二つの第一級ヒドロキシ基を有する末端単位を備えている。グリセリンカーボネートの開環重合は、アルコキシドを用いて塩基触媒作用により行われる。
【0009】
出発物質としてグリセリンカーボネートを用いた、両親媒性のグリセリン又はポリグリセリンモノアルキルエーテルの類似した調製方法が、JP-A 2000 1119 205又はJP-A 11 335 313に記載されている。一部の例では、炭素原子が24個以下のアルキル基を有する長鎖の出発アルコールを使用することもできる。
【0010】
WO 2010/012562は、再生可能資源から得られる環状カーボネートの重合の触媒プロセスに関する。環状カーボネートの環サイズは5〜7原子であり、開環重合は、トリフラートなどの金属塩とアルコールとを含む系の存在下で行われる。グリセリンカーボネートを環状カーボネートとして用いることもできる。上記方法において得られる重合体は、炭酸エステル構造ブロックを有し、すなわち、上記重合は、酸性触媒として働く金属塩の存在下において行われるので、CO
2の脱離を伴わずに起こる。
【0011】
DE-A 44 33 959は、アルキル及びアルキレンオリゴ配糖体グリセリンエーテルと、アニオン性、非イオン性、カチオン性及び/又は両性若しくは双性イオンの界面活性剤とを含む、改善した発泡挙動を備えた発泡洗浄剤混合物に関する。洗浄剤混合物中に存在するアルキル及び/又はアルケニルオリゴ配糖体グリセリンエーテルは、アルキル及び/若しくはアルケニルオリゴ配糖体とグリセリングリシン、グリセリンカーボネートとのエーテル化、又はグリセリン及び/若しくは工業銘柄のオリゴグリセリン混合物との直接エーテル化により生成する。類似のアルキル及び/又はアルケニルオリゴ配糖体グリセリンエーテルがDE-A 43 35 947に開示されている。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明において、C
1〜C
10-アルキルなどの定義は、例えば、上述の式(I)における基R
1に対する定義のように、この置換基(基)が、炭素原子数が1〜10個のアルキル基であることを意味する。該アルキル基は、直鎖又は分岐のいずれでもよく、また任意で環状でもよい。環状成分と直鎖成分の両方を有するアルキル基も同様に上記定義を満たす。このことは、例えば、C
1〜C
3-アルキル基又はC
1〜C
30-アルキル基などの他のアルキル基についても該当する。アルキル基は、任意で、アミノ、アミド、エーテル、ビニルエーテル、イソプレニル、ヒドロキシ、メルカプト、カルボキシ、ハロゲン、アリール又はヘテロアリールなどの官能基によって一置換又は多置換されていてもよい。特に断らない限り、アルキル基は、好ましくは、置換基として官能基を有しない。アルキル基の例としては、メチル、エチル、n-プロピル、sec-プロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、2-エチルヘキシル、第三級ブチル(tert-bu/t-Bu)、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、シクロヘキシル、オクチル、ノニル又はデシルが挙げられる。
【0023】
本発明において、C
2〜C
10-アルケニルなどの定義は、例えば、上述の式(I)における基R
1に対する定義のように、この置換基(基)が、炭素原子数が2〜10個のアルケニル基であることを意味する。該炭素基は、好ましくは一不飽和であるが、任意で二不飽和又は多不飽和とすることもできる。直鎖、分岐、環状部分及び任意の存在する置換基については、上述のC
1〜C
10-アルキル基についての定義と類似の詳細を適応することができる。好ましくは、本発明においては、C
2〜C
10-アルケニルは、ビニル、1-アリル、3-アリル、2-アリル、cis-又はtrans-2-ブテニル、ω-ブテニルである。
【0024】
本発明において、用語「アリール」は、例えば、上述の式(I)における基R
1に対する定義のように、該置換基(基)が芳香族であることを意味する。該芳香族は、単環式、二環式又は任意で多環式の芳香族であってよい。多環式芳香族の場合、個々の環は、任意で、完全に又は部分的に飽和したものでよい。アリールの好ましい例としては、フェニル、ナフチル又はアントラシルが挙げられ、特にフェニルが挙げられる。アリール基は、上述のC
1〜C
10-アルキルに関して定義したように、任意で、官能基により一置換又は多置換されたものであってもよい。
【0025】
本発明において、用語、アラルキルは、例えば、上述の式(I)における基R
1に対する定義のように、アルキル基(アルキレン)が、今度は、アリール基で置換されていることを意味する。該アルキル基は、例えば、上述のC
1〜C
10-アルキルについて上記に定義したとおりのものとしてよい。
【0026】
上記の式(I)において、基R
1は、一個(m=1)又は複数個(m=2又は3)存在してよい。ここで、該基R
1は、その個数に対応して、環状カーボネートの任意の所望の炭素原子上の1以上の水素原子を置き換えていてもよい。二つ以上の基R
1が存在する場合、これらの基は同一の炭素原子又は異なる炭素原子に結合していてよい。m=0の場合については、対応する環状カーボネートは非置換である。
【0027】
本発明は以下においてより詳細に示される。
【0028】
本発明は、第一に、
a)少なくとも一種のアルキレンオキシド又は式(I)の環状カーボネート、
【化2】
【0029】
(式中、
nは、1〜10であり、
mは、0〜3であり、
R
1は、C
1〜C
10-アルキル、C
2〜C
10-アルケニル、アリール又はアラルキルである)、
b)グリセリンカーボネート、
c)塩基の存在下の少なくとも一種のアルコール
の重合により調製される重合体を提供する。
【0030】
したがって、本発明の重合体は、上記において定義された成分a)から成分c)の重合により調製される。重合方法それ自体は当業者に公知のとおりであり、該方法は本発明の重合方法に関する下記の記載においてより詳細に定義される。
【0031】
成分a)としては、少なくとも一種のアルキレンオキシド又は上記において定義した式(I)の環状カーボネートが用いられる。成分a)としては、アルキレンオキシド及び/又は式(I)による環状カーボネートの二種以上の混合物も用いることができる。好ましくは、成分a)は、アルキレンオキシド又は式(I)による環状カーボネートを含む。
【0032】
アルキレンオキシドそれ自体、及び式(I)を満たす化合物も、原則として当業者に公知である。存在する場合、式(I)による基R
1は好ましくは非置換であり、特に非置換のC
1〜C
10-アルキルである。R
1は、特に好ましくはメチル、エチル又はプロピルである。好ましくはmは0又は1であり、特に、mは0である。好ましくはnは2又は3である。
【0033】
好ましくは、成分a)は、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1-ブテンオキシド、2-ブテンオキシド、1-ペンテンオキシド、スチレンオキシド、エピクロロヒドリン、グリシドール、エポキシプロピオン酸及びその塩、エポキシプロピオン酸アルキルエステル、1-ヘキセンオキシド、1-ヘプテンオキシド、1-オクテンオキシド、1-ノネンオキシド、1-デセンオキシド、1-ウンデセンオキシド、又は、1-ドデセンオキシドから選択されるモノマーを含むアルキレンオキシドである。さらに、成分a)は、エチレンカーボネート又はプロピレンカーボネートから選択される式(I)の環状カーボネートであることが好ましい。エポキシプロピオン酸アルキルエステルの例としては、対応するメチル又はエチルエステル及び高級エステルが挙げられる。
【0034】
成分a)は、特に好ましくは、少なくとも一種のアルキレンオキシドであり、特に、エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドである。
【0035】
グリセリンカーボネートは成分b)として用いられる。グリセリンカーボネート及びその調製方法は当業者に公知のものである。好ましくは、グリセリンカーボネートはグリセリンから製造される。
【0036】
成分c)として、少なくとも一種のアルコールを塩基の存在下で用いる。
【0037】
用いることができるアルコールは、従来の重合方法において出発物質として用いられているものであって、当業者に公知の全てのアルコールである。好ましくは、該アルコールは、一つのヒドロキシ基(OH基又はOH官能基)を含むが、任意で二つ以上のOH基を有するアルコールも用いることができ、また、第一級、第二級及び第三級OH基のアルコールも、個別に、又は互いに一緒に用いることができる。
【0038】
好ましくは、成分c)は、直鎖又は分岐の(C
1〜C
50-アルキル)-OH、アリルアルコール、イソプレノール及びn=1〜50であるイソプレノールアルコキシレート、C
1〜C
50-ゲルベ(Guerbet)アルコール、ヒドロキシブチルビニルエーテル、C
2H
3-(O-CH
2-CH
2)
n-OH(ここでnは1〜50)などのヒドロキシブチルビニルエーテルアルコキシレート、2-エチルヘキサノール、2-プロピルヘプタノール、シクロヘキサノール、フェノール、CH
3-(O-C
2H
4)
n-OH(ここでn=1〜50)、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール及び高級ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレングリコール、ポリプロピレンオキシド、高級ポリアルキレングリコール又はポリアルキレンオキシドから選択されるアルコールである。
【0039】
別の好ましいアルコールは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド及び高級アルキレンオキシドから選択されるランダム及びブロック状共重合体である。該共重合体は、好ましくは、アルキレンオキシドの3ブロック共重合体、好ましくは、例えば、商品名Pluronic(登録商標)(BASF SE、Ludwigshafen、ドイツ)で市販されている、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドの3ブロック共重合体である。
【0040】
別の好ましいアルコールは、分子量が250〜10000g/molのポリテトラヒドロフラン、アルキルフェノール、グリセリン、1,4-ブタンジオール、シクロヘキサノール、メルカプトエタノール、プロパルギルアルコール、3-ブチン-2-オール、2-メチル-3-ブチン-2-オール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、トリメチロールプロパンオキセタン、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,2-ペンタンジオール、2,5-ジメチル-2,5-ヘキサンジオール、2,2'-チオビスエタノール、3-ヘキシン-2,5-ジオール、2-ブテン-1,4-ジオール、2-ブチン-1,4-ジオール、ベンジルアルコール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、アルキルポリグリコシド又はアルケニルポリグリコシドである。
【0041】
上記式(C
1〜C
50-アルキル)-OHのアルコールの例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、n-ブタノール、オクタノール、C
18H
37-OH又はC
30H
61-OHが挙げられる。オキソアルコール及び脂肪族アルコールもまた、上記式(C
1〜C
50-アルキル)-OHのアルコールに該当する。オキソアルコールは、α-オレフィンを一酸化炭素と反応させて調製されるアルコールを意味するものと解される。オキソアルコールは、好ましくは、分岐しており、C
8〜C
15の炭素鎖長を有する。好ましいC
13-オキソアルコールは、商品名Tridecanol N(BASF SE)として市販されている。脂肪族アルコールは、好ましくは、非分岐の(C
8〜C
18-アルキル)アルコールであって、好ましくは2以上の脂肪族アルコールの混合物として用いられる。
【0042】
上記式C
2H
3-(O-CH
2-CH
2)
n-OHのアルコールは、ビニルエーテルアルコールとも称される。好ましくは、nは1〜50である。該アルコールは、飽和、又は一不飽和若しくは多不飽和でよく、また、直鎖又は分岐でもよい。
【0043】
アミンとアルキレンオキシド、特に、エチレンオキシド若しくはプロピレンオキシド及び/又は環状カーボネートの反応に由来するアルコールを用いることもできる。
【0044】
アルキルポリグリコシド及びアルキレンポリグリコシド自体は、当業者に公知のものである。好適なアルキルポリグリコシド又はアルキレンポリグリコシドは、例えば、DE-A 43 35 947やDE-A 44 33 959に記載されている。アルキル又はアルキレンポリグリコシドは、アルキル又はアルケニルオリゴグリコシドとも称される。アルキルポリグリコシドは、好ましくは、1〜22個の炭素原子を有するアルキル基、及び少なくとも一種の、5又は6個の炭素原子を有する糖基を含む。アルケニルポリグリコシドは、上記アルキルポリグリコシドと同様の構成であり、対応するアルケニル基が上記アルキル基の代わりに存在する。上記糖基は、好ましくは、5若しくは6個の炭素原子を有するアルドース又はケトースに由来し、好ましくはグルコースに由来する。
【0045】
好ましくは、一般式(A)のアルキルポリグリコシドが挙げられる。
【化3】
【0046】
一般式(A)のアルキルポリグリコシドにおいて、mは1〜10の値であり、nは1〜21の値である。
【0047】
特に好ましくは、成分c)は、アリルアルコール、イソプレノール、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2-エチルヘキサノール、2-プロピルヘプタノール、C
8〜C
15の炭素鎖長である直鎖又は分岐のオキソアルコール及びC
8〜C
18の炭素鎖長である脂肪族アルコール混合物から選択されるアルコールである。
【0048】
成分a)からc)は、互いに対して、いかなる所望の比で存在してもよい。本発明の一つの実施形態では、成分c)は、好ましくは0.1〜80重量%、特に0.2〜65重量%である(成分a)から成分c)の合計量基準)。
【0049】
本発明の重合体は、当業者に公知の重合方法により調製することができる。好ましくは、重合は、塩基開始重付加として行われ、及び/又は塩基を重合において用いる。したがって、塩基はそれ自体開始剤として用いられるか、又は、実際の反応の上流の脱プロトン化工程において、アルコールが塩基と反応してアルコラートが得られ、それが開始剤を構成する。本発明の重合体の調製に関する重合方法それ自体は、下記においてより詳細に記載される。
【0050】
重合方法に好適な塩基は当業者に公知であり、例えば、アルカリ金属、アルカリ金属水素化物、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属アルコラート、又はアルカリ土類金属、アルカリ土類金属水素化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ土類金属アルコラート、第三級及び複素芳香族アミンを該目的において用いることができる。
【0051】
当業者に公知の全ての化合物を、アルカリ金属水酸化物又はアルカリ土類金属水酸化物として用いることができる。好ましいアルカリ金属水酸化物は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム又は水酸化セシウムであり、好ましいアルカリ土類金属水酸化物は、水酸化マグネシウム又は水酸化カルシウムであり、好ましいアルカリ金属アルコラートは、ナトリウムメタノラート、ナトリウムt-ブチラート並びにカリウムメタノラート及びカリウムt-ブチラートである。好ましいアミンは、トリメチルアミン、N,N-ジメチルエタノールアミン、及びその他のN,N-ジメチル置換第三級アミン又はイミダゾール及びその誘導体である。
【0052】
好ましい塩基は、KOH、KOCH
3、KO(t-Bu)、KH、NaOH、NaO(t-Bu)、NaOCH
3、NaH、Na、K、トリメチルアミン、N,N-ジメチルエタノールアミン、N,N-ジメチルシクロヘキシルアミン及びN,N-ジメチル高級アルキルアミン、N,N-ジメチルアニリン、N,N-ジメチルベンジルアミン、N,N,N'N'-テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N',N",N"-ペンタメチルジエチレントリアミン、イミダゾール、N-メチルイミダゾール、2-メチルイミダゾール、2,2-ジメチルイミダゾール、4-メチルイミダゾール、2,4,5-トリメチルイミダゾール並びに2-エチル-4-メチルイミダゾールから選択される。N,N-ジメチル高級アルキルアミンは、アルキル置換基が六つを超える炭素原子を有するアミンの全てを指すものと解される。
【0053】
特に好ましい塩基は、KO(t-Bu)又はKOH(ここで、t-Buは第三級ブチル基である)である。
【0054】
塩基は、好ましくは0.05重量%〜20重量%の量で用いられ、好ましくは、塩基は0.1〜10重量%の量で用いられ、特に、0.1〜1重量%の量で用いられる(各々の場合において、重合体(生成物)の量基準)。
【0055】
本発明の好ましい実施形態では、塩基は溶解された状態で用いられる。使用できる溶媒は、対応する塩が溶解する当業者に公知の全ての溶媒である。好ましくは、塩基についての溶媒として、特にアルカリ金属水酸化物の場合において、水を用いるものが挙げられる。塩基は、好ましくは40〜60重量%の量で用いられる(塩基の溶媒を基準にして)。
【0056】
本発明の重合体は、好ましくは、ランダム共重合体、ブロック共重合体、櫛形重合体、マルチブロック共重合体又はグラジエント共重合体である。このことは、選択された重合条件によって、重合に供されるモノマー(上記に定義された成分a)から成分c))を異なる方法で本発明の重合体に重合により組み込むことができることを意味する。
【0057】
好ましくは、本発明の重合体は、1以上の下記式(II)から式(VI)によるフラグメントを含む:
【化4】
【0058】
(式中、A、B及びCは、互いに独立に成分a)から形成され、
Glyは、成分b)から形成され、
R
2は、成分c)のアルコールから形成される)。
【0059】
式(II)において、nとmとは、互いに独立に1〜1000の間の値であり、pは0〜1000の間の値である。Bが存在する場合、AとBとは、成分a)の異なるモノマーから形成されることが好ましい。
【0060】
式(III)において、n、m、p及びqは、互いに独立に1〜1000の間の値である。
【0061】
式(IV)において、n、m及びpは、互いに独立に1〜1000の間の値である。
【0062】
式(V)において、n、m、p、v及びyは、互いに独立に1〜1000の間の値であり、q、s、t、u、w及びxは、互いに独立に0〜1000の間の値である。
【0063】
式(VI)において、mとnとは、互いに独立に1〜1000の値である。
【0064】
完全を期すために、本発明の重合体は、同じ式の二つ以上の前述のフラグメントを含むものであってもよいことを記載しておく。それゆえ、本発明の重合体が、式(II)のフラグメント二つと、例えば式(III)のフラグメント一つとを含むことが考えられる。個々のフラグメントにおいては、A又はBなどの可変物は異なる意味を有することができる。式(II)から式(VI)のフラグメントは、例えば、ランダム共重合体、ブロック共重合体又は本発明に定義される他の重合体配列の配列とすることができる。例えば、エチレンオキシドを成分a)として用い、グリセリンカーボネートを成分b)として用いる場合、式(II)におけるA及びBの可変物は同じ意味(エチレンオキシドの重合生成物)を有する。例えば、二つの異なる成分a)として、エチレンオキシドとプロピレンカーボネートとを用いて重合する場合、式(II)におけるA及びBの可変物は、例えば、異なる意味を有する。一方の可変物は重合されたエチレンオキシドを表し、他方の可変物は重合されたポリプロピレンカーボネートを表すことになる。
【0065】
本発明の重合体におけるフラグメントの具体例としては、以下のものも挙げられる。
【0066】
(EO)
n-(Gly)
3-(EO)
n (グリセリンブロック)
(EO)
n/2-(Gly)
1-(EO)
n/2-(Gly)
1-(EO)
n/2 (ランダムに分布したグリセリン)
これらの例において、EOは重合されたエチレンオキシドであり、Glyは重合されたグリセリンカーボネートを意味する。
【0067】
1以上の式(II)のフラグメントを含む好ましい重合体は、成分a)としての、エチレンオキシドとプロピレンオキシド又はエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートに基づく重合体である。特に好ましいのは、1以上の式(II)のフラグメントを含む重合体、又は、成分a)としてのエチレンオキシド若しくはエチレンカーボネートに基づく重合体である。特により好ましいのは、成分a)としてのエチレンカーボネートに基づく重合体である。これらの(共)重合体は、好ましくは、ランダム共重合体、ブロック重合体、マルチブロック共重合体又はグラジエント共重合体として存在してよい。好ましくは、式(II)によるフラグメントの全ての成分が同一の桁内で存在し、すなわち、A、Gly及びBのモル比が、約1:0.5:0から1:1:1を経由し0:0.5:1である。
【0068】
1以上の式(III)のフラグメントを含む好ましい重合体は、エチレンオキシド及び/若しくはプロピレンオキシド、又はエチレンカーボネート及び/若しくはプロピレンカーボネートに基づく共重合体、特に好ましくは、エチレンオキシド又はエチレンカーボネート、特により好ましくはエチレンオキシドに基づく共重合体であり、それらはグリセリンカーボネート由来の単位の割合が比較的少ない。ここで、好ましいのは、ブロック重合体、櫛形重合体又はランダム重合体である。式(III)のフラグメントを含む重合体の分岐度の増加は、さらなるアルコキシル化工程を経て実施できる。
【0069】
1以上の式(IV)又は式(VI)によるフラグメントを含む好ましい重合体は、好ましくは、プロピレンオキシド、エチレンオキシド、プロピレンカーボネート及び/又はエチレンカーボネートに基づくブロック状又はランダム重合体として存在できる。1以上の式(IV)又は式(VI)によるフラグメントを含む重合体は、特に好ましくは、好ましくはエチレンオキシド及び/又はエチレンカーボネートに基づくブロック状又はランダム重合体として存在できる。1以上の式(IV)又は式(VI)によるフラグメントを含む重合体は、特により好ましくは、好ましくはエチレンオキシドに基づくブロック状又はランダム重合体として存在できる。用いられるアルコール(成分c))由来の基R
2は、好ましくはC
1〜C
50-アルキル基である。さらに、基R
2は、一不飽和若しくは多不飽和、脂肪族、芳香族、芳香脂肪族、又は分岐でよく、あるいはヘテロ原子を含んでよい。
【0070】
1以上の式(V)によるフラグメントを含む好ましい重合体は、好ましくはプロピレンオキシド、エチレンオキシド、プロピレンカーボネート及び/又はエチレンカーボネートに基づくブロック状若しくはランダム重合体又は櫛形若しくはグラジエント重合体として存在できる。1以上の式(V)によるフラグメントを含む重合体は、特に好ましくは、好ましくはエチレンオキシド及び/又はエチレンカーボネートに基づくブロック状若しくはランダム重合体又は櫛形若しくはグラジエント重合体として存在できる。1以上の式(V)によるフラグメントを含む重合体は、特により好ましくは、好ましくはエチレンオキシドに基づくブロック状若しくはランダム重合体又は櫛形若しくはグラジエント重合体として存在できる。
【0071】
本発明の一つの実施形態では、本発明により調製される重合体は、
a)エチレンオキシド、プロピレンオキシド、エチレンカーボネート及びプロピレンカーボネートから選択される少なくとも一種のモノマー、
b)グリセリンカーボネート、
c)アルコールが、アリルアルコール、イソプレノール、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2-エチルヘキサノール、2-プロピルヘプタノール、C
8〜C
15の炭素鎖長である直鎖又は分岐のオキソアルコール及びC
8〜C
18の炭素鎖長である脂肪族アルコール混合物から選択される、塩基の存在下の少なくとも一種のアルコール
の重合により得られる。
【0072】
塩基は、好ましくはKO(t-Bu)又はKOHである。
【0073】
本発明はさらに、上記に定義された重合体の調製方法を提供する。本発明の方法では、成分a)から成分c)が重合に供される。それぞれの成分a)から成分c)は、個別に又は共に重合に供され、また、それら全部を、又は段階的に重合に供することができる。
【0074】
本発明の方法は、当業者に公知の重合方法の温度範囲において行われ、好ましくは、昇温下、例えば、80〜220℃において行われる。
【0075】
本発明の方法は、環状カーボネート(成分a)として)を反応させる場合、好ましくは昇温下、より好ましくは150℃〜220℃、特に好ましくは160〜210℃において行われる。
【0076】
本発明の方法は、アルキレンオキシド(成分a)として)を反応させる場合、好ましくは昇温下、より好ましくは80℃〜220℃、特に好ましくは120℃〜205℃において行われる。
【0077】
本発明の方法は、溶媒の存在下で行ってもよい。用いることができる溶媒は、重合方法を実施するための当業者に公知の全ての溶媒である。好ましい溶媒は、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン(THF)又はジオキサンである。好ましくは、溶媒は、成分a)から成分c)の全量を基準として、20〜90重量%、特に30〜70重量%の量で用いる。
【0078】
好ましくは、本発明の方法において重合は、塩基開始重付加として、及び/又はCO
2放出を伴って行われる。
【0079】
さらに、本発明の方法において、系中に存在する水を除去する、特に完全に除去することが好ましい。水は、例えば蒸留により除去できる。好ましくは、水は重合前に除去される。除去される水は、好ましくは、塩基について溶媒として用いられる水、又はアルコールの脱プロトン化において塩基により放出される水である。
【0080】
さらに、本発明の方法は、下記の工程、
a)塩基によりアルコール(成分c))を前もって脱プロトン化する工程、
b)任意で、脱水及び/又はアルコラート塩基由来のアルコールを蒸留する工程、
c)他のモノマー(成分a)及び成分b))を計量添加する工程、
d)定圧まで、不活性ガス下において反応混合物を撹拌する工程、
e)重合が完了したときに、酸性イオン交換体又は酸、好ましくはリン酸による処理により生成物を中和する工程
を含むように実施されることが好ましい。
【0081】
第三級アルコラート(例えばKO(t-Bu))を塩基として用いる場合、上記の工程b)を行う必要はない。工程c)の他のモノマーの計量添加は、一緒に又は連続して行うことができる。また、個々のモノマーを添加してもよく、又はいくつかのモノマーを二つ以上の部分的な量にて添加してもよい。工程e)の中和においては、酸性イオン交換体としてAmbosolが好ましく用いられる。
【0082】
本発明はまた、起泡抑制剤としての;整泡剤としての;起泡力増進剤としての;分散剤としての;乳化剤、特に乳化重合における乳化剤としての;湿潤剤、特に硬表面に対する湿潤剤としての;潤滑剤としての;固体を分散させるための、特にコンクリート希釈用セメントを分散させるための;水溶液を増粘させるための;医薬品のための担体又は充填物質としての;洗浄又は清浄目的の界面活性剤としての;硬表面の清浄のための界面活性剤としての;保湿剤としての;化粧製剤、医薬製剤又は作物保護製剤における;活性成分に対するアジュバント又は可溶化剤としての;塗料における;インクにおける;顔料製剤における;コーティング組成物における;粘着剤における;革脱脂組成物における;織物工業用、繊維加工用、水処理用又は飲料水の製造用製剤における;食品工業における;製紙業における;建築用助剤としての;冷却剤及び潤滑剤としての;発酵のための;金属精錬又は電気めっき部門などの選鉱又は金属加工における、上記において定義された本発明の重合体の使用を提供する。本発明によれば、界面活性剤は、非イオン性又はイオン性であり得る。
【0083】
本発明は実施例を参照することにより、以下に示される。
【実施例】
【0084】
実施例1
デカノール80gを、50%の濃度の水酸化カリウム水溶液16gとともに、100℃、20ミリバールで4時間撹拌する。次いで、該反応溶液を窒素下で160℃まで加熱し、エチレンカーボネート220gとグリセリンカーボネート121gとの混合物を、8.5時間かけてゆっくりと滴加する。計量添加の後に、該混合物を160℃でさらに1時間撹拌する。反応終点は、気体発生の減少により視覚的に観察することができる。
【0085】
上記操作により、IRにおいてカルボニル基の存在を示すシグナルを全く示さない透明な、粘稠液が得られる。得られた重合体のOH価は、355mgKOH/gである。
【0086】
実施例2
実施例1で得られた重合体108gを、反応器中、窒素下で不活性化し、初期圧を3バールとしてから、混合物を撹拌しながら120℃まで加熱する。次いで、エチレンオキシド132gを4時間かけて計量添加し、該計量添加に続いて、同じ温度で6時間、後撹拌する。次に、該反応溶液を窒素でフラッシュし、80℃及びウォータージェット真空下で2時間脱気する。
【0087】
上記操作により、OH価が158mgKOH/gの粘性のある透明な油が得られる。
【0088】
実施例3
実施例1で得られた重合体108gを、反応器中、窒素下で不活性化し、初期圧を3.6バールとしてから、混合物を撹拌しながら130℃まで加熱する。次いで、プロピレンオキシド174gを4時間かけて計量添加し、該計量添加に続いて、同じ温度で6時間、混合物を後撹拌する。次に、該反応溶液を窒素でフラッシュし、80℃及びウォータージェット真空下で2時間脱気する。
【0089】
上記操作により、OH価が142mgKOH/gの粘性のある透明な油が得られる。
【0090】
実施例4
(前駆体)
エチレングリコール47gと50%の濃度の水酸化カリウム水溶液28gとを80℃、20ミリバールで4時間撹拌する。次いで、該反応溶液を窒素下で170℃まで加熱し、グリセリンカーボネート362gを12.5時間かけて計量添加する。計量添加に続いて、該混合物を170℃でさらに2.5時間撹拌する。反応終点は、気体発生の減少により視覚的に観察することができる。
【0091】
上記操作により、IRにおいてカルボニル基の存在を示すシグナルを全く示さない透明で非常に粘性のある液体が得られる。得られた重合体のOH価は906mgKOH/gである。
【0092】
実施例5
実施例4で得られた重合体111gを、反応器中、窒素下で不活性化し、初期圧を2.6バールとしてから、混合物を撹拌しながら120℃まで加熱する。次いで、エチレンオキシド264gを5時間かけて計量添加し、該計量添加に続いて、同じ温度で7時間、混合物を後撹拌する。次に、該反応溶液を窒素でフラッシュし、80℃及びウォータージェット真空下で2時間脱気する。
【0093】
上記操作により、OH価が258mgKOH/gの粘性のある透明な油が得られる。
【0094】
実施例6
実施例4で得られた重合体111gを、反応器中、窒素下で不活性化し、初期圧を2.9バールとしてから、混合物を撹拌しながら130℃まで加熱する。次いで、プロピレンオキシド348gを7時間かけて計量添加し、該計量添加に続いて、同じ温度で7時間、混合物を後撹拌する。次に、該反応溶液を、窒素でフラッシュし、80℃及びウォータージェット真空下で2時間脱気する。
【0095】
上記操作により、OH価が218mgKOH/gの粘性のある透明な油が得られる。
【0096】
実施例7
(前駆体)
カリウムt-ブチラート1.6gとともに、無水エタノール138gを初期投入物として反応器に導入し、窒素下(5バール初期圧)、撹拌下で120℃まで加熱する。エチレンオキシド660gを、1.5時間かけて計量添加し、該計量添加に続いて、120℃で6時間、混合物を後撹拌する。該反応溶液を、窒素でフラッシュし、80℃及びウォータージェット真空下で2時間脱気する。
【0097】
上記操作により、OH価が189mgKOH/gの透明な液体が得られる。
【0098】
実施例8
実施例7で得られた重合体133gを、反応器中で窒素下、160℃まで加熱し、グリセリンカーボネート121gを90分かけて計量添加する。該計量添加に続いて、160℃で6時間、混合物をさらに撹拌する。反応終点は、気体発生の減少により視覚的に観察することができる。
【0099】
上記操作により、IRにおいてカルボニル基の存在を示すシグナルを全く示さない透明な油が得られる。得られた重合体のOH価は403mgKOH/gである。
【0100】
実施例9
実施例8で得られた重合体83gを、反応器中で窒素下(初期圧5バール)、120℃まで加熱する。エチレンオキシド132gを3.5時間かけて計量添加し、該計量添加に続いて、120℃で6時間、混合物を後撹拌する。該反応溶液を窒素でフラッシュし、80℃及びウォータージェット真空下で2時間脱気する。
【0101】
上記操作により、OH価が157mgKOH/gの透明な油が得られる。
【0102】
実施例10
実施例8で得られた重合体75gを、反応器中で窒素下(初期圧5バール)、130℃まで加熱する。プロピレンオキシド157gを3.5時間かけて計量添加し、該計量添加に続いて、120℃で6時間、混合物を後撹拌する。次いで、該反応溶液を窒素でフラッシュし、80℃及びウォータージェット真空下で2時間脱気する。
【0103】
上記操作により、OH価が136mgKOH/gの透明な油が得られる。
【0104】
実施例11
カリウムt-ブチラート2.06gとともに、デカノール79.2gを初期投入物として反応器に導入し、窒素下(初期圧5バール)、撹拌下で170℃まで加熱する。エチレンオキシド84g及びグリセリンカーボネート60.3gを、80分かけて一緒に計量添加し、該計量添加に続いて、170℃で17時間、該混合物を後撹拌する。次いで、該反応溶液を窒素でフラッシュし、80℃及びウォータージェット真空下で2時間脱気する。
【0105】
上記操作により、赤外線(IR)においてカルボニル基の存在を示すシグナルを全く示さない、分子量460g/mol(重量平均、GPC、ポリスチレン標準)である透明な、粘稠液が得られる。