特許第5910799号(P5910799)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5910799床材用活性エネルギー線硬化性組成物の硬化方法、及びその硬化方法を用いた硬化装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5910799
(24)【登録日】2016年4月8日
(45)【発行日】2016年4月27日
(54)【発明の名称】床材用活性エネルギー線硬化性組成物の硬化方法、及びその硬化方法を用いた硬化装置
(51)【国際特許分類】
   E04F 15/12 20060101AFI20160414BHJP
   C08F 2/50 20060101ALI20160414BHJP
   C08F 2/00 20060101ALI20160414BHJP
   C08J 7/04 20060101ALI20160414BHJP
   C08F 290/06 20060101ALI20160414BHJP
【FI】
   E04F15/12 C
   C08F2/50
   C08F2/00 C
   C08J7/04CEY
   C08F290/06
【請求項の数】4
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2015-545223(P2015-545223)
(86)(22)【出願日】2015年2月3日
(86)【国際出願番号】JP2015052929
(87)【国際公開番号】WO2015119096
(87)【国際公開日】20150813
【審査請求日】2015年9月10日
(31)【優先権主張番号】特願2014-23293(P2014-23293)
(32)【優先日】2014年2月10日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002886
【氏名又は名称】DIC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124970
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 通洋
(72)【発明者】
【氏名】川合 一成
(72)【発明者】
【氏名】草野 晋吾
(72)【発明者】
【氏名】村上 和夫
【審査官】 津熊 哲朗
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−129937(JP,A)
【文献】 特開昭59−059270(JP,A)
【文献】 特開2013−228723(JP,A)
【文献】 特開2010−064261(JP,A)
【文献】 特開2010−197540(JP,A)
【文献】 特開2006−173592(JP,A)
【文献】 特開2008−090067(JP,A)
【文献】 特開2011−245698(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 15/12
C08F 2/00
C08F 2/50
C08F 290/06
C08J 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エチレン性二重結合を有する活性エネルギー線重合性化合物(A)と光重合開始剤(B)を含有する床材用活性エネルギー線硬化性組成物の硬化方法であって、
硬化に使用する光源が発光波長の異なる光源を2種以上組み合わせたものであり、
床材がポリ塩化ビニル樹脂を含むものであり、
前記活性エネルギー線重合性化合物(A)が下記(a)、(b)であり、
光重合開始剤(B)が下記(c)を含有することを特徴とする床材用活性エネルギー線硬化性組成物の硬化方法。
(a)ウレタンオリゴマー
(b)多官能アクリレート
(c)アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤

但し、前記発光波長の異なる光源を2種以上とは、UV−LEDによる工程(工程1)、紫外線ランプ又はUV−LEDを照射する工程(工程2)からなり、UV−LEDの発光ピーク波長350〜420nm、積算光量が5〜200mJ/cm、照射強度が500mW/cm以上である。
【請求項2】
更に、(d)α−アミノアルキルフェノン系光重合開始剤を含有する請求項1に記載の床材用活性エネルギー線硬化性組成物の硬化方法。
【請求項3】
更に、(e)光重合開始剤として、α−ヒドロキシケトン系光重合開始剤、メチルベンゾイルホルマート、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン、1-[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、及び2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンからなる群から選ばれる少なくとも1種類の光重合開始剤を含有する請求項1に記載の床材用活性エネルギー線硬化性組成物の硬化方法。
【請求項4】
請求項1〜の何れか1つに記載の硬化方法を用いた床材用活性エネルギー線硬化性組成物の硬化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紫外線光源として発光ダイオード(LED)及び紫外線ランプを併用した床材用活性エネルギー線硬化性塗膜の硬化方法、及びその硬化方法を用いた硬化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
紫外線硬化型印刷物の製造には、光源として低圧、高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ等の紫外線ランプが硬化システムとして広く用いられてきた。
【0003】
近年、これら紫外線ランプに変わる硬化システムとして、発光ダイオード(LED)を光源とした紫外線装置が開発され(例えば、特許文献1参照)、インクジェット方式等の印刷分野において、LED光源に対応する印刷物の製造方法、それに用いるインキ組成が検討されてきた(例えば、特許文献2および特許文献3参照)。UV−LED光源は既存の紫外線ランプ方式と比較して光源寿命が長く、省エネルギー性において大きく優れていることから、UV−LED光源の実用化は多岐にわたる業界各社から強く要望されるものである。
【0004】
一方、UV−LED光源の短所として、ランプ光源と比較して、活性エネルギー線硬化性組成物の皮膜乾燥性(硬化性)が大きく劣る点が挙げられ、本方式が広まらない障害と成っている。原因として、現在のところ、試験用にはより短波長のダイオードも存在するものの、実用のUV−LED光源は発光波長域が365〜420nmに限られており、広域波長の紫外線を発する従来からのUVランプ光源と比較して紫外線エネルギーの総量が小さく、光重合開始剤から生成するラジカルの発生量が少ない為に、重合反応が酸素阻害の影響を受けやすいことが挙げられる。また、相対的に短波長領域の活性エネルギー線量が不足することから、UV−LED光源からの活性エネルギー線照射により得られた活性エネルギー線硬化性組成物は、一般に皮膜表面の硬化性が劣る傾向が確認されている。
【0005】
また床剤用活性エネルギー線硬化性組成物の硬化が劣る理由として、UV−LEDと好適に反応する光重合開始剤の多くが、反応時に黄変を呈する傾向を有しており、顔料を含む着色活性エネルギー線硬化性組成物では黄変の影響は大きな問題とはならないが、無色透明の床剤用活性エネルギー線硬化性組成物では塗膜の黄変が顕著に現れてしまう為、実用可能な範囲に黄変を抑える為には、光重合開始剤の種別、使用量が大幅に制限されてしまうことが挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−153193号公報
【特許文献2】特開2006−176734号公報
【特許文献3】特開2006−206875号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、350〜420nmにピーク波長を有するUV−LED光源で活性エネルギー線を照射することにより、充分な硬化性を有し堅牢な物理的特性を得るための床材用活性エネルギー線硬化性組成物の硬化方法を提供することにある。また前記床材用活性エネルギー線硬化性組成物の硬化方法を用いた硬化装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題の解決手段として、特定の活性エネルギー線硬化性組成物に、2種以上の光源を照射して得られた塗膜が上記課題を解決するのに格別な効果を奏する事を見出し、本発明を完成させた。
【0009】
即ち本発明は、エチレン性二重結合を有する活性エネルギー線重合性化合物(A)と光重合開始剤(B)を含有する床材用活性エネルギー線硬化性組成物の硬化方法であって、硬化に使用する光源が発光波長の異なる光源を2種以上組み合わせたものである床材用活性エネルギー線硬化性組成物の硬化方法を提供する。
【0010】
また本発明は、床材用活性エネルギー線硬化性組成物の硬化に使用する光源が半導体素子である床材用活性エネルギー線硬化性組成物の硬化方法を提供する。
【0011】
また本発明は、前記半導体素子がUV−LEDである床材用活性エネルギー線硬化性組成物の硬化方法を提供する。
【0012】
更に本発明は、基材上に塗布した活性エネルギー線硬化性組成物をUV−LEDで照射する工程(工程1)、紫外線ランプ又はUV−LEDを照射する工程(工程2)を有する床材用活性エネルギー線硬化性組成物の硬化方法を提供する。
【0013】
更に本発明は、活性エネルギー線重合性化合物(A)が下記(a)、(b)であり、光重合開始剤(B)が下記(c)を含有する床材用活性エネルギー線硬化性組成物の硬化方法を提供する。
(a)ウレタンオリゴマー
(b)多官能アクリレート
(c)アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤
【0014】
更に本発明は、(d)α−アミノアルキルフェノン系光重合開始剤を含有する床材用活性エネルギー線硬化性組成物の硬化方法を提供する。
【0015】
更に本発明は、(e)光重合開始剤として、α−ヒドロキシケトン系光重合開始剤、メチルベンゾイルホルマート、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン、1-[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンからなる群から選ばれる少なくとも1種類の光重合開始剤を含有する床材用活性エネルギー線硬化性組成物の硬化方法を提供する。
【0016】
更に本発明は、前記硬化方法を用いた床材用活性エネルギー線硬化性組成物の硬化装置をも提供する。
【0017】
更に本発明は、硬化装置で床材用活性エネルギー線硬化性組成物を硬化させて得られる床材をも提供する。
【発明の効果】
【0018】
本発明により、硬化に使用する光源が発光波長の異なる光源を2種以上組み合わせて活性エネルギー線を照射することにより、従来からのUVランプ光源による硬化の場合と同等またはそれ以上の、充分な硬化性を有した床材用活性エネルギー線硬化性組成物の硬化方法とその硬化方法を用いた硬化装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の床材用活性エネルギー線硬化性組成物を塗工基材に塗布した後、活性エネルギー線を照射する(工程1)、(工程2)共にUV−LED照射とする施工方法の見取り図である。
図2】本発明の床材用活性エネルギー線硬化性組成物を塗工基材に塗布した後、活性エネルギー線を照射する(工程1)をUV−LED照射で、(工程2)をUVランプ照射とする施工方法の見取り図である。
図3】本発明の床材用活性エネルギー線硬化性組成物を塗工基材に塗布した後、活性エネルギー線を照射する(工程1)、(工程2)共にUV−LED照射機能を搭載した可動式活性エネルギー線照射装置の見取り図である。
図4】本発明の床材用活性エネルギー線硬化性組成物を塗工基材に塗布した後、活性エネルギー線を照射する(工程1)をUV−LEDを、(工程2)に紫外線ランプであるメタルハライドを搭載した可動式活性エネルギー線照射装置の見取り図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の硬化方法は、木質床材またはプラスチック系フロアタイル(Pタイル)に公知慣用の塗工手段で床材用活性エネルギー線硬化性組成物を塗布後、床材用活性エネルギー線硬化性組成物をUV−LEDで照射する工程(工程1)、紫外線ランプ、UV−LEDを照射する工程(工程2)を有する床材用活性エネルギー線硬化性組成物の硬化方法を提供する。
【0021】
すなわち、本発明の床材用活性エネルギー線硬化性組成物の硬化方法は、床材である木質床材やPタイルに塗布後、発光ピーク波長350〜420nm、発光ダイオード(LED)による紫外線積算光量が5〜100mJ/cm、照射強度が500mW/cm以上の発光ダイオード(LED)で紫外線を照射する(工程1)及び、紫外線ランプによる紫外線積算光量が10〜100mJ/cmまたは工程1のUV−LEDとは異なる発光波長のUV−LEDまたは紫外線ランプにより活性エネルギー線を照射する(工程2)を有する。
尚、本発明は本例に限定されるものではない。
【0022】
(塗布方法)
また前記床材用活性エネルギー線硬化性組成物の硬化方法では、各種インキやコーティング用途としても使用することができる。コーティング方法としては、たとえばロールコーター、グラビアコーター、フレキソコーター、エアドクターコーター、ブレードコーター、エアナイフコーター、スクイズコーター、含浸コーター、トランスファロールコーター、キスコーター、カーテンコーター、キャストコーター、スプレイコーター、ダイコーター、オフセット印刷機、スクリーン印刷機等の公知手段を適宜採用することができる。また建築済みのフロアに用いる場合、床材用活性エネルギー線硬化性組成物の塗布方法はローラーや刷毛等を用いて塗布される。
【0023】
(木質基材)
本発明の硬化方法に用いる木質基材は特に限定されないが、ラワン等の南洋材を貼り合わせただけの普通合板や、針葉樹を貼り合わせた針葉樹合板でナラ・カバ・メープル・ウォールナット・ビーチ等薄単板、紙・フィルム等を表面に貼り合わせた合板が用いられる。このような木質基材には通常、表面保護及び意匠性向上のために、下塗り層、中塗り層、上塗り層と、各種の活性エネルギー線硬化性組成物が塗工されている。
【0024】
(Pタイル基材)
本発明の硬化方法に用いるフロアタイルはプラスチック系の床材でタイル状に成型されているものである。プラスチック系の床材で、タイルのように薄い板状に成形されているものがPタイル(プラスチックタイル)である。Pタイルは、ポリ塩化ビニル系樹脂の硬質タイプで大きさが30センチ四方くらいのものが多く、耐水性,耐磨耗性,耐久性にすぐれ、汚れにくいのが特長で、ポリ塩化ビニル系樹脂の配合率を変えることにより、コンポジションビニル床タイルとホモジニアスビニル床パネルに大別される。コンポジションビニル床タイルは、塩化ビニル樹脂の配合率が30%未満のタイルで、一般にオフィス、商業施設、学校など土足で歩き回るさまざまな場所で使用されていている。一方、ホモジニアスビニル床タイルは、塩化ビニル樹脂の配合率が30%以上のタイルである。
【0025】
(UV−LED)
活性エネルギー線照射装置の活性エネルギー線源として用いるUV−LEDとしては、特に制限はなく、従来公知の装置を使用することができる。UV−LEDを使用した発生エネルギー線は、水銀灯を使用した場合と比べ、エネルギー線の発生効率がはるかに優れている。従って、一定の有効エネルギー線量(塗膜の硬化に寄与するエネルギー線量)を照射するために、UV−LEDを使用したエネルギー線照射装置は、水銀灯を使用した装置と比較して、大幅に小型化が可能である。特に上述のような移動式のエネルギー線照射装置において、UV−LEDを用いる場合には、小型化が可能になることにより、さらに容易に移動可能な照射装置を作製することができる。また、均一に塗膜を硬化するためには、エネルギー線照射時に照射可能な照射面において、照射線量が均一であることが重要である。このため、水銀灯では、各種の高価なミラー(反射板)を使用することが行われるが、UV−LEDでは、小さなUV−LEDを多数設置するだけでよいので、エネルギー線照射線量の均一なエネルギー線照射部を設計することが可能である。このようなUV−LEDを使用すれば、安価で、大幅に軽量化されて容易に移動可能な活性エネルギー線照射装置を作製することができる。さらに、上述のように水銀灯はエネルギー線の発生効率がよくないので、エネルギー線照射効率を上げるために塗膜面に近づけたランプが破損することが起こるが、UV−LEDでは、その構造上、破損しやすいガラス部のまわりは容易に他の保護部材で保護可能である。
【0026】
加えて、360nm以下の発光ピーク波長を有するUV−LEDは寿命が短く、高価であることから一般的ではないが、今後更なるUV−LEDの短波長化が実現すれば365nmの発光ピーク波長では硬化性が低い光重合開始剤を使用する事ができる。
【0027】
尚、工程1と工程2の光源がUV−LEDである場合は発光ピーク波長の異なるUV−LEDを用いて硬化効率を上げる必要がある。
【0028】
本発明の硬化方法において使用可能なUV−LEDの具体例としては、浜松ホトニクス社製リニア照射型UV−LEDユニット「LC−L5 LIGHTNING CUREL11403−1112」(365nm、1.3W/cm)、浜松ホトニクス社製リニア照射型UV−LEDユニット「LC−L5 LIGHTNING CUREL11403−2112」(385nm、1.5W/cm)、Phoseon TECHNOLOGY社製水冷式UV−LEDユニット「Fire Power」(365nm、8W/cmまたは395nm、8W/cm)等が挙げられる。
【0029】
(紫外線ランプ)
本発明の床材用活性エネルギー線硬化性組成物の硬化方法では、活性エネルギー線、好ましくは紫外線等の光照射をすることにより硬化反応を行う。紫外線等の光源としては、通常UV硬化性コーティング剤に使用する光源、例えばメタルハライドランプ、キセノンランプ、カーボンアーク灯、ケミカルランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ等であれば問題なく硬化させることができる。例えばFusion System社製のHランプ、Dランプ、Vランプ等の市販されているものを用いることができる。
【0030】
本発明の床材用活性エネルギー線硬化性組成物の硬化方法として、塗工基材に塗布した後、活性エネルギー線を照射する(工程1)、(工程2)共にUV−LED照射とする施工方法を図1に示す。対象基材はベルトコンベアを介して公知慣用の塗工機に搬送され、5〜30μmで床材用活性エネルギー線硬化性組成物を塗布される。活性エネルギー線照射ユニット1には発光ピーク波長350〜420nmのUV−LEDを用い、積算光量が5〜100mJ/cm、照射強度が500mW/cm以上の条件で硬化させる。
【0031】
工程1で硬化した床材用活性エネルギー線硬化性組成物の硬化を更に促進するための工程2では対象基材はベルトコンベアを介して公知慣用の塗工機に搬送され、活性エネルギー線照射ユニット2には発光ピーク波長350〜420nmのUV−LEDを用い、積算光量が5〜200mJ/cm、照射強度が500mW/cm以上の条件で硬化させる。この時、工程1で用いるUV−LEDと工程2で用いるUV−LEDとでは発光ピーク波長の異なるUV−LEDを用いねばならない。また、図1の照射工程である(工程2)について、UV−LEDの代わりに紫外線ランプを採用した施工方法を図2に示す。

【0032】
本発明の床材用活性エネルギー線硬化性組成物の硬化方法に用いる床材用活性エネルギー線硬化性組成物としては、エチレン性二重結合を有する活性エネルギー線重合性化合物(A)を必須成分とする。具体例としては、下記のような活性エネルギー線重合性化合物を挙げることができる。
【0033】
〔エチレン性二重結合を有する活性エネルギー線重合性化合物(A)〕
本発明の塗工方法で使用するエチレン性二重結合を有する活性エネルギー線重合性化合物(A)としては、通常活性エネルギー線硬化性組成物に使用される公知の(メタ)アクリルモノマーおよび/または(メタ)アクリルオリゴマーから任意に選んで用いることができる。なお本発明において「(メタ)アクリル」とはアクリルとメタクリルとを総称したものである。
(メタ)アクリルモノマーとしては、例えばアクリル酸やメタクリル酸などの不飽和カルボン酸又はそのエステル、例えばアルキル−、シクロアルキル−、ハロゲン化アルキル−、アルコキシアルキル−、ヒドロキシアルキル−、アミノアルキル−、アリル−、グリシジル−、ベンジル−、フェノキシ−(メタ)アクリレート、アルキレングリコール、ポリオキシアルキレングリコールのモノ又はジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートなど、(メタ)アクリルアミド又はその誘導体、例えばアルキル基やヒドロキシアルキル基でモノ置換又はジ置換された(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N,N’−アルキレンビス(メタ)アクリルアミドなど、アリル化合物、例えばアリルアルコール、アリルイソシアネート、ジアリルフタレート、トリアリルイソシアヌレートなどを挙げることができる。
【0034】
(メタ)アクリルモノマーの他の例としては、エチレングリコール単位を分子内にもつポリエチレングリコール(nは3以上であり、およそ14以下)ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンEO変性(nは3以上であり、およそ14以下)トリ(メタ)アクリレート、フェノールEO変性(nは3以上であり、およそ14以下)(メタ)アクリレートや、水酸基を分子内にもつ2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。
これらの(メタ)アクリルモノマーは単独で用いてもよいし2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0035】
また、硬化収縮が支障となる用途の場合には、例えばイソボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテノキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテノキシプロピル(メタ)アクリレートなど、ジエチレングリコールジシクロペンテニルモノエーテルのアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステル、ポリオキシエチレン若しくはポリプロピレングリコールジシクロペンテニルモノエーテルのアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルなど、ジシクロペンテニルシンナメート、ジシクロペンテノキシエチルシンナメート、ジシクロペンテノキシエチルモノフマレート又はジフマレートなど、3,9−ビス(1,1−ビスメチル−2−オキシエチル)−スピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(1,1−ビスメチル−2−オキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(2−オキシエチル)−スピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(2−オキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなどのモノマ−、ジアクリレート又はモノ−、ジメタアクリレート、あるいはこれらのスピログリコールのエチレンオキシド又はプロピレンオキシド付加重合体のモノ−、ジアクリレート、又はモノ−、ジメタアクリレート、あるいは前記モノ(メタ)アクリレートのメチルエーテル、1−アザビシクロ[2,2,2]−3−オクテニル(メタ)アクリレート、ビシクロ[2,2,1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボキシルモノアリルエステルなど、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジヒドロジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリルモノマーを用いることができる。
これらの活性エネルギー線重合性化合物は単独で用いてもよいし2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0036】
組成物に好適な活性エネルギー線重合性化合物としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、アミル、2−エチルヘキシル、イソオクチル、ノニル、ドデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、シクロヘキシル、ベンジル、メトキシエチル、ブトキシエチル、フェノキシエチル、ノニルフェノキシエチル、グリシジル、ジメチルアミノエチル、ジエチルアミノエチル、イソボルニル、ジシクロペンタニル、ジシクロペンテニル、ジシクロペンテニロキシエチル等の置換基を有する(メタ)アクリレート、ω-カルボキシ-ポリカプロラクトンモノアクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、ビニルピロリドン、N−アクリロイルモルホリン、N−ビニルホルムアミド等の1官能モノマーを用いる事ができる。
【0037】
本発明で使用するエチレン性二重結合を有する活性エネルギー線硬化性組成物(A)は硬度が要求される場合が多く、2官能以上の(a)多官能アクリレートが利用される。そのような多官能アクリレートの例としては以下のようなものが挙げられる。
【0038】
1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、トリシクロデカンジメタノール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等のジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのジ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル、オペンチルグリコール1モルに4モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA1モルに2モルのエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン1モルに3モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たトリオールのジまたはトリ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA1モルに4モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート,ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート,ジペンタエリスリトールのポリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性アルキルリン酸(メタ)アクリレート等の多官能モノマーを挙げることができる。これらは2種類以上併用して用いることができる。
【0039】
特に好ましい多官能アクリレートとしては、BPE−4、BPE−10、BPE−20、HDDA、TMPT、TMP-2P、TMP−3P、TEGDMA(以上第一工業製薬社製)、ビスコート#215、#230、#295、#300、#360、#400、#700(以上大阪有機化学工業社製)、M−309、M−310、M−321、M−350、M−360、M−370、M−400、M−402、M−403、M−404、M−405、M−406(以上東亜合成社製)、EbecrylDPGDA、HDODA、TPGDA、TMPTA、TMPEOTA、DPHA(以上ダイセルオルネクス社製)、SR238F、SR351S、SR368、SR415、SR444、SR454、SR499、SR9035、SR295、SR355、SR494、SR399(以上アルケマ社製)、MiramerM200、M202、M220、M270、M300、M301、M3130、M3160、M600(以上MIWON社製)、Photomer4017、4028、4061、4070、4226、4361、4362、4006、4072、4094、4194、4155、4157、4158、4174(以上IGM社製)等を挙げることができる
【0040】
((メタ)アクリルオリゴマー)
前記多官能アクリレートには(メタ)アクリルオリゴマーを含み、これらのオリゴマーは、光の照射により架橋又は重合する化合物である。また、モノマーの重合体を主鎖とする化合物であるが、主鎖を構成するモノマーの数は限定されない。前記オリゴマーの分子量は、500〜20,000の範囲であることが好ましい。
【0041】
オリゴマーの官能基数は2〜20であることが好ましく、4〜20であることがより好ましく、6〜20であるとさらに好ましい。オリゴマーが有する官能基とは光重合性官能基である。光重合性官能基とは、アクリロイル基などの炭素−炭素の二重結合などである。官能基数が多いと、硬化性オリゴマーの硬化感度が高まり、かつ硬化塗膜の硬度も高まる。一方で、官能基数が多すぎると、硬化塗膜の収縮が生じやすくなり、塗膜表面が歪みやすくなる。
【0042】
オリゴマーのガラス転移温度(Tg)は40℃以上であることが好ましく、50℃以上であるとより好ましく、70℃以上であると更に好ましい。ガラス転移温度(Tg)の測定は示差走査熱量測定(DSC)、熱機械分析(TMA)等で測定することができる。
【0043】
オリゴマーの粘度は特に制限はないが、活性エネルギー線硬化性組成物取扱性および粘度への影響を考慮して、25℃での粘度が、100〜10,000mPa・sであることが好ましく、5,000mPa・s以下が好ましく、1,000mPa・s以下がより好ましい。
【0044】
オリゴマーの主鎖は、ポリエポキシ、脂肪族ポリウレタン、芳香族ポリウレタン、脂肪族ポリエステル、芳香族ポリエステル、ポリアミン、ポリアクリレートなどでありうる。オリゴマーの主鎖に、前述の光重合性官能基が付加していることが好ましい。
【0045】
オリゴマーの官能基は、オリゴマーの主鎖に以下の(光重合性)官能基含有化合物を反応させて導入することができる。(光重合性)官能基含有化合物の例には、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸及びマレイン酸等の不飽和カルボン酸やそれらの塩又はエステル、ウレタン、アミド及びその無水物、アクリロニトリル、スチレン、種々の不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、並びに不飽和ウレタンが挙げられる。その他にN−ビニル化合物を含んでいてもよい。N−ビニル化合物には、N−ビニルフォルムアミド、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、アクリロイルモルホリン、及びそれらの誘導体などが含まれる。
【0046】
オリゴマーのガラス転移温度(Tg)を高くするには、オリゴマーの主鎖に芳香環やアミド構造等を導入して、主鎖構造を剛直にしたり、オリゴマーの側鎖に大きな置換基を導入したりすればよい。
【0047】
オリゴマーは、直鎖状オリゴマーであっても、分岐鎖状オリゴマーであっても、樹枝状オリゴマーであってもよいが、分岐鎖状オリゴマーまたは樹枝状オリゴマーであることが好ましい場合がある。分岐鎖状オリゴマーおよび樹枝状オリゴマーは、比較的低粘度であるため、床材用活性エネルギー線硬化性組成物の粘度を上昇させにくいにも係わらず、硬化膜の硬度を高めることができる。樹枝状オリゴマーとは、1分子中に複数の分岐鎖を有するオリゴマーを意味する。
【0048】
樹枝状オリゴマーの例には、デンドリマー、ハイパーブランチオリゴマー、スターオリゴマー及びグラフトオリゴマーなどが含まれる。デンドリマー、ハイパーブランチオリゴマー、スターオリゴマー及びグラフトオリゴマーは、公知の化合物でありうる。これらのなかでも、デンドリマー及びハイパーブランチオリゴマーであることが好ましく、ハイパーブランチオリゴマーがより好ましい。デンドリマーやハイパーブランチオリゴマーは、活性エネルギー線硬化性組成物の粘度をより上昇させにくい。
【0049】
ハイパーブランチオリゴマーは、2個以上のモノマーが繰り返し単位として結合したオリゴマーに複数の光重合性官能基が結合したオリゴマーをいう。ハイパーブランチオリゴマーには、一般に多数の光重合性官能基が含まれる。そのため、ハイパーブランチオリゴマーは、床材用活性エネルギー線硬化性組成物の硬化速度を一層高めることができ、硬化膜の硬度も一層高めることができる。一分子のハイパーブランチオリゴマーが有する光重合性官能基の数は、6以上であることが好ましい。
【0050】
ハイパーブランチオリゴマーの例には、ポリエステル6官能アクリレート、ポリエステル9官能アクリレート、ポリエステル16官能アクリレートなどが含まれる。
【0051】
(メタ)アクリルオリゴマーの市販品の例には以下のものがある。
CN131B、CN292、CN2272、CN2303、CN2304、CN968、CN972、CN975、CN978、CN980、CN981、CN983、CN989、CN991、CN992、CN994、CN996、CN997、CN999、CN1963、CN2901、CN2902、CN2920、CN2921、CN3210、CN3211、CN9001、CN9002、CN9004、CN9005、CN9006、CN9007、CN9008、CN9009、CN9010、CN9011、CN9014、CN9026、CN9165、CN9178、CN9782、CN9783、CN9788、CN9893(以上サートマー社製)、MIRAMER PU206、PU2100、PU2200、PU340、PU3420、PU610、PU620、PU664、MU9500、MU9800、SC2100、SC2152、SC2153、SC2565、PU460、PU640、MU3603、PE210、PE110、PE230、PE240、PE320、EA2235、EA2255、EA2259、EA2280、PS420、PS460、PS4610、PS610(以上MIWON社製)、EBECRYL 210、220、230、270、5129、8210、8301、8804、8807、9260、4858、8402、9270、9270、8311、8701(以上ダイセルオルネクス社製)
【0052】
更に、本発明で使用するエチレン性二重結合を有する活性エネルギー線重合性化合物(A)としては、ウレタンオリゴマーが挙げられる。
【0053】
前記ウレタンオリゴマーは、ポリイソシアネート化合物とアルコール性ヒドロキシル基を有する化合物等を反応させて得られるもので、ウレタンオリゴマーを組成中に含むことで硬化と巻くとなった場合、ウレタン構造に由来する優れた可撓性、低反り性を付与する事ができる。
【0054】
前記ポリイソシアネート化合物としては、従来公知の各種ポリイソシアネートを使用でき、特定の化合物に限定されない。ウレタンオリゴマーを合成する場合に用いられる(分岐)脂肪族もしくは脂環式イソシアネートの具体例としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の分岐脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、(o,m,又はp)−水添キシリレンジイソシアネート、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、シクロヘキサン−1,3−ジメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジメチレンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネートなどが挙げられる。これらの中でも、脂肪族ジイソシアネートであるヘキサメチレンジイソシアネート、分岐脂肪族ジイソシアネートであるトリメチルヘキサメチレンジイソシアネートが好ましい。また、(o,m,又はp)−キシリレンジイソシアネートなど、芳香環を有するジイソシアネートも使用することができる。これらのジイソシアネートは、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。これらのジイソシアネートを使用した場合、低反り性に優れた硬化物を得ることができる。
【0055】
次に、アルコール性ヒドロキシル基を有する化合物としては、従来公知の各種ポリオールを使用でき、特定の化合物に限定されないが、ポリカーボネートジオール等のポリカーボネート系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリオレフィン系ポリオール、ポリブタジエン系ポリオール、ポリイソプレン系ポリオール、水素化ポリブタジエン系ポリオール、水素化イソプレンポリオール、アクリル系ポリオール、ビスフェノールA系アルキレンオキシド付加体ジオール、リン含有ポリオール、カルボキシル基及びアルコール性ヒドロキシル基を有する化合物、フェノール性ヒドロキシル基及びアルコール性ヒドロキシル基を有する化合物等を好適に用いることができる。ポリカーボネートジオールとしては、1種又は2種以上の直鎖状脂肪族ジオールに由来の繰り返し単位を構成単位として含むポリカーボネートジオール、1種又は2種以上の脂環式ジオールに由来の繰り返し単位を構成単位として含むポリカーボネートジオール、又は直鎖状脂肪族ジオールと脂環式ジオールの両方のジオールに由来の繰り返し単位を構成単位として含むポリカーボネートジオールが挙げられる。アルコール性ヒドロキシル基を有する化合物は単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0056】
前記ウレタンオリゴマーの市販品の例には以下のものがある。
CN968、CN972、CN975、CN978、CN980、CN981、CN983、CN989、CN991、CN992、CN994、CN996、CN997、CN999、CN1963、CN2901、CN2902、CN2920、CN2921、CN3210、CN3211、CN9001、CN9002、CN9004、CN9005、CN9006、CN9007、CN9008、CN9009、CN9010、CN9011、CN9014、CN9026、CN9165、CN9178、CN9782、CN9783、CN9788、CN9893(以上サートマー社製)、MIRAMER PU206、PU2100、PU2200、PU340、PU3420、PU610、PU620、PU664、MU9500、MU9800、SC2100、SC2152、SC2153、SC2565、PU460、PU640、MU3603(以上MIWON社製)、EBECRYL 210、220、230、270、5129、8210、8301、8804、8807、9260、4858、8402、9270、9270、8311、8701(以上ダイセルオルネクス社製)、Photomer6008、6010、6019、6184、6210、6230、6626、6627、6628、6720、6891、6892(以上IGM社製)
【0057】
本発明の床材用活性エネルギー線硬化性組成物は、光重合開始剤(B)として(c)アシルフォスフィンオキサイド系重合開始剤を含有することが好ましい。
【0058】
〔光重合開始剤(B)〕
((c)アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤)
光重合開始剤としては紫外線の中でも長波長領域に吸収波長を有する(c)アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤が挙げられる。(c)アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤としてはビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−プロピルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−1−ナフチルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等のビスアシルフォスフィンオキサイド類、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、2,6−ジメトキシベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、2,6−ジクロロベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−フェニルフォスフィン酸メチルエステル、2−メチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、ピバロイルフェニルフォスフィン酸イソプロピルエステル等のモノアシルフォスフィンオキサイド類等が挙げられ、特に、これらの中でも、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、及びビス−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドは、385nmや395nmに発光波長を有するUV−LEDの発光波長領域に合致するUV吸収波長を有することで、好適な硬化性が得られ、且つ、硬化皮膜の黄変が少ない点でより好ましい。
【0059】
(アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤と併用する光重合開始剤)
本発明の床材用活性エネルギー線硬化性組成物の硬化方法で使用するUV−LEDの照射終了後、紫外線ランプ、UV−LED(250〜370nmに発光波長を有するUV−LED)より再照射で硬化を促進させる工程では、385nmや395nmに発光波長を有するUV−LEDの発光波長領域に大きな吸収波長を有しないが、350〜420nm以外の大きな吸収波長を有する光重合開始剤を含有することが好ましい。そのような光重合開始剤としては、(d)α−アミノアルキルフェノン系光重合開始剤を使用することが好ましい。 (d)α−アミノアルキルフェノン系光重合開始剤としては2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタオン−1を挙げることができる。
【0060】
更に、360nm以下の発光ピーク波長を有するUV−LEDは寿命が短く、高価であることから一般的ではないが、今後更なるUV−LEDの短波長化が実現すれば365nmの発光ピーク波長では硬化性が低い光重合開始剤を使用する事ができる。
【0061】
本発明の床材用活性エネルギー線硬化性組成物の硬化方法で使用するそのような短波長の発光ピーク波長を用いる場合に硬化性が高くなる光重合開始剤としては、(e)α−ヒドロキシケトン系光重合開始剤、メチルベンゾイルホルマート、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン、1-[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン等を挙げることができる。前記α−ヒドロキシケトン系光重合開始剤としては2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オンを挙げることができる。前記光重合開始剤は(e)は、単独で用いてもよいし2種類以上添加しても良い。
【0062】
更に前記光重合開始剤(B)に加えて、光増感剤を併用することで、より好適な硬化性を得ることが出来る。350〜420nmのUV−LEDに反応し得る光増感剤としては、例えば、チオキサントン系化合物が挙げられる。具体的には、チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン等が挙げられ、黄変の発現性を考慮すると使用量は少量に限定されるが、併用することで皮膜硬化性を好適に向上させることが可能である。
【0063】
またUV−LED発光波長領域に合致するUV吸収特性を有していないものであっても、上述したアミン変性アクリレート以外の3級アミン化合物を水素供与体として併用することでも、好適な活性エネルギー線硬化を得ることが出来る。例えば、脂肪族アミン誘導体としてトリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリエチルアミン、ジブチルエタノールアミン等が、安息香酸誘導体のアミンとして2−ジメチルアミノエチル安息香酸、2−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル等が、アニリン誘導体のアミンとしてN,N−ジヒドロキシエチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン等が挙げられる。
【0064】
(フィラー)
本発明の床材用活性エネルギー線硬化性組成物の硬化方法では、有機粒子又は無機粒子を添加することにより、より耐擦り傷性に優れるものとすることができる。本発明の硬化方法で用いられる有機粒子としてはアクリル樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、シリコーン、メラミン樹脂、スチレン樹脂などが挙げられ、無機粒子としては炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ、酸化チタン、水酸化マグネシウム、酸化亜鉛、ケイ酸カルシウム、水酸化アルミニウムなどが挙げられ、それらを単独あるいは併用して用いる事ができるが、好ましくはアルミナが用いられる。また上記の有機粒子及び無機粒子の平均粒径は10μm以下のものが好ましい。上記有機粒子及び無機粒子は粒子単体で添加してもよく、あるいは適切な分散媒にあらかじめ分散してから添加してもよい。
【0065】
上記有機粒子及び無機粒子の添加量は活性エネルギー線重合性化合物100重量部に対して、10重量部以下が好ましく、より好ましくは1〜5重量部である。
【0066】
(着色剤)
床材用活性エネルギー線硬化性組成物の硬化方法では着色し意匠性を付与する事ができる。着色のためには公知慣用の着色剤として無機顔料及び有機顔料を用いる事ができる。本発明で使用する顔料としては、無機顔料あるいは有機顔料を使用することができる。
無機顔料としては、アルカリ土類金属の硫酸塩、炭酸塩、微粉ケイ酸、合成珪酸塩、等のシリカ類、ケイ酸カルシウム、アルミナ、アルミナ水和物、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、クレイ等の白色顔料として使用される無機顔料、酸化鉄、あるいはコンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。
【0067】
また、有機顔料としては、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用することができる。
【0068】
顔料の具体例としては、カーボンブラックとして、三菱化学社製のNo.2300、No.900、No.960、MCF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B等が、コロンビア社製のRaven5750、同5250、同5000、同3500、同1255、同700等が、キャボット社製のRegal400R、同330R、同660R、Mogul L、同700、Monarch800、同880、同900、同1000、同1100、同1300、同1400等が、デグッサ社製のColor Black FW1、同FW2、同FW2V、同FW18、同FW200、ColorBlack S150、同S160、同S170、Printex 35、同U、同V、同140U、Special Black 6、同5、同4A、同4等が挙げられる。
【0069】
イエロー色に使用される顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、12、13、14、16、17、73、74、75、83、93、95、97、98、109、110、114、120、128、129、138、150、151、154、155、180、185、213等が挙げられる。
【0070】
また、マゼンタ色に使用される顔料としては、C.I.ピグメントレッド5、7、12、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、112、122、123、168、184、202、209、C.I.ピグメントヴァイオレット 19等が挙げられる。
【0071】
また、シアン色に使用される顔料としては、C.I.ピグメントブルー1、2、3、15:3、15:4、60、16、22が挙げられる。
【0072】
また、ホワイト色に使用される顔料としては、C.I.ピグメントホワイト6、18、21などが目的に応じて使用できるが、隠ぺい力が高い酸化チタンが好適で具体的には、テイカ社製「チタニックスJR−301、403、405、600A、605、600E、603、805、806、701、800、808」「チタニックスJA−1、C、3、4、5」、石原産業社製「タイペークCR−50、50−2、57、80、90、93、95、953、97、60、60−2、63、67、58、58−2、85」「タイペークR−820、830、930、550、630、680、670、580、780、780−2、850、855」「タイペークA−100、220」「タイペークW10」「タイペ−クPF−740、744」「TTO−55(A)、55(B)、55(C)、55(D)、55(S)、55(N)、51(A)、51(C)」「TTO−S−1、2」「TTO−M−1、2」、デュポン社製「タイピュアR−900、902、960、706、931」等が挙げられる。
【0073】
(添加剤)
床材用活性エネルギー線硬化性組成物にはその他添加剤として、光増感剤、消泡剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、光安定剤、滑剤、艶消し材など従来公知のものを添加することができる。また、機能性を付与する目的で抗菌剤、帯電防止剤などを必要に応じて適宜添加することができる。
【0074】
本発明の床材用活性エネルギー線硬化性組成物の硬化方法では、保存安定性を高めるため、ハイドロキノン、メトキノン、ヒンダードアミン系光安定剤、ヒンダードフェノール系光安定剤、ジ−t−ブチルハイドロキノン、P−メトキシフェノール、ブチルヒドロキシトルエン、ニトロソアミン塩等の重合禁止剤を床材用活性エネルギー線硬化性組成物中に0.01〜2質量%の範囲で添加しても良い。
【0075】
また、フィラーや着色剤の分散安定性を高める目的で分散剤を使用してもよい。分散剤としては、味の素ファインテクノ社製のアジスパーPB821、PB822、PB881、PB817、ルーブリゾール社製のソルスパーズ24000GR、32000、33000、36000、39000、41000、71000、BASF社製のEFKA−7701、楠本化成社製のディスパロンDA―703―50、DA−705、DA−725等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また分散剤の使用量は、フィラーに対して10〜80重量%の範囲が好ましく、特に20〜60重量%の範囲が好ましい。使用量が10重量%未満の場合には分散安定性が不十分となる傾向にあり、80質量%を超える場合には床材用活性エネルギー線硬化性組成物の粘度が高くなる傾向にあり、床材用活性エネルギー線硬化性組成物のレベリング性が低下する。
その他、被覆基材に対する接着性の付与等を目的に、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、テルペンフェノール樹脂、ロジンエステル等の非反応性樹脂等を配合することができる。
【0076】
(床材用活性エネルギー線硬化性組成物の製造方法)
必要な活性エネルギー線重合性化合物を配合し、光重合開始剤と光重合禁止剤を攪拌混合しながら加熱することで、活性エネルギー線硬化型組成物を得ることができる。本発明の床材用活性エネルギー線硬化性組成物とするには、さらに、床材用活性エネルギー線硬化性組成物として必要な、表面張力調整剤や滑剤等の添加剤を加えて攪拌することで、活性エネルギー線硬化性組成物を得ることができる。
【0077】
(床材用活性エネルギー線硬化性組成物の粘度)
本発明の硬化方法における床材用活性エネルギー線硬化性組成物の粘度は、あまり高粘度では硬化後の仕上がりにスジ状感が発生するおそれがあるため、粘度としては50〜1,000mPa・secが好ましく、100〜400mPa・secが最も好ましい。
【0078】
以下、実施例により、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は、下記実施例に何ら制限されるものではない。なお、以下実施例中にある部とは、質量部を表す。
【0079】
(実施例1:床材用活性エネルギー線硬化性組成物(1)の調整)
ASHLAND社製N−ビニルカプロラクタム「V−CAP/RC」6.4部、MIWON社製 1,6−ヘキサンジオールジアクリレート「MIRAMER M202」20.0部、SARTOMER社製ハイパーブランチポリエステルアクリレート「CN2303」22.7部、MIWON社製 エチレンオキサイド3モル付加トリメチロールプロパントリアクリレート「MIRAMER M3130」15.5部、東亜合成社製ω-カルボキシ-ポリカプロラクトンモノアクリレート「アロニックス M−5300」11.1部、SARTOMER社製ウレタンオリゴマー「CN9026」24.3部、BASF社製ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド「Irgacure819」0.5部、BASF社製ジフェニル−2,4,6−トリメチルベンゾイルフォスフィンオキサイド「Lucirin TPO(Irgacure TPO)」7.0部、BASF社製2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタオン−1「Irgacure369」3.5部、
CHEMBRIDGE INTERNATIONAL CORP.社製 光重合開始剤2,4−ジエチルチオキサントン「Chemicure-JETX」0.5部、Shuang−Bang Industrial Corp.社製 光重合開始剤4−ジメチルアミノ安息香酸エチル「SB−PI704」1.0部、精工化学(株)社製p-メトキシフェノール「メトキノン」0.1部を添加し、60℃で30分加熱攪拌した後、Lubrizol社製ポリエチレン分散体「CC7610」1.0部、BYK−CHMIE社製レベリング剤「BYK−350」1.5部を添加し、充分に混合した。次いで100μmのフィルターを用いてろ過することにより床材用活性エネルギー線硬化性組成物(1)を得た。
【0080】
上記配合の床材用活性エネルギー線硬化性組成物(1)を東リ株式会社製コンポジションビニル床タイル「マチコV」の表面(歩行面)に40μmの厚さに塗布後、照射する(工程1)としてU-VIX社製UV-LEDであるFirePowerにて活性エネルギー線を照射(発光ピーク波長395nm、積算光量200mJ/cm2)した後、より硬化を促進するために照射する(工程2)としてU-VIX社製UV-LEDであるFirePowerにて活性エネルギー線を照射(発光ピーク波長365nm、積算光量200mJ/cm2)し、床材用活性エネルギー線硬化性組成物を硬化させて床材を得た。
【0081】
その他、表1と2に示す実施例1〜8、表3に示す比較例1〜4に関しても、実施例1と同様にして床材を得た。活性エネルギー線を照射する条件は以下の通りである。
表1の照射方式2灯(I)は、図3に示す可動式活性エネルギー線照射装置を用いて照射する(工程1)の光源としてUV-LED(395nm)を、照射する(工程2)の光源としてUV-LED(365nm)を使用したことを示す。
【0082】
【表1】
【0083】
表2の照射方式2灯(II)は、図4に示す可動式活性エネルギー線照射装置を用いて照射する(工程1)の光源としてUV-LED(395nm)を、照射する(工程2)の紫外線ランプ光源としてメタルハライドランプ(積算光量100mJ/cm2)を使用したことを示す。
【0084】
【表2】
【0085】
表3の照射方式としては、照射する(工程1)の光源としてUV-LED(395nm)のみを使用する事とし、(工程2)の照射は行わなかった。
【0086】
【表3】
【0087】
MIRAMER M−202:MIWON社製EO付加1,6−ヘキサンジオールジアクリレート
V-Cap:ASHLAND社製N−ビニルカプロラクタム
CN2303:SARTOMER社製ハイパーブランチポリエステルアクリレート
MIRAMER M−3130:MIWON社製エチレンオキサイド3モル付加トリメチロールプロパントリアクリレート
アロニックス M−5300:東亜合成社製ω-カルボキシ-ポリカプロラクトンモノアクリレート
CN9026:SARTOMER社製ウレタンオリゴマー
Irgacure819:BASF社製アシルフォスフィン系光重合禁止剤ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド
LucirinTPO:BASF社製アシルフォスフィン系光重合禁止剤2、4、6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド
Irgacure369:BASF社製光重合禁止剤2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタオン−1
Irgacure184:BASF社製光重合禁止剤1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン
DAROCUR MBF:BASF社製光重合禁止剤メチルベンゾイルホルマート
DAROCUR 1173:BASF社製光重合禁止剤2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン
Chemicure-JETX:CHEMBRIDGE INTERNATIONAL CORP.社製光重合開始剤2,4−ジエチルチオキサントン
SB−PI704:Shuang−Bang Industrial Corp.社製光重合開始剤4−ジメチルアミノ安息香酸エチル
メトキノン:精工化学(株)社製重合禁止剤 p-メトキシフェノール
BYK−350:BYK−CHMIE社製アクリル系レベリング剤
CC7610:Lubrizol社製ポリエチレン分散体の滑剤
【0088】
(評価方法)
前記床材用活性エネルギー線硬化性組成物の実施例1〜8、比較例1〜4の評価方法を示す。
【0089】
[硬化性]
活性エネルギー線照射後の硬化性を以下の評価基準で硬化性を評価した。
◎…塗膜表面が完全に硬化しにタック性が残っていない
○…塗膜表面にごくわずかなタック性が残っている
△…塗膜表面の硬化が不十分でタックが残っている
×…まったく硬化しない
【0090】
評価結果を表4に示す。
【0091】
【表4】
【0092】
この結果、実施例で得た前記床材用活性エネルギー線硬化性組成物は、発光波長の異なる光源を2種以上組み合わせる事で塗膜の硬化が促進させることができる床材用活性エネルギー線硬化性組成物の硬化方法と、その硬化方法による硬化装置を得る事ができた。
【符号の説明】
【0093】
1 塗工基材(木質基材 又はPタイル)
2 ドクターロール
3 コーティングロール
4 床材用活性エネルギー線硬化性組成物
5 バックアップロール
6 UV−LED照射装置1
7 UV−LED照射装置2
8 UVランプ
9 塗工基材(Pタイル)
10 可動式活性エネルギー線照射装置
11 メタルハライドランプ
12 車輪
13 手押しハンドル
図1
図2
図3
図4