(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第4のプレートが、前記複数のチャネルおよび前記複数のガス通路を2つ以上の隔離された領域に分離する1つまたは複数の壁を有している、請求項5から7のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【背景技術】
【0002】
III−V族膜は、短波長発光ダイオード(LED)、レーザダイオード(LD)、ならびに高電力、高周波、高温トランジスタおよび集積回路を含む電子デバイスなどの様々な半導体デバイスの開発および製造において重要性を増しつつある。例えば、短波長(例えば、青/緑から紫外)LEDはIII族窒化物半導体材料の窒化ガリウム(GaN)を使用して製造される。GaNを使用して製造された短波長LEDは、II−VI族材料などの非窒化物半導体材料を使用して製造された短波長LEDよりも著しく大きい効率と長い動作寿命とを備えることができることが観察されている。
【0003】
GaNなどのIII族窒化物を堆積させるために使用されている1つの方法は有機金属化学気相堆積(MOCVD)である。この化学気相堆積法は、一般に、ガリウム(Ga)などのIII族からの少なくとも1つの元素を含む第1の前駆体ガスの安定性を保証するために温度制御された環境を有するリアクタで実施される。アンモニア(NH
3)などの第2の前駆体ガスは、III族窒化物を形成するのに必要とされる窒素を供給する。2つの前駆体ガスはリアクタ内の処理ゾーンに注入され、処理ゾーン中で混合して加熱基板の方に移動する。キャリアガスを使用して、前駆体ガスを基板の方に移送するのを支援することができる。前駆体は加熱基板の表面で反応して、基板表面にGaNなどのIII族窒化物層を形成する。膜の品質は一部は堆積均一性によって決まり、そしてまた、その堆積均一性は、基板の端から端まで均一な温度で基板の端から端まで前駆体を均一に混合することによって決まる。
【0004】
多数の基板を基板キャリアに配列することができ、各基板は50mmから100mm以上に及ぶ直径を有することができる。より大きい基板および/またはより多くの基板およびより大きい堆積区域の上で前駆体を均一に混合することが、歩留およびスループットを向上させるために望ましい。これらの要因は、電子デバイスを生成するコスト、したがって、市場におけるデバイス製造業者の競争力に直接影響を与えるので重要である。
【0005】
LEDまたはLD形成リアクタの処理ゾーンでしばしば見いだされる高温ハードウェア構成要素と前駆体ガスとの相互作用により、一般に、前駆体は分解して高温表面上に堆積する。一般に、高温リアクタ表面は、基板を加熱するために使用される熱源からの放射によって形成される。高温表面での前駆体材料の堆積は、その堆積がガス分配デバイスなどの前駆体分配構成要素内または上で生じる場合、特に問題となることがある。前駆体分配構成要素への堆積は、時間とともに流量分布均一性に影響を与える。したがって、ガス分配デバイスを堆積プロセスの間冷却し、それにより、MOCVD前駆体またはHVPE前駆体が分解させられてガス分配デバイスの性能に影響を与える温度まで加熱される可能性を低減することができる。
【0006】
所望の堆積区域が増大するにつれて、多数の処理ガスを基板に送出するように構成された従来のガス分配デバイスのサイズおよび複雑度が増加し、それにより、生産コストおよび搬送コストの著しい増加がもたらされる。例えば、多数の前駆体ガスの分配デバイスでは、複数のマニホルドおよびガス通路がいくつかの大きいプレートに形成され、次に、プレートは、積み重ねられ恒久的に取り付けられて多数の前駆体ガスの分配デバイスを形成することができる。ガス分配デバイスが1m
2以上の堆積区域を有効範囲に含むように増大し、ガス分配通路の数が総計で5000を超えるとき、このデバイスを生産する複雑度およびコストは劇的に増加する。したがって、ガス分配デバイスの複雑度および生産コストを低減しながらより大きい基板およびより大きい堆積区域の上に引き続き堆積される膜の均一性を改善するために改善されたガス分配デバイスの必要性がある。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態は、一般に、多数の前駆体ガスを処理チャンバの処理領域に別々に供給することによって膜を堆積するのに利用することができる方法および装置を提供する。一般に、この装置はまとめて固定された多数のプレートで製作されたシャワーヘッドアセンブリである。シャワーヘッドアセンブリは、最上部プレートおよび中間プレートによって境界をつけられたガスマニホルドと、中間プレートおよび底部熱交換プレートによって境界をつけられたダイバータプレートとを含む。第1の処理ガスはガスマニホルドに入り、ダイバータプレートによってそらされて底部プレートを通る。第2のガスはガスマニホルドに入り、第1および第2のガスがシャワーヘッドを出る前に混合しないようにダイバータプレートによってそらされて底部プレートを通る。1つの実施形態では、第1の処理ガスは、シャワーヘッドの中央領域および外側領域を通して異なる流量および/または圧力で分配される。その上、第2の処理ガスは、シャワーヘッドの中央領域および外側領域を通して異なる流量および/または圧力で分配することができる。
【0013】
図1は、本明細書で説明する実施形態による、半導体デバイスを製造するための1つまたは複数の処理チャンバ102を含む処理システム100の1つの実施形態を示す概略平面図である。処理システム100は、移送チャンバ106、移送チャンバ106に結合された処理チャンバ102、移送チャンバ106に結合されたロードロックチャンバ108、移送チャンバ106に結合された、基板を格納するためのバッチロードロックチャンバ109、およびロードロックチャンバ108に結合された、基板をロードするためのロードステーション110を含む。移送チャンバ106は、ロードロックチャンバ108と処理チャンバ102との間で基板を取り上げて移送するように動作可能なロボットアセンブリ(図示せず)を収容する。ロボットアセンブリは、さらに、処理チャンバ102またはロードロックチャンバ108のいずれかから処理システム100の真空環境で基板を格納するためのバッチロードロックチャンバに基板を移送するように動作可能である。単一の処理チャンバ102が示されているが、1つを超える処理チャンバ102を移送チャンバ106に結合させることもできる。処理チャンバ102はMOCVDチャンバまたはHVPEチャンバとすることができる。その上、クラスタツールが示されているが、本明細書で説明する実施形態は直線的トラックシステムを使用して実施することができる。
【0014】
処理システム100において、ロボットアセンブリ(図示せず)は基板を装填した基板キャリアプレート112を処理チャンバ102に移送して、堆積が行われる。一部またはすべての堆積ステップが完了した後、基板キャリアプレート112は移送ロボットを介して処理チャンバ102からロードロックチャンバ108に移送して戻される。次に、基板キャリアプレート112をロードステーション110に移送することができる。基板キャリアプレート112は、MOCVDチャンバ102でさらに処理する前に、ロードロックチャンバ108またはバッチロードロックチャンバ109のいずれかに格納することができる。
【0015】
各処理チャンバ102は、一般に処理チャンバ本体150を含み、この処理チャンバ本体150は、基板が処理を受けるために位置決めされる処理領域を囲む。各処理チャンバ102は、ガス前駆体をチャンバ本体150に送出する化学デリバリモジュール152と、処理チャンバ102ごとの電気システムを含む電気モジュール154とをさらに含む。
【0016】
システムコントローラ160は、処理システム100の作業と動作パラメータとを制御する。システムコントローラ160は、コンピュータプロセッサと、プロセッサに結合されたコンピュータ可読メモリとを含む。プロセッサは、メモリに記憶されたコンピュータプログラムなどのシステム制御ソフトウェアを実行する。
【0017】
図2は、1つの実施形態による処理チャンバ102の概略断面図である。処理チャンバ102は、シャワーヘッドアセンブリ201がチャンバ102の上端部に配置されたチャンバ本体202と、チャンバ102の下端部に配置された下部ドーム219とを含む。シャワーヘッドアセンブリ201の内部詳細が、
図3A〜Cおよび4A〜Dに関して図示および説明される。
【0018】
基板支持体214がチャンバ本体202内に配置され、その結果、処理容積部208が、基板支持体214、シャワーヘッドアセンブリ201、およびチャンバ本体202の壁の間に画定される。前駆体ガス、キャリアガス、洗浄ガス、および/またはパージガスを処理容積部208に送出するために、化学デリバリモジュール203がシャワーヘッドアセンブリ201に結合される。その上、熱交換システム270が、シャワーヘッドアセンブリ201の温度を調整するのに役立つように熱交換流体をシャワーヘッドアセンブリ201を通して流すためにシャワーヘッドアセンブリ201に結合される。
【0019】
遠隔プラズマ源226は、化学デリバリモジュール203とシャワーヘッドアセンブリ201との間に結合することができる。洗浄導管204は、洗浄ガスを処理容積部208に送出するためにシャワーヘッドアセンブリ201を貫通して配置することができる。例示の洗浄ガスは、塩素含有ガス、フッ素含有ガス、ヨウ素含有ガス、臭素含有ガス、窒素含有ガス、および/または他の反応性ガスである。真空システム212は、処理容積部208を排気するためにチャンバ本体202に結合される。処理の間、基板キャリアプレート112は、処理容積部208内の基板支持体214に位置決めされる。アクチュエータアセンブリ275は基板支持体214に取り付けられ、処理位置とローディング位置との間で基板支持体214をシャワーヘッドアセンブリ201に対して進退させるように構成される。その上、アクチュエータアセンブリは、処理の間、基板支持体214を中心軸「CA」のまわりに回転させるように構成することができる。処理容積部208に隣接するシャワーヘッドアセンブリ201の表面から基板キャリアプレート112までの距離は、処理の間、好ましくは、約4mmから約41mmの範囲にわたる。いくつかの実施形態では、基板支持体214は、内部に配置されて、基板支持体214、したがって基板支持体214条に位置決めされた基板キャリアプレート112ならびに基板キャリアプレート112に位置決めされた基板240の温度を制御するように構成された加熱要素(例えば、抵抗加熱要素(図示せず))を有する。
【0020】
下部容積部210は、基板支持体214と下部ドーム219との間に画定される。基板支持体214は、上昇処理位置で基板キャリアプレート112を支持しているように示されているが、例えば、基板キャリアプレート112を、基板240とともに、ロードまたはアンロードすることができる下部位置に移動させることができる。排気リング220は、堆積が下部ドーム219で生じないようにするのに役立ち、さらに、チャンバ102からの排気ガスを排気口209に導くのに役立つように基板キャリアプレート112の周辺のまわりに配置することができる。下部ドーム219は、基板240の放射加熱のために光が通過できるように高純度石英などの透明材料で製作することができる。放射加熱は、下部ドーム219の下方に配置された複数の内側ランプ221Aおよび外側ランプ221Bで行うことができる。リフレクタ266は、内側および外側ランプ221A、221Bによって供給される放射エネルギーにチャンバ102をさらすのを制御するのに役立つように使用することができる。ランプの追加リング(図示せず)を、基板240のより細かい温度制御のために使用することができる。
【0021】
パージガスは、化学デリバリモジュール203から、チャンバ本体202の底部の近くに配置されたパージガス管283を通して送出することができる。パージガスは、チャンバ102の下部容積部210に入り、基板キャリアプレート112および排気リング220を通り越して上方に流れて、環状排気チャネル205のまわりに配置された多数の排気口209に入る。基板支持体214と排気リング220との間のパージガスの上昇流れは、堆積ガスが下部容積部210に入らないようにし、下部ドーム219の表面への膜堆積を防止するのに役立つ。
【0022】
上記のように、化学デリバリモジュール203は処理チャンバ102に化学物質を送出する。反応性ガス(例えば、前駆体ガス)、キャリアガス、パージガス、および洗浄ガスは、化学デリバリモジュール203から供給ラインを通してチャンバ102に供給することができる。一般に、ガスの各々の供給ラインは、関連するラインへのガスの流れを自動または手動で遮断するのに使用することができる遮断バルブと、供給ラインを通るガスまたは液体の流量を測定する質量流量コントローラまたは他のタイプのコントローラとを含む。ガスの各々の供給ラインは、前駆体濃度をモニタし、実時間フィードバックを行うための濃度モニタをさらに含むことができる。前駆体ガス濃度を制御するために背圧調節器を含むことができる。迅速で正確なバルブ切換機能のためにバルブ切換制御を使用することができる。ガスラインの湿度センサは水レベルを測定し、システムソフトウェアにフィードバックを行うことができ、その結果、オペレータに警報/警告を与えることができる。ガスラインは、さらに、前駆体および洗浄ガスが供給ライン中で凝縮しないように加熱することができる。
【0023】
図3Aは、1つの実施形態によるシャワーヘッド201の概略断面図である。
図5は、
図3Aに示したシャワーヘッド201の概略分解直交図である。シャワーヘッドアセンブリ201は、中間プレート320に結合された最上部プレート310を含む。底部プレート330は中間プレート320の下方に配置される。最上部プレート310は、最上部プレート310と中間プレート320との間に形成されたガスマニホルド325に第1の処理ガスを送出するために最上部プレート310を貫通して形成された1つまたは複数のガス入口304を有するアルミニウムまたはステンレス鋼プレートとすることができる。
図3Bは、
図3Aに示した中間プレート320の概略上面図である。中間プレート320は、そこに形成された穴322と、それを貫通して形成された複数のガス通路324とを有するアルミニウムまたはステンレス鋼プレートとすることができる。複数のガス通路324は、図示のように複数の列に配列することができる。マニホルド325は、中間プレート320の止り穴314に係合する複数のねじ312または他の好適な締結具を使用して最上部プレート310を中間プレート320に結合させることによって形成することができる。最上部プレート310および中間プレート320の合せ面は、それらが取り付けられたとき、金属−金属シールが最上部プレート310と中間プレート320との間に維持され、その結果、マニホルド325に入る流体がシャワーヘッドアセンブリ201の周辺のまわりで密閉されるように機械加工することができる。代替として、他のシーリング手段、例えば、Oリングなどが流体シールを維持するために使用される。
【0024】
第1の処理ガスは、化学デリバリモジュール203によって1つまたは複数のガス入口304を通してガスマニホルド325に送出することができる。第1の処理ガスはマニホルド325中で混合し、複数のガス通路324を通ってマニホルド325を出ていく。1つの例では、第1の処理ガスは、好適なガリウム(Ga)前駆体(例えば、トリメチルガリウム(TMG)、トリエチルガリウム(TEG))、好適なアルミニウム前駆体(例えば、トリメチルアルミニウム(TMA))、または好適なインジウム前駆体(例えば、トリメチルインジウム(TMI))などの有機金属前駆体である。
【0025】
図3Aに示すように、底部プレート330は、内部に穴336が形成されている第2のプレート334に結合された第1のプレート332を含む。第1のプレート332は、それを貫通して形成された複数の孔333を有するアルミニウムまたはステンレス鋼プレートとすることができる。第2のプレート334は、それを貫通して形成されて、各々がそれぞれの孔333と合致する複数の孔335を有するアルミニウムまたはステンレス鋼プレートとすることができる。孔333、335は、図示のように複数の列に配列することができる。複数の導管338は、各対の位置合わせされた孔333、335内に配置され、第1のプレート332および第2のプレート334に、例えば、ろう付けまたは溶接などによって結合される。第1のプレート332および第2のプレート334は、単一チャネル337が、それを通過する導管338を有し、第1のプレート332と第2のプレート334との間に形成され、シャワーヘッドアセンブリ201の周辺のまわりで密閉されるように、例えば、ろう付けまたは溶接などによって互いに結合される。その上、1つまたは複数の流体入口331および流体出口339が底部プレート330に形成され、チャネル337を熱交換システム270の入口および出口に流体的に結合させる。
【0026】
熱交換流体は、熱交換システム270から1つまたは複数の流体入口331を通してチャネル337に送出することができる。次に、熱交換流体は導管338を囲むチャネル337を通って循環する。次に、熱交換流体は、1つまたは複数の流体出口339を通ってチャネル337を出ていき、熱交換システム270に戻る。好適な熱交換流体には、限定はしないが、水、水ベースエチレングリコール混合物、パーフルオロポリエーテル(例えば、GALDEN(登録商標)流体)、オイルベース熱移送流体、または類似の流体が含まれる。
【0027】
シャワーヘッド201は、中間プレート320と底部プレート330との間に配置されたダイバータプレート340をさらに含む。ダイバータプレート340は、一般に、シャワーヘッド201を通って流れる2つの別個のガスの間の分離を維持する。
図3Cは、
図3Aに示したダイバータプレート340の概略上面図である。ダイバータプレート340は、ポリマー材料(例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE))、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、ポリビニリデン(PFDF)、ポリエチレン(PE))またはアルミニウムもしくはステンレス鋼などの金属で製作することができる。ダイバータプレート340は、それを貫通して配置され、ガス通路324およびいくつかの導管338と位置合わせされた複数の第1のガス通路342を含む。第1のガス通路342は、図示のように中間プレート320のガス通路324の列と一致する複数の列に整列させることができる。第1のガス通路342の列は、さらに、導管338の1つおきの列と位置合わせさせることができる。
【0028】
追加として、チャネル344が、ダイバータプレート340において第1のガス通路342の隣り合う列間に形成される。複数の第2のガス通路346が、導管338の1つおきの列と位置合わせされたチャネル344の各々の内にダイバータプレート340を貫通して形成される。ダイバータプレート340は、ダイバータプレート340の周辺のまわりに配置され、チャネル344の各々と流体連通する周辺チャネル348をさらに含む。その上、中間プレート320は、化学デリバリモジュール203からの第2の処理ガスを周辺チャネル348に送出するために中間プレート320を貫通して配置された1つまたは複数のガス入口328を含む。
【0029】
中間プレート320および底部プレート330は、底部プレート330の止り穴316に係合する複数のねじ312または他の好適な締結具を使用して互いに結合される。中間プレート320および底部プレート330の合せ面は、それらが取り付けられたとき、金属−金属シールが中間プレート320と底部プレート330との間に維持され、その結果、周辺チャネル348に入る流体がシャワーヘッドアセンブリ201の周辺のまわりで密閉されるように機械加工することができる。代替として、他のシーリング手段、例えば、Oリングなどが流体シールを維持するために使用される。
【0030】
第2の処理ガスは、化学デリバリモジュール203によって1つまたは複数のガス入口328を通して周辺チャネル348に送出することができる。第2の処理ガスは周辺チャネル348からチャネル344に分配され、第2の複数のガス通路346を通して送出される。1つの例では、第2の処理ガスは、アンモニア(NH
3)などの好適な窒素含有処理ガスまたは他のMOCVDもしくはHVPE処理ガスである。
【0031】
ダイバータプレート340は、中間プレート320と底部プレート330との間に挟まれる。ガスマニホルド325から第1のガス通路342を通して送出される流体が、それぞれの導管338を通して送出される前に、周辺チャネル348に送出されて第2のガス通路346を通る流体と混合されないために、ダイバータプレート340と中間プレート320との間の合せ面ならびにダイバータプレート340と底部プレート330との間の合せ面が表面−表面シールを形成するようにダイバータプレート340を形成することができる。代替として、他のシーリング手段、例えば、Oリングなどが流体シールを維持するために使用される。
【0032】
図2および3Aを参照すると、有機金属前駆体などの第1の処理ガスは、化学デリバリモジュール203から1つまたは複数のガス入口304を通してガスマニホルド325に送出することができる。次に、第1の処理ガスは、ガスマニホルド325から中間プレートの複数のガス通路324を通し、さらにダイバータプレート340の第1のガス通路342を通して送出される。次に、第1の処理ガスは、第1のガス通路342と位置合わせされた導管338を通し、処理容積部208に送出される。
【0033】
実質的に同時に、窒素前駆体などの第2の処理ガスを、化学デリバリモジュール203から1つまたは複数のガス入口328を通して周辺チャネル348に送出することができる。第2の処理ガスは、中間プレート320の周辺チャネル348からチャネル344に、さらに第2の複数のガス通路346を通して分配される。次に、第2の処理ガスは、第2のガス通路346と位置合わせされた導管338を通して、処理容積部208に送出される前に第1の処理ガスと混合することなく、処理容積部208に送出される。
【0034】
同時に、第1および第2の処理ガスをシャワーヘッド201を通して処理容積部208に送出しつつ、熱交換流体を、熱交換システム270から底部プレート330の1つまたは複数の流体入口331を通してチャネル337に送出することができる。熱交換流体はチャネル337を通って循環し、第1および第2の処理ガスならびに処理容積部208に面する底部プレート330の表面を冷却する。次に、熱交換流体は1つまたは複数の流体出口339を通ってチャネル337を出ていき、熱交換システム270に戻る。
【0035】
図4Aは、別の実施形態によるシャワーヘッド201の概略断面図である。
図6は、
図4Aに示したシャワーヘッド201の概略分解直交図である。
図4Aに示した実施形態のフィーチャの多くは、
図3Aに示し、
図3Aに関して説明したものと同じであり、ここではさらには説明しない。
図4Aに示すように、最上部プレート410は、処理ガスを外側ガスマニホルド425に送出するために最上部プレート410を貫通して形成された1つまたは複数の外側ガス入口404と、同じまたは異なる処理ガスを内側ガスマニホルド426に別々に送出するために最上部プレート410を貫通して形成された1つまたは複数の内側ガス入口405とを含む。1つの実施形態では、同じ処理ガスが、異なる流量および/または圧力で、外側ガスマニホルド425および内側ガスマニホルド426に送出される。
【0036】
図4Bは、
図4Aに示した中間プレート420の概略上面図である。中間プレート420は、その中に形成され、環状壁421によって分離された外側穴422および内側穴423を有する。中間プレート420を貫通して形成されたガス通路424は、複数の列に配列することができる。外側および内側ガスマニホルド425、426は、前に説明したように複数のねじ312または他の好適な締結具を使用して最上部プレート410を中間プレート420に結合させることよって形成される。最上部プレート410および中間プレート420の合せ面は、それらが取り付けられたとき、金属−金属シールが最上部プレート410と中間プレート420との間に維持され、その結果、内側ガスマニホルド426に入る流体が外側ガスガスマニホルド425に入る流体から密閉され、逆の場合も同様であるように機械加工することができる。その上、外側ガスマニホルド425に入る流体は、シャワーヘッドアセンブリ201の周辺のまわりで密閉される。代替として、他のシーリング手段、例えば、Oリングなどが流体シールを維持するために使用される。
【0037】
第1の処理ガスは、化学デリバリモジュール203によって1つまたは複数のガス入口404を通して外側ガスマニホルド425に第1の流量および/または圧力で送出することができる。同じまたは異なる第1の処理ガスは、化学デリバリモジュール203によって1つまたは複数のガス入口405を通して内側ガスマニホルド426に第1の流量および/または圧力と異なる第2の流量および/または圧力で送出することができる。
【0038】
図4Aに示すように、底部プレート430は、単一のアルミニウムまたはステンレス鋼プレートから生産される。
図4Cは、
図4Aに示した底部プレート430の概略上面図である。
図4Aおよび4Cに示した底部プレート430はそれを貫通して形成された複数のガス通路433を有し、複数のガス通路433は図示のように複数の列に配列することができる。底部プレート430は、ガス通路433の列間に形成された複数のチャネル435をさらに有する。底部プレート430は、
図4Cに示すように、チャネル435の方向に実質的に垂直な方向のガス通路433間に形成され、チャネル435と流体連通する複数の交差チャネル436をさらに有することができる。その上、1つまたは複数の供給チャネル432および1つまたは複数の戻りチャネル437が、底部プレート430に形成され、チャネル435および/または交差チャネル436と流体連通する。チャネル435、交差チャネル436、供給チャネル432、および戻りチャネル437は、所定の位置にろう付けまたはレーザ溶接されるアルミニウムまたはステンレス鋼キャップ438(
図4Cに図示せず)により別々に密閉される。加えて、1つまたは複数の流体入口431および流体出口439が、底部プレート430に形成され、チャネル435および/または交差チャネル436を供給チャネル432および戻りチャネル437を通して熱交換システム270に流体的に結合させる。
【0039】
熱交換流体は、熱交換システム270から1つまたは複数の流体入口431を通して1つまたは複数の供給チャネル432に送出することができる。次に、熱交換流体は、チャネル435および/または交差チャネル436を通って1つまたは複数の戻りチャネル437に循環する。次に、熱交換流体は1つまたは複数の流体出口439を通ってシャワーヘッド201を出ていき、熱交換システム270に戻る。
【0040】
ダイバータプレート440は、
図3Aに示し、
図3Aに関して説明したものと同様に、中間プレート420と底部プレート430との間に配置される。
図4Dは、
図4Aに示したダイバータプレート440の概略上面図である。ダイバータプレート440は、それを貫通して配置され、ガス通路424といくつかのガス通路433とに位置合わせされた複数の第1のガス通路442を含む。第1のガス通路442は、中間プレート420のガス通路424の列と一致する複数の列に整列させることができる。第1のガス通路442の列は、さらに、底部プレート430のガス通路433の1つおきの列と位置合わせさせることができる。
【0041】
チャネル444が、ダイバータプレート440において第1のガス通路442の隣り合う列間に形成される。複数の第2のガス通路446が、底部プレート430のガス通路424の1つおきの列と位置合わせされたチャネル444の各々の内にダイバータプレート440を貫通して形成される。チャネル444は、環状壁465によって内側領域462と外側領域464とに分割される(
図4D)。環状壁465はダイバータプレート440に形成された環状チャネル467を囲むことができ、環状チャネル467は内側領域462のチャネル444と流体連通する。中間プレート420に形成され、化学デリバリモジュール203に結合された1つまたは複数の第1のガス入口429から第2の処理ガスを供給するために、ダイバータプレート440はダイバータプレート440に形成された1つまたは複数の供給チャネル468をさらに有する。ダイバータプレート440の周辺のまわりに配置され、ダイバータプレート440の外側領域464のチャネル444と流体連通する周辺チャネル448を、ダイバータプレート440はさらに含む。その上、中間プレート420は、化学デリバリモジュール203からの同じまたは異なる第2の処理ガスを周辺チャネル448に送出するために中間プレート420を貫通して配置された1つまたは複数の第2流体入口428を含む。
【0042】
中間プレート420および底部プレート430は、底部プレート430の止り穴316に係合する複数のねじ312または他の好適な締結具を使用して互いに結合させることができる。中間プレート420および底部プレート430の合せ面は、それらが取り付けられたとき、金属−金属シールが中間プレート420と底部プレート430との間に維持され、その結果、周辺チャネル448に入る流体がシャワーヘッドアセンブリ201の周辺のまわりで密閉されるように機械加工することができる。代替として、他のシーリング手段、例えば、Oリングなどが流体シールを維持するために使用される。
【0043】
第2の処理ガスは、化学デリバリモジュール203によって1つまたは複数の第2の流体入口428を通して周辺チャネル448に第1の流量および/または圧力で送出することができる。第2の処理ガスは、周辺チャネル448から外側領域464のチャネル444に分配され、外側領域464の第2の複数のガス通路446を通して送出される。同時に、同じまたは異なる処理ガスを、化学デリバリモジュール203によって1つまたは複数の第1のガス入口429を通して1つまたは複数の供給チャネル468に送出することができる。第2の処理ガスは、供給チャネル468から環状チャネル467に、さらに内側領域462のチャネル444に分配される。次に、第2の処理ガスは、内側領域462の第2の複数のガス通路446を通して送出される。外側領域464および内側領域462に送出される第2の処理ガスは、第1の流量および/または圧力と異なる第2の流量および/または圧力の同じまたは異なる処理ガスとすることができる。
【0044】
ダイバータプレート440は、中間プレート420と底部プレート430との間に挟まれる。外側および内側ガスマニホルド425、426から第1のガス通路442を通して送出される流体が、底部プレート430のそれぞれのガス通路433に送出される前に、外側および内側領域464、462に送出されて第2のガス通路446を通る流体と混合されないために、ダイバータプレート440と中間プレート420との間の合せ面ならびにダイバータプレート440と底部プレート430との間の合せ面が表面−表面シールを形成するようにダイバータプレート440を形成することができる。代替として、他のシーリング手段、例えば、Oリングなどが流体シールを維持するために使用される。
【0045】
図2および4Aを参照すると、有機金属前駆体などの第1の処理ガスは、化学デリバリモジュール203から外側ガスマニホルド425に第1の流量および/または圧力で送出することができる。次に、第1の処理ガスは、外側ガスマニホルド425から中間プレートの複数のガス通路424を通し、さらにダイバータプレート440の位置合わせされた第1のガス通路442を通して送出される。次に、第1の処理ガスは、第1のガス通路442と位置合わせされた底部プレート430のガス通路433を通して処理容積部208に送出される。
【0046】
同時に、第1の処理ガスは、化学デリバリモジュール203から内側ガスマニホルド426に、外側ガスマニホルド425に送出される第1の処理ガスの第1の流量および/または圧力と異なる第2の流量および/または圧力で送出することができる。次に、第1の処理ガスは、内側ガスマニホルド426から中間プレートの複数のガス通路424を通し、さらにダイバータプレート440の位置合わせされた第1のガス通路442を通して送出される。次に、第1の処理ガスは、第1のガス通路442と位置合わせされた底部プレート430のガス通路433を通し、処理容積部208に送出される。このように、第1の処理ガスは、基板処理に対してより細かい制御を行うために処理体積部208の内側および外側領域に異なる流量および/または圧力で送出することができる。
【0047】
実質的に同時に、窒素前駆体などの第2の処理ガスを、化学デリバリモジュール203から1つまたは複数のガス入口428を通して周辺チャネル448に第1の流量および/または圧力で送出することができる。第2の処理ガスは、周辺チャネル448からダイバータプレート440の外側領域464のチャネル444に、さらにダイバータプレート440の外側領域464の第2の複数のガス通路446を通して分配される。次に、第2の処理ガスは、外側領域464の第2のガス通路446と位置合わせされたガス通路433を通して、処理容積部208に送出される前に第1の処理ガスと混合することなく、処理容積部208に送出される。
【0048】
同時に、第2の処理ガスは、化学デリバリモジュール203によって、1つまたは複数の第1のガス入口429を通して1つまたは複数の供給チャネル468に、周辺チャネル448に送出される第2の処理ガスの第1の流量および/または圧力と異なる第2の流量および/または圧力で送出することができる。次に、第2の処理ガスは、供給チャネル468から環状チャネル467に、さらに内側領域462のチャネル444に、さらにダイバータプレート440の内側領域462の第2の複数のガス通路446を通して分配される。次に、第2の処理ガスは、内側領域462の第2のガス通路446と位置合わせされたガス通路433を通して、第1の処理ガスまたは外側領域464を通して送出される第2の処理ガスと混合することなく、処理容積部208に送出される。このように、第2の処理ガスは、基板処理に対してより細かい制御を行うために処理体積部208の内側および外側領域に異なる流量および/または圧力で送出することができる。
【0049】
同時に、第1および第2の処理ガスをシャワーヘッド201を通して処理容積部208に送出しつつ、熱交換流体を、熱交換システム270から底部プレート430の1つまたは複数の供給チャネル432に送出することができる。次に、熱交換流体は、チャネル435および/または交差チャネル436通って循環し、第1および第2の処理ガスならびに処理容積部208に面する底部プレート430の表面を冷却する。次に、熱交換流体は1つまたは複数の戻りチャネル437を通って底部プレート430を出ていき、熱交換システム270に戻る。
【0050】
したがって、本発明の実施形態は、シャワーヘッドを出る前にガスを混合せずに多数の処理ガスを導入するためのシャワーヘッドを提供する。シャワーヘッドは、ろう付けまたは溶接されるのではなく好適な締結具を使用してまとめて固定された多数のプレートを有する。ろう付けではなく多数のプレートを固定することによってシャワーヘッドを生産すると、より簡単でより費用効率の高い生産プロセスが可能になる。その上、1つまたは複数の表面処置または被覆を生産中にプレートの各々に施すことができ、ろう付けまたは溶接されたシャワーヘッドと比較して、洗浄/改修プロセスの間シャワーヘッドを容易に分解して、被覆を剥離し、洗浄し、かつ/または再塗布することができる。例示の表面処置は、ビードブラスティング、グリットブラスティングなどを含むことができる。例示の被覆は、アルミナ、酸化ジルコニウムイットリウム、酸化イットリウム、酸化クロム、炭化ケイ素などを含むことができる。
【0051】
特定のシャワーヘッド構成が
図3A〜3Cおよび4A〜4Dに示されているが、各構成のいくつかの態様は他のものに同等に適用可能とすることができる。例えば、
図3A〜Cに関して図示および説明した構成は、処理体積部の内側および外側領域に前駆体ガスの別個の送出を行うために
図4A〜4Dの多数のマニホルド構成を含むことができる。その上、
図3Aに示した構成は底部プレート330の代わりに底部プレート430を有することができ、または
図4Aに示した構成は底部プレート430の代わりに底部プレート330を有することができる。
【0052】
加えて、本明細書の実施形態は、一般に、MOCVDおよびHVPEのプロセスに関して説明されているが、説明した装置および方法は、多数の処理ガスが、シャワーヘッドを出る前にそれらのガスを混合することなく処理体積部に導入される他のプロセスに同等に適用可能である。
【0053】
前述は本発明の実施形態に関するが、本発明の基本範囲から逸脱することなく本発明の他のおよびさらなる実施形態を考案することができ、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によって決定される。