【実施例】
【0023】
以下に実施例などによって本発明について具体的に説明するが、本発明は以下の例によって何ら限定されない。
【0024】
《実施例1》
(1) 水2000g(2L)に酢酸(関東化学社製「酢酸」、純度100%)50gおよび食塩200gを添加して、酢酸水溶液2250gを調製した。
(2) 小麦粉(日清製粉株式会社製「特雀」)10kg(10000g)に、上記(1)で調製した酢酸水溶液の全量を加えて混捏装置(トーキョーメンキ社製の横型ミキサー)を使用して、20℃で5分間混捏して生地を調製した(第1工程)。
(3) 上記(2)で得られた生地に、食塩200gを水2000g(2L)に溶解した食塩水を加えて、同じ混捏装置を使用して20℃で10分間混捏して麺生地を調製した(第2工程)。
(4) 上記(3)で得られた麺生地を製麺ロールにてロール間隔10mmで麺帯にまとめ、室温下(20℃)にビニール袋中で30分間熟成させた。熟成後、この麺帯を更に製麺ロールにて圧延して約2.5mm厚の麺帯にした後、No.10角切刃を用いて麺線に切り出して生うどんを製造した。
(5) 上記(4)で得られた生うどんを十分量の沸騰水中で茹で歩留りが250%になるようにして茹で時間を調節しながら茹上げた後、直ちに冷水(水温5℃)中で水洗いし、ザルに上げて水を切った。
(6) 上記(5)で得られた茹麺の食感および食味を下記の表1に示す評価基準にしたがって10名のパネラーに点数評価してもらい、その平均値を採ったところ、下記の表2に示すとおりであった。
【0025】
《実施例2》
(1) 水890g(0.89L)に穀物酢(ミツカン社製「穀物酢」、酢酸含量4.2質量%、水分含量93.3質量%)1190g(酢酸50gおよび水1110g)および食塩200gを添加して、穀物酢水溶液2280g(酢酸含量50g、水含量2000g)を調製した。
(2) 小麦粉(日清製粉株式会社製「特雀」)10kg(10000g)に、上記(1)で調製した穀物酢水溶液の全量を加えて混捏装置(トーキョーメンキ社製の横型ミキサー)を使用して、20℃で5分間混捏して生地を調製した(第1工程)。
(3) 上記(2)で得られた生地に、食塩200gを水2000g(2L)に溶解した食塩水を加えて、同じ混捏装置を使用して20℃で10分間混捏して麺生地を調製した(第2工程)。
(4) 上記(3)で得られた麺生地を用いて、実施例1の(4)と同様にして生うどんを製造した後、実施例1の(5)と同様にして茹で歩留りが250%になるように茹で上げ、直ちに冷水(水温5℃)中で水洗いし、ザルに上げて水を切った。
(5) 上記(4)で得られた茹麺の食感および食味を下記の表1に示す評価基準にしたがって10名のパネラーに点数評価してもらい、その平均値を採ったところ、下記の表2に示すとおりであった。
【0026】
《実施例3》
(1) 水1950g(1.95L)に乳酸(CSMジャパン社製「PURAC FCC 50」;純度50%)100g(乳酸50gに相当)および食塩200gを添加して、乳酸水溶液2250gを調製した。
(2) 小麦粉(日清製粉株式会社製「特雀」)10kg(10000g)に、上記(1)で調製した乳酸水溶液の全量を加えて混捏装置(トーキョーメンキ社製の横型ミキサー)を使用して、20℃で5分間混捏して生地を調製した(第1工程)。
(3) 上記(2)で得られた生地に、食塩200gを水2000g(2L)に溶解した食塩水を加えて、同じ混捏装置を使用して20℃で10分間混捏して麺生地を調製した(第2工程)。
(4) 上記(3)で得られた麺生地を用いて、実施例1の(4)と同様にして生うどんを製造した後、実施例1の(5)と同様にして茹で歩留りが250%になるように茹で上げ、直ちに冷水(水温5℃)中で水洗いし、ザルに上げて水を切った。
(5) 上記(4)で得られた茹麺の食感および食味を下記の表1に示す評価基準にしたがって10名のパネラーに点数評価してもらい、その平均値を採ったところ、下記の表2に示すとおりであった。
【0027】
《比較例1》
(1) 水4000g(4L)に酢酸(関東化学社製「酢酸」、純度100%)50gおよび食塩400gを添加して、食塩を含有する酢酸水溶液4450gを調製した。
(2) 小麦粉(日清製粉株式会社製「特雀」)10kg(10000g)に、上記(1)で調製した食塩を含有する酢酸水溶液の全量を加えて混捏装置(トーキョーメンキ社製の横型ミキサー)を使用して、20℃で15分間混捏して、1段で麺生地を調製した。
(3) 上記(2)で得られた麺生地を用いて、実施例1の(4)と同様にして生うどんを製造した後、実施例1の(5)と同様にして茹で歩留りが250%になるように茹で上げ、直ちに冷水(水温5℃)中で水洗いし、ザルに上げて水を切った。
(4) 上記(3)で得られた茹麺の食感および食味を下記の表1に示す評価基準にしたがって10名のパネラーに点数評価してもらい、その平均値を採ったところ、下記の表2に示すとおりであった。
【0028】
《比較例2》
(1) 水3950g(3.95L)に乳酸(CSMジャパン社製「PURAC FCC 50」;純度50%)100g(乳酸50gに相当)および食塩400gを添加して、食塩を含有する乳酸水溶液4450gを調製した。
(2) 小麦粉(日清製粉株式会社製「特雀」)10kg(10000g)に、上記(1)で調製した食塩を含有する乳酸水溶液の全量を加えて混捏装置(トーキョーメンキ社製の横型ミキサー)を使用して、20℃で15分間混捏して、1段で麺生地を調製した。
(3) 上記(2)で得られた麺生地を用いて、実施例1の(4)と同様にして生うどんを製造した後、実施例1の(5)と同様にして茹で歩留りが250%になるように茹で上げ、直ちに冷水(水温5℃)中で水洗いし、ザルに上げて水を切った。
(4) 上記(3)で得られた茹麺の食感および食味を下記の表1に示す評価基準にしたがって10名のパネラーに点数評価してもらい、その平均値を採ったところ、下記の表2に示すとおりであった。
【0029】
《対照例1》
(1) 実施例1で使用した小麦粉8kg(8000g)、加工澱粉(松谷化学工業社製「さくら」;澱粉をアセチル化処理して得られた加工澱粉)2kg(2000g)、食塩400gおよび水4000gを混合した後(食塩は予め水に溶解しておいた)、混捏装置(トーキョーメンキ社製の横型ミキサー)を使用して、20℃で15分間混捏して、1段で麺生地を調製した。
(2) 上記(1)で得られた麺生地を用いて、実施例1の(4)と同様にして生うどんを製造した後、実施例1の(5)と同様にして茹で歩留りが250%になるように茹で上げ、直ちに冷水(水温5℃)中で水洗いし、ザルに上げて水を切った。
(3) 上記(2)で得られた茹麺の食感および食味を下記の表1に示す評価基準にしたがって10名のパネラーに点数評価してもらい、その平均値を採ったところ、下記の表2に示すとおりであった。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
上記の表2の結果にみるように、実施例1〜3では、麺生地の調製に用いる全加水量の6.2〜75質量%の範囲内の水に穀粉の質量に基づいて0.1〜1質量%の範囲内の有機酸を添加した濃縮有機酸水溶液を穀粉に加えて混捏する第1工程を行なった後、残りの水を加えて更に混捏する第2工程を行なって麺生地を調製したことにより、穀粉に全加水量の水と穀粉の質量に基づいて0.1〜1質量%の範囲内の量の有機酸を一度に加えて1段の工程で麺生地を製造した比較例1および2に比べて、粘弾性がより強く、ソフトでモチモチした良好な食感を有する麺(うどん)が得られている。
【0033】
《実施例4》
(1) 実施例1の(1)において、麺生地を製造するための第1工程における酢酸の添加量を変えた以外は、実施例1の(1)〜(4)と同じ操作を行なって生うどんを製造した後、実施例1の(5)と同様にして茹で歩留りが250%になるように茹で上げた後、直ちに冷水(水温5℃)中で水洗いし、ザルに上げて水を切った。
(2) 上記(1)で得られた茹麺の食感および食味を上記の表1に示す評価基準にしたがって10名のパネラーに点数評価してもらい、その平均値を採ったところ、下記の表3に示すとおりであった。
【0034】
【表3】
【0035】
《実施例5》
(1) 実施例1の(1)において、麺生地を製造するための第1工程における加水量を下記の表4に示すように変えて(第1工程における酢酸の添加量は実施例1と同様に小麦粉10000gに対して50g)、実施例1の(1)〜(4)と同様の操作を行なって生うどんを製造した後、実施例1の(5)と同様にして茹で歩留りが250%になるように茹で上げた後、直ちに冷水(水温5℃)中で水洗いし、ザルに上げて水を切った。
(2) 上記(1)で得られた茹麺の食感および食味を上記の表1に示す評価基準にしたがって10名のパネラーに点数評価してもらい、その平均値を採ったところ、下記の表3に示すとおりであった。
【0036】
【表4】