(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5913312
(24)【登録日】2016年4月8日
(45)【発行日】2016年4月27日
(54)【発明の名称】中性/イオンフラックスの制御のための半導体ウエハ処理装置、半導体ウエハ処理システム、及び、ガス分配ユニット
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3065 20060101AFI20160414BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20160414BHJP
H01L 21/205 20060101ALI20160414BHJP
C23C 16/455 20060101ALI20160414BHJP
C23C 16/505 20060101ALI20160414BHJP
H05H 1/46 20060101ALI20160414BHJP
H05H 3/02 20060101ALI20160414BHJP
【FI】
H01L21/302 101B
H01L21/31 C
H01L21/205
C23C16/455
C23C16/505
H05H1/46 M
H05H3/02
【請求項の数】32
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2013-523167(P2013-523167)
(86)(22)【出願日】2011年6月22日
(65)【公表番号】特表2013-541177(P2013-541177A)
(43)【公表日】2013年11月7日
(86)【国際出願番号】US2011041524
(87)【国際公開番号】WO2012018449
(87)【国際公開日】20120209
【審査請求日】2014年6月19日
(31)【優先権主張番号】12/850,559
(32)【優先日】2010年8月4日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】特許業務法人明成国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100096817
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 孝雄
(72)【発明者】
【氏名】ディンドサ・ラジンダー
(72)【発明者】
【氏名】マラクタノフ・アレクセイ
(72)【発明者】
【氏名】ベイリー・アンドリュー・ディー.・ザ サード
【審査官】
杢 哲次
(56)【参考文献】
【文献】
特表2010−512031(JP,A)
【文献】
特開平09−291366(JP,A)
【文献】
特開2007−067005(JP,A)
【文献】
特開2006−041539(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
C23C 16/455
C23C 16/505
H01L 21/205
H01L 21/31
H05H 1/46
H05H 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体ウエハ処理装置であって、
第1のプラズマ発生空間に暴露される第1の電極であって、無線周波数(RF)電力を前記第1のプラズマ発生空間に供給するように定められ、更に、第1のプラズマプロセスガスを前記第1のプラズマ発生空間に分配するように定められた第1の電極と、
第2のプラズマ発生空間に暴露される第2の電極であって、RF電力を第2のプラズマ発生空間に供給するように定められ、更に、基板を前記第2のプラズマ発生空間に暴露させて保持するように定められた第2の電極と、
前記第1のプラズマ発生空間と前記第2のプラズマ発生空間との間に配されたガス分配ユニットであって、前記第1のプラズマ発生空間を前記第2のプラズマ発生空間に流体接続するためにそれぞれ前記ガス分配ユニットを通って伸びる貫通穴の配列を含むように定められ、更に、第2のプラズマプロセスガスを前記第2のプラズマ発生空間に分配するように定められたガス供給ポートの配列に流体接続されたガス供給内部流路を含むように定められたガス分配ユニットと、
を備え、
前記ガス分配ユニットは、前記貫通穴の周囲と前記ガス供給ポートの一部の周囲と前記ガス供給内部流路の水平部分の下側とを定める埋め込み電極を有し、前記埋め込み電極のそれぞれは、前記ガス分配ユニットの外側にある一つ以上の直流バイアス源のいずれかに接続されるように定められ、
前記半導体ウエハ処理装置は、更に、
前記第1の電極の半径方向周縁の外側及び前記ガス分配ユニットの半径方向周縁の外側で前記第1のプラズマ発生空間を取り巻くように形成された排出流路を備える、装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、
前記第1の電極は、前記第1のプラズマ発生空間に面している複数の同心の放射状ゾーン内に配置された複数のガス供給ポートを含むように定められ、各同心放射状ゾーン内の前記ガス供給ポートは、各同心放射状ゾーンへの前記第1のプラズマプロセスガスの供給が独立に制御されるように、それぞれのガス流量制御機器に配管される、装置。
【請求項3】
請求項1に記載の装置であって、
前記第1の電極は、前記第1のプラズマ発生空間の上表面を形成し、
前記第2の電極は、前記第2のプラズマ発生空間の下表面を形成し、
前記ガス分配ユニットは、その上表面が前記第1のプラズマ発生空間の下方境界を提供するように及びその下表面が前記第2のプラズマ発生空間の上方境界を提供するように前記第1のプラズマ発生空間を前記第2のプラズマ発生空間から分離するために形成された板として定められ、前記貫通穴のそれぞれは、前記板を通って前記板の前記上表面から前記板の前記下表面へ伸びる、装置。
【請求項4】
請求項3に記載の装置であって、
前記ガス供給内部流路は、それぞれの領域における前記ガス供給ポートへの前記第2のプラズマプロセスガスの流量が独立に制御されるように、前記ガス供給ポートの配列を前記板の前記下表面全域にわたり複数の同心領域に流体的に分離するように定められる、装置。
【請求項5】
請求項1に記載の装置であって、
前記ガス分配ユニットは、導電性材料で形成され、前記第1のプラズマ発生空間及び前記第2のプラズマ発生空間の両方のための接地電極を提供するように基準接地電位に電気的に接続される、装置。
【請求項6】
請求項1に記載の装置であって、
前記第1の電極は、第1のRF電源に電気的に接続され、
前記第2の電極は、前記第1のRF電源とは別の第2のRF電源に電気的に接続される、装置。
【請求項7】
請求項1に記載の装置であって、
前記第2の電極は、静電気引力を通じて前記基板を保持するように定められる、装置。
【請求項8】
請求項1に記載の装置であって、
前記第2の電極は、前記第2の電極及び前記ガス分配ユニットの両方に垂直な方向に沿った前記第2のプラズマ発生空間の距離の制御を提供するために、前記ガス分配ユニットに近づく方向及び前記ガス分配ユニットから遠ざかる方向に移動可能である、装置。
【請求項9】
請求項1に記載の装置であって、
更に、前記第1のプラズマ発生空間から前記排出流路を通るガスの流れを絞り調整するために前記排出流路内で制御されて移動するように構成された圧力スロットルリングを備える装置。
【請求項10】
請求項9に記載の装置であって、更に、
前記第1のプラズマ発生空間内の圧力を測定するように配された圧力測定機器と、
前記圧力測定機器から得られた前記第1のプラズマ発生空間内の測定圧力に基づいて前記排出流路内における前記圧力スロットルリングの位置を制御するように定められたフィードバック制御メカニズムと、
を備える装置。
【請求項11】
請求項1に記載の装置であって、
前記第2のプラズマ発生空間は、前記第2の電極の半径方向周縁の外側及び前記ガス分配ユニットの半径方向周縁の外側で前記第2のプラズマ発生空間を取り巻くように定められたスロット付き流路群を通して排気されるように定められ、
前記半導体ウエハ処理装置は、更に、前記スロット付き流路群にあてがわれたときに前記スロット付き流路群を覆うように定められた圧力制御リングであって、前記第2のプラズマ発生空間から前記スロット付き流路群を通るガスの流れを絞り調整するために前記スロット付き流路群に近づくように及び前記スロット付き流路群から遠ざかるように移動するように定められた圧力制御リングを備える装置。
【請求項12】
請求項11に記載の装置であって、更に、
前記第2のプラズマ発生空間内の圧力を測定するように配された圧力測定機器と、
前記圧力測定機器から得られた前記第2のプラズマ発生空間内の測定圧力に基づいて前記スロット付き流路群に相対的に前記圧力制御リングの位置を制御するように定められたフィードバック制御メカニズムと、
を備える装置。
【請求項13】
請求項1に記載の装置であって、
各貫通穴は、前記第1のプラズマ発生空間に暴露されている前記ガス分配ユニットの上表面から前記第2のプラズマ発生空間に暴露されている前記ガス分配ユニットの下表面へ、前記ガス分配ユニットの前記上表面と前記下表面との間で垂直に伸びる基準方向からずれた角度で伸びるように定められ、前記角度は、各貫通穴の場所において前記基準方向に前記ガス分配ユニットを見通す視線を遮るのに十分な大きさである、装置。
【請求項14】
半導体ウエハ処理のためのシステムであって、
内部空洞と、前記内部空洞を排出ポンプに流体接続するための排出ポートとを有するように定められたチャンバと、
前記チャンバの前記内部空洞内に配された二重プラズマ処理装置であって、
上方プラズマ発生空間を含む上方プラズマチャンバと、
第1のプラズマプロセスガス及び無線周波数(RF)電力を前記上方プラズマ発生空間に供給するために前記上方プラズマ発生空間の上方に定められたシャワーヘッド電極と、
下方プラズマ発生空間を含む下方プラズマチャンバと、
前記上方プラズマ発生空間と前記下方プラズマ発生空間との間に配されたガス分配ユニットであって、第2のプラズマプロセスガスを前記下方プラズマ発生空間に供給するように定められ、前記上方プラズマ発生空間に面している前記ガス分配ユニットの上表面から前記下方プラズマ発生空間に面している前記ガス分配ユニットの下表面へ延びるように形成された貫通穴の配列を含み、前記上方プラズマ発生空間と前記下方プラズマ発生空間との間で制御された流体連通を提供するガス分配ユニットと、
を備え、
前記ガス分配ユニットは、プラズマプロセスガスを前記下方プラズマ発生空間に分配するように前記ガス分配ユニットの前記下表面に定められたガス供給ポートの配列に流体接続されたガス供給内部流路を含み、
前記ガス分配ユニットは、前記貫通穴の周囲と前記ガス供給ポートの一部の周囲と前記ガス供給内部流路の水平部分の下側とを定める埋め込み電極を有し、前記埋め込み電極のそれぞれは、前記ガス分配ユニットの外側にある一つ以上の直流バイアス源のいずれかに接続されるように定められ、
前記二重プラズマ処理装置は、更に、
前記シャワーヘッド電極の半径方向周縁の外側及び前記ガス分配ユニットの半径方向周縁の外側で前記上方プラズマ発生空間を取り巻くように形成された排出流路を含み、
前記システムは、更に、
前記下方プラズマ発生空間の下方において前記チャンバの前記内部空洞内に配されたチャックであって、基板を前記下方プラズマ発生空間に暴露させて保持するように定められ、更に、RF電力を前記下方プラズマ発生空間に供給するように定められたチャックを備える、システム。
【請求項15】
請求項14に記載のシステムであって、
前記ガス分配ユニットは、導電性材料で形成され、前記上方プラズマ発生空間及び前記下方プラズマ発生空間の両方のための接地電極として機能するように基準接地電位に電気的に接続される、システム。
【請求項16】
請求項14に記載のシステムであって、
前記チャックは、前記チャックと前記ガス分配ユニットとの間で垂直方向に前記下方プラズマ発生空間の距離の制御を提供するために、前記ガス分配ユニットに近づく方向及び前記ガス分配ユニットから遠ざかる方向に移動可能である、システム。
【請求項17】
請求項14に記載のシステムであって、
前記システムは、更に、前記上方プラズマ発生空間から前記排出流路を通るガスの流れを絞り調整するために前記排出流路内で制御されて移動するように構成された圧力スロットルリングを備えるシステム。
【請求項18】
請求項14に記載のシステムであって、
前記下方プラズマチャンバは、前記チャックの半径方向周縁の外側及び前記ガス分配ユニットの半径方向周縁の外側で前記下方プラズマ発生空間を取り巻くように定められたスロット付き流路群を通して排気されるように定められ、
前記システムは、更に、前記スロット付き流路群にあてがわれたときに前記スロット付き流路群を覆うように定められた圧力制御リングであって、前記下方プラズマ発生空間から前記スロット付き流路群を通るガスの流れを絞り調整するために前記スロット付き流路群に近づくように及び前記スロット付き流路群から遠ざかるように移動するように定められた圧力制御リングを備えるシステム。
【請求項19】
請求項14に記載のシステムであって、更に、
前記シャワーヘッド電極を通して前記上方プラズマ発生空間にRF電力を供給するために電気的に接続された第1のRF電源と、
前記チャックを通して前記下方プラズマ発生空間にRF電力を供給するために電気的に接続され、前記第1のRF電源から独立している第2のRF電源と、
前記シャワーヘッド電極に流体接続された第1のプラズマプロセスガス供給部と、
前記ガス分配ユニットに流体接続された第2のプラズマプロセスガス供給部と、
を備え、
前記第1のプラズマプロセスガス供給部及び前記第2のプラズマプロセスガス供給部のそれぞれは、前記上方プラズマ発生空間及び前記下方プラズマ発生空間へのプラズマプロセスガスの流量が独立に制御可能であるように、独立に制御可能である、システム。
【請求項20】
ガス分配ユニットであって、
上表面と下表面とを有し、上方プラズマ発生空間を下方プラズマ発生空間から分離するために形成された板と、
前記板内に埋め込まれた電極と、
を備え、
前記板は、前記上方プラズマ発生空間を前記下方プラズマ発生空間に流体接続するためにそれぞれ前記板を通って前記板の前記上表面から前記板の前記下表面へ伸びる貫通穴の配列を含み、
前記板は、プラズマプロセスガスを前記下方プラズマ発生空間に分配するために前記板の前記下表面上に定められたガス供給ポートの配列に流体接続されたガス供給内部流路を含み、
前記電極は、前記貫通穴の周囲と前記ガス供給ポートの一部の周囲と前記ガス供給内部流路の水平部分の下側とを定め、前記電極のそれぞれは、前記板の外にある一つ以上の直流バイアス源のいずれかに接続されるように定められる、
ガス分配ユニット。
【請求項21】
請求項20に記載のガス分配ユニットであって、
前記板は、導電性材料で形成され、前記板は、前記上方プラズマ発生空間及び前記下方プラズマ発生空間のそれぞれのための接地電極を提供するために基準接地電位に電気的に接続される、ガス分配ユニット。
【請求項22】
請求項20に記載のガス分配ユニットであって、
前記ガス供給内部流路及び前記ガス供給ポートは、前記プラズマプロセスガスが前記下方プラズマ発生空間には分配されるが前記上方プラズマ発生空間には分配されないように、前記貫通穴の配列の間に定められる、ガス分配ユニット。
【請求項23】
請求項20に記載のガス分配ユニットであって、
前記ガス供給内部流路は、それぞれの領域における前記ガス供給ポートへの前記プラズマプロセスガスの流量が独立に制御されるように、前記ガス供給ポートの配列を前記板の前記下表面全域にわたり複数の同心領域に流体的に分離するように定められる、ガス分配ユニット。
【請求項24】
請求項20に記載のガス分配ユニットであって、
各貫通穴は、前記板の前記上表面から前記板の前記下表面へ、前記板の前記上表面と前記下表面との間で垂直に伸びる基準方向からずれた角度で伸びるように定められ、前記角度は、各貫通穴の場所において前記基準方向に前記板を見通す視線を遮るのに十分な大きさである、ガス分配ユニット。
【請求項25】
請求項20に記載のガス分配ユニットであって、更に、
前記板の前記上表面上に配されるように形成された円盤であって、前記円盤を通って伸びる複数の穴パターンを含む円盤を備え、
前記複数の穴パターンのそれぞれは、前記円盤を前記板の前記上表面に対して或る特定の回転位置で前記板の前記上表面上に配することが、前記複数の穴パターンのうちの特定の一パターンを前記板内の対応する貫通穴群と合致させることに相当するように、前記板内の異なる貫通穴群と合致しており、
前記円盤は、前記円盤と前記板との間に熱伝導及び電気伝導が存在するように前記板に固定される、ガス分配ユニット。
【請求項26】
請求項25に記載のガス分配ユニットであって、
前記円盤を通る前記複数の穴パターンのそれぞれは、前記板内の異なる数の又は異なる空間パターンの貫通穴を暴露させるように定められる、ガス分配ユニット。
【請求項27】
請求項20に記載のガス分配ユニットであって、更に、
前記板の前記上表面上に同心状に配されるように形成された、中心円盤及び複数の同心リングを備え、
前記中心円盤及び前記複数の同心リングのそれぞれは、その中を通って伸びる複数の穴パターンをそれぞれ含み、
前記複数の穴パターンのそれぞれは、前記板の前記上表面に対して或る特定の回転位置で前記中心円盤及び前記同心リングのそれぞれを前記板の前記上表面上に配することが、前記複数の穴パターンのうちの特定の一パターンを前記板内の対応する貫通穴群と合致させることに相当するように、前記板内の異なる貫通穴群と合致しており、
前記中心円盤及び前記幾つかの同心リングのそれぞれは、前記板と前記中心円盤及び前記幾つかの同心リングのそれぞれとの間に熱伝導及び電気伝導が存在するように前記板に固定される、ガス分配ユニット。
【請求項28】
請求項27に記載のガス分配ユニットであって、
前記中心円盤及び前記幾つかの同心リングを通って伸びる前記複数の穴パターンのそれぞれは、前記板内の異なる数の又は異なる空間パターンの貫通穴を暴露させるように定められる、ガス分配ユニット。
【請求項29】
請求項27に記載のガス分配ユニットであって、
前記中心円盤及び前記幾つかの同心リングは、前記板の前記上表面に対してそれぞれの回転位置へ独立に移動可能である、ガス分配ユニット。
【請求項30】
請求項1に記載の装置であって、
前記ガス分配ユニット内に配置された前記埋め込み電極は、複数の個別に制御可能なゾーン内に定められ、各ゾーンは異なる直流バイアス源に接続される、装置。
【請求項31】
請求項1に記載の装置であって、更に、
前記第1のプラズマ発生空間を誘導結合プラズマチャンバとして動作させるように定められた誘導コイルを備える、装置。
【請求項32】
請求項14に記載のシステムであって、
前記二重プラズマ処理装置は、前記上方プラズマチャンバを誘導結合プラズマチャンバとして動作させるように定められた誘導コイルを備える、システム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
半導体ウエハの製造に使用されている現行のプラズマ処理システムは、ラジカル分離、ラジカルフラックス、イオンエネルギ、及びウエハに供給されるイオンフラックスを制御するために、相互に大きく依存しあう制御パラメータに頼っている。例えば、現行のプラズマ処理システムは、ウエハの存在下で発生する単種のプラズマを制御することによって、必要なラジカル分離、ラジカルフラックス、イオンエネルギ、及びイオンフラックスを実現しようと試みている。あいにく、イオンの発生及びプラズマの密度には、化学物質の解離及びラジカルの形成が結び付いており、これらは、所望のプラズマ処理条件を達成するために連携しあうことは稀である。
【0002】
例えば、現行のプラズマ処理システムでは、化学物質の解離が高いほど、より高電力の印加が必要とされ、これは、ひいては、より高密度のプラズマを発生させるので、より高い化学物質解離と、より低いイオン密度とを、同じプラズマのなかで同時に得ることは困難である。また、現行のプラズマ処理システムでは、制御パラメータ間における大きな相互依存性によって、より小さい技術ノード用途における処理窓及び/又は生産能力が制限される。以上から、イオンフラックスに対するラジカル/中性フラックスの独立制御を提供するプラズマ処理システムが必要とされている。
【発明の概要】
【0003】
一実施形態では、半導体ウエハ処理装置が開示される。装置は、第1のプラズマ発生空間に暴露される第1の電極を含む。第1の電極は、無線周波数(RF)電力を第1のプラズマ発生空間に供給するように定められる。第1の電極は、更に、第1のプラズマプロセスガスを第1のプラズマ発生空間に分配するように定められる。装置は、また、第2のプラズマ発生空間に暴露される第2の電極を含む。第2の電極は、RF電力を第2のプラズマ発生空間に供給するように定められる。第2の電極は、更に、基板を第2のプラズマ発生空間に暴露させて保持するように定められる。装置は、更に、第1のプラズマ発生空間と第2のプラズマ発生空間との間に配されたガス分配ユニットを含む。ガス分配ユニットは、第1のプラズマ発生空間を第2のプラズマ発生空間に流体接続するためにそれぞれガス分配ユニットを通って伸びる貫通穴の配列を含むように定められる。ガス分配ユニットは、第2のプラズマプロセスガスを第2のプラズマ発生空間に分配するように定められたガス供給ポートの配列
に流体接続されたガス供給内部流路を含むように定められる。
また、ガス分配ユニットは、貫通穴の周囲とガス供給ポートの一部の周囲と前記供給内部流路の水平部分の下側とを定める埋め込み電極を有し、埋め込み電極のそれぞれは、ガス分配ユニットの外側にある一つ以上の直流バイアス源のいずれかに接続されるように定められる。装置は、更に、前記第1の電極の半径方向周縁の外側及び前記ガス分配ユニットの半径方向周縁の外側で前記第1のプラズマ発生空間を取り巻くように形成された排出流路を備える。
【0004】
別の一実施形態では、半導体ウエハ処理のためのシステムが開示される。システムは、内部空洞と、該内部空洞を排出ポンプに流体接続するための排出ポートとを有するように定められたチャンバを含む。システムは、また、チャンバの内部空洞内に配された二重プラズマ処理装置を含む。二重プラズマ処理装置は、上方プラズマ発生空間を含む上方プラズマチャンバを含む。二重プラズマ処理装置は、また、第1のプラズマプロセスガス及びRF電力を上方プラズマ発生空間に供給するために上方プラズマ発生空間の上方に定められたシャワーヘッド電極を含む。二重プラズマ処理装置は、また、下方プラズマ発生空間を含む下方プラズマチャンバを含む。二重プラズマ処理装置は、また、上方プラズマ発生空間と下方プラズマ発生空間との間に配されたガス分配ユニットを含む。ガス分配ユニットは、第2のプラズマプロセスガスを下方プラズマ発生空間に供給するように定められる。ガス分配ユニットは、更に、上方プラズマ発生空間と下方プラズマ発生空間との間で制御された流体連通を提供するように定められる。システムは、更に、下方プラズマ発生空間の下方においてチャンバの内部空洞内に配されたチャックを含む。チャックは、基板を下方プラズマ発生空間に暴露させて保持するように定められる。チャックは、更に、RF電力を下方プラズマ発生空間に供給するように定められる。上方プラズマチャンバ及び下方プラズマチャンバのそれぞれは、上方プラズマ発生空間及び下方プラズマ発生空間をチャンバの内部空洞内へ排気するようにそれぞれ定められる。
【0005】
別の一実施形態では、ガス分配ユニットが開示される。ガス分配ユニットは、上方プラズマ発生空間を下方プラズマ発生空間から分離するように形成された板を含む。板の上表面は、上方プラズマ発生空間の下方境界を提供する。板の下表面は、下方プラズマ発生空間の上方境界を提供する。板は、上方プラズマ発生空間を下方プラズマ発生空間に流体接続するためにそれぞれ板を通って板の上表面から板の下表面へ伸びる貫通穴の配列を含む。板は、また、プラズマプロセスガスを下方プラズマ発生空間に分配するために板の下表面に定められたガス供給ポートの配列に流体接続されたガス供給内部流路を含む。
本発明は、以下の適用例としても実現可能である。
[適用例1]
半導体ウエハ処理装置であって、
第1のプラズマ発生空間に暴露される第1の電極であって、無線周波数(RF)電力を前記第1のプラズマ発生空間に供給するように定められ、更に、第1のプラズマプロセスガスを前記第1のプラズマ発生空間に分配するように定められた第1の電極と、
第2のプラズマ発生空間に暴露される第2の電極であって、RF電力を第2のプラズマ発生空間に供給するように定められ、更に、基板を前記第2のプラズマ発生空間に暴露させて保持するように定められた第2の電極と、
前記第1のプラズマ発生空間と前記第2のプラズマ発生空間との間に配されたガス分配ユニットであって、前記第1のプラズマ発生空間を前記第2のプラズマ発生空間に流体接続するためにそれぞれ前記ガス分配ユニットを通って伸びる貫通穴の配列を含むように定められ、更に、第2のプラズマプロセスガスを前記第2のプラズマ発生空間に分配するように定められたガス供給ポートの配列を含むように定められたガス分配ユニットと、
を備える装置。
[適用例2]
適用例1に記載の装置であって、
前記第1の電極は、前記第1のプラズマ発生空間に面している複数の同心の放射状ゾーン内に配置された複数のガス供給ポートを含むように定められ、各同心放射状ゾーン内の前記ガス供給ポートは、各同心放射状ゾーンへの前記第1のプラズマプロセスガスの供給が独立に制御されるように、それぞれのガス流量制御機器に配管される、装置。
[適用例3]
適用例1に記載の装置であって、
前記第1の電極は、前記第1のプラズマ発生空間の上表面を形成し、
前記第2の電極は、前記第2のプラズマ発生空間の下表面を形成し、
前記ガス分配ユニットは、その上表面が前記第1のプラズマ発生空間の下方境界を提供するように及びその下表面が前記第2のプラズマ発生空間の上方境界を提供するように前記第1のプラズマ発生空間を前記第2のプラズマ発生空間から分離するために形成された板として定められ、前記貫通穴のそれぞれは、前記板を通って前記板の前記上表面から前記板の前記下表面へ伸びる、装置。
[適用例4]
適用例3に記載の装置であって、
前記板は、前記第2のプラズマプロセスガスを前記第2のプラズマ発生空間に分配するために前記板の前記下表面上に定められたガス供給ポートの配列に流体接続されたガス供給内部流路を含む、装置。
[適用例5]
適用例4に記載の装置であって、
前記ガス供給流路は、それぞれの領域における前記ガス供給ポートへの前記第2のプラズマプロセスガスの流量が独立に制御されるように、前記ガス供給ポートの配列を前記板の前記下表面全域にわたり複数の同心領域に流体的に分離するように定められる、装置。
[適用例6]
適用例1に記載の装置であって、
前記ガス分配ユニットは、導電性材料で形成され、前記第1のプラズマ発生空間及び前記第2のプラズマ発生空間の両方のための接地電極を提供するように基準接地電位に電気的に接続される、装置。
[適用例7]
適用例1に記載の装置であって、
前記第1の電極は、第1のRF電源に電気的に接続され、
前記第2の電極は、前記第1のRF電源とは別の第2のRF電源に電気的に接続される、装置。
[適用例8]
適用例1に記載の装置であって、
前記第2の電極は、静電気引力を通じて前記基板を保持するように定められる、装置。
[適用例9]
適用例1に記載の装置であって、
前記第2の電極は、前記第2の電極及び前記ガス分配ユニットの両方に垂直な方向に沿った前記第2のプラズマ発生空間の距離の制御を提供するために、前記ガス分配ユニットに近づく方向及び前記ガス分配ユニットから遠ざかる方向に移動可能である、装置。
[適用例10]
適用例1に記載の装置であって、
前記第1のプラズマ発生空間は、前記第1の電極の半径方向周縁の外側及び前記ガス分配ユニットの半径方向周縁の外側で前記第1のプラズマ発生空間を取り巻くように定められた排出流路を通して排気されるように定められ、
前記半導体ウエハ処理装置は、更に、前記第1のプラズマ発生空間から前記排出流路を通るガスの流れを絞り調整するために前記排出流路内で移動するように定められた圧力スロットルリングを備える装置。
[適用例11]
適用例10に記載の装置であって、更に、
前記第1のプラズマ発生空間内の圧力を測定するように配された圧力測定機器と、
前記圧力測定機器から得られた前記第1のプラズマ発生空間内の測定圧力に基づいて前記排出流路内における前記圧力スロットルリングの位置を制御するように定められたフィードバック制御メカニズムと、
を備える装置。
[適用例12]
適用例1に記載の装置であって、
前記第2のプラズマ発生空間は、前記第2の電極の半径方向周縁の外側及び前記ガス分配ユニットの半径方向周縁の外側で前記第2のプラズマ発生空間を取り巻くように定められたスロット付き流路群を通して排気されるように定められ、
前記半導体ウエハ処理装置は、更に、前記スロット付き流路群にあてがわれたときに前記スロット付き流路群を覆うように定められた圧力制御リングであって、前記第2のプラズマ発生空間から前記スロット付き流路群を通るガスの流れを絞り調整するために前記スロット付き流路群に近づくように及び前記スロット付き流路群から遠ざかるように移動するように定められた圧力制御リングを備える装置。
[適用例13]
適用例12に記載の装置であって、更に、
前記第2のプラズマ発生空間内の圧力を測定するように配された圧力測定機器と、
前記圧力測定機器から得られた前記第2のプラズマ発生空間内の測定圧力に基づいて前記スロット付き流路群に相対的に前記圧力制御リングの位置を制御するように定められたフィードバック制御メカニズムと、
を備える装置。
[適用例14]
適用例1に記載の装置であって、
各貫通穴は、前記第1のプラズマ発生空間に暴露されている前記ガス分配ユニットの上表面から前記第2のプラズマ発生空間に暴露されている前記ガス分配ユニットの下表面へ、前記ガス分配ユニットの前記上表面と前記下表面との間で垂直に伸びる基準方向からずれた角度で伸びるように定められ、前記角度は、各貫通穴の場所において前記基準方向に前記ガス分配ユニットを見通す視線を遮るのに十分な大きさである、装置。
[適用例15]
半導体ウエハ処理のためのシステムであって、
内部空洞と、前記内部空洞を排出ポンプに流体接続するための排出ポートとを有するように定められたチャンバと、
前記チャンバの前記内部空洞内に配された二重プラズマ処理装置であって、
上方プラズマ発生空間を含む上方プラズマチャンバと、
第1のプラズマプロセスガス及び無線周波数(RF)電力を前記上方プラズマ発生空間に供給するために前記上方プラズマ発生空間の上方に定められたシャワーヘッド電極と、
下方プラズマ発生空間を含む下方プラズマチャンバと、
前記上方プラズマ発生空間と前記下方プラズマ発生空間との間に配されたガス分配ユニットであって、第2のプラズマプロセスガスを前記下方プラズマ発生空間に供給するように定められ、更に、前記上方プラズマ発生空間と前記下方プラズマ発生空間との間で制御された流体連通を提供するように定められたガス分配ユニットと、
を含む二重プラズマ処理装置と、
前記下方プラズマ発生空間の下方において前記チャンバの前記内部空洞内に配されたチャックであって、基板を前記下方プラズマ発生空間に暴露させて保持するように定められ、更に、RF電力を前記下方プラズマ発生空間に供給するように定められたチャックと、
を備え、
前記上方プラズマチャンバ及び前記下方プラズマチャンバのそれぞれは、前記上方プラズマ発生空間及び前記下方プラズマ発生空間を前記チャンバの内部空洞内へ排気するようにそれぞれ定められる、システム。
[適用例16]
適用例15に記載のシステムであって、
前記ガス分配ユニットは、導電性材料で形成され、前記上方プラズマ発生空間及び前記下方プラズマ発生空間の両方のための接地電極として機能するように基準接地電位に電気的に接続される、システム。
[適用例17]
適用例15に記載のシステムであって、
前記ガス分配ユニットは、前記上方プラズマ発生空間と前記下方プラズマ発生空間との間で制御された流体連通を提供するために、前記上方プラズマ発生空間に面している前記ガス分配ユニットの上表面から前記下方プラズマ発生空間に面している前記ガス分配ユニットの下表面へ伸びるように形成された貫通穴の配列を含む、システム。
[適用例18]
適用例15に記載のシステムであって、
前記チャックは、前記チャックと前記ガス分配ユニットとの間で垂直方向に前記下方プラズマ発生空間の距離の制御を提供するために、前記ガス分配ユニットに近づく方向及び前記ガス分配ユニットから遠ざかる方向に移動可能である、システム。
[適用例19]
適用例15に記載のシステムであって、
前記上方プラズマチャンバは、前記シャワーヘッド電極の半径方向周縁の外側及び前記ガス分配ユニットの半径方向周縁の外側で前記下方プラズマ発生空間を取り巻くように定められた排出流路を通して排気されるように定められ、
前記システムは、更に、前記上方プラズマ発生空間から前記排出流路を通るガスの流れを絞り調整するために前記排出流路内で移動するように定められた圧力スロットルリングを備えるシステム。
[適用例20]
適用例15に記載のシステムであって、
前記下方プラズマ発生空間は、前記チャックの半径方向周縁の外側及び前記ガス分配ユニットの半径方向周縁の外側で前記下方プラズマ発生空間を取り巻くように定められたスロット付き流路群を通して排気されるように定められ、
前記システムは、更に、前記スロット付き流路群にあてがわれたときに前記スロット付き流路群を覆うように定められた圧力制御リングであって、前記下方プラズマ発生空間から前記スロット付き流路群を通るガスの流れを絞り調整するために前記スロット付き流路群に近づくように及び前記スロット付き流路群から遠ざかるように移動するように定められた圧力制御リングを備えるシステム。
[適用例21]
適用例15に記載のシステムであって、更に、
前記シャワーヘッド電極を通して前記上方プラズマ発生空間にRF電力を供給するために電気的に接続された第1のRF電源と、
前記チャックを通して前記下方プラズマ発生空間にRF電力を供給するために電気的に接続され、前記第1のRF電源から独立している第2のRF電源と、
前記シャワーヘッド電極に流体接続された第1のプラズマプロセスガス供給部と、
前記ガス分配ユニットに流体接続された第2のプラズマプロセスガス供給部と、
を備え、
前記第1のプラズマプロセスガス供給部及び前記第2のプラズマプロセスガス供給部のそれぞれは、前記上方プラズマ発生空間及び前記下方プラズマ発生空間へのプラズマプロセスガスの流量が独立に制御可能であるように、独立に制御可能である、システム。
[適用例22]
ガス分配ユニットであって、
その上表面が前記上方プラズマ発生空間の下方境界を提供するように及びその下表面が前記下方プラズマ発生空間の上方境界を提供するように前記上方プラズマ発生空間を前記下方プラズマ発生空間から分離するために形成された板を備え、
前記板は、前記上方プラズマ発生空間を前記下方プラズマ発生空間に流体接続するためにそれぞれ前記板を通って前記板の前記上表面から前記板の前記下表面へ伸びる貫通穴の配列を含み、
前記板は、プラズマプロセスガスを前記下方プラズマ発生空間に分配するために前記板の前記下表面上に定められたガス供給ポートの配列に流体接続されたガス供給内部流路を含む、ガス分配ユニット。
[適用例23]
適用例22に記載のガス分配ユニットであって、
前記板は、導電性材料で形成され、前記板は、前記上方プラズマ発生空間及び前記下方プラズマ発生空間のそれぞれのための接地電極を提供するために基準接地電位に電気的に接続される、ガス分配ユニット。
[適用例24]
適用例22に記載のガス分配ユニットであって、
前記ガス供給流路及び前記ガス供給ポートは、前記プラズマプロセスガスが前記下方プラズマ発生空間には分配されるが前記上方プラズマ発生空間には分配されないように、前記貫通穴の配列の間に定められる、ガス分配ユニット。
[適用例25]
適用例22に記載のガス分配ユニットであって、
前記ガス供給流路は、それぞれの領域における前記ガス供給ポートへの前記プラズマプロセスガスの流量が独立に制御されるように、前記ガス供給ポートの配列を前記板の前記下表面全域にわたり複数の同心領域に流体的に分離するように定められる、ガス分配ユニット。
[適用例26]
適用例22に記載のガス分配ユニットであって、
各貫通穴は、前記板の前記上表面から前記板の前記下表面へ、前記板の前記上表面と前記下表面との間で垂直に伸びる基準方向からずれた角度で伸びるように定められ、前記角度は、各貫通穴の場所において前記基準方向に前記板を見通す視線を遮るのに十分な大きさである、ガス分配ユニット。
[適用例27]
適用例22に記載のガス分配ユニットであって、更に、
前記板の前記上表面上に配されるように形成された円盤であって、前記円盤を通って伸びる複数の穴パターンを含む円盤を備え、
前記複数の穴パターンのそれぞれは、前記円盤を前記板の前記上表面に対して或る特定の回転位置で前記板の前記上表面上に配することが、前記複数の穴パターンのうちの特定の一パターンを前記板内の対応する貫通穴群と合致させることに相当するように、前記板内の異なる貫通穴群と合致しており、
前記円盤は、前記円盤と前記板との間に熱伝導及び電気伝導が存在するように前記板に固定される、ガス分配ユニット。
[適用例28]
適用例27に記載のガス分配ユニットであって、
前記円盤を通る前記複数の穴パターンのそれぞれは、前記板内の異なる数の又は異なる空間パターンの貫通穴を暴露させるように定められる、ガス分配ユニット。
[適用例29]
適用例22に記載のガス分配ユニットであって、更に、
前記板の前記上表面上に同心状に配されるように形成された、中心円盤及び複数の同心リングを備え、
前記中心円盤及び前記複数の同心リングのそれぞれは、その中を通って伸びる複数の穴パターンをそれぞれ含み、
前記複数の穴パターンのそれぞれは、前記板の前記上表面に対して或る特定の回転位置で前記中心円盤及び前記同心リングのそれぞれを前記板の前記上表面上に配することが、前記複数の穴パターンのうちの特定の一パターンを前記板内の対応する貫通穴群と合致させることに相当するように、前記板内の異なる貫通穴群と合致しており、
前記中心円盤及び前記幾つかの同心リングのそれぞれは、前記板と前記中心円盤及び前記幾つかの同心リングのそれぞれとの間に熱伝導及び電気伝導が存在するように前記板に固定される、ガス分配ユニット。
[適用例30]
適用例29に記載のガス分配ユニットであって、
前記中心円盤及び前記幾つかの同心リングを通って伸びる前記複数の穴パターンのそれぞれは、前記板内の異なる数の又は異なる空間パターンの貫通穴を暴露させるように定められる、ガス分配ユニット。
[適用例31]
適用例29に記載のガス分配ユニットであって、
前記中心円盤及び前記幾つかの同心リングは、前記板の前記上表面に対してそれぞれの回転位置へ独立に移動可能である、ガス分配ユニット。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本発明を例として示した添付の図面と併せて提供される以下の詳細な説明から、本発明のその他の特徴及び利点がより明らかになる。
【
図1】本発明の一実施形態にしたがった、半導体ウエハ処理装置を示した図である。
【
図2】本発明の一実施形態にしたがった、シャワーヘッド電極の底面図である。
【
図3A】本発明の一実施形態にしたがった、ガス分配ユニットの底面図である。
【
図3B】本発明の一実施形態にしたがった、ガス分配ユニットの上面図である。
【
図3C】本発明の一実施形態にしたがった、ガス供給ポートの断面図である。
【
図3D】本発明の一実施形態にしたがった、ガス分配ユニットを通って伸びるように定められた貫通穴の断面、及び角度を示した図である。
【
図4A】本発明の一実施形態にしたがった、ガス分配ユニットの上表面上に配された流量制御板を示した図である。
【
図4B】本発明の一実施形態にしたがった、流量制御板の上面図であり、該板は、その中に定められた穴パターンがその下のガス分配ユニット内に定められた全ての貫通穴を通る流れを可能にするように位置決めされている。
【
図4C】本発明の一実施形態にしたがった、流量制御板の上面図であり、該板は、その中に定められた穴パターンがその下のガス分配ユニット内に定められた角度をつけられた貫通穴を通る流れのみを可能にするように位置決めされている。
【
図4D】本発明の一実施形態にしたがった、複数の同心の回転式流量制御板によって定められた流量制御板アセンブリの上面図である。
【
図5】本発明の一実施形態にしたがった、上方プラズマ及び下方プラズマを伴う
図1のチャンバを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下の説明では、本発明の完全な理解を与えるために、多くの具体的詳細が特定されている。しかしながら、当業者ならば、本発明が、これらの具体的詳細の一部又は全部を特定しなくても実施可能であることが明らかである。また、本発明を不必要に不明瞭にしないために、周知のプロセス工程の詳細な説明は省かれている。
【0008】
本明細書では、半導体ウエハ処理中に、ラジカル/中性種を荷電イオン種に対して独立に制御可能であるように、中性種に基づくラジカルの発生をプラズマ内におけるイオンの発生から切り離すことを可能にするための、半導体ウエハ処理装置が開示される。装置は、上方の、すなわち下流のプラズマ発生空間を含み、該空間内では、関連のイオンの発生に対する懸念の必要なくラジカル/中性種が生成される。装置は、また、下方のプラズマ発生空間も含み、該空間内では、基板すなわちウエハに暴露されて、適切なイオン密度を有する別のプラズマが発生する。上方プラズマ発生空間内のラジカル/中性種は、被制御方式でガス分配ユニットを通って下方プラズマ発生空間に流れ込み、それによって、ウエハ処理のためのラジカル/中性種成分を提供する。
【0009】
ラジカル/中性種は、上方プラズマ発生空間と下方プラズマ発生空間とを分離するガス分配ユニットを通って上方プラズマ発生空間から下方プラズマ発生空間へ移動することを許される。しかしながら、上方プラズマ発生空間内で発生したイオンは、ガス分配ユニットによって、下方プラズマ発生空間への移動を阻まれる。したがって、ガス分配ユニットは、イオンフィルタとして機能する。上方プラズマ発生空間から寄与されたラジカル/中性種は、下方プラズマ発生空間内におけるウエハ処理に使用される。下方プラズマ発生空間内で発生するイオンは、ウエハ処理に使用された荷電種を表わしている。
【0010】
ウエハ処理に寄与するラジカル/中性種フラックスが、ウエハに暴露されて発生するイオンプラズマから独立して生成されるように、上方プラズマ発生空間及び下方プラズマ発生空間は、独立に制御可能である。したがって、本明細書で開示される装置の上方プラズマ発生空間及び下方プラズマ発生空間は、ウエハ処理中に、イオンフラックスからのラジカル/中性フラックスの切り離しを提供する。したがって、ラジカル/中性種は、イオンフラックスから切り離して制御することができる。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態にしたがった、半導体ウエハ処理装置を示している。装置は、上板100Aと、底板100Bと、壁100Cとによって形成されるチャンバ100を含む。一実施形態では、壁100Cは、切れ目のない円筒状の壁100Cを形成する。その他の実施形態では、壁100Cは、チャンバ100の内部空洞100Dがチャンバ100の外側の外部環境から隔離可能である限り、その他の構成を有することができる。チャンバの上板100Aと、底板100Bと、壁100Cとの間には、外部環境からのチャンバ100の内部空洞100Dの隔離を促すために、幾つかのシール139が配される。
【0012】
様々な実施形態において、チャンバ100の上板100A、底板100B、及び壁100Cは、電気及び熱の優れた導体である金属であって、プロセスガス(それによりウエハ処理中に内部空洞100Dが暴露される)に化学的に適合可能な金属で形成することができる。例えば、様々な実施形態において、チャンバ100の構成要素を形成するために、アルミニウムやステンレス鋼などの金属が使用されてよい。また、シール139は、内部空洞100Dが暴露される処理材料に化学的に適合可能であってチャンバ100の外側の外部環境から内部空洞100Dを十分に隔離する限り、エラストマシール、又は消耗金属シール、又はその他の任意のタイプのシール材料であってよい。
【0013】
その他の実施形態では、チャンバ100の設置に特有な条件又はその他の検討事項を満足させられるように、上板100A、底板100B、及び壁100Cのうちの任意の1つ以上の外側に、1枚以上の追加の板又は部材を配することができる。また、上板100A、底板100B、及び/又は壁100Cは、具体的な実装形態に適するように、これらの追加の板又は部材に留め付けることができる。上板100A、底板100B、及び壁100Cを含むチャンバ100構造は、導電性材料で形成され、基準接地電位に電気的に接続される。
【0014】
チャンバ100は、排出ポート135を含み、該ポート135は、内部空洞100D内からガス及び/又は微粒子を除去するために排出ポート135を通して負圧が印加可能であるように、外部の排出ポンプ137への内部空洞100Dの流体接続を提供する。一実施形態では、チャンバ100は、また、内部空洞100Dへのウエハ113の挿入及びそれに対応する内部空洞100Dからのウエハ113の取り出しを可能にするためにチャンバ壁100Cの一区画内に形成されたゲート弁102を含む。ゲート弁102は、その閉位置において、外部環境からの内部空洞100Dの隔離を維持するように定められる。様々な実施形態において、排出ポンプ137は、チャンバ100の内部空洞100Dから流体の流れを引き出すために排出ポート135において吸引を行うことができる限り、様々に異なる形で実装可能である。
【0015】
チャンバ100の内部空洞100D内に、二重プラズマ処理装置が配される。二重プラズマ処理装置は、上方プラズマ発生空間103を含む上方プラズマチャンバ112を含む。二重プラズマ処理装置は、また、下方プラズマ発生空間109を含む下方プラズマチャンバ114を含む。上方プラズマチャンバ112/下方プラズマチャンバ114は、上方プラズマ発生空間103と下方プラズマ発生空間109とを分離するように配されたガス分配ユニット115によって物理的に及び流体的に接続される。
【0016】
上方プラズマチャンバ112は、一部には、上方プラズマチャンバ112の周囲に定められて上板100Aに接続された外側構造部材104によって形成される。上方プラズマチャンバ112は、また、外側構造部材104内で上方プラズマ発生空間103の上方に配されたシャワーヘッド電極101を含む。シャワーヘッド電極101は、絶縁部材141によって上板100Aに留め付けられる。絶縁部材141は、電気的絶縁を提供するように定められる。しかしながら、絶縁部材141は、シャワーヘッド電極101と、絶縁部材141と境界を接するその他の構成要素との間で熱伝導を提供するようにも定められる。
【0017】
動作中は、RF電源105からシャワーヘッド電極101に無線周波数(RF)電力が供給される。一実施形態では、RF電源105は、複数の周波数でRF電力を提供するように定められる。一実施形態では、RF電源105の周波数は、1kHzから100MHzまでの範囲内で設定される。別の一実施形態では、RF電源105の周波数は、400kHzから60MHzまでの範囲内で設定される。プラズマ密度は、主に、RF電源105によって制御される。
【0018】
また、一実施形態では、シャワーヘッド電極101は、上方プラズマ発生空間103内のプラズマ電位をプラズマ密度とは独立に制御することを可能にするために、DCバイアス源120に接続される。DCバイアス源120は、接地より上の様々な電圧設定にシャワーヘッド電極101のバイアスを制御するように定められる。一実施形態では、シャワーヘッド電極101のDCバイアス源120は、上方プラズマ発生空間103内のプラズマを下方プラズマ発生空間109内のプラズマに同期化させるためにパルス方式で動作するように定めることができる。より具体的には、DCバイアス源120のこのパルス式の制御は、上方プラズマ発生空間103内のプラズマと下方プラズマ発生空間109内のプラズマとの間の時間依存性の電圧差を制御するために使用することができる。
【0019】
絶縁部材141及び外側構造部材104の上方には、これら両方に接触してヒータ143が配される。ヒータ143は、上板100Aにも固定される。また、上板100A内には、幾本かの冷却流路145が定められる。上板100Aから熱を引き出すために、冷却流路145には、冷却流体が流される。一実施形態では、冷却流体は、水である。しかしながら、その他の実施形態は、上板100Aの材料に化学的に適合可能である限り、水以外の冷却流体を用いてもよい。一実施形態では、ヒータ143及び冷却流路145を通じて上板100Aの温度を制御するために、チャンバ100の様々な部分からの、熱電対によって測定された温度フィードバックが使用される。ヒータ143及び冷却流路145によって、シャワーヘッド電極101の、及びひいては上方プラズマ発生空間103の温度を制御することができる。
【0020】
シャワーヘッド電極101は、絶縁リング147によって外側構造部材104から電気的に絶縁されている。一実施形態では、絶縁リング147及び/又は絶縁部材141は、石英で形成される。その他の実施形態では、絶縁リング147及び/又は絶縁部材141は、熱伝導も提供しつつ電気的絶縁を提供する限り、石英以外の材料で形成することができる。
【0021】
図2は、本発明の一実施形態にしたがった、シャワーヘッド電極101の底面図を示している。シャワーヘッド電極101は、プラズマプロセスガスを上方プラズマ発生空間
103に供給するように定められたガス供給ポート121の配列を含む。プラズマプロセスガスは、1つ以上のプラズマプロセスガス供給源116からシャワーヘッド電極101に供給される。一部の実施形態では、ガス供給源116は、シャワーヘッド電極101を通って流れるものとして適したガス及び/又はガス混合の選択を提供する複数のガス供給部及び/又はガスボックスを表わしている。シャワーヘッド電極101は、上方プラズマ発生空間103への分配のために第1のプラズマプロセスガスがシャワーヘッド電極101を通ってガス供給ポート121の配列へ流れるのに伴って、該ガスにRF電力を供給するように定められる。
【0022】
様々な実施形態において、シャワーヘッド電極101は、アルミニウムやステンレス鋼などのような、電気及び熱の優れた導体であって上方プラズマ発生空間103内で行われるプロセスに化学的に適合可能である金属で形成することができる。一実施形態では、上方プラズマ発生空間103内でプラズマに暴露されるシャワーヘッド電極101の部分は、耐プラズマ材料の覆いによって保護される。一実施形態では、耐プラズマ材料は、被覆として形成される。別の一実施形態では、耐プラズマ材料は、シャワーヘッド電極101を共形的に覆う例えば板などの保護構造として形成される。これらのいずれの実施形態でも、耐プラズマ材料は、耐プラズマ材料とシャワーヘッド電極101との間で適切な電気伝導及び熱伝導を保証するためにシャワーヘッド電極101に固定される。様々な実施形態において、シャワーヘッド電極101を保護するために使用される耐プラズマ被覆/覆いは、シリコン、シリコン炭化物、シリコン酸化物、イットリウム酸化物などで形成することができる。
【0023】
図2に示されるような一実施形態では、シャワーヘッド電極101のガス供給ポート121は、上方プラズマ発生空間103に面している複数の同心の放射状ゾーン101A、101B、101C内に配置される。各同心放射状ゾーン101A、101B、101C内のガス供給ポート121は、各同心放射状ゾーン101A、101B、101Cへのプラズマプロセスガスの供給が独立に制御可能であるように、それぞれのガス流量制御機器201A、201B、201Cに配管される。シャワーヘッド電極101の複数の同心放射状ゾーン101A、101B、101Cへのプラズマプロセスガス供給の独立制御は、中心から縁にかけてのプラズマ均一性の制御を向上させられることがわかる。
図2の実施形態例は、3つの同心ガス供給ゾーン101A、101B、101Cを示しているが、シャワーヘッド電極101は、独立制御可能なガス供給ゾーンをより多数又はより少数含むように定められてもよいことがわかる。例えば、別の一実施形態では、シャワーヘッド電極101は、2つの独立に制御可能な同心ガス供給ゾーンを含むように定められる。
【0024】
前述のように、シャワーヘッド電極101は、上方プラズマ発生空間103の上表面を形成し、ガス分配ユニット115は、上方プラズマ発生空間103の下表面を形成する。一実施形態では、ガス分配ユニット115は、上方プラズマ発生空間103のための接地電極を提供する。一実施形態では、シャワーヘッド電極101及びガス分配ユニット115は、おおよそ1対1の電源対接地表面積を形成する。
【0025】
シャワーヘッド電極101を伴う
図1の実施形態では、上方プラズマチャンバ112は、容量結合プラズマチャンバである。この実施形態では、シャワーヘッド電極101の下表面とガス分配ユニット115の上表面との間で垂直に測定される、上方プラズマ発生空間103の垂直距離が、約1cmから約5cmの範囲内に設定される。一実施形態では、上方プラズマ発生空間103のこの垂直距離は、約2cmである。別の一実施形態では、シャワーヘッド電極101は、上方プラズマチャンバ112が誘導結合プラズマチャンバであるように、誘導コイルによって機能的に置き換えることができる。この実施形態では、上方プラズマ発生空間103の垂直距離は、最大で約12cmであってよい。
【0026】
下方プラズマチャンバ114は、一部には、下方プラズマチャンバ114の周囲に定められた外側構造部材106によって形成される。一実施形態では、下方プラズマチャンバ114の外側構造部材106は、下方プラズマチャンバ114の外側構造部材106が上方プラズマチャンバ112の外側構造部材104によって上板100Aから効果的にぶら下がるように、幾つかの構造的リンク部材によって上方プラズマチャンバ112の外側構造部材104に剛性接続される。この実施形態では、構造的リンク部材は、排出流路125を通って伸びることができるが、排出流路125内の流体の流れを不利に妨げることのないように定められる。
【0027】
ガス分配ユニット115は、上方プラズマ発生空間103と下方プラズマ発生空間109との間に配される。ガス分配ユニット115は、その上表面が上方プラズマ発生空間103の下方境界を提供するように及びその下表面が下方プラズマ発生空間109の上方境界を提供するように上方プラズマ発生空間103を下方プラズマ発生空間109から分離するために形成された板として定められる。
【0028】
ガス分配ユニット115は、下方プラズマチャンバ114の外側構造部材106によって固定位置に保持される。ガス分配ユニット115は、ガス供給ポート119の配列を通してプラズマプロセスガスを下方プラズマ発生空間109に供給するように定められる。ガス分配ユニット115は、更に、上方プラズマ発生空間103と下方プラズマ発生空間109との間で制御された流体連通を提供するために貫通穴117の配列を含むように定められる。各貫通穴117は、ガス分配ユニット115板を通ってその上表面から下表面へ伸びる。
【0029】
図3Aは、本発明の一実施形態にしたがった、ガス分配ユニット115の底面図を示している。ガス供給ポート119及び貫通穴117のそれぞれは、ガス分配ユニット115の下表面を通して開放流体連通するように定められる。ガス供給ポート119の配列は、貫通穴117の配列の間に散りばめられている。ガス供給ポート119は、ガス分配ユニット115内においてガス供給ポート119と貫通穴117との間で直接的な流体連通が存在しないように、ガス分配ユニット115を通して1つ以上のプラズマプロセスガス供給源118に配管されている。
【0030】
図3Bは、本発明の一実施形態にしたがった、ガス分配ユニット115の上面図を示している。各貫通穴117は、ガス分配ユニット115の上表面を通して開放流体連通するように定められる。しかしながら、ガス供給ポート119は、ガス分配ユニット115の上表面を通して流体的に暴露されてはいない。したがって、ガス供給ポート119は、プラズマプロセスガスを下方プラズマ発生空間109のみに流入させるように定められる。反対に、貫通穴117は、上方プラズマ発生空間103と下方プラズマ発生空間109との間で流体連通を可能にするように定められる。ガス分配ユニット115の貫通穴117を通した流体の流れは、主に、上方プラズマ発生空間103と下方プラズマ発生空間109との間の圧力差によって制御される。
【0031】
ガス分配ユニット115は、RF帰路電極、プラズマプロセスガスマニホールド、流体の流れを逸らせる邪魔板(バッフルプレート)、及びイオンフィルタとして機能することが理解される。様々な実施形態において、ガス分配ユニット115は、アルミニウム、ステンレス鋼、シリコン、シリコン炭化物、シリコン酸化物、イットリウム酸化物、又は暴露されるプラズマプロセスに適したプラズマ抵抗、電気伝導、及び熱伝導を提供する原則あらゆるその他の材料などの、電気及び熱の優れた導体であって、上方プラズマ発生空間103内及び下方プラズマ発生空間109内で行われるプロセスに化学的に適合可能である金属で形成することができる。
【0032】
様々な実施形態において、ガス分配ユニット115は、上方プラズマ発生空間103内で発生するイオンに作用させるのに適したバイアスを提供しつつRF電源105及び111のための適切な接地帰路も提供することを可能にするために、自身のDCバイアス源124及び/又はRF電源122に接続されている。RF電源122は、また、複数の周波数でRF電力を提供するように定められる。また、一実施形態では、上方プラズマ発生空間103内で発生するイオンに影響を及ぼすためのバイアス電圧を提供するために、ガス分配ユニット115に電極130が埋め込まれ、DCバイアス源124に接続されている。一実施形態では、埋め込み電極130に印加されるバイアス電圧が、貫通穴117を通過するイオンを加速させるか又は減速させるかのいずれかのために使用可能であるように、ガス分配ユニット115内の埋め込み電極130は、貫通穴117の周囲に定められる。また、一実施形態では、ガス分配ユニット115内の埋め込み電極130は、別々に制御可能な複数のゾーンに分かれて定められ、各ソーンは、自身のDCバイアス源124にそれぞれ接続される。この実施形態は、ガス分配ユニット115の領域ごとの独立したイオン制御を提供するために、ガス分配ユニット115の領域ごとの独立したバイアス印加を可能にする。
【0033】
一実施形態では、上方プラズマ発生空間103内又は下方プラズマ発生空間109内のいずれかのプラズマに暴露されるガス分配ユニット115の部分が、耐プラズマ材料の覆いによって保護される。一実施形態では、耐プラズマ材料は、被覆として形成される。別の一実施形態では、耐プラズマ材料は、ガス分配ユニット115を共形的に覆う例えば板などの保護構造として形成される。これらのいずれの実施形態でも、耐プラズマ材料は、耐プラズマ材料とガス分配ユニット115との間で適切な電気伝導及び熱伝導を保証するためにガス分配ユニット115に固定される。耐プラズマ保護構造の実施形態では、保護構造は、上方プラズマ発生空間103と下方プラズマ発生空間109との間の圧力差によって、又は幾つかの留め具によって、又はそれらの組み合わせによってガス分配ユニット115に固定することができる。様々な実施形態において、ガス分配ユニット115を保護するために使用される耐プラズマ被覆/保護構造は、シリコン、シリコン炭化物、シリコン酸化物、イットリウム酸化物、又は暴露されるプラズマプロセスに適したプラズマ抵抗、電気伝導、及び熱伝導を提供する原則あらゆるその他の材料で形成することができる。
【0034】
ガス分配ユニット115は、交換可能な構成要素として定められる。様々な配列のガス供給ポート119及び貫通穴117を有するように、様々なヴァージョン/構成のガス分配ユニット115を定めることができる。また、プラズマがガス分配ユニット115又はその機能性を損なう場合は、ガス分配ユニット115を取り換えることができる。
【0035】
ガス供給ポート119及び貫通穴117は、それぞれ、不都合なプラズマの侵入を阻止しつつ、同時にまた、その中を通る流体の流れを最適にするように定められる。ガス供給ポート119及び貫通穴117のそれぞれを通る流体の流れ、並びにガス供給ポート119及び貫通穴117のそれぞれへのプラズマの侵入は、そのサイズに正比例する。したがって、ガス供給ポート119及び貫通穴117のそれぞれは、その中を通る流体の適切な流れを提供するのに十分な大きさをとどめつつ、不都合なプラズマの侵入を阻止するのに十分な小ささであるように、そのサイズを定める必要がある。様々な実施形態において、ガス供給ポート119の直径は、約0.1mmから約3mmに及ぶ範囲内の大きさである。様々な実施形態において、貫通穴117の直径は、約0.5mmから約5mmに及ぶ範囲内の大きさである。しかしながら、様々な実施形態において、ガス供給ポート119及び貫通穴117は、プラズマの侵入を適切に抑制しつつ、同時にまた、適切な流体の流れを提供する限り、基本あらゆる直径サイズにそれぞれ定められてよいことが理解される。
【0036】
ガス供給ポート119への流体の流れの圧力が直接的に制御可能であるゆえに、ガス供給ポート119は、プラズマの侵入を基本的に阻止するのに十分な小さに定めることが可能である。しかしながら、ガス供給ポート119は、その中に超音速の流体の流れを生じさせるほどの小ささには定めないことが適切である。ガス供給ポート119からの超音速の流体の流れを回避するために、ガス供給ポート119は、ガス分配ユニット115の下表面からのその出口において拡散形状(ディフューザ形状)を有するように定めることができる。
図3Cは、本発明の一実施形態にしたがった、ガス供給ポート119の断面図を示している。ガス供給ポート119は、ガス分配ユニット115からの出口場所において拡散形状307を有するように示されている。
【0037】
ガス分配ユニット115は、ガス供給ポート119の配列に流体接続されたガス供給内部流路を含む。これらのガス供給内部流路は、1つ以上のプラズマプロセスガス供給源118に流体接続されている。ガス供給内部流路
308及び関連のガス供給ポート119は、プラズマプロセスガスが下方プラズマ発生空間109には分配されるが上方プラズマ発生空間103には分配されないように、貫通穴117の配列の間に定められる。一実施形態では、上方プラズマ発生空間103及び下方プラズマ発生空間109へのプラズマプロセスガスの流量が独立に制御可能であるように、下方プラズマ発生空間109用のプラズマプロセスガス供給源118は、上方プラズマ発生空間103用のプラズマプロセスガス供給源116とは別である。一実施形態では、上方プラズマ発生空間103及び下方プラズマ発生空間109の両方用に、1つ以上の共用プラズマプロセスガス供給源を使用することができる。ただし、この実施形態では、各共用プラズマプロセスガス供給源からのプラズマプロセスガスの流れが、上方プラズマ発生空間103及び下方プラズマ発生空間109のそれぞれについて別々に制御される。また、一部の実施形態では、ガス供給源118は、ガス分配ユニット115を通って流れるものとして適したガス及び/又はガス混合の選択を提供する複数のガス供給部及び/又はガスボックスを表わすことが理解される。
【0038】
図3Aに示されるような一実施形態では、ガス分配ユニット115内のガス供給内部流路
308は、それぞれの領域/ゾーンにおけるガス供給ポート119へのプラズマプロセスガスの流量が別々に制御可能であるように、ガス供給ポート119の配列をガス分配ユニット115の下表面全域にわたり複数の同心領域/ゾーン115A、115B、115Cに流体的に分離するように定められる。一実施形態では、各同心領域/ゾーン115A、115B、115Cへのプラズマプロセスガスの供給が独立に制御可能であるように、各同心領域/ゾーン115A、115B、115Cにおけるガス供給ポート119は、それぞれのガス流制御機器305A、305B、305Cに配管されている。
【0039】
独立に制御可能な複数の同心領域/ゾーン115A、115B、115Cへのガス供給ポート119の分離は、下方プラズマ発生空間109内における中心から縁にかけてのガス供給の制御を提供し、これは、ひいては、下方プラズマ発生空間109内における中心から縁にかけてのプラズマ均一性の制御を促進する。
図3Aの実施形態例は、3つの同心ガス供給領域/ゾーン115A、115B、115Cを示しているが、ガス分配ユニット115は、独立に制御可能なガス供給領域/ゾーンをより多く又は少なく含むように定められてもよいことが理解される。例えば、別の一実施形態では、ガス分配ユニット115は、2つの独立に制御可能な同心ガス供給領域/ゾーンを含むように定められる。
【0040】
一実施形態では、貫通穴117の数は、上方プラズマ発生空間103から下方プラズマ発生空間109への適切なラジカル/中性の流れを提供するために、ガス供給ポート119の数を上回っている。また、貫通穴117は、上方プラズマ発生空間103から下方プラズマ発生空間109への適切なラジカル/中性の流れを提供するために、ガス供給ポート119よりも大きいサイズを有するように定めることができる。しかしながら、前述のように、貫通穴117のサイズは、上方プラズマ発生空間103及び下方プラズマ発生空間109のいずれからの貫通穴117への不都合なプラズマ侵入も阻止するように制限される。
【0041】
一実施形態では、貫通穴117の一部又は全部は、一定の角度でガス分配ユニットを通って伸びるように定められる。
図3Dは、本発明の一実施形態にしたがった、ガス分配ユニット115を通って伸びるように定められた貫通穴117の断面、及び角度303を示している。貫通穴117は、ガス分配ユニット115の上表面302からガス分配ユニット115の下表面304へ、ガス分配ユニット115の上表面302と下表面304との間で垂直に伸びる基準方向301からずれた角度303で伸びるように定められる。
【0042】
上方プラズマ発生空間103内の荷電成分すなわちイオンが、貫通穴117を通って移動するのに伴って、電気的に接地されたガス分配ユニット115に遭遇し、ガス分配ユニット115を通り抜けるラジアル/中性フラックスから、貫通穴117によって除去される可能性を増加させるために、貫通穴117は、角度をつけられている。一実施形態では、角度303は、貫通穴117を通して基準方向301にガス分配ユニット115を見通す視線を遮るのに十分な大きさである。
【0043】
一実施形態では、ガス分配ユニット115内の全ての貫通穴117は、上方プラズマ発生空間103内で発生したほとんどどのイオンもガス分配ユニット115を通り抜けて下方プラズマ発生空間109に到らないことを保証するために、角度をつけられている。この実施形態は、貫通穴117によって、基本的に純粋なラジカル/中性フラックスを下方プラズマ発生空間109に導入させる。別の一実施形態では、一部の貫通穴117が、基準方向301と一致して実質的に真っ直ぐに伸びるように定められたその他の貫通穴117と比べて角度をつけられている。この実施形態は、イオンの一部を、上方プラズマ発生空間103から下方プラズマ発生空間109へ流れるラジカル/中性フラックスと混合させる。この実施形態では、真っ直ぐな貫通穴117対角度をつけられた貫通穴117の数及び分布を、ラジカル/中性フラックス内で所望のイオン濃度が達成されるように定めることができる。
【0044】
一実施形態では、どの貫通穴117が上方プラズマ発生空間103に開口するかを制御するために、ガス分配ユニット115の上表面上に流量制御板が配される。
図4Aは、本発明の一実施形態にしたがった、ガス分配ユニット115の上表面302上に配された流量制御板401を示している。一実施形態では、流量制御板401は、約3mmから約6mmに及ぶ範囲内の厚さ403を有する円盤として定められる。流量制御板401円盤は、流量を制御されるべき貫通穴117を覆うのに十分な直径を有するように定められる。一実施形態では、流量制御板401の円盤は、ガス分配ユニット115によって提供されるRF帰路に対して上方プラズマ発生空間103内のプラズマが均一に暴露されることを維持するように、ガス分配ユニット115の上表面を覆う直径を有するように定められる。
【0045】
一実施形態では、流量制御板401は、電気及び熱に対して伝導性の材料で形成され、流量制御板401とガス分配ユニット115との間で適切な電気伝導及び熱伝導を保証するためにガス分配ユニット115に固定される。一実施形態では、流量制御板401は、上方プラズマ発生空間103と下方プラズマ発生空間109との間の圧力差によって、幾つかの留め具によって、又はそれらの組み合わせによってガス分配ユニット115に固定することができる。また、様々な実施形態において、流量制御板401は、ガス分配ユニット115に関連して上述されたような耐プラズマ被覆によって覆って保護することができる。
【0046】
一実施形態では、流量制御板401を通る複数の穴パターンが定められる。流量制御板401内の複数の穴パターンのそれぞれは、ガス分配ユニット115内の異なる群の貫通穴117群と合致している。流量制御板401をガス分配ユニット115の上表面に対して或る特定の回転位置でガス分配ユニット115の上表面上に配することは、流量制御板401内の複数の穴パターンのうちの特定の一パターンをガス分配ユニット115内の対応する貫通穴117群と合致させることに相当する。流量制御板401を通って伸びる複数の穴パターンのそれぞれは、ガス分配ユニット115内の異なる数の又は異なる空間パターンの貫通穴117を暴露させるように定められる。したがって、流量制御板401を通る、及びしたがってガス分配ユニット115を通るラジカル/中性流は、ガス分配ユニット115の上表面に対して或る特定の回転位置で流量制御板401を設定することによって制御することができる。
【0047】
一実施形態では、流量制御板401は、ガス分配ユニット115を基準方向301に真っ直ぐ通って伸びる貫通穴を遮断することによってガス分配ユニット115を通るイオンの流れを遮断することを可能にする穴パターンを含むように定められる。
図4Bは、本発明の一実施形態にしたがった、流量制御板401の上面図であり、該板は、その中に定められた穴405パターンがその下のガス分配ユニット115内に定められた全ての貫通穴117を通る流れを可能にするように位置決めされている。
図4Cは、本発明の一実施形態にしたがった、流量制御板401の上面図であり、該板は、その中に定められた穴405パターンがその下のガス分配ユニット115内に定められた角度をつけられた貫通穴117を通る流れのみを可能にするように位置決めされている。また、その他の実施形態では、流量制御板401内の複数の穴405パターンは、ガス分配ユニット115を通るラジカル/中性子の流れを異なる空間パターンで提供するように定められる。
【0048】
図4Dは、本発明の一実施形態にしたがった、複数の同心状の回転式流量制御板407A、407B、407Cによって定められた流量制御板アセンブリ401Aの上面図を示している。各同心状の回転式流量制御板407A、407B、407Cは、ガス分配ユニット
115内のどの貫通穴117が開かれる又は閉じられるかについての中心から縁にかけての制御を提供するために、独立に設定することができる。具体的には、流量制御板アセンブリ401Aは、ガス分配ユニット115の上表面上に同心状に配された、中心円盤407Aと複数の同心リング407B/407Cとを含む。なお、
図4Dの具体的構成は、例として提供されていることが理解される。その他の実施形態は、
図4Dに示された以外の数の同心状の回転式流量制御板を含んでいてよい。
【0049】
中心円盤407A及び複数の同心リング407B/407Cのそれぞれは、その中を通って伸びる複数の穴パターン405A/405B/405Cをそれぞれ含む。複数の穴パターン405A/405B/405Cのそれぞれは、中心円盤407A及び同心リング407B/407Cのそれぞれをガス分配ユニット115の上表面に対して或る特定の回転位置でガス分配ユニット115の上表面上に配することが、複数の穴パターン405A/405B/405Cのうちの特定の一パターンをガス分配ユニット115内の対応する貫通穴117群と合致させることに相当するように、ガス分配ユニット115内の異なる貫通穴117群と合致している。中心円盤407A及び同心リング407B/407Cを通って伸びる複数の穴パターン405A/405B/405Cのそれぞれは、ガス分配ユニット115内の異なる数の又は異なる空間パターンの貫通穴117を暴露させるように定められる。
【0050】
図1に戻り、下方プラズマ発生空間109の下方においてチャンバ100の内部空洞10D内にチャック107が配される。一実施形態では、チャック107は、チャンバ100の壁100Cから片持ちされている。一実施形態では、チャック107は、静電チャックであり、RF電力を下方プラズマ発生空間109に供給するための電極を提供する。チャック107は、基板113すなわちウエハ113を、下方プラズマ発生空間109に暴露させて保持するように定められる。一実施形態では、チャック107上においてチャック107上の基板113受け/保持区域の周囲にウエハエッジリング149が配される。様々な実施形態において、ウエハエッジリングは、石英又はシリコンで形成される。また、一実施形態では、ウエハエッジリング149の下に導体148が配され、ウエハエッジリング149を通じて駆動DCバイアスに接続される。チャック107は、また、基板113及び下方プラズマ発生空間109の温度制御を可能にできるように、冷却流路及び/又は加熱素子の構成を含むように定められる。
【0051】
チャック107は、矢印123によって示されるように、内部空洞100D内で垂直に移動するように定められる。このように、チャック107は、ゲート弁102を通して基板113を受け取る/提供するために下降させることができ、また、下方プラズマ発生空間109の下表面を形成するために上昇させることができる。また、チャック107及びガス分配ユニット115の両方に垂直に測定される、下方プラズマ発生空間109の垂直距離は、チャック107の垂直位置を制御することによって設定及び制御することができる。下方プラズマ発生空間109の垂直距離は、中心から縁にかけて十分なプラズマ均一性及び密度を達成するように設定することができ、また、ガス供給ポート119及び/又は貫通穴117からのガス噴流によってウエハ113上に染みが形成されることを回避するように設定することができる。様々な実施形態において、下方プラズマ発生空間109の垂直距離は、約1cmから約5cmに及ぶ範囲内に、又は約2cmから約3.6cmに及ぶ範囲内に設定することができる。
【0052】
チャック107は、更に、チャック107が下方プラズマ発生空間109のための電極として機能するように、RF電源111から下方プラズマ発生空間109にRF電力を供給するように定められる。なお、下方プラズマチャンバのRF電源111は、上方プラズマチャンバのRF電源105とは別であって、独立している。したがって、上方プラズマ発生空間103及び下方プラズマ発生空間109に供給されるRF電力は、別々に尚且つ独立に制御することができる。一実施形態では、RF電源111は、複数の周波数でRF電力を提供するように定められる。例えば、RF電源111は、2MHz、27MHz、及び60MHzの周波数でRF電力を提供するように定めることができる。なお、上方プラズマチャンバ112及び下方プラズマチャンバ114のためのRF電源105及び111のそれぞれは、RF電力の供給を可能にするために自身の整合回路網を通してシャワーヘッド電極101及びチャック107にそれぞれ接続されることが理解される。前述のように、一実施形態では、ガス分配ユニット115は、上方プラズマ発生空間103及び下方プラズマ発生空間109の両方のための、RF電力帰路における基準接地電極として機能する。
【0053】
上方プラズマチャンバは、上方プラズマ発生空間103内のガスを通らせてチャンバ100の内部空洞100D内へ排出させるための排出流路125を含むように定められる。排出流路125は、シャワーヘッド電極101の半径方向周縁の外側及びガス分配ユニット115の半径方向周縁の外側で上方プラズマ発生空間103を取り巻くように定められる。この構成では、排出流路125は、上方プラズマチャンバの外側構造部材104の下表面と、下方プラズマチャンバのガス分配ユニット115及び外側構造部材106の両方の上表面との間で半径方向に伸びている。
【0054】
上方プラズマ発生空間103から排出流路125を通ってチャンバ100の内部空洞100Dに到る流体の流れ、すなわちガスの流れを絞り調整するために、圧力スロットルリング127が排出流路125内で移動するように定められる。一実施形態では、圧力スロットルリング127は、上方プラズマチャンバ112の外側構造部材104内に共形的に形成された陥凹領域内で垂直に移動するように定められる。この実施形態では、圧力スロットルリング127は、排出流路125の流路面積を小さくし、そうして上方プラズマ発生空間103からの流体の流れを絞り調整するために、被制御方式で下降されて排出流路125に入ることができる。一実施形態では、圧力スロットルリング127は、上方プラズマ発生空間103から排出流路125を通ってチャンバ100の内部空洞100Dに入る流れを完全に遮断することが可能であるように定められる。
【0055】
図1に示されている圧力スロットルリング127は、その実装形態の代表的な一実施形態である。その他の実施形態では、圧力スロットルリング127は、排出流路125を通る流体の流れに対する制御を提供する限り、様々な形態で実装することができる。また、一実施形態では、上方プラズマ発生空間103内の圧力を測定するために、圧力計が配される。この実施形態では、この測定された上方プラズマ発生空間103内の圧力は、圧力スロットルリング127の位置を制御するためのフィードバック信号を生成するために使用され、該信号は、ひいては、上方プラズマ発生空間103内の圧力の能動的制御を提供する。
【0056】
下方プラズマチャンバは、下方プラズマ発生空間109内のガスを通らせてチャンバ100の内部空洞100D内へ排出させるためのスロット付き排出流路129群を含むように定められる。スロット付き排出流路129群は、チャック107の半径方向周縁の外側及びガス分配ユニット115の半径方向周縁の外側で下方プラズマ発生空間109を取り巻くように定められる。
図1に示されるように、一実施形態では、スロット付き排出流路129群は、基板112を上に保持しているチャック107の上表面に近い垂直位置に位置する下方プラズマチャンバ114の外側構造部材106の水平部分に定められている。この実施形態では、スロット付き排出流路129群は、下方プラズマチャンバ114の外側構造部材106の水平部分を垂直に通って伸びる。
【0057】
下方プラズマ発生空間109からスロット付き排出流路129群を通ってチャンバ100の内部空洞100Dに入る流体の流れ、すなわちガスの流れを絞り調整するために、圧力制御リング131がスロット付き排出流路129群に近づくように及びスロット付き排出流路129群から遠ざかるように定められる。一実施形態では、圧力制御リング131は、スロット付き排出流路129群に近づくように及びスロット付き排出流路129群から遠ざかるように垂直方向に移動可能である水平の環状円盤として定められる。圧力制御リング131は、スロット付き排出流路129群にあてがわれたときに、すなわちスロット付き排出流路129群を中に形成された外側構造部材106の水平部分の下表面にあてがわれたときに、スロット付き排出流路129群を(内部空洞100D側で)覆うように定められる。
【0058】
下方プラズマ発生空間109からスロット付き排出流路129群を通ってチャンバ100の内部空洞100Dに到る流体の流れは、スロット付き排出流路129群に近づく及びスロット付き排出流路129群から遠ざかる圧力制御リング131の垂直移動を通じて絞り調整する、すなわち制御することができる。一実施形態では、圧力制御リング131は、下方プラズマ発生空間109からスロット付き排出流路129群を通ってチャンバ100の内部空洞100Dに入る流れを完全に遮断することを可能にするように定められる。また、一実施形態では、下方プラズマ発生空間109内の圧力を測定するために、圧力計が配される。この実施形態では、この測定された下方プラズマ発生空間109内の圧力は、圧力制御リング131の位置を制御するためのフィードバック信号を生成するために使用され、該信号は、ひいては、下方プラズマ発生空間109内の圧力の能動的制御を提供する。
【0059】
上方プラズマチャンバ112及び下方プラズマチャンバ114は、ともに、それぞれの閉じ込めプラズマを取り囲むことが理解される。閉じ込めプラズマは、プラズマ領域内の、すなわち上方プラズマ発生空間103内及び下方プラズマ発生空間109内の体積、圧力、及び流れを制御することによってその滞留時間を制御することができるという点で有利である。プラズマ滞留時間は、ラジカル/中性子形成の一因である解離プロセスに影響を及ぼす。上方プラズマ発生空間103及び下方プラズマ発生空間109は、小さくて、圧力及び温度を十分に制御される。
【0060】
前述のように、上方プラズマチャンバ112及び下方プラズマチャンバ114は、それぞれ自身のRF電源/制御、圧力制御、温度制御、プラズマプロセスガス源/制御、及びガス流量制御を有する。様々な実施形態において、上方プラズマ処理空間103内の圧力は、約100ミリトールから約1トールに及ぶ範囲内で、又は約200ミリトールから約600ミリトールに及ぶ範囲内で制御することができる。様々な実施形態において、下方プラズマ処理空間109内の圧力は、約5ミリトールから約100ミリトールに及ぶ範囲内で、又は約10ミリトールから約30ミリトールに及ぶ範囲内で制御することができる。
【0061】
図5は、本発明の一実施形態にしたがった、上方プラズマ501及び下方プラズマ503を伴う
図1のチャンバ100を示している。上方プラズマ501からのプロセスガスは、矢印505によって示されるように、上方プラズマ発生空間103から排出流路125を通ってチャンバ100の内部空洞100D内へ排出される。下方プラズマ503からのプロセスガスは、矢印507によって示されるように、下方プラズマ発生空間109からスロット付き排出流路129群を通ってチャンバ100の内部空洞100D内へ排出される。プロセスガスは、矢印509によって示されるように、排出ポート135を通ってチャンバ100の内部空洞100Dから排出される。
【0062】
上方プラズマチャンバ112及び下方プラズマチャンバ114の独立制御は、ウエハ処理レシピに関して、具体的にはイオンフラックスに対するラジカル/中性フラックスの独立制御に関して広範囲な可能性を提供することが理解される。以下では、2つの代表的ウエハプロセスが提供される。しかしながら、本明細書で開示される代表的ウエハプロセスは、例として提供されるに過ぎず、本明細書で開示される二重プラズマ処理チャンバ100の使用に対していかなる制限も課さないことが理解される。
【0063】
代表的な一実施形態では、チャンバ100は、高フッ素ラジカル/中性フラックスをウエハ処理用プラズマにおけるC
xF
y(C
4F
8、C
4F
6など)の低解離と併せて利用するウエハプロセスを実施するために使用される。この代表的な実施形態では、上方プラズマ発生空間103へのプラズマプロセスガスとして、ArとNF
3との混合が供給される。上方プラズマ発生空間103は、高圧力及び高RF周波数(60MHz)で動作される。上方プラズマ
発生空間103内で高フッ素ラジカル/中性フラックスが発生し、ガス分配ユニット115の貫通穴117を通って流れる。上方プラズマ処理空間103内で発生するイオンは、ガス分配ユニット115によってフィルタリングされる。
【0064】
また、この代表的な実施形態では、下方プラズマ発生空間109へのプラズマプロセスガスとして、ArとC
xF
yとの混合が供給される。下方プラズマ発生空間109は、低圧力と、低から中のRF周波数(2MHz及び27MHz)とで動作される。下方プラズマ発生空間109の低RF周波数は、ウエハ113に暴露されるプラズマにおけるC
xF
yの低解離に相当する。なお、必要なフッ素ラジカル/中性フラックスを発生させるために上方プラズマ発生空間103内で必要とされる高電力は、もし下方プラズマ発生空間109に印加された場合は、C
xF
yの高解離を引き起こすだろうことがわかる。したがって、二重プラズマチャンバ100は、上記プロセスのパフォーマンスを可能にする。
【0065】
別の代表的な実施形態では、チャンバ100は、低圧力空間における高密度Arプラズマを高圧力空間におけるC
xF
y(C
4F
8、C
4F
6など)の高解離と併せて利用するウエハプロセスを実施するために使用される。この代表的な実施形態では、上方プラズマ発生空間103へのプラズマプロセスガスとして、ArとC
xF
yとの混合が供給される。上方プラズマ発生空間103は、C
xF
yの高解離を生じさせるために、高圧力及び高RF周波数(60MHz)で動作される。上方プラズマチャンバ103内で発生する高解離C
xF
yは、ガス分配ユニット115の貫通穴117を通って流れる。上方プラズマ処理空間103内で発生するイオンは、ガス分配ユニット115によってフィルタリングされる。また、この代表的な実施形態では、下方プラズマ発生空間109へのプラズマプロセスガスとして、Arが供給される。下方プラズマ発生空間109は、高イオンフラックスの高密度Arプラズマを発生させるために、低圧力と、低から中のRF周波数(2MHz及び27MHz)とで動作される。
【0066】
動作に関する一実施形態では、下方プラズマチャンバ114の圧力制御リング131が閉じられ、上方プラズマチャンバ112は、排出のみの構成をとるように設定される。この実施形態では、上方プラズマ発生空間103内でプラズマは発生しない。この実施形態では、プラズマプロセスガスは、ガス分配ユニット115のガス供給ポート119を通って下方プラズマ発生空間109に流れ込む。また、この実施形態では、プラズマプロセスガスは、下方プラズマ発生空間109からガス分配ユニット115の貫通穴117を通って上方プラズマ発生空間103に入り、次いで、排出流路125を出てチャンバ100の内部空洞100D内へ排出される。
【0067】
この動作に関する実施形態は、下方プラズマ発生空間109への及び下方プラズマ発生空間109からの軸方向へのプラズマプロセスガスの投入及び送出を提供する。この実施形態では、ガスが半径方向にではなく垂直方向に送出されるので、ウエハ113全域にわたり圧力均一性の正確な制御を実現することができる。半径方向への排出ガスの送出は、ウエハ113全域にわたり半径方向に圧力を分布させることがわかる。この実施形態は、また、例えばミリ秒未満の短いプラズマ滞留時間が必要とされる原子層蒸着又は原子層エッチングなどの低流量用途における滞留時間の正確な制御も可能にする。
【0068】
二重プラズマチャンバ100は、イオンプラズマ発生/適用からラジカル/中性フラックス発生/適用を切り離すように定められることがわかる。また、一実施形態では、下方プラズマチャンバ114は、ウエハ113をプラズマに暴露させることなく上方プラズマチャンバ112からのラジカル/中性フラックスをウエハ113に適用することができるように、受動的、すなわち排出専用であることができる。
【0069】
本発明は、幾つかの実施形態の観点から説明されてきたが、当業者ならば、先の明細書を読むこと及び図面を検討することによって、様々な代替、追加、置き換え、及び均等物を認識できることがわかる。したがって、本発明は、本発明の真の趣旨及び範囲に含まれるものとして、このようなあらゆる代替、追加、置き換え、及び均等物を含むことを意図される。