【実施例】
【0099】
以下に実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下に、本実施例及び比較例で使用した化合物の略号、及び各特性の測定方法は、以下のとおりである。
1,3DMCBDE−Cl:ジメチル 1,3−ビス(クロロカルボニル)−1,3−ジメチルシクロブタン−2,4−ジカルボキシレート
DA−1:上記式(D−25)
BDA:1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物
CBDA:1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
γ−BL:γ−ブチロラクトン
BCS:ブチルセロソルブ
PAE:ポリアミック酸エステル
PAA:ポリアミック酸
DA−2:上記式(D−29)
DA−3:上記式(D−30)
DA−4:上記式(D−28)
DA−5:上記式(DA−32)
DA−6:上記式(DA−35)のn=5
DA−7:下記式(DA−7)
DA−8:下記式(DA−8)
DAH−1:下記式(DAH−1)
DAH−2:下記式(DAH−2)
AD−1:下記式(AD−1)
AD−2:下記式(AD−2)
AD−3:下記式(AD−3)
AD−4:下記式(AD−4)
【0100】
【化55】
[粘度]
合成例において、ポリアミック酸エステル及びポリアミック酸溶液の粘度は、E型粘度計TVE−22H(東機産業社製)を用い、サンプル量1.1mL、コーンロータTE−1(1°34’、R24)、温度25℃で測定した。
[分子量]
また、ポリアミック酸エステルの分子量はGPC(常温ゲル浸透クロマトグラフィー)装置によって測定し、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド換算値として数平均分子量(以下、Mnとも言う。)と重量平均分子量(以下、Mwとも言う。)を算出した。
GPC装置:Shodex社製(GPC−101)
カラム:Shodex社製(KD803、KD805の直列)
カラム温度:50℃
溶離液:N,N−ジメチルホルムアミド(添加剤として、臭化リチウム−水和物(LiBr・H
2O)が30mmol/L、リン酸・無水結晶(o−リン酸)が30mmol/L、テトラヒドロフラン(THF)が10ml/L)
流速:1.0ml/分
検量線作成用標準サンプル:東ソー社製 TSK 標準ポリエチレンオキサイド(重量平均分子量(Mw) 約900,000、150,000、100,000、30,000)、及び、ポリマーラボラトリー社製 ポリエチレングリコール(ピークトップ分子量(Mp)約12,000、4,000、1,000)。測定は、ピークが重なるのを避けるため、900,000、100,000、12,000、1,000の4種類を混合したサンプル、及び150,000、30,000、4,000の3種類を混合したサンプルの2サンプルを別々に測定。
【0101】
[中心線平均粗さ測定]
スピンコート塗布により得られた液晶配向剤の塗膜を、温度80℃のホットプレート上で5分間の乾燥、温度250℃の熱風循環式オーブンで1時間の焼成を行い、膜厚100nmの塗膜を形成させた。この塗膜の膜表面を原子間力顕微鏡(AFM)で観察し、膜表面の中心線平均粗さ(Ra)を測定し、膜表面の平坦性を評価した。
測定装置:L−traceプローブ顕微鏡 (エスアイアイ・テクノロジー社製)
[電圧保持率]
液晶配向剤を透明電極付きガラス基板上にスピンコートし、温度80℃のホットプレート上で5分間の乾燥、250℃の熱風循環式オーブンで60分間の焼成を経て膜厚100nmの塗膜を形成させた。この塗膜面に偏光板を介して254nmの紫外線を100mJ/cm
2照射し、液晶配向膜付き基板を得た。このような液晶配向膜付き基板を2枚用意し、一方の基板の液晶配向膜面に直径6μmの粒状のスペーサーを散布した後、2枚の基板の配向が逆平行になるように組み合わせ、液晶注入口を残して周囲をシールし、セルギャップが6μmの空セルを作製した。この空セルに液晶(MLC−2041、メルク社製)を常温で真空注入し、注入口を封止して液晶セルとした。
上記液晶セルの電圧保持率の測定は以下のようにして行った。
4Vの電圧を60μs間印加し、16.67ms後の電圧を測定することで、初期値からの変動を電圧保持率として計算した。測定の際、液晶セルの温度を23℃、60℃、90℃とし、それぞれの温度で測定を行った。
[イオン密度]
上記液晶セルのイオン密度の測定は以下のようにして行った。
東陽テクニカ社製の6254型液晶物性評価装置を用いて測定を行った。10V、0.01Hzの三角波を印加し、得られた波形のイオン密度に相当する面積を三角形近似法により算出し、イオン密度とした。測定の際、液晶セルの温度を23℃、60℃とし、それぞれの温度で測定を行った。
【0102】
[FFS駆動液晶セルの交流駆動焼き付き]
ガラス基板上に、第1層目に電極として形状の膜厚50nmのITO電極を、第2層目に絶縁膜として形状の膜厚500nmの窒化珪素を、第3層目に電極として櫛歯形状のITO電極(電極幅:3μm、電極間隔:6μm、電極高さ:50nm)を有するフリンジフィールドスィッチング(Fringe Field Switching:以下、FFSという)駆動用電極が形成されているガラス基板に、スピンコート塗布にて液晶配向剤を塗布した。80℃のホットプレート上で5分間乾燥させた後、250℃の熱風循環式オーブンで60分間焼成を行い、膜厚100nmの塗膜を形成させた。この塗膜面に偏光板を介して254nmの紫外線を100mJ/cm
2照射し、液晶配向膜付き基板を得た。また、対向基板として電極が形成されていない高さ4μmの柱状スペーサーを有するガラス基板にも、同様に塗膜を形成させ、配向処理を施した。
上記、2枚の基板を一組とし、基板上にシール剤を印刷し、もう1枚の基板を、液晶配向膜面が向き合い配向方向が0°になるようにして張り合わせた後、シール剤を硬化させて空セルを作製した。この空セルに減圧注入法によって、液晶MLC−2041(メルク社製)を注入し、注入口を封止して、FFS駆動液晶セルを得た。
このFFS駆動液晶セルの58℃の温度下でのV−T特性(電圧−透過率特性)を測定した後、±4V/120Hzの矩形波を4時間印加した。4時間後、電圧を切り、58℃の温度下で60分間放置した後、再度V−T特性を測定し、矩形波印加前後の透過率50%となる電圧の差を算出した。
【0103】
[電荷蓄積特性の評価]
上記FFS駆動液晶セルを光源上に置き、V−T特性(電圧−透過率特性)を測定した後、±1.5V/60Hzの矩形波を印加した状態での透過率(T
a)を測定した。その後、±1.5V/60Hzの矩形波10分間印加した後、直流1Vを重畳し30分間駆動させた。 直流電圧を切り、交流駆動10分経過した後の透過率(T
b)を測定し、T
bとT
aの差から液晶表示素子内に残留した電圧により生じた透過率の差を算出した。
(a.)ジメチル 1,3−ビス(クロロカルボニル)−1,3−ジメチルシクロブタン−2,4−ジカルボキシレート(1,3DMCBDE−Cl)の合成
(a−1)テトラカルボン酸ジアルキルエステルの合成
【0104】
【化56】
【0105】
窒素気流下中、3L(リットル)の四つ口フラスコに、1,3−ジメチルシクロブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物(式(5−1)の化合物、以下1,3−DM−CBDAと略す)を220g(0.981mol)と、メタノールを2200g(6.87mol、1,3−DM−CBDAに対して10wt倍)仕込み、65℃にて加熱還流を行ったところ、30分で均一な溶液となった。反応溶液はそのまま4時間30分加熱還流下で撹拌した。この反応液を高速液体クロマトグラフィー(以下、HPLCと略す)にて測定した。
エバポレーターにて、この反応液から溶媒を留去した後、酢酸エチル1301gを加えて80℃まで加熱し、30分還流させた。その後、10分間に2〜3℃の速度で内温が25℃になるまで冷却し、そのまま25℃で30分撹拌した。析出した白色結晶をろ過によって取り出し、この結晶を酢酸エチル141gにて2回洗浄した後、減圧乾燥することで、白色結晶を103.97g得た。
この結晶は、1H NMR分析、及びX線結晶構造解析の結果により、化合物(1−1)であることを確認した(HPLC相対面積97.5%)(収率36.8%)。
1H NMR (DMSO-d6, δppm);12.82 (s, 2H), 3.60 (s, 6H), 3.39 (s, 2H), 1.40 (s, 6H).
(a−2)1,3−DM−CBDE−C1の合成
【0106】
【化57】
【0107】
窒素気流下中、3Lの四つ口フラスコに、化合物(1−1)234.15g(0.81mol)、n−ヘプタン1170.77g(11.68mol.5wt倍)を仕込んだ後、ピリジン0.64g(0.01mol)を加え、マグネチックスターラー攪拌下にて75℃まで加熱撹拌した。続いて、塩化チオニル289.93g(11.68mol)を1時間かけて滴下した。滴下直後から発泡が開始し、滴下終了30分後に反応溶液は均一となり、発泡は停止した。続いてそのまま75℃にて1時間30分撹拌した後、エバポレーターにて水浴40℃で内容量が924.42gになるまで溶媒を留去した。これを60℃に加熱し、溶媒留去時に析出した結晶を溶解させ、60℃にて熱時ろ過を行うことで不溶物をろ過した後、ろ液を25℃まで10分間に1℃の速度で冷却した。そのまま25℃で30分撹拌させた後、析出した白色結晶をろ過により取り出し、この結晶をn−ヘプタン264.21gにて洗浄した。これを減圧乾燥することで、白色結晶を226.09g得た。
続いて窒素気流下中、3Lの四つ口フラスコに、上記で得られた白色結晶226.09g、n−ヘプタン452.18gを仕込んだ後、60℃に加熱撹拌して結晶を溶解させた。その後、25℃まで10分間に1℃の速度で冷却撹拌し、結晶を析出させた。そのまま25℃で1時間撹拌させた後、析出した白色結晶をろ過により取り出し、この結晶をn−ヘキサン113.04gにて洗浄した後、減圧乾燥することで白色結晶を203.91g得た。この結晶は、1H NMR分析結果により、化合物(3−1)すなわち、ジメチル−1,3−ビス(クロロカルボニル)−1,3−ジメチルシクロブタン−2,4−ジカルボキシレート(1,3−DM−CBDE−C1)であるであることを確認した(HPLC相対面積99.5%)(収率77.2%)。
1H NMR (CDCl3, δppm) : 3.78 (s, 6H), 3.72 (s, 2H), 1.69 (s, 6H).
【0108】
(合成例1)
以下に示す4ステップの経路でジアミン化合物(DA−1)を合成した。
第1ステップ:化合物(A5)の合成
【0109】
【化58】
500mL のナスフラスコにプロパルギルアミン (8.81 g, 160 mmol) 、N,N-ジメチルホルムアミド (112 mL) 、炭酸カリウム (18.5 g, 134 mmol) の順に入れ、0 ℃ にし、ブロモ酢酸t-ブチル (21.9 g, 112 mmol) をN,N-ジメチルホルムアミド (80 mL) に溶かした溶液を約1時間で、撹拌しながら滴下した。滴下終了後、反応溶液を室温にし、20時間撹拌した。その後、固形物をろ過により除去し、ろ液に酢酸エチルを 1 L 加え、300 mL の水で 4 回、300 mL の飽和食塩水で 1 回洗浄した。その後、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。最後に、残留した油状物を 0.6 Torr, 70 ℃で減圧蒸留することにより、無色液体のN-プロパルギルアミノ酢酸t-ブチル(化合物(A5))を得た。収量は 12.0 g、収率は63% であった。
【0110】
第2ステップ:化合物(A6)の合成
【0111】
【化59】
1 L のナスフラスコに上記N-プロパルギルアミノ酢酸t-ブチル (12.0 g, 70.9 mmol)、ジクロロメタン (600 mL) を入れて溶液とし、攪拌氷冷しながら、二炭酸ジt-ブチル (15.5 g, 70.9 mmol) をジクロロメタン (100 mL) に溶かした溶液を1時間で滴下した。滴下終了後、反応溶液を室温にし、20時間攪拌した。反応終了後、反応溶液を300 mL の飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。その後、溶媒を減圧留去することで、薄黄色液体のN-プロパルギル-N-t-ブトキシカルボニルアミノ酢酸t-ブチル(化合物(A6))を得た。収量は 18.0 g、収率は 94% であった。
第3ステップ:化合物(A7)の合成
【0112】
【化60】
300 mL の四つ口フラスコに2-ヨード-4-ニトロアニリン (22.5 g, 85.4 mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリド (1.20 g, 1.71 mmol)、ヨウ化銅 (0.651 g, 3.42 mmol)を入れ、窒素置換した後、ジエチルアミン (43.7 g, 598 mmol)、N,N-ジメチルホルムアミド (128 mL) を加え、氷冷攪拌しながら、前記N-プロパルギルアミノ-N-t-ブトキシカルボニル酢酸t-ブチル (27.6 g, 102 mmol) を加え、室温で20時間攪拌した。反応終了後、1 L の酢酸エチルを加え、1 mol/L の塩化アンモニウム水溶液 150 mL で3回、150 mL の飽和食塩水で1回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。その後、溶媒を減圧留去することで析出した固体を200 mL の酢酸エチルに溶かし、1 L のヘキサンを加えることで再結晶を行った。この固体をろ取し、減圧乾燥することで、黄色固体の2-{3-(N-t-ブトキシカルボニル-N-t-ブトキシカルボニルメチルアミノ)-1-プロピニル)}-4-ニトロアニリン(化合物(A7))を得た。収量は23.0 g, 収率は66%であった。
第4ステップ:化合物(A7)の還元
500 mL の四つ口フラスコに前記2-{3-(N-t-ブトキシカルボニル-N-t-ブトキシカルボニルメチルアミノ)-1-プロピニル)}-4-ニトロアニリン (22.0 g, 54.2 mmol)、および、エタノール (200 g) を加え、系内を窒素で置換した後、パラジウム炭素 (2.20 g) を加え、系内を水素で置換し、50 ℃で48時間攪拌した。反応終了後、セライトろ過によりパラジウム炭素を除き、ろ液に活性炭を加え、50 ℃で30 分攪拌した。その後、活性炭をろ過し、有機溶媒を減圧留去し、残留した油状物を減圧乾燥することで、ジアミン化合物(DA−1)を得た。収量は19.8 g、収率は 96% であった。
ジアミン化合物(DA−1)は
1H NMRにより確認した。
1H NMR (DMSO-d
6): δ 6.54-6.42 (m, 3H, Ar), 3.49, 3.47 (each s, 2H, NCH
2CO
2t-Bu), 3.38-3.30 (m, 2H, CH
2CH
2N), 2.51-2.44 (m, 2H, ArCH
2), 1.84-1.76 (m, 2H, CH
2CH
2CH
2), 1.48-1.44 (m, 18H, NCO
2t-Bu and CH
2CO
2t-Bu).
【0113】
(合成例2)
撹拌装置付きの300mL四つ口フラスコを窒素雰囲気とし、4,4´−ジアミノジフェニルメタンを4.486g (22.63mmol)、DA−1を2.147g(5.658mmol)入れ、NMPを121.37g、塩基としてピリジンを5.16g(65.19mmol) 加え撹拌して溶解させた。次にこのジアミン溶液を撹拌しながら1,3DM−CBDE−Clを8.8384g (27.16mmol)添加し、水冷下4時間反応させた。4時間後、反応溶液にNMPを134.86g加え、室温(20℃)で15分撹拌した。得られたポリアミック酸エステルの溶液を、1349g の水に撹拌しながら投入し、析出した白色沈殿をろ取し、続いて、1349g の水で1回、1349g のエタノールで1回、337g のエタノールで3回洗浄し、乾燥することで白色のポリアミック酸エステル樹脂粉末11.04gを得た。収率は、81.9%であった。また、このポリアミック酸エステルの分子量はMn=15,205、Mw=30,219であった。
得られたポリアミック酸エステル樹脂粉末10.9690gを200ml三角フラスコにとり、NMP98.7394g を加え、室温で24時間撹拌し溶解させて、ポリアミック酸エステル溶液(PAE−1)を得た。
【0114】
(比較合成例1)
撹拌装置付きの300mL四つ口フラスコを窒素雰囲気とし、4,4´−ジアミノジフェニルメタンを8.0102g (40.35mmol)入れ、NMPを158.1g、塩基としてピリジンを7.20g (91.03mmol) 加え撹拌して溶解させた。次にこのジアミン溶液を撹拌しながら1,3DM−CBDE−Clを12.3419g (37.93mmol)添加し、水冷下4時間反応させた。得られたポリアミック酸エステルの溶液を、1757g の水に撹拌しながら投入し、析出した白色沈殿をろ取し、続いて、1757g の水で1回、1757g のエタノールで1回、439g のエタノールで3回洗浄し、乾燥することで白色のポリアミック酸エステル樹脂粉末16.63gを得た。収率は、94.6%であった。また、このポリアミック酸エステルの分子量はMn=10,180、Mw=21,476であった。
得られたポリアミック酸エステル樹脂粉末14.8252を200ml三角フラスコにとり、NMP99.3048g を加え、室温で24時間撹拌し溶解させて、ポリアミック酸エステル溶液(PAE−2)を得た。
(合成例3)
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの100mL四つ口フラスコに、4,4´−ジアミノジフェニルアミンを7.9693g(40mmol)取り、NMPを31.7g加えて、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながらBDAを7.1339g(36.01mmol)添加し、更に固形分濃度が25質量%になるようにNMPを加え、室温で24時間撹拌してポリアミック酸(PAA−1)の溶液を得た。このポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は2680mPa・sであった。また、このポリアミック酸の分子量はMn=8,176、Mw=16,834であった。
【0115】
(合成例4)
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの100mL四つ口フラスコに、4,4´−ジアミノジフェニルアミンを5.9791g(30.01mmol)、3,5−ジアミノ安息香酸を3.0446g(20.01mmol)取り、NMPを39.69g加えて、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながらBDAを9.8379g(49.65mmol)添加し、更に固形分濃度が25質量%になるようにNMPを加え、室温で24時間撹拌してポリアミック酸の溶液を得た。このポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は8000mPa・sであった。また、このポリアミック酸の分子量はMn=13,696、Mw=28,619であった。
得られたポリアミック酸溶液5.5355gを50ml三角フラスコに取り、NMP8.3744gを加えて、室温で24時間撹拌し溶解させて、10質量%のポリアミック酸溶液(PAA−2)を得た。
(合成例5)
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの100mL四つ口フラスコに、4,4´−ジアミノジフェニルアミンを3.6652g(18.39mmol)及び3,5−ジアミノ安息香酸を0.6992g(4.595mmol)取り、NMPを39.36g加えて、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながらCBDAを4.3326g(22.09mmol)添加し、更に固形分濃度が15質量%になるようにNMPを加え、室温で24時間撹拌してポリアミック酸(PAA−3)の溶液を得た。このポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は669mPa・sであった。また、このポリアミック酸の分子量はMn=16,902、Mw=34,865であった。
【0116】
(合成例6)
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの100mL四つ口フラスコに、4,4´−ジアミノジフェニルエーテルを1.848g(9.23mmol)及び3,5−ジアミノ安息香酸を2.1025g(13.82mmol)取り、NMPを39.7g加えて、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながらPMDAを4.8162g(22.08mmol)添加し、更に固形分濃度が15質量%になるようにNMPを加え、室温で24時間撹拌してポリアミック酸(PAA−4)の溶液を得た。このポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は257mPa・sであった。また、このポリアミック酸の分子量はMn=13,620、Mw=28,299であった。
【0117】
(実施例1)
合成例2で得られたポリアミック酸エステル溶液(PAE−1)1.5289gと合成例3で得られたポリアミック酸溶液(PAA−1)0.5184gを三角フラスコにとり、NMP2.0050g、BCS1.0011gを加えてマグネチックスターラーで30分間撹拌し液晶配向剤(I)を得た。
(実施例2)
合成例2で得られたポリアミック酸エステル溶液(PAE−1)1.5246gと合成例4で得られたポリアミック酸溶液(PAA−2)1.4067gを三角フラスコにとり、NMP1.0960g、BCS1.0112gを加えてマグネチックスターラーで30分間撹拌し液晶配向剤(II)を得た。
(実施例3)
合成例2で得られたポリアミック酸エステル溶液(PAE−1)1.5119gと合成例5で得られたポリアミック酸溶液(PAA−3)1.0074gを三角フラスコにとり、NMP1.5183g、BCS1.0313gを加えてマグネチックスターラーで30分間撹拌し液晶配向剤(III)を得た。
(実施例4)
合成例2で得られたポリアミック酸エステル溶液(PAE−1)1.5018gと合成例6で得られたポリアミック酸溶液(PAA−4)1.1008gを三角フラスコにとり、NMP1.4859g、BCS1.0214gを加えてマグネチックスターラーで30分間撹拌し液晶配向剤(IV)を得た。
【0118】
(比較例1)
比較合成例1で得られたポリアミック酸エステル溶液(PAE−2)3.00gと合成例3で得られたポリアミック酸溶液(PAA−1)1.021gを三角フラスコにとり、NMP3.99g、BCS2.0128gを加えてマグネチックスターラーで30分間撹拌し液晶配向剤(a)を得た。
(比較例2)
比較合成例1で得られたポリアミック酸エステル溶液(PAE−2)1.5119gと合成例4で得られたポリアミック酸溶液(PAA−2)1.4334gを三角フラスコにとり、NMP1.0903g、BCS1.0271gを加えてマグネチックスターラーで30分間撹拌し液晶配向剤(b)を得た。
(比較例3)
比較合成例1で得られたポリアミック酸エステル溶液(PAE−2)3.00gと合成例5で得られたポリアミック酸溶液(PAA−3)2.0141gを三角フラスコにとり、NMP3.01g、BCS2.0111gを加えてマグネチックスターラーで30分間撹拌し液晶配向剤(c)を得た。
(比較例4)
比較合成例1で得られたポリアミック酸エステル溶液(PAE−2)1.5206gと合成例6で得られたポリアミック酸溶液(PAA−4)1.0258gを三角フラスコにとり、NMP1.4838g、BCS1.0418gを加えてマグネチックスターラーで30分間撹拌し液晶配向剤(d)を得た。
【0119】
(比較例5)
合成例2で得られたポリアミック酸エステル溶液(PAE−1)3.1281gを三角フラスコにとり、NMP1.0911g、BCS1.0532gを加えてマグネチックスターラーで30分撹拌し、液晶配向剤(e)を得た。
【0120】
(実施例5)
実施例1で得られた液晶配向剤(I)を1.0μmのフィルターで濾過した後、透明電極付きガラス基板上にスピンコートし、温度80℃のホットプレート上で5分間の乾燥、温度250℃で1時間の焼成を経て膜厚100nmの塗膜を形成させた。この塗膜について、中心線平均粗さ(Ra)を測定した。測定結果については、後述する表1に示す。
(実施例6〜9及び比較例7〜10)
上記実施例2〜4、比較例1〜4で得られたそれぞれの各液晶配向剤(II)〜(IV)及び(a)〜(d)を用いた以外は、実施例5と同様の方法で各塗膜を形成させた。各塗膜の膜表面をAFMにて観察した。また、各塗膜について、中心線平均粗さ(Ra)を測定した。これらの測定結果を後述する表1に示す。
【0121】
【表1】
表1に示される、実施例5〜9と比較例7〜10の結果より、本発明の液晶配向剤は、ポリアミック酸エステルとポリアミック酸の相分離により発生する微小凹凸を低減することができ、平滑な膜表面が得られることが確認された。
(実施例10)
実施例1で得られた液晶配向剤(I)を1.0μmのフィルターで濾過した後、透明電極付きガラス基板上にスピンコートし、温度80℃のホットプレート上で5分間の乾燥、温度250℃で1時間の焼成を経て膜厚100nmの塗膜を形成させた。この塗膜面に偏光板を介して254nmの紫外線を100mJ/cm
2照射し、液晶配向膜付き基板を得た。このような液晶配向膜付き基板を2枚用意し、一方の基板の液晶配向膜面に6μmのスペーサーを散布した後、2枚の基板の配向が逆平行になるように組み合わせ、液晶注入口を残して周囲をシールし、セルギャップが6μmの空セルを作製した。この空セルに液晶(MLC−2041、メルク株式会社製)を常温で真空注入し、注入口を封止して液晶セルとした。この液晶セルについて、電圧保持率を測定し、その後イオン密度の測定を行った。電圧保持率及びイオン密度の測定結果は後述する表2に示す。
(実施例11〜13及び比較例11〜15)
上記実施例2〜4、比較例1〜5で得られたそれぞれの各液晶配向剤(II)〜(IV)及び(a)〜(e)を用いた以外は、実施例10と同様の方法で各液晶セルを作製した。各液晶セルについて、電圧保持率を測定し、その後イオン密度の測定を行った。これらの電圧保持率及びイオン密度の測定結果を後述する表2に示す。
【0122】
【表2】
表2に示される、実施例10〜13と比較例15の結果より、本発明の液晶配向剤は、ポリアミック酸エステルのみを含有する液晶配向剤と同等又はそれ以上の信頼性を有する液晶配向膜が得られることが確認された。また、実施例10〜13と比較例11〜14の結果より、本発明の液晶配向剤は、熱で脱離する低極性置換基を含まないポリアミック酸エステルとポリアミック酸を含有する液晶配向剤よりも信頼性の高い液晶配向膜が得られることが確認された。
【0123】
(実施例14)
実施例1で得られた液晶配向剤(I)を1.0μmのフィルターで濾過した後、ガラス基板上に、第1層目として膜厚50nmのITO電極を、第2層目として絶縁膜として膜厚500nmの窒化ケイ素を、第3層目として櫛歯形状のITO電極(電極幅:3μm、電極間隔:6μm、電極高さ:50nm)を有するFFS駆動用電極が形成されているガラス基板に、スピンコート塗布にて塗布した。80℃のホットプレート上で5分間乾燥させた後、250℃の熱風循環式オーブンで60分間焼成を行い、膜厚100nmの塗膜を形成させた。この塗膜面に偏光板を介して254nmの紫外線を100mJ/cm
2照射し、液晶配向膜付き基板を得た。また、対向基板として電極が形成されていない高さ4μmの柱状スペーサーを有するガラス基板にも、同様に塗膜を形成させ、配向処理を施した。
上記、2枚の基板を一組とし、基板上にシール剤を印刷し、もう1枚の基板を、液晶配向膜面が向き合い配向方向が0°になるようにして張り合わせた後、シール剤を硬化させて空セルを作製した。この空セルに減圧注入法によって、液晶MLC−2041(メルク株式会社製)を注入し、注入口を封止して、FFS駆動液晶セルを得た。
このFFS駆動液晶セルについて、交流駆動焼き付き特性及び電荷蓄積特性の評価を行った。結果については、後述する表3に示す。
(実施例15〜17及び比較例16)
上記実施例2〜4、比較例5で得られたそれぞれの各液晶配向剤(II)〜(IV)及び(e)を用いた以外は、実施例14と同様の方法で各FFS駆動液晶セルを作製した。各FFS駆動液晶セルについて、交流駆動焼き付き特性及び電荷蓄積特性の評価を行った。結果を後述する表3に示す。
【0124】
【表3】
表3に示される、実施例14〜17と比較例16の結果より、本発明の液晶配向剤は、交流駆動焼き付きの程度が小さく、且つ残留電圧が少ない液晶配向膜が得られることが確認された。
(合成例7)ジアミン化合物(DA−2)の合成
(前駆体合成1)
【0125】
【化61】
1L四つ口フラスコに、ジムロート、100mL滴下漏斗をつなげ、2−シアノ−4−ニトロアニリン(15g,92mmol)を加え、系内を窒素で置換した後、THF400mLを加え、0℃に冷却した。次に、滴下漏斗からボラン−THF錯体(1M in THF,100mL,100mmol)を30分かけて滴下した。反応系からが気体の発生が確認され、黄色固体が析出した。滴下終了後、室温で、2日間撹拌した。反応終了後、塩酸(2N,200mL)加え、室温で2時間撹拌した後、10℃で水酸化ナトリウム水溶液(2N,250mL)を加え塩基性にし、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和食塩水(500mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮、真空乾燥を行うことで黄色固体のシアノ基還元体を得た。収量は、11.9g、収率は77%であった。
(前駆体合成2)
【0126】
【化62】
1Lナスフラスコに前記シアノ基還元体(4.60g,27.5mmol)及び塩化メチレン(900mL)を加え溶液としたところに、二炭酸ジtert−ブチル(6.00g,27.5mmol)を加え、室温(20℃)で3日間撹拌した。反応終了後、反応溶液をそのまま飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。有機層を減圧濃縮することで析出する固体を酢酸エチル―ヘキサンで再結晶することで、黄色固体のBoc付加体を得た。収量は、5.25g,収率は、71%であった。
(DA−2の合成)
【0127】
【化63】
100mLナスフラスコに前記Boc付加体(5.0g,18.7mmol)及びエタノール(40ml)を加え、系内を窒素で置換した後、酸化白金(500mg)を加え、系内を水素で置換した。黄色懸濁となった反応混合物を室温で15時間撹拌した。反応終了後、エタノールを追加し、析出した白色固体を溶かし、セライトろ過により触媒を除いた。ろ液を濃縮し、得られた桃色固体を酢酸エチル−ヘキサンで再結晶することで、薄桃色固体を得た。収量は、3.40g、収率は、77%であった。
得られた固体の
1H−NMR測定し、DA−2が生成したことを確認した。
1H−NMR(DMSO−d
6,δppm):1.44(s,9H)、3.87(d,J=6.3Hz,2H)、4.10〜4.30(m,4H)、6.27(dd,J=2.4Hz,8.1Hz,1H)、6.31(d,J=2.4Hz,1H)、6.38(d,J=8.1Hz)、7.14(t,J=6.3Hz,1H).
(合成例8)ジアミン化合物(DA−3)の合成
(N−Boc−プロパルギルアミンの合成)
【0128】
【化64】
四つ口フラスコにプロパルギルアミン(25.18g,0.448mol)、トリエチルアミン(55.52g,0.549mol)、ジクロロメタン400mlを加えた後、水浴(20℃)で反応溶液を冷却しながら、二炭酸ジ−tert−ブチル(118.15g,0.541mol)を30分かけて滴下した。滴下終了後、2時間撹拌した後、反応溶液に飽和食塩水300ml、ジクロロメタン200mlを加え、抽出した。得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を除去後、得られた溶液の溶媒を留去し、淡黄色オイルを得た。再結晶(ヘキサン)にて精製し、白色固体のN−Boc−プロパルギルアミンを得た(収量:47.01g,収率:67.6%)。
(ニトロ体の合成)
【0129】
【化65】
窒素置換した四つ口フラスコに2−ヨード−4−ニトロアニリン(5.11g,19.4mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(281.7mg,0.401mmol)、ヨウ化銅(160.7mg,0.844mmol)、ジエチルアミン30mlを入れ、室温(20℃)で10分間攪拌した。その後、Boc−プロパルギルアミン(3.72g,24.0mmol)を加えて、室温(20℃)にて、4時間攪拌した。HPLCにて、原料の消失を確認した後、酢酸エチル200ml、1M塩化アンモニウム水溶液を200ml加え、抽出した。得られた有機層を1M塩化アンモニウム水溶液で、2回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を除去後、ろ液を濃縮し、シリカゲルカラムグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=3:7)にて精製した。収量は、4.97g、収率は88.0%であった。
(DA−3の合成)
【0130】
【化66】
四つ口フラスコに前記ニトロ体(12.45g,42.7mmol)を入れ、エタノール200mlに懸濁させた。脱気、窒素置換した後、パラジウムカーボン(1.23g)を加え、水素置換し、室温(20℃)にて2日間撹拌した。セライトろ過により、パラジウムカーボンを除去し、溶媒を留去した。得られた固体をトルエン100mlに溶解させた後、ヘキサン50mlを加えて、再結晶した。得られた固体を減圧乾燥し、薄茶色固体を得た。(収量:9.13g、収率:80.6%)得られた固体の
1H−NMR測定し、DA−Bが生成したことを確認した。
1H−NMR(DMSO−d
6,δppm):1.38(s,9H)、1.57(q,J=7.2Hz,2H)、2.30(t,J=7.2Hz,2H)、2.94(quin,J=6.0Hz,2H)、3.88〜4.22(m,4H)、6.22(dd,J=2.1Hz,8.1Hz,1H)、6.25(d,J=2.1Hz,1H)、6.37(d,J=8.1Hz,1H)、6.84(t,J=6.0Hz,1H).
(合成例9)ジアミン化合物(DA−4)の合成
【0131】
【化67】
500 mL ナスフラスコにp-フェニレンジアミン (16.2 g, 150 mmol)、N,N-ジメチルホルムアミド (200 mL)、炭酸カリウム (49.8 g, 360 mmol)を入れ、−20 ℃に冷却し、ブロモ酢酸t-ブチル (58.5 g, 300 mmol) をN,N-ジメチルホルムアミド (100 mL)に溶かした溶液を3時間で滴下した。その後、室温で20時間攪拌した。この反応混合物中の固体をろ過によって除いた後、ろ液を6 L の水に注ぎ、析出したジアミン化合物(D)の粗生成物を回収した。得られた粗生成物を 100 mL の N,N-ジメチルホルムアミドに溶解させ、再度 2 L の水に注いで固体を析出させた。この固体をメタノールで洗浄し、減圧乾燥することで薄桃色固体のジアミン化合物(DA−4)を得た。収量は 25.1 g、収率は 50% であった。
ジアミン化合物(D−4)の構造は
1H NMRにより確認した。
1H NMR (DMSO-d
6): δ 6.39 (s, 4H, Ar), 5.09 (t, J = 6.6 Hz, 2H, NH), 3.64 (d, J= 6.6 Hz, 4H, CH
2), 1.39 (s, 18H, t-Bu).
(合成例10)ジアミン化合物(DA−5)の合成
(ニトロ体の合成)
【0132】
【化68】
窒素置換した四つ口フラスコにBoc−グリシン(10.17g,58.05mmol,)を入れ、THF150mlに溶解させた。そこへ、N−メチルモルホルリン(11.93g,117.9mmol)を加え、−20℃に冷却した。この溶液に、クロロギ酸イソブチル(9.99g,73.14mmol)を滴下した。この時、反応溶液の温度が0℃以上にならないよう注意した。滴下後、−20℃にて10分間撹拌した。この時、反応溶液は白濁した。10分後、2−アミノ−4−ニトロアニリン(8.86g,57.86mmol)のTHF溶液360mlを滴下ロートより滴下した。滴下終了後、−20℃にて1時間攪拌し、その後室温(20℃)にて18時間撹拌した。18時間後、析出した固体をろ別し、得られたろ液の溶媒を留去し、濃縮液とした。この濃縮液に酢酸エチル200ml、1Mリン酸二水素カリウム水溶液200mlを加え、抽出した。得られた有機層を1Mリン酸二水素カリウム水溶液で1回、飽和食塩水で1回、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で2回、飽和食塩水で1回洗浄を行った。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤を除去後、ろ液から溶媒を留去し、橙色の固体を得た。この固体をトルエン300mlに懸濁させ、30分加熱撹拌した。固体を吸引ろ取し、得られた固体のNMRを測定した結果、目的のニトロ体であることがわかった(収量:9.85g,収率:54.9%)。
(DA−5の合成)
【0133】
【化69】
ナス型フラスコに前記ニトロ体(9.85g,31.75mmol)を加え、エタノール150mlを加えた。反応容器を窒素置換した後、パラジウムカーボン(1.11g,ニトロ体の質量に対して10質量%)を加え、再び窒素置換した。続いて、反応容器を水素置換し、20℃にて48時間撹拌した。反応終了後、セライトろ過により、パラジウムカーボンを除去し、ろ液から溶媒を除去した。得られた濃縮液にトルエン150mlを加え、加熱還流したところ、固体が析出した。析出した固体を熱時ろ過し、薄紫色の固体を得た。収量は、8.05g、収率は、90.4%であった。得られた固体の
1H−NMR測定し、DA−5が生成したことを確認した。
1H−NMR(DMSO−d
6,δppm):1.40(s,9H)、3.70(d,J=6.0Hz,2H)、4.04(bs,2H)、4.35(bs,2H)、6.23(dd,J=2.4Hz,8.0Hz,1H)、6.48(d,J=8.0Hz,1H)、6.61(d,J=2.4Hz,1H)、7.05(t,J=6.0Hz,1H)、8.94(s,1H).
(合成例11)ジアミン化合物(DA−6)の合成
(前駆体合成1)
【0134】
【化70】
2L四つ口フラスコに1,5−ジアミノプロパンを50.00g(489.3mmol)、炭酸カリウムを270.5g(1.957mol)、ジメチルスルホキシドを400g入れ、100℃で加熱攪拌した。次に、4−フルオロニトロベンゼンを138.09g(978.7mmol)、ジメチルスルホキシドを100g加えて、100℃で4時間加熱攪拌した。4時間後、反応溶液を5Lの水に撹拌しながら投入し、析出した黄色固体をろ取した。得られた固体を3Lの水、556gのメタノールで洗浄し、乾燥して、黄色固体(前駆体−1)を得た。収量は152.71gであった。得られた固体(前駆体−1)は次の反応へ使用した。
(前駆体合成2)
【0135】
【化71】
2L四つ口フラスコに上記(前駆体−1)を100g(290.4mmol)、N,N−ジメチルアミノピリジンを7.10g(58.08mmol)、テトラヒドロフランを800g加えて、10℃にて撹拌し、溶解させた。次に、二炭酸ジtert−ブチルを152.10g(697.0mmol)を滴下ロートに入れ、四つ口フラスコ中の溶液に1時間かけて滴下した。滴下終了後、エバポレーターにて反応液を留去し、黄色オイル状物質を得た。この黄色オイル状物質に酢酸エチルを加え、10wt%塩化水素水溶液を500ml加えて、抽出した。得られた有機層を10wt%塩化水素水溶液500mlで洗浄、500mlの水で2回洗浄し得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤を除去後、溶媒留去し、黄色オイル状物質を得た。この黄色オイル状物質を一晩放置したところ、黄色固体へと変化した。この固体に2−プロパノールを400g加えて、洗浄し、固体をろ取し、乾燥させ、黄白色の固体(前駆体−2)を得た。収量は、124.32gであった。得られた固体(前駆体−2)は、そのまま次の反応に使用した。
(DA−6の合成)
【0136】
【化72】
2L四つ口フラスコに、上記前駆体−2を100.0g(183.6mmol)、1,4−ジオキサンを1500g加えた。反応容器を窒素置換した後、パラジウムカーボン(10.00g,ニトロ体の質量に対して10質量%)を加え、再び窒素置換した。続いて、反応容器を水素置換し、20℃にて24時間撹拌した。白色固体が析出していたアセトニトリルを800g加え、溶解させた。反応液をメンブレンフィルター(1.0μm)でろ過し、パラジウムカーボンを除去した。ろ液から溶媒を除去して、白色固体を得た。この白色固体に2−プロパノールを350g加え、1時間攪拌した。1時間後、固体をろ取し、得られた固体に300gの2−プロパノールを加えて、超音波装置にて分散洗浄を行った後、ろ過、乾燥を行い、白色固体のDA−6を得た。収量は、65.50g、収率は74%であった。得られた固体の
1H−NMR測定し、DA−6が生成したことを確認した。
1H−NMR(DMSO−d
6,δppm):1.10〜1.23(m,6H)、1.32(s,18H)、3.40(t,J=6.8Hz,4H)、5.03(s,4H)、6.49(d,8.0Hz,1H)、6.48(d,J=8.4Hz,4H)、6.77(d,J=8.4Hz,4H).
(合成例12)1,3−ビス(4−アミノフェネチル)ウレアの合成
【0137】
【化73】
室温下、窒素置換した4つ口フラスコ中に2-(4-ニトロフェニル)エチルアミン塩酸塩
[A](52.50g、259mmol)、炭酸 ビス(4-ニトロフェニル)[B](37.53g、123mmol)およびTHF(1877g)を加え、そこにトリエチルアミン(74.90g、740mmol)および4−N,Nジメチルアミノピリジン(3.01g、24.7mmol)を加え、メカニカルスターラーにて撹拌を行った。反応をHPLCにて追跡し、反応終了後、純水(9L)へ反応溶液を空け、30分撹拌を行った。その後、ろ過を行い、純水(1L)で洗浄し、白色固体の粗物を得た。この得られた白色固体をメタノール(488g)で超音波装置にて分散洗浄した後、ろ過、乾燥を行い白色固体のジニトロ化合物[C]を得た(得量42.3g、収率96%)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):8.11-8.08(4H, m), 7.43-7.40(4H, m), 5.89(2H, t), 3.24-3.19(4H, q), 2.76(4H, t).
化合物[C](42.32g、118mmol)、5%パラジウムカーボン(4.23g、10wt%)、1,4−ジオキサン(2031g)の混合物を、窒素で置換した後、水素で置換しなおし、、水素存在下、室温にて攪拌した。反応をHPLCにて追跡し、反応終了後、セライトで触媒をろ過した後、ろ液を、減圧下、溶媒留去したところ、白色固体の粗物を得た。その粗物に2−プロパノール(85g)を加え、超音波装置にて分散洗浄を行った後、ろ過、乾燥を行い白色固体の1,3−ビス(4−アミノフェネチル)ウレアを得た(得量31.9g、収率91%)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):6.85-6.82(4H, m), 6.51-6.48(4H, m), 5.78(2H, t), 4.83(4H, s), 3.14-3.09(4H, m), 2.50-2.45(4H, m).
(合成例13)
【0138】
【化74】
500mL反応容器に化合物(b)(50.00g,229mmol)、ピリジン(0.500g,0.632mmol)、化合物(c)(63.02, 504mmol)、アセトノトリル(300g)を加え、窒素雰囲気下、加熱還流で反応を行った。反応終了後、20℃まで冷却した後、ろ過、アセトニトリル(100g)で洗浄を行い、粗物を得た。次に、粗物に2−プロパノール(300g)、蒸留水(100g)を加え、加熱還流した。その後、20℃に冷却し、固体をろ過、2−プロパノール(100g)で洗浄、乾燥し化合物(d)を得た(収量:37.8g,収率:37%)。
1H−NMR(
1H核磁気共鳴分光)(400MHz,DMSO−d
6,σ(ppm)):8.07(2H,s),5.15−5.14(2H,m),4.62(2H,t),4.59−4.49(4H,m),4.38(2H,q).
500mL反応容器に化合物(d)(20.00g,44.0mmol)、塩化チオニル(120.0g,1.01mol)を加え、加熱還流を行った。30分後、20℃まで冷却した後、塩化チオニル(120.0g,1.01mol)を追加し、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、過剰の塩化チオニルを減圧留去し、ヘキサン(200g)で洗浄した。次に、粗物に20℃にてジクロロメタン(200g)を加え撹拌を行い、そこへ化合物(c)(12.1g, 96.8mmol)、ピリジン(13.93g,176mmol)、ジクロロメタン(100g)溶液を徐々に滴下して加えた。1時間撹拌後、さらに化合物(c)(12.1g, 96.8mmol)、ピリジン(13.93g,176mmol)を加えた。反応終了後、溶媒を留去し、蒸留水(144g)で洗浄し粗物を得た。この粗物にテトラヒドロフラン(144g)を加え、23℃にて分散洗浄し、ろ過、テトラヒドロフラン(130g)、蒸留水(170g)、メタノール(150g)でそれぞれ洗浄後、乾燥し、(AD−4)を得た(収量:17.72g,収率:62%)。
1H−NMR(
1H核磁気共鳴分光)(400MHz,DMSO−d
6,σ(ppm)):8.17(2H,s),5.18−5.13(2H,m),4.64−4.53(6H,m),4.37(2H,q).
【0139】
(合成例14)
攪拌装置付きの300ml四つ口フラスコに2,4−ビス(メトキシカルボニル)シクロブタン−1,3−ジカルボン酸を10.2046g(39.22mmol)取り、NMPを181.2g加え、撹拌して溶解させた。続いて、トリエチルアミンを8.90g(87.90mmol)、p−フェニレンジアミンを3.8987g(36.05mmol)、DA−2を0.9528g(4.02mmol)加え、撹拌して溶解させた。この溶液を撹拌しながら(2,3−ジヒドロキシ−2−チオキソ−3−ベンゾオキサゾイル)ホスホン酸ジフェニルを33.74g(88.01mmol)添加し、更にNMPを32g加え、水冷下で4時間反応させた。得られたポリアミド酸エステル溶液を1090gの2−プロパノールに撹拌しながら投入し、析出した沈殿物をろ取し、続いて、540gの2−プロパノールで5回洗浄し、乾燥することでポリアミック酸エステル樹脂粉末を得た。
このポリアミック酸エステルの分子量はMn=5210、Mw=8755であった。
得られたポリアミック酸エステル樹脂粉末2.4495gを50ml三角フラスコに取り、NMPを22.1541g加え、室温で24時間撹拌し溶解させて、ポリアミック酸エステル溶液(PAE−3)を得た。
(合成例15)
攪拌装置付きの200ml四つ口フラスコに2,5−ビス(メトキシカルボニル)テレフタル酸を1.2736g(4.51mmol)、2,4−ビス(メトキシカルボニル)シクロブタン−1,3−ジカルボン酸を2.6915g(10.34mmol)取り、NMPを73.20g加え、撹拌して溶解させた。続いて、トリエチルアミンを3.34g(33.01mmol)、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)プロパンを3.4376g(12.01mmol)、DA−2を0.7122g(3.00mmol)加え、撹拌して溶解させた。この溶液を撹拌しながら(2,3−ジヒドロキシ−2−チオキソ−3−ベンゾオキサゾイル)ホスホン酸ジフェニルを12.65g(33.0mmol)添加し、更にNMPを10g加え、水冷下で4時間反応させた。得られたポリアミド酸エステル溶液を530gの2−プロパノールに撹拌しながら投入し、析出した沈殿物をろ取し、続いて、210gの2−プロパノールで5回洗浄し、乾燥することでポリアミック酸エステル樹脂粉末を得た。
このポリアミック酸エステルの分子量はMn=10281、Mw=23163であった。
得られたポリアミック酸エステル樹脂粉末2.5429gを50ml三角フラスコに取り、NMPを22.9458g加え、室温で24時間撹拌し溶解させて、ポリアミック酸エステル溶液(PAE−4)を得た。
(合成例16)
攪拌装置付きの300mL四つ口フラスコを窒素雰囲気とし、4,4’−ジアミノジフェニルメタンを5.0067g(25.25mmol)、DA−6を3.0573g(6.31mmol)入れ、NMPを139g、塩基としてピリジンを5.57g(70.36mmol)加え、攪拌して溶解させた。次にこのジアミン溶液を攪拌しながら1,3DM−CBDE−Clを9.5299g(29.31mmol)添加し、水冷下4時間反応させた。得られたポリアミック酸エステルの溶液を1545gの純水に攪拌しながら投入し、析出した白色沈殿をろ取し、続いて1545gの純水で1回、1545gのエタノールで1回洗浄し、さらに386gのエタノールで3回洗浄し、乾燥することで白色のポリアミック酸エステル樹脂粉末を得た。このポリアミック酸エステルの分子量はMn=14359、Mw=31558であった。
得られたポリアミック酸エステル樹脂粉末12.31gを50ml三角フラスコにとり、NMPを110.79g加え、室温で24時間攪拌し溶解させて、ポリアミック酸エステル溶液(PAE−5)を得た。
【0140】
(合成例17)
攪拌装置付きの200ml四つ口フラスコに2,5−ビス(メトキシカルボニル)テレフタル酸を5.5958g(19.83mmol)取り、NMPを68.70g加え、撹拌して溶解させた。続いて、トリエチルアミンを4.01g(39.63mmol)、3−アミノベンジルアミンを1.9611g(16.05mmol)、DA−2を0.9493g(4.00mmol)加え、撹拌して溶解させた。この溶液を撹拌しながら4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(15±2重量%水和物)を16.40g添加し、更にNMPを7.72g加え、水冷下で4時間反応させた。得られたポリアミド酸エステル溶液を633gの2−プロパノールに撹拌しながら投入し、析出した沈殿物をろ取し、続いて、210gの2−プロパノールで5回洗浄し、乾燥することでポリアミック酸エステル樹脂粉末を得た。このポリアミック酸エステルの分子量はMn=5152、Mw=8788であった。
得られたポリアミック酸エステル樹脂粉末2.5630gを50ml三角フラスコに取り、NMPを23.0971g加え、室温で24時間撹拌し溶解させて、ポリアミック酸エステル溶液(PAE−6)を得た。
(合成例18)
撹拌装置付きの300mL四つ口フラスコを窒素雰囲気とし、4,4´−ジアミノジフェニルメタンを1.5163g (7.65mmol)、DA−1を2.8712g(7.57mmol)入れ、NMPを73.3g、塩基としてピリジンを2.82g(35.59mmol) 加え撹拌して溶解させた。次にこのジアミン溶液を撹拌しながら1,3DM−CBDE−Clを4.8583g(14.94mmol)添加し、水冷下4時間反応させた。4時間後、反応溶液にNMPを81.44g加え、室温(20℃)で15分撹拌した。得られたポリアミック酸エステルの溶液を、850gの2−プロパノールに撹拌しながら投入し、析出した白色沈殿をろ取し、続いて、170gの2−プロパノールで5回洗浄し、乾燥することで白色のポリアミック酸エステル樹脂粉末を得た。このポリアミック酸エステルの分子量はMn=21514、Mw=43900であった。
得られたポリアミック酸エステル樹脂粉末2.1684gを50ml三角フラスコにとり、NMPを19.2226g加え、室温で24時間撹拌し溶解させて、ポリアミック酸エステル溶液(PAE−7)を得た。
(合成例19)
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの200mL四つ口フラスコに、p-フェニレンジアミンを1.7312g(16.01mmol)及びDA−2を0.9444g(3.98mmol)取り、NMPを32.47g加えて、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら2.3.5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物を4.4841g(20.0mmol)添加し、更に固形分濃度が15質量%になるようにNMPを加え、室温で24時間撹拌した。この溶液の温度25℃における粘度は580mPa・sであった。この溶液にNMPを23.28g加え、固形分濃度10質量%とした後、1−メチル−3−p−トリルトリアゼンを6.04g(40.5mmol)加えて、室温で4時間撹拌した。4時間後、反応液を286gの2−プロパノールに撹拌しながら投入し、析出した沈殿物をろ取し、続いて、140gの2−プロパノールで5回洗浄し、乾燥することでポリアミック酸エステル樹脂粉末を得た。このポリアミック酸エステルの分子量はMn=16532、Mw=50698であった。
撹拌子を入れた50mlサンプル管に得られたポリアミック酸エステル樹脂粉末を2.2078g取り、NMPを19.7894g加え、室温で24時間撹拌し溶解させて、ポリアミック酸エステル溶液(PAE−8)を得た。
【0141】
(合成例20)
撹拌装置付きの300mL四つ口フラスコを窒素雰囲気とし、4−アミノ−N−メチルフェネチルアミンを1.9995g(13.28mmol)、DA−5を0.9379g(3.35mmol)を入れ、NMPを130.70g、塩基としてピリジンを3.80g(37.54mmol)加え、撹拌して溶解させた。次にこのジアミン溶液を撹拌しながら1,3DM−CBDE−Clを5.0894g(15.65mmol)添加し、水冷下4時間反応させた。得られたポリアミック酸エステルの溶液を、688gの2−プロパノールに撹拌しながら投入し、析出した白色沈殿をろ取し、続いて172gの2−プロパノールで5回洗浄し、乾燥することで白色のポリアミック酸エステル樹脂粉末を得た。このポリアミック酸エステルの分子量はMn=7331、Mw=14716であった。
得られたポリアミック酸エステル樹脂粉末1.9755gを50ml三角フラスコにとり、NMPを17.7314g加え、室温で24時間撹拌し溶解させて、ポリアミック酸エステル溶液(PAE−9)を得た。
(合成例21)
撹拌装置付きの100mL四つ口フラスコを窒素雰囲気とし、p−フェニレンジアミンを0.6005g(5.55mmol)、DA−4を0.2334g(0.694mmol)、DA−3を0.1849g(0.693mmol)入れ、NMPを49.80g、塩基としてピリジンを1.15g(14.56mmol)加え、撹拌して溶解させた。次にこのジアミン溶液を撹拌しながら1,3DM−CBDE−Clを2.2550g(6.94mmol)添加し、水冷下4時間反応させた。得られたポリアミック酸エステルの溶液を、277gの水に撹拌しながら投入し、析出した白色沈殿をろ取し、続いて69gの水で5回洗浄し、乾燥することで白色のポリアミック酸エステル樹脂粉末を得た。このポリアミック酸エステルの分子量はMn=16919、Mw=27982であった。
得られたポリアミック酸エステル樹脂粉末2.0204gを50ml三角フラスコにとり、GBLを18.1836g加え、室温で24時間撹拌し溶解させて、ポリアミック酸エステル溶液(PAE−10)を得た。
(合成例22)
攪拌装置付きの300ml四つ口フラスコに2,5−ビス(メトキシカルボニル)テレフタル酸を2.2570g(8.00mmol)、2,4−ビス(メトキシカルボニル)シクロブタン−1,3−ジカルボン酸を3.0206g(11.61mmol)取り、NMPを100.35g加え、撹拌して溶解させた。続いて、トリエチルアミンを4.45g(43.98mmol)、1,5−ビス(4−アミノフェノキシ)プロパンを3.0934g(11.98mmol)、1,3−ビス(4−アミノフェネチル)ウレアを1.2018g(4.03mmol)、DA−3を1.0653g(4.02mmol)加え、撹拌して溶解させた。この溶液を撹拌しながら(2,3−ジヒドロキシ−2−チオキソ−3−ベンゾオキサゾイル)ホスホン酸ジフェニルを16.92g(44.14mmol)添加し、更にNMPを13.14g加え、水冷下で4時間反応させた。得られたポリアミド酸エステル溶液を890gの2-プロパノールに撹拌しながら投入し、析出した沈殿物をろ取し、続いて、300gの2-プロパノールで5回洗浄し、乾燥することでポリアミック酸エステル樹脂粉末を得た。
このポリアミック酸エステルの分子量はMn=9170、Mw=19990であった。
得られたポリアミック酸エステル樹脂粉末1.8720gを50ml三角フラスコに取り、NMPを16.9543g加え、室温で24時間撹拌し溶解させて、ポリアミック酸エステル溶液(PAE−11)を得た。
【0142】
(合成例23)
撹拌装置付きの300mL四つ口フラスコを窒素雰囲気とし、p−フェニレンジアミンを3.02g (27.93mmol)とり、NMPを173.0g、塩基としてピリジンを5.16g(65.25mmol)加え、撹拌して溶解させた。次にこのジアミン溶液を撹拌しながらジメチル2,4−ビス(クロロカルボニル)シクロブタン−1,3−ジカルボキシレートを8.09g (27.23mmol)を添加し、水冷下2時間反応させた。得られたポリアミック酸エステルの溶液を、1000gの水に投入し、析出した白色沈殿をろ取し、続いて、300gの2−プロパノールで5回洗浄し、乾燥することで白色のポリアミック酸エステル樹脂粉末を得た。このポリアミック酸エステルの分子量はMn=10820、Mw=29197であった。
得られたポリアミック酸エステル樹脂粉末1.5309を50ml三角フラスコに取り、NMPを13.7781g、N,N−ジメチルホルムアミドを16.9279g加え、室温で24時間撹拌し溶解させて、ポリアミック酸エステル溶液(PAE−12)を得た。
(合成例24)
攪拌装置付きの200ml四つ口フラスコに2,5−ビス(メトキシカルボニル)テレフタル酸を1.7779g(6.30mmol)、2,4−ビス(メトキシカルボニル)シクロブタン−1,3−ジカルボン酸を3.7712g(14.49mmol)取り、NMPを146.71g加え、撹拌して溶解させた。続いて、トリエチルアミンを4.25g(42.0mmol)、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)プロパンを5.4239g(21.0mmol)加え、撹拌して溶解させた。この溶液を撹拌しながら(2,3−ジヒドロキシ−2−チオキソ−3−ベンゾオキサゾイル)ホスホン酸ジフェニルを16.91g(44.11mmol)添加し、更にNMPを25.81g加え、水冷下で4時間反応させた。得られたポリアミド酸エステル溶液を1224gのメタノールに撹拌しながら投入し、析出した沈殿物をろ取し、続いて、408gのメタノールで4回洗浄し、乾燥することでポリアミック酸エステル樹脂粉末を得た。このポリアミック酸エステルの分子量はMn=15103、Mw=32483であった。
得られたポリアミック酸エステル樹脂粉末1.0172gを50ml三角フラスコに取り、NMPを9.4167g加え、室温で24時間撹拌し溶解させて、ポリアミック酸エステル溶液(PAE−13)を得た。
(合成例25)
攪拌装置付きの300mL四つ口フラスコを窒素雰囲気とし、4,4’−ジアミノジフェニルメタンを5.0086g(25.26mmol)、1,5−ビス(4−アミノフェノキシ)ペンタンを1.8064g(6.31mmol)入れ、NMPを272g、塩基としてピリジンを5.69g(71.88mmol)加え、攪拌して溶解させた。次にこのジアミン溶液を攪拌しながら1,3DM−CBDE−Clを9.7356g(29.94mmol)添加し、水冷下4時間反応させた。得られたポリアミック酸エステルの溶液を1436gの純水に攪拌しながら投入し、析出した白色沈殿をろ取し、続いて1436gの純水で1回、1436gのエタノールで1回洗浄し、さらに386gのエタノールで3回洗浄し、乾燥することで白色のポリアミック酸エステル樹脂粉末を得た。このポリアミック酸エステルの分子量はMn=15205、Mw=30219であった。
得られたポリアミック酸エステル樹脂粉末11.89gを50ml三角フラスコにとり、NMPを107.01g加え、室温で24時間攪拌し溶解させて、ポリアミック酸エステル溶液(PAE−14)を得た。
【0143】
(合成例26)
攪拌装置付きの200ml四つ口フラスコに2,5−ビス(メトキシカルボニル)テレフタル酸を3.7141g(13.16mmol)取り、NMPを72.31g加え、撹拌して溶解させた。続いて、トリエチルアミンを0.71g(7.01mmol)、3−アミノベンジルアミンを1.7112g(14.01mmol)加え、撹拌して溶解させた。この溶液を撹拌しながら4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(15±2重量%水和物)を11.6258g添加し、更にNMPを12.91g加え、水冷下で4時間反応させた。得られたポリアミド酸エステル溶液を616gのメタノールに撹拌しながら投入し、析出した沈殿物をろ取し、続いて、616gのメタノールで4回洗浄し、乾燥することでポリアミック酸エステル樹脂粉末を得た。このポリアミック酸エステルの分子量はMn=7234、Mw=15577であった。
得られたポリアミック酸エステル樹脂粉末1.1325gを50ml三角フラスコに取り、NMPを10.1925g加え、室温で24時間撹拌し溶解させて、ポリアミック酸エステル溶液(PAE−15)を得た。
(合成例27)
攪拌装置付きの300mL四つ口フラスコを窒素雰囲気とし、p−フェニレンジアミンを7.0100g(64.82mmol)入れ、NMPを108g、γ−BLを324g、塩基としてピリジンを11.55g(146mmol)加え、攪拌して溶解させた。次にこのジアミン溶液を攪拌しながら1,3DM−CBDE−Clを19.7838g(60.85mmol)添加し、水冷下4時間反応させた。得られたポリアミック酸エステルの溶液を1881gの2−プロパノールに攪拌しながら投入し、析出した白色沈殿をろ取し、続いて940gの2−プロパノールで5回洗浄し、乾燥することで白色のポリアミック酸エステル樹脂粉末を得た。このポリアミック酸エステルの分子量はMn=11325、Mw=24387であった。
得られたポリアミック酸エステル樹脂粉末1.2019gを50ml三角フラスコにとり、N,N−ジエチルホルムアミドを10.8171g加え、室温で24時間攪拌し溶解させて、ポリアミック酸エステル溶液(PAE−16)を得た。
(合成例28)
撹拌装置付きの300mL四つ口フラスコを窒素雰囲気とし、4−アミノ−N−メチルフェネチルアミンを3.0144g(20.07mmol)を入れ、NMPを148.88g、塩基としてピリジンを4.65g(46.01mmol)加え、撹拌して溶解させた。次にこのジアミン溶液を撹拌しながら1,3DM−CBDE−Clを6.2390g(19.19mmol)添加し、水冷下4時間反応させた。得られたポリアミック酸エステルの溶液を、784gの水に撹拌しながら投入し、析出した白色沈殿をろ取し、続いて784gの水、196gの2−プロパノールで3回洗浄し、乾燥することで白色のポリアミック酸エステル樹脂粉末を得た。このポリアミック酸エステルの分子量はMn=8691、Mw=20311であった。
得られたポリアミック酸エステル樹脂粉末1.9144gを50ml三角フラスコにとり、NMPを17.2026g加え、室温で24時間撹拌し溶解させて、ポリアミック酸エステル溶液(PAE−17)を得た。
(合成例29)
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの100mL四つ口フラスコに、3,5−ジアミノ安息香酸を20.0838g(132.0mmol)及びDA−7を21.3254g(88.0mmol)取り、NMPを268.48g加えて、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物を42.4946g(216.7mmol)添加し、更に固形分濃度が20質量%になるようにNMPを加え、室温で24時間撹拌してポリアミック酸(PAA−5)の溶液を得た。このポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は2156mPa・sであった。また、このポリアミック酸の分子量はMn=18794、Mw=63387であった。
【0144】
(合成例30)
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの100mL四つ口フラスコに、4,4’−ジアミノジフェニルアミンを3.5843g(17.99mmol)、DA−7を2.9064g(12.0mmol)取り、NMPを55.58g加えて、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物を5.7653g(29.40mmol)添加し、更に固形分濃度が15質量%になるようにNMPを加え、室温で24時間撹拌した。得られたポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は1269mPa・sであった。また、このポリアミック酸の分子量はMn=15559、Mw=43490であった。
更にこの溶液に3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランを0.0368g加え、室温で24時間攪拌し、ポリアミック酸溶液(PAA−6)を得た。
(合成例31)
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの100mL四つ口フラスコに、3,5−ジアミノ安息香酸を1.2133g(7.97mmol)、4,4’−ジアミノジフェニル−N−メチル−アミンを6.8216g(31.98mmol)取り、NMPを44.03g加えて、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながらBDAを7.1310g(36.0mmol)添加し、室温で2時間撹拌した。次に、NMPを14.62g加え、ピロメリット酸二無水物を0.8713g(3.99mmol)加えた。更に固形分濃度が18質量%になるようにNMPを加え、室温で24時間撹拌した。得られたポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は577mPa・sであった。また、このポリアミック酸の分子量はMn=12656、Mw=28487であった。
更にこの溶液に3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランを0.0480g加え、室温で24時間攪拌し、ポリアミック酸溶液(PAA−7)を得た。
(合成例32)
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの100mL四つ口フラスコに、3,5−ジアミノ安息香酸を3.6541g(24.02mmol)、1,4−ビス(4−アミノフェニル)ピペラジンを4.2931g(16.00mmol)取り、NMPを36.48g加えて、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながらBDAを4.7522g(23.99mmol)添加し、室温で2時間撹拌した。次に、NMPを36.50g加え、ピロメリット酸二無水物を3.4084g(15.63mmol)加えた。更に固形分濃度が15質量%になるようにNMPを加え、室温で24時間撹拌した。得られたポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は1166mPa・sであった。また、このポリアミック酸の分子量はMn=19307、Mw=42980であった。
さらにこの溶液に3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランを0.0483g加え、室温で24時間攪拌し、ポリアミック酸溶液(PAA−8)を得た。
(合成例33)
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの100mL四つ口フラスコに、3,5−ジアミノ安息香酸を3.6536g(24.01mmol)、DA−7を3.8715g(15.98mmol)取り、NMPを31.75g加えて、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながらBDAを3.9621g(20.0mmol)添加し、室温で2時間撹拌した。次に、NMPを25.42g加え、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物を4.4776g(19.97mmol)加えた。更に固形分濃度が20質量%になるようにNMPを加え、室温で24時間撹拌した。得られたポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は417mPa・sであった。また、このポリアミック酸の分子量はMn=13291、Mw=54029であった。
更にこの溶液に3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランを0.0476g加え、室温で24時間攪拌し、ポリアミック酸溶液(PAA−9)を得た。
【0145】
(合成例34)
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの100mL四つ口フラスコに、3,5−ジアミノ安息香酸を2.7365g(17.99mmol)、2,2’−ジメチルー4,4’−ジアミノビフェニルを2.5471g(12.0mmol)取り、NMPを27.32g加えて、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながらビシクロ[3.3.0]オクタン−2,4,6,8−テトラカルボン酸二無水物を2.2562g(9・02mmol)加え、80℃で3時間撹拌した。反応溶液を室温まで冷却した後、NMPを27.32g加え、ピロメリット酸二無水物を4.5715g(20.96mmol)加えた。更に固形分濃度が15質量%になるようにNMPを加え、室温で24時間撹拌した。得られたポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は2190mPa・sであった。また、このポリアミック酸の分子量はMn=23632、Mw=56881であった。
更にこの溶液に3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランを0.0360g加え、室温で24時間攪拌し、ポリアミック酸溶液(PAA−10)を得た。
(合成例35)
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの100mL四つ口フラスコに、3,5−ジアミノ安息香酸を6.0854g(40.0mmol)取り、NMPを65.56g加えて、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながらピロメリット酸二無水物を8.5449g(39.18mmol)添加し、更に固形分濃度が15質量%になるようにNMPを加え、室温で24時間撹拌した。得られたポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は523mPa・sであった。また、このポリアミック酸の分子量はMn=20565、Mw=47912であった。
さらにこの溶液に0.3質量%3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランのNMP溶液を13.79g加え、ポリアミック酸溶液(PAA−11)を得た。
(合成例36)
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの100mL四つ口フラスコに、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを3.2080g(16.02mmol)、DA−7を5.8147(24.0mmol)取り、NMPを60.42g加えて、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物を7.7658g(39.60mmol)添加し、更に固形分濃度が20質量%になるようにNMPを加え、室温で24時間撹拌した。得られたポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は1972mPa・sであった。また、このポリアミック酸の分子量はMn=15159、Mw=38251であった。
更にこの溶液に3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランを0.0504g加え、室温で24時間攪拌し、ポリアミック酸溶液(PAA−12)を得た。
(合成例37)
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの100mL四つ口フラスコに、3,5−ジアミノ安息香酸を2.4301g(15.97mmol)、DA−8を9.4204g(24.0mmol)取り、NMPを44.60g加えて、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながらBDAを4.7505g(23.98mmol)添加し、室温で2時間撹拌した。次に、NMPを44.59g加え、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物を3.1054g(15.84mmol)加えた。更に固形分濃度が15質量%になるようにNMPを加え、室温で24時間撹拌した。得られたポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は802mPa・sであった。また、このポリアミック酸の分子量はMn=13261、Mw=32578であった。
更にこの溶液に3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランを0.0590g加え、室温で24時間攪拌し、ポリアミック酸溶液(PAA−13)を得た。
【0146】
(合成例38)
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの100mL四つ口フラスコに、3,5−ジアミノ安息香酸を3.6504g(23.69mmol)、DA−7を3.8718g(15.98mmol)取り、NMPを68.6g加えて、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながらDAH−1を11.5387g(39.21mmol)添加した。更に固形分濃度が20質量%になるようにNMPを加え、室温で24時間撹拌した。得られたポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は736mPa・sであった。また、このポリアミック酸の分子量はMn=10091、Mw=19511であった。
更にこの溶液に3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランを0.0572g加え、室温で24時間攪拌し、ポリアミック酸溶液(PAA−14)を得た。
(合成例39)
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの100mL四つ口フラスコに、3,5−ジアミノ安息香酸を3.6603g(24.06mmol)、1,3−ビス(4−アミノフェネチル)ウレアを4.7740g(16.0mmol)取り、NMPを28.59g加えて、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながらBDAを2.3782g(12.0mmol)添加し、室温で2時間撹拌した。次に、NMPを38.13g加え、ピロメリット酸二無水物を6.0903g(27.92mmol)加えた。更に固形分濃度が15質量%になるようにNMPを加え、室温で24時間撹拌した。得られたポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は744mPa・sであった。また、このポリアミック酸の分子量はMn=17771、Mw=38991であった。
更にこの溶液に3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランを0.0505g加え、室温で24時間攪拌し、ポリアミック酸溶液(PAA−15)を得た。
(合成例40)
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの100mL四つ口フラスコに、3,5−ジアミノ安息香酸を0.6123g(4.00mmol)、4,4−ジアミノジフェニルアミンを3.199g(16.06mmol)取り、NMPを19.64g加えて、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながらBDAを3.1780g(16.04mmol)添加し、室温で2時間撹拌した。次に、NMPを8.93g加え、ピロメリット酸二無水物を0.8736g(4.01mmol)加えた。更に固形分濃度が18質量%になるようにNMPを加え、室温で24時間撹拌した。得られたポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は8100mPa・sであった。また、このポリアミック酸の分子量はMn=22537、Mw=72601であった。
更にこの溶液に3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランを0.0235g加え、室温で24時間攪拌し、ポリアミック酸溶液(PAA−16)を得た。
(合成例41)
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの100mL四つ口フラスコに、3,5−ジアミノ安息香酸を3.6516g(24.0mmol)、4−アミノ−N−メチルフェネチルアミンを2.4070g(16.02mmol)を取り、NMPを66.21g加えて、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながらピロメリット酸二無水物を8.5972g(39.42mmol)加えた。更に固形分濃度が15質量%になるようにNMPを加え、室温で24時間撹拌した。得られたポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は488mPa・sであった。また、このポリアミック酸の分子量はMn=13205、Mw=33511であった。
さらにこの溶液に3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランを0.0438g加え、室温で24時間攪拌し、ポリアミック酸溶液(PAA−17)を得た。
【0147】
(合成例42)
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの100mL四つ口フラスコに、3,5−ジアミノ安息香酸を3.6532g(24.01mmol)、DA−7を3.8790g(16・01mmol)取り、NMPを70.32g加えて、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながらDAH−2を12.0709g(39.41mmol)添加した。更に固形分濃度が20質量%になるようにNMPを加え、室温で24時間撹拌した。得られたポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は207mPa・sであった。また、このポリアミック酸の分子量はMn=5269、Mw=12875であった。
更にこの溶液に3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランを0.0586g加え、室温で24時間攪拌し、ポリアミック酸溶液(PAA−18)を得た。
(実施例18)
50ml三角フラスコに撹拌子を入れ、合成例14で得られたポリアミック酸エステル溶液(PAE−3)を3.6139g、合成例29で得られたポリアミック酸溶液(PAA−5)を2.7012g取り、NMPを5.7093g、BCSを3.01g、更にイミド化促進剤として4−(t−ブトキシカルボニルアミノ)ピリジン(以下、Boc−APと略す)を0.1284g加えて、マグネチックスターラーで30分攪拌し、液晶配向剤(I−1)を得た。
(実施例19)
50ml三角フラスコに撹拌子を入れ、合成例15で得られたポリアミック酸エステル溶液(PAE−4)を2.4040g、合成例30で得られたポリアミック酸溶液(PAA−6)を2.4687g取り、NMPを3.2072g、BCSを2.0348g、更にイミド化促進剤としてBoc−APを0.0542g加えて、マグネチックスターラーで30分攪拌し、液晶配向剤(I−2)を得た。
(実施例20)
50ml三角フラスコに撹拌子を入れ、合成例15で得られたポリアミック酸エステル溶液(PAE−4)を2.4548g、合成例31で得られたポリアミック酸溶液(PAA−6)を2.0213g取り、NMPを3.6200g、BCSを2.0116g加え、更にイミド化促進剤としてBoc−APを0.0415g加えて、マグネチックスターラーで30分攪拌し、液晶配向剤(I−3)を得た。
【0148】
(実施例21)
50ml三角フラスコに撹拌子を入れ、合成例16で得られたポリアミック酸エステル溶液(PAE−5)を2.4232g、合成例33で得られたポリアミック酸溶液(PAA−9)を2.4189g取り、NMPを3.2928g、BCSを2.0272g、更にイミド化促進剤としてN−α−(9−フルオレニルメトキシカルボニル)−N−t−ブトキシカルボニル−L−ヒスチジン(以下、Fmoc−Hisと略す)を0.0416g加えて、マグネチックスターラーで30分攪拌し、液晶配向剤(I−4)を得た。
(実施例22)
50ml三角フラスコに撹拌子を入れ、合成例16で得られたポリアミック酸エステル溶液(PAE−5)を2.4232g、合成例33で得られたポリアミック酸溶液(PAA−9)を1.8681g取り、NMPを3.6548g、BCSを2.0158g、更にイミド化促進剤としてFmoc−Hisを0.0372g加えて、マグネチックスターラーで30分攪拌し、液晶配向剤(I−5)を得た。
(実施例23)
50ml三角フラスコに撹拌子を入れ、合成例17で得られたポリアミック酸エステル溶液(PAE−6)を2.4356g、合成例34で得られたポリアミック酸溶液(PAA−10)を2.5278g取り、NMPを3.2644g、BCSを2.0366g、更にイミド化促進剤としてFmoc−Hisを0.0550g加えて、マグネチックスターラーで30分攪拌し、液晶配向剤(I−6)を得た。
(50ml三角フラスコに撹拌子を入れ、合成例18で得られたポリアミック酸エステル溶液(PAE−7)を2.4012g、合成例35で得られたポリアミック酸溶液(PAA−11)を2.4115g取り、NMPを2.6514g、BCSを2.0052g、加えて、マグネチックスターラーで30分攪拌し、液晶配向剤(II−1)を得た。
【0149】
(実施例25)
50ml三角フラスコに撹拌子を入れ、合成例18で得られたポリアミック酸エステル溶液(PAE−7)を2.4130g、合成例35で得られたポリアミック酸溶液(PAA−11)を2.4216g取り、NMPを2.6780g、BCSを2.0198g、更に架橋剤として多官能エポキシ化合物である(AD−1)の20質量%NMP溶液を0.3062g加えて、マグネチックスターラーで30分攪拌し、液晶配向剤(II−2)を得た。
(実施例26)
50ml三角フラスコに撹拌子を入れ、合成例15で得られたポリアミック酸エステル溶液(PAE−4)を2.4302g、合成例36で得られたポリアミック酸溶液(PAA−12)を1.8678g取り、NMPを3.8086g、BCSを2.0060g加えて、マグネチックスターラーで30分攪拌し、液晶配向剤(II−3)を得た。
(実施例27)
50ml三角フラスコに撹拌子を入れ、合成例15で得られたポリアミック酸エステル溶液(PAE−4)を2.4144g、合成例36で得られたポリアミック酸溶液(PAA−12)を1.8062g取り、NMPを3.8184g、BCSを2.0168g、更に架橋剤として多官能ヒドロキシ基含有化合物である(AD−2)を0.040g加えて、マグネチックスターラーで30分攪拌し、液晶配向剤(II−4)を得た。
(実施例28)
50ml三角フラスコに撹拌子を入れ、合成例15で得られたポリアミック酸エステル溶液(PAE−4)を2.4015g、合成例37で得られたポリアミック酸溶液(PAA−13)を1.8005g取り、NMPを3.8063g、BCSを2.0011g加えて、マグネチックスターラーで30分攪拌し、液晶配向剤(II−5)を得た。
(実施例29)
50ml三角フラスコに撹拌子を入れ、合成例19で得られたポリアミック酸エステル溶液(PAE−8)を2.4120g、合成例38で得られたポリアミック酸溶液(PAA−14)を1.8389g取り、NMPを3.8639g、BCSを2.0181g加えて、マグネチックスターラーで30分攪拌し、液晶配向剤(II−6)を得た。
【0150】
(実施例30)
50ml三角フラスコに撹拌子を入れ、合成例19で得られたポリアミック酸エステル溶液(PAE−8)を2.4120g、合成例38で得られたポリアミック酸溶液(PAA−14)を1.8389g取り、NMPを3.8639g、BCSを2.0181g、更に架橋剤として多官能シクロカーボネート化合物である(AD−4)を0.0318g加えて、マグネチックスターラーで30分攪拌し、液晶配向剤(II−7)を得た。
(実施例31)
50ml三角フラスコに撹拌子を入れ、合成例20で得られたポリアミック酸エステル溶液(PAE−9)を1.2268g、合成例39で得られたポリアミック酸溶液(PAA−15)を3.2688g取り、NMPを3.6154g、BCSを2.0591g加えて、マグネチックスターラーで30分攪拌し、液晶配向剤(II−8)を得た。
(実施例32)
50ml三角フラスコに撹拌子を入れ、合成例21で得られたポリアミック酸エステル溶液(PAE−10)を2.4236g、合成例40で得られたポリアミック酸溶液(PAA−16)を2.3539g取り、NMPを0.3782g、γ−BLを3.0639g、BCSを2.0178g加えて、マグネチックスターラーで30分攪拌し、液晶配向剤(II−9)を得た。
(実施例33)
50ml三角フラスコに撹拌子を入れ、合成例16で得られたポリアミック酸エステル溶液(PAE−5)を4.2045g、合成例41で得られたポリアミック酸溶液(PAA−17)を1.2281g取り、NMPを2.6041g、BCSを2.0112g加えて、マグネチックスターラーで30分攪拌し、液晶配向剤(II−10)を得た。
(実施例34)
50ml三角フラスコに撹拌子を入れ、合成例22で得られたポリアミック酸エステル溶液(PAE−11)を2.4195g、合成例29で得られたポリアミック酸溶液(PAA−5)を1.8484g取り、NMPを3.8069g、BCSを2.0204g加えて、マグネチックスターラーで30分攪拌し、液晶配向剤(II−11)を得た。
【0151】
(実施例35)
50ml三角フラスコに撹拌子を入れ、合成例17で得られたポリアミック酸エステル溶液(PAE−6)を2.4176g、合成例42で得られたポリアミック酸溶液(PAA−18)を2.0148g取り、NMPを3.8182g、BCSを2.0129g加えて、マグネチックスターラーで30分攪拌し、液晶配向剤(II−12)を得た。
(実施例36)
50ml三角フラスコに撹拌子を入れ、合成例17で得られたポリアミック酸エステル溶液(PAE−6)を2.3987g、合成例42で得られたポリアミック酸溶液(PAA−18)を2.1543g取り、NMPを3.8130g、BCSを2.0374g、更に架橋剤として多官能オキセタン化合物である(AD−3)を0.0460g加えて、マグネチックスターラーで30分攪拌し、液晶配向剤(I−13)を得た。
【0152】
(比較例17)
50ml三角フラスコに撹拌子を入れ、合成例23で得られたポリアミック酸エステル溶液(PAE−12)を7.2164g、合成例29で得られたポリアミック酸溶液(PAA−5)を2.7470g取り、NMPを2.1068g、BCSを3.0264g、更にイミド化促進剤としてBoc−APを0.1396g加えて、マグネチックスターラーで30分攪拌し、液晶配向剤(a−1)を得た。
(比較例18)
50ml三角フラスコに撹拌子を入れ、合成例24で得られたポリアミック酸エステル溶液(PAE−13)を2.4504g、合成例30で得られたポリアミック酸溶液(PAA−6)を2.4805g取り、NMPを3.2447g、BCSを2.0226g、更にイミド化促進剤としてBoc−APを0.0547g加えて、マグネチックスターラーで30分攪拌し、液晶配向剤(a−2)を得た。
(比較例19)
50ml三角フラスコに撹拌子を入れ、合成例25で得られたポリアミック酸エステル溶液(PAE−14)を2.4012g、合成例33で得られたポリアミック酸溶液(PAA−9)を1.8320g取り、NMPを3.8172g、BCSを2.0195g、更にイミド化促進剤としてFmoc−Hisを0.0433g加えて、マグネチックスターラーで30分攪拌し、液晶配向剤(a−5)を得た。
(比較例20)
50ml三角フラスコに撹拌子を入れ、合成例26で得られたポリアミック酸エステル溶液(PAE−15)を2.4017g、合成例33で得られたポリアミック酸溶液(PAA−9)を2.5777g取り、NMPを3.2518g、BCSを2.000g、更にイミド化促進剤としてFmoc−Hisを0.0550g加えて、マグネチックスターラーで30分攪拌し、液晶配向剤(a−6)を得た。
【0153】
(比較例21)
50ml三角フラスコに撹拌子を入れ、比較合成例1で得られたポリアミック酸エステル溶液(PAE−2)を2.4335g、合成例35で得られたポリアミック酸溶液(PAA−11)を2.4013g取り、NMPを2.6238g、BCSを2.0105g、加えて、マグネチックスターラーで30分攪拌し、液晶配向剤(b−1)を得た。
(比較例22)
50ml三角フラスコに撹拌子を入れ、合成例24で得られたポリアミック酸エステル溶液(PAE−13)を2.4264g、合成例36で得られたポリアミック酸溶液(PAA−12)を1.8157g取り、NMPを3.8352g、BCSを2.0448g加えて、マグネチックスターラーで30分攪拌し、液晶配向剤(b−3)を得た。
(比較例23)
50ml三角フラスコに撹拌子を入れ、合成例28で得られたポリアミック酸エステル溶液(PAE−17)を1.2049g、合成例39で得られたポリアミック酸溶液(PAA−15)を3.2102g取り、NMPを3.6342g、BCSを2.0694g加えて、マグネチックスターラーで30分攪拌し、液晶配向剤(b−9)を得た。
(比較例24)
50ml三角フラスコに撹拌子を入れ、合成例27で得られたポリアミック酸エステル溶液(PAE−16)を2.4025g、合成例40で得られたポリアミック酸溶液(PAA−16)を2.2514g取り、NMPを0.3792g、γ−BLを3.0007g、BCSを2.0015g加えて、マグネチックスターラーで30分攪拌し、液晶配向剤(b−10)を得た。
【0154】
(比較例25)
50ml三角フラスコに撹拌子を入れ、合成例25で得られたポリアミック酸エステル溶液(PAE−14)を4.2242g、合成例41で得られたポリアミック酸溶液(PAA−17)を1.2473g取り、NMPを2.6481g、BCSを2.0664g加えて、マグネチックスターラーで30分攪拌し、液晶配向剤(b−11)を得た。
(比較例26)
50ml三角フラスコに撹拌子を入れ、合成例26で得られたポリアミック酸エステル溶液(PAE−15)を2.4260g、合成例42で得られたポリアミック酸溶液(PAA−18)を2.2122g取り、NMPを3.8118g、BCSを2.0585g加えて、マグネチックスターラーで30分攪拌し、液晶配向剤(b−13)を得た。
【0155】
(実施例37)
実施例18で得られた液晶配向剤(I−1)を1.0μmのフィルターで濾過した後、透明電極付きガラス基板上にスピンコートし、温度80℃のホットプレート上で5分間の乾燥、温度230℃の温風循環式オーブンで20分間の焼成を経て膜厚100nmのイミド化した膜を得た。このイミド化した膜について、中心線平均粗さ(Ra)を測定した。測定結果については、後述する表4に示す。
(実施例38〜52及び比較例27〜35)
上記実施例19、22、24〜27、29〜36、及び比較例17〜19、21〜26で得られたそれぞれの液晶配向剤を用いた以外は、実施例37と同様の方法で各塗膜を形成させた。各塗膜の膜表面をAFMにて観察した。また、各塗膜について、中心線平均粗さ(Ra)を測定した。これらの測定結果を後述する表4に示す。
【0156】
【表4】