(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5916105
(24)【登録日】2016年4月15日
(45)【発行日】2016年5月11日
(54)【発明の名称】半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3065 20060101AFI20160422BHJP
【FI】
H01L21/302 105A
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-72446(P2012-72446)
(22)【出願日】2012年3月27日
(65)【公開番号】特開2013-206991(P2013-206991A)
(43)【公開日】2013年10月7日
【審査請求日】2014年12月2日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用 『2011年(平成23年度)応用物理学会九州支部学術講演会 講演予稿集 Vol.37』、第94ページ、平成23年11月26日、社団法人応用物理学会九州支部発行〔刊行物等〕『2011年(平成23年度)応用物理学会九州支部学術講演会 講演予稿集 Vol.37』、第95ページ、平成23年11月26日、社団法人応用物理学会九州支部発行〔刊行物等〕『2011年(平成23年度)応用物理学会九州支部学術講演会 講演予稿集 Vol.37』、第96ページ、平成23年11月26日、社団法人応用物理学会九州支部発行
(73)【特許権者】
【識別番号】504174135
【氏名又は名称】国立大学法人九州工業大学
(73)【特許権者】
【識別番号】392022570
【氏名又は名称】サムコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001069
【氏名又は名称】特許業務法人京都国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】新海 聡子
(72)【発明者】
【氏名】大槻 秀夫
【審査官】
溝本 安展
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−034508(JP,A)
【文献】
特開2011−238935(JP,A)
【文献】
特開2007−311584(JP,A)
【文献】
特開2009−141307(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エッチングガスを用いた反応性イオンエッチングプロセスによりシリコン基板に縦穴構造または柱構造を形成する、半導体装置の製造方法において、
a)シリコン基板をプラズマエッチングする工程と、エッチングされた部分の側壁に保護膜を堆積させる工程を交互に繰り返すことにより、前記シリコン基板に前記縦穴構造または柱構造を形成する第1工程と、
b) F2ガスを含むエッチングガスを用いて前記縦穴構造または柱構造の側壁をエッチングすることにより、該側壁を平坦化する第2工程と
から成ることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記第2工程で用いるエッチングガスが、希ガスで希釈したF2ガスであることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記希ガスが、Heガスであることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トレンチやビアと呼ばれる縦穴を有する半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置は、トランジスタやダイオード、抵抗、キャパシタといった電子素子を半導体基板上に形成したものであり、単体の電子素子を形成したものから多数の電子素子を一括して形成した集積回路(LSI)まで、さまざまな半導体装置が提供されている。特に近年では、半導体装置の小型化、多機能化、高速化を進めるため、2次元構造のLSIチップを縦方向に積層した3次元実装LSIの開発が進められている。
【0003】
3次元実装LSIを開発する上で鍵となる技術の一つに、積層されたLSIチップ間を電気的に接続するための実装技術がある。従来、LSIチップ間の電気接続は、金属細線を用いたワイヤボンディングにより行われてきた。これに対して、近年、シリコン貫通電極(TSV:Through-Silicon Via)を用いた実装技術(以下、TSV技術という)が提案され、その開発が進められている。
【0004】
TSV技術は、LSIチップを積層し、このLSIチップを貫通する縦配線となるシリコン貫通電極(TSV)を用いてLSIチップ相互間の回路接続を行い、1つのLSI部品として外装ケース(package)に実装する技術であり、複数の異種LSIチップやMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)を混載して多機能LSIを実現できる点で期待が寄せられている。
【0005】
TSV技術を実現する工程は、LSIチップが形成されるシリコン基板にTSVを形成する工程と、LSIチップを貼り合わせ、TSVを介してLSIチップ内の電気配線を接続する工程から成る。シリコン基板にTSVを形成する工程では、シリコン基板にトレンチやビアと呼ばれる縦穴構造を形成し、その内壁にシリコン基板とTSVとの干渉を避ける絶縁膜を形成した後、導電体を充填する。
【0006】
シリコン基板にトレンチやビアを形成するにあたっては、数μm〜数百μmオーダーの深さでシリコン基板をエッチングする必要がある。トレンチやビアを形成するためのエッチングの方法は、TMAH(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)やKOH(水酸化カリウム)のような反応性の高い薬液を用いたウェットエッチングプロセスと、気体をプラズマによりイオン化、ラジカル化してエッチングを行うドライエッチングプロセスとの2通りに大別される。
【0007】
ウェットエッチングプロセスは、一度に多くのウエハもしくはチップをエッチングするバッチ処理が可能であるため、スループットが高い。しかし、エッチングされる方向がシリコンの結晶方位に依存するため、素子の微細化が困難であるという欠点がある。例えば、表面の結晶方位が<100>面のシリコン基板をTMAHでウェットエッチングを行うと、トレンチやビアの内壁は角度が約55°の順テーパとなることが知られている。トレンチやビアの内壁がテーパになると、その間隔を狭めることができず、結果的にLSIの小型化、微細化ができないという問題が発生する。
【0008】
一方、ドライエッチングプロセスでは、ウエハを1枚ずつエッチングする枚葉処理となるものの、シリコンの結晶方位にほとんど依存することなくエッチングを行うことができる。また、ドライエッチングプロセスでは、処理条件を適宜に設定することにより、トレンチやビアの内壁を順テーパや逆テーパあるいは垂直にするなど、その形状を自在に変化させることができる。
【0009】
このようなドライエッチングプロセスでトレンチやビアを形成する主な方法には、誘導結合型プラズマ(Inductively Coupled Plasma:ICP)を用いた反応性イオンエッチング(Reactive Ion Etching:RIE)プロセスがあり、その一つにシリコン基板を深掘りすることができる方法として、ボッシュプロセスと呼ばれる方法がある。
【0010】
反応性イオンエッチングプロセスは、イオンとラジカルによってエッチングを行う方法であり、異方性エッチングや微細な加工に適している。そのなかでボッシュプロセスは、SF6ガス等のエッチングガスを用いて穴を形成するプラズマエッチングの工程と、C4F8ガス等の堆積ガスを用いてフロロカーボン系ポリマーを保護膜として穴の内壁面に堆積させるプラズマデポジションの工程を交互に繰り返すプロセス(交番プロセス)により穴を掘り進めていく方法であり、数百μm程度の深さのトレンチやビアを形成する加工に適している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2007-311584号公報
【特許文献2】国際公開第2008/75715号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ボッシュプロセスでは、保護膜の堆積、底面保護膜の除去、等方性エッチングを1周期としたプロセスを複数周期繰り返すことで擬似的にシリコンの異方性エッチングを行う。このため、トレンチやビアの内壁にはスキャロップと呼ばれる微小な凹凸が形成される。トレンチやビアの内壁に形成されたスキャロップは電界集中の原因となるため、半導体装置の信頼性が低下する。また、ボッシュプロセスを用いて形成したトレンチやビアにCVD法などを用いてシリコンやメタルを埋め込む場合、スキャロップのエッジが核となり、局所的に膜が成長してしまうため、均一な膜の成長が望めない。
【0013】
一方、交番プロセスではない反応性イオンエッチングプロセスでは、トレンチやビアの内壁にスキャロップは形成されないものの、レジストをマスクとして用いた場合に該マスク材料に対する選択比を高くすることができないため、数十μm以上の深さ寸法を持つトレンチやビアを形成するエッチングが困難である。
【0014】
本発明は、シリコン基板を深掘りして縦穴を形成する場合でもその縦穴の内壁を平坦化することができる半導体装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するために成された本発明は、エッチングガスを用いた反応性イオンエッチングプロセスによりシリコン基板に縦穴構造または柱構造を形成する、半導体装置の製造方法であって、
a)シリコン基板をプラズマエッチングする工程と、エッチングされた部分の側壁に保護膜を堆積させる工程を交互に繰り返すことにより、前記シリコン基板に前記縦穴構造または柱構造を形成する第1工程と、
b) F
2ガスを含むエッチングガスを用いて前記縦穴構造または柱構造の側壁をエッチングすることにより、該側壁を平坦化する第2工程と
から成ることを特徴とする。
上述した第1工程はいわゆるボッシュプロセスと呼ばれるプロセスであり、交番プロセスによりシリコン基板を掘り進めていくプロセスである。第1工程のシリコン基板をプラズマエッチングする工程で縦穴構造を形成する場合は、該縦穴構造の内側の側壁に保護膜が堆積される。また、柱構造を形成する場合は、該柱構造の外側の側壁に保護膜が堆積されることになる。すなわち、いずれの場合もエッチングされた部分の側壁に保護膜が堆積される。
【0016】
上記製造方法においては、前記第2工程で用いるエッチングガスが、希ガスで希釈したF
2ガスであることが好ましく、特にHeガスで希釈したF
2ガスを用いることが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る半導体装置の製造方法は、交番プロセスにより基板を掘り進めていくボッシュプロセスと交番プロセスではない反応性イオンエッチングプロセスの両方を組み合わせたものであり、これにより、シリコン基板の深掘りを実現させながらシリコン基板に形成される縦穴構造や柱構造の側壁を平坦化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法の第1工程の工程図。
【
図2】第1工程により得られたトレンチまたはビアの概略的な断面図。
【
図3】第2工程でスキャロップが削られる様子を説明する図。
【
図4】第2工程により得られたトレンチまたはビアの概略的な断面図。
【
図5】第1工程で得られたトレンチの構造を示す画像。
【
図6】第2工程の具体例1のトレンチの構造を示す画像。
【
図7】第2工程の具体例2のトレンチの構造を示す画像。
【
図8】第2工程の具体例3のトレンチの構造を示す画像。
【
図9】第2工程の具体例4のトレンチの構造を示す画像。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る半導体装置の製造方法の実施形態について図面を用いて説明する。以下では、シリコン基板を掘り進めることにより縦穴構造であるトレンチまたはビアをシリコン基板に形成する例について説明するが、シリコン基板に柱構造を形成する方法にも適用可能である。
本実施形態の半導体装置の製造方法は大きく分けて、シリコン基板にトレンチまたはビアを形成する第1工程と、シリコン基板に形成されたトレンチまたはビアの内壁を平坦化する第2工程からなる。
【0020】
図1は、第1工程の工程図である。第1工程は、ボッシュプロセスと呼ばれるドライエッチングプロセスからなる。第1工程では、パターニングされたマスク101を有するシリコン基板102をエッチングガスにより等方性エッチングする。これにより、マスク101から露出した部分がエッチングされる(
図1(a))。
次に、エッチングされた部分に保護膜103を形成する(
図1(b))。
続いて、エッチングされた部分の底面の保護膜103のみエッチングし、その部分のシリコン基板102をエッチングガス中に露出させる(
図1(c))。
その後、シリコン基板102を再度等方性エッチングする(
図1(d))。これにより、シリコン基板102に縦穴100が形成される。
【0021】
第1工程では、
図1(b)から
図1(d)に示す工程を1周期としたプロセスを複数周期繰り返すことにより、縦穴100が徐々に深くなり、その結果、トレンチやビアがシリコン基板に形成される。第1工程(ボッシュプロセス)において形成されるトレンチもしくはビアの断面模式図を
図2に示す。
第1工程では、保護膜の堆積、底面の保護膜除去、そして等方性エッチングを1周期としたプロセスを複数周期繰り返すことにより、シリコンの異方性エッチングを擬似的に行うものであるため、トレンチやビアの内壁にはスキャロップ202と呼ばれる微小な凹凸が形成される。
【0022】
図3は、第2工程の工程図である。第2工程では、誘導結合型プラズマを用いた、交番プロセスではない反応性イオンエッチングプロセスを使用して、フッ素ガスを含むエッチングガスを用いたエッチングを行う。
【0023】
誘導結合型プラズマを用いた反応性イオンエッチング装置では、低圧でプラズマが形成できる。低い圧力では、エッチング分子の平均自由行程が長くなるため、エッチングガス分子が微細パターンの奥まで到達でき、マスク101の開口径に対してシリコン基板102の異方性エッチングが可能となる。このため、トレンチやビアの側壁のスキャロップが削り取られ、
図4に示すような、スキャロップのないトレンチまたはビアを有するシリコン基板102が得られる。また、トレンチやビアの開口部401の角や底部402の隅が丸くなる。また、本実施形態に係る製造方法によりトレンチやビアの開口部401の角を丸くしたりスキャロップを削り取ったりすることができるので、作製したデバイスが電界集中により破壊されることを防ぐことができ、また、シリコン基板に形成した縦穴構造の内壁に絶縁膜を均一に成膜したりメタルを均一に埋め込むことができる。
このように、本実施形態に係る製造方法は、ボッシュプロセスと交番プロセスではない反応性イオンエッチングプロセスを組み合わせてエッチングを行う点に特徴を有する。
【0024】
なお、本実施形態に係る製造方法においては、トレンチやビアのスキャロップを取るためだけであればエッチングマスクの材質は問わない。一方、スキャロップを取ることに加えて、トレンチやビアの開口部401の角(かど)を丸くするためには、ボッシュプロセスにおいては耐性があり、且つ、誘導結合型プラズマを用いた反応性イオンエッチングプロセスにおけるエッチングによってマスクが除去されてしまう程度の耐性と厚さを持つマスク材を用いる必要がある。このようなマスク材としてはレジストマスクが挙げられる。 次に、具体的な実施例について説明する。
【実施例】
【0025】
[レジストマスクの作製]
基板として、2cm角、厚さ525μmのシリコン基板を用意した。レジスト(商品名:スミレジストPFI-38、住友化学株式会社製)の塗布は、スピンコーターを用いて、3200rpmで20secの条件で行った。その後、90℃、60secのプリベークを行い、ラインアンドスペースパターンのレチクル(フォトマスク)を用いて、ステッパにて2300J/m
2、0.2μmの条件で露光した。次いで、110℃、60secの条件で露光後ベーク(Post Exposure Bake:PEB)を行い、NMD−W(2.38%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、東京応化工業株式会社製)を用いて60sec現像し、超純水で2minリンスした。その後、120℃、5minポストベークを行った。
【0026】
[トレンチの作製]
上述のレジストマスクを形成したシリコン基板に対して誘導結合型プラズマを用いた反応性イオンエッチング装置(製品名:RIE-800iPB、サムコ株式会社製)によりボッシュプロセスによるエッチングを行い、(1)保護膜の堆積、(2)底面保護膜の除去、(3)エッチングの3工程1周期として合計80周期行った。各工程の条件は次の通りである。
(1)保護膜の堆積
ICP=600W、BIAS=10W、APC=100%、C4F8=50sccm、O2=5sccm、Ar=100sccm
(2)底面保護膜の除去
ICP=600W、BIAS=100W、APC=100%、SF6=100sccm、O2=5sccm、Ar=100sccm
(3)エッチング
ICP=600W、BIAS=100W、APC=100%、SF6=100sccm、O2=5sccm、Ar=100sccm
【0027】
上記条件で得られたトレンチの構造を
図5に示す。
【0028】
次に、上記ボッシュプロセスによって得られたトレンチに誘導結合型プラズマを用いた反応性イオンエッチング装置(製品名:RIE-101iPH、サムコ株式会社製)によりフッ素ガスを用いた第2工程のプロセスを20分間行った。その具体例1〜4を以下に示す。
(具体例1)
第2工程のプロセスの条件は次の通りである。
ICP=100W、BIAS=100W、Process Pressure=0.5Pa、F
2/He=20sccm。
なお、上記のF
2/He(エッチングガス)は、HeとF
2が9:1の割合で混合されたガスである。以下の具体例2〜4も同様である。
上記条件で得られたトレンチの構造を
図6に示す。
【0029】
図5と
図6の比較から、ボッシュプロセスにより形成されたトレンチの開口部近傍で多く見られていたスキャロップ(内壁部の凹凸)は第2工程の反応性イオンエッチングプロセスで削減され、かつ、トレンチの開口部の先端形状が丸くなっていることが分かる。
【0030】
(具体例2)
第2工程のプロセスの条件は次の通りである。
ICP=200W、BIAS=100W、Process Pressure=0.5Pa、F
2/He=20sccm。
上記条件で得られたトレンチの構造を
図7に示す。
【0031】
図5〜
図7の比較から、この具体例2においては、ボッシュプロセスにより形成されたトレンチの開口部近傍で多く見られていたスキャロップが削減されたことが分かる。
一方、トレンチの開口部は丸みのない山型になっていた。また、トレンチの底部ではボッシュプロセス時には丸みを帯びていた形状が消失し、多角形状に変化していた。
以上より、反応性イオンエッチングプロセス後のトレンチの深さ寸法と開口径は、具体例1の場合と比較して大きな違いはないが、反応性イオンエッチングのプロセス条件をわずかに変えるだけで、開口部の先端形状と底部の形状を制御できることが分かる。
【0032】
(具体例3)
第2工程のプロセスの条件は次の通りである。
ICP=100W、BIAS=100W、Process Pressure=4.0Pa、F
2/He=20sccm。
上記条件で得られたトレンチの構造を
図8に示す。
【0033】
図6及び
図7と
図8の比較から、Process Pressureを上げることで、エッチング深さ寸法と開口径が大きくなることが分かる。また、開口部の形状は丸みの無い鋭角な山型になっていることが確認できる。加えて、具体例2と同様に、トレンチの底部の形状が多角形状に変化していた。つまり、トレンチの底部形状については、ICP電力を大きくした具体例2とProcess Pressureを大きくした具体例3で同様の現象が得られた。
【0034】
(具体例4)
第2工程のプロセスの条件は次の通りである。
ICP=100W、BIAS=100W、Process Pressure=0.5Pa、F
2/He=19sccm、O
2=1sccmの条件で20minエッチングを行った。
上記条件で得られたトレンチの構造を
図9に示す。
これより、エッチング深さ寸法と開口径は若干大きくなることがわかる。また、エッチングの形状は、底部はボッシュプロセス終了時と大きな違いは見られないが、開口部は角が落とされ、わずかに丸みを帯びていることが確認できる。
【0035】
このように、本実施例に係る半導体装置の製造方法によれば、第1工程でシリコン基板を深く掘り進めてトレンチやビアを形成し、このときトレンチやビアの内壁にできたスキャロップを第2工程で削り取ることができるため、内壁が平坦なトレンチやビアを有する半導体装置を製造することができる。
【0036】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではない。例えば、上述の各実施例では、エッチング条件やトレンチの深さ寸法、開口径など具体的な種々の数値を挙げているが、いずれも上記した数値に限定されず、目的に応じて自由に選択することが可能である。
【符号の説明】
【0037】
100…縦穴
102…シリコン基板
103…保護膜
202…スキャロップ