(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5917454
(24)【登録日】2016年4月15日
(45)【発行日】2016年5月18日
(54)【発明の名称】ドア付きウェハーエンクロージャ
(51)【国際特許分類】
H01L 21/673 20060101AFI20160428BHJP
【FI】
H01L21/68 V
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-146684(P2013-146684)
(22)【出願日】2013年7月12日
(62)【分割の表示】特願2008-256281(P2008-256281)の分割
【原出願日】1998年7月31日
(65)【公開番号】特開2013-229630(P2013-229630A)
(43)【公開日】2013年11月7日
【審査請求日】2013年8月9日
(31)【優先権主張番号】08/904,660
(32)【優先日】1997年8月1日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505307471
【氏名又は名称】インテグリス・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】特許業務法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ミッケルセン,カーク,ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】アダムス,マイケル,エス
(72)【発明者】
【氏名】ボアーズ,グレッグ
(72)【発明者】
【氏名】ワイズマン,ブライアン,エス
【審査官】
西出 隆二
(56)【参考文献】
【文献】
特開平07−315477(JP,A)
【文献】
特開平06−171662(JP,A)
【文献】
実開平02−089884(JP,U)
【文献】
実開昭58−129681(JP,U)
【文献】
実開昭59−158370(JP,U)
【文献】
実開昭60−068676(JP,U)
【文献】
実開昭60−160581(JP,U)
【文献】
実開昭61−048562(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/673
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドアを備えたシール可能なウェハーエンクロージャであって、前記ドアは、フロントパネルと、リヤーパネルと、前記フロントパネルと前記リヤーパネルとの間を延びる周辺部とを備えたエンクロージャと、ラッチ機構とを有し、該ラッチ機構が、前記周辺部から伸張可能な複数のラッチ部分へ連結された回転部材を有しており、
前記フロントパネルが取り外し可能であるとともに、該フロントパネルと一体化された複数のばね部材にそれぞれ一体化された複数の戻り止めを備えた外側縁部を有しており、
前記複数のばね部材は前記フロントパネルの前記外側縁部の第1の側と、該第1の側と隣り合う、前記外側縁部の第2の側とに設けられており、
前記ばね部材の各々は前記フロントパネルに連結された第1の端部と、該第1の端部と反対側の第2の端部とを有し、該第2の端部は自由端となっており、前記戻り止めが前記第2の端部に設けられており、また前記戻り止めは外側に延びていて前記エンクロージャの内部縁壁と係合し、前記戻り止め及び前記ばね部材の寸法は、前記ばね部材が前記フロントパネルの面内の方向と該フロントパネルと直角な方向の両方に荷重を受けるようなものになっており、それによって前記フロントパネルが金属ファスナを用いずに前記エンクロージャに固定され、また前記ラッチ機構は前記フロントパネルを通じてアクセス可能である、ウェハーエンクロージャ。
【請求項2】
フロントドア開口部を限定するドアフレームを有するエンクロージャ部と、前記ドアフレームに対して寸法決めされたフロントドアとを有するシール可能なウェハーエンクロージャであって、
前記ドアは開口した内部と周辺部とを有するエンクロージャとして構成されており、前記ドアはフロントパネルと、リヤーパネルと、周辺部を形成する側壁と、前記開口した内部内の回転部材を有するラッチ機構と、前記ドアの周辺部から開口を通って伸張可能な複数のラッチ部分とを有しており、
前記フロントパネルが、金属ファスナを用いずに前記フロントパネルを前記ドアへ固定するための、前記フロントパネルと一体化された複数のばね部材にそれぞれ一体化された複数の戻り止めを備えており、
前記複数のばね部材は前記フロントパネルの第1の外側縁部と、該第1の外側縁部と隣り合う、前記フロントパネルの第2の外側縁部とに設けられており、
前記ばね部材の各々は前記フロントパネルに連結された第1の端部と、該第1の端部と反対側の第2の端部とを有し、該第2の端部は自由端となっており、前記戻り止めは前記第2の端部に近接配置されていて前記周辺部と係合し、前記回転部材は前記フロントパネルの開口を通じてアクセス可能かつ回転可能であり、
前記ばね部材及び前記戻り止めの寸法は、前記ばね部材が前記フロントパネルの面内の方向と該フロントパネルと直角な方向の両方に荷重を受けるようなものになっていて、この荷重により前記フロントパネルと前記周辺部との係合が保持され、また前記戻り止めを引っ込めると該戻り止めが前記エンクロージャから外側へ外れることができる、ウェハーエンクロージャ。
【請求項3】
フロントドア開口部を限定するドアフレームを有するエンクロージャ部と、前記ドアフレームに対して寸法決めされたフロントドアとを有するシール可能なウェハーエンクロージャであって、前記ドアはフロントパネルを備えた前側と、リヤーパネルを備えた後側と、前記フロントパネルと前記リヤーパネルとの間を延びる壁部とを備えていて、前記ドアフレームを通じて操作可能なラッチ機構を収容保持するためのエンクロージャを形成し、前記ラッチ機構が、外側に延びてドアフレームに取り付けられる複数のラッチ部分を有しており、
前記フロントパネルは、戻り止めをそれぞれ備えた複数のばね部材によって固定され、
前記複数のばね部材は前記フロントパネルの第1の外側縁部と、該第1の外側縁部と隣り合う、前記フロントパネルの第2の外側縁部とに設けられており、
前記ばね部材はフロントパネルと一体化されており、前記ばね部材及び前記戻り止めの寸法は、前記ばね部材が前記フロントパネルの面内の方向と該フロントパネルと直角な方向の両方に荷重を受けるようなものになっており、それによって前記フロントパネルと前記壁部との係合が保持される、ウェハーエンクロージャ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はウェハーキャリヤに関する。さらに詳しくは、この発明はラッチ機構を備えたドアを有するシール可能なウェハーエンクロージャに関する。
【背景技術】
【0002】
貯蔵や搬送のために、容器の中にウェハーを閉じこめるために様々な方法が利用されており、ある容器は、ウェハーを受け入れるための垂直方向のスロットとフレキシブルなスナップオン式カバーとを備えた堅固な本体を有している。これらの容器は、ウェハーが周囲雰囲気に曝されてはいけないような用途における使用には不適である。
【0003】
200mm以下のウェハーに対しては、ウェハーを周囲雰囲気へ曝すことなく処理装置までウェハーを搬送できるようにする清浄なシールされたミニ環境を提供するために、
図1に示されているようなSMIF(標準機械的インターフェース(standardized mechanical interface))ポッド20として知られている容器が利用されている。こうしたポッドの例が米国特許第4,532,970号や第4,534,389号に開示されている。こうしたSMIFポッドは、開口した底部を形成するフランジとして構成された下側のドアフレーム部分35を備えた一般的に透明な容器部分34と、開口した底部を閉じるためのラッチ可能なドア36とを有している。ドアフレーム部分35は処理装置へクランプされ、処理装置に設けられたドアが下側のSMIFポッドドアへ取り付けられる。前述した処理装置の中で、シールされた処理環境の中までシェルから下方へ両方のドアが同時に降ろされる。SMIFポッドドア36の上面40の上に設けられていてウェハーが装填された別個のHバーキャリヤ38がポッドドアといっしょに降ろされ、ウェハーへアクセスして処理が行われる。
【0004】
半導体処理産業は特に300mm以上の大きなウェハーを利用する方向に移行しつつある。工業規格の発展によって、そうしたウェハー用の搬送モジュールは、モジュールから下方へ落下する底部ドアではなくて、ウェハーを挿入したり取り出したりするためにフロント開口式ドアを利用することになろう。
図2には、そうしたフロント開口式エンクロージャが示されている。こうしたクロージャは、別個の取り外し可能なキャリヤを用いずにウェハーを容器部分34の中に支持できるけれども、SMIFポッドと類似した部品を有している。
【0005】
シール可能なエンクロージャに対するドアエンクロージャやラッチ機構については従来から様々な構造が知られている。これらは一般的には、容易に分解できないとか、多数の可動部材を有しているとか、ファスナなどの金属部材を利用しているなどの欠点を有している。金属ファスナやその他の金属部材を使用することは、半導体ウェハーのキャリヤや容器においては非常に好ましくない。金属部材は、擦ったり引っ掻いたりするときに非常に有害な粒子を発生する。ファスナを用いてモジュールを組み付けると、そうした擦ったり引っ掻いたりする事態が起きる。従って、金属ファスナや、ウェハーキャリヤにおける他の金属部材の使用は避けなければならない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
当該分野で周知のラッチ機構は回転式カム部材を通常は使用することになるであろう。こうしたカム部材は一般的には平らなプラスチックプレートから形成されており、カム面を形成する細長い溝を有している。これらのカム面は一方向へのカムフォロワの動きを提供するだけであり、これは一般にはラッチ部分の伸びたり引っ込んだりする動きへ変換される半径方向における一回の前後運動である。ドアを固定してシールするために、ラッチ部分を容器部分へ近づけたり遠ざけたりするためには、多くの構成部分を追加した別の手段が必要となろう。そうした追加構成部材は、製造コストが増大し、ラッチ機構が複雑になり、組み付けや分解が困難になり、擦ったり引っ掻いたりする表面の数が増えて粒子発生が多くなる。
【0007】
上述したエンクロージャは比較的清浄な環境で使用されるけれども、時間が経つと、エンクロージャの上や中、そしてドアエンクロージャの内部には汚染物質が堆積して、最終的にはクリーニングが必要になる。このような汚染物質は、上述したドアのラッチ機構を操作するときなどに部材を擦ったりすることによって、またウェハー棚にウェハーを装着したり取り出したりすることによって、そしてドアを容器部分へ係合させたり外したりすることによって発生する。従来のラッチ機構では多数の部材が使われていること、ドアの分解が困難なこと、そして金属ファスナを使用していることで、ドアのクリーニングが困難である。分解が容易なラッチ機構を備えており、可動部材ができるだけ少ないような分解が容易なドアが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下に開示し、そして請求項に記載されている特徴を有するドアは、上述したようなタイプのエンクロージャでの使用に適しており、上述した要求を満足している。
【0009】
ウェハー用のシール可能なエンクロージャは、最小限の可動部材を利用していて容易にアクセスできかつ分解することのできるラッチ機構を備えたドアを有している。このドアはカム部材を備えたエンクロージャを有しており、カム部材はポストの上で回転可能であり、一対のラッチ用アームと係合する。ドアが前部側ドアか底部ドアかによって、ラッチ用アームは、上方及び下方へ、あるいは前方及び後方へ伸びたり後退したり、移動したりする。ラッチ用アームの移動は、ラッチ用アームのカムフォロワ部分をカム部材に対して軸方向に、また半径方向に移動させるように形成されたカム部材のカム部分によって行われる。ラッチ用アームはエンクロージャの中の支点の上で旋回する。ラッチ機構はパネルを介してアクセス可能であり、このパネルは、ドアエンクロージャの内部端壁の上に設けられた溝と協働するパネルの上に一体化された戻り止めによって取り付けられる。回転部材はスロットが設けられた中心を有しており、ポストの上へ挿入回転位置で設置することによってエンクロージャから延びるT字形のポストの上に固定される。組み付けられると、カム部材の回転はエンクロージャに設けられたストップによって動作範囲が制限される。
【0010】
この発明の特徴及び利点は、洗浄やその他の目的のために、ドアが容易に分解及び組み付けできることである。
【0011】
この発明の別の利点及び特徴は、ラッチ機構がすべて射出成形で形成することのできる最小限の数の部材を利用していることである。
【0012】
この発明の別の利点及び特徴は、ドアに金属製の部材やファスナが不要であり、使用されていないことである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図3A】カバーの一部を取り除いたドアの斜視図である。
【
図3B】カバーが取り外されたドアの斜視図である。
【
図6】回転可能なカム部材の底部側の斜視図である。
【
図7B】ラッチ部分が伸びた状態にある
図7Aの断面図である。
【
図8】ドアの内側パネルの斜視図であり、T字形状のポストを示している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
従来技術の
図1及び
図2は、この発明が非常に適している底部開口式のSMIFポッド20とフロント開口式の搬送モジュール30とをそれぞれ示している。シール可能な各エンクロージャは、容器部分34と、これと協働するドア36とを有している。SMIFポッド20は別個のウェハーキャリヤ38も有している。このウェハーキャリヤは当該分野において周知のHバーキャリヤであり、ドア36の上面40に着座する。
【0015】
各容器部分34と、各エンクロージャは、上部側46と、前部側48と、底部側50とを有している。SMIFポッドにおいては、底部側50は、ウェハーキャリヤ38とドア36とを受容するために開口している。搬送モジュール30においては、前部側48が開口していて、ドア36によって閉じられるようになっている。
【0016】
ドアは、内向側52と、外向側53と、四つの側壁55から成る周部54とを有している。各ドア36はエンクロージャ56を有している。エンクロージャ56は、ラッチ機構60を収容する開口した内部58を有している。ラッチ機構の一部が
図1及び
図2に示されている。ラッチ機構はラッチ部分62を有している。ラッチ部分62はスロット66から外へ伸びて、容器部分34のドアフレーム部分74の中に配置されているラッチ部分レシーバ68に係合できる。
【0017】
ここで、この発明を構成する改良点の詳細を説明する。
図3A及び
図3Bを参照すると、外向パネル77を切り取って取り除いた状態のドア36が、ラッチ機構60を収容する内部58を見せている。ラッチ機構60は回転可能なカム部材80と、一対のラッチ用アーム82とから成っている。カム部材80の詳細は
図4、
図5、
図6、
図7A、
図7B及び
図7Cにさらに示されている。カム部材80は上面90と、底面92と、中央のハブ96と、カム部分100と、連結開口部102と、構造緩和部分104とを有している。
【0018】
カム部材80の上面90は、内向側52の内側ドアパネル105の方を向いている。カム部材80のハブ96内にはスロット106が設けられている。スロット106は、内側ドアパネル105のところでエンクロージャ56から延びているT字形状のポスト110の保持部分108へ嵌合するような寸法を有している。
図8を参照のこと。
【0019】
カム部材80は回転挿入位置においてポスト110の保持部分108と位置が揃うようにポスト110に組み付けられる。この位置において、カムホイールを若干回転して、作動回転範囲へ移動させる。この作動回転範囲は、
図3A及び
図3Bに示されているような限界位置を含めたその間の回転位置によって限定される。回転限界は、参照番号112で点線によって示されたエンクロージャから延びるストップによって与えられている。
【0020】
図4,
図7A、
図7B及び
図7Cを参照すると、カム部分100は細長いストリップ122の上に一対の第1の係合部分118を有している。細長いストリップ122の高さと、それに対応した係合部分118の高さは、ストリップ上の半径方向の位置によって変化する。カム部材80は補足的な第1の係合部分130も有している。係合部分130は、ラッチ用アーム82のカムフォロワ部分136を捕捉してガイドするときに、第1の係合部分118と協働する。カム部材はまた、補足的な第2の係合部分142と協働して動作する第2の係合部分140も有している。これらの係合部分はラッチ用アーム82のカムフォロワ部分136へ係合して捕捉する。
【0021】
ラッチ用アームは
図3A、
図3B、
図7A、
図7B、
図7C及び
図9に示されている。ラッチ用アームは、第1の端部152と、対向する第2の端部154と、第1の端部に設けられたカムフォロワ部分136と、対向する第2の端部に設けられたラッチ部分62を有している。カムフォロワ部分は
図7A、
図7B及び
図7Cに示されているようにほぼS字形状の断面を有していて、カム部材の中へ組み付けて、その中に保持して継続的に係合できるようになっている。カムフォロワ部分は、カム部材80の第1の係合部分118と係合する第1の係合面150と、補足的な第1の係合部分130と係合する補足的な第1の係合面153とを有している。また、第2の係合面158は回転可能なカム部材80の第2の係合部分140と係合し、補足的な第2の係合面160が補足的な第2の係合部分142と接触して係合する。
【0022】
図3A、
図3B、
図7A、
図7B及び
図7Cを参照すると、回転可能なカム部材80に対するラッチ用アームの動きが示されている。
図3A及び
図7Aはドアエンクロージャ56の内側へ完全に引っ込んだ状態のラッチ部分62を示している。
図7Bは、伸びた状態にあり、内側ドアパネル105に近接した、従って容器部分の内部に近接した状態にあるラッチ部分62を示している。
図7C及び
図3Bは、伸びた状態にあり、内側ドアパネル105から離れた状態、従ってほぼ容器部分の内部及び容器部分から離れた状態にあるラッチ部分62を示している。内側ドアパネル105から離れるこの動きによって、ドア36全体が容器部分の内部へ向けて内側へ付勢され、その結果、完全に固定されシールされた関係が実現される。
【0023】
図7A、
図7B及び
図7Cに示されているように、ラッチ部分の最初の伸びは、回転可能なカム部材が
図3Aに示されている位置から約20゜まず回転することによって行われる。この位置にあるカム部分は、第2の係合部分140によって半径方向に押される。この点から、カム部分100の第1の係合部分118の高さは
図7Cに示されている高さまで徐々に増大する。この点においてカム部分が
図7Cに示されているように上方へ隆起し、ラッチ用アームは、内側ドアパネル105と一体化された支点170のまわりに回動する。支点170のまわりの前述した回動によって、ラッチ部分62がカム部分の動きと反対の方向へ移動する。これによって、ドアが、ドアフレーム、従って容器部分と完全に係合する位置まで内側に引っ張られる。
【0024】
図5及び
図7Cに最もよく示されているように、ラッチ用アームが支点170のまわりに回動するにつれて、第1の係合部分118と、補足的な第1の係合部分130は傾斜して、ラッチ用アームの第1の係合面150と補足的な第1の係合面152の傾斜に完全に整合する。これによって、ラッチ用アームの荷重を、カム部材の上へ完全に分配することが可能となり、従って荷重を広い面積にわたって分配させて、構成部材を擦ることによる粒子の発生を最小限に抑えることが可能となる。
【0025】
図3A及び
図10を参照して、外側ドアパネル180の構造とラッチ動作を詳細に説明する。ドアパネル180はばね部材186に配置された複数の戻り止め184を有している。ばね部材は前述した戻り止め及びドアパネル180の残りの部分と一体化されている。前記戻り止めとばね部材とは、ドアパネルの外側
縁部190に配置されている。ドアパネルはまた一対のキャッチ194も有している。キャッチ194は協働するばね部材186を有していない。ドアパネルはまずドアエンクロージャ56の側壁55の上へ組み付けられる。キャッチ194は、上側あるいは下側の周辺部に設けられた協働する溝198と係合している。次にドアパネルを下方へ回転して、キャッチ部材の反対側の戻り止め184と、キャッチ部材と隣接するドアパネルの側部に設けられた戻り止め184とを、ドアエンクロージャの周辺部54に設けられた対応する溝に隣接させる。次に戻り止めを所定の位置へスナップして、金属ファスナを用いずにドアパネルを周辺部へ固定する。戻り止めと、ばね部材と、キャッチ部材の寸法は、ドアが所定の位置へラッチされたとき、ばね部材がドアパネル180の面内の方向とドアパネルと直角な方向の両方に荷重を受けるようなものになっている。この荷重によって、ドアパネルは周辺部との係合が保持され、また戻り止めを引っ込めると戻り止めがドアエンクロージャから外側へ外れる。これによって、ドアパネルを周辺部54から本質的に自動的かつ簡便に分離することができ、ドアパネルの取り外しが容易になる。
【0026】
上述した構成部材は、ガラス及び/もしくはカーボンファイバが充填されたナイロンあるいはポリカーボネートなどの射出成形されたプラスチック材料か、フィラーを含み、あるいはPTFEフィラーを含んだ上述のプラスチックから形成される。こうした部材は機械加工することもできる。
【0027】
この発明は、その精神あるいは本質から逸脱することなく、他の形態で実現することが可能である。従って、上述した実施の形態は単に説明のためのものであり、発明を限定するものではない。この発明の範囲に関しては、上述した説明よりも添付されている特許請求の範囲を参照すべきである。