特許第5918682号(P5918682)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5918682
(24)【登録日】2016年4月15日
(45)【発行日】2016年5月18日
(54)【発明の名称】プローブカード取り付け方法
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/26 20140101AFI20160428BHJP
   H01L 21/66 20060101ALI20160428BHJP
【FI】
   G01R31/26 J
   H01L21/66 B
【請求項の数】9
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2012-224554(P2012-224554)
(22)【出願日】2012年10月9日
(65)【公開番号】特開2014-77671(P2014-77671A)
(43)【公開日】2014年5月1日
【審査請求日】2015年6月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125254
【弁理士】
【氏名又は名称】別役 重尚
(74)【代理人】
【識別番号】100118278
【弁理士】
【氏名又は名称】村松 聡
(72)【発明者】
【氏名】山田 浩史
(72)【発明者】
【氏名】小尾 浩樹
【審査官】 堀江 義隆
(56)【参考文献】
【文献】 実開平5−59841(JP,U)
【文献】 国際公開第2011/027392(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/26
H01L 21/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のテスターと、各前記テスターへ被検査用のウエハを搬送する搬送ステージとを備え、各前記テスターにはウエハと接触するプローブを有するプローブカードが取り付けられるウエハ検査装置において、前記テスターの各々に前記搬送ステージによって前記プローブカードを取り付けるプローブカード取付け方法であって、
前記搬送ステージに前記テスターを指向する第1のカメラを設け、
前記テスター側に前記搬送ステージを指向する第2のカメラを設け、
前記搬送ステージを移動させて前記第1のカメラ及び第2のカメラを互いに対向させて基準位置を確定し、
前記第1のカメラによって前記テスターが有する第1の目印を確認して前記テスターにおけるプローブカードの取り付け部の位置を確定し、
前記第2のカメラによって前記搬送ステージに装着された前記プローブカードが有する第2の目印を確認して前記プローブカードの位置を確定し、
前記確定された基準位置、前記プローブカードの取り付け部の位置及び前記プローブカードの位置に基づいて前記搬送ステージを移動させて前記プローブカードを前記プローブカードの取り付け部に対向させ、
さらに、前記搬送ステージを前記プローブカードの取り付け部へ向けて移動させて前記プローブカードを前記プローブカードの取り付け部に取り付けることを特徴とするプローブカード取付け方法。
【請求項2】
前記第1のカメラによって前記第1の目印を確認して前記基準位置から前記プローブカードの取り付け部の中心までの第1の距離を確定し、
前記第2のカメラによって前記第2の目印を確認して前記基準位置から前記プローブカードの中心までの第2の距離を確定し、
前記第2の距離の確定後、前記第1の距離及び前記第2の距離に基づいて前記搬送ステージを移動させて前記プローブカードの中心を前記プローブカードの取り付け部の中心に対向させることを特徴とする請求項1記載のプローブカード取付け方法。
【請求項3】
前記第1の目印は前記プローブカードの取り付け部の中心からオフセットし、
前記第1のカメラは前記第1の目印の位置を確定し、
前記第1の距離は、前記基準位置から前記第1の目印の位置までの距離と、前記プローブカードの取り付け部の中心から前記第1の目印の位置までの距離との合計であることを特徴とする請求項2記載のプローブカード取付け方法。
【請求項4】
前記第2の目印は前記プローブカードの中心を中心とする円周上に配置されることを特徴とする請求項2又は3記載のプローブカード取付け方法。
【請求項5】
少なくとも前記第2のカメラによる前記プローブカードの位置の確定後、前記プローブカードが前記搬送ステージに対して相対的に移動しないように前記搬送ステージが前記プローブカードを保持することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のプローブカード取付け方法。
【請求項6】
前記搬送ステージは前記プローブカードを真空吸着によって保持することを特徴とする請求項5記載のプローブカード取り付け方法。
【請求項7】
前記プローブカードが前記搬送ステージへ装着された際、前記プローブカードの前記プローブは前記搬送ステージへ向けて突出し、前記プローブカード及び前記搬送ステージの間にはプローブカード支持部材が介在することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のプローブカード取り付け方法。
【請求項8】
前記プローブカードの取り付け部から前記プローブカードを取り外す際、
前記第2のカメラによって前記搬送ステージに装着された前記プローブカード支持部材が有する第3の目印を確認して前記プローブカード支持部材の位置を確定し、
前記確定された基準位置、前記プローブカードの取り付け部の位置及び前記プローブカード支持部材の位置に基づいて前記搬送ステージを移動させて前記プローブカード支持部材を前記プローブカードの取り付け部に対向させ、
さらに、前記搬送ステージを前記プローブカードの取り付け部へ向けて移動させて前記プローブカード支持部材を前記プローブカードの取り付け部に取り付けられたプローブカードへ当接させることを特徴とする請求項7記載のプローブカード取り付け方法。
【請求項9】
前記第2のカメラによって前記第3の目印を確認して前記基準位置から前記プローブカード支持部材の中心までの第3の距離を確定し、
前記第3の距離の確定後、前記第1の距離及び前記第3の距離に基づいて前記搬送ステージを移動させて前記プローブカード支持部材の中心を前記プローブカードの取り付け部の中心に対向させることを特徴とする請求項8記載のプローブカード取付け方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウエハに対向するテスターへウエハ検査用のプローブカードを取り付けるプローブカード取り付け方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多数の半導体デバイスが形成されたウエハの検査を行うために、検査装置としてプローバが用いられている。プローバはウエハと対向するプローブカードを備え、プローブカードは板状の基部と、基部におけるウエハとの対向面においてウエハの半導体デバイスにおける各電極パッドや各半田バンプと対向するように配置される複数の柱状接触端子であるコンタクトプローブとを備える(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
プローバでは、プローブカードの各コンタクトプローブが半導体デバイスにおける電極パッドや半田バンプと接触し、各コンタクトプローブから各電極パッドや各半田バンプに接続された半導体デバイスの電気回路へ電気を流すことによって該電気回路の導通状態等を検査する。
【0004】
また、ウエハの検査効率を向上するために、検査室内に複数のプローブカードを配置し、搬送ステージによって一のプローブカードへウエハを搬送中に他のプローブカードでウエハの半導体デバイスを検査可能なウエハ検査装置が開発されている。このウエハ検査装置では、ウエハと対向可能に配置される複数のウエハ検査用インターフェースとしてのテスターが検査室内に配置され、各テスターにプローブカードが取り付けられる。
【0005】
上述したウエハ検査装置では、プローブカードはコンタクトプローブの摩耗等によって交換する必要があり、プローブカードの交換の際には、搬送ステージが各テスターからプローブカードを回収し、さらに新規やメンテナンス済みのプローブカードを各テスターへ搬送するが、プローブカードにおいて各コンタクトプローブに対応して設けられた多数の電極と、テスターに設けられて検査回路に接続された多数の接触端子の集合体であるポゴピンとを正確に接触させる必要があるため、新規やメンテナンス済みのプローブカードを各テスターへ搬送する際にプローブカードが位置ずれを起こさないように、搬送ステージは位置決めピンを有し、該位置決めピンをプローブカードのピン穴に挿嵌させる。
【0006】
近年、ウエハに形成された多数の半導体デバイスを一括して同時に検査するプローブカードが開発されている。このようなプローブカードでは各コンタクトプローブに対応して設けられた多数の電極の配置が密となるため、プローブカードの位置決め精度をより向上させて各電極とテスターのポゴピンとを正確に接触させる必要がある。プローブカードの位置決め精度の向上は位置決めピンとピン穴とのガタ(クリアランス)を小さくすることで対応できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−22768号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、位置決めピンとピン穴とのガタを小さくすると、位置決めピンがピン穴の側面に引っかかり、プローブカードの搬送ステージへの脱着が困難となる。
【0009】
本発明の目的は、プローブカードの搬送ステージへの脱着を容易に行うことができるプローブカード取り付け方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、請求項1記載のプローブカード取付け方法は、複数のテスターと、各前記テスターへ被検査用のウエハを搬送する搬送ステージとを備え、各前記テスターにはウエハと接触するプローブを有するプローブカードが取り付けられるウエハ検査装置において、前記テスターの各々に前記搬送ステージによって前記プローブカードを取り付けるプローブカード取付け方法であって、前記搬送ステージに前記テスターを指向する第1のカメラを設け、前記テスター側に前記搬送ステージを指向する第2のカメラを設け、前記搬送ステージを移動させて前記第1のカメラ及び第2のカメラを互いに対向させて基準位置を確定し、前記第1のカメラによって前記テスターが有する第1の目印を確認して前記テスターにおけるプローブカードの取り付け部の位置を確定し、前記第2のカメラによって前記搬送ステージに装着された前記プローブカードが有する第2の目印を確認して前記プローブカードの位置を確定し、前記確定された基準位置、前記プローブカードの取り付け部の位置及び前記プローブカードの位置に基づいて前記搬送ステージを移動させて前記プローブカードを前記プローブカードの取り付け部に対向させ、さらに、前記搬送ステージを前記プローブカードの取り付け部へ向けて移動させて前記プローブカードを前記プローブカードの取り付け部に取り付けることを特徴とする。
【0011】
請求項2記載のプローブカード取付け方法は、請求項1記載のプローブカード取付け方法において、前記第1のカメラによって前記第1の目印を確認して前記基準位置から前記プローブカードの取り付け部の中心までの第1の距離を確定し、前記第2のカメラによって前記第2の目印を確認して前記基準位置から前記プローブカードの中心までの第2の距離を確定し、前記第2の距離の確定後、前記第1の距離及び前記第2の距離に基づいて前記搬送ステージを移動させて前記プローブカードの中心を前記プローブカードの取り付け部の中心に対向させることを特徴とする。
【0012】
請求項3記載のプローブカード取付け方法は、請求項2記載のプローブカード取付け方法において、前記第1の目印は前記プローブカードの取り付け部の中心からオフセットし、前記第1のカメラは前記第1の目印の位置を確定し、前記第1の距離は、前記基準位置から前記第1の目印の位置までの距離と、前記プローブカードの取り付け部の中心から前記第1の目印の位置までの距離との合計であることを特徴とする。
【0013】
請求項4記載のプローブカード取付け方法は、請求項2又は3記載のプローブカード取付け方法において、前記第2の目印は前記プローブカードの中心を中心とする円周上に配置されることを特徴とする。
【0014】
請求項5記載のプローブカード取付け方法は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のプローブカード取付け方法において、少なくとも前記第2のカメラによる前記プローブカードの位置の確定後、前記プローブカードが前記搬送ステージに対して相対的に移動しないように前記搬送ステージが前記プローブカードを保持することを特徴とする。
【0015】
請求項6記載のプローブカード取付け方法は、請求項5記載のプローブカード取り付け方法において、前記搬送ステージは前記プローブカードを真空吸着によって保持することを特徴とする。
【0016】
請求項7記載のプローブカード取付け方法は、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のプローブカード取り付け方法において、前記プローブカードが前記搬送ステージへ装着された際、前記プローブカードの前記プローブは前記搬送ステージへ向けて突出し、前記プローブカード及び前記搬送ステージの間にはプローブカード支持部材が介在することを特徴とする。
【0017】
請求項8記載のプローブカード取付け方法は、請求項7記載のプローブカード取り付け方法において、前記プローブカードの取り付け部から前記プローブカードを取り外す際、前記第2のカメラによって前記搬送ステージに装着された前記プローブカード支持部材が有する第3の目印を確認して前記プローブカード支持部材の位置を確定し、前記確定された基準位置、前記プローブカードの取り付け部の位置及び前記プローブカード支持部材の位置に基づいて前記搬送ステージを移動させて前記プローブカード支持部材を前記プローブカードの取り付け部に対向させ、さらに、前記搬送ステージを前記プローブカードの取り付け部へ向けて移動させて前記プローブカード支持部材を前記プローブカードの取り付け部に取り付けられたプローブカードへ当接させることを特徴とする。
【0018】
請求項9記載のプローブカード取付け方法は、請求項8記載のプローブカード取付け方法において、前記第2のカメラによって前記第3の目印を確認して前記基準位置から前記プローブカード支持部材の中心までの第3の距離を確定し、前記第3の距離の確定後、前記第1の距離及び前記第3の距離に基づいて前記搬送ステージを移動させて前記プローブカード支持部材の中心を前記プローブカードの取り付け部の中心に対向させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、搬送ステージに設けられたテスターを指向する第1のカメラやテスター側に設けられた搬送ステージを指向する第2のカメラによって確定された基準位置、プローブカードの取り付け部の位置及びプローブカードの位置に基づいて搬送ステージを移動させてプローブカードをプローブカードの取り付け部に対向させる。すなわち、プローブカードの搬送ステージに対する位置ずれが発生しても、第2のカメラによってプローブカードの位置を確定するので、プローブカードの搬送ステージに対する位置ずれの発生を防止する必要がなく、もって位置決めピンやピン穴を設ける必要を無くすことができる。その結果、プローブカードの搬送ステージへの脱着を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施の形態に係るプローブカード取り付け方法が適用されるウエハ検査装置の構成を概略的に示す水平断面図である。
図2図1における線II−IIに沿う断面図である。
図3】搬送ステージ及びテスターの構成を概略的に示す図であり、図3(A)は平面図であり、図3(B)は図3(A)における線III−IIIに沿う断面図である。
図4】プローブカードの構成を概略的に示す図である、図4(A)は平面図であり、図4(B)は側面図である。
図5】プローブカードの構成を概略的に示す図である、図5(A)は平面図であり、図5(B)は側面図である。
図6】プローブカードのミドルプレートへの載置状態を示す図であり、図6(A)は平面図であり、図6(B)は側面図であり、図6(C)はプローブカードの係合プレートとミドルプレートのロケートピンとの係合状態を示す斜視図である。
図7】本実施の形態に係るプローブカード取り付け方法の工程図である。
図8】本実施の形態に係るプローブカード取り付け方法の工程図である。
図9】本実施の形態に係るプローブカード取り付け方法の工程図である。
図10】プローブカードのポゴフレームへの取り付けにおけるプローブカードの係合プレートとカードフレームのカード落下防止用鍔との位置関係を説明するための図である。
図11】本実施の形態に係るプローブカード取り外し方法の工程図である。
図12】本実施の形態に係るプローブカード取り外し方法の工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0022】
まず、本実施の形態に係るプローブカード取り付け方法が適用されるウエハ検査装置について説明する。
【0023】
図1は、本実施の形態に係るプローブカード取り付け方法が適用されるウエハ検査装置の構成を概略的に示す水平断面図であり、図2は、図1における線II−IIに沿う断面図である。
【0024】
図1及び図2において、ウエハ検査装置10は検査室11を備え、該検査室11は、ウエハの半導体デバイスの電気的特性検査を行う検査領域12と、検査室11に対するウエハや後述するプローブカード20の搬出入を行う搬出入領域13と、検査領域12及び搬出入領域13の間に設けられた搬送領域14とを有する。
【0025】
検査領域12には複数のウエハ検査用インターフェースとしてのテスター15が配置される。具体的には、水平に配列された複数のテスターからなるテスター列の3層構造を有し、テスター列の各々に対応して1つのテスター側カメラ16(第2のカメラ)が配置される。各テスター側カメラ16は対応するテスター列に沿って水平に移動し、テスター列を構成する各テスター15の前に位置して後述する搬送ステージ18が搬送するプローブカード20等の位置を確認する。
【0026】
搬出入領域13は複数の収容空間17に区画され、各収容空間17には複数のウエハを収容する容器、例えば、FOUPを受け入れるポート17a、ウエハの位置合わせを行うアライナー17b、プローブカード20が搬入され且つ搬出されるローダ17cやウエハ検査装置10の各構成要素の動作を制御するコントローラ17dが配置される。
【0027】
搬送領域14には該搬送領域14だけでなく検査領域12や搬出入領域13へも移動自在な搬送ステージ18が配置される。搬送ステージ18は、搬出入領域13のポート17aからウエハを受け取って各テスター15へ搬送し、また、半導体デバイスの電気的特性の検査が終了したウエハを各テスター15からポート17aへ搬送する。さらには、搬送ステージ18は各テスター15からメンテナンスを必要とするプローブカード20を搬出入領域13のローダ17cへ搬送し、また、新規やメンテナンス済みのプローブカード20をローダ17cから各テスター15へ搬送する。
【0028】
このウエハ検査装置10では、各テスター15が搬送されたウエハの半導体デバイスの電気的特性を行うが、搬送ステージ18が一のテスター15へ向けてウエハを搬送している間に、他のテスター15は他のウエハの半導体デバイスの電気的特性を行うことができるので、ウエハの検査効率を向上することができる。
【0029】
図3は、搬送ステージ及びテスターの構成を概略的に示す図であり、図3(A)は平面図であり、図3(B)は図3(A)における線III−IIIに沿う断面図である。
【0030】
図3(A)及び図3(B)ではテスター15を該テスター15の構成部品であるポゴフレーム19(プローブカードの取り付け部)のみで示し、搬送ステージ18はプローブカード20が装着された状態で示される。また、図3(A)では搬送ステージ18の一部が隠れないようにテスター側カメラ16が透けて示される。なお、テスター側カメラ16は破線で示される。
【0031】
図3(A)及び図3(B)において、テスター15はプローブカード20が装着されるポゴフレーム19を有する。ポゴフレーム19は、略平板状の本体21と、該本体21の下面の中央付近において下方へ向けて突出する多数の接触端子の集合体であるポゴピン22と、本体21の下面においてポゴピン22を囲むように配置される環状のカードフレーム23と、本体21の下面においてカードフレーム23の外側に配置される突起状のピンマーク24(第1の目印)とを有する。ピンマーク24はポゴフレーム19の中心(正確にはカードフレーム23の中心)からオフセットしているが、ポゴフレーム19の中心からピンマーク24までの距離は予めコントローラ17dに格納されている。
【0032】
ポゴピン22はテスター15が有する検査回路に接続されるとともに、ポゴフレーム19へ取り付けられたプローブカード20の上面の多数の電極へ接触し、該電極に接続されるプローブカード20の各コンタクトプローブ25へ電流を流すとともに、ウエハの半導体デバイスの電気回路から各コンタクトプローブ25を介して流れてきた電流を検査回路へ向けて流す。
【0033】
テスター側カメラ16は下方を指向するレンズ(図示しない)を有し、該テスター側カメラ16の下方を移動する搬送ステージ18に装着されたプローブカード20のターゲットマーク32等を撮影し、該ターゲットマーク32等の位置を確定する。
【0034】
搬送ステージ18は、テスター15の下方に配置され、平板状の基部26と、該基部26の上面に配置される台状のチャックトップ27と、該基部26の上面においてチャックトップ27よりもポゴフレーム19側に配置され、上方を指向するレンズ(図示しない)を有するステージ側カメラ28(第1のカメラ)とを有する。
【0035】
チャックトップ27の上面にはプローブカード20が装着されるが、該プローブカード20及びチャックトップ27の間にはミドルプレート29(プローブカード支持部材)が介在する。
【0036】
チャックトップ27は基部26に真空吸着によって保持に構成され、ミドルプレート29はチャックトップ27に真空吸着によって保持に構成され、さらにプローブカード20はミドルプレート29を介してチャックトップ27に真空吸着によって保持に構成される。したがって、チャックトップ27を基部26に真空吸着し、且つミドルプレート29及びプローブカード20をチャックトップ27に真空吸着させることにより、搬送ステージ18が移動する際、ミドルプレート29やプローブカード20が搬送ステージ18に対して相対的に移動するのを防止することができる。
【0037】
なお、チャックトップ27、ミドルプレート29やプローブカード20の保持方法は真空吸着に限られず、ミドルプレート29やプローブカード20の搬送ステージ18に対する相対的な移動を防止できる方法であればよく、例えば、電磁吸着やクランプによる保持であってもよい。
【0038】
搬送ステージ18は移動自在であるため、ポゴフレーム19の下方へ移動して装着されたプローブカード20をポゴフレーム19へ対向させることができるとともに、ポゴフレーム19へ向けて移動して装着されたプローブカード20をポゴフレーム19へ当接させることができる。ウエハ検査装置10では、搬送ステージ18の移動はコントローラ17dによって制御され、該コントローラ17dは搬送ステージ18の位置や移動量を把握する。
【0039】
図4は、プローブカードの構成を概略的に示す図である、図4(A)は平面図であり、図4(B)は側面図である。
【0040】
図4(A)及び図4(B)において、プローブカード20は、円板状の本体30と、該本体30の上面における周縁部において周方向に等間隔、例えば、60°間隔で配置されて外側へ突出する略矩形状の係合プレート31a〜31fと、本体30の上面の外縁近傍においてプローブカード20の中心を中心とする円周上に等間隔で配置される突起状の4つのターゲットマーク32(第2の目印)と、本体30の上面のほぼ一面に配置される多数の電極(図示しない)と、本体30の下面から下方へ向けて突出するように配置される多数のコンタクトプローブ25とを有する。なお、各ターゲットマーク32は当該ターゲットマーク32が配置される円周を規定するために設けられるため、ターゲットマーク32の最小数は円周が規定可能な3以上であればよく、また、必ずしも円周上において等間隔で配置される必要もない。
【0041】
各電極は対応する各コンタクトプローブ25と接続され、各コンタクトプローブ25は、プローブカード20へウエハが到着された際、該ウエハに形成された各半導体デバイスの電極パッドや半田バンプと接触する。また、係合プレート31a〜31fのうち、120°間隔で配置される係合プレート31b、31d、31fは外側へ開放される平面視三角形状の切り欠き31g〜31iを有する。
【0042】
図5は、プローブカードの構成を概略的に示す図である、図5(A)は平面図であり、図5(B)は側面図である。
【0043】
図5(A)及び図5(B)において、ミドルプレート29は、例えば、120°間隔で放射状に延伸する平板の組み合わせ体からなる本体33と、該本体33の各先端において2段の階段状に上方へ突出する支持部33aと、各支持部33aの2段目に設けられて上方へ突出する丸棒状のロケートピン34とを有する。
【0044】
搬送ステージ18のチャックトップ27へプローブカード20及びミドルプレート29が装着される際、切り欠き31g〜31iを有する係合プレート31b、31d、31fがそれぞれ各支持部33aの2段目に載置されることにより、プローブカード20はミドルプレート29によって支持される(図6(A)及び図6(B)参照。なお、図6(A)においいてプローブカード20によって隠されるミドルプレート29の一部を破線で示す。)。各支持部33aにおける1段目と2段目の落差はプローブカード20の本体30の厚さよりも大きいため、本体30と各支持部33aにおける1段目とは接触せず、該1段目は、係合プレート31b、31d、31fが各支持部33aにおける2段目から外れた際のプローブカード20の落下防止手段として機能する。
【0045】
係合プレート31b、31d、31fがそれぞれ各支持部33aの2段目に載置される際、図6(C)に示すように、各切り欠き31g〜31iとロケートピン34が係合し、ミドルプレート29に対するプローブカード20の大幅な移動を規制するので、ミドルプレート29やプローブカード20が真空吸着されていない場合であっても、係合プレート31b、31d、31fが各支持部33aにおける2段目から外れるのを防止することができる。また、各切り欠き31g〜31iはロケートピン34の側面の全てを囲まないので、プローブカード20をミドルプレート29へ載置する際、各ロケートピン34が各切り欠き31g〜31iの側面に引っかかることがなく、もって、各ロケートピン34がプローブカード20のミドルプレート29への載置を阻害することがない。
【0046】
さらに、ミドルプレート29の各支持部33aにおける1段目の高さはプローブカード20における本体30の下面からの各コンタクトプローブ25の突出量よりも大きいため、例え、係合プレート31b、31d、31fが各支持部33aにおける2段目から外れ、本体30が各支持部33aにおける1段目に支持される状態になったとしても、各コンタクトプローブ25がミドルプレート29における本体33へ接触するのを防止することができ、もって、各コンタクトプローブ25の破損や摩耗を防止することができる。
【0047】
次に、本実施の形態に係るプローブカード取り付け方法について説明する。本実施の形態に係るプローブカード取り付け方法は、各ポゴフレーム19(テスター15)に関して個別に実行される。
【0048】
図7乃至図9は、本実施の形態に係るプローブカード取り付け方法の工程図である。
【0049】
まず、一のポゴフレーム19(テスター15)の前にテスター側カメラ16を移動させた後、チャックトップ27のみが装着された搬送ステージ18を当該ポゴフレーム19の前に移動させる(図7(A))。
【0050】
次いで、搬送ステージ18をポゴフレーム19側へ移動させてテスター側カメラ16及び搬送ステージ18のステージ側カメラ28を互いに対向させ、互いのレンズの中心が一致するようにさらに搬送ステージ18の位置を微調整する。コントローラ17dは互いのレンズの中心が一致する位置を基準位置として確定し、該基準位置を格納する(図7(B))。基準位置が確定された後、テスター側カメラ16はプローブカード20の取り付け終了まで移動しない。
【0051】
なお、必ずしも互いのレンズの中心を一致させる必要はなく、互いのレンズで確認可能な範囲内の任意の点を基準位置として確定し、基準位置から各レンズの中心までの距離をコントローラ17dに格納してもよい。この場合、後述する第1の距離や第2の距離の算出において、基準位置を各レンズの中心までの距離によって補正すればよい。
【0052】
次いで、搬送ステージ18をさらにポゴフレーム19側へ移動させてステージ側カメラ28をポゴフレーム19のピンマーク24に対向させ、ステージ側カメラ28によってピンマーク24の中心を確認する(図7(C))。コントローラ17dは搬送ステージ18の基準位置からの移動量、ステージ側カメラ28のレンズで確認可能な範囲におけるピンマーク24の中心の位置(正確にはステージ側カメラ28のレンズの中心からピンマーク24の中心までの距離)、及びポゴフレーム19の中心からピンマーク24までの距離に基づいて上記基準位置からポゴフレーム19の中心までの第1の距離(例えば、基準位置からピンマーク24の中心までの距離及びポゴフレーム19の中心からピンマーク24までの距離の合計)を確定し、該第1の距離を格納する。
【0053】
次いで、搬送ステージ18を一旦、ローダ17cまで戻し、チャックトップ27上にミドルプレート29及びプローブカード20を装着した後、再度、ポゴフレーム19の前に移動させる(図7(D))。ローダ17cからポゴフレーム19の前までの移動の間、ミドルプレート29やプローブカード20はチャックトップ27へ真空吸着されなくてもよい。
【0054】
次いで、搬送ステージ18をポゴフレーム19側へ移動させてプローブカード20の各ターゲットマーク32をテスター側カメラ16に対向させ、テスター側カメラ16によって各ターゲットマーク32を確認する(図8(A))。コントローラ17dは、各ターゲットマーク32を確認する際の搬送ステージ18の基準位置からの移動量及びテスター側カメラ16のレンズで確認された各ターゲットマーク32の中心の位置(正確にはテスター側カメラ16のレンズの中心から各ターゲットマーク32の中心までの距離(図8(B)中の距離Gで示す。))から、基準位置に対する各ターゲットマーク32の位置を確定し、該確定された各ターゲットマーク32の位置から各ターゲットマーク32が配置される円周を規定し、該規定された円周の中心(この中心はプローブカード20の中心と同じ)に基づいて上記基準位置からプローブカード20の中心までの第2の距離を確定し、該第2の距離を格納する。
【0055】
本実施の形態に係るプローブカード取り付け方法では、後述するように、算出された第2の距離を用いてプローブカード20の中心とポゴフレーム19の中心の位置合わせを行うため、第2の距離が確定された後は、プローブカード20及びミドルプレート29をチャックトップ27へ真空吸着し、さらにチャックトップ27を基部26へ真空吸着してプローブカード20が搬送ステージ18に対して相対的に移動するのを防止する。
【0056】
次いで、コントローラ17dは、基準位置、第1の距離及び第2の距離に基づいて、プローブカード20の中心をポゴフレーム19の中心に対向させるために必要な搬送ステージ18の移動量(例えば、第1の距離及び第2の距離の合計)を算出し、算出された移動量に基づいて搬送ステージ18を移動させてプローブカード20の中心をポゴフレーム19の中心に対向させる(図8(C))。
【0057】
ところで、ポゴフレーム19のカードフレーム23は、図10(A)に示すように、平面視において、例えば、120°間隔で配置されて内側に突出する3つのカード落下防止用鍔35を有する。プローブカード20が搬送ステージ18によってポゴフレーム19の下方へ移動してプローブカード20の中心がポゴフレーム19の中心に対向する際、平面視において、プローブカード20の各係合プレート31a、31c、31eは各カード落下防止用鍔35と重なるため、そのまま搬送ステージ18を上昇させてプローブカード20をポゴフレーム19へ近づけると、各係合プレート31a、31c、31eが各カード落下防止用鍔35と干渉する。
【0058】
そこで、本実施の形態では、プローブカード20の中心がポゴフレーム19の中心に対向した後、搬送ステージ18上においてプローブカード20を所定の角度、例えば、15°だけ水平に回転させる(図8(D))。これにより、図10(B)に示すように、平面視において、各係合プレート31a、31c、31eが各カード落下防止用鍔35と重なるのを防止することができる。
【0059】
次いで、搬送ステージ18によってプローブカード20をポゴフレーム19へ近づけ(図9(A))、側面視で各係合プレート31a、31c、31eが各カード落下防止用鍔35よりも上方に位置した後、搬送ステージ18上においてプローブカード20を所定の角度と逆の角度、例えば、−15°だけ水平に回転させる(図9(B))。このとき、図10(C)に示すように、平面視において、各係合プレート31a、31c、31eが各カード落下防止用鍔35と重なり、且つ各係合プレート31a、31c、31が各カード落下防止用鍔35の上方に位置するので、例えば、プローブカード20が落下しても各係合プレート31a、31c、31が各カード落下防止用鍔35に係合してプローブカード20がカードフレーム23から脱落するのを防止する。
【0060】
次いで、搬送ステージ18によってプローブカード20をさらにポゴフレーム19へ近づけてプローブカード20をポゴフレーム19へ当接させ、プローブカード20及びポゴフレーム19の間を真空吸引することによってプローブカード20をポゴフレーム19へ装着する(図9(C))。
【0061】
次いで、プローブカード20をミドルプレート29から切り離し(図9(D)、さらに、搬送ステージ18をポゴフレーム19の下方から退出させ(図9(E))、本方法を終了する。
【0062】
本実施の形態に係るプローブカード取り付け方法によれば、搬送ステージ18に設けられたステージ側カメラ28及びポゴフレーム19側に設けられたテスター側カメラ16により、テスター側カメラ16及びステージ側カメラ28の互いのレンズの中心が一致する基準位置、基準位置からポゴフレーム19の中心までの第1の距離、並びに基準位置からプローブカード20の中心までの第2の距離を確定し、確定された基準位置、第1の距離及び第2の距離に基づいて搬送ステージ18を移動させてプローブカード20の中心をポゴフレーム19の中心に対向させる。すなわち、プローブカード20の搬送ステージ18に対する位置ずれが発生しても、テスター側カメラ16によって基準位置からプローブカード20の中心までの第2の距離を確定するので、プローブカード20の搬送ステージ18に対する位置ずれの発生を防止する必要がなく、もって位置決めピンやピン穴を設ける必要を無くすことができる。その結果、プローブカード20の搬送ステージ18への脱着を容易に行うことができる。
【0063】
上述した本実施の形態に係るプローブカード取り付け方法では、第2の距離が確定された後、プローブカード20及びミドルプレート29をチャックトップ27へ真空吸着し、さらにチャックトップ27を基部26へ真空吸着するので、以後の搬送ステージ18の移動においてプローブカード20が搬送ステージ18に対して相対的に移動することがなく、確定された第2の距離の信頼性を向上することができ、確定された第2の距離に基づいてプローブカード20をポゴフレーム19に正確に対向させることができる。
【0064】
また、上述した本実施の形態に係るプローブカード取り付け方法は、各テスター15に関して個別に実行されるので、例え、各ポゴフレーム19の中心の位置がばらついていても、テスター15毎の基準位置、第1の距離及び第2の距離を確定することにより、各テスター15においてプローブカード20の中心とポゴフレーム19の中心とを正確に対向させることができる。
【0065】
次に、本実施の形態に係るプローブカード取り外し方法について説明する。当該プローブカード取り外し方法も、各ポゴフレーム19(テスター15)に関して個別に実行される。
【0066】
図11及び図12は、本実施の形態に係るプローブカード取り外し方法の工程図である。
【0067】
まず、プローブカード20が装着されたポゴフレーム19の前にテスター側カメラ16を移動させた後、チャックトップ27及びミドルプレート29が装着された搬送ステージ18を当該ポゴフレーム19の前に移動させる(図11(A))。
【0068】
次いで、搬送ステージ18をミドルプレート29側へ移動させてミドルプレート29の一のロケートピン34(第3の目印)をテスター側カメラ16に対向させ、テスター側カメラ16によって一のロケートピン34を確認する(図11(B))。コントローラ17dは搬送ステージ18の基準位置からの移動量、テスター側カメラ16のレンズで確認可能な範囲における一のロケートピン34の中心の位置(正確にはテスター側カメラ16のレンズの中心(基準位置)から一のロケートピン34の中心までの距離)、及び一のロケートピン34の中心からミドルプレート29の中心までの距離に基づいて上記基準位置からミドルプレート29の中心までの第3の距離を確定し、該第3の距離を格納する。なお、一のロケートピン34の中心からミドルプレート29の中心までの距離はコントローラ17dに予め格納されている。
【0069】
本実施の形態に係るプローブカード取り外し方法でも、第3の距離が確定された後は、ミドルプレート29をチャックトップ27へ真空吸着し、さらにチャックトップ27を基部26へ真空吸着してミドルプレート29が搬送ステージ18に対して相対的に移動するのを防止する。
【0070】
次いで、コントローラ17dは、基準位置、第1の距離及び第3の距離に基づいて、ミドルプレート29の中心をポゴフレーム19に装着されたプローブカード20の中心に対向させるために必要な搬送ステージ18の移動量(例えば、第1の距離及び第3の距離の合計)を算出し、算出された移動量に基づいて搬送ステージ18を移動させてミドルプレート29の中心をポゴフレーム19に装着されたプローブカード20の中心に対向させる(図11(C))。
【0071】
次いで、搬送ステージ18を上昇させてミドルプレート29をプローブカード20へ当接させる。具体的には、ミドルプレート29における支持部33aの2段目をプローブカード20の各係合プレート31b、31d、31fへ当接させる(図11(D))。
【0072】
次いで、プローブカード20及びポゴフレーム19の間の真空吸引を停止するとともに、搬送ステージ18を多少降下させてプローブカード20をポゴフレーム19から切り離す(図11(E))。
【0073】
次いで、搬送ステージ18上においてプローブカード20を所定の角度、例えば、15°だけ水平に回転させ(図12(A))、搬送ステージ18によってプローブカード20をさらに下降させた(図12(B))後、搬送ステージ18上においてプローブカード20を所定の角度と逆の角度、例えば、−15°だけ水平に回転させる(図12(C))。
【0074】
次いで、搬送ステージ18をポゴフレーム19の下方から退出させ(図12(D))、本方法を終了する。
【0075】
本実施の形態に係るプローブカード取り外し方法によれば、テスター側カメラ16によって基準位置からミドルプレート29の中心までの第3の距離を確定するので、ミドルプレート29の搬送ステージ18に対する位置ずれの発生を防止する必要がなく、もって位置決めピンやピン穴を設ける必要を無くすことができる。その結果、ミドルプレート29の搬送ステージ18への脱着を容易に行うことができる。
【0076】
上述した本実施の形態に係るプローブカード取り外し方法では、第3の距離が確定された後、ミドルプレート29をチャックトップ27へ真空吸着し、さらにチャックトップ27を基部26へ真空吸着するので、以後の搬送ステージ18の移動においてミドルプレート29が搬送ステージ18に対して相対的に移動することがなく、確定された第3の距離の信頼性を向上することができ、確定された第3の距離に基づいてミドルプレート29をポゴフレーム19に装着されたプローブカード20へ正確に対向させることができる。
【0077】
以上、本発明について、上述した実施の形態を用いて説明したが、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではない。
【0078】
例えば、上述した実施の形態では、プローブカード20のターゲットマーク32やポゴフレーム19のピンマーク24等をカメラ(テスター側カメラ16、ステージ側カメラ28)によって確認したが、ターゲットマーク32やピンマーク24等を確認する手段はカメラに限られず、突起状物の位置を確認できる手段、例えば、センサを用いてもよい。
【0079】
また、上述した実施の形態におけるプローブカード取り付け方法や本プローブカード取り外し方法は複数のテスター15を備えるウエハ検査装置10に適用されたが、テスターを1つのみ備える従来のプローバにも適用することができる。
【0080】
また、本発明の目的は、上述した実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、ウエハ検査装置10が備えるコンピュータ(例えば、コントローラ17d)に供給し、コンピュータのCPUが記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される。
【0081】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が上述した実施の形態の機能を実現することになり、プログラムコード及びそのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0082】
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、RAM、NV−RAM、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD(DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW)等の光ディスク、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、他のROM等の上記プログラムコードを記憶できるものであればよい。或いは、上記プログラムコードは、インターネット、商用ネットワーク、若しくはローカルエリアネットワーク等に接続される不図示の他のコンピュータやデータベース等からダウンロードすることによりコンピュータに供給されてもよい。
【0083】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上記実施の形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、CPU上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって上述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0084】
更に、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって上述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0085】
上記プログラムコードの形態は、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラムコード、OSに供給されるスクリプトデータ等の形態から成ってもよい。
【符号の説明】
【0086】
10 ウエハ検査装置
11 検査室
15 テスター
16 テスター側カメラ
17d コントローラ
18 搬送ステージ
19 ポゴフレーム
20 プローブカード
24 ピンマーク
28 ステージ側カメラ
29 ミドルプレート
32 ターゲットマーク
34 ロケートピン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12