特許第5919840号(P5919840)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ニコンの特許一覧

<>
  • 特許5919840-ズームレンズ及び光学機器 図000002
  • 特許5919840-ズームレンズ及び光学機器 図000003
  • 特許5919840-ズームレンズ及び光学機器 図000004
  • 特許5919840-ズームレンズ及び光学機器 図000005
  • 特許5919840-ズームレンズ及び光学機器 図000006
  • 特許5919840-ズームレンズ及び光学機器 図000007
  • 特許5919840-ズームレンズ及び光学機器 図000008
  • 特許5919840-ズームレンズ及び光学機器 図000009
  • 特許5919840-ズームレンズ及び光学機器 図000010
  • 特許5919840-ズームレンズ及び光学機器 図000011
  • 特許5919840-ズームレンズ及び光学機器 図000012
  • 特許5919840-ズームレンズ及び光学機器 図000013
  • 特許5919840-ズームレンズ及び光学機器 図000014
  • 特許5919840-ズームレンズ及び光学機器 図000015
  • 特許5919840-ズームレンズ及び光学機器 図000016
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5919840
(24)【登録日】2016年4月22日
(45)【発行日】2016年5月18日
(54)【発明の名称】ズームレンズ及び光学機器
(51)【国際特許分類】
   G02B 15/20 20060101AFI20160428BHJP
   G02B 13/18 20060101ALI20160428BHJP
【FI】
   G02B15/20
   G02B13/18
【請求項の数】11
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2012-13568(P2012-13568)
(22)【出願日】2012年1月25日
(65)【公開番号】特開2013-152374(P2013-152374A)
(43)【公開日】2013年8月8日
【審査請求日】2014年10月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004112
【氏名又は名称】株式会社ニコン
(74)【代理人】
【識別番号】100092897
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 正悟
(74)【代理人】
【識別番号】100097984
【弁理士】
【氏名又は名称】川野 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100157417
【弁理士】
【氏名又は名称】並木 敏章
(72)【発明者】
【氏名】石川 貴博
【審査官】 瀬戸 息吹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−085909(JP,A)
【文献】 特開平08−201696(JP,A)
【文献】 特開平08−297244(JP,A)
【文献】 特開2000−121939(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00 − 17/08
G02B 21/02 − 21/04
G02B 25/00 − 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光軸に沿って物体側より順に並んだ、正の屈折力を持つ第1レンズ群と、負の屈折力を持つ第2レンズ群と、正の屈折力を持つ第3レンズ群と、正の屈折力を持つ第4レンズ群とにより実質的に4つのレンズ群からなり、
隣り合うレンズ群の間隔が変化するように、前記第1レンズ群、前記第2レンズ群及び前記第3レンズ群が光軸に沿って移動することにより変倍を行い、
以下の条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。
9.500 < β2T/β2W < 12.000
3.000 < β3T/β3W < 5.000
但し、
β2T:前記第2レンズ群の望遠端状態における横倍率、
β2W:前記第2レンズ群の広角端状態における横倍率、
β3T:前記第3レンズ群の望遠端状態における横倍率、
β3W:前記第3レンズ群の広角端状態における横倍率。
【請求項2】
光軸に沿って物体側より順に並んだ、正の屈折力を持つ第1レンズ群と、負の屈折力を持つ第2レンズ群と、正の屈折力を持つ第3レンズ群と、正の屈折力を持つ第4レンズ群とにより実質的に4つのレンズ群からなり、
隣り合うレンズ群の間隔が変化するように、前記第1レンズ群、前記第2レンズ群及び前記第3レンズ群が光軸に沿って移動することにより変倍を行い、
以下の条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。
8.000 < β2T/β2W < 12.000
2.000 < β3T/β3W < 5.000
0.000 < f3/fT ≦0.104
但し、
β2T:前記第2レンズ群の望遠端状態における横倍率、
β2W:前記第2レンズ群の広角端状態における横倍率、
β3T:前記第3レンズ群の望遠端状態における横倍率、
β3W:前記第3レンズ群の広角端状態における横倍率、
f3:前記第3レンズ群の焦点距離、
fT:望遠端状態における全系での合成焦点距離。
【請求項3】
光軸に沿って物体側より順に並んだ、正の屈折力を持つ第1レンズ群と、負の屈折力を持つ第2レンズ群と、正の屈折力を持つ第3レンズ群と、正の屈折力を持つ第4レンズ群とにより実質的に4つのレンズ群からなり、
隣り合うレンズ群の間隔が変化するように、前記第1レンズ群、前記第2レンズ群及び前記第3レンズ群が光軸に沿って移動することにより変倍を行い、
前記第1レンズ群は、光軸に沿って物体側より順に並んだ、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の負レンズと、両凸形状の正レンズと、物体側に凸面を向けた第1の正メニスカスレンズと、物体側に凸面を向けた第2の正メニスカスレンズとから構成され、
以下の条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。
8.000 < β2T/β2W < 12.000
2.000 < β3T/β3W < 5.000
但し、
β2T:前記第2レンズ群の望遠端状態における横倍率、
β2W:前記第2レンズ群の広角端状態における横倍率、
β3T:前記第3レンズ群の望遠端状態における横倍率、
β3W:前記第3レンズ群の広角端状態における横倍率。
【請求項4】
以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1または3に記載のズームレンズ。
0.000 < f3/fT <0.180
但し、
f3:前記第3レンズ群の焦点距離、
fT:望遠端状態における全系での合成焦点距離。
【請求項5】
以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のズームレンズ。
1.000 < (β2T/β2W)/(β3T/β3W) < 4.000
【請求項6】
前記第1レンズ群は、光軸に沿って物体側より順に並んだ、負レンズと、正レンズとを有し、
以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のズームレンズ。
0.000 < (−f1c)/f1 < 250.000
但し、
f1c:前記第1レンズ群の前記負レンズと前記正レンズとの合成焦点距離、
f1:前記第1レンズ群の焦点距離。
【請求項7】
以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のズームレンズ。
0.400 < f1/fT < 0.500
但し、
f1:前記第1レンズ群の焦点距離、
fT:望遠端状態における全系での合成焦点距離。
【請求項8】
前記第1レンズ群は、光軸に沿って物体側より順に並んだ、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の負レンズと、両凸形状の正レンズと、物体側に凸面を向けた第1の正メニスカスレンズと、物体側に凸面を向けた第2の正メニスカスレンズとから構成され、
以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のズームレンズ。
0.000 < f13/f14 < 5.000
但し、
f13:前記第1レンズ群の前記第1の正メニスカスレンズの焦点距離、
f14:前記第1レンズ群の前記第2の正メニスカスレンズの焦点距離。
【請求項9】
前記第1レンズ群は、光軸に沿って物体側より順に並んだ、負レンズと、正レンズとを有し、
前記負レンズと前記正レンズとは、接合されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のズームレンズ。
【請求項10】
前記第3レンズ群は、少なくとも1枚の非球面レンズを有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のズームレンズ。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一項に記載のズームレンズを搭載することを特徴とする光学機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ズームレンズ及び光学機器に関する。
【背景技術】
【0002】
ビデオカメラや電子スチルカメラ等の撮影レンズとして用いるズームレンズでは、小型化、高変倍化が図られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−85909号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、ズームレンズでは、さらなる高倍率化が望まれている。
【0005】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、固体撮像素子等を用いたビデオカメラや電子スチルカメラ等に好適で、従来と比べて大きな変倍比を有し、小型で、超高画質で、高倍率なズームレンズ及び光学機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的を達成するため、第1の発明に係るズームレンズは、光軸に沿って物体側より順に並んだ、正の屈折力を持つ第1レンズ群と、負の屈折力を持つ第2レンズ群と、正の屈折力を持つ第3レンズ群と、正の屈折力を持つ第4レンズ群とにより実質的に4つのレンズ群からなり、隣り合うレンズ群の間隔が変化するように、前記第1レンズ群、前記第2レンズ群及び前記第3レンズ群が光軸に沿って移動することにより変倍を行い、次の条件式を満足する。
【0007】
9.500 < β2T/β2W < 12.000
3.000 < β3T/β3W < 5.000
但し、
β2T:前記第2レンズ群の望遠端状態における横倍率、
β2W:前記第2レンズ群の広角端状態における横倍率、
β3T:前記第3レンズ群の望遠端状態における横倍率、
β3W:前記第3レンズ群の広角端状態における横倍率。
【0008】
また、第2の発明に係るズームレンズは、光軸に沿って物体側より順に並んだ、正の屈折力を持つ第1レンズ群と、負の屈折力を持つ第2レンズ群と、正の屈折力を持つ第3レンズ群と、正の屈折力を持つ第4レンズ群とにより実質的に4つのレンズ群からなり、隣り合うレンズ群の間隔が変化するように、前記第1レンズ群、前記第2レンズ群及び前記第3レンズ群が光軸に沿って移動することにより変倍を行い、次の条件式を満足する。
【0009】
8.000 < β2T/β2W < 12.000
2.000 < β3T/β3W < 5.000
0.000 < f3/fT ≦0.104
但し、
β2T:前記第2レンズ群の望遠端状態における横倍率、
β2W:前記第2レンズ群の広角端状態における横倍率、
β3T:前記第3レンズ群の望遠端状態における横倍率、
β3W:前記第3レンズ群の広角端状態における横倍率、
f3:前記第3レンズ群の焦点距離、
fT:望遠端状態における全系での合成焦点距離。
【0010】
また、第3の発明に係るズームレンズは、光軸に沿って物体側より順に並んだ、正の屈折力を持つ第1レンズ群と、負の屈折力を持つ第2レンズ群と、正の屈折力を持つ第3レンズ群と、正の屈折力を持つ第4レンズ群とにより実質的に4つのレンズ群からなり、隣り合うレンズ群の間隔が変化するように、前記第1レンズ群、前記第2レンズ群及び前記第3レンズ群が光軸に沿って移動することにより変倍を行い、前記第1レンズ群は、光軸に沿って物体側より順に並んだ、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の負レンズと、両凸形状の正レンズと、物体側に凸面を向けた第1の正メニスカスレンズと、物体側に凸面を向けた第2の正メニスカスレンズとから構成され、次の条件式を満足する。
【0011】
8.000 < β2T/β2W < 12.000
2.000 < β3T/β3W < 5.000
但し、
β2T:前記第2レンズ群の望遠端状態における横倍率、
β2W:前記第2レンズ群の広角端状態における横倍率、
β3T:前記第3レンズ群の望遠端状態における横倍率、
β3W:前記第3レンズ群の広角端状態における横倍率。
【0020】
本発明は、上記いずれかのズームレンズを搭載することを特徴とする光学機器(例えば、本実施形態におけるデジタルスチルカメラCAM)を提供する。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、固体撮像素子等を用いたビデオカメラや電子スチルカメラ等に好適で、従来と比べて大きな変倍比を有し、小型で、超高画質で、高倍率なズームレンズ及び光学機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】第1実施例に係るズームレンズの構成及び広角端状態(W)から望遠端状態(T)までのズーム軌道を示す図である。
図2】第1実施例に係るズームレンズの諸収差図であり、(a)は広角端状態における撮影距離無限遠での諸収差図であり、(b)は広角端側の中間焦点距離状態における撮影距離無限遠での諸収差図である。
図3】第1実施例に係るズームレンズの諸収差図であり、(a)は望遠端側の中間焦点距離状態における撮影距離無限遠での諸収差図であり、(b)は望遠端状態における撮影距離無限遠での諸収差図である。
図4】第2実施例に係るズームレンズの構成及び広角端状態(W)から望遠端状態(T)までのズーム軌道を示す図である。
図5】第2実施例に係るズームレンズの諸収差図であり、(a)は広角端状態における撮影距離無限遠での諸収差図であり、(b)は広角端側の中間焦点距離状態における撮影距離無限遠での諸収差図である。
図6】第2実施例に係るズームレンズの諸収差図であり、(a)は望遠端側の中間焦点距離状態における撮影距離無限遠での諸収差図であり、(b)は望遠端状態における撮影距離無限遠での諸収差図である。
図7】第3実施例に係るズームレンズの構成及び広角端状態(W)から望遠端状態(T)までのズーム軌道を示す図である。
図8】第3実施例に係るズームレンズの諸収差図であり、(a)は広角端状態における撮影距離無限遠での諸収差図であり、(b)は広角端側の中間焦点距離状態における撮影距離無限遠での諸収差図である。
図9】第3実施例に係るズームレンズの諸収差図であり、(a)は望遠端側の中間焦点距離状態における撮影距離無限遠での諸収差図であり、(b)は望遠端状態における撮影距離無限遠での諸収差図である。
図10】第4実施例に係るズームレンズの構成及び広角端状態(W)から望遠端状態(T)までのズーム軌道を示す図である。
図11】第4実施例に係るズームレンズの諸収差図であり、(a)は広角端状態における撮影距離無限遠での諸収差図であり、(b)は広角端側の中間焦点距離状態における撮影距離無限遠での諸収差図である。
図12】第4実施例に係るズームレンズの諸収差図であり、(a)は望遠端側の中間焦点距離状態における撮影距離無限遠での諸収差図であり、(b)は望遠端状態における撮影距離無限遠での諸収差図である。
図13】本実施形態に係るズームレンズを搭載するデジタルカメラ(光学機器)を説明する図であり、(a)は正面図であり、(b)は背面図である。
図14図13(a)のA−A´線に沿った断面図である。
図15】本実施形態に係るズームレンズの製造方法を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、実施形態について、図面を参照しながら説明する。本実施形態に係るズームレンズZLは、図1に示すように、光軸に沿って物体側より順に並んだ、正の屈折力を持つ第1レンズ群G1と、負の屈折力を持つ第2レンズ群G2と、正の屈折力を持つ第3レンズ群G3と、正の屈折力を持つ第4レンズ群G4とを有し、第1レンズ群G1、第2レンズ群G2及び第3レンズ群G3が光軸に沿って移動することにより変倍を行い、次の条件式(1),(2)を満足する。
【0026】
8.000 < β2T/β2W < 12.000 …(1)
2.000 < β3T/β3W < 5.000 …(2)
但し、
β2T:第2レンズ群G2の望遠端状態における横倍率、
β2W:第2レンズ群G2の広角端状態における横倍率、
β3T:第3レンズ群G3の望遠端状態における横倍率、
β3W:第3レンズ群G3の広角端状態における横倍率。
【0027】
条件式(1)は、第2レンズ群G2における、望遠端状態での横倍率β2Tと、広角端状態での横倍率β2Wとの比を規定したものである。条件式(1)の上限値を上回ると、広角端状態における歪曲収差及びコマ収差が増大し、補正が困難となる。一方、条件式(1)の下限値を下回ると、第3レンズ群G3の倍率変動量が大きくなり、球面収差の変動が大きくなるため、良好な光学性能を得ることが困難となる。
【0028】
上記実施形態の効果を確実なものとするために、条件式(1)の上限値を11.5とすることが好ましい。上記実施形態の効果を確実なものとするために、条件式(1)の下限値を9.5とすることが好ましい。
【0029】
条件式(2)は、第3レンズ群G3における、望遠端状態での横倍率β3Tと、広角端状態での横倍率β3Wとの比を規定したものである。条件式(2)の上限値を上回ると、第3レンズ群G3の移動量が大きくなり、光学系全長が増大する。また、変倍による球面収差の変動が大きくなり、好ましくない。一方、条件式(2)の下限値を下回ると、広角端状態での歪曲収差やコマ収差の補正が困難になる。
【0030】
上記実施形態の効果を確実なものとするために、条件式(2)の上限値を4.500とすることが好ましい。上記実施形態の効果を確実なものとするために、条件式(2)の下限値を3.000とすることが好ましい。
【0031】
本実施形態のズームレンズZLは、次の条件式(3)を満足することが好ましい。
【0032】
1.000 < (β2T/β2W)/(β3T/β3W) < 4.000 …(3)
【0033】
条件式(3)は、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3の変倍による倍率変化の比を規定したものである。条件式(3)の上限値を上回ると、コマ収差の補正が困難となる。一方、条件式(3)の下限値を下回ると、変倍に対する第3レンズ群G3の影響が大きくなり、第3レンズ群G3の移動量が増え光学系全長が増大する。また、球面収差の補正が困難となる。
【0034】
上記実施形態の効果を確実なものとするために、条件式(3)の上限値を3.500とすることが好ましい。上記実施形態の効果を確実なものとするために、条件式(3)の下限値を2.000とすることが好ましい。
【0035】
本実施形態のズームレンズZLは、第1レンズ群G1が、最も物体側から順に連続して並んだ、負レンズL11と、正レンズL12とを有し、次の条件式(4)を満足することが好ましい。
【0036】
0.000 < (−f1c)/f1 < 250.000 …(4)
但し、
f1c:第1レンズ群G1を構成する(最も物体側から順に連続して並んだ)負レンズL11と正レンズL12との合成焦点距離、
f1:第1レンズ群G1の焦点距離。
【0037】
条件式(4)は、第1レンズ群G1の焦点距離と、第1レンズ群G1の最も物体側から連続して並んだ負レンズL11と正レンズL12との合成焦点距離との比を規定したものである。条件式(4)の上限値を上回ると、倍率色収差の補正が困難となる。一方、条件式(4)の下限値を下回っても、同様に、倍率色収差の補正が困難となる。
【0038】
上記実施形態の効果を確実なものとするために、条件式(4)の上限値を220.0とすることが好ましい。上記実施形態の効果を確実なものとするために、条件式(4)の下限値を10.0とすることが好ましい。
【0039】
本実施形態のズームレンズZLは、次の条件式(5)を満足することが好ましい。
【0040】
0.400 < f1/fT < 0.500 …(5)
但し、
f1:第1レンズ群G1の焦点距離、
fT:望遠端状態における全系での合成焦点距離。
【0041】
条件式(5)は、望遠端状態における全系での焦点距離fTと、第1レンズ群G1の焦点距離f1との比を規定したものである。条件式(5)の上限値を上回ると、第1レンズ群G1のパワーが弱くなり、光学系全長が長くなるとともに、非点収差、歪曲収差、倍率色収差といった軸外収差の補正が困難となる。条件式(5)の下限値を下回ると、第1レンズ群G1のパワーが強くなり、非点収差、歪曲収差、倍率色収差といった軸外収差の補正が困難となる。
【0042】
上記実施形態の効果を確実なものとするために、条件式(5)の上限値を0.470とすることが好ましい。上記実施形態の効果を確実なものとするために、条件式(5)の下限値を0.420とすることが好ましい。
【0043】
本実施形態のズームレンズZLは、次の条件式(6)を満足することが好ましい。
【0044】
0.000 < f3/fT <0.180 …(6)
但し、
f3:第3レンズ群G3の焦点距離、
fT:望遠端状態における全系での合成焦点距離。
【0045】
条件式(6)は、望遠端状態における全系での焦点距離fTと、第3レンズ群G3の焦点距離f3との比を規定したものである。条件式(6)の上限値を上回ると、第3レンズ群G3のパワーが弱くなり、変倍時の第3レンズ群G3のレンズ移動量が大きくなり、光学系全長が増大する。また、望遠端状態における非点収差やコマ収差の補正が困難になる。一方、条件式(6)の下限値を下回ると、第3レンズ群G3のパワーが強くなり、ズーム全域での球面収差の補正が困難となる。
【0046】
上記実施形態の効果を確実なものとするために、条件式(6)の上限値を0.12とすることが好ましい。上記実施形態の効果を確実なものとするために、条件式(6)の下限値を0.05とすることが好ましい。
【0047】
本実施形態のズームレンズZLは、第1レンズ群G1が、光軸に沿って物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11と、両凸形状の正レンズL12と、物体側に凸面を向けた第1の正メニスカスレンズL13と、物体側に凸面を向けた第2の正メニスカスレンズL14とから構成され、次の条件式(7)を満足することが好ま
しい。
【0048】
0.000 < f13/f14 < 5.000 …(7)
但し、
f13:第1レンズ群G1を構成する第1の正メニスカスレンズL13の焦点距離、
f14:第1レンズ群G1を構成する第2の正メニスカスレンズL14の焦点距離。
【0049】
条件式(7)は、第1レンズ群G1を構成する、第1の正メニスカスレンズL13の焦点距離と、第2の正メニスカスレンズL14焦点距離との比を規定したものである。条件式(7)の上限値を上回ると、倍率色収差の補正が困難となる。一方、条件式(7)の下限値を下回っても、同様に、倍率色収差の補正が困難となる。
【0050】
上記実施形態の効果を確実なものとするために、条件式(7)の上限値を2.500とすることが好ましい。上記実施形態の効果を確実なものとするために、条件式(7)の下限値を0.500とすることが好ましい。
【0051】
本実施形態のズームレンズZLは、第1レンズ群G1を構成する、最も物体側から順に連続して並んだ負レンズL11と正レンズL12とが接合されていることが好ましい。この構成により、倍率色収差を良好に補正することができる。また、偏芯等の製造誤差による光学性能の劣化を減ずることができる。
【0052】
本実施形態のズームレンズZLは、第3レンズ群G3が、少なくとも1枚の非球面レンズを有することが好ましい。この構成により、ズーミングによる球面収差の変動を良好に補正することができる。
【0053】
図13及び図14に、上述のズームレンズZLを備える光学機器として、デジタルスチルカメラCAM(光学機器)の構成を示す。デジタルスチルカメラCAMは、不図示の電源釦を押すと、撮影レンズ(ズームレンズZL)の不図示のシャッタが開放されて、ズームレンズZLで被写体(物体)からの光が集光され、像面I(図1参照)に配置された撮像素子C(例えば、CCDやCMOS等)に結像される。撮像素子Cに結像された被写体像は、デジタルスチルカメラCAMの背後に配置された液晶モニターMに表示される。撮影者は、液晶モニターMを見ながら被写体像の構図を決めた後、レリーズ釦B1を押し下げて被写体像を撮像素子Cで撮影し、不図示のメモリーに記録保存する。
【0054】
このカメラCAMには、被写体が暗い場合に補助光を発光する補助光発光部EF、撮影レンズZLを広角端状態(W)から望遠端状態(T)にズーミングする際のワイド(W)−テレ(T)ボタンB2、及び、デジタルスチルカメラCAMの種々の条件設定等に使用するファンクションボタンB3等が配置されている。図13では、カメラCAMとズームレンズZLとが一体に成形されたコンパクトタイプのカメラを例示したが、光学機器としては、ズームレンズZLを有するレンズ鏡筒とカメラボディ本体とが着脱可能な一眼レフカメラでも良い。
【0055】
続いて、図15を参照しながら、上述のズームレンズZLの製造方法について説明する。まず、鏡筒内に、第1レンズ群G1と、第2レンズ群G2と、第3レンズ群G3と、第4レンズ群とを組み込む(ステップST10)。この組み込みステップにおいて、第1レンズ群G1が正の屈折力を持ち、第2レンズ群G2が負の屈折力を持ち、第3レンズ群G3が正の屈折力を持ち、第4レンズ群G4が正の屈折力を持つように、各レンズを組み込む。次に、第1レンズ群G1、第2レンズ群G2及び第3レンズ群G3が光軸に沿って移動することにより変倍を行うように、各レンズを組み込む(ステップST20)。そして、以下の条件式(1),(2)を満足するように、各レンズを組み込む(ステップST3
0)。
【0056】
8.0 < β2T/β2W < 12.0
2.0 < β3T/β3W < 5.0
但し、
β2T:第2レンズ群G2の望遠端状態における横倍率、
β2W:第2レンズ群G2の広角端状態における横倍率、
β3T:第3レンズ群G3の望遠端状態における横倍率、
β3W:第3レンズ群G3の広角端状態における横倍率。
【0057】
ここで、本実施形態におけるレンズ配置の一例を挙げると、図1に示すように、第1レンズ群G1として、光軸に沿って物体側から順に並んで、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11と両凸形状の正レンズL12との接合レンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL14とを配置した。第2レンズ群G2として、光軸に沿って物体側から順に並んで、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL21と、両凹形状の負レンズL22と、両凸形状の正レンズL23と両凹形状の負レンズL24との接合レンズとを配置した。第3レンズ群G3として、光軸に沿って物体側から順に並んで、両凸形状の正レンズL31と、両凸形状の正レンズL32と両凹形状の負レンズL33との接合レンズと、両凸形状の正レンズL34とを配置した。第4レンズ群G4として、光軸に沿って物体側から順に並んで、両凸形状の正レンズL41と両凹形状の負レンズL42との接合レンズを配置した。そして、条件式(1)に対応する値が11.428、条件式(2)に対応する値が3.346となるように、各レンズを組み込んでいる。
【0058】
以上のような本実施形態に係るズームレンズの製造方法によれば、固体撮像素子等を用いたビデオカメラや電子スチルカメラ等に好適で、従来と比べて大きな変倍比を有し、小型で、超高画質で、高倍率なズームレンズを得ることができる。
【実施例】
【0059】
以下、本実施形態に係る各実施例について、図面に基づいて説明する。以下に、表1〜表4を示すが、これらは第1実施例〜第4実施例における各諸元の表である。
【0060】
表中の[レンズ諸元]において、面番号は光線の進行する方向に沿った物体側からの光学面の順序を、Rは各光学面の曲率半径を、Dは各光学面から次の光学面(又は像面)までの光軸上の距離である面間隔を、ndはレンズの材質のd線(波長587.56nm)に対する屈折率を、νdはレンズの材質のd線(波長587.56nm)を基準とするアッベ数を示す。物面は物体面を、(可変)は可変の面間隔を、曲率半径Rの欄の「∞」は平面又は開口を、(絞りS)は開口絞りSを、像面は像面Iを示す。空気の屈折率「1.000000」は省略する。レンズ面が非球面である場合には面番号に*印を付し、曲率半径Rの欄には近軸曲率半径を示す。
【0061】
表中の[非球面データ]には、[レンズ諸元]に示した非球面について、その形状を次式(a)で示す。X(y)は非球面の頂点における接平面から高さyにおける非球面上の位置までの光軸方向に沿った距離を、Rは基準球面の曲率半径(近軸曲率半径)を、κは円錐定数を、Aiは第i次の非球面係数を示す。「E-n」は「×10-n」を示す。例えば、1.234E-05=1.234×10-5である。
【0062】
X(y)=y2/[R×{1+(1−κ×y2/R21/2}]
+A4×y4+A6×y6+A8×y8+A10×y10 …(a)
【0063】
表中の[全体諸元]において、fは焦点距離を、FNoはFナンバーを、ωは半画角を、Yは像高を、TLはレンズ全長を、Bfは最も像面側に配置されている光学部材の像面側の面から近軸像面までの距離を、Bf(空気換算)は最終光学面から近軸像面までの空気換算した際の距離を示す。
【0064】
表中の[ズーミングデータ]において、広角端状態、中間焦点距離状態(中間位置1、中間位置2)及び望遠端状態の各状態における、Di(但し、iは整数)は第i面と第(i+1)面の可変間隔を示す。
【0065】
表中の[ズームレンズ群データ]において、Gは群番号、群初面は各群の最も物体側の面番号を、群焦点距離は各群の焦点距離を、レンズ構成長は各群の最も物体側の光学面から最も像側の光学面までの光軸上での距離を示す。
【0066】
表中の[条件式]において、上記の条件式(1)〜(7)に対応する値を示す。
【0067】
以下、全ての諸元値において、掲載されている焦点距離f、曲率半径R、面間隔D、その他の長さ等は、特記のない場合一般に「mm」が使われるが、光学系は比例拡大又は比例縮小しても同等の光学性能が得られるので、これに限られるものではない。単位は「mm」に限定されることなく、他の適当な単位を用いることが可能である。
【0068】
ここまでの表の説明は全ての実施例において共通であり、以下での説明を省略する。
【0069】
(第1実施例)
第1実施例について、図1図3及び表1を用いて説明する。図1は、第1実施例に係るズームレンズZL(ZL1)の構成及び広角端状態(W)から望遠端状態(T)までのズーム軌道を示す。第1実施例に係るズームレンズZL1は、図1に示すように、光軸に沿って物体側から順に並んだ、正の屈折力を持つ第1レンズ群G1と、負の屈折力を持つ第2レンズ群G2と、光量を調節することを目的とした開口絞りSと、正の屈折力を持つ第3レンズ群G3と、正の屈折力を持つ第4レンズ群G4とを有する。
【0070】
第1レンズ群G1は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11と両凸形状の正レンズL12との接合レンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL14とから構成されている。
【0071】
第2レンズ群G2は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL21と、両凹形状の負レンズL22と、両凸形状の正レンズL23と両凹形状の負レンズL24との接合レンズとから構成されている。
【0072】
第3レンズ群G3は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、両凸形状の正レンズL31と、両凸形状の正レンズL32と両凹形状の負レンズL33との接合レンズと、両凸形状の正レンズL34とから構成されている。
【0073】
第4レンズ群G4は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、両凸形状の正レンズL41と両凹形状の負レンズL42との接合レンズから構成されている。
【0074】
第4レンズ群G4と像面Iとの間に、像面Iに配設されるCCD等の、固体撮像素子C(図14参照)の限界解像以上の空間周波数をカットするためのローパスフィルターや赤外カットフィルター等のガラスブロックGBを有する。
【0075】
このような構成のズームレンズZL1では、広角端状態から望遠端状態へのズーミングに際して、4つの群G1〜G4がすべて移動する。第1レンズ群G1は、一旦像面側に移動し、その後物体側へ移動する。第2レンズ群G2は、一旦像面側に移動し、その後物体側へ移動する。第3レンズ群G3は、物体側へ移動する。第4レンズ群G4は、一旦物体側に移動し、その後像面側へ移動する。明るさを決定する開口絞りSは、ズーミングに際して、第3レンズ群G3と一体となって、物体側へ移動する。
【0076】
下記の表1に、第1実施例における各諸元の値を示す。表1における面番号1〜29が、図1に示す曲率半径R1〜R29の各光学面に対応している。第1実施例では、第16面、第17面及び第23面が、非球面形状に形成されている。
【0077】
(表1)
[レンズ諸元]
面番号 R D nd νd
物面 ∞
1 412.30075 1.8000 1.910820 35.25
2 77.68700 4.9000 1.497820 82.57
3 -223.83094 0.2000
4 75.01111 3.4000 1.593190 67.90
5 499.88766 0.2000
6 48.85931 3.7000 1.497820 82.57
7 163.17602 D7(可変)
8 165.36645 1.0000 1.883000 40.66
9 8.17164 4.4000
10 -32.79256 0.9000 1.772500 49.62
11 32.79246 0.2000
12 16.09628 4.2000 1.805180 25.45
13 -16.09150 1.0000 1.883000 40.66
14 127.68134 D14(可変)
15(絞りS) ∞ 0.7500
*16(非球面) 9.81373 2.7000 1.592010 67.05
*17(非球面) -68.66479 0.2000
18 9.70432 2.8000 1.497820 82.57
19 -145.68100 0.8000 1.834000 37.18
20 7.04759 1.0000
21 34.45254 1.5000 1.696800 55.52
22 -81.24847 D22(可変)
*23(非球面) 19.15655 2.6000 1.589130 61.24
24 -14.15100 0.8000 1.806100 40.97
25 -97.95614 D25(可変)
26 ∞ 0.2100 1.516800 63.88
27 ∞ 1.2180
28 ∞ 0.5000 1.516800 63.88
29 ∞ Bf
像面 ∞

[非球面データ]
第16面
κ=0.1984,A4=3.17120E-05,A6=7.05970E-08,A8=0.00000E+00,A10=0.00000E+00
第17面
κ=1.0000,A4=2.57380E-05,A6=-1.94070E-07,A8=0.00000E+00,A10=0.00000E+00
第23面
κ=1.0000,A4=1.83790E-05,A6=4.45010E-07,A8=0.00000E+00,A10=0.00000E+00

[全体諸元]
ズーム比 39.9886
広角端 中間位置1 中間位置2 望遠端
f 4.40980 14.72028 48.49180 176.34171
FNo 2.95264 3.89687 4.70155 5.92411
ω 44.16109 14.40594 4.84247 1.29650
Y 7.00000 7.80000 7.80000 7.80000
TL 92.98918 97.96238 121.39314 137.60557
Bf 0.54001 0.56750 0.52297 0.53000
Bf(空気換算) 2.22610 2.25359 2.20906 2.21609

[ズーミングデータ]
可変間隔 広角端 中間位置1 中間位置2 望遠端
D7 0.79232 19.42241 43.88299 57.39749
D14 38.06029 14.21343 6.32958 1.84990
D22 7.55011 8.83913 7.76965 33.23994
D25 5.06845 13.94191 21.90995 3.61024

[ズームレンズ群データ]
群番号 群初面 群焦点距離 レンズ構成長
G1 1 76.09594 14.2
G2 8 -8.63242 11.7
G3 16 18.32034 9.0
G4 23 41.75620 3.4

[条件式]
条件式(1) β2T/β2W = 11.428
条件式(2) β3T/β3W = 3.346
条件式(3) (β2T/β2W)/(β3T/β3W) = 3.416
条件式(4) (−f1c)/f1 = 15.387
条件式(5) f1/fT = 0.432
条件式(6) f3/fT = 0.104
条件式(7) f13/f14 = 1.070
【0078】
表1から、本実施例に係るズームレンズZL1では、上記条件式(1)〜(7)を満たすことが分かる。
【0079】
図2図3は、第1実施例に係るズームレンズZL1の諸収差図である。図2(a)は広角端状態における撮影距離無限遠での諸収差図であり、図2(b)は広角端側の中間焦点距離状態(中間位置1)における撮影距離無限遠での諸収差図であり、図3(a)は望遠端側の中間焦点距離状態(中間位置2)における撮影距離無限遠での諸収差図であり、図3(b)は望遠端状態における撮影距離無限遠での諸収差図である。
【0080】
各収差図において、FNOはFナンバーを、Yは像高を示す。d,g,C,Fは、それぞれd線(波長587.6nm),g線(波長435.8nm),C線(波長656.3nm),F線(波長486.1nm)における収差を示す。また、記載のないものは、d線における収差を示す。球面収
差図において、実線は球面収差を、破線は正弦条件を示す。非点収差図において、実線はサジタル像面を、破線はメリジオナル像面を示す。コマ収差図において、実線はメリジオナルコマを示す。これら収差図に関する説明は、他の実施例においても同様とし、その説明を省略する。
【0081】
各収差図から明らかなように、第1実施例では、広角端状態から望遠端状態までの各焦点距離状態において、諸収差が良好に補正され、優れた光学性能を有することが分かる。
【0082】
(第2実施例)
第2実施例について、図4図6及び表2を用いて説明する。図4は、第2実施例に係るズームレンズZL(ZL2)の構成及び広角端状態(W)から望遠端状態(T)までのズーム軌道を示す。第2実施例に係るズームレンズZL2は、図4に示すように、光軸に沿って物体側から順に並んだ、正の屈折力を持つ第1レンズ群G1と、負の屈折力を持つ第2レンズ群G2と、光量を調節することを目的とした開口絞りSと、正の屈折力を持つ第3レンズ群G3と、正の屈折力を持つ第4レンズ群G4とを有する。
【0083】
第1レンズ群G1は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11と両凸形状の正レンズL12との接合レンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL14とから構成されている。
【0084】
第2レンズ群G2は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL21と、両凹形状の負レンズL22と、両凸形状の正レンズL23と両凹形状の負レンズL24との接合レンズとから構成されている。
【0085】
第3レンズ群G3は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、両凸形状の正レンズL31と、両凸形状の正レンズL32と両凹形状の負レンズL33との接合レンズと、両凸形状の正レンズL34とから構成されている。
【0086】
第4レンズ群G4は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、両凸形状の正レンズL41と両凹形状の負レンズL42との接合レンズから構成されている。
【0087】
第4レンズ群G4と像面Iとの間に、像面Iに配設されるCCD等の、固体撮像素子C(図14参照)の限界解像以上の空間周波数をカットするためのローパスフィルターや赤外カットフィルター等のガラスブロックGBを有する。
【0088】
このような構成のズームレンズZL2では、広角端状態から望遠端状態へのズーミングに際して、4つの群G1〜G4がすべて移動する。第1レンズ群G1は、一旦像面側に移動し、その後物体側へ移動する。第2レンズ群G2は、一旦像面側に移動し、その後物体側へ移動する。第3レンズ群G3は、物体側へ移動する。第4レンズ群G4は、一旦物体側に移動し、その後像面側へ移動する。明るさを決定する開口絞りSは、ズーミングに際して、第3レンズ群G3と一体となって、物体側へ移動する。
【0089】
下記の表2に、第2実施例における各諸元の値を示す。表2における面番号1〜29が、図4に示す曲率半径R1〜R29の各光学面に対応している。第2実施例では、第16面、第17面及び第23面が、非球面形状に形成されている。
【0090】
(表2)
[レンズ諸元]
面番号 R D nd νd
物面 ∞
1 283.06952 1.8000 1.910820 35.25
2 72.60510 4.5000 1.497820 82.57
3 -304.35686 0.2000
4 84.52853 3.1000 1.593190 67.90
5 568.82459 0.1000
6 46.26078 3.4000 1.497820 82.57
7 180.94577 D7(可変)
8 179.45982 1.1000 1.883000 40.66
9 8.25988 4.7000
10 -34.37822 0.9000 1.772500 49.62
11 33.00000 0.2000
12 16.18455 4.3000 1.805180 25.45
13 -16.76824 1.0000 1.883000 40.66
14 113.85579 D14(可変)
15(絞りS) ∞ 0.7500
*16(非球面) 9.71915 2.7000 1.592010 67.05
*17(非球面) -44.55755 0.2000
18 9.84576 2.6000 1.497820 82.57
19 -92.91989 1.0000 1.834000 37.18
20 7.10012 1.1000
21 211.67189 1.6000 1.622990 58.12
22 -32.06775 D22(可変)
*23(非球面) 16.78819 2.6000 1.583130 59.44
24 -52.89708 0.8000 1.801000 34.92
25 79.14781 D25(可変)
26 ∞ 0.2100 1.516800 63.88
27 ∞ 0.3900
28 ∞ 0.5000 1.516800 63.88
29 ∞ Bf
像面 ∞

[非球面データ]
第16面
κ=-0.5897,A4=0.00000E+00,A6=1.22900E-04,A8=1.00000E-10,A10=0.00000E+00
第17面
κ=1.0000,A4=0.00000E+00,A6=3.15630E-05,A8=0.00000E+00,A10=0.00000E+00
第23面
κ=1.0000,A4=0.00000E+00,A6=9.02550E-07,A8=8.28710E-08,A10=0.00000E+00

[全体諸元]
ズーム比 39.9999
広角端 中間位置1 中間位置2 望遠端
f 4.40751 15.75000 47.65007 176.29995
FNo 3.02205 4.08208 4.83707 6.03400
ω 43.89468 15.37917 4.76117 1.29699
Y 7.00000 7.80000 7.80000 7.80000
TL 94.06373 99.20994 118.35183 135.38379
Bf 0.52998 0.53000 0.53004 0.53001
Bf(空気換算) 1.38807 1.38809 1.38813 1.38810

[ズーミングデータ]
可変間隔 広角端 中間位置1 中間位置2 望遠端
D7 0.90012 21.99174 42.53034 57.00992
D14 39.65400 14.41779 6.45605 1.85000
D22 8.63375 7.55812 5.13598 33.14971
D25 4.99588 15.36228 24.34942 3.49414

[ズームレンズ群データ]
群番号 群初面 群焦点距離 レンズ構成長
G1 1 75.48616 13.1
G2 8 -8.68323 11.2
G3 16 18.33665 9.2
G4 23 46.90145 3.0

[条件式]
条件式(1) β2T/β2W = 11.461
条件式(2) β3T/β3W = 3.356
条件式(3) (β2T/β2W)/(β3T/β3W) = 3.415
条件式(4) (−f1c)/f1 = 16.341
条件式(5) f1/fT = 0.428
条件式(6) f3/fT = 0.104
条件式(7) f13/f14 = 0.955
【0091】
表2から、本実施例に係るズームレンズZL2では、上記条件式(1)〜(7)を満たすことが分かる。
【0092】
図5図6は、第2実施例に係るズームレンズZL2の諸収差図である。図5(a)は広角端状態における撮影距離無限遠での諸収差図であり、図5(b)は広角端側の中間焦点距離状態(中間位置1)における撮影距離無限遠での諸収差図であり、図6(a)は望遠端側の中間焦点距離状態(中間位置2)における撮影距離無限遠での諸収差図であり、図6(b)は望遠端状態における撮影距離無限遠での諸収差図である。
【0093】
各収差図から明らかなように、第2実施例では、広角端状態から望遠端状態までの各焦点距離状態において、諸収差が良好に補正され、優れた光学性能を有することが分かる。
【0094】
(第3実施例)
第3実施例について、図7図9及び表3を用いて説明する。図7は、第3実施例に係るズームレンズZL(ZL3)の構成及び広角端状態(W)から望遠端状態(T)までのズーム軌道を示す。第3実施例に係るズームレンズZL3は、図7に示すように、光軸に沿って物体側から順に並んだ、正の屈折力を持つ第1レンズ群G1と、負の屈折力を持つ第2レンズ群G2と、光量を調節することを目的とした開口絞りSと、正の屈折力を持つ第3レンズ群G3と、正の屈折力を持つ第4レンズ群G4とを有する。
【0095】
第1レンズ群G1は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11と両凸形状の正レンズL12との接合レンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL14とから構成されている。
【0096】
第2レンズ群G2は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた負メ
ニスカスレンズL21と、両凹形状の負レンズL22と、両凸形状の正レンズL23と両凹形状の負レンズL24との接合レンズとから構成されている。
【0097】
第3レンズ群G3は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、両凸形状の正レンズL31と、両凸形状の正レンズL32と両凹形状の負レンズL33との接合レンズと、両凸形状の正レンズL34とから構成されている。
【0098】
第4レンズ群G4は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、両凸形状の正レンズL41と両凹形状の負レンズL42との接合レンズから構成されている。
【0099】
第4レンズ群G4と像面Iとの間に、像面Iに配設されるCCD等の、固体撮像素子C(図14参照)の限界解像以上の空間周波数をカットするためのローパスフィルターや赤外カットフィルター等のガラスブロックGBを有する。
【0100】
このような構成のズームレンズZL3では、広角端状態から望遠端状態へのズーミングに際して、4つの群G1〜G4がすべて移動する。第1レンズ群G1は、一旦像面側に移動し、その後物体側へ移動する。第2レンズ群G2は、一旦像面側に移動し、その後物体側へ移動する。第3レンズ群G3は、物体側へ移動する。第4レンズ群G4は、一旦物体側に移動し、その後像面側へ移動する。明るさを決定する開口絞りSは、ズーミングに際して、第3レンズ群G3と一体となって、物体側へ移動する。
【0101】
下記の表3に、第3実施例における各諸元の値を示す。表3における面番号1〜29が、図7に示す曲率半径R1〜R29の各光学面に対応している。第3実施例では、第16面及び第17面が非球面形状に形成されている。
【0102】
(表3)
[レンズ諸元]
面番号 R D nd νd
物面 ∞
1 230.00522 1.8000 1.910820 35.25
2 68.77195 4.5000 1.497820 82.57
3 -500.00000 0.2000
4 80.00000 3.1000 1.593190 67.90
5 500.00000 0.1000
6 48.16185 3.3000 1.497820 82.57
7 199.38301 D7(可変)
8 166.85228 1.1000 1.883000 40.66
9 8.34622 4.7000
10 -32.85273 0.9000 1.772500 49.62
11 30.00000 0.2000
12 16.50872 4.2000 1.805180 25.45
13 -16.38950 1.0000 1.883000 40.66
14 216.20873 D14(可変)
15(絞りS) ∞ 0.7500
*16(非球面) 10.24319 2.6000 1.592010 67.05
*17(非球面) -46.48107 0.2000
18 8.93536 2.7000 1.497820 82.57
19 -94.78769 1.0000 1.834000 37.18
20 6.95896 1.1000
21 1506.33490 1.5000 1.622990 58.12
22 -29.33694 D22(可変)
23 17.22546 2.0000 1.603110 60.69
24 -318.54169 0.8000 1.728250 28.38
25 57.74706 D25(可変)
26 ∞ 0.2100 1.516800 63.88
27 ∞ 0.3900
28 ∞ 0.5000 1.516800 63.88
29 ∞ Bf
像面 ∞

[非球面データ]
第16面
κ=0.3109,A4=2.51210E-05,A6=0.00000E+00,A8=0.00000E+00,A10=0.00000E+00
第17面
κ=1.0000,A4=5.04950E-05,A6=-2.70670E-07,A8=0.00000E+00,A10=0.00000E+00

[全体諸元]
ズーム比 39.9886
広角端 中間位置1 中間位置2 望遠端
f 4.40750 15.70000 47.60002 176.29996
FNo 2.96386 3.90301 4.70997 5.93418
ω 43.99729 14.40752 4.84236 1.29664
Y 7.00000 7.80000 7.80000 7.80000
TL 94.54670 98.80721 118.62344 136.68582
Bf 0.52981 0.52982 0.52981 0.52983
Bf(空気換算) 1.38790 1.38791 1.38790 1.38792

[ズーミングデータ]
可変間隔 広角端 中間位置1 中間位置2 望遠端
D7 0.90008 22.18093 43.24314 57.57312
D14 40.34674 14.15888 6.15694 1.84999
D22 9.57957 8.02997 6.24456 34.53537
D25 4.34049 15.05761 23.59898 3.34750

[ズームレンズ群データ]
群番号 群初面 群焦点距離 レンズ構成長
G1 1 76.47010 13.0
G2 8 -8.79235 11.1
G3 16 18.35583 9.1
G4 23 43.90000 2.8

[条件式]
条件式(1) β2T/β2W = 9.957
条件式(2) β3T/β3W = 4.047
条件式(3) (β2T/β2W)/(β3T/β3W) = 2.460
条件式(4) (−f1c)/f1 = 12.758
条件式(5) f1/fT = 0.434
条件式(6) f3/fT = 0.104
条件式(7) f13/f14 = 1.264
【0103】
表3から、本実施例に係るズームレンズZL3では、上記条件式(1)〜(7)を満たすことが分かる。
【0104】
図8図9は、第3実施例に係るズームレンズZL3の諸収差図である。図8(a)は広角端状態における撮影距離無限遠での諸収差図であり、図8(b)は広角端側の中間焦点距離状態(中間位置1)における撮影距離無限遠での諸収差図であり、図9(a)は望遠端側の中間焦点距離状態(中間位置2)における撮影距離無限遠での諸収差図であり、図9(b)は望遠端状態における撮影距離無限遠での諸収差図である。
【0105】
各収差図から明らかなように、第3実施例では、広角端状態から望遠端状態までの各焦点距離状態において、諸収差が良好に補正され、優れた光学性能を有することが分かる。
【0106】
(第4実施例)
第4実施例について、図10図12及び表4を用いて説明する。図10は、第4実施例に係るズームレンズZL(ZL4)の構成及び広角端状態(W)から望遠端状態(T)までのズーム軌道を示す。第4実施例に係るズームレンズZL4は、図10に示すように、光軸に沿って物体側から順に並んだ、正の屈折力を持つ第1レンズ群G1と、負の屈折力を持つ第2レンズ群G2と、光量を調節することを目的とした開口絞りSと、正の屈折力を持つ第3レンズ群G3と、正の屈折力を持つ第4レンズ群G4とを有する。
【0107】
第1レンズ群G1は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11と両凸形状の正レンズL12との接合レンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL14とから構成されている。
【0108】
第2レンズ群G2は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL21と、両凹形状の負レンズL22と、両凸形状の正レンズL23と両凹形状の負レンズL24との接合レンズとから構成されている。
【0109】
第3レンズ群G3は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、両凸形状の正レンズL31と、両凸形状の正レンズL32と両凹形状の負レンズL33との接合レンズと、両凸形状の正レンズL34とから構成されている。
【0110】
第4レンズ群G4は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、両凸形状の正レンズL41と両凹形状の負レンズL42との接合レンズから構成されている。
【0111】
第4レンズ群G4と像面Iとの間に、像面Iに配設されるCCD等の、固体撮像素子C(図14参照)の限界解像以上の空間周波数をカットするためのローパスフィルターや赤外カットフィルター等のガラスブロックGBを有する。
【0112】
このような構成のズームレンズZL4では、広角端状態から望遠端状態へのズーミングに際して、4つの群G1〜G4がすべて移動する。第1レンズ群G1は、一旦像面側に移動し、その後物体側へ移動する。第2レンズ群G2は、一旦像面側に移動し、その後物体側へ移動する。第3レンズ群G3は、物体側へ移動する。第4レンズ群G4は、一旦物体側に移動し、その後像面側へ移動する。明るさを決定する開口絞りSは、ズーミングに際して、第3レンズ群G3と一体となって、物体側へ移動する。
【0113】
下記の表4に、第4実施例における各諸元の値を示す。表4における面番号1〜29が、図10に示す曲率半径R1〜R29の各光学面に対応している。第4実施例では、第16面及び第17面が非球面形状に形成されている。
【0114】
(表4)
[レンズ諸元]
面番号 R D nd νd
物面 ∞
1 167.29543 1.8000 1.910820 35.25
2 63.23329 4.5000 1.497820 82.57
3 -500.00000 0.2000
4 99.41733 3.1000 1.593190 67.90
5 350.84136 0.1000
6 45.02202 3.3000 1.497820 82.57
7 230.89655 D7(可変)
8 190.31326 1.1000 1.883000 40.66
9 8.38972 4.7000
10 -30.08685 0.9000 1.772500 49.62
11 32.50000 0.2000
12 17.08009 3.9000 1.805180 25.45
13 -16.09896 1.0000 1.883000 40.66
14 350.51787 D14(可変)
15(絞りS) ∞ 0.7500
*16(非球面) 9.72750 2.7000 1.592010 67.05
*17(非球面) -51.19870 0.2000
18 10.17110 2.8000 1.497820 82.57
19 -163.28833 1.0000 1.910820 35.25
20 7.42942 1.0000
21 51.85674 1.5000 1.744000 44.81
22 -47.77585 D22(可変)
23 17.27551 2.0000 1.568830 56.00
24 -65.06416 0.8000 1.717360 29.57
25 85.03748 D25(可変)
26 ∞ 0.2100 1.516800 63.88
27 ∞ 0.3900
28 ∞ 0.5000 1.516800 63.88
29 ∞ Bf
像面 ∞

[非球面データ]
第16面
κ=0.6029,A4=-3.14970E-05,A6=0.00000E+00,A8=0.00000E+00,A10=0.00000E+00
第17面
κ=1.0000,A4=2.96080E-05,A6=1.02230E-07,A8=0.00000E+00,A10=0.00000E+00

[全体諸元]
ズーム比 40.28332
広角端 中間位置1 中間位置2 望遠端
f 4.37650 15.70000 47.60002 176.29996
FNo 2.95264 3.89687 4.70155 5.92411
ω 44.16109 14.40594 4.84247 1.29650
Y 7.00000 7.80000 7.80000 7.80000
TL 94.71619 98.50713 118.32336 136.38573
Bf 0.52981 0.52982 0.52981 0.52983
Bf(空気換算) 1.38790 1.38791 1.38790 1.38792

[ズーミングデータ]
可変間隔 広角端 中間位置1 中間位置2 望遠端
D7 0.89982 22.02219 43.08440 57.41438
D14 40.73580 14.15890 6.15696 1.85001
D22 9.45006 7.93856 6.15315 34.44396
D25 4.45070 15.20767 23.74904 3.49756

[ズームレンズ群データ]
群番号 群初面 群焦点距離 レンズ構成長
G1 1 76.47010 13.0
G2 8 -8.79235 10.8
G3 16 18.35583 9.2
G4 23 43.90000 2.8

[条件式]
条件式(1) β2T/β2W = 10.979
条件式(2) β3T/β3W = 3.573
条件式(3) (β2T/β2W)/(β3T/β3W) = 3.072
条件式(4) (−f1c)/f1 = 218.652
条件式(5) f1/fT = 0.434
条件式(6) f3/fT = 0.104
条件式(7) f13/f14 = 2.084
【0115】
表4から、本実施例に係るズームレンズZL4では、上記条件式(1)〜(7)を満たすことが分かる。
【0116】
図11図12は、第4実施例に係るズームレンズZL4の諸収差図である。図11(a)は広角端状態における撮影距離無限遠での諸収差図であり、図11(b)は広角端側の中間焦点距離状態(中間位置1)における撮影距離無限遠での諸収差図であり、図12(a)は望遠端側の中間焦点距離状態(中間位置2)における撮影距離無限遠での諸収差図であり、図12(b)は望遠端状態における撮影距離無限遠での諸収差図である。
【0117】
各収差図から明らかなように、第4実施例では、広角端状態から望遠端状態までの各焦点距離状態において、諸収差が良好に補正され、優れた光学性能を有することが分かる。
【0118】
本発明を分かりやすくするために、実施形態の構成要件を付して説明したが、本発明がこれに限定されるものではないことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0119】
ZL(ZL1〜ZL4) ズームレンズ
G1 第1レンズ群
G2 第2レンズ群
G3 第3レンズ群
G4 第4レンズ群
S 開口絞り
GB ガラスブロック
C 固体撮像素子
I 像面
CAM デジタルスチルカメラ(光学機器)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15