特許第5920981号(P5920981)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5920981
(24)【登録日】2016年4月22日
(45)【発行日】2016年5月24日
(54)【発明の名称】基板処理システム
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20160510BHJP
   H01L 21/027 20060101ALI20160510BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20160510BHJP
【FI】
   H01L21/68 A
   H01L21/30 502J
   H01L21/30 562
   H01L21/304 643A
   H01L21/304 648A
【請求項の数】13
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2012-213573(P2012-213573)
(22)【出願日】2012年9月27日
(65)【公開番号】特開2014-67940(P2014-67940A)
(43)【公開日】2014年4月17日
【審査請求日】2014年10月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096644
【弁理士】
【氏名又は名称】中本 菊彦
(72)【発明者】
【氏名】須中 郁雄
(72)【発明者】
【氏名】森川 勝洋
(72)【発明者】
【氏名】古庄 智伸
【審査官】 鈴木 和樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−074818(JP,A)
【文献】 特開平08−115968(JP,A)
【文献】 特開2010−171314(JP,A)
【文献】 特開2004−146449(JP,A)
【文献】 特開2003−218018(JP,A)
【文献】 特開2009−010287(JP,A)
【文献】 特開2010−251380(JP,A)
【文献】 特開2000−138162(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2001/0024611(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
H01L 21/027
H01L 21/304
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の基板を収容可能なキャリアを積載するキャリア搬入出ブロックと、基板に対して枚葉処理を行う少なくとも一つの処理ユニットを有する第1の処理ブロックと、第1の処理ブロックにおいて処理された基板に対して枚葉処理を行う少なくとも一つの処理ユニットを有する第2の処理ブロックとを積層してなる処理ブロックと、
前記キャリア搬入出ブロックと前記処理ブロックとの間に設けられ、前記キャリア搬入出ブロックと前記処理ブロックとの間で基板を搬入出する基板搬入出ブロックとを備えた基板処理システムであって、
キャリアを前記第1の処理ブロックに連通する位置に載置する基板搬入部と、
キャリアを前記第2の処理ブロックに連通する位置に載置する基板搬出部と、
前記第1の処理ブロック内に設けられ、前記基板搬入部に載置されたキャリアから基板を取り出し、前記第1の処理ブロック内の処理ユニットに搬送する第1の基板搬送装置と、
前記第2の処理ブロック内に設けられ、第2の処理ブロック内の処理ユニットで処理された基板を前記基板搬出部上のキャリアに搬送する第2の基板搬送装置と、
前記キャリア搬入出ブロックと前記基板搬入部及び基板搬出部との間でキャリアを搬送すると共に、前記基板搬入部上のキャリアから前記第1の基板搬送装置によって基板が取り出された後に、当該キャリアを前記基板搬出部に搬送するキャリア搬送装置と、
を備えることを特徴とする基板処理システム。
【請求項2】
前記基板搬入部と前記基板搬出部には、キャリアの蓋体を開閉する蓋体開閉機構を備えることを特徴とする請求項1に記載の基板処理システム。
【請求項3】
前記処理ブロックは、第1の処理ブロックで処理された基板に対して、第2の処理ブロックで処理される前に処理する処理ユニットを有する第3の処理ブロックと、前記第3の処理ブロック内の処理ユニットに対して基板を搬入出する第3の基板搬送装置と、を備えるとこを特徴とする請求項1又は2に記載の基板処理システム。
【請求項4】
前記処理ブロックと露光装置との間にインターフェイスブロックを更に備え、前記インターフェイスブロック内に、前記第1の基板搬送装置によって搬送される基板を載置可能な、かつ、前記第2の基板搬送装置によって搬出可能な複数の載置棚を有するバッファ部と、前記バッファ部と前記露光装置との間で基板を授受するインターフェイスアームと、前記バッファ部の載置棚間で基板を授受する基板受渡しアームと、を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の基板処理システム。
【請求項5】
前記第1の処理ブロックはレジスト塗布処理ユニットを有し、前記第2の処理ブロックは現像処理ユニットを有する、ことを特徴とする請求項4に記載の基板処理システム。
【請求項6】
前記処理ブロックと露光装置との間にインターフェイスブロックを更に備え、前記インターフェイスブロック内に、前記第1の基板搬送装置によって搬送される基板の載置、かつ、前記第2の基板搬送装置による基板の搬出、及び前記第3の基板搬送装置によって搬送される基板を載置すると共に、基板の搬出可能な複数の載置棚を有するバッファ部と、前記バッファ部と前記露光装置との間で基板を授受するインターフェイスアームと、前記バッファ部の載置棚間で基板を授受する基板受渡しアームと、を備えることを特徴とする請求項3に記載の基板処理システム。
【請求項7】
前記第1の処理ブロックは反射防止膜塗布処理ユニットを有し、前記第2の処理ブロックは現像処理ユニットを有し、前記第3の処理ブロックはレジスト塗布処理ユニットを有する、ことを特徴とする請求項6に記載の基板処理システム。
【請求項8】
少なくとも前記第1の基板搬送装置及び前記蓋体開閉機構の駆動を制御する制御部を更に備え、前記制御部からの制御信号に基づいて、前記第1の処理ブロックにおいて、基板がキャリアから第1の処理ブロックへ搬送されるまでの時間が所定時間以上の場合には、前記蓋体開閉機構がキャリアの蓋体を閉じる、ことを特徴とする請求項2に記載の基板処理システム。
【請求項9】
少なくとも前記第2の基板搬送装置及び前記蓋体開閉機構の駆動を制御する制御部を更に備え、前記制御部からの制御信号に基づいて、第2の処理ブロックにおいて、基板が第2の処理ブロックからキャリアへ搬送されるまでの時間が所定時間以上の場合には、前記蓋体開閉機構がキャリアの蓋体を閉じる、ことを特徴とする請求項2に記載の基板処理システム。
【請求項10】
複数の基板を収容可能なキャリアを積載するキャリア搬入出ブロックと、基板に対して枚葉処理を行う少なくとも一つの処理ユニットを有する処理ブロックと、前記キャリア搬入出ブロックと前記処理ブロックとの間に設けられ、キャリアと前記処理ブロックとの間で基板を搬入出する基板搬入出ブロックとを備えた基板処理システムであって、
キャリアを前記処理ブロックに連通する位置に載置可能に構成された基板搬入出部と、
前記処理ブロック内に設けられ、前記基板搬入出部に載置されたキャリアと前記処理ユニットに対して基板を授受する基板搬送装置と、
前記キャリア搬入出ブロックと前記基板搬入出部との間でキャリアを搬送するキャリア搬送装置と、
を備えたことを特徴とする基板処理システム。
【請求項11】
前記基板搬入出部にキャリアの蓋体を開閉するための蓋体開閉機構を備えることを特徴とする請求項10に記載の基板処理システム。
【請求項12】
少なくとも前記基板搬送装置及び前記蓋体開閉機構の駆動を制御する制御部を更に備え、前記制御部からの制御信号に基づいて、前記処理ブロックからキャリアへ基板が搬送されるまでの時間が所定時間以上の場合には、前記蓋体開閉機構が蓋体を閉じる、ことを特徴とする請求項11に記載の基板処理システム。
【請求項13】
前記基板搬入出ブロックに、キャリアを載置可能なキャリア待機部を備える、ことを特徴とする請求項1ないし12のいずれかに記載の基板処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、半導体デバイスの製造工程におけるフォトリソグラフィー処理は、例えば塗布現像処理システムを用いて行われている。塗布現像処理システムは、例えばカセット単位でウエハを搬入出するための搬入出ブロックと、レジスト塗布処理、現像処理及び熱処理等の各種処理を行う複数の処理装置が配置された処理ブロックと、隣接する露光装置と処理ブロックとの間でウエハの受け渡しを行うためのインターフェイスブロックを備えている。
【0003】
そして、上記塗布現像処理システムでは、ウエハが枚葉式に連続的に処理される。例えば搬入出ブロックのカセットに収容されている複数枚のウエハが処理ブロックに順次搬送され、処理ブロックの各処理装置において各ウエハに対してレジスト塗布処理、熱処理などの所定の処理が施される。その後、各ウエハは、インターフェイスブロックを介して露光装置に搬送され、露光処理される。その後、ウエハは、再び処理ブロックに戻され、各処理装置において現像処理などの所定の処理が施される。その後、各ウエハは、処理ブロックから搬入出ブロックに順次戻され、カセットに戻される。
【0004】
上述の塗布現像処理システムでは、近年のデバイス製品の多様化等により少ロット対応の処理が要求されている。この場合、一つのカセット内に収容されるウエハの枚数が少なくなるので、より多くのカセットをシステム内に待機させる必要がある。複数のカセットのウエハを間隔が空かないように処理ブロックに搬送する必要がある。そこで、例えば処理システムにカセットのストッカを設けることが提案されている。
【0005】
このような処理においては、一般に基板を収容したキャリア(FOUP)から搬出された基板を処理部に搬送して、所定の処理を施した後、処理済みの基板をキャリア内に収容して処理を終了する基板搬送処理装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
このような処理装置において、処理効率を上げるために、複数例えば4,5個のキャリアをキャリアステーションに並列載置しておき、所定のキャリア内から基板を搬出し、空のキャリア内に収容して、連続処理を行っている。
【0007】
また、近年のデバイスの多様化による小ロット対応ならびに高スループットの要求に対応するために、多数のキャリアを装置内に格納できるような装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0008】
また、フォトリソグラフィー処理以外の基板処理、例えば基板に対して枚葉処理を行う薬液を塗布するための液処理ユニットを有する洗浄処理においても、上記と同様にキャリアを用いた基板処理が適用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2003−218018号公報
【特許文献2】特開2009−10287号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
このような装置の場合、キャリアの待機部に搬送されたキャリアが、キャリア受渡し部に搬送された後に、キャリアの受渡し部と処理ブロックの間に設けられた基板搬送装置によってウエハが取り出され、処理ブロックへと搬送される。また、処理が終了したウエハが基板搬送装置によって処理ブロックから取り出され、キャリア内に搬送される。したがって、このような装置の場合、少なくともキャリアを搬送するためのキャリア搬送機構、キャリア受渡し部、キャリアからウエハを取り出して処理ブロックへの搬送を行う基板搬送装置を配置するためのスペースが必要となり、これ以上のフットプリントの低減は困難となってきている。
【0011】
また、キャリアから処理ブロックに搬入するまで、及び処理が終了して処理ブロックからキャリアへ搬送するまで、基板搬送装置がウエハと接触する回数によるウエハに与えるダメージやパーティクルの付着等の懸念がある。
【0012】
更に、ウエハWのサイズが例えば300mmから450mmに増大した場合、上述の方法を単純にスケールアップした場合、現状の1.5倍以上の寸法値となってしまうため、これまでの手法とは異なる新規な処理ブロックへの搬入を行うための機構を有する基板処理システムが望まれている。
【0013】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、フットプリントの低減が図れると共に、基板のダメージ及びパーティクルの付着の低減が図れるようにした基板処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、複数の基板を収容可能なキャリアを積載するキャリア搬入出ブロックと、基板に対して枚葉処理を行う少なくとも一つの処理ユニットを有する第1の処理ブロックと、第1の処理ブロックにおいて処理された基板に対して枚葉処理を行う少なくとも一つの処理ユニットを有する第2の処理ブロックとを積層してなる処理ブロックと、 前記キャリア搬入出ブロックと前記処理ブロックとの間に設けられ、前記キャリア搬入出ブロックと前記処理ブロックとの間で基板を搬入出する基板搬入出ブロックとを備えた基板処理システムであって、 キャリアを前記第1の処理ブロックに連通する位置に載置する基板搬入部と、 キャリアを前記第2の処理ブロックに連通する位置に載置する基板搬出部と、 前記第1の処理ブロック内に設けられ、前記基板搬入部に載置されたキャリアから基板を取り出し、前記第1の処理ブロック内の処理ユニットに搬送する第1の基板搬送装置と、 前記第2の処理ブロック内に設けられ、第2の処理ブロック内の処理ユニットで処理された基板を前記基板搬出部上のキャリアに搬送する第2の基板搬送装置と、 前記キャリア搬入出ブロックと前記基板搬入部及び基板搬出部との間でキャリアを搬送すると共に、前記基板搬入部上のキャリアから前記第1の基板搬送装置によって基板が取り出された後に、当該キャリアを前記基板搬出部に搬送するキャリア搬送装置と、を備えることを特徴とする。
【0015】
請求項1記載の発明において、前記基板搬入部と前記基板搬出部には、キャリアの蓋体を開閉する蓋体開閉機構を備えるのが好ましい(請求項2)。
【0016】
また、前記処理ブロックは、第1の処理ブロックで処理された基板に対して、第2の処理ブロックで処理される前に処理する処理ユニットを有する第3の処理ブロックと、前記第3の処理ブロック内の処理ユニットに対して基板を搬入出する第3の基板搬送装置と、を備えるようにしてもよい(請求項3)。
【0017】
また、前記処理ブロックと露光装置との間にインターフェイスブロックを更に備え、前記インターフェイスブロック内に、前記第1の基板搬送装置によって搬送される基板を載置可能な、かつ、前記第2の基板搬送装置によって搬出可能な複数の載置棚を有するバッファ部と、前記バッファ部と前記露光装置との間で基板を授受するインターフェイスアームと、前記バッファ部の載置棚間で基板を授受する基板受渡しアームと、を備えるようにしてもよい(請求項4)。この場合、前記第1の処理ブロックはレジスト塗布処理ユニットを有し、前記第2の処理ブロックは現像処理ユニットを有するのが好ましい(請求項5)。
【0018】
また、前記処理ブロックと露光装置との間にインターフェイスブロックを更に備え、前記インターフェイスブロック内に、前記第1の基板搬送装置によって搬送される基板の載置、かつ、前記第2の基板搬送装置による基板の搬出、及び前記第3の基板搬送装置によって搬送される基板を載置すると共に、基板の搬出可能な複数の載置棚を有するバッファ部と、前記バッファ部と前記露光装置との間で基板を授受するインターフェイスアームと、前記バッファ部の載置棚間で基板を授受する基板受渡しアームと、を備えるようにしてもよい(請求項6)。この場合、前記第1の処理ブロックは反射防止膜塗布処理ユニットを有し、前記第2の処理ブロックは現像処理ユニットを有し、前記第3の処理ブロックはレジスト塗布処理ユニットを有するのが好ましい(請求項7)。
【0019】
更に、少なくとも前記第1の基板搬送装置及び前記蓋体開閉機構の駆動を制御する制御部を更に備え、前記制御部からの制御信号に基づいて、前記第1の処理ブロックにおいて、基板がキャリアから第1の処理ブロックへ搬送されるまでの時間が所定時間以上の場合には、前記蓋体開閉機構がキャリアの蓋体を閉じるようにしてもよい(請求項8)。また、少なくとも前記第2の基板搬送装置及び前記蓋体開閉機構の駆動を制御する制御部を更に備え、前記制御部からの制御信号に基づいて、第2の処理ブロックにおいて、基板が第2の処理ブロックからキャリアへ搬送されるまでの時間が所定時間以上の場合には、前記蓋体開閉機構がキャリアの蓋体を閉じるようにしてもよい(請求項9)。
【0020】
請求項10に記載の発明は、複数の基板を収容可能なキャリアを積載するキャリア搬入出ブロックと、基板に対して枚葉処理を行う少なくとも一つの処理ユニットを有する処理ブロックと、前記キャリア搬入出ブロックと前記処理ブロックとの間に設けられ、キャリアと前記処理ブロックとの間で基板を搬入出する基板搬入出ブロックとを備えた基板処理システムであって、 キャリアを前記処理ブロックに連通する位置に載置可能に構成された基板搬入出部と、 前記処理ブロック内に設けられ、前記基板搬出入部に載置されたキャリアと前記処理ユニットに対して基板を授受する基板搬送装置と、前記キャリア搬入出ブロックと前記基板搬入出部との間でキャリアを搬送するキャリア搬送装置と、を備えたことを特徴とする。
【0021】
請求項10に記載の発明において、前記基板搬入出部にキャリアの蓋体を開閉するための蓋体開閉機構を備えるのが好ましい(請求項11)。
【0022】
また、少なくとも前記基板搬送装置及び前記蓋体開閉機構の駆動を制御する制御部を更に備え、前記制御部からの制御信号に基づいて、前記処理ブロックからキャリアへ基板が搬送されるまでの時間が所定時間以上の場合には、前記蓋体開閉機構が蓋体を閉じるようにしてもよい(請求項12)。
【0023】
加えて、本発明において、前記基板搬入出ブロックに、キャリアを載置可能なキャリア待機部を備えるようにしてもよい(請求項13)。
【0024】
請求項1に記載の発明によれば、キャリア搬送装置によってキャリアを処理ブロックに直接連通させ、処理ブロック内の基板搬送装置によってキャリアにアクセスすることができると共に、キャリアから処理ブロックに搬入するまでに搬送装置がウエハWと接触する回数と、処理が終了して処理ブロックからウエハWをキャリアC搬送するまでの回数を低減させることができる。したがって、フットプリントの低減が図れると共に、基板のダメージ及びパーティクルの付着の低減が図れる。また、基板のスケールアップに対応した新規の処理ブロックへの基板の搬入出機構を有する基板処理システムにおいても、フットプリントの低減が図れると共に、基板のダメージ及びパーティクルの付着の低減が図れる。
【0025】
請求項2に記載の発明によれば、基板搬入部と基板搬出部に、キャリアの蓋体を開閉する蓋体開閉機構を設けることで、キャリアが処理ブロックに連通する前にキャリア搬入出ブロック中の雰囲気にキャリア内のウエハが曝されないため、キャリア搬入出ブロック中の雰囲気の清浄度をある程度まで低くすることが可能となり、キャリア搬入出ブロックにおける清浄気体の供給量を低減させることができる。
【0026】
請求項3に記載の発明によれば、第1の処理ブロックと第2の処理ブロックとの間に第3の処理ブロックを備えると共に、第3の処理ブロックに該第3の処理ブロック内の処理ユニットに対して基板を搬入出する基板搬送装置を備えることので、種々のレイアウトにフレキシブルに対応することが可能となり、基板処理の多様化を図ることができる。
【0027】
請求項4,5に記載の発明によれば、処理ブロックと露光装置との間に設けたインターフェイスブロック内に、第1の基板搬送装置によって搬送される基板を載置可能な、かつ、第2の基板搬送装置によって搬出可能な複数の載置棚を有するバッファ部と、バッファ部と露光装置との間で基板を授受するインターフェイスアームと、バッファ部の載置棚間で基板を授受する基板受渡しアームと、を備えるので、複数の基板を連続して処理(レジスト塗布、現像処理)することができ、スループットの向上を図ることができる。
【0028】
請求項6,7に記載の発明によれば、処理ブロックと露光装置との間に設けたインターフェイスブロック内に、第1の基板搬送装置によって搬送される基板の載置、かつ、第2の基板搬送装置による基板の搬出、及び第3の基板搬送装置によって搬送される基板を載置すると共に、基板の搬出可能な複数の載置棚を有するバッファ部と、バッファ部と露光装置との間で基板を授受するインターフェイスアームと、バッファ部の載置棚間で基板を授受する基板受渡しアームと、を備えるので、複数の基板を連続して処理(反射防止膜塗布、レジスト塗布、現像処理)することができ、処理の多様化及びスループットの向上を図ることができる。
【0029】
請求項8に記載の発明によれば、第1の処理ブロックにキャリアが連通した状態で、基板がキャリアから第1の処理ユニットに搬送される迄の時間が所定時間以上後の場合にキャリアの蓋体を閉めるように構成したため、キャリアの内部及びキャリア内の基板が第1の処理ブロック内の雰囲気に曝される時間を低下させることができる。また、キャリア内からパーティクルが第1の処理ブロックに拡散する個数を低減できる。
【0030】
請求項9に記載の発明によれば、第2の処理ブロックにキャリアが連通した状態で、基板が第2の処理ブロックからキャリアへ搬送されるまでの時間が所定時間以上の場合には、キャリアの蓋を閉めるように構成したため、キャリアの内部及びキャリア内の基板が第2の処理ブロック内の雰囲気に曝される時間を低下させることができる。また、キャリア内からパーティクルが第1の処理ブロックに拡散する個数を低減できる。
【0031】
請求項10に記載の発明によれば、キャリア搬送装置によってキャリアを処理ブロックに直接連通させ、処理ブロック内の基板搬送装置によってキャリアにアクセスすることができると共に、フットプリントが低減すると共に、キャリアから処理ブロックに搬入するまでに基板搬送装置が基板と接触する回数と、処理が終了して処理ブロックから基板をキャリアへ搬送するまでの回数を低減させることができる。したがって、フットプリントの低減が図れると共に、基板のダメージ及びパーティクルの付着の低減が図れる。また、基板のスケールアップに対応した新規の処理ブロックへの基板の搬入出機構を有する基板処理システムにおいても、フットプリントの低減が図れると共に、基板のダメージ及びパーティクルの付着の低減が図れる。
【0032】
請求項11に記載の発明によれば、基板搬入出部にキャリアの蓋体を開閉するための蓋体開閉機構を設けることで、キャリアが処理ブロックに連通する前にキャリア搬入出ブロック中の雰囲気にキャリア内のウエハが曝されないため、キャリア搬入出ブロック中の雰囲気の清浄度をある程度まで低くすることが可能となり、キャリア搬入出ブロックにおける清浄気体の供給量を低減させることができる。
【0033】
請求項12に記載の発明によれば、処理ブロックからキャリアへ基板が搬送されるまでの時間が所定時間以上の場合には、蓋体を閉じるように構成したため、キャリアの内部及びキャリア内のウエハが処理ブロック内の雰囲気に曝される時間を低下させることができる。また、キャリア内からパーティクルが処理ブロックに拡散するパーティクルの個数を低減することができる。
【0034】
請求項13に記載の発明によれば、基板搬入出ブロックに、キャリアを載置するキャリア待機部を備えるようにしたため、キャリアを基板搬入部、基板搬出部又は基板搬入出部に載置できない場合にも一時的にキャリアを載置することができるため、処理システムを効率的に運用することができスループットを向上させることができる。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、フットプリントの低減が図れると共に、基板のダメージ及びパーティクルの付着の低減が図れる。また、基板のスケールアップに対応した新規の処理ブロックへの基板の搬入出機構を有する基板処理システムにおいても、フットプリントの低減が図れると共に、基板のダメージ及びパーティクルの付着の低減が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本発明に係る基板処理システムの第1実施形態の一例を示す概略斜視図である。
図2】前記第1実施形態の基板処理システムを示す平面図である。
図3】前記第1実施形態の基板処理システムを示す側面図である。
図4】前記第1実施形態の基板処理システムにおける基板搬入部のキャリアの動作を示す概略断面図である。
図5】前記第1実施形態の基板処理システムにおける基板搬入部のキャリアの移動動作を示す概略断面図である。
図6】前記第1実施形態の基板処理システムにおける基板搬入部のキャリアの蓋体の開放動作を示す概略断面図である。
図7】キャリア待機部を備えた本発明に係る基板処理システムを示す平面図である。
図8】前記キャリア待機部を示す正面図である。
図9】本発明に係る基板処理システムの第2実施形態の一例を示す平面図である。
図10】前記第2実施形態の基板処理システムの一例を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下に、本発明の基板処理システムの実施形態について、添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0038】
<第1実施形態>
第1実施形態は本発明に係る基板処理システムを塗布現像処理システムに適用した場合である。塗布現像処理システム1は、図1ないし図3に示すように、基板であるウエハWが例えば25枚密閉収納されたキャリアCを搬入出するためのキャリア搬入出ブロック2と、複数個例えば6個の第1〜第6の単位ブロックB1〜B6を縦に配列して構成された処理ブロック4と、キャリア搬入出ブロック2に搬入されたキャリアC内のウエハWを処理ブロック4に対して搬入出する基板搬入出ブロック3と、インターフェイスブロック5と、露光装置6と、を備えている。
【0039】
前記キャリア搬入出ブロック2には、キャリアCを複数個載置可能なキャリアステージ20が設けられ、例えば、図示しないOHT(Over Head Transfer)装置などによりキャリアステージ20に対してキャリアCを搬入出する。
【0040】
処理ブロック4は少なくとも1以上の処理ユニット、この例では、下方側から、下段側の2段がレジスト膜の下層側に形成される反射防止膜の形成処理を行うための第1及び第2の単位ブロック(BCT層)B1,B2、レジスト液の塗布処理を行うための第3及び第4の単位ブロック(COT層)B3,B4、現像処理を行うための第5及び第6の単位ブロック(DEV層)B5,B6に割り当てられている。 前記第1,第2の単位ブロックB1,B2が第1の処理ブロック4aを構成し、第5,第6の単位ブロックB5,B6が第2の処理ブロック4bを構成し、第1の処理ブロック4aと第2の処理ブロック4bの間に位置する第3,第4の単位ブロックB3,B4が第3の処理ブロック4cを構成している(図1図3参照)。
【0041】
続いて、第1〜第6の単位ブロックB(B1〜B6)の構成について説明する。これら各単位ブロックB1〜B6は、ウエハWに対して薬液を塗布するための塗布処理ユニット(図2において符号12で示す)と、塗布処理ユニット12(以下に塗布ユニット12という)にて行なわれる処理の前処理及び後処理を行なうための各種の加熱・冷却系の熱処理ユニット13と、塗布ユニット12と加熱・冷却系の熱処理ユニット13との間でウエハWの受け渡しを行うための専用の基板搬送装置AであるメインアームA1〜A6と、を備えている。
【0042】
第1〜第6の各単位ブロックB1〜B6のほぼ中央には、各単位ブロックB1〜B6の長さ方向(図中Y軸方向)に直線状に延在する、基板搬入出ブロック2とインターフェイスブロック5とを接続するための、ウエハWの搬送領域21が形成され、この搬送領域21を挟んだ両側には、レジストの塗布処理を行うための複数個の塗布部を備えた塗布ユニット12と加熱・冷却系の熱処理ユニット13が設けられている。
【0043】
第1,第2の単位ブロックB1,B2には、メインアームA1,A2の搬送領域21を挟んだ両側の一方に処理ユニットとしての反射防止膜塗布ユニットであるBCT塗布装置12Aが設けられており、他方には熱処理ユニット13が設けられている。この第1,第2の単位ブロックB1,B2では、BCT塗布装置12においてウエハWに反射防止膜を塗布した後に、熱処理ユニット13で熱処理を行うようになっている。第3,第4の単位ブロックB3,B4には、メインアームA3,A4の搬送領域21を挟んだ両側の一方に処理ユニットとしてのレジスト塗布装置12Cが設けられており、他方には熱処理ユニット13が設けられている。この第3,第4の単位ブロックB3,B4では、レジスト塗布装置12においてレジストを塗布した後に、熱処理ユニット13において熱処理が行われる。また、更に第5,第6の単位ブロックB5,B6には、メインアームA5,A6の搬送領域21を挟んだ両側の一方に処理ユニットとしての現像処理装置12Bが設けられており、他方には熱処理ユニット13が設けられている。この第5,第6の単位ブロックB5,B6では、レジストを塗布後に露光装置6で露光されたウエハWに対して現像処理を行った後に、熱処理ユニット13において熱処理が行われるようになっている。
【0044】
例えば熱処理ユニット13は、図2に示すようにウエハWを載置して加熱する熱板13aと、ウエハWを載置して冷却する冷却板13bを有し、加熱と冷却の両方を行うことができる。なお、レジストの密着性を向上させるアドヒージョン処理を行う装置など、処理に応じて各単位ブロックB1〜B6に種々の装置を配置してよい。
【0045】
なお、以下、BCT塗布装置12A,レジスト塗布装置12C,現像処理装置12Bを塗布ユニット12と総称して説明し、単に塗布ユニット12と表記した場合には、各単位ブロックB1〜B6の塗布ユニット全てを意味し、第1,第2の単位ブロックB1,B2においては塗布ユニット(BCT)12、第3,第4の単位ブロックB3,B4において塗布ユニット(COT)12、第5,第6の単位ブロックB5,B6においては塗布ユニット(DEV)12とそれぞれ表記することとし、それぞれ反射防止膜塗布ユニット、レジスト塗布ユニット、現像処理ユニットをそれぞれ意味することとする。
【0046】
また、このメインアームA1〜A6は、塗布ユニット12及び熱処理ユニット13に対して進退自在、昇降自在、鉛直軸回りに回転自在、Y軸方向に移動自在に構成されており、各単位ブロックBの各処理ユニットの他、後述する受け渡しユニットに基板を搬送可能に構成されている。また、特に本実施形態においては、第1,第2の単位ブロックB1,B2(第1の処理ブロック4a)のメインアームA1,A2(第1の基板搬送装置)は、後述する基板搬入部7aに載置されたキャリアCにアクセスが可能になっており、第5,第6の単位ブロックB5,B6(第2の処理ブロック4b)のメインアームA5、A6(第2の基板搬送装置)は基板搬出部7bにアクセスが可能となっている。
【0047】
基板搬入出ブロック2には、第1,第2の単位ブロックB1,B2の側方で、第1,第2の単位ブロックB1,B2に連通可能な位置にキャリアCを載置可能な基板搬入部7aと、第5,第6の単位ブロックB5,B6の側方で第5,第6の単位ブロックB5,B6に連通可能な位置にキャリアCを載置可能な位置にキャリアCを載置可能な基板搬出部7bと、キャリア搬入出ブロック2と基板搬出部7a、基板搬出部7bとの間でキャリアCを搬送するキャリア搬送装置8とを備えている。
【0048】
キャリア搬送装置8は、例えば、図1に示すように、塗布現像装置1の天井部のX方向に延設されるレール8aに摺動自在に装着される可動体8bと、可動体8bに垂下される例えばテレスコープ状に伸縮可能な吊持部材8cと、吊持部材8cの下端部に、水平のY方向に伸縮自在かつ水平回転自在なキャリア把持体8dと、キャリア把持体8dの対向する両側にそれぞれ一端が回動可能に突出し他端が互いに接離方向に移動可能な一対のキャリア把持片8eとを具備している。
【0049】
このように構成されるキャリア搬送装置8によって、キャリア搬入出ブロック2と基板搬入部7a及び基板搬出部7bとの間でキャリアCを搬送することができ、また、基板搬入部7a上のキャリアCからメインアームA1,A2によってウエハWが取り出された後に、当該キャリアCを基板搬出部7bに搬送することができる。
【0050】
なお、上記説明では、キャリア搬送装置8が塗布現像装置1の天井部に吊持される構造について説明したが、塗布現像装置1の床部に敷設されたレール上を摺動する可動台上に昇降機構、水平伸縮機構及び回転機構等を備えた自立式キャリア搬送装置8を構成してもよい。
【0051】
ここで、図4ないし図6を用いて、基板搬入出ブロック3の構成を基板搬入部7aの第1,第2の単位ブロックB1,B2を例として説明する。基板搬入部7aは基板搬入ステージ17aと、基板搬入ステージ17a上に設けられたキャリア載置台14が設けられ、キャリア載置台14にキャリアCが載置された状態で図示しない駆動機構により、第1,第2の単位ブロックB1,B2側にスライドするように構成されている。また、第1,第2の単位ブロックB1,B2のウエハ搬送領域21は、雰囲気制御を行うためのケーシング15により覆われている。ケーシング15におけるカセット載置台14に対応する位置には、ウエハ搬送口18が形成され、ウエハ搬送口18は後述するキャリアCの蓋体C1を開閉する蓋体開閉機構16により閉塞される(図4参照)。
【0052】
なお、第5,第6の単位ブロックB5,B6に連通可能な位置に設けられる基板搬出部7bには、キャリアCを載置可能な基板搬出ステージ17bと、基板搬出ステージ17b上に設けられたキャリア載置台14が設けられ、キャリア載置台14にキャリアCが載置された状態で図示しない駆動機構により、第5,第6の単位ブロックB5,B6側にスライドするように構成されている(図3参照)。また、第5,第6の単位ブロックB5,B6においても、第1,第2の単位ブロックB1,B2と同様に、ウエハ搬送領域21を覆うケーシング(図示せず)におけるカセット載置台14に対応する位置には、ウエハ搬送口(図示せず)が形成され、ウエハ搬送口は後述するキャリアCの蓋体C1を開閉する蓋体開閉機構16により閉塞される。
【0053】
蓋体開閉機構16は、キャリアCから蓋体C1を離脱させる図示しないロック解除機構と、蓋体C1を保持した状態で蓋体C1をウエハ搬送口18から下方に移動、又は下方からウエハ搬送口18側に移動する移動機構(図示せず)とを具備している。
【0054】
キャリアCがキャリア載置台14に載置された状態で、第1,第2の単位ブロックB1,B2側にスライドすることにより、ウエハ搬送口18を介してキャリアCの蓋体C1と蓋体開閉機構16が接触した状態となる。その状態で蓋体開閉機構16に設けられたロック解除機構を駆動させてキャリアからの蓋体C1を離脱させる(図5参照)。その後、蓋体開閉機構16が蓋体C1を保持した状態で移動機構により下方に退避することにより、蓋体C1を開放すると共に、キャリアCを第1,第2の単位ブロックB1,B2と連通させることができる(図6参照)。また、蓋体開閉機構16は、その退避した蓋体C1をカセットCの正面に戻して、カセットCの蓋体1を閉めることができる。この状態で、第1,第2の単位ブロックB1,B2のメインアームA1,A2がキャリアC内からウエハWを取り出して、第1,第2の単位ブロックB1,B2内の処理ユニットに搬送する。
【0055】
なお、基板搬入部7aは最初に処理する塗布ユニット12(BCT塗布装置12A)がある第1,第2の単位ブロックB1,B2に、基板搬出部7bは最後に処理する現像ユニット(DEV)12(現像処理装置12B)がある第5,第6の単位ブロックB5,B6に設けるようにすることがスループットの観点からは好ましい。本実施形態の場合、最初に行う処理、すなわち、反射防止膜塗布装置12Aのある第1,第2の単位ブロックB1,B2に基板搬入部7aを設け、最後に行う処理、すなわち、現像処理を行う第5,第6の単位ブロックB5,B6に基板搬出部7bを設けることが好ましい。このように構成することにより、ウエハWの搬送回数を少なくすることができ、スループットを向上させることができる。
【0056】
また、蓋体開閉機構16は、後述する制御部40からの制御信号に基づいて駆動(開閉)制御されるようになっており、キャリアから第1の処理ブロック4へウエハWが搬送されるまでの時間が所定時間(例えば60秒)以上の場合には、蓋体開閉機構16がキャリアCの蓋体C1を閉じ、次のウエハWが搬送される所定時間(例えば15秒前)になったら蓋体C1を空けるようになっている。このようにすることで、キャリアC及びキャリアC内のウエハWが処理ブロック4内の雰囲気に汚染されることを低減することができると共に、キャリアC内から第1の処理ブロック4a内に拡散するパーティクルの個数を低減させることができる。
【0057】
また、蓋体開閉機構16は、第2の処理ブロック4bを構成する第5,第6の単位ブロックB5,B6において、ウエハWが第5,第6の単位ブロックB5,B6からキャリアCへ搬送されるまでの時間が所定時間(例えば60秒)以上の場合には、蓋体開閉機構16がキャリアCの蓋体C1を閉じるようになっている。このようにすることで、キャリアC及びキャリアC内のウエハWが処理ブロック4内の雰囲気に汚染されることを低減することができると共に、キャリアC内から第2の処理ブロック4b内に拡散するパーティクルの個数を低減させることができる。
【0058】
また、図7及び図8に示すように、基板搬入出ブロック2にキャリアCを載置可能に構成されたキャリア待機部30を設けてもよい。キャリア待機部30は処理ブロック4の筐体側壁に載置台31を設け、その載置台31上にキャリアCを載置できるようになっている。キャリア待機部30は例えば、基板搬入部7a、基板搬出部7bの左右位置に上下に複数個並べる配置をすることができる。キャリア搬入出ブロック2に搬入されてきたキャリアCが基板搬入部7aに別のキャリアCが載置されている場合や、基板搬入部7aのキャリアCから第1の処理ブロック4aにウエハWを搬入した後に、キャリアCを基板搬出部7bに載置できない場合に一旦載置しておくことができる。そのため、塗布現像装置1を効率的に運用し、スループットを高めることができる。なお、キャリア待機部30において、図4ないし図6で前述したようなキャリアCの蓋体C1の蓋体開閉機構16を設け、キャリア搬送装置8によって蓋体C1が開いたキャリアCを処理ブロック4とキャリア待機部30の間を搬送することにより、基板搬入部7a,基板搬出部7bに蓋体開閉機構16を設けないように構成してもよい。
【0059】
また、第1〜第6の単位ブロックB1〜B6の搬送領域21のインターフェイスブロック5と隣接する領域は、ウエハ受け渡し領域となっていて、図2図7に示すように、メインアームA(A1〜A6)がアクセスできる位置に複数枚のウエハWを保持可能な複数段例えば6段のバッファユニットBU1〜BU6を有するバッファ部10が設けられると共に、このバッファ部10のバッファユニットBU1〜BU6間でウエハWの受け渡し(授受)を行う基板受渡しアーム9を備えている。基板受渡しアーム9はZ方向への昇降及びX方向への進退可能に構成することで、各バッファユニットBU1〜BU6にアクセス可能となっている。
【0060】
また、インターフェイスブロック5には、インターフェイスアーム19が配設されている。このインターフェイスアーム19はバッファユニットBU1〜BU6に載置されたウエハWを露光装置5に搬送するためのものであって、Z方向に昇降可能、Y方向に進退可能で、かつ旋回して露光装置5にアクセス可能なように構成されている。
【0061】
以上において、上述の塗布現像装置1は、各処理ユニットのレシピの管理や、ウエハWの搬送フロー(搬送経路)のレシピの管理や、各処理ユニットにおける処理や、メインアームA1〜A6、キャリア搬送装置8、基板受渡しアーム9、インターフェイスアーム19及び蓋体開閉機構19の駆動制御を行うコンピュータからなる制御部40を備えている。この制御部40にて、第1〜第6の単位ブロックB1〜B6を使用してウエハWを搬送させ、処理を行なう。
【0062】
前記搬送フローのレシピは単位ブロック内のウエハWの搬送経路(搬送の順番)を指定したものであり、単位ブロックB1〜B6毎に、形成する塗布膜の種類に応じて作成され、これにより第1〜第6の単位ブロックB1〜B6毎に複数個の搬送フローレシピが制御部40に格納されている。
【0063】
以下に、この塗布現像装置1におけるウエハWの流れについて、レジスト膜の下層に夫々反射防止膜を形成する場合を例にして説明する。先ず外部からキャリアCがキャリア搬入出ブロック2に搬入される。次いで、キャリア搬送装置8によって、キャリア搬入出ブロック2に載置されたキャリアCを第1の処理ブロック4aである第1の単位ブロックB1と連通する位置に設けられた基板搬入部7aのキャリア載置部14に搬送する。
【0064】
次いで、キャリア載置部14がスライドして蓋体開閉機構16と接触し、蓋体開閉機構16がキャリアCの蓋体C1を保持する。その後、蓋体開閉機構16が蓋体Cを保持した状態で下方に移動することによりキャリアCと第1の単位ブロックB1とが連通する。この状態で、メインアームA1(第1の基板搬送装置)がキャリアC内のウエハWを取り出し、メインアームA1によりウエハWを塗布ユニット(BCT)12(反射防止膜塗布装置12A)に搬送し、反射防止膜塗布装置12AにおいてウエハWに反射膜防止液が供給された後、熱処理ユニット13で熱処理されて反射防止膜が形成される。その後、熱処理ユニット13からメインアームA1がウエハWを取り出し、バッファユニットBU1へ搬送する。
【0065】
その後、基板受渡しアーム9により、バッファユニットBU1からバッファユニットBU3へウエハWが受け渡され、メインアームA3(第3の基板搬送装置)により、第3の処理ブロック4cの塗布ユニット(COT)12(レジスト塗布装置12C)に搬送し、レジスト塗布装置12Cにおいて、ウエハWにレジスト膜液が供給されてレジスト膜が形成され、熱処理ユニット13で熱処理される。その後、熱処理ユニット13からメインアームA3がウエハWを取り出し、バッファユニットBU3へ搬送する。
【0066】
続いてバッファユニットBU3のウエハWはインターフェイスアーム19により露光装置6に搬送され、ここで所定の露光処理が行われる。露光処理後のウエハWは、インターフェイスアーム19に第2の処理ブロック4bである第5の単位ブロックB5にウエハWを受け渡すために、バッファユニットBU5に搬送され、メインアームA5(第2の基板搬送装置)が受け取り、ウエハWは先ず熱処理ユニット13で加熱処理と加熱処理後の冷却処理が行われた後、塗布ユニット(DEV)12(現像処理装置12B)に搬送され、現像処理装置12Bで現像処理され、現像後のウエハWを熱処理ユニット13で熱処理して、所定の現像処理が行われる。
【0067】
また、第1の単位ブロックB1と連通したキャリアC内の処理されるべきウエハW、すなわち、第1の単位ブロックB1に搬送されるべきウエハWを全て第1の単位ブロックB1に搬送した後に、当該キャリアCはキャリア搬送装置8によって第5の単位ブロックB5の基板搬出部7bに搬送され、第5の単位ブロックB5において、前記と同様に蓋体開閉機構16によって連通される。そして、第5の単位ブロックB5での処理が終了したウエハWは、基板搬出部7bに載置されたキャリアC内にメインアームA5によって搬送される。
【0068】
このような塗布現像装置1では、キャリアCを単位ブロックB1〜B6に直接連通させて、単位ブロックB1〜B6内のメインアームA1〜A6によってキャリアCにアクセスするようにしたので、フットプリントが低減すると共に、キャリアCから第1の処理ブロック4aに搬入するまでに搬送装置がウエハWと接触する回数と、処理が終了して第2の処理ブロック4bからウエハWをキャリアCへ搬送するまでの回数を低減させることができるため、基板搬送装置がウエハの裏面を擦ってダメージを与えるリスクの低減及び、裏面のパーティクルの付着のリスクを低減することが可能となる。
【0069】
<第2実施形態>
次に、本発明に係る基板処理システムの第2実施形態について説明する。図9及び図10は、第2実施形態に係る基板の処理方法が実現される基板処理システムとしての洗浄処理システム101の構成を示す平面図と概略断面図である。
【0070】
洗浄処理システム101は図9及び図10に示すように、例えば外部から洗浄処理システム101に対して複数枚のウエハWをカセット単位で搬入出するための搬入出部としてのキャリア搬入出ブロック102と、ウエハWに対して枚葉式に所定の液処理を施す複数の液処理ユニット109を有する処理ブロック104と、キャリア搬入出ブロック102に搬送されたキャリアC内のウエハWを処理ブロック104に対してウエハWを一枚ずつ搬入出する基板搬入出ブロック103と、処理ブロック104とを一体に接続した構成を有している。
【0071】
基板搬入出ブロック103には、第1実施形態のキャリア搬送装置8と同様に構成されるキャリア把持片108eを有するキャリア搬送装置108が配設されている。このキャリア搬送装置108によって、キャリア搬入出ブロック102と、処理ブロック104に連通可能な基板搬入出部107との間でキャリアCを搬送することができるようになっている。
【0072】
処理ブロック104は、図10に示すように、第1の処理ブロック104aと第2の処理ブロック104bの順に積層されている。第1,第2の処理ブロック104a,104bには、ウエハWに対して薬液を塗布するための複数の処理ユニット109と、これらの処理ユニット109に対して、ウエハWを搬送するための搬送領域121と基板搬送装置AであるメインアームA11,A12とを備えている。
【0073】
第1,第2の処理ブロック104a,104bには、メインアームA11,A12を配設する直線状の搬送領域121が設けられており、この搬送領域121を挟んだ両側に処理ユニット109が設けられている。各処理ユニット109では、SPM(硫酸と過酸化水素水の混合液)によるレジスト剥離処理、SC1(アンモニア過水)によるパーティクル除去、SC2(塩酸と過酸化水素水の混合液)によるメタル除去などの種々の処理を単独で、又は、複数処理を連続で行うことができるように構成されており、また、2以上の処理ユニット109を用いて複数の液処理を連続して行うようにしても構わない。
【0074】
また、このメインアームA11,A12は、処理ユニット109に対して進退自在、昇降自在、鉛直軸回りに回転自在、Y方向に移動自在に構成されており、第1,第2の処理ブロック104a,104b内の各処理ユニット109の他、後述するような基板搬入出部107に載置されたキャリアCに対してもアクセスが可能となっている。
【0075】
次に基板搬入出ブロック103の基板搬入出部107について、第1の処理ブロック104aに対する基板搬入出部107を用いて説明する。第1の処理ブロック104aの側方の第1の処理ブロック104aに連通可能な位置にキャリアを載置可能な基板搬入出部107を備えている。基板搬入出部107には、第1の処理ブロック104aの側壁に設けられた基板搬入出ステージ113と、基板搬入出ステージ113上に設けられたキャリア載置台114が設けられており、キャリア載置台114が図示しないスライド機構により第1の処理ブロック104a側にスライドするように構成されている。
【0076】
また、第1の処理ブロック104aのウエハ搬送領域121は雰囲気制御をするため、前記第1実施形態と同様にケーシング(図示せず)により覆われており、ケーシングにおけるカセット載置台114に対応する位置には、ウエハ搬送口(図示せず)が形成され、ウエハ搬送口はキャリアCの蓋体C1を開閉する蓋体開閉機構116により閉塞されている。蓋体開閉機構116は第1実施形態の蓋体開閉機構16と同様のものを用いることができ、制御部40からの制御信号に基づいて駆動制御されるようになっている。
【0077】
上記のような構成によって、基板搬入出部107のキャリア載置台114に載置されたキャリアCは、キャリア載置台114がスライドすることにより、蓋体開閉機構116と接触し、蓋体開閉機構116によりキャリアCの蓋体C1が保持される。その状態で、蓋体開閉機構116が蓋体C1を保持し、下方に移動することによって、キャリアCが第1の処理ブロック104に連通する位置に載置されることになる。
【0078】
ここで、この洗浄処理装置101におけるウエハWの流れについて説明する。先ず外部からキャリアCがキャリア搬入出ブロック102に搬入され、キャリアステージ120に載置される。次いで、キャリア搬送装置108によって、キャリアステージ120に載置されたキャリアCを第1の処理ブロック104aと連通する位置に設けられた基板搬入出部107の基板搬入出ステージ113上のキャリア載置台114に搬送する。
【0079】
次いで、キャリア載置台114が第1の処理ブロック104a側に蓋体開閉機構116と接触するまでスライドし、この蓋体開閉機構116が蓋体C1を保持した状態で下方に移動することにより、第1の処理ブロック104aの搬送領域121と連通する。その後メインアームA11により、第1の処理ブロック104aの内の一つの液処理ユニット109に搬送される。液処理ユニット109内では所定の薬液の処理、例えば、SPMによるレジスト剥離処理が実行される。その後、第1の処理ブロック104aの別の液処理ユニット109にメインアームA11により搬送される。この液処理ユニット109においては、例えば、SC1によるパーティクル除去処理が行われ、メインアームA11によりキャリア載置台114上のキャリアCに搬送される。なお、この場合、SPM処理とSC1処理などの複数の液処理を同一の液処理ユニット109で処理するようにしても構わない。
【0080】
その後、キャリアC中の処理対象のウエハWがなくなるまで上記の処理を繰り返し、処理すべきキャリアC中に処理するべきウエハWがなくなり、処理を行ったウエハWをキャリアC内に全て回収したら、蓋体開閉機構116により蓋体C1を閉じ蓋体C1の保持を解除した後に、キャリア載置台114が第1の処理ブロック104aから離間するようにスライドする。その後、キャリア搬送装置108によりキャリア載置台114からキャリア搬入出ブロック102に搬送されることにより処理が終了する。
【0081】
このような洗浄処理装置101では、キャリアCを処理ブロック104に直接連通させて、処理ブロック104のメインアームA11,A12によってキャリアにアクセスするようにしたのでフットプリントが低減すると共に、キャリアCから処理ブロック104に搬入するまでに搬送装置がウエハWと接触する回数と、処理が終了して処理ブロック104からウエハWをキャリアCへ搬送するまでの回数を低減させることができるため、搬送装置がウエハの裏面を擦ってダメージを与えるリスクの低減及び、裏面のパーティクルの付着のリスクを低減することが可能となる。
【0082】
また、蓋体開閉機構116は、処理ブロック104からキャリアCへウエハWが搬送されるまでの時間が所定時間(例えば60秒)以上の場合には、蓋体開閉機構116がキャリアCの蓋体C1を閉じるようになっている。このようにすることで、キャリアC及びキャリアC内のウエハWが処理ブロック104内の雰囲気に汚染されることを低減することができると共に、キャリアC内から処理ブロック104内に拡散するパーティクルの個数を低減させることができる。
【0083】
<その他の実施形態>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。
【0084】
(1)例えば、第1実施形態では、第1,第2,第3の処理ブロック4a,4b4cを積層した場合について説明したが、第1,第2の処理ブロック4a,4bの2段にして、第1の処理ブロック4aにレジスト塗布装置12Cを配設すると共に、熱処理ユニット13を配設してもよい。
【0085】
このように構成される実施形態においては、キャリア搬送装置8によって、キャリア搬入出ブロック2に載置されたキャリアCを第1の処理ブロック4aである第1の単位ブロックB1と連通する位置に設けられた基板搬入部7aのキャリア載置部14に搬送する。
【0086】
キャリア載置部14がスライドして蓋体開閉機構16と接触し、蓋体開閉機構16がキャリアCの蓋体C1を保持した状態で下方に移動することによりキャリアCと第1の単位ブロックB1とが連通する。この状態で、メインアームA1(第1の基板搬送装置)がキャリアC内のウエハWを取り出し、メインアームA1によりウエハWを塗布ユニット(COT)12(レジスト塗布装置12C)に搬送し、レジスト塗布装置12CにおいてウエハWにレジスト膜液が供給されてレジスト膜が形成され、熱処理ユニット13で熱処理される。その後、熱処理ユニット13からメインアームA1がウエハWを取り出し、バッファユニットBU1へ搬送する。
【0087】
続いてバッファユニットBU1のウエハWはインターフェイスアーム19により露光装置6に搬送され、ここで所定の露光処理が行われる。露光処理後のウエハWは、インターフェイスアーム19に第2の処理ブロック4bである第5の単位ブロックB5にウエハWを受け渡すために、バッファユニットBU5に搬送され、メインアームA5(第2の基板搬送装置)が受け取り、ウエハWは先ず熱処理ユニット13で加熱処理と加熱処理後の冷却処理が行われた後、塗布ユニット(DEV)12(現像処理装置12B)に搬送され、現像処理装置12Bで現像処理され、現像後のウエハWを熱処理ユニット13で熱処理して、所定の現像処理が行われる。
【0088】
また、第1の単位ブロックB1と連通したキャリアC内の処理されるべきウエハW、すなわち、第1の単位ブロックB1に搬送されるべきウエハWを全て第1の単位ブロックB1に搬送した後に、当該キャリアCはキャリア搬送装置8によって第5の単位ブロックB5の基板搬出部7bに搬送され、第5の単位ブロックB5において、前記と同様に蓋体開閉機構16によって連通される。そして、第5の単位ブロックB5での処理が終了したウエハWは、基板搬出部7bに載置されたキャリアC内にメインアームA5によって搬送される。
【0089】
(2)以上の実施の形態で記載したキャリア搬入出ブロック2,102、キャリア待機部30、基板搬入部7a、基板搬出部7b、基板搬入出部107、塗布ユニット12、熱処理ユニット13、単位ブロック等の数や配置は、これに限られるものではなく、処理目的に応じて任意に設定変更可能である。
【0090】
(3)また、熱処理ユニット13は、熱処理及び熱処理後の冷却処理を行うものであったが、他の処理、例えばフォトリソグラフィー処理の初めの段階で行われるアドヒージョン処理や現像後のレジストのラフネス度合いを低減させるためのスムージング処理であってもよい。また、キャリア搬送装置8,108,メインアームA1〜A6、A11,A12の構成もこれに限られるものではない。
【符号の説明】
【0091】
1 塗布現像装置(基板処理システム)
101 洗浄処理装置(基板処理システム)
2,102 キャリア搬入出ブロック
3,103 基板搬入出ブロック
4,104 処理ブロック
4a,104a 第1の処理ブロック
4b,104b 第2の処理ブロック
4c 第3の処理ブロック
5 インターフェイスブロック
6 露光装置
7a 基板搬入部
7b 基板搬出部
107 基板搬入出部
8,108 キャリア搬送装置
9 基板受渡しアーム
10 バッファ部
12 塗布ユニット
12A 反射防止膜塗布装置
12B 現像処理装置
12C レジスト塗布装置
13 熱処理ユニット
16,116 蓋体開閉機構
19 インターフェイスアーム
30 キャリア待機部
W ウエハ(基板)
A(A11,A12) メインアーム(基板搬送装置)
A1,A2 メインアーム(第1の基板搬送装置)
A3,A4 メインアーム(第3の基板搬送装置)
A5,A6 メインアーム(第2の基板搬送装置)
C キャリア
C1 キャリア蓋体
B1〜B6 第1〜第6の単位ブロック
BU1〜BU6 バッファユニット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10