(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5921054
(24)【登録日】2016年4月22日
(45)【発行日】2016年5月24日
(54)【発明の名称】メモリ装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/822 20060101AFI20160510BHJP
H01L 27/04 20060101ALI20160510BHJP
G11C 11/413 20060101ALI20160510BHJP
【FI】
H01L27/04 H
H01L27/04 D
H01L27/04 M
G11C11/34 335Z
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2009-280643(P2009-280643)
(22)【出願日】2009年12月10日
(65)【公開番号】特開2010-157711(P2010-157711A)
(43)【公開日】2010年7月15日
【審査請求日】2012年11月26日
【審判番号】不服2014-20617(P2014-20617/J1)
【審判請求日】2014年10月10日
(31)【優先権主張番号】10-2008-0134895
(32)【優先日】2008年12月26日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】310024033
【氏名又は名称】エスケーハイニックス株式会社
【氏名又は名称原語表記】SK hynix Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100081776
【弁理士】
【氏名又は名称】大川 宏
(72)【発明者】
【氏名】パク グン ウ
【合議体】
【審判長】
鈴木 匡明
【審判官】
中田 剛史
【審判官】
飯田 清司
(56)【参考文献】
【文献】
特開平2−224267(JP,A)
【文献】
特開2006−4585(JP,A)
【文献】
特開2004−327820(JP,A)
【文献】
特開2006−303377(JP,A)
【文献】
特開2007−173478(JP,A)
【文献】
特開平11−265574(JP,A)
【文献】
特開2002−324396(JP,A)
【文献】
特開2008−288372(JP,A)
【文献】
特開2005−101609(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C11/413
H01L27/04
H01L21/822
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
大容量蓄電キャパシタと、
電源供給ラインから電源が供給されて駆動される回路ブロックと、
前記大容量蓄電キャパシタと前記電源供給ラインとの間の電気的な接続をスイッチするスイッチング手段と、
メモリの動作モードを決定するための外部命令語を受信し、前記外部命令語の組合せにより、前記回路ブロックのイネーブルまたはディセーブルを制御する制御信号と、前記スイッチング手段のターンオンまたはターンオフを制御する制御信号の論理値を決定し、前記メモリの動作モードに応じて前記スイッチング手段のターンオンまたはターンオフを制御する制御手段と、
を備え、
前記大容量蓄電キャパシタは、漏洩電流を有し、
前記スイッチング手段は、前記メモリの動作モードが前記漏洩電流の少なくとも100倍の電流消費を要求するモードであるとき、前記制御手段によりターンオンされ、前記メモリの動作モードが前記漏洩電流の少なくとも100倍の電流消費を要求するモード以外のモードであるとき、前記制御手段によりターンオフされることを特徴とするメモリ装置。
【請求項2】
前記漏洩電流の少なくとも100倍の電流消費を要求するモード以外のモードとは、パワーダウンモード、スタンバイモード、およびリフレッシュモードのいずれか1つのモードであることを特徴とする請求項1に記載のメモリ装置。
【請求項3】
前記電源供給ラインは、第1電源供給ラインおよび第2電源供給ラインを備え、
前記スイッチング手段は、第1電源供給ラインと前記大容量蓄電キャパシタとの間に配置された第1スイッチング部と、前記第2電源供給ラインと前記大容量蓄電キャパシタとの間に配置された第2スイッチング部と、を備え、
前記制御手段は、前記メモリの動作モードに応じて、前記第1スイッチング部とともに前記第2スイッチング部をターンオンまたはターンオフさせることを特徴とする請求項1に記載のメモリ装置。
【請求項4】
前記大容量蓄電キャパシタは、直列に接続された少なくとも2つのキャパシタを備えることを特徴とする請求項3に記載のメモリ装置。
【請求項5】
前記大容量蓄電キャパシタは、
並列に接続された複数のキャパシタを有する第1キャパシタグループと、
並列に接続された複数のキャパシタを有する第2キャパシタグループと、
を備え、
前記第1キャパシタグループおよび前記第2キャパシタグループは、直列に接続されたことを特徴とする請求項3に記載のメモリ装置。
【請求項6】
前記キャパシタは、下部電極導電層、誘電体層、および上部電極導電層が順次積層されたスタックキャパシタであることを特徴とする請求項4又は5に記載のメモリ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源分配(power distribution)装置およびそれを備えるメモリ装置(memory device)に関する。本発明は、メモリ装置以外に他の半導体集積回路にも適用される。
【背景技術】
【0002】
DRAMのようなメモリは、次第に低電圧、高速動作が求められている。高速動作において、パッケージ/ボード(package/board)の小さいインダクタンスは必要な電流供給を妨害し、電源消費を減らすために低い電源電圧を使用するとき、小さい電源電圧のノイズが回路遅延を大きく変化させることで、誤動作が誘発される。
【0003】
かかる現象を克服するためには、電源電圧のノイズを小さくしなければならない。つまり、外部電源とオンチップ(on chip)回路との間のインピーダンスを極めて小さくしたり、チップ内に備えられる回路周辺で蓄電キャパシタ(reservoir capacitor)のキャパシタンスを大きくしたりして、インピーダンスを減少すべきである。ここで、蓄電キャパシタは、電力消費による電圧降下を最小化させるために電源分配装置に使用されるものである。
【0004】
高周波ノイズに対しては、ESR(Equivalent Series Resistance)が小さい蓄電キャパシタで十分に小さいインピーダンスを獲得することができるが、低周波ノイズに対しては、極めて大きいキャパシタンスの蓄電キャパシタを必要とする。
【0005】
一方、蓄電キャパシタのキャパシタンスは電極の表面積に比例し、誘電体の厚さに反比例する。したがって、与えられた面積で大きいキャパシタンスを獲得するためには、誘電体の厚さを薄くすべきである。ところで、誘電体の厚さが薄い場合、蓄電キャパシタの漏洩電流が問題となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、大容量の蓄電キャパシタを使用することによって漏洩電流が大きくなる問題が解決された電源分配装置を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、本発明は上記のような電源分配装置が備えられた集積回路を提供することにある。
【0008】
また、本発明の更なる目的は、上記のような電源分配装置が備えられたメモリ装置を提供することある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述した目的を達成するための電源分配装置は、大容量蓄電キャパシタと、電源供給ラインと前記大容量蓄電キャパシタとの間に接続されたスイッチング手段と、前記電源供給ラインに接続された回路ブロックの動作の状態に応じて、前記スイッチング手段のターンオンまたはターンオフを制御する制御手段と、を備える。
【0010】
また、前述した目的を達成するための集積回路は、大容量蓄電キャパシタと、電源供給ラインから電源の供給を受けて駆動する回路ブロックと、前記回路ブロックのイネーブルまたはディセーブル状態に対する情報を受け、前記大容量蓄電キャパシタと前記電源供給ラインとの間の電気的な接続を制御するスイッチング手段と、を備える。
【0011】
改善された集積回路は、前記回路ブロックのイネーブルの可否(回路ブロックがイネーブルされたか否か)を感知し、前記スイッチング手段のターンオンまたはターンオフを制御する感知手段をさらに備えることができる。これとは異なり、前記回路ブロックおよび前記スイッチング手段の駆動を制御する制御手段をさらに備えることができる。
【0012】
前述の改善された電源分配装置および改善された集積回路において、前記回路ブロックは、イネーブル時に低周波ノイズが発生するブロックであり得、前記回路ブロックは、イネーブル時に蓄電キャパシタが有する漏洩電流の少なくとも100倍に該当する電流消費を有するブロックであり得る。前記回路ブロックのイネーブル時に前記スイッチング手段はターンオンされ、前記回路ブロックのディセーブル時に前記スイッチング手段はターンオフされる。
【0013】
また、前述した目的を達成するためのメモリ装置は、大容量蓄電キャパシタと、前記大容量蓄電キャパシタと電源供給ラインとの間の電気的な接続をスイッチするスイッチング手段と、外部命令語を受信し、メモリの動作モードに応じて前記スイッチング手段のターンオンまたはターンオフを制御する制御手段と、を備える。前記メモリ装置において、メモリの動作モードが前記漏洩電流の少なくとも100倍の電流消費を要求するモードであるとき、前記スイッチング手段はターンオンされることが好ましい。また、電流消費が極めて少ないパワーダウンモード、スタンバイモード、およびリフレッシュモードのいずれか1つのモードであるときスイッチング手段はターンオフされることが好ましい。
【0014】
改善された電源分配装置、集積回路、およびメモリ装置において、前記電源供給ラインは、第1電源供給ラインおよび第2電源供給ラインを備え、前記スイッチング手段は、第1電源供給ラインと前記大容量蓄電キャパシタとの間、前記第2電源供給ラインと前記大容量蓄電キャパシタとの間の少なくとも一箇所に配置されたことが好ましい。
【0015】
また、前記大容量蓄電キャパシタは、直列に接続された少なくとも2つのキャパシタを備えることができる。これとは異なり、前記大容量蓄電キャパシタは、並列に接続された複数のキャパシタを有する第1キャパシタグループと、並列に接続された複数のキャパシタを有する第2キャパシタグループとを備え、前記第1キャパシタグループおよび前記第2キャパシタグループは直列に接続されることができる。キャパシタは、下部電極導電層、誘電体層、および上部電極導電層が順次積層されたスタックキャパシタである。前記大容量蓄電キャパシタは、μF級のキャパシタンスを有する。
【発明の効果】
【0016】
低周波ノイズを除去するためには、μF級のキャパシタンスを有する大容量の蓄電キャパシタが必要であり、このような大容量の蓄電キャパシタは、下部電極導電層、誘電体、および上部電極導電層が積層されたスタックキャパシタとして具現可能である。このとき、制限された面積でキャパシタンスを増加させるためには誘電体を薄くしなければならない。よって、大容量キャパシタは漏洩電流が大きくならざるを得ない。
【0017】
したがって、改善された電源分配装置および集積回路においては、電源供給ラインおよび大容量蓄電キャパシタの電気的接続を回路ブロックの動作状態に応じて制御することによって、大容量蓄電キャパシタの具現による漏洩電流の問題を解決する。
【0018】
すなわち、電源供給ラインから電源の供給を受ける所定の回路ブロックが低周波ノイズを有するブロックであれば、この回路ブロックがイネーブルされるとき、大容量蓄電キャパシタを電源供給ラインに電気的に接続して低周波ノイズを除去する。反対に、回路ブロックがディセーブルされたときには、大容量蓄電キャパシタを電源供給ラインから分離して漏洩電流の問題を解決することができる。また、回路ブロックが自体のイネーブル時に蓄電キャパシタの漏洩電流に比べて比較的に大きい(少なくとも100倍)電流消費を有するブロックであれば、回路ブロックのイネーブル時に蓄電キャパシタが有する漏洩電流は無視できる程度のマイナー(極微)な値となるため、蓄電キャパシタを電源供給ラインに電気的に接続して低周波ノイズに備える。反対に、回路ブロックがディセーブルされる場合、固定的に流れる蓄電キャパシタの漏洩電流は無視できない程度になるため、電源供給ラインから蓄電キャパシタを分離する。
【0019】
DRAMを含むメモリ装置は様々な動作モードを有する。改善されたメモリ装置では、このような動作モード中で大容量蓄電キャパシタが有する漏洩電流の少なくとも100倍の電流消費を要求する動作モードであるとき、蓄電キャパシタを電源供給ラインに接続し、これとは反対に電流消費が少ない動作モードであるときは、蓄電キャパシタを電源供給ラインに接続しない。これによって、メモリに大容量蓄電キャパシタを応用しつつ発生し得る漏洩電流の問題を解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】改善された電源分配装置を概略的に示す図である。
【
図2A】大容量蓄電キャパシタの他の実施形態を示す等価回路図である。
【
図2B】大容量蓄電キャパシタの他の実施形態を示す等価回路図である。
【
図3】改善された集積回路を概略的に示す図である。
【
図4】他の実施形態に係る改善された集積回路の図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明の技術的な思想を容易に実施できる程度で詳細に説明するために、本発明の最も好ましい実施形態を添付の図面を参照して説明する。
【0022】
図1は、改善された電源分配装置に対する概略図である。
【0023】
同図に示すように、電源分配装置は、大容量蓄電キャパシタ160と、電源供給ライン120Aおよび120Bと大容量蓄電キャパシタ160との間に接続されたスイッチング部140Aおよび140Bと、電源供給ライン120Aおよび120Bに接続する所定の回路ブロックの動作の可否に応じて、スイッチング部140Aおよび140Bのターンオンまたはターンオフを制御する制御部180とを備える。
【0024】
電源供給ラインは、例えばVDD(電源供給電圧)をもつ第1電源供給ライン120Aと、例えばVSS(接地電圧)をもつ第2電源供給ライン120Bとを備える。
【0025】
スイッチング部は、第1電源供給ライン120Aと大容量蓄電キャパシタ160との間に配置された第1スイッチング部140Aと、第2電源供給ライン120Bと大容量蓄電キャパシタ160との間で配置された第2スイッチング部140Bとを備える。スイッチング部140Aおよび140Bは、通常のMOSトランジスタスイッチで具現可能である。本実施形態においては、第1スイッチング部140Aおよび第2スイッチング部140Bが共に備えられているものを示したが、この中で少なくともいずれか1つのみを備えてもよい。
【0026】
大容量蓄電キャパシタ160は、並列に接続された複数のキャパシタを有する第1キャパシタグループ160Aと、並列に接続された複数のキャパシタを有する第2キャパシタグループ160Bとを備える。第1キャパシタグループ160Aと第2キャパシタグループ160Bは直列に接続される。
【0027】
そして、この蓄電キャパシタを構成する単位キャパシタは、下部電極導電層、誘電体層、および上部電極導電層が順次積層されたスタックキャパシタで構成され、μF級の大容量を有するために誘電体は薄い厚さを有する。
【0028】
制御部180は、電源供給ライン120Aおよび120Bを介して電源の供給を受ける回路ブロック(図示せず)の動作状態に応じて、制御信号CONT、/CONTの論理値が決定される。例えば、回路ブロックがイネーブル時に低周波ノイズが発生するブロックの場合や、大容量蓄電キャパシタが有する漏洩電流よりも少なくとも100倍に該当する電流消費を有するブロックの場合、制御部180は、回路ブロックのイネーブル時にスイッチング部140Aおよび140Bをターンオンさせ、反対に回路ブロックのディセーブル時にスイッチング部140Aおよび140Bをターンオフさせる。
【0029】
高周波ノイズに対しては、ESRが小さい蓄電キャパシタで十分に小さいインピーダンスを獲得することができるが、低周波ノイズに対しては極めて大きいキャパシタンスの蓄電キャパシタを必要とする。一方、制限された面積で大容量を有するように蓄電キャパシタを具現するためには、薄い誘電体を備えるスタックキャパシタが必要である。しかし、このような大容量蓄電キャパシタ160は、自身の漏洩電流が大きくならざるを得ない。
【0030】
したがって、電源供給ライン120Aおよび120Bから電源の供給を受ける所定の回路ブロックが低周波ノイズを有するブロックであれば、この回路ブロックがイネーブルされるとき、大容量蓄電キャパシタ160を電源供給ラインに電気的に接続して低周波ノイズを除去する。反対に、回路ブロックがディセーブルされたときには、漏洩電流を減らすために大容量蓄電キャパシタ160を電源供給ラインに電気的に接続する必要がない。
【0031】
また、回路ブロックが自身のイネーブル時に蓄電キャパシタの漏洩電流に比べて極めて大きい(少なくとも100倍)電流消費を有するブロックであれば、回路ブロックのイネーブル時に蓄電キャパシタが有する漏洩電流は無視できる程度のマイナー(極微)な値となるため、蓄電キャパシタ160を電源供給ラインへ電気的に接続してもかまわない。しかし、回路ブロックがディセーブルされる場合、蓄電キャパシタの漏洩電流が全体システムの電流消費に大きい影響を及ぼすことから、電源供給ラインとの電気的な接続をオフさせる。例えば、回路ブロックが長時間ディセーブルされる場合、固定的に流れる蓄電キャパシタの漏洩電流は無視できない程度になるためである。
【0032】
このように、改善された電源分配装置は、電源供給ライン120Aおよび120Bと大容量蓄電キャパシタ160との電気的な接続を、回路ブロックの動作状態(イネーブル状態/ディセーブル状態)に応じて制御することによって、大容量蓄電キャパシタの具現による漏洩電流の問題を解決する。
【0033】
図2Aおよび
図2Bは、
図1に示された大容量蓄電キャパシタ160の他の実施形態を示す。
図2Aに示したように、大容量蓄電キャパシタ260Aは、直列に接続された少なくとも2つのキャパシタ260AAおよび260ABで構成され得、
図2Aに示したように大容量蓄電キャパシタ260Bは単一の大容量キャパシタとして構成することもできる。
【0034】
図3および
図4は、改善された電源分配装置が応用された集積回路の実施形態を概略的に示す図面である。
【0035】
図3および
図4に示すように、改善された集積回路は、大容量蓄電キャパシタ360(460)と、電源供給ライン320Aおよび320B(420Aおよび420B)から電源の供給を受けて駆動する回路ブロック310(410)と、回路ブロックのイネーブルまたはディセーブル状態に対する情報(制御信号CONTに該当する)を受け、大容量蓄電キャパシタ360(460)と電源供給ライン320A(420A)との間の電気的な接続を制御するスイッチング部340(440)とを備える。
【0036】
電源供給ラインは、例えばVDDをもつ第1電源供給ライン320A(420A)と、例えばVSSをもつ第2電源供給ライン320B(420B)とを備える。
【0037】
スイッチング部340(440)は、第1電源供給ライン320A(420A)と大容量蓄電キャパシタ360(460)との間に配置されたPMOSトランジスタで構成される。また、実施形態と異なり、スイッチング部は、第2電源供給ライン320B(420B)と大容量蓄電キャパシタ360(460)との間で接続されるNMOSトランジスタで具現されてもよい。また、スイッチング部は、このようなPMOSトランジスタおよびNMOSトランジスタを共に備えてもよい。
【0038】
図3に示す実施形態に係る集積回路は、回路ブロック310のイネーブルの可否を感知し、スイッチング部340の駆動を制御する感知部350をさらに備える。すなわち、感知部350の出力の制御信号CONTは、回路ブロック310のイネーブルまたはディセーブルの状態に応じて論理値が決定される。また、決定された制御信号CONTの論理値によってスイッチング部340のターンオンおよびターンオフが制御される。
【0039】
図3に示す実施形態と異なり、
図4に示す実施形態に係る集積回路は、回路ブロック410およびスイッチング部440を共に制御する制御部480をさらに備える。通常の集積回路において所定の回路ブロック410に対する動作時点は特定制御回路により制御され得る。この点を利用して、
図4に示す実施形態では、回路ブロックが制御信号ENによってイネーブルされるときのみ制御信号CONTも活性化され、スイッチング部440をターンオンする。
【0040】
ここで、回路ブロック310(410)は、イネーブル時に低周波ノイズが発生するブロックや、あるいは、自身のイネーブル時に大容量蓄電キャパシタ360(460)が有する漏洩電流の少なくとも100倍に該当する電流消費を有するブロックであり得る。この場合、回路ブロック310(410)のイネーブル時にスイッチング部340(440)はイネーブルされ、回路ブロック310(410)のディセーブル時にスイッチング部340(440)はディセーブルされる。
【0041】
図3および
図4に示された実施形態において、大容量蓄電キャパシタ360および460は、
図1、
図2A、または
図2Bによって説明された大容量蓄電キャパシタ160、260A、または260Bと実質的に同一に構成される。
【0042】
図5は、改善された電源分配装置が応用されたメモリ装置の概略的な構造図である。
【0043】
図5に示すように、改善されたメモリ装置は、大容量蓄電キャパシタ560と、大容量蓄電キャパシタ560と電源供給ライン520Aおよび520Bとの間の電気的な接続をスイッチングするスイッチング部540と、外部命令語CS、CAS、RAS、およびWEを受信し、メモリ動作モードに応じてスイッチング部540のターンオンまたはターンオフを制御する制御部580とを備える。
【0044】
例えば、DRAMを含むメモリ装置は様々な動作モードを有する。その動作モードの中で、大容量蓄電キャパシタが有する漏洩電流の少なくとも100倍の電流消費を要求する動作モードのとき、蓄電キャパシタを電源供給ラインに接続し、反対に電流消費が少ない動作モードのとき、蓄電キャパシタを電源供給ラインに接続しない。メモリの電流消費が少ない動作モードは、例えばパワーダウンモード、スタンバイモード、およびリフレッシュモードのいずれか1つのモードであり得る。
【0045】
一方、メモリの動作モードは、メモリチップに入力される外部命令語の組合せによって決定される。したがって、このような命令語の組合せにより制御信号CONTの論理値を決定し、これによってスイッチング部540を制御して動作モードによる大容量キャパシタ560の使用の可否を決定する。
【0046】
改善されたメモリ装置において、電源供給ライン520Aおよび520Bと、スイッチング部540と、大容量蓄電キャパシタ560とは前述の実施形態で説明されたものと同一であるため、ここではその詳細な説明は省略する。
【0047】
本発明の技術思想は前記好ましい実施形態により具体的に記述されたが、前記した実施形態はその説明のためのものであり、その制限のためのものではないことを注意しなければならない。また、本発明の技術分野における通常の専門家ならば、本発明の技術思想の範囲内で多様な実施形態が可能であることが理解するであろう。
【符号の説明】
【0048】
120A、120B 電源供給ライン
140A、140B スイッチング部
160 大容量蓄電キャパシタ
180 制御部