(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記回転可能に取り付けられたリフレクタは、前記プラズマ形成位置に向かって方向付けられた反射面と、前記レーザに向かって方向付けられた反射面とを備える、請求項1に記載のEUV放射発生装置。
前記回転可能に取り付けられたリフレクタは、前記プラズマ形成位置に向かって方向付けられた1つ以上の追加の反射面と、前記レーザに向かって方向付けられた対応する数の追加の反射面とを備え、
前記半径方向に位置決めされたリフレクタは、複数の半径方向に位置決めされたリフレクタのうちの1つである、請求項2に記載のEUV放射発生装置。
半径方向に位置決めされたリフレクタの数は、前記レーザに向かって方向付けられた前記回転可能に取り付けられたリフレクタの反射面の数に等しいかまたはその倍数である、請求項3に記載のEUV放射発生装置。
前記光分離装置は、前記プラズマ形成位置から反射された放射のパルスの大部分のエネルギーからの光分離を提供する、請求項1から10のいずれかに記載のEUV放射発生装置。
前記光分離装置は、前記プラズマ形成位置から反射された放射のパルスの全エネルギーからの光分離を提供する、請求項1から11のいずれかに記載のEUV放射発生装置。
【背景技術】
【0003】
[0003] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板上、通常、基板のターゲット部分上に付与する機械である。リソグラフィ装置は、例えば集積回路(IC)の製造に用いることができる。その場合、ICの個々の層上に形成される回路パターンを生成するために、マスクまたはレチクルとも呼ばれるパターニングデバイスを用いることができる。このパターンは、基板(例えばシリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば1つ以上のダイの一部を含む)に転写することができる。通常、パターンの転写は、基板上に設けられた放射感応性材料(レジスト)層上への結像によって行われる。一般には、単一の基板が、連続的にパターニングされる隣接したターゲット部分のネットワークを含んでいる。
【0004】
[0004] リソグラフィは、ICおよび他のデバイスおよび/または構造の製造における重要なステップの1つとして広く認識されている。しかしながら、リソグラフィを使用して作られるフィーチャの寸法が小さくなるにつれて、リソグラフィは小型ICまたは他のデバイスおよび/または構造を製造可能にするためのより重大な要素になりつつある。
【0005】
[0005] パターンプリンティングの限界の理論推定値は、次式(1)に示されるような解像度についてのレイリー(Rayleigh)基準によって与えることができる。
【数1】
ここで、λは用いられる放射の波長であり、NAはパターンのプリントに用いられる投影システムの開口数であり、k
1はレイリー定数とも呼ばれる、プロセス依存型調節係数であり、CDはプリントされたフィーチャのフィーチャサイズ(またはクリティカルディメンション)である。式(1)から、フィーチャの最小プリント可能サイズの縮小は、3つの方法、すなわち、露光波長λを短くすること、開口数(NA)を大きくすること、またはk
1の値を小さくすることによって得られることが分かる。
【0006】
[0006] 露光波長を短くする、したがってプリント可能な最小サイズを縮小するために、極端紫外線(EUV)源を使用することが提案されている。EUV放射は、5〜20nmの範囲内、例えば13.5nmといった13〜14nmの範囲内、例えば6.7nmまたは6.8nmといった5〜10nmの範囲内、の波長を有する電磁放射である。可能な放射源としては、例えばレーザ生成プラズマ源、放電プラズマ源、または電子蓄積リングによって供給されるシンクロトロン放射に基づいた放射源が挙げられる。
【0007】
[0007] EUV放射はプラズマを用いて生成されうる。EUV放射を生成するための放射システムは、燃料を励起してプラズマを供給するためのレーザと、プラズマを閉じ込めるための放射源コレクタモジュールとを含みうる。プラズマは、例えば好適な物質(例えばスズ)の粒子、または、XeガスまたはLi蒸気といった適切なガスまたは蒸気のストリームである燃料にレーザビームを向けることによって生成されうる。結果として生じるプラズマは、例えばEUV放射である出力放射を放出し、この放射は放射コレクタを用いて集められる。放射コレクタは、放射を受け取りかつ放射をビームに集束するミラー付き法線入射放射コレクタであってよい。放射源コレクタモジュールは、プラズマを支援するために真空環境を与えるように構成された囲い構造またはチャンバを含みうる。このような放射システムは、通常、レーザ生成プラズマ(LPP)源と呼ばれる。
【0008】
[0008] 燃料に向けられるレーザビームは、数十キロワットのパワーでレーザビームを供給するように構成されたレーザ装置によって発生されうる。この高いパワーでレーザビームを供給するために、レーザ装置は、非常に高い利得で動作する利得媒体を含みうる。利得媒体の非常に高い利得は、課題を生む。例えば燃料(またはプラズマ)によって反射されたレーザ放射は、利得媒体を通過して、レーザ装置の光コンポーネントを損傷しうるのに十分に高いパワーにまで増幅されうる。さらに、この放射が、利得媒体を通過する際、利得媒体の利得の減少を引き起こしうる。さらに、レーザ装置は、望ましくない自己レーザ発振による影響を受けることがある。望ましくない自己レーザ発振とは、レーザビームが所望されていないときのレーザ装置によるレーザビームの自然発生である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[00023]
図1は、本発明の一実施形態によるリソグラフィ装置100を概略的に示す。このリソグラフィ装置は、放射ビームB(例えばEUV放射)を生成するように構成された放射減コレクタモジュール(SO)と、放射ビームBを調整するように構成された照明システム(イルミネータ)ILと、パターニングデバイス(例えばマスクまたはレチクル)MAを支持するように構成され、かつパターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第1ポジショナPMに接続されたサポート構造(例えばマスクテーブル)MTと、基板(例えばレジストコートウェーハ)Wを保持するように構成され、かつ基板を正確に位置決めするように構成された第2ポジショナPWに接続された基板テーブル(例えばウェーハテーブル)WTと、パターニングデバイスMAによって放射ビームBに付けられたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば1つ以上のダイを含む)上に投影するように構成された投影システム(例えば反射投影システム)PSとを含む。
【0016】
[0024] 照明システムとしては、放射を誘導し、整形し、または制御するために、屈折型、反射型、磁気型、電磁型、静電型、またはその他のタイプの光コンポーネント、或いはそれらの任意の組み合せ等の様々なタイプの光コンポーネントを含むことができる。
【0017】
[00025] サポート構造MTは、パターニングデバイスの向き、リソグラフィ装置の設計、および、パターニングデバイスが真空環境内で保持されているか否か等の他の条件に応じた態様で、パターニングデバイスMAを保持する。サポート構造は、機械式、真空式、静電式またはその他のクランプ技術を使って、パターニングデバイスを保持することができる。サポート構造は、例えば、必要に応じて固定または可動式にすることができるフレームまたはテーブルであってもよい。サポート構造は、パターニングデバイスを、例えば投影システムに対して所望の位置に確実に置くことができる。
【0018】
[00026] 「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分内にパターンを作り出すように、放射ビームの断面にパターンを付与するために使用できるあらゆるデバイスを指していると広く解釈されるべきである。放射ビームに付与されたパターンは、集積回路等のターゲット部分内に作り出されるデバイス内の特定の機能層に対応しうる。
【0019】
[00027] パターニングデバイスは、透過型であっても反射型であってもよい。パターニングデバイスの例としては、マスク、プログラマブルミラーアレイ、およびプログラマブルLCDパネルが含まれる。マスクは、リソグラフィでは周知であり、バイナリ、レべンソン型(alternating)位相シフト、およびハーフトーン型(attenuated)位相シフト等のマスク型、ならびに種々のハイブリッドマスク型を含む。プログラマブルミラーアレイの一例では、小型ミラーのマトリックス配列が用いられ、入射する放射ビームを様々な方向に反射させるように各小型ミラーを個別に傾斜させることができる。傾斜されたミラーは、ミラーマトリックスによって反射された放射ビームにパターンを付与する。
【0020】
[00028] 投影システムは、照明システムと同様に、用いられる露光放射に、または真空の使用といった他の要素に適切な屈折型、反射型、磁気型、電磁型、静電型、または他の型の光コンポーネント、またはそれらのあらゆる組合せを含む様々なタイプの光コンポーネントを含みうる。ガスは放射を吸収しすぎることがあるので、EUV放射には真空を用いることが望ましい。したがって、真空環境を、真空壁および真空ポンプを用いてビーム経路全体に提供しうる。
【0021】
[00029] 本明細書に示されているとおり、リソグラフィ装置は反射型装置であってよい(例えば反射型マスクを採用する)。
【0022】
[00030] リソグラフィ装置は、2つ(デュアルステージ)以上の基板テーブル(および/または2つ以上のマスクテーブル)を有するタイプのものであってもよい。そのような「マルチステージ」機械では、追加のテーブルを並行して使うことができ、すなわち予備工程を1つ以上のテーブル上で実行しつつ、別の1つ以上のテーブルを露光用に使うこともできる。
【0023】
[00031]
図1を参照すると、イルミネータILは、放射源コレクタモジュールSOから極端紫外線(EUV)ビームを受け取る。EUV光を生成する方法には、これに必ずしも限定されないが、物質を、EUV範囲内の1本以上の輝線を有する例えばキセノン、リチウム、またはスズである少なくとも1つの元素を有するプラズマ状態に変換することが含まれる。多くの場合、レーザ生成プラズマ(「LPP」)と呼ばれるこのような方法の1つでは、必要とされるプラズマは、燃料をレーザビームによって照射することによって生成することができる。燃料は、例えば必要な輝線を放出する元素を有する物質の小滴、ストリームまたはクラスタであってよい。結果として生じるプラズマは、例えばEUV放射である出力放射を放出し、この放射は、放射源コレクタモジュール内に配置される放射源コレクタを使って集められる。例えばCO
2レーザを用いてレーザビームを提供する場合、レーザビームを生成するために用いられるレーザと放射源コレクタモジュールとは別個の構成要素であってよい。レーザ装置と放射源コレクタモジュールSOとは、合わせてEUV放射発生装置を構成するとみなされてもよい。
【0024】
[00032] イルミネータILは、放射ビームの角強度分布を調節するように構成されたアジャスタを含むことができる。一般に、イルミネータの瞳面内の強度分布の少なくとも外側および/または内側半径範囲(通常、それぞれσ-outerおよびσ-innerと呼ばれる)を調節することができる。さらに、イルミネータILは、ファセットフィールドミラーデバイスおよびファセット瞳ミラーデバイスといった様々な他のコンポーネントを含むことができる。イルミネータを使って放射ビームを調整すれば、放射ビームの断面に所望の均一性および強度分布を持たせることができる。
【0025】
[00033] 放射ビームBは、サポート構造(例えばマスクテーブル)MT上に保持されているパターニングデバイス(例えばマスク)MA上に入射して、パターニングデバイスによってパターン形成される。パターニングデバイス(例えばマスク)MAから反射された後、放射ビームBは投影システムPSを通過し、投影システムPSは、基板Wのターゲット部分C上にビームの焦点を合わせる。この投影システムは、第2ポジショナPWおよび位置センサPS2(例えば、干渉計デバイス、リニアエンコーダ、または静電容量センサ)を使い、例えば、様々なターゲット部分Cを放射ビームBの経路内に位置決めするように、基板テーブルWTを正確に動かすことができる。同様に、第1ポジショナPMおよび別の位置センサPS1を使い、パターニングデバイス(例えばマスク)MAを放射ビームBの経路に対して正確に位置決めすることもできる。パターニングデバイス(例えばマスク)MAおよび基板Wは、マスクアライメントマークM1、M2と、基板アライメントマークP1、P2を使って位置合わせされうる。
【0026】
[000034] 例示の装置は、以下に説明するモードのうち少なくとも1つのモードで使用できる。
1.ステップモードでは、サポート構造(例えばマスクテーブル)MTおよび基板テーブルWTを基本的に静止状態に保ちつつ、放射ビームに付けられたパターン全体を一度にターゲット部分C上に投影する(すなわち、単一静的露光)。その後、基板テーブルWTは、Xおよび/またはY方向に移動され、それにより別のターゲット部分Cを露光することができる。
2.スキャンモードでは、サポート構造(例えばマスクテーブル)MTおよび基板テーブルWTを同期的にスキャンする一方で、放射ビームに付けられたパターンをターゲット部分C上に投影する(すなわち、単一動的露光)。サポート構造(例えばマスクテーブル)MTに対する基板テーブルWTの速度および方向は、投影システムPSの(縮小)拡大率および像反転特性によって決めることができる。
3.別のモードでは、プログラマブルパターニングデバイスを保持した状態で、サポート構造(例えばマスクテーブル)MTを基本的に静止状態に保ち、また基板テーブルWTを動かす、またはスキャンする一方で、放射ビームに付けられているパターンをターゲット部分C上に投影する。このモードでは、通常、パルス放射源が採用され、さらにプログラマブルパターニングデバイスは、基板テーブルWTの移動後ごとに、またはスキャン中の連続する放射パルスと放射パルスとの間に、必要に応じて更新される。この動作モードは、前述のタイプのプログラマブルミラーアレイといったプログラマブルパターニングデバイスを利用するマスクレスリソグラフィに容易に適用することができる。
【0027】
[00035] 上述の使用モードの組合せおよび/またはバリエーション、或いは完全に異なる使用モードもまた採用可能である。
【0028】
[00036]
図2は、放射源コレクタモジュールSO、照明システムIL、および投影システムPSを含むリソグラフィ装置100をより詳細に示す。放射源コレクタモジュールSOは、真空環境が、放射源コレクタモジュールSO内の囲い構造220内に維持可能であるように構築かつ構成される。
【0029】
[00037] レーザ装置LAは、燃料供給源200から供給されるキセノン(Xe)、スズ(Sn)、またはリチウム(Li)といった燃料に、レーザビーム205を介してレーザエネルギーを与えるように構成され、それにより、電子温度が数十eVとなる高度にイオン化されたプラズマ210が生成される。これらのイオンの脱励起および再結合時に発生するエネルギー放射は、プラズマから放射され、近法線入射コレクタCOによって集められかつ集束される。
【0030】
[00038] コレクタCOによって反射された放射は、仮想放射源点IFに集束される。仮想放射源点IFは、一般的に中間焦点と呼ばれ、放射源コレクタモジュールSOは、中間焦点IFが囲い構造220内の開口221においてまたはその付近に位置するように構成される。仮想放射源点IFは、放射放出プラズマ210の像である。
【0031】
[00039] 次に、放射は、照明システムILを横断する。照明システムILは、パターニングデバイスMAにおいて放射ビーム21の所望の角度分布と、パターニングデバイスMAにおいて放射強度の所望の均一性とを提供するように構成されたファセットフィールドミラーデバイス22とファセット瞳ミラーデバイス24とを含みうる。パターニングデバイスMAにおいて放射ビーム21が反射すると、パターン付きビーム26が形成され、パターン付きビーム26は、投影システムPSによって、反射要素28、30を介して、基板テーブルWTによって保持される基板W上に結像される。
【0032】
[00040] 通常は、図示よりも多くの要素が照明システムILおよび投影システムPS内には存在する。さらに図示よりも多くのミラーが存在してよく、例えば投影システムPS内に1〜6個の追加の反射要素が存在してもよい。
【0033】
[00041]
図3aは、本発明の一実施形態によるEUV放射発生装置を概略的に示す。EUV放射発生装置は、レーザ(ここでは、マスタオシレータ300と呼ぶ)と、第1、第2、および第3のパワーアンプ301〜303とを含む。ポラライザ304が、マスタオシレータ300と第1のパワーアンプ301との間に位置する。回転可能に取り付けられたリフレクタ305が、第1のパワーアンプ301と第2のパワーアンプ302との間に位置する。回転可能に取り付けられたリフレクタ305は、モータ(図示せず)によって駆動されて、装置の光軸、または装置の光軸に実質的に平行な軸周りに回転する。2つの反射面を有する、半径方向に位置決めされたリフレクタ306は、回転可能に取り付けられたリフレクタ305に面する。半径方向に位置決めされたリフレクタ306は、回転可能に取り付けられたリフレクタ305から、光軸OAに対して半径方向に離れている。
【0034】
[00042] 半径方向に位置決めされたリフレクタ306は、回転可能に取り付けられたリフレクタ305の第1の反射面307がレーザパルス205を半径方向に位置決めされたリフレクタ306に誘導する場合に、半径方向に位置決めされたリフレクタ306がレーザビームを回転可能に取り付けられたリフレクタの第2の反射面308に反射するように、方向付けられる。これによりレーザパルス205は、第1のパワーアンプ301から第2のパワーアンプ302以降へと進行できる。
【0035】
[00043] EUV放射発生装置はさらに、2つのビームステアリングミラー310、311と、フォーカス光学部品312とを含む。2つのビームステアリングミラー310、311が図示されているが、任意の数のビームステアリングミラーを用いてよい。ビームステアリングミラー310、311とフォーカス光学部品312とは、3つのパワーアンプ301〜303によって増幅された後のレーザビーム205を受け取り、ビームステアリングミラー310、311とフォーカス光学部品312はともに、レーザビーム205をプラズマ形成位置313に誘導および集束するように構成される。燃料材料の小滴313aが、燃料供給源(図示せず)によってプラズマ形成位置313に供給される。レーザパルス205は、燃料材料小滴313aを蒸発させ、それによりEUV放射生成プラズマを形成する。コレクタCOは、プラズマによって生成された放射を集め、それをリソグラフィ装置の中間焦点に集束させる(
図2参照)。
【0036】
[00044]
図3aに示すコンポーネントは、コレクタCOと燃料材料の小滴313aを除いて、
図2に示すレーザ装置LAを構成するとみなされうる。
【0037】
[00045] EUV発生装置の回転可能に取り付けられたリフレクタ305は、第1のパワーアンプ301が第2および第3のパワーアンプ302、303から分離されることを可能にする。この分離が達成される様子を
図3bに示す。
【0038】
[00046]
図3bは、
図3aと同じEUV発生装置を示すが、回転可能に取り付けられたリフレクタ305は180°回転されている。この回転の結果、第1および第2の反射面307、308は、半径方向に位置決めされたリフレクタ306には向かなくなり、その代わりにビームダンプ314に向かって向く。
【0039】
[00047] マスタオシレータ300は、レーザパルスを生成しなくなる。したがって、マスタオシレータから出ているレーザパルスは示されていない。燃料材料の小滴313aは、レーザパルスを受け取り、それによって加熱される(これはEUV放射を放出するプラズマを生成する)。レーザパルスの一部は、燃料の小滴により反射されて、EUV放射発生装置内を反対方向に伝播する。EUV放射発生装置内を反対方向に伝播する放射は、ここでは、反対方向伝播放射316を呼ぶ。逆方向伝播放射316は、コレクタCO内の開口を通り、次に、第3のパワーアンプ303へと、フォーカス光学部品312およびビームステアリングミラー310、311を介して通る。反対方向伝播放射316は、第3のパワーアンプ303によって増幅されうる。次に、反対方向伝播放射316は、第2のパワーアンプ302内へと渡され、さらに増幅される。しかし、半径方向に位置決めされたリフレクタ306を介して第1のパワーアンプ301へと渡される代わりに、反対方向伝播放射316は、回転可能に取り付けられたリフレクタ305の第2の反射面308によって、ビームダンプ314に向かって反射される。ビームダンプ314は、反対方向伝播放射316を吸収するので、反対方向伝播放射は、EUV発生装置内をさらに奥に進むことはない。回転可能に取り付けられたリフレクタ305および半径方向に位置決めされたリフレクタ306はともに光分離装置を構成する。
【0040】
[00048]
図3bに示される反対方向伝播放射316は、燃料小滴からのレーザパルスの反射により生じるが、反対方向伝播放射は、燃料小滴によって形成されたプラズマからのレーザパルスの反射からも生じうる。燃料小滴からまたはプラズマからのレーザパルスの反射は、集合的に、プラズマ形成位置からの放射の反射と呼びうる。さらに、一部の反対方向伝播放射は、プラズマによって生成された放射からも生じうる。
【0041】
[00049] 光分離装置は、第1のパワーアンプ301、ポラライザ304、およびマスタオシレータ300を、反対方向伝播放射316がそれらに到達しないようにすることで保護する。光分離装置はさらに、自己レーザ発進が生じる可能性を減少する。これは、第1のパワーアンプ301は、第2および第3のパワーアンプ302、303から分離され、それにより、パワーアンプ301〜303によって提供される累積利得を減少するからである(またさらに、反対方向伝播放射はマスタオシレータのミラーから分離されているので、レーザキャビティの一部を形成できないからである)。
【0042】
[00050] 回転可能に取り付けられたリフレクタ305は、
図3aおよび
図3bにおける2つの向きのみが示されているが、回転可能に取り付けられたリフレクタは、360°回転することは理解できよう。追加のビームダンプ(図示せず)が、回転可能に取り付けられたリフレクタ305の反射面307、308が、回転可能に取り付けられたリフレクタ305の大部分の向きについて1つのビームダンプに向かって面するように設けられる。EUV放射発生装置は、反射面307、308は、半径方向に位置決めされたリフレクタかまたはビームダンプに向かって面するように構成されうる。
【0043】
[00051] 一実施形態では、半径方向に位置決めされたリフレクタ306は1つしか設けられておらず、回転可能に取り付けられたリフレクタ305は、
図3aに示す向き(半径方向に位置決めされたリフレクタ306のサイズおよびレーザビーム205の直径から生じる公差内)を除いてすべての向きにおいてビームダンプの方に向く。一実施形態では、2以上の半径方向に位置決めされたリフレクタが設けられる。
【0044】
[00052] マスタオシレータ300は、コントローラCTによって駆動されて、レーザビーム205を、所定の反復率で一連のパルスとして生成する。反復率は、例えば40〜200kHzの範囲内であってよく、また例えば50kHzであってよい。回転可能に取り付けられたリフレクタ305の回転は、マスタオシレータがレーザ放射のパルスを生成する場合(半径方向に位置決めされたリフレクタ306が1つしか設けられない実施形態では)、回転可能に取り付けられたリフレクタ305は、
図3aに示されるような向きにあるように、コントローラCTによって、マスタオシレータ300と同期されうる。コントローラCTはさらに、マスタオシレータによるレーザパルスの生成を、プラズマ形成位置313への燃料小滴313aの供給と同期させうる。したがって、レーザパルスがマスタオシレータ300によって生成されている場合、レーザパルスは、回転可能に取り付けられたリフレクタ305および半径方向に位置決めされたリフレクタ306を介して進行し、フォーカス光学部品312によって燃料材料の小滴313a上に集束される。レーザ放射のパルスは、パワーアンプ301〜303によって増幅されて、燃料材料の小滴313aを蒸発させるのに十分なパワーを提供し、それによりEUV放射放出プラズマを生成する。
【0045】
[00053] マスタオシレータ300がレーザ放射のパルスを生成していない場合、回転可能に取り付けられたリフレクタ305は、反射面307、308が半径方向に位置決めされたリフレクタ306の方に向くのではなく、ビームダンプの方に向くように、同期される。これにより、マスタオシレータ300、ポラライザ304および第1のパワーアンプ301が、EUV発生装置の他の部品から分離される。
【0046】
[00054] 回転可能に取り付けられたリフレクタ305は、高周波数(例えば50kHz)で回転するように駆動されうる。この高周波数の結果、回転可能に取り付けられたリフレクタ305の向きは、レーザパルス205を半径方向に位置決めされたリフレクタ306に誘導する第1の反射面307と、半径方向に位置決めされたリフレクタからレーザパルスを受け取る第2の反射面308との間でわずかに変化しうる。望ましい場合には、第1の反射面307または第2の反射面308の向きの適切な調節(例えば光軸OA周りの第1または第2の反射面の向きの適切な回転)を介して補償されうる。
【0047】
[00055] 回転可能に取り付けられたリフレクタ305は、第1のパワーアンプ301と第2のパワーアンプ302との間にあるように示されているが、回転可能に取り付けられたリフレクタは、他の位置に置かれてもよい。第1のパワーアンプ301と第2のパワーアンプ302との間に回転可能に取り付けられたリフレクタ305を置くことは、第1のパワーアンプ301が第2および第3のパワーアンプ302、3030から分離されるという利点を提供しうる。これは、例えば第2のパワーアンプ302を第3のパワーアンプ303から分離することよりも、以下の理由により、有利である。
【0048】
[00056] 第1のパワーアンプ301が高利得を提供するように構成されうるのに対して、第2および第3のパワーアンプ302、303は低利得を提供するように構成されうる。これは、マスタオシレータ300によって生成されたレーザパルスの強い増幅を提供するためである。第1のパワーアンプ301によって受け取られるレーザパルスのパワーは、比較的低く、第1のパワーアンプによって提供される高利得は、レーザパルスのパワーを相当に増加する。したがって、レーザパルスのパワーは、第2のパワーアンプ302に入斜する際には相当である。この理由から、第2のパワーアンプ302を用いて、第1のパワーアンプ301によって提供されたのと同じ利得を提供することは実用的ではない。したがって、第2のパワーアンプは、第1のパワーアンプ301よりも低い利得で動作する(しかし、第2のパワーアンプは、第1のパワーアンプよりも高い出力放射パルスを提供する)。第3のパワーアンプ303によって受け取られる放射パルスは、すでに高いパワーを有する。したがって、第3のパワーアンプ303を用いて、第1のパワーアンプ301によって提供されたのと同じ利得を提供することは実用的ではない。したがって、第3のパワーアンプ303は、第1のパワーアンプ301よりも低い利得で動作する(しかし、第3のパワーアンプは、第1のパワーアンプおよび第2のパワーアンプよりも高い出力放射パルスを提供する)。したがって、第1のパワーアンプ301は、第2および第3のパワーアンプ302、303より著しく高い利得を提供する。第1、第2、および第3のパワーアンプ301〜303の組み合わされた動作は、例えばレーザパルス205のパワーを数十キロワット程度に増幅するのに十分でありうる。
【0049】
[00057] EUV発生装置内で反対方向に伝播する放射316の潜在的な悪影響を考慮する際、パワーアンプ301〜303の利得が重要となりうる。回転可能に取り付けられたリフレクタ305がなければ、EUV発生装置内を進む反対方向伝播放射は、パワーアンプ301〜303のそれぞれによって増幅されてしまうことになる。第2および第3のパワーアンプ302、303は、放射のパワーを著しく増加することになる。次に、第1のパワーアンプ301は、放射のパワーを大幅に増加することになる。第2および第3のパワーアンプ302、303による増幅後の反対方向伝播放射のパワーは十分に低いので、EUV発生装置の光コンポーネントは損傷されにくい。しかし、第1のパワーアンプ301による増幅後の反対方向伝播放射のパワーは十分に高いので、ポラライザ304またはマスタオシレータ300を損傷してしまいうる。回転可能に取り付けられたリフレクタ305を、第1のパワーアンプ301と第2のパワーアンプ302との間に設けることにより、上記が起きないようにする(または上記がおきる可能性を実質的に減少する)。
【0050】
[00058] 回転可能に取り付けられたリフレクタ305は、ポラライザ304と第1のパワーアンプ301との間に置かれてもよい。しかし、回転可能に取り付けられたリフレクタをこの位置に設けることの潜在的な不利点は、第1のパワーアンプ301の利得が反対方向伝播放射によって減少してしまいうることである。反対方向伝播放射によって、第2および第3のパワーアンプ302、303の利得がいくらかの減少しうるが、これらのパワーアンプにおける反対方向伝播放射の強度が比較的低いため、影響は比較的小さい。これに対して、第1のパワーアンプ301の高利得は、反対方向伝播放射が第1のパワーアンプの利得を著しく減少しうることを意味する。また、レーザパルス205の通過と、反対方向伝播放射の到着との間の経過時間は、第1のパワーアンプ301について最大となるため、第1のアンプにおいて蓄積されたエネルギーの回復により多くの時間が当てられる(また第1のパワーアンプからより多くの利得を減少させる)。第1のパワーアンプ301の利得の減少は望ましくない。これは、利得が、マスタオシレータ300によって生成された次のレーザパルスに所望の増幅を与えるように十分に迅速に回復しないことがあるからである。利得の減少が生じてしまう場合、燃料材料の小滴313aに供給される放射の強度は減少し、それにより、燃料材料の小滴を蒸発させる有効性も減少する。この問題は、第2および第3のパワーアンプ302、303では、それらの利得がかなり低く且つより早く回復しうるので、あまり顕著ではない。
【0051】
[00059] 回転可能に取り付けられたリフレクタ305は、マスタオシレータ300とポラライザ304との間に置かれてもよい。しかし、回転可能に取り付けられたリフレクタ305をこの位置に設けることの潜在的な不利点は、(第1のパワーアンプ302の利得の減少に加えて)反対方向伝播放射がポラライザ304を損傷しうることである。ポラライザ304は、マスタオシレータ205によって生成された放射の偏光に対応する偏光を有する放射を透過するように構成されうる。反対方向伝播放射は、横偏光(transverse polarization)を有する実質的な成分を含むので、反対方向伝播放射のこの成分は、ポラライザ304によって遮断される。この遮断された成分の一部は、ポラライザ304によって吸収され、ポラライザを損傷してしまいうる。
【0052】
[00060] 回転可能に取り付けられたリフレクタ305は、第2のパワーアンプ302と第3のパワーアンプ303との間に置かれてもよい。これは、第1および第2のパワーアンプ301、302を分離する利点を提供しうる。しかし、回転可能に取り付けられたリフレクタ305が有効な光分離を提供することがより困難となりうる。これは、回転可能に取り付けられたリフレクタ305が、マスタオシレータ300をパワーアンプ301〜303に光学的に接続する向きから、EUV放射放出プラズマ315によって放出された放射がマスタオシレータへと進まないように十分に速く、マスタオシレータを分離させる向きに移動することが求められうるからである。この移動に利用可能な時間は、回転可能に取り付けられたリフレクタ305とプラズマ生成位置313との間の光路長に依存する。回転可能に取り付けられたリフレクタ305が第1のパワーアンプ301と第2のパワーアンプ302との間に置かれる場合、回転可能に取り付けられたリフレクタが第2のパワーアンプ302と第3のパワーアンプ303との間に置かれる場合よりも長い光路長が提供される。
【0053】
[00061] EUV発生装置には、プラズマ形成位置313と回転可能に取り付けられたリフレクタ305との間の光路長を長くするために光遅延線が設けられてもよい。
図4に、適切な光遅延線の一例を概略的に示す。光遅延線は、遅延線の中にまたは遅延線の外に放射を誘導するように構成された第1および第2のビームステアリングミラー330、331を含み、また、互いに面する1対のミラー332、333(ここでは第1および第2の遅延ミラーと呼ぶ)をさらに含む。反対方向伝播放射線316は、
図4では、遅延線において放射が辿る経路を示す。第3のパワーアンプ303を離れると、反対方向伝播放射316は、第1のビームステアリングミラー331によって、第1の遅延ミラー333に向かって反射される。反対方向伝播放射は、第1の遅延ミラー333によって、第2の遅延ミラー332に向かって反射され、次に第1の遅延ミラーに戻される。第1の遅延ミラーは、次に反対方向伝播放射を、第2のビームステアリングミラー330に向かって誘導し、第2のビームステアリングミラー330は、反対方向伝播放射を、第2のパワーアンプ302内へと誘導する。
【0054】
[00062] 遅延線によって提供される遅延は、ビームステアリングミラー330、331から第1の遅延ミラー333までの距離と、第1の遅延ミラーから第2の遅延ミラー332までの距離とに依存する。遅延線は、レーザパルス205が回転可能に取り付けられたリフレクタによって透過された後で、且つ反対方向伝播放射316が回転可能に取り付けられたリフレクタに到着する前に、回転可能に取り付けられたリフレクタ305を、第1のアンプ301(または他の光コンポーネント)を光学的に分離する向きに移動させるのに十分な長さを有しうる。遅延線の適切な長さの計算には、レーザパルス205の持続時間と、光分離装置が光分離構成に移動するのに望まれる時間とが考慮されうる。計算はさらに、燃料小滴の反射特性も含まれうる。遅延線の長さは、例えばレーザパルス205全体(またはレーザパルスの大部分)がプラズマ形成位置313を進むことができる一方で、反対方向伝播放射が光分離装置によって分離可能であるように十分でありうる。同様に、遅延線の長さは、例えばレーザパルス205全体(またはレーザパルスの大部分)が、反対方向伝播放射がパワーアンプに到着する前に、当該パワーアンプによって増幅可能であるように十分でありうる。
【0055】
[00063] レーザパルスの持続時間は、燃料小滴の優れた蒸発を提供するように選択されうる。レーザパルスの持続時間は、例えば100ns〜2sであってよく、または、何か他の持続時間であってもよい。
【0056】
[00064] 遅延線は、例えば3メートル以上、10メートル以上、または50メートル以上の光路長を有しうる。遅延線は、例えば最大200メートルの長さの光路長を有しうる。第1および第2の遅延ミラー333、332を当該ミラー間で複数の反射が生じるように構成することによって、長い遅延が達成されうる。例えば第1および第2の遅延ミラー333、332間の距離が8メートルである場合、当該ミラー間の25回の反射によって200メートルの光路長が提供される。第1および第2の遅延ミラー333、332は、多数の反射によって、レーザパルス205が遅延線を通過する際にそのパワーが著しく減少されないように、高い反射率(例えばR=99.9%)を有しうる。
【0057】
[00065]
図3aおよび
図3bに示される半径方向に位置決めされたリフレクタ306は、2つの反射面を有する。しかし、半径方向に位置決めされたリフレクタは、異なる数の反射面を有してもよい(半径方向に位置決めされたリフレクタは、例えばコーナーキューブであってよい)。(例えば
図3aに示されるように、)回転可能に取り付けられたリフレクタ305に向かって戻るように誘導される前に、レーザビーム205が動かされるように、半径方向に位置決めされたリフレクタ306は、光軸OAに沿っての変位を提供しうる。このような配置は、回転可能に取り付けられたリフレクタ305の反射面が、例えばレーザビームが装置の光軸を横断して反射されるように方向付けられる場合に適している。一実施形態(図示せず)では、回転可能に取り付けられたリフレクタの反射面は、レーザビームが光軸を横断して反射されるのではなく、光軸の方向におけるコンポーネントを含む配向内に反射されるように、方向付けられうる。この場合、レーザビームを回転可能に取り付けられたリフレクタに向けて反射して戻す際に、光軸OAに沿っての変位を提供することは望ましくない。
図3aの半径方向に位置決めされたリフレクタ306は、平面ミラーまたはその他の適切なリフレクタによって置換されてもよい。半径方向に位置決めされたリフレクタ306の回転可能に取り付けられたリフレクタからの分離間隔には、非半径方向におけるコンポーネントが含まれうる。
【0058】
[00066] 回転可能に取り付けられたリフレクタ305は、
図5に概略的に示すように、その中をレーザパルス205が進む中空アクスル上に取り付けられうる。
図5は、回転可能に取り付けられたリフレクタ305と、中空アクスル350の一部とを示す。中空アスクル350は、EUV発生装置の光軸OAと同軸で、モータ(図示せず)によって光軸OA周りを回転するように駆動される。モータは、例えば中空アスクル350に隣接して設けられても、例えば中空アスクル350の周囲に設けられてもよい。中空アスクル350はほぼ円筒形であるが、一端において延在し、ほぼ円筒形ではない部分351を含む。回転可能に取り付けられたリフレクタ305は、中空アスクル350内に置かれるのではなく、この延在部分に接続される。これにより、レーザパルス205が、回転可能に取り付けられたリフレクタの第1の反射面307から、中空アスクル350の内面に衝突することなく、反射することが可能となる。同様に、放射は、回転可能に取り付けられたリフレクタ305の第2の反射面308にも、中空アスクル350の外面に衝突することなく進みうる。一実施形態(図示せず)では、回転可能に取り付けられたリフレクタ305は、中空アスクル350内に置かれ、また中空アスクルには、放射が回転可能に取り付けられたリフレクタから反射されるまたは回転可能に取り付けられたリフレクタに入射することを可能にする開口が設けられる。
【0059】
[00067] 回転可能に取り付けられたリフレクタ305は、必ずしも中空アスクル350上に取り付けられる必要はない。一実施形態(図示せず)では、第1および第2の反射面307、308は、光軸に平行な方向において互いに離されていてもよい。この分離によって、回転可能に取り付けられたリフレクタが設けられる空間が提供されうる。
【0060】
[00068] 上記回転可能に取り付けられたリフレクタ305は、2つの反射面307、308を有するが、回転可能に取り付けられたリフレクタは、他の数の反射面が設けられていてもよい。
図6および
図7は、回転可能に取り付けられたリフレクタの2つの可能な構成を概略的に示す。
【0061】
[00069]
図6は、一側面から見た回転可能に取り付けられたリフレクタ305aの一実施形態を示す。回転可能に取り付けられたリフレクタ305aは、装置の光軸OAにおいて交わる第1および第2の反射面307a、307bを含む。第3および第4の反射面308a、308bは、回転可能に取り付けられたリフレクタ305aの反対側に設けられ、これらも装置の光軸OAにおいて交わる。レーザビーム205は、回転可能に取り付けられたリフレクタ305aに入射するものとして概略的に示されている。レーザビームの一半分は、第1の反射面307aによって、第1の方向にサブビームとして反射され、レーザビームの一半分は、第2の反射面307bによって、第2の方向にサブビームとして反射される。半径方向に位置決めされたリフレクタ(図示せず)が、放射を受け取り、かつ、それを回転可能に取り付けられたリフレクタ305aの第3および第4の反射面308a、308bに反射して戻すように設けられている。
【0062】
[00070]
図7に、回転可能に取り付けられたリフレクタ305bの一実施形態を示す。回転可能に取り付けられたリフレクタ305bは、一側面から見て示されているのではなく、装置の光軸に沿って見て示されている。回転可能に取り付けられたリフレクタ305bは、一側面側に、4つの反射面307c〜fが設けられていることがわかる。これらの反射面は、装置の光軸において交わる。レーザビーム(図示せず)は、回転可能に取り付けられたリフレクタ305bによって、4つのサブビームに分割される。各サブビームは、異なる半径方向に位置決めされたリフレクタに入射し、回転可能に取り付けられたリフレクタ305bの反対側に設けられた対応する反射面(図示せず)に戻される。
【0063】
[00071]
図7に示す実施形態では、回転可能に取り付けられたリフレクタ305bは、光軸OAに対応する軸の周りを回転する。一実施形態では、回転可能に取り付けられたリフレクタ305bの回転軸は、光軸OAに対して変位されていてもよい。この変位は、レーザビーム205が、所与の時間において、回転可能に取り付けられたリフレクタの4つの反射面307c〜fすべてには入射しないが、これらの反射面のうちの1つ(またはレーザービーム205が隣接する反射面間で側端に重なる場合は2つ)に入射するような変位であってよい。変位がなされる場合、半径方向に位置決めされたリフレクタおよびビームダンプの位置が適宜変更される。
【0064】
[00072]
図8は、回転可能に取り付けられたリフレクタ305cの一実施形態を一側面から見て示す。回転可能に取り付けられたリフレクタ305cには、EUV放射発生装置内を進む反対方向伝播放射を受け取るように方向付けられた反射面361が設けられている。しかし、回転可能に取り付けられたリフレクタ305cには、レーザビーム205を受け取るように方向付けられた反射面は設けられていない。代わりに、固定リフレクタ360が、回転可能に取り付けられたリフレクタ305cの前に置かれ、レーザビーム205を受け取るように方向付けられている。回転可能に取り付けられたリフレクタ305cを回転させるように構成されたモータ(図示せず)が、回転可能に取り付けられたリフレクタと固定リフレクタ360との間に設けられうる。
【0065】
[00073]
図8に示す回転可能に取り付けられたリフレクタ305cは、EUV放射発生装置の光コンポーネントの反対方向伝播放射からの光分離を、
図3に関連して上述した回転可能に取り付けられたリフレクタ305、305a、305bと同様に、提供しうる。回転可能に取り付けられたリフレクタ305cは、反射面361が、半径方向に位置決めされたリフレクタから反射されたレーザパルス205を受け取るように方向付けられるように、かつ、反対方向伝播放射を受け取る場合に反対方向伝播放射をビームストップに向かって誘導するように方向付けられるように、マスタオシレータ300と同期されうる。
【0066】
[00074] 回転可能に取り付けられたリフレクタ305、305a〜cには、反対方向伝播放射を受け取るように方向付けられた任意の適切な数の反射面が設けられてよい。その数は、例えば1、2、3、4、5、6、7、8またはそれ以上であってよい。対応する数の反射面が、回転可能に取り付けられたリフレクタの反対側に設けられうる。あるいは、レーザビーム205を受け取るように方向付けられた、対応する数の固定リフレクタが設けられてもよい。
【0067】
[00075] 一実施形態では、回転可能に取り付けられたリフレクタ305、305a〜cには、屈折力(optical power)が与えられている1つ以上の反射面が含まれうる。一実施形態では、1つ以上の半径方向に位置決めされたリフレクタ306が屈折力を含みうる。
【0068】
[00076] 一実施形態では、レーザビームの直径は約30mmでありうる。EUV発生装置は、
図3に示されるように構成されてよく、回転可能に取り付けられたリフレクタ305は、それぞれ50mmの直径を有する(これはレーザビームが反射面に入射するためのいくらかの公差を許可する)第1および第2の反射面307、308を有する。マスタオシレータ300は、50kHzの反復率で動作し、それによって20マイクロ秒毎にレーザ放射のパルスを提供する。パルスは、2マイクロ秒の持続時間を有しうる。回転可能に取り付けられたリフレクタ305は、50kHzで回転するように駆動されてよく、また、マスタオシレータによってレーザパルスが発生されるたびに、回転可能に取り付けられたリフレクタは、半径方向に位置決めされたリフレクタに面するようにマスタオシレータ300と同期されうる。
【0069】
[00077] この実施形態では、マスタオシレータがレーザ放射を発生させない時間(18マイクロ秒)は、マスタオシレータがレーザパルスを発生させる時間(2マイクロ秒)の9倍長い。本実施形態におけるビームダンプ314の長さは、したがって、半径方向に位置決めされたリフレクタの長さの9倍でありうる。半径方向に位置決めされたリフレクタは、例えば100mmの長さを有し、ビームダンプは、例えば900mmの長さを有しうる。半径方向に位置決めされたリフレクタとビームダンプ314との組み合わされた長さは、したがって1mである。本実施例では、半径方向に位置決めされたリフレクタとビームダンプとは、回転可能に取り付けられたリフレクタ305の周りに置かれ、1mの円周と320mmの直径を有するリング内に設けられる。外周は、半径方向に位置決めされたリフレクタの長さを変更し、また、ビームダンプの長さに対応する変更をすることによって変更することができる。
【0070】
[00078] マスタオシレータの反復率は、例えば20kHz〜100kHzの範囲内、または100kHzより大きくてもよい。
【0071】
[00079] 回転可能に取り付けられたリフレクタ305をマスタオシレータ300の反復率で回転させることができない場合、または、これが好ましくない場合、回転可能に取り付けられたリフレクタは、低い周波数で回転されてもよい。この場合、追加の半径方向に位置決めされたリフレクタが必要となることがあり、これらの半径方向に位置決めされたリフレクタは、マスタオシレータがレーザパルスを発生させる度に、回転可能に取り付けられたリフレクタ305が1つの半径方向に位置決めされたリフレクタに面するように、分散配置される。一実施形態では、マスタオシレータの反復率は50kHzであり、回転可能に取り付けられたリフレクタ305の回転周波数は1.667kHz(100,000rpm)である。30個の半径方向に位置決めされたリフレクタが分散配置されて、マスタオシレータ300によって発生された各レーザパルスが確実に1つの半径方向に位置決めされたリフレクタに入射するようにされる。レーザパルスは、連続して、半径方向に位置決めされたリフレクタに入射する。この手法が用いられる場合、半径方向に位置決めされたリフレクタとビームダンプとの組み合わされた円周は、増加する。例えば各半径方向に位置決めされたリフレクタの長さが50mmであれば、各ビームダンプの長さは450mmでありうる。30個の半径方向に位置決めされたリフレクタが設けられているので、総長は15mとなり、これは4.8mの直径に対応する。
【0072】
[00080] 回転可能に取り付けられたリフレクタ305の回転周波数が減少され、半径方向に位置決めされたリフレクタの数が増加される上記手法は、(例えば
図8に示すように)固定リフレクタがマスタオシレータに向かって方向付けられている実施形態には適していない。これは、レーザパルスは、固定リフレクタによって常に同じ位置に供給されるからである。一実施形態では、固定リフレクタには、レーザパルスを複数のサブビームに分離するように構成されている複数の反射面が設けられてよい。この場合、回転可能に取り付けられたリフレクタには、対応する数の反射面が設けられ、また、対応する数の半径方向に位置決めされたリフレクタも設けられる。この場合、回転可能に取り付けられたリフレクタの回転周波数は、固定リフレクタの反射面の数に関連する倍数で減少されうる。例えば固定リフレクタが2つの反射面を有する場合、回転周波数は2倍で減少し、固定リフレクタが4つの反射面を有する場合、回転周波数は2倍または4倍等で減少する。
【0073】
[00081] 上述したように、回転可能に取り付けられたリフレクタには、反対方向伝播放射を受け取る複数の反射面が設けられうる。対応する数の回転可能に取り付けられた反射面または静止した反射面も設けられてよく、これらの反射面は、レーザビーム205を受け取り、サブビームを様々な半径方向に位置決めされたリフレクタに誘導するように構成される。この場合、半径方向に位置決めされたリフレクタの数は、サブビーム発生反射面の数に対応しうる(または、サブビーム発生面が回転可能に取り付けられたリフレクタに設けられる場合、サブビーム発生反射面の数の倍数であってもよい)。半径方向に位置決めされたリフレクタとビームダンプとの組み合わされた円周は、それに応じて変更しうる。
【0074】
[00082] 半径方向に位置決めされたリフレクタとビームストップとの組み合わされた円周を求めるために用いられうる一般式は、
【数2】
であり、f
fは、燃料小滴発生の周波数であり、f
rは、回転可能に取り付けられたリフレクタ305、305a〜cの回転周波数であり、t
tは、マスタオシレータ300によって発生されるレーザパルスの時間間隔であり、t
pは、レーザパルスの持続時間であり、dは、レーザビームの直径である。
【0075】
[00083] 上記式から、円周は、例えば回転可能に取り付けられたミラーの回転周波数f
rを増加することにより、小さくすることができることが理解できよう。
【0076】
[00084] 上記式は、半径方向に位置決めされたリフレクタの長さは、レーザビームの直径に対応すると想定している。しかし、半径方向に位置決めされたリフレクタの長さは、これよりも大きくてもよい。
【0077】
[00085] 半径方向に位置決めされたリフレクタおよびビームダンプは、同じ回転方向で、回転可能に取り付けられたリフレクタ305の周りを回転するように駆動されうる。これにより、それらの組み合わされた円周を減少することができる。
【0078】
[00086] 本発明の上記実施形態では、回転可能に取り付けられたリフレクタ305、305a〜cは、第1のパワーアンプ301、変調されたポラライザ204およびマスタオシレータ300を保護する光分離を提供する。別の実施形態では、別の光コンポーネントが、回転可能に取り付けられたリフレクタによって保護されうる。
【0079】
[00087] 本発明の実施形態の記載における、上で用いた用語「ビームダンプ」とは、反対方向伝播放射316を回転可能に取り付けられたリフレクタ305、305a、305bに戻さないあらゆる表面を意味するものとして解釈してよい。
【0080】
[00088] 上記記載では、回転可能に取り付けられたリフレクタが設けられうる位置について言及するが、回転可能に取り付けられたリフレクタは、EUV放射発生装置内の任意の適切な位置に設けられうる。回転可能に取り付けられたリフレクタは、例えばマスタオシレータ300に隣接して置かれても、第3のパワーアンプとプラズマ発生位置との間に置かれてもよい。
【0081】
[00089] 上記記載では、3つのパワーアンプ301〜303を有するEUV放射発生装置について言及するが、EUV放射発生装置は、任意の適切な数のパワーアンプを有してよい。
【0082】
[00090] 上記記載では、燃料材料の小滴の蒸発への言及は、燃料材料の小滴の不完全な蒸発も包含することを意図している。
【0083】
[00091] 上記記載では、装置の光軸は、(例えば
図3aに示すように)使用時に装置内を通過するレーザ放射ビーム205の軸とみなされうる。したがって、光軸は、1つの方向に単に方向付けられているのではなく、EUV放射発生装置内の様々な位置において様々な方向に方向付けられている。
【0084】
[00092] 上記記載の様々な箇所において、レーザビームとの用語は、本発明の説明を容易にするためにレーザパルスの代わりに用いられている。
【0085】
[00093]
図3に示されるポラライザ304は、偏光調節デバイスの一例である。使用してもよい他の偏光調節デバイスには4分の1波長板または光モデュレータが含まれうる。
【0086】
[00094] 回転可能に取り付けられたリフレクタが、連続回転で動くため、例えばリフレクタが往復移動する場合にリフレクタにかかりうる応力が回避される。
【0087】
[00095] 本発明の実施形態では、回転可能に取り付けられたリフレクタとレーザとは、光分離装置がプラズマ形成位置から反射された放射を受け取る場合、回転可能に取り付けられたリフレクタの反射面が半径方向に位置決めされたリフレクタから光学的に分離されるように、同期される。しかし、一部の場合では、回転可能に取り付けられたリフレクタは、プラズマ形成位置から反射された放射の一部が受け取られる場合、半径方向に位置決めされたリフレクタから完全には光学的に分離されない場合もある。例えばレーザパルス205は、パワーが低い立ち上がりエッジと、パワーが相当に高い中央部分とを含みうる。この状況では、光分離装置は、レーザパルスの立ち上がりエッジの反射された部分が光分離装置において受け取られる場合、半径方向に位置決めされたリフレクタと光学的に連通している。光分離装置は、レーザパルスの中央部分が光分離装置において受け取られる前に、回転可能に取り付けられたリフレクタを、半径方向に位置決めされたリフレクタから光学的に分離しうる。このような状況は、回転可能に取り付けられたリフレクタの半径方向に位置決めされたリフレクタからの部分的光分離と説明されうる。部分光分離は、例えばプラズマ形成位置から反射された放射パルスのエネルギーの大部分からの光分離を提供しうる。
【0088】
[00096] 本明細書において、IC製造におけるリソグラフィ装置の使用について具体的な言及がなされているが、本明細書記載のリソグラフィ装置が、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用のガイダンスパターンおよび検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッド等の製造といった他の用途を有し得ることが理解されるべきである。当業者にとっては当然のことであるが、そのような別の用途においては、本明細書で使用される「ウェーハ」または「ダイ」という用語はすべて、それぞれより一般的な「基板」または「ターゲット部分」という用語と同義であるとみなしてよい。本明細書に記載した基板は、露光の前後を問わず、例えば、トラック(通常、基板にレジスト層を塗布し、かつ露光されたレジストを現像するツール)、メトロロジーツール、および/またはインスペクションツールで処理されてもよい。適用可能な場合には、本明細書中の開示内容を上記のような基板プロセシングツールおよびその他の基板プロセシングツールに適用してもよい。さらに基板は、例えば、多層ICを作るために複数回処理されてもよいので、本明細書で使用される基板という用語は、すでに多重処理層を包含している基板を表すものとしてもよい。
【0089】
[00097] 「レンズ」という用語は、文脈によっては、屈折、反射、磁気、電磁気、および静電型光コンポーネントを含む様々な種類の光コンポーネントのいずれか1つまたはこれらの組合せを指すことができる。
【0090】
[00098] 「EUV放射」という用語は、5〜20nmの範囲内、例えば13〜14nmの範囲内、または6.7nmもしくは6.8nmといった例えば5〜10nmの範囲内の波長を有する電磁放射を包含するとみなすことができる。
【0091】
[00099] 以上、本発明の具体的な実施形態を説明してきたが、本発明は、上述以外の態様で実施できることが明らかである。例えば、本発明は、上記に開示した方法を表す1つ以上の機械読取可能命令のシーケンスを含むコンピュータプログラムの形態、またはこのようなコンピュータプログラムが記憶されたデータ記憶媒体(例えば、半導体メモリ、磁気ディスクまたは光ディスク)の形態であってもよい。