特許第5923870号(P5923870)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5923870光学系駆動制御装置およびこれを備えるカメラ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5923870
(24)【登録日】2016年4月28日
(45)【発行日】2016年5月25日
(54)【発明の名称】光学系駆動制御装置およびこれを備えるカメラ
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/08 20060101AFI20160516BHJP
【FI】
   G02B7/08 C
【請求項の数】7
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2011-120382(P2011-120382)
(22)【出願日】2011年5月30日
(65)【公開番号】特開2012-247683(P2012-247683A)
(43)【公開日】2012年12月13日
【審査請求日】2014年3月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004112
【氏名又は名称】株式会社ニコン
(74)【代理人】
【識別番号】100084412
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 冬紀
(74)【代理人】
【識別番号】100078189
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 隆男
(72)【発明者】
【氏名】中原 尚人
【審査官】 登丸 久寿
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−092619(JP,A)
【文献】 特開2000−287498(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体像を撮像素子に結像させる撮影光学系の焦点調節光学系を駆動して前記焦点調節光学系の停止位置である複数のフォーカス停止位置で停止させる駆動部と、
前記撮影光学系の光軸方向に駆動することにより前記撮影光学系の結像倍率を変化させ、駆動範囲に複数の停止位置と前記停止位置の前に停止判定位置を有する変倍光学系と、
前記変倍光学系の前記停止位置のうち第一の停止位置から第二の停止位置へ前記変倍光学系を駆動させるときに、前記焦点調節光学系を第一のフォーカス停止位置から第二のフォーカス停止位置に駆動させる電力として、前記焦点調節光学系が駆動する前に前記焦点調節光学系の駆動開始前の駆動前電力と、前記焦点調節光学系が駆動するときに前記焦点調節光学系の駆動中の駆動電力と、前記焦点調節光学系が駆動した後に前記焦点調節光学系の駆動終了後の駆動後電力とを前記駆動部に供給し、前記変倍光学系が前記第二の停止位置で停止するか又は第三の停止位置に駆動するかを前記停止判定位置で判断し、前記変倍光学系を前記第二の停止位置で停止せず前記第二の停止位置から前記第三の停止位置に駆動するときは、前記焦点調節光学系を前記第二のフォーカス停止位置から第三のフォーカス停止位置に駆動させる電力として、前記駆動前電力の供給をせずに、前記駆動電力の供給と、前記駆動後電力の供給とを前記駆動部に行う制御部と、
を有する光学系駆動制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の光学系駆動制御装置において、
前記制御部は、前記変倍光学系が前記第二の停止位置で停止せず前記第二の停止位置から前記第三の停止位置に駆動すると判断される前に前記焦点調節光学系の駆動が終了している場合、前記判断がされるまでの間前記駆動した後の前記駆動後電力供給を行う光学系駆動制御装置。
【請求項3】
請求項1〜2のいずれか一項に記載の光学系駆動制御装置において、
前記判断される位置は、前記停止位置の前の前記停止判定位置である光学系駆動制御装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学系駆動制御装置において、
前記駆動する前の前記駆動前電力の供給とは前励磁であり、前記駆動した後の前記駆動後電力の供給とは後励磁である光学系駆動制御装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学系駆動制御装置において、
前記変倍光学系が前記第二の停止位置で停止するときは、前記制御部は前記駆動部への前記焦点調節光学系の駆動した後の前記駆動後電力の供給を停止する光学系駆動制御装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の光学系駆動制御装置において、
前記制御部は、前記駆動部への前記焦点調節光学系の駆動した後の前記駆動後電力を、前記焦点調節光学系の駆動中の前記駆動電力よりも低くする光学系駆動制御装置。
【請求項7】
被写体像を撮像する撮像素子と、
前記撮像素子に結像させる撮影光学系の焦点調節光学系を駆動して前記焦点調節光学系の停止位置である複数のフォーカス停止位置で停止させる駆動部と、
前記撮影光学系の光軸方向に駆動することにより前記撮影光学系の結像倍率を変化させ、駆動範囲に複数の停止位置と前記停止位置の前に停止判定位置を有する変倍光学系と、
前記変倍光学系の前記停止位置のうち第一の停止位置から第二の停止位置へ前記変倍光学系を駆動させるときに、前記焦点調節光学系を第一のフォーカス停止位置から第二のフォーカス停止位置に駆動させる電力として、前記焦点調節光学系が駆動する前に前記焦点調節光学系の駆動開始前の駆動前電力と、前記焦点調節光学系が駆動するときに前記焦点調節光学系の駆動中の駆動電力と、前記焦点調節光学系が駆動した後に前記焦点調節光学系の駆動終了後の駆動後電力とを前記駆動部に供給し、前記変倍光学系が前記第二の停止位置で停止するか又は第三の停止位置に駆動するかを前記停止判定位置で判断し、前記変倍光学系を前記第二の停止位置で停止せず前記第二の停止位置から前記第三の停止位置に駆動するときは、前記焦点調節光学系を前記第二のフォーカス停止位置から第三のフォーカス停止位置に駆動させる電力として、前記駆動前電力の供給をせずに、前記駆動電力の供給と、前記駆動後電力の供給とを前記駆動部に行う制御部と、
を有する光学系駆動制御装置を含むカメラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学系駆動制御装置およびこれを備えるカメラに関する。
【背景技術】
【0002】
変倍用のレンズ群および焦点調節用のレンズ群を含む撮影レンズにおいて、各レンズ群をそれぞれ異なるモータにより直接駆動するように構成された撮影レンズ駆動制御装置が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−227399号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術のように、変倍光学系と焦点調節光学系とをそれぞれ異なるモータで駆動する場合、変倍光学系の駆動に応じて焦点調節光学系を駆動して焦点調節を行うズームトラッキング処理において、焦点調節光学系を駆動するタイミングが遅くなるおそれがあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による光学系駆動制御装置は、被写体像を撮像素子に結像させる撮影光学系の焦点調節光学系を駆動して前記焦点調節光学系の停止位置である複数のフォーカス停止位置で停止させる駆動部と、前記撮影光学系の光軸方向に駆動することにより前記撮影光学系の結像倍率を変化させ、駆動範囲に複数の停止位置と前記停止位置の前に停止判定位置を有する変倍光学系と、前記変倍光学系の前記停止位置のうち第一の停止位置から第二の停止位置へ前記変倍光学系を駆動させるときに、前記焦点調節光学系を第一のフォーカス停止位置から第二のフォーカス停止位置に駆動させる電力として、前記焦点調節光学系が駆動する前に前記焦点調節光学系の駆動開始前の駆動前電力と、前記焦点調節光学系が駆動するときに前記焦点調節光学系の駆動中の駆動電力と、前記焦点調節光学系が駆動した後に前記焦点調節光学系の駆動終了後の駆動後電力とを前記駆動部に供給し、前記変倍光学系が前記第二の停止位置で停止するか又は第三の停止位置に駆動するかを前記停止判定位置で判断し、前記変倍光学系を前記第二の停止位置で停止せず前記第二の停止位置から前記第三の停止位置に駆動するときは、前記焦点調節光学系を前記第二のフォーカス停止位置から第三のフォーカス停止位置に駆動させる電力として、前記駆動前電力の供給をせずに、前記駆動電力の供給と、前記駆動後電力の供給とを前記駆動部に行う制御部と、を有する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、焦点調節光学系を適切なタイミングで駆動することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の一実施の形態による光学系駆動制御装置を搭載する電子カメラの要部構成を説明するブロック図である。
図2】ズームトラッキング処理の概要を説明する図である。
図3】ズームUp処理の詳細について説明するフローチャートである。
図4】ズームUp処理の動作例を説明する図である。
図5】ズームDown処理の詳細について説明するフローチャートである。
図6】本実施形態および比較例のズームUp処理の動作例を説明する図である。
図7】本実施形態および比較例のズームUp処理の動作例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。図1は、本発明の一実施の形態による光学系駆動制御装置を搭載する電子カメラの要部構成を説明するブロック図である。電子カメラは、CPU4によって制御される。
【0009】
撮影光学系1は、ズームレンズ1Aおよびフォーカスレンズ1Bを含む複数のレンズ群で構成され、撮像素子2の撮像面上に被写体像を結像させる。撮像素子2は、たとえば、CMOSイメージセンサによって構成される。撮像素子2は被写体像を撮像し、画像信号を画像信号処理回路3へ出力する。画像信号処理回路3は、AFE(Analog Front End)回路と、A/D変換回路、および信号処理回路とを含む。
【0010】
AFE回路は、入力された画像信号に対して相関二重サンプリングやゲイン調整などを行う。A/D変換回路は、ゲイン調整後の画像信号をデジタル画像データに変換する。信号処理回路は、画像データに対して画像処理を施す。画像処理には、たとえば、γ変換処理、輪郭強調処理、フィルタ処理や色温度調整(ホワイトバランス調整)処理、画像圧縮・伸張処理などが含まれる。
【0011】
CPU4は、カメラ内の各ブロックから出力される信号を入力して所定の演算を行い、演算結果に基づく制御信号を各ブロックへ出力する。
【0012】
LCDモニタ5は、CPU4からの指示に応じて撮像画像を表示したり、操作メニューを表示したりする。電源スイッチ6は、電源ボタン(不図示)の押下操作に連動してオン/オフし、オン操作信号またはオフ操作信号をCPU4へ送出する。
【0013】
ズームUpスイッチ7は、ズームUpボタン(不図示)が押下操作されるとオンしてズームUp信号をCPU4へ出力する。ズームUpスイッチ7は、ズームUpボタンの押下操作が解除されるとオフしてズームUp信号の出力を停止する。
【0014】
ズームDownスイッチ8は、ズームDownボタン(不図示)が押下操作されるとオンしてズームDown信号をCPU4へ出力する。ズームDownスイッチ8は、ズームDownボタンの押下操作が解除されるとオフしてズームDown信号の出力を停止する。
【0015】
DCモータ9は、ズームレンズ駆動制御回路10からのズームレンズ駆動信号に応じてズームレンズ1Aを光軸方向へ進退駆動させる。ズームレンズ駆動制御回路10は、CPU4からの指示に応じてズームレンズ駆動信号をDCモータ9へ出力する。
【0016】
ステッピングモータ11は、例えば、ステータ(固定体)とロータ(回転体)とを含む。ステッピングモータ11は、フォーカスレンズ駆動制御回路12からのフォーカスレンズ駆動信号に応じてロータの回転力を駆動力源としてフォーカスレンズ1Bを光軸方向へ進退駆動させる。フォーカスレンズ駆動制御回路12は、CPU4からの指示に応じてフォーカスレンズ駆動信号をステッピングモータ11へ出力する。なお、本実施形態では、ステッピングモータ11が通電されている状態を励磁のオン状態とし、通電されていない状態を励磁のオフ状態とする。また、ロータの静止状態において、励磁のオン状態ではステータに対しロータは拘束されており、励磁のオフ状態ではロータの拘束が解除される。
【0017】
バッファメモリ13は、画像データ処理時の一次保存用メモリなどとして使用される。不揮発性メモリ14には、CPU4が実行するプログラムが記録されている。
【0018】
本実施形態は、ズームレンズ1Aの駆動に応じてフォーカスレンズ1Bを駆動して焦点調節を行うズームトラッキング処理に特徴を有するので、以降の説明はこの点を中心に行う。
【0019】
まず、ズームトラッキング処理の概要について図2を用いて説明する。図2は、上段がズームレンズ1Aの駆動を説明する図であり、下段がフォーカスレンズ1Bの駆動を説明する図である。本実施形態では、ズームレンズ1AのWide端およびTele端間の駆動が、複数のズームステップ(「Wide」、「1st」、「2nd」、…、「Tele」)に分けて管理される。各ズームステップに対し、それぞれズームレンズ1Aの停止位置(ズーム停止位置)が設定されている。たとえば、「Wide」ズーム停止位置はWide端に設定されており、「1st」ズーム停止位置はWide端よりも所定距離離れた位置に設定されている。なお、各ズーム停止位置の間隔は、必ずしも等間隔ではない。
【0020】
また、各ズームステップに対し、それぞれズーム停止判定位置が設定されている。ズーム停止判定位置は、ズームレンズ1AをTele端へ向かう方向(Tele方向)に駆動する場合、各ズーム停止位置からWide端側に所定距離離れた位置に設定される(図2)。ズームレンズ1AをWide端へ向かう方向(Wide方向)に駆動する場合のズーム停止判定位置は、各ズーム停止位置からTele端側に所定距離離れた位置に設定される(不図示)。
【0021】
さらに、各ズームステップに対し、それぞれズームステップカウントNが設定されている。たとえば、ズームレンズ1AがWide端からTele端へ移動するまでにn個のズームステップが設けられる場合、ズームステップカウントN=0が「Wide」、N=1が「1st」、N=2が「2nd」、…、N=n−1が「Tele」に対応する。CPU4は、現在のズームステップを示すズームステップカウントNをバッファメモリ13に保持させる。
【0022】
ズームレンズ1Aの駆動制御は、以下のように行われる。CPU4は、ズームレンズ1Aの駆動中、現在のズームステップに対応するズーム停止判定位置にズームレンズ1Aが到達した時点で次のズームステップへ向けてズームレンズ1Aの駆動を継続するか否かを判断する。CPU4は、ズームUpボタン(またはズームDownボタン)が押下され続けている場合、次のズームステップに移行してズームレンズ1Aの駆動を継続する。一方、CPU4は、ズームUpボタン(またはズームDownボタン)が押下されていない場合、現在のズームステップに対応するズーム停止位置にズームレンズ1Aを停止させる。
【0023】
フォーカスレンズ1Bはズームレンズ1Aの駆動に応じて駆動される。本実施形態では、各ズームステップに対し、それぞれフォーカスレンズ1Bの停止位置(フォーカス停止位置)が設定されている。各ズームステップのフォーカス停止位置は、ズームレンズ1Aが各ズームステップのズーム停止位置に位置するときに、フォーカスレンズ1Bの位置が適切となる(すなわち所定の焦点調節状態にする)ように予め決められる。
【0024】
フォーカスレンズ1Bの駆動制御は、以下のように行われる。CPU4は、ズームレンズ1Aの駆動を開始すると、現在のズームステップに対応するフォーカス停止位置にフォーカスレンズ1Bを駆動させる。CPU4は、フォーカスレンズ1Bが該フォーカス停止位置に到達すると、ズームレンズ1Aが現在のズームステップに対応するズーム停止判定位置に到達するまでフォーカスレンズ1Bの駆動を停止する。そしてCPU4は、該ズーム停止判定位置に到達したズームレンズ1Aを次のズームステップに継続駆動する場合、次のズームステップに対応するフォーカス停止位置にフォーカスレンズ1Bを駆動させる。一方、CPU4は、ズームレンズ1Aを次のズームステップに継続駆動しない場合は、フォーカスレンズ1Bの駆動を終了する。
【0025】
<ズームUp処理>
次に、撮影倍率を大きくするズームUp時におけるズームトラッキング処理(ズームUp処理)の詳細について、図3のフローチャートを用いて説明する。CPU4は、スルー画像の取得中にズームUpボタンが押下されてズームUpスイッチ7がオンすると、図3の処理を行うプログラムを起動する。なお、スルー画像は、レリーズ操作前に撮像素子2で撮像され、LCDモニタ5に逐次表示されるモニタ用画像である。
【0026】
ステップS1において、CPU4は、ズームステップカウントNがTele端に対応する値(n−1)よりも小さく、且つズームUpスイッチ7がオンか否かを判定する。CPU4は、ズームステップカウントNが(n−1)である(すなわちズームレンズ1AがTele端に位置する)場合、またはズームUpスイッチ7がオフである場合、ステップS1を否定判定して図3による処理を終了する。
【0027】
CPU4は、ズームステップカウントNが(n−1)よりも小さく(すなわちズームレンズ1AがTele端よりもWide端側に位置し)、且つズームUpスイッチ7がオンである場合、ステップS1を肯定判定してステップS2へ進む。ステップS2において、CPU4は、ズームステップカウントNをインクリメントして、ステップS3へ進む。
【0028】
ステップS3において、CPU4は、ズームレンズ駆動制御回路10に指示を送り、DCモータ9への通電を開始させ、Tele方向へのズームレンズ1Aの駆動を開始させてステップS4へ進む。ステップS4において、CPU4は、フォーカスレンズ1Bの駆動条件を設定する。
【0029】
具体的にCPU4は、フォーカスレンズ1Bの駆動方向を、ズームステップカウントNが示すズームステップに対応する方向に設定する。またCPU4は、フォーカスレンズ1Bの停止位置を、該ズームステップに対応するフォーカス停止位置に設定する。さらにCPU4は、ステッピングモータ11の励磁条件を、前励磁「あり」および後励磁「あり」に設定する。
【0030】
前励磁は、ステッピングモータ11を回転させる前に該モータに対し所定の電圧を印加し(または所定の電流を供給し)、励磁のオン状態にすることをいう。前励磁では、ロータがステータに引きつけられて固定状態(ステータに対しロータが拘束された状態)になる。
【0031】
後励磁は、ステッピングモータ11を回転させた後も該モータに対して所定の電圧を印加する(または所定の電流を供給する)ことにより、励磁のオン状態を維持することをいう。フォーカスレンズ1Bが駆動状態から停止状態へ移行する際に、フォーカスレンズ1Bに慣性力が働いていることにより、動こうとする状態が安定するまでに時間を要するため、後励磁によってフォーカスレンズ1Bを停止位置に安定させる。
【0032】
なお、本実施形態においてCPU4は、後励磁のレベル(印加する電圧レベルまたは供給する電流レベル)を、フォーカスレンズ1Bの停止位置の安定を維持する範囲で、前励磁および駆動時のレベルよりも低いレベルに設定する。
【0033】
CPU4は、フォーカスレンズ1Bの駆動条件(駆動方向、停止位置、励磁条件)を以上のように設定すると、設定した駆動条件でフォーカスレンズ1Bを駆動させるようにフォーカスレンズ駆動制御回路12へ指示を送り、フォーカスレンズ1Bの駆動を開始させて、ステップS5へ進む。
【0034】
CPU4から指示を受けたフォーカスレンズ駆動制御回路12は、前励磁を所定時間行った後、フォーカスレンズ1Bの駆動を開始し、設定されたフォーカス停止位置までフォーカスレンズ1Bを駆動する。フォーカスレンズ駆動制御回路12は、フォーカスレンズ1Bが該フォーカス停止位置に到達すると、フォーカスレンズ1Bの駆動を停止して後励磁を行う。なお、本実施形態の場合、フォーカスレンズ駆動制御回路12は、後励磁を少なくとも所定時間実行し、その後はCPU4から指示がない限り後励磁をそのまま継続する。
【0035】
ステップS5において、CPU4は、ズームレンズ1Aの位置が、ズームステップカウントNが示すズームステップに対応するズーム停止判定位置よりWide端側であるか否かを判定する。ステップS5を肯定判定した場合のCPU4は、該判定処理を繰り返す。該判定処理を繰り返す間、ズームレンズ1AのTele方向への駆動が継続される。
【0036】
CPU4は、ズームレンズ1Aの位置が該ズーム停止判定位置に到達すると、ステップS5を否定判定し、ステップS6へ進む。ステップS6において、CPU4は、ズームステップカウントNがTele端に対応する値(n−1)と異なり、且つズームUpスイッチ7がオンか否かを判定する。
【0037】
ステップS6を肯定判定する場合は、ズームレンズ1AがTele端まで駆動されておらず、且つズームUpボタンが押下され続けている場合である。この場合のCPU4は、ステップS7へ進む。
【0038】
一方、ズームステップカウントNが(n−1)である場合(ズームレンズ1AがTele端まで移動された場合)、またはズームUpスイッチ7がオンではない場合(ズームUpボタンの押下が解除された場合)のCPU4は、ステップS6を否定判定してステップS9へ進む。
【0039】
ステップS6を肯定判定して進むステップS7において、CPU4は、ズームステップカウントNをインクリメントして、ステップS8へ進む。ステップS8において、CPU4は、フォーカスレンズ1Bの駆動条件を設定する。
【0040】
具体的にCPU4は、フォーカスレンズ1Bの駆動方向をズームステップカウントNが示すズームステップに対応する方向に設定する。またCPU4は、フォーカスレンズ1Bの停止位置を、該ズームステップに対応するフォーカス停止位置に設定する。さらにCPU4は、励磁条件を、前励磁「なし」および後励磁「あり」に設定する。
【0041】
CPU4は、フォーカスレンズ1Bの駆動条件(駆動方向、停止位置、励磁条件)を以上のように設定すると、設定した駆動条件でフォーカスレンズ1Bを駆動させるようにフォーカスレンズ駆動制御回路12へ指示を送り、フォーカスレンズ1Bの駆動を再開させて、ステップS5へ戻る。
【0042】
CPU4から指示を受けたフォーカスレンズ駆動制御回路12は、前励磁を行わずに後励磁の状態からフォーカスレンズ1Bの駆動を再開し、設定されたフォーカス停止位置までフォーカスレンズ1Bを駆動する。このときフォーカスレンズ駆動制御回路12は、直前まで後励磁を継続していたので、前励磁を行わなくてもフォーカスレンズ1Bの駆動を開始することができる。フォーカスレンズ駆動制御回路12は、フォーカスレンズ1Bが該フォーカス停止位置に到達すると、フォーカスレンズ1Bの駆動を停止して後励磁を行う。上述したように、フォーカスレンズ駆動制御回路12は、後励磁を少なくとも所定時間実行し、その後はCPU4から指示がない限り後励磁をそのまま継続するように構成されている。
【0043】
上述したステップS6を否定判定して進むステップS9において、CPU4は、フォーカスレンズ駆動制御回路12に指示を送り、ステッピングモータ11への通電を停止させ、励磁のオフ状態にしてステップS10へ進む。
【0044】
ステップS10においてCPU4は、ズームレンズ駆動制御回路10へ指示を送り、DCモータ9に対して所定の減速処理を行わせることにより、ズームレンズ1Aの駆動を減速させて、ステップS11へ進む。ステップS11において、CPU4は、ズームレンズ駆動制御回路10へ指示を送り、DCモータ9に対して所定のブレーキ処理を行わせることにより、ズームレンズ1AをズームステップカウントNが示すズームステップに対応するズーム停止位置で停止させ、図3による処理を終了する。
【0045】
ここで、上記ズームUp処理の動作例を、図4を用いて説明する。図4は、上段がズームレンズ1Aの駆動を説明する図であり、中段がフォーカスレンズ1Bの駆動を説明する図であり、下段がズームUpスイッチ7のオン/オフを説明する図である。なお、図4は、ズームレンズ1AをWide端から駆動開始させる例を示している。
【0046】
図4に示す場合、ズームUpスイッチ7がオンされた時点のズームステップは「Wide」である。そこでCPU4は、ズームステップカウントNをインクリメントする。これにより、ズームステップが「Wide」から「1st」へ移行される。
【0047】
CPU4は、ズームレンズ1AをTele方向へ駆動開始させる。またCPU4は、駆動方向をズームステップ「1st」に対応する方向、停止位置を「1st」に対応するフォーカス停止位置、励磁条件を前励磁「あり」および後励磁「あり」に設定して、フォーカスレンズ1Bの駆動を開始させる。これにより、前励磁が所定時間行われた後、フォーカスレンズ1Bが「1st」フォーカス停止位置まで駆動される。フォーカスレンズ1Bが「1st」フォーカス停止位置に到達すると、フォーカスレンズ1Bの駆動が停止され、後励磁が行われる。該後励磁は、ズームレンズ1Aが「1st」ズーム停止判定位置に到達するまで継続される。
【0048】
図4に示す場合、ズームレンズ1Aが「1st」ズーム停止判定位置に到達した時点では、ズームUpスイッチ7はオンしたままである。そこでCPU4は、ズームステップカウントNをインクリメントする。これにより、ズームステップが「1st」から「2nd」へ移行される。
【0049】
CPU4は、駆動方向をズームステップ「2nd」に対応する方向、停止位置を「2nd」に対応するフォーカス停止位置、励磁条件を前励磁「なし」および後励磁「あり」に設定して、フォーカスレンズ1Bの駆動を再開させる。これにより、前励磁が行われずにフォーカスレンズ1Bの駆動が再開され、「2nd」フォーカス停止位置まで駆動される。フォーカスレンズ1Bが「2nd」フォーカス停止位置に到達すると、フォーカスレンズ1Bの駆動が停止され、後励磁が行われる。該後励磁は、ズームレンズ1Aが「2nd」ズーム停止判定位置に到達するまで継続される。
【0050】
図4に示す場合、ズームレンズ1Aが「2nd」ズーム停止判定位置まで到達する前にズームUpボタンの押下が解除され、ズームレンズ1Aが「2nd」ズーム停止判定位置に到達した時点で、ズームUpスイッチ7はオフしている。そこでCPU4は、ステッピングモータ11を励磁のオフ状態にさせる。そしてCPU4は、DCモータ9の減速処理およびブレーキ処理を行わせ、ズームレンズ1Aを「2nd」ズーム停止位置に停止させ、上記ズームUp処理を終了する。
【0051】
<ズームDown処理>
次に、撮影倍率を小さくするズームDown時におけるズームトラッキング処理(ズームDown処理)の詳細について、図5のフローチャートを用いて説明する。なお、上記ズームUp処理との相違点を中心に説明し、同様の箇所については説明を省略する。CPU4は、スルー画像の取得中にズームDownボタンが押下されてズームDownスイッチ8がオンすると、図5の処理を行うプログラムを起動する。
【0052】
ステップS101において、CPU4は、ズームステップカウントNがWide端に対応する値(0)よりも大きく、且つズームDownスイッチ8がオンか否かを判定する。CPU4は、ズームステップカウントNが(0)である(すなわちズームレンズ1AがWide端に位置する)場合、またはズームDownスイッチ8がオフである場合、ステップS101を否定判定して図5による処理を終了する。
【0053】
CPU4は、ズームステップカウントNが(0)よりも大きく(すなわちズームレンズ1AがWide端よりもTele端側に位置し)、且つズームDownスイッチ8がオンである場合、ステップS101を肯定判定してステップS102へ進む。ステップS102において、CPU4は、ズームステップカウントNをデクリメントして、ステップS103へ進む。
【0054】
ステップS103において、CPU4は、ズームレンズ駆動制御回路10に指示を送り、DCモータ9への通電を開始させ、Wide方向へのズームレンズ1Aの駆動を開始させてステップS104へ進む。ステップS104において、CPU4は、フォーカスレンズ1Bの駆動条件を設定する。
【0055】
具体的にCPU4は、フォーカスレンズ1Bの駆動方向を、ズームステップカウントNが示すズームステップに対応する方向に設定し、停止位置を該ズームステップに対応するフォーカス停止位置に設定し、励磁条件を前励磁「あり」および後励磁「あり」に設定する。
【0056】
そしてCPU4は、設定した駆動条件でフォーカスレンズ1Bを駆動させるようにフォーカスレンズ駆動制御回路12へ指示を送り、フォーカスレンズ1Bの駆動を開始させて、ステップS105へ進む。
【0057】
ステップS105において、CPU4は、ズームレンズ1Aの位置が、ズームステップカウントNが示すズームステップに対応するズーム停止判定位置よりTele端側であるか否かを判定する。ステップS105を肯定判定した場合のCPU4は、該判定処理を繰り返す。該判定処理を繰り返す間、ズームレンズ1AのWide方向への駆動が継続される。
【0058】
CPU4は、ズームレンズ1Aの位置が該ズーム停止判定位置に到達すると、ステップS105を否定判定し、ステップS106へ進む。ステップS106において、CPU4は、ズームステップカウントNがWide端に対応する値(0)と異なり、且つズームDownスイッチ8がオンか否かを判定する。
【0059】
ステップS106を肯定判定する場合は、ズームレンズ1AがWide端まで駆動されておらず、且つズームDownボタンが押下され続けている場合である。この場合のCPU4は、ステップS107へ進む。
【0060】
一方、ズームステップカウントNが(0)である場合(ズームレンズ1AがWide端まで移動された場合)、またはズームDownスイッチ8がオンではない場合(ズームDownボタンが離された場合)のCPU4は、ステップS106を否定判定してステップS109へ進む。
【0061】
ステップS106を肯定判定して進むステップS107において、CPU4は、ズームステップカウントNをデクリメントして、ステップS108へ進む。ステップS108において、CPU4は、フォーカスレンズ1Bの駆動条件を設定する。
【0062】
具体的にCPU4は、フォーカスレンズ1Bの駆動方向をズームステップカウントNが示すズームステップに対応する方向に設定し、停止位置を該ズームステップに対応するフォーカス停止位置に設定し、励磁条件を前励磁「なし」および後励磁「あり」に設定する。
【0063】
そしてCPU4は、設定した駆動条件でフォーカスレンズ1Bを駆動させるようにフォーカスレンズ駆動制御回路12へ指示を送り、フォーカスレンズ1Bの駆動を再開させて、ステップS105へ戻る。
【0064】
上述したステップS106を否定判定して進むステップS109〜ステップS111において、CPU4は、上記ステップS9〜S11と同様の処理を行ってズームレンズ1Aの駆動を停止させ、図5による処理を終了する。
【0065】
図6は、ズームUp時において、種々の環境要因(温度変化や機械構造の差異など)によってズームレンズ1Aの駆動速度が速くなり、「Wide」ズーム停止位置から「1st」ズーム停止判定位置までの駆動時間が短くなる場合の動作例を説明する図である。図6は、本実施形態による電子カメラの作用効果をわかりやすくするため、本実施形態と異なる電子カメラとを対比して示す。本実施形態と異なる電子カメラ(比較例)は、各ズームステップにおいてフォーカスレンズ1Bを駆動する際に必ず前励磁および後励磁の両方を所定時間ずつ行うように構成されている。
【0066】
図6の上段は、ズームレンズ1Aの駆動を説明する図であり、図6の下段は、フォーカスレンズ1Bの駆動を説明する図である。図6の下段では、本実施形態による駆動例を実線で示し、比較例による駆動例を破線で示す。
【0067】
図6によれば、ズームレンズ1Aが「1st」ズーム停止判定位置に到達した後に、フォーカスレンズ1Bが「1st」フォーカス停止位置に到達して後励磁が行われる。比較例の場合、該後励磁の後、フォーカスレンズ1Bを「2nd」フォーカス停止位置に駆動させるための前励磁を行うため、フォーカスレンズ1Bの駆動開始が、ズームレンズ1Bが「1st」ズーム停止位置に到達するよりも遅くなっている。
【0068】
これに対して本実施形態の場合、該前励磁が省略されて該後励磁の後すぐにフォーカスレンズ1Bの駆動が開始されるため、比較例と比較してフォーカスレンズ1Bの駆動再開を早めることができる。これにより、フォーカスレンズ1Bの駆動開始を、ズームレンズ1Bが「1st」ズーム停止位置に到達するよりも早くすることができる。
【0069】
図7は、ズームUp時において、種々の環境要因によってズームレンズ1Aの駆動速度が速くなり、「1st」ズーム停止判定位置から「1st」ズーム停止位置までの駆動時間が短くなる場合の動作例を説明する図である。図7も、図6と同様に本実施形態と比較例とを対比して示す。
【0070】
図7によれば、フォーカスレンズ1Bが「1st」フォーカス停止位置に到達した後、後励磁を行っている間に、ズームレンズ1Aが「1st」ズーム停止判定位置に到達する。比較例の場合、該後励磁の後フォーカスレンズ1Bを「2nd」フォーカス停止位置に駆動させるための前励磁を行う。このため、該前励磁の完了前にズームレンズ1Aが「1st」ズーム停止判定位置に到達する場合は、フォーカスレンズ1Bの駆動開始が、ズームレンズ1Bが「1st」ズーム停止位置に到達するよりも遅くなってしまう。
【0071】
これに対して本実施形態の場合、該前励磁が省略されて該後励磁の後すぐにフォーカスレンズ1Bの駆動が開始されるため、比較例と比較してフォーカスレンズ1Bの駆動再開を早めることができる。これにより、フォーカスレンズ1Bの駆動開始を、ズームレンズ1Aが「1st」ズーム停止位置に到達するよりも早くすることができる。
【0072】
以上説明した実施形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)電子カメラの光学系駆動制御装置は、ズームレンズ1Aおよびフォーカスレンズ1Bを含む撮影光学系1と、フォーカスレンズ1Bを光軸方向に駆動するステッピングモータ11と、フォーカスレンズ1Bの駆動開始前、駆動中、および駆動終了後にステッピングモータ11へ電力を供給するフォーカスレンズ駆動制御回路12と、ズームレンズ1Aが所定量駆動されるごとにフォーカスレンズ1Bを所定量駆動するようにステッピングモータ11およびフォーカスレンズ駆動制御回路12を制御するCPU4と、ズームレンズ1Aの所定量の駆動が終了される前に、該駆動の終了後さらにズームレンズ1Aが所定量駆動されるか否かを判断するCPU4と、を備え、CPU4は、該判断をする前にステッピングモータ11によるフォーカスレンズ1Bの所定量の駆動が終了すると、少なくとも該判断をするまでステッピングモータ11へのフォーカスレンズ1Bの駆動終了後の電力供給(後励磁)を継続するようにフォーカスレンズ駆動制御回路12を制御するように構成したので、フォーカスレンズ1Bの駆動を再開する場合に後励磁状態からただちにフォーカスレンズ1Bを適切なタイミングで駆動することができる。
【0073】
(2)上記(1)の光学系駆動制御装置において、CPU4は、ズームレンズ1Aがさらに駆動されると判断した場合、ステッピングモータ11へのフォーカスレンズ1Bの駆動開始前の電力供給(前励磁)を省略してフォーカスレンズ1Bの駆動を開始するようにステッピングモータ11およびフォーカスレンズ駆動制御回路12を制御するように構成したので、フォーカスレンズ1Bの駆動再開を早めることができる。
【0074】
(3)上記(1)または(2)の光学系駆動制御装置において、CPU4は、ズームレンズ1Aがさらに駆動されないと判断した場合、ステッピングモータ11へのフォーカスレンズ1Bの駆動終了後の電力供給(後励磁)を停止する(励磁オフする)ようにフォーカスレンズ駆動制御回路12を制御するように構成したので、フォーカスレンズ1Bの駆動を適切に完了することができる。
【0075】
(4)上記(1)〜(3)の光学系駆動制御装置において、CPU4は、ステッピングモータ11へのフォーカスレンズ1Bの駆動終了後の供給電力(後励磁のレベル)を、フォーカスレンズ1Bの駆動中の供給電力(駆動のレベル)よりも低くするようにフォーカスレンズ駆動制御回路12を制御するように構成したので、消費電力の抑制に効果がある。
【0076】
(変形例1)
上述した実施の形態では、CPU4は、フォーカスレンズ1Bがフォーカス停止位置に到達すると、後励磁を少なくとも所定時間実行し、その後はCPU4から指示がない限り(すなわちズームの継続が判断されるまで)後励磁をそのまま継続するようにフォーカスレンズ駆動制御回路12を制御したが、これに限らない。
【0077】
たとえば、図6では、ズームレンズ1Aがズーム停止判定位置に到達した後(ズームの継続を判断した後)にフォーカスレンズ1Bがフォーカス停止位置に到達した場合、該到達後に所定時間後励磁を行っていたが、該到達後の後励磁を省略してただちに次のフォーカス停止位置への駆動を継続して行うようにしてもよい。
【0078】
また、図7では、所定時間の後励磁が完了する前に、ズームレンズ1Aがズーム停止判定位置に到達した場合、該到達後も該後励磁を所定時間が完了するまで継続していたが、該到達した時点(ズームの継続を判断した時点)で後励磁を停止して次のフォーカス停止位置への駆動を開始するようにしてもよい。
【0079】
(変形例2)
上述した実施の形態では、静止画像の撮影を行う電子スチルカメラに本発明を適用するようにしたが、動画像の撮影を行う電子ビデオカメラに本発明を適用するようにしてもよい。この場合、動画像の撮影中におけるズームトラッキング処理に本発明を適用する。
【0080】
(変形例3)
上述した実施の形態では、ズームレンズ1Aを駆動するモータとしてDCモータ9を用いるようにしたが、たとえば超音波モータなど他のモータを用いるようにしてもよい。
【0081】
以上の説明はあくまで一例であり、上記の実施形態の構成に何ら限定されるものではない。また、上記実施形態に各変形例の構成を適宜組み合わせてもかまわない。
【符号の説明】
【0082】
1…撮影光学系
1A…ズームレンズ
1B…フォーカスレンズ
4…CPU
7…ズームUpスイッチ
8…ズームDownスイッチ
9…DCモータ
10…ズームレンズ駆動制御回路
11…ステッピングモータ
12…フォーカスレンズ駆動制御回路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7