【0020】
本発明の有害生物の防除方法は、畑、水田、乾田、芝生、果樹園等の農耕地又は非農耕地用にて農作物、野菜、果樹、果樹以外の樹木、芝生などに対して適用することができる。
農作物:トウモロコシ、イネ、コムギ、オオムギ、ライムギ、エンバク、ソルガム、ワタ、ダイズ、ピーナッツ、ソバ、テンサイ、ナタネ、ヒマワリ、サトウキビ、タバコ等。
野菜;ナス科野菜(ナス、トマト、ピーマン、トウガラシ、ジャガイモ等)、ウリ科野菜(キュウリ、カボチャ、ズッキーニ、スイカ、メロン等)、アブラナ科野菜(アブラナ、ダイコン、カブ、セイヨウワサビ、コールラビ、ハクサイ、キャベツ、カラシナ、ブロッコリー、カリフラワー等)、キク科野菜(ゴボウ、シュンギク、アーティチョーク、レタス等)、ユリ科野菜(ネギ、タマネギ、ニンニク、アスパラガス等)、セリ科野菜(ニンジン、パセリ、セロリ、アメリカボウフウ等)、アカザ科野菜(ホウレンソウ、フダンソウ等)、シソ科野菜(シソ、ミント、バジル等)、イチゴ、サツマイモ、ヤマノイモ、サトイモ等。
果樹:仁果類(リンゴ、セイヨウナシ、ニホンナシ、カリン、マルメロ等)、核果類(モモ、スモモ、ネクタリン、ウメ、オウトウ、アンズ、プルーン等)、カンキツ類(ウンシュウミカン、オレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツ等)、堅果類(クリ、クルミ、ハシバミ、アーモンド、ピスタチオ、カシューナッツ、マカダミアナッツ等)、液果類(ブルーベリー、クランベリー、ブラックベリー、ラズベリー等)、ブドウ、カキ、オリーブ、ビワ、バナナ、コーヒー、ナツメヤシ、ココヤシ、アブラヤシ等。
果樹以外の樹木:チャ、クワ、花木類(サツキ、ツバキ、アジサイ、サザンカ、シキミ、サクラ、ユリノキ、サルスベリ、キンモクセイ等)、街路樹(トネリコ、カバノキ、ハナミズキ、ユーカリ、イチョウ、ライラック、カエデ、カシ、ポプラ、ハナズオウ、フウ、プラタナス、ケヤキ、クロベ、モミノキ、ツガ、ネズ、マツ、トウヒ、イチイ、ニレ、トチノキ等)、サンゴジュ、イヌマキ、スギ、ヒノキ、クロトン、マサキ、カナメモチ等。
芝生:シバ類(ノシバ、コウライシバ等)、バミューダグラス類(ギョウギシバ等)、ベントグラス類(コヌカグサ、ハイコヌカグサ、イトコヌカグサ等)、ブルーグラス類(ナガハグサ、オオスズメノカタビラ等)、フェスク類(オニウシノケグサ、イトウシノケグサ、ハイウシノケグサ等)、ライグラス類(ネズミムギ、ホソムギ等)、カモガヤ、オオアワガエリ等。
その他:花卉類(バラ、カーネーション、キク、トルコギキョウ、カスミソウ、ガーベラ、マリーゴールド、サルビア、ペチュニア、バーベナ、チューリップ、アスター、リンドウ、ユリ、パンジー、シクラメン、ラン、スズラン、ラベンダー、ストック、ハボタン、プリムラ、ポインセチア、グラジオラス、カトレア、デージー、シンビジューム、ベゴニア等)、バイオ燃料植物(ヤトロファ、ベニバナ、アマナズナ類、スイッチグラス、ミスカンサス、クサヨシ、ダンチク、ケナフ、キャッサバ、ヤナギ等)、観葉植物等。
【実施例】
【0023】
以下、本発明を製剤例及び試験例にてさらに詳しく説明するが、本発明は以下の例のみに限定されるものではない。なお、以下の例において、部は特にことわりの無い限り重量部を表す。
【0024】
まず、製剤例を示す。
【0025】
製剤例1
本キノリン化合物15部、クロマフェノジド8部及びジノテフラン15部を、ラウリル硫酸ナトリウム4部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、合成含水酸化珪素微粉末20部及び珪藻土36部を混合した中に加え、よく攪拌混合して水和剤を得る。
【0026】
製剤例2
本キノリン化合物15部、クロマフェノジド8部及びエチプロール15部を、ラウリル硫酸ナトリウム4部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、合成含水酸化珪素微粉末20部及び珪藻土36部を混合した中に加え、よく攪拌混合して水和剤を得る。
【0027】
製剤例3
本キノリン化合物15部、クロマフェノジド8部及びチアメトキサム15部を、ラウリル硫酸ナトリウム4部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、合成含水酸化珪素微粉末20部及び珪藻土36部を混合した中に加え、よく攪拌混合して水和剤を得る。
【0028】
製剤例4
本キノリン化合物15部、クロマフェノジド8部及びペルメトリン15部を、ラウリル硫酸ナトリウム4部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、合成含水酸化珪素微粉末20部及び珪藻土36部を混合した中に加え、よく攪拌混合して水和剤を得る。
【0029】
製剤例5
本キノリン化合物15部、クロマフェノジド8部及びクロチアニジン15部を、ラウリル硫酸ナトリウム4部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、合成含水酸化珪素微粉末20部及び珪藻土36部を混合した中に加え、よく攪拌混合して水和剤を得る。
【0030】
製剤例6
本キノリン化合物15部、クロマフェノジド8部及びニテンピラム15部を、ラウリル硫酸ナトリウム4部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、合成含水酸化珪素微粉末20部及び珪藻土36部を混合した中に加え、よく攪拌混合して水和剤を得る。
【0031】
製剤例7
本キノリン化合物1部、クロマフェノジド0.5部及びジノテフラン2部、カオリンクレー86.5部及びタルク10部をよく粉砕混合することにより粉剤を得る。
【0032】
製剤例8
本キノリン化合物1部、クロマフェノジド0.5部及びエチプロール2部、カオリンクレー86.5部及びタルク10部をよく粉砕混合することにより粉剤を得る。
【0033】
製剤例9
本キノリン化合物1部、クロマフェノジド0.5部及びチアメトキサム2部、カオリンクレー86.5部及びタルク10部をよく粉砕混合することにより粉剤を得る。
【0034】
製剤例10
本キノリン化合物1部、クロマフェノジド0.5部及びペルメトリン2部、カオリンクレー86.5部及びタルク10部をよく粉砕混合することにより粉剤を得る。
【0035】
製剤例11
本キノリン化合物1部、クロマフェノジド0.5部及びクロチアニジン1.5部を、カオリンクレー87部及びタルク10部をよく粉砕混合することにより粉剤を得る。
【0036】
製剤例12
本キノリン化合物1部、クロマフェノジド0.5部及びニテンピラム1.5部、カオリンクレー87部及びタルク10部をよく粉砕混合することにより粉剤を得る。
【0037】
製剤例11
本キノリン化合物10部、クロマフェノジド4部、ジノテフラン6部、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートアンモニウム塩50部を含むホワイトカーボン30部及び水50部を混合し、湿式粉砕法で微粉砕することにより、フロアブル剤を得る。
【0038】
製剤例14
本キノリン化合物10部、クロマフェノジド4部、エチプロール6部、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートアンモニウム塩50部を含むホワイトカーボン30部及び水50部を混合し、湿式粉砕法で微粉砕することにより、フロアブル剤を得る。
【0039】
製剤例15
本キノリン化合物10部、クロマフェノジド4部、チアメトキサム6部、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートアンモニウム塩50部を含むホワイトカーボン30部及び水50部を混合し、湿式粉砕法で微粉砕することにより、フロアブル剤を得る。
【0040】
製剤例16
本キノリン化合物10部、クロマフェノジド4部、ペルメトリン6部、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートアンモニウム塩50部を含むホワイトカーボン30部及び水50部を混合し、湿式粉砕法で微粉砕することにより、フロアブル剤を得る。
【0041】
製剤例17
本キノリン化合物10部、クロマフェノジド4部、クロチアニジン6部、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートアンモニウム塩50部を含むホワイトカーボン30部及び水50部を混合し、湿式粉砕法で微粉砕することにより、フロアブル剤を得る。
【0042】
製剤例18
本キノリン化合物10部、クロマフェノジド4部、ニテンピラム6部、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートアンモニウム塩50部を含むホワイトカーボン30部及び水50部を混合し、湿式粉砕法で微粉砕することにより、フロアブル剤を得る。
【0043】
次に、本発明の効果を試験例にて示す。
試験例1
本キノリン化合物、クロマフェノジド、ジノテフラン、エチプロール、チアメトキサム、クロチアニジン及びニテンピラムの各10mgを、それぞれソルゲンTW−20(第一工業製薬株式会社製)を5%(w/v)含むアセトン(和光純薬工業株式会社製)1mlに溶解した後、所定濃度になるように展着剤(商品名:ダイン(登録商標)、住友化学株式会社製)0.02容量%を含有する水で希釈した。本キノリン化合物の水希釈液と、クロマフェノジドの水希釈液と、ジノテフラン、エチプロール、チアメトキサム、クロチアニジン又はニテンピラムの水希釈液とを混合し、試験用薬液を調製した。
培養土を入れたプラスチック製ポットに播種した後15日程度育苗して第3本葉が完全に展開したイネ(Oryza sativa、品種:ななつぼし)に、前記試験用薬液をスプレーガンを用いて1ポットあたり10ml散布処理した。風乾後、いもち病を発症したイネとともに、25℃の湿室(湿度95−100%)内に24時間静置した。その後、前記のいもち病を発症したイネを分離した後、前記湿室内で5日間栽培し、病斑面積率(処理区の病斑面積率とする。)を測定した。なお、試験は2反復で行った。
試験用薬液を散布しないこと以外は前記と同様にイネを栽培し、病斑面積率(無処理区の病斑面積率とする。)を測定した。下記の式1)により防除価を算出した。
式1); 防除価=100×(A−B)/A
A:無処理区の病斑面積率
B:処理区の病斑面積率
その平均値を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
試験例2
本キノリン化合物、クロマフェノジド、ジノテフラン、エチプロール、チアメトキサム、ペルメトリン、クロチアニジン及びニテンピラムの各10mgを、それぞれソルゲンTW−20(第一工業製薬株式会社製)を5%(w/v)含むアセトン(和光純薬工業株式会社製)1mlに溶解した後、所定濃度になるように展着剤(商品名:ダイン(登録商標)、住友化学株式会社製)0.02容量%を含有する水で希釈した。本キノリン化合物の水希釈液と、クロマフェノジドの水希釈液と、ジノテフラン、エチプロール、チアメトキサム、ペルメトリン、クロチアニジン又はニテンピラムの水希釈液とを混合し、試験用薬液を調製した。
培養土を入れたプラスチック製ポットに播種した後15日程度育苗して第3本葉が完全に展開したイネ(Oryza sativa、品種:ななつぼし)に、前記試験用薬液をスプレーガンを用いて1ポットあたり10ml散布処理した。風乾後、いもち病を発症したイネとともに、25℃の湿室(湿度95−100%)内に24時間静置した。その後、前記のいもち病を発症したイネを分離した後、前記湿室内で5日間栽培し、病斑面積率(処理区の病斑面積率とする。)を測定した。なお、試験は2反復で行った。
試験用薬液を散布しないこと以外は前記と同様にイネを栽培し、病斑面積率(無処理区の病斑面積率とする。)を測定した。下記の式1)により防除価を算出した。
式1); 防除価=100×(A−B)/A
A:無処理区の病斑面積率
B:処理区の病斑面積率
その平均値を表2に示す。
【0046】
【表2】
【0047】
試験例3
本キノリン化合物、クロマフェノジド、クロチアニジン及びニテンピラムの各10mgを、それぞれソルゲンTW−20(第一工業製薬株式会社製)を5%(w/v)含むアセトン(和光純薬工業株式会社製)1mlに溶解した後、所定濃度になるように展着剤(商品名:ダイン(登録商標)、住友化学株式会社製)0.02容量%を含有する水で希釈した。本キノリン化合物の水希釈液と、クロマフェノジド、クロチアニジン又はニテンピラムの水希釈液とを混合し、試験用薬液を調製した。
2.5葉期のペーパーポット植えイネ(Oryza sativa、品種:ななつぼし)稚苗に、前記試験用薬液を1ポットあたり10ml散布した。このイネ稚苗を風乾後、水を4.8ml入れたガラス製試験管(直径30mm、高さ200mm)に入れた。その試験管の中にトビイロウンカの3齢幼虫を10頭ずつ放飼し、室内(25℃、湿度60%)に置いた。これを処理区と呼ぶ。
一方、前述の試験用薬液で処理しなかったイネ稚苗を、処理区と同様に、水を4.8ml入れたガラス製試験管に入れ、幼虫を放飼し、室内(25℃、湿度60%)に置いた。これを無処理区と呼ぶ。
4日後に供試した幼虫の生死を観察した。その観察結果から、式2)によって死虫率、式3)によって補正死虫率を算出した。なお、試験は2反復で行った。その平均値を表3に示す。
【0048】
式2);死虫率(%)=処理区死亡虫数/供試虫数×100
【0049】
式3);補正死虫率(%)={(処理区死虫率−無処理区死虫率)/(100−無処理区死虫率)}×100
【0050】
【表3】
【0051】
試験例4
本キノリン化合物、クロマフェノジド及びペルメトリンの各10mgを、それぞれソルゲンTW−20(第一工業製薬株式会社製)を5%(w/v)含むアセトン(和光純薬工業株式会社製)1mlに溶解した後、所定濃度になるように展着剤(商品名:ダイン(登録商標)、住友化学株式会社製)0.02容量%を含有する水で希釈した。本キノリン化合物の水希釈液とクロマフェノジドの水希釈液とペルメトリンの水希釈液とを混合し、試験用薬液を調製した。
2.5葉期のペーパーポット植えイネ(Oryza sativa、品種:ななつぼし)稚苗に、前記試験用薬液を1ポットあたり10ml散布した。このイネ稚苗を風乾後、水を入れたプラスチックカップ(直径90mm、高さ30mm)に入れた。その中にコブノメイガの1齢幼虫を10頭ずつ放飼し、室内(25℃、湿度60%)に置いた。これを処理区と呼ぶ。
一方、前述の試験用薬液で処理しなかったイネ稚苗を、処理区と同様に、水を入れたプラスチックカップに入れ、幼虫を放飼し、室内(25℃、湿度60%)に置いた。これを無処理区と呼ぶ。
4日後に供試した幼虫の生死を観察した。その観察結果から、試験例3記載の式2)によって死虫率、式3)によって補正死虫率を算出した。なお、試験は2反復で行った。
その平均値を表4に示す。
【0052】
【表4】
【0053】
試験例5
本キノリン化合物、クロマフェノジド、ジノテフラン及びクロチアニジンの各10mgを、それぞれソルゲンTW−20(第一工業製薬株式会社製)を5%(w/v)含むアセトン(和光純薬工業株式会社製)1mlに溶解した後、所定濃度になるように展着剤(商品名:ダイン(登録商標)、住友化学株式会社製)0.02容量%を含有する水で希釈した。本キノリン化合物の水希釈液とクロマフェノジドの水希釈液とジノテフラン又はクロチアニジンの水希釈液とを混合し、試験用薬液を調製した。
2.5葉期のペーパーポット植えイネ(Oryza sativa、品種:ななつぼし)稚苗に、前記試験用薬液を1ポットあたり10ml散布した。このイネ稚苗を風乾後、水を入れたプラスチックカップ(直径90mm、高さ30mm)に入れた。その中にコブノメイガの1齢幼虫を10頭ずつ放飼し、室内(25℃、湿度60%)に置いた。これを処理区と呼ぶ。
一方、前述の試験用薬液で処理しなかったイネ稚苗を、処理区と同様に、水を入れたプラスチックカップに入れ、幼虫を放飼し、室内(25℃、湿度60%)に置いた。これを無処理区と呼ぶ。
3日後に供試した幼虫の生死を観察した。その観察結果から、試験例3記載の式2)によって死虫率、式3)によって補正死虫率を算出した。なお、試験は2反復で行った。
その平均値を表5に示す。
【0054】
【表5】