(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記貼り合わせる工程後で、前記切断工程前に、前記貼り合わせウェーハのシリコンウェーハの厚さが100μm以上となるように、該シリコンウェーハに研削、研磨又はエッチング処理を施す工程をさらに含み、
前記切断後の貼り合わせウェーハのシリコンウェーハに研削、研磨又はエッチング処理を施す工程が、厚さが20μm以下のシリコン薄膜を作製する請求項1または2に記載の透明SOIウェーハの製造方法。
前記切断工程の前に、前記貼り合わせウェーハに、前記透明ハンドルウェーハとして石英又はガラスを用いた場合には、150〜300℃の第1熱処理、350〜500℃の第2熱処理を施し、前記透明ハンドルウェーハとしてサファイアを用いた場合には、150〜250℃の第1熱処理、300〜500℃の第2熱処理を施す請求項1〜5のいずれかに記載の透明SOIウェーハの製造方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、転写されるシリコン膜が厚い(例えば1μmより大きい)場合は、古典的な貼り合わせ、裏面研削法(Bond&Etchback)を適用する以外に方法がない。イオンを深く注入するためには、イオンを打ち込む時の加速電圧を上げる必要がある。そのため、加速電圧を上げてイオンを打ち込むことによって、シリコン膜の表面にダメージが導入される恐れがある。
【0007】
この貼り合わせ、裏面研削法は、2枚のウェーハ(ドナーウェーハ、ハンドルウェーハ)を貼り合わせた後に熱処理を行うことによって結合強度を高め、その後ドナーウェーハの裏面を研削、研磨することによってドナーウェーハを薄膜化し、所望の厚さのシリコン薄膜に仕上げる方法である。2枚のウェーハを貼り合わせる際、貼り合わせることができない領域(周辺除外領域:Edge exclusion)がウェーハの周辺から数mm生じる。これは、ウェーハに面取り加工と呼ばれる処理が施されていることによって、ウェーハの角が丸みを帯びているために生じるものである。
【0008】
図6は単純な薄膜化プロセスによるチッピングの発生を表す概念図である。2枚のウェーハ(ドナーウェーハ102、ハンドルウェーハ101)を貼り合わせ(
図6(A))、その後熱処理を行い、ドナーウェーハ102を数μmまで研削、研磨すると(
図6(B))、ドナーウェーハの周辺の断面102aの角度αが鋭角になるため、チッピングと呼ばれる欠け102bが頻発するようになる(
図6(C))。これを防ぐために、本発明者は、
図1に示すように、予め周辺を機械的に削り取るか(
図1(A))、薬品等によって除去する(
図1(B))方法を見出した。しかし、この方法は、熱膨張係数の異なるウェーハ間には採用できない。ドナーウェーハとハンドルウェーハの各熱膨張係数が大幅に異なるSOQウェーハ及びSOSウェーハの場合、シリコンウェーハと、石英(ガラス)又はサファイアとを貼り合わせた後に熱処理を行うと、熱膨張係数の違いのため、貼り合わせたウェーハは破損する。したがって、貼り合わせた段階では十分な熱処理を行うことは難しい。このような不十分な熱処理しか行えない段階でウェーハの周辺を機械的又は化学的に除去しようとすると、接合強度が不十分であるため、除去したくない部分まで除去されてしまうからである。
【0009】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、ウェーハの破損及びチッピングの発生を抑制することができる透明SOIウェーハの製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明者は、可視光線に対して、SOQウェーハ及びSOSウェーハの透明性を活かした方法を見出した。
すなわち、本発明においては、シリコンウェーハをドナーウェーハとして用い、前記シリコンウェーハの表面と、透明ハンドルウェーハの表面とを貼り合わせて貼り合わせウェーハを得る工程と、前記貼り合わせウェーハに、150〜300℃の第1熱処理を施す工程と、前記貼り合わせる工程によって貼り合わされた面部分と、貼り合わされていない面部分との境界に、前記熱処理を施された貼り合わせウェーハのシリコンウェーハ側から、入射光と該シリコンウェーハの径方向とがなす角度が60〜90°となるように可視光レーザーを照射し、前記貼り合わされていない部分を切断する工程と、前記切断後の貼り合わせウェーハのシリコンウェーハに、研削、研磨又はエッチング処理を施すことによってシリコン薄膜を作製する工程と、前記シリコン薄膜の作製後の貼り合わせウェーハに、第1熱処理よりも高い温度となる300〜500℃の第2熱処理を施す工程とを少なくとも含む方法によって得られる透明SOIウェーハの製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の透明SOIウェーハの製造方法によれば、ウェーハの破損及びチッピングの発生を抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明で用いる透明ハンドルウェーハとしては、好ましくは、石英、ガラス、又はサファイアのいずれかの材料からなるものを挙げることができる。なお、透明ハンドルウェーハは、後述する貼り合わせる工程の前に、RCA洗浄等の洗浄をしておくことが好ましい。
本発明で用いるドナーウェーハとしては、単結晶シリコンウェーハ等が挙げられ、例えば、チョクラルスキ法により育成された一般に市販されているものであり、その導電型や比抵抗率等の電気特性値や結晶方位や結晶径は、本発明の方法で製造される透明SOIウェーハが供されるデバイスの設計値やプロセス又は製造されるデバイスの表示面積等に依存して適宜選択されてよい。
シリコンウェーハの厚さは、後述するシリコン薄膜の所望の厚さに依存して適宜選択されてよく、特に限定されるものではない。例えば、6インチウェーハでは550〜650μm、8インチウェーハでは650〜750μmのものが入手しやすく、ハンドリングも容易である。
好ましくは、シリコンウェーハの周辺部が面取りされているか、又は、シリコンウェーハの径が透明ハンドルウェーハの径よりも大きい。このような場合に、貼り合わせウェーハにおける貼り合わされていない部分(周辺除外領域)がウェーハの周辺から数mm生じる。面取り方法は、C面取り、R面取り等が挙げられる。
【0014】
以下、本発明に係る透明SOIウェーハの製造方法について
図2及び
図3を参照して説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(第1の実施形態)
図2は、透明SOIウェーハの製造方法の工程の一例を示す図である。
まず、
図2(A)に示すように、透明ハンドルウェーハ11と、ドナーウェーハとしてシリコンウェーハ12を用意する。次に、
図2(B)に示すように、シリコンウェーハ12の表面12sと、透明ハンドルウェーハ11の表面11sとを貼り合わせて貼り合わせウェーハ13を得る。
必要に応じて、ドナーウェーハとして、表面12s又は表面全体に酸化膜を形成したシリコンウェーハを用いてもよい。酸化膜は、一般的な熱酸化法により形成することができる。一般的には、酸素雰囲気又は水蒸気雰囲気で、常圧下で、800〜1100℃で熱処理することによって得られるものである。酸化膜の厚さは、好ましくは50〜500nmである。これはあまり薄いと、酸化膜厚の制御が難しく、またあまり厚いと時間が掛かりすぎるためである。
【0015】
ここで、貼り合わせる前に、シリコンウェーハ12、透明ハンドルウェーハ11のうちどちらか一方又は両方の表面に、表面活性化処理を施してもよい。この表面活性化処理を施すことにより、貼り合わせた直後の貼り合わせウェーハの接合強度を高めることができる。
表面活性化処理は、好ましくは、オゾン水処理、UVオゾン処理、イオンビーム処理、又はプラズマ処理のうち、少なくとも1つの処理が行われる。
プラズマで処理をする場合、例えば、チャンバ中にRCA洗浄等の洗浄をしたシリコンウェーハ及び/又は透明ハンドルウェーハを載置し、プラズマ用ガスを減圧下で導入した後、100W程度の高周波プラズマに5〜10秒程度さらし、表面をプラズマ処理する。プラズマ用ガスとしては、シリコンウェーハを処理する場合、表面を酸化する場合には酸素ガスのプラズマ、酸化しない場合には水素ガス、アルゴンガス、窒素ガス又はこれらの混合ガスあるいは水素ガスとヘリウムガスの混合ガスを用いることができる。透明ハンドルウェーハを処理する場合はいずれのガスでもよい。プラズマで処理することにより、シリコンウェーハ及び/又は透明ハンドルウェーハの表面の有機物が酸化して除去され、さらに表面のOH基が増加し、活性化する。
オゾン水で処理する場合には、例えば、オゾンを10mg/L程度溶存した純水にウェーハを浸漬することで実現できる。
UVオゾンで処理をする場合は、オゾンガス、もしくは大気より生成したオゾンガスにUV光(例えば、波長185nm)を照射することで行うことが可能である。
イオンビームで処理する場合には、例えば、スパッタ法のようにウェーハの表面をアルゴンなどの不活性ガスのビームで高真空下において処理することにより、表面の未結合手を露出させ、結合力を増すことが可能である。
オゾン水処理やUVオゾン処理などでは、シリコンウェーハまたは透明ハンドルウェーハの表面の有機物をオゾンにより分解し、表面のOH基を増加させることによって活性化を行う。一方、イオンビーム処理やプラズマ処理などでは、ウェーハの表面の反応性の高い未結合手(ダングリングボンド)を露出させることによって、もしくはその未結合手にOH基が付与されることによって活性化を行う。
表面の活性化は、親水性の程度(濡れ性)を見ることによって確認ができる。具体的には、ウェーハの表面に水をたらし、その接触角(コンタクトアングル)を測ることによって簡便に測定できる。
【0016】
次に、
図2(C)に示すように、貼り合わせウェーハ13に、150〜300℃の第1熱処理H
1を施す。例えば、透明ハンドルウェーハ11として石英又はガラスを用いた場合には、好ましくは150〜300℃の第1熱処理H
1を施し、透明ハンドルウェーハ11としてサファイアを用いた場合には、好ましくは150〜250℃の第1熱処理H
1を施す。また、熱処理時間は、熱処理温度と材料に応じて決められ、好ましくは1〜48時間の範囲から選択される。このように、貼り合わせウェーハ13を熱処理することによって、シリコンウェーハ12と透明ハンドルウェーハ11の貼り合わせの強度を高めることができる。また、このような温度での熱処理であれば、異種材料であることに起因する熱膨張係数の差異による熱歪、ひび割れ、剥離等が発生する恐れが少ない。なお、この段階では、後述する研削等を行うには十分な強度を達成しているが、透明SOIウェーハの強度としては十分ではない。
熱処理工程は、好ましくは、アルゴン、窒素、ヘリウム、またはこれらの混合ガスの存在下で行われる。
【0017】
次に、
図2(D)に示すように、貼り合わせる工程によって貼り合わされた面部分14と、貼り合わされていない面部分15aとの境界16に、熱処理を施された貼り合わせウェーハのシリコンウェーハ側から、入射光と該シリコンウェーハの径方向とがなす角度が60〜90°となるように可視光レーザーLを照射し、貼り合わされていない部分15を切断する(工程d−1−i)。
図3は、貼り合わせウェーハの上面図である。
図3に示すように、貼り合わされた面部分14と、貼り合わされていない面部分15aとの境界16に、熱処理を施された貼り合わせウェーハのシリコンウェーハ側から、入射光と該シリコンウェーハの径方向とがなす角度θ、すなわち、入射光とシリコンウェーハとの交点とシリコンウェーハの中心Cとを結ぶ線と、入射光とがなす角度θが60〜90°となるように可視光レーザーLを照射し、貼り合わされていない部分15を切断する。このような方法によれば、シリコンウェーハの貼り合わされていない部分15を切断した後、可視光レーザーLが下地である透明ハンドルウェーハ11に到達した場合でも、透明ハンドルウェーハ11に傷等が導入される心配はない。
可視光レーザーは、好ましくは、グリーンレーザー、例えばSHG−YAGレーザー(λ=515nm)である。
可視光レーザーを照射する角度は、入射光とシリコンウェーハの径方向とがなす角度θが60〜90°である。
図6(B)に示すシリコンウェーハの周辺の断面102aの角度αが鈍角となり、チッピングと呼ばれる欠けが生じにくいからである。θは、好ましくは90°、すなわち入射光が貼り合わせた面に対して垂直である。このような角度であれば、透明ハンドルウェーハ上に形成されるシリコン薄膜の直径が、透明ハンドルウェーハからの距離に依存せず一定となるからである。
【0018】
次に、切断後の貼り合わせウェーハのシリコンウェーハ14に、研削、研磨又はエッチング処理を施すことによってシリコン薄膜12Bを作製する(工程d−1−ii)。上述したような貼り合わされていない部分15を切断した後に、このような処理を行うことによって、チッピングの発生を防ぐことができる。研削、研磨又はエッチング処理は、シリコン薄膜の所望の厚さ、例えば、20μm以下程度となるまで行われる。
【0019】
次に、
図2(E)に示すように、シリコン薄膜12Bを備える貼り合わせウェーハ17に、好ましくは300〜500℃の第2熱処理H
2を施す。例えば、透明ハンドルウェーハ11として石英又はガラスを用いた場合には、好ましくは350〜500℃の第2熱処理H
2を施し、透明ハンドルウェーハ11としてサファイアを用いた場合には、温度が300〜500℃の第2熱処理H
2を施す。第2熱処理H
2の温度は、第1熱処理H
1よりも高い温度とすることができる。好ましくは、第2熱処理H
2の温度は、第1熱処理H
1の温度よりも150〜250℃高い。この段階では、シリコン薄膜12Bは十分に薄いため、このような第2熱処理H
2を施しても、シリコン薄膜12Bに割れ等が発生する心配はない。
【0020】
以上のような工程により、
図2(F)に示すような、透明SOIウェーハ18を得ることができる。
以上説明したように、第1の実施形態によれば、チッピングの発生を抑制することができる。
【0021】
(第2の実施形態)
図2(A)〜(C)は、第1の実施形態と同じである。第1の実施形態と同様に、透明ハンドルウェーハ11と、ドナーウェーハとしてシリコンウェーハ12を用意し(
図2(A))、シリコンウェーハ12の表面12sと、透明ハンドルウェーハ11の表面11sとを貼り合わせて貼り合わせウェーハ13を得(
図2(B))、貼り合わせウェーハ13に熱処理H
1を施す(
図2(C))。
【0022】
次に、
図2(D)に示すように、貼り合わせウェーハ13のシリコンウェーハ12の厚さが好ましくは100μm以上となるように、該シリコンウェーハ12に研削、研磨又はエッチング処理を施す(工程d−2−i)。このようなシリコンウェーハの厚さであれば、鋭角αが存在してもチッピングが発生することはない。
【0023】
次に、貼り合わせる工程によって貼り合わされた面部分24と、貼り合わされていない面部分25aとの境界26に、研削、研磨又はエッチング処理が施された貼り合わせウェーハのシリコンウェーハ側から、入射光と該シリコンウェーハの径方向とがなす角度が60〜90°となるように可視光レーザーLを照射し、貼り合わされていない部分25を切断する(工程d−2−ii)。このような方法によれば、シリコンウェーハの貼り合わされていない部分25を切断した後、可視光レーザーLが下地である透明ハンドルウェーハ11に到達した場合でも、透明ハンドルウェーハ11に傷等が導入される心配はない。
【0024】
次に、切断後の貼り合わせウェーハのシリコンウェーハ24の厚さが20μm以下となるように、該シリコンウェーハ24に研削、研磨又はエッチング処理を施すことによってシリコン薄膜22Bを作製する(工程d−2−iii)。上述したような貼り合わされていない部分25を切断した後に、このような処理を行うことによって、チッピングの発生を防ぐことができる。
【0025】
次に、第1の実施形態と同様に、
図2(E)に示すように、シリコン薄膜22Bを備える貼り合わせウェーハ27に、好ましくは300〜500℃の第2熱処理H
2を施す。例えば、透明ハンドルウェーハ11として石英又はガラスを用いた場合には、好ましくは350〜500℃の第2熱処理H
2を施し、透明ハンドルウェーハ11としてサファイアを用いた場合には、好ましくは300〜500℃の第2熱処理H
2を施す。第2熱処理H
2の温度は、第1熱処理H
1よりも高い温度とすることができる。好ましくは、第2熱処理H
2の温度は、第1熱処理H
1の温度よりも150〜250℃高い。この段階では、シリコン薄膜22Bは十分に薄いため、このような第2熱処理H
2を施しても、シリコン薄膜22Bに割れ等が発生する心配はない。
【0026】
以上のような工程により、
図2(F)に示すような、透明SOIウェーハ28を得ることができる。
以上説明したように、第2の実施形態によれば、チッピングの発生を抑制することができる。
なお、シリコンウェーハと透明ハンドルウェーハの径の大きさが異なる場合においても、上述した第1の実施形態及び第2の実施形態と同様に、透明SOIウェーハを製造することができる。
【実施例】
【0027】
以下、実施例、比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0028】
(実施例1)
直径が150mm、厚さが625μmのシリコンウェーハと、該シリコンウェーハと同サイズの石英ウェーハとを貼り合わせ、200℃で24時間の熱処理を施した。次に、得られた貼り合わせウェーハのシリコンウェーハの厚さが200μmとなるまで研削、研磨を行った。次に、貼り合わせる工程によって貼り合わされた面部分と、貼り合わされていない面部分との境界に、グリーンレーザー(SHG−YAGレーザー:λ=515nm)を照射し、貼り合わされていない部分を垂直に切断した。その後、シリコンウェーハの厚さが20μmとなるまで研削、研磨を行い、透明SOIウェーハを得た。
得られた透明SOIウェーハの周辺に、欠けは観察されなかった。その後、500℃で6時間の熱処理を施したが、欠けは観察されなかった。
【0029】
(実施例2)
直径が150mm、厚さが625μmのシリコンウェーハと、該シリコンウェーハと同サイズの石英ウェーハとを貼り合わせ、200℃で24時間の熱処理を施した。次に、貼り合わせる工程によって貼り合わされた面部分と、貼り合わされていない面部分との境界に、グリーンレーザー(SHG−YAGレーザー:λ=515nm)を照射し、貼り合わされていない部分を垂直に切断した。その後、切断された貼り合わせウェーハのシリコンウェーハの厚さが20μmとなるまで研削、研磨を行い、透明SOIウェーハを得た。
得られた透明SOIウェーハの周辺に、欠けは観察されなかった。その後、500℃で6時間の熱処理を施したが、欠けは観察されなかった。
【0030】
(比較例1)
直径が150mm、厚さが625μmのシリコンウェーハと、該シリコンウェーハと同サイズの石英ウェーハとを貼り合わせ、200℃で24時間の熱処理を施した。その後、得られた貼り合わせウェーハのシリコンウェーハの厚さが20μmとなるまで研削、研磨を行い、透明SOIウェーハを得た。
得られた透明SOIウェーハの周辺に、欠けが観察された。
【0031】
(実施例3)
透明ハンドルウェーハとしてサファイアウェーハを用いた以外は、実施例1と同様に行った。
得られた透明SOIウェーハの周辺の拡大写真を
図4に示す。
図4より、シリコン薄膜aとサファイアウェーハbとの境界(周辺)に、欠けは観察されなかった。その後、500℃で6時間の熱処理を施したが、欠けは観察されなかった。
【0032】
(比較例2)
透明ハンドルウェーハとしてサファイアウェーハを用いた以外は、比較例1と同様に行った。
得られた透明SOIウェーハの周辺の拡大写真を
図5に示す。
図5より、シリコン薄膜aとサファイアウェーハbとの境界(周辺)に、欠けが観察された。
【0033】
(実施例4)
直径が150mm、厚さが625μmのシリコンウェーハの表面と、該シリコンウェーハと同サイズのサファイアウェーハの表面に、表面活性化処理としてプラズマ処理を施した。次に、プラズマ処理が施されたシリコンウェーハの表面と、サファイアウェーハの表面とを貼り合わせ、150℃で24時間の熱処理を施した。次に、得られた貼り合わせウェーハのシリコンウェーハの厚さが200μmとなるまで研削、研磨を行った。次に、貼り合わせる工程によって貼り合わされた面部分と、貼り合わされていない面部分との境界に、グリーンレーザー(SHG−YAGレーザー:λ=515nm)を照射し、貼り合わされていない部分を垂直に切断した。その後、シリコンウェーハの厚さが20μmとなるまで研削、研磨を行い、透明SOIウェーハを得た。
得られた透明SOIウェーハの周辺に、欠けは観察されなかった。その後、500℃で6時間の熱処理を施したが、欠けは観察されなかった。