【実施例】
【0061】
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1のリチウム二次電池の作製)
原料として炭酸リチウム(Li
2CO
3)、炭酸マンガン(MnCO
3)、しゅう酸鉄二水和物(FeC
2O
4・2H
2O)、リン酸(H
3PO
4)、金属元素を含まない有機物としてクエン酸(C
6H
8O
7)を用い、モル比でLi:Mn:Fe:P=1.1:0.8:0.2:1.1となるよう秤量した。クエン酸は原料粉末全体の18質量%となるよう秤量した。これらを乾式ビーズミルで粉砕・混合した後、仮焼成した。仮焼成の雰囲気は大気とし、仮焼成温度は440℃、仮焼成時間は8時間とした。
【0062】
得られた仮焼成体に対し、炭素源としてスクロースを添加した。添加量は、正極活物質の14質量%となるよう添加した。これを、ボールミルを用いて粉砕・混合した後、本焼成した。本焼成雰囲気は窒素気流下とし、本焼成温度は700℃、本焼成時間は10時間とした。以上の工程により、正極活物質を得た。
【0063】
続いて、上記で得た正極活物質を用いて正極を作成した。以下に電極の作成方法を説明する。正極活物質、炭素系導電材料、及び予めN‐メチル‐2‐ピロジノン(NMP)に溶解させた結着剤を、質量パーセントで表してそれぞれ82.5:10:7.5の割合で混合してスラリーを作製した。均一に混合されたスラリーを、厚さ20μmのアルミ箔の集電体上に塗布した。その後、120℃で乾燥し、プレスにて電極密度が2.0g/cm
3になるように圧縮成形した。圧縮成形後、直径15mmの円盤状に、打ち抜き金具を用いて打ち抜き、試験電池用の正極を作製した。
【0064】
続いて、上記で得た正極を用い、金属リチウムを負極として、試験電池を作製した。電解液には、1.2モルのLiPF
6を電解質とし、EC(エチレンカーボネート)とエチルメチルカーボネート(EMC)の混合液を溶媒としたものを用いた。
(試験及び評価)
(a)XRD測定(結晶相同定)
以下の手順で粉末X線回折測定(XRD測定)を行い、上記で得た、炭素被覆した正極活物質の結晶相の同定を行った。測定装置には、自動X線回折装置(株式会社リガク製、型式:RINT‐UltimaIII)を用いた。測定条件は、集中法で、X線としてCuK
α線を用い、X線出力を48kV×40mAとし、走査範囲を2θ=15〜50degとし、発散スリットをDS=1deg、散乱スリットをSS=1deg、受光スリットをRS=0.3mm、モノクロメータスリットを0.6mmとし、ステップスキャン法でステップ幅0.02°、1ステップ当たりの測定時間が1秒とした。
【0065】
測定して得た回折パターンについて、ICSD(Inorganic Crystal Structure Database)を用いて結晶相を同定した。
【0066】
実施例1のリチウム二次電池用正極活物質のX線回折プロファイルを
図3に示す。
(b)元素重量比測定(正極活物質組成評価)
正極活物質の元素の重量比は、高周波誘導結合プラズマ発光分光(以下「ICP」と略す)分析装置(株式会社日立製作所製、型式:P−4000)を用いて、以下のように測定した。
【0067】
まず、ビーカに入れた45mlのイオン交換水に5gの正極活物質と2mlの硝酸を投入し、スターラ(攪拌機)で30分間攪拌した。5分間放置後、濾紙で濾過した濾液をアルゴンガスとともに高周波雰囲気中に噴霧し、励起された各元素特有の光の強度を測定して、元素の重量比を算出した。実施例1の正極活物質の組成を、後述する表1に示す。
(c)Fe価数測定(Fe
3+の割合(III)とFe
2+の割合(II)のモル比(III/II)算出)
Feの価数は、メスバウアー分光装置を用いて行い、Fe
3+の割合(III)とFe
2+の割合(II)のモル比(III/II)を算出した。算出した値を表1に併記する。
(d)炭素含有量測定
正極活物質の炭素含有量は、固体中炭素分析装置(株式会社堀場製作所製、型式:EMIA−110)を用いて、以下のように測定した。空焼きした磁性るつぼに100mgの試料と助燃剤を加え、酸素気流中、高周波加熱炉で燃焼した。燃焼ガス中のCO
2及びCOガスを定量し、炭素の重量を算出した。測定結果を表1に併記する。
(e)充放電試験(容量評価)
上記で作製した試験電池について、以下の充放電試験を実施し、容量を評価した。充電レートを0.1C(10時間で100%の充電が完了する速さ)として4.5Vまで定電流/定電圧で充電し、4.5Vに達した後は電流値が0.03Cに減衰するまで定電圧充電を行った。その後、2Vまで0.1Cの定電流で放電し、その際の放電容量を容量とした。結果を表1に併記する。
(f)レート特性評価
上記の充放電サイクルを3サイクル繰り返した後、以下の条件でレート特性を評価した。容量測定と同様に定電流充電と定電圧充電を行った試験電池を、5Cの電流値で定電流放電したときの容量を0.1Cの単極放電容量で除した値(%)をレート特性とした。結果を表1に併記する。
【0068】
なお、全ての試験は、室温(25℃)で行った。
(実施例2のリチウム二次電池の作製)
仮焼成時の雰囲気を大気から空気+窒素(流量比1:1)の混合気流下とした以外は、実施例1と同様に合成し、LiMn
0.8Fe
0.2PO
4を得た。XRD測定、元素重量比測定、Fe価数測定、炭素含有量測定、充放電試験、レート特性評価も同様に行った。正極活物質の組成、Fe
3+の割合(III)とFe
2+の割合(II)のモル比(III/II)、容量及びレート特性の評価結果を表1に併記する。
(実施例3のリチウム二次電池の作製)
原料をLi:Mn:Fe:P=1.1:0.85:0.15:1.1となるよう秤量した以外は、実施例1と同様に合成し、LiMn
0.85Fe
0.15PO
4を得た。XRD測定、元素重量比測定、Fe価数測定、炭素含有量測定、充放電試験、レート特性評価も同様に行った。正極活物質の組成、Fe
3+の割合(III)とFe
2+の割合(II)のモル比(III/II)、容量及びレート特性の評価結果を表1に併記する。
(実施例4のリチウム二次電池の作製)
原料混合工程時に添加する金属元素を含まない有機物をクエン酸から酢酸(CH
3COOH)に変更した以外は、実施例1と同様に合成し、LiMn
0.8Fe
0.2PO
4を得た。XRD測定、元素重量比測定、Fe価数測定、炭素含有量測定、充放電試験、レート特性評価も同様に行った。正極活物質の組成、Fe
3+の割合(III)とFe
2+の割合(II)のモル比(III/II)、容量及びレート特性の評価結果を表1に併記する。
(実施例5のリチウム二次電池の作製)
原料混合時に添加する金属元素を含まない有機物をクエン酸からリンゴ酸(C
4H
6O
5)に変更した以外は、実施例1と同様に合成し、LiMn
0.8Fe
0.2PO
4を得た。XRD測定、元素重量比測定、Fe価数測定、炭素含有量測定、充放電試験、レート特性評価も同様に行った。正極活物質の組成、Fe
3+の割合(III)とFe
2+の割合(II)のモル比(III/II)、容量及びレート特性の評価結果を表1に併記する。
(実施例6のリチウム二次電池の作製)
原料混合時に添加する金属元素を含まない有機物をクエン酸からスクロース(C
12H
22O
11)に変更した以外は、実施例1と同様に合成し、LiMn
0.8Fe
0.2PO
4を得た。XRD測定、元素重量比測定、Fe価数測定、炭素含有量測定、充放電試験、レート特性評価も同様に行った。正極活物質の組成、Fe
3+の割合(III)とFe
2+の割合(II)のモル比(III/II)、容量及びレート特性の評価結果を表1に併記する。
(実施例7のリチウム二次電池の作製)
原料混合時に添加する金属元素を含まない有機物をクエン酸からデキストリン(C
6H
10O
5)に変更した以外は、実施例1と同様に合成し、LiMn
0.8Fe
0.2PO
4を得た。XRD測定、元素重量比測定、Fe価数測定、炭素含有量測定、充放電試験、レート特性評価も同様に行った。正極活物質の組成、Fe
3+の割合(III)とFe
2+の割合(II)のモル比(III/II)、容量及びレート特性の評価結果を表1に併記する。
(実施例8のリチウム二次電池の作製)
仮焼成温度を440℃から420℃に変更した以外は、実施例1と同様に合成し、LiMn
0.8Fe
0.2PO
4を得た。XRD測定、元素重量比測定、Fe価数測定、炭素含有量測定、充放電試験、レート特性評価も同様に行った。正極活物質の組成、Fe
3+の割合(III)とFe
2+の割合(II)のモル比(III/II)、容量及びレート特性の評価結果を表1に併記する。
(実施例9のリチウム二次電池の作製)
仮焼成温度を440℃から600℃に変更した以外は、実施例1と同様に合成し、LiMn
0.8Fe
0.2PO
4を得た。XRD測定、元素重量比測定、Fe価数測定、炭素含有量測定、充放電試験、レート特性評価も同様に行った。正極活物質の組成、Fe
3+の割合(III)とFe
2+の割合(II)のモル比(III/II)、容量及びレート特性の評価結果を表1に併記する。
(実施例10のリチウム二次電池の作製)
原料として水酸化マグネシウム(Mg(OH)
2)を加えてLi:Mn:Fe:Mg:P=1.1:0.88:0.10:0.02:1.1となるよう秤量した以外は、実施例1と同様に合成し、LiMn
0.88Fe
0.10Mg
0.02PO
4を得た。XRD測定、元素重量比測定、Fe価数測定、炭素含有量測定、充放電試験、レート特性評価も同様に行った。正極活物質の組成、Fe
3+の割合(III)とFe
2+の割合(II)のモル比(III/II)、容量及びレート特性の評価結果を表1に併記する。
(実施例11のリチウム二次電池の作製)
原料として微粒子の酸化チタン(TiO
2)を加えてLi:Mn:Fe:P:Ti=1.1:0.8:0.2:1.07:0.04:となるよう秤量した以外は、実施例1と同様に合成し、LiMn
0.8Fe
0.2P
0.96Ti
0.04PO
4を得た。XRD測定、元素重量比測定、Fe価数測定、炭素含有量測定、充放電試験、レート特性評価も同様に行った。正極活物質の組成、Fe
3+の割合(III)とFe
2+の割合(II)のモル比(III/II)、容量及びレート特性の評価結果を表1に併記する。
(実施例12のリチウム二次電池の作製)
原料として微粒子の五酸化二バナジウム(V
2O
5)を加えてLi:Mn:Fe:P:V=1.1:0.8:0.2:1.07:0.04となるよう秤量した以外は、実施例1と同様に合成し、LiMn
0.8Fe
0.2P
0.96V
0.04PO
4を得た。XRD測定、元素重量比測定、Fe価数測定、炭素含有量測定、充放電試験、レート特性評価も同様に行った。正極活物質の組成、Fe
3+の割合(III)とFe
2+の割合(II)のモル比(III/II)、容量及びレート特性の評価結果を表1に併記する。
(実施例13のリチウム二次電池の作製)
原料をLi:Mn:Fe:P=1.1:0.5:0.5:1.1となるよう秤量した以外は、実施例1と同様に合成し、LiMn
0.5Fe
0.5PO
4を得た。XRD測定、元素重量比測定、Fe価数測定、炭素含有量測定、充放電試験、レート特性評価も同様に行った。正極活物質の組成、Fe
3+の割合(III)とFe
2+の割合(II)のモル比(III/II)、容量及びレート特性の評価結果を表1に併記する。
(実施例14のリチウム二次電池の作製)
原料として炭酸コバルト(CoCO
3)を加えてLi:Mn:Fe:Co:P=1.1:0.8:0.15:0.05:1.1となるよう秤量した以外は、実施例1と同様に合成し、LiMn
0.8Fe
0.15Co
0.05PO
4を得た。XRD測定、元素重量比測定、Fe価数測定、炭素含有量測定、充放電試験、レート特性評価も同様に行った。正極活物質の組成、Fe
3+の割合(III)とFe
2+の割合(II)のモル比(III/II)、容量及びレート特性の評価結果を表1に併記する。
(実施例15のリチウム二次電池の作製)
原料として炭酸ニッケル(NiCO
3・H
2O)を加えてLi:Mn:Fe:Ni:P=1.1:0.8:0.15:0.05:1.1となるよう秤量した以外は、実施例1と同様に合成し、LiMn
0.8Fe
0.15Ni
0.05PO
4を得た。XRD測定、元素重量比測定、Fe価数測定、炭素含有量測定、充放電試験、レート特性評価も同様に行った。正極活物質の組成、Fe
3+の割合(III)とFe
2+の割合(II)のモル比(III/II)、容量及びレート特性の評価結果を表1に併記する。
(参考例1のリチウム二次電池の作製)
仮焼成温度を350℃にした以外は、実施例1と同様に合成し、LiFe
0.2Mn
0.8PO
4を得た。XRD測定、元素重量比測定、Fe価数測定、炭素含有量測定、充放電試験、レート特性評価も同様に行った。正極活物質の組成、Fe
3+の割合(III)とFe
2+の割合(II)のモル比(III/II)、容量及びレート特性の評価も実施例1と同様に行った。結果を表2に記載する。
(参考例2のリチウム二次電池の作製)
本焼成時の雰囲気を大気とした以外は、実施例1と同様に合成し、LiFe
0.2Mn
0.8PO
4を得た。XRD測定、元素重量比測定、Fe価数測定、炭素含有量測定、充放電試験、レート特性評価も同様に行った。正極活物質の組成、Fe
3+の割合(III)とFe
2+の割合(II)のモル比(III/II)、容量及びレート特性の評価も実施例1と同様に行った。結果を表2に併記する。
【0069】
なお、本明細書において参考例とは本発明と同様に、金属元素を含まない有機物を添加して酸化雰囲気下で本焼成することにより正極活物質を合成したものであるが、仮焼成温度がオリビンの結晶化温度より低い温度、または本焼成時の雰囲気が還元雰囲気もしくは不活性雰囲気ではないものである。したがって参考例はそれ自体公知ではないが本発明の仮焼成温度及び本焼成時の雰囲気の重要性を示すために記載した。
(比較例1のリチウム二次電池の作製)
仮焼成時の雰囲気を大気から窒素気流下に変更した以外は、実施例1と同様に合成し、LiFe
0.2Mn
0.8PO
4を得た。XRD測定、元素重量比測定、Fe価数測定、炭素含有量測定、充放電試験、レート特性評価も同様に行った。正極活物質の組成、Fe
3+の割合(III)とFe
2+の割合(II)のモル比(III/II)、容量及びレート特性の評価も実施例1と同様に行った。結果を表2に記載する。
(比較例2のリチウム二次電池の作製)
仮焼成体に炭素源として加えるスクロースを除いた以外は、実施例1と同様に合成し、LiFe
0.2Mn
0.8PO
4を得た。XRD測定、元素重量比測定、Fe価数測定、炭素含有量測定、充放電試験、レート特性評価も同様に行った。正極活物質の組成、Fe
3+の割合(III)とFe
2+の割合(II)のモル比(III/II)、容量及びレート特性の評価も実施例1と同様に行った。結果を表2に記載する。
【0070】
【表1】
【0071】
【表2】
【0072】
表1及び表2に示したように、本発明に係るリチウム二次電池用正極活物質の製造方法を用いて製造したリチウム二次電池は、高容量(150Ah/kg以上)及び高レート特性(80%以上)の両方を同時に達成することができた。一方、比較例及び参考例の容量及びレート特性ともに、実施例と比較して低い値を示した。
【0073】
また表1及び表2から、本発明に係るリチウム二次電池用正極活物質の製造方法を用いて製造したリチウム二次電池は、全てFe
3+の割合(III)とFe
2+の割合(II)のモル比(III/II)が0.01≦(III/II)≦0.3の範囲にあった。一方、比較例1及び比較例2のFe
3+の割合(III)とFe
2+の割合(II)のモル比(III/II)は、該範囲から外れていた。
【0074】
図3において、実施例1のXRDプロファイルの定性分析の結果、実施例1は斜方晶のオリビン型構造を有するLiMn
0.8Fe
0.2PO
4であることが確認された。
【0075】
より詳細に、実施例1、参考例及び比較例について説明する。参考例1は、仮焼成温度が本発明の規定より低い。このため、本焼成時のオリビンの結晶化の際に有機物等が結晶内部に多く取り込まれ、結晶性が低下した結果、容量及びレート特性が低下したものと考えられる。
【0076】
参考例2は、本焼成時の雰囲気が酸化雰囲気であり、本発明の規定と異なる。このため、本焼成時に金属元素が酸化されて、オリビン構造が維持できず、容量及びレート特性が著しく低下したものと考えられる。また、本焼成が酸化性雰囲気下で行われたため、Feがより酸化され、Fe
3+の割合(III)とFe
2+の割合(II)のモル比(III/II)が本発明の規定する範囲から大きく外れたものと考えられる。
【0077】
比較例1は、仮焼成時の雰囲気が従来の窒素雰囲気であり、本発明の規定と異なる。このため、仮焼成時に、仮焼成前に添加した有機物が消失せず、本焼成後にも炭素源が過剰に残留し、容量が低下したものと考えられる。また、仮焼成、本焼成ともに不活性雰囲気下で行われているため、Feは酸化されず、Fe
3+の割合(III)とFe
2+の割合(II)のモル比(III/II)は0となったと考えられる。
【0078】
比較例2は、本焼成時に炭素源を添加していない。このため、正極活物質が炭素被覆されず、導電性が向上しなかったため、容量及びレート特性が低下したものと考えられる。また、炭素源を添加せずに本焼成を行っているため、添加した場合と比較してFeはより酸化され、Fe
3+の割合(III)とFe
2+の割合(II)のモル比(III/II)は0.5となったと考えられる。
【0079】
実施例1〜15の正極活物質の炭素含有量は、実施例1〜3及び実施例5〜15は4質量%で、実施例4は3質量%だった。また、参考例1の炭素含有量は6質量%で、参考例2では炭素は検出されなかった。また、比較例1の炭素含有量は12質量%で、比較例2では炭素は検出されなかった。
【0080】
図4は、実施例1〜15、比較例1、2及び参考例1及び2の正極活物質の単極放電容量とレート特性の関係を示すグラフである。
図4に示したように、本発明に係るリチウム二次電池用正極活物質は、容量及びレート特性ともに、比較例及び参考例よりも優れていることがわかる。
【0081】
以上の結果から、本発明に係るリチウム二次電池用正極活物質は、安全性の高いポリアニオン系化合物を使用し、従来のポリアニオン系正極活物質を用いたリチウム二次電池よりも、高容量(150Ah/kg以上)及び高レート特性(80%以上)を同時に達成することができることが示された。