(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施の形態による撮像装置及びデジタルカメラについて、
図1〜6を参照しながら説明する。
−第1の実施の形態−
図1に示されるように、デジタルカメラ1は、撮影レンズ10、第1の撮像素子11、第2の撮像素子12、第3の撮像素子13、第1のプリズム21、第2のプリズム22、第3のプリズム23、画像データ生成部24、画像処理部25、ディスプレイ26、フォーカスエリア選択部27、第1の焦点検出信号生成部31、第2の焦点検出信号生成部32、第3の焦点検出信号生成部33、焦点検出部34、焦点調節部35、レンズ駆動モータ36、及びバッファメモリ40を備える。
撮像装置20は、第1〜第3の撮像素子11〜13、画像データ生成部24、第1〜第3の焦点検出信号生成部31〜33を有する。
【0009】
撮影レンズ10は、図示しないフォーカシングレンズ、ズーミングレンズ、絞りなどを備える。
図1では簡単のため、撮影レンズ10は1枚のレンズで示されている。
第1〜第3の撮像素子11〜13はいずれも、CCDイメージセンサーやCMOSイメージセンサーなどから構成され、画素構成が同一であり、同一の画素が規則的に2次元配列されている。
【0010】
図1に示されるように、第1〜第3のプリズム21〜23は、いわゆる3色分解プリズムであり、第1のプリズム21と第3のプリズム23との接触面23a、及び第2のプリズム22と第3のプリズム23との接触面22aには、それぞれダイクロイック膜が形成されている。
【0011】
撮影レンズ10を通過した被写体光Lは、ダイクロイック膜面23aと22aとによって、赤色、緑色、青色の3色の光束に分割され、第1の撮像素子11には赤色光束L1による被写体像が形成され、第2の撮像素子12には緑色光束L2による被写体像が形成され、第3の撮像素子13には青色光束L3による被写体像が形成される。
こうして、第1、第2、第3の撮像素子11,12,13は、それぞれ赤色被写体像に関する画像信号R、緑色被写体像に関する画像信号G、青色被写体像に関する画像信号Bを出力する。これらの画像信号R、G、Bはバッファメモリ40に一時的に記憶される。
【0012】
画像データ生成部24は、赤色光束L1に関する第1の撮像素子11からの画像信号Rと、緑色光束L2に関する第2の撮像素子12からの画像信号Gと、青色光束L3に関する第3の撮像素子13からの画像信号Bとに基づき、赤色、緑色及び青色の3つの被写体画像データを生成する。
【0013】
画像処理部25は、例えば、ASICとして構成され、画像データ生成部24で生成された画像データに所定の画像処理を施す。その画像処理には、例えば、輪郭強調、ガンマ補正処理、色温度調整(ホワイトバランス調整)処理、画像信号に対するフォーマット変換処理が含まれる。また、画像処理部25は、画像信号R、G、Bの各々に基づく被写体画像データを合成して1つの被写体画像データを生成する。この画像データは、バッファメモリ40に一時的に記憶され、また、不図示の記録媒体に記録される。
ディスプレイ26は、バッファメモリ40から読み出した被写体画像データに基づくスルー画像を表示したり、記録媒体から読み出した被写体画像データに基づく再生画像を表示する。
【0014】
フォーカスエリア選択部27は、撮影画面の任意の領域、即ち撮像素子11、12、13の撮像面の任意の領域を、焦点検出領域、即ちフォーカスエリアとして選択することができる。撮影者は、このフォーカスエリア選択部27を操作して、一以上のフォーカスエリアを選択し、焦点検出部34は、フォーカスエリア選択部27によって選択されたフォーカスエリアにおける被写体像に対して焦点検出を行う。具体的には、フォーカスエリア選択部27がフォーカスエリアを選択すると、その選択されたフォーカスエリアに対応する第1、第2及び第3の撮像素子11、12、13の対応領域に関する被写体像について、焦点検出が行われる。
なお、フォーカスエリア選択部27が選択したフォーカスエリアは、ディスプレイ26に表示されるスルー画像に重畳されて表示される。また、この選択されたフォーカスエリアは、ディスプレイ26への表示に加えて、デジタルカメラ1の不図示のファインダに被写体像に重畳して表示される。このフォーカスエリアは、撮影画面において、水平方向、即ち横方向に伸びた矩形形状である。
【0015】
第1の焦点検出信号生成部31は、第1の撮像素子11からの赤色画像信号Rを入力し、後に詳述する瞳分割方式の位相差検出用の一対の赤色焦点検出信号列を生成する。
同様に、第2の焦点検出信号生成部32は第2の撮像素子12からの緑色画像信号Gを入力し、後に詳述する位相差検出用の一対の緑色焦点検出信号列を生成し、第3の焦点検出信号生成部33は第3の撮像素子13からの青色画像信号Bを入力し、後に詳述する位相差検出用の一対の青色焦点検出信号列を生成する。
なお、第1、第2、第3の焦点検出信号生成部31、32、33がそれぞれ生成する一対の赤色焦点検出信号列、一対の緑色焦点検出信号列、一対の青色焦点検出信号列は、フォーカスエリア選択部27によって選択されたフォーカスエリアにおける被写体像に関する焦点検出信号列である。これらの一対の赤色焦点検出信号列と一対の緑色焦点検出信号列と一対の青色焦点検出信号列は、バッファメモリ40に一時的に記憶される。
【0016】
焦点検出部34は、焦点検出信号生成部31からの一対の赤色焦点検出信号列の位相差を算出して、この位相差に基づき、フォーカスエリア選択部27によって選択されたフォーカスエリアにおける被写体像のデフォーカス量Drを算出する。同様に、焦点検出部34は、焦点検出信号生成部32からの一対の緑色焦点検出信号列の位相差を算出して、この位相差に基づき、フォーカスエリア選択部27によって選択されたフォーカスエリアにおける被写体像のデフォーカス量Dgを算出し、また、焦点検出信号生成部33からの一対の青色焦点検出信号列の位相差を算出して、この位相差に基づき、フォーカスエリア選択部27によって選択されたフォーカスエリアにおける被写体像のデフォーカス量Dbを算出する。
【0017】
焦点調節部35は、焦点検出部34によって算出された赤色光束L1に関するデフォーカス量Drと緑色光束L2に関するデフォーカス量Dgと青色光束L3に関するデフォーカス量Dbとに基づいてレンズ駆動モータ36を駆動し、撮影レンズ10の焦点調節を行う。
【0018】
具体的には、焦点調節部35は、3つのデフォーカス量Dr、Dg、Dbの平均値に基づき焦点調節を行っても良いし、3つのデフォーカス量Dr、Dg、Dbのうちの最も小さい値のデフォーカス量に基づき焦点調節を行っても良い。
更には、焦点調節部35は、赤色光束L1、緑色光束L2、青色光束L3のうちの最も強度が大きい光束に関するデフォーカス量に基づき焦点調節を行ってもよい。なお、この最も強度が大きい光束に関するデフォーカス量を使用する理由は、最も強度が大きい光束に対応する一対の焦点検出信号列は、信号レベルが相対的に大きいのでノイズの影響が少なく、高い焦点検出精度を得ることができるからである。
【0019】
以上から分かるように、赤色光束L1に関する第1の撮像素子11からの赤色画像信号Rは、被写体画像データの生成に用いられると共に、一対の赤色焦点検出信号列の生成に用いられる。同様に、緑色光束L2に関する第2の撮像素子12からの緑色画像信号Gは、被写体画像データの生成に用いられると共に、一対の緑色焦点検出信号列の生成にも用いられる。青色光束L3に関する第3の撮像素子13からの青色画像信号Bは、被写体画像データの生成に用いられると共に、一対の青色焦点検出信号列の生成にも用いられる。
【0020】
次に、3つの撮像素子11〜13の構造を詳細に説明する。これらの撮像素子11〜13は、全く同一構造であるので、撮像素子11の構造で代表して説明する。
図2(a)及び
図2(b)は、それぞれ撮像素子11の平面構造と断面構造とを示すもので、
図2(b)は
図2(a)のI−I線に沿った断面図である。
図2において、撮像素子11は、その露出表面に設けられた多数のマイクロレンズML1、ML2を有し、このマイクロレンズML1、ML2は、
図2(a)に示すように、平面形状が円形であるが、これに限ることなく、正方形、長方形、六角形などとすることもできる。
【0021】
図2(b)に示すように、撮像素子11は、マイクロレンズML1、ML2の下に順次、平坦層113と、透明フィルター114と、配線層115、116と、矩形の開口W11、W12が形成された遮光層117と、フォトダイオード118とが、それぞれ積層配置されている。隣接するフォトダイオード118、118は、分離層119によって電気的に絶縁されている。透明フィルター114は、可視光の全ての波長領域の光を透過する特性を有するものであるが、本例では必ずしも必要ではなく、これを除去してもよい。特に、この透明フィルター114を除去した場合には、マイクロレンズML1,ML2からフォトダイオード118までの光路長を短くすることができるので、焦点検出性能を向上することができる。
【0022】
図2(a)に示すように、横方向に隣接する二つのマイクロレンズML1、ML2に関して、右側のマイクロレンズML1に対応する遮光層117の開口W11は、マイクロレンズML1のほぼ右側半分をカバーするように、その大きさと位置とが定められ、他方、左側のマイクロレンズML2に対応する遮光層117の開口W12は、マイクロレンズML2のほぼ左側半分をカバーするように、その大きさと位置とが定められている。
なお、開口W11と開口W12とは、互いに同一の形状かつ同一の大きさである。
【0023】
マイクロレンズML1を透過した赤色光束L1は、その一部が遮光層117によって遮光され、残りが右側開口W11を通過してフォトダイオード118に入射する。同様に、マイクロレンズML2を透過した赤色光束L1は、その一部が遮光層117によって遮光され、残りが左側開口W12を通過してフォトダイオード118に入射する。
このように、撮像素子11は、マイクロレンズML1と右側の開口W11とフォトダイオード118などから構成される第1の画素111と、マイクロレンズML2と左側の開口W12とフォトダイオード118などから構成される第2の画素112とを有し、これらの隣接する一対の第1及び第2の画素111、112が横方向に繰り返し配列されている。これらの第1の画素111と第2の画素112は、
図1の撮影レンズ10の射出瞳内の一対の領域をそれぞれ透過した光束を受光して光電信号を出力する。
【0024】
図3は、撮像素子11の第1の画素111及び第2の画素112の2次元配列を示したものである。残りの撮像素子12、13の第1及び第2の画素の2次元配列も、撮像素子11と同一である。
図3において、横方向に配列された画素列200は、横方向に隣接する第1の画素111と第2の画素112とが横方向に繰り返し配列されている。この画素列200に上下方向に隣接する画素列201も、横方向に隣接する第1の画素111と第2の画素112とが横方向に繰り返し配列されているが、この画素列201の第1の画素111と第2の画素112の配列は、画素列200の第1の画素111と第2の画素112の配列に対して、一画素分ずれている。このような画素列200と画素列201とは、上下方向に互いに一つ置きに配置されている。
【0025】
画素列200,201の各々において、右側開口W11に対応する複数の画素111の出力信号列が位相差検出用の一方の赤色焦点検出信号列に該当し、左側開口W12に対応する複数の画素112の出力信号列が位相差検出用の他方の赤色焦点検出信号列に該当する。この一対の赤色焦点検出信号列の位相差を算出することによって、画素列200、201に結像された被写体像に関するデフォーカス量を求めることができる。
撮像素子12、13についても、撮像素子11の画素列と全く同様に配置され、全く同様にデフォーカス量を求めることができる。
【0026】
上述のように、第1の焦点検出信号生成部31は、第1の撮像素子11からの赤色画像信号Rを入力し、フォーカスエリア選択部27によって選択されたフォーカスエリアに対応する一対の赤色焦点検出信号列を生成する。
同様に、第2の焦点検出信号生成部32は、第2の撮像素子12からの緑色画像信号Gを入力し、フォーカスエリア選択部27によって選択されたフォーカスエリアに対応する一対の緑色の焦点検出信号列を生成し、また第3の焦点検出信号生成部33は、第3の撮像素子13からの青色画像信号Bを入力し、フォーカスエリア選択部27によって選択されたフォーカスエリアに対応する一対の青色焦点検出信号列を生成する。
【0027】
<動作>
上記のように構成されたデジタルカメラ1の撮影動作の一例を説明する。
カメラの電源が投入されると、
図1に示される第1〜第3の撮像素子11〜13が起動する。撮影レンズ10を通過した被写体光Lは、第1〜第3のプリズム21〜23によって赤色光束L1と緑色光束L2と青色光束L3とに分割され、赤色光束L1は第1の撮像素子11に入射し、緑色光束L2は第2の撮像素子12に入射し、青色光束L3は第3の撮像素子13に入射する。従って、第1の撮像素子11には赤色光束L1による被写体像が形成され、第2の撮像素子12には緑色光束L2による被写体像が形成され、第3の撮像素子13には青色光束L3による被写体像が形成される。
【0028】
図示なきシャッタレリーズボタンが半押し操作されると、第1〜第3の撮像素子11〜13からの画像信号R、G、Bは、画像データ生成部24へ送出され、画像データ生成部24によって各光束に基づく3つの被写体画像データが生成され、画像処理部25は、これらの3つの被写体画像データに種々の画像処理を施して一つの被写体画像データを生成する。この被写体画像データは、スルー画像としてディスプレイ26に表示される。
【0029】
他方、第1〜第3の撮像素子11〜13からの画像信号R、G、Bは、それぞれ、第1〜第3の焦点検出信号生成部31〜33へも送出される。第1、第2、第3の焦点検出信号生成部31、32、33は、それぞれ画像信号R、G、Bから一対の赤色焦点検出信号列、一対の緑色焦点検出信号列、及び一対の青色焦点検出信号列を生成する。これらの一対の焦点検出信号列は、フォーカスエリア選択部27によって選択されたフォーカスエリアに対応するものである。これらの一対の焦点検出信号列は、バッファメモリ40に記憶される。
【0030】
焦点検出部34は、バッファメモリ40に記憶された3つの対の焦点検出信号列を読み出し、各対の焦点検出信号列の位相差を算出し、これらの位相差に基づき、3つの撮像素子11〜13に関するデフォーカス量Dr、Dg、Dbを算出する。
【0031】
そして、焦点調節部35は、デフォーカス量Dr、Dg、Dbに基づいてレンズ駆動モータ36を駆動し、レンズ駆動モータ36は、撮影レンズ10のフォーカシングレンズをその光軸方向に駆動することにより焦点調節を行う。
なお、焦点調節部35は、前述のように、3つのデフォーカス量Dr、Dg、Dbの平均値に基づき焦点調節を行ってもよいし、3つのデフォーカス量Dr、Dg、Dbのうちの最も小さい値のデフォーカス量に基づき焦点調節を行ってもよいし、更には、赤色光束L1、緑色光束L2、青色光束L3のうちの最も強度が大きい光束に関するデフォーカス量に基づき焦点調節を行ってもよい。
【0032】
シャッタレリーズボタンが押下されて撮影が行われると、第1〜第3の撮像素子11〜13からの画像信号R、G,Bは、画像データ生成部24へ送出され、画像データ生成部24によって3色のR、G、Bに関する被写体画像データがそれぞれ生成され、これらの被写体画像データは、バッファメモリ40に一時的に記憶される。
【0033】
画像処理部25は、バッファメモリ40に記憶された3色の被写体画像データを読み出し、第1〜第3の撮像素子11〜13において位置的に対応する画素ごとに光強度の加算処理を行い、その画素位置の最終的な色合いを決定し、画像合成して一つの被写体画像データを作成する。
また、画像処理部25は、合成された被写体画像データに対して上述した所定の処理、例えば輪郭強調や色温度調整を適宜施す。被写体画像データは、不図示の不揮発性の記録媒体、例えばメモリーカードに記録される。ディスプレイ26は、記録媒体から読み出した被写体画像データに基づく再生画像を表示する。
【0034】
本実施の形態による撮像装置20、デジタルカメラによれば、以下の作用効果を奏する。
(1)第1〜第3の撮像素子11〜13のいずれにおいても、個々の画素からの電気信号を画像信号及び焦点検出信号として用いるので、撮影画面の任意の領域についてフォーカスエリアを設定することができる。
(2)撮像用画素配列の中に専用の焦点検出用画素を配置した撮像素子にあっては、その専用焦点検出画素位置における撮像信号を補間によって算出するため、撮影画像の劣化を招来する虞があるが、本発明の実施の形態の撮像素子11〜13は、各画素からの信号を画像信号及び焦点検出信号として用いるので、上述の補間処理を必要とせず、従って撮影画像の劣化を招来しない。
(3)第1〜第3の撮像素子11〜13は、構造上は全く同じ素子を使用することができるので、相互の出力バランス調整の調整幅を狭くすることができると共に、製造コストの低減を図ることができる。
(4)第1〜第3の撮像素子11〜13は、構造上は全く同じ素子であるため、製造工程、品質管理を共通化でき、製造コストの大幅な低減が可能となる。
【0035】
次に、第1の実施の形態の第1の変形例を説明する。
図4(a)、(b)、(c)はそれぞれ、第1、第2、第3の撮像素子11、12、13の画素配列を示したものである。
図4(a)、(b)に示した第1及び第2の撮像素子11、12は、隣接する一対の画素111、112が横方向に繰り返し配列されており、
図3に示した第1の撮像素子の画素配列と同一である。
他方、
図4(c)に示した第3の撮像素子13の画素配列は、隣接する一対の画素111、112が縦方向、即ち上下方向に繰り返し配列されている。従って、この第3の撮像素子13からの一対の焦点検出信号列は、上下方向に配列された画素列からの信号列となる。
従って、
図1に示される第3の焦点検出信号生成部33は、第3の撮像素子13からの画像信号Bから、
図4(c)に示された上下方向に配列された画素に対応する一対の焦点検出信号列を抽出、即ち生成する。
【0036】
以上のように、第1及び第2の撮像素子11、12は、横方向に伸びた横方向フォーカスエリアに対して焦点検出が可能であり、第3の撮像素子13は、縦方向、即ち上下方向に伸びた縦方向フォーカスエリアに対して焦点検出が可能である。
従って、この変形例にあっては、横方向フォーカスエリアと縦方向フォーカスエリアとが、ディスプレイ26及び不図示のファインダに、被写体像に重畳して表示される。
【0037】
図1のフォーカスエリア選択部27が横方向フォーカスエリアを選択した場合には、焦点検出信号生成部31、32は、第1及び第2の撮像素子11、12からの画像信号R、Gに基づき、その選択されたフォーカスエリアに対応した一対の焦点検出信号列をそれぞれ生成し、焦点検出部34がそれらの一対の焦点検出信号列に基づき位相差を算出し、この位相差に基づきデフォーカス量を算出する。
他方、
図1のフォーカスエリア選択部27が縦方向フォーカスエリアを選択した場合には、焦点検出信号生成部33は、第3の撮像素子13からの画像信号Bに基づき、その選択されたフォーカスエリアに対応した一対の焦点検出信号列をそれぞれ生成し、焦点検出部34がその一対の焦点検出信号列に基づき位相差を算出し、この位相差に基づきデフォーカス量を算出する。
【0038】
次に、第1の実施の形態の第2の変形例を説明する。
図5は、撮影レンズ10の光軸50に対する第1の撮像素子11及び第2の撮像素子12の位置関係を示したものである。
第1の撮像素子11と第2の撮像素子12とは、図において上下方向(X方向)及び紙面に垂直な方向(Y方向)にそれぞれ、半画素分、即ち(1/2)×画素ピッチだけ相対的にずれている。なお、第3の撮像素子13は、
図5に示していないが、第1の撮像素子11と同一の位置関係である。
従って、第2の撮像素子12は、第1及び第3の撮像素子11、13に対して、画素ピッチに関して半画素分だけX方向及びY方向にずれている。
【0039】
このように、第2の撮像素子12を第1及び第3の撮像素子11、13に対して1/2ピッチだけX方向及びY方向に画素をずらすことにより、X方向及びY方向にそれぞれ2倍の画素数をもつことと等価となり、画像の解像度及び焦点検出精度を向上させることができる。
特に、構造上全く同じ第1〜第3の撮像素子11〜13を用いる本実施の形態では、1/2ピッチの画素ずらしを採用するメリットが大きい。
【0040】
−第2の実施の形態−
図6の第2の実施の形態のデジタルカメラ2は、基本的には、
図1の第1の実施の形態のデジタルカメラ1と同様であるが、カラーセンサ41と選択部42が付加されている点が異なる。従って、
図1に示す構成要素と同じものには同一符号を付し、説明を省略する。
【0041】
デジタルカメラ2は、カラーセンサ41は、入射光の色を感知するセンサであり、被写体からの入射光を測光してその色温度を測定する。こうして測定された測色データはバッファメモリ40に一時的に記憶される。
選択部42は、バッファメモリ40に記憶された測色データを読み出し、その測色データが被写体光の色温度が赤色、緑色、青色の何れに最も近いものを判定する。選択部42は、その判定結果に基づき、第1〜第3の焦点検出信号生成部31,32,33のいずれかの一対の焦点検出信号列を選択する。
【0042】
例えば、選択部42は、被写体の色温度が赤色であると判定した場合は、第1焦点検出信号生成部31からの一対の焦点検出信号列を、被写体の色温度が緑色であると判定した場合は、第2焦点検出信号生成部32からの一対の焦点検出信号列を、被写体の色温度が青色であると判定した場合は、第3焦点検出信号生成部33からの一対の焦点検出信号列を、それぞれ選択する。
【0043】
焦点検出部34は、この選択された一対の焦点検出信号列に基づいて焦点検出演算を行い、デフォーカス量を算出する。焦点調節部35は、このデフォーカス量に基づいてレンズ駆動モータ36を駆動し、撮影レンズ10のフォーカシングレンズをその光軸方向に移動して焦点調節を行う。
【0044】
本実施の形態による撮像装置20、デジタルカメラ2によれば、第1の実施の形態の撮像装置20、デジタルカメラ1と同様の作用効果を奏する。更に、カラーセンサ41と選択部42を設けているので、最も被写体の色に近い光束を受光する撮像素子からの電気信号に基づく焦点検出信号を選択することができる。これは、強度の高い色光束を用いることで、高感度の焦点検出素子を用いることと同じ効果が得られる。
【0045】
上述の実施の形態は、本発明をデジタルカメラに適用したものであったが、ビデオカメラに適用することもできる。
本発明は、その特徴を損なわない限り、以上説明した実施の形態に何ら限定されない。