特許第5929852号(P5929852)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5929852塗布膜形成装置、塗布膜形成方法、記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5929852
(24)【登録日】2016年5月13日
(45)【発行日】2016年6月8日
(54)【発明の名称】塗布膜形成装置、塗布膜形成方法、記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/027 20060101AFI20160526BHJP
   B05C 11/08 20060101ALI20160526BHJP
   B05C 9/12 20060101ALI20160526BHJP
   B05D 1/40 20060101ALI20160526BHJP
【FI】
   H01L21/30 564C
   B05C11/08
   B05C9/12
   B05D1/40 A
【請求項の数】16
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-157006(P2013-157006)
(22)【出願日】2013年7月29日
(65)【公開番号】特開2015-26792(P2015-26792A)
(43)【公開日】2015年2月5日
【審査請求日】2015年5月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091513
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 俊夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133776
【弁理士】
【氏名又は名称】三井田 友昭
(72)【発明者】
【氏名】一野 克憲
(72)【発明者】
【氏名】吉原 孝介
(72)【発明者】
【氏名】寺下 裕一
【審査官】 植木 隆和
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−151462(JP,A)
【文献】 特開昭61−295633(JP,A)
【文献】 特開2002−110513(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/027
G03F 7/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を水平に保持する基板保持部と、
前記基板保持部を鉛直軸回りに回転させる回転機構と、
前記基板に塗布膜を形成するために塗布液を供給する塗布液供給機構と、
前記基板の回転による塗布膜の乾燥時に基板の周縁部上方の気流を整流するために、基板の周縁部上方を覆うように基板の周方向に沿って環状に設けられた環状部材と、を備え、
塗布膜の乾燥時の少なくとも一部の期間において、前記環状部材の内周縁から基板の中心までの水平距離が周方向の位置に応じて異なるように構成されていることを特徴とする塗布膜形成装置。
【請求項2】
前記環状部材は、当該環状部材の内周縁と基板の回転中心までの水平距離が周方向の位置に応じて異なるように設けられることを特徴とする請求項1記載の塗布膜形成装置。
【請求項3】
前記環状部材の内周縁で囲まれる開口部は、前記回転中心に対して偏心している円形状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の塗布膜形成装置。
【請求項4】
前記環状部材の内周縁で囲まれる開口部は、楕円形状であることを特徴とする請求項1記載の塗布膜形成装置。
【請求項5】
前記環状部材の外周縁は円形であり、当該外周縁で形成される円の中心は前記回転中心と一致していることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の塗布膜形成装置。
【請求項6】
前記環状部材を水平方向に移動させる水平移動機構を備えていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載の塗布膜形成装置。
【請求項7】
前記水平移動機構は、塗布膜の乾燥時の少なくとも一部の期間において、前記環状部材の内周縁から基板の回転中心までの水平距離が周方向の位置において異なるように当該環状部材を位置させることを特徴とする請求項6記載の塗布膜形成装置。
【請求項8】
前記水平移動機構は、塗布膜の乾燥時の少なくとも一部の期間と当該乾燥時における他の期間との間で前記環状部材の水平方向の位置が異なることを特徴とする請求項7記載の塗布膜形成装置。
【請求項9】
前記一部の期間と当該乾燥時における他の期間との間のいずれにおいても、前記環状部材の内周縁から基板の回転中心までの水平距離が周方向の位置に応じて異なることを特徴とする請求項8記載の塗布膜形成装置。
【請求項10】
前記環状部材を前記基板に対して相対的に昇降させる昇降機構が設けられ、
前記昇降機構は、前記塗布液供給機構により基板に塗布液が供給されるときに、前記環状部材を第1の位置に移動させ、
塗布液の供給終了後は前記環状部材を、回転する基板に対して前記第1の位置よりも当該基板に近接した第2の位置に移動させることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか一項に記載の塗布膜形成装置。
【請求項11】
基板保持部に基板を水平に保持する工程と、
前記基板保持部を鉛直軸回りに回転させる工程と、
塗布液供給機構により前記基板に塗布液を供給して塗布膜を形成する工程と、
前記基板の回転による塗布膜の乾燥時に、基板の周縁部上方を覆うように基板の周方向に沿う環状に設けられた環状部材により基板の周縁部上方の気流を整流する工程と、を備え、
前記気流を整流する工程の少なくとも一部の期間には、前記環状部材の内周縁から基板の回転中心までの水平距離が周方向の位置に応じて異なる状態が形成されていることを特徴とする塗布膜形成方法。
【請求項12】
前記環状部材は、当該環状部材の内周縁と基板の回転中心までの水平距離が周方向の位置に応じて異なるように設けられることを特徴とする請求項11記載の塗布膜形成方法。
【請求項13】
前記気流を整流する工程の一部の期間と当該工程時における他の期間との間で前記環状部材の水平方向の位置が異なることを特徴とする請求項11または12に記載の塗布膜形成方法。
【請求項14】
前記一部の期間と当該乾燥時における他の期間との間のいずれにおいても、前記環状部材の内周縁から基板の回転中心までの水平距離が周方向の位置に応じて異なることを特徴とする請求項13記載の塗布膜形成方法。
【請求項15】
前記塗布液供給機構により基板に塗布液が供給されるときに、前記環状部材を第1の位置に位置させる工程と、
塗布液の供給終了後、昇降機構により前記環状部材を、回転する基板に対して前記第1の位置よりも基板に近接した第2の位置に移動させる工程と、
を備えることを特徴とする請求項11ないし14のいずれか一項に記載の塗布膜形成方法。
【請求項16】
塗布液を基板の表面に供給し、この基板を鉛直軸回りに回転させることにより基板の表面に塗布膜を形成する塗布膜形成装置に用いられるコンピュータプログラムが記憶された記憶媒体であって、
前記コンピュータプログラムは、請求項11ないし15のいずれか一項に記載された塗布膜形成方法を実施するためのものであることを特徴とする記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板に塗布膜を形成する塗布膜形成装置、塗布膜形成方法及び前記装置に用いられるコンピュータプログラムを含む記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
基板への塗布膜の形成処理、例えばレジスト膜の形成処理を行うにあたり、速やかに成膜を行えることからスピンコーティングと呼ばれる手法が広く用いられている。このスピンコーティングでは、基板の裏面をスピンチャックに保持し、基板の表面の中心部にレジストを供給する。そして、基板を回転させて、遠心力によりレジストを基板の周縁部へと広げる。その後も基板の回転を続けて基板表面のレジストを乾燥させて、レジスト膜を形成する。
【0003】
前記レジストの乾燥を速やかに行うためには基板の回転数を高くして、レジスト中の溶剤の揮発を促進することが考えられる。しかし基板上の気流のレイノルズ数により、この回転数の上限が制限される。具体的に説明すると、基板の回転数を高くするほど基板の周縁部の速度が高くなるので当該周縁部の前記レイノルズ数が高くなり、レイノルズ数が所定値を超えると基板上の気流が乱流となる。すると、レジスト膜表面に乱流化した気流が転写される。つまり、レジスト膜に気流に沿った凹凸が形成され、基板の面内におけるレジスト膜の面内均一性が低下する。
【0004】
基板である半導体ウエハ(以下、ウエハと記載する)については大型化が進行しており、例えばその径が450mmであるものを用いることが検討されている。このようにウエハが大きくなると、例えば300mmウエハと比較して、ウエハの周縁部の速度がかなり速いので、後述の評価試験で示すように、ウエハの周縁部において前記凹凸の形成を抑制できる回転数の上限が低くなる。即ち、レジスト塗布後の乾燥工程に長い時間を要することになり、スループットの低下が予測される。
【0005】
特許文献1には、角型の基板の隅部と対向するように当該基板の上方にリング状のプレートを設けて、上記のようにレジストが塗布された基板上の気流を整流する技術について記載されている。しかし実施の形態において詳しく説明するように、このようなプレートを設けると、当該プレートの開口部へ向かう気流が当該プレートの内周端近傍で急激に変化して下方へ向かう。このように下方へ向かう気流に曝されて乾燥が進行することで、基板の面内における前記プレートの内周端近傍の乾燥速度が、他の箇所の乾燥速度と異なる結果、乾燥後のレジスト膜が当該内周端近傍で、局所的に大きくなるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005―235950号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明はこのような事情においてなされたものであり、その目的は、基板に塗布膜を形成するにあたり、スループットを高くすると共に基板の面内における塗布膜の膜厚の均一性を高くすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の塗布膜形成装置は、
基板を水平に保持する基板保持部と、
前記基板保持部を鉛直軸回りに回転させる回転機構と、
前記基板に塗布膜を形成するために塗布液を供給する塗布液供給機構と、
前記基板の回転による塗布膜の乾燥時に基板の周縁部上方の気流を整流するために、基板の周縁部上方を覆うように基板の周方向に沿って環状に設けられた環状部材と、を備え、
塗布膜の乾燥時の少なくとも一部の期間において、前記環状部材の内周縁から基板の中心までの水平距離が周方向の位置に応じて異なるように構成されていることを特徴とする。
【0009】
本発明の塗布膜形成方法は、
基板保持部に基板を水平に保持する工程と、
前記基板保持部を鉛直軸回りに回転させる工程と、
塗布液供給機構により前記基板に塗布液を供給して塗布膜を形成する工程と、
前記基板の回転による塗布膜の乾燥時に、基板の周縁部上方を覆うように基板の周方向に沿う環状に設けられた環状部材により基板の周縁部上方の気流を整流する工程と、を備え、
前記気流を整流する工程の少なくとも一部の期間には、前記環状部材の内周縁から基板の回転中心までの水平距離が周方向の位置に応じて異なる状態が形成されていることを特徴とする。
【0010】
本発明の記憶媒体は、
塗布液を基板の表面に供給し、この基板を鉛直軸回りに回転させることにより基板の表面に薄膜状に前記塗布液を展伸する塗布膜形成装置に用いられるコンピュータプログラムが記憶された記憶媒体であって、
前記コンピュータプログラムは、上述した塗布膜形成方法を実施するためのものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、基板保持部に保持された基板の周縁部上方を覆い、当該周縁部上の気流を整流させるための環状部材が設けられているため、基板の回転数を高くしたときに基板の周縁部上に乱流が形成されることが抑えられる。そして、塗布膜の乾燥時の少なくとも一部の期間において、前記環状部材の内周縁から基板の中心までの水平距離が周方向の位置に応じて異なるように構成されているため、開口部近傍における気流の真下に向かう成分を分散し、当該内周端近傍において基板の塗布膜の局所的な盛り上がりを抑えることができる。その結果として、塗布膜の乾燥時の基板の回転数を高くすることができるため、スループットを高くすることができ、且つ塗布膜の膜厚について高い面内均一性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1の実施形態にかかる塗布処理装置の側方断面図である。
図2】第1の実施形態にかかる塗布処理装置の平面図である。
図3】第1の実施形態にかかる塗布処理装置によるウエハ処理の工程図である。
図4】第1の実施形態にかかる塗布処理装置によるウエハ処理の工程図である。
図5】第1の実施形態にかかる塗布処理装置によるウエハ処理の工程図である。
図6】第1の実施形態にかかるリングプレートの形状とウエハとの位置関係を表す平面図である。
図7】第1の実施形態にかかるリングプレートの形状とウエハとの位置関係を表す平面図である。
図8】リングプレートの周囲の気流の模式図である。
図9】リングプレートの周囲の気流の模式図である。
図10】変形例にかかるリングプレートの形状とウエハとの位置関係を表す平面図である。
図11】他の変形例にかかるリングプレートの形状とウエハとの位置関係を表す平面図である。
図12】他の変形例にかかるリングプレートの形状を表す平面図である。
図13】他の変形例にかかるリングプレートの形状を表す平面図である。
図14】他の実施形態にかかる塗布処理装置の説明図である。
図15】他の実施形態にかかる塗布処理装置の説明図である。
図16】他の実施形態にかかる塗布処理装置の説明図である。
図17】評価試験の結果を示すグラフである。
図18】評価試験の結果を示すグラフである。
図19】評価試験の結果を示すグラフである。
図20】評価試験の結果を示すグラフである。
図21】評価試験の結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[第1の実施形態]
本発明の塗布膜形成装置の一実施形態であり、ウエハWにレジストを供給してレジスト膜を形成するレジスト塗布装置1について、図1の縦断側面図と、図2の平面図とを参照して説明する。レジスト塗布装置1は、ウエハWの裏面中央部を真空吸着することにより、当該ウエハWを水平に保持する基板保持部であるスピンチャック11を備えている。このスピンチャック11は、下方より軸部12を介して回転機構である回転駆動部13に接続されており、当該回転駆動部13により鉛直軸回りに回転することができる。
【0014】
スピンチャック11の下方側には、軸部12を取り囲んで円形板14が設けられる。円形板14に設けられる孔を介して3本の昇降ピン15が昇降する(図1では昇降ピン15は、2つのみ表示している)。レジスト塗布装置1の外部の搬送機構とスピンチャック11との間で、ウエハWを受け渡すことができる。図中16は、昇降ピン15を昇降させるピン昇降機構である。
【0015】
前記スピンチャック11を取り囲むようにしてカップ体2が設けられている。カップ体2は、回転するウエハWより飛散したり、こぼれ落ちたりする廃液を受け止めると共に、当該廃液をレジスト塗布装置1外に排出するためにガイドする。カップ体2は、前記円形板14の周囲にリング状に設けられた山型ガイド部21を備えている。山型ガイド部21は、ウエハWよりこぼれ落ちた液を、ウエハWの外側下方へとガイドする役割を有し、その断面形状が山型に形成されている。山型ガイド部21の外周端から下方に伸びるように環状の垂直壁22が設けられている。
【0016】
また、山型ガイド部21の外側を取り囲むように垂直な筒状部23と、この筒状部23の上縁から内側上方へ向けて斜めに伸びる上側ガイド部24とが設けられている。上側ガイド部24には、周方向に複数の開口部25が設けられている。また、筒状部23の下方側は凹部状に形成され、山型ガイド部21の下方に環状の液受け部26を形成する。この液受け部26においては、排液路27が接続されると共に、排気管28が下方から突入する形で設けられている。
【0017】
上側ガイド部24の基端から垂直な筒状部31が上方へ伸びるように設けられ、この筒状部31の上縁から内側上方へ伸び出すように傾斜壁32が設けられる。傾斜壁32、上側ガイド部24及び筒状部23、31により、ウエハWから当該ウエハWの回転により飛散した液が受け止められ、受け止められた液がウエハWの外側下方へガイドされて排液路27に導入される。カップ体2の上方にはファンフィルタユニット16が設けられている。ウエハWの処理中は、このファンフィルタユニット16から、下方のカップ体2に向けて清浄な気体が供給されると共に、前記排気管28によりカップ体2内の排気が行われている。
【0018】
このレジスト塗布装置1には、レジストノズル33が設けられている。レジストノズル33は配管を介してレジスト供給源34に接続されている。図2に示すように、レジストノズル33はアーム35の先端に設けられ、アーム35の基端は、当該アーム35を昇降させ、且つガイド36に沿って水平方向に移動自在な移動機構37に接続されている。移動機構37によりレジストノズル33は、ウエハWの上方の所定位置とカップ体2の外側における待機領域38との間で移動することができる。
【0019】
レジスト塗布装置1は、整流部材であるリングプレート41を備えている。このリングプレート41は円形で平板である環状部材として形成され、スピンチャック11に保持されたウエハWの周縁部を覆うように当該周縁部に沿って形成されている。リングプレート41は、支持部材42によって水平に支持されている。支持部材42は昇降機構43に接続されており、この昇降機構43はリングプレート41を、図1に鎖線で示す上昇位置と実線で示す下降位置との間で昇降させる。ウエハWに塗布したレジストを乾燥させるときには、リングプレート41は前記下降位置に位置する。この下降位置におけるリングプレート41の下面とウエハW表面との距離d1(図1参照)は、例えば0.5mm〜50mmである。ウエハWの搬送機構とスピンチャック11との間でウエハWを受け渡すときには、前記搬送機構及びウエハWに干渉しないように、リングプレート41は上昇位置に位置する。
【0020】
リングプレート41の周縁に囲まれる開口部44は円形に形成されており、ウエハWが回転し、ウエハWの周囲が負圧雰囲気になるときに、開口部44の上方からリングプレート41とウエハWの間の隙間に気体が引き込まれ、開口部44を介してウエハWの周囲へ流れ込む。この気体の流入によって、ウエハWの周囲の気流の乱れが低減される。
【0021】
リングプレート41の中心と開口部44の中心とは、ウエハWの回転中心O(ウエハWが正常にスピンチャック11上に載置された時のウエハWの中心)から偏心している。即ちリングプレート41の内周縁(開口部44の開口縁)は、ウエハWの回転中心Oまでの水平方向の距離が周方向の位置に応じて異なっている。ウエハWの直径は、例えば450mmであり、この場合、開口部44の直径は例えば150mm〜300mmであり、この装置1では200mmとされている。また、開口部44の中心と、ウエハWの回転中心Oとの偏心距離は、例えば1mm〜20mmに設定される。
【0022】
レジスト塗布装置1には、図1に示すようにコンピュータである制御部10が設けられている。制御部10には、例えばフレキシブルディスク、コンパクトディスク、ハードディスク、MO(光磁気ディスク)及びメモリーカードなどの記憶媒体に格納されたプログラムがインストールされる。インストールされたプログラムは、レジスト塗布装置1の各部に制御信号を送信してその動作を制御するように命令(各ステップ)が組み込まれている。具体的には、回転駆動部13によるウエハWの回転数の変更、レジストノズル33の移動、及びレジスト供給源34からレジストノズル33へのレジストの給断及びリングプレート41の昇降などの動作が、プログラムにより制御される。
【0023】
次に上述のレジスト塗布装置1を用いた処理について、図3図5の工程図を用いて説明する。リングプレート41が上昇位置に設定されている状態で、図示しない搬送機構によりウエハWがレジスト塗布装置1に搬送される。昇降ピン15により、ウエハWはスピンチャック11に受け渡され、その裏面の中央部がスピンチャック11に吸着されて保持される(図3)。次いでウエハWが例えば3000rpmで回転すると共に、待機領域38からウエハWの中心部上に移動したレジストノズル33により当該ウエハWの中心部にレジストが吐出される。吐出されたレジストは、遠心力によりウエハWの周縁部へ展伸されてレジスト膜30を形成し、余剰のレジストはウエハWの周縁部から振り切られる(図4)。レジストノズル33は待機領域38に退避する。このレジストの吐出及び振り切りを行う際に、ウエハWから飛散したレジストがリングプレート41へ付着することを防ぐために、リングプレート41は上昇位置に位置したままとされる。
【0024】
レジストの吐出が停止し、ウエハWの回転数が低下して例えば100rpmとされ、ウエハW面内のレジスト30の膜厚が調整される。然る後、レジスト30を乾燥させるために回転数が上昇すると共に、リングプレート41が下降位置へ移動する(図5)。ウエハWの回転数が例えば1500rpmに達した後、この1500rpmで回転が続けられる。
【0025】
ウエハWの乾燥工程時のウエハWの表面領域とリングプレート41との位置関係を図6を用いて説明する。ある時点においてウエハWの回転中心Oに最も近いリングプレート41の内周縁(開口部44の開口縁)の直下のウエハW上の点をPとする。このときのPとOとの位置関係を図6に示す。ウエハWが180°回転すると、ウエハW上の点Pは図7に示すように開口部44の周縁の直下から最も離れた位置に移動する。
【0026】
図8、9は、乾燥工程中に点Pが図6、7の状態にあるときにおいて、リングプレート41の周囲における気流の向きを矢印で夫々模式的に示したものである。上記のようにファンフィルタユニット16からはウエハWの配置領域を含むエリアに清浄気体による下降気流が形成されている。また、ウエハWが高速で回転しているため、ウエハWの周囲は負圧雰囲気になる。このため前記下降気流の一部は、リングプレート41の開口部44を介してウエハW表面の中央部に供給され、その内周縁からリングプレート41とウエハWの間の隙間に引き込まれ、ウエハWの周縁部へ向けて流れる。ウエハWの下方の排気管28により排気が行われていることから、ウエハWの周縁部へ流れた前記気流は、ウエハWの下方へと向かい、当該排気管28により排気される。
【0027】
ウエハWの中央部から周縁部へ向かう気流の流路の高さは、リングプレート41の下面により制限されているため、リングプレート41の下面を通過する気流のレイノルズ数は小さく抑えられる。従って、前記ウエハWの中央部から周縁部へ向かう気流は、層流として流れ、上記のように排気管28に排気される。このようにウエハWにおけるリングプレート41と対向する領域では、層流に曝されることにより均一性高くレジスト膜30の乾燥が進行する。一方、リングプレート41の内周縁においては、当該内周縁の上方側、内周縁よりも外側及び開口部44の中央側から気流が一気に当該内周縁の下方側の狭い流入口に流れ込もうとするため、当該内周縁の直下では気流が集中する。このため気流の鉛直成分が大きくなって、ウエハW上ではレジスト膜の乾燥が局部的に早く進み、局部的な塗布膜の盛り上がりが発生する。
【0028】
ここで、図8、9に示すように、ウエハW上のP点に着目すると、ウエハWが1回転する間に、リングプレート41の内周縁の直下に気流が集中する位置と前記内周縁が外側に遠ざかった位置との間を移動することになる。また図9においてリングプレート41の内周縁の直下に位置するウエハW上の部位に着目すると、この部位はウエハWが半回転したときにリングプレート41の下方側であって前記内周縁よりも外側に位置し、更にウエハWが半回転すると元の位置に戻る。即ち、ウエハWの表面から見れば、リングプレート41の内周縁の直下である気流が集中する部位が、ウエハWの周方向の位置に応じて径方向に分散されていることになる。この径方向における分散領域の端部は、リングプレート41の開口部44のウエハWの回転中心Oに対する偏心の度合いで決まってくる。
【0029】
このため、リングプレート41の内周縁における気流の集中に起因する局所的な強い乾燥が緩和された状態でレジスト膜の乾燥工程が進行する。そして、レジストの吐出を終えてから所定の時間経過後に、ウエハWの回転が停止する。然る後、リングプレート41が上昇位置に移動し、ウエハWがスピンチャック11から図示しない搬送機構に受け渡され、装置1の外部へ搬送される。
【0030】
上述の実施形態によれば、ウエハWの周縁部上に当該周縁部に沿って形成された環状部材である気流制御用のリングプレート41が設けられているため、ウエハWの周縁部上の気流が層流化され、レジスト膜の局所的な盛り上がりが抑えられる。そしてリングプレート41の円形の開口部44は、ウエハWの回転中心Oに対して偏心しているため、既述のようにリングプレート41の内周縁の直下である気流の集中する部位がウエハW上で分散され、当該気流の集中に起因するレジスト膜の局所的な膜厚の増大が抑えられる。従って、乾燥工程に要する時間の長大化を抑えてスループットの向上を図ることができると共に、レジスト膜の膜厚の面内均一性が低下することを防ぐことができ、ウエハWの大口径化に対して有用な技術である。
【0031】
リングプレート41を既述の下降位置に移動させるタイミングについては、上記の例に限られず、レジスト吐出時に当該下降位置に移動させてもよい。また、スピンチャック11を昇降自在に構成し、スピンチャック11の昇降によって、ウエハWへのレジスト吐出時と、ウエハW上のレジスト乾燥時とで、ウエハWとリングプレート41の下面との距離が変化するように構成してもよい。
【0032】
図10はリングプレート41の変形例を示す。この例では、リングプレート41aの外縁形状はウエハW全体を覆う大きさを有し、リングプレート41a全体の中心がウエハWの回転中心Oと一致し、開口部44aのみがウエハWの回転中心Oに対して偏心している。リングプレート41a以外の構成は第1の実施形態と同様である。
この場合においても、開口部44aからウエハW表面へと流入する気流を均一に分散させることができ、径方向において常に同じ位置が気流と衝突することを防ぐ。従って第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0033】
他の変形例にかかるリングプレート41bを図11に示す。リングプレート41bはプレート全体のウエハWに対する投影領域がウエハW全体を覆う大きさである。リングプレート41bの中央部には楕円形の開口部44bが設けられ、リングプレート41bの中心及び開口部44bの中心は例えばウエハWの回転中心Oと一致している。なお、両方の中心は一致していなくてもよい。リングプレート41b以外の構成は第1の実施形態と同様である。
【0034】
またリングプレート41の開口部は図12に示すように星形であってもよいし、図13に示すように三角形であってもよい。即ち、リングプレート41bとして、既述のように内周縁とウエハWの回転中心Oとの水平距離が周方向の位置に応じて異なるように形成されていればよく、この要件はリングプレート41bの開口部44bのウエハWへの投影領域はウエハWの回転中心Oを中心とする真円と一致しないことであるということができる。なお、ここでいう真円と一致しない状態とは、設定時においてウエハWの回転中心Oと中心を同一とする真円とならないよう設定することをいい、機器の動作、組み立て、加工誤差、経時変化等によって真円と一致しなくなる状態を含まない。
【0035】
以上において、本発明では塗布膜の乾燥時の少なくとも一部の期間において、前記環状部材の内周縁から基板の回転中心までの水平距離が周方向の位置に応じて異なるように構成されていればよい。従って既述の第1の実施形態のようにリングプレート41の水平方向の位置が一定である構成に限らず、例えば第1の実施形態のレジスト塗布装置に、図14に示すようにリングプレート41を水平移動させるための水平移動機構45を追加してもよい。このような例における運用方法の一つとして、例えば塗布膜の乾燥時の一部の期間だけ開口部44の中心がウエハWの中心から偏心し、前記乾燥時の他の期間においては、開口部44の中心がウエハWの中心に一致するように、リングプレート41の水平位置を移動させる例を挙げることができる。また他の運用方法としては、前記乾燥期間中に、開口部44の中心とウエハWの中心との偏心の程度が互いに異なる第1の偏心位置と第2の偏心位置との間でリングプレート41を水平移動させてもよい。
【0036】
図15に、更に他のリングプレートの構成例を示す。このリングプレート91の下面について縦断面で見ると、当該リングプレート91の外周縁部側は直線状に構成され、内周縁部側は曲線状に構成されている。そして、このリングプレート91の下面は、外周縁部側に向かうにつれてウエハW表面との距離が小さくなるように構成されている。それによって、ウエハWの周縁部において気流の流路をより小さくして、気流の乱れをより確実に抑えることができる。また、ウエハWの中央部側では、前記下面とウエハWとの距離が大きいため、開口部44へ進入してから下方へ向かう気流がウエハWに到達するまでに、既述の遠心力及び排気によって、ウエハWの周縁部に向かって曲がりやすく、ウエハWに真下に向かう気流成分が供給されることが、より確実に抑えられる。
【0037】
図16に、更に他のリングプレートの構成例を示す。このリングプレート92は、開口部44の上面の周縁部に突起部93を有する。この突起部93により、開口部44からウエハWの内側に向かおうとする気流が一旦突起部93に乗り上げられるので、ウエハW表面において開口部44の周縁部直下の気流がより分散される。当該突起部93の形状は、図16のように角形を有する代わりに、円形や楕円の一部をなす形状を有していてもよい。
【0038】
塗布液としてレジストを用いる場合について説明してきたが、反射防止膜形成用の薬液や絶縁膜形成用の薬液を基板に塗布する場合も、本発明を適用することができる。また、基板は円形基板に限られず、角形基板を用いてもよい。また、これまで説明したリングプレート41の各構成は、互いに組み合わせることができる。また、リングプレート41の材質としては、上面部が金属、下面部が樹脂にて構成される例、あるいは全体が樹脂にて構成される例を挙げることができる。
【0039】
(評価試験)
評価試験1
既述のレジスト塗布装置1と略同様の装置を用いて、複数のウエハWにレジスト膜を形成した。ただし、この評価試験1で用いるレジスト塗布装置には、既述のリングプレートは設けられていない。ウエハWとしては直径が300mmのウエハW(以降、300mmウエハWと記載)と、450mmのウエハW(以降、450mmウエハWと記載)とを用い、ウエハWごとに乾燥工程時における回転数を変更して、レジスト膜が乾燥するために要する時間(膜乾燥時間とする)を調べた。また、レジスト膜が形成された各300mmウエハW、450mmウエハWについて、ウエハWの面内における複数箇所の膜厚の3シグマを調べた。
【0040】
図17のグラフに、この評価試験1の結果を示している。グラフの縦軸は前記膜乾燥時間及び3シグマを示し、グラフの横軸は乾燥工程時のウエハWの回転数を示している。このグラフに示されるように、乾燥工程時のウエハWの回転数を上昇させるほど、前記膜乾燥時間を短縮させることができる。3シグマについて見ると、300mmウエハWに比べて、450mmウエハWは、前記回転数が低くても3シグマが大きい、即ち面内均一性が低くなっていることが分かる。この結果より、ウエハW上に実施の形態で説明した各リングプレートを配置し、ウエハWの周縁部上における気体の流路を小さくすることで、当該気体のレイノルズ数の上昇を抑え、それによって乱流の発生を抑えることが有効であると考えられる。
【0041】
評価試験2
評価試験1と同様に、複数のウエハWについて乾燥工程時における回転数を変更してレジスト膜の形成を行い、これらの各ウエハWについて、複数箇所の膜厚を測定し、3シグマを算出した。ウエハWとしては、評価試験1と同様に300mmウエハWと、450mmウエハWとを用いた。300mmウエハWについては、評価試験1と同じく、リングプレートを設けないレジスト塗布装置により処理を行った。この300mmウエハWを用いて行う試験を、評価試験2−1とする。450mmウエハWについては、リングプレートを備えたレジスト塗布装置と、リングプレートを備えていない装置とを各々用いて試験を行った。450mmウエハWについて、前記リングプレートを備えていないレジスト塗布装置1を用いて行った試験を評価試験2−2、リングプレートを備えた装置1を用いて行った試験を評価試験2−3とする。
【0042】
図18のグラフは、この評価試験2の結果を示している。グラフの縦軸は前記膜厚の3シグマを示し、グラフの横軸は乾燥工程時におけるウエハWの回転数を示している。また、評価試験2−2、2−3については、試験の結果を、黒字に白抜きのプロットと、白抜きしていない黒字のプロットとにより示している。白抜きのプロットは、ウエハWの周縁部のレジスト膜に、気流の転写による風切りと呼ばれるマークが確認されたことを示す。この風切りマークは、ウエハWの中心部側から周縁部側へ向かう筋状のマークである。白抜きをしていないプロットは、前記風切りマークが確認されなかったことを示す。
【0043】
乾燥工程時の回転数が500rpm〜800rpmの範囲では評価試験2−1、2−2の3シグマは同程度であるが、前記回転数が900rpm以上になると、評価試験2−2の3シグマは、評価試験2−1の3シグマに比べて大きくなっている。また、乾燥工程時における回転数が900rpm以上になると、評価試験2−2では前記風切りマークが確認された。評価試験2−1では乾燥時における回転数が500rpm〜1800rpmの範囲で、風切りマークが確認されなかった。また、前記回転数が800rpm〜1200rpmの範囲において、評価試験2−3の3シグマは、評価試験2−1、2−2の3シグマよりも小さい。そして、評価試験2−3では、前記回転数が800rpm〜1100rpmの範囲において、風切りマークが確認されなかった。
【0044】
乾燥工程時の回転数を1200rpmとした評価試験2−1のウエハWについて、その径方向の膜厚分布を図19のグラフに示す。乾燥工程時の回転数を1100rpmとした評価試験2−2、2−3のウエハWについて、その径方向の膜厚分布を図20のグラフに示す。つまり、評価試験2−2のうち風切りマークが確認されたウエハWの膜厚分布、評価試験2−3のうち風切りマークが確認されなかったウエハWの膜厚分布を、グラフ中に示している。各図19、20のグラフの横軸は、ウエハWの中心からの距離を示し、縦軸は測定されたレジスト膜の膜厚を示している。これらのグラフに示されるように、評価試験2−3のウエハWは、評価試験2−1のウエハWと同程度に、各部の膜厚のばらつきが抑えられている。特に、評価試験2−2のウエハWに比べて、評価試験2−3のウエハWは、周縁部における膜厚のばらつきが抑えられていることが分かる。
【0045】
この評価試験2の結果より、リングプレートを設けることで、径が比較的大きいウエハWを用い、乾燥工程時における当該ウエハWの回転数を高くしても、当該ウエハWの周縁部に風切りマークが形成されることを抑制し、ウエハWの面内における膜厚のばらつきを抑えることができることが分かる。
【0046】
評価試験3
ウエハWについてレジスト膜の形成を行い、径方向に沿って膜厚の測定を行った。ウエハWとしては450mmウエハを用いた。先ず評価試験1と同じく、リングプレートを設けないレジスト塗布装置により処理を行った。この試験を評価試験3−1とする。続いて本発明の第1の実施形態にかかる、開口部がウエハWの回転中心Oに対して偏心したリングプレートを備えたレジスト塗布装置と、開口部がウエハWの回転中心Oに対して偏心していないリングプレートを備えたレジスト塗布装置とを各々用いて処理を行った。偏心したリングプレートを用いて行った試験を評価試験3−2、偏心していないリングプレートを用いて行った試験を評価試験3−3とする。
【0047】
各評価試験にて得られた結果を図21に、評価試験3−1については点線にて、評価試験3−2については実線にて、評価試験3−3については破線にて、夫々示す。ここで、グラフの横軸はウエハ外径からの径方向の距離を、縦軸はレジスト膜の膜厚を示したものである。図21から、先ずリングプレートを有しない装置に比して、リングプレートを有した装置における塗布処理は膜厚の面内均一性が優れていることは明らかである。次いで、偏心していないリングプレートを有する装置と本発明の実施形態にかかる装置とを比較すると、偏心していないリングプレートを有する装置に比して本発明の装置による塗布処理装置は、特に基板の内径部において膜厚を整える効果があることが分かる。よって本発明の塗布処理装置は、塗布処理において面内均一性に優れていることが認められる。
【符号の説明】
【0048】
1 塗布処理装置
11 スピンチャック
2 カップ体
33 ノズル
41 リングプレート
44 開口部
W ウエハ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図20
図21