(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記櫛形コポリマー又は櫛形ブロックコポリマーが、工程a)において、n−ブチルアクリレートから製造されるか、或いはn−ブチルアクリレートと、エステル結合を有さない1つ以上のモノマーとから製造される、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
前記エステル結合を有さないモノマーが、4−ビニル−ピリジン、2−ビニル−ピリジン、ビニル−イミダゾール、ビニル−ピロリドン、ジメチルアクリルアミド、3−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン又はp−tert−ブチル−スチレン及びアクリロニトリルからなる群から選択される、請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。
異形材、キャストフィルムもしくは吹込フィルム、シート、ワイヤ、又はケーブルの製造のための熱可塑性ポリマーを含む溶融物の押出しのために適用される、請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法。
熱可塑性ポリマーを含む溶融物の流動特性を向上させるための、又は熱可塑性ポリマーを含む溶融物の加工助剤としての、請求項1又は2で定義される櫛形コポリマー又は櫛形ブロックコポリマーの使用。
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱可塑性ポリマーから形成されたポリマー溶融物の流動特性を向上するための方法に、熱可塑性ポリマーから形成されたポリマー溶融物の流動特性を向上するための特定のコポリマー添加剤の使用に、及び加工助剤としての該ポリマー添加剤の使用に関する。
【0002】
ポリマー溶融物の流動特性は、工業的加工装置の設計及び操作条件のための最重要性を有し、かつ製造されたポリマー物品の全体の特性に大きく作用してよい。ポリマー溶融物は、典型的に、非ニュートンの挙動を呈する。すなわち、それらの見かけ粘度が、それらの融点を十分に超えた温度でポリマーを加工する場合に適用される剪断速度に強く依存する。高い剪断速度は、典型的に、成形方法中にポリマー溶融物の押出し、供給又はあらゆる種類の輸送の目的のために適用された高レベルの機械的エネルギー(圧力及び剪断)から生じる。さらに、丸、長方形、環状、スリット状、又はあらゆる他の不規則な形状又は低いギャップ幅断面であってよい狭いダイ、ノズル、シリンダー異形材等にポリマー溶融物を通過させる場合に、高い剪断力は、一様に高い流量又は高い流速から生じる。
【0003】
ポリマー溶融物の特有の流動学的性質に不適切な注意が払われる場合に、これは、最終的に、美的な又は機械的なポリマー特性におけるいくつかの負の、及び従って所望されない結果を導いてよく、それは、押出方法において、特に異形材、殊に薄肉異形材、キャストフィルム又は吹込フィルムの製造においてよく知られている。種々の欠陥は、通常、サメ肌、ヘビ膚又はみかん膚と言われる。これらの用語は、高い剪断速度がポリマー表面上で視覚的な粗さ又は亀裂及び隙間でさえももたらし、その結果製造されたポリマー物品の光学的及び機械的特性が激しく破壊される場合にますます明白となる溶融破壊現象の比喩的な及び自明な説明である。かかる欠陥は、薄い厚さの物品の製造のためのポリマーの溶融加工中に非常に明白になる。それというのも、剪断速度("γ"、秒
-1で測定される)が、スリットダイの場合に、第一次近似で、ギャップ幅(幅又は距離"d")の平方に逆比例するからであり、その溶融物は、すなわちγ〜1/d
2を超えなければならない。
【0004】
特定の場合は、ポリオレフィン、それらの中でも直鎖ポリオレフィン、例えば直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)、広く適用されているがその難しい溶融加工性について公知である汎用のポリマーに関する。いくつかのポリオレフィン、特にLLDPEは、それらの比較的狭い分子量分布に、及びそれらのポリマー鎖の特定の絡み合いの特徴によって溶融破壊(MF)しやすい。これは、典型的な剪断速度で高い剪断応力を、及びダイで段階的な剪断速度の勾配をもたらす。さらに、フィルムのダウンゲージングについての要求は、向上させた機械的特性(靱性等)のための低いメルト指数の樹脂の使用を導き、かつより狭いダイギャップももたらしている。他の要因は、より高い押出量のための永久駆動である。さらに、より狭い分子量分布を有するシングルサイト(メタロセン)PE及びPPの出現が、さらに大きい溶融破壊の傾向を生じる。
【0005】
押出されたポリマーに対する溶融破壊又は関連する欠陥を低減するためのいくつかの意見は、当業者によく知られている。例えば、US−A−3,125,547号は、高い押出速度での溶融加工中に滑らかな表面を達成するための少量のフッ素を基礎とするポリマーの使用を教示している。いくつかの他の文献、例えばUS−A−3,222,314号、US−A−4,013,622号、US−A−4,540,538号及びUS−A−2005/0,070,644号は、特にポリエチレンフィルムの製造のための、種々の分子量のポリエチレングリコールの有益な使用を記載している。ポリオレフィン溶融物の向上させた加工性は、前記文献に請求されており、向上させた製造条件及び完成した製品のより良好な品質が挙げられている。
【0006】
与えられたスループット及び温度で配合するために、及びより高い剪断速度まで溶融破壊(MF)を延期するために要求されたエネルギー消費の低減に加えて、ポリマー加工助剤(PPA)が、特にフィルムについて、最終生成物におけるゲルの存在を低減すること、又はダイビルドアップ(die−build−up)(又はダイ垂れ落ち(die drool))の結果を減少すること、又は再利用中の容易な加工性において効率的であってよい。
【0007】
LLDPE中に導入されたフッ素を基礎とするポリマーが高い出力量で押出物の出現を向上し、かつポリマー溶融物の粘度を低減するという共通認識が存在する一方で、これらの生成物は、いくつかの欠点、例えばかかる加工助剤が期待されたように実施するまで(すなわち、MFが排除され、又はその発生が著しく高い剪断速度まで延期されるまで、及び/又は与えられたスループットでの配合のためのエネルギー消費が著しく低減されるまで)の長い開始時間についても公知である。フッ素を基礎とするポリマーを含むかかるポリマーを加工した後のパージング、除去又は施錠が、すなわち一方の製造運転から他方の製造運転へ進む場合に、非常に時間を消費する。
【0008】
さらに、かかるフッ素を基礎とする加工助剤は、通常、環境中で非常に永続的であるように見え、かつ健康に対して有害であると考えられる前駆体ペルフルオロオクタン酸(PFOA)から製造される。
【0009】
フッ素を基礎とするポリマー加工助剤を除いて、シリコーンを基礎とするポリマー又はポリエチレングリコール、ロウもしくは種々の脂肪酸エステルの使用が、当業者に公知でもある。与えられた濃度での性能がフッ素を基礎とするポリマーの加工助剤に対して劣っているために、及びそれらが、全ての装置に対してそれらの効率を示さないために、かかる生成物の利益は必ずしも優れていない。シリコーンを基礎とするポリマー又はポリエチレングリコールに基づくポリマーは、他の欠点、例えば最終生成物における、例えばフィルムにおける所望されない縞の出現、煙霧の発生、又はカレンダーロール上でのプレートアウトをもたらす。
【0010】
本発明に従って使用されるブロックコポリマー及び櫛形コポリマーは、前記ポリマー加工助剤の欠点を示さない。前記コポリマーは、ポリマー溶融物の溶融流れ特性を向上するために、それらの加工のために要求されるエネルギー消費を低減するために、及びより高い剪断速度まで溶融破壊の出現を延長するために極めて有用である。前記コポリマーは、ほぼ即座に効果を提供し、かつ製造運転が変化する場合に容易に除かれる。前記コポリマーは、フッ素を有さず、煙霧を発生せず、かつ最終物品から拡散せず、又はカレンダーロール上でプレートアウトしない。
【0011】
本発明の1つの側面は、熱可塑性ポリマーを含む溶融物の流動特性を向上するための方法であり、該方法は、熱可塑性ポリマーの質量に対して0.005質量%〜0.5質量%の1つ以上の櫛形コポリマー又は櫛形ブロックコポリマーを、溶融加工前に又は溶融加工中に該熱可塑性ポリマー中に導入することを含み、前記櫛形コポリマー又は櫛形ブロックコポリマーは、
第一工程において、
a)アクリル酸又はメタクリル酸のC
1〜C
10アルキルエステル、及び場合によりエステル結合を有さない1つ以上のモノマーのラジカル重合によって製造され、
かつ第二工程において、
b)第一級アルコール又は第二級アルコールでのポリマー類似性のエステル置換反応において改質した、櫛形コポリマー又は櫛形ブロックコポリマーが形成される。
【0012】
工程a)が制御ラジカル重合である方法が好ましい。
【0013】
適した熱可塑性ポリマーの例は以下である。
【0014】
1. モノオレフィン及びジオレフィンのポリマー、例えばポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブト−1−エン、ポリ−4−メチルペント−1−エン、ポリビニルシクロヘキサン、ポリイソプレン又はポリブタジエン、並びにシクロオレフィン、例えばシクロペンテン又はノルボルネンのポリマー、ポリエチレン(場合により架橋されていてよい)、例えば高密度ポリエチレン(HDPE)、高密度及び高分子量ポリエチレン(HDPE−HMW)、高密度及び超高分子量ポリエチレン(HDPE−UHMW)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)、(VLDPE)及び(ULDPE)。
【0015】
ポリオレフィン、すなわち前記段落において例示されたモノオレフィンのポリマー、有利にはポリエチレン及びポリプロピレンは、種々の、及び特に次の方法によって製造されてよい:
a)ラジカル重合(通常、高圧下で及び高温で)。
b)通常、周期表のIVb族、Vb族、Vlb族又はVIII族の1つ以上の金属を含む触媒を使用する触媒重合。前記金属は、通常、1つ以上の配位子を有し、典型的に、酸化物、ハロゲン化物、アルコラート、エステル、エーテル、アミン、アルキル、アルケニル及び/又はアリールであり、それらはπ−又はσ−配位されてよい。前記金属の錯体は、基材上で、典型的に活性塩化マグネシウム、塩化チタン(III)、アルミナ又は酸化ケイ素上で、自由な形で又は固定されてよい。前記触媒は、重合媒体中で可溶性又は不溶性であってよい。前記触媒は、それ自体重合して使用されてよく、又は他の活性剤が使用されてよく、それは典型的に金属アルキル、金属水素化物、金属アルキルハロゲン化物、金属アルキル酸化物又は金属アルキルオキサンであり、該金属は、周期表のIa族、IIa族及び/又はIIIa族の元素である。前記活性剤は、適宜、他のエステル、エーテル、アミン又はシリルエーテル基で改質されてよい。前記触媒系は、通常、Phillips、Standard Oil Indiana、Ziegler(−Natta)、TNZ(DuPont)、メタロセン又はシングルサイト触媒(SSC)と言われる。
【0016】
2. 前記1)のポリマーの混合物、例えばポリプロピレンとポリイソブチレンとの混合物、ポリプロピレンとポリエチレンとの混合物(例えばPP/HDPE、PP/LDPE)及び種々のタイプのポリエチレンの混合物(例えばLDPE/HDPE)。
【0017】
3. モノオレフィン及びジオレフィンと、互いとの又は他のビニルモノマーとのコポリマー、例えばエチレン/プロピレンコポリマー、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)及び直鎖低密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンとの混合物(LDPE)、プロピレン/ブト−1−エンコポリマー、プロピレン/イソブチレンコポリマー、エチレン/ブト−1−エンコポリマー、エチレン/ヘキセンコポリマー、エチレン/メチルペンテンコポリマー、エチレン/ヘプテンコポリマー、エチレン/オクテンコポリマー、エチレン/ビニルシクロヘキサンコポリマー、エチレン/シクロオレフィンコポリマー(例えばエチレン/ノルボルネン、例えばCOC)、エチレン/1−オレフィンコポリマー(その際1−オレフィンがin−situで生じる)、プロピレン/ブタジエンコポリマー、イソブチレン/イソプレンコポリマー、エチレン/ビニルシクロヘキセンコポリマー、エチレン/アルキルアクリレートコポリマー、エチレン/アルキルメタクリレートコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー又はエチレン/アクリル酸コポリマー及びそれらの塩(イオノマー)、並びにエチレンとプロピレン及びジエン、例えばヘキサジエン、ジシクロペンタジエン又はエチリデン−ノルボルネンとのターポリマー、及びかかるコポリマーと互いとの、及び前記1)において挙げられたポリマーとの混合物、例えばポリプロピレン/エチレン−プロピレンコポリマー、LDPE/エチレン−酢酸ビニルコポリマー(EVA)、LDPE/エチレン−アクリル酸コポリマー(EAA)、LLDPE/EVA、LLDPE/EAA及び交互又はランダムポリアルキレン/一酸化炭素コポリマー及びそれらと他のポリマーとの混合物、例えばポリアミド。
【0018】
4. それらの水素化改質物(例えば粘着剤)及びポリアルキレンとデンプンとの混合物を含む炭化水素樹脂(例えばC
5〜C
9)。
【0019】
1.)〜4.)からのホモポリマー及びコポリマーは、シンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミ−アイソタクチック又はアタクチックを含む任意の立体構造を有してよく、その際アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーも含まれる。
【0020】
5. ポリスチレン、ポリ(p−メチルスチレン)、ポリ(α−メチルスチレン)。
【0021】
6. スチレン、α−メチルスチレンを含むビニル芳香族モノマー、ビニルトルエン、特にp−ビニルトルエンの全ての異性体、エチルスチレン、プロピルスチレン、ビニルビフェニル、ビニルナフタレン及びビニルアントラセンの全ての異性体、並びにそれらの混合物に由来する芳香族ホモポリマー及びコポリマー。ホモポリマー及びコポリマーは、シンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミ−アイソタクチック又はアタクチックを含む任意の立体構造を有してよく、その際アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーも含まれる。
6a. エチレン、プロピレン、ジエン、ニトリル、酸、マレイン酸無水物、マレイミド、酢酸ビニル及び塩化ビニルから選択される前記ビニル芳香族モノマー及びコモノマー、又はそれらのアクリル酸誘導体及び混合物、例えばスチレン/ブタジエン、スチレン/アクリロニトリル、スチレン/エチレン(共重合体)、スチレン/アルキルメタクリレート、スチレン/ブタジエン/アルキルアクリレート、スチレン/ブタジエン/アルキルメタクリレート、スチレン/マレイン酸無水物、スチレン/アクリロニトリル/メチルアクリレートを含むコポリマー;耐衝撃性のスチレンコポリマー及び他のポリマーの混合物、例えばポリアクリレート、ジエンポリマー又はエチレン/プロピレン/ジエンターポリマー;及びスチレンのブロックコポリマー、例えばスチレン/ブタジエン/スチレン、スチレン/イソプレン/スチレン、スチレン/エチレン/ブチレン/スチレン又はスチレン/エチレン/プロピレン/スチレン。
6b. 特にアタクチックポリスチレンを水素化することによって製造されたポリシクロヘキシルエチレン(PCHE)(通常ポリビニルシクロヘキセン(PVCH)と言われる)を含む前記6.)のポリマーの水素化に由来する水素化芳香族ポリマー。
6c. 前記6a.)のポリマーの水素化に由来する水素化芳香族ポリマー。
ホモポリマー及びコポリマーは、シンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミ−アイソタクチック又はアタクチックを含む任意の立体構造を有してよく、その際アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーも含まれる。
【0022】
7. ビニル芳香族モノマー例えばスチレン又はα−メチルスチレンのグラフトコポリマー、例えばポリブタジエンに接するスチレン、ポリブタジエン−スチレン又はポリブタジエン−アクリロニトリルコポリマーに接するスチレン;ポリブタジエンに接するスチレン及びアクリロニトリル(又はメタアクリロニトリル);ポリブタジエンに接するスチレン、アクリロニトリル及びメチルメタクリレート;ポリブタジエンに接するスチレン及びマレイン酸無水物;ポリブタジエンに接するスチレン、アクリロニトリル及びマレイン酸無水物又はマレイミド;ポリブタジエンに接するスチレン及びマレイミド;ポリブタジエンに接するスチレン及びアルキルアクリレート又はメタクリレート;エチレン/プロピレン/ジエンターポリマーに接するスチレン及びアクリロニトリル;ポリアルキルアクリレート又はポリアルキルメタクリレートに接するスチレン及びアクリロニトリル、アクリレート/ブタジエンコポリマーに接するスチレン及びアクリロニトリル、並びにそれらと6)で挙げたコポリマーとの混合物、例えばABS、MBS、ASA又はAESポリマーとして公知のコポリマー混合物。
【0023】
8. ハロゲン含有ポリマー、例えばポリクロロピレン、塩化ゴム、イソブチレン−イソプレンの塩化及び臭化コポリマー(ハロブチルゴム)、塩化又はスルホ塩化ポリエチレン、エチレン及び塩化エチレンのコポリマー、エピクロロヒドリンホモポリマー及びエピクロロヒドリンコポリマー、特にハロゲン含有ビニル化合物のポリマー、例えばポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、並びにそれらのコポリマー、例えば塩化ビニル/塩化ビニリデン、塩化ビニル/酢酸ビニル又は塩化ビニリデン/酢酸ビニルのコポリマー。
【0024】
9. ブチルアクリレートで耐衝撃改良したα,β−不飽和酸及びそれらの誘導体に由来するポリマー、例えばポリアクリレート及びポリメタクリレート;ポリメチルメタクリレート、ポリアクリルアミド及びポリアクリロニトリル。
【0025】
10. 前記9)で挙げたモノマーと互いとの又は他の不飽和モノマーとのコポリマー、例えばアクリロニトリル/ブタジエンコポリマー、アクリルニトリル/アルキルアクリレートコポリマー、アクリロニトリル/アルコキシアルキルアクリレート又はアクリロニトリル/ハロゲン化ビニルコポリマー又はアクリロニトリル/アルキルメタクリレート/ブタジエンターポリマー。
【0026】
11. 不飽和アルコール及びアミン又はそれらのアシル誘導体もしくはアセタールに由来するポリマー、例えばポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリステアリン酸ビニル、ポリビニルベンゾエート、ポリビニルマレエート、ポリビニルブチラール、ポリアリルフタレート又はポリアリルメラミン、並びに前記1)において挙げたオレフィンとそれらのコポリマー。
【0027】
12. 環状エーテル、例えばポリアルキレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドのホモポリマー及びコポリマー、又はそれらとビスグリシジルエーテルとのコポリマー。
【0028】
13. ポリアセタール、例えばポリオキシメチレン及びコモノマーとしてエチレンオキシドを含むそれらのポリオキシメチレン;熱可塑性ポリウレタン、アクリレート又はMBSで改質されたポリアセタール。
【0029】
14. ポリフェニレンオキシド及びポリフェニレンスルフィド、及びポリフェニレンオキシドとスチレンポリマー又はポリアミドとの混合物。
【0030】
15. 一方でヒドロキシル末端化ポリエーテル、ポリエステル又はポリブタジエンに、他方で脂肪族ポリイソシアネート又は芳香族ポリイソシアネートに由来するポリウレタン、及びそれらの前駆体。
【0031】
16. ジアミン及びジカルボン酸に、及び/又はアミノカルボン酸又は対応するラクタムに由来するポリアミド及びコポリアミド、例えばポリアミド4、ポリアミド6、ポリアミド6/6、6/10、6/9、6/12、4/6、12/12、ポリアミド11、ポリアミド12、m−キシレンジアミン及びアジピン酸から出発する芳香族ポリアミド;改質剤としてエラストマーを有する又は有さないヘキサメチレンジアミン及びイソフタル酸又は/及びテレフタル酸から製造されるポリアミド、例えばポリ−2,4,4,−トリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド又はポリ−m−フェニレンイソフタルアミド;並びに前記ポリアミドとポリオレフィン、オレフィンコポリマー、イオノマー又は化学的に結合もしくはグラフトしたエラストマーとの、又はポリエーテルとの、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール又はポリテトラメチレングリコールとのブロックコポリマー;並びにEPDM又はABSで改質されたポリアミド又はコポリアミド;並びに加工中に縮合されたポリアミド(RIMポリアミド系)。
【0032】
17. ポリウレア、ポリイミド、ポリアミド−イミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、ポリヒダントイン及びポリベンゾイミダゾール。
【0033】
18. ジカルボン酸及びジオールに、及び/又はヒドロキシカルボン酸又は対応するラクトンに由来するポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−ジメチルオールシクロヘキサンテレフタレート、ポリアルキレンナフタレート(PAN)及びポリヒドロキシベンゾエート、並びにヒドロキシル末端化ポリエーテルに由来するブロックコポリエーテルエステル;並びにポリカーボネート又はMBSで改質されたポリエステル。
【0034】
19. ポリカーボネート及びポリエステルカーボネート。
【0035】
20. ポリケトン。
【0036】
21. ポリスルホン、ポリエーテルスルホン及びポリエーテルケトン。
【0037】
22. 前記ポリマーのブレンド(ポリブレンド)、例えばPP/EPDM、ポリアミド/EPDM又はABS、PVC/EVA、PVC/ABS、PVC/MBS、PC/ABS、PBTP/ABS、PC/ASA、PC/PBT、PVC/CPE、PVC/アクリレート、POM/熱可塑性PUR、PC/熱可塑性PUR、POM/アクリレート、POM/MBS、PPO/HIPS、PPO/PA6.6及びコポリマー、PA/HDPE、PA/PP、PA/PPO、PBT/PC/ABS又はPBT/PET/PC。
【0038】
例えば、熱可塑性ポリマーは、ポリプロピレン、ポリエチレン、任意のポリプロピレンコポリマーもしくは任意のポリエチレンコポリマー、又は任意のそれらのブレンドである。
【0039】
有利には、熱可塑性ポリマーは、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)である。
【0040】
本発明のポリマー加工助剤は、有利には第一工程において制御ラジカル重合(CFRP)によって製造された櫛形コポリマー又は櫛形ブロックコポリマーである。
【0041】
CFRPと続くブロックの後改質との組合せは、使用されうる可能な生成物の範囲の相当の目増やしを可能にする。1つのCFPR−方法工程で、多くの種類の種々のポリマー材料が既に使用できる。本発明に関連し、かつ2工程反応で製造されるブロックコポリマー及び櫛形コポリマーは、例えばWO 2006/0074969号において記載されている。
【0042】
アルコキシアミン又は安定なニトロオキシ基を使用する制御ラジカル重合は、よく知られた技術であり、かつこの20年間で広範囲に記載されている。
【0043】
例えば1986年4月8日に発行されたSolomon et al.のUS−A−4 581 429号は、ポリマー鎖の成長を調整して、短鎖又はオリゴマーのホモポリマー及びコポリマーを製造するラジカル重合方法を開示している。前記方法は、式(部分)R’R’’N−O−X、[式中、Xは、不飽和モノマーを重合することができるラジカル種であり、かつ遊離基
【化1】
は、オリゴマー/ポリマーの成長を停止する]を有する開始剤を使用する。
【0044】
1994年6月21日に発行されたGeorges et al.のUS 5322912号は、ニトロキシル基によって末端化されたホモポリマー及びブロックコポリマーの合成のために、ラジカル開始剤、重合可能なモノマー化合物及び
基本構造
【化2】
の安定なラジカル剤を使用する重合方法を開示している。
【0045】
より最近では、他のニトロキシル基及びニトロキシルエーテルが記載されている。WO 98/13392号では、例えば、対称置換パターンを有し、かつNOガス又はニトロソ化合物に由来する、開鎖アルコキシアミン化合物を記載している。
【0046】
WO 96/24620号は、より特定の安定なラジカル剤、例えば
【化3】
を使用した重合方法を記載している。
【0047】
WO 98/30601号は、イミダゾリジノンを基礎とする特定のニトロキシルを開示している。
【0048】
WO 98/44008号は、モルホリノン、ピペラジノン及びピペラジンジオンを基礎とする特定のニトロキシルを開示している。
【0049】
これらの先行技術のニトロキシル基及びニトロキシルエーテルは、本発明に全て適している。
【0050】
本発明に適しているニトロキシルエーテル及びニトロキシル基は、主にUS−A−4 581 429号又はEP−A−621 878号から公知である。特に有用であるのは、WO 98/13392号、WO 99/03894号及びWO 00/07981号において記載されている開鎖化合物、WO 99/67298号、GB 2335190号及びGB 2 361 235号において記載されているピペリジン誘導体、又はGB 2342649号及びWO 96/24620号において記載されている複素環式化合物である。近年、他のニトロキシル基及びニトロキシルエーテルが、WO 02/48205号、WO02/48109号及びWO 02/100831号において記載されている。
【0051】
Hawker et al, Chem. Commun., 2001 , 823−824に記載の化合物も適している。
【0052】
いくつかの化合物は市販されており、又は前記文献に従って製造することができる。
【0053】
例えば、アルコキシアミン
【化4】
の構造要素は、式(I)の構造要素であり、かつ安定なニトロキシル基
【化5】
の構造要素は、式(II)の構造要素である。
【化6】
[式中、
G
1、G
2、G
3、G
4は、独立してC
1〜C
6アルキルであり、又はG
1及びG
2もしくはG及びG
4、あるいはG
1及びG
2及びG
3及びG
4は、一緒になって、C
5〜C
12シクロアルキル基であり、
G
5、G
6は、独立して、H、C
1〜C
18アルキル、フェニル、ナフチル又はCOOC
1〜C
18アルキル基であり、
Xは、−CH
2−フェニル、CH
3CH−フェニル、(CH
3)
2C−フェニル、(C
5〜C
6シクロアルキル)
2CCN、(CH
3)
2CCN、
【化7】
−CH
2CH=CH
2、CH
3CH−CH=CH
2(C
1〜C
4アルキル)CR
20−C(O)フェニル、(C
1〜C
4)アルキル−CR
20−C(O)−(C
1〜C
4)アルコキシ、(C
1〜C
4)アルキル−CR
20−C(O)−(C
1〜C
4)アルキル、(C
1〜C
4)アルキル−CR
20−C(O)−N−ジ(C
1〜C
4)アルキル、(C
1〜C
4)アルキル−CR
20−C(O)−NH
2からなる群から選択され、その際R
20は水素又は(C
1〜C
4)アルキルであり、かつ
*は原子価を示す]。
【0054】
より特定の一実施態様において、制御ラジカル重合のために使用されるアルコキシアミンは、式NOR01
【化8】
の化合物である。
【0055】
有利には、前記アルコキシアミン化合物は、モノマーに対して、0.01モル%〜30モル%の量で、より有利には0.1モル%〜20モル%の量で、及び最も好ましくは0.1モル%〜10モル%の量で使用される。
【0056】
CFRPが"リビング"重合であるために、CFRPは、実際に、適宜、開始及び停止できる。さらに、そのポリマー生成物は、リビング物質中で重合の継続が可能である機能的アルコキシアミン基を保持する。従って、一度、第一のモノマーが最初の重合工程において消費されると、第二のモノマーが添加されて、第二の重合工程において成長ポリマー鎖上で第二のブロックを形成することができる。
【0057】
従って、同一又は異なるモノマーで追加の重合を実施して、複数のブロックコポリマーを製造することが可能である。
【0058】
さらに、これがラジカル重合であるために、ブロックは、本質的に任意の順序で製造されうる。それは、必ずしもブロックコポリマーを製造することを制限せず、その際連続した重合工程は、イオン重合における場合のように、最小の安定化ポリマー中間体から最大の安定化ポリマー中間体へ流れる必要がある。従って、ポリアクリロニトリル又はポリ(メタ)アクリレートブロックを最初に製造し、そしてスチレンブロックをそれらに付着させて、複数のブロックコポリマーを製造することが可能である。
【0059】
さらに、本発明のブロックコポリマーの種々のブロックを連結するために結合基を要求しない。単純に、連続してモノマーを添加して、連続してブロックを形成することができる。前記ブロックは、先細の領域によって分けられてよく、そこでは、先行のブロック及び続くブロックの双方のモノマーが種々の比で存在する。
【0060】
複数の明確に設計されたポリマー及びコポリマーが入手でき、例えば特にAngew. Chemie, 1995, 107,1623−1627頁においてC. J. Hawkerによって記載された星型及びグラフト(コ)ポリマー、Macromolecules 1996, Vol 29, No. 12, 4167−4171頁においてK. Matyaszewski et al.によって記載されたデンドリマー、Macromol. Chem. Phys. 198, 155−166(1997)においてC. J. Hawker et al.によって記載されたグラフト(コ)ポリマー、Macromolecules 1996, 29, 2686−2688においてC. J. Hawkerによって記載されたランダムコポリマー、又はMacromolecules 1996, 29, 8992−8993においてN. A. Listigoversによって記載されたジブロックコポリマー及びトリブロックコポリマーである。
【0061】
前記櫛形コポリマー又は櫛形ブロックコポリマーは、熱可塑性ポリマーの質量に対して、0.005質量%〜0.5質量%、有利には0.007質量%〜0.4質量%の量で存在する。
【0062】
本発明の櫛形コポリマー又は櫛形ブロックコポリマーは、1000g/モル〜120000g/モル、有利には2000g/モル〜70000g/モルの分子量を有する。2000g/モルより低い分子量を有するコポリマーは、それらの効率を失う傾向がある一方で、70000g/モルより高い分子量を有するコポリマーは、熱可塑性ポリマーにおけるポリマー加工助剤として作用するためには非常に粘性である傾向がある。
【0063】
前記櫛形コポリマー又は櫛形ブロックコポリマーは、熱可塑性ポリマーと共に押出機に直接添加されてよく、又は前記コポリマーは、熱可塑性ポリマーと前混合して、そして押出機に添加されてよい。
【0064】
PPA性能を高めるために、架橋助剤、又は界面剤を、その組成物中で導入してよい。架橋助剤の役割は、特に、PPA効果が観察できるまでの開始時間又は誘導時間の減少であり、又はさらに、ポリマーを配合するために又は加工性を高めるために要求される溶融物の粘度又はエネルギー消費を低くすることである。前記界面剤又は架橋助剤は、比較的低い分子量成分であり、それは、PPAに加えて熱可塑性ポリマーの特定のシステムについて、優先的に、これらの2つのポリマーの間の境界面に位置する。前記架橋助剤は、最終の溶融物形成方法までの及び該方法を含むあらゆる点で、PPAとポリマーとの混合物に導入されてよい。PPA及び界面剤をマスターバッチ工程で混合することが最も望ましく、その際、双方の成分が、高濃度で(すなわち、マスターバッチの合計質量に対して0.5質量%以上の濃度で)存在し、その結果、混合物中のPPA表面の湿潤が急速に生じる。
【0065】
可能な架橋助剤は、特に、1)押出温度で液体状態(又は溶融状態)であること、2)溶融可能なポリマー及び櫛形コポリマー又は櫛形ブロックコポリマー加工助剤の双方よりも低い溶融粘度を有すること、並びに3)押出可能な組成物中で櫛形コポリマー又は櫛形ブロックコポリマー粒子の表面を自由に湿潤することによって特徴付けられる、熱可塑性ポリマーである。かかる架橋助剤の例は、制限されることなく、i)シリコーン−ポリエーテルコポリマー、ii)脂肪族ポリエステル、例えばポリ(アジピン酸ブチレン)、ポリ(乳酸)及びポリカプロラクトン(有利には、該ポリエステルは、ジカルボン酸とポリ(オキシアルキレン)ポリマーとのブロックコポリマーではない)、iii)芳香族ポリエステル、例えばフタル酸ジイソブチルエステル、iv)ポリエーテルポリオール(有利には、ポリアルキレンオキシドではない)、例えばポリ(テトラメチレンエーテルグリコール)、v)アミンオキシド、例えばオクチルジメチルアミンオキシド、vi)カルボン酸、例えばヒドロキシブタン二酸、vii)脂肪酸エステル、例えばソルビタンモノラウレート及びトリグリセリド、並びにviii)ポリエチレングリコール及びそれらの誘導体を含むポリ(オキシアルキレン)ポリマーを含む。
【0066】
好ましい脂肪族架橋助剤は、500〜32000、有利には1000〜15000、及び最も有利には2000〜12000の範囲の数平均分子量を有するポリエチレングリコール又は脂肪族ポリエステル(有利にはポリカプロラクトン)である。
【0067】
他の可能な組合せは、有利にはフッ化ビニリデン及びヘキサフルオロプロピレンに基づく、本発明に関する櫛形コポリマー又は櫛形ブロックコポリマー及びフルオロエラストマーを含むものである。
【0068】
ドライブレンド(有利には粉末−粉末)調合物は、制限されることなく、櫛形コポリマー又は櫛形ブロックコポリマー(PPA)、架橋助剤、他の添加剤、例えば制限されることなく、酸化防止剤、UV吸収剤、光安定剤、金属不活性化剤、過酸化物捕捉剤、成核剤、充填剤もしくは補強剤、又はそれらの任意の組合せ物、分配剤(partitioning agent)、有利には無機分配剤、例えば、制限されることなく、炭酸カルシウム、酸化ケイ素、タルク又は任意のそれらの組合せ物を含む。前記ドライブレンド調合物は、成分として(例えば重合反応器から毛羽だって、又は研磨されたもしくは沈澱した粉末として)押出されるべき熱可塑性ポリマー、又は押出されるべき熱可塑性ポリマーを有する調合物の押出挙動に遅延して影響しない任意の他のポリマー、又はそれらの組合せ物を含んでもよい。
【0069】
これらのドライブレンドは、制限されることなく、ペレット形又は粉末形で成分をキャリヤーポリマー中に混合することを含む多くの加工方法によって、又はPPAを架橋助剤(特にポリカプロラクトン)の被覆で封入することによって、又はPPAと架橋助剤との固体の又は溶融した混合物の、溶融したキャリヤーポリマー中への側方供給によって製造されてよい。
【0070】
容易な加工のために、ポリマー加工助剤(PPA)は、通常、ポリマーに添加される場合に、そのままよりもマスターバッチの形で使用される。本発明の範囲内で、マスターバッチは、キャリヤーポリマー中でのポリマーの混合物である。前記キャリヤーポリマーは、押出されるべき同一のポリマーであってよく、又は押出されるべき熱可塑性ポリマーの押出挙動に遅延して影響しない第二のポリマーであってよい。
【0071】
マスターバッチは、典型的に、マスターバッチの合計の質量に対して、0.5〜50質量%、有利には1〜30質量%のPPAを含む。マスターバッチは、例えば、適量のPPAとキャリヤーポリマーとをミキサー(例えばBanburyミキサー)又は共回転二軸スクリュー押出機中で、該ポリマーの融点より高い温度で混合することによって製造されてよい。
【0072】
典型的に、かかるマスターバッチは、a)キャリヤーポリマー、b)櫛形コポリマー又は櫛形ブロックコポリマー(PPA)の0.5〜50質量%、並びにc)加工性を向上するための有効量の架橋助剤を含む。他の添加剤、例えば制限されることなく、酸化防止剤、UV吸収剤、光安定剤、金属不活性化剤、過酸化物捕捉剤、成核剤、充填剤、もしくは補強剤、又はそれらの任意の組合せ物を含んでもよい。さらに、分配剤、有利には無機分配剤、例えば制限されることなく、炭酸カルシウム、酸化ケイ素、タルク又はそれらの任意の組合せ物を含んでもよい。前記架橋助剤は、架橋助剤の濃度とPPAの濃度との比が0.5:1以上であり、かつ5:1以下である場合に最も効果的である。
【0073】
例えば、前記櫛形又はブロックコポリマーは、1.0〜3.0、有利には1.0〜2.5、及びより有利には1.0〜2.0の多分散性(PD)を有する。
【0074】
例えば、前記櫛形又はブロックコポリマーは、両親媒性を有する。
【0075】
本発明の好ましい一実施態様において、前記櫛形又はブロックコポリマーは、工程a)において、n−ブチルアクリレートから、及び場合によりエステル結合を有さない1つ以上のモノマーから製造される。
【0076】
例えば、エステル結合を有さないモノマーは、4−ビニル−ピリジン、2−ビニル−ピリジン、ビニル−イミダゾール、ビニル−ピロリドン、ジメチルアクリルアミド、3−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン又はp−tert−ブチル−スチレン及びアクリロニトリルからなる群から選択される。
【0077】
制御ラジカル重合がニトロキシル基で実施される場合に、開始ラジカル源がさらに必要である。このラジカル源開始剤は、有利にはアゾ化合物、過酸化物、過酸エステル又はヒドロペルオキシドである。
【0078】
特に好ましいラジカル源は、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス(イソブチルアミド)二水和物、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン)、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)、遊離塩基又は塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)、遊離塩基又は塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル]プロパンアミド}又は2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロパンアミド;アセチルシクロヘキサンスルホニルペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、t−アミルペルネオデカノエート、t−ブチルペルネオデカノエート、t−ブチルペルピバレート、t−アミルペルビバレート、ビス(2,4−ジクロロベンゾイル)ペルオキシド、ジイソノナノイルペルオキシド、ジデカノイルペルオキシド、ジオクタノイルペルオキシド、ジラウロイルペルオキシド、ビス(2−メチルベンゾイル)ペルオキシド、二コハク酸ペルオキシド、ジアセチルペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド、t−ブチルペル2−エチルヘキサノエート、ビス−(4−クロロベンゾイル)−ペルオキシド、t−ブチルペルイソブチレート、t−ブチルペルマレイネート、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルペルイソノナノエート、2,5−ジメチルヘキサン2,5−ジベンゾエート、t−ブチルペルアセテート、t−アミルペルベンゾエート、t−ブチルペルベンゾエート、2,2−ビス(t−ブチルペルオキシ)ブタン、2,2ビス(t−ブチルペルオキシ)プロパン、ジクミルペルオキシド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジ−t−ブチルペルオキシド、3−t−ブチルペルオキシ3−フェニルフタリド、ジ−t−アミルペルオキシド、α、α’−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、3,5−ビス(t−ブチルペルオキシ)3,5−ジメチル1,2−ジオキソラン、ジ−t−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチルヘキシン−2,5−ジ−t−ブチルペルオキシド、3,3,6,6,9,9−ヘキサメチル1,2,4,5−テトラオキサシクロノナン、p−メンタンヒドロペルオキシド、ピナンヒドロペルオキシド、ジイソプロピルベンゼンモノ−α−ヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド又はt−ブチルヒドロペルオキシドである。
【0079】
前記ラジカル源は、有利には、モノマーに対して、0.01モル%〜30モル%の量で、より好ましくは0.1モル%〜20モル%の量で、及び最も好ましくは0.5モル%〜10モル%の量で存在する。
【0080】
前記ラジカル源とニトロキシル基とのモル比は、1:10〜10:1、有利には1:5〜5:1及びより有利には1:2〜2:1であってよい。
【0081】
CFRP工程a)のための反応条件は、前記文献において広く記載されている。一般に、重合温度は、常圧で60〜180℃であり、かつ反応時間は、30分〜20時間で変動してよい。
【0082】
例えば、工程b)の第一級アルコールは、式(A)
【化9】
[式中、R
Aは、飽和又は不飽和の、直鎖又は分枝鎖の、炭素原子1〜32個を有するアルキル、又は炭素原子30個までを有するアルキルアリールもしくはジアルキルアリールであり、かつnは1〜150である]のエトキシレート、
式(B)
【化10】
[式中、R
BはC
1〜C
18アルキル、フェニル又はC
7〜C
15アラルキルであり、nは1〜50であり、かつR’は炭素原子1〜20個を有する結合基である]のポリジメチルシリコーンオリゴマー、
部分的に又は完全にフッ素化した第一級アルコール、
C
8〜C
60アルキルの直鎖又は分枝鎖の第一級又は第二級アルコール、
2,2−ジメチル−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキソランのラセミ混合物、
少なくとも1つの第三級アミン基を含む第一級又は第二級アルコール、
N,N,N’−トリメチルアミノエチルエタノールアミン、
4−ヒドロキシエチル−ピリジン及びN−ヒドロキシエチルモルホリン、又は
第一級アルコールであって、その鎖が、少なくとも1つのエステル基、例えばポリカプロラクトンα−セチルオキシ、−ω−ヒドロキシによって中断された、分子量750〜2500g/モルを有する第一級アルコールである。
【0083】
アルキルアリールの用語において、アリールは、フェニル又はナフチルを意味し、かつアルキルは、有利にはC
1〜C
20直鎖又は分枝鎖アルキルである。
【0084】
特定の一実施態様において、アルコールは、部分的に又は完全にフッ素化された第一級アルコールである。市販のフッ素化アルコール混合物の例は、Du Pont社製のZonyl BA(登録商標)、Zonyl BA−L(登録商標)、Zonyl BA−LD(登録商標)、Zonyl BA−N(登録商標)又はOmnova Solutions Inc.製のフッ素化ポリオキセタンアルコールである。
【0085】
有利には、工程b)の第一級アルコールは、式(A)
【化11】
[式中、R
Aは、飽和又は不飽和の、直鎖又は分枝鎖の、炭素原子1〜32個を有するアルキルであり、かつnは1〜150である]のエトキシレート、
2,2−ジメチル−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキソランのラセミ混合物、
N,N,N’−トリメチルアミノエチルエタノールアミン、
N−ヒドロキシエチルモルホリン又は
分子量750〜2500g/モルを有するポリカプロラクトンα−セチルオキシ、−ω−ヒドロキシである。
【0086】
より有利には、工程b)の第一級アルコールは、式(A)
【化12】
[式中、R
Aは、飽和又は不飽和の、直鎖又は分枝鎖の、炭素原子5〜22個を有するアルキルであり、かつnは20〜100である]のエトキシレートである。
【0087】
典型的に、前記方法は、100℃〜290℃の温度で実施される。
【0088】
本発明による方法は、熱可塑性ポリマーの任意のタイプの溶融加工のために有利であり、その際高い剪断条件及び高い流速が、成形物品の製造のために適用される。前記方法は、押出方法のために、例えば異形材、特に薄肉異形材、キャストフィルム及び吹込フィルム、異形材、シート、ワイヤ、並びにケーブル等の製造のために、特に有利である。
【0089】
従って、好ましい方法は、異形材、特に薄肉異形材、キャストフィルムもしくは吹込フィルム、シート、ワイヤ、又はケーブルの製造のために熱可塑性ポリマーを含む溶融物の押出の目的のために適用される方法であり、かつ熱可塑性ポリマーを含む溶融物の加工中に、溶融破壊を防ぐ、エネルギー消費を低減する、ゲル形成を制限する、又はダイビルドアップを制限するための目的のために適用される方法である。
【0090】
前記ポリマー溶融物は、場合により、プラスチック工業において通常使用される1つ以上の通常の添加剤を含んでよい。適した例は以下である。
【0091】
1. 酸化防止剤
1.1. アルキル化モノフェノール、例えば2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2−tert−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−イソブチルフェノール、2,6−ジシクロペンチル−4−メチルフェノール、2−(a−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジオクタデシル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリシクロヘキシルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシメチルフェノール、側鎖において直鎖又は分枝鎖であるノニルフェノール、例えば、2,6−ジ−ノニル−4−メチルフェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルウンデク−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルヘプタデク−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルトリデク−1’−イル)フェノール及びそれらの混合物。
1.2. アルキルチオメチルフェノール、例えば2,4−ジオクチルチオメチル−6−tert−ブチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−メチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−エチルフェノール、2,6−ジ−ドデシル−チオメチル−4−ノニルフェノール。
1.3. ヒドロキノン及びアルキル化ヒドロキノン、例えば2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシフェノール、2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−tert−アミルヒドロキノン、2,6−ジフェニル−4−オクタデシルオキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルステアレート、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アジペート。
1.4. トコフェロール、例えばα−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール及びそれらの混合物(ビタミンE)。
1.5. ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル、例えば2,2’−チオビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−オクチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−2−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(3,6−ジ−sec−アミルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ジスルフィド。
1.6. アルキリデンビスフェノール、例えば2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−エチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[4−メチル−6−(α−メチル−シクロヘキシル)フェノール]、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス(6−ノニル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(6−tert−ブチル−4−イソブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[6−(α−メチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、2,2’−メチレンビス[6−(α,α−ジメチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(6−tert−ブチル−2−メチルフェノール)、1,1−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、2,6−ビス(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール、1,1,3−トリス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチル−フェニル)−3−n−ドデシルメルカプトブタン、エチレングリコールビス[3,3−ビス(3’−tert−ブチル−4’−ヒドロキシ−フェニル)ブチレート]、ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル−フェニル)ジシクロペンタジエン、ビス[2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルベンジル)−6−tert−ブチル−4−メチルフェニル]テレフタレート、1,1−ビス−(3,5−ジメチル−2−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ2−メチルフェニル)−4−n−ドデシルメルカプトブタン、1,1,5,5−テトラ−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ペンタン。
1.7. O−、N−及びS−ベンジル化合物、例えば3,5,3’,5’−テトラ−tert−ブチル−4,4’−ジヒドロキシジベンジルエーテル、オクタデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンジルメルカプトアセテート、トリデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジルメルカプトアセテート、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)アミン、ビス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)ジチオテレフタレート、ビス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、イソオクチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル−メルカプトアセテート。
1.8. ヒドロキシベンジル化マロネート、例えばジオクタデシル−2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシベンジル)マロネート、ジ−オクタデシル−2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−マロネート、ジ−ドデシルメルカプトエチル−2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]−2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート。
1.9. 芳香族ヒドロキシベンジル化合物、例えば1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,4−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,3,5,6−テトラメチルベンゼン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)フェノール。
1.10. トリアジン化合物、例えば2,4−ビス(オクチルメルカプト)−6−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,2,3−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルエチル)−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)−ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート。
1.11. ベンジルホスホネート、例えばジメチル−2,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジエチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルベンジルホスホネート、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸のモノエチルエステルのカルシウム塩。
1.12. アシルアミノフェノール、例えば4−ヒドロキシラウラニリド、4−ヒドロキシステアラニリド、オクチルN−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)カルバメート。
1.13. β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と、一価アルコール又は多価アルコールとの、例えばメタノール、エタノール、n−オクタノール、i−オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
1.14. β−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオン酸と、一価アルコール又は多価アルコールとの、例えばメタノール、エタノール、n−オクタノール、i−オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシルエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン;3,9−ビス[2−{3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンとのエステル。
1.15. β−(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と、一価アルコール又は多価アルコールとの、例えばメタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]−オクタンとのエステル。
1.16. 3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル酢酸と、一価アルコール又は多価アルコールとの、例えばメタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]−オクタンとのエステル。
1.17. β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド、例えばN,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミド、N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)トリメチレンジアミド、N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジド、N、N’−ビス[2−(3−[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオニルオキシ)エチル]オキサミド(Naugard(登録商標)XL−1、Uniroyal社製)。
1.18. アスコルビン酸(ビタミンC)。
1.19. アミン酸化防止剤、例えばN,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、Ν,Ν’−ビス(1−エチル−3−メチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−メチルヘプチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジシクロヘキシル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(2−ナフチル)−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1−メチルヘプチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、4−(p−トルエンスルファモイル)ジフェニルアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、N−アリルジフェニルアミン、4−イソプロポキシジフェニルアミン、N−フェニル−1−ナフチルアミン、N−(4−tert−オクチルフェニル)−1−ナフチルアミン、N−フェニル−2−ナフチルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、例えばp,p’−ジ−tert−オクチルジフェニルアミン、4−n−ブチルアミノフェノール、4−ブチリルアミノフェノール、4−ノナノイルアミノフェノール、4−ドデカノイルアミノフェノール、4−オクタデカノイルアミノフェノール、ビス(4−メトキシフェニル)アミン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−ジメチルアミノメチルフェノール、2,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,2−ビス[(2−メチルフェニル)アミノ]エタン、1,2−ビス(フェニルアミノ)プロパン、(o−トリル)ビグアニド、ビス[4−(1’,3’−ジメチルブチル)フェニル]アミン、tert−オクチル化N−フェニル−1−ナフチルアミン、モノアルキル化及びジアルキル化tert−ブチル/tert−オクチルジフェニルアミンの混合物、モノアルキル化及びジアルキル化ノニルジフェニルアミンの混合物、モノアルキル化及びジアルキル化ドデシルジフェニルアミンの混合物、モノアルキル化及びジアルキル化イソプロピル/イソヘキシルジフェニルアミンの混合物、モノアルキル化及びジアルキル化tert−ブチルジフェニルアミンの混合物、2,3−ジヒドロ−3,3−ジメチル−4H−1,4−ベンゾチアジン、フェノチアジン、モノアルキル化及びジアルキル化tert−ブチル/tert−オクチルフェノチアジンの混合物、モノアルキル化及びジアルキル化tert−オクチル−フェノチアジンの混合物、N−アリルフェノチアジン、N,N,N’,N’−テトラフェニル−1,4−ジアミノブト−2−エン。
【0092】
2. UV吸収剤及び光安定剤
2.1. 2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、例えば2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−sec−ブチル−5’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−tert−アミル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ビス−(α,α−ジメチルベンジル)−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)−カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)−フェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3’−ドデシル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニルベンゾトリアゾール、2,2’−メチレン−ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−ベンゾトリアゾール−2−イルフェノール];2−[3’−tert−ブチル−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)−2’−ヒドロキシフェニル]−2H−ベンゾトリアゾールとポリエチレングリコール300とのエステル交換生成物;
【化13】
[式中R=3’−tert−ブチル−4’−ヒドロキシ−5’−2H−ベンゾトリアゾール−2−イルフェニルである]、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(α,α−ジメチルベンジル)−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェニル]ベンゾトリアゾール;2−[2’−ヒドロキシ−3’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−5’−(α,α−ジメチルベンジル)−フェニル]ベンゾトリアゾール。
2.2. 2−ヒドロキシベンゾフェノン、例えば4−ヒドロキシ、4−メトキシ、4−オクチルオキシ、4−デシルオキシ、4−ドデシルオキシ、4−ベンジルオキシ、4,2’,4’−トリヒドロキシ及び2’−ヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ誘導体。
2.3. 置換及び非置換の安息香酸のエステル、例えば4−tert−ブチル−フェニルサリチレート、フェニルサリチレート、オクチルフェニルサリチレート、ジベンゾイルレソルシノール、ビス(4−tert−ブチルベンゾイル)レソルシノール、ベンゾイルレソルシノール、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、オクタデシル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−メチル−4,6−ジ−tert−ブチルフェニル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート。
2.4. アクリレート、例えばエチルα−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、イソオクチルα−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチルα−カルボメトキシシンナメート、メチルα−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメート、ブチルα−シアノ−β−メチル−p−メトキシ−シンナメート、メチルα−カルボメトキシ−p−メトキシシンナメート、N−(β−カルボメトキシ−β−シアノビニル)−2−メチル−インドリン、ネオペンチルテトラ(α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート。
2.5. ニッケル化合物、例えば2,2’−チオ−ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]と、追加の配位子、例えばn−ブチルアミン、トリエタノールアミン又はN−シクロヘキシルジエタノールアミンとの、例えば1:1又は1:2のニッケル錯体又はそれらの配位子を有さないニッケル錯体、4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジルホスホン酸のモノアルキルエステル、例えばメチル又はエチルエステルのニッケル塩、ケトキシム、例えば2−ヒドロキシ−4−メチルフェニルウンデシルケトキシムのニッケル錯体、1−フェニル−4−ラウロイル−5−ヒドロキシピラゾールと追加の配位子との又は追加の配位子を有さないニッケル錯体。
2.6. 立体障害アミン、例えばビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバセート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)スクシネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバセート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−セバセート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)n−ブチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルマロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンとコハク酸の縮合物、N,N’−ビス(2、2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−tert−オクチルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの直鎖又は環状縮合物、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ニトリロトリアセテート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、1,1’−(1,2−エタンジイル)−ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)、4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−2−n−ブチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジル)マロネート、3−n−オクチル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)セバセート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)スクシネート、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−モルホリノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの直鎖又は環状縮合物、2−クロロ−4,6−ビス(4−n−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合物、2−クロロ−4,6−ジ−(4−n−ブチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合物、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、3−ドデシル−1−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、4−ヘキサデシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンと4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの混合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−シクロヘキシルアミノ−2、6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの縮合物、1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンと2,4、6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンとの、及び4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの縮合物(CAS Reg. No. [136504−96−6])、1,6−ヘキサンジアミンと2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンとの、及びΝ,Ν−ジブチルアミンと4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの縮合物(CAS Reg. No. [192268−64−7])、N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、N−(1,2,2,6、6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、2−ウンデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソ−スピロ[4,5]デカン、7,7,9,9−テトラメチル−2−シクロウンデシル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ−[4,5]デカンとエピクロロヒドリンとの反応生成物、1,1−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニル)−2−(4−メトキシフェニル)エテン、N,N’−ビス−ホルミル−N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン、4−メトキシメチレンマロン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ヒドロキシピペリジンとのジエステル、ポリ[メチルプロピル−3−オキシ−4−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)]シロキサン、マレイン酸無水物−α−オレフィンコポリマーと2,2,6,6−テトラメチル−4−アミノピペリジン又は1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−アミノピペリジンとの反応生成物、2,4−ビス[N−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−N−ブチルアミノ]−6−(2−ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジン、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オクタデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、5−(2−エチルヘキサノール)オキシメチル−3,3,5−トリメチル−2−モルホリノン、Sanduvor(Clariant;CAS Reg. No. 106917−31−1)、5−(2−エチルヘキサノイル)オキシメチル−3,3,5−トリメチル−2−モルホリノン、2,4−ビス[(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−ピペリジン−4−イル)ブチルアミノ]−6−クロロ−s−トリアジンとN,N’−ビス(3−アミノプロピル)−エチレンジアミン)との反応生成物、1,3,5−トリス(N−シクロヘキシル−N−(2,2,6,6−テトラメチルピペラジン−3−オン−4−イル)アミノ)−s−トリアジン、1,3,5−トリス(N−シクロヘキシル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペラジン−3−オン−4−イル)アミノ)−s−トリアジン。
2.7. オキサミド、例えば4,4’−ジオクチルオキシオキサニリド、2,2’−ジエトキシオキサニリド、2,2’−ジオクチルオキシ−5,5’−ジ−tert−ブトキサニリド、2,2’−ジドデシルオキシ−5,5’−ジ−tert−ブトキサニリド、2−エトキシ−2’−エチルオキサニリド、N,N’−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)オキサミド、2−エトキシ−5−tert−ブチル−2’−エトキサニリド及びそれと2−エトキシ−2’−エチル−5,4’−ジ−tert−ブトキサニリドとの混合物、o−及びp−メトキシ−二置換オキサニリドの混合物、並びにo−及びp−エトキシ−二置換オキサニリドの混合物。
2.8. 2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、例えば2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−プロピルオキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−トリデシル−オキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ブチルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−オクチルオキシプロピルオキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−(ドデシル−オキシ/トリデシルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシ)フェニル−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス[2−ヒドロキシ−4−(3−ブトキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシフェニル)−4−(4−メトキシフェニル)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2−{2−ヒドロキシ−4−[3−(2−エチルヘキシル−1−オキシ)−2−ヒドロキシプロピルオキシ]−フェニル}−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(4−[2−エチルヘキシルオキシ]−2−ヒドロキシフェニル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン。
【0093】
3. 金属不活性化剤、例えばΝ,Ν’−ジフェニルオキサミド、N−サリチラル−N’−サリチロイルヒドラジン、N,N’−ビス(サリチロイル)ヒドラジン、N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジン、3−サリチロイルアミノ−1,2,4−トリアゾール、ビス(ベンジリデン)オキサルイルジヒドラジド、オキサニリド、イソフタロイルジヒドラジド、セバコイルビスフェニルヒドラジド、Ν,Ν’−ジアセチルアジポイルジヒドラジド、N,N’−ビス(サリチロイル)オキサルイルジヒドラジド、Ν,Ν’−ビス(サリチロイル)チオプロピオニルジヒドラジド。
【0094】
4. ホスフィット及びホスホナイト、例えばトリフェニルホスフィット、ジフェニルアルキルホスフィット、フェニルジアルキルホスフィット、トリス(ノニルフェニル)ホスフィット、トリラウリルホスフィット、トリオクタデシルホスフィット、ジステアリルペンタエリトリトールジホスフィット、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフィット、ジイソデシルペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4−ジ−クミルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ジイソデシルオキシペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4,6−トリス(tert−ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、トリステアリルソルビトールトリホスフィット、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、6−イソオクチルオキシ−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−12H−ジベンズ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)メチルホスフィット、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)エチルホスフィット、6−フルオロ−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−12−メチル−ジベンズ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、2,2’,2’’−ニトリロ[トリエチルトリス(3,3’,5,5’−テトラ−tert−ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスフィット]、2−エチルヘキシル(3,3’,5,5’−テトラ−tert−ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスフィット、5−ブチル−5−エチル−2−(2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノキシ)−1,3,2−ジオキサホスフィラン。
次のホスフィットが特に好ましい:
トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフィット(Irgafos(登録商標)168、Ciba Specialty Chemicals Inc.)、トリス(ノニルフェニル)ホスフィット、
【化14】
【0095】
5. ヒドロキシルアミン、例えばΝ,Ν−ジベンジルヒドロキシルアミン、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、Ν,Ν−ジオクチルヒドロキシルアミン、N,N−ジラウリルヒドロキシルアミン、N,N−ジテトラデシルヒドロキシルアミン、Ν,Ν−ジヘキサデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘキサデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘプタデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、水素化獣脂アミンに由来するΝ,Ν−ジアルキルヒドロキシルアミン。
【0096】
6. ニトロン、例えば、N−ベンジル−アルファ−フェニルニトロン、N−エチル−アルファ−メチルニトロン、N−オクチル−アルファ−ヘプチルニトロン、N−ラウリル−アルファ−ウンデシルニトロン、N−テトラデシル−アルファ−トリデシルニトロン、N−ヘキサデシル−アルファ−ペンタデシルニトロン、N−オクタデシル−アルファ−ヘプタデシルニトロン、N−ヘキサデシル−アルファ−ヘプタデシルニトロン、N−オクタデシル−アルファ−ペンタデシルニトロン、N−ヘプタデシル−アルファ−ヘプタデシルニトロン、N−オクタデシル−アルファ−ヘキサデシルニトロン、水素化獣脂アミンに由来するΝ,Ν−ジアルキルヒドロキシルアミンに由来するニトロン。
【0097】
7. チオ相乗剤、例えばジラウリルチオジプロピオネート、ジミストリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート又はジステアリルジスルフィド。
【0098】
8. ペルオキシド捕捉剤、例えばβ−チオジプロピオン酸のエステル、例えばラウリル、ステアリル、ミリスチル又はトリデシルのエステル、メルカプトベンゾイミダゾール、又は2−メルカプトベンゾイミダゾールの亜鉛塩、亜鉛ジブチルジチオカルバメート、ジオクタデシルジスルフィド、ペンタエリトリトールテトラキス(β−ドデシルメルカプト)プロピオネート。
【0099】
9. ポリアミド安定剤、例えばヨウ化物及び/又はリン化合物と二価マグネシウムの塩との組合せでの銅塩。
【0100】
10. 塩基性補助安定化剤、例えばメラミン、ポリビニルピロリドン、ジシアンジアミド、トリアリルシアヌレート、尿素誘導体、ヒドラジン誘導体、アミン、ポリアミド、ポリウレタン、高級脂肪酸のアルキル金属塩及びアルキル土類金属塩、例えばステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ベヘン酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、リシノール酸ナトリウム及びパルミチン酸カリウム、アンチモンピロカテコレート又は亜鉛ピロカテコレート。
【0101】
11. 成核剤、例えば無機物質、例えば滑石、金属酸化物、例えば二酸化チタン又は酸化マグネシウム、有利にはアルキル土類金属のリン酸塩、炭酸塩又は硫酸塩;有機化合物、例えばモノカルボン酸又はポリカルボン酸及びそれらの塩、例えば4−tert−ブチル安息香酸、アジピン酸、ジフェニル酢酸、コハク酸ナトリウム又は安息香酸ナトリウム;ポリマー化合物、例えばイオンコポリマー(イオノマー)。特に1,3:2,4−ビス(3’,4’−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ジ(パラメチルジベンジリデン)ソルビトール、及び1,3:2,4−ジ(ベンジリデン)ソルビトールが好ましい。
【0102】
12. 充填剤及び補強剤、例えば炭酸カルシウム、シリケート、グラスファイバー、ガラスビーズ、アスベスト、タルク、カオリン、雲母、硫酸バリウム、金属酸化物及び金属水酸化物、カーボンブラック、グラファイト、木粉及び他の天然物の粉又は繊維、合成繊維。
【0103】
13. 他の添加剤、例えば可塑剤、潤滑剤、乳化剤、顔料、レオロジー添加剤、触媒、流量調節剤、蛍光増白剤、防炎加工剤、帯電防止剤及び発泡剤。
【0104】
14. ベンゾフラノン及びインドリノン、例えばU.S. 4,325,863号、U.S. 4,338,244号、U.S. 5,175,312号、U.S. 5,216,052号、U.S. 5,252,643号、DE−A−4316611号、DE−A−4316622号、DE−A−4316876号、EP−A−0589839号、EP−A−0591102号、EP−A−1291384号において開示されているもの、又は3−[4−(2−アセトキシエトキシ)フェニル]−5,7−ジ−tert−ブチルベンゾフラン−2−オン、5,7−ジ−tert−ブチル−3−[4−(2−ステアロイルオキシエトキシ)フェニル]ベンゾフラン−2−オン、3,3’−ビス[5,7−ジ−tert−ブチル−3−(4−[2−ヒドロキシエトキシ]フェニル)ベンゾフラン−2−オン]、5,7−ジ−tert−ブチル−3−(4−エトキシフェニル)ベンゾフラン−2−オン、3−(4−アセトキシ−3,5−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチルベンゾフラン−2−オン、3−(3,5−ジメチル−4−ピバロイルオキシフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチルベンゾフラン−2−オン、3−(3,4−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチルベンゾフラン−2−オン、3−(2,3−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチルベンゾフラン−2−オン、3−(2−アセチル−5−イソオクチルフェニル)−5−イソオクチルベンゾフラン−2−オン。
【0105】
通常の添加剤は、例えば、熱可塑性ポリマーの質量に対して、0.001〜10質量%、有利には0.001〜5質量%の量でポリマー溶融物中に存在する。通常の充填剤又は補強剤は、熱可塑性ポリマーの質量に対して、0.1〜10質量%、有利には1〜5質量%の量で、ある場合においては70質量%までの量で、ポリマー溶融物中に存在してよい。
【0106】
本発明の他の側面は、熱可塑性ポリマーを含む溶融物の流動特性を向上するための、又は熱可塑性ポリマーを含む溶融物の加工助剤としての、前記で定義した櫛形又はブロックコポリマーの使用である。
【0107】
また、本発明の側面は、前記で定義した方法によって得られる物品である。
【0108】
前記で述べた定義及び選択は、本発明の全ての側面のために一様に適用する。
【0109】
次の実施例は、本発明を例証するものである。
【0110】
A)製造例
略語及び試薬:
GPC:ゲル浸透クロマトグラフィー
PS−標準:GPC較正のためのポリスチレン標準
NMR:核磁気共鳴
mbar:ミリバール絶対圧
CFRP:制御ラジカル重合
FRP:ラジカル重合
SC:Halogen dryer Mettler Toledoによる固体含有率測定(150℃で、0.5gの試料)(結果は質量%で得られる)
THF:テトラヒドロフラン
MPA:1−メトキシ−2−プロピルアセテート
MeOH:メタノール
EO:エチレンオキシド
n−BA:n−ブチルアクリレート
PD:多分散性(試料の多分散性は質量平均分子量Mw割るMnとして測定され、かつ分布がどれだけ狭いかの示度を与える)
4VP:4−ビニルピロリドン
MPEG350及び500:Mn350g/モル又はMn500g/モルを有するポリエチレングリコールモノメチルエーテル
【0111】
NOR01:GB 2335190号に従って製造された、NOR開始剤/調節剤
【化15】
【0112】
実施例1:CFRPによる直鎖ポリマーのポリ(nBA)の合成
【化16】
【0113】
磁気撹拌棒、冷却器、温度計、滴下漏斗(150.10gのn−ブチルアクリレート(nBA、128.17g/モル))を備えた3つ口の1000mlの丸底フラスコ中で、8.55gの化合物NOR01(317.48g/モル)及び122.13gのMPAを添加し、N
2/真空で3回脱ガスし、そして135℃でN
2下で、転化が約8モル%に達するまで重合した。338.89gのnBAを、反応物に滴下漏斗でゆっくりと添加し、そして135℃でN
2下で、転化が約48モル%に達するまで重合した。残りのモノマー及び溶剤を、80℃及び12mbarで蒸留した。
【0114】
収率47%、GPC(THF、PS−標準、Mn=7800g/モル、PD=1.27)、液体。
【0115】
1H−NMRによる分析に従って、重合の程度は75である。
【0116】
実施例1の記載と類似の方法で、実施例2〜4を、第1表において示したような組成で製造する。
【0117】
【表1】
【0118】
実施例5:FRPによる直鎖ポリマーのポリ(nBA)の合成
【化17】
【0119】
頭上式プロペラ撹拌機、滴下漏斗、及びドライアイスアセトン冷却を有する蒸留カラムを備えた350mlフラスコを、88.3gのキシレンで満たす。87.7gのnBA中での0.7gのジ−tert−ブチルペルオキシドの混合物を、125℃で135分にわたってキシレンにゆっくりと添加し、その後その反応混合物を125℃で2時間撹拌する。SC=48.9%、Mn=8403g/モル、PD=2.6。
【0120】
実施例6 ポリ(nBA−ブロック−4VP)
【化18】
【0121】
磁気撹拌棒、冷却器、温度計を備えた3つ口の500mlの丸底フラスコ中で、214.2gの実施例1のポリ(nBA)、70.9gの4−ビニルピロリドン及び79.7gのMPAを添加し、N
2/真空で3回脱ガスし、そして125℃でN
2下で8時間重合する。残りのモノマー及び溶剤を、80℃及び12mbarで蒸留する。
【0122】
収率85%、GPC(THF、PS−標準、Mn=8600g/モル、PD=1.24)、液体。
【0123】
1H−NMRに従って、重合の程度は、ポリ(nBA−ブロック−4VP)=75−ブロック−14である。
【0124】
実施例7:ポリ(nBA−コ−アルキル−(EO)n−H)
【化19】
【0125】
頭上式プロペラ撹拌機、ドライアイスアセトン冷却を有する蒸留カラムを備えた350mlフラスコ中で、64.8gの実施例1によるポリ(nBA)及び85.2gのC16H31/C18H35−(EO)80−Hを添加する。3gのLiOMe(MeOH中で10%)の3ポーションを、3.5時間130〜135℃で添加する。形成されたn−ブタノールを、減圧(20mbar)で蒸留する。
【0126】
146.4gのポリ(nBA−コ−C16H31/C18H35−(EO)80−H)を、茶色いロウ状の固体として得る。Mn=11466g/モル、PD=2.2。GPC及び
1H−NMRによる分析は、C16H31/C18H35−(EO)80−Hのほぼ量的な転化を示す。SC=98.3%。
【0127】
実施例8〜13
実施例7の記載と類似の方法で、実施例8〜13を、第2表において示したような組成で製造する。
【0128】
【表2】
【0129】
実施例14:ポリ(nBA−コ−ROH)
【化20】
【0130】
頭上式プロペラ撹拌機、ドライアイスアセトン冷却を有する蒸留カラムを備えた350mlフラスコ中で、80gの実施例1によるポリ(nBA)及び120gのC16−C18直鎖アルコール混合物を添加する。4.3gのLiOMe(MeOH中で10%)の3ポーションを、5時間125〜135℃で添加する。形成されたn−ブタノールを、減圧(20mbar)で蒸留する。
【0131】
139.2gのポリ(nBA−コ−ROH)を、茶色い高粘度材料として得る。Mn=12831g/モル、PD=1.6。GPC及び
1H−NMRによる分析は、アルコールのほぼ量的な転化を示す。SC=98.5%。
【0132】
実施例15〜19
実施例14の記載と類似の方法で、実施例15〜19を、第3表において示したような組成で製造する。
【0133】
【表3】
【0134】
実施例20 ポリ(nBA−コ−MPEG350−コ−R(EO)n)
【化21】
【0135】
頭上式プロペラ撹拌機、ドライアイスアセトン冷却を有する蒸留カラムを備えた600mlフラスコ中で、67.5gの実施例1によるポリ(nBA)、33.8gのMPEG350及び315gのi−C13−(EO)80−Hを添加する。4.5gのLiOtBuを、33.7gのMPEG350中で溶解する。8.4gのMPEG350中で1.1gのLiOtBuの4ポーションを、4時間130〜135℃で添加する。形成されたn−ブタノールを、減圧(20mbar)で蒸留する。
【0136】
421.5gのポリ(nBA−コ−MPEG350−コ−R(EO)n)を、茶色いロウ状の固体として得る。Mn=18417g/モル、PD=1.2。GPC及び
1H−NMRによる分析は、i−C13−(EO)80−H及びMPEG350のほぼ量的な転化を示す。SC=98.2%。
【0137】
実施例21〜25
実施例20の記載と類似の方法で、実施例21〜25を、第4表において示したような組成で製造する。
【0138】
【表4】
【0139】
実施例26〜28 ポリ(nBA−コ−MPEG500−コ−R(EO)n)
実施例20の記載と類似の方法で、実施例26〜28を、第5表において示したような組成で製造する。
【0140】
【化22】
【0141】
【表5】
【0142】
実施例29 ポリ(nBA−コ−ROH−ブロック−4VP)
【化23】
【0143】
頭上式プロペラ撹拌機、ドライアイスアセトン冷却を有する蒸留カラムを備えた200mlフラスコ中を、66.6gの実施例6(MPA中で60質量%)及び63.1gのC18〜C22直鎖アルコール混合物で満たした。その混合物を、110℃で、穏やかな真空下で加熱して、MPAを蒸留した。3回、0.28gのテトライソプロピルオルトチタネート触媒を、その反応混合物に、6時間にわたって125〜145℃の温度で真空で添加した。その反応を、n−ブタノールの蒸留によって確認した。81.5gの茶色い固体ポリマーを得た(79%)。NMR及びGPCデータは、アルコール混合物のほぼ量的な転化を確認した。Mn=17984、PD=1.3。
【0144】
実施例29の記載と類似の方法で、実施例30及び31を、第6表において示したような組成で製造する。
【0145】
【表6】
【0146】
実施例32 ポリ(nBA−コ−i−C13−(EO)80−H)
【化24】
【0147】
頭上式プロペラ撹拌機、ドライアイスアセトン冷却を有する蒸留カラムを備えた100mlフラスコ中で、10.2gの実施例5によるポリ(nBA)、5.0gのMPEG350及び23.3gのi−C13−(EO)80−Hを添加する。その温度を135℃まで上げた。2回、0.11gのLiOtBuを2時間添加し、その後その反応混合物を、3時間より多く、135℃で真空で撹拌させる。
【0148】
27.2gのポリ(nBA−コ−i−C13−(EO)80−H)を、わずかに黄色い固体として得る。Mn=11466g/モル、PD=2.2。GPC及び
1H−NMRによる分析は、i−C13−(EO)80−H及びMPEG350のほぼ量的な転化を示す。
【0149】
B)適用例
一般
実施例のために使用したLLDPEの品種は、特に明記されない限り、190℃/2.16kgでのメルトフロー指数0.7g/10分及び密度925kg/m
3を有するExxonMobil Chemical社製のLLDPEブラウンフィルムグレードLL 1210 XVである。
【0150】
以下の実施例において挙げられた配合表は、常に、BASF SE社製の1500ppm Irganox B900の塩基安定剤を含む。
【0151】
実施例B1:
粉末形での添加剤を、LLDPEマトリックスに添加する。5分間、一定のスクリュー回転速度(50rpm)で、窒素ブランケット下で、実験室スケールの二軸スクリューミニ押出機中で、その生成物を配合する。溶融温度は210℃である。5分後に、その配合力を測定し、そして二軸スクリューミニ押出機の側管を、1400N〜2600Nの種々の固定力で円筒のダイを通してポリマー溶融物を流すために開く。それぞれの力は、剪断速度の上昇と関連がある。
【0152】
5分後に記録された配合力を、一度ブランク生成物で、そして化合物で測定する(同一の基材、添加剤で)。ブランク生成物及と化合物との配合力の差を、パーセンテージで得る。この差は、これらの条件下でポリマー加工助剤(PPA)によって提供された配合エネルギーの低減の根拠を与える。
【0153】
得られた押出物の視覚的な品質を、顕微鏡写真によって評価する。溶融破壊の開始(すなわち、表面粗さの形で見られる場合において溶融破壊が現れる点での力)を、視覚的に評価する。ブランク生成物の開始(2200Nで生じる)と化合物の開始との差は、高い剪断速度に対する溶融破壊の発生の延期に関して、PPA添加剤の効率に対する示度をもたらす。
【0154】
以下の第1表における参考生成物は、フッ化ビニリデン及びヘキサフルオロプロピレンコポリマーにポリエチレングリコールを加えたものに基づく、市販のフルオロエラストマー(Dyneon社製のDynamar
TM FX5920 A)である。結果を第B1表において示す。
【0155】
比較生成物1は、アルコールC16H31/C18H35−(EO)80−Hである。
【0156】
比較生成物2は、アルコールC16H33/C18H35−(EO)80−Hである。
【0157】
比較生成物3は、アルコールi−C13−(EO)40−Hである。
【0158】
比較生成物4は、アルコールi−C13−(EO)80−Hである。
【0159】
【表7】
【0160】
この表は、本発明の生成物の顕著な加工助剤特性を示す。特に、配合力の低減と表面品質の向上(より高い配合力にシフトした溶融破壊の開始)の組合せは、本発明の生成物に適している。これに加えて、押出機は、本発明に関連する生成物で(本発明の場合において、直接、適用例のために使用したものと同様のLLDPEで、それによりブランク生成物の初期高圧までの急速な戻りを記録する)パージすることが、参考生成物で(圧力が低いままであり、かつ高い割合の無機充填剤を含む特定の市販のパージング化合物が使用されるべきである場合に、スクリューを取り外し、別々に砂吹きし、そして筒を慎重に手動で清浄する)パージよりもさらに容易であることが観察される。
【0161】
実施例B2:
ドライブレンドの導入の場合に、その成分を、高速Henschelミキサーで前混合し、そしてドライブレンドを、二軸スクリュー押出機(25mm L/D30 共回転スクリュー、円筒状ダイ)中に供給した。その溶融温度は210℃であり、かつスクリュー回転速度は120rpmである。
【0162】
そのマスターバッチを、研究室スケールの二軸スクリューミニ押出機(50rpm、溶融温度210℃、窒素ブランケット下)で製造し、そしてペレット化した。マスターバッチの添加剤装填は3%である。さらなる工程において、前記マスターバッチ(ペレット)を、タンブルミキサー中でLLDPEペレットと混合し、そして前記と同一の二軸スクリュー押出機(25mm L/D30 共回転スクリュー、円筒状ダイ)中に、対応するドライブレンド化合物と同一のパラメータで供給する。
【0163】
双方の場合において、アンペア数、圧力及びスループットは、それらの結果として生じる特徴のアンペア数/スループット及び圧力/スループットでの出力パラメータである。後者の2つを、第B2表及び第B3表において挙げる。
【0164】
【表8】
【0165】
【表9】
【0166】
実施例B3:
粉末添加剤を、Brabenderニーダーのチャンバー中で溶融したLLDPEに添加した。その温度は200℃であった。前記ニーダーは、窒素ブランケット下で操作した。その混合時間は10分であった。トルクを、全体の時間にわたって記録する。最大のトルク及び対応する方法の終わりの点でのトルクを、次の第B4表において示す。
【0167】
【表10】
【0168】
トルク値を比較する。100%は、ブランクの値である。
100%の最大トルクは、20.8Nmに対応する。
10分後の100%トルクは、15.5Nmに対応する。
配合例20の精製物の添加に対して、LLDPE材料を混練するために必要なトルクは、強く低減された。
【0169】
実施例B4:
ポリマー調合物中でPPAを使用することの可能な結果、すなわち印刷適正、表面処理等に対する可能な影響を評価するために、接触角度測定(水で)での試験の系列を実施する。その生成物を、直接形(DB、すなわち粉末−粉末)で、又はマスターバッチ配合(MB、3%濃度)を介して、PPA導入で押出す。そして、後の工程において、押出されたペレットは押出された吹込フィルムである(ダイ直径6mm、ダイギャップ0.8mm)。接触角度を、フィルの表面(上方及び下方を示す)の双方で測定する。結果を第B5表及び第B6表において示す。
【0170】
【表11】
【0171】
【表12】
【0172】
これらの結果は、本発明に関連する配合例20の生成物が、ブランクLLDPEで又は参考生成物を含む化合物で測定されたものよりも大きい接触角度の差を導かないことを裏付ける。従って、続く表面処理に対する逆効果が、PPAとしての配合例20の生成物の使用で起こらないことが結論づけられる。
【0173】
実施例B5:
生成物を、二軸スクリュー押出機(18mm L/D40 共回転スクリュー)で配合した。化合物の溶融強度を、Rheotens装置(製造業者Goettfert Pruefmaschinen GmbH)で測定した。この装置で、ポリマーストランドを連続して押出し、そして2つの逆回転車輪によって集める。これらの車輪はゆっくり上昇する速度で回転し、そしてポリマーストランドをドローダウンする。そしてこのドローダウンに対する材料の耐性を、アームにおける力の平衡によって測定し、その際そのアーム上に車輪を固定する。これは、伸び線図"ドローダウン速度vの関数としての力F"をもたらす。
【0174】
温度分布は、200/210/205/183℃である。車輪を取り外す加速度は、5mm/s2である。
【0175】
以下の第B7表において、Fが最大の力であり、かつVbが破断点でのドローダウン速度である。図は、5回測定した平均である。
【0176】
【表13】
【0177】
LLDPEにおける配合例20の生成物の1500ppmの存在は、18.5%の溶融強度の増加をもたらす。溶融強度が、吹込フィルム方法中に安定している気泡に質的に関連するために、溶融強度におけるかかる向上は、より安定した吹込フィルム方法を導き、かつより高いスループット又はより一定の吹込フィルムの品質を可能にすべきである。
【0178】
実施例B6:
生成物を配合し、そしてその特性を実施例1におけるように測定した。以下の第B8表における参考生成物は、実施例1と同一の市販のフルオロエラストマー(Dyneon社製のDynamar
TM FX5920)である。
【0179】
この実施例において使用したポリカプロラクトンは、ペレット型で、溶融温度66.9℃(窒素下でのDSC測定、加熱速度10℃/分)を有する市販で得られる品種である。
【0180】
【表14】
【0181】
この実施例において得られた結果は、少なくとも配合力の低減に関する、本発明に関連する生成物と参考のフルオロエラストマー生成物との相乗作用を示す。高い力に対する溶融破壊の開始の延期に関して、この試験の条件下での本発明の生成物の使用は、より滑らかな押出物、すなわち非常に高い力での溶融破壊の開始をもたらす。
【0182】
これに加えて、実施例1におけるように、押出機が、本発明に関連する生成物で(本発明の場合において、直接、適用例のために使用したものと同様のLLDPEで、それによりブランク生成物の初期高圧までの急速な戻りを記録する)パージすることが、参考生成物で(圧力が低いままであり、かつ高い割合の無機充填剤を含む特定の市販のパージング化合物が使用されるべきである場合に、スクリューを取り外し、別々に砂吹きし、そして筒を慎重に手動で清浄する)パージするよりもさらに容易であることが観察される。
【0183】
実施例B7
マスターバッチを、二軸スクリュー押出機(共回転スクリュー)中で高剪断の溶融加工によって製造する。そのマスターバッチは、実施例20からの生成物3%(有効濃度)と、97%Dowlex 2045G(Dow Chemical Company製のLLDPE、190℃、2.16kgでのメルトフロー指数1g/10分、密度920kg/m
3)とからなる。そのマスターバッチを、ExxonMobil Chemica社製のメタロセン−LLDPE(190℃、2.16kgでのメルトフロー指数1g/10分、密度918kg/m
3)に対して3%の濃度で、押出−吹込フィルム装置(スクリュー直径30mm、ダイ直径60mm、ダイギャップ0.4mm)中で添加する。参考として、A. Schulmanからの市販のマスターバッチPolybatch Film AMF−705(LLDPEキャリヤー中でフルオロエラストマーを基礎とするPPA5%からなる)を使用する。押出機の圧力を測定し、そして製造された吹込フィルムの品質を視覚的に評価する。
【0184】
【表15】
rpm=毎分回転数(押出機のスクリューの回転速度)。
【0185】
第B9表において示した結果は、市販のマスターバッチより低い押出圧が、本発明のPPAを含むマスターバッチで得られることを示す。本発明のマスターバッチ中でのPPAの低い有効濃度にもかかわらず、押出圧力は、参考生成物の圧力よりも低く、かつフィルムは、さらに滑らかである(溶融破壊がない)。従って、フィルムの表面品質における向上に加えて、そのフィルムを、より低いエネルギー消費で同一のスループットで、又は同一のエネルギー消費でより高いスループットで得ることができる。