(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記予め決められた閾値は、前記ミラー装置(120、200、400、500)の1つのミラー要素(120a、120b、120c、500a、500b,...)の少なくとも幅に、更に特に該ミラー装置(120、200、400、500)のミラー要素(120a、120b、120c、500a、500b,...)の該幅の値の少なくとも2倍に、更に特に該ミラー装置(120、200、400、500)のミラー要素(120a、120b、120c、500a、500b,...)の該幅の該値の3倍に対応することを特徴とする請求項1に記載の方法。
前記偏光影響構成要素(111、112、113、310、320、411、511)との重なりの程度が100%又はゼロであるミラー要素が、段階a)での前記決定に考慮されないままに留まることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の方法。
段階b)での前記偏光影響構成要素(111、112、113、310、320、411、511)の前記位置の前記変更は、前記ミラー装置(120、200、400、500)上に投影される該偏光影響構成要素(111、112、113、310、320、411、511)の縁部がミラー要素(120a、120b、120c、500a、500b,...)の2つの隣接する行又は列の間に配置されるようにもたらされることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の方法。
段階a)及びb)は、前記偏光影響構成要素(111、112、113、310、320、411、511)の意図された位置に近づけるために繰り返し実施されることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の方法。
前記偏光影響構成要素との重なりの程度が100%又はゼロであるミラー要素500a、500b,...)が、段階b)で前記IPS測定を実施するときに考慮されないままに留まることを特徴とする請求項11に記載の方法。
考慮されないままに留まるこれらのミラー要素(500a、500b,...)で反射された光が、前記瞳平面内の別個の領域の中に又はビームトラップに向けて偏向されることを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の方法。
【背景技術】
【0003】
マイクロリソグラフィは、例えば、集積回路又はLCDのような微細構造化構成要素を生成するのに使用される。マイクロリソグラフィ処理は、照明デバイスと投影レンズとを有するいわゆる投影露光装置において実施される。この場合に、照明装置を用いて照明されるマスク(=レチクル)の像は、マスク構造を基板の感光コーティング上に転写するために、感光層(フォトレジスト)で被覆されて投影レンズの像平面に配置された基板(例えば、シリコンウェーハ)上に投影レンズを用いて投影される。
【0004】
マイクロリソグラフィ投影露光装置の作動中に、定められた照明設定、すなわち、強度分布を照明デバイスの瞳平面に目標を定めて設定しなければならない。この目的のために、回折光学要素(いわゆるDOE)の使用に加えて、例えばWO 2005/026843 A2にミラー装置の使用も開示されている。そのようなミラー装置は、互いに独立して設定することができる多数のマイクロミラーを含む。
【0005】
更に、結像コントラストを最適化するために、照明デバイスにおいて、瞳平面及び/又はレチクル内にターゲット態様で特定の偏光分布を設定するためのいくつかの異なる手法が公知である。特に、高コントラスト結像の目的で、照明デバイスと投影レンズの両方においてタンジェンシャル偏光分布を設定することが公知である。「タンジェンシャル偏光」(又は「TE偏光」)は、個々の直線偏光光線の電界強度ベクトルの振動平面が、光学系軸に向く円の半径に対してほぼ垂直に向けられた偏光分布を意味すると理解される。それとは対照的に、「ラジアル偏光」(又は「TM偏光」)は、個々の直線偏光光線の電界強度ベクトルの振動平面が、光学系軸に対してほぼ半径方向に向けられた偏光分布を意味すると理解される。
【0006】
従来技術に関して、例えば、WO 2005/069081 A2、WO 2005/031467 A2、US 6,191,880 B1、US 2007/0146676 A1、WO 2009/034109 A2、WO 2008/019936 A2、WO 2009/100862 A1、DE 10 2008 009 601 A1、DE 10 2004 011 733 A1、及びUS 2011/0228247 A1を参照されたい。
【0007】
ここで、偏光分布の柔軟な設定に向けて可能な手法は、互いに独立して調節することができる多数のミラー要素を含むミラー装置との組合せで、光伝播方向に対して横断方向に変位可能であるように配置された複数の偏光影響構成要素から構成される偏光影響光学装置を使用することを含む。ここで、ミラー装置のミラー要素の同じく変更可能な設定と共に、偏光影響構成要素によるミラー装置の覆いの程度に基づいて、照明デバイスの瞳平面に異なる偏光分布を柔軟な態様で実現することが可能である。
【0008】
しかし、この手法の場合に、実際に発生する可能性がある課題は、偏光影響装置の1つ又はそれよりも多くの偏光影響構成要素による1つ又はそれよりも多くのミラー要素の不注意な部分的又は完全な覆いがその一例である偏光影響構成要素が正確に位置決めされていない場合に、ミラー装置によって瞳平面に反射された光の成分が、正しくない偏光状態を伴って作動され、従って、瞳平面に得られる偏光分布が、望ましい偏光分布からずれることである。全体として、これは、結像誤差の結果として投影露光装置の性能に対する悪影響とコントラストの損失とをもたらす可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、異なる偏光分布の柔軟な設定をより高い精度で可能にし、かつこれによって誘起される結像誤差を回避するマイクロリソグラフィ投影露光装置の光学系を調節する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的は、独立請求項1の特徴によって達成される。
【0012】
光学系が、ミラー装置によって反射される光の角度分布を変更するために互いに独立して調節することができる複数のミラー要素を有するミラー装置と、少なくとも1つの偏光影響構成要素を有し、偏光影響構成要素とミラー装置の間の重なりの程度をこの偏光影響構成要素を変位させることによって可変に設定することが可能である偏光影響光学装置とを含むマイクロリソグラフィ投影露光装置の光学系を調節するための本発明による方法は、偏光影響構成要素の与えられた実際の位置に対して、各IPS値がミラー装置のそれぞれのミラー要素で反射される光線に対して予め決められた偏光状態の実現の程度を表す投影露光装置の瞳平面内のIPS値の分布を確立する段階と、以前に確立された分布に基づいて偏光影響構成要素の位置を変更する段階とを含む。
【0013】
特に、本発明は、異なる偏光状態の柔軟な設定のためのミラー装置と共に存在する偏光影響光学構成要素を偏光測定に基づいて調節するという着想に基づいており、その結果として、最初に、偏光影響構成要素の位置較正又は位置調節に対しては、典型的に使用することができる偏光影響構成要素に適用される99.9%程度の高い透過度の結果としてそのような較正中に確立される強度差が背景ノイズ程度か又は更にそれよりも低いので、原理的に実現可能でもある透過率測定が直ちに適するわけではないという事実が考慮される。本発明によって実施される偏光測定は、ミラー装置の個々のミラー要素で反射された光線に関するIPS値の分布の決定を更に含み、偏光影響構成要素の実際の位置の実施される変更は、確立されたIPS値から直接に推定される。
【0014】
ここでは、本発明は、特にミラー装置の個々のミラー要素の調節可能性を利用し、IPS値の分布を確立する範囲内で瞳平面に生成されるスポットは、適切な様式で配置することができる。ここで、特に、偏光影響構成要素の縁部領域に存在しないか、又は偏光影響構成要素との100%又はゼロの重なりの程度を有するミラー要素は考慮せず、かつこの目的のために好ましくはこれらのミラー要素を瞳平面内の別個の領域に又はビームトラップに向けることが評価中に可能である。
【0015】
一実施形態により、予め決められた閾値を超える偏光影響構成要素の縁部からの距離を有するミラー要素は、IPS値の分布を決定するときに考慮されないままに留まる。この予め決められた閾値は、特に、少なくともミラー装置の1つのミラー要素の幅、更に特に少なくともミラー装置のミラー要素の幅の値の2倍、更に特にミラー装置のミラー要素の幅の値の3倍に対応することができる。
【0016】
一実施形態により、考慮されないままに留まるミラー要素で反射された光は、瞳平面内の別個の領域の中に又はビームトラップに向けて偏向される。
【0017】
一実施形態により、IPS値の分布は、投影露光装置のレチクル平面に配置された少なくとも1つの偏光測定計器、好ましくは、偏光測定計器のアレイを用いて確立される。そのような偏光測定計器(又は偏光測定計器のアレイ)は、一般的に、いずれにせよその場で(in situ)系内に又は顧客の側に既に存在するので、本発明による較正又は調節は、その場で直接にかつ系の複雑な分解なしに任意的に事前に行うことができる。
【0018】
一実施形態により、偏光影響構成要素の位置の変更は、ミラー装置上に投影される偏光影響構成要素の縁部がミラー要素の2つの隣接する行又は列の間に配置されるようにもたらされる。
【0019】
一実施形態により、IPS値の分布を確立する段階及び確立された分布に基づいて偏光影響構成要素の位置を変更する段階は、偏光影響構成要素の意図された位置に近づけるために繰り返し実施される。
【0020】
一実施形態により、偏光影響構成要素は、λ/2板である。
【0021】
一実施形態により、偏光影響構成要素は、光学活性材料、特に、光伝播方向と平行な光結晶軸方位を有する結晶石英で作られる。
【0022】
更に別の態様により、本発明は、マイクロリソグラフィ投影露光装置の光学系を調節する方法に関し、光学系は、ミラー装置によって反射される光の角度分布を変更するために互いに独立して調節することができる複数のミラー要素を有するミラー装置と、少なくとも1つの偏光影響構成要素を有し、偏光影響構成要素とミラー装置の間の重なりの程度をこの偏光影響構成要素を変位させることによって可変に設定することが可能である偏光影響光学装置とを含み、本方法は、偏光影響構成要素の縁部を光学系のビーム経路の中に配置する段階と、ミラー装置のミラー要素上での反射の後に瞳平面上に入射する光に対してIPS測定を実施する段階と、実施されたIPS測定に基づいて、望ましい偏光分布を生成させるのに要求される偏光影響構成要素の位置変更を確立する段階とを含む。
【0023】
一実施形態により、予め決められた閾値を超える縁部からの距離を有するミラー要素は、IPS測定を実施するときに考慮されないままに留まる。
【0024】
一実施形態により、偏光影響構成要素との重なりの程度が100%又はゼロであるミラー要素は、IPS測定を実施するときに考慮されないままに留まる。
【0025】
一実施形態により、考慮されないままに留まるこれらのミラー要素で反射された光は、瞳平面内の別個の領域の中に又はビームトラップに向けて偏向される。
【0026】
本発明の更に別の実施形態は、以下に続く説明から及び従属請求項から得ることができる。
【0027】
本発明は、好ましい例示的実施形態に基づいてかつ添付図面を参照しながらより詳細に以下に説明する。
【発明を実施するための形態】
【0029】
下記では、
図1を参照して、最初に本発明による光学系を有するマイクロリソグラフィ投影露光装置の基本設計を説明する。投影露光装置は、照明デバイス10と投影レンズ20を有する。照明デバイス10は、例えば、193nmの作動波長のためのArFエキシマレーザと平行光ビームを生成させる光線成形光学ユニットとを含む光源ユニット1からの光で構造担持マスク(レチクル)30を照明するように機能する。一般的に、照明デバイス10及び投影レンズ20は、好ましくは、400nmよりも短く、特に250nmよりも短く、更に特に200nmよりも短い作動波長に向けて設計される。
【0030】
特に、本発明により、互いに独立して設定することができる多数のミラー要素を有するミラー装置120は、照明デバイス10の一部である。光伝播方向にミラー装置120の上流には、
図2及びそれ以降を参照してより詳描に以下に説明する偏光影響光学装置110が配置される。
図1により、偏光影響光学装置110及びミラー装置120に関連付けられ、かつそれぞれ適切なアクチュエータを用いてこれらの調節を可能にする作動ユニット115が更に設けられる。装置を調節するためのアクチュエータは、ベルトドライブ、屈曲要素、圧電アクチュエータ、直線ドライブ、ギアの有無に関わらずDC電流(DC)モータ、スピンドルドライブ、歯付きベルトドライブ、ギアドライブ、又はこれらの公知の構成要素の組合せのような必要とされる限りどのような手法によっても設計することができる。
【0031】
照明デバイス10は、図示の例では取りわけ偏向ミラー12を含む光学ユニット11を有する。光伝播方向に光学ユニット11の下流のビーム経路には、例えば、光混合を提供するのに適切なマイクロ光学要素から構成される装置をそれ自体公知の態様で有することができる光混合デバイス(例示していない)と、同じくレンズ要素群14とが存在し、その下流にはレチクルマスキング系(REMA)を有する視野平面が置かれ、このレチクルマスキング系は、光伝播方向にその下流に配置されたREMAレンズ15により、更に別の視野平面に配置された構造担持マスク(レチクル)30上に結像され、それによってレチクル上の照明領域を区切る。構造担持マスク30は、投影レンズ20により、感光層が設けられた基板40又はウェーハ上に結像される。投影レンズ20は、特に液浸作動に向けて設計することができる。更に、投影レンズ20は、0.85よりも大きい、特に1.1よりも大きい開口数NAを有することができる。
【0032】
図2により、ミラー装置120は、多数のミラー要素120a、120b、120c、...を有する。ミラー要素120a、120b、120c、...は、ミラー装置120によって反射された光の角度分布を変更するために互いに独立して調節可能であり、その目的のために、
図1にあるように、作動ユニット125が機能する。例示的実施形態において、光伝播方向にミラー装置120の上流には、
図1には示していないが、
図2に略示するマイクロレンズ装置105が更に置かれ、マイクロレンズ装置105は、光損失と、個々のミラーの間の領域内での迷光の発生(個々のミラーのブルーミングによる)とを回避するために、ミラー装置のミラー要素上への目標を定めたフォーカスのための多数のマイクロレンズを有する。ミラー要素120a、120b、120c、...は、例えば、−2°から+2°まで、特に−5°から+5°まで、更に特に−10°から+10°までの角度範囲でそれぞれ個々に傾斜させることができる。ミラー装置120内でのミラー要素120a、120b、120c、...の適切な傾斜配置の結果として、事前に均一化されて平行化されたレーザ光が、望ましい照明設定に依存して対応する方向にミラー要素120a、120b、120c、...によってそれぞれ偏向されることにより、瞳平面PP内に望ましい光分布、例えば、環状照明設定又はそうでなければ二重極設定又は四重極設定を形成することができる。
【0033】
図2は、第一に、
図1に関して上述した偏光影響光学装置110とミラー装置120の相互作用を説明するのに役立つ。
【0034】
図2の例示的実施形態において、偏光影響光学装置110は、3つの構成要素を有し、これらの構成要素は、互いに独立して調節することができ、光学活性結晶石英で作られた光学回転子の形態で光伝播方向と垂直にビーム経路にそれぞれ挿入することができ、これらの回転子の各々は、通過する光に対して支配的な(preferred)偏光方向の45°の回転を個々にもたらすものである。その結果、支配的な偏光方向は、光が1つの回転子111、112、又は113だけを通過する場合は45°だけ、光がこれらの回転子111〜113のうちの2つを通過する場合は90°だけ、光が全ての回転子111〜113を通過する場合は135°(又は−45°)だけ回転される。この状況を
図2に示しており、この図では、部分ビームS1〜S4に対して示す双方向矢印は、各々、z方向に見た(xy平面内で観察した場合)支配的な偏光方向を表している。この場合に、部分ビームS1は、回転子111〜113のうちのいずれも通過せず、従って、支配的な偏光方向(この例ではx方向に対応する)は、この部分ビームでは変更されないままに留まる。
【0035】
図2では、マイクロレンズ装置105は、同じく概略的にしか例示しておらず、上述したようにマイクロレンズ装置105は、個々の部分ビームをミラー装置120のミラー要素ミラー要素120a、120b、120c、120d、...上にそれぞれフォーカスさせる。このマイクロレンズ装置105の配置は例示的でしかなく、更に別の例示的実施形態において、マイクロレンズ装置105は、光伝播方向に偏光影響光学装置110の後に又はその下流に配置することができる。
【0036】
偏光影響構成要素111、112、113によるミラー装置120の覆いの程度に基づいて、ミラー装置120のミラー要素120a、120b、120c、...の可変設定との併用で、
図2に記載の設計を用いて照明装置の瞳平面内で異なる偏光分布を柔軟な態様で実現することができる。
【0037】
図3aは、本発明の更に別の実施形態による偏光影響光学装置300の概略図を示している。
図3aにより、偏光影響光学装置300は、λ/2板310、320を含み、これは、互いに部分的に重なり、かつ望ましい作動波長で十分に高い透過性を有する適切な複屈折材料、例えば、フッ化マグネシウム(MgF
2)、サファイア(Al
2O
3)、又は結晶石英(SiO
2)でそれぞれ作られる。更に、本発明を限定することなく、λ/2板310、320は、それぞれ、ミラー装置200の幾何学形状に適合する矩形幾何学形状を有する。
【0038】
同じく
図3aは、y方向に延びる一定の支配的な偏光方向Pを有する直線偏光光の入射の場合に、光が偏光影響光学装置300を通過した後にそれぞれ生じる支配的な偏光方向を示している。この場合に、それぞれ生じる支配的な偏光方向は、第1の非重ね合わせ領域「B−1」(すなわち、第1のλ/2板310だけによって覆われる領域)に対してP’で、第2の非重ね合わせ領域「B−2」(すなわち、第2のλ/2板320だけによって覆われる領域)に対してP’’で、かつ重ね合わせ領域「A」(すなわち、第1のλ/2板310と第2のλ/2板320の両方によって覆われる領域)に対してP’’’で表記している。それぞれの支配的な偏光方向が上述の領域内で如何にして生じるかを
図3b〜
図3eに略示しており、これらの図では、複屈折速軸(高い屈折率の方向に延びる)のそれぞれの位置を第1のλ/2板310に対して点線「fa−1」で、第2のλ/2板320に対して点線「fa−2」に示している。例示的実施形態において、第1のλ/2板310の複屈折の速軸「fa−1」は、装置300上に入射する光の支配的な偏光方向Pに対して(すなわち、y方向に対して)22.5°±2°の角度で延び、第2のλ/2板320の複屈折の速軸「fa−2」は、装置300上に入射する光ビームの支配的な偏光方向Pに対して−22.5°±2°の角度で延びている。
【0039】
光が第1のλ/2板310を通過した後に出現する支配的な偏光方向P’は、速軸「fa−1」上での元の(入力)支配的な偏光方向Pの鏡像反転に対応し(
図3bを参照されたい)、第2のλ/2板320を通過した後に出現する支配的な偏光方向P’’は、速軸「fa−2」上での元の(入力)支配的な偏光方向Pの鏡像反転に対応する(
図3cを参照されたい)。従って、光が非重ね合わせ領域「B−1」及び「B−2」を通過した後に生じる支配的な偏光方向P’及びP’’は、装置300上に入射する光ビームの支配的な偏光方向Pに対して±45°の角度で延びている。重ね合わせ領域「A」内で装置300上に入射する光ビームに関して、第1のλ/2板310から射出する光ビームの支配的な偏光方向P’(
図3dを参照されたい)が、第2のλ/2板320上に入射する光ビームの入力偏光分布に対応し、従って、
図3eにP’’’で表す重ね合わせ領域「A」から射出する光ビームの支配的な偏光方向が、装置300上に入射する光ビームの支配的な偏光方向Pに対して90°の角度で延びることが当てはまる。
【0040】
下記においてかつ
図4を参照して、偏光の柔軟な設定のための上述の手法において実際に発生する本発明によって取り扱われる課題を最初に説明する。
【0041】
図4は、順に最初に、光伝播方向にミラー装置400の前にある偏光影響光学装置410の偏光影響構成要素411の配置を示している。一例として、この構成要素411は、
図2に記載の偏光影響光学装置110の回転子111、112、113のうちの1つ、又はそうでなければ
図3に記載のλ/2板310、320のうちの1つとすることができる。
【0042】
ここで、
図4では、構成要素411は、ミラー装置400に対して正確に位置決めされておらず、すなわち、構成要素411のその意図された位置に対する実際の位置のずれが存在する状況を仮定している。
図4に示すように、意図された位置からの実際の位置のこのずれにより、構成要素411を通過する光の「正しくない」偏光状態が、ある領域(
図4に「X」で表した網掛け領域)内に設定されることになり、これは、次に、望ましい偏光状態の実施の程度を特徴付けるIPS値の望ましくない低下をもたらす。
【0043】
ここで、本発明は、特に、
図2〜
図4に対して利用されている偏光影響光学装置の(すなわち、回転子111、112、113又はλ/2板310、320の)構成要素の透過率は、典型的に例えば99.9%程度のものとすることができるので、上述の位置決め誤差(すなわち、構成要素411の意図された位置に対する実際の位置のずれ)の精密な決定は、透過率測定を用いては容易に行うことができないという着想から出発する。
【0044】
本発明により、透過率測定の代わりに、
図4の配置によって設定される偏光自体の測定があり、その目的のために、適切な偏光測定計器が使用される。
【0045】
図5a−5bは、この偏光測定に対して本発明に従って使用される原理を説明するのに役立つ。ここでは、ミラー装置500の個々のミラー要素500a、500b、...で反射された光は、各場合に個別に瞳平面内に偏向され(
図5bに示す)、各個々のミラー要素500a、500b、...は、偏光影響光学ユニットを経てこのミラー要素で反射された光線に関する偏光状態に関して測定することができる。言い換えれば、
図5a−5bにより、瞳平面内へのミラー要素500a、500b、...のそれぞれ個別の結像が存在し、本発明による測定を用いてそれぞれのミラー要素で反射される光の偏光状態が確立される。
【0046】
特に、上述の偏光測定を実施するために、実際のリソグラフィ工程に使用され、かつ結像される構造を有するレチクル又はマスクを使用する代わりに、アレイ(「偏光レチクル」とも呼ぶ場合もある)、すなわち、偏光測定計器又は偏光分析構成要素の行列形の配置を使用することがここで可能であり、これらの偏光測定計器の各々は、λ/4板、偏光ビームスプリッターキューブ、及び感光検出器から作られ、3つの上述の構成要素は、光伝播方向に互いに直接に続いている。適切な偏光測定計器又は偏光分析構成要素の例示的実施形態に関しては、US 2011/0032502 A1(そこの
図4参照)、US 2010/0208264 A1(そこの
図6参照)、及びWO 2007/033710 A1(そこの
図8参照)を例示的様式で参照されたい。
【0047】
ここでは、この行列形配置の個々のλ/4板は、それぞれの複屈折速軸の位置合わせに関して互いに異なり、従って、光伝播方向に対して垂直な関連平面内で行列形配置を変位させることにより、それぞれ関連付けられた偏光ビームスプリッターキューブ及びそれぞれ関連付けられた感光検出器と共に別のλ/4板を光路に配置することができる。言い換えれば、記載した偏光測定計器の行列形配置を変位させることにより、複屈折速軸方位に関して隣接する(例えば、以前に使用された)λ/4板に対して予め決められた角度だけ回転されたλ/4板を光路に位置決めすることがそれぞれ可能である。
【0048】
本発明は、偏光測定計器アレイの上述の実施形態の使用に限定されない。更に別の実施形態において、上述の実施形態では各偏光測定計器の感光検出器によって実施された強度測定は、ウェーハ平面上で実施することも可能であり、この場合に、レチクル平面内の行列形配置は、それぞれ関連付けられた偏光ビームスプリッターキューブを有するλ/4板を単に含む。
【0049】
上述の行列形配置の偏光測定計器内の異なる向きのλ/4板は、調整された強度信号をもたらし、この信号から、次に、フーリエ変換を用いて入射光のストークスベクトルを確立することが可能である。
【0050】
以上により、本発明は、特に、照明装置内での柔軟な設定のために使用される偏光影響光学装置の設置及び較正を系の複雑な分解なしに直接その場で又は顧客によって実施することができる点で有利である。すなわち、本発明により、例えば、投影露光装置の使用中に又は顧客によってその場でのいかなる場合にも多くの場合に利用可能である「偏光レチクル」又は上述の設計による偏光測定計器の配置は、偏光の柔軟な設定のために利用可能な構成要素、すなわち、互いに独立して調節することができるミラー要素のミラー装置との組合せにある偏光影響光学装置の較正を行う目的に使用することが可能である。
【0051】
再度
図5a−5bを参照すると、特定の例示的実施形態において、ミラー装置500を覆う偏光影響光学装置510の構成要素511の縁部又は境界の近くに置かれていない個々のミラー要素500a、500b、...は、ここで瞳平面内の環状領域「C」に向けられる(ここでは、関連のミラー要素500a、500b、...を用いたいわゆる「環状」照明設定の発生と同等である)。
図5bは、瞳平面にわたるIPS値又はその分布を測定した結果を瞳座標内に例示している。
【0052】
ここでは、例示的実施形態における偏光影響光学装置510の構成要素511は、そこを通過する光の偏光方向の45°の偏光回転角の回転をもたらし、その目的で、それは、例えば、
図2の例示的実施形態と同様に、光伝播方向に向く光結晶軸を有する適切な厚みの光学活性結晶石英で作ることができる。更に別の例示的実施形態において、偏光影響光学装置500の構成要素511は、例えば、複屈折速軸方位が入射光の入力偏光に対して22.5°の角度に定められたλ/2板とすることができる。
【0053】
更に、
図5a−5bの例では、IPS値がそれに基づく支配的な偏光状態は、「y偏光」(図示の座標系に対する)として選択され、このy偏光は、ミラー装置500の偏光影響光学装置510の構成要素511によって覆われていないミラー要素において得られるものである。それとは対照的に、偏光影響光学装置510の構成要素511による重ね合わせの結果としてy軸に対して45°の偏光回転を受ける光成分では、又はミラー装置500の対応するミラーでは、0.5というIPS値がもたらされる(いわば、この光のうちの半分がx偏光を有し、もう半分がy偏光を有するので)。
【0054】
上述したように、構成要素511の縁部の領域の中に位置していない全てのミラー要素は、
図5a−5bにより、これらのミラー要素で反射された光が、この例では瞳平面内の領域「C」内に偏向されるように傾斜される。いわば、この領域「C」は、関連の偏光影響構成要素511によって全く覆われていないか又は完全に覆われているので、この時点では本発明による較正に対して重要ではないか又は無関係のミラー要素(又はそこで反射される光線)のための「駐車位置(park position)」を含む。
【0055】
それとは対照的に、本発明による較正に関連するのは、偏光影響光学装置510の構成要素511の縁部の領域の中に位置するミラー要素であり、
図5a−5bに記載のこの特定例の場合には、これらのミラー要素は、ミラー装置500の
図5aに記載の2つの中心列「Sp20」及び「Sp21」内に位置するミラー要素である。これらの最後に示した列「Sp20」及び「Sp21」内のミラー要素は、この時点で瞳平面内で縁部領域「C」内に位置する領域に個々に向けられる。
【0056】
その結果、ミラー装置500のそれぞれ1つの関連のミラー要素と瞳平面内の点との間に正確な関連付けが存在する。一例として、
図5a内の列「Sp21」の最も上のミラーは、
図5bに記載の瞳平面の領域「C」内の右下の位置で得られる照明スポットに対応し、以降も同じく対応する。このミラー要素に対しては100%のIPS値がもたらされ、これは、このミラー要素が、偏光影響光学装置510の構成要素511によって全く覆われないことを示している(すなわち、このミラー要素が、偏光影響構成要素511とゼロという重なりの程度を有する)。ミラー装置500の第2のミラー要素に対しても同一の結果が現れるが、ミラー装置500の上から見て第3のミラー要素に対しては、変更されたIPS値が得られ、この変更されたIPS値は、構成要素511によるこのミラー要素の部分的な覆いを示し(すなわち、偏光影響構成要素511によるゼロよりも高く、1よりも低い重なりの程度)、それに続くミラー要素においては、このずれは、構成要素511による覆いが増大するときに更に増大する。
【0057】
ミラー装置500の構成要素511によって完全に覆われている構成要素511の縁部領域内のミラー要素(
図5aに記載のミラー装置500の列「Sp20」内の2つの左下のミラー要素)から、構成要素511による部分的な覆いしか存在せず、かつそれに応じて完全に覆われたミラー要素において得られる0.5という値と比較したIPS値変更が存在するミラー要素までの遷移に対して何らかの類似のことが当てはまる。
【0058】
本発明により、ミラー装置500に対する構成要素511の異なる位置又は回転角に対して、各場合に
図5bと類似のそれに関連付けられるIPS分布を確立することがここで可能である。こうして得られたIPS分布を評価することにより、ミラー装置500に対する構成要素511の各対応する位置において、ミラー装置500の個々のミラー要素が構成要素511によってそれぞれ覆われる範囲を確立することがここで可能である。
【0059】
言い換えれば、ミラー装置500に対する構成要素511の特定の位置に対して測定されたIPS分布から時計回りに5°の回転角が現れた場合には、構成要素511を反時計回りに等しい角度だけ回転させることによって調節を実施することが次に可能である。正しくない回転(Rz自由度に対応する)のそのような補正と類似の様式で、偏光影響構成要素511の正しくない変位(自由度x、すなわち、x方向の変位にほぼ対応する)を確立して補正することができる。
【0060】
較正のための上述の方法の範囲では、瞳平面内のIPS値の分布を決定するときに、最初から偏光影響光学装置の関連偏光影響構成要素の縁部の領域の中に位置するミラー要素しか使用されず、それに対してこの縁部から離れて位置するミラー要素は、IPS評価中に最初から考慮に入れない領域に向けられるので、特に上述のミラー要素のそれぞれの設定は、好ましい様式又は熟練した様式で選択される。
【0061】
IPS評価中に考慮に入れない領域は、これに代えて瞳平面の縁部領域(
図5a−5bの例の場合と類似の)又はそうでなければ系の外側の「捕捉領域」(例えば、較正に「必要とされない」対応するミラー要素からの光に対する絞り又はビームトラップの形態にある)のいずれかとすることができる。
【0062】
言い換えれば、本発明により、瞳平面内のある領域は、偏光影響光学装置の本発明による較正又は調節に対して「重要な」(偏光影響光学装置のそれぞれの構成要素の縁部領域の中に位置することで)ミラー装置のミラー要素を用いてしか照明されない。
【0063】
実際の調節の目的に対して、偏光影響光学装置の関連構成要素は、予め決められた開始又は当接位置からビーム経路に段階的に導入されるか、又は意図された位置の近くに置かれると予想される推定開始位置内に最初から配置されるかのいずれかとすることができる。その上で、構成要素のこの位置において得られるIPS分布の上述の決定を用いて、可能な、正しくない位置を確立し、それを構成要素の適切な変位及び/又は回転を用いて補正することができる。特に、このIPS分布を確立するときには、次に、近くに配置された(例えば、構成要素の縁部の意図された位置の周りでミラー要素の幅だけ左右に)ミラー要素のみが使用される。
【0064】
上述したミラー装置に対する関連偏光影響構成要素の異なる回転角の連続設定に対する代わりとして、IPS分布の「1回」測定(すなわち、構成要素の縁部領域内の構成要素の特定の位置に配置された各ミラー要素に対してそれぞれ1つのIPS値を測定することによる)に基づいて、偏光影響構成要素の回転(自由度Rzに対応する)に関する現在の正しくない向きを線形回帰を用いて確立することができ、各場合に、構成要素を回転させる時に隣接するミラー要素の間の移行において得られるIPS値の線形の増大又は低下が数学的に評価されて対応する勾配が得られ、その後にそれに応じて補正される。
【0065】
本発明により、照明デバイス内の偏光分布の柔軟な設定に向けて偏光影響光学装置と関連して使用されるミラー装置の個々のミラー要素を互いに独立して調節するか又は傾斜させることができ、すなわち、それによって瞳平面内でのこれらのミラー要素の対応する位置合わせを用いてそれぞれのミラー要素において得られる偏光状態が個々に観察されて評価され(IPS値に関して)、この場合、この観察及び評価は、ミラー要素の部分集合に、すなわち、偏光影響光学装置の偏光影響構成要素の縁部領域の中に位置し、従って、較正に対して「重要な」又はそれに関連するミラー要素に限定することができるということが特に利用される。言い換えれば、本発明は、偏光状態の柔軟な設定に向けて使用されるミラー装置を有する装置内で、IPS値がミラー要素分解又はチャネル分解様式で評価され、このIPS値を較正及び調節に向けて使用することができるという事実を利用する。
【0066】
以下では、本発明による対応する調節概念を
図6a−6c、
図7a−7c、及び
図8a−8bを参照して説明する。
【0067】
再度
図5a−5bを参照すると、偏光影響構成要素511の縁部は、この縁部が、ミラー装置500のミラー要素の2つの隣接列(
図5aの列20及び21)の間の境界を中心として位置決めされるように、この調節中に図示の座標系のy方向に変位されることになる。更に、縁部の領域の中に位置する列20及び21の領域の中に位置する対応するミラー要素は、瞳平面に生成される対応するスポットが、ミラー装置500の2つの列20及び21の関連付けられたミラー要素と同じ配置で存在するように、瞳平面(
図5bに示す)内で位置合わせされる。それとは対照的に、列19、22のような内部のミラー要素(偏光影響光学装置の構成要素511によって全く覆われないか又は完全に覆われるかのいずれかである)は、較正中に考慮されないままに留めることができ、例えば、瞳平面の外縁領域に向けるか、又は結像ビーム経路の外側に配置されたビームトラップに向けることができる。
【0068】
言い換えれば、本発明による較正中に、偏光影響光学装置の調節される対応する構成要素の縁部領域の中に位置する各ミラー要素は、初めは瞳平面に単一のスポットを生成させるのに使用される。
【0069】
図6bにより、この工程において、ミラー装置の偏光影響光学装置の構成要素511によって覆われた列20内のミラー要素によって生成されるスポットは、瞳平面に描かれた網掛け線の左に位置し、それに対してミラー装置の偏光影響光学装置の構成要素511によって覆われていない列21内のミラー要素によって生成されるスポットは、瞳平面内で網掛け線の右に配置される。
【0070】
次の段階では、
図6b−6cに示すように、ミラー装置の列20内のミラー要素によって生成されるスポットとミラー装置500の列21内のミラー要素によって生成されるスポットとの両方に対して、この時点でこれらのスポットのIPS値が積分され、それによって
図6cに示す図におけるデータ点がそれぞれもたらされる。
【0071】
次の段階では、予め決められた経路間隔(例えば、Δy=5μm)にわたるミラー装置500を覆う偏光影響光学装置の構成要素511のy方向の変位がこの時点で存在する。この変位が、
図6aの左(すなわち、正のy方向)へのものである場合には、ミラー装置500の列21内のミラー要素に対して得られるIPS値のその後のアナログ積分中に、構成要素511は、この場合に列21の対応するミラー要素を覆ってより広い範囲のところで止まる場合には積分される(IPS)値が低下し、それに対して、ミラー装置500の列20内に位置するミラー要素に対する積分によって得られる相応に積分された(IPS)値は低下する。
【0072】
ミラー装置500を覆う偏光影響光学装置の構成要素511の段階的前方変位により、最終的に、
図6cに示す全体的な図が得られる。ここで、偏光影響光学装置の構成要素511の理想的な縁部位置は、
図6cの図内の2つの曲線が互いに交差する構成要素511又はその縁部530のy位置にあると仮定することができ、これは、この場合に調節される対応する構成要素511の縁部がミラー装置500の列20、21を正確に中心で覆うように位置決めされることによる。
【0073】
偏光影響光学装置の構成要素511の上述のy方向の位置決めに加えて、今度はRzの向きが更に別の段階で設定され、すなわち、設定されるものは、構成要素がz軸の回り(Rz自由度)に望ましくない具合に回転されないような構成要素の配置である。この段階は、
図7a−7cを参照して以下に説明する。この場合、最初に、y方向の変位の自由度に関して、偏光影響光学装置の構成要素511の最適な位置が上述したように見出されており、かつ設定されていると仮定する。
【0074】
ここで、
図7a−7cにより、Rzの向きを測定又は最適化するために、最初に、ミラー装置700の各個々のミラー要素を用いて、構成要素711の縁部領域の中に位置するミラー要素に対する個々の分離した照明スポットが瞳平面に生成され、個々のスポットに関連付けられたIPS値が測定される。しかし、
図6a−6cに基づいて記載した手順とは対照的に、ここでは、この測定にはこうして確立されたIPS値の積分が続かず、個々のスポットのIPS値が図内に直接にプロットされる(
図7cに示すように)。
【0075】
図7cによるこの図におけるプロフィールの観察は、ミラー装置700の列21のミラー要素に対する偏光影響光学装置の構成要素711の「投影」の増大に関連付けられたIPS値の線形の低下を示し、それに対して、ミラー装置700の列20のミラー要素(偏光影響光学装置の構成要素711によって覆われる)に対しては、IPS値の対応する線形の増大がある。
【0076】
本発明により、偏光影響光学装置の構成要素が回転される(自由度Rzに関して)角度は、
図7cの図に示す直線の勾配からこの時点で計算される。ここで、個々のミラー要素の幅が既知である場合には、偏光影響光学装置の構成要素711がz軸の回りに回転される角度は、直線のこの勾配から計算される。z軸の回りの対応する回転では、Rz=arctan(m)が適用され、ここで、mは、この直線の勾配を表している。
【0077】
従って、
図7b−7cに従って、ミラー装置700の列20、21内のミラー要素によって瞳平面にそれぞれ生成されるスポットに関するそれぞれ1回だけのIPS測定から、最終的に偏光影響光学装置の構成要素711をミラー装置700の列20、21の間の移行領域に対して正確に平行に位置決めするために、この構成要素711をz軸の回りに回転させなければならない必要回転角を予め確立することができる。
図8a−8bは、上述の調節の前の状況(
図8a)及びその後の状況(
図8b)に対して得られたIPS分布の比較を示している。
【0078】
本発明を特定の実施形態に基づいて記載したが、当業者には、例えば、個々の実施形態の特徴の組合せ及び/又は交換によって多くの変形及び代替実施形態が明らかである。従って、当業者に対しては、そのような変形及び代替実施形態が本発明によって関連的に包含され、本発明の範囲が添付の特許請求の範囲及びその均等物の意味の範囲でのみ限定されることは言うまでもない。