(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、
上述の問題を解決するためになされたもので、ボンディングストレスに耐える十分な機械的支持を有するボンディングパッドを備えた集積回路、裏面照射型(BSI)イメージセンサーと表面照射型(FSI)イメージセンサーを提供
することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、本発明の多くの異なる実施例を提供する。一実施例において、本開示は、ボンディングパッド領域と非ボンディングパッド領域とを有する基板を備えた集積回路を記載する。“大ビア(big via)”と称される比較的大きいビアが、ボンディング領域の基板上に形成される。大ビアは、基板向きの上面図にて、第一寸法(dimension)を有する。一実施例において、第一寸法は、約30um〜約200umの範囲にある。集積回路はまた、非ボンディング領域の基板上に形成された複数のビアを有する。複数のビアは、それぞれ、上面図にて、第二寸法を有し、第二寸法は、第一寸法より相当(substantially)小さい。一実施例において、第二寸法は、約0.1um〜約0.5umの範囲である。
【0006】
別の実施例において、本開示は、裏面照射型イメージ(BSI)センサーを記載し、ボンディング領域と非ボンディング領域を有し、且つ、表面と裏面を有する基板からなる。第一導電線が、ボンディング領域の基板の表面にあり、第二導電線が、非ボンディング領域の基板の表面にある。裏面照射型イメージ(BSI)センサーは、第一導電線上に、第一直径を有する第一ビアと、第二導電線上に、第二直径を有する第二ビアとを有する。第一直径は、第二直径より相当大きい。従って、基板はその表面に接合されてもよい。
より詳しくは、裏面照射型(BSI)イメージセンサーは、ボンディングパッド領域と、周辺領域と画素領域を有する非ボンディングパッド領域を有し、且つ、表面と裏面を有する第一基板と、ボンディングパッド領域の第一基板の表面の第一導電線
であって、この第一導電線は、ボンディングパッドであることと、非ボンディングパッド領域の第一基板の前記表面の第二導電線と、第一導電線上に、第一直径を有する第一ビア
であって、第一導電線のサイズは、前記第一ビアに十分に近いことと、第二導電線上に、それぞれが第二直径を有する複数の第二ビアと、を備え、第一直径は、第二直径よ
り大きく、且つ、複数の第二ビアは、非ボンディングパッド領域の周辺領域と画素領域における基板上に形成され
、且つ、第一ビアと第二ビアは、当該BSIイメージセンサーの表面上に形成された誘電層に形成された開口に充填された導電材料から構成される。
【0007】
別の実施例において、本開示は、ボンディング領域と非ボンディング領域を記載し、且つ、表面と裏面を有する基板からなる表面照射型(FSI)イメージセンサーを記載する。第一導電線が、ボンディング領域の基板の表面にあり、第二導電線が、非ボンディング領域の基板の表面にある。表面照射型イメージ(FSI)センサーは、第一導電線上に、第一直径を有する第一ビアと、第二導電線上に、第二直径を有する第二ビアとを有する。第一直径は、第二直径より相当大きい。FSIセンサーは、第一ビア上に形成され、ボンディングワイヤを収容するよう適応した第三導電線を有する。
【0008】
別の実施例において、半導体装置の製造方法が開示される。この方法は、基板を提供するステップと、基板上に、第一、及び、第二導電線を形成するステップと、からなる。第一、第二導電線は、それぞれ、半導体装置のボンディング領域と非ボンディング領域に形成される。第一幅を有する第一ビアは、第一導電線上に形成され、第二幅を有する第二ビアは、第二導電線上に形成される。第一幅は、第二幅の各側につき約2umよりも相当大きい。本方法は、更に、第一ビア上に第三導電線を形成するステップを含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、
ボンディングストレスに耐える十分な機械的支持を有するボンディングパッドを提供し得るので、ワイヤがパッドにスタックされない問題、ワイヤボンディング剥離、層間誘電体亀裂等の現有の装置に存在する問題が解決される。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の開示は、多くの異なる実施例や範例(example)を提供し、各実施例の異なる特徴を実施するのに用いられることが理解できる。以下で開示される内容は、各素子とその配置方式の特定範例を描写し、本発明の説明を簡潔にする。もちろん、これらの特定の範例は、本発明を限定するものではない。例えば、本明細書の以下の開示内容が、第一特徴が第二特徴の上、或いは上方に形成されると描写される場合、即ち、形成される第一特徴と第二特徴は、直接コンタクトの実施例を含むことを示し、別の特徴が、第一特徴と第二特徴の間に形成されて、第一特徴と第二特徴が直接コンタクトしない実施例も含む。この他、本発明の説明中、異なる範例は、重複した符号、及び/又は、用語を使用する。これらの重複した符号、或いは、用語は、目的を簡潔、且つ、はっきりとさせるためのもので、各実施例、及び/又は、外観構造の間の関係を限定するものではない。
【0012】
本発明の一つ以上の実施例から利益を得ることができる装置の範例は、イメージセンサーを有する半導体装置である。このような装置のさらなる範例は、裏面照射型(BSI)イメージセンサー装置、及び、表面照射型(FSI)イメージセンサー装置である。以下の開示は、これらの範例に対して本発明の各種実施例を示し続ける。しかしながら、特別に請求されない限り、本発明は、特定の装置のタイプに限定されないことが理解されよう。
【0013】
図1を参照すると、BSIイメージセンサー装置、或いは、FSIイメージセンサー装置等の半導体装置に、ボンディングパッドを形成する方法11が説明される。方法11は、ステップS13から開始され、基板32が提供される。方法11はステップS15に続いて、金属層が形成される。金属層は、ボンディングパッド領域の基板上に形成される第一金属線、及び、非ボンディングパッド領域の基板上に形成される第二金属線、からなる。ボンディングパッド領域は、非ボンディングパッド領域とは異なる。方法11はステップS17に続いて、大ビアが形成される。大ビアは、第一幅を有し、第一金属線上に形成される。また、第二幅を有する小型ビアが、第二金属線上に形成される。第一幅は、第二幅より相当大きい。方法11はステップS19に続いて、バックエンドプロセスが実行される。バックエンドプロセスは、ボンディングパッドに、ボールをワイヤボンディングするステップを含み、ボンディングパッドは、大ビア上に位置する。方法11は、
図2〜
図9に関連して下記に論じられるように、BSIイメージセンサー装置に対して実行される。方法11はまた、
図10〜
図13に関連してさらに下記に論じられるように、FSIイメージセンサー装置に対しても実行される。
【0014】
図2を参照すると、BSIイメージセンサー装置30は、装置基板32を有する。装置基板32は、例えば、ボロン等のp型ドーパントがドープされたシリコン基板(例えば、p型基板)である。あるいはまた、装置基板32は、別の適当な半導体材料とすることができる。例えば、装置基板32は、リン(phosphorous)か砒素(arsenic)等のn型ドーパントがドープされるシリコン基板(n型基板)であってもよい。装置基板32は、ゲルマニウムとダイアモンド等の他の元素半導体(elementary semiconductor)を含むことができる。装置基板32は、随意で、化合物半導体(compound semiconductor)、及び/又は、合金半導体(alloy semiconductor)を含むことができる。更に、装置基板32は、エピタキシャル層(epitaxial layer)(エピ層)を有することができ、性能向上のため歪みを与えてもよく、且つ、シリコン・オン・インシュレータ(silicon-on-insulator、SOI)構造を含んでもよい。
図2を参照すると、装置基板32は、表面34と裏面36を有する。装置基板32は、約100ミクロン(um)〜約3000umの範囲にある初期厚さ(initial thickness)38を有する。本実施例において、初期厚さ38は、約750umである。
【0015】
放射線感知領域、例えば、画素40と42が、装置基板32に形成される。画素40と42は、装置基板32の裏面36の方に投影される入射光43(以下、光43と称される)等の放射線を感知するよう動作可能である。画素40と42はそれぞれ、本実施例にて、フォトダイオードを含む。別の実施例では、画素40と42は、ピン層(pinned layer)フォトダイオード、フォトゲート、リセットトランジスタ、ソースフォロワートランジスタ、トランスファートランジスタを含んでもよい。更に、画素40と42は互いに変化して、異なる接合深さ、厚さ等を有してもよい。図を簡潔にするため、
図2で、二画素40と42だけが示されているが、装置基板32にて、いかなる数の放射線感知領域も実現しうることは理解される。
図2を参照すると、画素40と42は、装置基板32に注入プロセス46を実行することにより、装置基板32上に形成される。注入プロセス46は、ボロン等のp型ドーパントを装置基板32にドープするステップを含む。別の実施例において、注入プロセス46は、リン(phosphorous)か砒素(arsenic)等のn型ドーパントを装置基板32にドープするステップを含んでもよい。
【0016】
図2を参照すると、装置基板32は、分離構造、例えば、分離構造47、49を有し、画素40と42間に、電気的および光学的分離を提供する。分離構造47と49は、酸化ケイ素や窒化ケイ素等の誘電材料からなるシャロートレンチアイソレーション(浅溝分離)(shallow trench isolation、STI)構造を有する。他の実施例において、分離構造47と49は、重ドープn型領域等のドープ分離特徴を有してもよい。図を簡潔にするため、
図2で、二個の分離構造47と49だけが示されているが、装置基板32に、いかなる数の分離構造も実現しうることは理解され、画素40と42等の放射線感知領域は、適当に分離することができる。
【0017】
図2を参照すると、画素40と42、及び分離構造47と49が、BSIイメージセンサー装置30の画素領域52と称するBSIイメージセンサー装置30の領域に形成される。イメージセンサー30は、周辺領域54とボンディングパッド領域56も有する。
図2の点線は、領域52、54、及び、56の境界を示す。画素領域52と周辺領域54は、また、非ボンディングパッド領域と称してもよい。周辺領域54は、微小
電子装置60と61を含む。例えば、実施例の装置60と61は、例えば、エーシック(application-specific integrated circuit、ASIC)装置、或いは、システムオンチップ(system-on-chip、SOC)装置等のデジタル装置である。他の範例として、装置60と61は、BSIイメージセンサー装置30に、光強度の基準値を設定するのに用いられる参考画素であってもよい。ボンディングパッド領域56は、後続の処理段階で、BSIイメージセンサー装置30の一つ以上のボンディングパッド(
図2で図示されない)が形成される領域で、BSIイメージセンサー装置30と外部装置間の電気的接続が確立される。さらに、これらの領域52、54、及び56は、装置基板32の上下に垂直に延伸することは理解されよう。
【0018】
図3を参照すると、導電層65が、BSIイメージセンサー装置30の表面34上に形成される。本実施例において、導電層65は、窒化チタン材料の二層間に挟まれたアルミニウム材料層を有する。導電層65は、当分野にて既知の高密度プラズマ化学蒸着(high density plasma chemical vapor deposition、HDPCVD)プロセスにより形成される。別の実施例において、導電層65は、アルミニウム、アルミニウム/シリコン/銅合金、チタン、窒化チタン、タングステン、ポリシリコン、金属シリサイド、或いは、それらの組み合わせ等の導電材料を含むことができる。他の実施例で、導電層65は、銅、銅合金、チタン、窒化チタン、タンタル、窒化タンタル、タングステン、ポリシリコン、金属シリサイド、或いは、それらの混合物からなる。別の実施例で、導電層65は、物理的気相成長法(physical vapor deposition、PVD)、化学気相成長法(蒸着)(chemical vapor deposition、CVD)、原子層蒸着(atomic layer deposition、ALD)、スパッタリング、めっき、或いは、それらの組み合わせ等のプロセスにより形成することができる。
【0019】
図3を参照すると、導電層65の形成前に、BSIイメージセンサー装置30の例えば、様々なドープ特徴、回路、及び、入力/出力等のアクティブ、及び/又は、パッシブ装置が形成されることが理解される。この他、アクティブ、及び/又は、パッシブ装置と導電層65間の電気的相互接続を提供するコンタクトが形成される。図を簡潔にするため、これらのアクティブ、及び/又は、パッシブ装置とコンタクトは、図示されない。本実施例において、導電層65は、BSIイメージセンサー装置30の表面34上に形成される第一導電層である。
【0020】
導電層65がパターン化されて、様々な導電線を形成する。例えば、導電線65Aと65Bは、画素領域52に形成され、導電線65Cが周辺領域54に形成され、導電線65Dがボンディングパッド領域56に形成される。導電線65Dは幅68を有する。幅68は、約30um〜約200umの範囲にあり、設計と製造要求次第で変化しうる。
導電線65A〜65Dの形成後、誘電層70が、BSIイメージセンサー装置30の表面34上に形成される。誘電層70は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、シリコンオキシ窒化物、或いは、それらの組み合わせ等の絶縁材料からなる。誘電層70は、CVD、PVD、ALD、或いは、それらの組み合わせ等のプロセスにより形成される。
【0021】
図4を参照すると、誘電層70は、パターン化プロセス75を用いてパターン化されて、複数の開口を形成する。例えば、開口80、82、84、及び、86は、画素領域52に形成され、開口88と90は、周辺領域54に形成され、開口92は、ボンディングパッド領域56に形成される。パターン化プロセス75は、フォトリソグラフィプロセスと反応性イオンエッチング(RIE)プロセスを含み、開口80〜92を定めて、形成する。本実施例において、開口80〜90は、それぞれ、幅95にほぼ等しい幅を有し、開口92は、開口80〜90の幅95より相当大きい幅100を有する。一実施例において、幅95は、約0.1〜約0.5um、例えば、0.3umで、幅100は、約30〜約200umで、例えば、約150umである。別の実施例では、開口92の幅100は、導電線65Dの幅68にほぼ等しい。これらの範囲は、幅100が幅95より相当大きいことを示すため模範的にすぎない。他の実施例において、又は、製造技術世代が変化する時、幅95と100は他の値を有するかもしれない。
【0022】
図5を参照すると、導電材料を用いて、開口80、82、82、及び86を充填することにより、それぞれ、ビア102、104、106、及び108が、画素領域52に形成される。ビア110と112は、開口88と90に、導電材料を用いて充填することにより、それぞれ、周辺領域54に形成される。ビア102〜108、及びビア110〜112は、それぞれ、ビアアレイと称することができる。ビア115は、導電材料を用いて開口92に充填することにより形成される。本実施例において、導電材料はタングステンであるが、別の実施例で、他の適当な導電材料でもよい。導電材料は、CVDやPVD等、当分野にて既知のプロセスにより形成される。その後、化学機械研磨(CMP)プロセスが、ビア102〜115に実行されて、ビア102〜115の表面が円滑で、誘電材料70の表面とほぼ同一平面上にあることを確保する。ボンディングパッド領域56のビア115は幅100を有し、非ボンディングパッド領域52と54のビア102〜112はそれぞれ、幅95とほぼ等しい幅を有する。上述のように、幅100は、幅95よりも相当大きい。よって、ビア115は、サイズ(又は、寸法)がビア102〜112より相当大きい。
【0023】
図6を参照すると、導電層120が、誘電層70とビア102〜115上に形成される。導電層120の形成と材料組成は、上述の導電層65と同じである。導電層120は、その後、パターン化されて、複数の導電線、例えば、導電線120A〜120Dを形成する。導電層65と導電層120間の電気的接続は、ビア102〜115により確立される。更に、様々なビア102〜115間の電気的相互接続が、各導電層65と120の各々にて様々な導電線により提供される。その後、誘電層125が、導電線120A〜120D上に形成される。誘電層125の形成と材料組成は、上述の誘電層70と同様である。その他の導電層とビアが、BSIイメージセンサー装置30の表面34上に形成されるが、図を簡潔にするため、これらの導電層とビアが図示されていないことが理解されよう。様々な導電線とビアの例示は模範的にすぎず、導電線とビアの数、ならびに、導電線とビアの実際の位置と構造は、設計の必要によって変化する場合がある。
【0024】
図7を参照すると、バッファ層128が、BSIイメージセンサー装置30の表面34中の誘電層125上に形成される。本実施例において、バッファ層128は、酸化ケイ素等の誘電材料からなる。あるいはまた、バッファ層128は、任意で、窒化ケイ素を含んでもよい。バッファ層128は、CVD、PVD、或いは、当技術分野で周知の他の適当な技術により形成される。バッファ層128は、CMPプロセスにより平坦化されて、滑らかな表面を形成する。その後、キャリア基板130が、バッファ層128を介して、装置基板32に接合されて、装置基板32の裏面36の処理が実行される。本実施例において、キャリア基板130は、基板32と同様で、シリコン材料を含む。また、キャリア基板130は、ガラス基板か他の適当な材料を含む。キャリア基板130は、分子力(直接接合又は光学溶融接合として既知の技術)、或いは、当技術分野で既知の他の接合技術、例えば、金属拡散、又は陽極接合により、装置基板32に接合される。接合後、装置基板32とキャリア基板130は、接合強度を増加するため、任意でアニールしてもよい。バッファ層128は、装置基板32とキャリア基板130間の電気的遮蔽を提供する。キャリア基板130は、画素40と42等の装置基板32の表面34上に形成された様々な特徴に対する保護を提供する。キャリア基板130は、以下に示されるように、装置基板32の裏面36処理のための機械的強度とサポートを提供する。
【0025】
図7を参照すると、薄膜化プロセス(thinning process)135は裏面36から装置基板32に実行されて、装置基板32の厚さを減少させる。薄膜化プロセス135は、機械研磨プロセスと機械薄膜化プロセスを含んでもよい。まず、機械研磨プロセス中に、相当量の基板材料が装置基板32から除去される。その後、化学薄膜化プロセスはエッチング剤(chemical)を装置基板32の裏面36に適用して、装置基板32が厚さ140まで薄くしてもよい。本実施例において、厚さ140は約5um未満である。本開示にて明らかにされた特定の厚さは、例にすぎず、BSIイメージセンサー装置30の応用タイプと設計要求次第で、他の厚さを実行することができる。
【0026】
図8を参照すると、パッシベーション142が、BSIイメージセンサー装置30の裏面36上に形成される。パッシベーション層142は、窒化物、或いは、酸化物材料、或いは、それらの組み合わせからなる。パッシベーション層142は、CVD、PVD、ALD、或いは、それらの組み合わせを含むプロセスにより形成される。その後、開口145が、装置基板32のボンディングパッド領域56に形成され(パッシベーション層142を通過する)、ボンディングパッド領域56の導電線65Dの一部が、裏面36から露出する。当分野にて既知の、例えば、ドライエッチング、又はウェットエッチングプロセス等のエッチングプロセスにより、開口145が形成される。開口145は、幅150を有する。本実施例において、幅150は、導電線65Dの幅68より小さい。別の実施例では、幅150は、導電線65Dの幅68とほぼ等しい。別の実施例において、ビア115の幅100は、開口145の幅150の約二分の一よりも大きい。
【0027】
図9を参照すると、その後、カラーフィルター層154が、パッシベーション層142上に形成される。カラーフィルター層154は、BSIイメージセンサー装置30の画素領域52内に形成される。カラーフィルター層154は、異なるカラーフィルタ(例えば、赤、緑、及び青)を支持することができ、入射光の放射(例えば、入射光43)が、その上に向けられ、およびそれを貫通するように位置決めしてもよい。例えば、カラーフィルター層154は、第一波長の光放射をろ過するカラーフィルター154Aと、第二波長の光放射をろ過するカラーフィルター154Bを有し、第一、第二波長に対応する異なる色の光は、それぞれ、カラーフィルター154Aと154Bによりろ過される。カラーフィルター154A、154Bは、特定の波長をろ過する染料ベース(或いは、顔料ベース)ポリマー、或いは、樹脂を含んでもよい。複数のマイクロレンズを有するマイクロレンズ層160が、装置基板32中の画素の方に光放射を引導、及び集光するカラーフィルター層154上に形成される。マイクロレンズ層160のレンズは、マイクロレンズに用いられる材料の屈折率とセンサー表面からの距離に従い、様々な配置に位置決めし、様々な形状を有することができる。BSIイメージセンサー装置30はまた、カラーフィルターの形成より前に、別のレーザーアニール(焼きなまし)プロセスを受けてもよい。
【0028】
図9を参照すると、導電線65Dの露出部分が、当分野にて既知のワイヤボンディングプロセスを用いて、開口145を介してボンディングワイヤ165に接合される。よって、導電線65Dは、また、ボンディングパッドと称してもよい。ワイヤボンディングプロセスは、本実施例のボールボンディングプロセスを含み、ボンディングワイヤ165の先端部分が融解して、ボンディングワイヤ165とボンディングパッド65D間の界面で、ボンディングボール170を形成する。ボンディングワイヤ165とボンディングボール170は、導電材料を含む。一実施例において、ボンディングワイヤ165とボンディングボール170は、金を含む。他の実施例において、ボンディングワイヤ165とボンディングボール170は、銅、或いは、他の適当な金属を含んでもよい。ボンディングボール170は、間隔距離175が、ボンディングボール170の辺縁と開口145の境界のどちらかに存在するように、ボンディングパッド65Dの幅150よりも小さいサイズを有する。本実施例において、間隔距離175は、約2um〜約3umの範囲である。
【0029】
BSIイメージセンサー30を製造する現有の方法により、ボンディングパッド領域56に、小ビア(例えば、ビアアレイ等)を形成する。例えば、既存の方法を用いてビア102〜112とほぼ同じサイズと寸法を有するビアが、ボンディングパッド領域56とボンディングパッド65D真下に形成される。これらの比較的小ビアは、製造上の問題をいくつか引き起こす。例えば、“パッド上のワイヤボンドの非スタック”の問題がありうる。本質的に、ボンディングワイヤ165をしっかりとボンディングパッド65Dに取り付けるのは、困難である。
これは、ボンディングパッド65Dは比較的薄く、ボンディングパッド65Dは、ボールボンディングプロセス中に生じうるストレスに対する十分な機械的支持を提供しない程度のもので、その後、ボンディングワイヤ165とボンディングパッド65D間の接着力が弱くなるおそれがあるという事実による。別の問題は、ボンディングパッドの剥離で、ボンディングパッド65Dが小ビアアレイから剥がれ落ちるおそれがあることを意味する。ボンディングパッド65Dと小ビア間の不十分なコンタクト表面積のために(各ビアが比較的小さい表面積を有するので)、ボンディングパッド剥離が生じるおそれがある。ボンディングパッド領域56が小ビアを用いることに関連した別の問題は、層間絶縁膜の亀裂である。層間絶縁膜は、小ビアの間に存在する誘電層70の部分に関連する。誘電層70は、通常、酸化ケイ素材料からなり、ガラスと類似する。ボンディングの最中等で、ストレスがかかる時、ボンディングパッド領域56の小ビア間の誘電層70の部分は、ストレスに屈して、亀裂し始める。上記これらの問題の全てが、BSIイメージセンサー装置30の性能と歩留まりに悪影響を及ぼすものである。
【0030】
しかしながら、本実施例において、これらの問題は、ボンディングパッド領域56に大ビアを形成することにより克服される。パッド上のワイヤボンドの非スタック問題に関して、大ビア115のサイズ(又は幅)は、ボンディングパッド65Dに十分に近い(ある実施例で、ほぼ等しい)ので、大ビア115は本質的に、ボンディングパッド65D
の厚さを拡大し、ボンディングパッド65Dをより厚くし、これにより、ボンディングストレスに耐える十分な機械的支持の提供をより可能にする。ボンディングパッド剥離問題に関し、大ビア115は、ボンディングパッド65Dに、より大きな表面コンタクト面積を提供し、ボンディングパッド65Dは、ビア115から剥離しにくい。更に、ビア115が単一の大ビアなので、大ビア115内にガラスのような誘電材料はない。よって、層間誘電層亀裂の問題は、本実施例には存在しない。
【0031】
図1と
図10〜
図13を参照すると、別の実施例において、FSIイメージセンサー装置180は、分離構造185、186により分離される画素182、184のアレイかグリッドを含む。画素182、184は、上述のBSIイメージセンサー装置30の画素40、42と同様で、表面照明に必要なように修正することができる。
【0032】
方法11(
図1)のステップ15によると、
図10は、FSIイメージセンサー装置180の表面に形成される導電層190を示す。導電層190の組成と形成は、BSIイメージセンサー装置30に対して上記に述べた導電層65と同様である。導電層190はパターン化されて、導電線190A、190B、190C、及び190Dを形成する。入射光は、FSIイメージセンサー装置180の表面に投影されるので、画素領域52の導電線190Aと190Bは、入射光の経路を著しく妨害することがないように位置決めされる。銅電線190A〜190Dの形成前に、他の導電線、ビア、及び、コンタクトがFSIイメージセンサー装置180の表面に形成してもよいことは理解される。これにより、導電層190は別の(或いは、複数の)導電層上に形成することができる。図を簡潔に、はっきりとさせるために、導電層190より前に形成される別の導電層、ビア、
及びコンタクトは図示されない。誘電層(IMD)192は、導電線190A〜190Dの周辺、及び、その上にも形成される。
【0033】
誘電層192は、パターン化プロセスを用いてパターン化されて、周辺領域54中に複数の開口、ボンディングパッド領域56中に一開口を形成する。パターン化プロセスは、BSIイメージセンサー装置に関連して上記に述べたパターン化プロセス75に類似するプロセスを含む。本実施例において、周辺領域54の開口は、それぞれ、幅212にほぼ等しい幅を有し、ボンディングパッド56の開口は、幅212より相当大きい幅215を有する。一実施例において、幅212は、約0.1um〜約0.5umの範囲にあり、例えば、0.3umの幅で、幅215は、約30um〜約200umの範囲にあり、例えば、150umである。これらの範囲は、幅215が幅212より相当大きいことを示すため模範的にすぎないことは理解される。その他の実施例において、或いは、製造技術世代が変わる場合、幅212と215は他の値となりうる。
【0034】
方法11(
図1)のステップ17によると、
図10は、ボンディング周辺領域54とボンディングパッド領域56の開口に充填することにより形成されるビア220、225、及び、230を示す。ビア230は、幅215を有し、ビア220と225は、それぞれ、幅212とほぼ等しい幅を有する。よって、ビア230は、サイズ(又は、寸法)が、ビア220と225より大きく、“大ビア”と称される。
【0035】
図11を参照すると、導電線235が誘電層192上に形成される。導電層235は、最上層金属層である。導電層235の材料組成と形成は、BSIイメージセンサーと関連して上記に述べた導電層120と同様である。導電層235はパターン化されて、周辺領域54に導電線235A、ボンディングパッド領域56に導電線235Bを形成する。導電線235Bは、ビア230の幅215より大きい幅を有する。別の実施例において、導電線235Bの幅は、幅215にほぼ等しい。図に示される様々な導電線とビアは、模範的にすぎず、導電線とビアの数、ならびに、導電線とビアの実際の配置と構成は、設計必要性に応じて変化しうることは理解される。誘電層240は、誘電層192と導電線235Aと235Bの周辺と上方に形成される。
【0036】
方法11(
図1)のステップ19によると、
図12は、誘電層240と導電線235Aと235B上に形成されるパッシベーション層242を示す。その後、開口245がボンディングパッド領域56のパッシベーション層242を貫通して形成され、ボンディングパッド領域56の導電線235Bの一部が表面から露出する。開口245は、例えば、ドライエッチングやウェットエッチングプロセス等の当分野にて既知のエッチングプロセスにより形成される。開口245は、幅250を有する。本実施例において、幅250は、導電線235Bの幅より小さい。別の実施例において、幅250は幅238にほぼ等しい。更に別の実施例において、ビア230の幅215は、開口245の幅250の辺ごとに約2umよりも大きい。
【0037】
カラーフィルター層254が、その後、パッシベーション層242上に形成される。カラーフィルター層254は、FSIイメージセンサー装置180の画素領域52内に形成される。複数のマイクロレンズを有するマイクロレンズ層260が、その後、カラーフィルター層254上に形成されて、基板の画素に向かって光放射を導き、集光する。
【0038】
図13を参照すると、導電線235Bの露出部分は、当分野にて既知のワイヤボンディングプロセスを用いて、開口245により、ボンディングワイヤ265に接合される。よって、導電線235Bも、ボンディングパッドと称される。ワイヤボンディングプロセスは、ボールボンディングプロセスを含み、ボンディングワイヤ265の一部は融解して、ボンディングボール270を形成する。一実施例において、ボンディングワイヤ265とボンディングボール270は、金を含む。別の実施例において、ボンディングワイヤ265とボンディングボール270は、銅、或いは、その他の適当な金属を含んでもよい。ボンディングボール270は、開口245の幅250より小さいサイズであり、間隔距離275が、ボンディングボール270の辺縁と開口245の境界のどちらかに存在する。本実施例において、間隔距離275は、約2um〜約3umまでの範囲にある。
【0039】
図2〜
図9のBSIイメージセンサー装置30に対して上記に説明したものと同様な理由により、
図10〜
図13に記載のFSIイメージセンサー装置180も、現有の装置と関連したパッド上のワイヤ非スタックの問題、ワイヤボンディング剥離、および層間誘電体亀裂の問題はない。
【0040】
上述の方法と装置は、当分野にて既知の“フリップチップ”技術に関連して使用され、ソルダーバンプがボンディングパッド235Bに蒸着されることが理解できる。FSIイメージセンサー装置180を外部回路(例えば、回路基板、或いは、他のチップやウェハ)に搭載するため、イメージセンサー装置180は、ひっくり返され、ソルダーバンプを有する側が下に向く。ボンディングパッド235Bは、その後、外部回路のボンディングパッドと位置合わせする。
その後、ソルダーバンプが加熱され(例えば、オーブンで)、ソルダーバンプが融解、流動し、イメージセンサーのボンディングパッドと外部回路のボンディングパッド間に十分な接合コンタクトを形成し、フリップチップ接合プロセスを完成する。
【0041】
本発明では好ましい実施例を前述の通り開示したが、これらは決して本発明に限定するものではなく、当該技術を熟知する者なら誰でも、本発明の精神と領域を脱しない範囲内で各種の変動や潤色を加えることができ、従って本発明の保護範囲は、特許請求の範囲で指定した内容を基準とする。