【実施例1】
【0020】
本発明第1の実施例に係る生体試料の分析装置を、
図1ないし
図6を用いて説明する。
図1は、本発明第1の実施例に係る生体試料の分析装置の全体構成を示す構成図である。患者から採取した生体試料(血液)を前処理して、自動分析装置で分析する構成を示している。本生体試料の分析装置は、搬送ライン101、投入モジュール102、遠心分離モジュール103、開栓モジュール104、バーコードなどのラベラ105、分注モジュール106、閉栓モジュール107、分類モジュール108、収納モジュール109を基本要素とする複数のモジュールからなる前処理システム100と、前処理システム全体を制御する制御用PC110と、その先に接続された生体試料の成分を分析する自動分析装置111とから構成される。そして、遠心分離モジュールの近隣には、本実施の形態の特徴となる液面検出ユニット112が配置されている。
【0021】
投入モジュール102では、検体を生体試料の分析装置内に投入し、遠心分離モジュール103では、投入された検体に対して遠心分離を行う。開栓モジュール104では、遠心分離された検体の栓を開栓し、分注モジュール106では、遠心分離された検体を、自動分析装置などで分析するために小分けする。ラベラ105では、その小分けの容器にバーコードを貼り付ける。閉栓モジュール107では、検体に栓を閉栓し、収納モジュール109では、閉栓された検体を収納する。分類モジュール108では、分注された検体容器の分類を行う。
【0022】
検体の分析フローは以下の通りである。まず、採血管を用いて患者血液(全血)を採取する。当採血管は、前処理システム100の投入モジュール102に投入される。なお、採血と投入はユーザーのマニュアル作業で行い、以後の作業は前処理システムによる自動作業となる。
【0023】
また、搬送作業は搬送ライン101が担う。投入された採血管は遠心分離モジュール103に運ばれ、そこで遠心分離が行われる。採血管には予め分離剤が入っており、遠心分離により、相対的に比重の大きい血餅の層と、相対的に比重が小さく、血液分析に使用する血清の層に分離される。なお、分析項目によっては、分離剤のない採血もある。
【0024】
遠心分離された検体は、血清、分離剤、血餅の3つの層に分離される。各層の液面位置の情報は、血清量の計算に用いる事ができる。血清量がわかれば、測定項目の優先順位付けが行えるほか、血清量が少ない場合に異常として処理する事ができるなど、従来人手で行っていたことの自動化が可能となる。また、血清を分注する際に、分離剤に分注プローブを挿入してしまい、分離剤を吸引してしまうことを回避できる。このため、各層の液面位置の計測が重要である。
【0025】
各層の液面位置を計測する際には、光の透過光強度を計測し算出する。
図2に光透過光強度を計測する構成を示す。光源201、受光センサ202、採血管ホルダ203、上下移動機構204、および、計測対象である採血管205で構成される。採血管205にはラベル206が貼付されている。
【0026】
採血管ホルダ203に設置された採血管205の側面に光源201で光を照射し、採血管205を挟んで光源201と逆側に設置した受光センサ202で透過光強度を計測する。上下移動機構204により、光源201および受光センサ202と、採血管205との相対的な位置を変えながら透過光強度を計測することにより、採血管205の位置に対応する透過光強度プロファイルが得られる。このプロファイルから液面の位置を算出する方法である。
【0027】
ここで、採血管には、バーコードラベルが添付されている。バーコードラベルが貼付されている場合、光が反射、減衰されるため、透過光強度プロファイルに影響が生じ、液面位置計算の誤差と成り得る。従来、光源からの光が採血管表面のラベルで反射されるのを防ぐため、ラベルの隙間から光を当てる方法などが知られている。この方法では、光源からの光がラベルにより反射するのを防ぐ事ができる。しかしながら、発明者らは、ラベルの隙間から光を当てる、当てないに依存せず、受光センサ側にラベルのエッジが向いた場合に、液面位置の検出誤差が生じる場合があることを見出した。以下これについて詳細を説明する。
【0028】
図3に光源、受光センサと採血管に貼られたラベルの向きとの関係図を示す。上半分が上面図、下半分が受光センサ側からみた図であり、ラベルと、光源および受光センサとの位置関係について、典型的な4つの例を示している。
図3(a)は、採血管205aにラベルが貼られていないものである。採血管内は血清301、分離剤302、血餅303の3つの層に分離されている。
図3(b)は採血管205bに貼られたラベル206bが光源側に向いており、受光センサ側にはラベルが貼られていない状態である。
図3(c)は、採血管205cに貼られたラベル206cが受光センサ側を向いており、光源側にはラベルが貼られていない状態である。
図3(d)は、採血管205dに貼られたラベル206dのエッジが受光センサ側を向いている場合である。なお、添え字のa,b,c,・・・は同一の構成要素であることを示し、特に必要のない場合は省略する。
【0029】
図3(a)〜(d)に示す状態で、光源からの光の透過光を受光センサで受信した際に得られる透過光強度プロファイルの例を
図4(a)〜(d)にそれぞれ示す。ここでは、血清301、分離剤302をある程度透過し、血餅303によりほぼ遮断される光について考える。
図4(a)では、血清、分離剤部分では、空気の部分よりは透過光強度が小さくなるが、大部分の光が透過し、受光センサで検出される。血餅部分では、光が遮断されるため、透過光強度は小さく、センサや計測システムのノイズレベルとなる(401a)。
【0030】
ここでは特に、分離剤302と血餅303の境界面に注目する。血餅の吸光度は高いため光が透過しにくい。一方、分離剤の吸光度は血餅の吸光度に比べて小さく、血清の吸光度に近い。従って、透過光強度の差は、血餅と分離剤との境界面で大きくなる。このため、本実施例では、吸光度の違いが大きい、血餅303と分離剤302との境界面の検出を考える。
【0031】
図4(a)のようにラベルが貼られていない場合、血餅303と分離剤302との境界面402aは吸光度の違いが明確であるため、その境界面位置を検出する事ができる。
【0032】
また、
図4(c)のように、採血管205cにラベルが貼られており、ラベル206cが光源201側にある場合、光源からの光がラベル206cにより反射され、ラベル206cが貼付されている範囲で透過光強度が弱くなる。しかしながら、血餅303部分では元々血餅が光を遮断するため、ラベル206cが貼られている部分でも透過光強度はノイズレベルとなる(401c)。その結果、血餅部分は光を遮断するのに対し、分離剤部分は、ラベル206cにより透過光強度が弱くなってはいるものの光を透過するため、透過光強度がノイズレベルよりも大きくなる位置が血餅303と分離剤302の境界面であると判断することで、血餅303と分離剤302との境界面402cを検出することができる。
【0033】
また、
図4(b)のように採血管205bのラベルが受光センサ202側にある場合も、ラベル206bにより光強度が弱くなるが、ラベルが光源側に貼付されている場合とほぼ同様の強度プロファイルとなる。よってこの場合も、
図4(c)の場合と同様に、境界面402bを検出することができる。
【0034】
一方、
図4(d)のようにラベル206dのエッジが受光センサ202側を向いている場合、ラベル206dのエッジが光ることにより、分離剤302、血餅303の境界面の位置を計測する際に誤差を生じることがあることを、発明者らは見出した。血餅部分では光を遮断するが、採血管壁面での乱反射などが原因で、ラベルのエッジが光る現象が生じる。この場合、本来光を遮断する血餅部分で光が透過したかのように見える(401d)。このため、ラベルの下端部分(403d)を、分離剤と血餅との境界面と誤認識したり、算出した分離剤、血餅境界面の位置に誤差が生じたりする。このような現象は、受光センサ側にエッジが来ることが問題であるため、従来のようにラベルの隙間から光を当てたとしても防ぐ事ができるものではない。そこで、本発明の第1の実施例では、以下の構成によりラベルのエッジが光る事による境界面の誤認識や液面位置の計測誤差を抑制する。
【0035】
図5に本発明第1の実施例の液面検出ユニット112の構成を示す。光源501、光源用のドライバ505、受光センサ502、受光回路506、採血管ホルダ503、カメラ508、画像処理エンジン509、光源および受光センサの上下移動機構504、および上下制御ドライバ507、回転機構510、回転制御ドライバ511、コントローラ512、入出力インタフェース513、ユーザインタフェース514、データバス515から構成される。
【0036】
照射部である光源501は、採血管205の側面に光を照射する。光源としては、強度が強く、指向性のよい光であるレーザー光源などを用いる。波長は、血清301、分離剤302を透過し、血餅303により吸収される領域を用いる。具体的には、例えば、830nmなどの近赤外光であるが、これに限るものではなく、可視光の赤色レーザーであってもよい。波長の範囲はおおよそ、650nmから1200nm程度であることが望ましい。
【0037】
光源501を駆動するためには電源などのドライバ505を用いる。光源501から照射され、採血管205を透過した光は、受光部である受光センサ502で受光される。受光センサとしては、はフォトダイオードなどの光を電気に変換するセンサを用いる。受光回路506では、受光センサ502からの信号を増幅、フィルタリングなどを行い、アナログ−デジタル変換し、デジタルデータとして透過光強度プロファイルを保持する。
【0038】
カメラ508では採血管205全体の2次元画像を撮像する。画像処理エンジン509ではカメラ508で撮像された画像からエッジ抽出処理などの画像処理を行い、ラベル206のエッジの有無を認識する。以上のカメラ508および画像処理エンジン509が、採血管205に貼られたラベルのエッジ位置を検知する検知部となる。上下移動機構504は、光源501および受光センサ502を鉛直方向に移動させ、採血管205と、光源501および受光センサ502の相対位置を変える。上下の移動は上下制御ドライバ507で制御される。
【0039】
回転機構510は、採血管ホルダ503を回転させ、採血管205に光を当てる方向を変えるために用いる。回転機構510は回転制御ドライバ511で制御される。以上の回転機構510および回転制御ドライバ511が、採血管205を回転させる回転部として機能する。コントローラ512は、光源用ドライバ501や受光センサ502、移動機構の制御のほか、取得した透過光強度プロファイルから液面位置を算出する。入出力インタフェース513はユーザインタフェース514とのインタフェースとして用いられ、算出した液面位置の表示やデータの伝送、液面位置の算出などに用いられるパラメータなどを入力する際に用いる。
【0040】
図6に本実施例の液面検出ユニットの動作フローを示す。まずラベルの貼られた採血管205を採血管ホルダ503にセッティングする(601)。その後、カメラ508で採血管205全体の画像を撮像する(602)。画像処理エンジン509により採血管に貼られたラベル206のエッジを抽出する(603)。ラベル206のエッジが抽出された場合、採血管を所定の角度だけ回転させ(605)、再度撮像し、エッジ抽出を行う。ラベルのエッジが抽出されなくなるまでこの動作を繰り返す。ラベルのエッジが抽出されなければ、ラベルのエッジのない面を受光センサ側に向ける。
【0041】
この処理は、例えば、受光センサとカメラが90°異なる方向に設置されている場合は、90°回転させる。なお、受光センサとカメラの設置角度のずれは90°である必要はなく、受光センサとカメラを採血管の同じ側に設置してもよい。この場合、ラベルのエッジが抽出されなくなった後に、さらに採血管を回転させる必要はない。また、受光センサとカメラを採血管の同じ向きに設置し、回転させるのではなく、移動させる制御を行ってもよい。以上の動作により、回転部は、検知部からの情報に基づいて、採血管205のうち光が透過する部分にラベルのエッジが来ないように採血管を回転させる。
【0042】
その後、光源501および受光センサ502を鉛直方向に動かしながら透過光強度を計測する(606)。透過光強度データを、受光回路506からコントローラ512に伝送し(607)、コントローラ512で液面位置を計算する(608)。
【0043】
ここで、ラベル206のエッジが抽出された場合に、採血管205を回転させる角度は一定値でもよいし、抽出されたエッジの位置から定めてもよい。具体的には、例えば、ラベルエッジの位置が光軸と直交する位置に配置されるように、回転角を求め、回転させる。また、ラベルのエッジが1つ検出された場合には、典型的なラベルの大きさから、もう1つのエッジが採血管のどのあたりにあるかを計算することができる。従って、画像で直接検出されていないエッジの位置を推定することで、回転によりそのエッジをも避けることができる。また、この回転角度の計算を採血管の直径によって変更することにより、より正確にラベルエッジを避けることができる。これらの一連の情報は制御用PC110に送られ、制御用PC110を介して前処理システム100は制御される。
【0044】
このように、本実施例に係る検出装置は、1つの容器(採血管205)に収納され、2つ以上の成分から構成される試料(血液等)に対して検出を行う検出装置であって、容器に貼られたラベルのエッジの位置を検知する検知部(508および509)と、容器に光を照射する照射部(501)と、容器を透過した光を受光する受光部(502)と容器を回転させる回転部(510および511)を、を備え、回転部は、検知部からの情報に基づいて、容器のうち光が透過する部分にエッジが来ないように採血管を回転させることを特徴とする。
【0045】
係る特徴により、本実施例に係る検出装置は、
図3および4にて詳述した、ラベルのエッジが光る事による液面位置の誤認識、計算誤差を抑制する事ができる。
【0046】
上記では、ラベルのエッジが抽出されなくなるまでカメラによる撮像と画像処理を繰り返す事としたが、これに限るものではない。例えば、一度採血管を撮像して回転角度を算出し、計算された角度分回転させ、透過光強度プロファイルを取得して液面位置を計算してもよい。このように一度の撮影で回転角度を決めることにより処理時間が短縮され、処理のスループットを上げることが可能となる。
【0047】
このような方法により、血餅303と分離剤302の境界面を算出すれば、分離剤302の高さは採血管により決まっているため、血清301と分離剤302の液面位置を計算により求める事ができる。また、血清301と空気の液面位置を静電容量センサなどで計測すれば、血清301の上面と下面の位置がわかることとなり、血清の量を計算することができる。
【0048】
なお、本実施例では2次元カメラでラベルのエッジを抽出することを説明したが、2次元カメラの種類に依存するものではなく、例えば、CCD、CMOSカメラのいずれでもよい。また、2次元カメラで撮像する例を示したがこれに限るものではなく、光沢センサなどでラベルのエッジを計測してもよい。
【0049】
また、本液面検出ユニットは遠心分離モジュール付近に配置されるとして説明したがこれに限るものではない。
【0050】
なお、本実施の形態のユニットの機能は、液面位置測定という結果の値にバラツキが入り込みやすい分野である。そのため、自動で、定期的に既知分量・既知液面位置の検体を測定し、測定結果が正しいか否かのチェックと、必要ならば、チェック結果に基づいて、結果を補正する機能を備えたり、その結果を表示するなどの機能を備えたりすることが望ましい。
【実施例3】
【0055】
本発明第3の実施例に係る装置の構成について
図8ないし
図11を用いて説明する。
図8は本発明第3の実施例に係る遠心分離機の構成図の一例である。遠心分離機801は、スイングロータ802、および、複数のバケット803a,803b,・・・から構成される。なお、添え字のa,b,・・・は同一の構成要素であることを示し、特に必要のない場合は省略する。
【0056】
遠心分離を行う採血管は、バケット803に入れる。バケット803はスイングロータ802に固定されており、遠心分離時は遠心力によりバケット803が水平となる。採血管内の血液は、遠心力によって比重が比較的軽い血清成分と、比重が比較的重い血餅成分とに分離される。
【0057】
この遠心分離機のバケット803には、複数の採血管を入れる場所がある。このように複数の採血管を入れることができるバケットの場合、原理的に遠心分離時の液面は傾きが生じるものがある。
図9は、バケットの場所により液面が傾く事を説明するための模式図である。バケット803に採血管205e,205f,205gが入れられている。採血管205fは遠心分離機の回転中心とバケットの中心を結ぶ直線901上に配置されている。一方、採血管205e,205gはこの直線901からずれた位置に配置されている。採血管205内の血液、および、分離剤にかかる遠心力は、回転中心を通る半径方向の力となる。回転中心とバケットの中心を結ぶ直線901上に置かれた採血管205fには、採血管の軸方向に遠心力がかかる。このため、遠心分離後の液面は、水平となる。一方、回転中心とバケットの中心を結ぶ直線901からずれた場所に設置された採血管205e、205gは、遠心力がかかる方向と、採血管の軸の方向とにずれが生じる。液面は遠心力のかかる方向に垂直な方向に形成されるため、このような採血管では、液面が水平に形成されず、傾きを持った液面が形成されることになる。
【0058】
図10に回転中心を通る直線上の採血管205fと、軸からずれた場所に設置した採血管205e,205gでの、液面位置測定結果1001の例を示す。横軸は、採血管のどの方向から光を当てたかを示す角度である。添え字のe,f,gがそれぞれ対応する。直線901上の採血管205fは、液面が水平であるため、どの方向から計測するかに依存せず、ほぼ一定の液面位置となる(1001f)。一方、軸からずれた場所に設置した採血管205e,205gでは、液面が傾いているため、液面位置が光を当てる方向に依存する(1001e,1001g)。このため、一方向から計測した場合は液面位置の計測誤差が生じる。
【0059】
本実施例では、遠心分離機のバケット内の採血管の位置の情報を、液面検出の制御に用いる事で液面位置の計測誤差を低減する。
図11に本実施例の液面検出ユニットの構成を示す。光源501、光源用のドライバ505、受光センサ502、受光回路506、採血管ホルダ503、光源および受光センサの上下移動機構504、および上下制御ドライバ507、回転機構510、回転制御ドライバ511、採血管移動機構1101、採血管移動制御ドライバ1102、採血管位置情報管理メモリ1103、コントローラ1104、入出力インタフェース1105、ユーザインタフェース1106、データバス515から構成される。
【0060】
採血管移動機構は、遠心分離機801のバケット803に置かれ遠心分離された採血管205を、液面検出用の採血管ホルダ503に移動する。この移動機構1101の制御は移動制御ドライバ1102にて行う。バケット803内での採血管の位置情報は、採血管位置情報メモリ1103で、採血管のIDなどとともに管理される。コントローラ1104は、採血管の移動などの制御を行う。
【0061】
図12に、本実施例の液面検出ユニットの動作フローを示す。採血管移動機構1101により、遠心分離後の採血管205をバケット803から取り出し、採血管ホルダ503に移動する(1201)。この際、採血管が任意の方向に回転しないように、採血管を固定して移動する。コントローラ1104で、取り出した採血管205のバケット803内での位置情報から回転すべき角度を計算する(1202)。採血管を回転させる角度は、例えば、バケットの位置から、最上位の液面位置となる方向を計算する。あるいは、中間値となる方向を計算するなどが考えられるが、これに限るものではない。具体的には、液面は、回転中心とバケットの中心を結ぶ直線901側が低く、その逆側が高くなる。従って、例えば、直線901と平行な方向から光を当てることにより、液面の傾きの影響をなくした検出が可能となる。
【0062】
その後、計算した角度に基づき回転機構510を用いて採血管の向きを調整する(1203)。採血管の向きの調整後、光源501、受光センサ502を移動させながら透過光強度を計測する(1205)。計測した透過光強度データはコントローラ1104に伝送され(1205)、コントローラで液面位置の計算を行う(1206)。
【0063】
このように本実施例に係る検出装置は、1つの容器(採血管205)に収納され、遠心分離機(801)により2つ以上の成分に分離された試料(血液等)に対して検出を行う検出装置であって、容器に光を照射する照射部(501)と、容器を透過した光を受光する受光部(502)と、遠心分離機内で容器が設置された場所の情報に基づいて、容器を回転する角度を算出する算出部(コントローラ1104)と、容器を前記角度分回転させる回転部(510および511)と、を備えることを特徴とする。係る特徴によって、遠心分離のバケットの位置に依存せず、常に最上位、平均値などの液面位置を安定に測定することが可能となる。具体例には、前記角度を、遠心分離機の回転中心と前記バケットの中心を結ぶ直線と平行に前記照射部が配置される角度とするのが好適である。
【0064】
なお、本発明では、採血管移動機構によりバケットから採血管ホルダに採血管を移動する構成としたが、採血管の向きが保存されればよいため、これに限るものではない。例えば、バケットから採血管を取り出しながらに液面位置を計測してもよい。この際は、光源と受光センサの向きをバケットの位置により調整し、液面検出を行う方向を調整すればよい。
【0065】
また、本実施例の液面検出ユニットは、遠心分離機内での採血管の位置情報を考慮して液面位置を計算するため、遠心分離モジュールとセットで用いるというのが特徴の1つである。
【0066】
また、採血管ホルダに爪があり、光源および受光センサの光路に爪がかかるような場合は、予め計算された回転角度と逆の角度分、採血管ホルダを回転させておき、採血管を設置したのち、元の角度に戻すという方法もよい。このように制御することで採血管ホルダの爪が光路にかかることをなくすことができる。