【実施例】
【0016】
図1は、本発明に係る表示パネルの駆動装置を搭載した液晶表示装置の概略構成を示す図である。
【0017】
図1において、液晶パネルとしての表示パネル20には、液晶層(図示せぬ)を駆動すべく、夫々が2次元画面の水平方向に伸張するn個の走査ラインS
1〜S
nと、夫々が2次元画面の垂直方向に伸張するm個のデータラインD
1〜D
mとが設けられている。更に、走査ライン及びデータラインの各交叉部の領域には、画素を担う表示セルが形成されている。
【0018】
駆動制御部10は、入力映像信号に応じて、走査パルスを走査ラインS
1〜S
n各々に順次印加させるべき走査制御信号を生成しこれ走査ドライバ11に供給する。
【0019】
また、駆動制御部10は、
図2に示す如く、入力映像信号における水平同期信号に同期させて取込開始パルス信号ST及びロードクロック信号LCを生成し、これらを基準クロック信号CLKと共にデータドライバ12に供給する。尚、駆動制御部10は、1水平走査期間毎にその先頭部において1度だけ、
図2に示す如き1パルス分の取込開始パルス信号STをデータドライバ12に供給する。更に、駆動制御部10は、入力映像信号に基づき各画素毎の輝度レベルを表す画素データPDを生成し、これを1水平走査ライン分毎に2分割し、夫々をシリアル形態にて基準クロック信号CLKに同期させたタイミングで順次、データドライバ12に供給する。すなわち、駆動制御部10は、1水平走査ライン分の画素データPD
1〜PD
mを、PD
1〜PD
m/2なる第1画素データ系列Q1と、PD
(1+m/2)〜PD
mなる第2画素データ系列Q2とに分割し、各系列中の画素データPDの各々を
図2に示す如く基準クロック信号CLKに同期させて順次、データドライバ12に供給する。尚、駆動制御部10は、1水平走査期間内の前半部において第1画素データ系列Q1及び第2画素データ系列Q2を全て送出した後、この1水平走査期間内の後半部において、
図2に示す如く論理レベル0から1そして再び0に推移するパルス波形を有するロードクロック信号LCをデータドライバ12に供給する。
【0020】
走査ドライバ11は、駆動制御部10から供給された走査制御信号に応じて走査パルスを生成し、これを表示パネル20の走査ラインS
1〜S
n各々に順次択一的に印加する。
【0021】
データドライバ12は、駆動制御部10から供給された各種制御信号(ST、LD、CLK)に応じて、第1画素データ系列Q1及び第2画素データ系列Q2中の画素データPDを順次取り込む。そして、1水平走査ライン分の画素データPD
1〜PD
mの取り込みが終了する度に、データドライバ12は、画素データPD
1〜PD
m各々にて示される各輝度レベルに対応した駆動パルスを生成し、表示パネル20のデータラインD
1〜D
mに印加する。
【0022】
尚、これら走査ドライバ11及びデータドライバ12は、夫々単一又は複数の半導体チップに構築されている。
【0023】
図3は、データドライバ12の内部構成を示す図である。
【0024】
図3において、シフトレジスタ121は、駆動制御部10から供給された
図2に示す如き取込開始パルス信号STに応じて、1水平走査期間毎に、
図2に示す如きクロック信号CK
1〜CK
m/2を順次生成して第1ラッチ部122に供給する。
【0025】
図4は、かかるシフトレジスタ121の内部構成を示す回路図である。
【0026】
図4に示すように、DラッチFA
1〜FA
(m/2)が直列に接続されてなるシフトレジスタ121は、
図2に示す如き取込開始パルス信号STを、基準クロック信号CLKに応じて次段のDラッチFAに順次シフトする。この際、DラッチFA
1〜FA
(m/2)各々の出力が、
図2に示す如きクロック信号CK
1〜CK
(m/2)として第1ラッチ部122に供給される。
【0027】
図5は、かかる第1ラッチ部122の内部構成を示す回路図である。
【0028】
図5において、DラッチFF
1〜FF
mの内のFF
1〜FF
m/2各々のデータ入力端子DにはラインL1を介して
図2に示す如き第1画素データ系列Q1(PD
1〜PD
m/2)が共通に供給されている。DラッチFF
1〜FF
m/2各々のクロック入力端子には、シフトレジスタ121から供給されたクロック信号CK
1〜CK
m/2が夫々個別に供給されている。これにより、DラッチFF
1〜FF
m/2の各々は、夫々に供給されたクロック信号CK
1〜CK
m/2のタイミングで第1画素データ系列Q1の取り込みを行い、取り込まれた画素データの値を画素データA
1〜A
m/2として夫々第2ラッチ部123に供給する。例えば、DラッチFF
1は、
図2に示す如きクロック信号CK
1のタイミングによって、第1画素データ系列Q1中における画素データPD
1を取り込み、これを画素データA
1として第2ラッチ部123に供給する。また、DラッチFF
2は、
図2に示す如きクロック信号CK
2のタイミングによって、第1画素データ系列Q1中における画素データPD
2を取り込み、これを画素データA
2として第2ラッチ部123に供給する。また、DラッチFF
m/2は、
図2に示す如きクロック信号CK
m/2のタイミングによって、第1画素データ系列Q1中における画素データPD
m/2を取り込み、これを画素データA
m/2として第2ラッチ部123に供給する。
【0029】
DラッチFF
1〜FF
mの内のFF
(m/2)+1〜FF
m各々のデータ入力端子Dには、ラインL2を介して
図2に示す如き第2画素データ系列Q2(PD
(m/2)+1〜PD
m)が共通に供給されている。DラッチFF
(m/2)+1〜FF
m各々のクロック入力端子には、シフトレジスタ121から供給されたクロック信号CK
1〜CK
m/2が夫々個別に供給されている。これにより、DラッチFF
(m/2)+1〜FF
mの各々は、夫々に供給されたクロック信号CK
1〜CK
m/2のタイミングで第2画素データ系列Q2の取り込みを行い、取り込まれた画素データの値を画素データA
(m/2)+1〜A
mとして夫々第2ラッチ部123に供給する。例えば、DラッチFF
(m/2)+1は、
図2に示す如きクロック信号CK
1のタイミングによって、第2画素データ系列Q2中における画素データPD
(m/2)+1を取り込み、これを画素データA
(m/2)+1として第2ラッチ部123に供給する。また、DラッチFF
(m/2)+2は、
図2に示す如きクロック信号CK
2のタイミングによって、第2画素データ系列Q2中における画素データPD
(m/2)+2を取り込み、これを画素データA
(m/2)+2として第2ラッチ部123に供給する。また、DラッチFF
mは、
図2に示す如きクロック信号CK
m/2のタイミングによって、第2画素データ系列Q2中における画素データPD
mを取り込み、これを画素データA
mとして第2ラッチ部123に供給する。
【0030】
かかる構成により、第1ラッチ部122は、駆動制御部10からシリアル形態にて供給される1水平走査ライン分の画素データPD
1〜PD
mの各々を、m個のDラッチFF
1〜FF
mに順次取り込み、これらを画素データA
1〜A
mとして次段の第2ラッチ部123に供給するのである。
【0031】
第2ラッチ部123は、これら画素データA
1〜A
mの各々を
図2に示す如きロードクロック信号LCに応じて取り込み、夫々を画素データB
1〜B
mとして出力アンプ124に供給する。
【0032】
出力アンプ124は、画素データB
1〜B
m各々によって示される輝度レベルに対応した電圧を有する駆動パルスを夫々生成し、表示パネル20のデータラインD
1〜D
mに印加する。
【0033】
尚、第2ラッチ部123では、表示パネル20のデータラインD
1〜D
mに流れ込むピーク電流を時間的に分散させるべく、各Dラッチの取り込みタイミングを異ならせるようにしている。
【0034】
図6は、第2ラッチ部123の内部構成を示す回路図である。
【0035】
図6において、レベル・センシティブタイプのDラッチFL
1〜FL
nは、夫々のクロック入力端子に供給されたクロック信号が論理レベル1の状態にある間だけ、第1ラッチ部122から供給された画素データA
1〜A
mを取り込み、夫々画素データB
1〜B
mとして出力アンプ124に供給する。一方、そのクロック入力端子に供給されたクロック信号が論理レベル0の状態にある間は、DラッチFL
1〜FL
nは、クロック信号が論理レベル1の状態にある間に取り込んだ画素データA
1〜A
mを保持し、夫々を画素データB
1〜B
mとして出力アンプ124に供給する。
【0036】
この際、DラッチFL
1〜FL
n各々の内の第1番目のFL
1及び第(m/2)+1番目のFL
(m/2)+1各々のクロック入力端子には、クロック信号として
図2に示す如きロードクロック信号LCが供給される。また、第2〜第(m/2)番目のDラッチFL
2〜FL
m/2、及び第(m−1)〜第(m/2)+2番目のDラッチFL
m−1〜FL
(m/2)+2各々のクロック入力端子には、以下の如き遅延ロードクロック信号LD
2〜LD
m/2が夫々供給される。
【0037】
遅延回路DL
1は、上記したロードクロック信号LCを所定時間だけ遅延させた遅延クロック信号を遅延ロードクロック信号LD
2として、DラッチFL
2及びFL
m−1各々のクロック入力端子に供給する。遅延回路DL
2は、上記遅延ロードクロック信号LD
2を所定時間だけ遅延させた遅延クロック信号を遅延ロードクロック信号LD
3として、DラッチFL
3及びFL
m−2各々のクロック入力端子に供給する。遅延回路DL
3は、上記遅延ロードクロック信号LD
3を所定時間だけ遅延させた遅延クロック信号を遅延ロードクロック信号LD
4として、DラッチFL
4及びFL
m−3各々のクロック入力端子に供給する。また、遅延回路DL
(m/2)-1は、遅延ロードクロック信号LD
(m/2)-1を所定時間だけ遅延させた遅延クロック信号を遅延ロードクロック信号LD
m/2として、DラッチFL
m/2及びFL
(m/2)+1各々のクロック入力端子に供給する。
【0038】
すなわち、遅延回路DL
k[kは、1〜(m/2)-1]は、第k番目のDラッチFL
kのクロック入力端子に供給された遅延ロードクロック信号LD
kを所定時間だけ遅延させた遅延クロック信号を遅延ロードクロック信号LD
k+1として、DラッチFL
k+1及びFL
m-(k-1)各々のクロック入力端子に供給する。
【0039】
尚、遅延回路DL
1〜DL
(m/2)-1の各々は、互いに直列に接続されたインバータIV1及びIV2と、アンドゲートANとからなる。遅延回路DL
1のインバータIV1は、ロードクロック信号LCの論理レベルを反転させた反転クロック信号をインバータIV2に供給する。遅延回路DL
1のインバータIV2は、かかる反転クロック信号の論理レベルを反転させた信号をアンドゲートANに供給する。つまり、ロードクロック信号LCがインバータIV1及びIV2によって遅延された遅延クロック信号がアンドゲートANに供給されるのである。遅延回路DL
1のアンドゲートANは、インバータIV1及びIV2によってロードクロック信号LCを遅延した遅延クロック信号と、このロードクロック信号LC自体との論理積を求め、その論理積結果を上記遅延ロードクロック信号LD
2とする。同様に、遅延回路DL
2〜DL
(m/2)-1各々のインバータIV1は、遅延ロードクロック信号LD
k[kは、2〜(m/2)-1]の論理レベルを反転させた反転クロック信号をインバータIV2に供給する。インバータIV2は、かかる反転クロック信号の論理レベルを反転させた信号をアンドゲートANに供給する。アンドゲートANは、遅延ロードクロック信号LD
kをインバータIV1及びIV2によって遅延した遅延クロック信号と、この遅延ロードクロック信号LD
k自体との論理積を求め、その論理積結果を上記遅延ロードクロック信号LD
k+1とする。尚、遅延回路DL
1〜DL
(m/2)+1の各々は、
図6に示す如きインバータIV1及びIV2による遅延素子と、アンドゲートANとの処理で費やされる遅延時間を利用した遅延回路である。この際、遅延回路DL
1〜DL
(m/2)+1各々の遅延素子として直列2段のインバータを用いたがその直列段数は2段に限定されるものではなく、また、インバータ以外の論理素子を用いて遅延素子を構築するようにしても良い。
【0040】
上記した構成により、第2ラッチ部123におけるDラッチFL
2〜FL
m/2、及びFL
(m/2)+1〜FL
m各々のクロック入力端子には、ロードクロック信号LCを夫々異なる遅延量にて遅延させた遅延ロードクロック信号LD
2〜LD
m/2が供給されるのである。
【0041】
従って、ロードクロック信号LCが論理レベル0の状態から論理レベル1の状態に切り替わる、いわゆる立ち上りエッジに対して、遅延ロードクロック信号LD
2〜LD
m/2各々の立ち上りエッジのタイミングは、
図2に示す如く夫々異なることになる。例えば、
図2に示すように、ロードクロック信号LCの立ち上りエッジの時点T
1に対して、遅延ロードクロック信号LD
2の立ち上りエッジは、遅延回路DL
1による遅延時間だけ経過した時点T
2で表れる。また、ロードクロック信号LCの立ち上りエッジの時点T
1に対して、遅延ロードクロック信号LD
2の立ち上りエッジは、遅延回路DL
1及びDL
2による遅延時間だけ経過した時点T
3で表れる。
【0042】
これにより、第2ラッチ部123のDラッチFL
1〜FL
mは、第1ラッチ部122から供給された画素データA
1〜A
mを夫々異なるタイミングで取り込み、夫々を
図2に示す如き画素データB
1〜B
mとして夫々異なるタイミングで出力アンプ124に供給することになる。
【0043】
よって、現時点で第2ラッチ部123のDラッチFL
1〜FL
n各々に保持されている画素データの値が、新たな画素データA
1〜A
mの取り込みによって低レベル状態から高レベル状態(又はその反対)に遷移しても、その取り込まれた値が画素データB
1〜B
mとして出力アンプ124に供給されるタイミングは、
図2に示す如く夫々時間的に分散する。従って、画素データB
1〜B
mに応じた駆動パルスが表示パネル20のデータラインD
1〜D
m各々に印加されたときに、これらデータラインD
1〜D
m各々に同時に流れ込む電流量は小となるので、電流の同時流れ込みに伴うノイズの発生を抑制することが可能となる。
【0044】
ここで、
図6に示す第2ラッチ部123における遅延回路DL
kでは、ロードクロック信号LCと遅延ロードクロック信号LD
kとの論理積結果を遅延ロードクロック信号LD
k+1としている。
【0045】
これにより、ロードクロック信号LC及び遅延ロードクロック信号LD
2〜LD
m/2各々の立ち上がりエッジのタイミング、つまり各DラッチFLのデータ取り込み開始タイミングは夫々異なることになる。しかしながら、ロードクロック信号LC及び遅延ロードクロック信号LD
2〜LD
m/2が論理レベル1の状態から論理レベル0の状態に遷移する、いわゆる立ち下がりエッジのタイミング、つまり各DラッチFLのデータ取り込み終了タイミングは、
図2に示すように、全て同一の時点Teとなる。すなわち、遅延ロードクロック信号LD
2〜LD
m/2は、ロードクロック信号LCに対してその立ち上がりエッジタイミングのみを遅延させたクロック信号なのである。
【0046】
よって、
図2に示す如く、ロードクロック信号LCが論理レベル1から論理レベル0に遷移した時点Teにおいて、DラッチFL
1及びFL
mのみならず、その他の全てのDラッチFL各々のクロック入力端子に供給される遅延ロードクロック信号LD
2〜LD
m/2も論理レベル1から論理レベル0に遷移する。従って、ロードクロック信号LCに対して、遅延回路DLの遅延時間及び/又は遅延段数を増やしても、第2ラッチ部123のDラッチFL
1〜FL
mによるデータ取り込み期間が、第1ラッチ部122による次の1水平走査分の画素データの取り込みタイミングと重なるような不具合が防止される。
【0047】
これにより、
図6に示す第2ラッチ部123によれば、誤ったデータ取り込みを生じさせることなく、表示パネルのデータライン各々に流れ込む電流を十分な遅延時間をもって時間的に分散させることができるので、ノイズ低減効果を大幅に向上させることが可能となる。
【0048】
図7は、
図6に示す第2ラッチ部123の変形例を示す回路図である。
【0049】
尚、
図7に示される構成では、遅延回路DL
1〜DL
(m/2)-1各々のインバータIV1に代えて論理反転機能を有する可変遅延素子IVCを採用した点を除く他の構成、及びその基本となる動作は、
図6に示されるものと同一である。
【0050】
図7に示す構成を有する第2ラッチ部123を採用した場合、駆動制御部10は、遅延回路DL
1〜DL
(m/2)-1各々の遅延量を個別に指定する為の外部入力を受け付け、各遅延回路DL
1〜DL
(m/2)-1各々の遅延量を示す遅延量指定データDCを、これら遅延回路DL
1〜DL
(m/2)-1の各々に供給する。
【0051】
遅延回路DL
1〜DL
(m/2)-1各々の可変遅延素子IVCは、駆動制御部10から供給された遅延量指定データDCにて指定された遅延量にて、前段から供給されたロードクロック信号LC又は遅延ロードクロック信号LDを遅延し、更に論理反転させた信号をインバータIV2に供給する。
【0052】
よって、
図7に示す第2ラッチ部123によれば、DラッチFL
2〜FL
m/2、FL
(m/2)+2〜FL
m各々のデータ取り込み開始タイミングを任意に調整することが可能となる。
【0053】
尚、上記実施例においては、第2ラッチ部123のDラッチFL
1〜FL
mとして、そのクロック入力端子に供給されているクロック信号が論理レベル1の状態にある間だけ画素データの取り込みを行って出力するタイプを用いたが、クロック信号が論理レベル0の状態にある間だけデータを取り込んで出力するタイプを使用しても良い。要するに、第2ラッチ部123のDラッチFL
1〜FL
mの各々としては、各クロック入力端子に供給されたクロック信号が第1レベルの状態及び第2レベルの状態の内の一方の状態にある間だけデータを取り込んで出力するレベルセンシティブ型のDラッチであれば良いのである。
【0054】
また、
図6又は
図7に示す第2ラッチ部123では、各遅延回路DL内にアンドゲートANを設けることにより、
図2に示す如く各DラッチFLのデータ取り込み開始タイミング(T
1〜T
m/2)を夫々異ならせる一方、各DラッチFLのデータ取り込み終了タイミング(T
e)を一致させている。しかしながら、各DラッチFLに対するデータ取り込み終了タイミングに関しては、必ずしもロードクロック信号LCに基づくデータ取り込み終了タイミングと一致させる必要はない。
【0055】
要するに、各DラッチFLのデータ取り込み開始タイミングを夫々異ならせる為の遅延量よりも少ない遅延量にて、各DラッチFLのデータ取り込み終了タイミングを夫々異ならせるようにすれば良いのである。つまり、遅延回路DLとしては、ロードクロック信号LCが論理レベル0から1に遷移してから、遅延ロードクロック信号LDが論理レベル1に遷移するまでの遅延時間よりも、ロードクロック信号LCが論理レベル1から0に遷移してから、遅延ロードクロック信号LDが論理レベル0に遷移するまでの遅延時間が短くなるような遅延回路を採用するのである。
【0056】
また、上記実施例では、表示パネル20のデータラインD
1〜D
mを2つのグループに分け、各グループに属する(m/2)個のデータラインD各々に対して夫々異なるタイミングで駆動パルスを印加する場合に適用される構成を説明した。しかしながら、表示パネル20に形成されている全てのデータラインDに対して夫々異なるタイミングで駆動パルスを印加する場合にも同様に適用可能である。
【0057】
また、上記実施例では、
図3に示すシフトレジスタ121、第1ラッチ部122、第2ラッチ部123、及び出力アンプ124の如き4つのモジュールを含むデータドライバ12を単一又は複数の半導体チップで構築するようにしたが、各モジュール単位で半導体チップ化しても良い。また、これら4つのモジュールの内の2つ又は3つを組み合わせたものを半導体チップ化しても良い。
【0058】
また、
図6に示される第2ラッチ部123では、遅延回路DL
1〜DL
(m/2)-1各々から出力された遅延ロードクロック信号LD
2〜DL
m/2を、DラッチFL
1〜FL
m/2からなるラッチグループと、DラッチFL
(m/2)+1〜FL
mからなるラッチグループとで共有しているが、各ラッチグループ毎に、遅延回路DL
1〜DL
(m/2)-1/2を個別に設けるようにしても良い。
【0059】
図8は、かかる点に鑑みて為された第2ラッチ部123の他の変形例を示す図である。
【0060】
図8に示す構成において、DラッチFL
1〜FL
n各々の動作、ロードクロック信号LCを遅延する遅延回路DL
1〜DL
(m/2)-1各々の動作、並びに第2ラッチ部123としての動作は、
図6に示されるものと同一である。ここで、DラッチFL
1及びFL
n各々のクロック入力端子には上記したロードクロック信号LCが直接供給される。DラッチFL
2〜FL
m/2各々のクロック入力端子には、遅延回路DL
1〜及びDL
(m/2)-1からなる第1遅延回路群DUT
1から送出された遅延ロードクロック信号LD
2〜DL
m/2が夫々供給される。また、DラッチFL
m-1,FL
m-2,・・・FL
(m/2)+1各々のクロック入力端子には、第1遅延回路群DUT
1と同様に遅延回路DL
1〜及びDL
(m/2)-1からなる第2遅延回路群DUT
2が送出した遅延ロードクロック信号LD
2〜DL
m/2が夫々供給される。
【0061】
図8に示す構成によれば、遅延回路DL
1〜DL
(m/2)-1が2系統(DUT
1、DUT
2)必要になるものの、DラッチFL
1〜FL
m/2からなるラッチグループと、DラッチFL
(m/2)+1〜FL
mからなるラッチグループとの間を接続する配線の数は、ロードクロック信号LCを伝送する為の1本となる。よって、両ラッチグループ間において、遅延ロードクロック信号LD
2〜DL
m/2を伝送する為に[(m/2)−1]本の配線が必要となる
図6に示す如き構成を採用する場合に比して、チップ占有面積を小さくすることが可能となる。