【実施例】
【0099】
以下、本発明を実施例に基づき、さらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
【0100】
なお、本実施例で用いた分析機器及び測定方法を以下に列記する。
【0101】
[材料純度測定(HPLC分析)]
測定装置:東ソー製 マルチステーションLC−8020
測定条件:カラム Inertsil ODS−3V(4.6mmΦ×250mm)
検出器 UV検出(波長 254nm)
溶離液 メタノール/テトラヒドロフラン=9/1(v/v比)
[燐光スペクトル測定]
測定装置:日本分光株式会社製 分光蛍光光度計FP−6500
[NMR測定]
測定装置:バリアン社製 Gemini200
[質量分析]
質量分析装置:日立製作所製 M−80B
測定方法:FD−MS分析
[有機EL素子の電流−電圧特性及び発光特性]
測定装置:ケースレーインスツルメンツ社製 ソースメータ(2400)
TOPCON社製 輝度計LUMINANCE METER(BM−9)
[ガラス転移温度測定]
測定装置:マックサイエンス社製 DSC−3100
測定条件:窒素気流下、昇温速度10℃/分で測定
【0102】
【化14】
【0103】
合成例1 化合物(B−1)の合成
窒素雰囲気下、攪拌装置を備えた1L3つ口フラスコ中に、トルエン 500mL、水素化ナトリウム(60% in Oil) 20.0g(500mmol)を加え、室温で5分間攪拌した。この溶液に、室温でフタル酸ジメチル 100g(515mmol)と3−ペンタノン 41.0g(476mmol)の混合液を30分かけて滴下した。滴下終了後、さらに90℃で17時間攪拌した。反応終了後、反応液を室温まで冷却した後、析出した紅色粉末をろ取して乾燥した。得られた紅色粉末を純水 700mLに溶解させ、この溶液に濃塩酸を滴下して酸性溶液とした。析出した黄色粉末をろ取し、純水 500mLで洗浄した。更に真空乾燥を行い、黄色粉末 45.1gを得た(収率 59%、純度 95.0%)。
1H−NMR及び
13C−NMR分析から、得られた黄色粉末は目的の化合物(B−1)であることを確認した。
【0104】
1H−NMR(CDCl
3)δ(ppm)=1.40〜1.44(d 3H), 3.01〜3.12(q 1H), 7.83〜8.01(m 4H)
13C−NMR(CDCl
3)δ(ppm)=10.59, 48.82, 123.22, 135.62, 141.88, 200.96
合成例2 化合物(B−2)の合成
窒素雰囲気下、攪拌装置及びディーンシュターク管を備えた1L3つ口フラスコ中に、化合物(B−1) 15.3g(95.6mmol)、4−クロロベンズヒドロール 20.9g(95.6mmol)、トルエン 350mL、p−トルエンスルホン酸1水和物 0.920g(4.84mmol)を加え、150℃で3時間加熱した。尚、反応途中で生成する水は系外に除去した。反応終了後、トルエンを留去し、反応器を室温まで冷却した。残渣にジクロロメタン 350mLを添加し、純水 500mLで洗浄した後、得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。その後、減圧濃縮して溶媒を留去し、得られた濃縮残渣にメタノール 20mLを添加した。析出した白色粉末をろ取し、メタノール 10mLで洗浄した後、ヘキサン 10mLで洗浄した。更に真空乾燥を行い、白色粉末 27.0gを得た(収率 78%、純度 99.8%)。
1H−NMR及び
13C−NMR分析から、得られた白色粉末は目的の化合物(B−2)であることを確認した。
【0105】
1H−NMR(CDCl
3)δ(ppm)=1.29(s 3H), 4.57(s 1H), 7.07〜7.18(m 5H), 7.37〜7.47(m 4H), 7.70〜7.83(m 4H)
13C−NMR(CDCl
3)δ(ppm)=20.24, 57.05, 58.13, 123.17, 126.94, 128.37, 128.42, 129.47, 131.13, 132.71, 135.69, 138.28, 139.23, 141.19, 141.26, 203.78, 203.89
合成例3 化合物(B−3)の合成
窒素雰囲気下、攪拌装置を備えた1L3つ口フラスコ中に、化合物(B−2) 37.0g(103mmol)、テトラヒドロフラン 300mL及びメタノール 300mLを加え、室温で10分間攪拌した。この溶液に、水素化ホウ素ナトリウム 11.6g(307mmol)を1時間かけてゆっくりと加え、さらに室温で10時間攪拌した。反応終了後、反応容器を0℃に冷却し、5%塩酸水溶液 200mLをゆっくりと滴下した。その後、ジクロロメタン 650mL、純水 500mLを加えて洗浄分液した。次いで飽和食塩水で洗浄分液し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。その後、減圧濃縮して溶媒を留去し、白色粉末 37.5gを得た(収率 99%、純度 99.1%)。
13C−NMR分析から、化合物(B−2)のカルボニル基ピークが消失していることを確認した。得られた白色粉末は、これ以上の精製をせずに次工程に用いた。
【0106】
実施例1 化合物(B−4)の合成
窒素雰囲気下、攪拌装置を備えた1L3つ口フラスコ中に、硫酸 55g(561mmol)、酢酸 500mLを加え、室温で5分間攪拌した。この溶液に、化合物(B−3) 51.5g(141mmol)を酢酸 20mLに溶解させた溶液を、1時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに80℃で20時間攪拌した。反応終了後、氷水 1500mLへ反応液(80℃)を注ぎ、室温で1時間攪拌した。析出した灰色粉末をろ取し、純水 1000mLで洗浄した。得られた灰色粉末をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、更にトルエンで再結晶することにより、白色結晶 6.2gを得た(収率 13%、純度 99.8%)。
1H−NMR及び
13C−NMR分析から、得られた白色結晶は目的の化合物(B−4)であることを確認した。
【0107】
1H−NMR(CDCl
3)δ(ppm)=1.67(s 3H), 4.42(s 2H), 4.46(s 1H), 7.12〜7.46(m 11H)
13C−NMR(CDCl
3)δ(ppm)=27.62, 61.28, 63.00, 63.38, 63.62, 124.27, 124.36, 124.49, 124.52, 125.46, 127.60, 127.66, 127.75, 133.09, 143.92, 144.59, 144.90, 145.27, 145.40, 147.27
実施例2 化合物(A−2)の合成
窒素雰囲気下、攪拌装置を備えた100mL4つ口フラスコ中に、化合物(B−4) 1.00g(3.04mmol)、アニリン 0.134g(1.45mmol)、tert−ブトキシナトリウム 0.340g(3.54mmol)、酢酸パラジウム 7mg(0.03mmol)、トリ−tert−ブチルホスフィン 20mg(0.10mmol)、o−キシレン 15mLを加え、140℃で6時間攪拌した。反応終了後、純水 30mL及びトルエン 15mLを添加して洗浄分液した。さらに、得られた有機層を純水 30mL、次いで飽和食塩水で洗浄分液した後、得られた有機層を減圧濃縮して溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、白色粉末 0.69gを得た(収率 70%、純度 98.9%)。
1H−NMR及び
13C−NMR分析から、得られた白色粉末は目的の化合物(A−2)であることを確認した。DSC分析から、化合物(A−2)のガラス転移温度は171℃であった。
【0108】
1H−NMR(CDCl
3)δ(ppm)=1.67〜1.69(d 6H), 4.34(s 2H), 4.41(s 2H), 4.46(s 2H), 6.80〜7.48(m 27H)
13C−NMR(CDCl
3)δ(ppm)=27.73, 61.29, 63.18, 63.42, 63.45, 63.56, 119.85, 120.11, 121.87, 122.13, 123.30, 123.65, 123.88, 124.27, 124.43, 124.52, 124.71, 127.44, 128.92, 128.96, 139.59, 139.76, 145.38, 145.47, 145.58, 146.48, 146.53, 147.38, 147.41, 147.94, 148.18
実施例3 化合物(A−3)の合成
実施例2において、アニリンの代わりにp−トルイジンを0.156g(1.45mmol)用いた以外は、実施例2と同様の実験操作を行って、白色粉末を0.69g得た(収率 69%、純度 99.7%)。
1H−NMR及び
13C−NMR分析から、得られた白色固体は目的の化合物(A−3)であることを確認した。DSC分析から、化合物(A−3)のガラス転移温度は172℃であった。
【0109】
1H−NMR(CDCl
3)δ(ppm)=1.67〜1.68(d 6H), 2.30(s 3H), 4.33(s 2H), 4.40(s 2H), 4.45(s 2H), 6.76〜7.48(m 26H)
13C−NMR(CDCl
3)δ(ppm)=20.95, 27.73, 61.29, 63.16, 63.20, 63.44, 63.47, 63.56, 119.25, 119.54, 123.37, 123.72, 124.08, 124.25, 124.41, 124.60, 127.40, 129.61, 129.67, 131.83, 132.12, 139.12, 139.28, 145.38, 145.47, 145.64, 146.37, 146.42, 147.63
実施例4 化合物(A−35)の合成
実施例2において、アニリンの代わりにN−(4−ビフェニリル)アニリンを0.75g(3.07mmol)用いた以外は、実施例2と同様の実験操作を行って、白色粉末を1.16g得た(収率 71%、純度 98.8%)。
1H−NMR及び
13C−NMR分析から、得られた白色固体は目的の化合物(A−35)であることを確認した。DSC分析から、化合物(A−35)のガラス転移温度は115℃であった。
【0110】
1H−NMR(CDCl
3)δ(ppm)=1.69(s 3H), 4.37(s 1H), 4.43(s 1H), 4.47(s 1H), 6.90〜7.59(m 25H)
13C−NMR(CDCl
3)δ(ppm)=27.67, 61.29, 63.18, 63.42, 63.56, 120.53, 122.62, 123.54, 124.14, 124.30, 124.41, 124.89, 126.59, 126.70, 127.45, 127.60, 128.70, 129.12, 134.72, 140.25, 140.66, 145.38, 145.47, 146.70, 147.10, 147.25, 147.72
実施例5 化合物(A−36)の合成
実施例2において、アニリンの代わりにN−(4−ビフェニリル)−N−(p−トリル)アミンを0.80g(3.08mmol)用いた以外は、実施例2と同様の実験操作を行って、白色粉末を1.20g得た(収率 71%、純度 99.1%)。
1H−NMR及び
13C−NMR分析から、得られた白色固体は目的の化合物(A−36)であることを確認した。DSC分析から、化合物(A−36)のガラス転移温度は118℃であった。
【0111】
1H−NMR(CDCl
3)δ(ppm)=1.67(s 3H), 2.32(s 3H), 4.36(s 1H), 4.41(s 1H), 4.46(s 1H), 6.88〜7.58(m 24H)
13C−NMR(CDCl
3)δ(ppm)=20.99, 27.69, 61.29, 63.20, 63.44, 63.58, 120.07, 122.93, 124.08, 124.30, 124.43, 124.87, 126.56, 126.63, 127.45, 127.53, 128.70, 129.87, 132.67, 134.23, 139.89, 140.73, 145.12, 145.40, 145.45, 145.53, 146.61, 147.29, 147.49
実施例6 化合物(A−61)の合成
実施例2において、アニリンの代わりにN,N−ビス(4−ビフェニリル)アミンを0.98g(3.05mmol)用いた以外は、実施例2と同様の実験操作を行って、白色粉末を1.32g得た(収率 72%、純度 99.7%)。
1H−NMR及び
13C−NMR分析から、得られた白色固体は目的の化合物(A−61)であることを確認した。DSC分析から、化合物(A−61)のガラス転移温度は133℃であった。
【0112】
1H−NMR(CDCl
3)δ(ppm)=1.69(s 3H), 4.39(s 1H), 4.44(s 1H), 4.47(s 1H), 6.95〜7.60(m 29H)
13C−NMR(CDCl
3)δ(ppm)=27.71, 61.31, 63.22, 63.44, 63.58, 120.75, 123.85, 124.30, 124.43, 124.69, 124.98, 126.61, 126.78, 127.47, 127.67, 128.72, 135.02, 140.51, 140.62, 145.36, 145.44, 146.79, 146.93, 147.05
実施例7 化合物(A−18)の合成
実施例2において、アニリンの代わりに4−n−ブチルアニリンを0.226g(1.51mmol)用いた以外は、実施例2と同様の実験操作を行って、白色粉末を0.80g得た(収率 73%、純度 99.3%)。
1H−NMR及び
13C−NMR分析から、得られた白色固体は目的の化合物(A−18)であることを確認した。DSC分析から、化合物(A−18)のガラス転移温度は146℃であった。
【0113】
1H−NMR(CDCl
3)δ(ppm)=0.90〜0.97(t 3H), 1.28〜1.68(m 10H), 2.51〜2.59(t 2H), 4.33(s 2H), 4.40(s 2H), 4.45(s 2H), 6.78〜7.47(m 26H)
13C−NMR(CDCl
3)δ(ppm)=14.18, 22.53, 27.73, 33.84, 35.14, 61.29, 63.22, 63.49, 63.68, 119.31, 119.62, 123.39, 123.68, 123.97, 124.25, 124.34, 124.41, 124.58, 127.40, 128.92, 128.97, 136.94, 137.23, 139.10, 139.26, 145.40, 145.49, 145.66, 145.77, 146.37, 146.44, 147.67
実施例8 化合物(A−37)の合成
実施例2において、アニリンの代わりにN−(4−ビフェニリル)−N−(p−メトキシフェニル)アミンを0.848g(3.08mmol)用いた以外は、実施例2と同様の実験操作を行って、白色粉末を1.33g得た(収率 77%、純度 99.8%)。質量分析の結果から、得られた白色粉末は目的の化合物(A−37)であることを確認した。DSC分析から、化合物(A−37)のガラス転移温度は117℃であった。
【0114】
質量分析(FDMS):567(M+)
実施例9 化合物(A−4)の合成
実施例2において、アニリンの代わりに3,4−メチレンジオキシアニリンを0.191g(1.39mmol)用いた以外は、実施例2と同様の実験操作を行って、白色粉末を0.50g得た(収率 50%、純度 99.9%)。質量分析の結果から、得られた白色粉末は目的の化合物(A−4)であることを確認した。DSC分析から、化合物(A−4)のガラス転移温度は175℃であった。
【0115】
質量分析(FDMS):721(M+)
【0116】
【化15】
【0117】
合成例4 化合物(C−1)の合成
窒素雰囲気下、攪拌装置を備えた1L3つ口フラスコ中に、ジエチルエーテル 400mL、o−クロロベンズアルデヒド 40.1g(0.286mol)を加え、反応容器を0℃に冷却した。この溶液に、フェニルマグネシウムブロミド溶液(アルドリッチ社製 3.0Mジエチルエーテル溶液)100mL(0.300mol)を1時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに室温で3時間攪拌した。反応終了後、反応容器を0℃に冷却し、3.5%塩化水素水溶液を250mL滴下した。その後、飽和食塩水で洗浄分液し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。その後、減圧濃縮して溶媒を留去し、更に真空乾燥を行い、淡黄色オイル 63gを得た(収率 99%、純度 99.0%)。
1H−NMR及び
13C−NMR分析から、得られた淡黄色オイルは目的の化合物(C−1)であることを確認した。
【0118】
1H−NMR(CDCl
3)δ(ppm)=2.55(s 1H), 6.18(s 1H), 7.14〜7.60(m 9H)
13C−NMR(CDCl
3)δ(ppm)=72.70, 126.90, 127.07, 127.73, 128.02, 128.44, 128.72, 129.52, 132.47, 140.97, 142.21
合成例5 化合物(C−2)の合成
窒素雰囲気下、攪拌装置及びディーンシュターク管を備えた500mL3つ口フラスコに、化合物(C−1) 38.4g(0.175mol)、化合物(B−1) 28.1g(0.175mol)、トルエン 210mL、p−トルエンスルホン酸1水和物 1.67g(8.80mmol)を加え、150℃で3時間加熱した。尚、反応途中で生成する水は系外に除去した。反応終了後、トルエンを留去し、反応器を室温まで冷却した。残渣にジクロロメタン 300mLを添加し、10%炭酸カリウム水溶液 200mLで洗浄した後、更に飽和食塩水で洗浄分液し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。その後、減圧濃縮して溶媒を留去し、更に真空乾燥を行い、黄色オイル 59.0gを得た(収率 94%、純度 96.7%)。
1H−NMR及び
13C−NMR分析から、得られた黄色オイルは目的の化合物(C−2)であることを確認した。
【0119】
1H−NMR(CDCl
3)δ(ppm)=1.34(s 3H), 5.33(s 1H), 6.95〜7.32(m 8H), 7.65〜7.87(m 4H), 8.31〜8.46(dd 1H)
13C−NMR(CDCl
3)δ(ppm)=19.91, 48.13, 52.54, 123.10, 123.21, 126.65, 126.87, 128.00, 128.11, 129.58, 129.93, 131.45, 135.00, 135.53, 135.58, 137.31, 138.31, 141.02, 141.50
合成例6 化合物(C−3)の合成
窒素雰囲気下、攪拌装置を備えた1L3つ口フラスコ中に、化合物(C−2) 59.0g(0.164mol)、テトラヒドロフラン 250mL、メタノール 250mLを加え、反応容器を0℃に冷却した。この溶液に、水素化ホウ素ナトリウム 16.1g(0.426mol)を1時間かけてゆっくりと加え、さらに室温で3時間攪拌した。反応終了後、反応容器を0℃に冷却し、5%塩化水素水溶液 250mLをゆっくりと滴下した。その後、ジクロロメタン 350mL、純水 400mLを加えて洗浄分液した。次いで飽和食塩水で洗浄分液し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。その後、減圧濃縮して溶媒を留去し、淡黄色粉末 59.9gを得た(収率 99%)。
13C−NMR(CDCl
3)から、化合物(C−2)のカルボニル基ピークが消失しているのを確認した。得られた淡黄色粉末は、これ以上の精製をせずに次工程に用いた。
【0120】
実施例10 化合物(C−4)の合成
窒素雰囲気下、攪拌装置を備えた2Lセパラブルフラスコ中に、硫酸 68.0g、酢酸 650mLを加え、室温で5分間攪拌した。この溶液に、化合物(C−3) 59.9g(173mmol)を酢酸 350mLに溶解させた溶液を、1時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに90℃で8時間攪拌した。反応終了後、反応液を50℃まで冷却した。氷水 2000mLへ反応液(50℃)を注ぎ、室温で1時間攪拌した。析出した灰色粉末をろ取し、これを5%炭酸カリウム水溶液 1000mLで洗浄し、次いで純水 2000mLで洗浄した。得られた灰色粉末をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、更にトルエン/メタノール混合溶媒で再結晶することにより、白色結晶 6.8gを得た(収率 12%、純度 99.8%)。
1H−NMR及び
13C−NMR分析から、得られた白色結晶は目的の化合物(C−4)であることを確認した。
【0121】
1H−NMR(CDCl
3)δ(ppm)=1.65(s 3H), 4.41(s 1H), 4.44(s 1H), 4.74(s 1H), 7.07〜7.48(m 10H), 8.03〜8.07(m 1H)
13C−NMR(CDCl
3)δ(ppm)=27.71, 60.69, 63.20, 63.36, 64.19, 113.00, 124.19, 124.43, 126.76, 127.31, 127.51, 127.75, 128.11, 128.97, 130.70, 143.07, 144.04, 144.61, 145.91, 147.93
実施例11 化合物(A−62)の合成
窒素雰囲気下、攪拌装置を備えた50mL3つ口フラスコ中に、化合物(C−4) 0.500g(1.52mmol)、 N,N−ビス(4−ビフェニリル)アミン 0.490g(1.53mmol)、tert−ブトキシナトリウム 0.180g(1.87mmol)、酢酸パラジウム 4mg(0.02mmol)、トリ−tert−ブチルホスフィン 14mg(0.07mmol)、o−キシレン 10mLを加え、130℃で10時間攪拌した。反応終了後、純水 30mL及びトルエン 15mLを添加して洗浄分液した。さらに、得られた有機層を純水 30mL、次いで飽和食塩水で洗浄分液した後、得られた有機層を減圧濃縮して溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、白色粉末 0.73gを得た(収率 78%、純度 99.0%)。
1H−NMR及び
13C−NMR分析から、得られた白色粉末は目的の化合物(A−62)であることを確認した。DSC分析から、化合物(A−62)のガラス転移温度は151℃であった。
【0122】
1H−NMR(CDCl
3)δ(ppm)=1.43(s 3H), 4.01(s 1H), 4.35(s 1H), 4.38(s 1H), 6.96〜7.71(m 29H)
13C−NMR(CDCl
3)δ(ppm)=27.77, 60.69, 62.50, 63.13, 63.67, 121.21, 122.33, 123.88, 124.19, 124.43, 126.26, 126.67, 126.87, 127.47, 127.69, 127.88, 128.79, 128.83, 129.29, 135.03, 135.22, 140.58, 140.64, 141.50, 143.88, 144.80, 144.89, 145.36, 145.91, 146.08, 147.58, 148.20
実施例12 化合物(A−52)の合成
実施例11において、N,N−ビス(4−ビフェニリル)アミンの代わりにN−(4−ビフェニリル)−N−(p−メトキシフェニル)アミンを0.420g(1.53mmol)用いた以外は、実施例11と同様の実験操作を行って、白色粉末を0.59g得た(収率 69%、純度 99.6%)。質量分析の結果から、得られた白色粉末は目的の化合物(A−52)であることを確認した。DSC分析から、化合物(A−52)のガラス転移温度は132℃であった。
【0123】
質量分析(FDMS):567(M+)
実施例13 化合物(A−51)の合成
実施例11において、N,N−ビス(4−ビフェニリル)アミンの代わりにN−(4−ビフェニリル)−N−(p−トリル)アミンを0.400g(1.54mmol)用いた以外は、実施例11と同様の実験操作を行って、白色粉末を0.53g得た(収率 63%、純度 99.4%)。質量分析の結果から、得られた白色粉末は目的の化合物(A−51)であることを確認した。DSC分析から、化合物(A−51)のガラス転移温度は133℃であった。
【0124】
質量分析(FDMS):551(M+)
【0125】
【化16】
【0126】
合成例7 化合物(D−1)の合成
窒素雰囲気下、攪拌装置を備えた3L3つ口フラスコ中に、ジエチルエーテル 1100mL、p−ブロモベンズアルデヒド 146g(0.790mol)を加え、反応容器を0℃に冷却した。この溶液に、p−クロロフェニルマグネシウムブロミド溶液(アルドリッチ社製 1.0Mジエチルエーテル溶液)800mL(0.800mol)を2時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに室温で15時間攪拌した。反応終了後、反応容器を0℃に冷却し、3.5%塩化水素水溶液を1000mL滴下した。その後、飽和食塩水で洗浄分液し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。その後、減圧濃縮して溶媒を留去し、得られた白色粉末をヘキサン3000mLで洗浄した。更に真空乾燥を行い、白色粉末 174gを得た(収率 74%、純度 99.0%)。
1H−NMR及び
13C−NMR分析から、得られた白色粉末は目的の化合物(D−1)であることを確認した。
【0127】
1H−NMR(CDCl
3)δ(ppm)=2.43(s 1H), 5.72(s 1H), 7.17〜7.47(m 8H)
13C−NMR(CDCl
3)δ(ppm)=75.01, 121.70, 127.82, 128.15, 128.74, 131.67, 133.57, 141.66, 142.25
合成例8 化合物(D−2)の合成
窒素雰囲気下、攪拌装置及びディーンシュターク管を備えた2Lセパラブルフラスコ中に、化合物(D−1) 165g(0.555mol)、化合物(B−1) 89.0g(0.555mol)、トルエン 650mL、p−トルエンスルホン酸1水和物 5.27g(27.7mmol)を加え、150℃で3時間加熱した。尚、反応途中で生成する水は系外に除去した。反応終了後、トルエンを留去し、反応器を室温まで冷却した。残渣にジクロロメタン 800mLを添加し、純水 2000mLで洗浄した後、得られた有機層を減圧濃縮して溶媒を半分程度留去し、得られた濃縮液にメタノール1000mLを添加した。析出した白色粉末をろ取し、メタノール 500mLで洗浄した。更に真空乾燥を行い、白色粉末 219gを得た(収率 90%、純度 99.6%)。
1H−NMR及び
13C−NMR分析から、得られた白色色粉末は目的の化合物(D−2)であることを確認した。
【0128】
1H−NMR(CDCl
3)δ(ppm)=1.28(s 3H), 4.55(s 1H), 7.12〜7.40(m 8H), 7.73〜7.88(m 4H)
13C−NMR(CDCl
3)δ(ppm)=20.42, 56.13, 57.94, 121.12, 123.30, 128.53, 130.93, 131.34, 131.48, 132.91, 135.91, 137.73, 138.33, 141.02
合成例9 化合物(D−3)の合成
窒素雰囲気下、攪拌装置を備えた5L3つ口フラスコ中に、化合物(D−2) 218g(0.495mol)、テトラヒドロフラン 1150mL、メタノール 1150mLを加え、室温で10分間攪拌した。この溶液に、水素化ホウ素ナトリウム 56.1g(1.48mol)を1時間かけてゆっくりと加え、さらに室温で10時間攪拌した。反応終了後、反応容器を0℃に冷却し、5%塩化水素水溶液 600mLをゆっくりと滴下した。その後、ジクロロメタン 2000mL、純水 2000mLを加えて洗浄分液した。次いで飽和食塩水で洗浄分液し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。その後、減圧濃縮して溶媒を留去し、白色粉末 224gを得た(収率 99%、純度 99.5%)。
13C−NMR(CDCl
3)から、化合物(D−2)のカルボニル基ピークが消失しているのを確認した。得られた白色粉末は、これ以上の精製をせずに次工程に用いた。
【0129】
実施例14 化合物(D−4)の合成
窒素雰囲気下、攪拌装置を備えた2Lセパラブルフラスコ中に、硫酸 88.4g、酢酸 700mLを加え、室温で5分間攪拌した。この溶液に、化合物(D−3) 100g(225mmol)を酢酸 400mLに溶解させた溶液を、1時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに90℃で15時間攪拌した。反応終了後、反応液を50℃まで冷却した。氷水 2300mLへ反応液(50℃)を注ぎ、室温で1時間攪拌した。析出した灰色粉末をろ取し、純水 2000mLで洗浄した。得られた灰色粉末をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、更にトルエン/エタノール混合溶媒で再結晶することにより、白色結晶 3.3gを得た(収率 3.6%、純度 99.9%)。
1H−NMR及び
13C−NMR分析から、得られた白色結晶は目的の化合物(D−4)であることを確認した。
【0130】
1H−NMR(CDCl
3)δ(ppm)=1.65(s 3H), 4.33(s 1H), 4.41(s 2H), 7.11〜7.54(m 10H)
13C−NMR(CDCl
3)δ(ppm)=27.51, 61.68, 62.37, 63.29, 121.34, 124.41, 124.58, 125.29, 125.75, 127.56, 127.78, 127.91, 128.20, 129.03, 130.62, 133.31, 143.26, 143.88, 144.50, 147.08, 147.47
実施例15 化合物(D−5)の合成
窒素雰囲気下、攪拌装置を備えた100mL4つ口フラスコ中に、化合物(D−4) 1.40g(3.43mmol)、4−ピリジンボロン酸 0.63g(5.13mmol)、テトラヒドロフラン 25mL、20%炭酸ナトリウム水溶液 8.20g、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム 80mg(0.069mmol)を加え、70℃で20時間攪拌した。反応終了後、加熱を終了し、室温まで放冷した。飽和食塩水で洗浄分液した後、得られた有機層を減圧濃縮して溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、白色粉末 0.86gを得た(収率 62%、純度 99.2%)。
1H−NMR及び
13C−NMR分析から、得られた白色粉末は目的の化合物(D−5)であることを確認した。
【0131】
1H−NMR(CDCl
3)δ(ppm)=1.71(s 3H), 4.47(s 2H), 4.54(s 1H), 7.15〜7.66(m 12H), 8.62〜8.65(d 2H)
13C−NMR(CDCl
3)δ(ppm)=27.56, 61.62, 62.65, 63.36, 63.44, 121.70, 123.13, 124.36, 124.45, 124.60, 124.91, 125.37, 126.72, 127.78, 127.84, 127.88, 133.31, 138.04, 143.37, 144.58, 144.87, 146.04, 146.37, 147.16, 148.44, 150.14
合成例7 化合物(D−6)の合成
窒素雰囲気下、攪拌装置を備えた500mL3つ口フラスコ中に、2−ブロモトルエン 15.0g(87.7mmol)、4−クロロフェニルボロン酸 15.1g(96.6mmol)、テトラヒドロフラン 200mL、20%炭酸ナトリウム水溶液 140g、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム 1.00g(0.87mmol)を加え、70℃で15時間攪拌した。反応終了後、加熱を終了し、室温まで放冷した。飽和食塩水で洗浄分液した後、得られた有機層を減圧濃縮して溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、無色透明オイル 12.2gを得た(収率 69%、純度 98.8%)。
1H−NMR及び
13C−NMR分析から、得られた無色透明オイルは目的の化合物(D−6)であることを確認した。
【0132】
1H−NMR(CDCl
3)δ(ppm)=2.25(s 3H), 7.17〜7.39(m 8H)
13C−NMR(CDCl
3)δ(ppm)=20.53, 125.88, 127.56, 128.26, 129.65, 130.42, 130.49, 132.80, 135.24, 140.31, 140.64
合成例8 化合物(D−7)の合成
窒素雰囲気下、攪拌装置を備えた500mL3つ口フラスコ中に、化合物(D−6) 11.8g(58.2mmol)、p−トルイジン 6.26g(58.4mmol)、tert−ブトキシナトリウム 6.73g(70.0mmol)、酢酸パラジウム 130mg(0.579mmol)、トリ−tert−ブチルホスフィン 470mg(2.32mmol)、o−キシレン 200mLを加え、140℃で15時間攪拌した。反応終了後、純水 200mLを添加して洗浄分液した。さらに、純水 200mL、次いで飽和食塩水で洗浄分液した後、得られた有機層を減圧濃縮して溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、白色固体 13.0gを得た(収率 81%、純度 98.5%)。
1H−NMR及び
13C−NMR分析から、得られた白色固体は目的の化合物(D−7)であることを確認した。
【0133】
1H−NMR(CDCl
3)δ(ppm)=2.30(6H), 5.63(s 1H), 7.01〜7.27(m 12H)
13C−NMR(CDCl
3)δ(ppm)=20.79, 20.88, 116.25, 119.12, 125.81, 126.85, 129.91, 130.15, 130.35, 131.06, 133.84, 135.46, 140.14, 141.72, 142.76
実施例16 化合物(A−70)の合成
窒素雰囲気下、攪拌装置を備えた100mL4つ口フラスコ中に、化合物(D−5) 0.500g(1.23mmol)、化合物(D−7) 0.400g(1.46mmol)、tert−ブトキシナトリウム 0.16g(1.66mmol)、酢酸パラジウム 6mg(0.03mmol)、トリ−tert−ブチルホスフィン 22mg(0.11mmol)、o−キシレン 10mLを加え、130℃で15時間攪拌した。反応終了後、純水 30mL、トルエン10mLを添加して洗浄分液した。さらに、純水 30mL、次いで飽和食塩水で洗浄分液した後、得られた有機層を減圧濃縮して溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、白色粉末 0.51gを得た(収率 65%、純度 99.0%)。
1H−NMR及び
13C−NMR分析から、得られた白色粉末は目的の化合物(A−70)であることを確認した。DSC分析から、化合物(A−70)のガラス転移温度は131℃であった。
【0134】
1H−NMR(CDCl
3)δ(ppm)=1.71(s 3H), 2.32(6H), 4.40(s 1H), 4.46(s 1H), 4.53(s 1H), 6.92〜7.68(m 23H), 7.68(s 1H), 8.62〜8.65(dd 2H)
13C−NMR(CDCl
3)δ(ppm)=20.75, 20.99, 27.69, 61.66, 62.91, 63.45, 120.02, 121.72, 122.33, 123.10, 124.03, 124.21, 124.52, 124.73, 124.85, 125.07, 125.75, 126.59, 126.90, 127.55, 127.66, 129.78, 129.85, 130.33, 132.65, 135.25, 135.35, 137.78, 139.08, 141.55, 144.94, 145.14, 145.49, 146.52, 146.57, 146.75, 147.63, 148.59, 150.12
【0135】
【化17】
【0136】
合成例9 化合物(F−1)の合成
窒素雰囲気下、攪拌装置を備えた2Lセパラブルフラスコ中に、トルエン 750mL、水素化ナトリウム(60% in Oil) 30.2g(754mmol)を加え、室温で5分間攪拌した。この溶液に、室温でフタル酸ジメチル 150g(777mmol)と4−ヘプタノン 82.0g(718mmol)の混合液を40分かけて滴下した。滴下終了後、さらに90℃で19時間攪拌した。反応終了後、反応液を室温まで冷却した後、析出した紅色粉末をろ取して乾燥した。得られた紅色粉末を純水 1200mLに溶解させ、この溶液に濃塩酸を滴下して酸性溶液とした。析出した淡黄色粉末をろ取し、純水 1500mLで洗浄した。更に真空乾燥を行い、淡黄色粉末 85.0gを得た(収率 63%、純度 99.9%)。
1H−NMR及び
13C−NMR分析から、得られた淡黄色粉末は目的の化合物(F−1)であることを確認した。
【0137】
1H−NMR(CDCl
3)δ(ppm)=0.93〜1.01(t 3H), 1.96〜2.10(m 2H), 2.96〜3.02(t 1H), 7.83〜8.01(m 4H)
13C−NMR(CDCl
3)δ(ppm)=10.83, 20.53, 54.48, 123.00, 135.51, 142.51, 200.98
合成例10 化合物(F−2)の合成
窒素雰囲気下、攪拌装置及びディーンシュターク管を備えた1L3つ口フラスコ中に、化合物(F−1) 45.0g(258mmol)、4−クロロベンズヒドロール 56.5g(258mmol)、トルエン 400mL、p−トルエンスルホン酸1水和物 2.45g(12.9mmol)を加え、150℃で3時間加熱した。尚、反応途中で生成する水は系外に除去した。反応終了後、トルエンを留去し、反応器を室温まで冷却した。残渣にジクロロメタン 500mLを添加し、純水 400mLで洗浄した後、飽和食塩水で洗浄分液し、得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。その後、減圧濃縮して溶媒を留去し、更に真空乾燥を行い、黄色オイル 90.0gを得た(収率 93%、純度 97.0%)。
1H−NMR及び
13C−NMR分析から、得られた黄色オイルは目的の化合物(F−2)であることを確認した。
【0138】
1H−NMR(CDCl
3)δ(ppm)=0.55〜0.62(t 3H), 1.84〜1.95(q 2H), 5.34(s 1H), 7.03〜7.83(m 13H)
13C−NMR(CDCl
3)δ(ppm)=9.45, 28.09, 57.27, 63.23, 122.60, 126.90, 128.33, 128.39, 128.55, 129.49, 131.15, 132.67, 135.53, 138.29, 139.23, 142.69, 142.76, 204.22, 204.34
合成例11 化合物(F−3)の合成
窒素雰囲気下、攪拌装置を備えた1L3つ口フラスコ中に、化合物(F−2) 90.0g(240mmol)、テトラヒドロフラン 250mL及びメタノール 250mLを加え、室温で10分間攪拌した。この溶液に、水素化ホウ素ナトリウム 23.6g(624mmol)を1時間かけてゆっくりと加え、さらに室温で5時間攪拌した。反応終了後、反応容器を0℃に冷却し、5%塩酸水溶液 250mLをゆっくりと滴下した。その後、ジクロロメタン 550mL、純水 500mLを加えて洗浄分液した。次いで飽和食塩水で洗浄分液し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。その後、減圧濃縮して溶媒を留去し、白色粉末 90.8gを得た(収率 99%、純度 97.1%)。13C−NMR分析から、化合物(F−2)のカルボニル基ピークが消失していることを確認した。得られた白色粉末は、これ以上の精製をせずに次工程に用いた。
【0139】
実施例17 化合物(F−4)の合成
窒素雰囲気下、攪拌装置を備えた2Lセパラブルフラスコ中に、硫酸 93g(949mmol)、酢酸 800mLを加え、室温で5分間攪拌した。この溶液に、化合物(F−3) 90.0g(238mmol)を酢酸 300mLに溶解させた溶液を、1時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに80℃で10時間攪拌した。反応終了後、反応液を50℃まで冷却した。氷水 2000mLへ反応液(50℃)を注ぎ、室温で1時間攪拌した。析出した灰色粉末をろ取し、純水 1000mLで洗浄した。得られた灰色粉末をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、更にトルエン/エタノール混合溶媒で再結晶することにより、白色結晶 5.9gを得た(収率 7.2%、純度 99.9%)。
1H−NMR及び
13C−NMR分析から、得られた白色結晶は目的の化合物(F−4)であることを確認した。
【0140】
1H−NMR(CDCl
3)δ(ppm)=0.95〜1.03(t 3H), 1.91〜2.02(q 2H), 4.52(s 2H), 4.56(s 1H), 7.10〜7.45(m 11H)
13C−NMR(CDCl
3)δ(ppm)=8.79, 32.43, 60.05, 60.43, 60.80, 66.05, 124.21, 124.29, 124.41, 124.47, 125.40, 127.55, 127.60, 127.69, 133.04, 144.08, 144.70, 145.01, 145.40, 145.51, 147.41
実施例18 化合物(A−63)の合成
窒素雰囲気下、攪拌装置を備えた100mL4つ口フラスコ中に、化合物(F−4) 0.500g(1.52mmol)、N,N−ビス(4−ビフェニリル)アミン 0.490g(1.53mmol)、tert−ブトキシナトリウム 0.180g(1.87mmol)、酢酸パラジウム 4mg(0.02mmol)、トリ−tert−ブチルホスフィン 14mg(0.07mmol)、o−キシレン 10mLを加え、130℃で6時間攪拌した。反応終了後、純水 30mL及びトルエン 15mLを添加して洗浄分液した。さらに、得られた有機層を純水 30mL、次いで飽和食塩水で洗浄分液した後、得られた有機層を減圧濃縮して溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、白色粉末 0.58gを得た(収率 61%、純度 98.7%)。
1H−NMR及び
13C−NMR分析から、得られた白色粉末は目的の化合物(A−63)であることを確認した。DSC分析から、化合物(A−63)のガラス転移温度は99℃であった。
【0141】
1H−NMR(CDCl
3)δ(ppm)=1.02〜1.06(t 3H), 1.95〜2.05(q 2H), 4.48(s 1H), 4.54(s 1H), 4.58(s 1H), 6.93〜7.58(m 29H)
13C−NMR(CDCl
3)δ(ppm)=8.90, 32.53, 60.38, 60.62, 60.68, 66.11, 120.73, 123.92, 124.29, 124.40, 124.63, 124.96, 126.67, 126.81, 127.45, 127.73, 128.77, 135.05, 140.67, 145.53, 145.62, 146.90, 146.94, 147.12
【0142】
【化18】
【0143】
合成例12 化合物(G−1)の合成
窒素雰囲気下、攪拌装置を備えた300mL4つ口フラスコ中に、p−クロロトリフェニルアミン 8.00g(27.0mmol)、アニリン 3.27g(35.1mmol)、tert−ブトキシナトリウム 3.12g(32.5mmol)、酢酸パラジウム 61mg(0.27mmol)、トリ−tert−ブチルホスフィン 218mg(1.08mmol)、o−キシレン 100mLを加え、130℃で15時間攪拌した。反応終了後、純水 100mL及びトルエン 100mLを添加して洗浄分液した。さらに、得られた有機層を純水 100mL、次いで飽和食塩水で洗浄分液した後、得られた有機層を減圧濃縮して溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、白色粉末 4.30gを得た(収率 47%、純度 96.9%)。質量分析の結果から、得られた白色粉末は目的の化合物(G−1)であることを確認した。
【0144】
質量分析(FDMS):336(M+)
実施例19 化合物(A−67)の合成
窒素雰囲気下、攪拌装置を備えた100mL4つ口フラスコ中に、化合物(G−1) 0.720g(2.13mmol)、化合物(C−4) 0.700g(2.13mmol)、tert−ブトキシナトリウム 0.250g(2.60mmol)、酢酸パラジウム 5mg(0.02mmol)、トリ−tert−ブチルホスフィン 18mg(0.09mmol)、o−キシレン 10mLを加え、130℃で10時間攪拌した。反応終了後、純水 30mL及びトルエン 15mLを添加して洗浄分液した。さらに、得られた有機層を純水 30mL、次いで飽和食塩水で洗浄分液した後、得られた有機層を減圧濃縮して溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、白色粉末 0.55gを得た(収率 41%、純度 99.7%)。質量分析の結果から、得られた白色粉末は目的の化合物(A−67)であることを確認した。DSC分析から、化合物(A−67)のガラス転移温度は130℃であった。
【0145】
質量分析(FDMS):628(M+)
実施例20 化合物(A−2)の三重項準位の測定
サンプルチューブ内で、化合物(A−2) 1mgと2−メチルテトラヒドロフラン 1mLをよく混合し、均一な溶液を調製した。この溶液をアルゴンガスで10分間バブリングすることによって脱気した後、このサンプルチューブを密栓することにより燐光スペクトル測定用サンプルとした。温度77K(液体窒素冷却下)で燐光スペクトルを測定したところ、得られた燐光スペクトルから算出された化合物(A−2)の三重項準位は、2.99eVであった。
【0146】
実施例21 化合物(A−3)の三重項準位の測定
実施例20において、化合物(A−2)の代わりに化合物(A−3)を用いた以外は同様の実験操作を行って燐光スペクトルを測定したところ、得られた燐光スペクトルから算出された化合物(A−3)の三重項準位は、2.96eVであった。
【0147】
実施例22 化合物(A−35)の三重項準位の測定
実施例20において、化合物(A−2)の代わりに化合物(A−35)を用いた以外は同様の実験操作を行って燐光スペクトルを測定したところ、得られた燐光スペクトルから算出された化合物(A−35)の三重項準位は、2.59eVであった。
【0148】
実施例23 化合物(A−63)の三重項準位の測定
実施例20において、化合物(A−2)の代わりに化合物(A−63)を用いた以外は同様の実験操作を行って燐光スペクトルを測定したところ、得られた燐光スペクトルから算出された化合物(A−63)の三重項準位は、2.54eVであった。
【0149】
実施例24 化合物(A−36)の三重項準位の測定
実施例20において、化合物(A−2)の代わりに化合物(A−36)を用いた以外は同様の実験操作を行って燐光スペクトルを測定したところ、得られた燐光スペクトルから算出された化合物(A−36)の三重項準位は、2.57eVであった。
【0150】
実施例25 化合物(A−52)の三重項準位の測定
実施例20において、化合物(A−2)の代わりに化合物(A−52)を用いた以外は同様の実験操作を行って燐光スペクトルを測定したところ、得られた燐光スペクトルから算出された化合物(A−52)の三重項準位は、2.57eVであった。
【0151】
実施例26 化合物(A−51)の三重項準位の測定
実施例20において、化合物(A−2)の代わりに化合物(A−51)を用いた以外は同様の実験操作を行って燐光スペクトルを測定したところ、得られた燐光スペクトルから算出された化合物(A−51)の三重項準位は、2.57eVであった。
【0152】
実施例27 化合物(A−62)の三重項準位の測定
実施例20において、化合物(A−2)の代わりに化合物(A−62)を用いた以外は同様の実験操作を行って燐光スペクトルを測定したところ、得られた燐光スペクトルから算出された化合物(A−62)の三重項準位は、2.56eVであった。
【0153】
実施例28 化合物(A−70)の三重項準位の測定
実施例20において、化合物(A−2)の代わりに化合物(A−70)を用いた以外は同様の実験操作を行って燐光スペクトルを測定したところ、得られた燐光スペクトルから算出された化合物(A−70)の三重項準位は、2.71eVであった。
【0154】
実施例29 化合物(A−37)の三重項準位の測定
実施例20において、化合物(A−2)の代わりに化合物(A−37)を用いた以外は同様の実験操作を行って燐光スペクトルを測定したところ、得られた燐光スペクトルから算出された化合物(A−37)の三重項準位は、2.57eVであった。
【0155】
実施例30 化合物(A−4)の三重項準位の測定
実施例20において、化合物(A−2)の代わりに化合物(A−4)を用いた以外は同様の実験操作を行って燐光スペクトルを測定したところ、得られた燐光スペクトルから算出された化合物(A−4)の三重項準位は、2.89eVであった。
【0156】
実施例31 化合物(A−67)の三重項準位の測定
実施例20において、化合物(A−2)の代わりに化合物(A−67)を用いた以外は同様の実験操作を行って燐光スペクトルを測定したところ、得られた燐光スペクトルから算出された化合物(A−67)の三重項準位は、2.71eVであった。
【0157】
実施例32 化合物(A−2)の素子評価
厚さ200nmのITO透明電極を積層したガラス基板を、アセトン及び純水による超音波洗浄、イソプロピルアルコールによる煮沸洗浄した後、乾燥した。さらに、UV/オゾン処理を行い、真空蒸着装置へ設置後、1×10
−4Paになるまで真空ポンプにて排気した。まず、ITO透明電極上にα−NPDを蒸着速度0.3nm/秒で蒸着し、20nmの正孔注入層とした。次に、化合物(A−2)を蒸着速度0.3nm/秒で蒸着し、30nmの正孔輸送層とした。次に、燐光ドーパント材料であるトリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(Ir(ppy)
3)とホスト材料である4,4’−ビス(N−カルバゾリル)ビフェニル(CBP)を重量比が1:11.5となるように蒸着速度0.25nm/秒で共蒸着し、20nmの発光層とした。次に、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP)を蒸着速度0.3nm/秒で蒸着し、10nmのエキシトシンブロック層とした。次に、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム錯体を蒸着速度0.3nm/秒で蒸着し、30nmの電子輸送層とした。さらに、電子注入層としてフッ化リチウムを蒸着速度0.01nm/秒で0.5nm蒸着し、最後にアルミニウムを蒸着速度0.25nm/秒で100nm蒸着して陰極を形成した。窒素雰囲気下、封止用のガラス板をUV硬化樹脂で接着し、評価用の有機EL素子とした。このようにして得られた素子に、20mA/cm
2の電流を印加し、駆動電圧及び外部量子効率を測定した。結果を表1に示す。
【0158】
実施例33 化合物(A−3)の素子評価
実施例32において、化合物(A−2)の代わりに化合物(A−3)を用いた以外は同様の実験操作を行って、有機EL素子を作製した。20mA/cm
2の電流を印加し、駆動電圧及び外部量子効率を測定した。結果を表1に示す。
【0159】
実施例34 化合物(A−35)の素子評価
実施例32において、化合物(A−2)の代わりに化合物(A−35)を用いた以外は同様の実験操作を行って、有機EL素子を作製した。20mA/cm
2の電流を印加し、駆動電圧及び外部量子効率を測定した。結果を表1に示す。
【0160】
実施例35 化合物(A−36)の素子評価
実施例32において、化合物(A−2)の代わりに化合物(A−36)を用いた以外は同様の実験操作を行って、有機EL素子を作製した。20mA/cm
2の電流を印加し、駆動電圧及び外部量子効率を測定した。結果を表1に示す。
実施例36 化合物(A−52)の素子評価
実施例32において、化合物(A−2)の代わりに化合物(A−52)を用いた以外は同様の実験操作を行って、有機EL素子を作製した。20mA/cm
2の電流を印加し、駆動電圧及び外部量子効率を測定した。結果を表1に示す。
【0161】
実施例37 化合物(A−61)の素子評価
実施例32において、化合物(A−2)の代わりに化合物(A−61)を用いた以外は同様の実験操作を行って、有機EL素子を作製した。20mA/cm
2の電流を印加し、駆動電圧及び外部量子効率を測定した。結果を表1に示す。
【0162】
実施例38 化合物(A−67)の素子評価
実施例32において、化合物(A−2)の代わりに化合物(A−67)を用いた以外は同様の実験操作を行って、有機EL素子を作製した。20mA/cm
2の電流を印加し、駆動電圧及び外部量子効率を測定した。結果を表1に示す。
【0163】
比較例1 α−NPDの素子評価
実施例32において、化合物(A−2)の代わりにα−NPDを用いた以外は同様の実験操作を行って、有機EL素子を作製した。20mA/cm
2の電流を印加し、駆動電圧及び外部量子効率を測定した。結果を表1に示す。
【0164】
【表1】