(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5937558
(24)【登録日】2016年5月20日
(45)【発行日】2016年6月22日
(54)【発明の名称】LOW−K誘電体材料のCMP用組成物及び方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/304 20060101AFI20160609BHJP
B24B 37/00 20120101ALI20160609BHJP
C09K 3/14 20060101ALI20160609BHJP
C09G 1/02 20060101ALI20160609BHJP
【FI】
H01L21/304 622D
H01L21/304 622X
B24B37/00 H
C09K3/14 550C
C09K3/14 550Z
C09G1/02
【請求項の数】19
【外国語出願】
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-208956(P2013-208956)
(22)【出願日】2013年10月4日
(62)【分割の表示】特願2009-536289(P2009-536289)の分割
【原出願日】2007年11月7日
(65)【公開番号】特開2014-27297(P2014-27297A)
(43)【公開日】2014年2月6日
【審査請求日】2013年11月5日
(31)【優先権主張番号】11/595,536
(32)【優先日】2006年11月9日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500397411
【氏名又は名称】キャボット マイクロエレクトロニクス コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(74)【代理人】
【識別番号】100111903
【弁理士】
【氏名又は名称】永坂 友康
(74)【代理人】
【識別番号】100146466
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 正俊
(74)【代理人】
【識別番号】100160543
【弁理士】
【氏名又は名称】河野上 正晴
(72)【発明者】
【氏名】ケレハー,ジェイソン
(72)【発明者】
【氏名】ウッドランド,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】デ リージ ザサウロ,フランシス
(72)【発明者】
【氏名】メズカー,ロバート
(72)【発明者】
【氏名】アッジョ,ジェイソン
【審査官】
竹口 泰裕
(56)【参考文献】
【文献】
特開2004−247605(JP,A)
【文献】
特表2005−529485(JP,A)
【文献】
特開2000−114212(JP,A)
【文献】
特開2006−049709(JP,A)
【文献】
特開平08−013167(JP,A)
【文献】
特開昭61−000006(JP,A)
【文献】
特開2004−051756(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L21/304、21/463
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
low−k誘電体材料を研磨するための化学機械研磨(CMP)組成物であって、
(a)微粒子の砥材;
(b)親水性部分及び親油性部分を含む少なくとも1種のシリコーンフリー非イオン性界面活性剤;
(c)親水性部分及び親油性部分を含む少なくとも1種のシリコーン含有非イオン性界面活性剤であって、該親水性部分がポリオールを含む、界面活性剤;及び
(d)それらのための水性キャリア、
を含み、
該少なくとも1種のシリコーンフリー非イオン性界面活性剤と該少なくとも1種のシリコーン含有非イオン性界面活性剤とが、シリコーン含有界面活性剤に対するシリコーンフリー界面活性剤の濃度比が1以上でそれぞれ該組成物中に存在する、
化学機械研磨組成物。
【請求項2】
該微粒子の砥材が、該組成物中に0.5〜20質量パーセントの範囲の量で存在する、請求項1に記載のCMP組成物。
【請求項3】
該微粒子の砥材がシリカを含む、請求項1に記載のCMP組成物。
【請求項4】
該少なくとも1種のシリコーンフリー非イオン性界面活性剤と該少なくとも1種のシリコーン含有非イオン性界面活性剤とが両方とも、25〜10,000ppmの範囲の濃度で該組成物中に存在する、請求項1に記載のCMP組成物。
【請求項5】
該少なくとも1種のシリコーンフリー非イオン性界面活性剤の該親水性部分がポリオールを含み、該少なくとも1種のシリコーン含有非イオン性界面活性剤の該親水性部分がC2〜C3のポリオキシアルキレン基を含む、請求項1に記載のCMP組成物。
【請求項6】
該ポリオールが、ポリグリセリン、炭水化物、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項5に記載のCMP組成物。
【請求項7】
該少なくとも1種のシリコーンフリー非イオン性界面活性剤の該親水性部分がC2〜C3のポリオキシアルキレン基を含む、請求項1に記載のCMP組成物。
【請求項8】
該C2〜C3のポリオキシアルキレン基がポリオキシエチレン基である、請求項7に記載のCMP組成物。
【請求項9】
該少なくとも1種のシリコーンフリー非イオン性界面活性剤の該親油性部分がC6〜C30の炭化水素部分を含む、請求項1に記載のCMP組成物。
【請求項10】
該C6〜C30の炭化水素部分が、アルキル基、アルキル置換アリール基、アリール置換アルキル基、及びアリール基からなる群から選択される少なくとも1種の炭化水素部分を含む、請求項9に記載のCMP組成物。
【請求項11】
該ポリオールが、ポリグリセリン、炭水化物、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載のCMP組成物。
【請求項12】
該少なくとも1種のシリコーン含有非イオン性界面活性剤の該親水性部分がC2〜C3のポリオキシアルキレン基を含む、請求項1に記載のCMP組成物。
【請求項13】
該C2〜C3のポリオキシアルキレン基がポリオキシエチレン基である、請求項12に記載のCMP組成物。
【請求項14】
該少なくとも1種のシリコーン含有非イオン性界面活性剤の該親油性部分がシリコーン基を含む、請求項1に記載のCMP組成物。
【請求項15】
シリコーン基がポリジメチルシロキサン基を含む、請求項14に記載のCMP組成物。
【請求項16】
少なくとも1種の酸化剤をさらに含む、請求項1に記載のCMP組成物。
【請求項17】
該少なくとも1種のシリコーンフリー非イオン性界面活性剤がノニルフェノールエトキシレートを含む、請求項1に記載のCMP組成物。
【請求項18】
該少なくとも1種のシリコーン含有非イオン性界面活性剤がジメチコーンコポリオールを含む、請求項1に記載のCMP組成物。
【請求項19】
low−k誘電体基板を研磨するための化学機械研磨(CMP)方法であって、
(a)low−k誘電体材料を含む基板の表面を、研磨パッド及び水性CMP組成物に接触させること、
その際、該CMP組成物は、微粒子の砥材、親水性部分及び親油性部分を含む少なくとも1種のシリコーンフリー非イオン性界面活性剤、親水性部分及び親油性部分を含む少なくとも1種のシリコーン含有非イオン性界面活性剤であって、該親水性部分がポリオールを含む、界面活性剤、及びそれらのための水性キャリアを含み、該少なくとも1種のシリコーンフリー非イオン性界面活性剤と該少なくとも1種のシリコーン含有非イオン性界面活性剤とが、シリコーン含有界面活性剤に対するシリコーンフリー界面活性剤の濃度比が1以上でそれぞれ該組成物中に存在する;及び
(b)該基板の該表面の少なくとも一部を磨り減らすために十分な時間、該パッドと該基板との間の該表面に該CMP組成物の一部を接触させて保持しながら、該研磨パッド及び該基板の間に相対的な動作を起こすこと、
のステップを含む化学機械研磨方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、研磨組成物及びそれを用いた基板の研磨方法に関する。さらに詳しくは、本発明はlow−k誘電体材料を研磨するために好適な化学機械研磨組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
基板表面の化学機械研磨(CMP)用の組成物と方法は、当技術分野でよく知られている。半導体基板(例えば集積回路)の金属含有表面のCMP用研磨組成物(研磨スラリー、CMPスラリー、及びCMP組成物、としても知られている)は、概して、砥材、様々な付加化合物などを含む。
【0003】
シリコン系金属間誘電体層用の研磨組成物は、特に半導体産業でよく発達しており、そしてシリコン系誘電体の研磨及び摩耗の化学的及び機械的性質が、適切に理解されている。シリコン系誘電体材料に関連する一つの問題は、しかしながら、それらの誘電率が、例えば残留水分含有量のような要因に依存して、約3.9以上であるように、比較的高いことである。結果として、導電層間の静電容量もまた比較的高く、そして回路が動作できる速度(周波数)を制限する。静電容量を減少するために開発されている戦略には、(1)より低い抵抗値の金属(例えば銅)を組み込むこと、及び(2)二酸化ケイ素と比較してより低い誘電率を有する絶縁材料で電気絶縁を行うこと、が含まれる。そのような低誘電率材料(すなわち「low−k誘電体材料」)は概して、有機ポリマー材料、無機及び有機の多孔質誘電体材料、並びに混合されたまたは合成された有機及び無機材料であり、それらは多孔質または非多孔質であることができる。半導体ウエハ加工の際に得られる誘電体材料の表面を研磨するために常用の化学機械研磨(CMP)方式を利用することができつつ、低誘電率材料を半導体構造に組み込むことが強く望まれる。
【0004】
低誘電率材料を含む基板用のいくつかの化学機械研磨組成物が知られている。例えば、米国特許第6,403,155号は、無機及び有機絶縁フィルム用の酸化セリウム系スラリーを開示する。同第6,046,112号は、ジルコニア砥材、及び水酸化テトラメチルアンモニウムまたは水酸化テトラブチルアンモニウムのいずれかを含む低誘電率材料を研磨するための研磨組成物を開示する。同第6,270,395号は、砥材と酸化剤とを含む低誘電率材料用の研磨組成物を開示する。
【0005】
界面活性剤が化学機械研磨組成物に一般に使用され、分散剤または凝集剤として機能する。例えば、米国特許第6,270,393号は、アルミナ、無機塩、水溶性キレート剤、及び砥材用の分散剤として機能する界面活性剤を含む砥材スラリーを開示する。同第6,313,039号は、砥材、ヒロドキシルアミン化合物、酸化剤、及び研磨されている基板上の表面電化を変えるための任意の界面活性剤を含む研磨組成物を開示する。同第6,348,076号は、界面活性剤、特にアニオン性界面活性剤を含む金属層CMP用の研磨組成物を開示する。米国特許出願公開第2001/0005009A1号は、例えばアニオン性、カチオン性、両性、及び非イオン性界面活性剤のような分散剤として機能する界面活性剤を含む研磨組成物を開示する。同第2001/0008828A1号は、砥材、有機酸、複素環式化合物、酸化剤、及び任意の界面活性剤を含む銅及びバリアフィルム研磨用の水性研磨組成物を開示する。同第2001/0013507A1号は、ジルコニア砥材、及び非イオン性、アニオン性、カチオン性、または両性の界面活性剤を含む低誘電率無機ポリマー層の研磨方法を開示し、当該界面活性剤は、研磨スラリーを沈降、凝集、及び分解に対して安定化させるように機能する。米国特許第6,974,777号は、low−k誘電体材料のCMPに非イオン性界面活性剤を使用することの特定の利点を開示する。
【0006】
国際特許出願公開第WO01/32794A1号は、有機添加剤を含むCMP用のタンタルバリアスラリーを開示する。当該有機添加剤は、任意の様々な界面活性剤であることができ、シリカまたは銅の基板の表面と結合を形成することで、シリカの沈殿物及び銅の汚れの形成を抑制する。欧州特許第EP810302B1号は、腐食防止剤としてソルビタン脂肪酸エステル及びソルビタン脂肪酸エステルのポリオキシエチレン誘導体を含む研磨組成物を開示する。欧州特許出願公開第EP1088869A1号は、砥粒及びHLBが6以下の両親媒性の界面活性剤を含むCMP用の水性分散剤を開示する。同第EP1148538A1号は、酸化セリウム砥材及び分散剤として機能する界面活性剤(例えば、アニオン性、非イオン性、カチオン性、または両性)を含む研磨組成物を開示する。
【0007】
半導体研磨における一つの主要問題は線路抵抗(Rs)の変動を制御する能力であり、デバイス寸法が90nm未満に小さくなるにつれて重要性が増してきている。Rs値は、デバイスの電気的な性能の一つの尺度であり、そしてlow−k誘電体材料のエロージョンや除去と相まって増進された金属の除去によって影響を受けることがある。その上、この問題は、low−k誘電体材料に生じる表面機能性が、そのウエハを横切るにつれて変わるだけでなくウエハ間でも変わる、という事実によって複雑になる。これは概して、従来のCMPスラリーを用いたCMPの際に、望まない変動をもたらす。CMPの際に除去されるlow−k誘電体材料の全体量を制御することが可能になれば、従来のCMP方法で問題となるRsのばらつきを大幅に減少することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
low−k誘電体材料を研磨するために効果的な新しいCMP組成物を開発する継続した必要性がある。本発明は、そのような改良されたCMP組成物を提供する。本発明のこれら及び他の利点だけでなく追加の独創的な特徴も、本明細書に提供される本発明の記述から明らかになるだろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、low−k誘電体材料を研磨するために好適な化学機械研磨(CMP)組成物を提供する。上記組成物は、微粒子の砥材、少なくとも一種のシリコーンフリー非イオン性界面活性剤、少なくとも一種のシリコーン含有非イオン性界面活性剤、及びそれらのための水性キャリアを含む。
【0010】
いくつかの実施態様では、少なくとも一種のシリコーンフリー非イオン性界面活性剤と少なくとも一種のシリコーン含有非イオン性界面活性剤とが、シリコーン含有界面活性剤に対するシリコーンフリー界面活性剤が相対的に1より大きい質量比で、組成物中に存在する。少なくとも一種のシリコーンフリー非イオン性界面活性剤と少なくとも一種のシリコーン含有非イオン性界面活性剤とがそれぞれ好ましくは、25〜10000ppm(parts per million)の範囲の量で、組成物中に存在する。
【0011】
シリコーンフリー非イオン性界面活性剤とシリコーン含有非イオン性界面活性剤とがそれぞれ、親水性部分及び親油性部分を有する。それぞれの界面活性剤の親水性部分は、好ましくはポリオール基、ポリオキシアルキレン基、またはそれらの組み合わせを含む。シリコーンフリー非イオン性界面活性剤の親油性部分は、好ましくはC
6〜C
30の炭化水素部分を含む。炭化水素部分は、枝分かれ状、直線状、及びまたは1以上の官能基(例えばエステル基、エーテル基、アミド基など)で置換されたものであることができる。シリコーン含有非イオン性界面活性剤の親油性部分はシリコーン基を含む。
【0012】
他の形態では、本発明は、low−k誘電体材料を研磨するための化学機械研磨方法を提供する。本研磨方法は、low−k誘電体材料の表面に研磨パッドと本発明の水性CMP組成物とを接触させること、及びlow−k誘電体材料の表面の少なくとも一部を磨り減らすために十分な時間、上記パッドと上記基板との間の上記表面にCMP組成物の一部を接触させて保持しながら、上記研磨パッドと上記基板の間に相対的な動作を起こすこと、のステップを含む。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の組成物を利用して、カーボンをドープした二酸化ケイ素(BLACK DIAMOND(商標)low−k誘電体)のブランケットウエハを研磨することで達成された、カーボンをドープした二酸化ケイ素の除去速度を、対照の組成物を使用して達成された除去速度と比較して示す。
【
図2】本発明の組成物を利用して繰り返して行った研磨工程において、カーボンをドープした二酸化ケイ素(BLACK DIAMOND(商標)low−k誘電体)のブランケットウエハを研磨することで達成された、カーボンをドープした二酸化ケイ素の除去速度を、対照の組成物を使用して達成された速度と比較して示す。
【
図3】本発明の組成物で、カーボンをドープした二酸化ケイ素(BLACK DIAMOND(商標)low−k誘電体)の3種のパターンウエハを研磨することで達成された、カーボンをドープした二酸化ケイ素のパターンの除去速度を、対照の組成物を使用して達成された速度と比較して示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、low−k誘電体基板を研磨するために有益なCMP組成物を提供する。本発明のCMP組成物は、従来のCMP組成物と比較して、例えばカーボンをドープした二酸化ケイ素のようなlow−k誘電体材料の均一で安定した除去を提供する。CMP組成物は、本明細書に記載するように、微粒子の砥材、少なくとも一種のシリコーンフリー非イオン性界面活性剤、少なくとも一種のシリコーン含有非イオン性界面活性剤、及び水性キャリアを含む。
【0015】
本発明のCMP組成物に有益な砥材は、半導体材料のCMP用に好適な任意の砥材を含む。例えば、砥材は、アルミナ、シリカ、チタニア、セリア、ジルコニア、酸化ゲルマニウム、酸化マグネシウム、それらの共形成生成物(co−formed products)、または前述の砥材の2以上の組み合わせからなる群から選択される金属酸化物砥材であることができ、それらはCMP分野でよく知られている。砥材はまた、ポリマー粒子またはコーティングされた粒子であることもできる。概して、砥材は、アルミナ、シリカ、それらの共形成生成物、コーティングされた金属酸化物粒子、ポリマー粒子、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。好ましくは、砥材はシリカである。本発明のCMP組成物は、概して、組成物の総質量のうちの質量に基づいて、0.1〜20質量パーセント、好ましくは0.5〜15質量パーセント、さらに好ましくは10〜15質量パーセントの微粒子砥材を含む。砥粒は、好ましくは10nm〜200nm、さらに好ましくは50nm〜100nmの範囲の平均粒子径を有し、レーザー光散乱法で測定され、それらは当技術分野でよく知られている。
【0016】
砥材は望ましくは、CMP組成物中に、さらに具体的に言うと、CMP組成物の水性成分中に懸濁している。砥材がCMP組成物中に懸濁している場合、砥材はコロイド的に安定であるのが好ましい。コロイドとは、液体キャリア中の砥粒の懸濁物を表す。コロイド的に安定とは、その懸濁物が経時で維持されていることを表す。本発明においては、砥材が100mlのメスシリンダーに入れられ、そして2時間、攪拌することなく放置した場合に、メスシリンダーの底部50mlの粒子濃度([B]g/ml)とメスシリンダーの上部50mlの粒子濃度([T]g/ml)との差を砥材組成物中の粒子の初期濃度([C]g/ml)で割った値が0.5以下(すなわち{[B]−[T]}/[C]≦0.5)なら、砥材はコロイド的に安定しているとみなされる。{[B]−[T]}/[C]の値は0.3以下であるのが望ましく、そして0.1以下であるのが好ましい。
【0017】
本明細書と添付の特許請求の範囲で用いるように、「シリコーンフリー非イオン性界面活性剤」は、界面活性剤の分子の化学構造内にシリコーンをベースとする部分を含まない非イオン性界面活性剤を包含する。「シリコーン含有非イオン性界面活性剤」は、界面活性剤の分子の化学構造内にシリコーン基を含む非イオン性界面活性剤を包含する。したがって、本発明のCMP組成物は、少なくとも2種の異なった非イオン性界面活性剤を含み、すなわち、少なくとも1種はその化学構造内にシリコーン基を含み且つ少なくとも1種はシリコーン基を含まない。
【0018】
好ましくは、CMP組成物は、25〜10,000ppmの少なくとも1種のシリコーンフリー非イオン性界面活性剤を含む。同様に、CMP組成物は、好ましくは25〜10,000ppmの少なくとも1種のシリコーン含有非イオン性界面活性剤を含み、25〜150ppmがさらに好ましい。いくつかの好ましい実施態様では、上記組成物中に存在するシリコーン含有非イオン性界面活性剤に対するシリコーンフリー非イオン性界面活性剤の質量比は1より大きい(すなわち、シリコーンフリー界面活性剤の質量がシリコーン含有界面活性剤よりも多い)。他の実施形態では、上記組成物中に存在するシリコーンフリー対シリコーン含有非イオン性界面活性剤の比は、特に、比較的高いレベルのカーボンドーピングを有するカーボンをドープした二酸化ケイ素基板を研磨するために上記組成物が用いられる場合に、1:1未満になるように選択される。
【0019】
シリコーンフリー非イオン性界面活性剤とシリコーン含有非イオン性界面活性剤とはそれぞれ、親水性部分と親油性部分とを有する。それぞれの界面活性剤の親水性部分は、好ましくはポリオール基(例えばソルビタン、ポリグリセリル基など、のような例えば炭水化物基)、ポリオキシアルキレン基(例えばポリエチレンオキシ、ポリプロピレンオキシ、ポリブチレンオキシ、並びにエチレンオキシ、プロピレンオキシ、及びブチレンオキシのモノマー単位から選択される2以上のモノマー単位の共重合体)を含む。シリコーンフリー非イオン性界面活性剤の親油性部分は、好ましくは、例えばアルキル基、アルキル置換アリール基、アリール置換アルキル基、アリール基などのようなC
6〜C
30の炭化水素部分を含む。炭化水素部分は、枝分かれ状、直線状、及びまたは1以上の官能基(例えば、エステル基、エーテル基、アミド基など)で置換されたものであることができる。シリコーン含有非イオン性界面活性剤の親油性部分は、例えば、ポリジメチルシロキサン、脂肪アルキル置換シリコーン(例えばセチル置換)など、のようなシリコーン基を含む。
【0020】
シリコーンフリー及びシリコーン含有非イオン性界面活性剤は、任意の好適な組み合わせの親水基及び親油基を含むことができる。例えば、界面活性剤は、1種の親油基と組み合わせて1種のみの親水基を含むことができ、またはいくつかの実施態様では、多数(例えば2以上)の親水基及び/または多数(例えば2以上)の親油基を含むことができる。
【0021】
本発明のCMP組成物用に好適なシリコーンフリー非イオン性界面活性剤の制限しない例は、例えば2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールエトキシレートのような、テトラアルキルデシン頭部基及びオキシエチレン末端基を含んでなるアセチレングリコール界面活性剤を含む。シリコーンフリー非イオン性界面活性剤はまた、ポリオキシエチレンアルキルエーテル及びポリオキシエチレンアルキル酸エステルからなる群から選択されることができ、その際、アルキル基がC
6〜C
30のアルキルを含み、飽和または部分的に不飽和したものであってもよく、及び任意に枝分かれしたものである。例えば、シリコーンフリー非イオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンモノラウラート、ポリオキシエチレンモノステアラート、ポリオキシエチレンジステアラート、またはポリオキシエチレンモノオレアートであることができる。同様に、シリコーンフリー非イオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、またはポリオキシエチレンアルキルシクロヘキシルエーテルであることができ、その際アルキルはC
6〜C
30のアルキルで、飽和または部分的に不飽和したものであることができ、そして、例えばポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(オクチルフェノールエトキシレート)またはポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(ノニルフェノールエトキシレート)のような、任意に枝分かれしたものであることができる。
【0022】
シリコーンフリー非イオン性界面活性剤はまた、ソルビタンアルキル酸エステルまたはポリオキシエチレンソルビタンアルキル酸エステルであることもでき、その際、アルキル基はC
6〜C
30のアルキルを含み、飽和または部分的に不飽和したものであることができ、そして任意に枝分かれしたものであることができる。例えば、両親媒性の非イオン性界面活性剤はソルビタンモノラウラート、ソルビタンモノオレアート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアラート、ソルビタンセスキオレアート、ソルビタントリオレアート、またはソルビタントリステアラートだけでなく、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウラート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアラート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアラート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレアート、またはポリオキシエチレンソルビタンテトラオレアートであることができる。
【0023】
好ましいシリコーンフリー非イオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレンソルビタンアルキル酸エステル(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウラート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンセスキオレアート、及びポリオキシエチレンソルビタントリオレアート)、アルキルフェニルポリオキシエチレン(例えば、IGEPAL(商標)界面活性剤、Rhone−Poulenc)、アセチレンジオール系界面活性剤(例えば、SURFYNOL(商標)界面活性剤、Air Products)、及びC
6〜C
30のアルキルエトキシレートを含む。特に好ましいシリコーンフリー非イオン性界面活性剤は、例えば、40モルのエトキシ化したノニルフェノールであるBASF社製のICONOL(商標)NP40のような、ノニルフェノールエトキシレートを含む。
【0024】
シリコーン含有非イオン性界面活性剤の制限しない例は、例えば、OSi Specialties製のシリコーン系非イオン性界面活性剤のブランドSILWET(商標)のような、ジメチコーンコポリオール(例えば、ポリオキシエチレン側鎖、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレン共重合体の側鎖、またはポリオキシエチレン及びポリエチレン共重合体の側鎖、を含むポリジメチルシロキサンポリマー)を含んでなるブロックまたはグラフト共重合体を含む。他の好適なシリコーン含有非イオン性界面活性剤は、ジメチコーンコポリオールアルキルエーテル(例えばメチルエーテルまたはエチルエーテル)、例えばカプリリルメチコーンジメチコーンコポリオール及びセチルメチコーンジメチコーンコポリオールのようなアルキルメチコーンジメチコーンコポリオール、ビス−ジメチコーンコポリオールなどを含み、それらもまたOSi Specialties製である。
【0025】
所定の基板を研磨するために本発明のCMP組成物用に選択されるシリコーンフリー及びシリコーン含有非イオン性界面活性剤の相対量は、一部には、研磨される基板の表面特性に基づいて、最適化されることができる。例えば、low−k誘電体層がカーボンをドープした二酸化ケイ素材料の場合、シリコーン含有の界面活性剤に対するシリコーンフリーの界面活性剤の最適量は、カーボンドーピングのレベルに依存する。代表的なカーボンをドープした二酸化ケイ素(CDO)low−k誘電体材料は、化学式Si
wC
xO
yH
zを有し、xはおよそ(0.01〜0.25)yである。xがゼロに等しい場合、その材料は、シリコーンフリーの界面活性剤と相互作用がほとんどないドープしていない二酸化ケイ素と同じである。二酸化ケイ素材料が有機基で修飾される場合(すなわちx>0)、基板の表面が次第に疎水性になる。理論に束縛されるものではないが、ドープした二酸化ケイ素材料の疎水性が、その表面上へのシリコーンフリー非イオン性界面活性剤の吸着を促進する、と考えられている。低いレベルのカーボンドーピングでは、シリコーン含有界面活性剤に対するシリコーンフリーの最適比率は、1以下に下方に向かって調整されてもよい。カーボンドーピングのレベルが増加するにしたがって、シリコーン含有界面活性剤に対するシリコーンフリーの最適比率が増加してもよい。
【0026】
本発明のCMP組成物は、任意の1以上の酸化剤(例えば金属成分のような半導体表面の成分を酸化するため)を含むことができる。本発明のCMP組成物及び方法に用いる好適な酸化剤は、制限なく、過酸化水素、過硫酸塩(例えば、モノ過硫酸アンモニウム、ジ過硫酸アンモニウム、モノ過硫酸カリウム、及びジ過硫酸カリウム)、過ヨウ素酸塩(例えば、過ヨウ素酸カリウム)、それらの塩、及び前述のものの2以上の組み合わせを含む。好ましくは、酸化剤は、半導体のCMP技術でよく知られているように、半導体ウエハに存在する1以上の選択された金属材料または半導体材料を酸化するのに十分な量で組成物中に存在する。
【0027】
本発明のCMP組成物はまた、例えば腐食防止剤、分散剤、粘度調整剤、錯化剤、酸化防止剤、殺生物剤などのような、CMP組成物に一般に含まれる好適な量の1以上の他の付加材料を任意に含むこともでき、それらの全てがCMP分野でよく知られている。
【0028】
好ましい実施態様では、CMP組成物は、殺生量の殺生物剤(例えば、Rohm and Haas製のKATHON(商標)殺生物剤のような、例えばイソチアゾリノン組成物)をさらに含むことができる。
【0029】
水性キャリアは、任意の水性溶媒、例えば、水、水性メタノール、水性エタノール、それらの組み合わせなどであることができる。好ましくは、水性キャリアは脱イオン水である。
【0030】
本発明のCMP組成物は、好ましくは5〜10、さらに好ましくは8〜9.5の範囲のpHを有する。CMP組成物は、1以上のpH緩衝材料、例えば塩酸、酢酸などのような酸、例えばアンモニア、水酸化ナトリウムなどのような塩基、またはそれらの組み合わせを任意に含むことができる。
【0031】
本発明のCMP組成物は、それらの多くが当業者に知られている任意の好適な技術によって調製されることができる。CMP組成物は、バッチまたは連続工程で調製されることができる。一般に、CMP組成物は、任意の順番でそれらの成分を組み合わせることで調製されることができる。本明細書で用いる「成分」は、個々の内容物(例えば、砥材、界面活性剤など)だけでなく、内容物の任意の組み合わせも含む。例えば、砥材は水中に分散されることができ、そして界面活性剤の成分が加えられることができ、そして上記成分をCMP組成物に組み込むことができる任意の方法で混合されることができる。概して、酸化剤が利用される場合、組成物がCMP工程用に準備されるまで酸化剤はCMP組成物に加えられず、例えば、酸化剤は研磨開始の直前に加えられることができる。pHはいつでも好適な時に調整されることができる。
【0032】
本発明のCMP組成物はまた、濃縮物としても提供されることができ、使用する前に適切な量の水性溶媒(例えば水)で希釈されることを意図している。そのような実施態様では、CMP組成物の濃縮物は水性溶媒中に分散されまたは溶解された様々な成分を、適切な量の水性溶媒で濃縮物を希釈したときに研磨組成物のそれぞれの成分が使用に適切な範囲内の量でCMP組成物中に存在することになる量で、含むことができる、
【0033】
本発明はまた、半導体基板の化学的機械的な研磨の方法も提供する。本研磨方法は、(i)本明細書に記載するように、基板の表面に研磨パッド及び本発明のCMP組成物を接触させること、並びに(ii)上記基板の表面に対して上記研磨パッドを、それらの間に上記研磨組成物を伴って相対的に動かすこと、それによって上記基板を研磨するために上記基板表面の少なくとも一部を磨り減らすこと、を含む。
【0034】
本発明のCMP方法は、任意の基板を研磨するために使用されることができ、そして、例えばカーボンをドープした二酸化ケイ素のようなlow−k誘電体材料を含む基板を研磨するために特に有益である。
【0035】
本発明のCMP方法は、化学機械研磨装置と併用して使用されることに特に適している。概して、CMP装置は、使用の際に作動しており、軌道運動、直線運動、及び/または円形運動に起因する速度を有する定盤、定盤と接触しそして作動する際には定盤に相対的に動く研磨パッド、及び研磨パッドの表面に対して接触しそして相対的に動くことによって研磨される基板を支持するキャリアを含む。基板を研磨するために基板の少なくとも一部を磨り減らすように、基板を本発明の研磨組成物及び研磨パッドに接触させて配置し、次いで研磨パッドと基板とを互いに相対的に動かすことよって、基板の研磨を行う。
【0036】
基板は、任意の好適な研磨パッド(例えば研磨表面)を使って本発明のCMP組成物で平坦化または研磨されることができる。好適な研磨パッドは、例えば、織布及び不織布のパッドを含む。さらに好適な研磨パッドは、多様な密度、硬度、厚み、圧縮性、圧縮に対して回復する能力、及び圧縮弾性率の任意の好適なポリマーを含むことができる。好適なポリマーは、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ナイロン、フルオロカーボン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリエーテル、ポリエチレン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリプロピレン、それらの共形成生成物、及びそれらの混合物を含む。
【0037】
望ましくは、CMP装置は、当技術分野でその多くが知られている、現場研磨の終点検知システムをさらに含む。加工対象物の表面から反射された光または他の放射を分析することによって、研磨工程を検査及び監視するための技術が、当技術分野で知られている。そのような方法が、例えばSandhu他の米国特許第5,196,353号、Lustig他の同第5,433,651号、Tangの同第5,949,927号、及びBirang他の同第5,964,643号に記述されている。望ましくは、研磨されている加工対象物についての研磨工程の進捗の検査または監視が、研磨の終点の決定、すなわち特定の加工対象物についての研磨工程を終わらせるときの決定、を可能とする。
【実施例】
【0038】
以下の例は、本発明をさらに説明するものであるが、もちろん、多少なりともその範囲を制限するものとして解釈すべきではない。
【0039】
例1
この例は、卓上研磨機を利用して、カーボンをドープしたシリコーン酸化物の表面を研磨するための、本発明のCMP組成物と、シリコーン含有界面活性剤を含まない対照の組成物を比較する。
【0040】
ブランケットウエハ(200mmのカーボンをドープした二酸化ケイ素)が、本発明の6種のCMP組成物で研磨された。それぞれの組成物は、13質量パーセントのコロイドシリカ、5000ppmの酢酸ナトリウム、1000ppmのベンゾトリアゾール、200ppmのICONOL(商標)NP−40、1質量パーセントの過酸化水素、及び75ppm(1x)または200ppm(2x)のシリコーン界面活性剤を含んだ。組成物(1−1)は、75ppmのSILWET(商標)7001(そのポリオール側鎖中に40/60の比率でエチレンオキシ基とプロピレンオキシ基を有するジメチコーンコポリオール)を含んだ(1x)。組成物(1−2)は、200ppmのSILWET(商標)7001を含んだ(2x)。組成物(2−1)は、75ppmのSILWET(商標)7220(そのポリオール側鎖中に20/80の比率でエチレンオキシ基とプロピレンオキシ基を有するジメチコーンコポリオール)を含んだ(1x)。組成物(2−2)は、200ppmのSILWET(商標)7220を含んだ(2x)。組成物(3−1)は、75ppmのSILWET(商標)7600(ポリ(エチレンオキシド)側鎖を有するジメチコーンコポリオール)を含んだ(1x)。組成物(3−2)は、200ppmのSILWET(商標)7600を含んだ(2x)。
【0041】
対照の組成物は、13質量パーセントのコロイドシリカ、5000ppmの酢酸カリウム、1000ppmのベンゾトリアゾール、200ppmのICONOL(商標)NP−40、及び1質量パーセントの過酸化水素を含んだ。
【0042】
上記ウエハは、1.5psiの下向き荷重、106rpmの定盤速度、120rpmのキャリア速度、及び150mL/minのスラリー流速で、POLITEX(商標)研磨パッド(Rodel製)を用いて研磨された。それぞれの組成物で得られた、カーボンをドープした酸化物(CDO)の除去速度を
図1に示す。
図1のデータは、本発明のCMP組成物が、対照の組成物に比べて、望ましいより低いCDO除去速度を可能にしたことを示す。
【0043】
例2
この例は、卓上研磨機を利用して、カーボンをドープしたシリコーン酸化物の表面を研磨するための、本発明のCMP組成物とシリコーン含有界面活性剤を含まない対照の組成物を比較する。
【0044】
ブランケットウエハ(200mmのカーボンをドープした二酸化ケイ素、Applied Materials製のBLACK DIAMOND(商標)low−k誘電体コーティングウエハ;「BD」)が、本発明のCMP組成物(1−1)で研磨された。対照の制御組成物は例1と同じものであった。上記ウエハが、4つのヘッドを有するMirra研磨機で、1.5psiの下向き荷重、103rpmの定盤速度、97rpmのキャリア速度、及び150mL/minのスラリー流速で、POLITEX(商標)研磨パッドを用いて研磨された。3つの異なるウエハのBD除去速度を
図2に示す。そのデータは、対照の組成物と比較して本発明の組成物の場合に、ウエハ間及びヘッド間のばらつきの予期せぬ極めて大きな減少を示す。
【0045】
別の評価で、パターンウエハ(Sematech,Incによって準備された、200mm、854のパターンウエハ)が本発明のCMP組成物(1−1)で研磨された。例1の対照の組成物に対して比較が行われた。パターンの除去速度の結果を
図3に示す。パターンの除去速度は、F5光学測定システムを用いて、ウエハの中央から端までの9カ所の異なる位置で計ったちょうど0.25×0.25マイクロメートルの境界線のフィールドエリア内で、計算された。上記ウエハは、Mirra研磨機で、1.5psiの下向き荷重、103rpmの定盤速度、97rpmのキャリア速度、及び150mL/minのスラリー流速で、POLITEX(商標)研磨パッドを用いて研磨された。
【0046】
図3のデータは、本発明の組成物が、対照の組成物よりも、驚くほどにそして望ましいより低いパターンの除去速度を提供することを示す。