特許第5938140号(P5938140)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5938140高度なRF及び温度の均一性を備えた静電チャック
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5938140
(24)【登録日】2016年5月20日
(45)【発行日】2016年6月22日
(54)【発明の名称】高度なRF及び温度の均一性を備えた静電チャック
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20160609BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20160609BHJP
   H01L 21/205 20060101ALI20160609BHJP
   H02N 13/00 20060101ALI20160609BHJP
【FI】
   H01L21/68 R
   H01L21/302 101G
   H01L21/205
   H02N13/00 D
【請求項の数】20
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-509085(P2015-509085)
(86)(22)【出願日】2013年4月23日
(65)【公表番号】特表2015-517225(P2015-517225A)
(43)【公表日】2015年6月18日
(86)【国際出願番号】US2013037849
(87)【国際公開番号】WO2013163220
(87)【国際公開日】20131031
【審査請求日】2015年5月15日
(31)【優先権主張番号】61/637,500
(32)【優先日】2012年4月24日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/775,372
(32)【優先日】2013年3月8日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/867,515
(32)【優先日】2013年4月22日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100101502
【弁理士】
【氏名又は名称】安齋 嘉章
(72)【発明者】
【氏名】ルボミルスキー ディミトリー
(72)【発明者】
【氏名】サン ジェニファー ワイ
(72)【発明者】
【氏名】マルコブスキー マーク
(72)【発明者】
【氏名】マクラトシェブ コンスタンティン
(72)【発明者】
【氏名】ブッフバーガー ダグラス エー ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】バンナ セイマ
【審査官】 内田 正和
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−317772(JP,A)
【文献】 特表2004−533718(JP,A)
【文献】 特開2006−140367(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/049620(WO,A1)
【文献】 特開2001−196427(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/021317(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
H01L 21/205
H01L 21/3065
H02N 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高度なRF及び温度の均一性を備えた静電チャック(ESC)であって、
上部誘電体層と、
上部誘電体層の下方に配置された上部金属部と、
複数の画素化された抵抗ヒータの上方に配置され、上部金属部によって部分的に囲まれた第2誘電体層と、
第2誘電体層の下方に配置された第3誘電体層であって、第3誘電体層と第2誘電体層の間には境界線を有する第3誘電体層と、
第3誘電体層内に配置された複数のビアと、
複数のビアの下方に配置され、複数のビアに結合されたバスバー配電層であって、複数のビアは、複数の画素化された抵抗ヒータをバスバー配電層に電気的に結合するバスバー配電層と、
バスバー配電層の下方に配置された第4誘電体層であって、第4誘電体層と第3誘電体層の間には境界線を有する第4誘電体層と、
第4誘電体層の下方に配置され、内部に収容された複数の高出力ヒータ要素を含む金属ベースを含む静電チャック。
【請求項2】
上部誘電体層は、内部に配置された複数の表面チャネルを含む請求項1記載のESC。
【請求項3】
上部誘電体層の表面チャネルは、ESC用の冷却チャネルを提供する請求項2記載のESC。
【請求項4】
上部誘電体層は、ウェハ又は基板を上で支持するように構成される請求項1記載のESC。
【請求項5】
上部誘電体層は、溶射誘電体材料を含む請求項1記載のESC。
【請求項6】
上部誘電体層の上に配置された固体セラミックスプレートを含む請求項1記載のESC。
【請求項7】
固体セラミックスプレートは、ウェハ又は基板を上で支持するように構成される請求項6記載のESC。
【請求項8】
上部金属部は高周波(RF波)用のガイドを提供する請求項1記載のESC。
【請求項9】
金属ベースの下方に配置され、金属ベースに溶接された下部プレートを含む請求項1記載のESC。
【請求項10】
静電チャック(ESC)を製造する方法であって、
金属ベース内のハウジング内に高出力ヒータ要素を設置する工程と、
高出力ヒータ要素を内部に収容するために金属ベースに下部プレートを溶接する工程と、
プラズマ溶射又はアーク陽極酸化によって金属ベースの上に第1誘電体層を形成する工程と、
第1誘電体層の上に金属層を形成し、金属層からバスバー配電層を形成する工程と、
バスバー配電層の上と、第1誘電体層の露出部の上に、第2誘電体層を形成する工程と、
第2誘電体層内にビアホールを形成し、バスバー配電層を露出させる工程と、
複数の導電性ビアを形成するためにビアホールを金属で埋める工程と、
複数の導電性ビアの上方に配置され、複数の導電性ビアに電気的に結合された複数の画素化された抵抗ヒータを形成する工程と、
複数の画素化された抵抗ヒータの上に第3誘電体層を形成する工程と、
第3誘電体層の上の、及び第3誘電体層を部分的に囲む上部金属部を形成する工程と、
上部金属部の上に上部誘電体層を形成する工程を含む方法。
【請求項11】
上部誘電体層を形成する工程は、プラズマ溶射技術を使用する工程を含む請求項10記載の方法。
【請求項12】
上部誘電体層の上面内に複数の表面構造を機械加工する工程を含む請求項10記載の方法。
【請求項13】
固体セラミックスプレートを上部誘電体層に接着する工程を含む請求項10記載の方法。
【請求項14】
エッチングシステムであって、
排気装置と、ガス入口装置と、プラズマ点火装置と、検出器に結合されたチャンバと、
プラズマ点火装置に結合されたコンピューティングデバイスと、
静電チャック(ESC)を含むサンプルホルダーに結合された電圧源を含み、チャンバ内に配置されたESCは、
上部誘電体層と、
上部誘電体層の下方に配置された上部金属部と、
複数の画素化された抵抗ヒータの上方に配置され、上部金属部によって部分的に囲まれた第2誘電体層と、
第2誘電体層の下方に配置された第3誘電体層であって、第3誘電体層と第2誘電体層の間には境界線を有する第3誘電体層と、
第3誘電体層内に配置された複数のビアと、
複数のビアの下方に配置され、複数のビアに結合されたバスバー配電層であって、複数のビアは、複数の画素化された抵抗ヒータをバスバー配電層に電気的に結合するバスバー配電層と、
バスバー配電層の下方に配置された第4誘電体層であって、第4誘電体層と第3誘電体の間には境界線を有する第4誘電体層と、
第4誘電体層の下方に配置され、内部に収容された複数の高出力ヒータ要素を含む金属ベースを含むエッチングシステム。
【請求項15】
ESCの上部誘電体層は、内部に配置された複数の表面構造を含み、上部誘電体層の表面構造は、ESC用の冷却チャネルを提供する請求項14記載のエッチングシステム。
【請求項16】
ESCの上部誘電体層は、ウェハ又は基板を上で支持するように構成される請求項14記載のエッチングシステム。
【請求項17】
ESCの上部誘電体層は、溶射誘電体材料を含む請求項14記載のエッチングシステム。
【請求項18】
ESCは、
上部誘電体層の上に配置され、ウェハ又は基板を上で支持するように構成された固体セラミックスプレートを含む請求項14記載のエッチングシステム。
【請求項19】
ESCの上部金属部は高周波(RF波)用のガイドを提供する請求項14記載のエッチングシステム。
【請求項20】
ESCの金属ベースの下方に配置され、ESCの金属ベースに溶接された下部プレートを含む請求項14記載のエッチングシステム。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2012年4月24日に出願された米国仮出願第61/637,500号及び2013年3月8日に出願された米国仮出願第61/775,372号の利益を主張し、その全内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【背景】
【0002】
1)分野
本発明の実施形態は、半導体処理装置の分野に関し、特に、高度なRF及び温度の均一性を備えた静電チャック、及びそのような静電チャックを製造する方法に関する。
【0003】
2)関連技術の説明
プラズマ処理チャンバ(例えば、プラズマエッチング又はプラズマ蒸着チャンバ)内では、チャンバコンポーネントの温度は、しばしばプロセスの間に制御すべき重要なパラメータである。例えば、一般に、チャック又は台座と呼ばれる基板ホルダーの温度は、(例えば、エッチングレートを制御するために)プロセスレシピの間、様々な制御された温度にワークピースを加熱/冷却するように制御することができる。同様に、シャワーヘッド/上部電極、チャンバライナー、バッフル、プロセスキット又は他のコンポーネントの温度もまた、処理に影響を与えるようにプロセスレシピの間、制御することができる。従来は、ヒートシンク及び/又はヒートソースが処理チャンバに結合され、これによってチャンバコンポーネントの温度を所望の温度に維持する。しばしば、チャンバコンポーネントに熱的に結合された少なくとも1つの熱伝導流体ループが用いられ、これによって加熱及び/又は冷却力を提供する。
【0004】
熱伝導流体ループ内の長いライン長さ、及びそのような長いライン長さと関連した大きな熱伝導流体の体積は、温度制御の応答時間に弊害をもたらす。使用場所に基づくシステムは、流体ループの長さ/体積を減らす1つの手段である。しかしながら、物理的な空間の制約は、そのような使用場所に基づくシステムの電源負荷を不利に制限する。
【0005】
RF電力レベルが増加し続け、ワークピース径も増加し続ける(現在典型的には300mmだが現在450mmシステムが開発中である)プラズマ処理の傾向によって、高速応答時間及び高い電源負荷の両方に対処する温度及び/又はRF制御及び分配は、プラズマ処理領域において有利である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明の一実施形態に係る、ウェハ又は基板を支持するように構成された静電チャック(ESC)の一部の断面図を示す。
図2】本発明の別の一実施形態に係る、ウェハ又は基板を支持するように構成された様々な静電チャックの部分の断面図を示す。
図3】本発明の別の一実施形態に係る、ウェハ又は基板を支持するように構成された静電チャックの一部の断面図を示す。
図4】本発明の別の一実施形態に係る、ウェハ又は基板を支持するように構成された静電チャックの一部の断面図を示す。
図5A】本発明の別の一実施形態に係る、ウェハ又は基板を支持するように構成された静電チャックの一部の断面図を、プラズマ溶射配置を強調して示す。
図5B】本発明の別の一実施形態に係る、ウェハ又は基板を支持するように構成された静電チャックの一部の断面図を、固体(中実)セラミックス上部配置を強調して示す。
図6】本発明の様々な実施形態に係る、静電チャック(ESC)用抵抗補助ヒータの12×13構成を含む電気ブロック図である。
図7】本発明の一実施形態に係る、高度なRF及び温度の均一性を備えた静電チャックを内部に収容可能なシステムを示す。
図8】本発明の一実施形態に係る、典型的なコンピュータシステムのブロック図を示す。
【詳細な説明】
【0007】
高度なRF及び温度の均一性を備えた静電チャックとそのような静電チャックを製造する方法が記述される。以下の説明では、本発明の実施形態の完全な理解を提供するために、多数の特定の詳細(例えば、特定のチャック材料レジーム)が述べられる。本発明の実施形態がこれらの特定の詳細なしで実施可能であることは、当業者にとって明らかである。他の例では、既知の態様(例えば、チャックによって支持されるウェハの存在するエッチング処理)は、本発明の実施形態を必要以上に曖昧にしないために詳細には説明されない。更に、図示される様々な実施形態は、例示的表現であって、必ずしも比例して描かれてはいないことを理解すべきである。
【0008】
本明細書に記載される1以上の実施形態は、高度なRF及び温度の均一性を備えた静電チャック又は高度なRF及び温度の均一性を備えた静電チャックを含むシステムに関する。
【0009】
背景を説明すると、エッチング処理の間に温度制御を提供するために、静電的なチャッキングによるウェハのクランプが用いられてきた。ウェハは、アプリケーションによって、セラミックスに、又はヒートシンク又はヒータ(又は両方)を備えた多層表面に固定される。内在する不均一性及び補助的なハードウェア(例えば、リフターピン、RF/DC電極など)のために、セラミックス表面の温度は、均一ではない。この不均一性は、ウェハに転移し、エッチングプロセスに影響を及ぼす。従来のチャックの設計は、クーラントのレイアウトの最適化と複数(最大4ゾーン)のヒータの導入に集中してきた。そのようなチャックの設計は、補助的なハードウェア(例えば、リフターピン、RF/DC電極など)に関連する、又はそれに起因する問題を解決するためには役立たなかった。
【0010】
一実施形態では、従来のアプローチによって上記の問題に対処するために、徹底的な温度均一性を備えた次世代の(4ゾーンを超える)エッチングチャンバのESCが記述される。一実施形態では、以下に詳細に説明されるように、本明細書に記載されるチャックは、Alベースの12インチのパック、最高130℃の温度能力、プラズマによる摂氏65/65/45度での温度均一性0.5℃以下のうちの1以上を含む熱的要件を達成することができる。本明細書に記載される実施形態は、動的な温度制御を備えた次世代エッチングチャンバESCを指向することができる。
【0011】
図1〜5A及び5Bは、本発明の様々な実施形態に係る、静電(ESC)構造又はその部分を示す。
【0012】
図1を参照すると、ESC100は、ウェハ又は基板102を支持するように構成される。ESCのフレームワーク104は、例えば、アルミニウムから構成することができる。プラズマ溶射コーティング層106(例えば、セラミックス層)が、フレームワーク104の様々な表面上に含まれる。メインヒータ108が、補助ヒータ110と共に含まれる。
【0013】
図2を参照すると、断面図から示されるように、ESC部200は、ウェハ又は基板202を支持するように構成される。ウェハ又は基板202を載置することができるセラミックス層204が、複数の抵抗ヒータ要素206上に配置され、例えば、接着層208によって適所に保持される。金属ベース210は、複数の抵抗ヒータ要素206を支持し、RFを通電することができる。図2に示されるように、オプションのチャック電極212もまた含むことができる。
【0014】
再び図2を参照すると、断面図から示されるように、固体セラミックスプレート221を有するESCの部分220が、ESC内のRF経路222及び224を示すために提供される。図2の断面図からまた示されるように、RF経路242が、(240Aとして示されるように構成することもできる)ESCの部分240B内に更に示される。いくつかの実施形態では、図示されたESCの部分220、240A及び240Bは、固体セラミックスプレートのみの構成(図示)と共に構成することができる、又は図5Bに関連して以下に詳細に説明されるように、固体セラミックスプレートが上部に固着されたプラズマ溶射コーティング層を含むことができることを理解すべきである。
【0015】
図3を参照すると、ESC300は、断面図から示されるように、ウェハ又は基板302を支持するように構成される。誘電体層304(例えば、プラズマ溶射誘電体層)は、ウェハ又は基板302を載置できるサポートを提供する。開いた領域306は、冷却チャネル(例えば、裏面ヘリウム(He)冷却用)を提供する。誘電体層304は、上部金属部308(例えば、RF波用のガイドを提供可能)の上方に配置される。誘電体層310(例えば、プラズマ溶射又はアーク酸化層)が、複数の画素化された抵抗ヒータ312の上方に配置され、上部金属部308によって部分的に囲まれる。更なる誘電体層314が、誘電体層310の下方に配置され、誘電体層314と誘電体層310の間には境界線316が存在する。ビア318が、複数の画素化された抵抗ヒータ312をバスバー配電層320に結合するために含まれる。誘電体層322が、バスバー配電層320の下方に配置され、誘電体層314と誘電体層322の間には境界線324が存在する。上記構成が、金属ベース326の上方に配置される。金属ベース326は、高出力ヒータ要素又はブースター328を収容する。図3に示されるように、溶接された下部プレート330もまた含むことができる。
【0016】
本発明の一実施形態によると、静電チャック(ESC)は、1以上(最高8つ)のメインヒータを有し、これによってベースラインの温度制御を提供する。温度分布の微調整を提供するために、多数の補助ヒータが、ESC表面近くに配置される。RFに関連する均一性を減らすために、すべてのヒータは、同時にRFシールドとRF伝達経路として作用するアルミニウムケージの内部に配置される。こうして、一実施形態では、改善されたRF均一性及び/又は改善された温度均一性を備えたエッチング処理が達成可能となる。
【0017】
特定の一実施形態では、本明細書に記載されるチャックは、以下のうちの1以上を含む温度均一性要件を達成することができる。(1)ヒータレイアウトのための要件:RFカップリング、工程間におけるプロセス温度勾配は、4ゾーンのヒータ設計によって対処される。(2)ツールマッチングのための要件:従来のESC/シャワーヘッド/端部HWにおける微妙な変化は、局所的な熱い/冷たい点をもたらし、もしもこのチャックでないならば、マルチアレイの45台から最高169台の等価ヒータが、ツールからツールへの温度均一性をマッチングさせるために必要となる。
【0018】
一実施形態では、図3に関連して記述されるESC300は、まず金属ベース326内に高出力ヒータ要素又はブースター328を設置することによって製造することができる。その後、下部プレート330が、所定の位置に溶接される。その後、誘電体層322が、例えば、プラズマ溶射又はアーク陽極酸化のアプローチによって堆積される。その後、金属層が、例えば、スクリーン印刷によって形成され、これによって画素化された抵抗ヒータ312に電流を送ることができるバスバー配電層320を提供する。その後、誘電体層314が堆積され、誘電体層324を覆う。その後、ビアホールが誘電体層314内に形成され、バスバー配電層320を露出させる。その後、金属堆積が実行され、これによってビアホールを埋め、ビア318を形成する。あるいはまた、ビア318は、画素化された抵抗ヒータ312を形成すると同時に、埋めることができる。その後、誘電体層310が堆積され、上部金属部308の堆積が続く。上部金属部308は、金属ベースの端部を提供するために形成される。その後、誘電体層304が形成され、これによって上述した層の全てを覆う。オプションで、構造は、誘電体層304内へ機械加工され、これによってESC300とのウェハインタフェースを手直しする。
【0019】
図4を参照すると、ESC部400は、断面図から示されるように、ウェハ又は基板を支持するように構成される。ESC400の上部誘電体層又は構造は、例えば、(例えば、プラズマ溶射によって)堆積された誘電体層(例えば、Al)402Aを含むことによって提供することができる。代替的に、又はこれに追加して、誘電体プレート402B(例えばAlプレート)を含むことができる。両方のオプションが、図4に示される。金属ベース404(例えばアルミニウム(Al)ベース)は、誘電体層402A及び/又はや誘電体プレート402Bの下に含まれる。スロット406が、金属ベース404内に含まれ、これによって断熱層を提供することができる。ケーブルヒータ408は、金属ベース404内に収容される。金属ベース404は、図4に示されるように、冷却ベースへの経路を更に含むことができる。
【0020】
図5Aは、断面図から示されるように、プラズマ溶射構成を強調した、本発明の一実施形態に係るESC部500Aを示す。ESC部500Aは、プラズマ溶射誘電体層504を上に配置した金属ベース部502(例えばアルミニウムベース)を含む。プラズマ溶射層は、誘電体材料(例えば、アルミナ(Al)、酸化イットリウム(Y)、又は高機能材料(HPM)を含むが、これらに限定されない)から構成することができる。多孔質プラグ506は、金属ベース部502内に配置され、(例えば、ヘリウム流による)ウェハ又は基板冷却用経路508を提供する。経路508は、プラズマ溶射誘電体層504を貫通して配置される。
【0021】
図5Bは、断面図から示されるように、固体セラミックス上部構成を強調した、本発明の一実施形態に係るESC部500Bを示す。ESC部500Bは、金属ベース部552(例えばアルミニウムベース)を含む。固体セラミックス上部554(例えば、Alプレート)が、金属ベース部552の上方に配置される。一実施形態では、固体セラミックス上部554は、図5Bに示されるように、プラズマ溶射誘電体層560の上方に配置される。プラズマ溶射層560は、誘電体材料(例えば、アルミナ(Al)、酸化イットリウム(Y),又は高機能材料(HPM)を含むが、これらに限定されない)から構成することができる。その実施形態では、固体セラミックス上部554は、接着層562によってプラズマ溶射誘電体層560に結合することができる。多孔質プラグ556が、金属ベース部552内に配置され、(例えば、ヘリウム流による)ウェハ又は基板冷却用経路558を提供する。経路558は、固体セラミックス上部554及びもしも存在するならばプラズマ溶射誘電体層560を貫通して配置される。
【0022】
一実施形態では、本明細書に記載されるチャックの機械的な態様は、ESC自体、追加の24〜26のフィルタ用に再設計された陰極アセンブリ、電気的なRFフィルタ、補助ヒータへの送電を含む。一実施形態では、本明細書に記載されるチャックの交換/スイッチングロジックの態様は、既存のハードウェアとのインタフェースを含む。一実施形態では、本明細書に記載されるチャックのソフトウェアの態様は、I−4の温度データとのインタフェース、及び/又は電気サブアセンブリとの通信を含む。一実施形態では、本明細書に記載されるチャック用のメインヒータは、デュアルゾーンヒータを含む。一実施形態では、本明細書に記載されるチャック用の出力要件は、補助ヒータによって対処される。
【0023】
一実施形態では、本明細書に記載されるチャックのESCタイプの態様は、クーロン力の、約92%のアルミナ構成の、薄いセラミックスの、場合によっては交換可能な/消耗可能な、接地された、RF通電のクランプ電極及び/又はプリントRF電極付きの1以上の冷却プレートを含む。一実施形態では、最大RF電力の仕様は、最大約2kW及び約13.56MHzである。一実施形態では、最大ヘリウム圧の仕様は、約10トールである。一実施形態では、RF電流の制約は、ピンと電極のインタフェースに対して、1つのピン当たり約20Aに定量化される。一実施形態では、内部/外部のヒータ抵抗は、およそ90C、130C、25A、160V、150C(内部) 13A、150V、150C(外部)である。
【0024】
一実施形態では、本明細書に記載されるチャック用の補助ヒータは、およそ45台のヒータ、最高144〜169台(12×12又は13×13構成)を含む。約92%のアルミナ、最小局所的な1C加熱、最大4℃加熱、及び45台のヒータでのヒータのための推定される電力は、ヒータ(4Wの高純度)間の6℃デルタに対して約3Wである。一実施形態では、フィードバックは、デュアルゾーンメインヒータに対して2台のセンサを含む。一実施形態では、RFフィルタリングは、平均1台のヒータ当たり3Wに基づき、合計169台のヒータ(〜168オーム)でDC294V、1.75Aである。一例として、図6は、本発明の一実施形態に係る電気ブロック図600である。図6を参照すると、抵抗補助ヒータの12×13構成602が、一例として提供される。
【0025】
高度なRF及び温度の均一性を備えた静電チャックは、エッチング用のサンプルの近くでエッチングプラズマを提供するのに適した処理装置内に含むことができる。例えば、図7は、本発明の一実施形態に係る、高度なRF及び温度の均一性を備えた静電チャックを内部に収容することができるシステムを示す。
【0026】
図7を参照すると、プラズマエッチングプロセスを実行するためのシステム700は、サンプルホルダー704を備えたチャンバ702を含む。排気装置706、ガス入口装置708、及びプラズマ点火装置710が、チャンバ702に結合される。コンピューティングデバイス712は、プラズマ点火装置710に結合される。システム700は、サンプルホルダー704に結合された電圧源714と、チャンバ702に結合された検出器716を更に含むことができる。コンピューティングデバイス712は、図7に示されるように、排気装置706、ガス入口装置708、電圧源714、及び検出器716にも結合することができる。
【0027】
チャンバ702とサンプルホルダー704は、イオン化されたガス(すなわち、プラズマ)を含み、そこから排出されたイオン化ガス又は荷電種の近くにサンプルをもたらすのに適した反応チャンバ及びサンプル位置決め装置を含むことができる。排気装置706は、チャンバ702を排気し、減圧させるのに適した装置であることができる。ガス入口装置708は、チャンバ702内に反応ガスを注入するのに適した装置であることができる。プラズマ点火装置710は、ガス入口装置708によってチャンバ702内に注入された反応ガス由来のプラズマを点火するのに適した装置であることができる。検出装置716は、処理操作の終点を検出するのに適した装置であることができる。一実施形態では、システム700は、アプライドマテリアルズ(商標名)AdvantEdgeシステム上で使用されるConductorエッチングチャンバ又は関連チャンバと類似又は同じ、チャンバ702、サンプルホルダー704、排気装置706、ガス入口装置708、プラズマ点火装置710、及び検出器716を含む。
【0028】
本発明の実施形態は、本発明に係るプロセスを実行するように、コンピュータシステム(又は他の電子デバイス)をプログラミングするために使用することができる命令を内部に格納したマシン可読媒体を含むことができる、コンピュータプログラム製品、又はソフトウェアとして提供することができる。マシン可読媒体は、マシン(例えば、コンピュータ)によって読み取り可能な形式で情報を記憶又は伝送する任意の機構を含む。例えば、マシン可読(例えば、コンピュータ可読)媒体は、マシン(例えば、コンピュータ)で読み取り可能な記憶媒体(例えば、リードオンリーメモリ(「ROM」)、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリデバイス等)、マシン(例えば、コンピュータ)で読み取り可能な伝送媒体(電気的、光学的、音響的又はその他の形態の伝搬信号(例えば、赤外線信号、デジタル信号等))等を含む。
【0029】
図8は、本明細書に記載される任意の1以上の方法をマシンに実行させるための命令セットを内部で実行することができるコンピュータシステム800の例示的な形態におけるマシンの図表示を示す。代替の実施形態では、マシンは、ローカルエリアネットワーク(LAN)、イントラネット、エクストラネット、又はインターネット内で他のマシンに接続(例えば、ネットワーク接続)することができる。マシンは、クライアント−サーバネットワーク環境におけるサーバ又はクライアントマシンの機能で、又はピアツーピア(又は分散)ネットワーク環境におけるピアマシンとして動作することができる。マシンは、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPC、セットトップボックス(STB)、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、携帯電話、ウェブアプライアンス、サーバ、ネットワークルータ、スイッチ又はブリッジ、又はそのマシンによって取られる動作を特定する命令のセット(シーケンシャル又はそれ以外)を実行することができる任意のマシンであることができる。更に、単一のマシンのみが示されているが、用語「マシン」はまた、本明細書内で議論された任意の1以上の方法を実行する命令のセット(又は複数のセット)を個々に又は共同で実行するマシン(例えば、コンピュータ)の任意の集合を含むと解釈すべきである。一実施形態では、コンピュータシステム800は、図7に関連して説明されたコンピューティングデバイス712として使用するのに適している。
【0030】
例示的なコンピュータシステム800は、プロセッサ802、メインメモリ804(例えば、リードオンリーメモリ(ROM)、フラッシュメモリ、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)(例えば、シンクロナスDRAM(SDRAM)又はラムバスDRAM(RDRAM)など)、スタティックメモリ806(例えば、フラッシュメモリ、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)など)、及び二次メモリ818(例えば、データ記憶装置)を含み、これらはバス830を介して互いに通信する。
【0031】
プロセッサ802は、1以上の汎用処理装置(例えば、マイクロプロセッサ、中央処理装置など)を表す。より具体的には、プロセッサ802は、複合命令セットコンピューティング(CISC)マイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピューティング(RISC)マイクロプロセッサ、超長命令語(VLIW)マイクロプロセッサ、他の命令セットを実行するプロセッサ、又は命令セットの組み合わせを実行するプロセッサであることができる。プロセッサ802は、1以上の特殊目的処理装置(例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ネットワークプロセッサなど)であることも可能である。プロセッサ802は、本明細書で議論された操作を実行するための処理ロジック826を実行するように構成される。
【0032】
コンピュータシステム800は更に、ネットワークインタフェースデバイス808を含むことができる。コンピュータシステム800は、ビデオディスプレイユニット810 (例えば、液晶ディスプレイ(LCD)、又は陰極線管(CRT))、英数字入力装置812(例えば、キーボード)、カーソル制御装置814(例えば、マウス)、及び信号生成装置816(例えば、スピーカ)を含むこともできる。
【0033】
二次メモリ818は、本明細書に記載の1以上の方法又は機能の何れかを具現化する1以上の命令セット(例えば、ソフトウェア822)を格納するマシンアクセス可能な記憶媒体(又は、より具体的には、コンピュータ可読記憶媒体)831を含むことができる。ソフトウェア822はまた、コンピュータシステム800、メインメモリ804及びプロセッサ802(これらもまたマシン可読記憶媒体を構成している)によるその実行中に、メインメモリ804内及び/又はプロセッサ802内に、完全に又は少なくとも部分的に常駐することもできる。ソフトウェア822は更に、ネットワークインタフェースデバイス808を介してネットワーク820上で送信又は受信されることができる。
【0034】
マシンアクセス可能な記憶媒体831は、例示的な一実施形態では単一の媒体であることが示されているが、用語「マシン可読記憶媒体」は、1以上の命令セットを格納する単一の媒体又は複数の媒体(例えば、集中型又は分散型データベース、及び/又は関連するキャッシュ及びサーバ)を含むように解釈されるべきである。用語「マシン可読記憶媒体」はまた、マシンによる実行用命令セットを格納又はエンコードすることができ、本発明の1以上の方法の何れかをマシンに実行させる任意の媒体を含むようにも解釈されるべきである。したがって、用語「マシン可読記憶媒体」は、固体メモリ、光・磁気メディアを含むが、これらに限定されないように解釈されるべきである。
【0035】
このように、高度なRF及び温度の均一性を備えた静電チャックと、そのような静電チャックを製造する方法が開示された。一実施形態では、高度なRF及び温度の均一性を備えた静電チャック(ESC)は、上部誘電体層を含む。上部金属部が、上部誘電体層の下方に配置される。第2誘電体層が、複数の画素化された抵抗ヒータの上方に配置され、上部金属部によって部分的に囲まれる。第3誘電体層が、第2誘電体層の下方に配置され、第3誘電体層と第2誘電体層の間には境界線を有する。複数のビアが、第3誘電体層内に配置される。バスバー配電(バスパワーバー分配)層が、複数のビアの下方に配置され、複数のビアに結合される。複数のビアは、複数の画素化された抵抗ヒータをバスバー配電層に電気的に結合する。第4誘電体層が、バスバー配電層の下方に配置され、第4誘電体層と第3誘電体層の間には境界線を有する。金属ベースが、第4誘電体層の下方に配置される。金属ベースは、内部に収容された複数の高出力ヒータ要素を含む。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8