【実施例】
【0050】
以下、実施例により本発明をより詳細に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(赤外吸収スペクトルの測定条件)
[機種] 日本分光株式会社製 FT/IR−4100
[測定条件]イソシアネート基を示す2250cm
-1の赤外吸収スペクトルを確認することで反応完結を確認した。
【0051】
(重量平均分子量(Mw)の測定条件)
重量平均分子量(Mw)は、下記条件のゲルパーミアーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される値である。
【0052】
測定装置 ;東ソー株式会社製 HLC−8220GPC
カラム ;東ソー株式会社製 TSK−GUARDCOLUMN SuperHZ−L
+東ソー株式会社製 TSK−GEL SuperHZM−M×4
検出器 ;RI(示差屈折計)
データ処理;東ソー株式会社製 マルチステーションGPC−8020modelII
測定条件 ;カラム温度 40℃
溶媒 テトラヒドロフラン
流速 0.35ml/分
標準 ;単分散ポリスチレン
試料 ;樹脂固形分換算で0.2質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(100μl)
【0053】
製造例1
撹拌機、ガス導入管、コンデンサー、及び温度計を備えた四つ口フラスコに、第一工程としてポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社製「ミリオネートMR−400」2核体成分29質量%、3核体以上の成分71質量%)57.6質量部、ターシャリブチルヒドロキシトルエン0.1質量部、メトキシハイドロキノン0.02質量部、オクチル酸亜鉛0.02質量部を加え、75℃に昇温し、2−ヒドロキシエチルアクリレート38.7質量部を1時間にわたって攪拌下で滴下した。滴下後、75℃で3時間反応させた後、第二工程として、トリメチロールプロパン3.7質量部を添加し、さらに75℃で反応させ、イソシアネート基を示す2250cm
-1の赤外吸収スペクトルが消失するまで反応を行い、ウレタンアクリレート樹脂を得た。
これをウレタンアクリレート樹脂(A1)とする。原料組成、芳香族ポリイソシアネート(a)が含有するイソシアネート基のモル数(a’)に対する水酸基含有モノ(メタ)アクリレート(b)が含有する水酸基のモル数(b’)の割合[(b’)/(a’)]、及び得られたウレタンアクリレート樹脂(A1)のアクリロイル基濃度と重量平均分子量を表1に示した。
【0054】
製造例2
撹拌機、ガス導入管、コンデンサー、及び温度計を備えた四つ口フラスコに、第一工程として、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社製「ミリオネートMR−400」2核体成分29質量%、3核体以上の成分71質量%)58.9質量部、ターシャリブチルヒドロキシトルエン0.1質量部、メトキシハイドロキノン0.02質量部、オクチル酸亜鉛0.02質量部を加え、75℃に昇温し、2−ヒドロキシエチルアクリレート35.8質量部を1時間にわたって攪拌下で滴下した。滴下後、75℃で3時間反応させた後、第二工程として、トリメチロールプロパン5.3質量部を添加し、さらに75℃で反応させ、イソシアネート基を示す2250cm
−1の赤外吸収スペクトルが消失するまで反応を行い、ウレタンアクリレート樹脂を得た。これをウレタンアクリレート樹脂(A2)とする。
原料組成、芳香族ポリイソシアネート(a)が含有するイソシアネート基のモル数(a’)に対する水酸基含有モノ(メタ)アクリレート(b)が含有する水酸基のモル数(b’)の割合[(b’)/(a’)]、及び得られたウレタンアクリレート樹脂(A1)のアクリロイル基濃度と重量平均分子量を表1に示した。
【0055】
製造例3
撹拌機、ガス導入管、コンデンサー、及び温度計を備えた四つ口フラスコに、第一工程として、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社製「ミリオネートMR−400」2核体成分29質量%、3核体以上の成分71質量%)60.3質量部、ターシャリブチルヒドロキシトルエン0.1質量部、メトキシハイドロキノン0.02質量部、オクチル酸亜鉛0.02質量部を加え、75℃に昇温し、2−ヒドロキシエチルアクリレート33.4質量部を1時間にわたって攪拌下で滴下した。滴下後、75℃で3時間反応させた後、第二工程として、トリメチロールプロパン6.4質量部を添加し、さらに75℃で反応させ、イソシアネート基を示す2250cm
−1の赤外吸収スペクトルが消失するまで反応を行い、ウレタンアクリレート樹脂を得た。これをウレタンアクリレート樹脂(A3)とする。なお、ウレタンアクリレート樹脂(A3)中の残存2−ヒドロキシエチルアクリレート量は100ppm以下であった。
原料組成、芳香族ポリイソシアネート(a)が含有するイソシアネート基のモル数(a’)に対する水酸基含有モノ(メタ)アクリレート(b)が含有する水酸基のモル数(b’)の割合[(b’)/(a’)]、及び得られたウレタンアクリレート樹脂(A1)のアクリロイル基濃度と重量平均分子量を表1に示した。
【0056】
製造例4
撹拌機、ガス導入管、コンデンサー、及び温度計を備えた四つ口フラスコに、第一工程として、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社製「ミリオネートMR−400」2核体成分29質量%、3核体以上の成分71質量%)57.4質量部、ターシャリブチルヒドロキシトルエン0.1質量部、メトキシハイドロキノン0.02質量部、オクチル酸亜鉛0.02質量部を加え、75℃に昇温し、2−ヒドロキシエチルアクリレート40.9質量部を1時間にわたって攪拌下で滴下した。滴下後、75℃で3時間反応させた後、第二工程として、グリセリン1.8質量部を添加し、さらに75℃で反応させ、イソシアネート基を示す2250cm−1の赤外吸収スペクトルが消失するまで反応を行い、ウレタンアクリレート樹脂を得た。これをウレタンアクリレート樹脂(A4)とする。
原料組成、芳香族ポリイソシアネート(a)が含有するイソシアネート基のモル数(a’)に対する水酸基含有モノ(メタ)アクリレート(b)が含有する水酸基のモル数(b’)の割合[(b’)/(a’)]、及び得られたウレタンアクリレート樹脂(A1)のアクリロイル基濃度と重量平均分子量を表1に示した。
【0057】
製造例5
撹拌機、ガス導入管、コンデンサー、及び温度計を備えた四つ口フラスコに、第一工程として、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社製「ミリオネートMR−400」2核体成分29質量%、3核体以上の成分71質量%)61.5質量部、ターシャリブチルヒドロキシトルエン0.1質量部、メトキシハイドロキノン0.02質量部、オクチル酸亜鉛0.02質量部を加え、75℃に昇温し、2−ヒドロキシエチルアクリレート33.8質量部を1時間にわたって攪拌下で滴下した。滴下後、75℃で3時間反応させた後、第二工程として、グリセリン6.5質量部を添加し、さらに75℃で反応させ、イソシアネート基を示す2250cm
−1の赤外吸収スペクトルが消失するまで反応を行い、ウレタンアクリレート樹脂を得た。これをウレタンアクリレート樹脂(A5)とする。
原料組成、芳香族ポリイソシアネート(a)が含有するイソシアネート基のモル数(a’)に対する水酸基含有モノ(メタ)アクリレート(b)が含有する水酸基のモル数(b’)の割合[(b’)/(a’)]、及び得られたウレタンアクリレート樹脂(A1)のアクリロイル基濃度と重量平均分子量を表1に示した。
【0058】
製造例6
撹拌機、ガス導入管、コンデンサー、及び温度計を備えた四つ口フラスコに、第一工程として、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社製「ミリオネートMR−400」2核体成分29質量%、3核体以上の成分71質量%)59.4質量部、ターシャリブチルヒドロキシトルエン0.1質量部、メトキシハイドロキノン0.02質量部、オクチル酸亜鉛0.02質量部を加え、75℃に昇温し、2−ヒドロキシエチルアクリレート37.3質量部を1時間にわたって攪拌下で滴下した。滴下後、75℃で3時間反応させた後、第二工程として、グリセリン3.3質量部を添加し、さらに75℃で反応させ、イソシアネート基を示す2250cm
−1の赤外吸収スペクトルが消失するまで反応を行い、ウレタンアクリレート樹脂を得た。これをウレタンアクリレート樹脂(A6)とする。原料組成、芳香族ポリイソシアネート(a)が含有するイソシアネート基のモル数(a’)に対する水酸基含有モノ(メタ)アクリレート(b)が含有する水酸基のモル数(b’)の割合[(b’)/(a’)]、及び得られたウレタンアクリレート樹脂(A1)のアクリロイル基濃度と重量平均分子量を表1に示した。
【0059】
製造例7
撹拌機、ガス導入管、コンデンサー、及び温度計を備えた四つ口フラスコに、第一工程として、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社製「ミリオネートMR−400」2核体成分29質量%、3核体以上の成分71質量%)60.3質量部、ターシャリブチルヒドロキシトルエン0.1質量部、メトキシハイドロキノン0.02質量部、オクチル酸亜鉛0.02質量部を加え、75℃に昇温し、2−ヒドロキシエチルアクリレート35.7質量部を1時間にわたって攪拌下で滴下した。滴下後、75℃で3時間反応させた後、第二工程として、グリセリン4.0質量部を添加し、さらに75℃で反応させ、イソシアネート基を示す2250cm
−1の赤外吸収スペクトルが消失するまで反応を行い、ウレタンアクリレート樹脂を得た。これをウレタンアクリレート樹脂(A7)とする。
原料組成、芳香族ポリイソシアネート(a)が含有するイソシアネート基のモル数(a’)に対する水酸基含有モノ(メタ)アクリレート(b)が含有する水酸基のモル数(b’)の割合[(b’)/(a’)]、及び得られたウレタンアクリレート樹脂(A7)のアクリロイル基濃度と重量平均分子量を表1に示した。
【0060】
製造例8
撹拌機、ガス導入管、コンデンサー、及び温度計を備えた四つ口フラスコに、第一工程として、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社製「ミリオネートMR−400」2核体成分29質量%、3核体以上の成分71質量%)57.4質量部、ターシャリブチルヒドロキシトルエン0.1質量部、メトキシハイドロキノン0.02質量部、オクチル酸亜鉛0.02質量部を加え、75℃に昇温し、2−ヒドロキシエチルアクリレート40.9質量部を1時間にわたって攪拌下で滴下した。滴下後、75℃で3時間反応させた後、第二工程として、ネオペンチルグリコール4.0質量部を添加し、さらに75℃で反応させ、イソシアネート基を示す2250cm
−1の赤外吸収スペクトルが消失するまで反応を行い、ウレタンアクリレート樹脂を得た。これをウレタンアクリレート樹脂(A8)とする。
原料組成、芳香族ポリイソシアネート(a)が含有するイソシアネート基のモル数(a’)に対する水酸基含有モノ(メタ)アクリレート(b)が含有する水酸基のモル数(b’)の割合[(b’)/(a’)]、及び得られたウレタンアクリレート樹脂(A8)のアクリロイル基濃度と重量平均分子量を表1に示した。
【0061】
製造例9
撹拌機、ガス導入管、コンデンサー、及び温度計を備えた四つ口フラスコに、第一工程として、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社製「ミリオネートMR−400」2核体成分29質量%、3核体以上の成分71質量%)61.6質量部、ターシャリブチルヒドロキシトルエン0.1質量部、メトキシハイドロキノン0.02質量部、オクチル酸亜鉛0.02質量部を加え、75℃に昇温し、2−ヒドロキシエチルアクリレート28.2質量部を1時間にわたって攪拌下で滴下した。滴下後、75℃で3時間反応させた後、第二工程として、ネオペンチルグリコール10.2質量部を添加し、さらに75℃で反応させ、イソシアネート基を示す2250cm
−1の赤外吸収スペクトルが消失するまで反応を行い、ウレタンアクリレート樹脂を得た。これをウレタンアクリレート樹脂(A9)とする。
原料組成、芳香族ポリイソシアネート(a)が含有するイソシアネート基のモル数(a’)に対する水酸基含有モノ(メタ)アクリレート(b)が含有する水酸基のモル数(b’)の割合[(b’)/(a’)]、及び得られたウレタンアクリレート樹脂(A9)のアクリロイル基濃度と重量平均分子量を表1に示した。
【0062】
【表1】
【0063】
製造例10
撹拌機、ガス導入管、コンデンサー、及び温度計を備えた四つ口フラスコに、第一工程として、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社製「ミリオネートMR−400」2核体成分29質量%、3核体以上の成分71質量%)55.8質量部、ターシャリブチルヒドロキシトルエン0.1質量部、メトキシハイドロキノン0.02質量部、オクチル酸亜鉛0.02質量部を加え、75℃に昇温し、2−ヒドロキシエチルアクリレート33.4質量部を1時間にわたって攪拌下で滴下した。滴下後、75℃で3時間反応させた後、第二工程として、トリプロピレングリコール10.8質量部を添加し、さらに75℃で反応させ、イソシアネート基を示す2250cm
−1の赤外吸収スペクトルが消失するまで反応を行い、ウレタンアクリレート樹脂を得た。これをウレタンアクリレート樹脂(A10)とする。
原料組成、芳香族ポリイソシアネート(a)が含有するイソシアネート基のモル数(a’)に対する水酸基含有モノ(メタ)アクリレート(b)が含有する水酸基のモル数(b’)の割合[(b’)/(a’)]、及び得られたウレタンアクリレート樹脂(A10)のアクリロイル基濃度と重量平均分子量を表2に示した。
【0064】
製造例11
撹拌機、ガス導入管、コンデンサー、及び温度計を備えた四つ口フラスコに、第一工程として、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社製「ミリオネートMR−400」2核体成分29質量%、3核体以上の成分71質量%)56.4質量部、ターシャリブチルヒドロキシトルエン0.1質量部、メトキシハイドロキノン0.02質量部、オクチル酸亜鉛0.02質量部を加え、75℃に昇温し、2−ヒドロキシエチルアクリレート27.0質量部を1時間にわたって攪拌下で滴下した。滴下後、75℃で3時間反応させた後、第二工程として、トリプロピレングリコール16.6質量部を添加し、さらに75℃で反応させ、イソシアネート基を示す2250cm
−1の赤外吸収スペクトルが消失するまで反応を行い、ウレタンアクリレート樹脂を得た。これをウレタンアクリレート樹脂(A11)とする。
原料組成、芳香族ポリイソシアネート(a)が含有するイソシアネート基のモル数(a’)に対する水酸基含有モノ(メタ)アクリレート(b)が含有する水酸基のモル数(b’)の割合[(b’)/(a’)]、及び得られたウレタンアクリレート樹脂(A11)のアクリロイル基濃度と重量平均分子量を表1に示した。
【0065】
製造例12
撹拌機、ガス導入管、コンデンサー、及び温度計を備えた四つ口フラスコに、第一工程として、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社製「ミリオネートMR−400」2核体成分29質量%、3核体以上の成分71質量%)58.3質量部、ターシャリブチルヒドロキシトルエン0.1質量部、メトキシハイドロキノン0.02質量部、オクチル酸亜鉛0.02質量部を加え、75℃に昇温し、2−ヒドロキシエチルアクリレート34.8質量部を1時間にわたって攪拌下で滴下した。滴下後、75℃で3時間反応させた後、第二工程として、1,6−ヘキサンジオール6.9質量部を添加し、さらに75℃で反応させ、イソシアネート基を示す2250cm
−1の赤外吸収スペクトルが消失するまで反応を行い、ウレタンアクリレート樹脂を得た。これをウレタンアクリレート樹脂(A12)とする。
原料組成、芳香族ポリイソシアネート(a)が含有するイソシアネート基のモル数(a’)に対する水酸基含有モノ(メタ)アクリレート(b)が含有する水酸基のモル数(b’)の割合[(b’)/(a’)]、及び得られたウレタンアクリレート樹脂(A12)のアクリロイル基濃度と重量平均分子量を表2に示した。
【0066】
製造例13
撹拌機、ガス導入管、コンデンサー、及び温度計を備えた四つ口フラスコに、第一工程として、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社製「ミリオネートMR−400」2核体成分29質量%、3核体以上の成分71質量%)63.0質量部、ターシャリブチルヒドロキシトルエン0.1質量部、メトキシハイドロキノン0.02質量部、オクチル酸亜鉛0.02質量部を加え、75℃に昇温し、2−ヒドロキシエチルアクリレート24.7質量部を1時間にわたって攪拌下で滴下した。滴下後、75℃で3時間反応させた後、第二工程として、ネオペンチルグリコール12.3質量部を添加し、さらに75℃で反応させ、イソシアネート基を示す2250cm
−1の赤外吸収スペクトルが消失するまで反応を行い、ウレタンアクリレート樹脂を得た。これをウレタンアクリレート樹脂(A13)とする。原料組成、芳香族ポリイソシアネート(a)が含有するイソシアネート基のモル数(a’)に対する水酸基含有モノ(メタ)アクリレート(b)が含有する水酸基のモル数(b’)の割合[(b’)/(a’)]、及び得られたウレタンアクリレート樹脂(A13)のアクリロイル基濃度と重量平均分子量を表2に示した。
【0067】
製造例14
撹拌機、ガス導入管、コンデンサー、及び温度計を備えた四つ口フラスコに、第一工程として、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社製「ミリオネートMR−400」2核体成分29質量%、3核体以上の成分71質量%)63.6質量部、ターシャリブチルヒドロキシトルエン0.1質量部、メトキシハイドロキノン0.02質量部、オクチル酸亜鉛0.02質量部を加え、75℃に昇温し、2−ヒドロキシエチルアクリレート23.0質量部を1時間にわたって攪拌下で滴下した。滴下後、75℃で3時間反応させた後、第二工程として、ネオペンチルグリコール13.4質量部を添加し、さらに75℃で反応させ、イソシアネート基を示す2250cm
−1の赤外吸収スペクトルが消失するまで反応を行い、ウレタンアクリレート樹脂を得た。これをウレタンアクリレート樹脂(A14)とする。
原料組成、芳香族ポリイソシアネート(a)が含有するイソシアネート基のモル数(a’)に対する水酸基含有モノ(メタ)アクリレート(b)が含有する水酸基のモル数(b’)の割合[(b’)/(a’)]、及び得られたウレタンアクリレート樹脂(A14)のアクリロイル基濃度と重量平均分子量を表2に示した。
【0068】
製造例15
撹拌機、ガス導入管、コンデンサー、及び温度計を備えた四つ口フラスコに、第一工程として、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社製「ミリオネートMR−200」2核体成分35.2質量%、3核体以上の成分64.8質量%)57.1質量部、ターシャリブチルヒドロキシトルエン0.1質量部、メトキシハイドロキノン0.02質量部、オクチル酸亜鉛0.02質量部を加え、75℃に昇温し、2−ヒドロキシエチルアクリレート39.1質量部を1時間にわたって攪拌下で滴下した。滴下後、75℃で3時間反応させた後、第二工程として、トリメチロールプロパン3.8質量部を添加し、さらに75℃で反応させ、イソシアネート基を示す2250cm
−1の赤外吸収スペクトルが消失するまで反応を行い、ウレタンアクリレート樹脂を得た。これをウレタンアクリレート樹脂(A15)とする。
原料組成、芳香族ポリイソシアネート(a)が含有するイソシアネート基のモル数(a’)に対する水酸基含有モノ(メタ)アクリレート(b)が含有する水酸基のモル数(b’)の割合[(b’)/(a’)]、及び得られたウレタンアクリレート樹脂(A15)のアクリロイル基濃度と重量平均分子量を表2に示した。
【0069】
製造例16
撹拌機、ガス導入管、コンデンサー、及び温度計を備えた四つ口フラスコに、第一工程として、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社製「ミリオネートMR−200」2核体成分35.2質量%、3核体以上の成分64.8質量%)58.8質量部、ターシャリブチルヒドロキシトルエン0.1質量部、メトキシハイドロキノン0.02質量部、オクチル酸亜鉛0.02質量部を加え、75℃に昇温し、2−ヒドロキシエチルアクリレート37.8質量部を1時間にわたって攪拌下で滴下した。滴下後、75℃で3時間反応させた後、第二工程として、グリセリン3.3質量部を添加し、さらに75℃で反応させ、イソシアネート基を示す2250cm
−1の赤外吸収スペクトルが消失するまで反応を行い、ウレタンアクリレート樹脂を得た。これをウレタンアクリレート樹脂(A16)とする。原料組成、芳香族ポリイソシアネート(a)が含有するイソシアネート基のモル数(a’)に対する水酸基含有モノ(メタ)アクリレート(b)が含有する水酸基のモル数(b’)の割合[(b’)/(a’)]、及び得られたウレタンアクリレート樹脂(A16)のアクリロイル基濃度と重量平均分子量を表2に示した。
【0070】
製造例17
撹拌機、ガス導入管、コンデンサー、及び温度計を備えた四つ口フラスコに、第一工程として、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社製「ミリオネートMR−200」2核体成分35.2質量%、3核体以上の成分64.8質量%)59.8質量部、ターシャリブチルヒドロキシトルエン0.1質量部、メトキシハイドロキノン0.02質量部、オクチル酸亜鉛0.02質量部を加え、75℃に昇温し、2−ヒドロキシエチルアクリレート36.2質量部を1時間にわたって攪拌下で滴下した。滴下後、75℃で3時間反応させた後、第二工程として、グリセリン4.0質量部を添加し、さらに75℃で反応させ、イソシアネート基を示す2250cm
−1の赤外吸収スペクトルが消失するまで反応を行い、ウレタンアクリレート樹脂を得た。これをウレタンアクリレート樹脂(A17)とする。原料組成、芳香族ポリイソシアネート(a)が含有するイソシアネート基のモル数(a’)に対する水酸基含有モノ(メタ)アクリレート(b)が含有する水酸基のモル数(b’)の割合[(b’)/(a’)]、及び得られたウレタンアクリレート樹脂(A17)のアクリロイル基濃度と重量平均分子量を表2に示した。
【0071】
【表2】
【0072】
比較製造例1
撹拌機、ガス導入管、コンデンサー、及び温度計を備えた四つ口フラスコに、第一工程として、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社製「ミリオネートMR−400」2核体成分29質量%、3核体以上の成分71質量%)54.6質量部、ターシャリブチルヒドロキシトルエン0.1質量部、メトキシハイドロキノン0.02質量部、オクチル酸亜鉛0.02質量部を加え、75℃に昇温し、2−ヒドロキシエチルアクリレート45.4質量部を1時間にわたって攪拌下で滴下した。滴下後、75℃で反応させ、イソシアネート基を示す2250cm
−1の赤外吸収スペクトルが消失するまで反応を行い、ウレタンアクリレート樹脂を得た。これをウレタンアクリレート樹脂(B1)とする。なお、ウレタンアクリレート樹脂(B1)中の残存2−ヒドロキシエチルアクリレート量は5350ppmであった。
原料組成、芳香族ポリイソシアネート(a)が含有するイソシアネート基のモル数(a’)に対する水酸基含有モノ(メタ)アクリレート(b)が含有する水酸基のモル数(b’)の割合[(b’)/(a’)]、及び得られたウレタンアクリレート樹脂(B1)のアクリロイル基濃度と重量平均分子量を表3に示した。
【0073】
比較製造例2
撹拌機、ガス導入管、コンデンサー、及び温度計を備えた四つ口フラスコに、第一工程として、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社製「ミリオネートMR−400」2核体成分29質量%、3核体以上の成分71質量%)71.2質量部、ターシャリブチルヒドロキシトルエン0.1質量部、メトキシハイドロキノン0.02質量部、オクチル酸亜鉛0.02質量部を加え、75℃に昇温し、2−ヒドロキシエチルアクリレート17.8質量部を1時間にわたって攪拌下で滴下した。滴下後、75℃で3時間反応させた後、第二工程として、グリセリン11.0質量部を添加し、さらに75℃で反応させたところゲル化した。
【0074】
比較製造例3
撹拌機、ガス導入管、コンデンサー、及び温度計を備えた四つ口フラスコに、ヘキサメチレンジイソシアネート系イソシアヌレート型ポリイソシアネート(住友バイエルウレタン株式会社製「スミジュールN3300」)69.7質量部、ターシャリブチルヒドロキシトルエン0.1質量部、メトキシハイドロキノン0.02質量部、オクチル酸亜鉛0.02質量部を加え、75℃に昇温し、2−ヒドロキシエチルアクリレート23.0質量部を1時間にわたって攪拌下で滴下した。滴下後、75℃で3時間反応させた後、第二工程として、トリメチロールプロパン7.3質量部を添加し、さらに75℃で反応させ、イソシアネート基を示す2250cm
−1の赤外吸収スペクトルが消失するまで反応を行い、ウレタンアクリレート樹脂を得た。これをウレタンアクリレート樹脂(B2)とする。
原料組成、ポリイソシアネート中のイソシアネート基のモル数(a’)に対する水酸基含有モノ(メタ)アクリレート(b)中の水酸基のモル数(b’)の割合[(b’)/(a’)]、及び得られたウレタンアクリレート樹脂(B3)のアクリロイル基濃度と重量平均分子量を表3に示した。
【0075】
比較製造例4
撹拌機、ガス導入管、コンデンサー、及び温度計を備えた四つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート(エボニック デグサ ジャパン製「VESTNAT IPDI」)58.0質量部、ターシャリブチルヒドロキシトルエン0.1質量部、メトキシハイドロキノン0.02質量部、オクチル酸亜鉛0.02質量部を加え、75℃に昇温し、2−ヒドロキシエチルアクリレート30.3質量部を1時間にわたって攪拌下で滴下した。滴下後、75℃で3時間反応させた後、第二工程として、トリメチロールプロパン11.7質量部を添加し、さらに75℃で反応させ、イソシアネート基を示す2250cm
−1の赤外吸収スペクトルが消失するまで反応を行い、ウレタンアクリレート樹脂を得た。これをウレタンアクリレート樹脂(B4)とする。
原料組成、イソホロンジイソシアネート中のイソシアネート基のモル数(a’)に対する水酸基含有モノ(メタ)アクリレート(b)中の水酸基のモル数(b’)の割合[(b’)/(a’)]、及び得られたウレタンアクリレート樹脂(B4)のアクリロイル基濃度と重量平均分子量を表3に示した。
【0076】
比較製造例5
撹拌機、ガス導入管、コンデンサー、及び温度計を備えた四つ口フラスコに、第一工程として、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社製「ミリオネートMR−400」2核体成分29質量%、3核体以上の成分71質量%)70.7質量部、ターシャリブチルヒドロキシトルエン0.1質量部、メトキシハイドロキノン0.02質量部、オクチル酸亜鉛0.02質量部を加え、75℃に昇温し、2−ヒドロキシエチルアクリレート9.9質量部を1時間にわたって攪拌下で滴下した。滴下後、75℃で3時間反応させた後、第二工程として、トリメチロールプロパン19.9質量部を添加し、さらに75℃で反応させ、イソシアネート基を示す2250cm
−1の赤外吸収スペクトルが消失するまで反応を行ったところゲル化した。
【0077】
比較製造例6
撹拌機、ガス導入管、コンデンサー、及び温度計を備えた四つ口フラスコに、トリレンジイソシアネート16.3質量部、ターシャリブチルヒドロキシトルエン0.1質量部、メトキシハイドロキノン0.02質量部、オクチル酸亜鉛0.02質量部を加え、75℃に昇温し、2−ヒドロキシエチルアクリレート3.7質量部を1時間にわたって攪拌下で滴下した。滴下後、75℃で3時間反応させた後、第二工程として、ポリプロピレングリコール(三井化学製「アクトコールD−3000」数平均分子量3000)80.0質量部を添加し、さらに75℃で反応させ、イソシアネート基を示す2250cm
−1の赤外吸収スペクトルが消失するまで反応を行い、ウレタンアクリレート樹脂を得た。これをウレタンアクリレート樹脂(B6)とする。
原料組成、芳香族ポリイソシアネート(a)が含有するイソシアネート基のモル数(a’)に対する水酸基含有モノ(メタ)アクリレート(b)が含有する水酸基のモル数(b’)の割合[(b’)/(a’)]、及び得られたウレタンアクリレート樹脂(B6)のアクリロイル基濃度と重量平均分子量を表3に示した。
【0078】
【表3】
ここで前記表1、表2、及び表3中の略号は以下の通りである。
MR400:ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社製「ミリオネートMR−400」
MR200:ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社製「ミリオネートMR−200」)
MR100:ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社製「ミリオネートMR−100」)
N3300:ヘキサメチレンジイソシアネート系イソシアヌレート型ポリイソシアネート(住友バイエルウレタン株式会社製「スミジュールN3300」)
HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート
TMP:トリメチロールプロパン
GLY:グリセリン
TPG:トリプロピレングリコール
1,6−HG:1,6−ヘキサンジオール
PPG:ポリプロピレングリコール(三井化学製「アクトコールD−3000」数平均分子量3000)
PTMG:ポリテトラメチレングリコール(保土ヶ谷化学工業製「PTG1000SN」数平均分子量 1000)
【0079】
実施例1〜14、及び比較例5〜8
上記の各製造例及び比較製造例で得られたウレタンアクリレート樹脂A1〜A17、B1、B3、B4、B6、B7、及びB8を用いて表4〜表8の組成で配合し、ミキサー(単軸ディゾルバー)を用いて撹拌、その後3本ロールミルを用いて練肉することで活性エネルギー線硬化性インキを得た(なお、表4〜表8中の配合量は質量部基準である)。
得られたインキを用いて以下の各種評価を行った。
【0080】
[インキ流動性]
インキ流動性はスプレッドメーター法(平行板粘度計)によりJIS K5101,5701に則った方法で測定を実施し、水平に置いた2枚の平行板の間に挟まれたインキが、荷重板の自重(115グラム)によって、同心円状に広がる特性を経時的に観察し、60秒後のインキの広がり直径をダイアメーター値(DM[mm])とした。インキ印刷適性が良好となるDM30mm以上を合格と定めた。
【0081】
[ミスチング評価]
インコメーター式ミスチング試験機にインキ1.5mlを載せて、機械温度32℃、400rpmで3分間回転させた。回転に伴いインキが飛び回転体に沿って並べた紙(の重量増加変化でミスチングの優劣を比較した。ミスチングが悪い場合はインキの飛ぶ量が増加し紙の重量が増える。
(評価基準)
紙の重量増が
1:0.150g以上
2:0.125g以上 且つ 0.150g未満
3:0.075g以上 且つ 0.100g未満
4:0.050g以上 且つ 0.075g未満
5:0.050g未満
【0082】
[UVランプ光源による硬化方法]
インキ塗布後の展色物に紫外線(UV)照射を行い、インキ皮膜を硬化させた。水冷メタルハライドランプ(出力100W/cm1灯)およびベルトコンベアを搭載したUV照射装置(アイグラフィックス社製、コールドミラー付属)を使用し、展色物をコンベア上に載せ、ランプ直下(照射距離11cm)を以下に述べる所定条件で通過させた。各条件における紫外線照射量は紫外線積算光量系(ウシオ電機社製UNIMETER UIT−150−A/受光機UVD−C365)を用いて測定した。
【0083】
[活性エネルギー線硬化性インキの評価方法:硬化性]
硬化性は、照射直後に爪スクラッチ法にて展色物表面の傷付きの有無を確認した。前記UV照射装置のコンベア速度(m/分)を変化させながら展色物に紫外線を照射し、硬化後に爪で強く擦っても傷付きが無い最速のコンベア速度(m/分)を記載した。従ってコンベア速度の数値が大きいほどインキの硬化性が良好であるといえる。
【0084】
[活性エネルギー線硬化性インキのオフセット印刷適性の評価]
上記各実施例及び比較例で製造された活性エネルギー線硬化性インキについて、紫外線照射装置としてアイグラフィックス社製水冷メタルハライドランプ(出力160W/cm、3灯使用)を搭載したマンローランド社製オフセット印刷機(ローランドR700印刷機、幅40インチ機)を用いて、毎時9000枚の印刷速度にてオフセット印刷を実施した。
印刷用紙には王子製紙社製OKトップコートプラス(57.5kg、A判)を使用した。版面に供給される湿し水は、水道水98質量部とエッチ液(DIC社製「FST−700」)2質量部を混合した水溶液を用いた。
【0085】
オフセットインキ印刷適性の評価方法としては、まず印刷機の水供給ダイヤルを40(標準水量)にセットし、印刷物濃度が標準プロセス藍濃度1.6(X−Rite社製「SpectroEye」濃度計で計測)となるようインキ供給キーを操作し、濃度が安定した時点でインキ供給キーを固定した。
その後インキ供給キーを固定したままの条件で、水供給ダイヤルを40から55に変更し水供給量を増やした条件で300枚印刷し、300枚後の印刷物の藍濃度を測定した。水供給量を増やした状態においても印刷物の濃度低下が少ないほど、乳化適性に優れ、印刷適性に優れたインキと評価できる。下記の基準に従って活性エネルギー線硬化性インキの印刷適性を評価した。
◎:印刷物の藍濃度が1.5以上である
○:印刷物の藍濃度が1.4以上〜1.5未満である
×:印刷物の藍濃度が1.4未満である
【0086】
【表4】
【0087】
【表5】
【0088】
【表6】
【0089】
【表7】
【0090】
【表8】
表4〜表8の略号は以下の通りである。
EO3TMPTA:エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(MIWON社製「MIRAMER M3130」粘度:50−70mPa・s(25℃)、1分子あたりのエチレンオキサイド平均付加数:3)
BisAEO4DA:ビスフェノールAエチレンオキサイド変性ジアクリレート(MIWON社製「MIRAMER M240」900−1300mPa・s(25℃))
DPHA:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(MIWON社製「MIRAMER M600」、4000−7000mPa・s(25℃))
DTMPTA:ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(MIWON社製「MIRAMER M410」)
TMPTA:トリメチロールプロパントリアクリレート(MIWON社製「MIRAMER M300」)
FASTOGEN BLUE TGR−1:フタロシアニンブルー(DIC(株)製「FASTOGEN BLUE TGR−1」)
Irgacure907:α-アミノアルキルフェノン(BASF社製「Irgacure907」)
EAB−SS:4,4’−ビスジメチルアミノベンゾフェノン(大同化成社製「EAB−SS」)
Q1301:N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミシアルミニウム塩(和光純薬工業(株)製「Q−1301」)
ハイフィラー#5000PJ:含水ケイ酸マグネシウム(松村産業社製体質顔料「ハイフィラー#5000PJ」)
S−381−N1:ポリオレフィンワックス(シャムロック社製ワックス「S−381−N1」)