【実施例】
【0053】
以下に、実施例等を用いて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例等になんら限定されるものでない。
【0054】
[実施例1]コンブ抽出物含有組成物およびすし酢の調製方法
(1)コンブ抽出物の調製
コンブ(道南産 真昆布乾燥品)60gを95℃の熱水1300mLに60分間浸漬して、コンブ抽出物660mLを得た。
このコンブ抽出物の有機酸濃度、食塩濃度、マンニトール濃度を以下の方法で分析した結果、有機酸濃度0.06%(W/V)、食塩濃度0.9%(W/V)、マンニトール濃度1.5%(W/V)であった。
なお、有機酸、食塩、およびマンニトールの分析は、以下の装置及び条件を用いて行った。
【0055】
a.有機酸濃度
高速液体クロマトグラフィー(島津製作所社製、機種LC−10ADVP)
測定条件:移動相(1)4mMp−トルエンスルホン酸水溶液、流速0.9mL/min
移動相(2)4mMp−トルエンスルホン酸、80μMEDTAを含む16mMBis−Tris水溶液、流速0.9mL/min
カラム:Shodex KC810P+KC−811×2(昭和電工社製)
カラム温度:50℃
検出:電気伝導度検出器
【0056】
b.食塩濃度
塩分計(Electronics社製、機種SAT−210)
【0057】
c.マンニトール濃度
高速液体クロマトグラフィー(島津製作所社製、機種LC−10Ai)
測定条件:移動相0.1N NaOH、流速1.0mL/min
カラム:PCI−510(TOAディーケーケー社製)、
検出:電気化学検出器ICA−5212(TOAディーケーケー社製)
【0058】
(2)コンブ抽出物含有組成物の調製
前記(1)で調製したコンブ抽出物400mLに、食酢(酢酸酸度15%(V/V))335mL、食塩150g、および水110mLを添加し、撹拌して食塩を溶解し、均一な溶液を得た。得られた溶液を濾紙濾過(東洋濾紙株式会社製No.2使用)して、濾過液を得た(試験区1のコンブ抽出物含有組成物)。
前記濾過液(試験区1のコンブ抽出物含有組成物)の一部を取り、90℃60分間加熱して、コンブ抽出物含有組成物を得た(試験区2のコンブ抽出物含有組成物)。
一方、前記(1)と同じ方法で調製したコンブ抽出物400mLに、食酢(酢酸酸度15%(V/V))335mL、食塩150g、および水110mLを添加し、撹拌して食塩を溶解し、均一な溶液を得た。得られた溶液を90℃で60分間加熱処理して加熱処理物を得て、この加熱処理物を濾紙濾過(東洋濾紙株式会社製No.2使用)に供して、濾過液を得た(試験区3のコンブ抽出物含有組成物)。
【0059】
前記で得られた各コンブ抽出物含有組成物(試験区1〜3)の酢酸濃度は5質量%、食塩濃度は15質量%、マンニトール濃度は0.55質量%、pHは2.55であった。
【0060】
また、前記(1)と同じ方法で調製したコンブ抽出物に、試験区1と同様に食酢、食塩および水を加えて撹拌し、均一な溶液を調製した(試験区4のコンブ抽出物含有組成物(比較例))。
さらに、前記溶液(試験区4のコンブ抽出物含有組成物)を、試験区2と同じ加熱条件で加熱してコンブ抽出物含有組成物を調製した(試験区5のコンブ抽出物含有組成物(比較例))。
【0061】
前記(1)と同じ方法で調製したコンブ抽出物に、試験区1と同様に濾過工程を行ってコンブ抽出物含有組成物を調製した(試験区6のコンブ抽出物含有組成物(比較例))。
前記(1)と同じ方法で調製したコンブ抽出物に、試験区2と同じ加熱条件で加熱してコンブ抽出物含有組成物を調製した(試験区7のコンブ抽出物含有組成物(比較例))。
【0062】
対照区として、前記(1)と同じ方法で調製したコンブ抽出物400mLに、水600mLを添加し、撹拌混合した液を、濾過工程または加熱工程に供さないで、そのまま用いた(対照区のコンブ抽出物含有組成物)。
【0063】
前記で得られた各コンブ抽出物含有組成物(以下、「組成物」と略すこともある。)の透過率(T%)は、分光光度計(株式会社日立製作所製、機種 U−2000)を用いて測定した(測定波長660nm、1cmセル)。測定結果は下記の表1に示す。
【0064】
(3)コンブ抽出物含有組成物の評価
前記各コンブ抽出物含有組成物の評価は、各組成物を用いて作製したすし酢を用いて行った。
すし酢は、市販食酢(株式会社ミツカン製、「穀物酢」、酢酸酸度4.2%)65mL、砂糖23g、食塩12gの割合で混合して混合液を作製し、次いでこの混合液95gに対して、前記の各コンブ抽出物含有組成物5gを添加して調製した。
試験区1〜5および対照区の各すし酢のマンニトール濃度は、いずれも0.0275質量%であった。
【0065】
各すし酢の評価は、長期保存した場合の官能評価および沈澱(オリ)の発生によって行った。
官能評価は、各すし酢を30℃で30日間保存した後、熟練した官能検査員5名により、以下のような5段階で「コンブ風味」を評価することにより行った。
評価スコア 1:対照区より、非常に悪い
2:対照区より、悪い
3:対照区と同じ
4:対照区より、良い
5:対照区より、非常によい
【0066】
また、すし酢の沈澱(オリ)の発生は、各すし酢を5℃で保存し、経時的に観察して、沈澱(オリ)が発生するまでの日数と発生した沈殿(オリ)の量を比較し、以下の5段階で評価した。
評価 ++:保存開始後2週間未満で多量の沈澱(オリ)発生。
+ :保存開始後2週間〜1ヶ月未満で多量の沈澱(オリ)発生。
± :保存開始後2週間〜1ヶ月未満で少量の沈澱(オリ)発生。
(±):保存開始後2週間〜1ヶ月未満で微量の沈澱(オリ)発生。
− :保存開始後1ヶ月継続後も沈澱(オリ)は発生しなかった。
結果を表1に示す。
【0067】
【表1】
【0068】
(4)結果と考察
表1から分かるように、添加混合工程のみを経て製造された組成物(試験区4)は、組成物段階での透過率(T%)が対照区に比べて顕著に向上したが、すし酢に配合された場合には、コンブ風味の維持効果が若干向上するものの、沈澱(オリ)が発生し、外観的に対照区と同様であった。
一方、添加混合工程とその後の濾過工程という2つの工程を経て製造された組成物(試験区1)は、組成物段階での透過率(T%)が試験区4とほとんど同じ値であったにもかかわらず、すし酢に配合された場合には、コンブ風味や外観の維持に顕著な効果を示した。
また、添加混合工程に加熱工程を組み合わせた方法で製造された組成物(試験区5)は、組成物段階での透過率(T%)を対照区に比べて向上させたが、添加混合工程単独の試験区4と同様に、すし酢に配合された場合には効果がなかった。
【0069】
一方、添加混合工程と濾過工程からなる製造方法に、加熱工程を加えた製造方法で製造された組成物(試験区2,3)は、さらに高い効果を示した。
また、加熱工程は、濾過工程の前工程あるいは後工程のいずれにおいても高い効果を示したが、濾過工程の前工程とした場合(試験区3)の方が、コンブ風味の維持効果が高かった。
【0070】
なお、濾過工程単独で製造された組成物(試験区6)は、組成物段階での透過率(T%)は対照区に比べて顕著に向上したが、すし酢に配合された場合には、コンブ風味の維持効果が若干向上するものの、沈澱(オリ)発生については、対照区と同様の低い評価であった。
また加熱工程単独で製造された組成物(試験区7)は、組成物段階での透過率(T%)は対照区に比べて大きくは向上せず、すし酢に配合しても、コンブ風味維持や沈澱(オリ)発生抑制に効果がなかった。
【0071】
[試験例1]酢酸濃度および食塩濃度の影響
前記実施例1における試験区2のコンブ抽出物含有組成物の製造方法において、添加混合工程における酢酸および食塩の添加量を、組成物中の最終濃度が表2−1〜4に記載の各濃度となるように設定し、有機酸および食塩の濃度による影響を検討した。
尚、酢酸濃度1〜5%の組成物の調製においては、食酢(酢酸酸度15%(V/V))を使用し、酢酸濃度7〜20%の組成物の調製においては、食品添加物用酢酸(酢酸純度99%)を使用した。
【0072】
各組成物について、前記実施例1と同様に透過率(T%)およびpHを測定した。
また、各組成物の評価は、前記実施例1と同様に、すし酢を調製して、長期保存後の「コンブ風味」の官能評価および沈澱(オリ)発生の調査を行った。
なお、官能評価は、無添加区(酢酸濃度 0質量%、食塩濃度 0質量%)を対照区として行った。
結果を表2−1〜4に示す。
【0073】
【表2-1】
【0074】
【表2-2】
【0075】
【表2-3】
*;苦味が感じられた。
【0076】
【表2-4】
【0077】
表2−1〜4から分かるように、食塩濃度を5質量%以上、酢酸濃度を3〜15質量%とした場合に、すし酢とした時のコンブ風味および沈澱(オリ)発生の点で良好であった。
酢酸濃度が20質量%の場合でもコンブ風味の安定性は高かったが、苦味が感じられるようになり、また組成物の酸濃度が高くなると相対的にコンブ風味が弱くなり、酸味が強く感じられるようになるので各種食品に配合することが困難になることを考慮すると、3〜15質量%が良好であった。
【0078】
酢酸濃度が3質量%の場合、食塩濃度は15質量%以上とした方が、すし酢とした時のコンブ風味および沈澱(オリ)発生の点で、より良好であった。
また、酢酸濃度が5質量%および7質量%の場合には、食塩濃度は10質量%以上とした方が、すし酢とした時のコンブ風味および沈澱(オリ)発生の点で、より良好な結果であった。
【0079】
一方、食塩濃度は、すし酢とした時のコンブ風味および沈澱(オリ)発生の点では5〜23質量%における評価が高かったが、23質量%の場合には、組成物の保存中に食塩の結晶が容易に析出してくるため使いにくいことを考慮すると、5〜20質量%が良好であった。
【0080】
また、食塩濃度が5質量%の場合、酢酸濃度は10質量%以上とした方が、すし酢とした時のコンブ風味および沈澱(オリ)発生の点で、より良好であった。
食塩濃度が10質量%の場合には、酢酸濃度は5質量%以上とした方が、すし酢とした時のコンブ風味および沈澱(オリ)発生の点で、より良好であった。
【0081】
前記の良好な範囲の組成物の透過率(T%)は、92.6〜96.6%であった。
また、前記の良好な範囲の組成物のpHは、1.98〜2.73であった。
【0082】
[試験例2]加熱工程における加熱温度および加熱時間の影響
前記実施例1における試験区2のコンブ抽出物含有組成物の製造方法において、加熱工程における加熱温度および加熱時間を表3−1〜3および表4−1〜3に記載の各値に設定し、加熱条件の影響を検討した。
各組成物について、前記実施例1と同様に透過率(T%)およびpHを測定した。
また、各組成物の評価は、前記実施例1と同様に、すし酢を調製して、長期保存後の「コンブ風味」の官能評価および沈澱(オリ)発生の調査を行った。
なお、官能評価は、非加熱区(加熱時間0分)を対照区として行った。
結果を表3−1〜3、および表4−1〜3に示す。
【0083】
【表3-1】
【0084】
【表3-2】
【0085】
【表3-3】
【0086】
【表4-1】
【0087】
【表4-2】
【0088】
【表4-3】
【0089】
表3−1〜表3−4は、70℃〜100℃の間の加熱温度での加熱時間の影響を調べた結果を示すものである。
すし酢とした場合にコンブ風味維持および沈澱(オリ)が発生しない点で良好な加熱時間は、80℃、90℃、および100℃の各温度において、それぞれ60〜90分、45〜75分、15〜60分であった。また、この時の組成物の透過率(T%)は、いずれもほぼ94%前後であった。
しかしながら、70℃では、90分加熱しても、沈澱(オリ)の発生は抑制できなかった。
なお、80℃〜100℃の各温度にて、前記範囲よりも加熱時間を長くすると、組成物自体が褐変しはじめ、すし酢とした場合におけるコンブ風味は低下した。
【0090】
表4−1〜表4−3は、110℃〜140℃の間の加熱温度での加熱時間の影響を調べた結果を示すものである。
すし酢とした場合にコンブ風味維持および沈澱(オリ)が発生しない点で良好な加熱時間は、110℃、120℃、130℃各温度において、それぞれ60〜300秒、5〜300秒、5〜60秒であった。また、この時の組成物の透過率(T%)は、いずれも94%前後であった。
なお、前記各温度にて、前記範囲よりも加熱時間を長くすると、組成物自体が褐変しはじめ、すし酢とした場合におけるコンブ風味は低下した。
【0091】
[試験例3]添加混合工程で用いる有機酸の種類の検討
前記実施例1における試験区3のコンブ抽出物含有組成物の製造方法において、添加混合工程で添加する酢酸の代わりに、有機酸としてクエン酸、リンゴ酸、または乳酸を、組成物あたり5質量%添加したこと以外は、実施例1と同様にコンブ抽出物含有組成物を製造した。
各組成物について、前記実施例1と同様に透過率(T%)およびpHを測定した。
また、各組成物の評価は、前記実施例1と同様に、すし酢を調製して、長期保存後の「コンブ風味」の官能評価および沈澱(オリ)発生の調査を行った。
なお、官能評価は、無添加区を対照区として行った。
結果を表5−1〜4に示す。
【0092】
【表5-1】
【0093】
【表5-2】
【0094】
【表5-3】
【0095】
【表5-4】
【0096】
表5−1〜4から分かるように、クエン酸、リンゴ酸、および乳酸を用いた場合でも、いずれも酢酸と同様に、すし酢とした場合のコンブ風味の維持や沈澱(オリ)発生の抑制といった効果が得られたが、コンブ風味の維持の点で特に酢酸が良好な結果を示した。
【0097】
[実施例2]コンブ抽出物含有組成物が配合されたすし酢及びそれを用いた酢飯
調味酢の一つとして、前記実施例1に記載の試験区3のコンブ抽出物含有組成物を用いて、前記実施例1と同様な方法ですし酢を作製した(本発明のすし酢)。
対照区として、試験区3のコンブ抽出物含有組成物を、前記実施例1に記載の対照区のコンブ抽出物含有組成物にかえて、酸度及び食塩の最終濃度が本発明のすし酢と同一になるように調整したすし酢を作製した(対照区のすし酢)。
【0098】
作製した各すし酢は、実施例1と同様に、長期保存後の「コンブ風味」および外観について、5段階で官能評価を行った。
さらに、30℃で30日間保存した各すし酢90mLを、炊飯米1000gに対して加え、酢飯を調製した。この酢飯についても、上記と同様に「コンブ風味」に関して官能評価を行った。
【0099】
その結果、本発明のすし酢におけるコンブ風味は、対照区の評点を3点とした場合の評点が5点となり、対照区と比較して立ちの良いコンブの香りが感じられ、顕著に風味がよかった。
また、外観については、対照区ではやや濁りが見られたのに対し、本発明のすし酢は透明感があり、沈澱(オリ)は発生しなかった。
本発明のすし酢を用いて作製した酢飯におけるコンブ風味は、対照区の評点を3点とした場合の評点が4.4点となり、対照区と比較してコンブの香り立ちが感じられた。
【0100】
[実施例3]コンブ抽出物含有組成物が配合されたぽん酢醤油
調味酢の一つとして、ぽん酢醤油について検討した。
濃口醤油60mL、市販食酢(株式会社ミツカン製、「穀物酢」、酢酸酸度4.2%)30mL、およびユズ果汁30mLの混合液に、前記実施例1に記載の試験区3のコンブ抽出物含有組成物6mLを添加して、ぽん酢醤油を作製した(本発明のぽん酢醤油)。
対照区として、試験区3のコンブ抽出物含有組成物を、前記実施例1に記載の対照区のコンブ抽出物含有組成物にかえて、酸度及び食塩の最終濃度が本発明のぽん酢醤油と同一になるように調整したぽん酢醤油を作製した(対照区のぽん酢醤油)。
【0101】
このぽん酢醤油を30℃で30日間保存後、実施例1と同様に「コンブ風味」について官能評価を行った。
その結果、本発明のぽん酢醤油は、対照区の評点を3点とした場合の評点が3.8点であり、コンブ風味だけでなく、ユズ風味の立ちが良かった。
なお、ぽん酢醤油はユズ果汁由来の濁りがあるため、外観において、対照区との間で顕著な違いは見られなかった。
【0102】
[実施例4]コンブ抽出物含有組成物が配合された漬物調味液及びそれを用いた漬物
市販食酢(株式会社ミツカン製、「穀物酢」、酢酸酸度4.2%)50mLと清酒50mLの混合液に、砂糖250gおよび食塩50gを添加してよく混合し、砂糖および食塩を溶解させた後に、前記実施例1に記載の試験区3のコンブ抽出物含有組成物20mLを添加して、漬物調味液を作製した(本発明の漬物調味液)。
対照区として、試験区3のコンブ抽出物含有組成物を、前記実施例1に記載の対照区のコンブ抽出物含有組成物にかえて、酸度及び食塩の最終濃度が本発明の漬物調味液と同一になるように調整した漬物調味液を作製した(対照区の漬物調味液)。
【0103】
この漬物調味液を30℃で30日間保存すると、対照区では濁りが見られたのに対し、本発明の漬物調味液は透明感があり、沈殿(オリ)は発生しなかった。
また、30℃で30日間保存した各調味液に、大根、きゅうり、にんじんを合計量で1Kg漬け込んで、一晩冷蔵して漬物を製造し、実施例1と同様に「コンブ風味」についての官能評価に供した。
その結果、本発明の漬物は、対照区の評点を3点とした場合の評点が4.0点であり、コンブ風味の立ちがよく、さっぱりと感じられた。
【0104】
[実施例5]コンブ抽出物含有組成物が配合されたドレッシング及びそれを用いたサラダ
市販食酢(株式会社ミツカン製、「穀物酢」、酢酸酸度4.2%)25mL、サラダ油25mL、醤油40mLをよく混合し、これに七味唐辛子0.1gおよび前記実施例1に記載の試験区3のコンブ抽出物含有組成物4mLを添加して、ドレッシングを作製した(本発明のドレッシング)。
対照区として、試験区3のコンブ抽出物含有組成物を、前記実施例1に記載の対照区のコンブ抽出物含有組成物にかえて、酸度及び食塩の最終濃度が本発明のドレッシングと同一になるように調整したドレッシングを作製した(対照区のドレッシング)。
【0105】
作製したドレッシングを30℃で30日間保管した後、実施例1と同様に「コンブ風味」についての官能評価に供した。
官能評価は、細切りにしたレタスおよびキャベツからなるサラダ100gに、長期保管したドレッシング15mLを混合したものについて行った。
その結果、本発明のドレッシングを添加したサラダは、対照区の評点を3点とした場合の評点が4.0点であり、コンブ風味の立ちがよく、コンブ風味が十分に感じられ、また野菜臭さがマスキングされていた。
なお、本実施例で作製したドレッシングは醤油の色が濃いため、外観において、対照区との間で顕著な差は見られなかった。