(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記混合ガスを得る工程において、前記粒子を含むガスと前記他のガスとの混合比が、前記粒子を含むガスの体積/前記他のガスの体積で表される体積比で0.001〜999である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の方法では、欠陥の検出精度が十分では無かった。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、欠陥の検出精度をより向上できる、ハニカムフィルタの欠陥を検査する方法、ハニカムフィルタの欠陥の検査装置、及び、ハニカムフィルタの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るハニカムフィルタの欠陥の検査方法の一態様は、
粒子を生成する工程と、
前記粒子を含むガスを、配管を介して混合器に移送する工程と、
前記混合器内で前記粒子を含むガスと他のガスとを混合して混合ガスを得る工程と、
前記混合器内の混合ガスをハニカムフィルタの一端面に供給する工程と、
前記ハニカムフィルタの他端面から排出されるガス中の粒子の濃度分布を検出する工程と、を備える。
【0008】
本発明に係るハニカムフィルタの欠陥の検査装置の一態様は、
粒子を生成する粒子生成器と、
前記粒子を含むガスを移送する配管と、
前記配管に接続され、前記粒子を含むガス及び他のガスを混合して混合ガスを提供する混合器と、
前記混合器内の混合ガスをハニカムフィルタの一端面に供給する供給路と、
前記ハニカムフィルタの他端面から排出されるガス中の粒子の濃度分布を検出する検出部と、を備える。
【0009】
本発明によれば、粒子を含むガスを、配管を介して混合器に供給し、その後混合器内において他のガスと混合するので、混合器内で粒子を発生させる場合に比べて、混合を十分に行ないやすく、ハニカムフィルタに供給されるガス中の粒子の濃度をより均一化できる。
【0010】
ここで、水とドライアイスとの混合により前記粒子を生成することが好ましく、2流体ノズル(気体と液体の2つの流体をノズル内部又は外部で混合して液体微粒子を噴霧するノズル)により前記粒子を生成することも好ましい。
【0011】
また、前記排出されるガスに対して光を照射し、前記排出されるガス中の粒子からの散乱光をカメラで検出することにより前記排出されるガス中の粒子の濃度分布を検出することも好ましい。さらに、前記カメラの視野内にスケールが配置されていることも好ましい。この場合、カメラの画像中のスケールに基づいて、ハニカムフィルタの何処に欠陥があるかを容易に把握できる。
【0012】
また、前記ハニカムフィルタの隔壁は多孔質であることが好ましい。
【0013】
本発明にかかるハニカムフィルタの製造方法の一態様は、上記本発明の欠陥の検査方法によりハニカムフィルタの欠陥を検査し、欠陥を有さないハニカムフィルタを選別する工程を含む。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ハニカムフィルタに到達するガスにおける粒子の濃度をより均一に出来るので、欠陥の検出精度を高められる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図面を参照して、発明の実施形態について説明する。まず、本実施形態で検査対象となるハニカムフィルタ100について説明する。このハニカムフィルタ100は、例えば、ディーゼルパティキュレートフィルタとして用いることのできるものである。
【0017】
本実施形態において対象となるハニカムフィルタ100は、
図1の(a)及び(b)に示すように、互いに平行に伸びる複数の流路110を形成する隔壁112、及び、複数の流路110の内の一部の一端(
図1の(b)の左端)、及び、複数の流路110の内の残部の他端(
図1の(b)の右端)を閉鎖する封口部114を有する円柱体である。
【0018】
ハニカムフィルタ100の流路110が延びる方向の長さは特に限定されないが、例えば、40〜350mmとすることができる。また、ハニカムフィルタ100の外径も特に限定されないが、例えば、100〜320mmとすることできる。流路110の断面のサイズは、例えば、正方形の場合一辺0.8〜2.5mmとすることができる。隔壁112の厚みは、0.05〜0.5mmとすることができる。
【0019】
ハニカムフィルタ100の隔壁112の材質は、多孔性セラミクス(焼成体)である。セラミクスは特に限定されないが、例えば、アルミナ、シリカ、ムライト、コーディエライト、ガラス、チタン酸アルミニウム等の酸化物、シリコンカーバイド、窒化珪素、金属等が挙げられる。なお、チタン酸アルミニウムは、さらに、マグネシウム及び/又はケイ素を含むことができる。
【0020】
上述のように、ハニカムフィルタ100の複数の流路110のうちの一部の左端が封口部114により封口され、ハニカムフィルタ100の複数の流路110のうちの残部の右端が封口部114により封口されている。封口部114の材質としては、ハニカムフィルタ100と同様のセラミクス材料を用いることができる。上述の「複数の流路110のうちの一部」と「複数の流路110のうちの残部」とは、好ましくは、
図1の(a)に示すように、端面側から見て行列状に配列された複数の流路の内の、縦方向及び横方向それぞれ1つおきに選択された流路の組合せである。
【0021】
ハニカムフィルタ100は、多孔質の隔壁112を有することにより、
図1の(b)において、流路110の左端から供給されたガスは、隔壁112を通過して隣の流路110に到達し、流路110の右端から排出される。このとき、流入したガス中の粒子が、隔壁112によって除去されてフィルタとして機能する。
【0022】
このようなハニカムフィルタ100は例えば以下のようにして製造することができる。
【0023】
まず、無機化合物源粉末と、有機バインダと、溶媒と、必要に応じて添加される添加物を用意する。そして、これらを混練機等により混合して原料混合物を得、得られた原料混合物を隔壁の形状に対応する出口開口を有する押出機から押し出し、所望の長さに切断後、公知の方法で乾燥することにより、グリーンハニカム成形体を得る。そして、グリーンハニカム成形体の流路の端部を公知の方法によって封口材で封口してから焼成する、または、グリーンハニカム成形体を焼成してから公知の方法によって流路の端部を封口すればよい。
【0024】
ここで、グリーンハニカム成形体が、例えば、チタン酸アルミニウムのグリーンハニカム成形体である場合、無機化合物源粉末は、αアルミナ粉等のアルミニウム源粉末、及び、アナターゼ型やルチル型のチタニア粉末等のチタニウム源粉末を含み、必要に応じて、さらに、マグネシア粉末やマグネシアスピネル粉末等のマグネシウム源粉末及び/又は、酸化ケイ素粉末やガラスフリット等のケイ素源粉末を含むことができる。
【0025】
有機バインダとしては、メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、ヒドロキシアルキルメチルセルロース、ナトリウムカルボキシルメチルセルロースなどのセルロース類;ポリビニルアルコールなどのアルコール類;リグニンスルホン酸塩を例示できる。有機バインダの量は、無機化合物源粉末の100重量部に対して、20重量部以下であることが好ましく、より好ましくは15重量部以下、さらに好ましくは6重量部である。また、有機バインダの下限量は、0.1重量部であることが好ましく、より好ましくは3重量部である。
【0026】
添加物としては、例えば、造孔剤、潤滑剤および可塑剤、分散剤、溶媒が挙げられる。
【0027】
造孔剤としては、グラファイト等の炭素材;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメタクリル酸メチル等の樹脂類;でんぷん、ナッツ殻、クルミ殻、コーンなどの植物材料;氷;およびドライアイス等などが挙げられる。造孔剤の添加量は、無機化合物源粉末の100重量部に対して、0〜40重量部であることが好ましく、より好ましくは0〜25重量部である。
【0028】
潤滑剤および可塑剤としては、グリセリンなどのアルコール類;カプリル酸、ラウリン酸、パルミチン酸、アラキジン酸、オレイン酸、ステアリン酸などの高級脂肪酸;ステアリン酸Alなどのステアリン酸金属塩;ポリオキシアルキレンアルキルエーテルなどが挙げられる。潤滑剤及び可塑剤の添加量は、無機化合物源粉末の100重量部に対して、0〜10重量部であることが好ましく、より好ましくは0.1〜5重量部である。
【0029】
分散剤としては、たとえば、硝酸、塩酸、硫酸などの無機酸;シュウ酸、クエン酸、酢酸、リンゴ酸、乳酸などの有機酸;メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類;ポリカルボン酸アンモニウムなどの界面活性剤などが挙げられる。分散剤の添加量は、無機化合物源粉末の100重量部に対して、0〜20重量部であることが好ましく、より好ましくは2〜8重量部である。
【0030】
溶媒としては、たとえば、メタノール、エタノール、ブタノール、プロパノールなどのアルコール類;プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコールなどのグリコール類;および水などを用いることができる。溶媒の使用量は、無機化合物源粉末の100重量部に対して、10重量部〜100重量部であることが好ましく、より好ましくは20重量部〜80重量部である。また、グリーンハニカム成形体全体の重量に対する溶媒の重量は特に限定されないが、10〜30重量%が好ましく、15〜20重量%がより好ましい。
【0031】
続いて、
図2及び
図3を参照して、ハニカムフィルタ100の検査装置の一実施形態について説明する。
【0032】
この検査装置400は、ミスト(粒子)Pを含むガスを生成する2流体ノズル(粒子生成器)20と、2流体ノズル20により生成されたミストを含むガスを移送する配管30、配管30に接続されてミストを含むガス及び他のガスを混合して混合ガスを提供する混合器40、混合器40から供給される混合ガスをハニカムフィルタ100の複数の流路110の一端(
図2の下端)に導くミスト供給路56と、粒子濃度検出部200と、を備える。ここで、ミストとは、気体中に分散した液体の微粒子を意味し、2流体ノズル20により、気体と液体の2つの流体をノズル内部又は外部で混合することで生成される。
【0033】
2流体ノズル20は、タンク10から供給される液体を、ポンプ12を介して受け入れると共に、ガス源14から供給されるガス、例えば、空気をバルブV1及びラインL2を介して受け入れ、ミストを含むガスを生成する。2流体ノズルの形態は特に限定されない。また、ミストの径は特に限定されないが、例えば、0.1〜10μm程度とすることができる。
【0034】
液体としては、検査後の除去の容易さを考えると、揮発性の液体が好ましく、特に、水が好ましい。
【0035】
配管30は、2流体ノズル20によって生成されたミストを含むガスを混合器40に供給する。配管30の径は特に限定されないが、20〜100mmとすることができる。また、配管30の長さは特に限定されないが、2流体ノズル20によって生成されたミストが移動する距離が10〜1000mmであることが好ましい。
【0036】
混合器40は、配管30から供給されるミスト及びガス源24から供給される他のガスを十分混合するためのものである。混合器40の形状は特に限定されないが、例えば、容器内に、他のガスを高い速度(例えば、1〜10m/s)で流入させる形式のものや、容器内に攪拌翼を有するもの、スタティックミキサーのように容器内に設けた内装物により流れの乱れを起こすものなど種々のものが利用できる。
【0037】
混合器40には、ガス源24から、他のガス(例えば、空気)を、バルブV2を介して供給する。混合後の混合ガス中のミスト濃度は、0.0001〜0.01g/Lが好ましい。なお、混合器40にて混合する前のミストを含むガス中のミスト濃度は、好ましくは0.0001〜50g/Lであり、より好ましくは0.0001〜5g/Lである。混合後の混合ガス中のミスト濃度と、混合前のミストを含むガス中のミスト濃度との比(混合後の混合ガス中のミスト濃度/混合前のミストを含むガス中のミスト濃度)は、好ましくは0.001〜0.999であり、より好ましくは0.002〜0.99である。また、混合前のミストを含むガスと、他のガスとの混合比(供給量の比)は、体積比(ミストを含むガスの体積/他のガスの体積)で、好ましくは0.001〜999であり、より好ましくは0.002〜499である。
【0038】
ミスト供給路56は、混合器40に接続された配管54、配管54の先端に接続されたフィルタ接続部53を有している。フィルタ接続部53は、ハニカムフィルタ100の軸方向(複数の流路110の軸方向)の一端部(
図2では下端部)を外側から包囲してシールする筒状シール部51と、複数の流路110の下端110bと対向する部分に逆円錐状の空間Vを形成する空間形成部52とを有する。ハニカムフィルタ100に対して供給する混合ガスの流量は特に限定されないが、例えば、100〜500L/minとすることができる。
【0039】
ガス供給源14,24のガスは特に限定されないが、経済性の点で、空気が好ましい。ガス供給源14,24のガスは互いに同一でもよいが異なっていてもよい。
【0040】
また、ガス供給源14,24のガスの温度は0〜50℃であることが好ましく、0〜30℃であることがより好ましい。
【0041】
図2に示す粒子濃度検出部200は、レーザーシートLSを発生させるレーザ光源210、レーザーシートLSを撮影するカメラ220、カメラ220が取得した画像を解析するコンピュータ230、カメラ220が取得する視野内に入る位置に設けられるスケール260A,260Bを備える。
【0042】
本実施形態では、レーザーシートLSは、
図2に示すように、ハニカムフィルタ100の複数の流路110が伸びるZ方向に垂直な方向であるXY平面に平行に照射され、カメラ220は、レーザーシートLSに対して垂直な方向(Z方向)から、レーザーシートLSの内の、ハニカムフィルタ110の上端面110tとの対向部を撮影する。
【0043】
カメラ220が撮影する画像の視野FVを
図3に示す。視野FV内には、スケール260A、260Bが配置されている。スケール260A,260Bは、それぞれ、Y方向、X方向に延びており、それぞれ、ハニカムフィルタ100の複数の流路110の中心軸に対応する位置にマーク261を有する。
【0044】
図2に戻って、コンピュータ230は、カメラ220が撮影した画像を画像解析し、粒子が排出されている部分を検出する。例えば、画像から所定のしきい値に比べて明るい部分を抽出し、この部分を粒子が排出された場所とすればよい。コンピュータは、必要に応じて、この部分の座標を取得し、出力する。
【0045】
続いて、上述の検査装置400を使用したハニカムフィルタ100の検査方法について説明する。
【0046】
ここでは、一例として、
図2に示すように、ハニカムフィルタ100の隔壁112には、欠陥として、上端が封口された流路110xと、下端が封口された流路110yとを連通させる孔hがあるものとする。ここで、
図3に示すように、流路110xは、スケール260Bにおいて一番左側のマーク261の位置にあり、かつ、スケール260Aにおいて下から3番目のマーク261の位置にある。一方、流路110yは、スケール260Bにおいて左から2番目のマーク261の位置にあり、スケール260Aにおいて下から3番目のマーク261の位置にあるものとする。
【0047】
図2に戻って、まず、フィルタ接続部53をハニカムフィルタ100の下部に装着する。そして、バルブV1を開放すると共に、ポンプP12を駆動して、2流体ノズル20から、ミストを含むガスを発生させる(粒子を生成する工程)。発生したミストを含むガスは、配管30を介して混合器40に供給される(移送工程)。続いて、バルブV2を調節して、ガス源24からのガスを、ラインL3を介して混合器40に供給する。これにより、混合器40内で、配管30からのミストを含むガスと、ラインL3からのガスとが混合し、ミストの濃度の均一性の高い混合ガスが得られる(混合工程)。そして、この混合ガスは、ミスト供給路56を介してハニカムフィルタ100に供給される(供給工程)。これにより、ハニカムフィルタ100の複数の流路110の上端110tからガスが流出する。このとき、ハニカムフィルタ100の複数の流路110の上端110tの近傍においては、雰囲気ガスの流れが殆ど無い状態、例えば、流速1m/s以下としておくことが好ましい。また、実験の容易さから、雰囲気ガスの温度は0〜30℃であることが好ましい。雰囲気ガスは空気であることが好ましい。
【0048】
そして、流路110間に
図2に示すような孔hが存在する場合、流路110x、孔h、及び、流路110yによって複数の流路110の上端110tと下端110bとを結ぶ流路が形成されるため、矢印Gに示すように、当該欠陥がある流路110yの上端から、ミストを含む混合ガスが他の流路110に比べて高い流量や流速で集中的に流出する。封口部114が欠落している場合や、封口部114と流路110との間に隙間が生じている等の欠陥がある場合も同様にミストを含む混合ガスが集中的に流出する。したがって、このような流路110yの上方では、他の部分と比べて、ミストの濃度が相対的に高くなる。
【0049】
そして、ハニカムフィルタ100の上端から流出するガスにミストの濃度の不均一がある場合、この濃度の高い部分がレーザーシートLSを通過する際にレーザ光を強く散乱し、カメラ220が撮影する画像において相対的に明るい部分となって現れる。この明るい部分の有無により、粒子の濃度のムラを検出できる(粒子濃度分布検出工程)。
【0050】
そして、
図3に示すように、画像の視野FVにおいて、例えば、スケール260Aの下から3番目のマーク261の上でかつ、スケール260Bの左から2番目のマーク261の上に明るい点が生じた場合には、座標(3、2)というデータを得ることができ、これにより欠陥場所の特定が容易である。
【0051】
なお、流路110間を連通する等の欠陥が無い場合には、
図2の矢印Hに示すように、混合ガスは多孔体である隔壁112をそれぞれ通過して上端出口から流出する。この際、混合ガス中のミストは、ミストの径や隔壁112の空孔のサイズ等に応じて、全部捕集されたり、一部が捕集されたり、まったく捕集されない場合があるが、いずれにしても、各流路110の上端から流出するガスの流速や流量は互いにほぼ均一であり、したがって、流路110の上端110の上でミストの濃度の不均一は起こりにくい。
【0052】
本発明によれば、流路110から流出するガス中の粒子の濃度分布を検出することにより、流路の欠陥の有無や場所を容易に検出できる。
【0053】
特に、本実施形態では、ミストを含むガスを、配管30を介して混合器40に供給し、その後混合器40内において他のガスと混合するので、混合器40内でミストを発生させる場合に比べて、ガス中でのミストの混合を十分に行ないやすく、ハニカムフィルタ100に供給されるガス中のミストの濃度をより均一化できる。このため、以下に説明するような不具合が減少し、流路の欠陥の有無を高精度に検出できる。例えば、ハニカムフィルタ100に供給されるガス中のミストの濃度が不均一であると、流路に欠陥が無いのにもかかわらず、ハニカムフィルタ100を通過して排出されるガス中に、供給ガス中のミスト濃度ムラに基づくミスト濃度のムラが生じる場合がある。この場合、このムラに基づいて、欠陥があると誤認する可能性がある。また、流路に欠陥があるにもかかわらず、供給ガス中のミスト濃度のムラによって当該欠陥からミストが出にくくなる場合もあり、この場合は、欠陥があるにもかかわらず欠陥が無いと誤認する場合がある。
【0054】
なお、本装置からは、ミストを含むガスが排出されるため、これらのガスを捕集して、外部に排気する排気手段を設けることが好ましい。
【0055】
また、ハニカムフィルタを製造するに際し、その製造過程で、上述した検査方法によりハニカムフィルタの欠陥を検査し、欠陥を有さないハニカムフィルタを選別する工程を行うことにより、欠陥を有さないハニカムフィルタを選択的に得ることができる。
【0056】
本発明は上記実施形態に限定されずさまざまな変形態様が可能である。例えば、上記実施形態では、ミストの生成方法として2流体ノズルを採用しているがこれに限られず、例えば、他のノズルを使用してもよいし、また、水とドライアイスとを混合することによりミストを生成してもよく、グリコール系アルコール(例えば、プロピレングリコール)のミストを使用してもよい。また、例えば、4流体ノズルやネブライザー等を用いてミストを生成してもよい。4流体ノズルとは、2つの液体流路と2つの気体流路とを有するノズルであり、ノズルエッジ先端の衝突焦点で2つの液体流路と2つの気体流路から出た流体を衝突させることで、微粒化した液滴を生成するものである。4流体ノズルを用いることにより数ミクロンの液滴の大量噴霧が可能となる。なお、エッジノズル(4流体ノズル)の種類としては、特に限定されないが、例えば、ストレートエッジノズルやサークルエッジノズルが挙げられる。また、ネブライザーの種類としては、特に限定されないが、圧縮空気でミストを作るジェット式、超音波でミストを発生させる超音波式およびメッシュ式等が挙げられる。また、上記実施形態では、粒子としてミスト、すなわち、液体の粒子を採用しているがこれに限定されず、カーボンブラック等の固体粒子を用いても実施は可能である。
【0057】
また、レーザーシートの方向や、カメラの方向も、上記実施形態の態様に限定されるものではない。
【0058】
また、視野FV内にスケール260A、260Bを配置しなくてもよい。例えば、流路110の数が少ない場合のように、スケール260A、260Bを配置しなくても欠陥場所の特定が容易に可能である場合や、欠陥の有無のみを確認する場合のように、欠陥場所の特定が不要な場合等には、スケール260A、260Bを用いなくてもよい。
【0059】
また、上記実施形態では、粒子の濃度分布の検出方法として、粒子に光をあてることにより生ずる散乱光を検出しているが、これに限られず、例えば、粒子に超音波を当てることにより生ずる反射波等を検出してもよい。
【0060】
また、上記実施形態では、雰囲気ガスが空気であるが、他のガスを雰囲気ガスとしてもよいことは言うまでも無い。
【0061】
また、上記実施形態では、ハニカムフィルタ100の流路110が上下方向に配置されているが、水平方向等、いずれの方向を向いても実施可能である。
【0062】
また、上記実施形態では、流路110の断面形状は、略正方形であるがこれに限定されず、矩形、円形、楕円形、3角形、6角形、8角形等にすることができる。また、流路110には、径の異なるもの、断面形状の異なるものが混在してもよい。また、流路の配置も、
図1では正方形配置であるが、これに限定されず、断面において流路の中心軸が正三角形の頂点に配置される正三角形配置、千鳥配置等にすることができる。さらに、ハニカムフィルタの外形も、円柱に限られず、例えば3角柱、4角柱、6角柱、8角柱等とすることができる。
【0063】
また、上記実施形態では、ハニカムフィルタは、隔壁が多孔質である焼成体であるが、焼成前であり非多孔質のグリーン体でも実施は可能である。この場合、欠陥の無い流路からのガスの流出は無い。
【0064】
また、上記実施形態では、カメラ220により得られた画像に基づいて、コンピュータによって、粒子の有無を判断しているが、人手によって明るい点の有無や位置を判断してもよい。