特許第5940546号(P5940546)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5940546
(24)【登録日】2016年5月27日
(45)【発行日】2016年6月29日
(54)【発明の名称】LEDパッケージマウント
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/48 20100101AFI20160616BHJP
   H01L 33/64 20100101ALI20160616BHJP
【FI】
   H01L33/00 400
   H01L33/00 450
【請求項の数】13
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-532791(P2013-532791)
(86)(22)【出願日】2011年3月2日
(65)【公表番号】特表2013-539244(P2013-539244A)
(43)【公表日】2013年10月17日
(86)【国際出願番号】US2011026796
(87)【国際公開番号】WO2012047305
(87)【国際公開日】20120412
【審査請求日】2013年6月4日
【審判番号】不服2014-26685(P2014-26685/J1)
【審判請求日】2014年12月26日
(31)【優先権主張番号】12/901,034
(32)【優先日】2010年10月8日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592054856
【氏名又は名称】クリー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CREE INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】レイ、ジェイムズ、マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ル、ロング、ラリー
(72)【発明者】
【氏名】ピッカード、ポール、ケネス
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン デ ヴェン、アントニー ポール
(72)【発明者】
【氏名】ウェルボーン、ジェイムズ、クリストファー
【合議体】
【審判長】 河原 英雄
【審判官】 恩田 春香
【審判官】 山口 裕之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−38798(JP,A)
【文献】 特開2002−104049(JP,A)
【文献】 特表2008−524816(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L33/00-33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の面と、前記第1の面との間に空間を画定する第2の面であって前記第1の面から間隔をあけて配置された第2の面を有する剛性のあるアームとを含むヒートシンクと、
基部を有するLEDパッケージであって、前記基部が、前記アームの第2の面と前記第1の面との間の前記空間に配置され、前記アームの第2の面が前記基部を前記第1の面に突き当てて留める力を前記基部に直接に加えるように前記アームが構成されるLEDパッケージと
を備え、
前記アームは、前端と後端であって、前記基部が当該前端に挿入され当該後端に向かって回転される前端と後端を有し、
前記アームの第2の面が、前記基部が前記空間に挿入されるにつれて前記基部を前記第1の面に押し付けるように増加する力を作用するように、前記前端では前記後端でよりも大きい距離で前記第1の面から離隔され、前記第1の面に対して角度をつけられたカム面を備える、発光ダイオード(LED)パッケージ取付装置。
【請求項2】
それぞれが第2の面を有する複数のアームをさらに含み、前記複数のアームのそれぞれが、前記第1の面の上に配置され、前記複数のアームの第2の面と前記第1の面との間の複数の空間を画定し、前記基部が前記複数の空間内に配置され、前記複数のアームの第2の面が前記基部を前記第1の面に突き当てて留める力を前記基部に直接に加えるように前記複数のアームが構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記複数のアームが前記第1の面のまわりに等しく間隔をあけて配置される、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記複数のアームが向かい合う対として配置される、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記基部が、複数の切欠き部によって互いに間隔をあけて配置された複数の突起を備え、前記複数の切欠き部が前記複数のアームよりも幅が広い、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記アームが、前記基部と機械的に係合する突起を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記アームが片持ち梁のように延びる、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記基部がある厚さを有し、前記アームの第2の面と前記第1の面との間の距離が前記基部の厚さよりも小さい、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記基部が、前記アームの下に延びる肩を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記ヒートシンクが、互いに等しく間隔をあけて配置された4つのアームをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記基部が4つの肩を備え、前記4つの肩のうちの1つが前記4つのアームのそれぞれの下に設置される、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記第1の面に対する前記LEDパッケージの横方向位置を決めるように、前記LEDパッケージと係合するタブをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記基部上の噛合い係合部材と係合する係合部材を前記第1の面上にさらに備える、請求項1に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本国際特許出願は、同時に係属し、本願の権利者が所有する、2010年10月8日出願の非仮出願、米国特許出願第12/901,034号の優先権を主張し、同出願の開示全体が参照によりここに組み込まれる。
【0002】
本発明は、発光ダイオード(LED)に関し、より具体的には、改良されたLEDパッケージ取付装置および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
LED照明構造体は典型的には、光をレンズに通して投射する1つまたは複数のLEDを含むLED回路ボードを備える。LEDボードは、メタル・コア・プリント回路基板(MCPCB)などの放熱基板に取り付けられる。LEDボード、レンズおよび基板は、ヒートシンクに固定されるLEDパッケージを構成し、このヒートシンクは、周囲環境に放熱するためのフィンまたは他の構造物を含むことがある。LEDパッケージからの放熱は、LEDの良好な性能を長期にわたり維持するために必要である。典型的な構成では、LEDパッケージは、複数のネジ、別個の金属クリップ、バネ、リベット、および/または熱伝導性接着剤を使用してヒートシンクに取り付けられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ヒートシンクにLEDパッケージを取り付けるためにネジを使用すると、LEDパッケージのぐらつき、LEDボードにかかるトルクのネジによる不均一、ネジのゆるみ、並びにLEDパッケージ、ネジおよびヒートシンクの間での非効率な熱伝達特性に起因して、LEDからヒートシンクへの熱伝達に悪影響が及ぶ可能性があることが、一部の適用例では分かっている。さらに、取付け機構として別個のネジおよび外部ハードウェアを使用することにより、LED製品の製造時間およびコストが、特に大量生産において増加する。ネジを使用することに関連する問題をなくすために、前もって製造された保持アーム付きのヒートシンクが提供される。LEDパッケージは、保持アームとヒートシンク本体の間にLEDパッケージが捕捉されるようにヒートシンクの中に配置される。保持アームは、ヒートシンクとLEDパッケージとの間の接触を維持するために絶え間ない締付力を長期にわたり提供し、それによってLEDパッケージとヒートシンクの間の良好な熱伝達が確保される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
LEDパッケージ取付装置は、1つの面と、アームと面との間の空間を画定するようにこの面から間隔をあけて配置されたアームとを含むヒートシンクを備える。LEDパッケージは基部を備え、この基部はアームと面との間の空間に配置される。この空間および基部は、アームが、基部を面に突き当てて留める力を基部に加えるように寸法が決められ、構成される。
【0006】
この装置は複数のアームをさらに含むことがあり、これら複数のアームのそれぞれは、複数のアームのそれぞれと面との間の空間が画定されるように、面の上に配置される。複数のアームは、面のまわりに等しく間隔をあけて配置され、また、複数の向かい合う対として配置されることができる。アームは、片持ち梁のように延び得る。アームは、基部を面に押し付けるカム面と、基部と機械的に係合する突起とを備え得る。取付肩は、基部から延びる突起を備え得る。基部は、そのそれぞれが複数のアームのそれぞれよりも幅が広い複数の凹部によって互いに間隔をあけて配置された複数の取付肩を備えることがある。面に対するLEDパッケージの位置を決めるために、タブがLEDパッケージと係合し得る。この面は、面に対して基部を位置決めする、基部上の第2の噛合い係合部材と係合する第1の係合部材を備えることがある。基部は、係合部材を中心にして面に対して回転可能であり得る。
【0007】
ヒートシンク上にLEDパッケージを組み立てる方法は、1つの面と、この面から間隔をあけて配置されたアームとを、アームと面との間の空間を画定するように備えるヒートシンクを供給するステップと、基部を有するLEDパッケージを供給するステップと、面上にLEDパッケージを設置するステップと、基部がアームと面との間の空間に押し込まれるようにLEDパッケージを面に対して移動するステップとを含み得る。この方法は、ヒートシンク上の複数のアーム、および基部上の複数の取付肩を含むことがあり、面上にLEDパッケージを設置するステップは、取付肩をアームと揃えるステップを含む。この方法は、取付肩がアームの下に位置するようにLEDパッケージを回転するステップを含むことがある。LEDパッケージを面に対して回転するステップは、留め具と係合してLEDパッケージの回転を制限するステップをさらに含むことがある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明のヒートシンクの一実施例の斜視図である。
図2図1のヒートシンクの詳細な斜視図である。
図3図1のヒートシンクとともに使用可能なLEDパッケージの一実施例の斜視図である。
図4図3のLEDパッケージの底面図である。
図5】LEDパッケージの別の実施例をその上に取り付けた、本発明のヒートシンクの一実施例の斜視図である。
図6】ヒートシンクに取り付けられたLEDパッケージを示す詳細な斜視図である。
図7】ヒートシンク上の非固定位置にあるLEDパッケージを示す詳細な斜視図である。
図8】ヒートシンク上の固定位置にあるLEDパッケージを示す詳細な斜視断面図である。
図9】照明器具の一実施例におけるヒートシンクおよびLEDパッケージを示す斜視図である。
図10】LEDパッケージをヒートシンク上に取り付ける方法を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1および図2を参照すると、金属、セラミック、または熱伝導性ポリマーなどの熱伝導性材料で作られた本体12を含むヒートシンク10の一実施例が示されている。銅などの他の熱伝導性材料が使用されてもよいが、典型的なヒートシンクはアルミニウムで作ることができる。このヒートシンクは、平板、ダイカスト・フィン付ヒートシンク、または押出し成形フィン付ヒートシンクを含むことができる。LEDパッケージは、ヒートシンクがLEDパッケージから熱を散逸するようにヒートシンク10によって支持されることができる。
【0010】
図3および図4を参照すると、透明なドーム形のレンズ2で覆われた1つまたは複数のLED(図示せず)を支持するLED回路ボードを備えた、例示的なLEDパッケージが全体として1で示されている。LEDボードは、アルミニウム層もしくは銅層、またはMCPCB(メタル・コア・プリント回路基板)などの熱伝導性基板に取り付けることができる。LEDパッケージ1は、LEDの動作中に光を通して放出するレンズ2と、レンズ2を越えて延びる基部4とによって画定される第1の部分を含む。ここで使われる「基部」という語は、LEDパッケージから熱を散逸し、後述のように留めることができて、LED回路ボード、熱伝導性基板、および/または他の層の一部分を含み得る、LEDパッケージ1の任意の部分を意味する。LEDパッケージを電源に接続するために、パッドまたは他の導電体をLEDパッケージ1上に設けることができる。
【0011】
一実施例では、基部4に、基部4の一部を形成し、基部4の周囲に間隔をあけて配置される取付肩30が設けられる。取付肩30は基部4の一部分であり、後述のように、LEDパッケージ1をヒートシンク10上に保持するために、保持アーム24によって留めることができる。図示のように、取付肩30は、基部4の中心部分から延びる突起を含み、この突起は取付肩30の間に凹部32を作り出す。凹部32は、後述のように、LEDパッケージ1がヒートシンクの支持面14上に位置したときに保持アーム24を収容する。図示の実施例では、取付肩30は互いに90度の間隔をあけて配置され、凹部32は取付肩30と交互になっており、やはり互いに90度だけ間隔をあけて配置される。取付肩30の端は仮想円Cに沿って存在し、凹部32が円Cから後退して取付肩30の間に空き領域を作っている。
【0012】
図1図2図5、および図6を参照すると、図示の実施例ではヒートシンク10は面14がLEDパッケージ1の基部4の底面4aと直接接触するようにLEDパッケージ1を受け止め支持する支持面14を備える。図5の実施例のLEDパッケージ1は、基部4に載置された複数のLEDデバイスとともに示されている。基部4は、典型的には、平坦な底面4a(図4)を有するので、支持面14は、支持面14がLEDパッケージ1の底面4aと実質的に面4a全体にわたって面の間の空隙なしで接触するように、平坦面を備え、LEDパッケージ1とヒートシンク10の間の熱伝達を最大化するようになっている。ヒートシンク10は、支持面14から離れて延びるにつれて広がる円錐形側壁16をさらに備える。円錐形側壁16は、周囲環境への熱伝達を容易にするとともに、ヒートシンク10の上の良好な空気の流れを可能にし、またその表面積を増やす複数のフィン19を支持することができる環状フランジ18で終わっている。ヒートシンク10の表面積は、LEDパッケージ1で発生する熱を散逸するのに十分なだけ大きい。例示的なヒートシンクが示され説明されているが、この取付装置および方法は、LEDパッケージとともに使用するのに適した任意のヒートシンクで使用することができる。
【0013】
図2および図6を参照すると、LEDパッケージ1をヒートシンク10上に保持するために、LEDパッケージ1を支持面14に突き当てて留める複数のLEDパッケージ取付部20が設けられている。各取付部20は、ヒートシンク10に固定される本体部22、および保持アーム24を備え、保持アーム24は面14から間隔をあけて配置され、面14の上に延びて、支持面14と保持アーム24の底面24aとの間に空間25を作っている。図示の実施例では、延びる保持アーム24を形成する逃げ溝を生成するダイカスト工程の一部として、アクセス孔14aが保持アーム24の下の面14に形成される。別の製造工程では、アクセス孔14aは省かれることがある。さらに、アクセス孔14が保持アーム24の下に位置する一方で、保持アーム24が基部4に面14に向かって力を加えるとき、基部4が面14と密係合するように押し付けられるよう、基部4はアクセス孔14に架かっている。基部4が空間25に押し込まれたとき、保持アーム24が基部4を面14に突き当てて留めてLEDパッケージ1をヒートシンク10上に保持するのに十分な力を基部4に加えるよう、空間25は、LEDパッケージ1の基部4の厚さtと実質的に同じかまたはそれよりわずかに小さくなるように、寸法が決められる。保持アーム24は、面14の上に延びるように、片持ち梁の状態で本体部22に据え付けられる。LEDパッケージ1の基部4が保持アーム24の下に押しやられると、アーム24はLEDパッケージ1に圧縮締付力をもたらし、基部4の底面4aをヒートシンク10の支持面14と強制的に密係合させる。
【0014】
図6を参照すると、保持アーム24の底面24aは支持面14に対して角度αで形成され、面24aは、基部4を面14に突き当てて留めるように、LEDパッケージの基部4に面14に向かって力を加えるカム部材として機能する。各面24aは、第1の前端部26および第2の後端部28を含み、LEDパッケージ1の基部4は、ヒートシンク10へのLEDパッケージ1の取付け時に、第1の前端部26に挿入され、第2の後端部28に向けて回転させられる。面20は、第1の前端部26が第2の後端部28よりもわずかに大きい距離だけ面14から間隔をあけるように角度が付けられ、基部4が保持アーム24の下の固定位置まで動かされるとき、面24aは、基部4に増加する力をかけて、基部が面14に押し付けられ、LEDパッケージ1がヒートシンク10上の位置に保持される。第1の端部26は、基部が保持アーム24の下に挿入できるよう、基部6の厚さtよりもわずかに大きい距離だけ面14から間隔があけられ、第2の端部28は、保持アーム24が面14に向けて圧縮力を基部に加えて基部4を面14に突き当てて留めるように、基部4の厚さtよりもわずかに小さい距離だけ面14から間隔があけられることができる。
【0015】
面24aにはまた、粗面化したまたは窪みを付けた面など、複数の小さな突起27を設けることもできる。突起27は、保持アーム24と基部の間に機械的な固定(ロック)をもたらすように基部4の上面4bと機械的に係合して、デバイスの組立て後にLEDパッケージ1が固定位置から動かないようにする。
【0016】
本体12に対するLEDパッケージ1の横方向移動を制限するため、止めタブ40もまた本体12に設けられて、基部4が保持アーム24に対して適切に取り付けられることを確かなものにする。止めタブ40は、ヒートシンク10へのLEDパッケージ1の取付け時にLEDパッケージ1をヒートシンク本体12に対して移動するときに、基部4の進路中に突き出ることとなる。LEDパッケージを固定位置まで移動して、LEDパッケージが保持アーム24に対する既知の位置に固定されるようにしたとき、LEDパッケージ1の一部が止めタブ40に係合する。止めタブ40は、図示のように面14から突き出ることがある。止めタブ40はまた、本体部22またはアーム24から突き出ることもある。止めタブ40は、LEDパッケージが支持面14上に適切に位置したときに、取付肩30のうちの1つの横縁部30aと係合する。図示の実施例は、保持アーム24の1つに隣接して位置し、取付肩30のうちの1つの横縁部によって係合する止めタブ40を示すが、止めタブ40は、本体12上のどこか他のところに位置することもでき、また取付肩30以外のLEDパッケージ1上の構造物が係合することもある。さらに、2つ以上の止めタブを使用することもできる。
【0017】
図示の実施例では、4つのLEDパッケージ取付部20が、LEDパッケージ1の基部4全体にわたって均一な力が加わるように、支持面14のまわりに90度の間隔をあけて設けられている。取付部20は、図示のように向かい合う対として配置することができる。より多くの個数の取付部20が使用されることもある。さらに、LEDパッケージ1の基部4の底面4aが、基部4の変形またはぐらつきなしで、また基部4と面14の間の空隙なしでヒートシンク10の支持面14と密接触して保持されるならば、より少ない個数の取付部20が使用されることもある。保持アーム24および本体部22は、ヒートシンク本体12と一体的に組み上げて形成することができ、また保持アーム24、本体部22、およびヒートシンク本体12は、押出し成形法または注入成形法などによって一体で作ることができる。
【0018】
保持アーム24および本体部22は、熱が取付部20を介してLEDパッケージ1からヒートシンク本体12まで熱伝導されるように、ヒートシンク本体12と熱伝導接触している。保持アーム24が基部4の上面4bの上に延び、上面4bと密接触しているので、熱は、基部4の底面4aから支持面14を介してと同様に、基部4の上面4bから保持アーム24および本体部22を介して、直接、散逸される。基部4の上面4bがLEDパッケージの高温側であることが多いので、基部4の上面4bから熱を散逸することにより、LEDパッケージ1からの熱伝達が向上する。保持アーム24および本体22の表面積は、基部4の上面4bからヒートシンク本体12への熱伝達を向上させるように最大化することができる。
【0019】
図7を参照すると、LEDパッケージ1をヒートシンク10に取り付けるために、LEDパッケージ1を、保持アーム24がLEDパッケージ1の凹部32に位置し、取付肩30が取付部20の間であってアーム24に隣接する位置となる、支持面14上の非固定位置に配置することができる。アーム24がLEDパッケージの配置を妨げることなくLEDパッケージ1を面14上に配置できるよう、凹部32はアーム24を収容するようになっている。基部4の凹部32および取付肩30は、保持アーム24を収容するように構成され、凹部32および取付肩30の個数および相対位置が取付部20の個数および相対位置と一致する。取付肩30は、取付部20への熱伝達を最大にする表面積を取付肩30が有するように、寸法を決めることができる。LEDパッケージ1が図7に示されるように面14に配置されると、LEDパッケージ1は面14に押し付けられ、本体12に対して矢印Aの方向に、図6および図8に示される固定位置まで回転させられる。固定位置では、取付肩30は保持アーム24の下に押し込まれ、保持アームは対となる取付肩30と係合して基部4に力を加え、基部を面14に押し付ける。
【0020】
LEDパッケージ1を面14上に適切に位置付けるために、面14には、基部4の底面4aに形成され、中心に位置する噛合い係合要素52(図4)と係合する、中心に位置する係合要素50(図2)が設けられることがある。係合要素50は、基部4の底面4aに形成された、中心に位置する開口52(図4)と係合する突起またはピンを含み得る。ピン50が開口52と係合することにより、LEDパッケージ1は、面14上で保持アーム24に対して適切に位置づけられる。ピン50は、LEDパッケージ1を固定位置まで回転するときの旋回軸としての機能を果たす。空間25の端部を形成する取付部20の垂直壁29は、LEDパッケージ1を固定位置まで回転するときに、取付肩30がアーム24の下で回転できるように、図7に示されるように湾曲している。
【0021】
ネジなしの取付装置により、ネジなどの別個の固定具を使用することがなくなり、製造のコストおよび時間が減り、特に大量生産において有益となる。保持アーム24によりまた、長期にわたり一定した締付力を得ることもできる。LEDパッケージとヒートシンクとの間の締付力が長期にわたり維持されるので、LEDパッケージとヒートシンクとの間の良好な熱伝達もまた維持される。保持アーム24および止めタブ40もまた、ヒートシンク10に対するあらゆる方向への動きから、LEDパッケージ1を確実に保持する。保持アーム24はまた、より大型のLEDパッケージ、およびMCPCB上に取り付けられる複数のLEDパッケージに対し容易に拡大縮小が可能である。また、保持アーム24により、LEDパッケージをヒートシンクに取り付けるのにネジを使用する場合に起こり得る、LEDパッケージのぐらつき、LEDパッケージにかかるトルクのネジによる不均一、およびネジのゆるみがなくなる。
【0022】
図10を参照すると、ヒートシンク内にLEDパッケージを組み立てるために、支持面と、この支持面から間隔をあけて配置された少なくとも1つの保持アームとを備えるヒートシンクが提供される(ブロック1001)。基部を備えるLEDパッケージもまた提供される(ブロック1002)。基部は取付肩を備えることがある。LEDパッケージは支持面上に、基部が面に接触して位置するように設置される(ブロック1003)。取付肩は、保持アームに隣接して設置することができる。LEDパッケージは支持面に押し付けられ、基部/取付肩が保持アームの下に押し込まれるように動かされる(ブロック1004)。LEDパッケージは、好ましくは取付肩が保持アームの下に位置するように回転することができる。ヒートシンク内にLEDパッケージを組み立てるために、シングルアクション時計回りトルク付自動押込プランジャ(an automated force plunger with a single actin clock-wise torque)が使用されることがある。プランジャを収容し、LEDパッケージ1の全体にわたって均一な締付力を与えるために、間隔をあけた複数の凹部52が基部4の上面4bに設けられることがある。組込み時にプランジャは、凹部52と係合して、基部4を支持面14に押し付け、回転力をLEDパッケージ1に加える。保持アームは、基部に圧縮力を作用してLEDパッケージの基部を支持面に突き当てて留めるように構成され、および寸法を決められる(ブロック1005)。支持面に対するLEDパッケージ1の回転は、LEDパッケージと係合して、LEDパッケージを保持アームに対する固定位置に固定する止め具によって制限される(ブロック1006)。
【0023】
図9を参照すると、組み立てられたヒートシンクとLEDパッケージは、電力をLEDパッケージに供給するための電気コネクタ60などの導電体と電気的に連絡して、完全な照明ユニットを生成することができる。図示の実施例では、コネクタ60はネジ式コネクタである。コネクタ60はソケットにねじ込むことができ、または別の方法で電力源と接続することができる。他のタイプのコネクタもまた使用することができる。市販の照明ユニットを作るために、ヒートシンク10、LEDパッケージ1、およびコネクタ60がさらに筐体内にひとまとめにされ、かつ/またはカバーが設けられることがある。照明ユニットには様々な応用例で様々な用途があり、筐体、コネクタ、カバー、ヒートシンク、およびLEDパッケージは、そのような応用例での用途向けに特別に設計することができる。
【0024】
本発明の諸実施例が本明細書で開示されているが、特許請求の範囲に示された本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な変更および修正を加えることができる。当業者には、本発明には他の環境における他の応用例があることが理解されよう。多くの実施例が可能である。次に続く特許請求の範囲は、本発明の範囲を、上述の特定の実施例に限定するものでは決してない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10