特許第5941708号(P5941708)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5941708
(24)【登録日】2016年5月27日
(45)【発行日】2016年6月29日
(54)【発明の名称】半導体後工程組立装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/02 20060101AFI20160616BHJP
   H01L 21/50 20060101ALI20160616BHJP
【FI】
   H05K13/02 E
   H01L21/50 C
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-51549(P2012-51549)
(22)【出願日】2012年3月8日
(65)【公開番号】特開2013-187374(P2013-187374A)
(43)【公開日】2013年9月19日
【審査請求日】2015年3月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】515085901
【氏名又は名称】ファスフォードテクノロジ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】高木 進
(72)【発明者】
【氏名】深澤 春彦
【審査官】 工藤 一光
(56)【参考文献】
【文献】 実開平3−127633(JP,U)
【文献】 特開平5−114797(JP,A)
【文献】 特開平9−153698(JP,A)
【文献】 特開2007−266332(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K13/02
H01L21/50
B65G47/82
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送用レール上に載置された被実装部材をマガジンに収納するための搬出手段と装置を制御する制御部とを有する半導体後工程組立装置において、
前記搬出手段は、前記被実装部材を押し出すための押し駒、前記押し駒を前記搬送用レールに沿って押し出すためのスライド部、前記スライド部を駆動する駆動機構、及び前記押し駒にその両面が前記搬送用レールと直角に取り付けられ、前記実装部材を押すピエゾフィルム、前記ピエゾフィルムに設けられた電極から出力される信号を増幅する増幅器、及び前記増幅器が出力する信号と基準の検出レベル値を比較し、前記増幅器が出力する信号のレベルが前記検出レベル値以上の場合にジャム検出信号を制御部に出力するコンパレータを備え、
前記制御部は、前記ジャム検出信号を受信した場合には、前記搬出手段を停止することを特徴とする半導体後工程組立装置。
【請求項2】
請求項1記載の半導体後工程組立装置において、前記搬出手段は、さらに、切替部及び信号生成部を備え、前記制御部は、前記ジャム検出信号を受信した場合には、前記搬出手段を停止すると共に、前記切替部に第1の切替信号を出力して、前記ピエゾフィルムと前記増幅器との接続を、前記ピエゾフィルムと前記信号生成部の接続に切替え、前記信号生成部が生成した交流電圧信号に基づいて前記ピエゾフィルムを所定時間振動させて前記被実装部材を振動させることによってジャムを解消することを特徴とする半導体後工程組立装置。
【請求項3】
請求項2記載の半導体後工程組立装置において、前記制御部は、前記所定時間前記ピエゾフィルムを振動させた後、また、前記切替部に第1の切替信号を出力して、かつ前記駆動部を駆動することを特徴とする半導体後工程組立装置。
【請求項4】
請求項3記載の半導体後工程組立装置において、前記制御部は、前記ジャム検出信号を受信した場合には、前記ピエゾフィルムの振動と、前記増幅器が出力する信号のレベルが前記検出レベル値以上かどうかの確認とを交互に所定回数実行することを特徴とする半導体後工程組立装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダイボンダ等の半導体後工程組立装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ダイボンダ等の半導体後工程組立装置においては、上流のフレーム搬送装置(フレーム搬入装置)は、フレームマガジンから1若しくは複数の被実装エリアが形成されたフレームを1枚ずつ取り出し、作業エリアに搬入する。半導体後工程組立装置は、作業エリアに搬入されたフレーム上の被実装エリアに対して、ダイボンディング、ワイヤボンディング、バンプボンディング等の部品実装を行う。そして、半導体後工程組立装置の下流のフレーム搬送装置(フレーム搬出装置)は、部品実装が終わったフレームを作業エリアからフレームマガジンに収納する。なお、被実装部材は、上述のフレームに限らず、例えば、セラミックや樹脂等から成る基板であっても良い。以下、フレームや基板等の被実装部材を基板と称する。
【0003】
ダイボンダ等の半導体後工程組立装置の実装作業においては、加熱を必要とする工程があり、例えば、複数のダイ(ICチップ)を複数個積層してダイボンディングする製品も多い。加熱工程を経た基板は、薄ければ薄いほど、反りが発生易い。このため、このような基板は、搬出時にマガジンに収納しようとしても、反った部分がつかえしまい、搬出できない場合がある。なお、このように、何らかの理由で、搬送路に基板がつかえて搬送できなくなる現象をジャムと言う。
基板を、搬出する時には、押し駒で押し出すことが多い。しかし、ジャムが発生して基板がつかえたまま、さらに押し駒で押し出し続けると、基板が破損し、製品の歩留まりが悪くなる。
【0004】
そのため、図1及び図2に示すようなジャム検出ユニットが考えられた。図1図2によって、搬送用レール2上にあるダイボンドされた基板1を、マガジン3に収納する動作について説明する。図1は、従来のジャム検出ユニットの動作原理の一例を説明するための図で、ダイボンダの搬出部の一部を上から見た図である。また図2は、図1のジャム検出ユニットの細部を示す図である。1は基板、2は搬送用レール、3は基板を収納するマガジン、4は押し駒、5はスライド部、7はスライド部5の左端部、8は押し駒部4のスライド部、9はスライド部5の中間部、10はバネ、11はスライド部5の右端部、6は左端部7の右側に設けたリミットスイッチ、12はスライド部8とバネ10とを中間部9を支持具として機械的に連結する連結具、13はバネ10と右端11を連結するバネポスト、14は基板1が搬出される方向を示す矢印、15は基板1を搬出する時の押し駒4を含むジャム検出ユニットの移動方向を示す矢印、21はバネポスト13に設けたスプリングピン、22はアジャストダイアル、23−1、23−2、23−3はアジャストダイアルのスリットである。また、押し駒4、スライド部5、リミットスイッチ6、バネ10、連結具12、バネポスト13、スプリングピン21、及び、アジャストダイアル22は、搬送用レール2上にある基板1をマガジン3に押し出すためのプッシャーを構成している。
【0005】
図1に示すように、スライド部5は、図示しない駆動機構によって、基板1を押し出す高さに下降して、矢印15の方向(X(+)方向)に移動する。このスライド部5の移動によって、バネポスト13、バネ10、及び連結具12を介して、押し駒4にX(+)方向に力が伝達される。この力によって、押し駒4に接触している基板1は、搬送用レール2に沿って矢印14の方向(X(+)方向)に移動して、マガジン3に収納される。スライド部5及び押し駒4は、基板1をマガジン3に収納すると、再び、次の実装された基板1を押し出す位置に戻る。
【0006】
このスライド部5及び押し駒4の移動によって、基板1は、搬送用レール2に沿ってマガジン3の方向に押し出されるが、ジャムが発生すると、基板1はそれ以上、下流方向には移動しない。しかし、スライド部5及び押し駒4は、下流方向に移動を続け、ついには基板1が破損する。
【0007】
しかし、ジャムが発生しても、図1及び図2のように、所定以上の荷重がスライド部5に加えられると、バネ10が伸びて押し駒4は、矢印14の方向(X(+)方向)に移動せず、スライド部5だけが移動する。このため、スライド部5の左端部7に設けられたリミットスイッチ6が押し駒4のスライド部8の左側面とぶつかり、リミットスイッチ6がオンとなる。
リミットスイッチ6は、オンになるとオン信号を半導体後工程組立装置の制御部に出力する。制御部は、入力されたオン信号に基づいて、スライド部5を駆動する図示しない駆動機構を停止させる制御信号を生成して、当該駆動機構に出力する。この結果、当該駆動機構が停止して、スライド部5及び押し駒4の矢印14及び矢印15の方向への移動が停止する。
なお、リミットスイッチ6の替わりに、フォトマイクロセンサのような光センサを用いても良い。
また、これらの配線は、図示していない。
【0008】
スライド部5に加えられ、リミットスイッチ6がオンになる所定の荷重は、バネ10の引張力を調整することによって、可変可能である。図2によって、そのバネ10の引張力を調整する構成について説明する。
バネ10は、バネポスト13と連結してその一端を押し駒4のスライド部8と連結し、他端をスライド部5の右端部11と連結している。バネポスト13は、右端部11よりバネ10側に飛び出す長さLをスプリングピン21及びアジャストダイアル22によって可変することができる。図2(a)は、長さLが最大長さL1であり、この時、引張バネであるバネ10には、引張力が加わっていない。図2(c)は、長さLが最小長さL3であり、この時、引張バネであるバネ10には、最大の引張力が加わっている。また、図2(b)は、長さLが長さL2であり、この時、引張バネであるバネ10には、0〜最大の間の引張力が加わっている。
アジャストダイアル22は、中空の円筒状をしており、回転方向に、いくつかのスリット23−1、23−2、・・・、23−3が設けられている。スプリングピン21が、このスリット23−1、23−2、・・・、23−3のいずれかにはまるようにユーザが調整することで、リミットスイッチ6がオンになる荷重が可変できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2007−266332号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述のように、従来、半導体後工程組立装置(ダイボンダ)において基板搬送時ジャム発生した場合には、ジャムのよる不良の発生を防止するため、ジャム検出ユニットを組込んでいた。しかし、バネ(メカ)を使用しているので、ジャムを検出する検出荷重が大きい。このため、最近の薄い基板への対応ができなかった。
また、特許文献1のように、電子部品装着装置において、適正なスプライシング補給作業ができなかった場合に、テープの継ぎ目部がサプレッサ付近でジャムを起こして、異常停止となる事態が発生することを防止する技術が開示されている。しかし、この技術は、半導体後工程組立装置(ダイボンダ)において基板搬送には適用できない。
本発明の目的は、上記のような問題に鑑み、半導体後工程組立装置(ダイボンダ)における基板搬送において、検出荷重が小さく感度の良いジャム検出ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するため、本発明の半導体後工程組立装置は、搬送用レール上に載置された被実装部材をマガジンに収納するための搬出手段と装置を制御する制御部とを有する半導体後工程組立装置において、前記搬出手段は、前記被実装部材を押し出すための押し駒、前記押し駒を前記搬送用レールに沿って押し出すためのスライド部、前記スライド部を駆動する駆動機構、及び前記押し駒にその両面が前記搬送用レールと直角に取り付けられ、前記実装基板を押すピエゾフィルム、前記ピエゾフィルムに設けられた電極から出力される信号を増幅する増幅器、及び前記増幅器が出力する信号と基準の検出レベル値を比較し、前記増幅器が出力する信号のレベルが前記検出レベル値以上の場合にジャム検出信号を制御部に出力するコンパレータを備え、前記制御部は、前記ジャム検出信号を受信した場合には、前記搬出手段を停止することを第1の特徴とする。
【0012】
上記本発明の第1の特徴の半導体後工程組立装置において、前記搬出手段は、さらに、切替部及び信号生成部を備え、前記制御部は、前記ジャム検出信号を受信した場合には、前記搬出手段を停止すると共に、前記切替部に第1の切替信号を出力して、前記ピエゾフィルムと前記増幅器との接続を、前記ピエゾフィルムと前記信号生成部の接続に切替え、前記ピエゾフィルムを所定時間振動させることによってジャムを解消することを本発明の第2の特徴とする。
【0013】
上記本発明の第2の特徴の半導体後工程組立装置において、前記制御部は、前記所定時間前記ピエゾフィルムを振動させた後、また、前記切替部に第1の切替信号を出力して、かつ前記駆動部を駆動することを本発明の第3の特徴とする。
【0014】
上記本発明の第3の特徴の半導体後工程組立装置において、前記制御部は、前記ジャム検出信号を受信した場合には、前記ピエゾフィルムの振動と、前記ジャム検出とを交互に所定回数実行することを本発明の第4の特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ジャム検出荷重を低レベルで検出が可能。さらに、ピエゾ素子に音波を出力することでジャム(基板が搬送レーンの途中で引っ掛かる現象)を改善させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】従来のジャム検出ユニットの動作原理の一例を説明するための図である。
図2図1のジャム検出ユニットの細部を示す図である。
図3】本発明のジャム検出ユニットの一実施例の動作原理を説明するための図である。
図4】本発明のジャム検出ユニットの荷重判定部の一実施例を示す図である。
図5】本発明のジャム検出ユニットの荷重判定部の一実施例を示す図である。
図6】本発明のジャム検出ユニットの荷重判定部の一実施例を示す図である。
図7】本発明の一実施形態であるダイボンダを上から見た概念図である。
図8】本発明のダイボンダの一実施例の制御部の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に本発明の一実施形態について、図面等を用いて説明する。
なお、以下の説明は、本発明の一実施形態を説明するためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。従って、当業者であればこれらの各要素若しくは全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であり、これらの実施形態も本願発明の範囲に含まれる。
また、各図の説明において、同一の機能を有する構成要素には同一の参照番号を付し、重複を避け、できるだけ説明を省略する。
【実施例1】
【0018】
図7は、本発明の半導体後工程組立装置の一実施形態のダイボンダを上から見た概念図である。ダイボンダ510は、大別してウェハ供給部51と、ワーク供給・搬送部52と、ダイボンディング部53とを有する。
ワーク供給・搬送部52は、搬入部520と、スタックローダ521と、フレームフィーダ522と、搬出部523とを有する。搬入部520からスタックローダ521によりフレームフィーダ522に供給された被実装部材(基板)は、フレームフィーダ522上の2箇所の処理位置を介して搬出部523のマガジンに搬送され、収納される。
【0019】
ダイボンディング部53は、プリフォーム部531とボンディングヘッド部532とを有する。プリフォーム部531はフレームフィーダ522により搬送されてきた基板にダイ接着剤を塗布する。ボンディングヘッド部532は、ピックアップ装置512からダイをピックアップして上昇し、ダイを平行移動してフレームフィーダ522上のボンディングポイントまで移動させる。そして、ボンディングヘッド部532はダイを下降させダイ接着剤が塗布された基板上にボンディングする。なお、ウェハにダイアタッチフィルムが貼り付けられている場合には、プリフォーム部531でワークにダイ接着剤を塗布しない。
ダイ認識カメラ591は、ウェハからダイをピックアップする前に、マッピングデータに基づく位置に相対的に移動(実際には、ウェハを保持するウェハリングが、XY方向に移動する)し、当該ピックアップ対象のダイを撮像し、制御部535に出力する。そして、制御部535は、パターン認識により、当該ダイの正確な位置を検出し、上記マッピングデータに基づく位置との差分だけ、突上げユニット(図示しない)とピックアップ装置512の位置を補正(実際には、ウェハを保持するウェハリングが、XY方向に移動する)し、ダイをピックアップさせる。
【0020】
ウェハ供給部51は、ウェハカセットリフタ511とピックアップ装置512とを有する。ウェハカセットリフタ511は、ウェハリングが充填されたウェハカセット(図示せず)を有し、順次ウェハリングをピックアップ装置512に供給する。
また、制御部535は、ダイボンダ510のダイのピックアップ及びダイマウントに係る動作を統括制御する。
なお、図7には図示していないが、ダイボンダ510は、さらに、駆動機構、認識処理部、及びモニタを備え、制御部535と他の機器とはインタフェースを介して通信している。また、制御部535は、例えば、CPU(Central Processing Unit)であり、メモリとして、RAM536及びROM(Read Only Memory)537を接続した構成を備える。
【0021】
次に、図8に基づき、ダイボンダ510の制御ブロック図について説明する。CPU(制御部)535は、前記RAM536に記憶されたデータに基づき、前記ROM537に格納されたプログラムに従い、ダイのピックアップ及びダイマウントに係る動作について、インタフェース538及び駆動回路539を介して各駆動源530を統括制御する。また、CPU535は、前記RAM536に記憶されたデータに基づき、前記ROM537に格納されたプログラムに従い、ダイのピックアップ及びダイマウントに係る動作について、インタフェース538を介して、モニタ551及び552、並びに認識処理装置534、ダイ認識カメラ591及びその他認識カメラ59を統括制御する。
尚、ROM537の替わりにハードディスクを用い、このハードディスクからRAM536に読み出されたプログラムに従い、CPU535が各駆動源530を統括制御するようにしても良い。
【0022】
前記RAM536には、ウェハに存在する個々のダイについて、良品であるか不良品であるかの情報がマッピングデータとして登録され(書き込まれ)ている。さらに、前記RAM536には、当該ウェハのピックアップ開始点位置情報が登録されている。なお、複数のピックアップ開始点位置情報及び複数のマッピングデータが登録されている場合には、ユーザが操作部560を操作することにより、操作部560を介して所望のピックアップ開始点位置情報及びマッピングデータを選択する。
CPU535は、ウェハからダイをピックアップする度に、マッピングデータに当該情報を読み出したダイに関して、ピックアップした情報を書き込み、次のダイの情報を読み出し、不良品の場合にはスキップして、次のダイの情報を読み出す。読み出した情報から、当該ダイが良品である場合には、位置情報及び位置ずれ情報から、ウェハリングを移動し、突上げユニット及びピックアップ装置512を当該ダイの位置に移動させ、ピックアップ動作を開始させる。
ユーザは、操作部560を操作して、操作部560は、インタフェース538を介して、ユーザの操作に基づいた操作信号をCPU535に出力する。CPU535は、入力された操作信号に基づいて、RAM536、ROM537、及び、インタフェース538を介して、ダイボンダ510内の各機器を操作する。
【0023】
図3は、本発明のジャム検出ユニットの一実施例の動作原理を、説明するための図である。図3(a)は、ダイボンダの搬出部の一部を、上から見た図である。図3(b)、図3(a)のA−A断面を、側面から拡大して見た図である。31はピエゾフィルム、32は押し駒、33はスライド部である。また、ピエゾフィルム31、押し駒部32、スライド部33は、搬送用レール2上にある基板1をマガジン3に押し出すためのプッシャーを構成している。
【0024】
図3に示すように、スライド部33は、図示しない駆動機構によって、ピエゾフィルム31が基板1を押し出す高さに下降して、矢印15の方向(X(+)方向)に移動する。このスライド部33の移動によって、押し駒32及びピエゾフィルム31にX(+)方向に力が伝達される。この力によって、ピエゾフィルム31に接触している基板1は、搬送用レール2に沿って矢印14の方向(X(+)方向)に移動して、マガジン3に収納される。スライド部33、押し駒32、及びピエゾフィルム31は、基板1をマガジン3に収納すると、再び、次の実装された基板を押し出す位置に戻る。
【0025】
ピエゾフィルム31は、そのほぼ全面に導電性の膜を設けて2つの電極部を形成している。ピエゾフィルム31は、スライド部33が矢印15の方向に駆動されると、矢印14の反対方向に曲がりながら、基板1を矢印14の方向に押す。
この曲がりによって、ピエゾフィルム31は、基板1から加えられる荷重に応じた電圧が発生し、ピエゾフィルム31の2つの電極から、この発生した電圧(電位差)が、荷重判定部に出力される。荷重判定部は、後述する処理を行い、所定の荷重(検出レベル)以上であるか否かを判定し、所定の荷重以上の場合には、所定以上の荷重値を検出したことを示すジャム検出信号を半導体後工程組立装置の制御部535に出力する。なお、図3では、これらの配線もまた図示していない。
制御部535は、ピエゾフィルム31からジャム検出信号を受信した場合には、ピエゾフィルム31にジャムが発生するほどの荷重が加えられたとして、スライド部33を駆動する図示しない駆動機構を停止する制御信号を生成して、当該駆動機構に出力する。この結果、当該駆動機構が停止して、スライド部33、押し駒32、及びピエゾフィルム31の矢印14及び矢印15の方向への移動を停止する。
【0026】
図4は、本発明のジャム検出ユニットのピエゾフィルム31から出力される電圧から、所定の荷重以上であるか否かを判定する荷重判定部の一実施例を示す図である。400は荷重判定部、41はピエゾフィルム、42は増幅器、43は検出レベル値出力部、44はコンパレータである。
図4において、ピエゾフィルム41は、基板1を押すことによって、その反作用による荷重を受け、荷重の大きさに応じた電圧を増幅器42に出力する。増幅器42は、入力された電圧値を所定の増幅率で増幅して、当該増幅信号をコンパレータ44の(+)入力端子に出力する。一方、検出レベル値出力部43には、ユーザによって定められた基準の検出レベル値が設定されており、検出レベル値出力部43は、当該設定された検出レベル値をコンパレータ44の(−)入力端子に出力する。
コンパレータ44は、(+)入力端子と(−)入力端子の信号レベル値を比較し、(+)入力端子から入力されたレベル値(ピエゾフィルム41の荷重)が、(−)入力端子から入力されたレベル値(検出レベル値)より大きければ、Highレベルの信号(ジャム検出信号)を制御部535に出力する。また、(+)入力端子から入力されたレベル値が(−)入力端子から入力されたレベル値より大きくなければ、Lowレベルの信号を制御部535に出力する。
制御部535は、入力されたHigh信号(ジャム検出信号)に基づいて、スライド部5を駆動する図示しない駆動機構を停止する制御信号を生成して、当該駆動機構に出力する。この結果、当該駆動機構が停止して、スライド部33、押し駒32、及びピエゾフィルム31の矢印14及び矢印15の方向への移動が停止する。
【0027】
実施例1によれば、引張バネによる荷重検出よりも小さな検出レベルで荷重を検出できるため、基板1を搬送するときのジャムの検出を、従来に比べて小さなレベル値の時に、且つ迅速に検出可能となる。また、引張バネ、バネポスト、アジャストダイアル等が不要となり、コストが低減可能となる。
また、停止時、例えば、図示しない発報装置が作動して、ユーザに停止を連絡する。この結果、ユーザは、半導体後工程組立装置が停止したことを認識し、速やかに停止の原因を取り除き、生産を再開することができる。
【実施例2】
【0028】
図5によって、本発明の第2の実施例について説明する。図5は、本発明のジャム検出ユニットのピエゾフィルム31から出力される電圧から、所定の荷重以上であるか否かを判定する荷重判定部の一実施例を示す図である。500は荷重判定部、55はサンプルホールド部である。
図5の実施例は、実施例1の図4において、コンパレータ44の後段にサンプルホールド部55を設け、荷重検出レベルのピーク値を保持するようにしたものである。
この結果、実施例2の効果に加え、荷重のピーク値を保持することが可能となるため、ジャム対策が一層容易になる。
【実施例3】
【0029】
図3図6によって、本発明の第3の実施例について説明する。図6は、本発明のジャム検出ユニットの荷重判定部の一実施例を示す図である。600は荷重判定部、66は切替部、67は信号生成部である。
図6において、切替部66は、制御部535から受信した切替信号に基づいて、ピエゾフィルム41と接続する端子aを、増幅器42と接続する端子bと接続する(切替信号B)か、または、信号生成部67と接続する端子cと接続する(切替信号C)かの切替えを行う。切替部66が端子aと端子bを接続している場合には、実施例1または実施例2と同じ動作を行うので、説明を省略する。
例えば、制御部535は、ピエゾフィルム31からジャム検出信号を受信した場合には、ピエゾフィルム31にジャムが発生するほどの荷重が加えられたとして、スライド部33を駆動する図示しない駆動機構を停止する制御信号を生成して、当該駆動機構に出力する。この結果、当該駆動機構が停止して、スライド部33、押し駒32、及びピエゾフィルム31の矢印14及び矢印15の方向への移動を停止する。さらに、制御部535は、切替部66に端子aと端子cを接続する切替信号Cを出力する。
切替部66は、制御部535から受信した切替信号Cに基づいて、ピエゾフィルム41と接続する端子aを端子cと接続する。
【0030】
信号生成部67は、所定の周波数の交流電圧信号を生成している。従って、信号生成部67は、切替部66が端子aを端子cと接続している場合には、生成した交流電圧信号をピエゾフィルム41に出力する。
ピエゾフィルム41は、入力された交流信号の電圧値と周波数に基づいて、X(+)及びX(−)方向に振動する(音波を発生する)。この振動は、接触している基板1に伝達される。
基板1は、伝達された振動を受けて振動し、ジャム発生の原因を解消する。
なお、このとき、交流電圧の周波数及び電圧レベルを所定の範囲で可変(スィープ)するようにしても良い。
また、信号生成部67は、制御部535から入力された制御信号に基づいて、信号を生成するようにしても良い。
【0031】
ピエゾフィルム41を振動させてから所定時間経過後、制御部535は、切替信号Bを切替部66に出力する。切替部66は、制御部535から受信した切替信号Bに基づいて、ピエゾフィルム41と接続する端子aを端子bと接続する。
この結果、ピエゾフィルム41には、交流電圧信号が印加されないので振動が停止する。そして、ピエゾフィルム41は、また、荷重の大きさに応じた電圧を増幅器42に出力し、実施例1または実施例2と同じ動作を行う。制御部535は、ジャム検出信号をまた受信した場合には、切替部66に切替信号Cを出力して、ピエゾフィルム41を振動させる。その後、切替信号Bを切替部66に出力して、かつ駆動機構を再度駆動してピエゾフィルム41の荷重が基準の検出レベル値以上かどうかを確認する。以上の動作を所定回数実行し、まだジャム検出信号を受信する場合には、アラームを出力してユーザに知らせる。また、制御部535は、ジャム検出信号を受信しなければ、そのままダイボンディング等、部品実装を継続して実行する。
【0032】
実施例3によれば、実施例1または実施例2の効果に加え、ジャム発生の原因を解消することができる。このため、搬送を停止する必要がなくなるので、生産が停止することなく、タクトタイムを短縮することができる。
また、ピエゾフィルムは、フィルム状で薄いので、軽くかつ柔らかである。このため、固有振動数を持ちにくいので、ジャムを解消するための振動数を任意に可変することができる。
【符号の説明】
【0033】
1:基板、 2:搬送用レール、 3:マガジン、 4:押し駒、 5:スライド部、 6:リミットスイッチ、 7:左端部、 8:スライド部、 9:中間部、 10:バネ、 11:右端部、 12:連結具、 13:バネポスト、 14、15:矢印、 21:スプリングピン、 22:アジャストダイアル、 23−1、23−2、23−3:スリット、 31:ピエゾフィルム、 32:押し駒、 33:スライド部、 41:ピエゾフィルム、 42:増幅器、 43:検出レベル値出力部、 44:コンパレータ、 51:ウェハ供給部51、 52:ワーク供給・搬送部、 53:ダイボンディング部、 55:サンプルホールド部、 66:切替部、 67:信号生成部、 400、500、600:荷重判定部、 510:ダイボンダ、 511:ウェハカセットリフタ、 512:ピックアップ装置、520:搬入部、 521:スタックローダ、 522:フレームフィーダ、 523:搬出部、 531:プリフォーム部、 532:ボンディングヘッド部、 535:制御部(CPU)、 536:RAM、 537:ROM、 538:インタフェース、 560:操作部、 591:ダイ認識カメラ。
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