特許第5943079号(P5943079)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5943079頭部搭載型ディスプレイ用光学系および頭部搭載型ディスプレイ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5943079
(24)【登録日】2016年6月3日
(45)【発行日】2016年6月29日
(54)【発明の名称】頭部搭載型ディスプレイ用光学系および頭部搭載型ディスプレイ
(51)【国際特許分類】
   G02B 17/08 20060101AFI20160616BHJP
   G02B 13/18 20060101ALI20160616BHJP
   G02B 5/18 20060101ALI20160616BHJP
   G02B 27/02 20060101ALI20160616BHJP
【FI】
   G02B17/08 A
   G02B13/18
   G02B5/18
   G02B27/02 Z
【請求項の数】12
【全頁数】37
(21)【出願番号】特願2014-529267(P2014-529267)
(86)(22)【出願日】2013年7月23日
(86)【国際出願番号】JP2013004477
(87)【国際公開番号】WO2014024403
(87)【国際公開日】20140213
【審査請求日】2015年2月5日
(31)【優先権主張番号】特願2012-175967(P2012-175967)
(32)【優先日】2012年8月8日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004112
【氏名又は名称】株式会社ニコン
(74)【代理人】
【識別番号】100092897
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 正悟
(74)【代理人】
【識別番号】100097984
【弁理士】
【氏名又は名称】川野 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100157417
【弁理士】
【氏名又は名称】並木 敏章
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 憲三郎
【審査官】 殿岡 雅仁
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−294606(JP,A)
【文献】 特開平09−083908(JP,A)
【文献】 特表平08−506429(JP,A)
【文献】 特開平06−194598(JP,A)
【文献】 特開平10−104548(JP,A)
【文献】 特開2009−294605(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00 − 17/08
G02B 21/02 − 21/04
G02B 25/00 − 25/04
G02B 27/00 − 27/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源からの光の進行方向を変化させる光偏向素子と、正の屈折力を有して前記光偏向素子を介して入射した光を集光する第1レンズ群と、前記第1レンズ群による中間結像位置の近傍に配置された第2レンズ群と、前記第2レンズ群を透過した光を反射させる反射面を有し、前記反射面と反対側の面から入射した光を透過させることが可能な光反射素子とからなる頭部搭載型ディスプレイ用光学系であって、
前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との空気間隔は、前記第1レンズ群および前記第2レンズ群を構成するレンズ同士の空気間隔のうち、最大の空気間隔を有し、
前記光偏向素子による前記光源からの光の進行方向の変化に応じて、前記反射面で反射して前記頭部搭載型ディスプレイの装着時に網膜に位置すると想定される描画面上に達する光が前記描画面上で移動し、前記描画面上に画像が描画されるように構成されており、
前記第1レンズ群は、基準軸に対して非回転対称な自由曲面を有する自由曲面レンズを有し、
前記光反射素子の前記反射面は、基準軸に対して非回転対称に形成され、
以下の条件式を満足することを特徴とする頭部搭載型ディスプレイ用光学系。
0.20<m<3.00
20<|f2/f1|<3000
但し、
m:前記頭部搭載型ディスプレイ用光学系のアフォーカル倍率、
f1:前記第1レンズ群の焦点距離、
f2:前記第2レンズ群の焦点距離。
【請求項2】
以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載の頭部搭載型ディスプレイ用光学系。
0.000015[mm-1]<|1/f2|<0.005[mm-1
【請求項3】
以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1または2に記載の頭部搭載型ディスプレイ用光学系。
15<Δνd<45
但し、
Δνd:前記第1レンズ群における正の屈折力を有するレンズと負の屈折力を有するレンズとのアッベ数の差の最大値。
【請求項4】
前記第1レンズ群は、樹脂製のレンズからなり、
前記第2レンズ群は、拡散透過面を有するレンズをさらに有し、
前記光反射素子の前記反射面で反射する光の偏向角が45度以上であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の頭部搭載型ディスプレイ用光学系。
【請求項5】
前記第1レンズ群は、正の屈折力を有する前記自由曲面レンズと、負レンズとを有し、
前記第2レンズ群は、基準軸に対して非回転対称な自由曲面を有する自由曲面レンズを有することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の頭部搭載型ディスプレイ用光学系。
【請求項6】
前記第2レンズ群は、基準軸近傍で負の屈折力を有することを特徴とする請求項5に記載の頭部搭載型ディスプレイ用光学系。
【請求項7】
前記第1レンズ群の前記自由曲面レンズは、前記自由曲面のレンズ面と、該レンズ面と反対側に位置する基準軸に対して回転対称な非球面のレンズ面とを有して、メニスカス形状に形成され、
前記負レンズは、基準軸に対して回転対称な非球面のレンズ面を有して、メニスカス形状に形成され、
前記第2レンズ群の前記自由曲面レンズは、正の屈折力を有して、メニスカス形状に形成されることを特徴とする請求項5または6に記載の頭部搭載型ディスプレイ用光学系。
【請求項8】
前記第1レンズ群の前記自由曲面レンズにおいて、前記自由曲面のレンズ面と基準軸との交点を通り、該基準軸と垂直な面上の座標を(x,y)として、前記自由曲面のレンズ面のサグ量を前記x,yの多項式で表したとき、前記x,yの多項式が8次以上の項を含み、
前記第1レンズ群の前記自由曲面レンズにおいて、基準軸からの距離をhとして、前記非球面のレンズ面のサグ量を前記hの多項式で表したとき、前記hの多項式が8次以上の項を含むことを特徴とする請求項7に記載の頭部搭載型ディスプレイ用光学系。
【請求項9】
前記第2レンズ群は、拡散透過面を有するレンズをさらに有し、
前記第2レンズ群の前記自由曲面レンズにおいて、前記自由曲面のレンズ面と基準軸との交点を通り、該基準軸と垂直な面上の座標を(x,y)として、前記自由曲面のレンズ面のサグ量を前記x,yの多項式で表したとき、前記x,yの多項式が8次以上の項を含むことを特徴とする請求項7または8に記載の頭部搭載型ディスプレイ用光学系。
【請求項10】
前記第1レンズ群は、回折光学面を有するレンズを有し、
以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の頭部搭載型ディスプレイ用光学系。
0.01<fd/f1<10.00
但し、
fd:前記回折光学面を有するレンズの焦点距離、
f1:前記第1レンズ群の焦点距離。
【請求項11】
前記光反射素子を透過して前記描画面上に達した光により結像される像と重なって、前記画像が描画されることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の頭部搭載型ディスプレイ用光学系。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載の頭部搭載型ディスプレイ用光学系を備えることを特徴とする頭部搭載型ディスプレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、頭部搭載型ディスプレイに用いられる光学系に関する。
【背景技術】
【0002】
頭部搭載型ディスプレイは、複数の方式が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。例えば、従来の頭部搭載型ディスプレイには、ガルバノミラー等の光偏向素子を用いて光源からの光を高速に移動させることで、網膜上に画像を描画するように構成されたものがある。このような頭部搭載型ディスプレイでは、光学性能を高めようとすると、レンズの枚数が増え、さらには、色収差を十分に補正するために比重の大きなガラスを用いざるを得なくなり、光学系の大型化と重量化を招く。特に、球面レンズのように基準軸に対して回転対称なレンズ素子のみでは、このような傾向が強くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3382683号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、従来の頭部搭載型ディスプレイでは、小型軽量化と光学性能を両立させることが困難であった。
【0005】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、小型軽量で優れた光学性能を有する頭部搭載型ディスプレイ用光学系および頭部搭載型ディスプレイを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的達成のため、本発明を例示する態様に従えば、光源からの光の進行方向を変化させる光偏向素子と、正の屈折力を有して前記光偏向素子を介して入射した光を集光する第1レンズ群と、前記第1レンズ群による中間結像位置の近傍に配置された第2レンズ群と、前記第2レンズ群を透過した光を反射させる反射面を有し、前記反射面と反対側の面から入射した光を透過させることが可能な光反射素子とからなる頭部搭載型ディスプレイ用光学系であって、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との空気間隔は、前記第1レンズ群および前記第2レンズ群を構成するレンズ同士の空気間隔のうち、最大の空気間隔を有し、前記光偏向素子による前記光源からの光の進行方向の変化に応じて、前記反射面で反射して前記頭部搭載型ディスプレイの装着時に網膜に位置すると想定される描画面上に達する光が前記描画面上で移動し、前記描画面上に画像が描画されるように構成されており、前記第1レンズ群は、基準軸に対して非回転対称な自由曲面を有する自由曲面レンズを有し、前記光反射素子の前記反射面は、基準軸に対して非回転対称に形成され、以下の条件式を満足することを特徴とする頭部搭載型ディスプレイ用光学系が提供される。
【0007】
0.20<m<3.00
20<|f2/f1|<3000
但し、
m:前記頭部搭載型ディスプレイ用光学系のアフォーカル倍率、
f1:前記第1レンズ群の焦点距離、
f2:前記第2レンズ群の焦点距離。
【0008】
また、本発明を例示する態様に従えば、上述の頭部搭載型ディスプレイ用光学系を備えることを特徴とする頭部搭載型ディスプレイが提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、小型軽量で優れた光学性能を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施例に係る頭部搭載型ディスプレイ用光学系の光路図である。
図2】第1実施例に係る頭部搭載型ディスプレイ用光学系のスポットダイヤグラムである。
図3】第2実施例に係る頭部搭載型ディスプレイ用光学系の光路図である。
図4】第2実施例に係る頭部搭載型ディスプレイ用光学系のスポットダイヤグラムである。
図5】第3実施例に係る頭部搭載型ディスプレイ用光学系の光路図である。
図6】第3実施例に係る頭部搭載型ディスプレイ用光学系のスポットダイヤグラムである。
図7】(a)は分離複層型の回折光学素子の断面の一例を示す概略図であり、(b)は密着複層型の回折光学素子の断面の一例を示す概略図である。
図8】頭部搭載型ディスプレイの概略図である。
図9】ローカル座標系の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本願の好ましい実施形態について図を参照しながら説明する。本実施形態の頭部搭載型ディスプレイ用光学系LSは、例えば図1に示すように、光源側から順に、光偏向素子M1と、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、第2レンズ群G2と、光反射素子M2とを備えて構成される。光偏向素子M1は、光源からの光(例えば、レーザー光やLED光等の略平行光)の進行方向を変化させる。本実施形態の光偏向素子M1として、例えばガルバノミラーが用いられる。ガルバノミラーは、不図示の駆動回路から入力される駆動電圧に応じた量だけ回動して反射角(すなわち、光源からの光の進行方向)が変化するようになっている。
【0012】
第1レンズ群G1は、光源から光偏向素子M1を介して入射した光を集光する。第2レンズ群G2は、第1レンズ群G1による集光位置の近傍に配置される。光反射素子M2は、第2レンズ群G2を透過した光を反射させる反射面M2rを有している。また、光反射素子M2は、この反射面M2rと反対側の面M2sから入射した光を透過させることができるように構成されている。本実施形態の光反射素子M2として、例えばハーフミラーが用いられる。
【0013】
このような頭部搭載型ディスプレイ用光学系LSでは、光偏向素子M1による光源からの光の進行方向の変化に応じて、光反射素子M2の反射面M2rで反射して頭部搭載型ディスプレイの装着時に網膜に位置すると想定される面(以下、描画面Iと称する)上に達する光がこの描画面I上で2次元方向に走査するように移動し、描画面I上に画像が描画されるように構成される。このとき、光反射素子M2を透過して描画面I(網膜)上に達した光により結像される像と重なって、画像が描画されるようになっている。これにより、ユーザーは、頭部搭載型ディスプレイの装着時に、光反射素子M2を透過した光による像(外景)に画像を重ねて視認することができる。なお、第1レンズ群G1は光源からの光を集光するため、第1レンズ群G1を透過した光の集光位置にも、光偏向素子M1による光源からの光の進行方向の変化に応じて、描画面I上に描写される画像と同等の画像が中間像として形成されることになる。以下、第1レンズ群G1によって形成される中間像の位置を中間結像位置と称する。すなわち、第2レンズ群G2は、第1レンズ群G1による中間結像位置の近傍に配置されているともいえる。
【0014】
従来、非球面レンズは、種々の光学系において球面レンズでは達し得ない仕様や、収差性能、コンパクト化を可能としてきた。しかし、基準軸に対して回転対称な非球面レンズでは、偏心光学系に対し、収差補正上の効果が乏しく、あるいは補正不可能な残存収差があるという問題があった。この問題を克服するため、近年では、加工技術の進歩に伴い、所謂、基準軸に対して非回転対称な自由曲面レンズが用いられつつある。
【0015】
本実施形態において、第1レンズ群G1は、基準軸に対して非回転対称な自由曲面を有する自由曲面レンズを有している。また、光反射素子M2の反射面M2rは、基準軸に対して非回転対称に形成されている。ここで、基準軸とは、光偏向素子M1の中心を通って描画面I上の中心に達する光をトレース(光線追跡)して得られる軸のことである。このように、基準軸に対して非回転対称な自由曲面を用いることで、光反射素子M2での斜め反射によって発生する台形歪みを効果的に補正することができる。また、自由曲面を用いることで、画角が大きいときの点像の広がりを小さくすることができ、解像力を高めることができる。
【0016】
ここで、自由曲面レンズにおけるローカル座標系について説明する。本実施形態において、自由曲面レンズのローカル座標系を、例えば図9に示すように、自由曲面レンズのレンズ面と基準軸との交点を原点とした(x,y,z)座標系(右手系)とする。このとき、光偏向素子M1から光反射素子M2へ向かう方向を正とする基準軸方向の座標軸をz軸とする。また、光偏向素子M1と光反射素子M2との間の基準軸および光反射素子M2と描画面Iとの間の基準軸を通る自由曲面レンズの断面において、z軸と垂直な座標軸をy軸とする。また、z軸およびy軸と垂直な座標軸をx軸とする。なおこの場合、自由曲面レンズのレンズ面と基準軸との交点を通り、該基準軸と垂直な面上の座標系を(x,y)座標系とすることができる。
【0017】
本実施形態の頭部搭載型ディスプレイ用光学系LSにおいて、次の条件式(1)で表される条件を満足することが好ましい。
【0018】
0.20<m<3.00 …(1)
但し、
m:頭部搭載型ディスプレイ用光学系LSのアフォーカル倍率。
【0019】
条件式(1)は、適切なアフォーカル倍率の範囲を示している。本実施形態において、アフォーカル倍率は、中間結像位置より前側(光源側)の光学系と後側(描画面I側)の光学系との焦点距離の比の絶対値とする。また、平行光が中間結像位置の前後の光学系を通過した後、完全にアフォーカル(物点が∞)である必要はない。眼や光学装置の調節能力等を鑑みて、瞳に入る光束による光学像が±2[m](±0.5[m-1])以遠であれば、略アフォーカル系と見なせるものとする。条件式(1)の上限値を上回る条件である場合、歪曲収差が大きくなり、画面周辺の歪や色収差が大きくなって画質が劣化する。また、画面周辺での像面の曲がりが大きくなって鮮鋭度を欠き易くなる。一方、条件式(1)の下限値を下回る条件である場合、アフォーカル倍率が小さくなりすぎるので、外景と重畳する画像が小さくなりすぎて見づらくなる。また、十分な画素と解像度を確保するために光偏向素子の振れ角を大きく取る必要があり、システム構成上不利となる。
【0020】
なお、本実施形態の効果を十分に発揮するために、条件式(1)の上限値を2.00にすることが望ましい。一方、本実施形態の効果を十分に発揮するために、条件式(1)の下限値を0.35にすることが望ましい。
【0021】
本実施形態の頭部搭載型ディスプレイ用光学系LSにおいて、次の条件式(2)で表される条件を満足することが好ましい。
【0022】
20<|f2/f1|<3000 …(2)
但し、
f1:第1レンズ群G1の焦点距離、
f2:第2レンズ群G2の焦点距離。
【0023】
条件式(2)は、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2の適切な屈折力配分を示している。条件式(2)の上限値を上回る条件である場合、回折光学面を用いると、回折光学面の屈折力が小さくなり過ぎるので、短波長の色収差が補正不足となり易い。また、回折光学面を用いない場合でも、色収差の発生が大きくなって画質を損ねる。特に、画像のエッジ部の色付きが大きくなる。一方、条件式(2)の下限値を下回る条件である場合、回折光学面を用いると、回折光学面の屈折力が大きくなり過ぎるので、短波長の色収差が補正不足となり易い。また、回折光学面を用いない場合でも、色収差の発生が大きくなって画質を損ねる。特に、画像のエッジ部の色付きが大きくなる。なお、焦点距離や屈折力は、光軸ないしは基準軸の周りの微少光束を光線追跡して得られる値としている。基準軸の周りの微少光束を光線追跡して得られる値は、所謂、近軸光線追跡に相当する計算値である。
【0024】
なお、本実施形態の効果を十分に発揮するために、条件式(2)の上限値を2000にすることが望ましい。一方、本実施形態の効果を十分に発揮するために、条件式(2)の下限値を35にすることが望ましい。
【0025】
本実施形態の頭部搭載型ディスプレイ用光学系LSにおいて、次の条件式(3)で表される条件を満足することが好ましい。
【0026】
0.000015[mm-1]<|1/f2|<0.005[mm-1] …(3)
【0027】
条件式(3)は、中間結像位置の近傍に配置される第2レンズ群G2の屈折力の大きさの適正な範囲を示している。条件式(3)の上限値を上回る条件である場合、第2レンズ群G2の屈折力が大きくなり過ぎるため、画面周辺でのディストーションが発生しやすくなり、コマ収差も発生して画質が低下する。一方、条件式(3)の下限値を下回る条件である場合、第2レンズ群G2の屈折力が小さくなり過ぎるため、画面周辺での諸収差(特に像面の平坦性)に対する補正能力が不足する。また、第2レンズ群G2の屈折力が小さくなり過ぎるため、瞳位置を適正な位置に配置することが困難となり、コマ収差の補正も困難となる。
【0028】
なお、本実施形態の効果を十分に発揮するために、条件式(3)の上限値を0.003[mm-1]にすることが望ましい。一方、本実施形態の効果を十分に発揮するために、条件式(3)の下限値を0.00003[mm-1]にすることが望ましい。また、半透明反射鏡(光反射素子M2)から十分に瞳位置を離す構成とするためには、第2レンズ群G2は基準軸近傍で負の屈折力を有することが好ましい。
【0029】
本実施形態の頭部搭載型ディスプレイ用光学系LSにおいて、次の条件式(4)で表される条件を満足することが好ましい。
【0030】
15<Δνd<45 …(4)
但し、
Δνd:第1レンズ群G1における正の屈折力を有するレンズと負の屈折力を有するレンズとのアッベ数の差の最大値。
【0031】
条件式(4)は、第1レンズ群G1における正レンズと負レンズのアッベ数に関する適切な範囲を示している。条件式(4)の上限値を上回る条件である場合、負レンズ側に高屈折率の材料を使わざるを得なくなり、像面の平坦性が損なわれやすくなる。また、高屈折率の材料は比重が大きい傾向にあるため、光学系全体の重量化を招きやすい。一方、条件式(4)の下限値を下回る条件である場合、各レンズの屈折力が大きくなりすぎるので、高次収差が発生しやすくなる。さらには、レンズ面の曲率が強くなって製造が難しくなりやすい。
【0032】
なお、本実施形態の効果を十分に発揮するために、条件式(4)の上限値を40にすることが望ましい。一方、本実施形態の効果を十分に発揮するために、条件式(4)の下限値を20にすることが望ましい。
【0033】
本実施形態の頭部搭載型ディスプレイ用光学系LSにおいて、第1レンズ群G1は、樹脂製のレンズからなり、第2レンズ群G2は、拡散透過面を有するレンズをさらに有し、光反射素子M2の反射面M2rで反射する光の偏向角(光反射素子M2の反射面M2rに入射する光と反射面M2rで反射した光とのなす角)が45度以上であることが好ましい。ガラスに比して樹脂は比重が小さいため、光学系の軽量化に有効である。また、第2レンズ群G2のいずれかのレンズ面に、透過する光を拡散させる拡散透過面を配置することにより、拡散後の光束径が広く取れるので瞳径が大きくなる。これにより、アイモーションエリア(眼が動いたときにケラレない領域)が大きく取れるため、HMD(Head Mounted Display)機器をモバイル的に使う場合に好ましい。拡散透過面を有するレンズの拡散透過面には、例えば、透過する光を拡散させるための微小な凹凸が形成される。また例えば、レンズの拡散透過面に、透過する光を拡散させることが可能な回折格子が形成されてもよい。なお、小型軽量化のため、樹脂材料の比重が2.0以下であることが望ましい。より効果を発揮するには、樹脂材料の比重が1.6以下であることが望ましい。
【0034】
本実施形態の頭部搭載型ディスプレイ用光学系LSにおいて、第1レンズ群G1は、正の屈折力を有する自由曲面レンズと、負レンズとを有し、第2レンズ群G2は、基準軸に対して非回転対称な自由曲面を有する自由曲面レンズを有することが好ましい。このような構成によれば、自由曲面レンズによって、基準軸に対して非回転対称で複雑なディストーションを効果的に補正することができる。また、第1レンズ群G1における正レンズと負レンズとの組み合わせによって、色収差の補正も可能となる。
【0035】
さらに、第1レンズ群G1の自由曲面レンズは、自由曲面のレンズ面と、該レンズ面と反対側に位置する基準軸に対して回転対称な非球面のレンズ面とを有して、メニスカス形状に形成され、負レンズは、基準軸に対して回転対称な非球面のレンズ面を有して、メニスカス形状に形成されることが好ましい。さらに、第2レンズ群G2の自由曲面レンズは、正の屈折力を有して、メニスカス形状に形成されることが好ましい。このような構成によれば、基準軸に対して回転対称な収差成分を効果的に補正することができる。
【0036】
また、第1レンズ群G1の自由曲面レンズにおいて、自由曲面のレンズ面と基準軸との交点を通り、該基準軸と垂直な面上の座標を(x,y)として、自由曲面のレンズ面のサグ量をx,yの多項式で表したとき、当該x,yの多項式が8次以上の項を含むことが好ましい。また、第1レンズ群G1の自由曲面レンズにおいて、基準軸からの距離をhとして、非球面のレンズ面のサグ量をhの多項式で表したとき、当該hの多項式が8次以上の項を含むことが好ましい。このような構成によれば、基準軸に対して非回転対称なディストーションと、基準軸に対して回転対称な収差成分をより効果的に補正することができる。
【0037】
また、第2レンズ群G2は、拡散透過面を有するレンズをさらに有し、第2レンズ群G2の自由曲面レンズにおいて、自由曲面のレンズ面と基準軸との交点を通り、該基準軸と垂直な面上の座標を(x,y)として、自由曲面のレンズ面のサグ量をx,yの多項式で表したとき、当該x,yの多項式が8次以上の項を含むことが好ましい。このような構成によれば、基準軸に対して非回転対称なディストーションをより効果的に補正することができる。また、前述したように、拡散後の光束径が広く取れるので瞳径が大きくなり、HMD機器をモバイル的に使う場合に好ましい。
【0038】
ところで、屈折光学系や反射光学系では、従来の方法では達し得ない高性能化・小型化等を目指して、光学系に回折光学面を組み込む試みが種々行われてきた。例えば、光ディスク用のピックアップ用レンズ等である。しかしながら、単層の回折光学素子では、設計波長からずれた波長でのフレア発生が多くなって、画質・結像性能を損ねてしまう問題があり、その使用は、レーザー光源などの単一波長もしくは狭い波長域での使用に限られていた。
【0039】
しかしながら、このような回折光学面を有する回折光学素子においては、近年、複層型もしくは積層型と呼ばれる回折光学素子が提案されている。このタイプの回折光学素子は、鋸歯状に形成された面を持つ複数の回折素子要素を分離或いは密着させた形で積層させてなるものであり、所望の広波長領域(例えば可視光領域)のほぼ全域で高い回折効率が保たれる、すなわち波長特性が良好であるという特徴を有している。
【0040】
一般に、複層型回折光学素子は、例えば図7(a),(b)に示すように、第1の材質からなる第1の光学素子要素111と、第1の材質とは屈折率や分散値が異なる第2の材質からなる第2の光学素子要素112とから構成され、それぞれの光学素子要素の対向し合う面には鋸歯状の回折格子111a,112aが形成されている。ここで、特定の2波長に対して色消し条件を満足させるように、第1の光学素子要素111の格子高さ(溝の高さ)h1を所定の値に決定し、第2の光学素子要素112の格子高さh2を別の所定の値に決定する。これにより、特定の2波長に対しては回折効率が1.0となり、その他の波長に対してもかなり高い回折効率を得ることができるようになる。このように、回折光学素子を複層型にすることで、回折光学素子をほぼ全波長に対して適用することができるようになり、白色光を使用する写真カメラの撮像レンズ等に用いることも容易となる。なお、回折効率(一次回折光の回折効率:本実施形態においては一次回折光を用いている)とは、透過型の回折光学素子において、該回折光学素子に入射する光の強度I0と、回折光学素子を透過した光に含まれる一次回折光の強度I1との割合η(=I1/I0)として定義される。
【0041】
また、所定条件を満たすことにより、図7(b)に示すように、第1の光学素子要素111の格子高さh1と、第2の光学素子要素112の格子高さh2とを一致させた、密着複層型の回折光学素子を達成することが可能となる。密着複層型の回折光学素子は、図7(a)に示す分離複層型の回折光学素子に比べ、格子高さの誤差感度(公差)が緩くなったり、格子面の面粗さの誤差感度(公差)が緩くなったりする等、製造し易くなるメリットがあり、生産性に優れ、量産性が高く、光学製品のコストダウンに好都合であるという利点を有している。
【0042】
次に、回折光学面についてさらに説明する。光線を曲げる方法は屈折と反射が知られているが、第3番目の方法として回折が知られている。回折光学素子は、光の回折現象を利用した光学素子であって、屈折や反射とは異なる振る舞いを示すことが知られている。具体的には、回折格子やフレネルゾーンプレートが従来より知られている。自然光や白色光であっても、通常、コヒーレント長が数λはあるので、波長オーダの構造体を作れば光波の干渉作用の結果、明らかな回折現象を生ぜしめることができる。このような回折効果を有する面を回折光学面と称することにする。この回折光学面の性質として、回折光学面が正のパワーを有する場合、負の分散値を持っていて、色収差補正に極めて有効であることが知られている。一方、回折光学面が負のパワーを有する場合、正の分散値を持っていて、やはり色収差補正に極めて有効であることが知られている。このため、通常のガラスでは達し得ない、高価な特殊低分散ガラスでしか達し得ない良好な色収差補正が可能である。
【0043】
本実施形態においては、ガラスやプラスチック等の光学部材の表面に、回折格子やフレネルゾーンプレートのように回折現象を応用して光線を曲げる作用を有する面を創製し、その作用により良好な光学性能を得ようというものである。このように回折現象を応用して光線を曲げる作用を有する面を回折光学面と称し、このような面を有する光学素子を一般に回折光学素子と称している。なお、回折光学素子等については、「回折光学素子入門」(応用物理学会日本光学会監修、平成19年増補改訂版発行)に詳しい。
【0044】
さて、一般に、光学系の回折光学面を通過する光線角度は、できるだけ小さいことが好ましい。なぜなら、光線角度が大きくなると回折光学面の格子の崖部などからフレアが発生し易くなり、画質を損ねてしまうからである。そして、そのフレアがあまり影響を及ぼさずに、良好な画像を得るためには、本光学系の場合、光線角度を30度以下とすることが望ましい。このような条件が満たせれば、回折光学面を光学系のどこに配置してもよい。
【0045】
このように、先に述べた自由曲面に加えて、回折光学面を形成することで、小型軽量で優れた光学性能を有する頭部搭載型ディスプレイ用光学系を得ることが可能である。なお、第1の光学素子要素111と第2の光学素子要素112は、正負いずれの屈折力を有しても構わない。設計要件に照らして、仕様達成、収差補正のために都合よく構成すればよい。回折光学素子全体で正の屈折力を持たせる場合には、第1の光学素子要素111と第2の光学素子要素112の両方に正の屈折力を持たせ、回折光学面に正の屈折力を持たせれば、負の分散を有するので、回折光学素子全体で良好な色消しを達成することが可能となる。一方、回折光学素子全体で負の屈折力を持たせる場合には、第1の光学素子要素111と第2の光学素子要素112の両方に負の屈折力を持たせ、回折光学面に負の屈折力を持たせれば、正の分散を有するので、回折光学素子全体で良好な色消しを達成することが可能となる。
【0046】
第1レンズ群G1が回折光学面を有するレンズを有している場合、次の条件式(5)で表される条件を満足することが好ましい。
【0047】
0.01<fd/f1<10.00 …(5)
但し、
fd:回折光学面を有するレンズの焦点距離、
f1:第1レンズ群G1の焦点距離。
【0048】
条件式(5)は、第1レンズ群G1の焦点距離と回折光学面を有するレンズの焦点距離との適切な比を規定している。条件式(5)の上限値を上回る条件である場合、fdが大きくなりすぎるので、画面全体にわたっての良好な収差バランスが崩れやすくなる。そのため、画面全体にわたっての点像のボケが発生しやすくなるだけでなく、色収差の補正を十分にできなくなる傾向となる。さらには、第1レンズ群G1内の他の凸レンズの屈折力が大きくなりすぎて、作りづらくなる傾向となる。一方、条件式(5)の下限値を下回る条件である場合、fdが小さくなりすぎるので、収差バランスが崩れやすくなる。そのため、特に画角の大きい光束の結像性能が悪化して、結像面での点像のボケや色ずれが広がり、視野周辺の見えが悪化する。さらには、fdが小さくなることで、面の曲率半径が小さくなる傾向となり、回折光学面を加工しづらくなる傾向が顕著となる。
【0049】
なお、本実施形態の効果を十分に発揮するために、条件式(5)の上限値を6.00にすることが望ましい。一方、本実施形態の効果を十分に発揮するために、条件式(5)の下限値を0.20にすることが望ましい。
【0050】
なお、小型ディスプレイや対物レンズなどで形成された画像を拡大観察するような用途に対しては、次の条件式(6)で表される条件を満足することが好ましい。
【0051】
0.005[mm-1]<dm/(fm)2<1.00[mm-1] …(6)
但し、
dm:第2レンズ群G2から光反射素子M2までの距離、
fm:光反射素子M2の焦点距離。
【0052】
条件式(6)は、本光学系を観察光学系に適用した場合における、アイレリーフと焦点距離との適切な関係を示している。アイレリーフを十分にとることは、観察光学系を構成する上で重要である。条件式(6)の上限値を上回る条件である場合、dmが長くなりすぎるので、光学系の大型化を招きやすくなる。特に、光反射素子M2が大きくなりすぎる。また、像面湾曲が大きくなって、良い画質が得られなくなる。一方、条件式(6)の下限値を下回る条件である場合、dmが短くなりすぎるので、結果として、アイレリーフが小さくなりすぎてしまう。そのため、眼鏡を装着した際の観察が難しくなりやすいので、実際の使用上、観察しづらくなる。本実施形態において、アイレリーフとは、光路図で光学系のミラーの最も右下を通る主光線と光軸の交わる点を指すものとする。なお、瞳の形状は、円形である必要はなく、用途や設計仕様に応じて、矩形や楕円であっても構わない。このとき、レンズ形状や絞りの形状を工夫してこのような瞳の形状を達成することができる。
【0053】
なお、本実施形態の効果を十分に発揮するために、条件式(6)の上限値を0.10[mm-1]にすることが望ましい。一方、本実施形態の効果を十分に発揮するために、条件式(6)の下限値を0.01[mm-1]にすることが望ましい。
【0054】
また、第1レンズ群G1が回折光学面を有するレンズを有している場合、次の条件式(7)で表される条件を満足することが好ましい。
【0055】
0.01<Ndh−Ndl<0.45 …(7)
但し、
Ndh:複層型の回折光学素子において相対的に屈折率が高い層の屈折率、
Ndl:複層型の回折光学素子において相対的に屈折率が低い層の屈折率。
【0056】
条件式(7)は、回折光学面の前後の屈折率差について、適正な範囲を示している。条件式(7)では、眼の感度の高いスペクトル線でd線やe線等を1次光でブレーズした場合を考える。条件式(7)の上限値を上回る条件である場合、屈折率差が大きくなりすぎるので、界面(回折光学面)での反射のノイズ光が大きくなって、画質を劣化させる。また、格子高さに関する誤差感度が大きくなって加工が難しくなる。一方、条件式(7)の下限値を下回る条件である場合、格子高が大きくなりすぎるので、垂直入射から外れると高い回折効率が得られず、フレアの発生が大きくなって良好な画質が得られない。また、加工が難しくなる。
【0057】
なお、本実施形態の効果を十分に発揮するために、条件式(7)の上限値を0.20にすることが望ましい。一方、本実施形態の効果を十分に発揮するために、条件式(7)の下限値を0.02にすることが望ましい。
【0058】
また、第1レンズ群G1が回折光学面を有するレンズを有している場合、次の条件式(8)で表される条件を満足することが好ましい。
【0059】
0.001<(d1+d2)/f1<0.25 …(8)
但し、
d1:複層型の回折光学素子において相対的に屈折率が高い層の光軸上の厚さ、
d2:複層型の回折光学素子において相対的に屈折率が低い層の光軸上の厚さ、
f1:第1レンズ群G1の焦点距離。
【0060】
条件式(8)は、d1とd2の和をf1で規格化した場合の適正な範囲を示している。条件式(8)の上限値を上回る条件である場合、d1が大きくなりすぎるので、短波長側の光吸収が大きくなって、光学系全体の短波長側の透過率が劣化しやすくなる。一方、条件式(8)の下限値を下回る条件である場合、d1が小さくなりすぎるので、回折光学素子を成形しづらくなる。
【0061】
なお、本実施形態の効果を十分に発揮するために、条件式(8)の上限値を0.10にすることが望ましい。一方、本実施形態の効果を十分に発揮するために、条件式(8)の下限値を0.005にすることが望ましい。
【0062】
このように、本実施形態によれば、小型軽量で優れた光学性能を得ることができる。
【0063】
実際に光学系を構成するとき、以下に述べる要件をさらに満たすことが望ましい。
【0064】
自由曲面を有する光学部材は、樹脂製であってもガラス製であってもよいが、いずれもモールド製法で製作することが望ましい。
【0065】
密着複層型回折光学素子の成形性を良好に保ち、優れた量産性を確保するため、第1および第2の回折素子要素のうち一方の回折素子要素を構成する材料の粘度(未硬化物粘度)は、少なくとも40[mPa・s]以上であることが望ましい。40[mPa・s]以下であると、成形中に樹脂が流れやすくなってしまうので精密形状を成形することが困難となる。また、他方の回折素子要素を構成する材料の粘度は、逆に少なくとも2000[mPa・s]以上であることが望ましい。
【0066】
回折光学素子を形成する第1および第2の回折素子要素の材質は、UV硬化型樹脂であることが望ましい。このようにすれば、生産効率がアップするので、生産上好ましい。またこの場合、工数を削減でき、コストダウンにも繋がり好都合である。また、小型軽量化のため、いずれの樹脂材料も比重が2.0以下であることが望ましい。ガラスに比して樹脂は比重が小さいため、光学系の軽量化に非常に有効である。より効果を発揮するには、比重が1.6以下であることが望ましい。さらに、第1および第2の回折素子要素は、空気との界面に正屈折力の屈折面を有し、この屈折面は非球面であることが望ましい。また、樹脂材料は、アクリル系、ポリカーボネート系、オレフィン系、アクリル・スチレン共重合系、ポリエステル系などが好適である。
【0067】
回折光学面に対する全ての光線の入射角度は、15度以下であることが望ましい。入射角度が大きくなると、フレアの発生が大きくなって画質が劣化する。
【0068】
各光学部材を構成するいずれかの樹脂に色素を混入させて、色フィルター効果を持たせることも可能である。例えば、この手法により、赤外カットフィルタなどを構成し、小型撮像光学系を構成することもできる。
【0069】
絞りは、光学系中、随意に設置することが可能であるが、不要な光線をカットして、結像に有用な光線のみを通すように構成することが望ましい。例えば、レンズ枠そのものを開口絞りとしてもよく、レンズから離れた位置にメカ部材で絞りを構成してもよい。メカ部材で構成した絞りは、例えば、レンズと像面との間に配置することができる。絞りの形状は、設計仕様に応じて、円形に限らず、楕円や矩形としてもよい。
【0070】
なお、本実施形態の光学素子を組み込んで得られる複数の構成要素からなる光学系も、本発明の範囲を逸脱するものではない。さらには、屈折率分布型レンズ、結晶材料レンズなどを組み込んで得られる光学系に関しても同様である。
【0071】
次に、本実施形態に係る頭部搭載型ディスプレイついて説明する。本実施形態に係る頭部搭載型ディスプレイDSPが図8に示されている。頭部搭載型ディスプレイDSPは、眼鏡型フレームFLと、光源ユニットSUと、投影ユニットPUとを備えて構成される。眼鏡型フレームFLは、光源ユニットSUおよび投影ユニットPUを保持して、光源ユニットSUおよび投影ユニットPUとともにユーザーの頭部に装着される。光源ユニットSUは、外部入力装置(図示せず)から入力された画像情報に基づいて画像信号を生成し、この画像信号に応じた強度のレーザー光(以下、「画像光」ともいう)を投影ユニットPUへ射出する。
【0072】
投影ユニットPUは、光源ユニットSUから射出された画像光を2次元方向に走査し、ユーザーの眼Eへ投射する。これにより、頭部搭載型ディスプレイDSPの装着時に、ユーザーの眼Eの網膜には、画像光が2次元方向に走査されて画像が投影され、ユーザーは画像信号に応じた画像を視認することができる。また、投影ユニットPUには、ユーザーの眼Eと対向する位置にハーフミラーHMが設けられている。外光LaはハーフミラーHMを透過してユーザーの眼Eに入射し、投影ユニットPUから射出された画像光LbはハーフミラーHMで反射してユーザーの眼Eに入射する。これにより、ユーザーは外光Laによる外景に画像光Lbによる画像を重ねて視認することができる。
【0073】
そして、投影ユニットPUは、上述の実施形態に係る頭部搭載型ディスプレイ用光学系LSを備えて構成される。そのため、上述したように、小型軽量で優れた光学性能を得ることができる。なお、本実施形態に係る頭部搭載型ディスプレイDSPにおいて、ハーフミラーHMが頭部搭載型ディスプレイ用光学系LSの光反射素子M2に該当する。
【実施例】
【0074】
(第1実施例)
以下、本願の各実施例を添付図面に基づいて説明する。まず、本願の第1実施例について図1図2および表1を用いて説明する。なお、図1は第1実施例に係る頭部搭載型ディスプレイ用光学系LS(LS1)の光路図である。第1実施例に係る頭部搭載型ディスプレイ用光学系LS1は、光源側から順に、光偏向素子M1と、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、基準軸近傍で負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、光反射素子M2とから構成される。光偏向素子M1は、光源からの光(例えば、レーザー光やLED光等の略平行光)の進行方向を変化させる。なお、説明容易化のため、図1では、光偏向素子M1において光の進行方向が変化する様子を、複数種の入射角で絞り(この絞りを光偏向素子M1として示す)を通過する光で示した。
【0075】
第1レンズ群G1は、光源から光偏向素子M1を介して入射した光を集光する。第1レンズ群G1は、光源側から順に、負レンズL11と、正の屈折力を有する第1自由曲面レンズL12と、正の屈折力を有する第2自由曲面レンズL13とから構成される。負レンズL11は、光源側に凸面を向けたメニスカス形状に形成される。負レンズL11における両側のレンズ面に、基準軸に対して回転対称な非球面が形成される。第1自由曲面レンズL12は、光源側に凹面を向けたメニスカス形状に形成される。第1自由曲面レンズL12における光源側のレンズ面に、基準軸に対して回転対称な非球面が形成され、第1自由曲面レンズL12における描画面I側のレンズ面に、基準軸に対して非回転対称な自由曲面が形成される。第2自由曲面レンズL13は、光源側に凸面を向けたメニスカス形状に形成される。第2自由曲面レンズL13における光源側のレンズ面に、基準軸に対して回転対称な非球面が形成され、第2自由曲面レンズL13における描画面I側のレンズ面に、基準軸に対して非回転対称な自由曲面が形成される。
【0076】
第2レンズ群G2は、第1レンズ群G1による中間結像位置(集光位置)の近傍に配置される。第2レンズ群G2は、光源側から順に、拡散レンズL21と、正の屈折力を有する第3自由曲面レンズL22とから構成される。拡散レンズL21は、光源側に凸面を向けたメニスカス形状に形成される。拡散レンズL21における描画面I側のレンズ面に、拡散透過面が形成される。第3自由曲面レンズL22は、光源側に凸面を向けたメニスカス形状に形成される。第3自由曲面レンズL22における光源側のレンズ面に、基準軸に対して非回転対称な自由曲面が形成され、第3自由曲面レンズL22における描画面I側のレンズ面に、基準軸に対して回転対称な非球面が形成される。
【0077】
光反射素子M2は、第2レンズ群G2を透過した光を反射させる反射面M2rを有している。また、光反射素子M2は、この反射面M2rと反対側の面M2sから入射した光を透過させることができるように構成されている。光反射素子M2の反射面M2rは、基準軸に対して非回転対称に形成されている。
【0078】
このような頭部搭載型ディスプレイ用光学系LS1では、光偏向素子M1による光源からの光の進行方向の変化に応じて、光反射素子M2の反射面M2rで反射して頭部搭載型ディスプレイの装着時に網膜に位置すると想定される面(描画面I)上に達する光がこの描画面I上で2次元方向に走査するように移動し、描画面I上に画像が描画されるように構成される。このとき、光反射素子M2を透過して描画面I(網膜)上に達した光により結像される像と重なって、画像が描画されるようになっている。なお、第1実施例では、ユーザーの眼として、光反射素子M2と描画面Iとの間に、焦点距離f=17[mm]の無収差レンズ(図示せず)が配置されているものとする。これにより、光反射素子M2の反射面M2rで反射した光が無収差レンズ(図示せず)を透過して描画面I(網膜)上に集光される。
【0079】
なお、各実施例において、回折光学面の位相差は位相関数法を用いて計算した。
【0080】
回折光学面の形状を決める位相多項式は、次の数式(A)で表される。
【0081】
【数1】
【0082】
ここで、数式(A)において、j、m,nの間には、次の数式(B)で表わされる関係が成立している。
【0083】
【数2】
【0084】
自由曲面に関しては、次の数式(C)で定義される。なお、数式(C)において、Zは基準軸に平行な面のサグ量であり、cは面頂点(原点)での曲率であり、kはコーニック定数であり、hは基準軸上の原点においてこれと垂直に交わる平面内での原点からの距離であり、Cjはxy多項式(x,yの多項式)の係数である。
【0085】
【数3】
【0086】
ここで、数式(C)中のj,m,nの間には、次の数式(D)および(E)で表わされる関係が成立している。
【0087】
【数4】
【0088】
【数5】
【0089】
非球面に関しては、次の数式(F)で定義される。なお、数式(F)において、Zは基準軸(光軸)に平行な面のサグ量であり、cは面頂点(基準軸(光軸)上)での曲率であり、kはコーニック係数であり、hは基準軸(光軸)からのこれに垂直な距離であり、A4〜A12はhの各冪級数項に係る係数である。
【0090】
【数6】
【0091】
また、各実施例においては、収差特性の算出対象として、C線、d線、F線、及びg線の各スペクトル線を用いている。これら各スペクトル線の波長は次の通りである。
【0092】
波長(nm)
C線 656.273
d線 587.562
F線 486.133
g線 435.835
【0093】
以下に、表1〜表3を示すが、これらは第1〜第3実施例に係る頭部搭載型ディスプレイ用光学系LSの諸元の値をそれぞれ掲げた表である。各表の[レンズデータ]において、第1カラムNは物体側から数えたレンズ面の順番を、第2カラムRはレンズ面の曲率半径を、第3カラムDはレンズ面の間隔を、第4カラムnCはC線に対する屈折率を、第5カラムndはd線に対する屈折率を、第6カラムnFはF線に対する屈折率を、第7カラムngはg線に対する屈折率をそれぞれ示す。なお、第1カラムの右に付した「*a」は、そのレンズ面が非球面であることを示し、第1カラムの右に付した「*b」は、そのレンズ面が自由曲面であることを示し、第1カラムの右に付した「*c」は、そのレンズ面が回折光学面であることを示す。また、曲率半径「∞」は平面を示し、空気の屈折率はその記載を省略している。
【0094】
[偏心データ]において、XDE、YDE、及びZDEは、それぞれx軸方向、y軸方向、及びz軸方向のシフトを示し、ADE、BDE及びCDEは、それぞれx軸、y軸及びz軸周りの傾き(単位:度)を示す。[非球面データ]、[自由曲面データ]、及び[回折光学面データ]において、「E-n」は「×10-n」を示す。なお、以下の全ての諸元値において掲載されている曲率半径R、面間隔D、その他長さの単位は一般に「mm」が使われる。しかし光学系は、比例拡大または比例縮小しても同等の光学性能が得られるため、単位は「mm」に限られるものではない。また、後述の第2実施例〜第3実施例の諸元値においても、本実施例と同様の符号を用いる。
【0095】
下の表1に、第1実施例における各諸元を示す。なお、表1における第1面〜第14面の曲率半径Rは、図1における第1面〜第14面(仮想面である第10面および第13面を除く)に付した符号R1〜R14に対応している。
【0096】
(表1)
[レンズデータ]
N R D nC nd nF ng
物体面 ∞ ∞
1(絞り) ∞ 7.0737
2*a 26.1079 3.5000 1.6074 1.6142 1.6314 1.6463
3*a 6.0261 1.2000
4*a -139.6362 3.2500 1.5283 1.53113 1.53783 1.54319
5*b -6.6413 1.1000
6*a 6.0884 2.5000 1.5283 1.53113 1.53783 1.54319
7*b 7.1934 20.0000
8 36.0000 1.0000 1.4883 1.4908 1.4969 1.5016
9 36.0000 1.0000
10 ∞ 0.0000
11*b 98.4222 1.8000 1.4883 1.4908 1.4969 1.5016
12*a 82.9218 0.0000
13 ∞ 31.1429
14*b(反射) -66.0000 -45.0000
像面(描画面) ∞ 0.0000
[偏心データ]
偏心 第8面 第10面 第11面 第13面 第14面
XDE 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
YDE 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
ZDE 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
ADE 6.0 -6.0 6.0 -6.0 25.0
BDE 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
CDE 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
[非球面データ]
第2面係数
k=-121.7194695202487
A4=0.001204087810046505
A6=-0.0001388073049376515
A8=0.3272747753555764E-5
A10=0.8651482588206862E-7
A12=-0.4577336492603486E-8
第3面係数
k=-3.899985247951888
A4=-0.000692579625568129
A6=-0.736953824073804E-6
A8=0.5744863840903909E-7
A10=-0.1089711828346197E-8
A12=-0.42714750385595E-10
第4面係数
k=500.0
A4=0.0001885783788227973
A6=-0.7290580702481259E-6
A8=-0.1687839086919377E-6
A10=-0.3866962063772566E-8
A12=0.1672547615430344E-9
第6面係数
k=-4.103478542047234
A4=0.0002580575996569321
A6=-0.1247180061433354E-4
A8=0.1934054239498101E-6
A10=-0.1851585581105413E-8
A12=0.2038231252720517E-11
第12面係数
k=0.00001
A4=-0.2609431778754561E-4
A6=-0.1879205705223268E-7
A8=-0.1737233337684116E-10
A10=0.4084729769386872E-13
A12=-0.3965647731154538E-14
[自由曲面データ1]
項 第5面係数 第7面係数
C1(k) -0.3017745850875778 -6.289974218996122
C4(x^2) 0.003466799143357255 -0.001298452145258934
C5(x*y) -0.001115603104928361 0.0003822737406034326
C6(y^2) 0.0070562666856616 -0.01357172844453788
C7(x^3) -0.0002593761539094165 0.0003967924865306014
C8(x^2*y) -0.000213250191978018 -0.001371988100285954
C9(x*y^2) -0.0006191442572110238 0.0006519318827385893
C10(y^3) -0.0004718785005503118 0.0007140652552868351
C11(x^4) 0.0003098822638427462 -0.001333147444714297
C12(x^3*y^1) 0.3407768810806382E-4 0.3702664184744909E-4
C13(x^2*y^2) 0.0006208558182873208 -0.0001486993056817897
C14(x^1*y^3) 0.0001792129244483547 -0.8202377408038175E-4
C15(y^4) 0.0003580494710146699 -0.1805720322028896E-5
C16(x^5) 0.2663050945651949E-4 -0.3564660331163073E-4
C17(x^4*y) 0.0001474696025030011 0.0002908357809224226
C18(x^3*y^2) 0.3826719889708307E-4 -0.5278851232820081E-4
C19(x^2*y^3) 0.1026510876791286E-4 -0.1129260388688707E-4
C20(x*y^4) -0.89755244405221E-5 -0.3255869135725364E-5
C21(y^5) -0.881872878453439E-5 -0.1565166610057392E-4
C22(x^6) 0.2469668814869958E-4 0.0001044613639817373
C23(x^5*y) -0.9577511038872208E-5 0.485644559192588E-5
C24(x^4*y^2) 0.5046560131654857E-4 -0.4070365124589857E-5
C25(x^3*y^3) -0.3118417520710068E-5 -0.1206368572452636E-6
C26(x^2*y^4) 0.2390039944775742E-4 -0.8706445825913175E-5
C27(x*y^5) -0.2021899900909428E-5 0.7102202017053954E-6
C28(y^6) 0.1121912351982155E-4 -0.3920146580746637E-5
C29(x^7) 0.3119742444603493E-5 -0.1022712596352382E-5
C30(x^6*y) -0.1560107102046973E-4 -0.2061553131129934E-4
C31(x^5*y^2) -0.1022165397653761E-6 0.2524689087473794E-5
C32(x^4*y^3) 0.6256105666354908E-6 0.1076326368048734E-5
C33(x^3*y^4) 0.2345864653335014E-6 0.6829314149181599E-6
C34(x^2*y^5) 0.2093443610038782E-5 -0.817752813267785E-6
C35(x^1*y^6) 0.483868092159451E-6 -0.1440162325040492E-6
C36(y^7) 0.7510694585638476E-6 0.146433761705865E-6
C37(x^8) -0.2467932549368314E-6 -0.440537048345761E-5
C38(x^7*y^1) 0.174350235824826E-7 -0.100773324541987E-7
C39(x^6*y^2) -0.3030380767038765E-5 -0.6710754426117793E-6
C40(x^5*y^3) -0.862388498644196E-6 -0.9535259048086168E-7
C41(x^4*y^4) 0.1114429145219428E-5 0.1957221945793596E-6
C42(x^3*y^5) -0.1311338944233999E-7 0.3649699847740186E-7
C43(x^2*y^6) 0.7673913237103807E-6 0.7638710741140231E-7
C44(x^1*y^7) -0.1022816718413322E-6 0.1531614658352089E-7
C45(y^8) 0.1038023304987815E-6 0.4631307996723954E-8
C46(x^9) -0.2077668320265781E-6 0.7659178291049076E-7
C47(x^8*y) 0.8811215797461278E-6 0.4286648225719628E-6
C48(x^7*y^2) -0.1017463461555473E-6 -0.4690214684721334E-7
C49(x^6*y^3) -0.7048883610168791E-6 0.9082440518878004E-7
C50(x^5*y^4) 0.4252785573753692E-7 -0.16753421062955E-7
C51(x^4*y^5) 0.1144701685012133E-6 -0.2319990072526336E-7
C52(x^3*y^6) -0.3692806162779624E-7 -0.3301471336612236E-9
C53(x^2*y^7) -0.5502278825410581E-7 0.1239194838045183E-7
C54(x*y^8) -0.8886779900973679E-9 0.181425272749395E-8
C55(y^9) -0.1400634098335568E-7 0.4289199154548536E-10
C56(x^10) -0.6394953871821582E-7 0.9682846367662571E-7
C57(x^9*y) 0.2540103437709849E-7 -0.342555825602362E-8
C58(x^8*y^2) 0.978580552741408E-7 0.9438044604115687E-9
C59(x^7*y^3) 0.1703644781583354E-7 0.698764528549666E-11
C60(x^6*y^4) 0.463820833904626E-7 0.1325497883224603E-8
C61(x^5*y^5) 0.3049088350270744E-7 0.9226805612114128E-9
C62(x^4*y^6) -0.4055561730231605E-7 -0.446228256709647E-8
C63(x^3*y^7) 0.2411367852597294E-9 -0.9391879112780659E-9
C64(x^2*y^8) -0.1071492894406766E-7 -0.21236224132437E-8
C65(x^9*y) 0.1805437181357719E-8 -0.1460283831938418E-9
C66(y^10) -0.1848835057183689E-8 -0.7361519164041878E-10
[自由曲面データ2]
項 第11面係数
C1(k) 81.71254939167278
C4(x^2) 0.00791570619172745
C5(x*y) 0.001123378770402062
C6(y^2) 0.009679528636615819
C7(x^3) -0.226322034107961E-4
C8(x^2*y) 0.5360693330540352E-4
C9(x*y^2) -0.1377957183120677E-4
C10(y^3) -0.0003519578519071908
C11(x^4) 0.0001075753092625291
C12(x^3*y^1) -0.4241041725681437E-6
C13(x^2*y^2) 0.7789536633500974E-4
C14(x^1*y^3) -0.5062402485802235E-5
C15(y^4) 0.2409472911968187E-4
C16(x^5) 0.762063479810465E-6
C17(x^4*y) -0.7480814903816188E-5
C18(x^3*y^2) 0.1438089929671677E-5
C19(x^2*y^3) -0.556591328611352E-5
C20(x*y^4) -0.7945076353643055E-6
C21(y^5) -0.1338230016045893E-5
C22(x^6) 0.2878012125528234E-6
C23(x^5*y) -0.624022839236557E-6
C24(x^4*y^2) 0.4599179052765449E-6
C25(x^3*y^3) 0.2644884073907662E-6
C26(x^2*y^4) -0.9578696536819849E-8
C27(x*y^5) -0.2720859549328555E-6
C28(y^6) -0.849145886566742E-7
C29(x^7) -0.2734043214198553E-7
C30(x^6*y) 0.4912163351311643E-8
C31(x^5*y^2) 0.2018147279015479E-6
C32(x^4*y^3) 0.5266506284409001E-7
C33(x^3*y^4) -0.9551172420924838E-7
C34(x^2*y^5) 0.7127478731636541E-7
C35(x^1*y^6) 0.1719394408507042E-7
C36(y^7) 0.445746144917605E-7
C37(x^8) -0.3220832302879691E-7
C38(x^7*y^1) -0.3084425750501727E-7
C39(x^6*y^2) 0.8346726588083648E-7
C40(x^5*y^3) 0.1867881673338012E-7
C41(x^4*y^4) -0.7908158309130722E-7
C42(x^3*y^5) -0.2537263125823934E-8
C43(x^2*y^6) -0.7681488722460555E-9
C44(x^1*y^7) 0.1596511474214415E-8
C45(y^8) 0.6698019179202518E-9
[自由曲面データ3]
項 第14面係数
C1(k) 3.962964493781687
C4(x^2) -0.001028153765764826
C5(x*y) 0.175569482042806E-4
C6(y^2) 0.001259624894796678
C7(x^3) -0.5221346423219113E-5
C8(x^2*y) 0.1861546693528138E-4
C9(x*y^2) 0.1520365201410679E-4
C10(y^3) -0.1845501708191367E-4
C11(x^4) 0.4772526614248559E-4
C12(x^3*y^1) 0.1044451265574271E-5
C13(x^2*y^2) -0.122787191899436E-4
C14(x^1*y^3) -0.1600166184381832E-5
C15(y^4) -0.7664122368760205E-5
C16(x^5) 0.1834252350968806E-6
C17(x^4*y) 0.3122096431780654E-5
C18(x^3*y^2) -0.2768680465570283E-6
C19(x^2*y^3) -0.1321919572017405E-5
C20(x*y^4) -0.147599246363685E-6
C21(y^5) 0.8156383807089381E-7
C22(x^6) -0.2611234595310471E-5
C23(x^5*y) -0.2970252998342986E-7
C24(x^4*y^2) 0.6158655020171089E-6
C25(x^3*y^3) 0.7105247483583933E-8
C26(x^2*y^4) -0.2454274046766187E-8
C27(x*y^5) 0.9744965415921332E-8
C28(y^6) 0.1124077125995596E-7
C29(x^7) -0.1163511506909664E-7
C30(x^6*y) -0.3028808052213724E-6
C31(x^5*y^2) 0.1198316702193867E-7
C32(x^4*y^3) 0.193432647259742E-7
C33(x^3*y^4) -0.2456697279766292E-8
C34(x^2*y^5) 0.323741057368371E-7
C35(x^1*y^6) 0.3355065242253185E-9
C36(y^7) 0.1488724197468286E-8
C37(x^8) 0.7147963609945736E-7
C38(x^7*y^1) -0.3441028882735257E-8
C39(x^6*y^2) -0.1636702703538912E-7
C40(x^5*y^3) 0.1892078012001264E-8
C41(x^4*y^4) 0.8673389748241515E-8
C42(x^3*y^5) 0.9327542722958507E-10
C43(x^2*y^6) -0.1808477328812757E-9
C44(x^1*y^7) 0.1230400754690463E-9
C45(y^8) 0.7695547891324175E-9
C46(x^9) 0.2538572458767442E-9
C47(x^8*y) 0.5596033598779898E-8
C48(x^7*y^2) 0.8299884465237318E-10
C49(x^6*y^3) -0.1408407485040278E-8
C50(x^5*y^4) 0.1026572981410108E-9
C51(x^4*y^5) 0.2842618728614499E-9
C52(x^3*y^6) -0.9551906470507542E-10
C53(x^2*y^7) -0.4050425393925585E-9
C54(x*y^8) 0.3804279681288634E-10
C55(y^9) -0.3697621660603705E-10
C56(x^10) -0.8177789522569431E-9
C57(x^9*y) 0.812957348690838E-10
C58(x^8*y^2) 0.3084476996537277E-9
C59(x^7*y^3) -0.5631426025373504E-10
C60(x^6*y^4) -0.5305140315017303E-10
C61(x^5*y^5) -0.5476471825119294E-11
C62(x^4*y^6) -0.8166445259833216E-10
C63(x^3*y^7) 0.6976224960109545E-11
C64(x^2*y^8) 0.3150044437407047E-10
C65(x^9*y) -0.5285680302196486E-11
C66(y^10) -0.199790881969388E-11
【0097】
図2は、第1実施例に係る頭部搭載型ディスプレイ用光学系LS1のスポットダイヤグラムである。スポットダイヤグラムの下部に表示してある直線の長さは、描画面上の0.6mmに相当する。スポットダイヤグラムの縦軸にフィールドポジションを示し、スポットダイヤグラムの横軸にデフォーカス量を示す。なお、スポットダイヤグラムの説明は、以降の他の実施例においても同様とし説明を省略する。図2より、第1実施例では、色収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることがわかる。
【0098】
(第2実施例)
次に、本願の第2実施例について図3図4および表2を用いて説明する。なお、図3は第2実施例に係る頭部搭載型ディスプレイ用光学系LS(LS2)の光路図である。第2実施例に係る頭部搭載型ディスプレイ用光学系LS2は、光源側から順に、光偏向素子M1と、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、基準軸近傍で負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、光反射素子M2とから構成される。光偏向素子M1は、光源からの光(例えば、レーザー光やLED光等の略平行光)の進行方向を変化させる。なお、説明容易化のため、図3では、光偏向素子M1において光の進行方向が変化する様子を、複数種の入射角で絞り(この絞りを光偏向素子M1として示す)を通過する光で示した。
【0099】
第1レンズ群G1は、光源から光偏向素子M1を介して入射した光を集光する。第1レンズ群G1は、光源側から順に、負レンズL11と、正の屈折力を有する第1自由曲面レンズL12と、正の屈折力を有する第2自由曲面レンズL13とから構成される。負レンズL11は、光源側に凸面を向けたメニスカス形状に形成される。負レンズL11における両側のレンズ面に、基準軸に対して回転対称な非球面が形成される。第1自由曲面レンズL12は、光源側に凹面を向けたメニスカス形状に形成される。第1自由曲面レンズL12における光源側のレンズ面に、基準軸に対して回転対称な非球面が形成され、第1自由曲面レンズL12における描画面I側のレンズ面に、基準軸に対して非回転対称な自由曲面が形成される。第2自由曲面レンズL13は、光源側に凸面を向けたメニスカス形状に形成される。第2自由曲面レンズL13における光源側のレンズ面に、基準軸に対して回転対称な非球面上の回折光学面が形成され、第2自由曲面レンズL13における描画面I側のレンズ面に、基準軸に対して非回転対称な自由曲面が形成される。
【0100】
第2レンズ群G2は、第1レンズ群G1による中間結像位置(集光位置)の近傍に配置される。第2レンズ群G2は、光源側から順に、拡散レンズL21と、正の屈折力を有する第3自由曲面レンズL22とから構成される。拡散レンズL21は、光源側に凸面を向けたメニスカス形状に形成される。拡散レンズL21における描画面I側のレンズ面に、拡散透過面が形成される。第3自由曲面レンズL22は、光源側に凸面を向けたメニスカス形状に形成される。第3自由曲面レンズL22における光源側のレンズ面に、基準軸に対して非回転対称な自由曲面が形成され、第3自由曲面レンズL22における描画面I側のレンズ面に、基準軸に対して回転対称な非球面が形成される。
【0101】
光反射素子M2は、第2レンズ群G2を透過した光を反射させる反射面M2rを有している。また、光反射素子M2は、この反射面M2rと反対側の面M2sから入射した光を透過させることができるように構成されている。光反射素子M2の反射面M2rは、基準軸に対して非回転対称に形成されている。
【0102】
このような頭部搭載型ディスプレイ用光学系LSでは、光偏向素子M1による光源からの光の進行方向の変化に応じて、光反射素子M2の反射面M2rで反射して頭部搭載型ディスプレイの装着時に網膜に位置すると想定される面(描画面I)上に達する光がこの描画面I上で2次元方向に走査するように移動し、描画面I上に画像が描画されるように構成される。このとき、光反射素子M2を透過して描画面I(網膜)上に達した光により結像される像と重なって、画像が描画されるようになっている。なお、第2実施例では、ユーザーの眼として、光反射素子M2と描画面Iとの間に、焦点距離f=17[mm]の無収差レンズ(図示せず)が配置されているものとする。これにより、光反射素子M2の反射面M2rで反射した光が無収差レンズ(図示せず)を透過して描画面I(網膜)上に集光される。
【0103】
下の表2に、第2実施例における各諸元を示す。なお、表2における第1面〜第14面の曲率半径Rは、図3における第1面〜第14面(仮想面である第10面および第13面を除く)に付した符号R1〜R14に対応している。
【0104】
(表2)
[レンズデータ]
N R D nC nd nF ng
物体面 ∞ ∞
1(絞り) ∞ 7.0831
2*a 26.1651 3.5000 1.6074 1.6142 1.6314 1.6463
3*a 6.0315 1.2000
4*a -143.3443 3.2500 1.5283 1.53113 1.53783 1.54319
5*b -6.6594 1.1000
6*a*c 6.3022 2.5000 1.5283 1.53113 1.53783 1.54319
7*b 7.5704 20.0000
8 36.0000 1.0000 1.4883 1.4908 1.4969 1.5016
9 36.0000 1.0000
10 ∞ 0.0000
11*b 98.6116 1.8000 1.4883 1.4908 1.4969 1.5016
12*a 75.4656 0.0000
13 ∞ 32.0547
14*b(反射) -66.0000 -38.0560
像面(描画面) ∞ 0.0000
[偏心データ]
偏心 第8面 第10面 第11面 第13面 第14面
XDE 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
YDE 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
ZDE 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
ADE 6.0 -6.0 6.0 -6.0 25.0
BDE 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
CDE 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
[非球面データ]
第2面係数
k=-124.6212244263259
A4=0.001204200199273652
A6=-0.0001386036941931049
A8=0.3276470962239764E-5
A10=0.8461937659182494E-7
A12=-0.456637483894513E-8
第3面係数
k=-3.910512067211907
A4=-0.0006946049400910621
A6=-0.7915311306384153E-6
A8=0.563745700159402E-7
A10=-0.1090170748278784E-8
A12=-0.3938449383844765E-10
第4面係数
k=500.0
A4=0.0001884494623314058
A6=-0.6684559289524473E-6
A8=-0.1661476652611027E-6
A10=-0.3827111832796201E-8
A12=0.1635609710619695E-9
第6面係数
k=-4.1416842368152
A4=0.0002575315743116521
A6=-0.1246600508478533E-4
A8=0.1934338103548995E-6
A10=-0.1853239196823036E-8
A12=0.2025187349428312E-11
第12面係数
k=0.00001
A4=-0.2839336271869116E-4
A6=-0.3408877404436407E-8
A8=0.3706976730325451E-10
A10=-0.5323123873693355E-12
A12=-0.1644935738227222E-13
[自由曲面データ1]
項 第5面係数 第7面係数
C1(k) -0.3044117239169427 -6.210179649757263
C4(x^2) 0.003713914513726664 -0.001186163413066797
C5(x*y) -0.001085562025148004 0.0003514837217863681
C6(y^2) 0.007062231361900973 -0.01343327779501104
C7(x^3) -0.0002452754022695958 0.0003949695507289595
C8(x^2*y) -0.0001651542812559088 -0.001361146290953931
C9(x*y^2) -0.0006135423357087519 0.0006365921598598023
C10(y^3) -0.0004768304415626346 0.0006970794286006876
C11(x^4) 0.0003037015705534265 -0.001334625516756709
C12(x^3*y^1) 0.3809856337282187E-4 0.3504604790870343E-4
C13(x^2*y^2) 0.0006140546431927162 -0.0001453643454395092
C14(x^1*y^3) 0.0001752632160152545 -0.8191419681687872E-4
C15(y^4) 0.0003727404398809901 -0.1736454723033816E-5
C16(x^5) 0.2719101080255722E-4 -0.3616353217176764E-4
C17(x^4*y) 0.0001422956955870682 0.0002886431884463202
C18(x^3*y^2) 0.3961105934359095E-4 -0.5288355376499949E-4
C19(x^2*y^3) 0.8362038478789313E-5 -0.107536802370358E-4
C20(x*y^4) -0.8595236888967398E-5 -0.3331184374513139E-5
C21(y^5) -0.9120120637233973E-5 -0.1575072061576212E-4
C22(x^6) 0.2521499675319464E-4 0.0001047508559885795
C23(x^5*y) -0.9054552785237278E-5 0.4795226503605732E-5
C24(x^4*y^2) 0.4903665793867147E-4 -0.4201199000129014E-5
C25(x^3*y^3) -0.2946360989471093E-5 -0.1306822845519472E-6
C26(x^2*y^4) 0.242896687192317E-4 -0.8600226881862653E-5
C27(x*y^5) -0.1794871126104695E-5 0.720051619244834E-6
C28(y^6) 0.1141762308719592E-4 -0.3955087197324593E-5
C29(x^7) 0.3162220502466017E-5 -0.1079263896995276E-5
C30(x^6*y) -0.1549116632015361E-4 -0.2064262131606276E-4
C31(x^5*y^2) -0.6590678631915092E-7 0.2530151828630695E-5
C32(x^4*y^3) 0.1233082427792277E-6 0.102244563477985E-5
C33(x^3*y^4) 0.3152984712809762E-6 0.6674948401506242E-6
C34(x^2*y^5) 0.2104799942359669E-5 -0.7958365434359981E-6
C35(x^1*y^6) 0.4928652007151956E-6 -0.139646220895246E-6
C36(y^7) 0.733565522214735E-6 0.1479076315725485E-6
C37(x^8) -0.2310420623929306E-6 -0.437812709225447E-5
C38(x^7*y^1) 0.4766461803638555E-7 -0.976503668600782E-8
C39(x^6*y^2) -0.3070697697772037E-5 -0.6778004794915314E-6
C40(x^5*y^3) -0.8736872537515536E-6 -0.9631003457531317E-7
C41(x^4*y^4) 0.1112116510003865E-5 0.1960482481917686E-6
C42(x^3*y^5) 0.5315256549809658E-8 0.3637806089075426E-7
C43(x^2*y^6) 0.7520623414915488E-6 0.7870088578336839E-7
C44(x^1*y^7) -0.9210963166924476E-7 0.1475987111596374E-7
C45(y^8) 0.1046575213885323E-6 0.4549120521731493E-8
C46(x^9) -0.1984152022994444E-6 0.7416742079181322E-7
C47(x^8*y) 0.8128257292528562E-6 0.4262633477758227E-6
C48(x^7*y^2) -0.103301225933334E-6 -0.447235130671805E-7
C49(x^6*y^3) -0.6360980963602419E-6 0.9194039388537242E-7
C50(x^5*y^4) 0.3748419276756708E-7 -0.1648682975516311E-7
C51(x^4*y^5) 0.1183038351997398E-6 -0.2294812151740892E-7
C52(x^3*y^6) -0.3907466626203889E-7 -0.1782889075113961E-9
C53(x^2*y^7) -0.5355253376931649E-7 0.1244118993844718E-7
C54(x*y^8) -0.2336694636779812E-9 0.1663627186711565E-8
C55(y^9) -0.1393863018537273E-7 0.9976994048176901E-10
C56(x^10) -0.6831302926161432E-7 0.9762883954596809E-7
C57(x^9*y) 0.2258172909036116E-7 -0.3306134796185684E-8
C58(x^8*y^2) 0.8968895216793801E-7 0.4939235647611712E-9
C59(x^7*y^3) 0.1441111681226747E-7 0.5877766782239647E-10
C60(x^6*y^4) 0.5511514414292549E-7 0.1181052120051939E-8
C61(x^5*y^5) 0.253556208676787E-7 0.9139343620831635E-9
C62(x^4*y^6) -0.4052925742840984E-7 -0.4377380782240374E-8
C63(x^3*y^7) 0.5625299355916163E-9 -0.8988048665333446E-9
C64(x^2*y^8) -0.1197441617119414E-7 -0.2051855291522901E-8
C65(x^9*y) 0.185826615354817E-8 -0.1696631403403916E-9
C66(y^10) -0.2038458080555793E-8 -0.6445655479796271E-10
[自由曲面データ2]
項 第11面係数
C1(k) 79.46376069014747
C4(x^2) 0.008781950775443515
C5(x*y) 0.0009308419560987458
C6(y^2) 0.01113704140423572
C7(x^3) -0.1760347652094596E-4
C8(x^2*y) 0.0001460755227785545
C9(x*y^2) -0.3146182180201695E-4
C10(y^3) -0.0002338112657631998
C11(x^4) 0.0001288763886808186
C12(x^3*y^1) -0.5588537747640256E-5
C13(x^2*y^2) 0.7154476682496682E-4
C14(x^1*y^3) -0.2233413996828774E-5
C15(y^4) 0.2747947174614958E-4
C16(x^5) 0.915849258267991E-6
C17(x^4*y) -0.6148176140156556E-5
C18(x^3*y^2) 0.1375538274399082E-5
C19(x^2*y^3) -0.6233560560960316E-5
C20(x*y^4) -0.1840270598725556E-6
C21(y^5) -0.1237031224448769E-5
C22(x^6) 0.5768411537875053E-6
C23(x^5*y) -0.8034799634922124E-6
C24(x^4*y^2) 0.4293992492596523E-6
C25(x^3*y^3) 0.245074616484058E-6
C26(x^2*y^4) -0.1089178317786131E-6
C27(x*y^5) -0.2377423853387786E-6
C28(y^6) -0.1294972263368165E-6
C29(x^7) 0.6607708701685202E-11
C30(x^6*y) -0.3189630748927253E-7
C31(x^5*y^2) 0.2065713245155823E-6
C32(x^4*y^3) 0.5940891834264707E-7
C33(x^3*y^4) -0.8240175928329288E-7
C34(x^2*y^5) 0.599382689524388E-7
C35(x^1*y^6) 0.1943252964568572E-7
C36(y^7) 0.3771743748042609E-7
C37(x^8) -0.482034159810021E-7
C38(x^7*y^1) -0.3199313441251986E-7
C39(x^6*y^2) 0.8520322345961256E-7
C40(x^5*y^3) 0.2216481770618415E-7
C41(x^4*y^4) -0.7848660775257326E-7
C42(x^3*y^5) -0.1306460670991727E-8
C43(x^2*y^6) -0.6436629955747501E-9
C44(x^1*y^7) 0.192000600061975E-8
C45(y^8) 0.2171472696133448E-9
[自由曲面データ3]
項 第14面係数
C1(k) 4.331113639069206
C4(x^2) -0.0009066565006826442
C5(x*y) 0.9422610759795473E-5
C6(y^2) 0.00142035683124462
C7(x^3) -0.5006378989079557E-5
C8(x^2*y) 0.1279911190810272E-4
C9(x*y^2) 0.1483714442744794E-4
C10(y^3) -0.2263724302742891E-4
C11(x^4) 0.4885153890283033E-4
C12(x^3*y^1) 0.8907390616195318E-6
C13(x^2*y^2) -0.1306776632445698E-4
C14(x^1*y^3) -0.1678420737545771E-5
C15(y^4) -0.8026685702591208E-5
C16(x^5) 0.2442034237925676E-6
C17(x^4*y) 0.3108842124348334E-5
C18(x^3*y^2) -0.2726854812902458E-6
C19(x^2*y^3) -0.1255872948855557E-5
C20(x*y^4) -0.1493676576993912E-6
C21(y^5) 0.1058325108957716E-6
C22(x^6) -0.260984451952067E-5
C23(x^5*y) -0.3725459143092297E-7
C24(x^4*y^2) 0.6144438515964853E-6
C25(x^3*y^3) 0.5427620822882202E-8
C26(x^2*y^4) -0.2992722123534214E-9
C27(x*y^5) 0.1088633717848592E-7
C28(y^6) 0.1242491189436026E-7
C29(x^7) -0.1095787164100878E-7
C30(x^6*y) -0.2968894475677224E-6
C31(x^5*y^2) 0.1194535303878235E-7
C32(x^4*y^3) 0.1960863391147454E-7
C33(x^3*y^4) -0.1157330225815343E-8
C34(x^2*y^5) 0.3349277461157255E-7
C35(x^1*y^6) 0.1107075191076766E-9
C36(y^7) 0.2033353596333252E-8
C37(x^8) 0.7057980834653433E-7
C38(x^7*y^1) -0.3663006846702143E-8
C39(x^6*y^2) -0.1601758454201476E-7
C40(x^5*y^3) 0.1825926824770061E-8
C41(x^4*y^4) 0.8690484051603E-8
C42(x^3*y^5) 0.4154060781671823E-10
C43(x^2*y^6) -0.1038979444268852E-9
C44(x^1*y^7) 0.1652454713668999E-9
C45(y^8) 0.7724559355566372E-9
C46(x^9) 0.154408908057191E-9
C47(x^8*y) 0.5699847320152124E-8
C48(x^7*y^2) 0.4332746877460881E-10
C49(x^6*y^3) -0.1277325470506736E-8
C50(x^5*y^4) 0.1759993562231055E-9
C51(x^4*y^5) 0.209641652630629E-9
C52(x^3*y^6) -0.831181352914488E-10
C53(x^2*y^7) -0.3870336258447297E-9
C54(x*y^8) 0.3503243314912144E-10
C55(y^9) -0.3238934302039904E-10
C56(x^10) -0.8249139063163544E-9
C57(x^9*y) 0.9829216038217835E-10
C58(x^8*y^2) 0.2927583539831702E-9
C59(x^7*y^3) -0.5842996838838534E-10
C60(x^6*y^4) -0.5512513899861672E-10
C61(x^5*y^5) -0.8905989254150218E-11
C62(x^4*y^6) -0.8613607998148935E-10
C63(x^3*y^7) 0.6496157888087305E-11
C64(x^2*y^8) 0.3117619545237941E-10
C65(x^9*y) -0.4381187587446189E-11
C66(y^10) -0.2861260928939042E-11
[回折光学面データ]
項 第6面係数
C3(x^2) -0.5078981020003178E-4
C4(x*y) -0.1074272792154444E-4
C5(y^2) -0.0001013950360598153
C6(x^3) 0.7393093289878994E-5
C7(x^2*y) 0.1082909716426623E-4
C8(x*y^2) 0.1687515783535323E-5
C9(y^3) 0.508045964678955E-5
C10(x^4) -0.6002724002574973E-5
C11(x^3*y^1) -0.1011785033518255E-6
C12(x^2*y^2) 0.8967362674962745E-5
C13(x^1*y^3) -0.7150890228122288E-6
C14(y^4) 0.1884605645421943E-5
C15(x^5) 0.7496012489836572E-7
C16(x^4*y) -0.4478856492315672E-6
C17(x^3*y^2) -0.6108732769621659E-7
C18(x^2*y^3) -0.203867515925772E-7
C19(x*y^4) 0.2137699921080692E-7
C20(y^5) 0.9636626970058547E-8
C21(x^6) -0.7390577981553802E-7
C22(x^5*y) 0.1652236605672853E-7
C23(x^4*y^2) 0.182216819275834E-6
C24(x^3*y^3) -0.1350514661675573E-7
C25(x^2*y^4) 0.1528045758514017E-6
C26(x*y^5) 0.4953482058318769E-8
C27(y^6) 0.1477315812746981E-7
C28(x^7) -0.1967457563220266E-7
C29(x^6*y) 0.536866450738596E-7
C30(x^5*y^2) -0.2462938966361094E-8
C31(x^4*y^3) -0.3064619953760897E-7
C32(x^3*y^4) -0.3688442580226221E-8
C33(x^2*y^5) 0.9203883957108073E-9
C34(x^1*y^6) 0.1973056856945383E-9
C35(y^7) 0.3414723247599195E-9
C36(x^8) 0.7192992299042694E-8
C37(x^7*y^1) 0.8111634641150032E-9
C38(x^6*y^2) 0.703390767589344E-8
C39(x^5*y^3) 0.5099463925355792E-10
C40(x^4*y^4) 0.2606463011316836E-9
C41(x^3*y^5) 0.4485956930629984E-9
C42(x^2*y^6) -0.3351715768272032E-9
C43(x^1*y^7) -0.7088549439987446E-10
C44(y^8) 0.7474213547085642E-10
C45(x^9) -0.7056671272072184E-9
C46(x^8*y) 0.4176104169126524E-8
C47(x^7*y^2) 0.6901507491686979E-9
C48(x^6*y^3) 0.1707244701705906E-8
C49(x^5*y^4) -0.1043681567188657E-9
C50(x^4*y^5) -0.3868465931158265E-9
C51(x^3*y^6) -0.1769864426701496E-9
C52(x^2*y^7) -0.2904749839197674E-9
C53(x*y^8) 0.5167553024223719E-10
C54(y^9) 0.8669348988349122E-11
C55(x^10) 0.3948617721101432E-9
C56(x^9*y) -0.4701321313712419E-10
C57(x^8*y^2) 0.5980309265501623E-10
C58(x^7*y^3) 0.7984092689910972E-10
C59(x^6*y^4) -0.2942608881005636E-9
C60(x^5*y^5) 0.171946598084867E-10
C61(x^4*y^6) -0.2126547520189481E-9
C62(x^3*y^7) 0.3294818039868844E-10
C63(x^2*y^8) -0.7937250427695667E-10
C64(x^9*y) -0.9445603210003383E-11
C65(y^10) -0.7447027309736033E-11
【0105】
図4は、第2実施例に係る頭部搭載型ディスプレイ用光学系LS2のスポットダイヤグラムである。図4より、第2実施例では、色収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることがわかる。
【0106】
(第3実施例)
次に、本願の第3実施例について図5図6および表3を用いて説明する。なお、図5は第3実施例に係る頭部搭載型ディスプレイ用光学系LS(LS3)の光路図である。第3実施例に係る頭部搭載型ディスプレイ用光学系LS3は、光源側から順に、光偏向素子M1と、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、基準軸近傍で負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、光反射素子M2とから構成される。光偏向素子M1は、光源からの光(例えば、レーザー光やLED光等の略平行光)の進行方向を変化させる。なお、説明容易化のため、図5では、光偏向素子M1において光の進行方向が変化する様子を、複数種の入射角で絞り(この絞りを光偏向素子M1として示す)を通過する光で示した。
【0107】
第1レンズ群G1は、光源から光偏向素子M1を介して入射した光を集光する。第1レンズ群G1は、光源側から順に、負レンズL11と、正の屈折力を有する第1自由曲面レンズL12と、正の屈折力を有する第2自由曲面レンズL13とから構成される。負レンズL11は、両凹形状に形成される。負レンズL11における両側のレンズ面に、基準軸に対して回転対称な非球面が形成される。第1自由曲面レンズL12は、両凸形状に形成される。第1自由曲面レンズL12における光源側のレンズ面に、基準軸に対して回転対称な非球面および回折光学面が形成され、第1自由曲面レンズL12における描画面I側のレンズ面に、基準軸に対して非回転対称な自由曲面が形成される。第2自由曲面レンズL13は、光源側に凸面を向けたメニスカス形状に形成される。第2自由曲面レンズL13における光源側のレンズ面に、基準軸に対して回転対称な非球面が形成され、第2自由曲面レンズL13における描画面I側のレンズ面に、基準軸に対して非回転対称な自由曲面が形成される。
【0108】
第2レンズ群G2は、第1レンズ群G1による中間結像位置(集光位置)の近傍に配置される。第2レンズ群G2は、負の屈折力を有する拡散レンズL21から構成される。拡散レンズL21は、光源側に凸面を向けたメニスカス形状に形成される。拡散レンズL21における光源側のレンズ面に、拡散透過面が形成される。
【0109】
光反射素子M2は、第2レンズ群G2を透過した光を反射させる反射面M2rを有している。また、光反射素子M2は、この反射面M2rと反対側の面M2sから入射した光を透過させることができるように構成されている。光反射素子M2の反射面M2rは、基準軸に対して非回転対称に形成されている。
【0110】
このような頭部搭載型ディスプレイ用光学系LSでは、光偏向素子M1による光源からの光の進行方向の変化に応じて、光反射素子M2の反射面M2rで反射して頭部搭載型ディスプレイの装着時に網膜に位置すると想定される面(描画面I)上に達する光がこの描画面I上で2次元方向に走査するように移動し、描画面I上に画像が描画されるように構成される。このとき、光反射素子M2を透過して描画面I(網膜)上に達した光により結像される像と重なって、画像が描画されるようになっている。なお、第3実施例では、ユーザーの眼として、光反射素子M2と描画面Iとの間に、焦点距離f=17[mm]の無収差レンズ(図示せず)が配置されているものとする。これにより、光反射素子M2の反射面M2rで反射した光が無収差レンズ(図示せず)を透過して描画面I(網膜)上に集光される。
【0111】
下の表3に、第3実施例における各諸元を示す。なお、表3における第1面〜第12面の曲率半径Rは、図5における第1面〜第12面に付した符号R1〜R12に対応している。
【0112】
(表3)
[レンズデータ]
N R D nC nd nF ng
物体面 ∞ ∞
1(絞り) ∞ 8.7664
2*a -55.2558 1.5000 1.6074 1.6142 1.6314 1.6463
3*a 7.4777 0.5000
4*a 79.0243 0.0500 1.5538 1.5571 1.565 1.5713
5*a*c 79.0243 0.0500 1.5233 1.5278 1.5391 1.5491
6*a 79.0243 3.5620 1.5283 1.53113 1.53783 1.54319
7*b -6.5189 1.5117
8*a 3.5334 2.9263 1.5283 1.53113 1.53783 1.54319
9*b 3.0785 15.0000
10 200.0000 1.0000 1.5283 1.53113 1.53783 1.54319
11 197.0000 31.5000
12*b(反射)-66.0000 -45.0000
像面(描画面) ∞ 0.0000
[偏心データ]
偏心 第12面
XDE 0.0
YDE 0.0
ZDE 0.0
ADE 25.0
BDE 0.0
CDE 0.0
[非球面データ]
第2面係数
k=61.53223377503105
A4=0.001117233798974202
A6=-0.0001507028920918782
A8=0.2126725352871772E-5
A10=0.91093073607483E-7
第3面係数
k=-6.67720051575926
A4=-0.0007382034101680365
A6=0.1602347044190949E-6
A8=0.1185673617018457E-6
A10=-0.9483890402222131E-9
第4面係数
k=175.71268632111
A4=0.000381528250257577
A6=0.361449829130996E-5
A8=-0.107558931083213E-6
A10=-0.542103130739954E-8
第5面係数
k=175.71268632111
A4=0.000381528250257577
A6=0.361449829130996E-5
A8=-0.107558931083213E-6
A10=-0.542103130739954E-8
第6面係数
k=175.7126863211099
A4=0.0003815282502575771
A6=0.3614498291309964E-5
A8=-0.107558931083213E-6
A10=-0.542103130739954E-8
第8面係数
k=-3.816528789284875
A4=0.0002997589906375087
A6=-0.1152321916657979E-4
A8=0.1969329274360649E-6
A10=-0.2182880862990949E-8
[自由曲面データ1]
項 第7面係数
C1(k) -0.3364628619636353
C4(x^2) 0.001111389809964225
C5(x*y) -0.000345633023972219
C6(y^2) 0.004957826540583992
C7(x^3) -0.8403950712470563E-4
C8(x^2*y) -0.0006334087154299026
C9(x*y^2) -0.155374355054229E-4
C10(y^3) -0.0005245756359215623
C11(x^4) 0.000372141838784073
C12(x^3*y^1) -0.1864744397607962E-4
C13(x^2*y^2) 0.0006595063497386374
C14(x^1*y^3) -0.2069965720960925E-5
C15(y^4) 0.000379609866359328
C16(x^5) 0.3837475529663155E-5
C17(x^4*y) 0.199909940626342E-4
C18(x^3*y^2) 0.4632702136050437E-4
C19(x^2*y^3) -0.0001344231633986514
C20(x*y^4) -0.1076425114314026E-5
C21(y^5) -0.3079658423187322E-5
C22(x^6) -0.4824012296215599E-6
C23(x^5*y) -0.6811033610542694E-5
C24(x^4*y^2) 0.3487930519274964E-4
C25(x^3*y^3) 0.778306442825551E-6
C26(x^2*y^4) 0.2776544560849299E-4
C27(x*y^5) 0.9497638333389676E-6
C28(y^6) 0.6709065015909173E-5
C29(x^7) 0.6358093464635089E-7
C30(x^6*y) 0.2246824033003574E-5
C31(x^5*y^2) -0.2184062792257402E-5
C32(x^4*y^3) 0.3159897962061326E-5
C33(x^3*y^4) -0.1529397930536397E-5
C34(x^2*y^5) 0.6616515291670437E-5
C35(x^1*y^6) -0.5053653164983818E-7
C36(y^7) 0.5100339662302451E-7
C37(x^8) 0.3908927771969818E-6
C38(x^7*y^1) 0.2295527350587795E-6
C39(x^6*y^2) -0.1300101306420439E-5
C40(x^5*y^3) -0.413292876878701E-7
C41(x^4*y^4) 0.1311082815847791E-5
C42(x^3*y^5) 0.2816190918246684E-8
C43(x^2*y^6) 0.1210284265050765E-5
C44(x^1*y^7) -0.2591395975591261E-7
C45(y^8) 0.1606482713875591E-6
[自由曲面データ2]
項 第9面係数
C1(k) -6.77657355626851
C4(x^2) -0.002128358710400415
C5(x*y) 0.0006211529504435977
C6(y^2) -0.0146857471219256
C7(x^3) 0.0001607450550941153
C8(x^2*y) -0.001049920702896136
C9(x*y^2) -0.5339830460557105E-4
C10(y^3) 0.0003155842783092288
C11(x^4) -0.001471833409422146
C12(x^3*y^1) 0.0001080632917351919
C13(x^2*y^2) -0.0001421361868672432
C14(x^1*y^3) -0.1161179724972522E-4
C15(y^4) 0.4298830280866484E-5
C16(x^5) -0.3925938275569645E-5
C17(x^4*y) 0.0003800481494676694
C18(x^3*y^2) -0.2954850672310948E-4
C19(x^2*y^3) -0.3788310072687263E-4
C20(x*y^4) 0.5997479309307839E-5
C21(y^5) -0.7168907711651808E-5
C22(x^6) 0.0001225000133339481
C23(x^5*y) 0.2113946080473899E-5
C24(x^4*y^2) 0.8148380209039854E-5
C25(x^3*y^3) -0.1095105430202548E-5
C26(x^2*y^4) -0.256688443064381E-4
C27(x*y^5) 0.5505210595164379E-7
C28(y^6) -0.339586840784051E-5
C29(x^7) -0.2820684838114497E-6
C30(x^6*y) -0.2009020233590986E-4
C31(x^5*y^2) 0.1227092916159645E-5
C32(x^4*y^3) 0.4568725315420399E-5
C33(x^3*y^4) 0.6426244168301948E-6
C34(x^2*y^5) -0.156702271184445E-5
C35(x^1*y^6) -0.7630426422037567E-7
C36(y^7) 0.1355347911491596E-6
C37(x^8) -0.3608217232904656E-5
[自由曲面データ3]
項 第12面係数
C1(k) -4.0
C4(x^2) -0.0020593819522202
C7(x^3) 0.2511626120412692E-5
C11(x^4) 0.4430092334334631E-4
C16(x^5) 0.2499682762769764E-6
C22(x^6) -0.2488002816824596E-5
C29(x^7) -0.1183737952292583E-7
C37(x^8) 0.6958708070498757E-7
C46(x^9) 0.3912166160352333E-9
C56(x^10) -0.9268050242165196E-9
[回折光学面データ]
項 第5面係数
C1(x) 0.000186432913712339
C2(y) -0.000334028384455803
C3(x^2) -0.000400706036884263
C4(x*y) 0.221926248104121E-4
C5(y^2) -0.0005496459597546
C6(x^3) 0.657292046059681E-5
C7(x^2*y) 0.6278671042198401E-5
C8(x*y^2) 0.8636794643805789E-5
C9(y^3) 0.473536699269363E-5
C10(x^4) 0.249196177587225E-4
C11(x^3*y^1) 0.4470566188511271E-5
C12(x^2*y^2) 0.5660848502605312E-4
C13(x^1*y^3) -0.9879118046431838E-6
C14(y^4) 0.22869493158194E-4
C15(x^5) -0.282604520614315E-5
C16(x^4*y) -0.138087340623321E-4
C17(x^3*y^2) -0.357200792044669E-5
C18(x^2*y^3) 0.4306011297920189E-5
C19(x*y^4) -0.168874973117509E-5
C20(y^5) -0.131812119121683E-5
C21(x^6) -0.111836888819939E-5
C22(x^5*y) 0.536585886344322E-6
C23(x^4*y^2) -0.6205464353723851E-5
C24(x^3*y^3) 0.171843584946866E-6
C25(x^2*y^4) -0.240213149514409E-5
C26(x*y^5) 0.597793502065084E-7
C27(y^6) -0.444618149861892E-7
C28(x^7) -0.898537554431373E-9
C29(x^6*y) 0.270211057167523E-5
C30(x^5*y^2) 0.227481948957823E-6
C31(x^4*y^3) -0.181802535043457E-5
C32(x^3*y^4) 0.200702230224553E-7
C33(x^2*y^5) 0.663005133632598E-6
C34(x^1*y^6) 0.6982200936000581E-7
C35(y^7) 0.612245076412055E-7
C36(x^8) 0.350655378073152E-6
C37(x^7*y^1) -0.106574777334788E-6
C38(x^6*y^2) 0.6632704708545499E-6
C39(x^5*y^3) -0.111237522680437E-8
C40(x^4*y^4) -0.188163478389313E-6
C41(x^3*y^5) -0.821421390471722E-7
C42(x^2*y^6) 0.100809875031883E-6
C43(x^1*y^7) 0.111306164297601E-9
C44(y^8) -0.220079301279993E-7
【0113】
図6は、第3実施例に係る頭部搭載型ディスプレイ用光学系LS3のスポットダイヤグラムである。図6より、第3実施例では、色収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることがわかる。
【0114】
下の表4に、各実施例における条件式対応値を示す。
【0115】
(表4)
[基礎データ] 第1実施例 第2実施例 第3実施例
f1 20.2574 20.3887 17.797
f2 -1311.24 -741.839 -27960.2
fd ― 41.8669 11.4242
d1 ― ― 0.05
d2 ― ― 0.05
fm 33.0 33.0 33.0
dm 31.1429 32.0547 31.5
Ndh ― ― 1.5571
Ndl ― ― 1.5278
[条件対応値] 第1実施例 第2実施例 第3実施例
条件式(1) m= 0.60355 0.60755 0.53834
条件式(2) |f2/f1|=
(−f2)/f1= 64.729 36.385 1571.06
条件式(3) |1/f2|=
1/(−f2)= 0.000763 0.001348 0.000036[mm-1
条件式(4) Δνd= 30.1 30.1 30.1
条件式(5) fd/f1= ― 2.0534 0.64192
条件式(6) dm/(fm)2= 0.0286 0.0294 0.02893[mm-1
条件式(7) Ndh−Ndl= ― ― 0.0293
条件式(8)(d1+d2)/f1= ― ― 0.00562
【0116】
このように各実施例では、上述した各条件式がそれぞれ満たされていることが分かる。以上、各実施例によれば、小型軽量で優れた光学性能を得ることができる。
【符号の説明】
【0117】
DSP 頭部搭載型ディスプレイ
LS 頭部搭載型ディスプレイ用光学系
G1 第1レンズ群 G2 第2レンズ群
M1 光偏向素子 M2 光反射素子(M2r 反射面)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9