特許第5945269号(P5945269)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5945269結合ポリマフィルム磨耗面を有する空気軸受およびその製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5945269
(24)【登録日】2016年6月3日
(45)【発行日】2016年7月5日
(54)【発明の名称】結合ポリマフィルム磨耗面を有する空気軸受およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   F16C 33/20 20060101AFI20160621BHJP
   F16C 32/06 20060101ALI20160621BHJP
   B32B 27/34 20060101ALI20160621BHJP
   H01L 21/027 20060101ALI20160621BHJP
【FI】
   F16C33/20 A
   F16C32/06 A
   B32B27/34
   H01L21/30 503A
【請求項の数】14
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2013-515780(P2013-515780)
(86)(22)【出願日】2011年4月6日
(65)【公表番号】特表2013-532263(P2013-532263A)
(43)【公表日】2013年8月15日
(86)【国際出願番号】EP2011055378
(87)【国際公開番号】WO2011160867
(87)【国際公開日】20111229
【審査請求日】2014年4月7日
(31)【優先権主張番号】61/357,771
(32)【優先日】2010年6月23日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503195263
【氏名又は名称】エーエスエムエル ホールディング エヌ.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(72)【発明者】
【氏名】パリザ,ドラゴス
(72)【発明者】
【氏名】デル プエルト,サンティアゴ
【審査官】 村上 聡
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−329133(JP,A)
【文献】 特開2002−265912(JP,A)
【文献】 特開2000−027869(JP,A)
【文献】 特開平11−303871(JP,A)
【文献】 特開平09−144757(JP,A)
【文献】 特開2002−178341(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16C 33/20
B32B 27/34
F16C 32/06
H01L 21/027
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を準備することと、
前記基板上に結合層を堆積することと、
ポリマフィルムに真空を適用して平坦な軸受面を形成することと、
前記結合層上に前記ポリマフィルムを堆積することと、
を含む、空気軸受の軸受面を製造する方法。
【請求項2】
前記基板は、金属、ガラスおよびセラミックからなる群から選択される材料から成る、請求項1に記載の方法
【請求項3】
前記結合層は、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテルおよび2,2,4−トリメチルヘキサメチレン−1,6−ジアミンを含む、請求項1に記載の方法
【請求項4】
前記ポリマフィルムは、ポリオキシジフェニレンピロメリットイミドを含む、請求項1に記載の方法
【請求項5】
前記ポリマフィルムは、少なくとも厚さ25ミクロンである、請求項1に記載の方法
【請求項6】
真空チャックの平面上にポリマフィルムを配置することと、
前記ポリマフィルムに真空を適用することと、
前記ポリマフィルムの表面上に液状エポキシを配置することと、
前記ポリマフィルムを基板と接触させずに前記基板を前記液状エポキシ上に配置することと、
前記基板を前記液状エポキシ上に解放することと、
重りを前記基板上に配置することと、
前記液状エポキシを硬化させることと、
前記重りを除去することと、
前記ポリマフィルムを前記真空チャックから剥離することと、
を含む、空気軸受の軸受面を製造する方法。
【請求項7】
前記基板の外形と合うように前記ポリマフィルムをトリミングすることをさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項8】
堆積させるステップの前に重力と実質的に垂直に前記真空チャックを位置決めすることをさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記適用するステップは、前記真空チャックの前記平面に適合するように前記ポリマフィルムを引く、請求項に記載の方法。
【請求項10】
堆積させるステップの前に前記エポキシを予備混合および脱気することをさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記液状エポキシを堆積させるステップは、前記エポキシを前記基板の形状に依存する形状で堆積させることを含む、請求項に記載の方法。
【請求項12】
前記基板を配置することは、前記基板を前記重力と実質的に垂直に維持することを含む、請求項に記載の方法。
【請求項13】
前記基板が前記ポリマフィルムの前記表面から約0〜1ミリメートルの範囲にあった場合、前記基板は解放される、請求項に記載の方法。
【請求項14】
エポキシによって基板をコーティングすることと、
ポリマフィルムを前記エポキシ上に広げることと、
前記ポリマフィルムに通気孔を形成することと、
前記エポキシによって前記基板に固定された前記ポリマフィルムを光学平面上に置くことと、
余分のエポキシを搾り出すために前記基板に力を加えることであって、前記通気孔は、前記ポリマフィルムと前記光学平面との間に捕捉されたガスを放出する、ことと、
前記ポリマフィルムを前記光学平面から引き離すことと、
を含む、空気軸受の軸受面を製造する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
[0001] 本願は、2010年6月23日に出願した米国仮出願第61/357,771号の優先権を主張し、その全体を本願に参考として組み込む。
【0002】
[0002] 本発明は、一般に、リソグラフィに関し、より詳細には、空気軸受に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] リソグラフィは、集積回路(IC)、ならびに他のデバイスおよび構造を製造するための重要なプロセスとして広く認識されている。リソグラフィ装置は、リソグラフィ中に使用される、パターンを基板上、例えば、基板のターゲット部分上に付与する機械である。リソグラフィ装置を用いたICの製造中、パターニングデバイス(マスクまたはレチクルとも呼ばれる)は、ICにおける個々の層上に形成される回路パターンを生成する。このパターンは、基板(例えば、シリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば、ダイの一部、または1つ以上のダイを含む)に転写することができる。通常、パターンの転写は、基板上に設けられた放射感応性材料(例えば、レジスト)層上への結像によって行われる。一般には、単一の基板が、連続的にパターニングされる隣接したターゲット部分のネットワークを含んでいる。ICの異なる層を製造することは、多くの場合、異なるレチクルを有する異なる層上に異なるパターンを結像することを要求する。したがって、レチクルおよび基板はリソグラフィプロセス中に変更される必要がある。レチクルハンドリングを容易にするために、レチクルを支持するステージには空気軸受が設けられる。
【0004】
[0004] 軸受は、可動部分間の摩擦を減らし、および/または可動荷重を支持するデバイスである。軸受には主に2つの種類がある。減摩軸受は、ころ軸受または玉軸受などのデバイスを用いて摩擦を最小にする。摩擦軸受は、活性潤滑または可動部分間の動作を容易にするための他の手段を用いて摩擦を最小にする。摩擦軸受は滑り軸受としても知られている。多数の軸受アセンブリは、両方の原理、例えば、潤滑玉軸受アセンブリを利用する。
【0005】
[0005] 空気軸受は摩擦または滑り軸受の一例である。これは、圧縮ガスを用いて軸受面が載せられて移動する均一なガスフィルムを生成する。ガスフィルムは、空気軸受の表面間で平滑な動作を容易にする事実上ほぼ摩擦のない潤滑剤として機能する。潤滑ガスフィルムが生成される軸受面を「活性表面」と呼ぶ。一般的に、空気軸受は、潤滑ガスフィルムを維持するために少なくとも安定した圧縮ガス源を必要とする。
【0006】
[0006] 上記したように、空気軸受のための例示的環境は、半導体のリソグラフィ分野にある。ここで、空気軸受には多数の利点が与えられる。空気軸受には事実上摩擦がなく、したがって、軸受が動作するときに微粒子の磨耗材料を生成しない。そのような微粒子物質は、超清浄半導体製造環境において面倒なことになり得る。さらに、玉またはころ軸受に存在する潤滑剤は、半導体製造環境に有害である汚染分子からガスを放出することができる。空気軸受は、さらに、比較的少ないメンテナンスまたは定期的な修理を必要とする。
【0007】
[0007] これら全ての利点にもかかわらず、空気軸受表面間の偶発的な「ドライ」接触が使用中に起きて従来の空気軸受表面を引っ掻きその性能に欠陥を生じさせる。この問題を解決するために、従来の軸受が研磨された花崗岩またはクロムめっき鋼の案内路に乗る一方、軸受自体は浸炭ステンレス鋼によって加工されている。浸炭プロセスは、鋼のスキン層を硬化させることによって耐摩耗性、耐腐食性および耐摩損性を提供する。鋼の大部分は硬化されないままであり、したがって、硬度は表面で最大であり、表面からの距離の直接関数としてスキン層の厚さを介して迅速かつ連続的に減る。あいにく、浸炭プロセスは、軸受が再粉砕されることを要求して軸受を僅かに変形させ、これは部分的かつ少し不均一に硬化された層を取り除く。最終製品は機能的かつ平坦な軸受であるが、硬化されたスキン層の厚さは軸受表面にわたって均一ではない。さらに、その厚さは、平坦性を回復させるために必要とされた粉砕の深さによって軸受ごとに異なる。実際には、軸受の硬度は浸炭プロセスによって厳密に制御することはできない。
【0008】
[0008] 硬化したスキン層の不均一性は、リソグラフィレチクルハンドラモジュールで使用される異なるシール軸受の場合に悪化する。このシール軸受はステージ軸受より一段階大きく、薄い鋼板から成る。薄い鋼板は、その部分の加熱を必要とする浸炭プロセスを含むあらゆる処理によって永久的に変形する傾向がある。真空環境においては、浸炭鋼は、良好な耐摩損性を提供し、過度の量の粒子を生成せず、比較的低価格である。したがって、これは従来最適な表面処理であった。
【0009】
[0009] 空気軸受設計の改善は常に必要とされている。これは、製造ツールがより正確な許容差かつより早い速度へと常に押し進められる半導体リソグラフィツールの分野において特に当てはまる。
【発明の概要】
【0010】
[0010] 上記を踏まえると、真空対応であって軸受にガスが入力されないときに乾燥滑りを含むあらゆる潤滑なしで動作することができる空気軸受面を生成する方法が必要である。さらに、真空チャンバの汚染を防止するためにそのような状況下で非常に少ない粒子(ある場合)を生成する空気軸受面が必要である。改善される空気軸受は低価格であるべきである。これらの要求を満たすために、本発明の実施形態は、結合ポリマフィルム磨耗面を有する空気軸受およびその製造方法に関する。
【0011】
[0011] 例えば、本発明の一実施形態は、基板と、基板上に配置された結合層と、結合層上に配置されたポリイミドフィルムとを含む軸受面を有する空気軸受を提供する。基板はセラミック材料であってよく、結合層は、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテルおよび2,2,4−トリメチルヘキサメチレン−1,6−ジアミンを含んでよい。ポリイミドフィルムは、ポリオキシジフェニレンピロメリットイミドを含み、約7〜100ミクロンの範囲にあってよく、少なくとも厚さ25ミクロンであることが好ましい。空気軸受はリソグラフィ装置で使用することができる。
【0012】
[0012] さらなる例では、本発明の一実施形態は、空気軸受の軸受面を製造する方法を提供する。方法は、真空チャックの平面上にポリイミドフィルムを配置することと、ポリイミドフィルムに真空を適用することと、ポリイミドフィルムの表面上に液状エポキシを配置することとを含んでよい。ポリイミドフィルムを基板と接触させずに基板を液状エポキシ上に配置することができる。基板は液状エポキシ上に解放され、重りは基板上に配置される。液状エポキシは硬化されて重りは除去される。ポリイミドフィルムは、真空チャックから剥離される。基板の外形と合うようにポリアミドフィルムをトリミングすることができる。
【0013】
[0013] 本発明のさらなる特徴および利点、ならびに本発明の様々な実施形態の構造および動作を、添付の図面を参照しながら以下に詳細に説明する。本発明は、本明細書で説明する特定の実施形態に限定されないことに留意されたい。このような実施形態は、本明細書では例示のためにのみ提示されている。本明細書に含まれる教示に基づき、当業者には追加の実施形態が明白になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
[0014] 明細書に組み込まれ、本明細書の一部を形成する添付の図面は、本発明を図示し、さらに、記述とともに本発明の原理を説明し、当業者が本発明を作成して使用できるように役立つ。
図1A】[0015] 図1Aは、反射型リソグラフィ装置を示す。
図1B】[0015] 図1Bは、透過型リソグラフィ装置を示す。
図2】[0016] 図2は、例示的EUVリソグラフィ装置を示す。
図3】[0017] 図3は、本発明による、結合ポリマフィルム磨耗面を有する例示的空気軸受を示す。
図4】[0018] 図4は、本発明による、結合ポリマフィルム磨耗面を有する空気軸受を製造する例示的方法のフローチャートである。
図5A】[0019] 図5Aは、本発明による、結合ポリマフィルム磨耗面を有する空気軸受を製造する例示的方法を示す。
図5B】[0019] 図5Bは、本発明による、結合ポリマフィルム磨耗面を有する空気軸受を製造する例示的方法を示す。
図5C】[0019] 図5Cは、本発明による、結合ポリマフィルム磨耗面を有する空気軸受を製造する例示的方法を示す。
図5D】[0019] 図5Dは、本発明による、結合ポリマフィルム磨耗面を有する空気軸受を製造する例示的方法を示す。
図5E】[0019] 図5Eは、本発明による、結合ポリマフィルム磨耗面を有する空気軸受を製造する例示的方法を示す。
図5F】[0019] 図5Fは、本発明による、結合ポリマフィルム磨耗面を有する空気軸受を製造する例示的方法を示す。
図5G】[0019] 図5Gは、本発明による、結合ポリマフィルム磨耗面を有する空気軸受を製造する例示的方法を示す。
図6】[0020] 図6は、本発明による、結合ポリマフィルム磨耗面を有する空気軸受を製造する別の例示的方法のフローチャートである。
【0015】
[0021] 本発明における図は必ずしも縮尺通りに描かれていない。本発明の特徴および利点は、以下に述べる詳細な説明を図面と組み合わせて考慮することによりさらに明白になるであろう。ここで、同様の参照文字は全体を通して対応する要素を識別する。図面では、同様の参照番号は全体的に同一、機能的に類似する、および/または構造的に類似する要素を示す。要素が最初に現れた図面を、対応する参照番号の最も左側の(1つ以上の)桁で示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
1.概要
[0022] 本発明は、結合ポリマフィルム磨耗面およびその製造方法に関する。本明細書は、本発明の特徴を組み込んだ1つ以上の実施形態を開示する。開示される(1つ以上の)実施形態は、本発明を例示するに過ぎない。本発明の範囲は開示される(1つ以上の)実施形態に限定されない。本発明は添付の特許請求の範囲によって定義される。
【0017】
[0023] 本説明は、半導体リソグラフィの分野の文脈において与えられる。この環境は、本発明の特定の特徴を上手く示すように選択される。しかしながら、環境は、添付の特許請求の範囲に記載された特徴を超えて本発明を限定するように解釈されるべきではない。当業者は、当然、半導体リソグラフィツールの文脈を超えて本明細書中に記載される特徴を有する空気軸受に対して多数の使用を想定する。
【0018】
[0024] 記載される実施形態、および「一実施形態」、「実施形態」、「例示的実施形態」などへの本明細書における言及は、記載される(1つ以上の)実施形態が特定の特徴、構造または特性を含むことができるが、それぞれの実施形態が必ずしも特定の特徴、構造または特性を含まないことを示す。さらに、そのようなフレーズは、必ずしも同じ実施形態に言及するものではない。さらに、一実施形態に関連して特定の特徴、構造または特性について記載している場合、明示的に記載されているか記載されていないかにかかわらず、そのような特徴、構造、または特性を他の実施形態との関連で実行することが当業者の知識にあることが理解される。
【0019】
[0025] 結合ポリマフィルム磨耗面を有する空気軸受およびその製造方法を開示する。例えば、ペイロード(payload)を支持するための空気軸受を開示する。空気軸受は、結合層によって基板に固定されたポリイミドフィルムを有する軸受面を有する。一実施形態では、ポリイミドフィルムは、ポリオキシジフェニレンピロメリットイミドを含み、結合層は、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテルおよび2,2,4−トリメチルヘキサメチレン−1,6−ジアミンを含む。軸受面は、真空対応であって軸受にガスが入力されないときに乾燥滑りを含むあらゆる潤滑なし動作をすることができる。さらに、チャンバの汚染を防止するために、軸受面は、乾燥滑り状況下で非常に少ない粒子を生成する。この解決策は、従来のエア軸受と比較したときに低価格でもある。
【0020】
[0026] 本発明の実施形態は、低価格な材料および容易なプロセスを用いて有用かつ非常に平坦な工具面の複製を可能にする。費用のかかる精密な粉砕および熱処理ステップを回避する一方、高い性能、ロバスト性および耐久性が達成される。さらなる利点としては、真空環境における金属対金属の摩損が排除されることが挙げられる。
【0021】
[0027] これらおよび他の実施形態をより詳細に説明する前に、本発明の実施形態を実施することができる例示的環境を示すことが有益である。
【0022】
II.例示的リソグラフィ環境
A.例示的反射型および透過型リソグラフィシステム
[0028] 図1Aおよび図1Bは、それぞれリソグラフィ装置100およびリソグラフィ装置100’を概略的に示す。リソグラフィ装置100およびリソグラフィ装置100’の各々は、放射ビームB(例えば、DUVまたはEUV放射)を調整するように構成された照明システム(イルミネータ)ILと、パターニングデバイス(例えば、マスク、レチクルまたは動的パターニングデバイス)MAを支持するように構成され、かつパターニングデバイスMAを正確に位置決めするように構成された第1ポジショナPMに連結されているサポート構造(例えば、マスクテーブル)MTと、基板(例えば、レジストコート基板)Wを保持するように構成され、かつ基板Wを正確に位置決めするように構成された第2ポジショナPWに連結されている基板テーブル(例えば、ウェーハテーブル)WTとを備える。リソグラフィ装置100および100’は、パターニングデバイスMAによって放射ビームBに付けられたパターンを基板Wのターゲット部分(例えば、1つ以上のダイを含む)C上に投影するように構成された投影システムPSも有する。リソグラフィ装置100では、パターニングデバイスMAおよび投影システムPSは反射型であり、リソグラフィ装置100’では、パターニングデバイスMAおよび投影システムPSは透過型である。
【0023】
[0029] 照明システムILとしては、放射Bを誘導し、整形し、または制御するために、屈折型、反射型、磁気型、電磁型、静電型、またはその他のタイプの光コンポーネント、あるいはそれらのあらゆる組合せなどのさまざまなタイプの光コンポーネントを含むことができる。
【0024】
[0030] サポート構造MTは、パターニングデバイスMAの向き、リソグラフィ装置100および100’の設計、および、パターニングデバイスMAが真空環境内で保持されているか否かなどの他の条件に応じた態様で、パターニングデバイスMAを保持する。サポート構造MTは、機械式、真空式、静電式またはその他のクランプ技術を使って、パターニングデバイスMAを保持することができる。サポート構造MTは、例えば、必要に応じて固定または可動式にすることができるフレームまたはテーブルであってもよい。サポート構造MTは、パターニングデバイスを、例えば、投影システムPSに対して所望の位置に確実に置くことができる。
【0025】
[0031] 「パターニングデバイス」MAという用語は、基板Wのターゲット部分C内にパターンを作り出すように、放射ビームBの断面にパターンを与えるために使用できるあらゆるデバイスを指していると、広く解釈されるべきである。放射ビームBに付けたパターンは、集積回路などのターゲット部分C内に作り出されるデバイス内の特定の機能層に対応してもよい。
【0026】
[0032] パターニングデバイスMAは、透過型(図1Bのリソグラフィ装置100’のように)であっても、反射型(図1Aのリソグラフィ装置100のように)であってもよい。パターニングデバイスMAの例としては、レチクル、マスク、プログラマブルミラーアレイ、およびプログラマブルLCDパネルが含まれる。マスクは、リソグラフィでは公知であり、バイナリ、レベンソン型(alternating)位相シフト、およびハーフトーン型(attenuated)位相シフトなどのマスク型、ならびに種々のハイブリッドマスク型を含む。プログラマブルミラーアレイの一例では、小型ミラーのマトリックス配列が用いられており、各小型ミラーは、入射する放射ビームを様々な方向に反射させるように、個別に傾斜させることができる。傾斜されたミラーは、ミラーマトリックスによって反射される放射ビームBにパターンを付ける。
【0027】
[0033] 「投影システム」PSという用語は、使われている露光放射にとって、あるいは液浸液の使用または真空の使用といった他の要因にとって適切な、屈折型、反射型、反射屈折型、磁気型、電磁型、および静電型光学系、またはそれらのあらゆる組合せを含むあらゆる型の投影システムを包含し得る。EUVまたは電子ビーム放射に対しては真空環境が使用されてもよい。なぜなら、他のガスは放射または電子を吸収しすぎてしまう場合があるからである。したがって、真空環境は、真空壁および真空ポンプを用いてビームパス全体に提供されてよい。
【0028】
[0034] リソグラフィ装置100および/またはリソグラフィ装置100’は、2つ(デュアルステージ)以上の基板テーブル(および/または2つ以上のマスクテーブル)WTを有する型のものであってもよい。そのような「マルチステージ」機械においては、追加の基板テーブルWTを並行して使うことができ、または予備工程を1つ以上のテーブル上で実行しつつ、別の1つ以上の基板テーブルWTを露光用に使うこともできる。リソグラフィ装置100では、装置の1つ以上の可動部分に空気(例えば、エア)軸受を設けることができる。例えば、基板テーブルWT、マスクテーブルMTおよびレチクルハンドリングデバイスなどのデバイスを空気軸受によって支持することができる。
【0029】
[0035] 図1Aおよび図1Bを参照すると、イルミネータILは、放射源SOから放射ビームを受ける。例えば、放射源SOがエキシマレーザである場合、放射源SOとリソグラフィ装置100および100’は、別個の構成要素であってもよい。そのような場合には、放射源SOは、リソグラフィ装置100または100’の一部を形成しているとはみなされず、また放射ビームBは、放射源SOからイルミネータILへ、例えば、適切な誘導ミラーおよび/またはビームエキスパンダを含むビームデリバリシステムBD(図1B)を使って送られる。その他の場合においては、例えば、放射源SOが水銀ランプである場合、放射源SOは、リソグラフィ装置100および100’の一体部分とすることもできる。放射源SOおよびイルミネータILは、必要ならばビームデリバリシステムBDとともに、放射システムと呼んでもよい。
【0030】
[0036] イルミネータILは、放射ビームの角強度分布を調節するアジャスタAD(図1B)を含むことができる。一般に、イルミネータの瞳面内の強度分布の少なくとも外側および/または内側半径範囲(通常、それぞれσ-outerおよびσ-innerと呼ばれる)を調節することができる。さらに、イルミネータILは、インテグレータINおよびコンデンサCOといったさまざまな他のコンポーネント(図1B)を含むことができる。イルミネータILを使って放射ビームBを調整すれば、放射ビームの断面に所望の均一性および強度分布をもたせることができる。
【0031】
[0037] 図1Aを参照すると、放射ビームBは、サポート構造(例えば、マスクテーブル)MT上に保持されているパターニングデバイス(例えば、マスク)MA上に入射して、パターニングデバイスMAによってパターン形成される。リソグラフィ装置100では、パターニングデバイス(例えば、マスク)MAから放射ビームBが反射される。パターニングデバイス(例えば、マスク)MAから反射した後、放射ビームBは投影システムPSを通過し、投影システムPSは、基板Wのターゲット部分C上に放射ビームBの焦点をあわせる。第2ポジショナPWおよび位置センサIF2(例えば、干渉計デバイス、リニアエンコーダ、または静電容量センサ)を使って、例えば、さまざまなターゲット部分Cを放射ビームBのパス内に位置決めするように、基板テーブルWTを正確に動かすことができる。同様に、第1ポジショナPMおよび別の位置センサIF1を使い、パターニングデバイス(例えば、マスク)MAを放射ビームBのパスに対して正確に位置決めすることもできる。パターニングデバイス(例えば、マスク)MAおよび基板Wは、マスクアライメントマークM1およびM2と、基板アライメントマークP1およびP2とを使って、位置合わせされてもよい。
【0032】
[0038] 図1Bを参照すると、放射ビームBは、サポート構造(例えば、マスクテーブルMT)上に保持されているパターニングデバイス(例えば、マスクMA)上に入射して、パターニングデバイスによってパターン形成される。マスクMAを通り抜けた後、放射ビームBは投影システムPSを通過し、投影システムPSは、基板Wのターゲット部分C上にビームの焦点をあわせる。第2ポジショナPWおよび位置センサIF(例えば、干渉計デバイス、リニアエンコーダ、または静電容量センサ)を使って、例えば、さまざまなターゲット部分Cを放射ビームBの経路内に位置決めするように、基板テーブルWTを正確に動かすことができる。同様に、第1ポジショナPMおよび別の位置センサ(図1Bには明示的に示されていない)を使い、例えば、マスクライブラリからマスクを機械的に取り出した後またはスキャン中に、マスクMAを放射ビームBの経路に対して正確に位置決めすることもできる。
【0033】
[0039] 通常、マスクテーブルMTの移動は、第1ポジショナPMの一部を形成するロングストロークモジュール(粗動位置決め)およびショートストロークモジュール(微動位置決め)を使って達成することができる。同様に、基板テーブルWTの移動も、第2ポジショナPWの一部を形成するロングストロークモジュールおよびショートストロークモジュールを使って達成することができる。ステッパの場合は(スキャナとは対照的に)、マスクテーブルMTは、ショートストロークアクチュエータのみに連結されてもよく、または固定されてもよい。マスクMAおよび基板Wは、マスクアライメントマークM1およびM2と、基板アライメントマークP1およびP2とを使って、位置合わせされてもよい。例示では基板アライメントマークが専用ターゲット部分を占めているが、基板アライメントマークをターゲット部分とターゲット部分との間の空間内に置くこともできる(これらは、スクライブラインアライメントマークとして公知である)。同様に、複数のダイがマスクMA上に設けられている場合、マスクアライメントマークは、ダイとダイの間に置かれてもよい。
【0034】
[0040] リソグラフィ装置100および100’は、以下のモードのうち少なくとも1つのモードで使用できる。
【0035】
[0041] 1.ステップモードにおいては、サポート構造(例えば、マスクテーブル)MTおよび基板テーブルWTを基本的に静止状態に保ちつつ、放射ビームBに付けられたパターン全体を一度にターゲット部分C上に投影する(すなわち、単一静的露光)。その後、基板テーブルWTは、Xおよび/またはY方向に移動され、それによって別のターゲット部分Cを露光することができる。
【0036】
[0042] 2.スキャンモードにおいては、サポート構造(例えば、マスクテーブル)MTおよび基板テーブルWTを同期的にスキャンする一方で、放射ビームBに付けられたパターンをターゲット部分C上に投影する(すなわち、単一動的露光)。サポート構造(例えば、マスクテーブル)MTに対する基板テーブルWTの速度および方向は、投影システムPSの(縮小)拡大率および像反転特性によって決めることができる。
【0037】
[0043] 3.別のモードにおいては、プログラマブルパターニングデバイスを保持した状態で、サポート構造(例えば、マスクテーブル)MTを基本的に静止状態に保ち、また基板テーブルWTを動かす、またはスキャンする一方で、放射ビームBに付けられたパターンをターゲット部分C上に投影する。パルス放射源SOが採用されており、さらにプログラマブルパターニングデバイスは、基板テーブルWTの移動後ごとに、またはスキャン中の連続する放射パルスと放射パルスとの間に、必要に応じて更新される。この動作モードは、前述の型のプログラマブルミラーアレイといったプログラマブルパターニングデバイスを利用するマスクレスリソグラフィに容易に適用することができる。
【0038】
[0044] 上述の使用モードの組合せおよび/またはバリエーション、あるいは完全に異なる使用モードもまた採用可能である。
【0039】
[0045] 本明細書において、IC製造におけるリソグラフィ装置の使用について具体的な言及がなされているが、本明細書記載のリソグラフィ装置が、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用のガイダンスパターンおよび検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッド等の製造といった他の用途を有し得ることが理解されるべきである。当業者にとっては当然のことであるが、そのような別の用途においては、本明細書で使用される「基板」または「ダイ」という用語はすべて、それぞれより一般的な「基板」または「ターゲット部分」という用語と同義であるとみなしてよい。本明細書に記載した基板は、露光の前後を問わず、例えば、トラック(通常、基板にレジスト層を塗布し、かつ露光されたレジストを現像するツール)、メトロロジーツール、および/またはインスペクションツールで処理されてもよい。適用可能な場合には、本明細書中の開示内容を上記のような基板プロセシングツールおよびその他の基板プロセシングツールに適用してもよい。さらに基板は、例えば、多層ICを作るために複数回処理されてもよいので、本明細書で使用される基板という用語は、すでに多重処理層を包含している基板を表すものとしてもよい。
【0040】
[0046] さらなる実施形態においては、リソグラフィ装置100は、EUVリソグラフィのためのEUV放射ビームを生成するように構成された極端紫外線(EUV)源を含む。一般には、EUV源は放射システム内に構成されており(下記参照)、対応する照明システムはEUV源のEUV放射ビームを調整するように構成されている。
【0041】
B.例示的EUVリソグラフィ装置
[0047] 図2は、本発明の一実施形態による例示的EUVリソグラフィ装置200を概略的に示す。図2では、EUVリソグラフィ装置200は、放射システム42、照明光学ユニット44および投影システムPSを含む。放射システム42は、放射ビームが放電プラズマによって形成され得る放射源SOを含む。一実施形態では、EUV放射は、電磁スペクトルのEUV範囲内の放射を放出するために非常に高温のプラズマが生成される、例えば、Xeガス、Li蒸気あるいはSn蒸気などのガスまたは蒸気によって生成され得る。非常に高温のプラズマは、少なくとも部分的にイオン化されたプラズマを、例えば、放電によって生成することによって作り出すことができる。例えば、10PaのXe、Li、Sn蒸気、あるいは任意の他の適したガスまたは蒸気の分圧が、放射の効率的な生成のために必要とされることがある。放射源SOによって放出される放射は、放射源チャンバ47から、放射源チャンバ47における開口部内またはその後方に位置決めされたガスバリアまたは汚染物質トラップ49を介してコレクタチャンバ48へと進む。一実施形態では、ガスバリア49はチャネル構造を含んでもよい。
【0042】
[0048] コレクタチャンバ48は、かすめ入射コレクタによって形成され得る放射コレクタ50(集光ミラーまたはコレクタとも呼ぶ)を含む。放射コレクタ50は、上流放射コレクタ側50aおよび下流放射コレクタ側50bを有する。コレクタ50を通った放射は、格子スペクトルフィルタ51から反射してコレクタチャンバ48内のアパーチャにおける仮想光源点52に合焦することができる。放射コレクタ50は、当業者には周知である。
【0043】
[0049] 放射ビーム56は、集光チャンバ48から、法線入射リフレクタ53および54を介してレチクルまたはマスクテーブルMT上に位置決めされたレチクルまたはマスク(図示せず)上へと照明光学ユニット44内で反射する。パターン付きビーム57が形成され、これは、投影システムPSにおいて反射要素58および59を介してウェーハステージまたは基板テーブルWT上で支持された基板(図示せず)上に結像される。様々な実施形態では、照明光学ユニット44および投影システムPSは、図2に示されたものよりも多くの(または少ない)要素を含んでもよい。例えば、格子スペクトルフィルタ51は、リソグラフィ装置のタイプによって任意的に存在してもよい。さらに、一実施形態では、照明光学ユニット44および投影システムPSは、図2に示されたものよりも多くのミラーを含んでもよい。例えば、投影システムPSは、反射要素58および59に加えて1〜4個の反射要素を組み入れてもよい。図2では、参照番号180は2つのリフレクタ間の空間、例えば、リフレクタ142とリフレクタ143との間の空間を示す。
【0044】
[0050] 一実施形態では、集光ミラー50は、かすめ入射ミラーの代わりにまたはそれに加えて法線入射コレクタを含んでもよい。さらに、集光ミラー50は、リフレクタ142、143および146を有する入れ子化されたコレクタについて記述されているが、本明細書中、コレクタの一例としてさらに使用されている。
【0045】
[0051] さらに、図2に概略的に示すような格子51の代わりに、透過型光フィルタが適用されてもよい。EUVが透過する光フィルタ、ならびにUV放射があまり透過せず、またはUV放射を実質的に吸収までもする光フィルタは、当業者には周知である。したがって、「格子スペクトル純度フィルタ」は、本明細書中、格子または透過型フィルタを含む「スペクトル純度フィルタ」としてほぼ同じ意味でさらに示される。図2には示されていないが、EUV透過型光フィルタは、例えば集光ミラー50の上流に構成された追加の光学要素、あるいは照明ユニット44および/または投影システムPSにおける光EUV透過型フィルタとして含まれてもよい。
【0046】
[0052] 光学要素に対する「上流」および「下流」という用語は、それぞれ、1つ以上の追加の光学要素の「光学的上流」および「光学的下流」である1つ以上の光学要素の位置を示す。放射ビームがリソグラフィ装置200を通り抜ける光路に従って、第2光学要素より放射源SOに近い第1光学要素は第2光学要素の上流に構成され、第2光学要素は第1光学要素の下流に構成される。例えば、集光ミラー50がスペクトルフィルタ51の上流に構成されるのに対して、光学要素53はスペクトルフィルタ51の下流に構成される。
【0047】
[0053] 図2に示される全ての光学要素(および本実施形態の概略図に示されていない追加の光学要素)には、例えばSnなどの放射源SOによって生成される汚染物質が堆積しやすいことがある。これは放射コレクタ50にも当てはまり、スペクトル純度フィルタ51が存在した場合にも当てはまる。したがって、洗浄デバイスがこれらの光学要素のうちの1つ以上を洗浄するために採用されるとともに洗浄方法がそれらの光学要素に適用されてもよいが、法線入射リフレクタ53および54、ならびに反射要素58および59、または追加のミラー、格子等の他の光学要素に適用されてもよい。
【0048】
[0054] 放射コレクタ50はかすめ入射コレクタであってもよく、そのような実施形態では、コレクタ50は光軸Oに沿って位置合わせされる。放射源SOまたはその像は、光軸Oに沿って配置されてもよい。放射コレクタ50は、リフレクタ142、143および146(「シェル)」またはいくつかのWolter型リフレクタを含むWolter型リフレクタとしても公知である)を含んでもよい。リフレクタ142、143および146は、入れ子化され、光軸Oの周りで回転対称であってもよい。図2では、内側リフレクタは参照番号142で示され、中間リフレクタは参照番号143で示され、かつ外側リフレクタは参照番号146で示される。放射コレクタ50は、ある体積(すなわち(1つ以上の)外側リフレクタ146内の体積)を包囲する。通常、(1つ以上の)外側リフレクタ146内の体積は、小さな開口部が存在してもよいが、円周方向で閉じられている。
【0049】
[0055] リフレクタ142、143および146のそれぞれは、その少なくとも一部が1層の反射層または多数の反射層を表す表面を含んでよい。したがって、リフレクタ142、143および146(あるいは3つより多いリフレクタまたはシェルを有する放射コレクタの実施形態における追加のリフレクタ)は、放射源SOからEUV放射を反射および集光するように少なくとも部分的に設計され、かつリフレクタ142、143および146の少なくとも一部は、EUV放射を反射および集光するように設計されないことがある。例えば、リフレクタの裏面の少なくとも一部は、EUV放射を反射および集光するように設計されない。これらの反射層の表面上には、反射層の表面の少なくとも一部の上に設けられる保護のためまたは光フィルタとしてのキャップ層があってもよい。
【0050】
[0056] 放射コレクタ50は、放射源SOまたは放射源SOの像の付近に配置されてよい。リフレクタ142、143および146の各々は、少なくとも2つの隣接する反射面を含んでよく、放射源SOから離れたほうに位置する反射面は、放射源SOに近いほうに位置する反射面よりも、光軸Oに対して小さな角度で配置される。このようにして、かすめ入射コレクタ50は、光軸Oに沿って伝搬するEUV放射ビームを生成するように構成される。少なくとも2つのリフレクタは、実質的に同軸に配置され、光軸Oの周りで実質的に回転対称に延在してもよい。放射コレクタ50が、外側リフレクタ146の外面上にさらなるフィーチャ、または外側リフレクタ146の周りにさらなるフィーチャ、例えば保護ホルダやヒータなどを有してもよいことが理解されたい。
【0051】
[0057] 本明細書中に記載する実施形態において、「レンズ」および「レンズ要素」という用語は、文脈によっては、屈折、反射、磁気、電磁気、および静電型光コンポーネントを含む様々な種類の光コンポーネントのいずれか1つまたはこれらの組合せを指すことができる。
【0052】
[0058] 本明細書で使用する「放射」および「ビーム」という用語は、紫外線(UV)(例えば、365、248、193、157、または126nmの波長λを有する)、極端紫外線(EUVまたは軟X線)(例えば、5〜20nmの範囲の波長、例えば13.5nmの波長を有する)または5nm未満で働く硬X線、ならびにイオンビームや電子ビームなどの粒子ビームを含めた全てのタイプの電磁放射を包含している。一般に、約780〜3000nm(以上)の間の波長を有する放射がIR放射とみなされる。UVとは、約100〜400nmの波長を有する放射のことを指す。リソグラフィにおいて、UVは、水銀放電ランプによって生成することができる波長、すなわちG線436nm、H線405nmおよび/またはI線365nmにも当てはまる。真空UVまたはVUV(すなわち、空気によって吸収されるUV)とは、約100〜200nmの波長を有する放射のことを指す。深UV(DUV)とは、通常、126nm〜428nmの範囲の波長を有する放射のことを指し、一実施形態では、エキシマレーザがリソグラフィ装置内で使用されるDUV放射を生成することができる。当然のことながら、例えば5〜20nmの範囲内の波長を有する放射は、少なくともその一部が5〜20nmの範囲内にある特定の波長帯域を有する放射に関する。
【0053】
III.改良空気軸受
A.結合ポリマフィルム磨耗面を有する平坦な空気軸受
[0059] 図3は、本発明による、結合ポリマフィルム磨耗面を有する例示的空気軸受300を示す。空気軸受300の一部として、ポリイミドフィルム302が結合剤306によって基板304に永久的に結合される。空気エア軸受300は、上記のリソグラフィ装置100および100’などのリソグラフィツールで使用することができる。例えば、基板304は、上記のリソグラフィ装置100および100’の一部であるレチクルハンドリングデバイスの一部としてペイロードを支持することができる。
【0054】
[0060] ポリイミドフィルム302は丈夫で耐久性のあるポリマフィルムである。好ましいポリイミドフィルム302は、DuPont社によってフィルム形態で製造されKapton(登録商標)という商号の下で販売されているポリオキシジフェニレンピロメリットイミドである。例えば、ポリイミドフィルム302の厚さは、7〜100ミクロンの範囲であり、好ましくは、少なくとも25ミクロンである。
【0055】
[0061] 好ましい結合剤306は、Epo−tek(登録商標)301−2エポキシという商号の下で販売されている、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテルおよび2,2,4−トリメチルヘキサメチレン−1,6−ジアミンなどの低い粘着性を有する、二部の室温硬化エポキシである。
【0056】
[0062] 基板304は非硬化面を有するため、軸受面を生成するためには丈夫で耐久性のあるポリマフィルムが非硬化基板に結合される。したがって、対向する軸受面はその自然で低歪みの非硬化状態のまま残すことができる。基板304は、例えばステンレス鋼などの金属であってよく、対向面は、例えばステンレス鋼などの同様なまたは異なる材料であってもよい。当業者には明らかであるが、基板304の材料の選択としては、例えば、ガラスおよびセラミックなどの高度の平坦性を達成するのに好ましい他の材料も挙げられる。非限定例では、基板304の厚さは約10ミリメートルおよび直径は約300ミリメートルであり、基板304の有用面にわたる表面の平坦性は山対谷約3〜約6ミクロンである。
【0057】
B.結合ポリマフィルム磨耗面を有する平坦な空気軸受を製造する方法
[0063] 図4は、空気軸受300などの結合ポリマフィルム磨耗面を有する空気軸受を製造する例示的方法400のフローチャートである。さらに、図5A図5Gは、図4に示す例示的製造方法の異なる段階を示す。特に、図5A図5Gは、結合ポリマフィルム磨耗面を有する例示的な環状の形状の空気軸受の製造を断面図で示す。記載した方法400を用いて、正方形、長方形、環状または他の有用な形状である結合ポリイミドフィルム302磨耗面を有する空気軸受300を製造することができる。この方法400の後、ポリイミドフィルム302の表面の平坦性は基板304より平坦性を有し、さらにエア軸受として有用となるように十分に平坦となるようにできる。これは、基板304は正確な機械加工をあまり要求しないため比較的低費用での有用で平坦なフィルムの生産を可能にする。さらなる利点としては、有用な平坦度を達成するために結合後のポリイミドフィルム302の表面の機械加工は必要ではないことである。方法400は、デブリが基板306の表面を汚染する可能性を減らすためにクリーンルームで行うことができる。
【0058】
[0064] 図5Aに示すように、ステップ402では、非常に平坦で良く研磨された表面を有する真空チャック502が設けられる。真空チャック502の平面の平坦性は、製造プロセスの終わりでポリイミドフィルム302の表面の平坦性を決定する。より高い平坦度は、乾燥滑りが生じる確率を下げ、軸受動作中の軸受面と案内路との間のガス圧の均一性を上げる。真空チャック502は、その有用面全体にわたって約2ミクロンの山対谷の平坦性を有することができる。
【0059】
[0065] 真空チャック502の平面は、ステップ408〜414において基板304がポリイミドフィルム302に対して滑らないよう保つように重力に対して垂直(例えば、水平)に位置決めされる。その後、ポリイミドフィルム302は、真空チャック502の平面上に配置される。
【0060】
[0066] ステップ404では、例えば、図5Bに示すように、円形の溝であり得る真空ポート504を介してポリイミドフィルム302に真空が適用される。これは、ポリイミドフィルム302を真空チャック502の平面に実質的に適合させる。この技術は、ポリイミドフィルム302の表面仕上げを必要とすることなく有用で平坦な軸受面を有する仕上げられた軸受を提供する。
【0061】
[0067] ステップ406では、図5Cに示すように、予備混合および脱気された液状エポキシ306が、例えば単一の連続曲線の形状を有するポリイミドフィルム302上に流し込まれるか、そうでない場合、その上に配置されるかまたは加えられる。加えられるエポキシ306は、厚さ4〜5mmを有してよい。環状基板に対しては、曲線は閉じている。長方形基板に対しては、エポキシ306は線状に加えられてよく、円形または正方形基板に対しては、エポキシ306は点の形状で加えられてよい。後続ステップで基板304とポリイミドフィルム302との間の空気の取込を回避するために、加えられるエポキシ306の形状は、基板304の形状によって選択される。図5D図5Gは、輪状基板304を、基板304の形状の例として示す。ポリイミドフィルム302にエポキシ306を加えた後、このアセンブリは、重力がポリイミドフィルム302上のエポキシ306の分配を平滑にする間の時間放置しておいてよい。この時、エポキシに混入したあらゆるガスも漏れることがある。
【0062】
[0068] ステップ408では、図5Dに示すように、基板304はエポキシ306上に配置される(例えば、下げられる)。一例では、基板304は、ゆっくりとした下降動作を介して常に重力に対して(外部手段によって)水平に維持される。これは、基板304とポリイミドフィルム302との間にエポキシ306が不均一に分配されないように保つ。当業者には明らかなように、重力を用いることより複雑である、基板304をエポキシ306上に配置するための他の方法を用いてもよい。
【0063】
[0069] ステップ410では、基板304は、制御された方法で解放され、ポリイミドフィルム302およびエポキシ306の両方の上に置くことができる。一例では、基板304とポリイミドフィルム302との距離がエポキシ306の表面から約0〜1mm、好ましくは約0.5mmであったときに基板304が解放される。
【0064】
[0070] ステップ412では、図5Eに示すように、重み506を基板304の上に配置して(例えば、置いて)力(例えば、重力)を基板304に加えることができ、これはあらゆる余分なエポキシ306を搾り出す。ステップ414では、エポキシ306は、エポキシ製造者によって規定されているように硬化することが可能である。
【0065】
[0071] ステップ416では、図5Fに示すように、重み506は取り除かれる。ステップ418では、部分的に仕上げられた軸受508は、真空チャック502から取り外される。任意選択として、圧縮ガスが真空ポート504を介して注入されて取り外しを容易にする。
【0066】
[0072] ステップ420では、図5Gに示すように、ポリイミドフィルム302の端が基板304の外形と合うようにトリミングされる。当業者には明らかなように、トリミングは多数の技術によって達成することができる。ポリイミドフィルム302は、その表面の平坦性を改善するための表面研削およびその硬さを改善するための熱処理も必要としない。
【0067】
[0073] 図6は、空気軸受300などの結合ポリマフィルム磨耗面を有する空気軸受を製造するための例示的方法600のフローチャートである。記載した方法600を用いて、正方形、長方形、環状または他の有用な形状である結合ポリイミドフィルム302磨耗面を有する空気軸受300を製造することができる。この方法600の後、ポリイミドフィルム302の表面の平坦性は基板304より平坦性を有し、さらにエア軸受として有用となるように十分に平坦となるようにできる。これは、基板304は正確な機械加工をあまり要求しないため比較的低費用での有用で平坦なフィルムの生産を可能にする。さらなる利点としては、有用な平坦度を達成するために結合後のポリイミドフィルム302の表面の機械加工は必要ではないことである。方法600は、デブリが基板304の表面を汚染する可能性を減らすために温度制御されたクリーンルームで行うことができる。
【0068】
[0074] ステップ602では、基板304は液状エポキシ306でコーティングされる。コーティングは、少なくとも厚さ100ミクロンであるエポキシ306の実質的に均一な層を提供することができる。
【0069】
[0075] ステップ604では、エポキシ306を排気して重力に基板304上のエポキシ306の分配を平滑にさせかつ混入したガスをエポキシ306から放出させる。非限定例では、空気を外に出すには約10分かかる。
【0070】
[0076] ステップ606では、ポリイミドフィルム302はエポキシ306上に広げられる。エポキシ306の表面張力は、ポリイミドフィルム302を基板304へとゆっくりと引っ張る。ポリイミドフィルム302とエポキシ306とを接触させるために外力を加える必要はない。
【0071】
[0077] ステップ608では、ポリイミドフィルム302は、ポリイミドフィルム302と基板304との間のガスポケットおよびその間に捕捉された粒子を調べる。あらゆる捕捉されたガスがエポキシ306を通って大気にさらされるエポキシ306の一部に向かうように押し出され、その後、エポキシ306から放出される。
【0072】
[0078] ステップ610では、基板/フィルムアセンブリは反転される。基板304が環状の形状を有した場合、ポリイミドフィルム302の中心に通気孔が切り込まれる。この通気孔は、製造プロセス中にポリイミドフィルム302にわたってガスを伝達するために後で使用される。
【0073】
[0079] ステップ612では、基板/フィルムアセンブリは、真空チャック502などの光学平面上に配置される。配置のとき、基板/フィルムアセンブリの傾斜を最小にする。配置の後、ポリイミドフィルム302は光学平面と接触する。
【0074】
[0080] ステップ614では、基板304に力が加えられて余分なエポキシ306を搾り出す。重りを基板304に加えて力を与えることができる。ステップ610に形成された通気孔は、ポリイミドフィルム302と光学平面との間に捕捉されたあらゆるガスを放出する。力を加えているとき、ポリイミドフィルム302および基板304は光学平面と同一平面上にあるように強要され、それによって基板304およびポリイミドフィルム302がエポキシ306上で互いに滑ることを防ぐことができる。
【0075】
[0081] ステップ616では、エポキシ306は硬化することが可能である。非限定例では、硬化時間は約48時間である。
【0076】
[0082] ステップ618では、ポリイミドフィルム302は、光学平面から離される。圧縮ガスは、ステップ610で設けられた通気孔内に注入されてポリイミドフィルム302と光学平面との間のあらゆる表面張力を壊すことができる。
【0077】
[0083] ステップ620では、余分のポリイミドフィルム302は、基板からトリミングされる。ステップ622では、余分のエポキシ306が基板からトリミングされる。当業者には明らかなように、トリミングは多数の技術によって達成することができる。ポリイミドフィルム302は、その表面の平坦性を改善するための表面研削およびその硬さを改善するための熱処理も必要としない。
【0078】
[0084] ステップ624では、エポキシ306は、基板/フィルムアセンブリをベークすることによってさらに硬化される。非限定例では、基板/フィルムアセンブリは12時間の間120℃でベークされる。ベーキングは、真空チャンバ内で行われてよい。
【0079】
IV.結論
[0085] 「発明の概要」および「要約書」の項は、発明者が考える本発明の1つ以上の例示的実施形態を記載できるがそのすべては記載できないため、本発明および添付の特許請求の範囲を決して限定するものではない。
【0080】
[0086] 以上、特定の機能およびそれらの関係の実施態様を示す機能構成ブロックを使用して本発明の実施形態について説明した。本明細書においては、これらの機能構成ブロックの境界は、説明の便宜上、任意に画定されている。特定の機能およびそれらの関係が適切に実施される限り、代替境界を画定することも可能である。
【0081】
[0087] 特定の実施形態についての上記説明は、本発明の一般的な性質を余すところなく開示しており、したがって当業者は、当分野における知識を適用することにより、不適切な過度の実験作業を必要とすることなく、また、本発明の一般概念から逸脱することなく、様々な用途のためにこのような特定の実施形態に容易に修正を加え、および/または適合させることができる。したがって、このような適合および修正は、開示されている実施形態の、本明細書において示されている教示および手引きに基づく同等物の意味および範囲内に含まれることが意図されている。本明細書における表現または用語は、説明を目的としたものであって本発明を限定するためのものではなく、したがって本明細書の用語または表現は、当業者によって、教示およびガイダンスに照らして解釈されるべきものであることを理解されたい。
【0082】
[0088] 本発明の広さおよび範囲は、上で説明したいずれの例示的実施形態によっても限定されず、唯一添付の特許請求の範囲およびそれらの同等物によってのみ定義されるものとする。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図5G
図6