特許第5945281号(P5945281)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5945281
(24)【登録日】2016年6月3日
(45)【発行日】2016年7月5日
(54)【発明の名称】貯蔵安定性、NCO不含貼合せ用接着剤
(51)【国際特許分類】
   C09J 201/10 20060101AFI20160621BHJP
   C09J 175/04 20060101ALI20160621BHJP
   C09J 11/06 20060101ALI20160621BHJP
   C09J 201/06 20060101ALI20160621BHJP
【FI】
   C09J201/10
   C09J175/04
   C09J11/06
   C09J201/06
【請求項の数】13
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-549745(P2013-549745)
(86)(22)【出願日】2011年12月15日
(65)【公表番号】特表2014-507523(P2014-507523A)
(43)【公表日】2014年3月27日
(86)【国際出願番号】EP2011072853
(87)【国際公開番号】WO2012097929
(87)【国際公開日】20120726
【審査請求日】2014年12月2日
(31)【優先権主張番号】102011002885.4
(32)【優先日】2011年1月19日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】391008825
【氏名又は名称】ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン
【氏名又は名称原語表記】Henkel AG & Co. KGaA
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(74)【代理人】
【識別番号】100084146
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100104592
【弁理士】
【氏名又は名称】森住 憲一
(74)【代理人】
【識別番号】100172605
【弁理士】
【氏名又は名称】岩木 郁子
(72)【発明者】
【氏名】パフェル・ゲンチェフ
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ・ローア
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ・ロッシェン
【審査官】 ▲吉▼澤 英一
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2010/142501(WO,A1)
【文献】 特表平06−500585(JP,A)
【文献】 特開2005−187793(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/070894(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J1/00−201/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)NCO基を介して結合した少なくとも1つの架橋性アルコキシシラン基ならびに追
加的に加水分解性基不含の化合物と反応したNCO基を含有する、NCO基不含ポリエス
テルプレポリマー、ポリエーテルプレポリマー、および/またはポリウレタンプレポリマ
ーであって、2000〜30,000g/molの分子量を有するプレポリマー、25〜8
0重量%、
b)130℃以下の沸点を有する有機溶媒、74〜19重量%、
c)1つ以上の無水物基を含有するポリマー、オリゴマーおよび/またはモノマー、1〜
20重量
含有する架橋性1成分型貼合せ用接着剤であって、該接着剤の粘度は15〜45℃で測
定して50〜20,000mPas(DIN ISO 2555による)である、接着剤。
【請求項2】
ポリエステルプレポリマーまたはポリウレタンプレポリマーは、400〜25,000
g/molの分子量を有する、少なくとも2個のOH基を含むポリエステルポリオールから製造される、請求項1に記載の1成分型接着剤。
【請求項3】
プレポリマーは平均して2個未満のトリアルコキシシラン基を含有する、請求項1または2に記載の1成分型接着剤。
【請求項4】
接着剤は、無水物基を含有するポリマー、オリゴマーおよび/またはモノマーを2〜
15重量%含む、請求項1〜3のいずれかに記載の1成分型接着剤。
【請求項5】
無水物基を含有するポリマーは、1000g/molより大きい分子量を有する、請求項1〜4のいずれかに記載の1成分型接着剤。
【請求項6】
無水物基の量は、化学量論的に少なくともアルコキシ基の量に相当する、請求項1
のいずれかに記載の1成分型接着剤。
【請求項7】
-OH基、-SH基または-NH-アルキル基を含有する1価の化合物を、加水分解性基を
含有しない化合物として使用する、請求項に記載の1成分型接着剤。
【請求項8】
価の直鎖状または分枝状アルコールを1価の化合物として反応させる、請求項に記載の1成分型接着剤。
【請求項9】
全溶媒に基づいて50%以下のC〜Cの一価アルコールを有機溶媒として含有する、請求項1〜のいずれかに記載の1成分型接着剤。
【請求項10】
架橋性アルコキシシラン基を含む化合物(A)および加水分解性基を含有しない化合物
(B)を、存在するNCO基に関して等しい量で共に使用する、請求項1〜のいずれかに記載の1成分型接着剤。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれかに記載の1成分型接着剤を使用するフィルムまたは箔基材を
接着結合するための方法であって、適用前にC〜Cアルコールを含有する溶媒を用い
て接着剤を粘度について調整し、該接着剤を第1基剤上に適用し乾燥させ、続いて第2の
フィルムまたは箔基材に接着結合させる、方法。
【請求項12】
軟質フィルム形状基材または軟質箔形状基材を接着結合するための、請求項1〜のいずれかに記載の1成分型接着剤の使用。
【請求項13】
プレポリマーは、ポリエステルポリオールと過剰のジイソシアネートとの反応によりN
CO基含有プレポリマーを得て、次いで、該NCO基と、アミノシラン、および、500
g/mol未満の分子量を有する1価のOH-含有化合物、NHR-含有化合物またはSH-
含有化合物とを反応させることによって製造される、請求項1〜10のいずれかに記載の1成分型接着剤の製造方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平面状基材の接着結合用の加水分解性シラン基を含有するポリウレタンプレポリマー系接着剤に関する。本発明は、さらに、多層フィルムまたは箔用の貼合せ用接着剤としての該接着剤の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリオールおよびイソシアネートの反応生成物としての透明なNCO架橋性1成分型接着剤は、欧州特許出願公開第0464483号から既知であり、同文献では尿素基を含むイソシアネートが使用されている。このような尿素基は高いレベルの水素架橋結合を示すため、通常、該ポリマーは高粘性である。さらに、ポリマー製造に関する単量体イソシアネートのために、有害なイソシアネートの残留モノマー含量がもたらされ、それをさらなる手段によって減らさねばならない。
【0003】
米国特許第5,990,257号も既知である。同文献には、シリル基含有ポリウレタンの製造方法が記載され、イソシアネートはポリオールに対して不足量で使用される。その後、さらにOH基をイソシアナトシランと反応させて、シリル基含有プレポリマーを得る。該ポリマーは、12,000g/molより大きい分子量を有する。粘度は、57Pa・sより高い。用途として、シーリング物質としての使用が記載されており、それは硬化後に低い接着性を有することが記載されている。
【0004】
独国特許出願公開第102009026900号には、溶媒としてアルコールを含有する貼合せ用接着剤が記載されている。これについて、架橋性シラン基を含有するポリウレタン系プレポリマーが記載されている。しかしながら、かかる接着剤は高濃度のアルコール(例えばメタノールまたはエタノール)を有する。アルコールを減らすための操作は記載されていない。
【0005】
欧州特許出願公開第1674546号も既知である。同文献には、求核的に置換されたシランと反応させたNCO基含有ポリウレタンから得られる、湿分硬化型組成物が記載されている。これらの接着剤と水分との迅速な反応が記載されている。該接着剤は、溶融接着剤として使用され、すなわち、それらは室温で固体として存在し、温めてのみ塗布することができる。
【0006】
独国特許出願第102010000881号は、いまだ公開されていないが、知られている。同文献には、シラン基を介して架橋する溶媒含有貼合せ用接着剤が記載されている。プレポリマーのNCO基は、アミノシランによって反応され離れる。この量は、接着剤中にNCO基が含まれないように選択される。接着剤層中のアルコールの濃度は、例えば架橋反応から、カルボン酸無水物基を有する化合物を添加することにより減らされうる。
【0007】
先行技術の組成物は、貼合せ用接着剤としての使用において、様々な欠点を有する。イソシアネート含有接着剤は、通常、労働安全上の理由において反対されないものではない。さらに、厳密な無水条件下でのみ貯蔵が可能である。シラン硬化系は、1価のアルコールを含有するか、または、架橋に際し1価のアルコールを形成する。これらは、フィルムまたは箔包装の内容物に悪影響を及ぼしうる。さらに、開裂生成物における縮小は、架橋反応を促進する。ポリマーはNCOプレポリマーから増大されるため、NCOが存在しないことを確保するのに十分な量の反応性シラン化合物が必要とされる。これは高い数の架橋性反応生成物をもたらす。シラン基の量によって貯蔵安定性が非常に低下する。さらに、完全な結合の確立が遅くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】独国特許出願第102010000881号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第1674546号
【特許文献3】独国特許出願第102009026900号
【特許文献4】米国特許第5,990,257号
【特許文献5】欧州特許出願公開第0464483
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明の課題は、室温で低粘性を有し、広い基材領域に薄層で塗布可能な接着剤を提供することである。架橋後、該接着剤層はいずれの移行性の生体有害物質も可能な限り含まず、例えば第1級芳香族アミンまたは1価アルコールは減らされることが意図される。接着剤は、基材に対する良好な接着および迅速な接着増大を示すことが意図される。本発明の接着剤は、さらに、弾性結合特性をもたらす架橋密度を示すことが意図される。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、NCO基を介して結合した少なくとも1つの架橋性アルコキシシラン基ならびに追加的に加水分解性基を含有しない化合物と反応したNCO基を含有する、NCO基不含ポリエステルプレポリマー、ポリエーテルプレポリマーおよび/またはポリウレタンプレポリマーであって、2000〜30,000g/molの分子量を有するプレポリマー25〜80重量%、130℃以下の沸点を有する有機溶媒74〜19重量%、1つ以上の無水物基を含有するポリマー、オリゴマーおよび/またはモノマー1〜20重量%、ならびに添加剤0〜15重量%を含有する架橋性1成分型貼合せ用接着剤であって、該接着剤の粘度は15〜45℃で測定して50〜20,000mPas(DIN ISO 2555による)である接着剤を提供することにより達成される。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に適当なプレポリマーは、ポリオールと過剰のジイソシアネートとを反応させることにより製造することができる。こうしてNCO-含有中間体生成物が得られ、次いで、NCO-含有中間体生成物を、ポリマー主鎖と反応性の基および追加的に少なくとも1個の架橋性シラン基を含有する二官能性シラン化合物と、加水分解性基を含有しない1価の求核性化合物と共に反応させる。
【0012】
本発明のプレポリマーの製造に適当なポリエステルポリオールは、例えば重縮合により製造することができる。例えば、2価および/または3価の低分子量アルコールを、過剰のジカルボン酸および/またはトリカルボン酸と縮合させることができる。遊離のポリカルボン酸の代わりに、対応するポリカルボン酸無水物または好ましくは1〜3個の炭素原子を有するアルコールとの対応するポリカルボン酸エステルを用いることもできる。適当なジカルボン酸は、例えばコハク酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸および16個以下の炭素原子を有するそれらのより高級の同族体、ならびに不飽和のジカルボン酸、例えばマレイン酸またはフマル酸、二量体脂肪酸または三量体脂肪酸または芳香族ジカルボン酸、特に異性体フタル酸、例えばフタル酸、イソフタル酸またはテレフタル酸、無水物、例えばテトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、グルタル酸無水物、無水マレイン酸、または、そのような酸の2以上の混合物である。例えばクエン酸またはトリメリット酸は、その1部を任意に添加してよいトリカルボン酸として適当である。末端OH-官能性ポリエステルジオールが得られるように量を選択する。好ましい態様において、脂肪族カルボン酸および芳香族カルボン酸の混合物が得られる。
【0013】
上記のカルボン酸との反応に、特に、脂肪族アルコールが適当である。適当な脂肪族アルコールの例としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール-1,4、ペンタンジオール-1,5、ヘキサンジオール-1,6、ヘプタンジオール-1,7、オクタンジオール-1,8およびより高級の同族体またはそれらの異性体、1,4-ヒドロキシメチルシクロヘキサン、2-メチル-1,3-プロパンジオール、トリエチレングリコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジブチレングリコールおよびポリブチレングリコールが挙げられる。
【0014】
より多価のアルコール、例えばグリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ネオペンチルグリコール、および上記の物質自体のオリゴマー型エーテルまたは上記エーテルの2以上の混合物のオリゴマー型エーテルも適当である。
【0015】
低分子量多価アルコールとアルキレンオキシドとの反応生成物、いわゆるポリエーテルも、ポリエステルの製造に適当なポリオールである。アルキレンオキシドは、2〜4個の炭素原子を有することが好ましい。例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、異性体ブタンジオール、ヘキサンジオールまたは4,4'-ジヒドロキシジフェニルプロパンと、エチレンオキシド、プロピレンオキシドまたはブチレンオキシドあるいはそれらの2以上の混合物との反応生成物が適当である。多価アルコール、例えばグリセロール、トリメチロールエタンまたはトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールまたは糖アルコール、あるいはそれらの2以上の混合物と、上記アルキレンオキシドとの、ポリエステルポリオールを与える反応生成物も適当である。これらは約400〜約2000g/molの分子量を有する。
【0016】
低分子量アルコール、特にエチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール、ブタンジオール、プロピレングリコール、グリセロールまたはトリメチロールプロパンと、ラクトン、特にカプロラクトンとの反応により製造されるポリエステルポリオールも同様に適当である。1,4-ヒドロキシメチルシクロヘキサン、2-メチル-1,3-プロパンジオール、1,2,4-ブタントリオール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジブチレングリコール、およびポリブチレングリコールも、アルコールとして適当である。
【0017】
しかしながら、油脂化学由来のポリエステルポリオールを使用することもできる。「油脂化学」ポリオールは、天然油および脂肪に基づくポリオール、例えばエポキシ化脂肪物質と1価アルコール、2価アルコール、または多価アルコールとの反応生成物または少なくとも部分的にヒドロキシル基で置換された長鎖脂肪酸のグリセロールエステルとして理解される。このようなポリエステルポリオールは、例えば、1〜12個の炭素原子を有する1種以上のアルコールを用いて、少なくとも部分的にオレフィン系不飽和脂肪酸を含有する脂肪混合物のエポキシ化トリグリセリドを完全開環し、次いで、トリグリセリド誘導体を部分エステル交換し、アルキル残基中に1〜12個の炭素原子を有するアルキルエステルポリオールを得ることにより製造することができる。さらなる適当なポリオールは、ポリカーボネートポリオールおよびダイマージオール(Henkel Co.)ならびにヒマシ油およびその誘導体である。
【0018】
このようなOH-官能性ポリエステルの製造方法は既知である。このようなポリエステルポリオールは市販されてもいる。
【0019】
ポリマー主鎖として適当な別の種類のポリオールは、ポリエーテルポリオールである。ジオールまたはトリオール、例えばエチレングリコール、1,2-または1,3-プロピレングリコール、1,4-または1,3-ブチレングリコール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4-ヒドロキシメチルシクロヘキサン、2-メチル-1,3-プロパンジオール、グリセロール、トリメチロールプロパン、1,2,6-ヘキサントリオールと、アルキレンオキシド、例えばプロピレンオキシド、ブチレンオキシドとの既知の反応生成物が、ポリエーテルポリオールとして適当である。これらのポリオールは2または3個のOH基を含んでいてよい。このようなポリオールは市販されている。
【0020】
ポリウレタンポリオールは、適当なポリオールのさらなる群である。それらは、特に、2000g/mol未満の分子量を有するジオールと、不足量のジイソシアネートとの反応により製造することができる。上記に述べたアルキレンジオール、ポリエーテルジオールまたはポリエステルジオールを使用してよい。イソシアネートの量は、OH基を含有する反応生成物が得られるように選択される。これらのポリウレタンジオールは別個に製造してよいが、ポリオールと以下に記載するイソシアネートとを反応させる際に、反応中の一部において生じさせることもできる。
【0021】
適当なポリマーの分子量は、約400〜25,000g/mol(数平均分子量M、GPCにより測定)、特に2000〜20,000g/molであることが意図される。少なくとも50%のポリエステルポリオールを、特にポリエステルポリオールのみを、特に好ましくは末端OH基を有するポリエステルジオールを含有させる。
【0022】
NCO基含有プレポリマーは、上記のポリエステルポリオールおよび/またはポリエーテルポリオールから、過剰のジイソシアネートと反応させることにより製造することができる。これに関して、ポリオールを、場合により溶媒も含有する液体または融解形態で、ジイソシアネートと反応させる。これは、高温にすることにより補助することもでき、少量の触媒を添加してよいことも既知である。イソシアネートおよび量を選択することにより、遊離、未反応ジイソシアネートを少ない割合でのみ反応混合物中に存在させることが達成可能である。過剰の単量体イソシアネートを蒸留により分離することも場合により可能である。そのような方法は、当業者に既知である。ポリエステルは末端NCO基のみを含有しうるか、あるいは、分子量増大の結果として反応性NCO基を有するポリウレタンプレポリマーが生じる。これらポリウレタンプレポリマーも、本発明により使用するシラン含有プレポリマーの合成に適当である。
【0023】
既知の脂肪族または芳香族ジイソシアネートは、イソシアネートとして特に適当であり、例えば以下である:1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-5-イソシアナトメチルシクロヘキサン(IPDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、2,4-または2,6-トルイレンジイソシアネート(TDI)、2,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2'-ジフェニルメタンジイソシアネート、または4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)ならびにそれらの異性体混合物、シクロヘキシルジイソシアネート(CHDI)、ヘキサヒドロキシリレンジイソシアネート(HXDI)、m-キシリレンジイソシアネート(XDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、またはビストルイレンジイソシアネート(TODI)。NCO末端化プレポリマーが得られるように量を選択する。
【0024】
本発明によれば、NCO基含有反応生成物は平均して2〜3個のNCO基を含有する。
【0025】
本発明に適当なプレポリマーを製造するために、かかるNCO基含有反応生成物を次いで求核性基に加えて加水分解性シラン基を含有するシラン化合物(A)と反応させる。
【0026】
適当なシランとして、有機官能性シラン、例えば一般式:
Nu-(アルキル-Si(R)(OR))
[式中、Nu=NH、NH、SH、OH、
アルキル=C、C、C、C、C、直鎖状または分枝状または環状アルキル、
=メチル、エチル、プロピル、ブチル、
a=0、1、
=1〜20個の炭素原子を有するアルキル残基または水素、
b=2、3、
c=1、2である]
で示されるヒドロキシ官能性、メルカプト官能性またはアミノ官能性シランを使用する。シラン基は、少なくとも1個、好ましくは2個、特に3個の加水分解性残基を含有することが意図される。C〜CアルコールまたはOH基は、特に適当である。これらの残基を、いずれかのみまたは混合形式でケイ素原子上に含有してよい。さらに、0または1個のアルキル基、特にメチル基、エチル基、プロピル基またはブチル基をケイ素原子上に含有させてよい。メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基またはブトキシ基を有するトリアルコキシシランまたはジアルコキシシランは特に適当である。
【0027】
メルカプト官能性シランの例は、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシランまたは対応するアルキルジメトキシまたはアルキルジエトキシ化合物である。アミノ官能性シランの例は、3-アミノプロピルトリメトキシシラン(AMMO)、3-アミノプロピルトリエトキシシラン(AMEO)、3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン(DAMO)、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N,N-ジ(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N,N-ジ(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N,N-ジ(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N-ジ(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-N'-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-N'-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-(2-アミノ-エチル)-N'-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-N'-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)アミン、ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミン、N-(2-アミノブチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-(2-アミノブチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(n-ブチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(n-ブチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-(n-ブチル)-3-アミノプロピルアルコキシジエトキシシラン、3-ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、3-ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、4-ヒドロキシブチルトリメトキシシランまたはそれらの混合物、ならびに個々のプロピル基の代わりに別のアルキル基を有する対応する化合物である。好ましい態様では、アミノシラン、特にα-官能化シラン、特に好ましくはα-アミノシランをイソシアネートプレポリマーとの反応に使用する。複数のシランの混合物を用いることもできる。
【0028】
反応させるシラン化合物(A)の量は、プレポリマーのイソシアネート基の一部のみがシラン化合物の求核性基と反応するように選択する。例えば、平均して1〜2個のNCO基をシラン化合物と反応させる。なお含まれるさらなるNCO基を、1個の求核性基のみを含みシラン基を含まない化合物(B)との反応により、同時にまたは続いて反応させる。この追加の化合物の量は、全てのNCO基が反応するように、すなわち得られたプレポリマーがNCO基を含まないように選択される。
【0029】
化合物Bは、OH基、NH-アルキル基またはSH基を含む単官能性の化合物である。したがって、さらなる分子量の増大は起こらないことを確保することができる。これらの化合物は、本発明の反応条件下でNCO基と反応しないさらなる官能基を任意に含んでよい。その例は、エステル基、カルボニル基、エポキシ基、オレフィン基または環状カーボネート基である。
【0030】
これらの化合物の分子量は、500g/mol未満であり、特に300g/mol未満である。OH基または第2級アミノ基を有する化合物は特に適当である。ある態様においては、1価アルコール、例えば直鎖状または分枝状C1〜C12アルコールを使用し、別の態様においては、さらなる官能基を追加的に含むアルコールを使用する。
【0031】
本発明に適当なプレポリマーは、架橋性シラン基を含むべきである。1分子あたりの加水分解性シラン基の数は、少なくとも1〜2個である。特別の態様において、該シラン基はポリマー鎖に対して末端である。特に、架橋性アルコキシシラン基を含む化合物(A)ならびに加水分解性基を含有しない化合物(B)を、存在するNCO基に対して等モル量で共に使用する。
【0032】
本発明に適当な反応生成物は、シラン基を含有するプレポリマーである。好ましい態様においてこれらのプレポリマーは、平均して2個以上、好ましくは2〜4個のウレタン基を含む。反応生成物の溶媒を含まない形態でのガラス転移温度は、−40〜0℃、特に−35℃〜−10℃である(DSCを用いて測定)。ガラス転移温度は、ポリマー主鎖またはイソシアネートの芳香族成分の量により影響されうる。芳香核を有するイソシアネートに基づいて製造したシラン反応性プレポリマーは特に適当であることがわかった。これらの例は、出発ポリオールと反応させたTDI、NDI、4,4'-MDI、2,4-MDI、mXDIまたはTMXDIである。
【0033】
上記のシラン官能化プレポリマーから貼合せ用接着剤を製剤化することができる。かかる貼合せ用接着剤に、追加の成分、例えば溶媒、触媒、安定剤、接着促進剤、および、より好ましくない態様において、可塑剤、顔料およびフィラーさえを含有させることができる。
【0034】
本発明によれば、1成分型貼合せ用接着剤は、アルコールと反応することができる官能基を含む化合物を追加的に含有すべきである。これに関し、アルコールと選択した化合物の反応性基との反応が付加反応である場合が好ましい。この反応に関して、低分子量物質が放出されないことが好ましい。有機カルボン酸の無水物は官能基として特に適当である。これらは、単量体カルボン酸無水物、特に30℃で固形のもの、例えば無水マレイン酸(MA)、無水フタル酸、無水トリメシン酸またはそのような化合物の誘導体でありうる。1個より多くの有機無水物基を有する化合物のオリゴマーを用いることもできる。
【0035】
本発明の特定の態様において、無水物基を含む、1000g/molより大きい分子量を有するポリマーを使用する。適当なポリマーは知られており、特にMA基を有するものである。これらを対応するポリマー中に共重合により導入することができ、MAについては、ポリマー上にグラフト化させることも可能である。適当なコポリマーの例は、MAと、スチレン、ビニルアセテートまたは(メタ)アクリレートとのコポリマーである。MAでグラフト化させることができるコポリマーの例は、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエステルまたはポリブタジエンのベースポリマーである。それらを調製後、既知の方法を用いる高分子-類似反応において、これらをMAでグラフト化することができる。適当なポリマー中のMA含量は異なってよく、無水物基の3モル%〜約60モル%までである。本発明によれば、ポリマー中に、より高い割合、特に10〜55モル%のMAが存在する場合に有利である。
【0036】
特に好ましい態様において、MA-スチレンコポリマーを使用する。これらは、20〜55mol%のMA含量を有する。これらは固形物質である。
【0037】
ポリマーまたはオリゴマーの量は、貼合せ用接着剤に基づいて1〜20重量%、特に2〜15重量%である。量は、本発明の接着剤において、無水物基の量がアルコキシ基の量に(化学量論用語で)相当するように選択してよい。過剰の無水物基を用いることもできる。追加的に存在しうる求核性基を有する低分子量物質、例えばアミン含有化合物も、この成分と反応することができる。
【0038】
本発明の接着剤中に任意に含有させるさらなる添加剤として、例えば可塑剤を含有させることができる。適当な可塑剤は、例えば医療用白油、ナフテン系鉱油、パラフィン系炭化水素油、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリイソプレンオリゴマー、水素化ポリイソプレンおよび/またはポリブタジエンオリゴマー、フタレート、アジペート、ベンゾエートエステル、植物または動物油およびそれらの誘導体である。架橋させた接着剤層からの移行を減らすために、ほんの少量のみの可塑剤を使用するか、または、可塑剤を使用しないことが望ましい。使用可能な安定剤または酸化防止剤として、フェノール、高分子量の立体障害フェノール、多官能性フェノール、硫黄含有フェノール、リン含有フェノールまたはアミンを選択してよい。
【0039】
本発明の接着剤は、顔料またはフィラーを含有してもよい。その量は0〜5重量%である。しかしながら、本発明の接着剤は好ましくは透明であることが意図される。同様に、本発明の接着剤にシラン化合物を接着促進剤として追加的に添加することも場合により可能である。上記に挙げたシラン、または好ましくは有機官能性シラン、例えば(メタ)アクリルオキシ官能性、エポキシ官能性または非反応的に置換されたシランを、接着促進剤として使用してよい。好ましい態様において、0〜3重量%のこのようなシランを接着剤に添加する。これらを、場合によりポリマーネットワーク中に導入してよい。
【0040】
本発明に適当な接着剤は、場合により追加的に存在する添加剤として、触媒を含有してもよい。シラン基の加水分解性基の加水分解による開裂およびシロキサン基を与えるSi-OH基の続く縮合を触媒することができる全ての既知化合物を触媒として使用してよい。それらの例は、チタネート、ビスマス化合物、錫カルボキシレート、錫オキシド、アルミニウムまたはジルコニウムのキレート化合物、アミン化合物またはそのカルボン酸との塩、例えばオクチルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ジブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、ジエタノールアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、トリエチレンジアミン、グアニジン、モルホリン、N-メチルモルホリンおよび1,8-ジアザビシクロ-(5,4,0)-ウンデセン-7(DBU)である。触媒または混合物を、製剤の総重量に基づいて0.01〜約5重量%量で使用する。0.05〜4重量%、特に好ましくは0.2〜3重量%の触媒が好ましい。接着剤がいずれの錫触媒も含有しないことが好ましい。特に、他の重金属含有触媒も避けてよい。
【0041】
本発明によれば、本発明の接着剤は溶媒も含有する。これらは、130℃以下の温度で蒸発させることができる、特に100℃未満の沸点を有する通常の溶媒である。溶媒は、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、ケトンまたはエステルの群から選択してよい。溶媒は粘度をより低くするおよび調整するのに役立つ。溶媒の割合は幅広い限度で変化させてよく、例えば接着剤に基づいて19〜74%である。これに関して、納入形態において接着剤を高粘性に調整し、その後、塗布前にさらなる溶媒で適当な粘度まで希釈してよい。全ての成分の合計は100%である。良好な貯蔵安定性のために、本発明により使用する溶媒がほんの少量の割合の水を含有するか、または水を含有しないことが都合が良い。
【0042】
本発明の接着剤の溶媒を、製造に関連して添加してよい。しかしながら、別の態様では、製造に適した粘度を達成するために溶媒の一部のみを製造の間に使用するように操作する。しかしながら、本発明の組成物に関して、適当な塗布粘度を得るために、溶媒のさらなる一部を加工直前に接着剤に添加する。この態様について、接着剤を塗布する直前まで添加されない溶媒も、有機単官能性アルコールを少なくとも部分的に含有することが可能である。それらの例は、C〜Cの1価アルコールである。溶媒に対する要求に従い、これらのアルコールは130℃未満の温度で蒸発することが意図される。メタノール、エタノールまたはプロパノールは特に適当である。アルコールの量は、溶媒含量の合計に基づいて、最大で50%、特に25%未満である。
【0043】
溶媒を含む接着剤の加工安定性は、十分に長いことがわかった。6時間までの期間で、架橋の際の反応性を実質的に変えることなく、希釈した接着剤を加工することができる。塗布の際に溶媒は蒸発するため、本発明の接着剤の操作方法は悪影響を受けない。
【0044】
適当な貼合せ用接着剤の粘度は、15〜45℃で測定して50〜20,000mPas、好ましくは100〜5000mPas(ISO 2555にしたがいブルックフィールドにより測定)である。塗布のために、通常、接着剤を溶媒で希釈する。これに関し、該粘度は(20〜45℃で)約50mPas〜800mPas以下であってよい。塗布形態における固形分は、好ましくは15〜60%、特に好ましくは30〜50重量%である。迅速なさらなる加工が必要であるため、接着剤をすばやく架橋し、良好な凝集および接着を進めさせることが意図される。本発明によれば、結合させる基材中にほとんど水分がない場合でさえ、塗布した接着剤の架橋が可能である。
【0045】
架橋した接着剤のTは、−15〜+30℃、特に−10〜+20℃である。1分あたり10Kの加熱速度で0から200℃まで加熱した、完全な接着剤の0.5g未満のサンプルは、溶媒を含まない架橋された状態であると考えられる。その後、架橋させた材料のTを、示差走査熱量測定(DSC)により測定することができる。
【0046】
本発明の接着剤は、高貯蔵安定性である。架橋性基の量を減少させることにより、早期の分子量増大が防止される。それは、通常、より高い粘度を有しうる低溶媒形態で貯蔵される。1つの態様において、この減溶媒貼合せ用接着剤を、塗布のために例えば45℃まで加熱し、次いで、それを塗布することができる。別の態様において、使用する際に、接着剤を低粘度まで溶媒で希釈し、次いでそれを塗布する。接着剤の粘度は長い貯蔵後でさえ低いままである。
【0047】
本発明のさらなる主題は、多層フィルムまたは箔を製造するための本発明の架橋性シラン官能化接着剤の使用である。本発明による適当な貼合せ用接着剤を用いて接着結合した多層フィルムまたは箔も本発明の主題である。既知の軟質フィルムまたは箔を、多層フィルムまたは箔を製造するためのフィルムまたは箔材料として使用することができる。これらは、例えばフィルム形態または箔形態の熱可塑性プラスチックでできた基材であり、例えばポリエチレン(PE)またはポリプロピレン(PP、CPP、OPP)などのポリオレフィン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン(PS)、PETなどのポリエステル、ポリアミド、セロファンなどの有機ポリマー;金属フィルム、金属箔または紙も、基材として可能である。フィルムまたは箔材料を、例えば官能基を有するポリマーで修飾することにより、金属または酸化物コーティングにより、変性させることもでき、または、追加の成分、例えば顔料、染料または発泡層をフィルムまたは箔中に含有させることができる。フィルムまたは箔は、着色された、インプリントされた、無色のまたは透明のフィルムまたは箔であってよい。
【0048】
本発明による使用に関して、2以上の同一または特に異なるフィルムまたは箔を、本発明による適当な1成分型接着剤で、互いに接着結合させる。次いで、本発明の液状の貼合せ用接着剤を任意に前処理したフィルムまたは箔に塗布する。これは、例えばパターンドローラー、スムーズローラーを用いるそれ自体既知の圧力法で行うことができ、接着剤はノズルを介してスプレーされるか、または、接着剤はスリットノズルを介して塗布される。塗布方法は接着剤の粘度に応じて選択される。本発明の接着剤を1〜25μm、特に2〜15μmの薄い層厚で塗布してよい。含まれる溶媒はその直後に揮発し、次いで、第2のフィルムまたは箔を接着剤層の上に適用し、圧力で押着(press-joined)させる。
【0049】
塗布工程に関して、アルコールはすばやく揮発する。少量のみの残留アルコールまたは架橋反応に由来するアルコールは、存在する無水物基を有するオリゴマー/ポリマーによって捕捉される。
【0050】
選択されるアルコキシシラン基の量のために、接着剤を迅速に架橋させることができる。高反応性系との関連でイソシアネート系接着剤では避け難い気泡は、本反応によって生じない。本発明の架橋された貼合せ用接着剤のさらなる利点は、溶解形態における顕著な貯蔵安定性である。
【0051】
本発明の接着剤は、異なる層の間で良好な接着を示す。特にそれは無色および透明である。それは、接着剤層中に気泡または欠陥を示さない。したがって、軟質フィルム形状基材または軟質箔形状基材を結合するための貼合せ用接着剤として特に適当である。さらに、架橋の際に生じるアルコールは、無水物基含有ポリマーによって捕捉される。この結果、移行可能な物質をほんの少量しか含有しない架橋接着剤層が生成する。したがって、移行可能な物質をほんの少量のみ含有する架橋接着剤層が得られる。したがって、この種の多層フィルムまたは箔は、包装産業、例えば食品または医薬製品用の包装を製造するために特に適当である。
【実施例】
【0052】
〔実施例1-ポリエステル〕
ポリエステルを、アジピン酸およびイソフタル酸からジエチレングリコールを併用して製造した。
【0053】
ポリエステルは、約2000g/molの分子量を有した。OH価は約58であり、酸価は2未満であった。
【0054】
〔実施例2-プレポリマー〕
51.5部のポリエステル1を酢酸エチル38.5部に溶解させた後、6部のTDI100と反応させた。その後、2部のビス(3-トリエトキシシリルプロピル)アミンならびに0.4部のエタノールを添加した。
【0055】
得られた生成物は62%の固形分を有した。生成物は、さらなるイソシアネート基を含有しなかった。粘度は約1500mPas(20℃)であり、分子量(M)は約8000g/molであった。
【0056】
〔実施例3-プレポリマー〕
49部のポリエステル1を酢酸エチル38.5部に溶解させた後、5.4部のTDI100と反応させた。その後、2部のビス(3-トリエトキシシリルプロピル)アミンならびに2部のステアリルアルコールを添加した。
【0057】
得られた生成物は62%の固形分を有した。生成物は、さらなるイソシアネート基を含有しなかった。粘度は約2000mPas(20℃)であり、分子量(M)は約8000g/molであった。
【0058】
〔実施例4-接着剤〕
MAブロック約50重量%を含有するスチレンコポリマー1.6部(固形分に関して約2.5%)を、実施例2のプレポリマーに添加し、均質化した。粘度は、約1500mPas(20℃)であった。
【0059】
〔実施例5-接着剤〕
MAブロック約50重量%を含有するスチレンコポリマー1.6部(固形分に関して約2.5%)を、実施例3のプレポリマーに添加し、均質化した。粘度は、約2000mPas(20℃)であった。
【0060】
〔実施例6-比較〕
51.5部のポリエステル1を、38.5部の酢酸エチルに溶解させ、次いで、6部のTDI 80と反応させた。次いで、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)アミン4.3部を添加した。
【0061】
得られた生成物は62%の固形分を有した。生成物は、さらなるイソシアネート基を含有しなかった。
【0062】
MAブロック約50重量%を含有するスチレンコポリマー1.6部(固形分に関して約2.5%)を、プレポリマーに添加し、均質化した。粘度は、約1400mPas(20℃)であった。
【0063】
【表1】
【0064】
全ての接着剤を、塗布前に酢酸エチルで約31%の固形分まで希釈した。
【0065】
それぞれの場合において、粘度は800mPas未満であった(20℃)。
【0066】
〔接着結合〕
ポリエチレン(PE)系フィルムを本発明の接着剤でナイフを用いてコートした。層厚は5μmであった。
【0067】
別のフィルムを同様に10μmの層厚でコートした。コートした表面を、30℃で約1分間乾燥させた。次いで、OPP系第2フィルムを、ローラーを用いて、個々のコートしたフィルム上に押し付けた。
【0068】
PETフィルムに、ナイフを用いて3g/mの層厚で接着剤をコートした。乾燥後、これらのフィルムをアルミニウム箔に結合させた。
【0069】
フィルムまたは箔基材の接着結合を、6日後および14日後に測定した。全ての場合において、良好な相互接着が見られた。
【0070】
接着結合させたフィルムおよび箔からの酢酸エチル含量およびエタノール含量を、24時間後にヘッドスペースGCにより測定した。
【表2】
【0071】
当該実験は、MA含有成分の添加によりアルコール含量が減少したことを示す。低減さ
れたシラン含量を有する接着剤は、より高いシラン含量を有する接着剤と比較して、貯蔵
期間の間中、特に低い粘度を示す。
本発明の好ましい態様は、以下を包含する。
[1]a)NCO基を介して結合した少なくとも1つの架橋性アルコキシシラン基ならびに追加的に加水分解性基不含の化合物と反応したNCO基を含有する、NCO基不含ポリエステルプレポリマー、ポリエーテルプレポリマー、および/またはポリウレタンプレポリマーであって、2000〜30,000g/molの分子量を有するプレポリマー、25〜80重量%、b)130℃以下の沸点を有する有機溶媒、74〜19重量%、c)1つ以上の無水物基を含有するポリマー、オリゴマーおよび/またはモノマー、1〜20重量%、d)添加剤、0〜15重量%を含有する架橋性1成分型貼合せ用接着剤であって、該接着剤の粘度は15〜45℃で測定して50〜20,000mPas(DIN ISO 2555による)である、接着剤。
[2]ポリエステルプレポリマーまたはポリウレタンプレポリマーは、400〜25,000g/molの分子量を有する、少なくとも2個のOH基、特に3個以下のOH基を含むポリエステルポリオールから製造される、[1]に記載の1成分型接着剤。
[3]プレポリマーは平均して2個未満のトリアルコキシシラン基、特にトリエトキシシラン基、トリメトキシシラン基またはトリプロポキシシラン基を含有する、[1]または[2]に記載の1成分型接着剤。
[4]プレポリマーは、ポリエステルポリオールと過剰のジイソシアネートとの反応によりNCO基含有プレポリマーを得て、次いで、該NCO基と、アミノシラン、および、500g/mol未満の分子量を有する1価のOH-含有化合物、NHR-含有化合物またはSH-含有化合物とを反応させることによって製造される、[1]〜[3]のいずれかに記載の1成分型接着剤。
[5]接着剤は、環状無水物基を有するポリマー、オリゴマーおよび/またはモノマーを2〜15重量%含む、[4]に記載の1成分型接着剤。
[6]無水物含有ポリマーは、1000g/molより大きい分子量を有する、特にMSA-スチレンコポリマーまたはMSA-(メタ)アクリレートコポリマーである、[5]に記載の1成分型接着剤。
[7]環状無水物基の量は、化学量論的に少なくともアルコキシ基の量に相当する、[1]〜[6]のいずれかに記載の1成分型接着剤。
[8]-OH基、-SH基または-NH-アルキル基を含有する1価の化合物を、加水分解性基を含有しない化合物として使用する、[4]または[7]に記載の1成分型接着剤。
[9]特に12個以下の炭素原子を有する1価の直鎖状または分枝状アルコールを1価の化合物として反応させる、[8]に記載の1成分型接着剤。
[10]全溶媒に基づいて50%以下のC〜Cの一価アルコール、特にメタノール、エタノールまたはプロパノールを有機溶媒として含有する、[1]〜[8]のいずれかに記載の1成分型接着剤。
[11]架橋性アルコキシシラン基を含む化合物(A)および加水分解性基を含有しない化合物(B)を、存在するNCO基に関して等しい量で共に使用する、[1]〜[10]のいずれかに記載の1成分型接着剤。
[12][1]〜[11]のいずれかに記載の1成分型接着剤を使用するフィルムまたは箔基材を接着結合するための方法であって、適用前にC〜Cアルコールを含有する溶媒を用いて接着剤を粘度について調整し、該接着剤を第1基剤上に適用し乾燥させ、続いて第2のフィルムまたは箔基材に接着結合させる、方法。
[13]軟質フィルム形状基材または軟質箔形状基材、特にポリマーフィルムまたは箔、紙フィルムまたは箔、金属フィルムまたは箔、および表面処理されたフィルムまたは箔を接着結合するための、[1]〜[10]のいずれかに記載の1成分型接着剤の使用。