特許第5945372号(P5945372)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5945372
(24)【登録日】2016年6月3日
(45)【発行日】2016年7月5日
(54)【発明の名称】液状調味料容器及び容器詰液状調味料
(51)【国際特許分類】
   B65D 1/32 20060101AFI20160621BHJP
   B65D 1/02 20060101ALI20160621BHJP
   B65D 1/00 20060101ALI20160621BHJP
   B65D 23/08 20060101ALI20160621BHJP
   B65D 23/00 20060101ALI20160621BHJP
   A23L 27/60 20160101ALI20160621BHJP
【FI】
   B65D1/32
   B65D1/02 221
   B65D1/00 111
   B65D23/08 Z
   B65D23/00 H
   A23L1/24 A
【請求項の数】21
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2015-558279(P2015-558279)
(86)(22)【出願日】2015年8月31日
(86)【国際出願番号】JP2015074757
【審査請求日】2015年11月30日
(31)【優先権主張番号】特願2015-139086(P2015-139086)
(32)【優先日】2015年7月10日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001421
【氏名又は名称】キユーピー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【弁理士】
【氏名又は名称】布施 行夫
(72)【発明者】
【氏名】高山 崇
(72)【発明者】
【氏名】川▲崎▼ 翔太
【審査官】 家城 雅美
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−001441(JP,A)
【文献】 特開2007−308195(JP,A)
【文献】 特開2007−062783(JP,A)
【文献】 特開2002−173123(JP,A)
【文献】 特開2004−123190(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/011223(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 1/00− 1/48
B65D85/72
B65D23/00−25/56
A47G19/12
A23L27/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トルとキャップとからなる液状調味料容器であって、
前記液状調味料容器に充填する調味料は、粘度が5Pa・s〜500Pa・sの液状調味料であり、かつ、初期容量が100cm〜700cmであり、
前記ボトルは、口部と、胴部と、底部と、を含み、
前記口部は、前記キャップが取り付けられる部分であり、
前記底部は、前記口部を上側として正立状態で最外縁が接地部分となり、
前記胴部は、正立状態における水平横断面が扁平形状の部分を含み、
前記扁平形状の部分は、前記ボトルの中心軸に直交する短軸と長軸とを持ち、
前記胴部における前記短軸と交差する面が前記胴部の正面及び背面であり、
前記ボトルは、主成分が低密度ポリエチレンの単層構造または主成分が低密度ポリエチレンの層を1層以上含む多層構造であって、
前記多層構造における主成分が低密度ポリエチレンの層の合計厚みは、前記ボトルの肉厚の80%以上であり、
前記初期容量をx(cm)、前記ボトルの前記口部を除いた目付量をy(g)としたとき、y/x2/3が0.37〜0.6であり、
前記ボトルに空気が満注した状態から内部の空気を前記初期容量の10%吸引し、該吸引の30秒後の内圧が−1.0kPa〜−3.0kPaであることを特徴とする、液状調味料容器。
【請求項2】
請求項1において、
前記胴部は、前記接地部分から前記胴部の全高における2/3の高さまでの間の領域が前記扁平形状の部分であることを特徴とする、液状調味料容器。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記胴部は、前記接地部分から前記胴部の全高における2/3の高さまでの間の領域の肉厚が0.4mm以上1.0mm以下であることを特徴とする、液状調味料容器。
【請求項4】
請求項1〜のいずれか1項において、
前記正面及び前記背面のそれぞれにパネルを有することを特徴とする、液状調味料容器。
【請求項5】
請求項において、
前記パネルを前記短軸に垂直な平面である正投影面に投影した第2の投影面積が、前記胴部を前記正投影面に投影した第1の投影面積の60%以下であることを特徴とする、液状調味料容器。
【請求項6】
請求項またはにおいて、
前記パネルは、前記短軸と交差する前記パネルの上端と下端とを結ぶ仮想線上、または、前記仮想線よりも内側にあることを特徴とする、液状調味料容器。
【請求項7】
請求項のいずれか1項において、
前記パネル内の肉厚は0.5mm以上1.0mm以下であって、かつ、前記短軸と交差する前記パネルの上端および下端における肉厚が0.8mm以下であり、
前記上端および前記下端の肉厚は、前記パネルの中央部の肉厚より薄いことを特徴とする、液状調味料容器。
【請求項8】
請求項のいずれか1項において、
前記ボトルが正立状態で前記短軸と交差する位置における前記正面のパネルと前記背面のパネルとの間隔において、パネルの間隔が最も小さくなる最凹部間における第1の距離が、パネルの下端間の第2の距離に対して、0.7〜1.0であることを特徴とする、液状調味料容器。
【請求項9】
請求項において、
前記最凹部の前記接地部分からの高さは、前記ボトルの正立状態における前記パネルの上端と前記下端の中点の高さより高い位置にあることを特徴とする、液状調味料容器。
【請求項10】
請求項またはにおいて、
前記胴部は、前記最凹部より下側の表面に凹凸を有することを特徴とする、液状調味料容器。
【請求項11】
請求項10のいずれか1項において、
前記キャップの上端縁は、前記短軸と交差する前記パネルの上端と下端とを結んだ仮想線に接することがないことを特徴とする、液状調味料容器。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1項において、
前記胴部は、少なくとも、前記胴部の全高における2/3の高さ以下で前記接地部分から10mmの高さ以上の間の表面領域を、熱収縮フィルムを用いて被覆したことを特徴とする、液状調味料容器。
【請求項13】
請求項12において、
前記熱収縮フィルムは、前記熱収縮フィルムの上端が前記キャップの上端縁まで覆うことを特徴とする、液状調味料容器。
【請求項14】
請求項12または13において、
前記調味料が、食用油と酸性スラリーを乳化させた酸性乳化液状調味料であり、
前記熱収縮フィルムが、波長253.7nmの紫外線の透過率が0.1%以下であることを特徴とする、液状調味料容器。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか1項において、
前記ボトルの表面または前記ボトルの表面を覆う被覆材の表面に表示された文字が、前記ボトルの正立状態において、上下逆であることを特徴とする、液状調味料容器。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれか1項において、
前記初期容量が500cm以下であることを特徴とする、液状調味料容器。
【請求項17】
請求項1〜16のいずれか1項において、
前記キャップの上端縁で囲まれた領域の面積が、前記キャップの下端縁で囲まれた領域の面積より大きいことを特徴とする、液状調味料容器。
【請求項18】
請求項1〜17のいずれか1項において、
前記キャップは、前記キャップを上から見てヒンジ中央を0°としたときの時計回りでの角度で45〜315°において、前記中心軸に沿った方向で上端縁へ向かって広がる指掛部を有し、
前記キャップが開くのに必要な前記指掛部を押す力が20N以下であることを特徴とする、液状調味料容器。
【請求項19】
請求項1〜18のいずれか1項において、
前記胴部は、前記接地部分から前記胴部の全高における2/3の高さまでの前記長軸の幅の平均値が、前記2/3の高さより上側の前記長軸の幅の平均値の1.4〜1.6倍であることを特徴とする、液状調味料容器。
【請求項20】
請求項1〜19のいずれか1項において、
前記胴部は、前記長軸の幅が最大となる最大幅部において、
前記ボトルの倒立状態における前記最大幅部の高さが、前記最大幅部の幅の1.5〜1.7倍であることを特徴とする、液状調味料容器。
【請求項21】
請求項1〜20のいずれか1項に記載の液状調味料容器に封入された、容器詰液状調味料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボトルとキャップとからなる液状調味料容器に関し、詳しくは前記ボトルが特定の復元力を有する液状調味料容器及びその容器に封入された容器詰液状調味料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、マヨネーズ様食品を含む粘度の高い酸性乳化液状調味料の容器として複数の容器が各種提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1には、ポリエチレン(PE)樹脂とガスバリア性樹脂をベースとした容器であって、マヨネーズ様食品100gあたりの目付量を4.0g以下とし、適度の剛性、取り扱い性に優れた軽量化されたボトルが提案されている。
【0004】
しかしながら、特許文献1の容器は、内容物であるマヨネーズが少なくなるにつれ容器の形状が変形し、容器本来の美観を損なってしまうという課題を有する。
【0005】
これに対して、粘度の低い飲料等の容器としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)を用いたり(例えば、特許文献2参照)、高密度ポリエチレン(HDPE)を用いたり(例えば、特許文献3参照)することで、内容物が少なくなっても容器の形状が変形し難いボトルが提案されている。
【0006】
しかしながら、PETやHDPEを材質としたボトルは、しなやかさがなく、粘度の高い液状調味料を入れた場合に、一定の力を超えるまでは内容物がほとんど排出されず、一定の力を超えるとボトルが急激に変形して内容物が一気に排出されてしまうという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−058808号公報
【特許文献2】特開平1−182253号公報
【特許文献3】特開2002−363297号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、内容物が粘度の高い液状調味料であっても、ボトルがしなやかに変形することで排出しやすく、かつ内容物が少なくなっても容器の形状が変形しにくく、容器本来の美観を損ないにくい液状調味料容器および液状調味料容器に封入された容器詰液状調味料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような目的を達成するため、本発明は、以下の構成によって把握される。
【0010】
[適用例1]
本適用例に係る液状調味料容器は、ボトルとキャップとからなる液状調味料容器であって、
前記液状調味料容器に充填する調味料は、粘度が5Pa・s〜500Pa・sの液状調味料であり、かつ、初期容量が100cm〜700cmであり、 前記ボトルは、口
部と、胴部と、底部と、を含み、
前記口部は、前記キャップが取り付けられる部分であり、
前記底部は、前記口部を上側として正立状態で最外縁が接地部分となり、
前記胴部は、正立状態における水平横断面が扁平形状の部分を含み、
前記扁平形状の部分は、前記ボトルの中心軸に直交する短軸と長軸とを持ち、
前記胴部における前記短軸と交差する面が前記胴部の正面及び背面であり、
前記ボトルは、主成分が低密度ポリエチレンの単層構造または主成分が低密度ポリエチレンの層を1層以上含む多層構造であって、
前記多層構造における主成分が低密度ポリエチレンの層の合計厚みは、前記ボトルの肉厚の80%以上であり、
前記初期容量をx(cm)、前記ボトルの前記口部を除いた目付量をy(g)としたとき、y/x2/3が0.37〜0.6であり、
前記ボトルに空気が満注した状態から内部の空気を前記初期容量の10%吸引し、該吸引の30秒後の内圧が−1.0kPa〜−3.0kPaであることを特徴とする。
【0011】
本適用例によれば、内容物が粘度の高い液状調味料であっても、ボトルがしなやかに変形することで排出しやすく、かつ内容物が少なくなっても容器の形状が変形しにくく、容器本来の美観を損ないにくい。初期容量と目付量は所定の比例関係を有するが、本適用例によれば、従来の低密度ポリエチレン(LDPE)を主成分とする液状調味料容器に比べて、y/x2/3が0.37〜0.6と大きな値を示すため、内容物が少なくなっても容器の初期形状に近い状態で維持することができる。
【0012】
[適用例2]
本適用例に係る液状調味料容器において、
前記胴部は、前記接地部分から前記胴部の全高における2/3の高さまでの間の領域が前記扁平形状の部分であることができる。
【0013】
本適用例によれば、扁平形状であるので使用者が押しやすく、使用者に押す部分を認識させやすい。
【0016】
[適用例
本適用例に係る液状調味料容器において、
前記胴部は、前記接地部分から前記胴部の全高における2/3の高さまでの間の領域の肉厚が0.4mm以上1.0mm以下であることができる。
【0017】
本適用例によれば、従来の低密度ポリエチレン(LDPE)を主成分とする液状調味料容器に比べて、肉厚が厚いので、内容物が少なくなっても容器の初期形状に近い状態で維持することができる。
【0020】
[適用例
本適用例に係る液状調味料容器において、
前記正面及び前記背面のそれぞれにパネルを有することができる。
【0021】
本適用例によれば、これまで高粘度の調味料の容器には採用されていないパネルを有することにより、容器の内部が圧力変化にも柔軟に対応することができる。
【0022】
[適用例
本適用例に係る液状調味料容器において、
前記パネルを前記短軸に垂直な平面である正投影面に投影した第2の投影面積が、前記胴部を前記正投影面に投影した第1の投影面積の60%以下であることができる。
【0023】
本適用例によれば、高粘度の調味料が一部排出されて容器の内部が陰圧になってもパネルがゆっくりと外側へ変形して容器の初期形状に近い状態に戻りやすい。
【0024】
[適用例
本適用例に係る液状調味料容器において、
前記パネルは、前記短軸と交差する前記パネルの上端と下端とを結ぶ仮想線上、または、前記仮想線よりも内側にあることができる。
【0025】
本適用例によれば、内容物が一部排出されて代わりに空気が吸い込まれた後キャップを閉め、環境温度などによって容器内部の内圧が上昇した場合にもパネルがゆっくりと外側へ変形して容器内部の内圧が初期に近い状態に戻りやすい。
【0026】
[適用例
本適用例に係る液状調味料容器において、
前記パネル内の肉厚は0.5mm以上1.0mm以下であって、かつ、前記短軸と交差する前記パネルの上端および下端における肉厚が0.8mm以下であり、
前記上端および前記下端の肉厚は、前記パネルの中央部の肉厚より薄くすることができる。
【0027】
本適用例によれば、パネルの中でも上端付近及び下端付近の肉厚が比較的薄いため、使用者がこの部分を押したときに容易に変形し、小さな力でも内容物を十分に排出することができる。
【0028】
[適用例
本適用例に係る液状調味料容器において、
前記ボトルが正立状態で前記短軸と交差する位置における前記正面のパネルと前記背面のパネルとの間隔において、パネルの間隔が最も小さくなる最凹部間における第1の距離が、パネルの下端間の第2の距離に対して、0.7〜1.0であることができる。
【0029】
本適用例によれば、パネル部分を使用者が押し易く、扱いやすい。また、この距離の比が1.0以下であることで、容器が座屈強度に優れる。さらに、環境温度などによって容器内部の内圧が上昇した場合にもパネルの変形により圧力が吸収されるため、開封した際に内容物が噴出しにくい。
【0030】
[適用例
本適用例に係る液状調味料容器において、
前記最凹部の前記接地部分からの高さは、前記ボトルの正立状態における前記パネルの前記上端と前記下端の中点の高さより高い位置にあることができる。
【0031】
本適用例によれば、使用者が調味料を料理等にかける際には容器を逆さに(倒立状態で保持)するが、その際に持ちやすく、内容物を押し出しやすい。
【0032】
[適用例10
本適用例に係る液状調味料容器において、
前記胴部は、前記最凹部より下側の表面に凹凸を有することができる。
【0033】
本適用例によれば、使用者が持ちやすく、触覚から容器のどのあたりを保持しているかを直接感じ取ることができる。
【0034】
[適用例11
本適用例に係る液状調味料容器において、
前記キャップの上端縁は、前記短軸と交差する前記パネルの上端と下端とを結んだ仮想線に接することがない位置とすることができる。
【0035】
本適用例によれば、複数の容器を箱詰めして運搬する際に、ボトルに比べて硬いキャップ同士が接触し合ってキャップに擦れ傷が付くのを防止できる。
【0036】
[適用例12
本適用例に係る液状調味料容器において、
前記胴部は、少なくとも、前記胴部の全高における2/3の高さ以下で前記接地部分から10mmの高さ以上の間の表面領域を、熱収縮フィルムを用いて被覆することができる。
【0037】
本適用例によれば、胴部を被覆しているので、内容物を一部排出して胴部を変形させても長軸側が延びようとする変形を熱収縮フィルムが抑えるため、胴部が初期形状に戻りやすい。
【0038】
[適用例13
本適用例に係る液状調味料容器において、
前記熱収縮フィルムは、前記熱収縮フィルムの上端が前記キャップの上端縁まで覆うことができる。
【0039】
本適用例によれば、熱収縮フィルムがキャップの不正開封防止機能を有する。
【0040】
[適用例14
本適用例に係る液状調味料容器において、
前記調味料が、食用油と酸性スラリーを乳化させた酸性乳化液状調味料であり、
前記熱収縮フィルムが、波長253.7nmの紫外線の透過率が0.1%以下であることを特徴とすることができる。
【0041】
本適用例によれば、熱収縮フィルムが酸性乳化液状調味料の紫外線による劣化を防止できる。
【0042】
[適用例15
本適用例に係る液状調味料容器において、
前記ボトルの表面または前記ボトルの表面を覆う被覆材の表面に表示された文字が、前記ボトルの正立状態において、上下逆であることができる。
【0043】
本適用例によれば、使用者が文字を見てキャップを下にして倒立状態で卓上等に置くことが期待される。キャップの閉塞状態が不十分だと容器の自立性も不安定になるため、使用者にキャップを確実に閉める意識を与えることができる。また、容器が倒立状態で陳列しても商品を識別しやすい。
【0044】
[適用例16
本適用例に係る液状調味料容器において、
前記初期容量が500cm以下であることができる。
【0045】
本適用例によれば、倒立状態でも安定して自立できる。
【0046】
[適用例17
本適用例に係る液状調味料容器において、
前記キャップの上端縁で囲まれた領域の面積が、前記キャップの下端縁で囲まれた領域の面積より大きく設定することができる。
【0047】
本適用例によれば、倒立状態での安定性が向上する。
【0048】
[適用例18
本適用例に係る液状調味料容器において、
前記キャップは、前記キャップを上から見てヒンジ中央を0°としたときの時計回りでの角度で45〜315°において、前記中心軸に沿った方向で上端縁へ向かって広がる指掛部を有し、
前記キャップが開くのに必要な前記指掛部を押す力が20N以下であることができる。
【0049】
本適用例によれば、キャップの全周における広い範囲で指掛部を押して容易に開封できるため、使用者がキャップの向きを確認する手間が省ける。
【0050】
[適用例19
本適用例に係る液状調味料容器において、
前記胴部は、前記接地部分から前記胴部の全高における2/3の高さまでの前記長軸の幅の平均値が、前記2/3の高さより上側の前記長軸の幅の平均値の1.4〜1.6倍であることができる。
【0051】
本適用例によれば、2/3の高さまでの位置は、使用時には倒立状態になるので、食卓等で皿の上に盛り付けられた料理よりも高い位置に太く持ちやすい部分が配置されることになり、取り扱いやすい。また、従来のPETボトルやHDPEボトルのように比較的硬い容器は、使用者が手に取る部分が硬く、押しても内容物が排出されないような領域が大きいため持ち変える必要があるが、本適用例では太く持ちやすい部分も柔軟で内容物を容易に排出できる。
【0052】
[適用例20
本適用例に係る液状調味料容器において、
前記胴部は、前記長軸の幅が最大となる最大幅部において、
前記ボトルの倒立状態における前記最大幅部の高さが、前記最大幅部の幅の1.5〜1.7倍であることができる。
【0053】
本適用例によれば、倒立状態における容器が美しい外観を呈する。
【0054】
[適用例21
本適用例に係る容器詰液状調味料は、液状調味料容器に封入されたことを特徴とする。
【0055】
本適用例によれば、内容物を排出する際にボトルがしなやかに変形するため、粘度の高い液状調味料を封入できる。
【発明の効果】
【0056】
本発明によれば、内容物が粘度の高い液状調味料であっても、ボトルがしなやかに変形することで排出しやすく、かつ内容物が少なくなっても容器の形状が変形しにくく、容器本来の美観を損ないにくい液状調味料容器および液状調味料容器に封入された容器詰液状調味料を提供することができる。
【0057】
また本発明によれば、粘度の高い液状調味料をごく少量排出する、あるいは、大量排出するいずれの場合であっても、小さな力で排出量や排出スピードを応答性よく制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
図1図1は、一実施形態に係る液状調味料容器の正面図及び口部の正面図である。
図2図2は、一実施形態に係る液状調味料容器の側面図である。
図3図3は、一実施形態に係る液状調味料容器の図1におけるE−E断面図である。
図4図4は、変形例1に係る液状調味料容器を倒立状態で示す正面図である。
図5図5は、変形例2に係る液状調味料容器を倒立状態で示す正面図である。
図6図6は、変形例2に係る液状調味料容器のキャップの平面図である。
図7図7は、従来のLDPE製の液状調味料容器と一実施形態に係る倒立状態の液状調味料容器とを並べて示す図である。
図8図8は、従来のPET製及びHDPE製の倒立状態の液状調味料容器と、一実施形態に係る倒立状態の液状調味料容器とを、並べて示す図である。
図9図9は、変形例3に係る液状調味料容器のキャップ部の正面図である。
図10図10は、実施例及び比較例の押力の測定方法を説明する図である。
図11図11は、一実施形態に係る液状調味料容器の目付量と液状調味料の初期容量との関係を描いた図であり、横軸は液状調味料の初期容量(cm)、縦軸はボトルの口部を除いた目付量(g)を表した。
【発明を実施するための形態】
【0059】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0060】
なお、以下の説明においては、特に断らない限り、液状調味料容器の上下はキャップを上にした正立状態における上下として説明する。
【0061】
1.実施形態
図1図3を用いて、一実施形態に係る液状調味料容器1について説明する。図1は、一実施形態に係る液状調味料容器1の正面図及び口部11の正面図であり、図2は、一実施形態に係る液状調味料容器1の側面図であり、図3は、一実施形態に係る液状調味料容器1の図1におけるE−E断面図である。
【0062】
1.1.液状調味料容器の概要
図1及び図2に示すように、液状調味料容器1は、ボトル10とキャップ20とからなる。ボトル10は、ブロー成形されて得られる。ブロー成形は、ダイレクトブロー成形、インジェクションブロー成形、インジェクションストレッチブロー成形などの公知の成形方法を適用できる。キャップ20は、樹脂製であり、ボトル10の口部11に固定される下部20aと、下部20aに対してヒンジ21を介して開閉可能な上部20bと、を一体に射出成形または圧縮成形して得られる。
【0063】
液状調味料容器1の内部には、調味料が充填されている。調味料は、粘度が5Pa・s〜500Pa・sの液状調味料であり、かつ、初期容量が100cm〜700cmである。調味料としては、高粘度の調味料、例えば、マヨネーズを含むマヨネーズ様食品、ケチャップ、クリーム、ソース、ジャムなどがある。調味料の粘度は、BH形粘度計で、品温20℃、回転数2rpmの条件で、ローターNo.6を使用し、測定開始後ローターが2回転した時の示度により算出した値である。
【0064】
液状調味料容器1の初期容量が100cm以上500cm以下であることができる。500cm以下の初期容量であれば、倒立状態でも安定して自立できる。
【0065】
1.2.ボトル
図1及び図2に示すように、ボトル10は、口部11と、胴部12と、底部14と、を含む。なお、口部11は、キャップ20に隠れてしまうので、図1の右側に破線で囲った中に示している。
【0066】
1.2.1.口部
口部11は、キャップ20が取り付けられる部分である。口部11の上端は、図示しない開口を有する。口部11の側面には、雄ねじが成形されており、キャップ20の下部20aの内側に形成された雌ねじと螺合されて口部11の開口を閉塞する。したがって、キャップ20の上部20bを跳ね上げると、口部11の開口に連通する下部20aに設けられた図示しない吐出口が現れて、調味料を排出することができる。
【0067】
1.2.2.底部
底部14は、ボトル10の下端にあって、ボトル10を閉塞する略平坦な部分である。底部14は、口部11を上側として正立状態で最外縁が接地部分15となる。接地部分15で囲まれた内側の部分はわずかに上方へ窪む上底形状を有する。液状調味料容器1を接地部分15で平面、例えば卓上に置いた状態が正立状態である。正立状態において液状調味料容器1は、ボトル10の中心軸Xが鉛直方向に延びる。中心軸Xは、口部11の中心を通り、正立状態において鉛直方向に延びる。
【0068】
1.2.3.胴部
胴部12は、口部11の開口から底部14へ向かって延びる筒状の部分であって、底部14で閉塞される。胴部12は、胴部12の全高Hにおける2/3の高さ仮想線16から上方に肩部13を有する。肩部13は、上方へ向かうにしたがって徐々に縮径する。胴部12は、正立状態における水平横断面が扁平形状の部分を含む。図3には、図1におけるE−E断面(水平横断面)の胴部12の扁平形状の部分を示す。
【0069】
扁平形状の部分は、少なくとも、接地部分15から胴部12の全高Hにおける2/3の高さ仮想線16までの間の領域に形成される。ここでは、扁平形状の部分は、胴部12の口部11に接続する部分を除いて胴部12の全域に形成される。
【0070】
扁平形状の部分は、ボトル10の中心軸Xに直交する短軸Qと長軸Rとを持つ。したがって、短軸Qと長軸Rは互いに直交する。胴部12における短軸Qと交差する面が胴部12の正面及び背面である。胴部12における長軸Rと交差する面が胴部12の側面である。図3に示すように、扁平形状の部分は、胴部12が略楕円形状に形成されている。そして、正面及び背面の対向する領域を一点鎖線で示す楕円の円弧よりも大きな円弧を用いて一部切り欠いたようにパネル30を有する。扁平形状の部分は、図3のように長軸Rに沿った方向に長く延びる形状であればよい。例えば、図3のように略楕円形状であってもよいし、複数の円弧や放物線などを組み合わせてもよいし、一部を直線としてもよく、例えば角を面取りした略長方形や他の略多角形であってもよい。
【0071】
このように、扁平形状の部分を有することで、使用者が液状調味料容器1を把持しやすく、使用者が短軸Q方向に沿って押しやすく、使用者に調味料を押し出すために押す部分を認識させやすい。
【0072】
1.2.3.1.肉厚
胴部12の全高Hにおける2/3の高さ仮想線16までの胴部12の肉厚が0.4mm以上1.0mm以下であることができる。すなわち、胴部12の肉厚は、胴部12の全高Hにおける2/3の高さ仮想線16までのいずれの位置で測定しても0.4mm以上であって1.0mm以下の厚さの範囲内に収まる。従来の低密度ポリエチレン(LDPE)を主成分とする液状調味料容器1に対し胴部12の肉厚は厚いので、内容物を押し出しても押した部分が徐々に膨らんで元に戻り、内容物が少なくなっても液状調味料容器1の初期形状に近い状態(胴部12の横断面は扁平形状)で維持することができる。しかも、低密度ポリエチレンを用いているので、肉厚を厚くしても柔軟性を有しており、胴部12を押す際に極端に強い力が必要になるわけではない。
【0073】
1.2.3.2.押力
ボトル10に空気が満注した状態で、正面及び背面を短軸と平行な方向に直径10mmの円形の押圧面を有する押棒で押して、内部の空気がボトル10の初期容量の10%排出されるまで押したときの最高押力が21N未満である第1低押力領域の面積が、胴部12を短軸Qに垂直な平面である正投影面に投影した第1の投影面積の40%以上80%以下であることができる。なお、測定は、気温25℃の測定条件下で行う。21Nを超える押力が必要になると、人差し指1本で押しても内容物を押し出すことが困難となる範囲である。同様に押力を測定した場合に、最高押力が14N未満である第2低押圧領域の面積が50%以上80%以下であることができる。押力が14N未満であると、人差し指1本で押しても内容物を押し出すことができる。このように比較的小さな力でも内容物を十分に排出することができるので、PETボトルやHDPEボトルのようにボトルが急激に変形して内容物が一気に排出されるような事態が発生しにくい。最高押力の具体的測定方法については後述の実施例において説明するが、気温25℃の測定条件下で、胴部12の正面の複数点(N箇所)で各最高押力を測定して、その内の所定押力未満の点の数(n箇所)の割合(n/N×100(%))を、第1の投影面積に対する第1低押力領域(第2低押力領域)の面積として算出することができる。
【0074】
1.2.3.3.パネル
胴部12の正面及び背面のそれぞれにパネル30を有することで、以下に説明するような多くの好ましい効果がある。従来では、高粘度の調味料の容器には採用されていないパネル30を有することにより、液状調味料容器1の内部の圧力変化にも柔軟に対応することができる。つまり、パネル30の変形によって、内圧の変化による胴部12の変形を防止することができるので、胴部12の外観に影響が少なくなる。
【0075】
パネル30は、胴部12の外形よりも内側に凹んだ領域である。図3のように2つの曲率が異なる円弧が接続する部分でパネル30の稜線が形成されて、その稜線が正面図でみたときに上下に長い略楕円形の形状を有する。ここでは、パネル30の輪郭は、稜線として現れているが、これに限らず、部分的に、または全周にわたって輪郭の部分で徐々に変化させて(稜線がぼやけるようにして)もよい。
【0076】
パネル30を短軸Qに垂直な平面である正投影面に投影した第2の投影面積が、胴部12を正投影面に投影した第1の投影面積の60%以下であることができる。図11は、正面図なので第1、第2の投影面積が表されている。胴部12に占めるパネル30の面積が60%より小さければ、高粘度の調味料が一部排出されて容器の内部が陰圧になっても、パネル30の復元力によって外部から空気を取り込みながらパネル30がゆっくりと外側へ変形して容器の初期形状に近い状態に戻りやすい。
【0077】
パネル30は、短軸Qと交差するパネル30の上端31と下端32とを結ぶ仮想線Y上、または、仮想線Yよりも内側にある。つまり、パネル30は、縦断面で見れば胴部12の内側に窪む凹部である。胴部12を押すことで内容物が一部排出されて代わりに空気が吸い込まれた後キャップを閉め、環境温度などによって容器内部の内圧が上昇した場合にも、パネル30がゆっくりと外側へ変形して液状調味料容器1内部の内圧が初期に近い状態に戻りやすい。パネル30が胴部12の内側に窪む形状であるため、パネル30が無い場合に比べて、例えば同じ5mm押したときの内部の体積減少が大きくなり、内容物を押し出しやすくなる。
【0078】
パネル30内の肉厚は0.5mm以上1.0mm以下であって、かつ、短軸Qと交差するパネル30の上端31および下端32における肉厚が0.8mm以下であり、上端31および下端32の肉厚は、パネル30の中央部33の肉厚より薄くすることができる。このようにパネル30の中でも上端31付近及び下端32付近の肉厚が比較的薄くすると、使用者がこの部分を押したときに容易に変形し、小さな力でも内容物を十分に排出することができる。さらに、パネル30内の肉厚は、0.5mm以上0.9mm以下であって、かつ、上端31および下端32における肉厚が0.7mm以下であることが好ましい。
【0079】
ボトル10が正立状態で短軸Qと交差する位置における正面のパネル30と背面のパネル30との間隔において、パネル30の間隔が最も小さくなる最凹部35間における第1の距離L1が、パネル30の下端32間の第2の距離L3に対して、0.7〜1.0であることができる。最凹部35は、中心軸Xに沿った方向でパネル30の最も内側に窪んだ部分である。このような形状とすることで、使用者がパネル30を特に正面及び背面で押し易く、扱いやすい。また、この距離の比が1.0以下であることで、液状調味料容器1が座屈強度に優れる。さらに、環境温度などによって液状調味料容器1の内部の内圧が上昇した場合にもパネルの変形により圧力が吸収されるため、キャップ20を開封した際に内容物が噴出しにくい。
【0080】
最凹部35の接地部分15からの高さは、ボトル10の正立状態におけるパネル30の上端31と下端32の中点34の高さより高い位置にある。最凹部35が中点34よりも高い位置にあると、使用者が調味料を料理等にかける際には液状調味料容器1を逆さに(倒立状態で保持)するが、その際に持ちやすく、内容物を押し出しやすい。
【0081】
キャップ20の上端縁23は、短軸Qと交差するパネル30の上端31と下端32とを結んだ仮想線Yに接することがない位置にある。市場に流通する際には、複数の液状調味料容器1を箱詰めして運搬することになるが、その際、ボトル10に比べて硬いキャップ20同士が接触し合ってキャップ20に擦れ傷が付くのを防止できる。特に、後述するようにキャップ20の上端縁23まで熱収縮フィルムで覆うような場合にはキャップ20による擦り傷が付きにくいことは商品価値の面で望ましい。
【0082】
本実施形態では胴部12にパネル30を設けた例について説明しているが、これに限定されるものでは無い。パネル30特有の効果以外の効果は、パネル30が無い場合にも得られることは明らかである。
【0083】
1.2.4.ボトルの材質
ボトル10は、主成分が低密度ポリエチレン(以下、単に「LDPE」ということがある)の単層構造または主成分が低密度ポリエチレンの層を1層以上含む多層構造である。多層構造を採用した場合には、多層構造における主成分が低密度ポリエチレンの層の合計厚み、すなわち、主成分が低密度ポリエチレンの層が1つの場合にはその層の厚みが、複数の層がある場合にはそれらの合計の厚みが、ボトル10の肉厚の80%以上である。肉厚は、ボトル10の壁の厚みである。主成分が低密度ポリエチレンであるというのは、密度が0.910〜0.930(g/cm。旧JIS K6748:1995による)で、樹脂中のモノマーとしてエチレンの占める割合が50モル%以上である低密度ポリエチレンを、50質量%以上含むことを意味する。
【0084】
また、低密度ポリエチレンであっても、直鎖上低密度ポリエチレン(LLDPE)よりも、高圧法で製造された低密度ポリエチレン(HP−LDPE)であれば、曲げ弾性率が130〜370MPa(JIS K6922−2法による)と比較的柔軟であり、ボトル10の主成分として好ましい。
【0085】
1.2.5.内圧
液状調味料容器1は、ボトル10に空気が満注した状態から内部の空気を初期容量の10%吸引し、該吸引の30秒後の内圧が−1.0kPa〜−3.0kPa(測定時の温度は25℃)である。すなわち、調味料を初期容量の10%押し出したときに、胴部12が元の状態に戻ろうとする圧力が生じていることを示している。従来のLDPEの容器ではそのような力はほとんど発生しなかった。したがって、粘度の高い液状調味料であっても、ボトル10がLDPEを用いることでしなやかに変形して内容物を排出しやすく、かつ内容物が少なくなっても胴部12の復元力によって液状調味料容器1の形状が変形したままになりにくく、容器本来の美観を損ないにくい。
【0086】
液状調味料容器1の内部が陽圧になった場合、例えば、調味料が封入された液状調味料容器1を冷蔵庫で冷やし、その後冷蔵庫から取り出して内容物を一部排出させて代わりに空気が吸い込まれて空気が冷えた後キャップを閉め、さらに常温に置かれた状態で調味料とともに先ほど吸い込まれた空気も温まって膨張し、キャップ20を開封しても、内部の陽圧分は胴部12の扁平形状の部分及び/またはパネル30が外方に膨らむように変形することで吸収しているため、内容物が飛び出すことは起きにくい。
【0087】
1.2.6.初期容量と目付量
ボトル10の初期容量をx(cm)、ボトル10の口部11を除いた目付量をy(g)としたとき、y/x2/30.37〜0.6であ。初期容量と目付量は所定の比例関係を有する(実施例等を用いて後述する)が、従来の低密度ポリエチレン(LDPE)を主成分とする液状調味料容器に比べて、y/x2/30.37〜0.6と大きな値を示すため、内容物が少なくなっても容器の初期形状に近い状態で維持することができる。
【0088】
2.変形例1
次に、図4を用いて、変形例1の液状調味料容器1aについて説明する。図4は、変形例1に係る液状調味料容器1aを倒立状態で示す正面図である。
【0089】
図4に示すように、液状調味料容器1aの胴部12は、パネル30の最凹部35より下側の表面に凹凸36を有する。凹凸36以外の構成は、実施形態の液状調味料容器1と同様であるので説明は省略する。凹凸36を有することで使用者が持ちやすく、触覚から容器のどのあたりを保持しているかを直接感じ取ることができる。凹凸36は、模様であってもよく、例えば網目模様や格子模様などでもよい。このような模様は商品の識別機能も発揮できる。胴部12の表面からの凹の陥没距離または凸の突出距離は、0.1mm〜2.0mmであることができる。
【0090】
凹凸36は、接地部分15から例えば10mmの高さから、パネル30の最凹部35付近の高さまでの間で、側面を除いて設けられている。
【0091】
また、以下に説明する胴部12の所定の高さと幅の比については、変形例1の液状調味料容器1aとして説明するが凹凸36以外が実施形態に係る液状調味料容器1と全く同じである。
【0092】
胴部12は、接地部分15から胴部12の全高Hにおける2/3の高さ仮想線16までの長軸Rの幅L2(図4では最大幅部18の幅を示す)の平均値が、2/3の高さ仮想線16より上側(図4では倒立状態なので下側になる)の長軸Rの幅L4の平均値の1.4〜1.6倍であることができる。2/3の高さ仮想線16までの位置は、使用時には倒立状態になるので、食卓等で皿の上に盛り付けられた料理よりも高い位置に太く持ちやすい部分が配置されることになり、使用者に取り扱いやすい。また、従来のPETボトルやHDPEボトルのように比較的硬い容器は、使用者が手に取る部分が硬く、しかも押しても内容物が排出されないような領域も広いため持ち変える必要があるが、実施形態及び変形例1では太く持ちやすい部分も柔軟で、持った部分を持ち変えることなく内容物を容易に排出できる。
【0093】
胴部12は、長軸Rの幅が最大となる最大幅部18において、ボトル10の倒立状態におけるキャップ20の上端縁23から最大幅部18までの高さH1が、最大幅部18の幅L2の1.5〜1.7倍であることができる。このような比にすることで、倒立状態における液状調味料容器1aが美しい外観を呈する。
【0094】
このことは、例えば、図及び図における実施形態に係る液状調味料容器1と従来の市販品の液状調味料容器50〜52との外観の対比を見ることで理解できる。
【0095】
のように、液状調味料容器1を卓上に置いたとき、従来の上向きで用いられる液状調味料容器50であれば、最も太い(重心に近い)部分を手に取るのに、卓上の料理が盛り付けられた皿等の食器が邪魔になり、注意が必要となる。または、液状調味料容器50の細い部分を持って持ち替えてキャップを開ける必要がある。
【0096】
また、図のように、従来の倒立で用いられる液状調味料容器51,52であれば、上から1/3の高さも太く、どこでも手に取ってしまうにもかかわらず、HDPEやPETで構成された容器は固く、押して調味料を出せる部分は限られており、その部分が押せるように持ち替える必要がある。
【0097】
これに対し実施形態1の液状調味料容器1は、図7,8のように倒立させたとき、最も太い(重心に近い)部分が皿等の食器より上方に存在することになり、人間工学的に自然と重心に近い部分を持ち、持ち変えることなくキャップを反対の手で開けるという単純な工程で調味料を絞り出すことができる。また内容物を絞り出すとき、HDPEやPETと違い、上から1/3の高さ仮想線16の胴部12であればどこでも、押して調味料を容易に絞り出すことができる。
【0098】
3.変形例2
次に、図5,6を用いて、変形例2の液状調味料容器1bについて説明する。図5は、変形例2に係る液状調味料容器1bを倒立状態で示す正面図であり、図6は変形例2に係る液状調味料容器のキャップ20の平面図である。
【0099】
胴部12は、少なくとも、胴部12の全高における2/3の高さ仮想線16以下(図5では倒立しているので上になる)で接地部分15から10mmの高さ以上(図5では倒立しているので下になる)の間の表面領域を、熱収縮フィルム40を用いて被覆することができる。胴部12を被覆しているので、内容物を一部排出して胴部12を変形させても長軸R側が延びようとする変形を熱収縮フィルム40によって抑えられるため、胴部12が初期形状に戻りやすい。なお、変形例2の液状調味料容器1bは、熱収縮フィルム40以外の構成が実施形態の液状調味料容器1と同じであるので説明は省略する。
【0100】
ボトル10の表面またはボトル10の表面を覆う被覆材(ここでは熱収縮フィルム40)の表面に表示された文字「MAYONNAISE」が、ボトル10の正立状態において、上下逆であることができる。すなわち、使用者が文字を見てキャップ20を下にして倒立状態で卓上等に置くことが期待される。キャップ20の閉塞状態が不十分だと液状調味料容器1bの自立性も不安定になるため、使用者にキャップ20を確実に閉める意識を与えることができる。また、液状調味料容器1bが倒立状態で陳列しても商品を識別しやすい。
【0101】
図6に示すように、キャップ20の上端縁23で囲まれた領域の面積が、キャップ20の下端縁24で囲まれた領域の面積(斜線で示した範囲)より大きく設定することができる。このようにすることで、液状調味料容器1bの倒立状態での安定性が向上する。
【0102】
また、キャップ20は、図6に示すようにキャップ20を上から見てヒンジ21の中央を0°としたときの時計回りでの角度で45〜315°の範囲内において、中心軸Xに沿った方向で上端縁23へ向かって広がる指掛部22(図1)を有する。指掛部22は上端縁23と下端縁24との径の差として考えることができる。キャップ20が開くのに必要な指掛部22を押す力が20N以下であることができる。このように、キャップ20の全周における広い範囲で指掛部22を押して容易に開封できるため、使用者がキャップ20の向きを確認する手間が省ける。
【0103】
4.変形例3
次に、図9を用いて、変形例3の液状調味料容器のキャップ200について説明する。図9は、変形例3に係る液状調味料容器のキャップ200の正面図である。キャップ200の下方にあるボトル10は省略しているが、実施形態の液状調味料容器1及び変形例1,2の液状調味料容器1a、1bと同じ構造である。また、キャップ200の上端付近は一部を切り欠いて縦断面として示している。
【0104】
熱収縮フィルム41は、熱収縮フィルム41の上端がキャップ200の上端縁23まで覆うことができる。このようにすることで、熱収縮フィルム41がキャップ200の不正開封防止機能を有する。熱収縮フィルム41を剥がさなければキャップ200が開けられないからである。
【0105】
キャップ200は、上端縁23の内側に、凹部25が形成されている。凹部25は、図6に示す円環状と同様の構成を有している。そして、凹部25のさらに内側には円形の上面26を有する。つまり、高さでみると、上端縁23が一番上にあり、次に上面26、最も低い位置に凹部25を有する。熱収縮フィルム41の先端がキャップ200の上端縁23を超えて内側まで延びて凹部25の上まで延在している。使用者は、熱収縮フィルム41を剥がす際に、熱収縮フィルム41と凹部25との間に指を入れることができるので剥がしやすい。さらに、凹部25の内側の上面26が上端縁23より低いので熱収縮フィルム41と上面26との間に高さ方向の隙間が生じるため、この隙間に指を入れることで、容易に熱収縮フィルム41を剥がすことができる。
【0106】
液状調味料容器1に封入されている調味料が、食用油と酸性スラリーを乳化させた酸性乳化液状調味料であるとき、熱収縮フィルム41が、波長253.7nmの紫外線の透過率(一般的な紫外可視分光光度計で測定。ここでは日立製作所製U−2010を用いて試料室にフィルムを固定して測定し、空気中を透過した光度に対する熱収縮フィルム41を透過した光度の割合を求めた)が0.1%以下であることが好ましい。熱収縮フィルム41が酸性乳化液状調味料の紫外線による劣化を防止できるからである。波長253.7nmの紫外線の透過率を0.1%以下とするには、熱収縮フィルム41として、0.01mm以上の延伸ポリエステルや延伸ポリスチレンを用いることが好ましい。また、熱収縮フィルム41で用いる樹脂中に酸化チタンを配合したり酸化チタンを含むインクで印刷を行うことで、長253.7nmの紫外線の透過率を下げることも可能である。
【0107】
5.容器詰液状調味料
容器詰液状調味料は、上記実施形態の液状調味料容器1及び変形例1〜3の液状調味料容器1a,1bに封入されたことを特徴とする。内容物を排出する際にボトル10がしなやかに変形するため、粘度の高い液状調味料を封入できる。
【0108】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、さらに種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法、及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。さらに、本発明は、一実施形態で説明した構成と他の実施形態で説明した構成を適宜組み合わせた構成を含む。
【実施例】
【0109】
実施例1〜3は、上記実施形態の液状調味料容器1で説明した初期容量の異なる3種類の容器を用いて、(1)y/x2/3、(2)吸引後30秒経過時の圧力、(3)50%使用後の形態、(4)押出し容易性、(5)収縮フィルム品の50%使用後の形態、(6)収縮フィルム品の押出し容易性について実験し評価を行った。
【0110】
比較例1〜10は、市販品のマヨネーズ様容器を用いて、実施例1〜3と同様の評価を行った。
【0111】
評価項目の詳細は以下の通りであり、評価結果は表1〜表3に示した。
【0112】
(1)y/x2/3
表1〜表3に示す初期容量x(cm)と口部を除くボトルの目付量y(g)を数式で計算した値を記入した。また、実施例1〜3のyとxとの関係が、y/x2/30.35〜0.6の間にあることを図11のグラフに示した。2本の実線Ebがy/x2/3=0.35、Eaがy/x2/3=0.6である。実施例1〜3はE1〜E3で示した。破線Caが比較例1〜5の結果から導いた関係式である。比較例1〜5はC1〜C5で示し
た。
【0113】
なおここで、口部を除くボトルの目付量を2/3乗している点について説明する。同じ肉厚で異なる大きさの容器を成形した場合、口部を除くボトルの目付量は、口部を除くボトルの表面積に比例する。つまり、ボトルの一部分の長さの2乗に比例することになる。これに対して、初期容量は、容積であるため、ボトルの一部分の長さの3乗に比例することになる。つまり、異なる大きさの容器を成形した場合であっても、y/x2/3で示すことで、初期容量x(cm)と口部を除くボトルの目付量y(g)の関係を導くことが可能となっている。
【0114】
(2)吸引後30秒経過時の圧力
ボトルに空気が満注した状態から内部の空気を初期容量の10%吸引し、該吸引の30秒後のボトルの内圧を測定した。より具体的には、空ボトルの口はゴム栓につなぎ、このゴム栓を内径4mmで長さ約250mmのナイロンチューブでシリンジと圧力計につなぎ、シリンジを用いて初期容量の10%の空気を引き抜き、30秒経過後のボトル内の圧力を測定した。
【0115】
(3)50%使用後の形態
収縮フィルムを被覆していない液状調味料容器(図1図3の液状調味料容器1)の初期容量の50%を一度に排出し、手を放した直後にキャップを閉めたときの液状調味料容器の形態を観察した。
【0116】
評価項目の詳細は以下の通り。
【0117】
A:凹みがなく使用開始前と変わらない、あっても目立たない形状。
【0118】
B:若干の凹みがみられるが、倒立させてもボトルは傾かない。
【0119】
C:凹みが見られ、倒立させるとボトルが若干傾く。
【0120】
D:大きく凹んでおり、倒立させるとボトルが折れ曲がる。
【0121】
E:大きく凹んでおり、倒立させるまでもなくボトルが倒れており、安定して倒立させられない。
【0122】
(4)押出し容易性
マヨネーズ入りの液状調味料容器を指で押したときの内容物を排出する際の排出しやすさを以下の評価項目で評価した。
【0123】
A:ボトル正・背面のどこを押しても柔らかく、ボトルを押した分だけ内容物を排出できる。
【0124】
B:ボトル正・背面の約半分のエリア内は柔らかく、ボトルを押した分だけ内容物を排出できる。
【0125】
C:ボトル正・背面の一部のエリア内は、ボトルを押した分だけ内容物を排出できる。
【0126】
D:力を加えれば内容物(初期容量の約10%)を排出することができる。
【0127】
E:何度も押しなおして、ようやく内容物(初期容量の約10%)を排出することができる。
【0128】
(5)収縮フィルム品の50%使用後の形態
収縮フィルムを被覆した液状調味料容器(図5の液状調味料容器1b)の初期容量の50%を一度に排出し、手を放した直後にキャップを閉めたときの液状調味料容器の形態を観察した。評価項目は上記(3)と同じ。
【0129】
(6)収縮フィルム品の押出し容易性
収縮フィルムを被覆したマヨネーズ入りの液状調味料容器を指で押したときの内容物を排出する際の排出しやすさを評価した。評価項目は上記(4)と同じ。
【0130】
【表1】
【0131】
【表2】
【0132】
【表3】
【0133】
(7)胴部の正面の押力分布
実施例1,2,3及び比較例2,4,6,8の液状調味料容器について、図10に示すように、胴部12の正面(短軸に直交する面の正投影図)、右側面、左側面をそれぞれ上下に6分割左右に4分割した交点(黒い丸で示した点)の押力(N:ニュートン)を測定した。より具体的には、気温25℃の測定条件下で、空ボトルの口はナイロンチューブにつないだゴム栓につなぎ、水上置換法で排出された空気の量を計測しながら、ボトルに空気が満注した状態で、正面及び背面を短軸と平行な方向に直径10mmの円形の押圧面を有する押棒で、32.22mm/minの下降速度で押して、内部の空気が初期容量の10%排出されるまで押したときの最高押力(N)を測定した。測定結果は表4及び表5に示した。
【0134】
また、押力は、人差し指1本で押す力として表現すると、
7N未満:指で軽く押さえている程度、
7N以上14N未満:指で強めに押さえている程度、
14N以上21N未満:指でかなり強めに押さえている程度、
21N以上:指1本で押さえて出せるとは言えない程度、である。
【0135】
【表4】
【0136】
【表5】
【0137】
(8)胴部肉厚
実施例2のボトルの短軸を含む平面で切断したときの正立状態における肉厚(mm)を測定した。測定箇所は、口部を除く胴部の高さ方向で6等分したときの5箇所を測定した。表6に測定結果を示した。表の「1/6」〜「5/6」は接地部分15からの高さであった。
【0138】
【表6】
【0139】
【表7】
【0140】
(9)キャップ解放強度
キャップは、図6に示すようにキャップ20を上から見てヒンジ21の中央を0°としたときの時計回りでの角度で45°,135°,225°,315°におけるキャップ20を開くのに必要な指掛部22を押す力(N)を測定した。測定方法は、キャップを下にした液状調味料容器を、鉛直線から45°傾けて固定する。キャップの指掛部に直径10mmの円形の押圧面を有する押棒のついた押し試験機を用いた。押棒が32.22mm/minの下降速度で押して、キャップが解放されるまでの最高押力(N)を得た。表7に測定結果を示した。
【0141】
【表8】
【符号の説明】
【0142】
1,1a,1b…液状調味料容器、10…ボトル、11…口部、12…胴部、13…肩部、14…底部、15…接地部分、16…接地部分から2/3の高さ仮想線、17…接地部分から1/3の高さ仮想線、18…最大幅部、20…キャップ、200…キャップ、20a…下部、20b…上部、21…ヒンジ、22…指掛部、23…上端縁、24…下端縁、25…凹部、26…上面、30…パネル、31…上端、32…下端、33…中央部、34…中点、35…最凹部、36…凹凸、40,41…熱収縮フィルム、50…参考例1の液状調味料容器、51…参考例2の液状調味料容器、52…参考例3の液状調味料容器、Ca…比較例1〜5のy/x2/3、C1〜C5…比較例1〜5、Ea,Eb…実施例1〜3のy/x2/3、E1〜E3…実施例1〜3、H…胴部全高、H1…最大幅部の倒立させたときの高さ、L1…第1の距離、L2…長軸の幅、L3…第2の距離、L4…長軸の幅、Q…短軸、R…長軸、X…中心軸、Y…仮想線
【要約】
内容物が粘度の高い液状調味料であっても、ボトルがしなやかに変形することで排出しやすく、かつ内容物が少なくなっても容器本来の美観を損ないにくい液状調味料容器を提供する。
液状調味料容器1は、ブロー成形されたボトル10とキャップ20とからなる。液状調味料容器1に充填する調味料は、粘度が5Pa・s〜500Pa・sの液状調味料であり、かつ、初期容量が100cm〜700cmである。ボトル10は、口部11と、胴部12と、底部14と、を含む。胴部14は、正立状態における水平横断面がボトル10の中心軸Xに直交する短軸Qと長軸Rとを持つ扁平形状を含む。ボトル10は、主成分が低密度ポリエチレンである。ボトル10に空気が満注した状態から内部の空気を初期容量の10%を吸引し、吸引の30秒後の内圧が−1.0k・Pa〜−3.0kPaである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図9
図10
図11