(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1および前記第2の搬送トラック(163,164,563,564)のそれぞれのさらなる部分を備える少なくとも1つのロードロックチャンバ(122,522)をさらに備え、前記さらなる部分は、前記さらなるチャンバ(121,521)内の前記第1および前記第2の搬送トラック(163,164,563,564)の延長部に提供される、請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム(100,200,500)。
さらなる処理領域を有し、第3の材料を含むさらなる層を堆積するように適合された、少なくとも1つのさらなるチャンバ(204,205)をさらに備え、前記少なくとも1つのさらなるチャンバ(204,205)は、前記移送チャンバ(111)に連結される、請求項1から4のいずれか一項に記載のシステム(100,200,500)。
前記少なくとも1つのさらなるチャンバ(204,205)は、少なくとも2つのさらなるチャンバ(204,205)であり、これらのチャンバはそれぞれ、前記第3の材料を含む前記層を堆積するように適合される、請求項5に記載のシステム(100,200,500)。
前記第1の搬送トラック(163,563)は、搬送方向に案内するための複数の案内要素を備え、前記第2の搬送トラック(164,564)は、前記搬送方向に案内するための複数の案内要素を備え、前記第1の搬送トラック(163,563)の前記案内要素および前記第2の搬送トラック(164,564)の前記案内要素は、第1の案内位置および第2の案内位置が前記搬送方向に対して垂直である方向に変位されるように、前記案内位置のそれぞれに対して適合される、請求項1から8のいずれか一項に記載のシステム(100,200,500)。
前記第1の搬送トラック(163,563)の前記案内要素および前記第2の搬送トラック(164,564)の前記案内要素は、前記搬送方向に沿って交互に設けられる、請求項9に記載のシステム(100,200,500)。
第1の処理チャンバ(101)、第2の処理チャンバ(102)、および第3の処理チャンバ(103)を有する基板処理システム(100)において層スタックを堆積する方法であって、
実質的に垂直方向に配向された基板の上で前記第1の処理チャンバ(101)内において第1の材料を含む第1の層を堆積すること(402)と、
前記第2の処理チャンバ(102)および前記第3の処理チャンバ(103)から選択される一方のチャンバ内において第2の材料を含む第2の層を堆積すること(404,405)であって、前記第2の処理チャンバ(102)および前記第3の処理チャンバ(103)は、実質的に交互に使用される、第2の層を堆積すること(404,405)と、
前記第1の処理チャンバ(101)内において前記第1の材料を含む第3の層を堆積すること(406)であって、前記第1の処理チャンバ(101)、前記第2の処理チャンバ(102)、および前記第3の処理チャンバ(103)は、実質的に線形の搬送経路(151,152,153)で移送チャンバ(111)に連結される、第3の層を堆積すること(406)と、
第1の搬送トラック(163,563)と第2の搬送トラック(164,564)との間において前記第1の処理チャンバ(101)またはさらなるチャンバ(121,122,521)内の前記搬送経路に垂直方向に沿うように基板を横方向に変位させることと
を含む、方法。
【発明を実施するための形態】
【0011】
理解を容易にするために、可能である場合には、同一の参照数字を用いてこれらの図面に共通である同等のまたは同様の要素を示している。ある実施形態の要素および特徴は、改めて列挙されることなく他の実施形態に有利に組み込まれ得るものとする。
【0012】
しかし、添付の図面は、本発明の例示的な実施形態を図示するものに過ぎず、したがって本発明の範囲を限定するものとして見なされるべきではない点に留意されたい。なぜならば、本発明は、他の同等に有効な実施形態を許容し得るからである。
【0013】
以下、本発明の様々な実施形態を詳細に参照する。図面には、これらの実施形態の1つまたは複数の例が図示される。各例は、本発明の説明として提示されるものであり、本発明を限定することを意味しない。例えば、一実施形態の一部として図示または説明される特徴は、他の実施形態においてまたは他の実施形態と組み合わせて使用することにより、さらに他の一実施形態を生み出すことが可能である。本発明は、かかる変更形態および変形形態を含むことが意図される。
【0014】
本明細書においては、「基板」という用語は、ガラス基板などの基板を包含するものとする。これにより、典型的には、基板は、1.4m
2以上の、典型的には5m
2以上のサイズを有する大面積基板となる。例えば、5.5m
2(Gen8.5)、9m
2(Gen10)またはさらに広いものなど、1.43m
2(Gen5)以上の基板サイズを実現することが可能である。典型的には、基板は、実質的に垂直方向に配向される。これにより、垂直方向に配向される基板は、数度の傾斜を伴う安定的な搬送を可能にするために、処理システムにおいて垂直の、すなわち90°の配向から幾分か逸脱し得る点、すなわち、基板は実質的に垂直方向に配向される点を理解されたい。
【0015】
直列処理システムは、典型的には、一連の層を堆積するための一連のチャンバを用意する。これにより、各層は、あるチャンバから次のチャンバへと順次堆積される。例えば、モリブデンの薄層を基板上に堆積し、その後アルミニウムの厚層をモリブデン層の上に堆積し、さらにモリブデンの薄層をアルミニウム層の上に堆積することが可能である。これにより、モリブデン堆積源を備える第1のチャンバが用意され得る。その後、アルミニウムを堆積するための2つの堆積チャンバが用意され得る。その後、モリブデンを堆積するための別のチャンバが用意される。これにより、直列処理システムにおいては、基板は、より厚いアルミニウム層を堆積することにより直列堆積システムにおける総スループットが制限されるのをより低く抑えるように、第1のアルミニウムチャンバおよび第2のアルミニウムチャンバへと交互に移送され得る。しかし、例えばモリブデンスパッタリングターゲットなどのモリブデン堆積用の堆積源は、特に大面積基板を処理する場合には、非常に高価になり得る。したがって、上記の処理ステムにおいては、4つのチャンバが利用され、例えばスパッタリングターゲットなどの非常に高価な堆積源を有する2つのチャンバを用意することが必要となる。
【0016】
上述の処理システムは、3つの層を堆積するために4つのチャンバを用意する。本明細書において説明される実施形態によれば、堆積チャンバの個数の削減、およびしたがって堆積チャンバの稼働率の改善が実現され得る。上記の例の場合には、例えばモリブデン−アルミニウム−モリブデンなどの3つの層を堆積するために、3つの堆積チャンバが用意される。
【0017】
本明細書において説明される他の実施形態と組み合わせることの可能な典型的な実施形態によれば、堆積源は、回転可能なスパッタリングターゲットなどのスパッタリングターゲットとして用意される。その典型的な実装形態によれば、DCスパッタリング、パルススパッタリング、またはMFスパッタリングが実現され得る。本明細書において説明される他の実施形態と組み合わせることの可能なさらに他の実施形態によれば、例えば30kHz〜50kHzなどの5kHz〜100kHzの範囲内の周波数による中間周波数スパッタリングが実現され得る。
【0018】
図1は、堆積システム100の一実施形態を図示する。このシステムは、第1の堆積チャンバ101、第2の堆積チャンバ102、および第3の堆積チャンバ103を備える。さらに、このシステムは、第1の堆積チャンバ101から第2の堆積チャンバ102または第3の堆積チャンバ103の一方へと基板を移送するように構成された移送チャンバ111を備える。さらに、移送チャンバ111は、堆積チャンバ102/103の一方から第1の堆積チャンバ101へと基板を移送するように構成される。
【0019】
図1に示すように、第1の堆積チャンバ101は、第1の堆積源141を有し、第2の堆積チャンバ102および第3の堆積チャンバ103はそれぞれ、別の堆積源142を有する。典型的には、第2のチャンバおよび第3のチャンバ内の堆積源142は、第2のチャンバ102および第3のチャンバ103を交互に使用し得るように、同様の堆積源であることが可能である。本明細書において説明される他の実施形態と組み合わせることの可能な典型的な実施形態によれば、堆積源は、回転可能なスパッタリングターゲットなどのスパッタリングターゲットとして用意される。
【0020】
これにより、堆積源142を用いた堆積が、直列処理システム100のスループットに対する制限要因となる場合には、総スループットは上昇し得る。なぜならば、処理システムにおいて連続的にまたは準連続的に処理される基板は、チャンバ102および103において交互に処理され得るからである。例えば、これは、堆積源142を用いて堆積すべき層が厚層である場合には、または堆積源142の堆積速度が低い場合には、該当し得る。
【0021】
本明細書において説明される実施形態によれば、移送チャンバ111ならびにチャンバ101、102、および103は、それぞれ線形搬送経路151、152、および153により連結される。これにより、例えば、典型的にはディスプレイ製造の場合に使用される大面積基板を処理システム100において搬送することが可能となる。典型的には、線形搬送経路151、152、および153は、例えばラインに沿って設置された複数のローラなどを有する線形搬送トラックなどの、搬送トラック161により提供される。典型的な実施形態によれば、搬送トラック161は、大面積基板の底部においては搬送システムにより、および実質的に垂直方向に配向された大面積基板の頂部においては案内システムにより提供され得る。
【0022】
本明細書において説明される他の実施形態と組み合わせることの可能なさらに他の実施形態によれば、移送チャンバ111は、垂直回転軸に対して基板を回転させるように構成された回転モジュール、特に真空回転モジュールであることが可能である。この回転は、参照数字112により示される。これにより、搬送経路151を経由して移送チャンバ111に進入する基板は、移送チャンバ111において回転することなく、さらに搬送経路153を経由してチャンバ103へと移動され得る。搬送経路151を経由して移送チャンバ111に進入する基板は、搬送経路152を経由してチャンバ102に進入するために、移送チャンバ111内において回転することが可能である。チャンバ102、103からチャンバ111への移送は、対応する回転を伴いつつ、または伴わずに、実施することが可能である。
【0023】
上述のように、堆積チャンバ101、102、および103を移送チャンバ111と組み合わせた配置は、複数の堆積チャンバの、特に堆積チャンバ101の稼働率を改善するために使用することが可能である。したがって、堆積チャンバ101が、モリブデン含有材料、白金含有材料、金含有材料、または銀含有材料などの高価な材料を堆積するように構成される場合には、処理システム100のオペレータは、高価な種類の堆積源のセットを1セットのみ購入することが必要となる。したがって、ダウンタイムを短縮し得るように在庫として保持する必要のあるターゲットの価格を引き下げることが可能となる。
【0024】
本明細書において説明される実施形態によれば、直列処理システム100は、処理チャンバの稼働率の改善をもたらし、連続的にまたは準連続的に処理システムに基板を送ることを可能にする。これにより、さらなるチャンバ121およびさらにさらなるチャンバ122が、第1の搬送トラック163および第2の搬送トラック164をそれぞれ備える。
【0025】
この搬送トラックのセットは、チャンバ121内において基板を横方向に移動するように構成される。これにより、基板は、搬送経路に対して垂直な方向に沿った変位が生じるように、実質的に水平方向に移動され得る。
【0026】
本明細書において説明される他の実施形態と組み合わせることの可能な典型的な実施形態によれば、チャンバ122は、処理システム100内に基板を挿入するための、および処理システムから基板を送出するためのロードロックチャンバであることが可能である。さらに、チャンバ121は、バッファチャンバ、加熱チャンバ、移送チャンバ、またはサイクル時間調節チャンバ等々からなる群より選択されるチャンバであることが可能である。
【0027】
典型的な実施形態によれば、
図1において例示として示すチャンバは、真空チャンバであり、すなわち、10ミリバール以下の圧力にて基板を移送または処理するように構成される。これにより、基板は、チャンバ122内にロックインされ、またはチャンバ122からロックアウトされる。このチャンバ122は、処理システム100においてチャンバ121内に基板をさらに搬送するために、チャンバ122とチャンバ121との間の真空弁が開く前に真空排気されるように構成される。
【0028】
異なる実施形態によれば、複数の基板が、同時に、直列処理システム部分を有する処理システムにおいて処理され得る。
【0029】
本明細書において説明される他の実施形態と組み合わせることの可能な典型的な実施形態によれば、堆積チャンバの稼働率の改善は、第1の層および例えば最終層などの別の層が中間層に比べて薄い、層スタックに対して利用され得る。例えば、層スタックは、モリブデン含有層、銅含有層、およびモリブデン含有層を少なくとも備えることが可能であり、備えられるこれらの3つの層は、この順序で提供される。また、層スタックは、モリブデン含有層、アルミニウム含有層、およびモリブデン含有層を備えることも可能であり、備えられるこれらの3つの層は、この順序で提供される。さらに、他の実施形態によれば、モリブデン含有層は、高価な材料を含む上述の層の中の別の層であることも可能である。
【0030】
図2に関連して示すように、本明細書において説明される他の実施形態と組み合わせることの可能なさらに他の実施形態によれば、さらなる堆積チャンバ204およびさらにさらなる堆積チャンバ205を用意することも可能である。これにより、チャンバ204および205は、移送チャンバ111へと連結することが可能となる。これにより、線形搬送経路254および255が提供される。基板は、さらに他の材料用の源を備え得る堆積源244の中の1つを用いて層が堆積されるように、チャンバ204および205の一方の中に交互に供給され得る。
【0031】
これにより、異なる実装形態によれば、堆積源244は、実質的に同一の層がチャンバ204および205内において堆積され得るように、同様の種類のものであることが可能となり、チャンバ204および205は、交互に使用され得る。
【0032】
例えば、層スタックは、モリブデン含有薄層、第1の材料を含む厚層、第2の材料を含む厚層、およびモリブデン含有薄層を備えることが可能である。さらに、他の実施形態によれば、モリブデン含有層は、高価な材料を含む上述の層の中の別の層であることも可能である。本明細書において説明される他の実施形態と組み合わせることの可能なさらなる代替の実施形態によれば、さらなるチャンバ204および205は、例えば堆積ステップなどの後続の処理ステップについて望ましい温度まで基板を中間加熱するための加熱チャンバであることも可能である。
【0033】
別の実装形態によれば、堆積源244は、中間層が
図1に示す実施形態に比べてさらに長い時間にわたり処理され得るように、堆積源142と同一種類のものであることが可能である。本明細書において説明される他の実施形態と組み合わせることの可能な典型的な実施形態によれば、堆積源は、回転可能なスパッタリングターゲットなどのスパッタリングターゲットとして用意される。
【0034】
さらに他の代替の実装形態によれば、堆積源244は、5層以上が堆積される層スタックがこのシステムにおいて製造され得るように、異なる材料を堆積することが可能である。
【0035】
本明細書において説明される他の実施形態と組み合わせることの可能なさらにさらなる実施形態によれば、
図2に示す処理システム200などの処理システムが、第1の搬送トラック163と、第2の搬送トラック164と、
図2においてチャンバ121および122内に示す第3の搬送トラック265などの1つまたは複数のさらなる搬送トラックとを有する搬送システムを有することも可能である。
【0036】
これにより、基板は、ロードロックチャンバ122からさらなるチャンバ121内に移送することが可能となり、または、ある基板が、別の基板がロードロックチャンバ122からさらなるチャンバ121内に移送される間に、さらなるチャンバ121からロードロックチャンバ122内に移送され得る。したがって、基板の移送は、基板の移送がサイクル時間にとって制限要素となり得る応用例のスループットを上昇させ得るように、よりフレキシブルな態様で実施することが可能となる。
【0037】
第1の搬送トラック163および第2の搬送トラック164を有するチャンバ121の一例を、
図3に示す。チャンバ121は、開口306を有するチャンバ壁部302を有する。開口306は、実質的に垂直方向に配向された基板を移送するように構成される。したがって、開口306は、スリットの形状を有することが可能である。典型的には、開口は、真空弁により開閉することが可能である。
【0038】
さらに、チャンバ121は、真空ポンプ等々の真空システムを連結するためのフランジ304を有することが可能である。これにより、チャンバ121は、真空弁の少なくとも一方、好ましくは両方の真空弁が、開口306を閉じるために閉じられる場合に、真空排気され得る。
【0039】
第1の搬送トラック163および第2の搬送トラック164をそれぞれ有する基板搬送システムまたはキャリア搬送システムは、2群の搬送要素を備える。第1の群の搬送要素の搬送要素310は、搬送ローラ312を備える。第2の群の搬送要素の搬送要素320は、搬送ローラ322を備える。搬送要素310は、回転軸311を中心として回転可能である。搬送要素320は、回転軸321を中心として回転可能である。
【0040】
各搬送要素310および320は、
図3において2つの位置で図示される。これにより、一方の位置は、破線で示される。各搬送要素は、軸受要素314または324をそれぞれ有する。軸受要素は、回転をもたらすように、および軸311または321のそれぞれに沿った線形運動をもたらすように、構成される。回転要素は、軸受要素の線形運動により、第1の位置から第2の位置(破線)へと移動され得る。
【0041】
図3に図示するように、搬送ローラ312は、搬送ローラ322に対してずらされる。搬送要素が線形運動することにより、搬送要素310の搬送ローラ312は、第1の搬送トラック163から第2の搬送トラック164へと移動することが可能となる。したがって、搬送要素310および320が移動することにより、第1の搬送トラック中に、すなわちキャリアを駆動するための搬送ローラ上に位置決めされる基板は、第2の搬送トラックへと移動され得る。代替的には、第2の搬送トラック164中に位置決めされる基板は、第1の搬送トラックへと移動され得る。
【0042】
図3に図示される搬送要素310および320は、実質的に垂直方向に配向された基板用の基板支持体を提供し、この基板支持体は、基板の下方端部にて基板を支持するように適合されている。本明細書において説明される他の実施形態と組み合わせることの可能なさらなる実施形態によれば、基板搬送システムまたはキャリア搬送システムはそれぞれ、上方搬送手段を備えることも可能である。
【0043】
典型的には、搬送手段は、第1の搬送経路または第2の搬送経路の一方に基板を案内するための1つまたは複数の群の案内要素である。例えば、案内要素は、基板を移送し得る例えば2つのスリットなどの凹部を有する磁気案内要素であることが可能である。さらにさらなる実施形態によれば、これらの案内要素は、第1の搬送トラックから第2の搬送トラックへの変位が実施され得るように線形運動するための軸受を備えることも可能である。
【0044】
典型的な実施形態によれば、搬送要素310および搬送要素320は、チャンバ121内において実質的に垂直方向に配向された基板を横方向に移送するために、同期して移動される。典型的には、案内要素などの上方要素もまた、同時に移動される。
【0045】
搬送要素310および320は、搬送ローラ上に供給された基板またはキャリアを搬送経路に沿って搬送するために、搬送要素の回転を駆動するためのベルトドライブ316および326をさらに備えることが可能である。本明細書において説明される他の実施形態と組み合わせることの可能ないくつかの実施形態によれば、ベルトドライブの中の1つまたは複数が、1つのモータにより駆動され得る。
【0046】
図4は、堆積チャンバの稼働率が改善された、直列処理システムとクラスタ処理システムとの混合システムにおいて層スタックを堆積する方法を図示する。
図4に示すように、ステップ402において、第1の層が、第1のチャンバ内で堆積される。この第1の層は、典型的には、モリブデン、白金、および金からなる群より選択される少なくとも1つの材料を含むことが可能である。
【0047】
さらに、第1の層は、典型的には、薄層か、または第2の層の堆積時間に比べて短い時間内で堆積され得る層である。次いで、基板は、第2のチャンバまたは第3のチャンバのいずれかに移送されて、その結果第2の層が、ステップ404において第2のチャンバ内で、またはステップ405において第3のチャンバ内で堆積され得る。
【0048】
これにより、ステップ404および405は、交互に実施することが可能となる。第2のチャンバまたは第3のチャンバにおける堆積時間がより長いことに鑑みて、堆積システムは、このより長い堆積ステップによりスループットが不必要に制限されない。ステップ406においては、第1の層(ステップ402)と同一の材料を含む別の層が堆積される。ステップ406は、ステップ402と同一のチャンバ内において実施される。これにより、堆積チャンバの稼働率の改善がもたらされる。
【0049】
図5は、堆積システム100の別の実施形態を図示する。このシステムは、第1の堆積チャンバ101、第2の堆積チャンバ102、および第3の堆積チャンバ103を備える。さらに、このシステムは、第1の堆積チャンバ101から第2の堆積チャンバ102または第3の堆積チャンバ103の一方へと基板を移送するように構成された移送チャンバ111を備える。さらに、移送チャンバ111は、堆積チャンバ102/103の一方から第1の堆積チャンバ101へと基板を移送するように構成される。
【0050】
図5に示すように、第1の堆積チャンバ101は、第1の堆積源141を有し、第2の堆積チャンバ102および第3の堆積チャンバ103はそれぞれ、別の堆積源142を有する。さらなる詳細は、上記において
図1に関連して説明済みである。
【0051】
本明細書において説明される実施形態によれば、移送チャンバ111ならびにチャンバ101、102、および103は、それぞれ線形搬送経路151、152、および153によって連結される。これにより、例えば、典型的にはディスプレイ製造の場合に使用される大面積基板を直列処理システム100において搬送することが可能となる。典型的には、線形搬送経路151、152、および153は、例えばラインに沿って配置された複数のローラなどを有する線形搬送トラックなどの搬送トラック161により提供される。典型的な実施形態によれば、搬送トラック161は、大面積基板の底部においては搬送システムにより、および実質的に垂直方向に配向された大面積基板の頂部においては案内システムにより提供され得る。
【0052】
本明細書において説明される他の実施形態と組み合わせることの可能なさらにさらなる実施形態によれば、移送チャンバ111は、垂直回転軸に対して基板を回転させるように構成された回転モジュール、特に真空回転モジュールであることが可能である。この回転は、参照数字112により示される。これにより、搬送経路151を経由して移送チャンバ111に進入する基板は、移送チャンバ111において回転することなく、さらに搬送経路153を経由してチャンバ103へと移動され得る。搬送経路151を経由して移送チャンバ111に進入する基板は、搬送経路152を経由してチャンバ102に進入するために、移送チャンバ111内において回転することが可能である。チャンバ102、103からチャンバ111への移送は、対応する回転を伴いつつ、または伴わずに、実施することが可能である。
【0053】
上述のように、堆積チャンバ101、102、および103を移送チャンバ111と組み合わせた配置は、複数の堆積チャンバの、特に堆積チャンバ101の稼働率を改善するために使用することが可能である。したがって、堆積チャンバ101が、モリブデン含有材料、白金含有材料、金含有材料、または銀含有材料などの高価な材料を堆積するように構成される場合には、処理システム100のオペレータは、高価な種類の堆積源のセットを1セットのみ購入することが必要となる。したがって、ダウンタイムを短縮し得るように在庫として保持する必要のあるターゲットの価格を引き下げることが可能となる。
【0054】
本明細書において説明される実施形態によれば、直列処理システムとクラスタ処理システムとの混合システム100は、処理チャンバの稼働率の改善をもたらし、連続的にまたは準連続的に処理システムに基板を送ることを可能にする。
図5の示すように、本明細書において説明される他の実施形態と組み合わせることの可能なさらなる実施形態によれば、さらなるチャンバ521ならびにロードロックチャンバ122および522が、処理システム500に設けられる。チャンバ521は、第1の搬送トラック563および第2の搬送トラック564を有する。これらの搬送トラックのセットは、チャンバ521内において基板を横方向に移動するように構成される。これにより、基板は、搬送経路に対して垂直である方向に沿った変位が生じるように、実質的に水平方向に移動され得る。
【0055】
したがって、基板の横方向への移動を使用して、第1のロードロックチャンバおよび第2のロードロックチャンバのいずれか一方に基板を搬送することが可能となる。
図1と比較すると、個別に真空排気または通気され得る2つのロードロックチャンバが用意される。これは、処理システムのスループットをさらに上昇させる助けとなり得る。
【0056】
本明細書において説明される他の実施形態と組み合わせることの可能ないくつかの実施形態によれば、本明細書において説明される装置、システム、および方法は、例えばPVD大面積堆積技術などの大面積堆積技術に、特に静的堆積プロセスによる多層堆積ツールまたは多層堆積装置に関連するものであり得る。典型的には、本明細書において説明される装置、システム、および方法は、第1の層および第3の層が同一のターゲット材料を使用する3層スタック用の堆積ツールおよび堆積に関する。これにより、最高のまたは上昇したスループットを伴うハードウェア効率の最適化または改善がなされることが望ましい。さらに、実施形態は、上述の3層スタックの第1の層または第3の層のいずれかが不要である2層スタック用の堆積ツールおよび堆積に対しても適用可能である。
【0057】
本明細書において説明される実施形態は、基板がロードロック区域を通り中央移送チャンバ内へと移送され、この中央移送チャンバにより、中央移送チャンバに装着された複数のプロセスチャンバ内へと基板が連続的に向けられる、クラスタツールシステムに匹敵し得るものである。これにより、典型的には3層スタックの層厚は、異なる層の間で異なり、典型的には少なくとも4つのプロセスチャンバが、50秒以下の典型的なサイクル時間を実現するために使用されることが必要となる。したがって、中央移送チャンバにおける基板の取り扱いは、非常に複雑なものとなってゆき、達成可能なスループットを制限する。また、本明細書において説明される実施形態は、直列システムにも匹敵し得るものである。典型的な直列システムは、一列に順次構成された複数のプロセスチャンバを用意する。この3層スタックの場合には、最大厚さを有する層の堆積時間により、達成可能なスループットが制限されるか、または、最大厚さを有する層の堆積が、複数のプロセスチャンバにおける複数のステップへと分割される必要がある。後者の場合には、層の特性に関してマイナスの含みがもたらされるリスクが存在する。
【0058】
本明細書において説明される実施形態によれば、堆積ツールが上述の両ストラテジを併せもつ、混合システムを実現することが可能である。このツールは、ロードロックチャンバと、基板スループットを上昇させるために複数のキャリアトラックを有する移送チャンバとを備える、直列セクションからなる。3層スタックの第1の層および第3の層を堆積するための第1のプロセスチャンバは、シングルキャリアトラックまたはデュアルキャリアトラックを有することが可能である。クラスタセクションは、典型的には第1のプロセスチャンバに装着される中央移送チャンバと、典型的には厚い第2層を交互に堆積するための同一のターゲット材料を有する少なくとも2つの他のプロセスチャンバとからなる。
【0059】
第1のプロセスチャンバは、第1の層および第3の層の両方を堆積する必要があり、複数のキャリアをチャンバの中におよびチャンバから外に移送するために時間を与える必要があるため、このチャンバは、基板のスループットにとって容易に障害になり得る。したがって、第1の堆積チャンバ内にデュアルトラックシステムを設けることにより、システムの柔軟性およびスループットを改善することが可能となる。
【0060】
上記に鑑みて、例えば第1の堆積チャンバ、移送チャンバ、またはさらには第2のチャンバ、第3のチャンバ、およびさらなるチャンバなどの、他のチャンバに対しても、例えば
図3のチャンバ121に関連して説明するように、デュアルトラックシステムを設けることにより、追加的な柔軟性を得ることが可能となる。これにより、基板は、あらゆるこれらのチャンバの第1のトラックおよび第2のトラックのそれぞれへと移送することが可能となる。これにより、次のサイクル時間へと進むためには、処理済みの基板が移動されることが必要となるに過ぎず、処理すべき次の基板は既にチャンバ内に供給されている。したがって、例えば、基板を堆積位置に移動するために、横方向並進移動機構のみを使用することが可能である。さらに、別の観点によれば、堆積チャンバおよび/または移送チャンバの追加的なトラックは、処理のためにシステム内に既に装填されているか、または処理後の取外しを待っている基板用のパッファとしての役割を果たすことが可能である。
【0061】
本明細書において説明される他の実施形態と組み合わせることの可能ないくつかの実施形態によれば、第1の搬送トラックおよび第2の搬送トラックを有する搬送システムは、チャンバ、すなわち堆積チャンバ、移送チャンバ、ロードロックチャンバ、および/またはさらなるチャンバの中の1つまたは複数の、2つ以上に設けることが可能である。これにより、柔軟性および/またはスループットを向上させることが可能となる。
【0062】
上記に鑑みて、
図6は、堆積システム100のさらに他の実施形態を図示する。このシステムは、
図1に関連して説明される実施形態、およびこの実施形態と組み合わされることとなる実施形態に匹敵し得る。このシステムは、第1の堆積チャンバ101、第2の堆積チャンバ102、および第3の堆積チャンバ103を備える。さらに、このシステムは、第1の堆積チャンバ101から第2の堆積チャンバ102または第3の堆積チャンバ103の一方へと基板を移送するように構成された移送チャンバ111を備える。さらに、移送チャンバ111は、堆積チャンバ102/103の一方から第1の堆積チャンバ101へと基板を移送するように構成される。
【0063】
図1と比較すると、第2の堆積チャンバは、異なる側部位置にて移送チャンバに連結される。異なる変更形態によれば、第2の堆積チャンバおよび/または第3の堆積チャンバはそれぞれ、
図1と比べて異なる側部にて連結され得る。これにより、いくつかのチャンバ移送組合せが、直線状移送経路によって単純化され得る、および/または、回転サイクルが、他の堆積プロセスと同様にいくつかの堆積プロセスにとってもより適したものになり得る。さらに、第2の堆積チャンバおよび/または第3の堆積チャンバの内外への装填位置または取外し位置を除けば、これらの堆積チャンバの構成は、
図1と同一のコンセプトに従う。
【0064】
図6に示すように、および
図6と同様に、第1の堆積チャンバ101は、第1の堆積源141を有し、第2の堆積チャンバおよび/または第3の堆積チャンバ103はそれぞれ、別の堆積源142を有する。
【0065】
本明細書において説明される実施形態によれば、移送チャンバ111ならびにチャンバ101、102、および103は、それぞれ線形搬送経路151、152、および153により連結される。これにより、例えば、典型的にはディスプレイ製造の場合に使用される大面積基板を処理システム100において搬送することが可能となる。
図1に示す例とは対照的に、線形搬送経路151は、例えばラインに沿って設置された複数のローラなどを有する線形搬送トラックなどの、第1の搬送トラック163および第2の搬送トラック164を有するデュアル搬送トラックシステムにより提供される。これにより、第1の堆積チャンバ101および移送チャンバ111は、移送モジュールが回転モジュールの両側にデュアルトラックシステムを備え得る、デュアルトラック搬送システムを備える。さらに異なる変更形態によれば、第1の堆積チャンバ161は、基板に対する影響を緩和するためのデュアル搬送システムを備えることが可能であるが、搬送経路151は、1つのみのトラックにより提供される。
【0066】
線形搬送経路152および153は、例えばラインに沿って設置された複数のローラなどを有する線形搬送トラックなどの、チャンバ102および103内の搬送トラック161により提供される。
図7に関連して示すように、これらのチャンバもまた、デュアル搬送システムを備えることが可能である。
【0067】
上述のように、堆積チャンバ101、102、および103を移送チャンバ111と組み合わせた構成は、複数の堆積チャンバの、特に堆積チャンバ101の稼働率を改善するために使用することが可能である。したがって、堆積チャンバ101が、モリブデン含有材料、白金含有材料、金含有材料、または銀含有材料などの高価な材料を堆積するように構成される場合には、処理システム100のオペレータは、高価な種類の堆積源のセットを1セットのみ購入することが必要となる。したがって、ダウンタイムを短縮し得るように在庫として保持する必要のあるターゲットの価格を引き下げることが可能となる。チャンバ101および111において例示的に提示される追加のデュアルトラックシステムは、
図1に示すシステムに比べてシステムのスループットおよび/または柔軟性を改善することが可能である。なぜならば、各第2のトラック163/164は、バッファとして、または基板移送時間を短縮するために、使用することが可能であるからである。例えば、基板の移送は、両トラックにおいて同時に実施され得る。
【0068】
また、
図1に加えて、
図6は、搖動モジュール622を示す。基板は、垂直方向処理において処理するために、水平位置から垂直位置へと移動され得る。典型的には、搖動モジュールもまた、デュアルトラックシステムを備えることが可能である。これにより、システムが、ロードロック122外/内へのデュアル出/入口を備えるため、雰囲気回転モジュールおよび/または追加の出口チャンバを省くことが可能となる。さらに、例えばAl/MoおよびMo/Alなどの異なる層スタックが、同一のシステムを用いて製造され得る。
【0069】
本明細書において説明される実施形態によれば、第1の搬送トラック163および第2の搬送トラック164はそれぞれ、搖動モジュール、ロードロックチャンバ、ロードロックチャンバと第1の堆積チャンバとの間に設けられるさらなるチャンバ、第1の堆積チャンバ、移送チャンバ、第2の堆積チャンバ、および第3の堆積チャンバからなるチャンバ群またはモジュール群の中の1つまたは複数の中に提供される。これにより、特にロードロックチャンバ、さらなるチャンバ、第1の堆積チャンバ、および/または移送チャンバは、第1の搬送トラック163および第2の搬送トラック164のそれぞれを備える。
【0070】
第1の搬送トラック163および第2の搬送トラック164をそれぞれ有するチャンバの中の少なくとも1つ、特に第1の搬送トラック163および第2の搬送トラック164をそれぞれ有する全てのチャンバが、各チャンバ内において基板を横方向に移動するように構成される。これにより、基板は、搬送経路に対して垂直な方向に沿った変位が生じるように、実質的に水平に移動され得る。
【0071】
上記に鑑みて、いくつかの追加または代替の実施形態によれば、第2のプロセスチャンバおよび第3のプロセスチャンバの構成は、
図6に示すように、
図1から変更することが可能であり、および/または、様々なチャンバが、複数の基板トラックを装備することが可能である。特に、第1のプロセスチャンバおよび/または中央移送チャンバ内に追加的な複数のキャリアトラックを有することが有用であると考えられている。また、第2のプロセスチャンバおよび/または第3のプロセスチャンバは、複数のキャリアトラックを装備することが可能である。上述のチャンバにおいても複数のキャリアトラックを使用することにより、第1のプロセスチャンバ内/外への、特に第1のプロセスチャンバ外へのキャリアの同時移送が可能となり、第2のプロセスチャンバおよび/または第3のプロセスチャンバもまた複数のキャリアトラックを装備する場合には、これらのプロセスチャンバの内/外へのキャリアの移送に必要な時間を短縮することが可能となる。
【0072】
図7は、例示的なさらにさらなる実施形態を図示する。
図1および
図2と比較すると、搖動モジュールおよび他のチャンバが、第1の搬送トラック163および第2の搬送トラック164を備える。さらに、これらの追加的なトラックに対して追加的にまたは代替的に、第3の堆積チャンバ204および第4の堆積チャンバ205が用意される。堆積源244は、堆積源142とは異なる参照数字で示されるが、これらの源は、同様のものであることが可能である。したがって、第2のターゲット材料を堆積するための3つ以上のチャンバが、例えば中央移送チャンバなどの移送チャンバに対して装着され得る。第2の層を堆積するためのこれらのチャンバは全て、交互に作動することが可能であり、シングルキャリアトラックおよび/または
図7のようなデュアルキャリアトラックのいずれかを備えることが可能である。これにより、特に例えば複数のチャンバにおいてなど複数のステップにおいて第2の層を堆積する必要性を伴わずに、高いスループットでさらにより厚い第2の層を堆積することが可能となる。
【0073】
本明細書において説明される実施形態は、ハードウェアの利用効率を改善し、所与の個数の真空チャンバによるシステムのスループットを上昇させ、および/または、第2の層を堆積するために強化された交互動作を使用することによってシステムのスループットを上昇させる。これは、混合システムにより実現され、ロードロックチャンバおよび移送チャンバにおいてのみならず他のチャンバにおいても複数のキャリアトラックを使用することによりさらに改善され得る。これにより、キャリアの移送に必要な時間が短縮され、特に第1のプロセスチャンバにおける第1の層および第3の層の層堆積に対してより多くの時間が与えられる。システムサイクルを短縮するおよび/またはシステムスループットを上昇させるさらなる可能性が得られる。さらに、追加的または代替的には、極端に厚い第2の層は、中央移送チャンバに装着された3つ以上の交互作動プロセスチャンバを使用することによって堆積され得る。
【0074】
したがって、本明細書において説明される実施形態は、特に静的堆積プロセスを用いた例えば多層PVD堆積ツールなどの多層堆積ツールに対して利用することが可能である
【0075】
上記に鑑みて、複数の実施形態を説明する。例えば、一実施形態によれば、実質的に垂直方向に配向された基板を処理するための基板処理システムが提供される。このシステムは、第1の処理領域を有し、第1の材料を含む第1の層を堆積するように適合された、第1の処理チャンバと、第2の処理領域を有し、第1の層の上に第2の材料を含む第2の層を堆積するように適合された、第2の処理チャンバと、第3の処理領域を有し、第2の材料を含む層を堆積するように適合された、第3の処理チャンバと、それぞれ第1のチャンバ、第2のチャンバ、および第3のチャンバとの間に実質的に線形の搬送経路を与える移送チャンバと、第1の搬送トラックおよび第2の搬送トラックを備えるさらなるチャンバとを備え、第1の搬送トラックおよび第2の搬送トラックの少なくとも一方が、第1の処理チャンバと共に実質的に線形の搬送経路を提供し、第1のチャンバは、移送チャンバから基板を受けるように、および第1の材料を含むさらなる層を堆積するように、構成される。本明細書において説明される他の実施形態と組み合わせることの可能な他の実装形態によれば、移送チャンバは、回転モジュール、特に10ミリバール未満の圧力下において基板を回転させるための真空回転モジュールであることが可能であり、システムは、直列処理システム部分を備えることが可能であり、特に、システムは、直列処理システムとクラスタ処理システムとの混合システムであることが可能であり、および/または、第1の搬送トラックから第2の搬送トラックへおよびその逆方向に基板を横方向変位させるように構成された横方向変位機構をさらに備えることが可能である。例えば、横方向変位機構は、さらなるチャンバ内に配設することが可能である。本明細書において説明される他の実施形態および実装形態と組み合わせることの可能なさらに他の実施形態によれば、システムは、以下の特徴、すなわち、システムが、第1の搬送トラックおよび第2の搬送トラックのそれぞれのさらなる部分を備える少なくとも1つのロードロックチャンバをさらに備えることが可能であり、これらのさらなる部分は、さらなるチャンバにおける第1の搬送トラックおよび第2の搬送トラックの延長部に提供されること;システムが、さらなる処理領域を有し、第3の材料を含む他の層を堆積するように構成された、少なくとも1つのさらなるチャンバをさらに備え、この少なくとも1つのさらなるチャンバは、移送チャンバに連結されること;この少なくとも1つのさらなるチャンバが、少なくとも2つのさらなるチャンバであることが可能であり、これらのチャンバがそれぞれ、第3の材料を含む層を堆積するように適合されること;ならびに第1の材料が、モリブデン、モリブデン合金、白金、白金合金、金、金合金、チタン、チタン合金、銀、および銀合金からなる群より選択され得ること、からなる群より選択される特徴の中の1つまたは複数をさらに備えることが可能である。例えば、第1の材料は、モリブデン、モリブデン合金、チタン、またはチタン合金であることが可能である。本明細書において説明される他の実施形態および実装形態と組み合わせることの可能なさらにさらなる実施形態によれば、システムは、以下の特徴、すなわち、さらなるチャンバが、第3の搬送トラックを備えることが可能であること;第1の搬送トラックが、搬送方向に案内するための複数の案内要素を備えることが可能であり、第2の搬送トラックが、搬送方向に案内するための複数の案内要素を備えることが可能であり、第1の搬送トラックおよび第2の搬送トラックの案内要素が、案内位置が搬送方向に対して垂直な方向に変位されるように、第1の案内位置および第2の案内位置のそれぞれに対して適合化されること;ならびに第1の搬送トラックの案内要素および第2の搬送トラックの案内要素が、搬送方向に沿って交互に設けられ得ること、からなる群より選択される特徴の中の1つまたは複数をさらに備えることが可能である。
【0076】
他の一実施形態によれば、第1の処理チャンバ、第2の処理チャンバ、および第3の処理チャンバを有する基板処理システムにおいて層スタックを堆積する方法が提供される。この方法は、実質的に垂直方向に配向された基板の上で第1の処理チャンバにおいて第1の材料を含む第1の層を堆積することと、第2の処理チャンバおよび第3の処理チャンバから選択される一方のチャンバにおいて第2の材料を含む第2の層を堆積することであって、第2の処理チャンバおよび第3の処理チャンバが、実質的に交互に使用されることと、第1の処理チャンバにおいて第1の材料を含む第3の層を堆積することであって、第1の処理チャンバ、第2の処理チャンバ、および第3の処理チャンバが、実質的に線形の搬送経路により移送チャンバに連結されることと、さらなるチャンバにおいて第1の搬送トラックと第2の搬送トラックとの間で基板を横方向に変位させることとを含む。
【0077】
この方法の典型的な変更形態においては、第1の基板上の第1の層は、別の基板上の第2の層が堆積される間に、堆積され得るものであり;この方法は、第1の搬送トラックおよび第2の搬送トラックの上にまたは上から2つの基板を同時に移送することをさらに含むことが可能であり;および/または第1の材料は、モリブデン、モリブデン合金、白金、白金合金、金、金合金、チタン、チタン合金、銀、および銀合金からなる群より選択することが可能である。例えば、第1の材料は、モリブデン、モリブデン合金、チタン、またはチタン合金であることが可能である。
【0078】
上記は、本発明の実施形態を対象とするが、本発明の他のおよびさらなる実施形態が、本発明の基本範囲から逸脱することなく案出されてもよく、この範囲は、以下の特許請求の範囲により決定される。