特許第5945863号(P5945863)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5945863-腎細胞がん治療剤 図000005
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5945863
(24)【登録日】2016年6月10日
(45)【発行日】2016年7月5日
(54)【発明の名称】腎細胞がん治療剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/44 20060101AFI20160621BHJP
   A61K 31/404 20060101ALI20160621BHJP
   A61K 31/4375 20060101ALI20160621BHJP
   A61K 31/4439 20060101ALI20160621BHJP
   A61K 31/4709 20060101ALI20160621BHJP
   A61K 31/4745 20060101ALI20160621BHJP
   A61K 31/496 20060101ALI20160621BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20160621BHJP
   A61K 31/517 20060101ALI20160621BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20160621BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20160621BHJP
   A61P 35/04 20060101ALI20160621BHJP
【FI】
   A61K31/44
   A61K31/404
   A61K31/4375
   A61K31/4439
   A61K31/4709
   A61K31/4745
   A61K31/496
   A61K31/506
   A61K31/517
   A61P43/00 111
   A61P43/00 121
   A61P35/00
   A61P35/04
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-1595(P2012-1595)
(22)【出願日】2012年1月6日
(65)【公開番号】特開2013-142059(P2013-142059A)
(43)【公開日】2013年7月22日
【審査請求日】2014年12月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】504174180
【氏名又は名称】国立大学法人高知大学
(74)【代理人】
【識別番号】100075409
【弁理士】
【氏名又は名称】植木 久一
(74)【代理人】
【識別番号】100129757
【弁理士】
【氏名又は名称】植木 久彦
(74)【代理人】
【識別番号】100115082
【弁理士】
【氏名又は名称】菅河 忠志
(74)【代理人】
【識別番号】100125243
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 浩彰
(72)【発明者】
【氏名】辛島 尚
(72)【発明者】
【氏名】執印 太郎
【審査官】 幸田 俊希
(56)【参考文献】
【文献】 武内 在雄他,APP−001−AM 腎癌において抗腫瘍効果を示すソラフェニブ、インターフェロンα併用療法の作用機序解析,日本泌尿器科学会雑誌,2009年,Vol.100, No.2,p.103(125)
【文献】 Takeuchi A, et al.,The journal of urology,2010年,Vol.184,p.2549-2556
【文献】 三浦 宏之他,5%イミキモドクリームによる転移性腎細胞癌の治療,日本皮膚科学会雑誌,2010年,第120巻、第3号,P34-9
【文献】 津田 敏彦他,日薬理誌,2008年,Vol.132,p.55-63
【文献】 Sidky YA, et al.,Cancer Research,1992年,Vol.52,p.3528-3533
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00
A61P 35/00
A61P 43/00
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソラフェニブ、スニチニブ、アキシチニブ、パゾパニブ、セディラニブ、ティボザニブ、ドビチニブ、イマチニブ、ゲフィチニブ、エルロチニブおよびそれらの塩からなる群から選択される1以上のキナーゼ阻害薬と、イミキモド、レシキモド、ソチリモドおよびそれらの塩からなる群から選択される1以上のイミダゾリキノリン誘導体とを有効成分とし、イミダゾリキノリン誘導体が経皮投与されるものであることを特徴とする腎細胞がん治療剤。
【請求項2】
腎細胞がんが遠隔転移したものである請求項1に記載の腎細胞がん治療剤。
【請求項3】
キナーゼ阻害薬が経口投与されるものである請求項1または2に記載の腎細胞がん治療剤。
【請求項4】
キナーゼ阻害薬がソラフェニブまたはその塩である請求項1〜のいずれかに記載の腎細胞がん治療剤。
【請求項5】
イミダゾリキノリン誘導体がイミキモドである請求項1〜のいずれかに記載の腎細胞がん治療剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低分子化合物を有効成分とし、腎細胞がんを効果的に治療できる薬剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
腎臓は、血液を濾過して尿を作ることにより体の水分量を調節したり不要物質を排泄する働きのほか、ある種のホルモンや活性型ビタミンDなどを製造する臓器である。
【0003】
腎臓に生じる腫瘍には良性のものと悪性のものとがあり、悪性腫瘍の中で最も多くみられるのが腎細胞がんである。
【0004】
腎細胞がんは、血管内へ侵入し、静脈内で腫瘍塞栓を形成したり、他臓器へ転移しやすい性質を有する。例えば、腎細胞がんは明確な自覚症状の無いままに進行し、肺、骨、肝臓、脳などへ遠隔転移する。近年、腎細胞がんは初期の段階で発見されるようになってきており、その場合の治癒率は高いものの、転移を伴う腎細胞がんの生存率は比較的低いといえる。
【0005】
腎細胞がんの治療方法としては、外科的手術が一般的である。これは、腎臓は2つあり、一方を切除しても一般的な生活にはほとんど支障がないことによる。しかし、外科的手術が不可能な場合や転移性腎細胞がんには、インターフェロンやインターロイキンなどの免疫療法が行われたり、スニチニブやソラフェニブなどの低分子抗がん薬が投与される。
【0006】
その他、がん治療のためのワクチンであって、核酸分子と共に、主に抗ウィルス薬として開発されているイミキモドをアジュバントとして含むものが特許文献1に開示されている。かかるがんとしては、腎がんが挙げられている。また、特許文献2には、イミキモドは抗ウィルス作用のみならず抗腫瘍作用を示し、基底細胞がん有刺細胞がんなどアラキドン酸により誘発される皮膚疾患の治療薬として利用できることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特表2011−510640号公報
【特許文献2】特開2000−247884号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したように、腎細胞がんの治療には、スニチニブやソラフェニブなどの低分子化合物も使われている。しかし、腎細胞がんに対する有効な治療手段は外科的手術しかないという意見や、化学療法による効果は低いという意見もあり、より高い効果を示す治療手段は常に求められている。
【0009】
そこで本発明は、腎細胞がんに対して極めて有効な治療効果を示す化学療法手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、血管新生を抑制するキナーゼ阻害薬に加え、特定のイミダゾリキノリン誘導体を併用することにより、腎細胞がんを顕著に抑制できることを見出して、本発明を完成した。
【0011】
本発明に係る腎細胞がん治療剤は、ソラフェニブ、スニチニブ、アキシチニブ、パゾパニブ、セディラニブ、ティボザニブ、ドビチニブ、イマチニブ、ゲフィチニブ、エルロチニブおよびそれらの塩からなる群から選択される1以上のキナーゼ阻害薬と、イミキモド、レシキモド、ソチリモドおよびそれらの塩からなる群から選択される1以上のイミダゾリキノリン誘導体とを有効成分とすることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る腎細胞がん治療剤は、遠隔転移した腎細胞がんに対して特に有効である。
【0013】
投与形態に関しては、上記イミダゾリキノリン誘導体は経皮投与することが好ましく、キナーゼ阻害薬は経口投与することが好ましい。
【0014】
上記キナーゼ阻害薬としてはソラフェニブまたはその塩が好ましく、また、イミダゾリキノリン誘導体としてはイミキモドが好ましい。後記の実施例において、これら組み合わせによる高い効果が実証されている。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る腎細胞がん治療剤は、従来、治療薬として用いられてきた血管新生抑制作用を示すキナーゼ阻害薬の単独投与に比して、有意に腎細胞がんの成長を抑制することができる。従って、本発明に係る腎細胞がん治療剤は、これまで外科的手術以外に有効な治療手段が無いともいわれている腎細胞がんの有効な治療手段として、極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本発明に係る腎細胞がん治療剤の腎細胞がんに対する治療効果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
腎細胞がんとは、腎臓に発生する悪性腫瘍の一つであり 、尿細管上皮細胞ががん化したものをいう。腎細胞がんは転移し易いという特徴を有し、進行に伴って隣接臓器へ浸潤するのみならず、肺や骨などへ遠隔転移する。本発明の治療対象である腎細胞がんには、腎臓における腎細胞がんだけでなく、リンパ節や他臓器に転移したものも含まれる。なお、転移した腎細胞がんは、X線写真、CT検査、MRI検査などによる形態観察、生検、マーカー検査などにより特定することができる。
【0018】
本発明に係る腎細胞がん治療剤は、特定のキナーゼ阻害薬を有効成分の一つとする。キナーゼ阻害薬は、がん細胞に栄養を与える血管を伸張する作用に関わるキナーゼであるRaf、VEGFR,PDGFRなどを阻害し、血管新生に関わる受容体の活性化を阻害することにより、抗がん効果を発揮するものである。
【0019】
本発明に係るキナーゼ阻害薬は、ソラフェニブ、スニチニブ、アキシチニブ、パゾパニブ、セディラニブ、ティボザニブ、ドビチニブ、イマチニブ、ゲフィチニブ、エルロチニブおよびそれらの塩からなる群から選択される1以上である。これらの化学構造式と化学名は、以下のとおりである。
【0020】
【化1】
【0021】
ソラフェニブ:4−{4−[3−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)ウレイド]フェノキシ}−N2−メチルピリジン−2−カルボキシアミド
スニチニブ:N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−5−[(Z)−(5−フルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−3H−インドール−3−イリデン)メチル]−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボキシアミド
アキシチニブ:N−メチル−2−[[3−[(E)−2−(2−ピリジル)エテニル]−1H−インダゾール−6−イル]チオ]ベンズアミド
パゾパニブ:5−[[4−[(2,3−ジメチル−2H−インダゾール−6−イル)メチルアミノ]−2−ピリミジニル]アミノ]−2−メチルベンゾスルホンアミド
セディラニブ:4−[(4−フルオロ−2−メチル−1H−インドール−5−イル)オキシ]−6−メトキシ−7−[3−(ピロリジン−1−イル)プロポキシ]キナゾリン
ティボザニブ:1−{2−クロロ−4−[(6,7−ジメトキシキノリン−4−イル)オキシ]フェニル}−3−(5−メチルイソキサゾール−3−イル)ウレア
ドビチニブ:4−アミノ−5−フルオロ−3−[5−(4−メチルピペラジノ)−3H−ベンゾイミダゾール−2−イル]キノリン−2(1H)−オン
イマチニブ:4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)−N−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イルピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ベンズアミド
ゲフィチニブ:N−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−メトキシ−6−[3−(モルホリン−4−イル)プロポキシ]キナゾリン−4−アミン
エルロチニブ:N−(3−エチニルフェニル)−6,7−ビス(2−メトキシエトキシ)−4−キナゾリンアミン
【0022】
上記キナーゼ阻害薬の中では、ソラフェニブ、スニチニブ、アキシチニブ、パゾパニブ、セディラニブ、ティボザニブ、ドビチニブおよびそれらの塩からなる群から選択される1以上がより好適であり、ソラフェニブまたはその塩がさらに好適である。
【0023】
上記キナーゼ阻害薬は、薬理上許容される塩であってもよい。かかる塩は特に制限されないが、例えば、ベンゼンスルホン酸塩やp−トルエンスルホン酸塩のようなアリ−ルスルホン酸塩;酢酸、リンゴ酸、フマル酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩などの有機酸塩;メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩などの低級アルカンスルホン酸塩;フッ化水素酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩などのハロゲン化水素酸塩;グルタミン酸塩やアスパラギン酸塩などの酸性アミノ酸塩;硝酸塩、過塩素酸塩、硫酸塩、リン酸塩などの無機酸塩を挙げることができる。
【0024】
本発明に係る腎細胞がん治療剤は、上記キナーゼ阻害薬と共に、特定のイミダゾリキノリン誘導体を有効成分とすることによって、相乗的に腎細胞がんを抑制するものである。
【0025】
本発明で使用されるイミダゾリキノリン誘導体としては、イミキモド、レシキモド、ソチリモドおよびそれらの塩からなる群から選択される1以上を挙げることができ、イミキモドまたはその塩を好適に使用することができる。これらの化学構造式と化学名は、以下のとおりである。
【0026】
【化2】
【0027】
イミキモド:4−アミノ−1−(2−メチルプロピル)−1H−イミダゾ[4 ,5−c]キノリン
レシキモド:α,α−ジメチル−4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4 ,5−c]キノリン−1−エタノール
ソチリモド:2−メチル−1−(2−メチルプロピル)−1H−イミダゾ[4,5−c][1,5]ナフチリジン−4−アミン
【0028】
上記イミダゾリキノリン誘導体は、薬理上許容される塩であってもよい。かかる塩は特に制限されないが、上記キナーゼ阻害薬の説明で例示したものと同様のものとすることができる。
【0029】
本発明に係る腎細胞がん治療剤の製剤形態は、上記キナーゼ阻害剤とイミダゾリキノリン誘導体を一剤に含むものであってもよいし、或いは、上記キナーゼ阻害剤を含む製剤とイミダゾリキノリン誘導体を含む製剤を同時にまたは時間をおいて別々に投与するものであってもよい。
【0030】
本発明に係る製剤の形態は特に制限されず、適宜選択すればよい。例えば、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、コーティング製剤などの固形製剤;軟膏剤、坐剤、貼付剤、パップ剤、ローション剤、リンメント剤などの半固形製剤;溶液剤、懸濁液剤、エアゾール剤などの液剤などとすることができる。また、製剤形態に応じて、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味剤、矯臭剤、コーティング剤、軟膏基剤などの基剤、蒸留水や生理食塩水などの溶剤、乳化剤、抗酸化剤などの安定剤、pH調整剤を添加してもよい。
【0031】
本発明に係る製剤の投与形態も特に制限されず、適宜選択すればよい。例えば、経口投与、経皮投与、注射投与、経粘膜投与を選択することができる。キナーゼ阻害剤を含む製剤とイミダゾリキノリン誘導体を含む製剤を用いる場合には、キナーゼ阻害剤を含む製剤は経口投与することが好ましく、イミダゾリキノリン誘導体を含む製剤は経皮投与することが好ましい。
【0032】
後記の実施例で示す通り、体重約25gのマウスに対して10mg/kgのキナーゼ阻害剤と40mg/kgのイミダゾリキノリン誘導体を投与した場合、腎細胞がんに対して顕著な抑制効果が得られた。斯かる結果から考えると、ヒトに対する投与量は、1回当たりキナーゼ阻害剤を1mg/kg以上、50mg/kg以下程度、イミダゾリキノリン誘導体を0.01mg/kg以上、1000mg/kg以下程度とし得る。また、投与回数は、例えば、5日おきに1回から1日5回までとすることができる。但し、これら薬剤の投与量や投与回数は、患者の年齢や性別、疾患の重篤度などによって適宜変更することができる。
【実施例】
【0033】
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
【0034】
実施例1 ソラフェニブとイミキモドの併用実験
5週齢のBALB/c系雌性マウス(体重:約25g)40匹を以下の実験に用いた。マウスに48mg/kgのネンブタールを腹腔内投与することにより麻酔し、除毛クリームにて背部を除毛した。106個のマウス腎細胞がん株RENCA細胞を、除毛した背部の皮下に異所移植した。移植後5日後に、マウスを無作為に1)コントロール群、2)ソラフェニブ単独投与群、3)イミキモド単独投与群、4)ソラフェニブ+イミキモド併用投与群の各群10匹の4群に分けた。
【0035】
1)コントロール群には、ヒマシ油(Cremophor EL)のエタノール/水混合溶媒溶液200μLを連日強制経口投与するとともに、背部皮膚に白色ワセリンを20mg連日塗布した。2)ソラフェニブ単独投与群には、ヒマシ油(Cremophor EL)のエタノール/水混合溶媒溶液200μLに10mg/kgの濃度でソラフェニブを溶解したものを連日強制経口投与した。3)イミキモド単独投与群には、40mg/kgイミキモドを5%配合軟膏剤20mgとして連日背部皮膚に塗布した。4)ソラフェニブ+イミキモド併用投与群には、10mg/kgソラフェニブの連日強制経口投与と40mg/kgイミキモド(5%配合軟膏剤20mg)の連日背部皮膚塗布を行った。上記処置を28日間継続しながら、経時的に3方向からの腫瘍体積(mm3)を計測した。背部の除毛は除毛クリームにて3日に1回の頻度で行った。経過中、麻酔や処置に関連するマウスの死亡は認められなかった。図1に腫瘍体積の経時的変化と各群間でのMann‐Whitney検定での統計学的有意差を示す。図中の「*」は1群と4群間、および2群と4群間で、p値<0.01をもって統計学的に有意な差があることを示し、「**」は3群と4群間で、p値<0.05をもって統計学的に有意な差があったことを示す。また、処置開始28日後における各群の腫瘍体積中央値±標準偏差を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
以上の結果から、腎細胞がんにおいてソラフェニブとイミキモドの併用療法は、ソラフェニブ単独療法もしくはイミキモド単独療法と比較して、腎細胞がんに対して有意に抗腫瘍効果が高いことが実証された。
図1