特許第5946909号(P5946909)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5946909逆浸透分離膜の製造方法及びそれにより製造された逆浸透分離膜
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5946909
(24)【登録日】2016年6月10日
(45)【発行日】2016年7月6日
(54)【発明の名称】逆浸透分離膜の製造方法及びそれにより製造された逆浸透分離膜
(51)【国際特許分類】
   B01D 71/68 20060101AFI20160623BHJP
   B01D 69/10 20060101ALI20160623BHJP
   B01D 61/02 20060101ALI20160623BHJP
   B01D 69/12 20060101ALI20160623BHJP
   C08J 9/42 20060101ALI20160623BHJP
【FI】
   B01D71/68
   B01D69/10
   B01D61/02
   B01D69/12
   C08J9/42CEZ
【請求項の数】5
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-516934(P2014-516934)
(86)(22)【出願日】2013年5月24日
(65)【公表番号】特表2014-519411(P2014-519411A)
(43)【公表日】2014年8月14日
(86)【国際出願番号】KR2013004582
(87)【国際公開番号】WO2013176523
(87)【国際公開日】20131128
【審査請求日】2013年12月16日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0055592
(32)【優先日】2012年5月24日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2013-0059348
(32)【優先日】2013年5月24日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】スン−ピョ・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】スン−ユプ・イ
(72)【発明者】
【氏名】フィル・イ
(72)【発明者】
【氏名】ヒェ−ジン・クォン
(72)【発明者】
【氏名】チョン−キュ・シン
【審査官】 團野 克也
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2003/0038074(US,A1)
【文献】 特開2000−153137(JP,A)
【文献】 特開平09−136985(JP,A)
【文献】 特開平11−071476(JP,A)
【文献】 特開2011−006520(JP,A)
【文献】 In-Chul Kim, Kew-Ho Lee,"Effect of various additives on pore size of polysulfone membrane by phase-inversion process",Journal of Applied Polymer Science,2003年 6月13日,Vol.89(9),pp.2562-2566
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC B01D61/00−71/99
C02F 1/44
C08J 9/42
DB等 DWPI(Thomson Innovation)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多孔性支持体の一面に異なる溶解度パラメーター値を有する第1溶媒及び第2溶媒を含有する混合溶媒を含む溶液を接触させてポリスルホン層を形成する段階と、
前記ポリスルホン層が形成された多孔性支持体上に活性層を形成する段階と、を含み、
前記第1溶媒は、DMFであり、かつ、
前記第2溶媒は、ジメチルアセトアミド(Dimethyl acetamide)、メチルアセテート(Methyl acetate)、ヒドラジン(Hydrazine)、卜リクロロメタン(Trichloromethane)、ジヨードメタン(Diiodomethane)、トリクロロエチレン(Trichloroethylene)、スチレン(Styrene)、2−ブタノン(2−Butanone)、テトラヒドロフラン(Tetrahydrofuran)、シクロヘキサノン(Cyclohexanone)、アセトン(Acetone)、ベンゾニトリル(Benzonitrile)、イソホロン(Isophorone)、2−エチル−1−ヘキサノール(2−Ethyl−1−hexanol)、ジクロロメタン(Dichloromethane)、ジブチルフタレート(Dibutyl phthalate)、1,4−ジオキサン(1,4−Dioxane)、1,2−ジクロロベンゼン(1,2−Dichlorobenzene)、1,2−ジクロロエタン(1,2−Dichloroethane)、2−ブトキシエタノール(2−Butoxyethanol)、1−ブロモナフタレン(1−Bromonaphthalene)、アセト酸(Acetic acid)、エピクロロヒドリン(Epichlorohydrin)、ベンズアルデヒド(Benzaldehyde)、モルホリン(Morpholine)、アクリロニトリル(Acrylonitrile)、アセトフェノン(Acetophenone)、ピリジン(Pyridine)、2−ブタノール(2−Butanol)、シクロヘキサノール(Cyclohexanol)、アニリン(Aniline)、2−メチルプロピルアルコール(2−Methylpropyl alcohol)、3−メチルフェノール(3−Methylphenol)、N−メチル−2−ピロリジン(N−Methyl−2−pyrrolidine)、1−ブタノール(1−Butanol)、ブロミン(Bromine)、2−エトキシエタノール(2−Ethoxyethanol)、フェノキシエタノール(Phenoxyethanol)、2−プロパノール(2−Propanol)、ベンジルアルコール(Benzyl alcohol)、ジメチルエタノールアミン(Dimethylethanolamine)、2−フランメタノール(2−Furanmethanol)、アセトニトリル(Acetonitrile)、1−プロパノール(1−Propanol)、2−メトキシメタノール(2−Methoxymethanol)、メタン酸(Methanoic acid)、N,N−ジメチルホルムアミド(N,N−Dimethylformamide)、ニトロメタン(Nitromethane)、エタノール(Ethanol)、ジメチルスルホキシド(Dimethyl sulfoxide)、プロピレンカーボネート(Propylene carbonate)、1,3−ブタンジオール(1,3−Butanediol)、ジエチレングリコール(Diethylene glycol)、メタノール(Methanol)、1,2−プロパンジオール(1,2−Propanediol)、2−アミノエタノール(2−Aminoethanol)、エチレングリコール(Ethylene glycol)、エチレンカーボネート(Ethylene carbonate)、ジエチルスルフェート(Diethyl sulfate)、ニトロエタン(Nitroethane)、アリルアルコール(Allyl alcohol)及びγ−ブチロラクトン(γ−butyrolactone)からなる群より選択され、
前記第1溶媒及び前記第2溶媒との溶解度パラメーター値の差が0.1(J/cm1/2〜3(J/cm1/2であり、
前記混合溶媒は、90:10〜60:40の比率の前記第1溶媒及び前記第2溶媒を含むことを特徴とする逆浸透分離膜の製造方法。
【請求項2】
前記混合溶媒は、N、N−ジメチルホルムアミド(N、N−Dimethylformamide、DMF)及びジメチルスルホキシド(Dimethyl sulfoxide、DMSO)の混合溶媒である、請求項1に記載の逆浸透分離膜の製造方法。
【請求項3】
前記混合溶媒は、N、N−ジメチルホルムアミド(N、N−Dimethylformamide、DMF)及びγ−ブチロラクトン(γ−butyrolactone、GBL)の混合溶媒である、請求項1に記載の逆浸透分離膜の製造方法。
【請求項4】
前記混合溶媒は、N、N−ジメチルホルムアミド(N、N−Dimethylformamide、DMF)及びジメチルスルホキシド(Dimethyl sulfoxide、DMSO)を90:10〜60:40の比率で混合したものである、請求項1に記載の逆浸透分離膜の製造方法。
【請求項5】
前記混合溶媒は、N、N−ジメチルホルムアミド(N、N−Dimethylformamide、DMF)及びγ−ブチロラクトン(γ−butyrolactone、GBL)を95:5〜50:50の比率で混合したものである、請求項1に記載の逆浸透分離膜の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は逆浸透分離膜の製造方法及びそれにより製造された逆浸透分離膜に関し、より詳細には、多孔性支持体上にポリスルホン層を形成する際、溶解度パラメーター値の異なる2種以上の混合溶媒を使用してポリスルホン層の気孔のサイズの分布度、密度及び気孔の面積比率などを調節することで、従来より優れた塩除去率、耐汚染性及び耐久性を有し、かつ透過流量を増加させた逆浸透分離膜の製造方法及びそれにより製造された逆浸透分離膜に関する。
【背景技術】
【0002】
半透過性膜により隔離された二つの溶液が、溶質の濃度が低い溶液から高い溶液の方に分離膜を通過して移動する現象を浸透現象といい、このとき、溶媒の移動により溶質の濃度が高い溶液側に作用する圧力を浸透圧という。しかし、溶媒は、浸透圧より高い外部圧力をかけると、溶質の濃度が低い溶液の方に移動するようになる。このような現象を逆浸透といい、該原理を利用して、圧力勾配を駆動力にし半透過性膜を通じて各種塩や有機物質を分離することができる。このような逆浸透現象を利用した逆浸透分離膜は、分子水準の物質を分離し、塩水または海水から塩を除去して、家庭用水、建築用水及び産業用水を供給するのに用いられる。
【0003】
このような逆浸透分離膜の代表的な例としては、ポリアミド系逆浸透分離膜が挙げられ、ポリアミド系逆浸透分離膜は、微細多孔層支持体上にポリアミド活性層を形成する方法で製造されており、より具体的には、不織布上にポリスルホン層を形成して微細多孔性支持体を形成し、該微細多孔性支持体をm−フェニレンジアミン(m−Phenylene Diamine;mPD)水溶液に浸漬させてmPD層を形成し、さらにトリメソイルクロライド(TriMesoyl Chloride、TMC)有機溶媒に浸漬させmPD層をTMCと接触させて界面重合させることで、ポリアミド層を形成する方法で製造されている。
【0004】
しかし、このような従来方法により製造されたポリアミド系逆浸透分離膜は、初期透過流量の効率がよくないため、浄水性能が低いという問題点があった。また、逆浸透分離膜を使用する水処理工程では、分離される溶質またはイオン化合物が分離膜の表面に吸着されて分離膜を汚染させるため、時間が経過するにつれて透過流量や塩除去率のような水透過特性が低下するという問題点があった。
【0005】
従って、透過流量及び塩除去率などの水透過特性、及び耐久性に優れた逆浸透分離膜の開発が急がれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記のような問題点を解決するためのもので、耐汚染性、耐久性及び塩除去率に優れ、かつ透過流量を増加させた逆浸透分離膜の製造方法及びそれにより製造された逆浸透分離膜を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決すべく、本発明の第1態様は、多孔性支持体の一面に溶解度パラメーター値の異なる2種以上の混合溶媒を含む溶液を接触させてポリスルホン層を形成する段階と、上記ポリスルホン層が形成された多孔性支持体上に活性層を形成する段階と、を含む逆浸透分離膜の製造方法を提供する。
【0008】
本発明の第2態様は、上記逆浸透分離膜の製造方法により製造された逆浸透分離膜を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、多孔性支持体上にポリスルホン層を形成する際、溶解度パラメーター値の異なる2種以上の混合溶媒を使用することで、ポリスルホン層に気孔を形成する際に溶媒が流出する速度を調節して、形成される気孔のサイズの分布度、密度及び面積比率などを調節する方法であって、従来に比べて優れた塩除去率、耐汚染性及び耐久性を有し、かつ透過流量を増加させた逆浸透分離膜の製造方法及びそれにより製造された逆浸透分離膜を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施例2により製造された逆浸透分離膜のポリスルホン層の表面を示したSEM写真である。
図2】比較例1により製造された逆浸透分離膜のポリスルホン層の表面を示したSEM写真である。
図3】実施例6により製造された逆浸透分離膜のポリスルホン層の表面を示したSEM写真である。
図4】比較例2により製造された逆浸透分離膜のポリスルホン層の表面を示したSEM写真である。
図5】実施例1〜8及び比較例1〜2により製造された逆浸透分離膜のポリスルホン層の表面に形成された全体気孔のうち径が40nm以上の気孔の比率を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下では、本発明の好ましい実施形態を説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。
【0012】
本明細書における溶解度パラメーター値はHansen Solubility Parameterを意味し、本明細書に記載された各溶媒の溶解度パラメーター値はhansen’s 1971 parameters listed in Handbook of Solubility Parameters、Allan F.M.Barton.Ph.D.、CRC Press、1983、page 153〜157から得た値である。
【0013】
また、本明細書において、気孔径とは、ポリスルホン層の表面に形成された気孔の単位気孔が球形または楕円形であるとき、最長径を測定した値を意味する。
【0014】
さらに、気孔径が40nm以上のものの分布度などに関する数値は、ポリスルホン層の表面の任意の地点で横×縦(10cm×10cm)を選択して測定したものを基準とする。
【0015】
本発明の発明者らは、塩除去率に優れ、かつ透過流量が向上した逆浸透膜を開発するために研究を重ねた結果、逆浸透分離膜を製造する際、ポリスルホン層を形成する段階で、溶解度パラメーター値の異なる2種以上の混合溶媒を使用すると、膜形成時に溶媒が流出する速度が異なることを利用してポリスルホン層に形成される気孔のサイズ及び密度を調節することで、従来より逆浸透分離膜の性能を向上させることができることを見出し、本発明を完成した。
【0016】
従来では、逆浸透分離膜を製造する際にポリスルホン層を形成する場合、溶媒としてDMF(N、N−Dimethylformamide)を使用することが一般的であった。この場合、ポリスルホン層の表面に形成される気孔のサイズが大きすぎて、上記ポリスルホン層上に形成される活性層が安定的に形成されないという問題点があった。しかし、本発明による逆浸透分離膜は、ポリスルホン層の表面に形成される微細気孔の数を増加させることで、均一な活性層を形成させることができ、結果的に製造された逆浸透分離膜に耐汚染性及び耐久性を有させることができ、塩除去率及び初期透過流量などの性能も著しく向上させることができる。
【0017】
本発明による逆浸透分離膜の製造方法は、1)多孔性支持体の一面に溶解度パラメーター値の異なる2種以上の混合溶媒を含む溶液を接触させてポリスルホン層を形成する段階と、2)上記ポリスルホン層が形成された多孔性支持体上に活性層を形成する段階と、を含む。
【0018】
このとき、上記多孔性支持体としては、当該技術分野によく知られているものを制限なく使用してもよく、例えば、不織布であってもよい。このとき、上記不織布の材料としては、例えば、ポリエステル、ポリカーボネート、微孔質ポリプロピレン、ポリフェニレンエーテル、ポリフッ化ビニリデンなどを用いてもよいが、必ずしもこれに制限されない。
【0019】
また、上記1)段階は、スルホン酸基を有するポリマー及び上記溶解度パラメーター値の異なる2種以上の混合溶媒を含む溶液を利用して行ってもよい。
【0020】
ここで、上記スルホン酸基を有するポリマーは、例えば、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリールスルホン、ポリアルキルスルホン、ポリアラルキルスルホン、ポリフェニルスルホン及びポリエーテルエーテルスルホンからなる群より選択されてもよいが、必ずしもこれに制限されない。
【0021】
また、上記スルホン酸基を有するポリマーの含量は、上記溶解度パラメーター値の異なる2種以上の混合溶媒を含む溶液100重量部を基準として、5重量部〜45重量部、7重量部〜40重量部または10重量部〜30重量部であってもよい。スルホン酸基を有するポリマーの含量が上記数値範囲を満たすと、混合溶媒と溶解しやすくてポリスルホン層の形成が容易である。
【0022】
一方、上記溶解度パラメーター値の異なる2種以上の混合溶媒の含量は、上記溶解度パラメーター値の異なる2種以上の混合溶媒を含む溶液100重量部を基準として、55重量部〜95重量部、60重量部〜93重量部または66重量部〜90重量部であってもよい。溶解度パラメーター値の異なる2種以上の混合溶媒の含量が上記数値範囲を満たすと、多孔性支持体の一面にポリスルホン層を形成するためにコーティングする際、コーティング膜厚の調節が容易で、工程性に優れるという長所がある。
【0023】
また、本発明による逆浸透膜の製造方法において、上記1)段階で用いられる溶解度パラメーター値の異なる2種以上の混合溶媒は、溶解度パラメーター値の差が0.1〜15、0.1〜10、0.2〜8.5、0.1〜5または0.1〜3であってもよい。溶解度パラメーター値の差が上記数値範囲を満たすと、ポリスルホン層を形成する際、スルホン酸基を有するポリマー及び溶解度パラメーター値の異なる2種以上の混合溶媒を含む溶液から溶媒が流出する速度を調節することで、ポリスルホン層の表面に形成される気孔のサイズを所望する範囲に調節することができる。
【0024】
一方、上記溶解度パラメーター値の異なる2種以上の混合溶媒は、溶解度パラメーター値の差が0.1〜15範囲であれば、大きく制限されないが、例えば、ジメチルアセトアミド(Dimethylacetamide)、メチルアセテート(Methyl acetate)、ヒドラジン(Hydrazine)、卜リクロロメタン(Trichloromethane)、ジヨードメタン(Diiodomethane)、トリクロロエチレン(Trichloroethylene)、スチレン(Styrene)、2−ブタノン(2−Butanone)、テトラヒドロフラン(Tetrahydrofuran)、シクロヘキサノン(Cyclohexanone)、アセトン(Acetone)、ベンゾニトリル(Benzonitrile)、イソホロン(Isophorone)、2−エチル−1−ヘキサノール(2−Ethyl−1−hexanol)、ジクロロメタン(Dichloromethane)、ジブチルフタレート(Dibutyl phthalate)、1,4−ジオキサン(1,4−Dioxane)、1,2−ジクロロベンゼン(1,2−Dichlorobenzene)、1,2−ジクロロエタン(1,2−Dichloroethane)、2−ブトキシエタノール(2−Butoxyethanol)、1−ブロモナフタレン(1−Bromonaphthalene)、アセト酸(Acetic acid)、エピクロロヒドリン(Epichlorohydrin)、ベンズアルデヒド(Benzaldehyde)、モルホリン(Morpholine)、アクリロニトリル(Acrylonitrile)、アセトフェノン(Acetophenone)、ピリジン(Pyridine)、2−ブタノール(2−Butanol)、シクロヘキサノール(Cyclohexanol)、アニリン(Aniline)、2−メチルプロピルアルコール(2−Methylpropyl alcohol)、3−メチルフェノール(3−Methylphenol)、N−メチル−2−ピロリジン(N−Methyl−2−pyrrolidine)、1−ブタノール(1−Butanol)、ブロミン(Bromine)、2−エトキシエタノール(2−Ethoxyethanol)、フェノキシエタノール(Phenoxyethanol)、2−プロパノール(2−Propanol)、ベンジルアルコール(Benzyl alcohol)、ジメチルエタノールアミン(Dimethylethanolamine)、2−フランメタノール(2−Furanmethanol)、アセトニトリル(Acetonitrile)、1−プロパノール(1−Propanol)、2−メトキシメタノール(2−Methoxymethanol)、メタン酸(Methanoic acid)、N,N−ジメチルホルムアミド(N,N−Dimethylformamide)、ニトロメタン(Nitromethane)、エタノール(Ethanol)、ジメチルスルホキシド(Dimethyl sulfoxide)、プロピレンカーボネート(Propylene carbonate)、1,3−ブタンジオール(1,3−Butanediol)、ジエチレングリコール(Diethylene glycol)、メタノール(Methanol)、1,2−プロパンジオール(1,2−Propanediol)、2−アミノエタノール(2−Aminoethanol)、エチレングリコール(Ethylene glycol)、エチレンカーボネート(Ethylene carbonate)、ジエチルスルフェート(Diethyl sulfate)、ニトロエタン(Nitroethane)、アリルアルコール(Allyl alcohol)及びγ−ブチロラクトン(γ−butyrolactone)などからなる群より選択された2種以上であってもよい。
【0025】
より具体的には、本発明による逆浸透分離膜の製造方法において、1)段階であるポリスルホン層を形成する段階で用いられる上記混合溶媒は、例えば、(1)溶解度パラメーター値が21(J/cm1/2〜30(J/cm1/2である第1溶媒、及び(2)上記第1溶媒との溶解度パラメーター値の差が0.1〜15である第2溶媒を混合したものであってもよい。第1溶媒の溶解度パラメーター値が上記数値範囲を満たすと、スルホン酸基を有するポリマーが溶解されやすくてポリスルホン層の形成に有用である。また、上記第1溶媒との溶解度パラメーター値の差が0.1〜15である第2溶媒を混合すると、多孔性支持体上にポリスルホン層を形成する際に流出する溶媒の速度を適切に調節して、ポリスルホン層の表面に形成される気孔のサイズを所望する範囲に調節することができる。即ち、溶解度パラメーター値の差を適切に利用することで、気孔のサイズの分布度、密度及び気孔の面積比率などを所望する範囲に容易に調節することができるという長所がある。
【0026】
一方、上記溶解度パラメーター値が21(J/cm1/2〜30(J/cm1/2である第1溶媒は、例えば、アセト酸(Acetic acid)、エピクロロヒドリン(Epichlorohydrin)、ベンズアルデヒド(Benzaldehyde)、モルホリン(Morpholine)、アクリロニトリル(Acrylonitrile)、アセトフェノン(Acetophenone)、ピリジン(Pyridine)、2−ブタノール(2−Butanol)、シクロヘキサノール(Cyclohexanol)、アニリン(Aniline)、2−メチルプロピルアルコール(2−Methylpropyl alcohol)、3−メチルフェノール(3−Methylphenol)、N−メチル−2−ピロリジン(N−Methyl−2−pyrrolidine)、1−ブタノール(1−Butanol)、ブロミン(Bromine)、2−エトキシエタノール(2−Ethoxyethanol)、フェノキシエタノール(Phenoxyethanol)、2−プロパノール(2−Propanol)、ベンジルアルコール(Benzyl alcohol)、ジメチルエタノールアミン(Dimethylethanolamine)、2−フランメタノール(2−Furanmethanol)、アセトニトリル(Acetonitrile)、1−プロパノール(1−Propanol)、2−メトキシメタノール(2−Methoxymethanol)、メタン酸(Methanoic acid)、N,N−ジメチルホルムアミド(N,N−Dimethylformamide)、ニトロメタン(Nitromethane)、エタノール(Ethanol)、ジメチルスルホキシド(Dimethyl sulfoxide)、プロピレンカーボネート(Propylene carbonate)、1,3−ブタンジオール(1,3−Butanediol)、ジエチレングリコール(Diethylene glycol)、メタノール(Methanol)、エチレンカーボネート(Ethylene carbonate)、ジエチルスルフェート(Diethyl sulfate)、ニトロエタン(Nitroethane)、アリルアルコール(Allyl alcohol)及びγ−ブチロラクトン(γ−butyrolactone)などからなる群より選択された1種以上であってもよいが、これに制限されない。
【0027】
さらに、上記第1溶媒との溶解度パラメーター値の差が0.1〜15である第2溶媒は、例えば、2−ブタノール(2−Butanol)、シクロヘキサノール(Cyclohexanol)、アニリン(Aniline)、2−メチルプロピルアルコール(2−Methylpropyl alcohol)、3−メチルフェノール(3−Methylphenol)、N−メチル−2−ピロリジン(N−Methyl−2−pyrrolidine)、1−ブタノール(1−Butanol)、ブロミン(Bromine)、2−エトキシエタノール(2−Ethoxyethanol)、フェノキシエタノール(Phenoxyethanol)、2−プロパノール(2−Propanol)、ベンジルアルコール(Benzyl alcohol)、ジメチルエタノールアミン(Dimethylethanolamine)、2−フランメタノール(2−Furanmethanol)、アセトニトリル(Acetonitrile)、1−プロパノール(1−Propanol)、2−メトキシメタノール(2−Methoxymethanol)、メタン酸(Methanoic acid)、N,N−ジメチルホルムアミド(N,N−Dimethylformamide)、ニトロメタン(Nitromethane)、エタノール(Ethanol)、ジメチルスルホキシド(Dimethyl sulfoxide)、プロピレンカーボネート(Propylene carbonate)、1,3−ブタンジオール(1,3−Butanediol)、ジエチレングリコール(Diethylene glycol)、メタノール(Methanol)、エチレンカーボネート(Ethylene carbonate)、ジエチルスルフェート(Diethyl sulfate)、ニトロエタン(Nitroethane)、アリルアルコール(Allyl alcohol)及びγ−ブチロラクトン(γ−butyrolactone)などからなる群より選択された1種以上であってもよいが、これに制限されない。
【0028】
より具体的には、上記混合溶媒は、例えば、N、N−ジメチルホルムアミド(N、N−Dimethylformamide、DMF)及びジメチルスルホキシド(Dimethyl sulfoxide、DMSO)の混合溶媒、またはN、N−ジメチルホルムアミド(N、N−Dimethylformamide、DMF)及びγ−ブチロラクトン(γ−butyrolactone、GBL)の混合溶媒であってもよい。
【0029】
このとき、上記N、N−ジメチルホルムアミド(N、N−Dimethylformamide、DMF)は、ポリスルホンとの溶解度パラメーター値の差が大きくなく、即ち、親和度に優れてポリスルホン高分子をより溶解させやすいため、ポリスルホン層を形成する際の工程性を向上させるという長所がある。また、上記N、N−ジメチルホルムアミド(N、N−Dimethylformamide、DMF)に混合される溶媒であるジメチルスルホキシド(Dimethyl sulfoxide、DMSO)またはγ−ブチロラクトン(γ−butyrolactone、GBL)は、相対的にポリスルホンとの溶解度パラメーター値の差が大きくてポリスルホン高分子との親和度が劣るため、ポリスルホン層を形成する際に早い速度で流出される恐れがある。上記のように、流出する溶媒の速度を調節して、ポリスルホン層の表面に形成される微細気孔の数を増加させることができる。
【0030】
一方、本発明による逆浸透分離膜の製造方法において、1)段階であるポリスルホン層を形成する段階で用いられる上記混合溶媒の混合比は、例えば、(1)溶解度パラメーター値21(J/cm1/2〜30(J/cm1/2である第1溶媒、及び(2)上記第1溶媒との溶解度パラメーター値の差が0.1〜15範囲を満たす第2溶媒を95:5〜50:50、90:10〜55:45または85:15〜60:40の比率で混合したものであってもよい。混合溶媒の混合比率が上記数値範囲を満たすと、形成されたポリスルホン層の表面で、径が40nm以上の気孔を全体気孔の0.5%未満に調節することができ、結果的に上記ポリスルホン系支持体上にポリアミド膜も均一に形成させることができる。これにより、活性層であるポリアミド膜の性能が向上するため、これを含む逆浸透分離膜の塩除去率及び初期透過流量が著しく向上する。
【0031】
より具体的には、上記混合溶媒の混合比は、N、N−ジメチルホルムアミド(N、N−Dimethylformamide、DMF)及びジメチルスルホキシド(Dimethyl sulfoxide、DMSO)を90:10〜60:40または80:20〜70:30の比率で混合するか、N、N−ジメチルホルムアミド(N、N−Dimethylformamide、DMF)及びγ−ブチロラクトン(γ−butyrolactone、GBL)を95:5〜50:50または90:10〜60:40の比率で混合することが好ましい。N、N−ジメチルホルムアミド(N、N−Dimethylformamide、DMF)及びジメチルスルホキシド(Dimethyl sulfoxide、DMSO)の混合比率またはN、N−ジメチルホルムアミド(N、N−Dimethylformamide、DMF)及びγ−ブチロラクトン(γ−butyrolactone、GBL)の混合比率が上記数値範囲を満たすと、ポリスルホン層の表面に形成される気孔サイズの均一度が増加するため、ポリアミド膜を均一に形成させることができ、ポリスルホン層及びポリアミド層間の接着力を向上させて長期間の運転後にも分離膜の表面が損傷することを遅延させることができる。従って、本発明による逆浸透分離膜の製造方法によると、耐久性に優れ、高い塩除去率を保持しながらも、流量が向上した逆浸透分離膜が得られる。
【0032】
本発明による逆浸透分離膜の製造方法では、1)段階であるポリスルホン層を形成する段階において、上記のように溶解度パラメーター値の異なる2種以上の混合溶媒を使用することで、上述のようにポリスルホン層に形成される微細気孔の数を増加させることができる。また、混合溶媒の混合比を異ならせることで、各溶媒が流出する速度をより微細に調節することができ、所望する微細気孔の数をさらに増加させ、径が40nm以上の大きい気孔の数を著しく減少させることができる。従って、本発明による逆浸透分離膜の製造方法により逆浸透分離膜を製造する場合、従来の、溶媒としてDMFのみを使用してポリスルホン層を形成し浸透分離膜を製造する場合に比べて、多数の微細気孔の形成が容易で、そのサイズの分布度、密度及び面積比率なども調節しやすい。また、これを利用して製造された逆浸透分離膜は、従来より塩除去率及び透過流量などの性能が著しく向上する効果を奏する。
【0033】
一方、上記1)段階で多孔性支持体の一面にポリスルホン層を形成する方法は、当該技術分野によく知られた方法により行われてもよく、特に制限されないが、例えば、ポリスルホンポリマーを溶解度パラメーター値の異なる2種以上の混合溶媒に溶解して得た溶液を、多孔性支持体の表面に一定厚さにコーティングした後、これを水に接触させて溶媒を抽出する方法で多孔性ポリスルホン支持体を形成することができる。このとき、上記接触は、浸漬、コーティング、噴射(spray)などの方法により行ってもよく、特に、浸漬により行うことが好ましい。
【0034】
次に、上記2)段階において、多孔性支持体上に形成される活性層を形成する方法は、当該技術分野によく知られているものであれば、特に制限されず、例えば、多孔性支持体をm−フェニレンジアミン(m−Phenylene Diamin、mPD)水溶液に浸漬してmPD層を形成し、さらにトリメソイルクロライド(Trimesoyl Chloride、TMC)有機溶媒に浸漬しmPD層をTMCと接触させて界面重合させることで、活性層を形成することができる。また、浸漬法の代わりにスプレーまたはコーティングなどの方法により活性層を形成してもよい。
【0035】
このとき、上記活性層はアミン化合物とアシルハライド化合物の界面重合体により形成されてもよく、上記アミン化合物は、例えば、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、1,3,6−ベンゼントリアミン、4−クロロ−1,3−フェニレンジアミン、6−クロロ−1,3−フェニレンジアミン、3−クロロ−1,4−フェニレンジアミンまたはこれらの混合物であってもよいが、これに制限されない。また、上記アシルハライド化合物は、例えば、トリメソイルクロライド、イソフタロイルクロライド、テレフタロイルクロライドまたはこれらの混合物であってもよいが、これに制限されない。
【0036】
上記のように多孔性支持体上に活性層が形成されたら、これを乾燥し、洗浄する過程を行う。このとき、上記乾燥は60℃〜70℃で5分〜10分程度行うことが好ましい。また、上記洗浄は特に制限されないが、例えば、塩基性水溶液で洗浄してもよい。使用可能な塩基性水溶液は、特に制限されないが、例えば、炭酸ナトリウム水溶液を使用することができ、具体的には、常温で2時間以上行うことが好ましい。
【0037】
一方、本発明者の実験によると、上記のような方法で製造された本発明による逆浸透分離膜は、下表1及び2に示したように、従来より塩除去率に優れ、且つ透過流量が著しく向上したことが分かる。
【0038】
また、本発明者のさらに他の実験によると、上記のような方法で製造された本発明による逆浸透分離膜は、下表3に示したように、汚染物質であるカゼインを投入してから2時間が経過した後にも浄水機能が大きく低下しなかった。即ち、本発明による逆浸透分離膜は、従来の逆浸透膜と同等、またはより優れた耐汚染性を有するため、耐久性に優れることが分かる。
【0039】
従って、本発明による逆浸透分離膜は、ポリスルホン層を形成する際に溶解度パラメーター値の異なる2種以上の混合溶媒を使用することで、溶媒が流出する速度の差を利用してポリスルホン層の表面に形成される気孔の分布度、平均サイズ及び/または気孔の全体面積を調節して、従来より優れた支持力、塩除去率、耐汚染性及び耐久性を有し、且つ著しい流量向上効果を有する。
【0040】
一方、本発明による逆浸透分離膜は、塩除去率に優れ、かつ透過流量が著しく増加するため、生産性に優れる。従って、海水及び塩水の淡水化、半導体産業用超純水製造及び各種産業用廃水処理などに非常に有用に用いることができる。
【0041】
[実施例1]
DMF(N,N−Dimethylformamide、DMFの溶解度パラメーター:24.9(J/cm1/2)とDMSO(Dimethyl Sulfoxide、DMSOの溶解度パラメーター:26.7(J/cm1/2)を90:10比率で混ぜた混合溶媒に、18wt%ポリスルホンを入れて80℃で12時間以上攪拌し均一な液相を得た。上記溶液をポリエステル材質の100μm不織布上に総厚さが150μmになるようキャスティングした後、水に浸漬させて、多孔性ポリスルホン支持体を形成した。
【0042】
上記方法で製造された多孔性ポリスルホン支持体を、2wt%のメタフェニレンジアミン(m−Phenylenediamine、mPD)を含む水溶液に2分間浸してから取り出した後、支持体上の過剰の水溶液を25psi圧着ローラーを利用して除去し、常温で1分間乾燥した。
【0043】
次に、上記コーティングされた支持体を、トリメソイルクロライド(trimesoyl chloride、TMC)0.1wt%を含むIsol C(SKC Corp.)溶液に浸してから取り出し、過剰の有機溶液を除去するために、60℃のオーブンで10分間乾燥した。その後、0.2wt%炭酸ナトリウム水溶液で常温で2時間以上水洗した後、蒸留水で水洗した。上記のような方法で厚さ1μm以下のポリアミド活性層を有する逆浸透分離膜を製作した。
【0044】
[実施例2]
DMF:DMSOを80:20の比率で混ぜた混合溶媒を使用したことを除き、実施例1と同様の過程で逆浸透分離膜を製作した。
【0045】
このとき、上記から得られたポリスルホン層の表面をSEM分析した結果は図1に示した。
【0046】
[実施例3]
DMF:DMSOを70:30の比率で混ぜた混合溶媒を使用したことを除き、実施例1と同様の過程で逆浸透分離膜を製作した。
【0047】
[実施例4]
DMF:DMSOを60:40の比率で混ぜた混合溶媒を使用したことを除き、実施例1と同様の過程で逆浸透分離膜を製作した。
【0048】
[実施例5]
DMF:DMSOの混合溶媒の代わりにDMF:GBL(γ−butyrolactone、GBLの溶解度パラメーター:25.6(J/cm1/2)を90:10の比率で混ぜた混合溶媒を使用し、また、上記混合溶媒に16wt%ポリスルホンを入れたことを除き、実施例1と同様の過程で逆浸透分離膜を製作した。
【0049】
[実施例6]
DMF:DMSOの混合溶媒の代わりにDMF:GBLを80:20の比率で混ぜた混合溶媒を使用し、また、上記混合溶媒に16wt%ポリスルホンを入れたことを除き、実施例1と同様の過程で逆浸透分離膜を製作した。
【0050】
このとき、上記から得られたポリスルホン層の表面をSEM分析した結果は図3に示した。
【0051】
[実施例7]
DMF:DMSOの混合溶媒の代わりにDMF:GBLを70:30の比率で混ぜた混合溶媒を使用し、また、上記混合溶媒に16wt%ポリスルホンを入れたことを除き、実施例1と同様の過程で逆浸透分離膜を製作した。
【0052】
[実施例8]
DMF:DMSOの混合溶媒の代わりにDMF:GBLを60:40の比率で混ぜた混合溶媒を使用し、また、上記混合溶媒に16wt%ポリスルホンを入れたことを除き、実施例1と同様の過程で逆浸透分離膜を製作した。
【0053】
[比較例1]
多孔性ポリスルホン支持体を形成する際にDMFのみを溶媒として使用したことを除き、実施例1と同様の過程で逆浸透分離膜を製作した。
【0054】
このとき、上記から得られたポリスルホン層の表面をSEM分析した結果は図2に示した。
【0055】
[比較例2]
多孔性ポリスルホン支持体を形成する際にDMFのみを溶媒として使用したことを除き、実施例5と同様の過程で逆浸透分離膜を製作した。
【0056】
このとき、上記から得られたポリスルホン層の表面をSEM分析した結果は図4に示した。
【0057】
[実験例1−浄水性能評価]
上記実施例1〜8及び比較例1〜2により製造された逆浸透分離膜の初期塩除去率及び初期透過流量を測定した。初期塩除去率と初期透過流量は、25℃で32,000ppmの塩化ナトリウム水溶液を、800psiで4500mL/minの流量で供給しながら測定した。膜評価に使用した逆浸透膜セル装置は、GE Osmosis社のSepa CF IIセルで、平板型透過セルと高圧ポンプ、貯蔵槽及び冷却装置を備えており、平板型透過セルの構造はクロスフロー(cross−flow)方式で、有効透過面積が140cmである。洗浄した逆浸透分離膜を透過セルに設けた後、評価装置の安定化のために、3次蒸留水を利用して1時間程度十分な予備運転を行った。それから、32,000ppmの塩化ナトリウム水溶液に替えて圧力と透過流量が正常状態に至るまで1時間程度装置運転を行った後、8分〜10分間透過される水の量を測定して流量を計算し、伝導度メートル(Conductivity Meter)を用いて透過前後の塩濃度を分析し塩除去率を計算した。測定結果は、下[表1]及び[表2]に示した。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】
[実験例2−耐汚染性評価]
上記実施例1〜8及び比較例1〜2により製造された逆浸透分離膜の耐汚染性を評価した。耐汚染性評価は、32,000ppmのNaCl水溶液と100ppmのカゼイン混合水溶液を使用し、800psiの圧力で測定した。初期塩除去率及び流量を評価した後、100ppmのカゼイン水溶液を評価器のタンクに投入し、直ちに塩除去率と流量の変化を測定した。それから2時間後に塩除去率と流量の変化を測定した。カゼインはpH11以上の水溶液に溶かして使用した。測定結果は、[表3]に示した。
【0061】
【表3】
【0062】
[実験例3−気孔のサイズ別の分布度測定]
実施例1〜8及び比較例1〜2により製造された逆浸透分離膜において、ポリスルホン層の表面に形成された気孔のサイズ別の分布度を測定した。このとき、気孔のサイズ別の分布度は、ポリスルホン層の表面の面積1.27μm×0.83μmに対して測定した。また、測定は、image−Pro Plusを用いてSEM写真のコントラスト値を80に補正した後、補正したイメージをcount/size機能を利用して行った。その結果は、下表4に示した通りである。
【0063】
表4及び図5を参照すると、実施例1〜8により製造された逆浸透分離膜は、比較例1〜2により製造された逆浸透分離膜に比べて、ポリスルホン層の表面に径が40nm以上の気孔が形成される比率が著しく減少することが分かる。
【0064】
【表4】
【0065】
以上、本明細書の実施例について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当該技術分野の通常の知識を有する者には自明である。
図1
図2
図3
図4
図5