特許第5954739号(P5954739)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5954739電子装置製造システムにおけるガスの現場分析のための方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5954739
(24)【登録日】2016年6月24日
(45)【発行日】2016年7月20日
(54)【発明の名称】電子装置製造システムにおけるガスの現場分析のための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/3504 20140101AFI20160707BHJP
【FI】
   G01N21/3504
【請求項の数】11
【外国語出願】
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-66525(P2013-66525)
(22)【出願日】2013年3月27日
(62)【分割の表示】特願2009-522824(P2009-522824)の分割
【原出願日】2007年7月30日
(65)【公開番号】特開2013-174597(P2013-174597A)
(43)【公開日】2013年9月5日
【審査請求日】2013年4月22日
【審判番号】不服2014-22179(P2014-22179/J1)
【審判請求日】2014年10月31日
(31)【優先権主張番号】60/820,958
(32)【優先日】2006年7月31日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100101199
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 義教
(72)【発明者】
【氏名】カールソン, デーヴィット, ケー.
(72)【発明者】
【氏名】クップラオ, サシース
【合議体】
【審判長】 三崎 仁
【審判官】 藤田 年彦
【審判官】 信田 昌男
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−226103(JP,A)
【文献】 特開2004−359496(JP,A)
【文献】 特開2000−038999(JP,A)
【文献】 特開平11−350147(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N21/00-21/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スペースから採取されたサンプルガスをテストするための方法において、
テストすべきスペースから採取されたサンプルガスを加圧するステップと、
上記加圧されたサンプルガスの組成を決定するステップと、を含み、
上記加圧するステップは、分光分析による測定が正確ではない低い圧力から、分光分析によって正確にサンプルガスの組成を決定できる十分に高い適当な範囲内のより高い圧力へと加圧すること、
分離可能な分光分析測定側のチャンバにおいて上記サンプルガスに付加的なサンプルガスを加えることであって、上記付加的なサンプルガスをテストすべきスペースから可調整ブースターポンプを通してサンプルセルたる上記チャンバに加えること、及び
上記可調整ブースターポンプを制御することを並行して行うことを含む、方法。
【請求項2】
上記可調整ブースターポンプを制御する段階はさらに、圧力監視装置からフィードバックを受け取る段階を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
上記フィードバックに基づいて可調整ブースターポンプの動作を調整するステップをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
望ましい圧力範囲が達成されると前記分離可能な上記分光分析測定側のチャンバを分離するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
上記加圧されたサンプルガスの組成を決定するステップは、上記サンプルガスの加圧される前及び後に、上記サンプルガスの圧力を測定する段階を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
上記測定された圧力が、上記サンプルガスの組成の正確な決定のために適したレベルに達しているかを決定するステップをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
スペースから採取されたサンプルガスをテストするための装置において、
テストすべきガスを収容するように適応された分光分析測定側のチャンバと、
上記分光分析測定側のチャンバに結合され且つ上記分光分析測定側のチャンバへサンプルガスを分配するように適応されたフイッティングと、
分光分析による測定の前に、上記分光分析測定側のチャンバにおける上記サンプルガスを加圧するように適応されたコントローラと、を備え、
上記加圧は、分光分析による測定が正確ではない低い圧力から、分光分析によって正確にサンプルガスの組成を決定できる十分に高い適当な範囲内のより高い圧力へと加圧することを含み、
上記コントローラは、サンプルガス源に結合され、かつ上記コントローラに結合された可調整ブースターポンプを制御して上記分光分析測定側のチャンバにおいて上記サンプルガスに付加的なサンプルガスを供給することによって上記加圧するように適応されており、上記付加的なサンプルガスがテストすべきスペースから可調整ブースターポンプを通してサンプルセルたる上記チャンバに加えられる、装置。
【請求項8】
上記コントローラは、圧力監視装置に結合されている、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
上記圧力監視装置は、圧力レベルについてのフィードバックを上記コントローラに提供するように適応されている、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
スペースから採取されたサンプルガスをテストするためのシステムにおいて、
テストすべきサンプルガスを収容する複数の分離可能なスペースを有する処理ツールと、
テストすべきサンプルガスを収容するように適応された分光分析測定側のチャンバと、
上記分光分析測定側のチャンバを上記複数のスペースへ選択的に結合するためのフイッティングと、
上記分光分析測定側のチャンバにおける上記サンプルガスを加圧するように適応されたコントローラと、を備え、
上記加圧は、分光分析による測定が正確ではない低い圧力から、分光分析によって正確にサンプルガスの組成を決定できる十分に高い適当な範囲内のより高い圧力へと加圧することを含み
記コントローラは、サンプルガス源及び可変オリフィスに結合されており、
上記付加的なサンプルガスがテストすべきスペースからブースターポンプを通してサンプルセルたる上記チャンバに加えられる
システム。
【請求項11】
スペースから採取されたサンプルガスをテストするためのシステムにおいて、
テストすべきサンプルガスを収容する複数の分離可能なスペースを有する処理ツールと、
テストすべきサンプルガスを収容するように適応された分光分析測定側のチャンバと、
上記分光分析測定側のチャンバを上記複数のスペースへ選択的に結合するためのフイッティングと、
上記分光分析測定側のチャンバにおける上記サンプルガスを加圧するように適応されたコントローラと、を備え、
上記加圧は、分光分析による測定が正確ではない低い圧力から、分光分析によって正確にサンプルガスの組成を決定できる十分に高い適当な範囲内のより高い圧力へと加圧することを含み
記コントローラは、サンプルガス源に結合され、かつ上記コントローラに結合された可調整ブースターポンプを制御して上記分光分析測定側のチャンバにおいて上記サンプルガスに付加的なサンプルガスを供給することによって上記加圧するように適応されており
上記付加的なサンプルガスがテストすべきスペースから上記可調整ブースターポンプを通してサンプルセルたる上記チャンバに加えられるシステム。
【発明の詳細な説明】
【出願の相互参照】
【0001】
本発明は、2006年7月31日に出願された“METHODS AND APPARATUS FOR INSITU ANALYSIS OF GASES IN ELECTRONIC DEVICEFABRICATION SYSTEM”と題する米国仮特許出願第60/820,958号(代理人管理番号10330/L)に基づく優先権を主張しており、その明細書の記載は、あらゆる目的のため、ここにそのまま援用される。
【発明の分野】
【0002】
本発明は、一般的に、電子装置製造方法及びシステムに関し、より詳細には、そのようなシステムにおけるガスの現場分光写真分析に関係する。
【発明の背景】
【0003】
電子装置製造方法及びシステムは、典型的に、種々の処理ガスを使用し、多くの副産物の生成を伴うものである。それら処理をより良く把握し且つそれら処理をより厳密に監視するため、処理ガスのサンプルが採取される。しかしながら、このようなサンプルは、全プロセスについての限定された情報しか示さない。従って、処理ガスについてのより完全で且つより詳細な情報を与えるような方法及び装置が必要とされている。
【発明の概要】
【0004】
本発明のある態様では、サンプルガスの圧力レベルを調整するステップと、上記調整されたサンプルガスの組成を決定するステップと、を含む方法が提供される。
【0005】
本発明の他の態様では、サンプルガスをテストするための装置において、テストすべきガスを収容するように適応されたチャンバと、上記チャンバに結合され且つ上記チャンバへサンプルガスを分配するように適応されたフイッティングと、上記チャンバにおける上記サンプルガスの圧力レベルを調整するように適応されたコントローラと、を含む装置が提供される。
【0006】
本発明の更に他の態様では、サンプルガスをテストするためのシステムにおいて、テストすべきガスを収容する複数の分離可能なスペースを有する処理ツールと、テストすべきサンプルガスを収容するように適応されたチャンバと、上記チャンバを上記複数のスペースへ選択的に結合するためのフイッティングと、上記チャンバにおける上記サンプルガスの圧力レベルを調整するように適応されたコントローラと、を含むシステムが提供される。
【0007】
本発明の他の特徴及び態様は、以下の典型的な実施形態の詳細な説明、特許請求の範囲及び添付図面からより十分に明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明のある態様による典型的な実施形態を示す概略ブロック図である。
図2】本発明のある態様による図1の典型的な装置に関連した典型的な方法の実施形態を示すフローチャートである。
図3】本発明のある態様による第2の典型的な実施形態を示す概略ブロック図である。
図4A】本発明のある態様による図3の典型的な実施形態に関連した典型的な方法の実施形態を示すフローチャートである。
図4B】本発明のある態様による図3の典型的な実施形態に関連した典型的な方法の実施形態を示すフローチャートである。
図5】本発明のある態様による第3の典型的な実施形態を示す概略ブロック図である。
図6A】本発明のある態様による図5の典型的な装置に関連した典型的な方法の実施形態を示すフローチャートである。
図6B】本発明のある態様による図5の典型的な装置に関連した典型的な方法の実施形態を示すフローチャートである。
【詳細な説明】
【0009】
本発明は、電子装置の製造方法及びシステムにおいて使用される又は生成されるガスに関する分析(例えば、赤外線(IR)分光分析)を行うためのシステム及び方法を提供する。本発明の方法及び装置は、電子装置製造システム内の幾つかの場所から採取されたガスサンプルの分析を行うことができる。更に又、本発明は、1つ以上のガス組成測定装置を電子装置製造システムへ組み込むための方法を提供する。例えば、本発明のある態様によれば、IR分光光度計が、種々なガスサンプルの流れをこのIR分光光度計のサンプルセルへと別々に向けるように作動する低圧マニホルドを介して、電子装置製造システムの多数のチャンバ及びロードロックに結合される。IR分光分析はより高い圧力(例えば、>100トール)でしか正確でなく、処理ガスは、サンプルサイト内ではより低い圧力(例えば、<100トール)であるので、本発明は、更に、サンプルガスの組成及び成分部分の濃度が正確に決定されるように制御された仕方においてサンプルガスを適当な範囲内へと加圧するための方法及び装置を提供する。
【0010】
本発明は、多くの種々異なる目的のために有用である。電子装置(例えば、半導体デバイス)の製造中には、種々な処理が行われ、これにより、処理が行われる又は製品が通されるスペース(例えば、処理チャンバ、移送チャンバ、ロードロック、ファクトリーインターフェース、クリーンルーム等)が汚染されてしまうことがある。例えば、堆積種、堆積副産物、エッチング剤、処理ガス等により、それらスペースが汚染されてしまうことがある。従って、ある実施形態では、本発明は、あるスペース内の汚染レベルを決定するのに使用される。更に、もし、ある処理が、予期したようになされない場合、本発明は、その処理中に実際に起きたことを決定して、その処理が修正され又は改善されるようにするのに使用される。その上、多くの廃棄物除去処理(例えば、毒性副産物を処理又は中和する方法)が、廃棄ガスの組成に関してのより正確な情報でもって改善され又は最適化される。従って、本発明は、除去処理を改善するため廃棄ガスの組成を決定するのに使用される。本発明は、前述したような実施例以外に多くの適用例を有するものである。
【0011】
図1を参照するに、本発明の典型的な実施形態に従って、あるスペース(例えば、処理チャンバ、ロードロック、移送チャンバ等)からのサンプルガスを分析するのに使用されるシステム100の概略図が示されている。本発明のある実施形態では、サンプルガスは、そのスペース内の汚染レベルを決定するのに分析される。このシステム100は、測定装置104(例えば、IR分光光度計)内のサンプルセルを、例えば、1つ以上の処理チャンバ106、1つ以上のロードロック108、1つ以上の移送チャンバ110(1つのみ図示)等の如き種々なスペースへ選択的に流体的に結合するように作動するフイッティング102(例えば、複数の常時閉弁及び一方向逆止め弁を含む低圧マニホルド102を含む。これらスペースの各々は、フイッティング102の部分として関連ポート(例えば、弁)112から122を含むことができる。本発明のある実施形態では、フイッティング102は、任意数のスペースと選択的に流体的に結合することができる。このシステム100は、測定装置104のサンプルセルと流体連通した供給源(例えば、N2の如き不活性ガス)124及び清浄器126を含むこともできる。このシステム100は、又、圧力監視装置(例えば、トランスデューサ)128、真空源130、パージ供給源132及び測定装置104のサンプルセルの出口と作動的に結合される可調整オリフィス(例えば、可変流弁)134を含むことができる。
【0012】
これら種々な構成部分の各々は、作動的(例えば、電気的)にコントローラ136に結合され、コントローラ136の制御の下で作動させられる。これらの結合は、簡明なものとするため示されていないが、コントローラ136と圧力監視装置128との間の接続、及びコントローラと可調整オリフィス134との間の接続が示されている。以下により詳細に説明するように、圧力監視装置128は、測定装置104のサンプルセル内のガス圧力情報をコントローラ136へ与える(例えば、フィードバックする)ように作動する。コントローラは、可調整オリフィス134を調整して、測定装置104のサンプルセル内の圧力を制御するように作動する。
【0013】
図2を参照するに、本発明の実施例としての方法200が示されている。ステップ202において、測定装置104のサンプルセルが、この測定装置104のサンプルセルに真空源130を選択的に結合する(例えば、弁を開く)ことにより、排気される。ある実施形態において、測定装置104のサンプルセルは、この排気ステップの前に不活性ガス(例えば、N2)でパージされる。換言するならば、測定装置104のサンプルセルは、排気ステップ202の前に、この測定装置104のサンプルセルにパージ供給源132を選択的に結合する(例えば、弁を開く)ことにより、パージされる。ステップ204において、コントローラは、スペース106、108、110のどれからガスをサンプルするかを選択する。ステップ206において、フイッティング102は、その選択されたガスが測定装置104のサンプルセルへと流されるように作動させられる。選択されたサンプルガスは、それ自体が低い圧力(例えば、<100トール)で流れるか、更に/或いは、その選択されたサンプルガスは、真空源130により吸引されるかする。サンプルセルが圧力監視装置128により指示された低い圧力レベルにおいて上記選択サンプルガスで満たされるとき、ステップ208において、サンプルセルは、そのサンプルセルの入口及び出口弁を閉じることにより、分離される。ステップ210において、サンプルセルにおけるガスの組成及び圧力が測定され記録される。
【0014】
ステップ212において、供給源124からの加圧された不活性基準ガスは、例えば、IR分光光度計を使用してガス組成を正確に測定するのに適した範囲まで、サンプルセルにおける圧力を上昇させるため、そのサンプルセルへ加えられる。可変オリフィス134は、コントローラ136の制御の下で、サンプルセル内の圧力を制御するのに使用される。望ましい圧力範囲(例えば、>100トール)が、圧力監視装置128によりコントローラ136へ指示されるように達成されるとき、ステップ214において、サンプルセルは、再び、分離される(例えば、入口及び出口弁が閉じられる)。ステップ216において、サンプルガスと基準ガスとの組合せ体の組成及び圧力が測定される。ステップ218において、サンプルガスの実際の組成が、ステップ210及びステップ216において決定された測定値に基づいて算出される(例えば、サンプルガス単独の組成が、加えた基準ガス分を補正することにより、決定される)。ステップ220において、コントローラ136は、分析すべきサンプルガスが更に別にあるかについて決定をする。もし、あるならば、制御はステップ202へ戻り、そこで、その残りサンプルガスに対して方法200が繰り返される。スペース106、108、110の各々からのサンプルガスが分析されたならば、この方法200は、ステップ220の後に終了する。
【0015】
図3図4A及び図4Bを参照するに、本発明のある実施形態によるシステム300及び方法400の代替的実施形態が示されている。図3のシステム300においては、フイッティング102と測定装置104のサンプルセルとの間に結合されたブースターポンプ302が、(例えば、図1に示したシステムにおいて使用されている加圧基準不活性ガス供給源の代わりに)選択サンプルガスを加圧するのに使用される。図1の実施形態の場合のように、可変オリフィス134は、コントローラ136の制御の下で、サンプルセル内の圧力を制御するのに使用される。望ましい圧力範囲(例えば、>100トール)が圧力監視装置128によりコントローラ136へ指示されるように達成されるとき、サンプルセルは分離される(例えば、入口及び出口弁が閉じられる)。従って、図4及び図3の方法400及びシステム300のそれぞれにおいては、圧力監視装置128からのフィードバックが、可変オリフィス134を制御するのに使用される。
【0016】
実施例の方法400のステップ402において、サンプルセル(例えば、分光光度計104のサンプルチャンバ)が排気される。ステップ404において、コントローラ136(又はユーザ)は、ガスをテストすべき次のスペースを選択する。ステップ406において、マニホルド(例えば、フイッティング102(図3))が、選択されたスペースからのサンプルガスを、ブースターポンプ302を通してサンプルセルへと流すのに使用される。可変オリフィス134は、低い圧力(例えば、テストすべきスペースにおける圧力に関連付けられた又はその圧力に等しい圧力)を維持するのに使用される。ステップ408において、サンプルガスの組成及び圧力がサンプルセルにおいて測定される。ステップ410において、圧力監視装置からのフィードバックに基づいて、可変オリフィスは、サンプルチャンバのサンプルガス圧力を調整(例えば、増大)するように調整される(その間、ブースターポンプは、一定割合で動作し続ける)。ステップ412において、サンプルチャンバの圧力が監視される。ステップ414において、圧力がサンプルガス組成の正確な決定のために適したレベルに達したかの決定がなされる。もし、達していないならば、フローはステップ410に戻る。達したならば、ステップ416において、サンプルセルは分離され(例えば、入口及び出口(例えば、可変オリフィス)が閉じられ)、ブースターポンプが停止される。ステップ418において、サンプルガスの組成及び圧力が、再び、サンプルセルにおいて測定される。ステップ420において、分析すべきガスを有する更に別のスペースがあるかについての決定がなされる。もし、あるならば、フローはステップ402へと戻る。さもなければ、この方法400は終了する。
【0017】
図5図6A及び図6Bを参照するに、本発明のある実施形態によるシステム500及び方法600の代替的実施形態が示されている。図5のシステム500においては、フイッティング102と測定装置104のサンプルセルとの間に結合された可調整ブースターポンプ502が、(例えば、図1に示したシステム100において使用された加圧基準不活性ガス供給源又は図3に示したシステム300のブースターポンプ302及び可変オリフィス134の代わりに)、選択サンプルガスを加圧するのに使用される。可調整ブースターポンプ502は、コントローラ136の制御の下で、サンプルセル内の望ましい圧力を制御するのに使用される。望ましい圧力範囲(例えば、>100トール)が圧力監視装置128によりコントローラ136に指示されるように達成されるとき、サンプルセルは分離される(例えば、入口及び出口弁が閉じられる)。従って、図6A図6B及び図5の方法600及びシステム500のそれぞれにおいては、圧力監視装置128からのフィードバックが可調整ブースターポンプ502を制御するのに使用される。
【0018】
実施例の方法600のステップ602において、サンプルセル(例えば、分光光度計104のサンプルチャンバ)が排気される。ステップ604において、コントローラ136又は(ユーザ)がテストすべきガスを有する次のスペースを選択する。ステップ606において、マニホルド(例えば、フイッティング102(図5))が、選択されたスペースからのサンプルガスを、可変速度(例えば、可調整)ブースターポンプ502を通してサンプルセルへと流すのに使用される。可変速度(例えば、可調整)ブースターポンプ502は、低い圧力(例えば、テストすべきスペースにおける圧力に関連付けられた又はその圧力に等しい圧力)を維持するのに使用される。ステップ608において、サンプルセルは、例えば、入口及び出口を閉じることにより、分離される。ステップ610において、サンプルガスの組成及び圧力が、サンプルセルにおいて測定される。ステップ612において、例えば、圧力監視装置128からのフィードバックに基づいて、可変速度ブースターポンプの動作が、サンプルチャンバのサンプルガス圧力を調整(例えば、増大)するように調整される。ステップ614において、サンプルチャンバの圧力が監視される。ステップ616において、その圧力がサンプルガス組成の正確な決定のために適したレベルに達したかについての決定がなされる。もし、達していないならば、フローは、ステップ612に戻る。もし、達しているならば、ステップ618において、サンプルセルは分離され(例えば、入口及び出口が閉じられ)、ブースターポンプが停止される。ステップ620において、サンプルガスの組成及び圧力が、再び、サンプルセルにおいて測定される。ステップ622において、分析すべきガスを有するスペースが更に別のあるかについての決定がなされる。もし、あるならば、フローは、ステップ602に戻る。さもなければ、この方法600は終了する。
【0019】
前述の説明は、本発明の特定の実施形態についてだけのものであり、本発明の範囲内に入る前述した方法及び装置の種々な変形例は、当業者には容易に明らかとなろう。
【0020】
従って、本発明は特定の実施形態に関して説明されているのであるが、特許請求の範囲によって限定されるような本発明の精神及び範囲内に入る他の実施形態があることは、理解されよう。
【符号の説明】
【0021】
100…サンプルガスをテストするためのシステム、102…フイッティング(低圧マニホルド)、104…測定装置(分光光度計)、106…処理チャンバ(スペース)、108…ロードロック(スペース)、110…移送チャンバ(スペース)、112…関連ポート(弁)、114…関連ポート(弁)、116…関連ポート(弁)、118…関連ポート(弁)、120…関連ポート(弁)、122…関連ポート(弁)、124…不活性ガス供給源、126…清浄器、128…圧力監視装置(圧力トランスデューサ)、130…真空源、132…パージ供給源、134…可調整オリフィス(可変オリフィス)、136…コントローラ、300…サンプルガスをテストするためのシステム、302…ブースターポンプ、500…サンプルガスをテストするためのシステム、502…可調整ブースターポンプ
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6A
図6B