(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記固定エレメントは、前記ボスと接触した円筒状シャフトを有し、前記バックフレーム部材が前記シートフレーム部材に対して回転する際に、前記円筒状シャフトは、前記ボスを破断させ、前記ベース部分をせん断する、請求項1記載のシート。
前記ボスは、前記バックフレーム部材が前記シートフレーム部材に対して回転するときに前記固定エレメントによって生ぜしめられる前記ボスの変形の方向を制御するための、設計された弱点を有する、請求項1または2記載のシート。
さらに、前記バックフレーム部材の前記ベース部分と前記脚部との周囲に配置された強化マットを備え、該強化マットは、前記バックフレーム部材に強度を与えるためのガラス繊維入りポリマ材料から成り、前記所定値よりも大きな力が前記バックフレーム部材に加えられたときに、前記固定エレメントは、前記ボスと、前記ベース部分と、前記強化マットとを変形させる、請求項6記載のシート。
前記ベース部分は、ガイドチャネルを形成しており、該ガイドチャネルは、前記バックフレーム部材が前記シートフレーム部材に対して回転するときに前記固定エレメントを案内するためのものであって、前記固定エレメントが前記ベース部分をせん断するときに前記固定エレメントは前記ガイドチャネルに沿って可動である、請求項1から7までのいずれか1項記載のシート。
前記ボスは、さらに、上側ボスとして形成されており、前記シートは、さらに、前記上側ボスから間隔を置いてかつ前記U字形キャビティ内で前記ベース部分に結合された下側ボスを有し、該下側ボスは、前記固定エレメントが、前記ブラケットを前記バックフレーム部材に結合するために前記上側ボス及び前記下側ボスのそれぞれ1つを通って配置されるように、別の固定エレメントを収容する、請求項1から8までのいずれか1項記載のシート。
前記ブラケットは、前記バックフレーム部材が前記シートフレーム部材に対して回転するときに、互いに対する及び前記シートフレーム部材に対する前記固定エレメントの位置を維持し、これにより、前記バックフレーム部材は、前記下側ボスによって収容された前記固定エレメントを中心にして回転し、前記上側ボスによって収容された前記固定エレメントは、前記上側ボスと、前記バックフレーム部材の前記ベース部分とを変形させる、請求項9記載のシート。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】バックフレーム部材及びシートフレーム部材を有するシートの斜視図である。
【
図2】シートのバックフレーム部材の斜視図である。
【
図3】バックフレーム部材の周囲に配置された強化マットを有するシートのバックフレーム部材の斜視組み立て図である。
【
図4】
図2の線4−4に沿ったバックフレーム部材の断面図である。
【
図5】
図2の線5−5に沿ったバックフレーム部材の断面図である。
【
図6】複数のリブから延びたフィンガを示す、バックフレーム部材の側面図である。
【
図7】シートによって支持された乗員の概略図である。
【
図8】バックフレーム部材をシートフレーム部材に対して回転させる乗員の概略図である。
【
図9】ボス内に配置された固定エレメントを示す、バックフレーム部材の側面図である。
【
図10】ボスを破断させかつバックフレーム部材をせん断する固定エレメントを示す、バックフレーム部材の側面図である。
【
図11】ボスを示すバックフレーム部材の一部の斜視図である。
【
図13】2つのボス切欠きを有するボスの側面図である。
【
図14】より厚い横断面厚さを有するボスの部分を示す、ボスの側面図である。
【
図15】ボスに隣接して形成されたレリーフ穴を示す、バックフレーム部材の側面図である。
【
図16】ガイドチャネルを形成するバックフレーム部材の側面図である。
【
図17】固定エレメントがガイドチャネルに沿って移動させられ、バックフレーム部材がシートフレーム部材に対して回転させられた、バックフレーム部材の側面図である。
【
図18】リブから延びたフィンガを示す、バックフレーム部材の側面図である。
【
図19】座屈してフィンガに接触したバックフレーム部材を示す側面図である。
【
図20】バックフレーム部材に結合された横材を有するシートの斜視図である。
【0008】
発明の詳細な説明
同じ符号が複数の図面を通じて同じ又は対応する部分を示しているような図面を参照すると、車両用のシート30が概略的に示されている。シート30は、車両内の標準的な位置において乗員32を支持するために車両に結合されている。
図1を参照すると、シート30は、概して水平方向に延びたシートフレーム部材34と、シートフレーム部材34に結合されかつシートフレーム部材34から延びたバックフレーム部材36とを有する。ブラケット38は、シートフレーム部材34をバックフレーム部材36に結合するために、シートフレーム部材34及びバックフレーム部材36の両方に結合されている。
【0009】
バックフレーム部材36は、概して、シートフレーム部材34から鉛直方向に延びている。バックフレーム部材36は、それぞれがシートフレーム部材34から概して上方へ延びた第1の縦材40及び第2の縦材42を有する。各縦材40,42は、シートフレーム部材34の近くの近位端部44と、シートフレーム部材34から間隔を置かれた遠位端部46とを有する。
図2を参照すると、各縦材40,42は、縦材40,42の近位端部44から遠位端部46まで延びかつ各縦材40,42を半分に分割する縦材軸線48を規定している。トップ部材50は、縦材40,42の遠位端部46において、縦材40,42の間に配置されてよい。概して、トップ部材50は、第1及び第2の縦材40,42を互いに堅固に結合している。トップ部材50は、シート30のヘッドレストを収容してもよい。使用されている場合、トップ部材50は、縦材40,42と一体であってよいか又は別個の構成部材であってもよいことが認められるべきである。
【0010】
バックフレーム部材36は、ポリマ材料から成ってよい。ポリマ材料は、通常、縦材40,42が射出成形されることを可能にするための熱可塑性材料である。例えば、縦材40,42のポリマ材料は、ポリアミドから成ってよい。使用される場合、ポリアミドは、ナイロン6、ナイロン6/6及びそれらの組合せのグループから選択される。ポリアミドは、繊維強化ポリアミドであってよい。適切な繊維強化ポリアミドの例は、商標名Ultramid
(R) TG7S PA6でBASF Corporationから市販されているガラス繊維強化ポリアミドである。縦材40,42は、本発明の本質から逸脱することなく、あらゆるタイプの適切なポリマ材料、つまり、強化された又は強化されていない、ポリアミド又はそうでないものから形成されてよい。
【0011】
図3に最も詳細に示したように、シート30は、バックフレーム部材36の周囲に配置された強化マット52を有してよい。使用されている場合、強化マット52は、強化マット52を有さないバックフレーム部材36と比較して、バックフレーム部材36が破損なくより大きな荷重に耐えることができるようにするために、バックフレーム部材36に強度を与える。強化マット52は、バックフレーム部材36を収容するための概してU字形の横断面を有するキャビティ54を形成している。概して、強化マット52は、それ自体は、強化マット52に沿って延びる長手方向軸線56を中心にしてフレキシブルであり、荷重を受けたときに座屈する場合がある。つまり、バックフレーム部材36は、長手方向軸線56に沿った強化マット52のたわみ及び座屈を防止するために強化マット52を支持する。第1及び第2の縦材40,42が存在する場合、強化マット52は、第1及び第2の縦材40,42のそれぞれの周囲に配置されることが認められるべきである。
【0012】
通常、強化マット52は、ガラス繊維入りポリマ材料から成る。ガラス繊維入りポリマ材料は、上述のバックフレーム部材36のポリマ材料であってよいことが認められるべきである。これに代えて、ガラス繊維入りポリマ材料は、バックフレーム部材36のポリマ材料とは異なってよい。概して、ガラス繊維入りポリマ材料内のガラス繊維は、強化マット52の長手方向軸線56に沿って延びている。しかしながら、複数の繊維は、異なる方向に延びていてよいか又は織られている、つまり、互いに織り交ぜられていてよい。通常、ガラス繊維は、強化マット52における応力が、ガラス繊維入りポリマ材料からガラス繊維へ伝達されるように延在している。応力を伝達することにより、ガラス繊維は、ガラス繊維入りポリマ材料を強化する。
【0013】
強化マット52のガラス繊維入りポリマ材料は、様々な形式でガラス繊維と一体化されていてよい。例えば、強化マット52は、予備成形され、その後に、ガラス繊維入りポリマ材料と一体化される連続的な繊維強化マットの形態であってよい。適切な連続的な繊維強化マットの例は、商標名Continuous Fiber Reinforced Thermoplastic (CFRT)でカリフォルニア州カマリロのPerformance Materials Corporationから市販されているものである。
【0014】
図1〜
図3を参照すると、バックフレーム部材36は、バックフレーム部材36に剛性を提供するためにU字形キャビティ58を形成している。
図4及び
図5を参照すると、概して、バックフレーム部材36は、U字形キャビティ58を形成するために、ベース部分60と、ベース部分60から延びた2つ以上の脚部62とを有する。脚部62は、ベース部部分60に沿って互いから間隔を置かれている。通常、脚部62の一方は、シート30に座った乗員32に隣接しており、他方の脚部62は、乗員32に隣接した脚部62から、乗員32から離れる方向に間隔を置かれている。ベース部分60と、脚部62とは、一体に形成されてよいことが認められるべきである。存在する場合、強化マット52は、ベース部分60及び脚部62の周囲を包囲している。さらに加えて、存在する場合、第1及び第2の縦材40,42のそれぞれは、U字形キャビティ58を形成するためにベース部分60及び脚部62を有する。
【0015】
図1〜
図3に最も詳細に示したように、複数のリブ64がバックフレーム部材36のU字形キャビティ58内に配置されてよい。概して、リブ64は、バックフレーム部材36を強化するために、バックフレーム部材36のベース部分60及び脚部62に結合されている。リブ64は、バックフレーム部材36を強化するために適したあらゆる構成でU字形キャビティ58内に配置されてよい。概して、リブ64は、十字型構成を形成するために一連の交差する対で配置されている。
図6に示したように、フィンガ66は、バックフレーム部材36の脚部62のうちの一方の近くでリブ64から延びていてよい。フィンガ66は、以下で詳細に説明される。
【0016】
図1〜
図3を参照すると、シート30は、さらに、バックフレーム部材36のベース部分60に結合されたボス68を有する。ボス68は、U字形キャビティ58内に配置されている。存在する場合、U字形キャビティ58内のリブ64は、U字形キャビティ58内でボス68を支持するためにボス68に結合されていてもよい。例えば、リブ64は、バックフレーム部材36のベース部分60と、バックフレーム部材36の脚部62と、ボス68とに結合されていてよい。リブ64及びボス68が同時に形成されるように、リブ64及びボス68は互いに一体であってよいことが認められるべきである。これに代えて、ボス68は、リブ64に対して別個の構成部材であってよい。
【0017】
ボス68は、ボス68を軸方向に貫通したボア70を形成している。ベース部分60は、ボス68のボア70と位置合わせされた上側固定穴を形成している。固定エレメント72は、ボス68のボア70によって収容される。固定エレメント72は、ブラケット38をバックフレーム部材36に結合するために、ボス68と、ベース部分60の上側固定穴と、ブラケット38とを貫通する。固定エレメント72は、ボス68と接触した円筒状のシャフト74を有する。
図5に示したように、シート30は、固定エレメント72がブラケット38をバックフレーム部材36に結合する際にボス68が圧縮されることを防止するために、ボス68のボア70内に配置されたスリーブ76を有してよい。概して、スリーブ76は、鋼のような、ボス68の圧縮強度よりも高い圧縮強度を有する材料から成る。
【0018】
概して、後方からの衝突のような衝突時、車両が突然、前方へ加速されるので、シート30に座った乗員32はシート30のバックフレーム部材36によって衝撃を受ける。その結果、乗員32は、シート30に衝突力を加え、逆に、シート30は、衝突力に関連した衝撃力を乗員32に加える。しかしながら、衝突力の一部を消散させるためのエネルギ吸収部を提供することによって、衝撃力を、衝突力と比較して減じることができる。
図7及び
図8に示したように、概して、エネルギ吸収部は、シートフレーム部材34に対する乗員32の安全な移動を可能にする。つまり、エネルギ吸収部は、衝突時に変形し、これにより、衝突力のエネルギの一部を安全に消散させ、これは、ひいては、乗員32に加えられる衝撃力を減じる。
【0019】
ボス68は、エネルギ吸収部であり、乗員32がバックフレーム部材36に衝突力を加える際に変形する。特に、
図9及び
図10に示したように、衝突力が、所定値よりも大きな力である場合、固定エレメント72は、ボス68及びバックフレーム部材36のベース部分60を変形させ、これにより、バックフレーム部材36をシートフレーム部材34に対して回転させる。所定値よりも大きな力は、車両の通常運転時にバックフレーム部材36に加えられる通常の荷重よりも大きいことが認められるべきである。言い換えれば、ボス68は、通常の、非衝突時の荷重では変形しない。
【0020】
バックフレーム部材36の回転は、所定値よりも大きな力によって生ぜしめられる、シート30から乗員32へ伝達される衝撃力を減じる。概して、所定値よりも大きな力がバックフレーム部材36に加えられると、固定エレメント72は、ボス68、ベース部分60、及び存在するならば強化マット52を変形させる。スリーブ76が存在する場合、所定値よりも大きな力がバックフレーム部材36に加えられると、固定エレメント72はスリーブ76に接触し、スリーブ76がボス68を変形させる。
【0021】
概して、衝突力が完全に消散されるか又はボス68が破断するまで、ボス68の変形は継続する。固定エレメント72の円筒状シャフト74は、ボス68を破断させるためにボス68に接触する。ボス68が破断されると、バックフレーム部材36は、シートフレーム部材34に対して回転しつづけ、ボス68の円筒状シャフト74は、バックフレーム部材36のベース部分60、及び、存在するならば、強化マット52をせん断する。概して、バックフレーム部材36のベース及び強化マット52のせん断は、衝突力が完全に消散されるか又は固定エレメント72がバックフレーム部材36の脚部62のうちの一方に接触するまで継続する。固定エレメント72は、バックフレーム部材36のベース部分60をせん断するように設計されているので、シート30は、シート30に別個に加えられなければならないせん断プレートを有さない。
【0022】
ボス68の変形と、バックフレーム部材36のベース部分60のせん断とは、
図8に示したように、標準位置からシート30のバックフレーム部材36へ向かう乗員32の移動を生じる。概して、ボス68の変形が大きいほど、乗員32の移動が大きく、これにより、乗員32に加えられる衝撃力を減じる。乗員32の移動は、ボス68の剛性に依存する。すなわち、ボス68の剛性が高いほど、乗員32が行う移動は小さい。乗員32の移動は、ベース、及び、存在するならば強化マット52のせん断強さにも依存する。すなわち、せん断強さが大きいほど、乗員32が行う移動は小さくなる。したがって、衝突時の乗員32の移動は、ボス68の剛性と、ベース及び強化マット52のせん断強さとによって制御することができる。しかしながら、ボス68の剛性は、ボス68を変形及び破断させることなく、乗員32がシート30に乗り降りする場合のような、シート30に加えられる通常の荷重に抵抗するように十分でなければならない。
【0023】
ボス68の剛性は、ボス68の横断面厚さに依存する。
図11に示したように、ボス68の横断面厚さは、前記ボア70を形成する内径D1と、外径D2との間に形成される。つまり、横断面厚さは、通常の荷重の下での変形及び破断に抵抗するために必要に応じて変化させられてよい。さらに加えて、ボス68は、バックフレーム部材36がシートフレーム部材34に対して回転するときに固定エレメント72によって生ぜしめられるボス68の変形の方向を制御するために、設計された弱点を有してよい。
【0024】
図12〜
図14に示したように、横断面厚さは、ボス68の設計された弱点を提供するために、ボス68の選択された位置において減じられてよい。言い換えれば、ボス68の厚さが減じられ、これにより、減じられていない厚さと比較して、ボス68におけるより弱い箇所を形成する。つまり、固定エレメント72がボス68の内径に対して押し付けられると、固定エレメント72は、設計された弱点においてボス68を変形及び破断させやすい。したがって、
図12に示したように、ボス68は、ボス68の設計された弱点を提供するために、ボス切欠き78における横断面厚さを減じるための少なくとも1つのボス切欠き78を有してよい。ボス68は、ボス68の外径D2からボア70に向かって延びていてよい。これに代えて、ボス68の内径D1がボス切欠き78を形成するように、ボス切欠き78はボア70と連通していてよい。
図13に示したように、ボス68は2つのボス切欠き78を形成していてよい。
図14に示したように、ボス68は、ボス68の残りの横断面厚さと比較して、選択された位置においてより薄い横断面厚さを有してよい。より薄い横断面厚さは、ボス68の破断を制御するための設計された弱点である。
図15に示したように、ベース部分60は、設計された弱点を提供するために、ボス68に隣接してレリーフ穴80を形成していてよい。
【0025】
ボス68は、バックフレーム部材36に加えられる常用荷重に抵抗するために必要な剛性要求を満たすあらゆる適切な材料から成ってよい。ボス68は、ポリマ材料から成ってよい。ボス68のポリマ材料は、バックフレーム部材36のポリマ材料と同じであってよいことが認められるべきである。つまり、ボス68は、バックフレーム部材36と一体に形成されてよい。これに代えて、ボス68のポリマ材料は、バックフレーム部材36のポリマ材料とは異なってよい。通常、ボス68のポリマ材料は、ナイロン6、ナイロン6/6及びそれらの組合せのグループから選択される。
【0026】
図16及び
図17に示したように、バックフレーム部材36のベース部分60は、バックフレーム部材36がシートフレーム部材34に対して回転するときに固定エレメント72を案内するためのガイドチャネル82を形成していてよい。ガイドチャネル82は、固定エレメント72がガイドチャネル82に沿って可動であるように、固定エレメント72がバックフレーム部材36のベース部分60をせん断するときにも固定エレメント72を案内する。バックフレーム部材36は、シートフレーム部材34に対するバックフレーム部材36の回転を制限するために、ガイドチャネル82における固定エレメント72の移動を制限するためのストップエレメントを有してよい。
【0027】
ボス68がさらに上側ボス68Aとして形成され、シート30が、さらに、上側ボス68Aから間隔を置かれた下側ボス68Bを有してよい。下側ボス68Bは、上側ボス68Aと同様にU字形キャビティ58内でベース部分60に結合されている。下側ボス68Bが存在する場合、ベース部分60は、下側ボス68Bのボア70と位置合わせされた下側固定穴を形成している。下側ボス68Bは、ブラケット38をバックフレーム部材36に結合するために固定エレメント72が上側ボス68A及び下側ボス68Bのそれぞれ1つを通って配置されるように、別の固定エレメント72を収容する。下側ボス68Bが存在する場合、上側ボス68Aが固定エレメント72によって変形させられるとき、バックフレーム部材36は下側ボス68Bを中心にして回転する。特に、ブラケット38は、バックフレーム部材36がシートフレーム部材34に対して回転する際に、互いに対する及びシートフレーム部材34に対する固定エレメント72の位置を維持する。したがって、バックフレーム部材36は、下側ボス68Bによって収容された固定エレメント72を中心にして回転し、上側ボス68Aによって収容された固定エレメント72は、上側ボス68Aと、バックフレーム部材36のベース部分60とを変形させる。
【0028】
シート30は、他のエネルギ吸収部を有してよい。例えば、
図18及び
図19に示したように、使用される場合、フィンガ66は、衝突力を受けてバックフレーム部材36が座屈してバックフレーム部材36の一部がフィンガ66に衝突することによる、エネルギ吸収部であってもよい。特に、乗員32が衝突力をバックフレーム部材36に加えたとき、バックフレーム部材36は座屈してよく、その結果、バックフレーム部材36の一部分が破断し、U字形キャビティ58内へ導入される。バックフレーム部材36の前記一部分がU字形キャビティ58内へ入り込むと、バックフレーム部材36の前記一部分はフィンガ66に接触し、フィンガ66を変形させる。バックフレーム部材36の座屈と、フィンガ66の変形とは、標準位置からシート30のバックフレーム部材36へ向かう乗員32の移動を生ぜしめる。上述のように、乗員32の移動が大きいほど、衝突力と比較した衝撃力の減少が大きい。フィンガ66の変形と、バックフレーム部材36の座屈とは、乗員32に加えられる衝撃力を減じると考えられる。
【0029】
図20に示したように、シート30は、第1及び第2の縦材40,42の間に配置された少なくとも1つの横材74を有してよく、横材74は、付加的なエネルギ吸収部として作用する。横材74の付加的な説明は、同時係属中の出願番号
PCT/US2011/051558に開示されており、その内容は引用したことにより組み入れられる。
【0030】
衝突時、横材74は、乗員32によって加えられる衝突力を受けて変形する。特に、横材74は、引き延ばされ、横材74のくびれを生ずる。横材74の変形は、標準位置からシート30のバックフレーム部材36に向かう乗員32の移動を生ずる。上述のように、乗員32の移動が大きいほど、衝突力と比較して衝撃力の減少が大きい。さらに、ブラケット38は、エネルギ吸収部であってよく、バックフレーム部材36がシートフレーム部材34に対して回転する際に変形するように設計されている。エネルギ吸収部として使用されるブラケット38の付加的な説明は、同時係属中の出願番号
PCT/US2011/051554に開示されており、その内容は引用により組み入れられる。
【0031】
概して、衝突力の結果、乗員32に加えられる衝撃力は、シート30のバックフレーム部材36のための安全移動要求を依然として満たしながら、エネルギ吸収部によって最小限に減じることができる。エネルギ吸収部を備えることにより、衝撃力はより長時間に亘って管理され、これにより、乗員32に作用する最大衝撃力を減じる。最大衝撃力の減少により、乗員32は、負傷しにくく、シート30もより低い応力レベルを生じる。シート30がより低い応力レベルを生じる結果、より最適な設計を利用することができ、衝突力を管理するためにポリマ材料を使用することができる。
【0032】
明らかに、上記の開示を考慮して、本発明の多くの改良及び変更が可能である。前記発明は、関連する法的基準にしたがって記載されている。つまり、記載は、本質において、限定ではなく例示的である。開示された実施の形態に対する変更及び改良は、当業者に明らかになり、発明の範囲に当てはまる。