特許第5955492号(P5955492)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 住友化学株式会社の特許一覧

特許5955492樹脂、該樹脂の製造方法及び該樹脂を含む化学増幅型フォトレジスト組成物
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5955492
(24)【登録日】2016年6月24日
(45)【発行日】2016年7月20日
(54)【発明の名称】樹脂、該樹脂の製造方法及び該樹脂を含む化学増幅型フォトレジスト組成物
(51)【国際特許分類】
   C08F 12/30 20060101AFI20160707BHJP
   G03F 7/004 20060101ALI20160707BHJP
   G03F 7/039 20060101ALI20160707BHJP
   G03F 7/38 20060101ALI20160707BHJP
   H01L 21/027 20060101ALI20160707BHJP
【FI】
   C08F12/30
   G03F7/004 503A
   G03F7/039 601
   G03F7/38 511
   H01L21/30 502R
【請求項の数】16
【全頁数】73
(21)【出願番号】特願2009-215524(P2009-215524)
(22)【出願日】2009年9月17日
(65)【公開番号】特開2010-100830(P2010-100830A)
(43)【公開日】2010年5月6日
【審査請求日】2012年7月19日
【審判番号】不服2014-22163(P2014-22163/J1)
【審判請求日】2014年10月31日
(31)【優先権主張番号】特願2008-243840(P2008-243840)
(32)【優先日】2008年9月24日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002093
【氏名又は名称】住友化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100113000
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 亨
(74)【代理人】
【識別番号】100151909
【弁理士】
【氏名又は名称】坂元 徹
(72)【発明者】
【氏名】武元 一樹
(72)【発明者】
【氏名】安藤 信雄
【合議体】
【審判長】 加藤 友也
【審判官】 守安 智
【審判官】 大島 祥吾
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−133448(JP,A)
【文献】 特開2003−277438(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC C08F6/00−246/00(テーマコード4J100),C08L25
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)で表される構成単位を有する樹脂。
[(式(I)中、Q及びQは、互いに独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
Uは、炭素数1〜20の二価の炭化水素基を表す。該二価の炭化水素基中の−CH−は、−O−、−NH−、−S−、−NR−、−CO−又は−CO−O−で置き換わっていてもよい。Rは、炭素数1〜6のアルキル基を表す。
は、−O−CO−、−CO−O−、−CO−OCH−、−CH−O−CO−、−O−CH−、−CH−O−、−NR−CO−を表す。
は水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。
は、有機対イオンを表す。]
【請求項2】
式(I)で表される構成単位が、式(I’)で表される構成単位である請求項1記載の樹脂。
[(式(I’)中、Q、Q、U及びAは、上記と同じ意味を表す。]
【請求項3】
及びQが、フッ素原子である請求項1又は2記載の樹脂。
【請求項4】
が、式(IIIa)、式(IIIb)又は式(IIIc)で表されるカチオンである請求項1〜3のいずれか記載の樹脂。
[式(IIIa)中、P〜Pは、互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、炭素数1〜12の炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。
式(IIIb)中、P及びPは、互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、炭素数1〜12の炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。
式(IIIc)中、P及びPは、互いに独立に、炭素数1〜12の炭化水素基又は炭素数3〜12のシクロアルキル基を表すか、或いはPとPとがSを含む環を形成し
てもよい。
は、水素原子を表し、Pは炭素数1〜12の炭化水素基、炭素数3〜12のシクロアルキル基もしくは置換基を有していてもよい炭素数6〜10の芳香環基を表すか、又はPとPが一緒になって炭素数3〜12の環を形成してもよい。ここで、該炭素数3〜12の環上の−CH−は、−CO−、−O−又は−S−で置き換わっていてもよい。]
【請求項5】
式(I)で表される構成単位の含有量が、樹脂の全単位において、1〜100モル%である請求項1〜4のいずれか記載の樹脂。
【請求項6】
式(II)で表される構成単位を有する請求項1〜5のいずれか記載の樹脂。
[式(II)中、Rは水素原子又はメチル基を表す。
は、炭素数1〜6の炭化水素基を表す。
は、単結合又は−(CH−CO−O−を表す。
kは、1〜6の整数を表す。]
【請求項7】
式(II)で表される構成単位が、式(II’)で表される構成単位である請求項6記載の樹脂。
[式(II’)中、R及びRは、上記と同じ意味を表す]
【請求項8】
式(VI)で表される構成単位を有する請求項1〜7のいずれか記載の樹脂。
[式(VI)中、
は、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基を表す。
は、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12の水酸基含有アルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数7〜12のアラルキル基、グリシジルオキシ基、炭素数2〜4のアシル基、炭素数2〜4のアシルオキシ基、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を表す。
mは0〜4の整数を表す。mが2以上の整数である場合、複数のRは同一の種類の基であっても異なる種類の基であってもよい。]
【請求項9】
式(VII)で表される構成単位を有する請求項1〜8のいずれか記載の樹脂。
[式(VII)中、La3は、−O−又は−O−(CH−CO−O−を表す。yは、1〜6の整数を表す。Ra14は、水素原子又はメチル基を表す。Ra15及びRa16は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基又はヒドロキシ基を表す。o1は、0〜10の整数を表す。]
【請求項10】
式(VIII)で表される構成単位を有する請求項1〜9のいずれか記載の樹脂。
[式(VIII)中、La4は、−O−又は−O−(CH−CO−O−を表す。zは、1〜6の整数を表す。Ra18は、水素原子又はメチル基を表す。Ra21は、C1-4脂肪族炭化水素基を表し、p1は0〜5の整数を表す。p1が2以上のとき、複数のRa21は、互いに同一でも異なってもよい。]
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか記載の樹脂を含有する化学増幅型フォトレジスト組成物。
【請求項12】
溶剤を含有する請求項11記載の化学増幅型フォトレジスト組成物。
【請求項13】
酸発生剤を含有する請求項11又は12記載の化学増幅型フォトレジスト組成物。
【請求項14】
さらに、酸に不安定な基を有しかつアルカリ水溶液に不溶又は難溶であり、酸と作用してアルカリ水溶液で溶解しえる他の樹脂を含む請求項11〜13のいずれか記載の化学増幅型フォトレジスト組成物。
【請求項15】
請求項1〜10のいずれか記載の樹脂を製造する樹脂の製造方法であって、式(IV)で表される構成単位を有する樹脂における式(IV)に由来するヒドロキシル基部分と、式(V)で表される化合物とを反応させることを特徴とする樹脂の製造方法。
[式(V)中、Q、Q、X、U及びAは、上記と同じ意味を表す。
Lは、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキルスルホニルオキシ基又は、炭素数6〜12のアリールスルホニルオキシ基を表す。該アリールスルホニルオキシ基は、ヘテロ原子を含んでいてもよい。]
【請求項16】
(1)請求項11〜14のいずれか記載の化学増幅型フォトレジスト組成物を基体上に塗布してレジスト膜を得る工程と、
(2)レジスト膜をプリベークする工程と、
(3)プリベークしたレジスト膜を露光する工程と、
(4)露光したレジスト膜をポストエクスポージャーベークする工程と、
(5)ポストエクスポージャーベークしたレジスト膜をアルカリ現像液で現像してレジストパターンを得る工程と、
を含むレジストパターンの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸発生基を有する樹脂、該樹脂の製造方法及び該樹脂を含む化学増幅型フォトレジスト組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体の微細加工が進むにつれて、解像度を向上させることが求められている。原理的には露光波長が短いほど解像度を上げることが可能であり、半導体の製造に用いられるリソグラフィー用露光光源は、波長436nmのg線、波長365nmのi線、波長248nmのKrFエキシマレーザー、波長193nmのArFエキシマレーザーと、年々短波長になってきており、次世代の露光光源として、波長13nm付近の極端紫外光(EUV)あるいはX線が光源として提案されている。また電子線リソグラフィーも高価なマスクを必要としないことで半導体の製造に活用されている。
【0003】
微細加工技術のさらなる進歩に伴い、例えば、半導体の製造に用いられる化学増幅型フォトレジスト組成物には、実効感度や解像度などが良好であることが要望されている(例えば非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】“液晶性高分子を用いた超高感度フォトレジストを開発 −解像度、ドライエッチング耐性をおとさず 従来比18倍の高感度を達成−”、[online]、平成19年5月22日、株式会社 KRI、[平成21年8月21日検索]、インターネット〈URL:http://www.kri-inc.jp/aboutkri/news/2007/0522.html〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電子線リソグラフィー又はEUVリソグラフィーに適した新たな樹脂と、該樹脂を含有し、実効感度及び解像度に優れた化学増幅型フォトレジスト組成物とが求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下の発明である。
1. 式(I)で表される構成単位を有する樹脂。
[(式(I)中、Q及びQは、互いに独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
Uは、炭素数1〜20の二価の炭化水素基を表す。該二価の炭化水素基中の−CH−は、−O−、−NH−、−S−、−NR−、−CO−又は−CO−O−で置き換わっていてもよい。Rは、炭素数1〜6のアルキル基を表す。
は、−O−CO−、−CO−O−、−CO−OCH−、−CH−O−CO−、−O−CH−、−CH−O−、−NR−CO−又は−CO−NR−を表す。
は水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。
は、有機対イオンを表す。]
【0007】
2. 式(I)で表される構成単位が、式(I’)で表される構成単位である1.記載の樹脂。
[(式(I’)中、Q、Q、U及びAは、上記と同じ意味を表す。]
【0008】
3. Q及びQが、フッ素原子である1.又は2.記載の樹脂。
【0009】
4. Aが、式(IIIa)、式(IIIb)又は式(IIIc)で表されるカチオンである1.〜3.のいずれか記載の樹脂。
[式(IIIa)中、P〜Pは、互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、炭素数1〜12の炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。
式(IIIb)中、P及びPは、互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、炭素数1〜12の炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。
式(IIIc)中、P及びPは、互いに独立に、炭素数1〜12の炭化水素基又は炭素数3〜12のシクロアルキル基を表すか、或いはPとPとがSを含む環を形成してもよい。
は、水素原子を表し、Pは炭素数1〜12の炭化水素基、炭素数3〜12のシクロアルキル基もしくは置換基を有していてもよい炭素数6〜10の芳香環基を表すか、又はPとPが一緒になって炭素数3〜12の環を形成してもよい。ここで、該炭素数3〜12の環上の−CH−は、−CO−、−O−又は−S−で置き換わっていてもよい。]
【0010】
5. 式(II)で表される構成単位を有する1.〜4.のいずれか記載の樹脂。
[式(II)中、Rは水素原子又はメチル基を表す。
は、炭素数1〜6の炭化水素基を表す。
は、単結合又は−(CH−CO−O−を表す。
kは、1〜6の整数を表す。]
【0011】
6. 式(II)で表される構成単位が、式(II’)で表される構成単位である5.記載の樹脂。
[式(II’)中、R及びRは、上記と同じ意味を表す]
【0012】
7. 式(VI)で表される構成単位を有する1.〜6.のいずれか記載の樹脂。
[式(VI)中、
は、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基を表す。
は、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12の水酸基含有アルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数7〜12のアラルキル基、グリシジルオキシ基、炭素数2〜4のアシル基、炭素数2〜4のアシルオキシ基、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を表す。
mは0〜4の整数を表す。mが2以上の整数である場合、複数のRは同一の種類の基であっても異なる種類の基であってもよい。]
【0013】
8. 式(VII)で表される構成単位を有する1.〜7.のいずれか記載の樹脂。
[式(VII)中、La3は、−O−又は−O−(CH−CO−O−を表す。yは、1〜6の整数を表す。Ra14は、水素原子又はメチル基を表す。Ra15及びRa16は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基又はヒドロキシ基を表す。o1は、0〜10の整数を表す。]
【0014】
9. 式(VIII)で表される構成単位を有する1.〜8.のいずれか記載の樹脂。
[式(VIII)中、La4は、−O−又は−O−(CH−CO−O−を表す。zは、1〜6の整数を表す。Ra18は、水素原子又はメチル基を表す。Ra21は、C1-4脂肪族炭化水素基を表し、p1は0〜5の整数を表す。p1が2以上のとき、複数のRa21は、互いに同一でも異なってもよい。]
【0015】
10. 1.〜9.のいずれか記載の樹脂を含有する化学増幅型フォトレジスト組成物。
【0016】
11. 溶剤を含有する10.記載の化学増幅型フォトレジスト組成物。
【0017】
12. 酸発生剤を含有する10.又は11.記載の化学増幅型フォトレジスト組成物。
【0018】
13. さらに、酸に不安定な基を有しかつアルカリ水溶液に不溶又は難溶であり、酸と作用してアルカリ水溶液で溶解しえる他の樹脂を含む10.〜12.のいずれか記載の化学増幅型フォトレジスト組成物。
【0019】
14. 1.〜9.のいずれか記載の樹脂を製造する樹脂の製造方法であって、式(IV)で表される構成単位を有する樹脂における式(IV)に由来するヒドロキシル基部分と、式(V)で表される化合物とを反応させることを特徴とする樹脂の製造方法。
[式(V)中、Q、Q、X、U及びAは、上記と同じ意味を表す。
Lは、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキルスルホニルオキシ基又は、炭素数6〜12のアリールスルホニルオキシ基を表す。該アリールスルホニルオキシ基は、ヘテロ原子を含んでいてもよい。]
【0020】
15. (1)10.〜13.のいずれか記載の化学増幅型フォトレジスト組成物を基体上に塗布してレジスト膜を得る工程と、
(2)レジスト膜をプリベークする工程と、
(3)プリベークしたレジスト膜を露光する工程と、
(4)露光したレジスト膜をポストエクスポージャーベークする工程と、
(5)ポストエクスポージャーベークしたレジスト膜をアルカリ現像液で現像してレジストパターンを得る工程と、
を含むレジストパターンの製造方法。
【発明の効果】
【0021】
本発明の樹脂は、電子線リソグラフィー又はEUVリソグラフィーに用いられる化学増幅型フォトレジスト組成物に好適に用いられ、該組成物は半導体製造用の微細加工において、解像度、感度が優れ、工業的に有用である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の樹脂は、式(I)で表される構成単位を有する樹脂である。
【0023】
【0024】
[(式(I)中、Q及びQは、互いに独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
Uは、炭素数1〜20の二価の炭化水素基を表す。該二価の炭化水素基中の−CH−は、−O−、−NH−、−S−、−NR−、−CO−又は−CO−O−で置き換わっていてもよい。Rは、炭素数1〜6のアルキル基を表す。
は、−O−CO−、−CO−O−、−CO−OCH−、−CH−O−CO−、−O−CH−、−CH−O−、−NR−CO−又は−CO−NR−を表す。
は水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。
は、有機対イオンを表す。]
【0025】
式(I)で表される構成単位が、式(I’)で表される構成単位であることが好ましい。
[(式(I’)中、Q、Q、U及びAは、上記と同じ意味を表す。]
【0026】
式(I)におけるA+は、有機対イオンを表し、好ましくは式(IIIa)、式(IIIb)又は式(IIIc)で表されるカチオンであることが好ましい。
【0027】
【0028】
[式(IIIa)中、P〜Pは、互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、炭素数1〜12の炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。
式(IIIb)中、P及びPは、互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、炭素数1〜12の炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。
式(IIIc)中、P及びPは、互いに独立に、炭素数1〜12の炭化水素基又は炭素数3〜12のシクロアルキル基を表すか、或いはPとPとがSを含む環を形成してもよい。
は、水素原子を表し、Pは炭素数1〜12の炭化水素基、炭素数3〜12のシクロアルキル基もしくは置換基を有していてもよい炭素数6〜10の芳香環基を表すか、又はPとPが一緒になって炭素数3〜12の環を形成してもよい。ここで、該炭素数3〜12の環上の−CH−は、−CO−、−O−又は−S−で置き換わっていてもよい。]
【0029】
前記のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
前記の炭素数1〜12の炭化水素基としては、炭素数1〜12のアルキル基等が挙げられ、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基などが挙げられる。
前記の炭素数1〜12のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基などが挙げられる。
前記の炭素数3〜12のシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロデシル基、シクロウンデシル基、シクロドデシル基などが挙げられる。
前記の置換基を有していてもよい炭素数6〜10の芳香環基としては、例えば、フェニル基、2−トルイル基、4−トルイル基、4−エチルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−ヘキシルフェニル基、4−オクチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、4−ヒドロキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−tert−ブトキシフェニル基、4−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、2−フルオロフェニル基、4−クロロフェニル基、4−ブロモフェニル基、4−ヨードフェニル基、ナフチル基などがあげられる。
【0030】
式(IIIc)において、PとPとが一緒になって、Sを含んで形成された環を有するカチオンとしては、テトラヒドロ−2−オキソプロピルチオフェニウムイオン、テトラヒドロ−1−アセトニル−2H−チオピラニウムイオン、テトラヒドロ−1−(2−オキソブチル)−2H−チオピラニウムイオン、4−アセトニル−1,4−オキサチアニウムイオン、テトラヒドロ−1−(2−オキソ−2−フェニルエチル)−2H−チオピラニウムイオン、テトラヒドロ−1−{2−オキソ−2−(4−フルオロフェニル)エチル}−2H−チオピラニウムイオンなどが挙げられる。
式(IIIc)において、PとPとが一緒になって形成された炭素数3〜12の環を有するカチオンとしては、ジメチル(シクロヘキシル)スルホニウムイオン、メチル(シクロヘキシル)シクロヘキシルスルホニウムイオン、メチル(シクロヘキシル)シクロペンチルスルホニウムイオン、ジエチル(シクロヘキシル)スルホニウムイオン、メチル(シクロペンチル)シクロヘキシルスルホニウムイオン、メチル(シクロヘキシル)フェニルスルホニウムイオン、メチル(シクロヘキシル)4−フルオロフェニルスルホニウムイオンなどが挙げられる。
また、前記のPとPとが一緒になって形成された炭素数3〜12の環の−CH−がCO−、−O−又は−S−で置き換わったカチオンとしては、
ジメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウムイオン、メチル(2−オキソシクロヘキシル)シクロヘキシルスルホニウムイオン、メチル(2−オキソシクロヘキシル)シクロペンチルスルホニウムイオン、ジエチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウムイオン、メチル(2−オキソシクロペンチル)シクロヘキシルスルホニウムイオン、メチル(2−オキソシクロヘキシル)フェニルスルホニウムイオンなどが挙げられる。
【0031】
式(IIIa)で表されるカチオンの中でも、式(IIId)で表されるカチオンが、その製造の容易性から好ましい。
【0032】
【0033】
[式(IIId)中、P22〜P24は、互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基を表す。]
【0034】
式(IIIa)で表されるカチオンの具体例としては、下記式で表されるカチオンが挙げられる。
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
式(IIIb)で表されるカチオンの具体例としては、下記式で表されるカチオンが挙げられる。
【0040】
【0041】
【0042】
【0043】
式(IIIc)で表されるカチオンの具体例としては、下記式で表されるカチオンが挙げられる。
【0044】
【0045】
【0046】
【0047】
【0048】
式(I)中のQ及びQの具体例としては、フッ素原子、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ノナフルオロブチル基、ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基が挙げられ、フッ素原子又はトリフルオロメチル基が好ましく、フッ素原子がさらに好ましい。
【0049】
式(I)中、Xは、−O−CO−、−CO−O−、−CO−OCH−、−CH−O−CO−、−O−CH−、−CH−O−、−NR−CO−又は−CO−NR−(Rは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。)を表し、−O−CO−又は−CO−O−であることが好ましく、*1−O−CO−*2であることがより好ましい。*1はUとの結合手を表し、*2はCQとの結合手を表す。
【0050】
式(I)中、Uは炭素数1〜20の二価の炭化水素基を表し、該二価の炭化水素基中の−CH−は、−O−、−NH−、−S−、−NR−、−CO−又は−CO−O−で置き換わっていてもよい。Rは、炭素数1〜6のアルキル基を表す。前記の炭素数1〜20の二価の炭化水素基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、ウンデカメチレン基、ドデカメチレン基、トリデカメチレン基、テトラデカメチレン基、ペンタデカメチレン基、ヘキサデカメチレン基、ヘプタデカメチレン基、オクタデカメチレン基、ノナデカメチレン基、エイコサメチレン基、等の炭素数1〜20のアルキレン基や、エチレンカルボニルエチル基のほか、以下に示す基が挙げられる。
【0051】
【0052】
【0053】
【0054】
【0055】
【0056】
式(I)で表される構成単位を有する樹脂は、式(IV)で表される構成単位を有する樹脂におけるヒドロキシル基と、式(V)で表される化合物とを反応させることによって得ることができる。
【0057】
【0058】
[式(V)中、Q、Q、X、U及びAは、上記と同じ意味を表す。
Lは、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキルスルホニルオキシ基又は、炭素数6〜12のアリールスルホニルオキシ基を表す。該アリールスルホニルオキシ基は、ヘテロ原子を含んでいてもよい。]
【0059】
ここで、式(IV)で表される構成単位は、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン及びp−ヒドロキシスチレンからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物に由来する構成単位であることが好ましい。
【0060】
Lにおけるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
Lにおける炭素数1〜12のアルキルスルホニルオキシ基としては、例えば、メタンスルホニルオキシ基、エタンスルホニルオキシ基、プロパンスルホニルオキシ基、ブタンスルホニルオキシ基、ペンタンスルホニルオキシ基、ヘキサンスルホニルオキシ基、ヘプタンスルホニルオキシ基、オクタンスルホニルオキシ基、ノナンスルホニルオキシ基、デカンスルホニルオキシ基、ウンデカンスルホニルオキシ基、ドデカンスルホニルオキシ基などが挙げられる。
Lにおける炭素数6〜12のアリールスルホニルオキシ基としては、例えば、ベンゼンスルホニルオキシ基、トルエンスルホニルオキシ基、p−ブロモベンゼンスルホニルオキシ基、ナフタレンスルホニルオキシ基や、該アリール基の炭素原子がヘテロ原子で置き換わった基としては、2−ピリジンスルホニルオキシ基、2−キノリンスルホニルオキシ基、などが挙げられる。
【0061】
式(V)で表される化合物としては、例えば、トリフェニルスルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸クロロメチル、トリフェニルスルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸2−ブロモエチル、トリフェニルスルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸3−ヨードプロピル、トリフェニルスルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸4−クロロブチル、ジフェニルトリルスルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸5−ブロモペンチル、トリフェニルスルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸5−フルオロペンチル、トリフェニルスルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸6−ブロモヘキシル、トリ(tert−ブチルフェニル)スルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸6−ブロモヘキシル、トリフェニルスルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸7−クロロヘプチル、ジフェニル(tert−ブチルフェニル)スルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸8−ヨードオクチル、トリフェニルスルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸9−クロロノニル、トリ(トリル)スルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸10−ブロモデシル、トリフェニルスルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸11−クロロウンデシル、トリフェニルスルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸12−ブロモドデシル、ジフェニルトリルスルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸12−ブロモドデシル、トリフェニルスルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸13−ブロモトリデシル、トリ(tert−ブチルフェニル)スルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸14−クロロテトラデシル、トリフェニルスルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸15−ヨードペンタデシル、トリフェニルスルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸16−ブロモヘキサデシル、ジフェニルトリルスルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸17−クロロヘプタデシル、トリフェニルスルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸18−ブロモオクタデシル、トリフェニルスルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸19−ヨードノナデシル、トリフェニルスルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸20−ブロモエイコシル、トリフェニルスルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸6−(メシルオキシ)ヘキシル、トリフェニルスルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸8−(トシルオキシ)オクチル、トリ(tert−ブチルフェニル)スルホニウム2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸9−(p−ブロモベンゼンスルホニルオキシ)ノニル、トリフェニルスルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸10−(ナフタレンスルホニルオキシ)デシル、トリフェニルスルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸12−(2−ピリジンスルホニルオキシ)ドデシル、ジフェニルトリルスルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸13−(2−キノリンスルホニルオキシ)トリデシル、トリフェニルスルホニウム 2,2−ジトリフルオロメチル−2−スルホ酢酸6−ブロモヘキシル、トリフェニルスルホニウム 2,2−ジノナフルオロブチル−2−スルホ酢酸クロロブチル、トリフェニルスルホニウム 2,2−ジ(ペルフルオロヘキシル)−2−スルホ酢酸ブロモヘキシル、トリフェニルスルホニウム 2,2−(トリフルオロ)フルオロ−2−スルホ酢酸ブロモオクチル、トリフェニルスルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸4−ブロモ−2,2−ジメチルブチル、トリフェニルスルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸クロロメチル、トリフェニルスルホニウム2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸2−{2−(2−クロロエトキシ)エトキシ}エチル、トリフェニルスルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸2−{(2−クロロエチル)チオ}エチル、ジフェニルトリルスルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸2−{(2−クロロエチル)メチルアミノ}エチル、トリフェニルスルホニウム2,2−ジトリフルオロメチル−2−スルホ酢酸5−クロロ−4−オキソペンチル、トリフェニルスルホニウム 2,2−ジトリフルオロメチル−2−スルホ酢酸3−(2−クロロエトキシカルボニル)プロピル、トリフェニルスルホニウム 2,2−ジトリフルオロメチル−2−スルホ酢酸1−(4−クロロメチルヘキサン)メチル、トリフェニルスルホニウム 2,2−ジトリフルオロメチル−2−スルホ酢酸1−(3−クロロメチルアダマンタン)メチル、トリフェニルスルホニウム 2,2−ジトリフルオロメチル−2−スルホ酢酸5−クロロメチルノルボルナン−2−イル、
(4−フルオロフェニル)ジフェニルスルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸クロロメチル、(3−フルオロフェニル)ジフェニルスルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸2−ブロモエチル、(2−フルオロフェニル)ジフェニルスルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸3−ヨードプロピル、(4−フルオロフェニル)ジフェニルスルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸4−クロロブチル、(4−フルオロフェニル)ジフェニルスルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸5−ブロモペンチル、ジ(4−フルオロフェニル)フェニルスルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸5−フルオロペンチル、トリ(4−フルオロフェニル)スルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸6−ブロモヘキシル、(4−フルオロフェニル)ジフェニルスルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸6−ブロモヘキシル、(4−フルオロフェニル)ジトリルスルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸6−ブロモヘキシル、(4−フルオロフェニル)ジフェニルスルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸7−クロロヘプチル、(4−フルオロフェニル)ジフェニルスルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸8−ヨードオクチル、(4−フルオロフェニル)ジ(tert−ブチルフェニル)スルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸8−ヨードオクチル、トリ(4−フルオロフェニル)スルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸8−ブロモオクチル、(4−フルオロフェニル)ジフェニルスルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸9−クロロノニル、(4−フルオロフェニル)ジフェニルスルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸10−ブロモデシル、トリ(4−フルオロフェニル)スルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸11−クロロウンデシル、トリ(4−フルオロフェニル)スルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸12−ブロモドデシル、ジ(4−フルオロフェニル)フェニルスルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸12−ブロモドデシル、トリ(4−フルオロフェニル)スルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸12−ブロモドデシル、(4−フルオロフェニル)ジフェニルスルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸13−ブロモトリデシル、(4−フルオロフェニル)ジフェニルスルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸14−クロロテトラデシル、(4−フルオロフェニル)ジフェニルスルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸15−ヨードペンタデシル、トリフェニルスルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸16−ブロモヘキサデシル、(4−フルオロフェニル)ジフェニルスルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸17−クロロヘプタデシル、(4−フルオロフェニル)ジフェニルスルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸18−ブロモオクタデシル、(4−フルオロフェニル)ジフェニルスルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸19−ヨードノナデシル、(3−フルオロフェニル)ジフェニルスルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸20−ブロモエイコシル、(4−クロロフェニル)ジフェニルスルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸4−クロロブチル、(4−ブロモフェニル)ジフェニルスルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸6−ブロモヘキシル、(4−ヨードフェニル)ジフェニルスルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸8−ブロモオクチル、
ビス(フェニル)ヨードニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸クロロメチル、ビス(フェニル)ヨードニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸2−ブロモエチル、ビス(4−メチルフェニル)ヨードニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸2−ブロモエチル、ビス(4−エチルフェニル)ヨードニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸3−ヨードプロピル、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸4−クロロブチル、ビス(4−メトキシフェニル)ヨードニウム2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸5−ブロモペンチル、(4−メトキシフェニル)フェニルヨードニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸6−ブロモヘキシル、ビス(4−ヘキシルフェニル)ヨードニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸7−クロロヘプチル、ビス(4−オクチルフェニル)ヨードニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸8−ヨードオクチル、ビス(4−フルオロフェニル)ヨードニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸12−ブロモドデシル、ビス(3−フルオロフェニル)ヨードニウム 2,2−ジ(トリフルオロメチル)−2−スルホ酢酸12−ブロモドデシル、ビス(2−フルオロフェニル)ヨードニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸12−ブロモドデシル、ビス(4−クロロフェニル)ヨードニウム 2,2−ジトリフルオロメチル−2−スルホ酢酸9−クロロノニル、ビス(4−ブロモフェニル)ヨードニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸10−ブロモデシル、ビス(4−ヨードフェニル)ヨードニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸18−ブロモオクタデシル、
テトラヒドロ−2−オキソプロピルチオフェニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸クロロメチル、テトラヒドロ−1−アセトニル−2H−チオピラニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸3−ヨードプロピル、テトラヒドロ−1−(2−オキソブチル)−2H−チオピラニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸4−クロロブチル、4−アセトニル−1,4−オキサチアニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸5−フルオロペンチル、テトラヒドロ−1−(2−オキソ−2−フェニルエチル)−2H−チオピラニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸5−ブロモペンチル、ジメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸6−ブロモヘキシル、メチル(2−オキソシクロヘキシル)シクロペンチルスルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸8−ヨードオクチル、ジエチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸9−クロロノニル、メチル(シクロペンチル)2−オキソシクロヘキシルスルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸10−ブロモデシル、メチル(2−オキソシクロヘキシル)フェニルスルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸11−クロロウンデシル、ジメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸12−ブロモドデシル、メチル(2−オキソシクロヘキシル)シクロヘキシルスルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸16−ブロモヘキサデシル、メチル(2−オキソソクロヘキシル)シクロペンチルスルホニウム 2,2−ジトリフルオロメチル−2−スルホ酢酸1−(4−クロロメチルヘキシル)メチル、ジエチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム 2,2−ジトリフルオロメチル−2−スルホ酢酸1−(3−クロロメチルアダマンタン)メチル、メチル(2−オキソシクロペンチル)シクロヘキシルスルホニウム 2,2−ジトリフルオロメチル−2−スルホ酢酸5−クロロメチルノルボルナン−2−イル、メチル(2−オキソシクロヘキシル)フェニルスルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸6−ブロモヘキシル、
テトラヒドロ−1−{2−オキソ−2−(4−フルオロフェニル)エチル}−2H−チオピラニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸5−ブロモペンチル、テトラヒドロ−1−{2−オキソ−2−(3−フルオロフェニル)エチル}−2H−チオピラニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸6−ブロモヘキシル、テトラヒドロ−1−{2−オキソ−2−(2−フルオロフェニル)エチル}−2H−チオピラニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸7−ブロモヘプチル、テトラヒドロ−1−{2−オキソ−2−(4−クロロフェニル)エチル}−2H−チオピラニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸5−ブロモペンチル、テトラヒドロ−1−{2−オキソ−2−(4−ブロモフェニル)エチル}−2H−チオピラニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸6−ブロモヘキシル、テトラヒドロ−1−{2−オキソ−2−(4−ヨードフェニル)エチル}−2H−チオピラニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸8−ブロモオクチル、メチル(2−オキサシクロヘキシル)(4−フルオロフェニル)スルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸6−ブロモヘキシル、メチル(2−オキサシクロヘキシル)(4−フルオロフェニル)スルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸8−ブロモオクチル、メチル(2−オキサシクロヘキシル)(3−フルオロフェニル)スルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸10−ブロモデシル、メチル(2−オキサシクロヘキシル)(2−フルオロフェニル)スルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸12−ブロモドデシル、などが挙げられる。
上記の中で、好ましくは、
トリフェニルスルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸2−ブロモエチル、トリフェニルスルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸3−ヨードプロピル、トリフェニルスルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸4−クロロブチル、ジフェニルトリルスルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸5−ブロモペンチル、トリフェニルスルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸5−フルオロペンチル、トリフェニルスルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸6−ブロモヘキシル、トリ(tert−ブチルフェニル)スルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸6−ブロモヘキシル、トリフェニルスルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸7−クロロヘプチル、ジフェニル(t−ブチルフェニル)スルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸8−ヨードオクチル、トリフェニルスルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸9−クロロノニル、トリ(トリル)スルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸10−ブロモデシル、トリフェニルスルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸11−クロロウンデシル、トリフェニルスルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸12−ブロモドデシル、ジフェニルトリルスルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸12−ブロモドデシル、トリフェニルスルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸13−ブロモトリデシル、トリ(tert−ブチルフェニル)スルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸14−クロロテトラデシル、トリフェニルスルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸15−ヨードペンタデシル、トリフェニルスルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸16−ブロモヘキサデシル、トリフェニルスルホニウム 2,2−ジトリフルオロメチル−2−スルホ酢酸1−(4−クロロメチルヘキサン)メチル、トリフェニルスルホニウム 2,2−ジトリフルオロメチル−2−スルホ酢酸1−(3−クロロメチルアダマンタン)メチル、トリフェニルスルホニウム 2,2−ジトリフルオロメチル−2−スルホ酢酸5−クロロメチルノルボルナン−2−イル、
テトラヒドロ−1−(2−オキソブチル)−2H−チオピラニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸4−クロロブチル、テトラヒドロ−1−(2−オキソ−2−フェニルエチル)−2H−チオピラニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸5−ブロモペンチル、ジメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸6−ブロモヘキシル、メチル(シクロヘキシル)2−オキソシクロペンチルスルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸8−ヨードオクチル、メチル(シクロペンチル)2−オキソシクロヘキシルスルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸10−ブロモデシル、メチル(2−オキソシクロヘキシル)フェニルスルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸11−クロロウンデシル、ジメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸12−ブロモドデシル、メチル(2−オキソシクロヘキシル)シクロヘキシルスルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸16−ブロモヘキサデシル、メチル(2−オキソシクロヘキシル)シクロペンチルスルホニウム 2,2−ジトリフルオロメチル−2−スルホ酢酸1−(4−クロロメチルヘキシル)メチル、ジエチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム 2,2−ジトリフルオロメチル−2−スルホ酢酸1−(3−クロロメチルアダマンタン)メチル、メチル(2−オキソシクロペンチル)シクロヘキシルスルホニウム 2,2−ジトリフルオロメチル−2−スルホ酢酸5−クロロメチルノルボルナン−2−イル、メチル(2−オキソシクロヘキシル)フェニルスルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸6−ブロモヘキシル
ビス(フェニル)ヨードニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸クロロメチル、ビス(フェニル)ヨードニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸2−ブロモエチル、ビス(4−メチルフェニル)ヨードニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸2−ブロモエチル、ビス(4−エチルフェニル)ヨードニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸3−ヨードプロピル、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸4−クロロブチル、ビス(4−メトキシフェニル)ヨードニウム2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸5−ブロモペンチル、(4−メトキシフェニル)フェニルヨードニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸6−ブロモヘキシル、ビス(4−ヘキシルフェニル)ヨードニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸7−クロロヘプチル、ビス(4−フルオロフェニル)ヨードニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸12−ブロモドデシル、ビス(3−フルオロフェニル)ヨードニウム 2,2−ジ(トリフルオロメチル)−2−スルホ酢酸12−ブロモドデシル、ビス(2−フルオロフェニル)ヨードニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸12−ブロモドデシル、
テトラヒドロ−1−{2−オキソ−2−(4−フルオロフェニル)エチル}−2H−チオピラニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸5−ブロモペンチル、テトラヒドロ−1−{2−オキソ−2−(3−フルオロフェニル)エチル}−2H−チオピラニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸6−ブロモヘキシル、テトラヒドロ−1−{2−オキソ−2−(2−フルオロフェニル)エチル}−2H−チオピラニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸7−ブロモヘプチル、メチル(2−オキソシクロヘキシル)(4−フルオロフェニル)スルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸6−ブロモヘキシル、メチル(2−オキソシクロヘキシル)(4−フルオロフェニル)スルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸8−ブロモオクチル、メチル(2−オキソシクロヘキシル)(3−フルオロフェニル)スルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸10−ブロモデシル、メチル(2−オキソシクロヘキシル)(2−フルオロフェニル)スルホニウム 2,2−ジフルオロ−2−スルホ酢酸12−ブロモドデシルなどが挙げられる。
【0062】
前記の反応において、式(V)で表される化合物の仕込みモル数を変えることにより、式(I)で表される構成単位を有する樹脂中における式(I)で表される構成単位の量を変えることができる。
前記の反応は、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、トルエン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどの不活性溶媒中で行われ、反応温度は、−30〜200℃、好ましくは、0〜150℃である。反応は塩基を添加することが好ましい。塩基としては、例えば、トリエチルアミン、ピリジン、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム−tert−ブトキシドなどの有機塩基、水素化ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウムなどの無機塩基、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
【0063】
式(V)で表されるスルホニウム塩化合物の使用量は、式(IV)で表される構成単位を導く化合物1モルに対して、0.01〜2倍モル、好ましくは、0.03〜1倍モルである。式(IV)で表される構成単位を導く化合物1モルに対して、塩基の使用量は、好ましくは0.01〜2倍モル、より好ましくは0.03〜1.5倍モル量である。
反応には、テトラブチルアンモニウムブロミドのような相間移動触媒を添加することも可能である。
得られた樹脂は、通常の後処理によって取り出すことができる。
樹脂における式(I)で表される構成単位の含有量は、樹脂の全単位において、通常1〜100モル%であり、好ましくは5〜100モル%である。
【0064】
式(I)で表される構成単位を有する樹脂は、化学増幅型フォトレジスト組成物の樹脂成分として用いることができる。
【0065】
本発明の樹脂は、酸の作用によりアルカリ可溶となる樹脂であることが好ましい。酸の作用によりアルカリ可溶となる樹脂は、式(I)で表される構成単位を導くモノマーと、酸に不安定な基を有するモノマー(以下「酸に不安定な基を有するモノマー(a1)」と略称することがある)を重合することによって製造でき、酸の作用によりアルカリ可溶となる。「酸の作用によりアルカリ可溶となる」とは、「酸との接触前ではアルカリ水溶液に不溶又は難溶であるが、酸との接触後にはアルカリ水溶液に可溶となる」ことを意味する。酸に不安定な基を有するモノマー(a1)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0066】
「酸に不安定な基」とは、酸と接触すると脱離基が開裂して、親水性基(例えばヒドロキシ基又はカルボキシ基)を形成する基を意味する。酸に不安定な基としては、例えば、−O−が3級炭素原子(但し橋かけ環状炭化水素基の橋頭炭素原子を除く)と結合した式(1)で表されるアルコキシカルボニル基(即ち3級アルコール残基を有するエステル結合)が挙げられる。なお以下では、式(1)で表される基を「酸に不安定な基(1)」と略称する。
【0067】
【0068】
式(1)中、Ra1〜Ra3は、それぞれ独立に、直鎖状若しくは分枝鎖状の脂肪族炭化水素基又は飽和環状炭化水素基を表すか、或いはRa1及びRa2は互いに結合して環を形成していてもよい。なお式(1)中の*は結合手を表す。
【0069】
酸に不安定な基(1)としては、例えば1,1−ジアルキルアルコキシカルボニル基(基(1)中、Ra1〜Ra3がアルキル基であるもの、好ましくはtert−ブトキシカルボニル基)、2−アルキル−2−アダマンチルオキシカルボニル基(式(1)中、Ra1、Ra2及び炭素原子がアダマンチル基を形成し、Ra3がアルキル基であるもの)、及び1−(1−アダマンチル)−1−アルキルアルコキシカルボニル基(式(1)中、Ra1及びRa2がアルキル基であり、Ra3がアダマンチル基であるもの)などが挙げられる。
【0070】
酸に不安定な基を有するモノマー(a1)は、好ましくは、酸に不安定な基(1)と炭素−炭素二重結合とを有するモノマー、より好ましくは酸に不安定な基(1)を有する(メタ)アクリル系モノマーである。なお本明細書において「(メタ)アクリル系モノマー」とは、「CH2=CH−CO−」又は「CH2=C(CH3)−CO−」の構造を有するモノマーの少なくとも1種を意味する。同様に「(メタ)アクリレート」及び「(メタ)アクリル酸」とは、それぞれ「アクリレート及びメタクリレートの少なくとも1種」並びに「アクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも1種」を意味する。
【0071】
酸に不安定な基(1)を有する(メタ)アクリル系モノマーの中でも、C5-20飽和環状炭化水素基を有するものが好ましい。飽和環状炭化水素基のような嵩高い構造を有するモノマー(a1)を重合して得られる樹脂を使用すれば、レジストの解像度を向上させることができる。飽和環状炭化水素基は、単環式又は多環式のいずれでもよい。単環式の飽和環状炭化水素基としては、シクロアルキル基(例えばシクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基)やシクロアルケニル基(例えばシクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基、シクロオクテニル基)などが挙げられる。多環式の飽和環状炭化水素基としては、縮合芳香族炭化水素基を水素化して得られる基(例えばヒドロナフチル基)、橋かけ環状炭化水素基(例えばアダマンチル基、ノルボルニル基)などが挙げられる。橋かけ環状炭化水素基は、その内部に不飽和結合を有していてもよい(例えばノルボルネンイル基など)。さらに下記のような、橋かけ環(例えばノルボルナン環)と単環(例えばシクロヘプタン環やシクロヘキサン環)又は多環(例えばデカヒドロナフタレン環)とが縮合した形状の基、或いは橋かけ環同士が縮合した形状の基も、飽和環状炭化水素基に含まれる。
【0072】
【0073】
酸に不安定な基(1)と飽和環状炭化水素基とを有する(メタ)アクリル系モノマーの中でも、式(a1−1)又は式(a1−2)で表される酸に不安定な基を有するモノマーが好ましい。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0074】
【0075】
式(a1−1)及び式(a1−2)中、La1及びLa2は、それぞれ独立に、−O−又は−O−(CH2k1−CO−O−を表し、k1は1〜7の整数を表す。但しLa1及びLa2で列挙した−O−等は、それぞれ、左側で式(a1−1)及び式(a1−2)の−CO−と結合し、右側でアダマンチル基又はシクロへキシル基と結合することを意味する。Ra4及びRa5は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。Ra6及びRa7は、それぞれ独立に、直鎖状又は分枝鎖状のC1-8脂肪族炭化水素基、或いはC3-10飽和環状炭化水素基を表し、m1は0〜14の整数を表し、n1は0〜10の整数を表す。なお本明細書における化学式は立体異性体も包含する。
【0076】
a1及びLa2は、好ましくは、−O−又は−O−(CH2f1−CO−O−であり(前記f1は、1〜4の整数である)、より好ましくは−O−である。
【0077】
a4及びRa5は、好ましくはメチル基である。Ra6及びRa7の直鎖状又は分枝鎖状の脂肪族炭化水素基の炭素数は、好ましくは6以下であり、飽和環状炭化水素基の炭素数は、好ましくは8以下、より好ましくは6以下である。Ra6及びRa7の直鎖状又は分枝鎖状の脂肪族炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、1−メチルエチル基(イソプロピル基)、1,1−ジメチルエチル基(tert−ブチル基)、2,2−ジメチルエチル基、プロピル基、1−メチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、ブチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−プロピルブチル基、ペンチル基、1−メチルペンチル基、ヘキシル基、1,4−ジメチルヘキシル基、ヘプチル基、1−メチルヘプチル基、オクチル基などが挙げられる。Ra6及びRa7の飽和環状炭化水素基としては、例えばシクロヘプチル基、メチルシクロヘプチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロへキシル基、ノルボルニル基、メチルノルボルニル基などが挙げられる。
【0078】
m1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。n1は、0好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。k1は、好ましくは1〜4の整数、より好ましくは1である。
【0079】
アダマンチル基を有するモノマー(a1−1)としては、例えば以下のものが挙げられ、これらの中でも、2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−エチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、及び2−イソプロピル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートが好ましく、メタクリレート形態のものがより好ましい。
【0080】
【0081】
【0082】
【0083】
【0084】
【0085】
【0086】
【0087】
【0088】
【0089】
【0090】
シクロへキシル基を有するモノマー(a1−2)としては、例えば以下のものが挙げられ、これらの中でも1−エチル−1−シクロヘキシル(メタ)アクリレートが好ましく、1−エチル−1−シクロヘキシルメタクリレートがより好ましい。
【0091】
【0092】
酸に不安定な基(1)と炭素−炭素二重結合とを有するモノマーとしては、式(a1−4)で表されるモノマー(a1−4)が挙げられる。
[式(a1−4)中、R10は、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有してもよいC1-6アルキル基を表す。
11は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12の水酸基含有アルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数7〜12のアラルキル基、グリシジルオキシ基、炭素数2〜4のアシル基、炭素数2〜4のアシルオキシ基、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を表す。
は0〜4の整数を表す。lが2以上の整数である場合、複数のR11は同一の種類の基であっても異なる種類の基であってもよい。
12及びR13はそれぞれ独立に、水素原子又はC1-12炭化水素基を表す。
a2は、単結合又は置換基を有していてもよいC1-17飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる−CH−は−CO−、−O−、−S−、−SO−又は−N(R)−で置き換わっていてもよい。Rは、水素原子又はC1-6アルキル基を表す。
a3は、直鎖状又は分岐状のC1-12脂肪族炭化水素基、C3-18飽和環状炭化水素基あるいはC6-18芳香族炭化水素基であり、該脂肪族炭化水素基、飽和環状炭化水素基及び芳香族炭化水素基は、置換基を有していてもよい。]
【0093】
モノマー(a1−4)としては、例えば、以下のモノマーが挙げられる。
【0094】
【0095】
【0096】
酸に不安定な基(1)と炭素−炭素二重結合とを有するモノマーとしては、式(IIa)で表されるモノマーが好ましい。
[式(IIa)中、Rは水素原子又はメチル基を表す。
は、炭素数1〜6の炭化水素基を表す。
は、単結合又は−(CH−CO−O−を表す。
kは、1〜6の整数を表す。]
本発明の樹脂は、式(IIa)で表されるモノマーから導かれる、式(II)で表される構成単位を有する樹脂であることが好ましい。
[式(II)中、R、R及びXは、上記と同じ意味を表す。]
【0097】
例えば式(I)で表される構成単位と式(II)で表される構成単位とを有する樹脂は、式(IV)で表される構成単位と式(II)で表される構成単位とを有する樹脂における式(IV)に由来するヒドロキシル基と、式(V)で表される化合物とを反応させることによって得ることができる。
式(II)で表される構成単位は、式(IIa)で表される化合物から導かれる。
【0098】
樹脂における酸に不安定な基を有するモノマーに由来する構成単位の含有量は、樹脂の全単位において、通常5〜90モル%であり、好ましくは10〜85モル%であり、より好ましくは15〜70モル%である。
例えば、式(II)で表される構成単位の含有量は、樹脂の全単位において、好ましくは5〜90モル%であり、より好ましくは10〜60モル%である。
樹脂は、好ましくは、酸に不安定な基を有するモノマー(a1)に由来する構成単位と、酸に不安定な基を有さないモノマー(以下「酸安定モノマー」と略称することがある)に由来する構成単位とを含む。酸安定モノマーは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0099】
酸安定モノマーとしては、ヒドロキシ基又はラクトン環を有するものが好ましい。ヒドロキシ基を有する酸安定モノマー(以下「ヒドロキシ基を有する酸安定モノマー(a2)」という)又はラクトン環を含有する酸安定モノマー(以下「ラクトン環を有する酸安定モノマー(a3)」という)に由来する構成単位を有する樹脂を使用すれば、レジストの解像度及び基板への密着性を向上させることができる。
【0100】
〈ヒドロキシ基を有する酸安定モノマー(a2)〉
レジスト組成物をKrFエキシマレーザー露光(248nm)、電子線やEUV光などの高エネルギー線露光に用いる場合、ヒドロキシ基を有する酸安定モノマー(a2)として、式(a2−0)で表されるp−又はm−ヒドロキシスチレンなどのヒドロキシスチレン類を使用すれば、充分な透過率を得ることができる。より短波長のArFエキシマレーザー露光(193nm)などを用いる場合は、ヒドロキシ基を有する酸安定モノマー(a2)として、式(a2−1)で表されるヒドロキシアダマンチル基を有する酸安定モノマーを使用することが望ましい。ヒドロキシ基を有する酸安定モノマー(a2)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0101】
[式(a2−0)中、
は、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基を表す。
は、ハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12の水酸基含有アルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数7〜12のアラルキル基、グリシジルオキシ基、炭素数2〜4のアシル基、炭素数2〜4のアシルオキシ基、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を表す。
mは0〜4の整数を表す。mが2以上の整数である場合、複数のRは同一の種類の基であっても異なる種類の基であってもよい。]
【0102】
ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基としては、例えばペルフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロイソプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロsec−ブチル基、ペルフルオロtert−ブチル基、ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基などが挙げられる。Q1及びQ2は、それぞれ独立に、好ましくはペルフルオロメチル基又はフッ素原子であり、より好ましくはフッ素原子である。
【0103】
式(a2−0)で表されるモノマーに由来する構成単位を有する共重合樹脂を得る場合は、該当する(メタ)アクリル酸エステルモノマーとアセトキシスチレン、及びスチレンをラジカル重合した後、酸によって脱アセチルすることによって得ることができる。
フェノール性水酸基を含むモノマーとしては、例えば、以下のモノマーが挙げられる。
【0104】
【0105】
以上のモノマーのうち、4−ヒドロキシスチレン又は4−ヒドロキシ−α−メチルスチレンが特に好ましい。
【0106】
本発明の樹脂は、式(a2−0)で表されるモノマーから導かれる、式(VI)で表される構成単位を有する樹脂であることが好ましい。
[式(VI)中、
、R及びmは、上記と同じ意味を表す。]
樹脂における式(VI)で表される構成単位の含有量は、樹脂の全単位において、通常1〜99モル%であり、好ましくは5〜90モル%であり、より好ましくは10〜70モル%である。
【0107】
【0108】
式(a2−1)中、La3は、−O−又は−O−(CH−CO−O−を表す。yは、1〜6の整数を表す。Ra14は、水素原子又はメチル基を表す。Ra15及びRa16は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基又はヒドロキシ基を表す。o1は、0〜10の整数を表す。
【0109】
a3は、好ましくは、−O−又は−O−CH2−CO−O−であり、より好ましくは−O−である。Ra14は、好ましくはメチル基である。Ra15は、好ましくは水素原子である。Ra16は、好ましくは水素原子又はヒドロキシ基である。o1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
【0110】
ヒドロキシアダマンチル基を有する酸安定モノマー(a2−1)としては、例えば以下のものが挙げられ、これらの中でも、3−ヒドロキシ−1−アダマンチル(メタ)アクリレート、3,5−ジヒドロキシ−1−アダマンチル(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリル酸1−(3,5−ジヒドロキシ−1−アダマンチルオキシカルボニル)メチルが好ましく、3−ヒドロキシ−1−アダマンチル(メタ)アクリレート及び3,5−ジヒドロキシ−1−アダマンチル(メタ)アクリレートがより好ましく、3−ヒドロキシ−1−アダマンチルメタクリレート及び3,5−ジヒドロキシ−1−アダマンチルメタクリレートがさらに好ましい。
【0111】
【0112】
【0113】
【0114】
【0115】
本発明の樹脂は、式(a2−1)で表されるモノマーから導かれる、式(VII)で表される構成単位を有する樹脂であることが好ましい。
[式(VII)中、
a3、Ra14、Ra15、Ra16及びo1は、上記と同じ意味を表す。]
樹脂における式(VII)で表される構成単位の含有量は、樹脂の全単位において、通常1〜50モル%であり、好ましくは1〜30モル%であり、より好ましくは1〜20モル%である。
【0116】
〈ラクトン環を有する酸安定モノマー(a3)〉
酸安定モノマー(a3)が有するラクトン環は、例えばβ−プロピオラクトン環、γ−ブチロラクトン環、δ−バレロラクトン環のような単環でもよく、或いは単環状のラクトン環と他の環との縮合環でもよい。これらラクトン環の中で、γ−ブチロラクトン環、及びγ−ブチロラクトン環と他の環との縮合環が好ましい。
【0117】
ラクトン環を有する酸安定モノマー(a3)は、好ましくは式(a3−1)、式(a3−2)又は式(a3−3)で表される。これらの1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0118】
【0119】
式(a3−1)〜式(a3−3)中、La4〜La6は、それぞれ独立に、−O−又は−O−(CH−CO−O−を表す。zは、1〜6の整数を表す。Ra18〜Ra20は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。Ra21は、C1-4脂肪族炭化水素基を表し、p1は0〜5の整数を表す。Ra22及びRa23は、それぞれ独立にカルボキシ基、シアノ基又はC1-4脂肪族炭化水素基を表し、q1及びr1は、それぞれ独立に0〜3の整数を表す。p1、q1又はr1が2以上のとき、それぞれ、複数のRa21、Ra22又はRa23は、互いに同一でも異なってもよい。
【0120】
a4〜La6としては、La3で説明したものが挙げられる。La4〜La6は、それぞれ独立に、好ましくは−O−又は−O−CH2−CO−O−であり、より好ましくは−O−である。Ra18〜Ra20は、好ましくはメチル基である。Ra21は、好ましくはメチル基である。Ra22及びRa23は、それぞれ独立に、好ましくはカルボキシ基、シアノ基又はメチル基である。p1〜r1は、それぞれ独立に、好ましくは0〜2、より好ましくは0又は1である。
【0121】
γ−ブチロラクトン環を有する酸安定モノマー(a3−1)としては、例えば以下のものが挙げられる。
【0122】
【0123】
【0124】
【0125】
γ−ブチロラクトン環を有する酸安定モノマー(a3−1)として、酸不安定モノマーを例示することも可能である。例えば以下のものが挙げられる。
【0126】
【0127】
γ−ブチロラクトン環とノルボルナン環との縮合環を有する酸安定モノマー(a3−2)としては、例えば以下のものが挙げられる。
【0128】
【0129】
【0130】
【0131】
【0132】
【0133】
【0134】
【0135】
γ−ブチロラクトン環とノルボルナン環との縮合環を有する酸安定モノマー(a3−2)として、酸不安定モノマーを例示することも可能である。例えば以下のものが挙げられる。
【0136】
【0137】
γ−ブチロラクトン環とシクロヘキサン環との縮合環を有する酸安定モノマー(a3−3)としては、例えば以下のものが挙げられる。
【0138】
【0139】
【0140】
【0141】
【0142】
γ−ブチロラクトン環とシクロヘキサン環との縮合環を有するモノマー(a3−3)として、酸不安定モノマーを例示することも可能である。例えば以下のものが挙げられる。
【0143】
【0144】
ラクトン環を有する酸安定モノマー(a3)の中でも、(メタ)アクリル酸(5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン−2−イル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロ−2−オキソ−3−フリル、(メタ)アクリル酸2−(5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン−2−イルオキシ)−2−オキソエチルが好ましく、メタクリレート形態のものがより好ましい。
【0145】
本発明の樹脂は、式(a3−1)、式(a3−2)又は式(a3−3)で表されるモノマーから導かれる、式(VIII)、式(IX)又は式(X)で表される構成単位を有する樹脂であることが好ましい。
[式(VIII)、式(IX)及び式(X)中、
a18〜Ra23、La4〜La6p1、q1及びr1は、上記と同じ意味を表す。]
樹脂における式(VIII)、式(IX)又は式(X)で表される構成単位の含有量は、樹脂の全単位において、通常1〜50モル%、好ましくは1〜30モル%であり、より好ましくは1〜20モル%である。
【0146】
樹脂の重量平均分子量は、好ましくは500〜100000であり、より好ましくは1000〜30000である。
樹脂の含有量は、溶媒を含むフォトレジスト組成物において、樹脂と溶媒との比率が、1:1〜1:1000となる量であることが好ましく、1:50〜1:500となる量であることがより好ましい。樹脂の含有量は、例えば液体クロマトグラフィー又はガスクロマトグラフィーなどの公知の分析手段で測定できる。
【0147】
本発明の樹脂を含む化学増幅型フォトレジスト組成物は、本発明の樹脂とは異なる他の樹脂を含んでいてもよい。他の樹脂としては、上記のモノマーに由来する構成単位を含む樹脂(ただし式(I)で表される構成単位は含まない)が挙げられる。
他の樹脂は、酸の作用によりアルカリ可溶となる樹脂であることが好ましい。他の樹脂は、式(II’)で表される構成単位を含む樹脂であることが好ましく、式(VI)で表される構成単位を含む樹脂であることが好ましく、式(II’)で表される構成単位及び式(VI)で表される構成単位を含む樹脂であることがより好ましい。
化学増幅型フォトレジスト組成物が他の樹脂を含む場合、本発明の樹脂と他の樹脂との含有量の比率は、通常10:1〜1:10であり、好ましくは3:1〜1:3である。
【0148】
本発明の式(I)で表される構成単位を有する樹脂は、その物質自体に、あるいはその物質を含む化学増幅型フォトレジスト組成物に、活性光線又は放射線を作用させることにより、その物質が分解して酸を発生するものである。式(I)で表される構成単位を有する樹脂は、単独で用いることができるが、他の光酸発生剤をさらに添加することも可能である。このような光酸発生剤としては、例えば、オニウム塩化合物、有機ハロゲン化合物、スルホン化合物、スルホネート化合物などが包含される。具体的には、次のような化合物を挙げることができる。
【0149】
ジフェニルヨードニウム トリフルオロメタンスルホネート、
4−メトキシフェニルフェニルヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
4−メトキシフェニルフェニルヨードニウム トリフルオロメタンスルホネート、
ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム テトラフルオロボレート、
ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロホスフェート、
ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム トリフルオロメタンスルホネート、
【0150】
トリフェニルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート、
トリフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
トリフェニルスルホニウム トリフルオロメタンスルホネート、
トリフェニルスルホニウム アダマンタンメトキシカルボニルジフルオロメチルスルホネート、
トリフェニルスルホニウム 1−(3−ヒドロキシメチルアダマンタン)メトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、
トリフェニルスルホニウム 1−(ヘキサヒドロ−2−オキソ−3,5−メタノ−2H−シクロペンタ[b]フラン−6−イルオキシカルボニル)ジフルオロメタンスルホネート、
トリフェニルスルホニウム 4−オキソ−1−アダマンチルオキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、
4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウム トリフルオロメタンスルホネート、
p−トリルジフェニルスルホニウム トリフルオロメタンスルホネート、
p−トリルジフェニルスルホニウム パーフルオロオクタンスルホネート、
2,4,6−トリメチルフェニルジフェニルスルホニウム トリフルオロメタンスルホネート、
4−tert−ブチルフェニルジフェニルスルホニウム トリフルオロメタンスルホネート、
4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート、
4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
1−(2−ナフトイルメチル)チオラニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
1−(2−ナフトイルメチル)チオラニウム トリフルオロメタンスルホネート、
4−ヒドロキシ−1−ナフチルジメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
4−ヒドロキシ−1−ナフチルジメチルスルホニウム トリフルオロメタンスルホネート、
【0151】
2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(4−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(4−メトキシ−1−ナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソラン−5−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(4−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(3,4,5−トリメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(3,4−ジメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(2,4−ジメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(2−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(4−ブトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(4−ペンチルオキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
【0152】
1−ベンゾイル−1−フェニルメチル p−トルエンスルホネート(通称ベンゾイントシレート)、
2−ベンゾイル−2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル p−トルエンスルホネート(通称α−メチロールベンゾイントシレート)、
1,2,3−ベンゼントリイル トリスメタンスルホネート、
2,6−ジニトロベンジル p−トルエンスルホネート、
2−ニトロベンジル p−トルエンスルホネート、
4−ニトロベンジル p−トルエンスルホネート、
【0153】
ジフェニル ジスルホン、
ジ−p−トリル ジスルホン、
ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、
ビス(4−クロロフェニルスルホニル)ジアゾメタン、
ビス(p−トリルスルホニル)ジアゾメタン、
ビス(4−tert−ブチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、
ビス(2,4−キシリルスルホニル)ジアゾメタン、
ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、
(ベンゾイル)(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、
【0154】
N−(フェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、
N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、
N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミド、
N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド、
N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ナフタルイミド、
N−(10−カンファースルホニルオキシ)ナフタルイミドなど。
【0155】
式(I)で表される構成単位を有する樹脂に加えて、さらに酸発生剤を含有する場合、その含有量は、前記の樹脂の含有量に対して、好ましくは1〜100重量%、より好ましくは5〜90重量%、さらに好ましくは30〜75重量%である。
【0156】
また、本発明の化学増幅型フォトレジスト組成物においては、クエンチャーとして、塩基性化合物、特に塩基性含窒素有機化合物、例えば、アミン類を、添加することにより、露光後の引き置きに伴う酸の失活による性能劣化を改良できる。クエンチャーとして用いられる塩基性化合物としては、例えば、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、アニリン、2−,3−又は4−メチルアニリン、4−ニトロアニリン、1−又は2−ナフチルアミン、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジアミノ−1,2−ジフェニルエタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3′−ジエチルジフェニルメタン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、ジデシルアミン、N−メチルアニリン、ピペリジン、ジフェニルアミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリノニルアミン、トリデシルアミン、メチルジブチルアミン、メチルジペンチルアミン、メチルジヘキシルアミン、メチルジシクロヘキシルアミン、メチルジヘプチルアミン、メチルジオクチルアミン、メチルジノニルアミン、メチルジデシルアミン、エチルジブチルアミン、エチルジペンチルアミン、エチルジヘキシルアミン、エチルジヘプチルアミン、エチルジオクチルアミン、エチルジノニルアミン、エチルジデシルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、トリス〔2−(2−メトキシエトキシ)エチル〕アミン、トリイソプロパノールアミン、N,N−ジメチルアニリン、2,6−イソプロピルアニリン、イミダゾール、ピリジン、4−メチルピリジン、4−メチルイミダゾール、ビピリジン、2,2’−ジピリジルアミン、ジ−2−ピリジルケトン、1,2−ジ(2−ピリジル)エタン、1,2−ジ(4−ピリジル)エタン、1,3−ジ(4−ピリジル)プロパン、1,2−ビス(2−ピリジル)エチレン、1,2−ビス(4−ピリジル)エチレン、1,2−ビス(4−ピリジルオキシ)エタン、4,4’−ジピリジルスルフィド、4,4’−ジピリジルジスルフィド、1,2−ビス(4−ピリジル)エチレン、2,2’−ジピコリルアミン、3,3’−ジピコリルアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトライソプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−ヘキシルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−オクチルアンモニウムヒドロキシド、フェニルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、3−トリフルオロメチルフェニルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムヒドロキシド(通称:コリン)などが挙げられる。
【0157】
クエンチャーを含有する場合、その含有量は、式(I)で表される構成単位を有する樹脂100重量部に対して、好ましくは0.001〜10重量部、より好ましくは0.01〜5重量%である。
【0158】
本発明の化学増幅型フォトレジスト組成物は、溶剤を含んでいることが好ましい。
前記の溶剤としては、化学増幅型フォトレジスト組成物に含まれる成分を溶解し、適当な乾燥速度を有し、溶剤が蒸発した後に均一で平滑な塗膜を与えるものであればよく、この分野で一般に用いられている溶剤が使用でき、例えば、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートのようなグリコールエーテルエステル類、ジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類、乳酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル及びピルビン酸エチルのようなエステル類、アセトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン及びシクロヘキサノンのようなケトン類、γ−ブチロラクトンのような環状エステル類などが挙げられる。これらの溶剤は、単独又は2種以上組合せて用いることができる。
【0159】
本発明の化学増幅型フォトレジスト組成物はまた、必要に応じて、増感剤、溶解抑止剤、ポリマー、界面活性剤、安定剤、染料など、各種の添加物を少量含有することもできる。
【0160】
本発明の化学増幅型フォトレジスト組成物は、通常、シリコンウェハーなどの基体上に、スピンコートなど、常法により、塗布される。
基体上に塗布され、加熱等により乾燥された化学増幅型フォトレジスト膜には、パターニングのための露光処理が施され、次いで脱保護基反応を促進するための加熱処理を行った後、アルカリ現像液を用いて常法により現像される。ここで用いるアルカリ現像液は、この分野で用いられる各種のアルカリ性水溶液であることができるが、一般には、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドや(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムヒドロキシド(通称コリン)の水溶液が用いられる。
【0161】
〈レジストパターンの製造方法〉
本発明のレジストパターンの製造方法は、
(1)上述した本発明のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物から溶剤を除去して組成物層を形成する工程、
(3)組成物層に露光機を用いて露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、
(5)加熱後の組成物層を、現像装置を用いて現像する工程を含む。
【0162】
レジスト組成物の基体上への塗布は、スピンコーターなど、通常、用いられる装置によって行うことができる。
【0163】
溶剤の除去は、例えば、ホットプレート等の加熱装置を用いて溶剤を蒸発させることにより行われるか、あるいは減圧装置を用いて行われ、溶剤が除去された組成物層が形成される。この場合の温度は、例えば、50〜200℃程度が例示される。また、圧力は、1〜1.0×10Pa程度が例示される。
【0164】
得られた組成物層は、露光機を用いて露光する。この際、通常、求められるパターンに相当するマスクを介して露光が行われる。露光光源としては、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)、F2レーザ(波長157nm)のような紫外域のレーザ光を放射するもの、固体レーザ光源(YAG又は半導体レーザ等)からのレーザ光を波長変換して遠紫外域又は真空紫外域の高調波レーザ光を放射するもの等、種々のものを用いることができる。
【0165】
露光後の組成物層は、脱保護基反応を促進するための加熱処理が行われる。加熱温度としては、通常50〜200℃程度、好ましくは70〜150℃程度である。
加熱後の組成物層を、現像装置を用いて、通常、アルカリ現像液を利用して現像する。
ここで用いられるアルカリ現像液は、この分野で用いられる各種のアルカリ性水溶液であればよい。例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドや(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムヒドロキシド(通称コリン)の水溶液等が挙げられる。
現像後、超純水でリンスし、基板及びパターン上に残った水を除去することが好ましい。
【0166】
〈用途〉
本発明のレジスト組成物は、KrFエキシマレーザー露光用のレジスト組成物、ArFエキシマレーザー露光用のレジスト組成物、EB用のレジスト組成物又はEUV露光機用のレジスト組成物として好適である。
【実施例】
【0167】
次に実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。例中、含有量ないし使用量を表す%及び部は、特記ないかぎり重量基準である。
【0168】
合成例1
式(g5)で表される化合物の合成
【0169】
【0170】
式(g1)で表される化合物10g及び式(g2)で表される化合物10.8gをトルエン50gに加えて、トリフルオロメタンスルホン酸を触媒量添加した。9時間還流脱水反応を行って冷却した。析出した結晶をろ過して、少量のトルエンで洗浄後、乾燥して、式(g3)で表される化合物12.3g(収率72.0%)を得た。
【0171】
H−NMR(CDCl;内部標準物質テトラメチルシラン):δ(ppm)4.35(2H);3.42(t,2H,J=6.9Hz);1.86(m,2H);1.73(m,2H);1.47(m,2H);1.40(m,2H)
MS(ESI(−)Spectrum):M− 337(C12BrF=336.96)
【0172】
ついで、式(g3)で表される化合物12.1gをクロロホルム200g溶解した。式(g4)で表される化合物の13.1%水溶液84.1gを加えて一晩室温で攪拌した。有機層をイオン交換水で洗浄、濃縮して、式(g5)で表される化合物17.2g(収率85.3%)を得た。
【0173】
H−NMR(DMSO−d;内部標準物質テトラメチルシラン):δ(ppm)7.77〜7.68(m,15H);4.25(t,2H,J=6.9Hz);3.37(t,2H,J=6.9Hz);1.81(m,2H);1.70(m,2H);1.45〜1.36(m,4H)
19F−NMR(DMSO−d;内部標準物質フルオロベンゼン):δ(ppm)−106.42
MS(ESI(−)Spectrum):M=337(C12BrF=336.96)
MS(ESI(+)Spectrum):M=263(C1815=263.09)
【0174】
実施例1
樹脂(A1)の合成
【0175】
【0176】
p−ヒドロキシスチレンとメタアクリル酸2−エチル−2−アダマンチルとの共重合体(モル比=80:20、Mw=7324、Mw/Mn=1.58)14.6g、式(g5)で表される化合物6.0g(0.1当量)及び炭酸カリウム2.1g(0.15当量)を、アセトン100g中で2時間還流した。冷却後、2%シュウ酸水溶液で中和後、クロロホルムを用いて樹脂を抽出した。樹脂を含むクロロホルムを、イオン交換水で洗浄した後、クロロホルムを除去して、樹脂(A1)を7.1g得た。NMRによって求めた、得られた樹脂(A1)における構成比は、(b3):(b1):(b2)=15:65:20であった。
【0177】
合成例2
式(g10)で表される化合物の合成
【0178】
【0179】
式(g6)で表される化合物21g及び式(g7)で表される化合物25gをトルエン300gに加えて、さらにp−トルエンスルホン酸を触媒量添加し、13時間還流脱水反応を行った後、反応溶液を冷却した。反応溶液中に析出した結晶をろ過して、少量のトルエンで洗浄後、乾燥して、式(g8)で表される化合物34.1gを得た。収率は81.2%であった。
【0180】
H−NMR(CDCl;内部標準物質テトラメチルシラン):δ(ppm)4.33(t,2H,J=6.9Hz);3.40(t,2H,J=6.9Hz);1.85(m,2H);1.78〜1.10(m,18H)
MS(ESI(−)Spectrum):M=421(C1424BrF=421.05)
【0181】
ついで、式(g8)で表される化合物34.1gをクロロホルム200gに溶解した。式(g9)で表される化合物の13.1%水溶液192gを加えて一晩室温で攪拌した。有機層をイオン交換水で洗浄、濃縮して、式(g10)で表される化合物48.7g(収率92.7%)を得た。
【0182】
H−NMR(DMSO−d;内部標準物質テトラメチルシラン):δ(ppm)7.87〜7.76(m,15H);4.17(t,2H,J=6.9Hz);3.50(t,2H,J=6.9Hz);1.75(m,2H);1.57(m,2H);1.37〜1.23(m,16H)
19F−NMR(DMSO−d、内部標準物質フルオロベンゼン):δ(ppm)−105.19
MS(ESI(−)Spectrum):M=421(C1424BrF=421.05)
MS(ESI(+)Spectrum):M=263(C1815=263.09)
【0183】
実施例2
樹脂(A2)の合成
【0184】
【0185】
p−ヒドロキシスチレンとメタアクリル酸2−エチル−2−アダマンチルとの共重合体(モル比=70:30、Mw=8369、Mw/Mn=1.99)15.8g、式(g10)で表される化合物(6.9g;0.1当量)及び炭酸カリウム(2.1g;0.15当量)を、アセトン100g中で3時間還流した。冷却後、2%シュウ酸水で中和希釈して、クロロホルムで抽出した。得られたクロロホルム層をイオン交換水で洗浄して、樹脂(A2)を14.3g得た。NMRによって求めた、得られた樹脂(A2)における構成比は、(b4):(b1):(b2)=10:60:30であった。
【0186】
実施例3
樹脂(A3)の合成
【0187】
【0188】
p−ヒドロキシスチレンとメタアクリル酸2−エチル−2−アダマンチルとの共重合体(モル比=50:50、Mw=8837、Mw/Mn=1.49)9.0g、式(g10)で表される化合物2.0g(0.06当量)、炭酸カリウム0.7g(0.1当量)及びトリエチルアミン0.01gを、アセトン50g中で2時間還流した。冷却後、1%シュウ酸水で中和希釈して、クロロホルムで抽出した。得られたクロロホルム層をイオン交換水で洗浄して、樹脂(A3)を7.5g得た。NMRによって求めた、得られた樹脂(A3)における構成比は、(b5):(b1):(b2)=5:45:50であった。
【0189】
合成例3 式(g15)で表される化合物の合成
【0190】
【0191】
式(g11)で表される化合物10g及び式(g12)で表される化合物7.5gをトルエン50gに加えて、トリフルオロメタンスルホン酸を触媒量添加した。10時間還流脱水反応を行って冷却した。反応溶液を濃縮して、式(g13)で表される化合物17.8gを得た。
【0192】
H−NMR(CDCl;内部標準物質テトラメチルシラン):δ(ppm)3.88〜3.63(12H)
MS(ESI(−)Spectrum):M=325(C12ClF=325.00)
【0193】
式(g13)で表される化合物17.8gをクロロホルム200gに溶解した。式(g14)で表される化合物の13.1%水溶液128.1gを加えて一晩室温で攪拌した。クロロホルム層をイオン交換水で洗浄、濃縮して、式(g15)で表される化合物18.0g(収率59.9%)を得た。
【0194】
H−NMR(DMSO−d;内部標準物質テトラメチルシラン):δ(ppm)7.78〜7.65(m,15H);3.79〜3.57(12H)
19F−NMR(DMSOd、内部標準物質フルオロベンゼン):δ(ppm)−106.50
MS(ESI(−)Spectrum):M=325(C12ClF=325.00)
MS(ESI(+)Spectrum):M=263(C1815=263.09)
【0195】
合成例4 式(g18)で表される化合物の合成
【0196】
式(g17)で表される化合物20.0gをクロロホルム120gに溶解した。式(g16)で表される化合物の10%水溶液210gを加えて一晩室温で攪拌した。有機層をイオン交換水で洗浄、濃縮して、式(g18)で表される化合物33.4g(収率87.1%)を得た。
【0197】
1H−NMR(CDCl−d;内部標準物質テトラメチルシラン):δ(ppm)7.71〜7.67(m,12H);4.26(t,2H,J=6.9Hz);3.41(t,2H,J=6.9Hz);1.86(m,2H);1.70(m,2H);1.46〜1.21(m,16H);1.33(s,27H)
19F−NMR(DMSO−d6、内部標準物質フルオロベンゼン) :δ(ppm) −106.03
MS(ESI(−)Spectrum):M 422,423(C1424BrF2−=421.05)
MS(ESI(+)Spectrum):M 431(C3039-=431.28)
【0198】
合成例5 式(g21)で表される化合物の合成
【0199】
【0200】
式(g20)で表される化合物15.0gをクロロホルム100gに溶解した。式(g19)で表される化合物9.7gを加えて一晩室温で攪拌した。反応溶液にイオン交換水20gを加えて、有機層を分液した。有機層をイオン交換水で洗浄、濃縮して、式(g21)で表される化合物12.4g(収率58.5%)を得た。
【0201】
1H−NMR(CDCl3−d;内部標準物質テトラメチルシラン):δ(ppm)7.99(d、2H,J=6.9Hz);7.60(t、1H,J=7.7Hz);7.45(t、2H,J=8.4Hz);5.35(s、2H);4.11(t,2H,J=6.9Hz);2.48〜2.43(m、4H);2.30〜2.26(m、4H);1.86(m,2H);1.60(m,2H);1.42(m、2H);1.28〜1.24(m,14H)
19F−NMR(DMSO−d6、内部標準物質フルオロベンゼン) :δ(ppm) −106.39
MS(ESI(−)Spectrum):M 422,423(C1424BrF2−=421.05)
MS(ESI(+)Spectrum):M 207(C1215OS+=207.08)
【0202】
合成例6 式(g26)で表される化合物の合成
【0203】
式(g22)で表される化合物27.1g(0.14モル)及び式(g23)で表される化合物36.8g(0.28モル)をトルエン206mlに加えて、p−トルエンスルホン酸を5.24g(28ミリモル)添加した。16時間還流脱水反応を行って冷却した。析出した結晶をろ過して、少量のトルエンで洗浄後、乾燥して、式(g24)で表される化合物31.5g(収率73.8%)を得た。
【0204】
H−NMR(CDCl;内部標準物質テトラメチルシラン):δ(ppm)4.558(t,2H,J=6.1Hz); 3.69(t,2H,J=6.1Hz)
13C−NMR(CDCl;内部標準物質CDCl):δ(ppm)161.957(t、J=30.3Hz);113.186(t,J=285.5Hz); 66.171;29.752
19F−NMR(DMSO−d6、内部標準物質フルオロベンゼン) :δ(ppm) −105.23
MS(ESI(−)Spectrum):M− 280.9、282.9(CBrF=280.894)
【0205】
ついで、式(g24)で表される化合物31.5g(0.10モル)をクロロホルム300gに懸濁した。式(g25)で表される化合物の12.0%水溶液258g(0.10モル)を加えて、25℃〜26℃で8時間攪拌した。有機層をイオン交換水で洗浄、濃縮して、得られた結晶をろ過した。結晶を少量のヘキサン/酢酸エチル(4/1)混合溶媒で洗浄して、式(g26)で表される化合物41.0g(収率72.8%)を得た。
【0206】
H−NMR(CDCl;内部標準物質テトラメチルシラン):δ(ppm)7.78〜7.69(15H);4.51(t,2H,J=6.1Hz); 3.51(t,2H,J=6.1Hz)
13C−NMR(CDCl;内部標準物質CDCl):δ(ppm)161.961(t、J=30.3Hz);134.348;131.325;130.803;123.983;113.116(t,J=286.8Hz); 65.181;27.026
19F−NMR(DMSO−d6、内部標準物質フルオロベンゼン) :δ(ppm) −106.06
MS(ESI(−)Spectrum):M− 280.9、282.9(CBrF=280.894)
MS(ESI(+)Spectrum):M=263.0(C1815=263.09)
【0207】
合成例7 式(g31)で表される化合物の合成
【0208】
式(g27)で表される化合物26.0g(0.131モル)及び式(g28)で表される化合物50.0g(0.262モル)をトルエン190mlに加えて、p−トルエンスルホン酸を4.55g(0.024モル)添加した。16時間還流脱水反応を行って冷却した。析出した結晶をろ過して、少量のトルエンで洗浄後、乾燥して、式(g29)で表される化合物32.6g(収率74.8%)を得た。
【0209】
H−NMR(CDCl;内部標準物質テトラメチルシラン):δ(ppm)4.26(t,2H,J=6.1Hz); 3.56(t,2H,J=6.1Hz);1.91(m,2H);1.75(m,2H)
13C−NMR(CDCl;内部標準物質CDCl):δ(ppm)162.145(t、J=30.3Hz);113.165(t,J=272.9Hz); 66.8051;34.689;28.685;26.719
19F−NMR(DMSO−d6、内部標準物質フルオロベンゼン) :δ(ppm) −105.42
MS(ESI(−)Spectrum):M− 308.9、310.9(CBrF=308.925)
【0210】
ついで、式(g29)で表される化合物32.6g(0.098モル)をクロロホルム300gに懸濁した。式(g30)で表される化合物の12.0%水溶液244g(0.098モル)を加えて25℃〜26℃で8時間攪拌した。有機層をイオン交換水で洗浄、濃縮して、得られた結晶をろ過した。結晶を少量のヘキサン/酢酸エチル(4/1)混合溶媒で洗浄して、式(g31)で表される化合物52.0g(収率92.6%)を得た。
【0211】
H−NMR(CDCl;内部標準物質テトラメチルシラン):δ(ppm)7.79〜7.70(15H);4.29(t,2H,J=6.2Hz); 3.40(t,2H,J=6.2Hz);1.98(m,2H);1.85(m,2H)
13C−NMR(CDCl;内部標準物質CDCl):δ(ppm)162.306(t、J=28.9Hz);134.303;131.284;130.813;124.004;113.116(t,J=286.8Hz); 65.307;33.238;28.333;26.482
19F−NMR(DMSO−d6、内部標準物質フルオロベンゼン) :δ(ppm) −106.11
MS(ESI(−)Spectrum):M− 308.9、310.9(CBrF=308.925)
MS(ESI(+)Spectrum):M=263(C1815=263.09)
【0212】
合成例9 樹脂(B1)の合成
樹脂における構成比が、(b1):(b2)=80:20である樹脂(B1)については、特開2003−107708号に準じて合成を行った。Mw=8165(ポリスチレン換算)、Mw/Mn=1.819。
【0213】
合成例9 樹脂(B2)の合成
樹脂における構成比が、(b1):(b2)=70:30である樹脂(B2)については、特開2003−107708号に準じて合成を行った。Mw=7345(ポリスチレン換算);Mw/Mn=1.916。
【0214】
合成例10 樹脂(B3)の合成
樹脂における構成比が、(b1):(b2)=50:50である樹脂(B3)については、特開2003−107708号に準じて合成を行った。Mw=8109(ポリスチレン換算);Mw/Mn=1.919。
【0215】
合成例11 樹脂(B4)の合成
樹脂における構成比が、(b1):(b6)=50:50である樹脂(B4)については、特開2003−107708号に準じて合成を行った。Mw=8369(ポリスチレン換算);Mw/Mn=1.990。
【0216】
合成例12 樹脂(B5)の合成
樹脂における構成比が、(b1):(b2):(b7)=60:30:10である樹脂(B5)については、特開2003−107708号に準じて合成を行った。Mw=9011(ポリスチレン換算);Mw/Mn=1.633。
【0217】
合成例13 樹脂(B6)の合成
樹脂における構成比が、(b1):(b2):(b8)=50:30:20である樹脂(B6)については、特開2003−107708号に準じて合成を行った。Mw=8820(ポリスチレン換算);Mw/Mn=1.703。
【0218】
合成例14 樹脂(B7)の合成
樹脂における構成比が、(b1):(b2):(b7):(b8)=40:30:10:20である樹脂(B7)については、特開2003−107708号に準じて合成を行った。Mw=9579(ポリスチレン換算);Mw/Mn=1.807。
【0219】
樹脂(B8)(p−ヒドロキシスチレンのホモポリマー)
樹脂(B8)は、日本曹達(株)から商品名VP2500として購入した。
【0220】
実施例4 樹脂(A4)の合成
樹脂(B4)14.8g、式(g10)で表される化合物3.0g、炭酸カリウム1.0g及びトリエチルアミン0.01gを、アセトン100g中で2時間還流した。冷却後、1%シュウ酸水で中和希釈して、クロロホルムで抽出した。得られたクロロホルム層をイオン交換水で洗浄して、樹脂(A4)を14.2g得た。NMRによって求めた、得られた樹脂(A4)における構成比は、(b4):(b1):(b6)=5:45:50であった。
【0221】
実施例5 樹脂(A5)の合成
樹脂(B5)4.6g、式(g26)で表される化合物1.7g、炭酸カリウム0.65g及びピリジン0.01gを、無水N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)50g中で一晩室温で攪拌した。反応液を1%シュウ酸水で中和希釈して、クロロホルムで抽出した。得られたクロロホルム層をイオン交換水で洗浄して、樹脂(A5)を3.5g得た。NMRによって求めた、得られた樹脂(A5)における構成比は、(b9):(b1):(b2):(b7)5:55:30:10であった。
【0222】
実施例6 樹脂(A6)の合成
樹脂(B8)1.0gと式(g31)で表される化合物5.5g(1当量)、炭酸カリウム4.0g(3当量)及びトリエチルアミン0.01g(触媒量)を、無水アセトニトリル50g中で2時間還流した。冷却後、1%シュウ酸水で中和希釈して、クロロホルムで抽出した。得られたクロロホルム層をイオン交換水で洗浄して、樹脂(A6)を4.0g得た。
【0223】
実施例7 樹脂(A7)の合成
樹脂(B7)3.0gと式(g26)で表される化合物0.8g、及びトリエチルアミン0.3gを、無水テトラヒドロフラン(THF)20g中で3時間還流した。冷却後、1%シュウ酸水で中和希釈して、クロロホルムで抽出した。得られたクロロホルム層をイオン交換水で洗浄して、濃縮した。得られた油状物質をヘキサン100gで希釈して、樹脂(A7)を14.2g得た。NMRによって求めた、得られた樹脂(A7)における構成比は、(b9):(b1):(b2):(b7):(b8)=8:32:30:10:20であった。
【0224】
実施例8 樹脂(A8)の合成
樹脂(B3)の酢酸2−メトキシ−1−メチルエチル溶液23.2g(31.28%;純分7.26g)と式(g31)で表される化合物2.4g、炭酸カリウム0.9g及びトリエチルアミン0.01gを、無水DMF10g中で24℃〜25℃で7.5時間攪拌した。反応溶液を1%シュウ酸水で中和希釈して、クロロホルムで抽出した。得られたクロロホルム層をイオン交換水で洗浄して、濃縮した。得られた油状物質をヘキサン100gで希釈して、晶析した。析出物をろ過して、少量のヘキサンで洗浄して、乾燥して、樹脂(A8)を9.3g得た。NMRによって求めた、得られた樹脂(A8)における構成比は、(b10):(b1):(b2)=5:45:50であった。
【0225】
実施例9 樹脂(A9)の合成
樹脂(B2)3.9g、式(g21)で表される化合物5.0g、炭酸カリウム0.5g及びトリエチルアミン0.01gを、無水DMF30g中で24℃〜25℃で7時間攪拌した。反応溶液を1%シュウ酸水で中和希釈して、クロロホルムで抽出した。得られたクロロホルム層をイオン交換水で洗浄して、濃縮した。得られた油状物質をヘキサン100gで希釈して、晶析した。析出物をろ過して、少量のヘキサンで洗浄して、乾燥して、樹脂(A9)を5.3g得た。NMRによって求めた、得られた樹脂(A9)における構成比は、(b11):(b1):(b2)=20:50:30であった。
【0226】
実施例10 樹脂(A10)の合成
樹脂(B2)3.45g、式(g18)で表される化合物10.0g、炭酸カリウム1.2g及びトリエチルアミン0.01gを、無水DMF30g中で24℃〜25℃で8時間攪拌した。反応溶液を1%シュウ酸水で中和希釈して、クロロホルムで抽出した。得られたクロロホルム層をイオン交換水で洗浄して、濃縮した。得られた油状物質をヘキサン100gで希釈して、晶析した。析出物をろ過して、少量のヘキサンで洗浄して、乾燥して、樹脂(A10)を8.8g得た。NMRによって求めた、得られた樹脂(A10)における構成比は、(b12):(b1):(b2)=35:35:30であった。
【0227】
実施例11 樹脂(A11)の合成
樹脂(B6)1.5gと式(g31)で表される化合物1.1g、炭酸カリウム0.4g及びトリエチルアミン0.01gを、無水DMF20g中で24℃〜25℃で8時間攪拌した。反応溶液を1%シュウ酸水で中和希釈して、クロロホルムで抽出した。得られたクロロホルム層をイオン交換水で洗浄して、濃縮した。得られた油状物質をヘキサン100gで希釈して、晶析した。析出物をろ過して、少量のヘキサンで洗浄して、乾燥して、樹脂(A11)を1.9g得た。NMRによって求めた、得られた樹脂(A11)における構成比は、(b10):(b1):(b2):(b8)=20:30:30:20であった。
【0228】
実施例12〜20
化学増幅型フォトレジスト組成物の調製
表1に示す組成物1〜4を調製した。
【0229】
<樹脂>
樹脂A1〜A4、B2、B4
<クエンチャー>
クエンチャーQ1:2,6−ジイソプロピルアニリン
クエンチャーQ2:テトラブチルアンモニウムヒドロキシド
<溶剤>
溶媒S1:
プロピレングリコールモノメチルエーテル 450部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 40部
γ−ブチロラクトン 5部
溶媒S2:
プロピレングリコールモノメチルエーテル 420部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 60部
【0230】
以下の表1に示すように各成分を混合して溶解し、さらに孔径0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過して、各化学増幅型フォトレジスト組成物を調製した。
【0231】
[表1]
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
組成物No. 樹脂 光酸発生剤 クエンチャー 溶剤
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
組成物1 A1/B2=7.5部/2.5部 なし Q1/Q2=0.05部/0.01部 溶媒S1
組成物2 A1/B2=5部/5部 なし Q1/Q2=0.05部/0.01部 溶媒S1
組成物3 A2/B2=5部/5部 なし Q1/Q2=0.075部/0.005部 溶媒S2
組成物4 A2/B2=3部/7部 なし Q1/Q2=0.075部/0.005部 溶媒S2
組成物5 A3=10部 なし Q1/Q2=0.075部/0.005部 溶媒S2
組成物6 A3/B2=7.5部/2.5部 なし Q1/Q2=0.075部/0.005部 溶媒S2
組成物7 A3/B2=5部/5部 なし Q1/Q2=0.075部/0.005部 溶媒S2
組成物8 A4=10部 なし Q1/Q2=0.075部/0.005部 溶媒S2
組成物9 A4/B4=7.5部/2.5部 なし Q1/Q2=0.075部/0.005部 溶媒S2
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0232】
シリコンウェハーを、ダイレクトホットプレート上にて、ヘキサメチルジシラザンを用いて90℃で60秒処理した上で、組成物1〜4を、その乾燥後の膜厚が0.06μmとなるようにスピンコートした。化学増幅型フォトレジスト組成物塗布後は、ダイレクトホットプレート上にて、表2の「PB」の欄に示す温度で60秒間プリベークした。こうしてレジスト膜を形成したそれぞれのシリコンウェハーに、電子線描画機(HL−800D;(株)日立製作所製;加速電圧50keV)を用い、露光量を段階的に変化させて、ラインアンドスペースパターンを露光した。
露光後は、ホットプレート上にて表2の「PEB」の欄に示す温度で60秒間ポストエキスポジャーベークを行い、さらに2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間のパドル現像を行った。
シリコンウェハー上のもので現像後のパターンを走査型電子顕微鏡で観察し、その結果を表2に示した。
【0233】
実効感度:0.08μmのラインアンドスペースパターンが1:1となる露光量で表示した。
解像度:実効感度の露光量で分離するラインアンドスペースパターンの最小寸法で表示した。
【0234】
[表2]
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
例 組成物No. PB PEB 実効感度 解像度
(μC) (nm)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
実施例12 組成物1 110℃ 110℃ 5.4 70
実施例13 組成物2 110℃ 105℃ 20 60
実施例14 組成物3 100℃ 100℃ 18 60
実施例15 組成物4 100℃ 100℃ 44 60
実施例16 組成物5 100℃ 100℃ 12 60
実施例17 組成物6 100℃ 100℃ 46 60
実施例18 組成物7 100℃ 100℃ 84 50
実施例19 組成物8 100℃ 100℃ 22 60
実施例20 組成物9 100℃ 100℃ 34 60
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0235】
いずれの実施例も、実効感度及び解像度が良好であった。
【0236】
実施例21〜27
化学増幅型フォトレジスト組成物の調製
表3に示す組成物5〜11を調製した。
【0237】
<樹脂>
樹脂A5、A7、A8、B2
<光酸発生剤>
光酸発生剤P1:
トリフェニルスルホニウム 4−オキソ−1−アダマンチルオキシカルボニルジフルオロメタンスルホナートを、特開2007−224008号に記載の方法に従って合成した。
【0238】
<クエンチャー>
クエンチャーQ1:2,6−ジイソプロピルアニリン
クエンチャーQ3:トリス〔2−(2−メトキシエトキシ)エチル〕アミン
<溶剤>
溶媒S3:
プロピレングリコールモノメチルエーテル 450部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 150部
γ−ブチロラクトン 5部
【0239】
次いで、以下の表3に示すように各成分を混合して溶解し、さらに孔径0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過して、各化学増幅型フォトレジスト組成物を調製した。
【0240】
[表3]
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
組成物No. 樹脂 光酸発生剤 クエンチャー 溶剤
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
組成物10 A5=10部 なし なし 溶媒S3
組成物11 A7=10部 なし Q1=0.075部 溶媒S3
組成物12 A8=10部 なし Q1=0.075部 溶媒S3
組成物13 A8=10部 P1=0.75 Q1=0.075部 溶媒S3
組成物14 A8=10部 P1=0.75 Q1/Q3=0.05部/0.05部 溶媒S3
組成物15 A5/A8=5部/5部 なし Q1=0.03部 溶媒S3
組成物16 A5/B2=5部/5部 P1=0.75 Q1=0.03部 溶媒S3
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0241】
シリコンウェハーに日産化学工業株式会社製の有機反射防止膜用組成物である“DUV−42”を塗布して215℃、60秒の条件でベークすることによって厚さ600Åの有機反射防止膜を形成させ、次いでこの上に、組成物5〜11を、その乾燥後の膜厚が0.06μmとなるようにスピンコートした。化学増幅型フォトレジスト組成物塗布後は、ダイレクトホットプレート上にて、表2の「PB」の欄に示す温度で60秒間プリベークした。こうしてレジスト膜を形成したそれぞれのシリコンウェハーに、KrFエキシマレーザーステッパー〔(株)ニコン製の“NSR−2205EX12B”、NA=0.55〕を用い、露光量を段階的に変化させてラインアンドスペースパターンを露光した。露光後は、ホットプレート上にて表4の「PEB」の欄に示す温度で60秒間ポストエキスポジャーベークを行い、さらに2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間のパドル現像を行った。
現像後のパターンを走査型電子顕微鏡で観察し、その結果を表4に示した。
【0242】
実効感度:0.2μmのラインアンドスペースパターンが1:1となる露光量で表示した。
解像度:実効感度の露光量で分離するラインアンドスペースパターンの最小寸法で表示した。
【0243】
[表4]
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
例 組成物No. PB PEB 実効感度 解像度
(mJ/cm2) (nm)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
実施例21 組成物10 100℃ 100℃ 49 160
実施例22 組成物11 100℃ 100℃ 34 160
実施例23 組成物12 100℃ 100℃ 28 170
実施例24 組成物13 100℃ 100℃ 17 170
実施例25 組成物14 100℃ 100℃ 15 170
実施例26 組成物15 100℃ 100℃ 23 170
実施例27 組成物16 100℃ 100℃ 25 170
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0244】
いずれの実施例も、実効感度及び解像度が良好であった。
【0245】
組成物1の樹脂(A1)を樹脂(A4)に変更すること以外は、実施例12と同様にして、パターンを得ることができる。
【0246】
組成物1の樹脂(A1)を樹脂(A6)に変更すること以外は、実施例12と同様にして、パターンを得ることができる。
【0247】
組成物1の樹脂(A1)を樹脂(A9)に変更すること以外は、実施例12と同様にして、パターンを得ることができる。
【0248】
組成物1の樹脂(A1)を樹脂(A10)に変更すること以外は、実施例12と同様にして、パターンを得ることができる。
【0249】
組成物1の樹脂(A1)を樹脂(A11)に変更すること以外は、実施例12と同様にして、パターンを得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0250】
本発明の特定の樹脂を含有する化学増幅型フォトレジスト組成物は、実効感度及び解像度が良好であり、KrFリソフラフィー、波長13nm付近の極端紫外光(EUV)あるいはX線、電子線等の光源を用いる電子線リソグラフィー又はEUVリソグラフィーに有用であり、該樹脂は当該用途に好適に用いられる。