(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記式(2)で表される構成単位の含有量が、高分子化合物中に含まれる全構成単位に対して、30〜70モル%である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の高分子化合物。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本明細書において共通して用いられる用語について、必要に応じて例を挙げて説明する。
【0010】
本明細書中、「Me」はメチル基を示し、「Et」はエチル基を示し、「Ph」はフェニル基を示し、「t−Bu」は、tert−ブチル基を示し、「n−Bu」は、n−ブチル基を示し、「n−Hex」は、n−ヘキシル基を示し、「n−Oct」は、n−オクチル基を示す。
【0011】
「構成単位」とは、高分子化合物中に1個以上存在する単位構造を意味する。「構成単位」は、「繰り返し単位(すなわち、高分子化合物中に2個以上存在する単位構造)」として高分子化合物中に含まれることが好ましい。
【0012】
「C
x〜C
y」(x、yはx<yを満たす正の整数である。)という用語は、この用語の直後に記載された官能基名に該当する部分構造の炭素原子数が、x〜y個であることを意味する。すなわち、「C
x〜C
y」の直後に記載された有機基が、複数の官能基名を組み合わせて命名された有機基(例えば、C
x〜C
yアルコキシフェニル基)である場合、複数の官能基名のうち「C
x〜C
y」の直後に記載された官能基名(例えば、アルコキシ)に該当する部分構造の炭素原子数が、x〜y個であることを意味する。例えば、「C
1〜C
12アルキル基」は炭素原子数が1〜12個であるアルキル基を意味し、「C
1〜C
12アルコキシフェニル基」は「炭素原子数が1〜12個であるアルコキシ基」を有するフェニル基を意味する。
【0013】
本明細書中、「非置換若しくは置換の」という用語は、この用語の直後に記載された官能基が置換基を有していてもよいことを意味する。例えば、「非置換若しくは置換のアルキル基」は、「非置換のアルキル基若しくは置換基を有するアルキル基」を意味する。
【0014】
置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アルケニル基、アルキニル基、アミノ基、シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、オキシカルボニル基、1価の複素環基、複素環オキシ基、複素環チオ基、イミン残基、アミド化合物残基、酸イミド残基、カルボキシル基、ヒドロキシ基、ニトロ基およびシアノ基等が挙げられる。これらの基は、上記から選ばれる置換基をさらに有していてもよい。
【0015】
「アルキル基」は、置換基を有していてもよく、直鎖状アルキル基、分岐状アルキル基および環状アルキル基(シクロアルキル基)のいずれであってもよい。直鎖状アルキル基の炭素原子数は、特記しない限り、置換基の炭素原子数を含めずに、好ましくは1〜20、より好ましくは1〜15、さらに好ましくは1〜12である。分岐状アルキル基および環状アルキル基の炭素原子数は、特記しない限り、置換基の炭素原子数を含めずに、好ましくは3〜20、より好ましくは3〜15、さらに好ましくは3〜12である。
アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソアミル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基、ドデシル基が挙げられる。
【0016】
「アルコキシ基」は、置換基を有していてもよく、直鎖状アルコキシ基、分岐状アルコキシ基および環状アルコキシ基(シクロアルコキシ基)のいずれであってもよい。直鎖状アルコキシ基の炭素原子数は、特記しない限り、置換基の炭素原子数を含めずに、好ましくは1〜20、より好ましくは1〜15、さらに好ましくは1〜12である。分岐状アルコキシ基および環状アルコキシ基の炭素原子数は、特記しない限り、置換基の炭素原子数を含めずに、好ましくは3〜20、より好ましくは3〜15、さらに好ましくは3〜12である。
アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、ドデシルオキシ基が挙げられる。
【0017】
「アルキルチオ基」は、置換基を有していてもよく、直鎖状アルキルチオ基、分子鎖状アルキルチオ基および環状アルキルチオ基(シクロアルキルチオ基)のいずれであってもよい。直鎖状アルキルチオ基の炭素原子数は、特記しない限り、置換基の炭素原子数を含めずに、好ましくは1〜20、より好ましくは1〜15、さらに好ましくは1〜12である。分岐状アルキルチオ基および環状アルキルチオ基の炭素原子数は、特記しない限り、置換基の炭素原子数を含めずに、好ましくは3〜20、より好ましくは3〜15、さらに好ましくは3〜12である。
アルキルチオ基としては、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、ブチルチオ基、イソブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、シクロヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、ノニルチオ基、デシルチオ基、3,7−ジメチルオクチルチオ基、ドデシルチオ基が挙げられる。
【0018】
「アリール基」は、芳香族炭化水素から環を構成する炭素原子に直接結合した水素原子1個を除いた残りの原子団である。アリール基は、置換基を有していてもよく、アリール基としては、ベンゼン環を有する基および縮合環を有する基が含まれる。アリール基の炭素原子数は、特記しない限り、置換基の炭素原子数を含めずに、好ましくは6〜60、より好ましくは6〜48、さらに好ましくは6〜30である。
アリール基としては、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基、2−フルオレニル基が挙げられる。
【0019】
「アリールオキシ基」は、−O−Ar
11で表される基(Ar
11は、上記アリール基を表す。)であり、Ar
11におけるアリール基は置換基を有していてもよい。アリールオキシ基の炭素原子数は、特記しない限り、置換基の炭素原子数を含めずに、好ましくは6〜60、より好ましくは6〜48、さらに好ましくは6〜30である。
アリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、1−アントラセニルオキシ基、2−アントラセニルオキシ基、9−アントラセニルオキシ基、2−フルオレニルオキシ基が挙げられる。
【0020】
「アリールチオ基」は、−S−Ar
12で表される基(Ar
12は、上記アリール基を表す。)であり、Ar
12におけるアリール基は置換基を有していてもよい。アリールチオ基の炭素原子数は、特記しない限り、置換基の炭素原子数を含めずに、好ましくは6〜60、より好ましくは6〜48、さらに好ましくは6〜30である。
アリールチオ基としては、例えば、フェニルチオ基、1−ナフチルチオ基、2−ナフチルチオ基、1−アントラセニルチオ基、2−アントラセニルチオ基、9−アントラセニルチオ基、2−フルオレニルチオ基が挙げられる。
【0021】
「アルケニル基」は、置換基を有していてもよく、直鎖状アルケニル基、分岐状アルケニル基および環状アルケニル基のいずれであってもよい。直鎖状アルケニル基の炭素原子数は、特記しない限り、置換基の炭素原子数を含めずに、好ましくは2〜20、より好ましくは2〜15、さらに好ましくは2〜10である。分岐状アルケニル基および環状アルケニル基の炭素原子数は、特記しない限り、置換基の炭素原子数を含めずに、好ましくは3〜20、より好ましくは3〜15、さらに好ましくは3〜10である。
アルケニル基としては、例えば、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、1−オクテニル基が挙げられる。
【0022】
「アルキニル基」は、置換基を有していてもよく、直鎖状アルキニル基、分岐状アルキニル基および環状アルキニル基のいずれであってもよい。直鎖状アルキニル基の炭素原子数は、特記しない限り、置換基の炭素原子数を含めずに、好ましくは2〜20、より好ましくは2〜15、さらに好ましくは2〜10である。分岐状アルキニル基および環状アルキニル基の炭素原子数は、特記しない限り、置換基の炭素原子数を含めずに、好ましくは3〜20、より好ましくは3〜15、さらに好ましくは3〜10である。
アルキニル基としては、例えば、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、1−ペンチニル基、2−ペンチニル基、1−ヘキシニル基、2−ヘキシニル基、1−オクチニル基が挙げられる。
【0023】
「アミノ基」は、置換基を有していてもよく、好ましくはアルキル基、アリール基、アリールアルキル基および1価の複素環基からなる群から選ばれる1個または2個の置換基で置換されたアミノ基(以下、「置換アミノ基」ということがある。)である。該置換基はさらに置換基(以下、有機基の有する置換基が、さらに有する置換基を、「二次置換基」ということがある。)を有していてもよい。置換アミノ基の炭素原子数は、二次置換基の炭素原子数を含めずに、好ましくは1〜60、より好ましくは2〜48、さらに好ましくは2〜40である。
【0024】
置換アミノ基としては、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、プロピルアミノ基、ジプロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、sec−ブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、ヘプチルアミノ基、オクチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ノニルアミノ基、デシルアミノ基、3,7−ジメチルオクチルアミノ基、ドデシルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、ジシクロペンチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基、ジトリフルオロメチルアミノ基、フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、C
1〜C
12アルコキシフェニルアミノ基、ビス(C
1〜C
12アルコキシフェニル)アミノ基、C
1〜C
12アルキルフェニルアミノ基、ビス(C
1〜C
12アルキルフェニル)アミノ基、1−ナフチルアミノ基、2−ナフチルアミノ基、ペンタフルオロフェニルアミノ基、ピリジルアミノ基、ピリダジニルアミノ基、ピリミジニルアミノ基、ピラジニルアミノ基、トリアジニルアミノ基、フェニル−C
1〜C
12アルキルアミノ基、C
1〜C
12アルコキシフェニル−C
1〜C
12アルキルアミノ基、ジ(C
1〜C
12アルコキシフェニル−C
1〜C
12アルキル)アミノ基、C
1〜C
12アルキルフェニル−C
1〜C
12アルキルアミノ基、ジ(C
1〜C
12アルキルフェニル−C
1〜C
12アルキル)アミノ基、1−ナフチル−C
1〜C
12アルキルアミノ基、2−ナフチル−C
1〜C
12アルキルアミノ基等が挙げられる。
【0025】
「シリル基」は、置換基を有していてもよく、好ましくはアルキル基、アリール基、アリールアルキル基および1価の複素環基から選ばれる1個〜3個の置換基で置換されたシリル基(以下、「置換シリル基」ということがある。)である。置換基は二次置換基を有していてもよい。置換シリル基の炭素原子数は、二次置換基の炭素原子数を含めないで、好ましくは1〜60、より好ましくは3〜48、さらに好ましくは3〜40である。
【0026】
置換シリル基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリプロピルシリル基、トリ−イソプロピルシリル基、ジメチル−イソプロピルシリル基、ジエチル−イソプロピルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、ペンチルジメチルシリル基、ヘキシルジメチルシリル基、ヘプチルジメチルシリル基、オクチルジメチルシリル基、2−エチルヘキシル−ジメチルシリル基、ノニルジメチルシリル基、デシルジメチルシリル基、3,7−ジメチルオクチル−ジメチルシリル基、ドデシルジメチルシリル基、フェニル−C
1〜C
12アルキルシリル基、C
1〜C
12アルコキシフェニル−C
1〜C
12アルキルシリル基、C
1〜C
12アルキルフェニル−C
1〜C
12アルキルシリル基、1−ナフチル−C
1〜C
12アルキルシリル基、2−ナフチル−C
1〜C
12アルキルシリル基、フェニル−C
1〜C
12アルキルジメチルシリル基、トリフェニルシリル基、トリ−p−キシリルシリル基、トリベンジルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基等が挙げられる。
【0027】
「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を表し、フッ素原子が好ましい。
【0028】
「アシル基」としては、例えば、−C(=O)−R
44(R
44は、上記アルキル基、上記アリール基または後述する1価の複素環基を表す。)で表される基が挙げられる。R
44におけるアルキル基、アリール基および1価の複素環基は置換基を有していてもよい。アシル基の炭素原子数は、特記しない限り、置換基の炭素原子数を含めずに、好ましくは2〜20、より好ましくは2〜18、さらに好ましくは2〜16である。
アシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ピバロイル基、ベンゾイル基が挙げられる。また、置換基を有するアシル基としては、置換基としてハロゲン原子を有するアシル基(例えば、トリフルオロアセチル基、ペンタフルオロベンゾイル基)等が挙げられる。
【0029】
「アシルオキシ基」としては、例えば、−O−C(=O)−R
45(R
45は、上記アルキル基、上記アリール基または後述する1価の複素環基を表す。)で表される基が挙げられる。R
45におけるアルキル基、アリール基および1価の複素環基は置換基を有していてもよい。アシルオキシ基の炭素原子数は、特記しない限り、置換基の炭素原子数を含めずに、好ましくは2〜20、より好ましくは2〜18、さらに好ましくは2〜16である。
アシルオキシ基としては、例えば、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基が挙げられる。また、置換基を有するアシルオキシ基としては、置換基としてハロゲン原子を有するアシルオキシ基(例えば、トリフルオロアセチルオキシ基、ペンタフルオロベンゾイルオキシ基)等が挙げられる。
【0030】
「オキシカルボニル基」としては、−C(=O)−O−R
46(R
46は、上記アルキル基、上記アリール基または後述する1価の複素環基を表す。)で表される基が挙げられる。R
46におけるアルキル基、アリール基および1価の複素環基は置換基を有していてもよい。オキシカルボニル基の炭素原子数は、特記しない限り、置換基の炭素原子数を含めずに、好ましくは2〜20、より好ましくは2〜18、さらに好ましくは2〜16である。
【0031】
「1価の複素環基」は、複素環式化合物から水素原子1個を除いた残りの原子団である。1価の複素環基は置換基を有していてもよく、1価の複素環基としては単環の基および縮合環を有する基が含まれる。1価の複素環基の炭素原子数は、特記しない限り、置換基の炭素原子数を含めずに、好ましくは2〜60、より好ましくは3〜30、さらに好ましくは4〜20である。
【0032】
複素環式化合物とは、環式構造をもつ有機化合物のうち、環を構成する元素として、炭素原子だけでなく、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子、ホウ素原子、ケイ素原子、セレン原子、テルル原子、ヒ素原子等のヘテロ原子を含むものをいう。
【0033】
1価の複素環基としては、1価の芳香族複素環基が好ましい。1価の芳香族複素環基は、芳香族複素環式化合物から水素原子1個を除いた残りの原子団である。芳香族複素環式化合物としては、例えば、オキサジアゾール、チアジアゾール、チアゾール、オキサゾール、チオフェン、ピロール、ホスホール、フラン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、トリアジン、ピリダジン、キノリン、イソキノリン、カルバゾール、ジベンゾホスホール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン等のヘテロ原子を含む複素環自体が芳香族性を示す化合物、および、フェノキサジン、フェノチアジン、ジベンゾボロール、ジベンゾシロール、ベンゾピラン等のヘテロ原子を含む複素環それ自体は芳香族性を示さなくとも、該複素環に芳香環が縮環されている化合物が挙げられる。
【0034】
「複素環オキシ基」は、−O−Ar
13(Ar
13は上記1価の複素環基を表す。)であり、Ar
13における1価の複素環基は置換基を有していてもよい。複素環オキシ基の炭素原子数は、特記しない限り、置換基の炭素原子数を含めずに、好ましくは2〜60、より好ましくは3〜30、さらに好ましくは4〜20である。
複素環オキシ基としては、例えば、ピリジルオキシ基、ピリダジニルオキシ基、ピリミジニルオキシ基、ピラジニルオキシ基、トリアジニルオキシ基が挙げられる。
【0035】
「複素環チオ基」は、−S−Ar
14(Ar
14は上記1価の複素環基を表す。)であり、Ar
14における1価の複素環基は置換基を有していてもよい。複素環チオ基の炭素原子数は、特記しない限り、置換基の炭素原子数を含めずに、好ましくは2〜60、より好ましくは3〜30、さらに好ましくは4〜20である。
複素環チオ基としては、例えば、ピリジルチオ基、ピリダジニルチオ基、ピリミジニルチオ基、ピラジニルチオ基、トリアジニルチオ基が挙げられる。
【0036】
「イミン残基」は、式:H−N=C(R
47)
2または式:H−C(R
48)=N−R
49で表されるイミン化合物から、該式中の「H」を除いた残基を意味する。式中、R
47、R
48およびR
49は、それぞれ独立に、上記アルキル基、上記アリール基、上記アルケニル基、上記アルキニル基または上記1価の複素環基を表す。R
47、R
48およびR
49におけるアルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基および1価の複素環基は、置換基を有していてもよい。複数存在するR
47は、互いに同一でも異なっていてもよく、互いに連結して環構造を形成してもよい。
イミン残基としては、例えば、以下の構造式で示される基が挙げられる。
【0037】
【化5】
[この文献は図面を表示できません]
【0038】
「アミド化合物残基」は、式:H−N(R
50)−C(=O)R
51または式:H−C(=O)−N(R
52)
2で表されるアミド化合物から、該式中の「H」を除いた残基を意味する。式中、R
50、R
51およびR
52は、それぞれ独立に、水素原子、上記アルキル基、上記アリール基、上記アルケニル基、上記アルキニル基または上記1価の複素環基を表す。R
50、R
51およびR
52におけるアルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基および1価の複素環基は、置換基を有していてもよい。複数存在するR
52は互いに同一でも異なっていてもよく、互いに連結して環構造を形成していてもよい。
アミド化合物残基としては、例えば、ホルムアミド残基、アセトアミド残基、プロピオアミド残基、ブチロアミド残基、ベンズアミド残基、トリフルオロアセトアミド残基、ペンタフルオロベンズアミド残基、ジホルムアミド残基、ジアセトアミド残基、ジプロピオアミド残基、ジブチロアミド残基、ジベンズアミド残基、ジトリフルオロアセトアミド残基、ジペンタフルオロベンズアミド残基が挙げられる。
【0039】
「酸イミド残基」は、酸イミドからその窒素原子に直接結合した水素原子1個を除いて得られる残基を意味する。酸イミド残基の炭素原子数は、好ましくは4〜20、より好ましくは4〜18、さらに好ましくは4〜16である。
酸イミド残基としては、例えば以下の構造式で示される基が挙げられる。
【0040】
【化6】
[この文献は図面を表示できません]
【0041】
「非置換若しくは置換のアルキル基」としては、非置換のアルキル基および上記置換基を有するアルキル基が挙げられる。ここでアルキル基が有する置換基は、特記しない限り、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、複素環オキシ基およびハロゲン原子から選ばれる置換基であることが好ましい。
【0042】
「非置換若しくは置換のアリール基」としては、非置換のアリール基および上記置換基を有する上記アリール基が挙げられる。ここでアリール基が有する置換基は、特記しない限り、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、複素環オキシ基およびハロゲン原子から選ばれる置換基であることが好ましい。
【0043】
「非置換若しくは置換の1価の複素環基」としては、非置換の1価の複素環基および上記置換基を有する1価の複素環基が挙げられる。ここで1価の複素環基が有する置換基は、特記しない限り、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、複素環オキシ基およびハロゲン原子から選ばれる置換基であることが好ましい。
【0044】
「非置換若しくは置換のアリーレン基」としては、非置換のアリーレン基および上記置換基を有するアリーレン基が挙げられる。ここでアリーレン基が有する置換基は、特記しない限り、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、複素環オキシ基およびハロゲン原子から選ばれる置換基であることが好ましい。
【0045】
「アリーレン基」は、芳香族炭化水素(好ましくは、無置換の芳香族炭素環)から環を構成する炭素原子に直接結合した水素原子2個を除いた残りの原子団である。アリーレン基は、置換基を有していてもよく、アリーレン基には、ベンゼン環を有する基および縮合環を有する基が含まれる。アリーレン基の炭素原子数は、特記しない限り、置換基の炭素原子数を含めずに、好ましくは6〜60、より好ましくは6〜48、さらに好ましくは6〜30である。
アリーレン基としては、例えば、1,4−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,2−フェニレン基等のフェニレン基;1,4−ナフタレンジイル基、1,5−ナフタレンジイル基、2,6−ナフタレンジイル、2,7−ナフタレンジイル基等のナフタレンジイル基;1,4−アントラセンジイル基、1,5−アントラセンジイル基、2,6−アントラセンジイル基、9,10−アントラセンジイル基等のアントラセンジイル基;2,7−フェナントレンジイル基等のフェナントレンジイル基;9,10−ジヒドロフェナントレン−2,7−ジイル基等のジヒドロフェナントレンジイル基;1,7−ナフタセンジイル基、2,8−ナフタセンジイル基、5,12−ナフタセンジイル基等のナフタセンジイル基;2,7−フルオレンジイル基、3,6−フルオレンジイル基等のフルオレンジイル基;1,6−ピレンジイル基、1,8−ピレンジイル基、2,7−ピレンジイル基、4,9−ピレンジイル基等のピレンジイル基;3,8−ペリレンジイル基、3,9−ペリレンジイル基、3,10−ペリレンジイル基等のペリレンジイル基;9,9’−スピロフルオレン−2,7−ジイル基、9,9’−スピロフルオレン−3,6−ジイル基、9,9’−スピロフルオレン−2,2’−ジイル基等のスピロフルオレンジイル基が挙げられる。
【0046】
「非置換若しくは置換の2価の複素環基」としては、非置換の2価の複素環基および上記置換基を有する2価の複素環基が挙げられる。ここで、2価の複素環基が有する置換基は、特記しない限り、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、複素環オキシ基およびハロゲン原子から選ばれる置換基であることが好ましい。
【0047】
「2価の複素環基」は、複素環式化合物から水素原子2個を除いた残りの原子団である。2価の複素環基は置換基を有していてもよく、2価の複素環基には、単環の基および縮合環の基が含まれる。2価の複素環基の炭素原子数は、特記しない限り、置換基の炭素原子数を含めずに、好ましくは2〜60、より好ましくは3〜30、さらに好ましくは4〜20である。
【0048】
2価の複素環基としては、2価の芳香族複素環基が好ましい。2価の芳香族複素環基は、芳香族複素環式化合物から水素原子2個を除いた残りの原子団である。
【0049】
2価の複素環基としては、例えば、2,5−ピリジンジイル基、2,6−ピリジンジイル基等のピリジンジイル基;2,6−キノリンジイル基等のキノリンジイル基;1,4−イソキノリンジイル基、1,5−イソキノリンジイル基等のイソキノリンジイル基;5,8−キノキサリンジイル基等のキノキサリンジイル基;2,1,3−ベンゾチアジアゾール−4,7−ジイル基等の2,1,3−ベンゾチアジアゾール基;4,7−ベンゾチアゾールジイル基等のベンゾチアゾールジイル基;2,7−ジベンゾシロールジイル基等のジベンゾシロールジイル基;ジベンゾフラン−4,7−ジイル基、ジベンゾフラン−3,8−ジイル基等のジベンゾフランジイル基;ジベンゾチオフェン−4,7−ジイル基、ジベンゾチオフェン−3,8−ジイル基等のジベンゾチオフェンジイル基が挙げられる。
【0050】
「アリーレン基および2価の複素環基から選ばれる同一若しくは異なる2以上の基が連結した2価の基」としては、例えば、2,7−ビフェニリレン基、3,6−ビフェニリレン基等のビフェニリレン基のように、アリーレン基および2価の複素環基から選ばれる2個の基が単結合で連結した2価の基が挙げられる。該2価の基は置換基を有していてもよく、該2価の基が有する置換基は、特記しない限り、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、複素環オキシ基およびハロゲン原子から選ばれる置換基であることが好ましい。
【0051】
以下、本発明の高分子化合物、並びに該高分子化合物を含む組成物、有機薄膜、不溶化有機薄膜、発光素子、面状光源および表示装置の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0052】
(高分子化合物)
本実施形態に係る高分子化合物は、下記式(1)で表される構成単位と、下記式(2)で表される構成単位と、下記式(3)で表される構成単位および/または下記式(4’)で表される構成単位と、を含む。該高分子化合物は、これらの構成単位を有することにより、発光効率に優れる発光素子の製造に有用なものとなる。
【0053】
本実施形態に係る高分子化合物は、共役系高分子化合物であることが好ましい。ここで、「共役系高分子化合物」とは、主鎖骨格上に共役系が広がった高分子化合物であり、ポリフルオレン、ポリフェニレン等のアリーレン基を繰り返し単位とするポリアリーレン;ポリチオフェン、ポリジベンゾフラン等の2価のヘテロ芳香族基を繰り返し単位とするポリへテロアリーレン;ポリフェニレンビニレン等のポリアリーレンビニレン、または、それらの構成単位が組み合わされた共重合体が例示される。また、主鎖内にヘテロ原子等を構成単位中に含んでいても実質的に共役がつながるものであればよく、例えば、構成単位としてトリアリールアミンから誘導される構成単位を含んでいてもよい。
【0054】
以下、本発明の高分子化合物に含まれる構成単位について詳述する。
【0055】
(第一構成単位)
本発明の高分子化合物に含まれる第一構成単位は、下記式(1)で表される構成単位である。
【0056】
【化7】
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【0057】
式(1)中、
Ar
1およびAr
3は、それぞれ独立に、非置換若しくは置換のアリーレン基または非置換若しくは置換の2価の複素環基を表す。
Ar
2およびAr
4は、それぞれ独立に、非置換若しくは置換のアリーレン基、非置換若しくは置換の2価の複素環基、または、アリーレン基および2価の複素環基から選ばれる同一若しくは異なる2以上の基が連結した2価の基(該基は、置換基を有していてもよい。)を表す。
Ar
5、Ar
6およびAr
7は、それぞれ独立に、水素原子、非置換若しくは置換のアルキル基、非置換若しくは置換のアリール基または非置換若しくは置換の1価の複素環基を表す。
Ar
1、Ar
2、Ar
3、Ar
4、Ar
5、Ar
6およびAr
7はそれぞれ、当該基が結合している窒素原子に結合している当該基以外の基と、直接結合されていてもよく、−O−、−S−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−N(R
a)−、−C(=O)−N(R
a)−または−C(R
a)
2−を介して結合されていてもよい。R
aは、水素原子、非置換若しくは置換のアルキル基、非置換若しくは置換のアルコキシ基、非置換若しくは置換のアリール基、ハロゲン原子または非置換若しくは置換の1価の複素環基を表す。R
aが2個存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。
xおよびyは、それぞれ独立に、0または1を表し、x+y=1であることが好ましい。
【0058】
前記Ar
5、Ar
6およびAr
7は、非置換若しくは置換のアリール基であることが好ましく、前記式(1)は、下記式(1A)であることがより好ましい。
【0059】
【化8】
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【0060】
式(1A)中、R
5、R
6およびR
7は、それぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アルケニル基、アルキニル基、アミノ基、シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、オキシカルボニル基、1価の複素環基、複素環オキシ基、複素環チオ基、イミン残基、アミド化合物残基、酸イミド残基、カルボキシル基、ヒドロキシ基、ニトロ基またはシアノ基を表す。R
5が複数個存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよく、R
6が複数個存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよく、R
7が複数個存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。なお、こちらの基は上記の置換基を有していてもよい。R
5、R
6およびR
7は、好ましくは、アルキル基、アルコキシ基、アリール基であり、より好ましくは、アルキル基である。
h、iおよびjは、それぞれ独立に、0〜5の整数を表す。h、iおよびjは、好ましくは、0〜3の整数であり、より好ましくは、1〜3の整数である。
【0061】
前記Ar
1、Ar
2、Ar
3およびAr
4で表されるアリーレン基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めずに、通常6〜60であり、好ましくは6〜48であり、より好ましくは6〜20であり、さらに好ましくは6〜14である。
アリーレン基としては、例えば、フェニレン基(例えば、1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基)、ナフタレンジイル基(例えば、1,4−ナフタレンジイル基、2,6−ナフタレンジイル基、2,7−ナフタレンジイル基)、アントラセンジイル基(例えば、2,6−アントラセンジイル基、9,10−アントラセンジイル基)、フェナントレンジイル基(例えば、2,7−フェナントレンジイル基)、ジヒドロフェナントレンジイル基(例えば、9,10−ジヒドロフェナントレン−2,7−ジイル基)、ナフタセンジイル基(例えば、5,12−ナフタセンジイル基)、フルオレンジイル基(例えば、2,7−フルオレンジイル基、3,6−フルオレンジイル基)、スピロフルオレンジイル基(例えば、9,9’−スピロフルオレン−2,7−ジイル基、9,9’−スピロフルオレン−3,6−ジイル基、9,9’−スピロフルオレン−2,2’−ジイル基)、および、ペリレンジイル基(例えば、3,8−ペリレンジイル基)が挙げられ、これらの基は上記の置換基を有していてもよい。
【0062】
前記Ar
1、Ar
2、Ar
3およびAr
4で表される2価の複素環基としては、例えば、2,5−ピロールジイル基、2,1,3−ベンゾチアジアゾール−4,7−ジイル基、ジベンゾフランジイル基、ジベンゾチオフェンジイル基、および、ジベンゾシロールジイル基が挙げられ、これらの基は上記の置換基を有していてもよい。
【0063】
前記Ar
2およびAr
4で表される、アリーレン基および2価の複素環基から選ばれる同一若しくは異なる2以上の基が連結した2価の基としては、例えば、下記式(B−1)、式(B−2)、式(B−3)、式(B−4)、式(B−5)、式(B−6)および式(B−7)で表される基が挙げられ、式(B−1)で表される基であることが好ましい。なお、これらの基は上記の置換基を有していてもよい。また、式(B−1)、式(B−2)および式(B−3)で表される基は、ビフェニリレン基と呼ばれることがある。
【0064】
【化9】
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【0065】
前記Ar
1、Ar
2、Ar
3およびAr
4で表される基が置換基を有する場合、該置換基としては、上記の置換基が挙げられ、好ましくは、アルキル基、アルコキシ基またはアリール基であり、より好ましくは、アルキル基である。
【0066】
前記Ar
1およびAr
3は、好ましくは、非置換若しくは置換のアリーレン基であり、より好ましくは、非置換若しくは置換のフェニレン基であり、さらに好ましくは非置換若しくは置換の1,4−フェニレン基である。
前記Ar
2またはAr
4は、好ましくは、非置換若しくは置換のアリーレン基、または、アリーレン基および2価の複素環基から選ばれる同一若しくは異なる2以上の基が連結した2価の基(該基は、置換基を有していてもよい。)であり、より好ましくは、非置換若しくは置換のフェニレン基、非置換若しくは置換のビフェニリレン基、非置換若しくは置換のスピロフルオレンジイル基、非置換若しくは置換のフェナントレンジイル基、非置換若しくは置換のジヒドロフェナントレンジイル基または非置換若しくは置換のフルオレンジイル基であり、さらに好ましくは非置換若しくは置換のフルオレンジイル基であり、本実施形態の高分子化合物を用いて製造される発光素子の寿命特性が優れるので、特に好ましくは、非置換若しくは置換の2,7−フルオレンジイル基である。
【0067】
前記Ar
1およびAr
3で表される基は、本実施形態の高分子化合物を用いて製造される発光素子の発光効率がより優れるので、非置換若しくは置換のフェニレン基であることが好ましく、非置換若しくは置換の1,4−フェニレン基であることがさらに好ましい。
【0068】
前記Ar
2およびAr
4で表される基は、本実施形態の高分子化合物を用いて製造される発光素子の発光効率がより優れるので、非置換若しくは置換のフェニレン基、非置換若しくは置換のビフェニリレン基、非置換若しくは置換のスピロフルオレンジイル基、非置換若しくは置換のフェナントレンジイル基、非置換若しくは置換のジヒドロフェナントレンジイル基または非置換若しくは置換のフルオレンジイル基であることが好ましく、本実施形態の高分子化合物を用いて製造される発光素子の寿命特性が優れるので、非置換若しくは置換のフルオレンジイル基であることがより好ましく、非置換若しくは置換の2,7−フルオレンジイル基であることがさらに好ましい。
【0069】
前記R
aで表される基は、水素原子、非置換のアルキル基、非置換のアルコキシ基、非置換のアリール基、ハロゲン原子または非置換の1価の複素環基であることが好ましい。
前記R
aで表される非置換若しくは置換のアルキル基、非置換若しくは置換のアルコキシ基、非置換若しくは置換のアリール基、ハロゲン原子、非置換若しくは置換の1価の複素環基の定義や例は、上記置換基として記載のアルキル基、アルコキシ基、アリール基、ハロゲン原子、1価の複素環基の定義や例と同じである。
【0070】
前記xおよびyは、上記の通り、0または1を表す。すなわち、x=0かつy=0、x=0かつy=1、x=1かつy=0、または、x=1かつy=1である。例えば、前記Ar
8がフルオレンジイル基である場合には、x=0かつy=0、x=0かつy=1、x=1かつy=0、または、x=1かつy=1のいずれであってもよい。
【0071】
前記xおよびyは、上記の通り、0または1を表し、x+y=1であることが好ましい。すなわち、x=0かつy=1であるか、または、x=1かつy=0である。
【0072】
前記xおよびyは、本実施形態の高分子化合物を用いて製造される発光素子の特性(例えば、輝度寿命)が優れるので、x=1かつy=0であることがより好ましい。
【0073】
前記式(1)で表される構成単位は、本実施形態の高分子化合物を用いて製造される発光素子の特性(例えば、輝度寿命)が優れるので、下記式(9a)、式(9b)、式(9c)、式(9d)、式(9e)または式(9f)で表される構成単位であることが好ましく、式(9c)、式(9d)または式(9e)で表される構成単位であることがより好ましく、式(9c)または式(9e)で表される構成単位であることがさらに好ましい。
【0074】
【化10】
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【0075】
式(9a)〜式(9f)中、R
41は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アルケニル基、アルキニル基、アミノ基、シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、オキシカルボニル基、1価の複素環基、複素環オキシ基、複素環チオ基、イミン残基、アミド化合物残基、酸イミド残基、カルボキシル基、ヒドロキシ基、ニトロ基またはシアノ基を表し、好ましくは、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、置換アミノ基、アシル基またはシアノ基であり、より好ましくは、水素原子、アルキル基、アルコキシ基またはアリール基である。複数存在するR
41は、互いに同一であっても異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環構造を形成していてもよい。
【0076】
前記式(9a)〜式(9f)は、通常、下記式(9−001)〜式(9−086)で表される構成単位であり、式(9−001)〜式(9−005)、式(9−012)〜式(9−059)、式(9−070)〜式(9−086)で表される構成単位であることが好ましく、式(9−012)〜式(9−059)、式(9−071)〜式(9−078)で表される構成単位であることがより好ましく、本実施形態の高分子化合物を用いて製造される発光素子の特性(例えば、輝度寿命)が優れるので、式(9−020)〜式(9−059)、式(9−071)〜式(9−078)で表される構成単位であることがさらに好ましく、式(9−036)〜式(9−059)、式(9−071)〜式(9−074)で表される構成単位であることが特に好ましい。
【0077】
【化11】
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【0078】
【化12】
[この文献は図面を表示できません]
【0079】
【化13】
[この文献は図面を表示できません]
【0080】
【化14】
[この文献は図面を表示できません]
【0081】
【化15】
[この文献は図面を表示できません]
【0082】
【化16】
[この文献は図面を表示できません]
【0083】
【化17】
[この文献は図面を表示できません]
【0084】
【化18】
[この文献は図面を表示できません]
【0085】
【化19】
[この文献は図面を表示できません]
【0086】
【化20】
[この文献は図面を表示できません]
【0087】
【化21】
[この文献は図面を表示できません]
【0088】
【化22】
[この文献は図面を表示できません]
【0089】
【化23】
[この文献は図面を表示できません]
【0090】
【化24】
[この文献は図面を表示できません]
【0091】
本実施形態の高分子化合物は、第一構成単位として、上記の構成単位を一種のみ有していてもよいし、上記の構成単位のうち異なる複数の構成単位を有していてもよい。
【0092】
(第二構成単位)
本発明の高分子化合物に含まれる第二構成単位は、下記式(2)で表される構成単位である。
【0093】
【化25】
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【0094】
式(2)中、
Ar
8は、(2+p)価の芳香族炭化水素基、または(2+p)価の複素環基を表す。
R
1は、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アルケニル基、アルキニル基、アミノ基、シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、オキシカルボニル基、1価の複素環基、複素環オキシ基、複素環チオ基、イミン残基、アミド化合物残基、酸イミド残基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、ニトロ基またはシアノ基を表す。R
1が複数個存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。なお、少なくとも1つのR
1は、芳香族炭化水素基または複素環基における他の構成単位と結合を形成する炭素原子の隣の炭素原子に直接結合する水素原子を置換する。
pは1以上の整数を表す。
【0095】
前記Ar
8で表される(2+p)価の芳香族炭化水素基、または(2+p)価の複素環基は、前記Ar
1、Ar
2、Ar
3およびAr
4で表されるアリーレン基および2価の複素環基と同様である。また、Ar
8で表される基は、R
1以外に、上述の置換基を有していてもよい。また、上記の「他の構成単位」は、式(2)で表される構成単位であってもよい(すなわち、式(2)で表される構成単位が連続して結合していてもよい。)。
【0096】
Ar
8が示す(2+p)価の芳香族炭化水素基の炭素原子数は、通常6〜60であり、好ましくは6〜48であり、より好ましくは6〜20であり、さらに好ましくは6〜14である。(2+p)価の芳香族炭化水素基としては、3価、4価または5価の芳香族炭化水素基であることが好ましく、原料となるモノマー合成が容易となるため、3価または4価の芳香族炭化水素基であることがより好ましく、4価であることが特に好ましい。ここで、「(2+p)価の芳香族炭化水素基」には、芳香族炭化水素(好ましくは、無置換の芳香族炭素環)から環を構成する炭素原子に直接結合した(2+p)個の水素原子を除いた残りの原子団を意味し、ベンゼン環を有する基、縮合環を有する基が含まれる。
【0097】
前記Ar
8で表される基は、好ましくは(2+p)価の芳香族炭化水素基である。
【0098】
前記Ar
8で表される基は、本実施形態の高分子化合物を用いて製造される発光素子の発光効率がより優れるため、フェニレン基、ナフタレンジイル基、フェナントレンジイル基、ジヒドロフェナントレンジイル基またはフルオレンジイル基であることが好ましく、フェニレン基またはフルオレンジイル基であることがより好ましく、1,4−フェニレン基または2,7−フルオレンジイル基であることがさらに好ましい。
【0099】
前記R
1で表される基は、好ましくは、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、置換アミノ基、アシル基またはシアノ基であり、より好ましくは、アルキル基、アルコキシ基またはアリール基である。
【0100】
前記pは、上記の通り1以上の整数を表すが、好ましくは1〜4の整数であり、原料となるモノマー合成が容易となるため、より好ましくは1または2であり、さらに好ましくは2である。
【0101】
前記式(2)で表される基のうち、Ar
8が(2+p)価の芳香族炭化水素基であるものとしては、下記式(10a)〜式(10k)で表される基が好ましく、本実施形態の高分子化合物を用いて製造される発光素子の特性(例えば、輝度寿命)が優れるので、式(10a)、式(10b)、式(10h)、式(10i)、式(10j)または式(10k)で表される基がより好ましく、式(10a)、式(10h)、式(10j)または式(10k)で表される基がさらに好ましい。
【0102】
【化26】
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【0103】
前記式(2)で表される基のうち、Ar
8が(2+p)価の複素環基であるものとしては、下記式(10l)〜式(10p)で表される基が好ましい。
【0104】
【化27】
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【0105】
式(10a)〜式(10p)中、R
14およびR
15は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アルケニル基、アルキニル基、アミノ基、シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、オキシカルボニル基、1価の複素環基、複素環オキシ基、複素環チオ基、イミン残基、アミド化合物残基、酸イミド残基、カルボキシル基、ヒドロキシ基、ニトロ基またはシアノ基を表し、好ましくは、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、置換アミノ基、アシル基またはシアノ基であり、より好ましくは、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、またはアリール基である。複数存在するR
14は同一であっても異なっていてもよい。複数存在するR
15は同一であっても異なっていてもよい。また、隣り合うR
14同士は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環構造を形成していてもよく、隣り合うR
15同士は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環構造を形成していてもよく、隣り合うR
14およびR
15は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環構造を形成していてもよい。
【0106】
式(10a)〜式(10p)中、R
14の少なくとも一つは、水素原子以外の基(すなわち、前記R
1)を表す。
【0107】
式(10f)〜式(10i)中、R
8は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アルケニル基、アルキニル基、アミノ基、シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、オキシカルボニル基、1価の複素環基、複素環オキシ基、複素環チオ基、イミン残基、アミド化合物残基、酸イミド残基、カルボキシル基、ヒドロキシ基、ニトロ基またはシアノ基を表し、好ましくは、水素原子、アルキル基、アルコキシ基またはアリール基である。複数存在するR
8は同一であっても異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環構造を形成していてもよい。
【0108】
前記式(2)で表される構成単位は、通常、下記式(10−1)〜式(10−173)で表される構成単位であり、式(10−1)〜式(10−18)、式(10−41)〜式(10−173)で表される構成単位であることが好ましく、式(10−1)〜式(10−18)、式(10−41)〜式(10−76)、式(10−85)〜式(10−128)、式(10−154)〜式(10−173)で表される構成単位であることがより好ましく、本実施形態の高分子化合物を用いて製造される発光素子の特性(例えば、輝度寿命)が優れるので、式(10−1)〜式(10−18)、式(10−59)〜式(10−68)、式(10−85)〜式(10−128)、式(10−154)〜式(10−168)で表される構成単位であることがさらに好ましく、式(10−1)〜式(10−18)、式(10−59)〜式(10−63)、式(10−85)〜式(10−92)、式(10−101)〜式(10−104)、式(10−113)〜式(10−116)、式(10−125)〜式(10−128)、式(10−164)〜式(10−168)で表される構成単位であることが特に好ましい。
【0109】
【化28】
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【0110】
【化29】
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【0111】
【化30】
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【0112】
【化31】
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【0113】
【化32】
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【0114】
【化33】
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【0115】
【化34】
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【0116】
【化35】
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【0117】
【化36】
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【0118】
【化37】
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【0119】
【化38】
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【0120】
【化39】
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【0121】
【化40】
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【0122】
【化41】
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【0123】
【化42】
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【0124】
【化43】
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【0125】
【化44】
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【0126】
【化45】
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【0127】
【化46】
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【0128】
【化47】
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【0129】
【化48】
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【0130】
【化49】
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【0131】
【化50】
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【0132】
【化51】
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【0133】
【化52】
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【0134】
【化53】
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【0135】
【化54】
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【0136】
本実施形態の高分子化合物は、第二構成単位として、上記の構成単位を一種のみ有していてもよいし、上記の構成単位のうち異なる複数の構成単位を有していてもよい。
【0137】
(第三構成単位)
本発明の高分子化合物に含まれる第三構成単位は、下記式(3)で表される構成単位および下記式(4’)で表される構成単位から選択される構成単位である。
【0138】
【化55】
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【0139】
式(3)中、naは0〜3の整数を示し、nbは0〜12の整数を示し、nAは0または1を示し、nは1〜4の整数を示す。
Ar
10は非置換若しくは置換の(2+n)価の芳香族炭化水素基または非置換若しくは置換の(2+n)価の複素環基を示す。
L
aおよびL
bは、それぞれ独立に、非置換若しくは置換のアルキレン基または非置換若しくは置換のフェニレン基を示す。L
aが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。L
bが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
L
Aは酸素原子または硫黄原子を示す。
Q
1は1価の架橋性基を示す。Q
1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
なお、式(3)で示される構成単位は、式(2)で示される構成単位とは異なる。
【0140】
式(3)において、naは、0〜3の整数を示し、原料となるモノマー合成が容易となるため、0〜2が好ましく、0または1がより好ましく、0がさらに好ましい。
【0141】
式(3)において、nbは、0〜12の整数を示し、原料となるモノマー合成が容易となるため、0〜10が好ましく、0〜8がより好ましい。
【0142】
式(3)において、nAは、0または1を示し、本実施形態の高分子化合物を用いて製造される発光素子の正孔輸送性および耐久性が優れるため、0であることが好ましい。なお、耐久性とは、例えば輝度寿命等を意味する。
【0143】
式(3)において、nは1〜4の整数であるが、本実施形態の高分子化合物を用いて製造される発光素子の正孔輸送性および耐久性が優れるので、1〜3の整数であることが好ましく、2であることがより好ましい。
【0144】
式(3)において、Ar
10が示す非置換若しくは置換の(2+n)価の芳香族炭化水素基の炭素原子数は、通常、6〜60であり、好ましくは6〜48であり、より好ましくは6〜20であり、さらに好ましくは6〜14である。(2+n)価の芳香族炭化水素基としては、2価、3価、4価または5価の芳香族炭化水素基であることが好ましく、3価または4価の芳香族炭化水素基であることがより好ましい。ここで、「(2+n)価の芳香族炭化水素基」とは、芳香族炭化水素(好ましくは、無置換の芳香族炭素環)から、環を構成する炭素原子に結合した(2+n)個の水素原子を除いた残りの原子団を意味し、ベンゼン環を有する基、縮合環を有する基が含まれる。なお、上記炭素原子数には、置換基の炭素原子数は含めない。
上記芳香族炭化水素としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、1−テトラセン、ピレン、ペリレン、フルオレン、ベンゾフルオレン、フェナントレン、ジヒドロフェナントレン、クリセン、コロネン等が挙げられ、本実施形態の高分子化合物の安定性がより優れ、かつ、当該高分子化合物を用いて製造される発光素子の正孔輸送性が優れるので、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ピレン、フルオレン、ベンゾフルオレン、フェナントレン、ジヒドロフェナントレンが好ましく、ベンゼン、ナフタレン、フルオレンがより好ましい。
【0145】
式(3)において、Ar
10が示す非置換若しくは置換の(2+n)価の複素環基の炭素原子数は、通常、3〜60であり、好ましくは3〜20である。(2+n)価の複素環基としては、2価、3価、4価または5価の複素環基であることが好ましく、2価、3価または4価の複素環基であることがより好ましい。(2+n)価の複素環基としては、(2+n)価の芳香族複素環基であることが好ましい。ここで、「(2+n)価の複素環基」とは、複素環式化合物から、環を構成する炭素原子に結合した(2+n)個の水素原子を除いた残りの原子団を意味し、単環の基、縮合環を有する基を含む。なお、上記炭素原子数には、置換基の炭素原子数は含めない。
上記複素環式化合物としては、例えば、ピリジン、ピリミジン、トリアジン、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、カルバゾール、フェノキサジン、フェノチアジン、ベンゾチアジアゾール、ジベンゾシロールなどが挙げられる。
【0146】
式(3)において、Ar
10で示される基が置換基を有する場合、該置換基は、好ましくはアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、1価の複素環基、カルボキシル基、ニトロ基、シアノ基であり、より好ましくはアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、置換アミノ基、アシル基、シアノ基であり、さらに好ましくはアルキル基、アルコキシ基、アリール基である。
【0147】
式(3)において、Ar
10としては、本実施形態の高分子化合物を用いて製造される発光素子の正孔輸送性および耐久性が優れるので、非置換若しくは置換の(2+n)価の芳香族炭化水素基が好ましい。
【0148】
式(3)において、L
aおよびL
bで示されるアルキレン基は、直鎖状、分岐状または環状のいずれでもよく、置換基を有していてもよい。原料となるモノマー合成が容易になるため、直鎖状のアルキレン基であることが好ましい。直鎖状アルキレン基および分岐状のアルキレン基の炭素原子数は、通常1〜20であり、好ましくは1〜10であり、より好ましくは1〜6である。環状アルキレン基の炭素原子数は、通常3〜20であり、好ましくは3〜10であり、より好ましくは3〜6である。
アルキレン基としては、メチレン基、1,2−エチレン基、1,3−プロピレン基、1,3−ブチレン基、1,3−ペンチレン基、1,4−ペンチレン基、1,5−ペンチレン基、1,4−ヘキシレン基、1,6−ヘキシレン基、1,7−ヘプチレン基、1,6−オクチレン基、1,8−オクチレン基等が挙げられる。
【0149】
式(3)において、L
aおよびL
bで示されるフェニレン基は、置換基を有していてもよい。フェニレン基としては、o−フェニレン、m−フェニレン、p−フェニレンが挙げられる。フェニレン基が有してもよい置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子およびシアノ基が挙げられる。
【0150】
式(3)において、L
aは、原料となるモノマー合成が容易となるため、フェニレン基であることが好ましい。
【0151】
式(3)において、L
bは、原料となるモノマー合成が容易となるため、アルキレン基であることが好ましい。
【0152】
式(3)において、L
Aは酸素原子または硫黄原子を示し、原料となるモノマー合成が容易となるため、酸素原子であることが好ましい。
【0153】
式(3)において、Q
1は1価の架橋性基を示す。
Q
1としては、例えば、非置換若しくは置換のアジリジニル基、非置換若しくは置換のアゼチジニル基、アジド基、非置換若しくは置換のエポキシ基、非置換若しくは置換のオキセタニル基、非置換若しくは置換のアルケニル基、非置換若しくは置換のアルキニル基、シクロブテン構造を有する基などが挙げられ、原料となるモノマー合成が容易となるため、非置換若しくは置換のアジリジニル基、アジド基、非置換若しくは置換のエポキシ基、非置換若しくは置換のオキセタニル基、非置換若しくは置換のアルケニル基、非置換若しくは置換のアルキニル基、シクロブテン構造を有する非置換若しくは置換のアリール基、シクロブテン構造を有する非置換若しくは置換の1価の複素環基が好ましく、非置換若しくは置換のアルケニル基、シクロブテン構造を有する非置換若しくは置換のアリール基、シクロブテン構造を有する非置換若しくは置換の1価の複素環基がより好ましく、非置換若しくは置換のアルケニル基、シクロブテン構造を有する非置換若しくは置換のアリール基がさらに好ましい。
【0154】
式(3)において、Q
1としては、例えば、下記式(Q−1)、(Q−2)、(Q−01)〜(Q−19)で表される基が挙げられ、原料となるモノマー合成が容易となるため、式(Q−1)、(Q−2)、(Q−01)、(Q−03)、(Q−04)、(Q−06)〜(Q−18)で表される基が好ましく、式(Q−1)、(Q−2)、(Q−09)〜(Q−18)で表される基がより好ましく、式(Q−1)または(Q−2)で表される基がさらに好ましい。
【0155】
【化56】
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【0156】
式(Q−1)中、ベンゾシクロブテン環は置換基を有していてもよい。式(Q−1)における置換基としては、例えば、非置換若しくは置換のアルキル基、非置換若しくは置換のアルコキシ基、非置換若しくは置換のアルキルチオ基、非置換若しくは置換のアリール基、非置換若しくは置換のアリールオキシ基、非置換若しくは置換のアリールチオ基、非置換若しくは置換のアミノ基、非置換若しくは置換のシリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、カルバモイル基、酸イミド基、非置換若しくは置換の1価の複素環基、非置換若しくは置換のカルボキシル基、シアノ基およびニトロ基が挙げられる。
【0157】
【化57】
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【0158】
式(Q−2)中、neおよびnfは、それぞれ独立に、0または1を示す。
L
X1は酸素原子、硫黄原子、カルボニル基または−O−CO−で表される基を示す。
R
21、R
22、R
23、R
24およびR
25は、それぞれ独立に、水素原子、非置換若しくは置換のアルキル基、非置換若しくは置換のアルコキシ基、非置換若しくは置換のアルキルチオ基、非置換若しくは置換のアリール基、非置換若しくは置換のアリールオキシ基、非置換若しくは置換のアリールチオ基、非置換若しくは置換の1価の複素環基、非置換若しくは置換のアミノ基、非置換若しくは置換のシリル基、非置換若しくは置換のアシル基、非置換若しくは置換のアシルオキシ基、ハロゲン原子、シアノ基またはニトロ基を示す。
【0159】
なお、式(Q−2)において、波線の存在する二重結合を有する化合物は、E体、Z体、またはE体およびZ体の混合物のいずれでもよいことを意味する。
【0160】
【化58】
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【0161】
【化59】
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【0162】
【化60】
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【0163】
式(Q−01)〜(Q−19)中、
R
Xは水素原子、非置換若しくは置換のアルキル基、非置換若しくは置換のアルコキシ基、非置換若しくは置換のアルキルチオ基、非置換若しくは置換のアリール基、非置換若しくは置換のアリールオキシ基、非置換若しくは置換のアリールチオ基、非置換若しくは置換のアミノ基、非置換若しくは置換のシリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、カルバモイル基、酸イミド基、非置換若しくは置換の1価の複素環基、非置換若しくは置換のカルボキシル基、シアノ基またはニトロ基を表す。複数存在するR
Xは、同一であっても異なっていてもよい。
R
Nは、水素原子、非置換若しくは置換のアルキル基、非置換若しくは置換のアシル基、非置換若しくは置換のアリール基または非置換若しくは置換の1価の複素環基を表す。
R
Xとしては、原料となるモノマー合成が容易となるため、水素原子、非置換若しくは置換のアルキル基、非置換若しくは置換のアルコキシ基、非置換若しくは置換のアリール基、非置換若しくは置換のアリールオキシ基、非置換若しくは置換の1価の複素環基が好ましく、水素原子、非置換若しくは置換のアルキル基、非置換若しくは置換のアルコキシ基、非置換若しくは置換のアリール基がより好ましい。
R
Nとしては、原料となるモノマー合成が容易になるため、アリール基で置換されたアルキル基、非置換若しくは置換のアシル基、非置換若しくは置換の1価の複素環基が好ましい。
なお、式(Q−01)〜(Q−19)中、「*」は結合手を示す。
【0164】
式(Q−1)としては、下記式(Q−1−1)または(Q−1−2)が挙げられ、原料となるモノマー合成が容易となるため、式(Q−1−1)であることが好ましい。
【0165】
【化61】
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【0166】
式(Q−1−1)および(Q−1−2)中、
R
Yは水素原子、非置換若しくは置換のアルキル基、非置換若しくは置換のアルコキシ基、非置換若しくは置換のアルキルチオ基、非置換若しくは置換のアリール基、非置換若しくは置換のアリールオキシ基、非置換若しくは置換のアリールチオ基、非置換若しくは置換のアミノ基、非置換若しくは置換のシリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、カルバモイル基、酸イミド基、非置換若しくは置換の1価の複素環基、非置換若しくは置換のカルボキシル基、シアノ基またはニトロ基を表す。複数あるR
Yは、同一であっても異なっていてもよい。
R
Yとしては、原料となるモノマー合成が容易となるため、水素原子、非置換若しくは置換のアルキル基、非置換若しくは置換のアルコキシ基、非置換若しくは置換のアリール基、非置換若しくは置換のアリールオキシ基または非置換若しくは置換の1価の複素環基であることが好ましく、水素原子、非置換若しくは置換のアルキル基、非置換若しくは置換のアルコキシ基または非置換若しくは置換のアリール基であることより好ましく、水素原子または非置換若しくは置換のアルキル基であることがさらに好ましい。なお、式(Q−1−1)および(Q−1−2)中、「*」は結合手を示す。
【0167】
式(Q−2)において、neは0または1を示し、本実施形態の高分子化合物を用いて製造された発光素子の正孔輸送性および耐久性が優れるので、0が好ましい。
【0168】
式(Q−2)において、nfは0または1を示し、原料となるモノマー合成が容易となるため、0が好ましい。
【0169】
上記式(Q−2)において、L
X1は酸素原子、硫黄原子、カルボニル基または−O−CO−で表される基を示し、原料となるモノマー合成が容易となるため、カルボニル基または−O−CO−で表される基が好ましい。
【0170】
式(Q−2)において、R
21、R
22、R
23、R
24、R
25は、本実施形態の高分子化合物を用いて製造される発光素子の正孔輸送性および耐久性が優れるので、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、複素環基、ハロゲン原子またはシアノ基であることが好ましく、水素原子、アルキル基またはフッ素原子であることがより好ましく、水素原子であることがさらに好ましい。
【0171】
式(3)で表される構成単位としては、本実施形態の高分子化合物を用いて製造される発光素子の正孔輸送性および耐久性が優れるので、下記式(3−1)で表される構成単位が好ましい。
【0172】
【化62】
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【0173】
ncは0〜3の整数を示し、ndは0〜12の整数を示し、nBは0または1を示し、mは1または2を示す。
L
cおよびL
dは、それぞれ独立に、非置換若しくは置換のアルキレン基または非置換若しくは置換のフェニレン基を示す。L
cが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。L
dが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
L
Bは酸素原子または硫黄原子を示す。L
Bが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
Q
1は前記と同じ意味を示す。Q
1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
R
80は、水素原子、非置換若しくは置換のアルキル基、非置換若しくは置換のアルコキシ基、非置換若しくは置換のアリール基、非置換若しくは置換のアリールオキシ基、非置換若しくは置換の1価の複素環基または非置換若しくは置換の複素環オキシ基を示す。
【0174】
式(3−1)において、mは1または2を示し、本実施形態の高分子化合物を用いて製造される発光素子の正孔輸送性および耐久性の観点、並びに、当該高分子化合物を含む有機薄膜を不溶化有機薄膜に変換する観点から、2であることが好ましい。
【0175】
L
cは前記L
aと同じ意味を示し、前記L
aにおける例示および好ましい範囲と同一である。
L
dは前記L
bと同じ意味を示し、前記L
bにおける例示および好ましい範囲と同一である。
L
Bは前記L
Aと同じ意味を示し、前記L
Aにおける例示および好ましい範囲と同一である。
Q
1は前記式(3)におけるQ
1と同じ意味を表し、式(3)における例示および好ましい範囲と同一である。
【0176】
式(3−1)において、R
80は、本実施形態の高分子化合物を用いた発光素子の正孔輸送性および耐久性が優れるので、非置換若しくは置換のアルキル基または非置換若しくは置換のアリール基であることが好ましく、置換のアリール基であることがより好ましく、アルキル基で置換されたアリール基であることがさらに好ましい。
【0177】
式(3−1)において、フルオレン環は置換基を有していてもよく、該置換基は、好ましくはアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、1価の複素環基、カルボキシル基、ニトロ基またはシアノ基であり、より好ましくはアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、置換アミノ基、アシル基、シアノ基であり、さらに好ましくはアルキル基、アルコキシ基、アリール基である。
【0178】
式(3)で表される構成単位としては、本実施形態の高分子化合物を用いて製造される発光素子の正孔輸送性および耐久性が優れるので、下記式(3−2)で表される構成単位が好ましい。
【0179】
【化63】
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【0180】
式(3−2)中、ncは0〜3の整数を示し、ndは0〜12の整数を示し、nBは0または1であり、kは1〜4の整数を示す。
L
cおよびL
dは、それぞれ独立に、非置換若しくは置換のアルキレン基または非置換若しくは置換のフェニレン基を示す。L
cが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。L
dが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
L
Bは酸素原子または硫黄原子を示す。L
Bが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
Q
1は前記と同じ意味を示す。Q
1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
R
90は、水素原子、非置換若しくは置換のアルキル基、非置換若しくは置換のアルコキシ基、非置換若しくは置換のアリール基、非置換若しくは置換のアリールオキシ基、非置換若しくは置換の1価の複素環基または非置換若しくは置換の複素環オキシ基を示す。R
90が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
【0181】
式(3−2)において、kは1〜4の整数を示し、本実施形態の高分子化合物を用いて製造される発光素子の正孔輸送性および耐久性がより優れ、かつ、本実施形態の高分子化合物を含む有機薄膜を不溶化有機薄膜に変換する観点からは、1または2であることが好ましく、2であることがより好ましい。
【0182】
式(3−2)において、R
90は、本実施形態の高分子化合物を用いた発光素子の正孔輸送性および耐久性が優れるので、水素原子、非置換若しくは置換のアルキル基または非置換若しくは置換のアリール基であることが好ましく、原料となるモノマー合成が容易となるため、水素原子であることがより好ましい。
【0183】
式(3)で表される構成単位としては、例えば、下記式(3−101)〜(3−155)で表される構成単位が挙げられ、式(3−101)〜(3−107)、(3−111)、(3−114)、(3−116)〜(3−119)、(3−125)、(3−132)〜(3−143)、(3−147)〜(3−149)、(3−155)で表される構成単位が好ましく、式(3−101)〜(3−105)、(3−107)、(3−111)、(3−114)、(3−117)〜(3−119)、(3−132)、(3−134)、(3−136)、(3−137)、(3−140)〜(3−143)、(3−147)〜(3−149)で表される構成単位がより好ましく、式(3−103)、(3−105)、(3−132)、(3−137)、(3−140)で表される構成単位がさらに好ましく、式(3−132)、(3−140)で表される構成単位が特に好ましい。
【0184】
【化64】
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【0185】
【化65】
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【0186】
【化66】
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【0187】
【化67】
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【0188】
【化68】
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【0189】
【化69】
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【0190】
【化70】
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【0191】
【化71】
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【0192】
【化72】
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【0193】
【化73】
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【0194】
本実施形態の高分子化合物は、第三構成単位として、前記式(3)で表される構成単位を一種のみ有していてもよいし、前記式(3)で表される構成単位のうち異なる複数の構成単位を有していてもよいが、有機薄膜を不溶化有機薄膜に変換する観点から、上記式(Q−1)で表される1価の架橋性基を少なくとも一種類含むこと、上記式(Q−2)で表される1価の架橋性基を少なくとも一種類含むこと、または上記式(Q−1)および上記式(Q−2)で示される1価の架橋性基を少なくともそれぞれ一種類含むことが好ましく、上記式(Q−1)および上記式(Q−2)で示される1価の架橋性基をそれぞれ一種類以上ずつ含むことがより好ましい。
【0195】
【化74】
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【0196】
式(4’)中、cは0または1を示し、dは0〜4の整数を示し、
Ar
20およびAr
40は、それぞれ独立に、非置換若しくは置換のアリーレン基または非置換若しくは置換の2価の複素環基を示し、Ar
30’は、非置換若しくは置換の(2+d)価の芳香族炭化水素基、非置換若しくは置換の(2+d)価の複素環基、または、芳香環および複素環から選ばれる同一若しくは異なる2以上の環が連結した構造を有する(2+d)価の基(当該(2+d)価の基は置換基を有していてもよい)を示す。
Q
2’、Q
3’およびQ
4’は、それぞれ独立に、1価の架橋性基、非置換若しくは置換のアルキル基、非置換若しくは置換のアリール基または非置換若しくは置換の1価の複素環基を示すが、Q
2’、Q
3’およびQ
4’の少なくとも一つは1価の架橋性基である。Q
4’が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
naは0〜3の整数を示し、nbは0〜12の整数を示し、nAは0または1を示す。
L
aおよびL
bは、それぞれ独立に、非置換若しくは置換のアルキレン基または非置換若しくは置換のフェニレン基を示す。L
aが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。L
bが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
L
Aは、酸素原子または硫黄原子を示す。L
Aが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
ngは0〜3の整数を示し、nhは0〜12の整数を示し、nDは0または1を示す。
L
gおよびL
hは、それぞれ独立に、非置換若しくは置換のアルキレン基または非置換若しくは置換のフェニレン基を示す。L
gが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。L
hが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
L
Dは、酸素原子または硫黄原子を示す。L
Dが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
なお、式(4’)で示される構成単位は、式(1)で示される構成単位とは異なる。
【0197】
式(4’)において、naおよびngは、それぞれ独立に、0〜3の整数を示し、原料となるモノマー合成が容易となるため、0〜2の整数が好ましく、0または1がより好ましく、0がさらに好ましい。
【0198】
式(4’)において、nbおよびnhは、それぞれ独立に、0〜12の整数を示し、原料となるモノマー合成が容易となるため、0〜10の整数が好ましく、0〜8の整数がより好ましい。
【0199】
式(4’)において、nAおよびnDは、それぞれ独立に、0または1を示し、本実施形態の高分子化合物を用いて製造される発光素子の正孔輸送性および耐久性(特に、輝度寿命)が優れるため、0であることが好ましい。
【0200】
式(4’)において、dは0〜4の整数であるが、本実施形態の高分子化合物を用いて製造される発光素子の正孔輸送性および耐久性が優れるので、0〜3の整数であることが好ましく、0〜2の整数であることがより好ましい。
式(4’)において、Ar
20およびAr
40におけるアリーレン基としては、例えば、1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基、1,4−ナフタレンジイル基、2,6−ナフタレンジイル基、2,7−ナフタレンジイル基、2,6−アントラセンジイル基、9,10−アントラセンジイル基、2,7−フェナントレンジイル基、5,12−ナフタセンジイル基、2,7−フルオレンジイル基、3,6−フルオレンジイル基、1,6−ピレンジイル基、2,7−ピレンジイル基および3,8−ペリレンジイル基が挙げられ、1,4−フェニレン基、2,7−フルオレンジイル基、2,6−アントラセンジイル基、9,10−アントラセンジイル基、2,7−フェナントレンジイル基または1,6−ピレンジイル基が好ましく、1,4−フェニレン基がさらに好ましい。なお、これらの基は上記置換基を有していてもよい。
【0201】
式(4’)において、Ar
20およびAr
40における2価の複素環基としては、例えば、2,5−ピロールジイル基、ジベンゾフランジイル基、ジベンゾチオフェンジイル基および2,1,3−ベンゾチアジアゾール−4,7−ジイル基が挙げられる。なお、これらの基は上記置換基を有していてもよい。
【0202】
式(4’)において、Ar
20およびAr
40としては、本実施形態の高分子化合物を用いて製造される発光素子の正孔輸送性および耐久性が優れるので、非置換若しくは置換のアリーレン基であることが好ましい。
【0203】
式(4’)において、Ar
30’が示す非置換若しくは置換の(2+d)価の芳香族炭化水素基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常6〜60であり、好ましくは6〜48であり、より好ましくは6〜20であり、さらに好ましくは6〜14である。(2+d)価の芳香族炭化水素基としては、2価、3価、4価または5価の芳香族炭化水素基であることが好ましく、3価または4価の芳香族炭化水素基であることがより好ましい。ここで、「(2+d)価の芳香族炭化水素基」とは、芳香族炭化水素(好ましくは、無置換の芳香族炭素環)から、環を構成する炭素原子に直接結合した(2+d)個の水素原子を除いた残りの原子団を意味し、ベンゼン環を有する基、縮合環を有する基が含まれる。
芳香族炭化水素としては、例えば、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、1−テトラセン、ピレン、ペリレン、フルオレン、ベンゾフルオレン、フェナントレン、ジヒドロフェナントレン、クリセン、コロネンが挙げられ、本実施形態の高分子化合物の安定性がより優れ、かつ、本実施形態の高分子化合物を用いて製造される発光素子の正孔輸送性が優れるので、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ピレン、フルオレン、ベンゾフルオレン、フェナントレンまたはジヒドロフェナントレンが好ましく、ベンゼン、ナフタレンまたはフルオレンがより好ましい。
【0204】
式(4’)において、Ar
30’が示す非置換若しくは置換の(2+d)価の複素環基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜60であり、好ましくは3〜20である。(2+d)価の複素環基としては、2価、3価、4価または5価の複素環基であることが好ましく、2価、3価または4価の複素環基であることがより好ましい。(2+d)価の複素環基としては、(2+d)価の芳香族複素環基であることが好ましい。ここで、「(2+d)価の複素環基」とは、複素環式化合物から、環を構成する炭素原子に直接結合した(2+d)個の水素原子を除いた残りの原子団を意味し、単環の基、縮合環を有する基を含む。
複素環式化合物としては、例えば、ピリジン、ピリミジン、トリアジン、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、カルバゾール、フェノキサジン、フェノチアジン、ベンゾチアジアゾール、ジベンゾシロールが挙げられる。
【0205】
式(4’)において、Ar
30’が示す芳香環および複素環から選ばれる同一若しくは異なる2以上の環が連結した構造を有する(2+d)価の基としては、前記式(B−1)、式(B−2)、式(B−3)、式(B−4)、式(B−5)、式(B−6)または式(B−7)で表される基が好ましく、式(B−1)で表される基がより好ましい。なお、これらの基は上記置換基を有していてもよい。
【0206】
式(4’)において、Ar
20、Ar
40およびAr
30’で示される基が置換基を有する場合、該置換基は、好ましくはアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、1価の複素環基、カルボキシル基、ニトロ基、シアノ基であり、より好ましくはアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、置換アミノ基、アシル基、シアノ基であり、さらに好ましくはアルキル基、アルコキシ基、アリール基である。
【0207】
式(4’)において、Ar
30’としては、本実施形態の高分子化合物を用いて製造される発光素子の正孔輸送性および耐久性が優れるので、非置換若しくは置換の(2+d)価の芳香族炭化水素基が好ましい。
【0208】
式(4’)において、L
a、L
b、L
gおよびL
hで示されるアルキレン基は、直鎖状、分岐状または環状のいずれでもよく、置換基を有していてもよい。原料となるモノマー合成が容易になるため、直鎖状のアルキレン基であることが好ましい。直鎖状アルキレン基および分岐状のアルキレン基の炭素原子数は、通常1〜20であり、好ましくは1〜10であり、より好ましくは1〜6である。環状アルキレン基の炭素原子数は、通常3〜20であり、好ましくは3〜10であり、より好ましくは3〜6である。
アルキレン基としては、メチレン基、1,2−エチレン基、1,3−プロピレン基、1,3−ブチレン基、1,3−ペンチレン基、1,4−ペンチレン基、1,5−ペンチレン基、1,4−ヘキシレン基、1,6−ヘキシレン基、1,7−ヘプチレン基、1,6−オクチレン基、1,8−オクチレン基等が挙げられる。
【0209】
式(4’)において、L
a、L
b、L
gおよびL
hで示されるフェニレン基は、置換基を有していてもよい。フェニレン基としては、o−フェニレン、m−フェニレン、p−フェニレンが挙げられる。フェニレン基が有してもよい置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子およびシアノ基が挙げられる。
【0210】
式(4’)において、L
aおよびL
gは、原料となるモノマー合成が容易となるため、フェニレン基であることが好ましい。
【0211】
式(4’)において、L
bおよびL
hは、原料となるモノマー合成が容易となるため、アルキレン基であることが好ましい。
【0212】
式(4’)において、L
AおよびL
Dは酸素原子または硫黄原子を示し、原料となるモノマー合成が容易となるため、酸素原子であることが好ましい。
【0213】
式(4’)において、Q
2’、Q
3’およびQ
4’は、それぞれ独立に、1価の架橋性基、非置換若しくは置換のアルキル基、非置換若しくは置換のアリール基または非置換若しくは置換の1価の複素環基を示すが、Q
2’、Q
3’およびQ
4’の少なくとも1つは、1価の架橋性基を示す。
式(4’)において、Q
2’、Q
3’およびQ
4’が示す1価の架橋性基としては、例えば、非置換若しくは置換のアジリジニル基、非置換若しくは置換のアゼチジニル基、アジド基、非置換若しくは置換のエポキシ基、非置換若しくは置換のオキセタニル基、非置換若しくは置換のアルケニル基、非置換若しくは置換のアルキニル基、シクロブテン構造を有する基が挙げられ、原料となるモノマー合成が容易となるため、非置換若しくは置換のアジリジニル基、アジド基、非置換若しくは置換のエポキシ基、非置換若しくは置換のオキセタニル基、非置換若しくは置換のアルケニル基、非置換若しくは置換のアルキニル基、シクロブテン構造を有する非置換若しくは置換のアリール基は、シクロブテン構造を有する非置換若しくは置換の1価の複素環基が好ましく、非置換若しくは置換のアルケニル基、シクロブテン構造を有する非置換若しくは置換のアリール基、シクロブテン構造を有する非置換若しくは置換の1価の複素環基がより好ましく、非置換若しくは置換のアルケニル基、シクロブテン構造を有する非置換若しくは置換のアリール基がさらに好ましい。
【0214】
式(4’)において、Q
2’、Q
3’およびQ
4’が示す1価の架橋性基としては、例えば、前記式(Q−1)、(Q−2)、(Q−01)〜(Q−19)、(Q−1−1)、(Q−1−2)で示される1価の架橋性基が挙げられ、原料となるモノマー合成が容易となるため、前記式(Q−1)、(Q−2)、(Q−01)、(Q−03)、(Q−04)、(Q−06)〜(Q−18)、(Q−1−1)、(Q−1−2)で示される1価の架橋性基が好ましく、式(Q−1)、(Q−2)、(Q−09)〜(Q−19)、(Q−1−1)、(Q−1−2)で示される1価の架橋性基がより好ましく、式(Q−1)、(Q−1−1)、(Q−1−2)または(Q−2)で示される1価の架橋性基がさらに好ましい。
【0215】
Q
2’、Q
3’またはQ
4’が1価の架橋性基以外の基である場合には、Q
2’、Q
3’またはQ
4’は、非置換若しくは置換のアリール基であることが好ましく、非置換若しくは置換のフェニル基であることがより好ましい。このような構成を有すると、本実施形態の高分子化合物を用いて製造される発光素子の正孔輸送性および耐久性が優れる。
【0216】
式(4’)において、Q
2’、Q
3’およびQ
4’で示される非置換若しくは置換のアルキル基は、上記置換基として説明した「アルキル基」と同じであるが、好ましくは、C
1〜C
20アルキル基である。
【0217】
式(4’)において、Q
2’、Q
3’およびQ
4’で示される非置換若しくは置換のアリール基は、上記置換基として説明した「アリール基」と同じであるが、好ましくは、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基または2−フルオレニル基である。
【0218】
式(4’)において、Q
2’、Q
3’およびQ
4’で示される非置換若しくは置換の1価の複素環基は、上記置換基として説明した「1価の複素環基」と同じであるが、好ましくは、ピリジル基、ピリミジル基、トリアジル基またはキノリル基である。
【0219】
式(4’)で表される構成単位は、原料となるモノマー合成が容易となるため、下記式(4’−1)で表される構成単位であることが好ましい。
【0220】
【化75】
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【0221】
Ar
20、Ar
30’、Ar
40、La,Lb,LA,na,nbおよびnAは、式(4’)と同じ意味を表す。
d1は1〜4の整数を示し、
Ar
50およびAr
60は、それぞれ独立に、非置換若しくは置換のアリール基または非置換若しくは置換の1価の複素環基を示す。
Q
4は、1価の架橋性基を示す。
【0222】
式(4’−1)において、d1は1〜4の整数であるが、本実施形態の高分子化合物を用いて製造される発光素子の正孔輸送性および耐久性が優れるので、1〜3の整数であることが好ましく、2であることがより好ましい。
【0223】
式(4’−1)において、Ar
50およびAr
60は、それぞれ独立に、非置換若しくは置換のアリール基または非置換若しくは置換の1価の複素環基を示すが、本実施形態の高分子化合物を用いて製造される発光素子の正孔輸送性および耐久性が優れるので、非置換若しくは置換のアリール基であることが好ましい。
【0224】
式(4’−1)において、Ar
50およびAr
60で示される非置換若しくは置換のアリール基は、上記置換基として説明した「アリール基」と同じであるが、好ましくは、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基または2−フルオレニル基である。
【0225】
式(4’−1)において、Ar
50およびAr
60で示される非置換若しくは置換の1価の複素環基は、上記置換基として説明した「1価の複素環基」と同じであるが、好ましくは、ピリジル基、ピリミジル基、トリアジル基またはキノリル基である。
【0226】
式(4’−1)において、Q
4が示す1価の架橋性基としては、例えば、非置換若しくは置換のアジリジニル基、非置換若しくは置換のアゼチジニル基、アジド基、非置換若しくは置換のエポキシ基、非置換若しくは置換のオキセタニル基、非置換若しくは置換のアルケニル基、非置換若しくは置換のアルキニル基、シクロブテン構造を有する基が挙げられ、原料となるモノマー合成が容易となるため、非置換若しくは置換のアジリジニル基、アジド基、非置換若しくは置換のエポキシ基、非置換若しくは置換のオキセタニル基、非置換若しくは置換のアルケニル基、非置換若しくは置換のアルキニル基、シクロブテン構造を有する非置換若しくは置換のアリール基、シクロブテン構造を有する非置換若しくは置換の1価の複素環基が好ましく、非置換若しくは置換のアルケニル基、シクロブテン構造を有する非置換若しくは置換のアリール基、シクロブテン構造を有する非置換若しくは置換の1価の複素環基がより好ましく、非置換若しくは置換のアルケニル基、シクロブテン構造を有する非置換若しくは置換のアリール基がさらに好ましい。
【0227】
式(4’−1)において、Q
4が示す1価の架橋性基としては、例えば、前記式(Q−1)、(Q−2)、(Q−01)〜(Q−19)、(Q−1−1)、(Q−1−2)で示される1価の架橋性基が挙げられ、原料となるモノマー合成が容易となるため、式(Q−1)、(Q−2)、(Q−01)、(Q−03)、(Q−04)、(Q−06)〜(Q−18)、(Q−1−1)、(Q−1−2)で示される1価の架橋性基が好ましく、式(Q−1)、(Q−2)、(Q−09)〜(Q−19)、(Q−1−1)、(Q−1−2)で示される1価の架橋性基がより好ましく、式(Q−1)、(Q−1−1)、(Q−1−2)または(Q−2)で示される1価の架橋性基がさらに好ましい。
【0228】
【化76】
[この文献は図面を表示できません]
【0229】
式(4’)は、原料となるモノマー合成が容易となるため、上記式(4)であることが好ましい。
式(4)中、c、Ar
20およびAr
40は、前記と同じ意味を表す。
Ar
30は、非置換若しくは置換のアリーレン基、非置換若しくは置換の2価の複素環基、または、アリーレン基および2価の複素環基から選ばれる同一若しくは異なる2以上の基が連結した2価の基(当該基は置換基を有していてもよい)を示す。
Q
2は1価の架橋性基を示し、Q
3は1価の架橋性基、非置換若しくは置換のアルキル基、非置換若しくは置換のアリール基または非置換若しくは置換の1価の複素環基を示す。
【0230】
式(4)において、cは、原料となるモノマー合成が容易であり、かつ、本実施形態の高分子化合物を用いて製造される発光素子の正孔輸送性および耐久性が優れるため、0であることが好ましい。
【0231】
式(4)において、Ar
20、Ar
30およびAr
40で表される基は、非置換若しくは置換のアリーレン基であることが、本実施形態の高分子化合物を用いて製造される発光素子の正孔輸送性および耐久性が優れるので好ましい。
【0232】
式(4)において、Ar
20、Ar
30およびAr
40におけるアリーレン基としては、例えば、1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基、1,4−ナフタレンジイル基、2,6−ナフタレンジイル基、2,7−ナフタレンジイル基、2,6−アントラセンジイル基、9,10−アントラセンジイル基、2,7−フェナントレンジイル基、5,12−ナフタセンジイル基、2,7−フルオレンジイル基、3,6−フルオレンジイル基、1,6−ピレンジイル基、2,7−ピレンジイル基および3,8−ペリレンジイル基が挙げられ、1,4−フェニレン基、2,7−フルオレンジイル基、2,6−アントラセンジイル基、9,10−アントラセンジイル基、2,7−フェナントレンジイル基および1,6−ピレンジイル基が好ましく、1,4−フェニレン基がさらに好ましい。これらは上記置換基を有していてもよい。
【0233】
式(4)において、Ar
20、Ar
30およびAr
40における2価の複素環基としては、例えば、2,5−ピロールジイル基、ジベンゾフランジイル基、ジベンゾチオフェンジイル基および2,1,3−ベンゾチアジアゾール−4,7−ジイル基が挙げられ、これらは上記置換基を有していてもよい。
【0234】
式(4)において、Ar
30におけるアリーレン基および2価の複素環基から選ばれる同一若しくは異なる2以上の基が連結した2価の基としては、前記式(B−1)、(B−2)、(B−3)、(B−4)、(B−5)、(B−6)または(B−7)で示される基であることが好ましく、前記式(B−1)で示される基であることがより好ましい。なお、これらの基は上記置換基を有していてもよい。
【0235】
式(4)において、Ar
20、Ar
30およびAr
40で示される基が置換基を有する場合、該置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、1価の複素環基、カルボキシル基、ニトロ基、シアノ基が挙げられ、好ましくは、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、置換アミノ基、アシル基、シアノ基であり、より好ましくは、アルキル基、アルコキシ基、アリール基である。
【0236】
式(4)において、Q
2で示される1価の架橋性基としては、例えば、上記式(Q−1)、(Q−2)、(Q−01)〜(Q−19)で表される基が挙げられ、本実施形態の高分子化合物を用いて製造される発光素子の正孔輸送性および耐久性が優れるため、式(Q−1)、(Q−2)、(Q−01)、(Q−03)、(Q−04)、(Q−06)〜(Q−18)で表される基が好ましく、式(Q−1)、(Q−2)、(Q−07)〜(Q−18)で表される基がより好ましく、式(Q−1)で表される基がさらに好ましい。
【0237】
式(4)において、Q
3で示される1価の架橋性基としては、例えば、上記式(Q−1)、(Q−2)、(Q−01)〜(Q−19)で表される基が挙げられ、本実施形態の高分子化合物を用いて製造される発光素子の正孔輸送性および耐久性が優れるため、式(Q−1)、(Q−2)、(Q−01)、(Q−03)、(Q−04)、(Q−06)〜(Q−18)で表される基が好ましく、式(Q−1)、(Q−2)、(Q−07)〜(Q−18)で表される基がより好ましく、式(Q−1)で表される基がさらに好ましい。
【0238】
式(4)において、Q
3で示される非置換若しくは置換のアルキル基は、上記置換基として説明した「アルキル基」と同じであるが、好ましくは、C
1〜C
20アルキル基である。
【0239】
式(4)において、Q
3で示される非置換若しくは置換のアリール基は、上記置換基として説明した「アリール基」と同じであるが、好ましくは、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基または2−フルオレニル基である。
【0240】
式(4)において、Q
3で示される非置換若しくは置換の1価の複素環基は、上記置換基として説明した「1価の複素環基」と同じであるが、好ましくは、ピリジル基、ピリミジル基、トリアジル基またはキノリル基である。
【0241】
式(4)において、Q
3は、原料となるモノマー合成が容易になるため、Q
1と同じ1価の架橋性基であることが好ましい。
【0242】
式(4)において、Q
3で示される基が置換基を有する場合、該置換基は、好ましくはアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、1価の複素環基、カルボキシル基、ニトロ基、シアノ基であり、より好ましくはアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、置換アミノ基、アシル基、シアノ基であり、さらに好ましくはアルキル基、アルコキシ基、アリール基である。
【0243】
式(4’)で表される構成単位としては、例えば、式(4−101)〜(4−127)で表される構成単位が挙げられ、式(4−101)〜式(4−110)または式(4−115)〜(4−127)で表される構成単位が好ましく、式(4−101)、式(4−105)〜式(4−108)、式(4−115)または式(4−117)〜(4−124)で表される構成単位がより好ましく、式(4−101)、式(4−105)、式(4−107)、式(4−115)、式(4−118)、式(4−120)または式(4−124)で表される構成単位がさらに好ましく、式(4−101)、式(4−115)、式(4−118)または式(4−120)で表される構成単位が特に好ましい。
【0244】
【化77】
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【0245】
【化78】
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【0246】
【化79】
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【0247】
本発明の高分子化合物は、前記式(1)で表される構成単位と、前記式(2)で表される構成単位と、前記式(3)で表される構成単位および/または下記式(4’)で表される構成単位と、を含む高分子化合物であるが、
前記式(1)で表される構成単位と、前記式(2)で表される構成単位と、前記式(3)で表される構成単位および前記式(4’)で表される構成単位からなる群から選ばれる少なくとも2種類の構成単位と、を含む高分子化合物であることが好ましく、
前記式(1)で表される構成単位と、前記式(2)で表される構成単位と、少なくとも2種類の前記式(3)で表される構成単位と、を含む高分子化合物であることがより好ましく、
本実施形態の高分子化合物を用いて製造される発光素子の耐久性が優れるので、前記式(1)で表される構成単位と、前記式(2)で表される構成単位と、2種類の前記式(3)で表される構成単位と、を含む高分子化合物であることがさらに好ましく、
前記式(1)で表される構成単位と、前記式(2)で表される構成単位と、前記式(3−103)で表される構成単位、前記式(3−105)で表される構成単位、前記式(3−132)で表される構成単位、前記式(3−137)で表される構成単位および前記式(3−140)で表される構成単位から選ばれる2種類の構成単位と、を含む高分子化合物であることが特に好ましく、
前記式(1)で表される構成単位と、前記式(2)で表される構成単位と、前記式(3−132)で表される構成単位と、前記式(3−140)で表される構成単位と、を含む高分子化合物であることがとりわけ好ましい。
【0248】
(その他の構成単位)
本発明の高分子化合物は、上記の第一構成単位、第二構成単位および第三構成単位以外の構成単位を含んでいてもよい。
【0249】
また、本発明の高分子化合物の第一構成単位、第二構成単位および第三構成単位は、非共役構造(すなわち、その他の構成単位)で連結されていてもよい。この非共役構造としては、以下に示す構造、およびそれらを2個以上組み合わせた構造が例示される。
【0250】
【化80】
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[式中、
Rは、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アルケニル基、アルキニル基、アミノ基、シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、オキシカルボニル基、1価の複素環基、複素環オキシ基、複素環チオ基、イミン残基、アミド化合物残基、酸イミド残基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、ニトロ基またはシアノ基を表す。
Arは、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素原子数6〜60の芳香族炭化水素基を表す。]
【0251】
前記式中、ヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、ケイ素原子、ホウ素原子、リン原子、セレン原子等が挙げられる。
【0252】
第一構成単位の含有量(合計含有量)は、本実施形態の高分子化合物を用いて製造される発光素子の発光効率がより優れるため、高分子化合物中に含まれる全構成単位に対して、0.1〜99.9モル%であることが好ましく、1〜99モル%であることがより好ましく、5〜70モル%であることがさらに好ましく、10〜50モル%であることが特に好ましい。
【0253】
第二構成単位の含有量(合計含有量)は、本実施形態の高分子化合物を用いて製造される発光素子の発光効率がより優れるため、高分子化合物中に含まれる全構成単位に対して、0.1〜99.9モル%であることが好ましく、1〜99.9モル%であることがより好ましく、10〜99モル%であることがさらに好ましく、30〜70モル%であることが特に好ましい。
【0254】
第三構成単位の含有量(合計含有量)は、本実施形態の高分子化合物を用いて発光素子を作製する際に、熱架橋性が優れるので、高分子化合物中に含まれる全構成単位に対して、0.1〜99.9モル%であることが好ましく、1〜99モル%であることがより好ましく、2〜50モル%であることがさらに好ましく、3〜30モル%であることが特に好ましい。
【0255】
本実施形態の高分子化合物は、製造された発光素子の発光効率に優れるため、吸収スペクトル測定によって得られた吸収端から算出されたエネルギーギャップが2.9eV以上であることが好ましい。
【0256】
本実施形態の高分子化合物は、末端基に後述の重合性基がそのまま残っていると、高分子化合物を用いて作製した発光素子の発光特性や寿命が低下する可能性がある。そのため、末端基は安定な基(例えば、アリール基、1価の芳香族複素環基等。)であることが好ましい。
【0257】
本実施形態の高分子化合物は、如何なる共重合体であってもよく、例えば、ブロック共重合体、ランダム共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよい。
【0258】
本実施形態の高分子化合物は、発光材料、電荷輸送材料および電荷注入材料として有用であり、使用する際には、その他の化合物と併用し、後述の組成物として用いてもよい。
【0259】
本実施形態の高分子化合物のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、「GPC」という)によるポリスチレン換算の数平均分子量は、好ましくは1×10
3〜1×10
7であり、より好ましくは1×10
4〜5×10
6である。また、本実施形態の高分子化合物のポリスチレン換算の重量平均分子量は、好ましくは1×10
4〜5×10
7であり、より好ましくは5×10
4〜1×10
7である。
【0260】
発光素子を製造するための様々なプロセスに対する耐久性が優れ、かつ、製造される発光素子の耐熱性が良好となるので、本実施形態の高分子化合物のガラス転移温度は、70℃以上であることが好ましい。
【0261】
本実施形態の高分子化合物を用いて製造される発光素子は、優れた発光効率で駆動できる高性能の発光素子である。したがって、該発光素子は、液晶ディスプレイのバックライト、照明用としての曲面状や平面状の光源、セグメント表示装置、ドットマトリックス表示装置等に有用である。さらに、本実施形態の高分子化合物は、レーザー用色素、有機太陽電池用材料、有機トランジスタ用の有機半導体、導電性薄膜、有機半導体薄膜等の伝導性薄膜用材料、蛍光や燐光を発する発光性薄膜材料としても用いることができる。
【0262】
本実施形態の高分子化合物における、構成単位の組み合わせの例を、以下の表1および表2に示す。
【0263】
【表1】
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【0264】
【表2】
[この文献は図面を表示できません]
【0265】
(高分子化合物の製造方法)
本実施形態の高分子化合物は、例えば、下記式(1M)で表される化合物(以下、場合により「化合物1M」という。)と、下記式(2M)で表される化合物(以下、場合により「化合物2M」という。)と、下記式(3M)で表される化合物(以下、場合により「化合物3M」という。)および/または下記式(4’M)で表される化合物(以下、場合により「化合物4’M」という。)を縮合重合させることにより製造することができる。
本明細書において、化合物1M、化合物2M、化合物3Mおよび化合物4’Mを総称して、「モノマー」ということがある。
【0266】
【化81】
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【0267】
式(1M)中、Ar
1、Ar
2、Ar
3、Ar
4、Ar
5、Ar
6、Ar
7、xおよびyは、上記と同義であり、Z
1およびZ
2は、それぞれ独立に、下記置換基A群または下記置換基B群から選択される基から選ばれる基を表す。
【0268】
【化82】
[この文献は図面を表示できません]
【0269】
式(2M)中、Ar
8、R
1およびpは上記と同義であり、Z
3およびZ
4は、それぞれ独立に、下記置換基A群または下記置換基B群から選択される基を表す。
【0270】
【化83】
[この文献は図面を表示できません]
【0271】
式(3M)中、Ar
10、L
a、L
b、L
A、na、nb、nA、nおよびQ
1は上記と同義であり、Z
5およびZ
6は、それぞれ独立に、下記置換基A群または下記置換基B群から選択される基を表す。
【0272】
【化84】
[この文献は図面を表示できません]
【0273】
式(4’M)中、Ar
20、Ar
30’、Ar
40、c、d、Q
2’、Q
3’、Q
4’、L
a、L
b、L
A、L
g、L
h、L
D、na、nb、nA、ng、nhおよびnDは上記と同義であり、Z
7およびZ
8は、それぞれ独立に、下記置換基A群または下記置換基B群から選択される基を表す。
【0274】
<置換基A群>
塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、−O−S(=O)
2R
31(R
31は、アルキル基、または、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、フッ素原子若しくはシアノ基で置換されていてもよいアリール基を表す。)で表される基。
【0275】
<置換基B群>
−B(OR
32)
2(R
32は、水素原子またはアルキル基を表し、複数存在するR
32は互いに同一でも異なっていてもよく、互いに結合してそれぞれが結合する酸素原子とともに環構造を形成していてもよい。)で表される基、−BF
3Q
10(Q
10は、Li
+、Na
+、K
+、Rb
+およびCs
+からなる群より選ばれる1価の陽イオンを表す。)で表される基、−MgY
1(Y
1は、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表す。)で表される基、−ZnY
2(Y
2は、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表す。)で表される基、および、−Sn(R
33)
3(R
33は水素原子またはアルキル基を表し、複数存在するR
33は互いに同一でも異なっていてもよく、互いに結合してそれぞれが結合するスズ原子とともに環構造を形成していてもよい。)で表される基。
【0276】
置換基A群から選ばれる基を有する化合物と置換基B群から選ばれる基を有する化合物とは、公知のカップリング反応により縮合重合して、該基と結合する炭素原子同士が結合することが知られている。そのため、置換基A群から選ばれる基を2個有する化合物Aと、置換基B群から選ばれる基を2個有する化合物Bと、を公知のカップリング反応に供すれば、縮合重合により、化合物Aおよび化合物Bの縮合重合体を得ることができる。
【0277】
また、置換基A群からのみ選ばれる基を有する化合物も、例えば、Ni(0)触媒により重合する方法(Yamamoto重合)(プログレス イン ポリマー サイエンス(Progress in Polymer Science),第17巻,1153〜1205頁,1992年)により、縮合重合体を得ることができる。
【0278】
このような縮合重合においては、化合物1Mにより第一構成単位が誘導され、化合物2Mにより第二構成単位が誘導される。化合物3Mおよび化合物4’Mからなる群から選ばれる少なくとも一種化合物により、第三構成単位が誘導される。
【0279】
縮合重合の方法としては、例えば、Suzukiカップリング反応により重合する方法(ケミカル レビュー(Chem.Rev.),第95巻,2457−2483頁(1995年))、Grignard反応により重合する方法(Bull.Chem.Soc.Jpn.,第51巻,2091頁(1978年))、Ni(0)触媒により重合する方法(プログレス イン ポリマー サイエンス(Progress in Polymer Science),第17巻,1153〜1205頁,1992年)、Stilleカップリング反応を用いる方法(ヨーロピアン ポリマー ジャーナル(European Polymer Journal),第41巻,2923−2933頁(2005年))等が挙げられる。これらのうち、原料の合成のし易さ、および、重合反応操作の簡便性の観点から、Suzukiカップリング反応により重合する方法、Ni(0)触媒により重合する方法が好ましく、高分子化合物の構造制御のし易さを考慮すると、Suzukiカップリング反応、Grignard反応、Stilleカップリング反応等のアリール−アリールクロスカップリング反応により重合する方法がより好ましく、Suzukiカップリング反応により重合する反応が特に好ましい。
【0280】
縮合重合の方法としては、上記の各化合物を、必要に応じて適切な触媒や塩基とともに反応させる方法が挙げられる。Suzukiカップリング反応により重合する方法を選択する場合、所望の分子量を有する高分子化合物を得るためには、各化合物が有する置換基A群から選ばれた基の合計モル数と、置換基B群から選ばれた基の合計モル数との比率を調整すればよい。通常、前者のモル数に対する後者のモル数の比率を、0.95〜1.05とすることが好ましく、0.98〜1.02とすることがより好ましく、0.99〜1.01とすることがさらに好ましい。
【0281】
モノマーは、予め合成し単離したものを用いてもよく、反応系中で合成してそのまま用いてもよい。得られる高分子化合物を発光素子の製造に用いる場合、その純度が発光素子の性能に影響を与える。そのため、これらのモノマーは蒸留、クロマトグラフィー、昇華精製、再結晶等の方法、またはその組み合わせで精製されていることが好ましい。
【0282】
本実施形態の高分子化合物の製造方法においては、触媒の存在下、モノマーを重合することが好ましい。触媒としては、Suzukiカップリング反応により重合する場合、パラジウム[テトラキス(トリフェニルホスフィン)]、[トリス(ジベンジリデンアセトン)]ジパラジウム、パラジウムアセテート、ジクロロビストリフェニルホスフィンパラジウム、ジクロロビス[トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン]パラジウム、ジクロロビス[トリ−t−ブチルホスフィン]パラジウム等のパラジウム錯体等の遷移金属錯体、並びにこれらの遷移金属錯体にトリフェニルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン等の配位子が配位した錯体等が挙げられる。
【0283】
また、Ni(0)触媒により重合する場合、Ni(0)触媒としては、ニッケル[テトラキス(トリフェニルホスフィン)]、[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]ジクロロニッケル、[ビス(1,4−シクロオクタジエン)]ニッケル等のニッケル錯体等の遷移金属錯体、並びにこれらの遷移金属錯体にトリフェニルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、ジフェニルホスフィノプロパン、置換若しくは非置換のビピリジル、置換若しくは非置換のフェナントロリン等の配位子が配位した錯体等が挙げられる。
【0284】
上述の触媒は、予め合成したものを用いてもよいし、反応系中で調製したものをそのまま用いてもよい。また、これらの触媒は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
【0285】
触媒の使用量は、触媒としての有効量であればよく、例えば、重合反応における全モノマーの合計100モル%に対して、遷移金属のモル数換算で通常0.0001〜300モル%であり、好ましくは0.001〜50モル%であり、より好ましくは0.01〜20モル%である。
【0286】
Suzukiカップリング反応により重合する方法においては、塩基を用いることが好ましく、塩基としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム、リン酸三カリウム等の無機塩基、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム等の有機塩基が挙げられる。
【0287】
塩基の使用量は、重合反応における全モノマーの合計100モル%に対して、通常50〜2000モル%であり、好ましくは100〜1000モル%である。
【0288】
重合反応は、溶媒の非存在下で行っても、溶媒の存在下で行ってもよいが、通常、有機溶媒の存在下で行う。ここで有機溶媒としては、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジメトキシエタン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられる。一般的に、副反応を抑制するために、脱酸素処理を行った溶媒を用いることが望ましい。有機溶媒は一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
【0289】
有機溶媒の使用量は、重合反応における全モノマーの合計濃度が、0.1〜90重量%になる量であることが好ましく、1〜50重量%になる量であることがより好ましく、2〜30重量%になる量であることがさらに好ましい。
【0290】
重合反応の反応温度は、好ましくは−100〜200℃であり、より好ましくは−80〜150℃であり、さらに好ましくは0〜120℃である。また、反応時間は、通常、1時間以上であり、好ましくは2〜500時間である。
【0291】
重合反応において、本実施形態の高分子化合物の末端に重合性基(例えばZ
1、Z
2)が残存するのを避けるために、連鎖停止剤として、下記式(1T)で示される化合物を用いてもよい。これにより、末端がアリール基または1価の芳香族複素環基である高分子化合物を得ることができる。
Z
T−Ar
T (1T)
【0292】
式(1T)中、Ar
Tは置換基を有していてもよいアリール基、または置換基を有していてもよい1価の芳香族複素環基を表し、Z
Tは上記置換基A群および上記置換基B群からなる群から選ばれる基を表す。Ar
Tにおけるアリール基および1価の芳香族複素環基としては、それぞれ上述のR
1として例示されたアリール基および1価の芳香族複素環基と同様のものが例示できる。
【0293】
重合反応の後処理は、公知の方法で行うことができ、例えば、分液により水溶性不純物を除去する方法や、メタノール等の低級アルコールに重合反応後の反応溶液を加えて、析出させた沈殿を濾過、乾燥させる方法などを単独または組み合わせて行うことができる。
【0294】
本実施形態の高分子化合物の純度が低い場合には、再結晶、再沈殿、ソックスレー抽出器による連続抽出、カラムクロマトグラフィー等の通常の方法にて精製すればよいが、本実施形態の高分子化合物を発光素子の製造に用いる場合、その純度が発光特性等の発光素子の性能に影響を与えるため、縮合重合後、再沈精製、クロマトグラフィーによる分別等の純化処理をすることが好ましい。
【0295】
(化合物)
本実施形態の化合物は、上記の高分子化合物の製造に有用な下記式(4−1)で表される化合物である。
【0296】
【化85】
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【0297】
式(4−1)中、Z
7、Z
8Ar
20、Ar
30’、Ar
40、d1、Q
4、L
a、L
b、L
A、na、nbおよびnAは上記と同義である。
【0298】
前記式(4−1)で表される化合物の好ましい形態としては、下記式(4−2)で表される化合物が挙げられる。
【0299】
【化86】
[この文献は図面を表示できません]
【0300】
式(4−2)中、Z
7、Z
8、Ar
20、Ar
40、Ar
50、Ar
60、Q
4、nbおよびL
bは、前記と同じ意味を表す。
【0301】
前記式(4−2)で表される化合物の好ましい形態としては、下記式(4−3)で表される化合物が挙げられる。
【0302】
【化87】
[この文献は図面を表示できません]
【0303】
式(4−3)中、Z
7、Z
8およびQ
4は、前記と同じ意味を表す。R
xは、水素原子、非置換若しくは置換のアルキル基、非置換若しくは置換のアルコキシ基、非置換若しくは置換のアルキルチオ基、非置換若しくは置換のアリール基、非置換若しくは置換のアリールオキシ基、非置換若しくは置換のアリールチオ基、非置換若しくは置換のアミノ基、非置換若しくは置換のシリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、カルバモイル基、酸イミド基、非置換若しくは置換の1価の複素環基、非置換若しくは置換のカルボキシル基、シアノ基またはニトロ基を表す。複数あるR
xは、同一であっても異なっていてもよい。r1は、0〜4の整数を表し、r2は、0〜5の整数を表す。
【0304】
前記式(4−3)で表される化合物は、例えば、下記スキームA(SchemeA)によって、合成することが可能である。
【0305】
【化88】
[この文献は図面を表示できません]
【0306】
前記スキームAにおいて、例えば、式(4−3a)で表される化合物は、有機溶媒中、ナトリウム−tert−ブトキシド等の塩基、[トリス(ジベンジリデンアセトン)]ジパラジウムに代表されるパラジウム化合物、および、式(4−3a’)で表される化合物によるブッフバルト反応等により、式(4−3b)で表される化合物に誘導することができる。
式(4−3b)で表される化合物は、有機溶媒中、ナトリウム−tert−ブトキシド等の塩基、[トリス(ジベンジリデンアセトン)]ジパラジウムに代表されるパラジウム化合物、および、式(4−3b’)で表される化合物によるブッフバルト反応により、式(4−3c)で表される化合物に誘導することができる。
式(4−3c)で表される化合物は、有機溶媒中、N−ブロモスクシンイミド等の臭素化剤と反応させることで、式(4−3Br)で表される化合物に誘導することができる。
式(4−3Br)で表される化合物は、公知の方法により、Z
7およびZ
8で表される基を、臭素原子を除く置換基(a)群または置換基(b)群から選ばれる基に変換した式(4−3)で表される化合物に誘導することができる。また、式(4−3Br)で表される化合物をそのまま式(4−3)で表される化合物として用いることもできる。
【0307】
前記式(4−3)で表される化合物の好ましい形態としては、下記式(4−4)で表される化合物が挙げられる。
【0308】
【化89】
[この文献は図面を表示できません]
【0309】
式(4−4)中、Z
7およびZ
8は、前記と同じ意味を表す。R
xは、水素原子、非置換若しくは置換のアルキル基、非置換若しくは置換のアルコキシ基、非置換若しくは置換のアルキルチオ基、非置換若しくは置換のアリール基、非置換若しくは置換のアリールオキシ基、非置換若しくは置換のアリールチオ基、非置換若しくは置換のアミノ基、非置換若しくは置換のシリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、カルバモイル基、酸イミド基、非置換若しくは置換の1価の複素環基、非置換若しくは置換のカルボキシル基、シアノ基またはニトロ基を表す。複数あるR
xは、同一であっても異なっていてもよい。r2は、前記と同じ意味を示す。
【0310】
本実施形態の化合物は、上記の高分子化合物の製造に有用な下記式(3−3)で表される化合物である。
【0311】
【化90】
[この文献は図面を表示できません]
【0312】
式(3−3)中、Z
5およびZ
6は、前記Z
7、Z
8と同じ意味を表す。
ncは0〜3の整数を示し、ndは0〜12の整数を示し、nBは0または1を示し、kは1〜4の整数を示す。
L
cおよびL
dは、それぞれ独立に、非置換若しくは置換のアルキレン基または非置換若しくは置換のフェニレン基を示す。L
cが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。L
dが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
L
Bは酸素原子または硫黄原子を示す。L
Bが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
Q
1’はシクロブテン構造を有する非置換若しくは置換のアリール基、シクロブテン構造を有する非置換若しくは置換の1価の複素環基を示す。Q
1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
R
90は、水素原子、非置換若しくは置換のアルキル基、非置換若しくは置換のアルコキシ基、非置換若しくは置換のアリール基、非置換若しくは置換のアリールオキシ基、非置換若しくは置換の1価の複素環基または非置換若しくは置換の複素環オキシ基を示す。R
90が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
【0313】
前記式(3−3)で表される化合物の好ましい形態としては、下記式(3−4)で表される化合物が挙げられる。
【0314】
【化91】
[この文献は図面を表示できません]
【0315】
式(3−4)中、nc、nd、nB、k、L
c、L
d、L
B、R
90、Z
5およびZ
6は、前記と同じ意味を表すが、ndは1〜12の整数であることが好ましい。
【0316】
前記式(3−4)で表される化合物の好ましい形態としては、下記式(3−5)で表される化合物が挙げられる。
【0317】
【化92】
[この文献は図面を表示できません]
【0318】
式(3−5)中、nc、nd、nB、L
c、L
d、L
B、Z
5およびZ
6は、前記と同じ意味を表す。
【0319】
前記式(3−5)で表される化合物の好ましい形態としては、下記式(3−6)で表される化合物が挙げられる。
【0320】
【化93】
[この文献は図面を表示できません]
【0321】
式(3−6)中、nd、L
d、Z
5およびZ
6は、前記と同じ意味を表す。
【0322】
前記式(3−6)で表される化合物は、例えば、下記スキームB(SchemeB)によって、合成することが可能である。
【0323】
【化94】
[この文献は図面を表示できません]
【0324】
スキームBにおいて、例えば、式(3−6a)で表される化合物と、有機溶媒中、リチウムジイソプロピルアミドに代表されるリチウムアミド等の塩基との反応により、アリールアニオンを発生させ、トリメチルシリルクロライドを加えることにより、式(3−6b)で表される化合物に、誘導することができる。
式(3−6b)で表される化合物は、例えば、有機溶媒中、ブチルリチウムに代表されるアルキルリチウム等のリチオ化剤と反応させ、ハロゲン−金属交換反応によりリチオ化体を発生させ、次に式(3−6c)で表される化合物を加えることにより、式(3−6d)で表される化合物に誘導することができる。
式(3−6d)で表される化合物は、例えば、有機溶媒中、ブチルリチウムに代表されるアルキルリチウム等のリチオ化剤と反応させ、ハロゲン−金属交換反応によりリチオ化体を発生させ、次に、式(3−6c)で表される化合物を加えることにより、式(3−6e)で表される化合物に誘導することができる。
式(3−6e)で表される化合物は、例えば、有機溶媒中、N−ブロモスクシンイミドや臭素等のブロモ化剤と反応させることで、式(3−6Br)で表される化合物に誘導することができる。
式(3−6Br)で表される化合物は、公知の方法により、Z
5およびZ
6で表される基を、臭素原子を除く置換基(a)群または置換基(b)群から選ばれる基に変換した式(3−6)で表される化合物に誘導することができる。また、式(3−6Br)で表される化合物をそのまま式(3−6)で表される化合物として用いることもできる。
【0325】
(組成物)
本発明の組成物は、本発明の高分子化合物と、正孔輸送材料、電子輸送材料および発光材料からなる群より選ばれる少なくとも一種と、を含有する。この組成物は、発光素子の製造に好適に使用できる。
【0326】
正孔輸送材料としては、ポリビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリシランおよびその誘導体、側鎖または主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリピロールおよびその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)およびその誘導体、ポリ(2,5−チエニレンビニレン)およびその誘導体等が挙げられる。その他にも、特開昭63−70257号公報、特開昭63−175860号公報、特開平2−135359号公報、特開平2−135361号公報、特開平2−209988号公報、特開平3−37992号公報、特開平3−152184号公報に記載された正孔輸送材料も挙げられる。
【0327】
正孔輸送材料の含有量は、組成物中の本発明の高分子化合物100重量部に対して、好ましくは1〜500重量部であり、より好ましくは5〜200重量部である。
【0328】
電子輸送材料としては、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタンおよびその誘導体、ベンゾキノンおよびその誘導体、ナフトキノンおよびその誘導体、アントラキノンおよびその誘導体、テトラシアノアントラキノジメタンおよびその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレンおよびその誘導体、ジフェノキノン誘導体、8−ヒドロキシキノリンおよびその誘導体の金属錯体、ポリキノリンおよびその誘導体、ポリキノキサリンおよびその誘導体、ポリフルオレンおよびその誘導体、アントラセンおよびその誘導体、アントラセンとフルオレンの共重合体等が挙げられる。その他にも、特開昭63−70257号公報、特開昭63−175860号公報、特開平2−135359号公報、特開平2−135361号公報、特開平2−209988号公報、特開平3−37992号公報、特開平3−152184号公報に記載された電子輸送材料も挙げられる。
【0329】
電子輸送材料の含有量は、組成物中の本発明の高分子化合物100重量部に対して、好ましくは1〜500重量部であり、より好ましくは5〜200重量部である。
【0330】
発光材料としては、低分子蛍光発光材料、燐光発光材料等が挙げられ、燐光発光材料が好ましい。発光材料の例としては、ナフタレン誘導体、アントラセンおよびその誘導体、アントラセンとフルオレンとの共重合体、ペリレンおよびその誘導体、ポリメチン系色素、キサンテン系色素、クマリン系色素、シアニン系色素等の色素類、8−ヒドロキシキノリンを配位子として有する金属錯体、8−ヒドロキシキノリン誘導体を配位子として有する金属錯体、その他の蛍光性金属錯体、芳香族アミン、テトラフェニルシクロペンタジエンおよびその誘導体、テトラフェニルブタジエンおよびその誘導体、スチルベン系、含ケイ素芳香族系、オキサゾール系、フロキサン系、チアゾール系、テトラアリールメタン系、チアジアゾール系、ピラゾール系、メタシクロファン系、アセチレン系等の低分子化合物の蛍光性材料、イリジウム錯体、白金錯体等の金属錯体、三重項発光錯体等が挙げられる。その他にも、特開昭57−51781号公報、特開昭59−194393号公報等に記載された発光材料も挙げられる。
【0331】
燐光発光材料としては、以下が例示され、輝度寿命の観点から、Ir−2a〜Ir−6a、Ir−10a〜Ir−13a、Ir−17a〜Ir−24a、Ir−2b〜Ir−6b、Ir−10b〜Ir−13b、Ir−18b〜Ir−29b、Ir−1c〜Ir−14c、Ir−1d〜Ir−19dで表される化合物が好ましく、Ir−10a〜Ir−13a、Ir−17a〜Ir−24a、Ir−10b〜Ir−13b、Ir−18b〜Ir−29b、Ir−1c、Ir−5c、Ir−8c、Ir−10c〜Ir−14c、Ir−1d〜Ir−2d、Ir−6d〜Ir−12d、Ir−15d〜Ir−19dで表される化合物がより好ましい。なお、下記例示において、デンドロン部位が有する置換基として記載されているRpとしては、アルキル基、アルコキシ基が好ましく、アルキル基がより好ましく、合成の容易さ、および、得られる燐光発光性化合物を発光素子の作製に用いる際の有機溶媒への溶解のし易さの観点から、tert−ブチル基、ヘキシル基、エチルヘキシル基がさらに好ましい。
【0332】
【化95】
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【0333】
【化96】
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【0334】
【化97】
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【0335】
【化98】
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【0336】
【化99】
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【0337】
【化100】
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【0338】
【化101】
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【0339】
【化102】
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【0340】
【化103】
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【0341】
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【化130】
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【0368】
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【0369】
【化132】
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【0370】
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【0376】
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【0377】
【化140】
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【0378】
【化141】
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【0379】
【化142】
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【0380】
【化143】
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【0381】
【化144】
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【0382】
【化145】
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【0383】
【化146】
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【0384】
【化147】
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【0385】
【化148】
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【0386】
【化149】
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【0387】
発光材料の含有量は、組成物中の本発明の高分子化合物100重量部に対して、好ましくは1〜500重量部であり、より好ましくは5〜200重量部である。
【0388】
(液状組成物)
本実施形態の高分子化合物は、溶媒、好ましくは有機溶媒に溶解または分散させた組成物(以下、「液状組成物」ということがある。液状組成物としては、溶液および分散液の形態がある。)としてもよい。このような液状組成物は、インク、ワニスとも呼ばれる。
発光素子に使用する有機薄膜を形成するためにこの液状組成物を用いる場合、液状組成物は、溶液であることが好ましい。
【0389】
液状組成物は、本実施形態の高分子化合物に加えて、正孔輸送材料、電子輸送材料および発光材料からなる群より選ばれる少なくとも一種を含有していてもよい。また、液状組成物には、本発明の効果を妨げない限りにおいて、その他の物質が添加されていてもよい。その他の物質としては、酸化防止剤、粘度調整剤、界面活性剤等が挙げられる。
【0390】
ここで、有機溶媒としては、本実施形態の高分子化合物が溶解または分散する限り、特に限定されないが、以下の有機溶媒が挙げられる。
【0391】
芳香族炭化水素系溶媒:トルエン、キシレン(各異性体またはそれらの混合物)、1,2,3−トリメチルベンゼン、1,2,4−トリメチルベンゼン、メシチレン(1,3,5−トリメチルベンゼン)、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、イソプロピルベンゼン、ブチルベンゼン、イソブチルベンゼン、2−フェニルブタン、tert−ブチルベンゼン、ペンチルベンゼン、ネオペンチルベンゼン、イソアミルベンゼン、ヘキシルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、ヘプチルベンゼン、オクチルベンゼン、3−プロピルトルエン、4−プロピルトルエン、1−メチル−4−プロピルベンゼン、1,4−ジエチルベンゼン、1,4−ジプロピルベンゼン、1,4−ジ−tert−ブチルベンゼン、インダン、テトラリン(1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン)等。
【0392】
脂肪族炭化水素系溶媒:n−ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n−へプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、デカリン等。
【0393】
芳香族エーテル系溶媒:アニソール、エトキシベンゼン、プロポキシベンゼン、ブチロキシベンゼン、ペンチルオキシベンゼン、シクロペンチルオキシベンゼン、ヘキシルオキシベンゼン、シクロヘキシルオキシベンゼン、ヘプチルオキシベンゼン、オクチルオキシベンゼン、2−メチルアニソール、3−メチルアニソール、4−メチルアニソール、4−エチルアニソール、4−プロピルアニソール、4−ブチルアニソール、4−ペンチルアニソール、4−ヘキシルアニソール、ジフェニルエーテル、4−メチルフェノキシベンゼン、4−エチルフェノキシベンゼン、4−プロピルフェノキシベンゼン、4−ブチルフェノキシベンゼン、4−ペンチルフェノキシベンゼン、4−ヘキシルフェノキシベンゼン、4−フェノキシトルエン、3−フェノキシトルエン、1,3−ジメトキシベンゼン、2,6−ジメチルアニソール、2,5−ジメチルアニソール、2,3−ジメチルアニソール、3,5−ジメチルアニソール等。
【0394】
脂肪族エーテル系溶媒:テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン等。
【0395】
ケトン系溶媒:アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノン等。
【0396】
エステル系溶媒:酢酸エチル、酢酸ブチル、安息香酸メチル、エチルセルソルブアセテート等。
【0397】
塩素化溶媒:塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等。
【0398】
アルコール系溶媒:メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール、フェノール等。
【0399】
多価アルコールおよびその誘導体:エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジメトキシエタン、プロピレングリコール、ジエトキシメタン、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、グリセリン、1,2−ヘキサンジオール等。
【0400】
非プロトン性極性溶媒:ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等。
【0401】
これらの有機溶媒は、一種単独で用いても二種以上を混合溶媒として使用してもよい。混合溶媒を用いる場合、上記の溶媒群から二種または三種以上を組み合わせることが好ましいが、上記例示の同じ系の溶媒群から複数を組み合わせても、異なる系の溶媒群から1種以上ずつを組み合わせてもよい。その組成比は、各溶媒の物性や、高分子化合物等の溶解性を考慮して決めることができる。
【0402】
同じ系の溶媒群から複数種を選んで組み合わせる場合の好ましい例としては、芳香族炭化水素系溶媒から複数種、芳香族エーテル系溶媒から複数種等が挙げられる。異なる系の溶媒群から1種以上ずつを選んで組み合わせる場合の好ましい例としては、芳香族炭化水素系溶媒と脂肪族炭化水素系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒と芳香族エーテル系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒と脂肪族エーテル系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒と非プロトン性極性溶媒、芳香族エーテル系溶媒と非プロトン性極性溶媒等の組み合わせが挙げられる。
また、単独溶媒または混合溶媒に水を添加することもできる。
【0403】
これらの有機溶媒のうち、ベンゼン環を含む構造を有し、融点が0℃以下であり、かつ沸点が100℃以上である有機溶媒を一種以上含む単独溶媒または混合溶媒が、粘度、成膜性の観点から好ましく、芳香族炭化水素系溶媒、芳香族エーテル系溶媒を一種以上含む単独溶媒または混合溶媒がより好ましい。
【0404】
有機溶媒は、一種単独で用いても二種以上を混合溶媒として使用してもよいが、成膜性を制御する観点から、混合溶媒として使用することが好ましい。また、有機溶媒は、必要に応じ、洗浄、蒸留、吸着剤への接触等の方法により精製を行ってから使用してもよい。
【0405】
上記液状組成物によれば、本実施形態の高分子化合物を含有する有機薄膜を容易に製造することができる。具体的には、上記液状組成物を基板上に塗布して、加熱、送風、減圧等により有機溶媒を留去することにより、本実施形態の高分子化合物を含有する有機薄膜を製造することができる。有機溶媒の留去は、使用される有機溶媒に応じて条件を変更することができ、例えば、50℃以上の250℃以下の温度で加熱する工程、または10
−3Pa程度の減圧雰囲気に保持する工程等が挙げられる。
【0406】
塗布には、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビア法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スリットコート法、キャピラリーコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法、ノズルコート法等の塗布法を用いることができる。
【0407】
上記液状組成物の好適な粘度は印刷法によっても異なるが、25℃において、好ましくは0.5〜1000mPa・sであり、より好ましくは0.5〜500mPa・sである。また、インクジェットプリント法のように上記液状組成物が吐出装置を経由する場合、吐出時の目詰まりや飛行曲がりを防止するために25℃における粘度は、好ましくは0.5〜50mPa・sであり、より好ましくは0.5〜20mPa・sである。液状組成物中の本実施形態の高分子化合物の濃度は、0.01〜10重量%であることが好ましく、0.1〜5重量%であることがより好ましい。
【0408】
(有機薄膜)
本実施形態の有機薄膜は、上記高分子化合物または組成物を含有する。本実施形態の有機薄膜は、上記液状組成物から容易に製造することができる。また、本発明の第二の有機薄膜は、本実施形態の高分子化合物を架橋により不溶化させた、不溶化有機薄膜であり、通常、加熱または光照射等の外部刺激により架橋させ、硬化したものである。不溶化有機薄膜は、溶媒に難溶のため、発光素子の積層化等に有利である。
【0409】
有機薄膜を架橋させるための加熱の温度は、一般的には室温〜300℃の範囲であり、その上限は発光効率の観点から250℃であることが好ましく、200℃であることがさらに好ましく、180℃であることが特に好ましい。また、下限は不溶化有機薄膜形成の容易さの観点から、50℃が好ましく、70℃がさらに好ましく、100℃が特に好ましい。
【0410】
有機薄膜を架橋させるための光照射には、一般的には紫外光、近紫外光、可視光が使用されるが、紫外光、近紫外光が使用されることが好ましい。
【0411】
本実施形態の有機薄膜および不溶化有機薄膜は、後述する発光素子における正孔注入層または正孔輸送層として好適に使用することができる。また、有機トランジスタや有機太陽電池等の有機半導体素子にも好適に使用できる。本実施形態の有機薄膜および不溶化有機薄膜は、上記高分子化合物または組成物を用いて作製されるため、発光素子の正孔注入層または正孔輸送層として使用した場合に、当該発光素子の発光効率がより優れたものとなる。
【0412】
(発光素子)
本実施形態の発光素子は、上記の有機薄膜または不溶化有機薄膜を有する。
【0413】
具体的には、本実施形態の発光素子は、陽極と、陰極と、該陽極および該陰極の間に本発明の高分子化合物を含有する層と、を有する。ここで、該高分子化合物を含有する層は上記の有機薄膜または不溶化有機薄膜からなる層であることが好ましく、当該層は正孔注入層または正孔輸送層として機能することが好ましい。なお、本発明の高分子化合物を含有する層が正孔注入層または正孔輸送層として機能する場合は、当該層は上記の不溶化有機薄膜からなる層であることが好ましい。
【0414】
本実施形態の発光素子としては、例えば、陰極と発光層との間に電子輸送層を設けた発光素子、陽極と発光層との間に正孔輸送層を設けた発光素子、陰極と発光層との間に電子輸送層を設け、かつ陽極と発光層との間に正孔輸送層を設けた発光素子等が挙げられる。
【0415】
本実施形態の発光素子としては、具体的には、以下のa)〜d)の構造が例示される。
a)陽極/発光層/陰極
b)陽極/正孔輸送層/発光層/陰極
c)陽極/発光層/電子輸送層/陰極
d)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(ここで、/は各層が隣接して積層されていることを示す。以下同じ。)
【0416】
本実施形態の発光素子が正孔輸送層を有する場合、該正孔輸送層には本実施形態の高分子化合物を用いることができる。また、該正孔輸送層には正孔輸送材料(低分子量、高分子量の化合物がある。)も用いることができる。この正孔輸送材料としては、前述の本発明の組成物が含有してもよい正孔輸送材料で例示したものが挙げられる。
【0417】
該正孔輸送材料としては、具体的には、特開昭63−70257号公報、特開昭63−175860号公報、特開平2−135359号公報、特開平2−135361号公報、特開平2−209988号公報、特開平3−37992号公報、特開平3−152184号公報に記載されているものが例示される。
【0418】
これらの中で、正孔輸送層に用いる正孔輸送材料としては、ポリビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリシランおよびその誘導体、側鎖または主鎖に芳香族アミン化合物基を有するポリシロキサン誘導体、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)およびその誘導体、ポリ(2,5−チエニレンビニレン)およびその誘導体等の高分子量の正孔輸送材料が好ましく、ポリビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリシランおよびその誘導体、側鎖または主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体がさらに好ましい。
【0419】
また、低分子量の正孔輸送材料としては、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体が例示される。低分子量の正孔輸送材料の場合には、高分子バインダーに分散させて用いることが好ましい。
【0420】
高分子バインダーとしては、電荷輸送を極度に阻害しないものが好ましく、また可視光に対する吸収が強くないものが好適に用いられる。高分子バインダーとしては、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)およびその誘導体、ポリ(2,5−チエニレンビニレン)およびその誘導体、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリシロキサンが例示される。
【0421】
ポリビニルカルバゾールおよびその誘導体は、例えば、ビニルモノマーからカチオン重合またはラジカル重合によって得られる。
【0422】
ポリシランおよびその誘導体としては、ケミカル・レビュー(Chem.Rev.)第89巻、1359頁(1989年)、英国特許GB2300196号公開明細書に記載の化合物が例示される。合成方法もこれらに記載の方法を用いることができるが、特にキッピング法が好適に用いられる。
【0423】
ポリシロキサンおよびその誘導体は、シロキサン骨格構造には正孔輸送性がほとんどないので、側鎖または主鎖に上記低分子量の正孔輸送材料の構造を有するものが好適に用いられる。特に正孔輸送性の芳香族アミンを側鎖または主鎖に有するものが例示される。
【0424】
正孔輸送層の成膜の方法としては、低分子量の正孔輸送材料では、高分子バインダーとの混合溶液からの成膜による方法が例示される。高分子量の正孔輸送材料では、溶液(すなわち、正孔輸送材料を溶媒と混合したもの)からの成膜による方法が例示される。
【0425】
溶液からの成膜に用いる溶媒としては、正孔輸送材料を溶解または均一に分散できるものが好ましい。該溶媒としては、クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等の塩素系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−へプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等の脂肪族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート等のエステル系溶媒、エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジメトキシエタン、プロピレングリコール、ジエトキシメタン、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、グリセリン、1,2−ヘキサンジオール等の多価アルコールおよびその誘導体、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール等のアルコール系溶媒、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒が例示される。これらの有機溶媒は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
【0426】
溶液からの成膜方法としては、溶液からのスピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法等の塗布法を用いることができる。
【0427】
正孔輸送層の厚さは、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択すればよいが、少なくともピンホールが発生しないような厚さが必要であり、あまり厚いと素子の駆動電圧が高くなることがあり好ましくない。従って、正孔輸送層の厚さは、通常、1nm〜1μmであり、好ましくは2nm〜500nm、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
【0428】
本実施形態の発光素子が電子輸送層を有する場合、該電子輸送層には電子輸送材料(低分子量、高分子量の化合物がある。)を用いることができる。この電子輸送材料としては、前述の本発明の組成物が含有してもよい電子輸送材料で例示したものが挙げられる。
【0429】
該電子輸送材料としては、具体的には、特開昭63−70257号公報、特開昭63−175860号公報、特開平2−135359号公報、特開平2−135361号公報、特開平2−209988号公報、特開平3−37992号公報、特開平3−152184号公報に記載されているものが例示される。
【0430】
これらのうち、オキサジアゾール誘導体、ベンゾキノンおよびその誘導体、アントラキノンおよびその誘導体、8−ヒドロキシキノリンおよびその誘導体の金属錯体、ポリキノリンおよびその誘導体、ポリキノキサリンおよびその誘導体、ポリフルオレンおよびその誘導体が好ましく、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、ベンゾキノン、アントラキノン、トリス(8−キノリノール)アルミニウム、ポリキノリンがさらに好ましい。
【0431】
電子輸送層の成膜法としては、低分子量の電子輸送材料では、粉末からの真空蒸着法、および溶液または溶融状態からの成膜による方法が例示され、高分子量の電子輸送材料では溶液または溶融状態からの成膜による方法が例示される。溶液または溶融状態からの成膜時には、前記高分子バインダーを併用してもよい。
【0432】
溶液からの成膜に用いる溶媒としては、電子輸送材料および/または高分子バインダーを溶解または均一に分散できるものが好ましい。具体的には、前記正孔輸送層の項において、正孔輸送層の溶液からの成膜に用いる溶媒として例示したものが挙げられる。この溶媒は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
【0433】
溶液または溶融状態からの成膜方法としては、前記正孔輸送層の項において、正孔輸送層の溶液からの成膜方法として例示したものが挙げられる。
【0434】
電子輸送層の厚さとしては、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択すればよいが、少なくともピンホールが発生しないような厚さが必要であり、あまり厚いと、素子の駆動電圧が高くなり好ましくない。従って、電子輸送層の厚さは、通常、1nm〜1μmであり、好ましくは2nm〜500nm、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
【0435】
また、電極に隣接して設けた正孔輸送層、電子輸送層のうち、電極からの電荷注入効率を改善する機能を有し、素子の駆動電圧を下げる効果を有するものは、それぞれ、特に正孔注入層、電子注入層(以下、これらの総称を「電荷注入層」ということがある。)と一般に呼ばれることがある。
【0436】
さらに電極との密着性向上や電極からの電荷注入の改善のために、電極に隣接して前記の電荷注入層または絶縁層を設けてもよく、また、界面の密着性向上や混合の防止等のために電荷輸送層や発光層の界面に薄いバッファー層を挿入してもよい。
【0437】
積層する層の順番や数、および各層の厚さについては、発光効率や素子寿命を勘案して適宜用いることができる。
【0438】
本実施形態において、電荷注入層を設けた発光素子としては、例えば、陰極に隣接して電荷注入層を設けた発光素子、陽極に隣接して電荷注入層を設けた発光素子が挙げられる。具体的には、以下のe)〜p)の構造が挙げられる。
e)陽極/正孔注入層/発光層/陰極
f)陽極/発光層/電子注入層/陰極
g)陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰極
h)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/陰極
i)陽極/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極
j)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極
k)陽極/正孔注入層/発光層/電子輸送層/陰極
l)陽極/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
m)陽極/正孔注入層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
n)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
o)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
p)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
【0439】
本実施形態の発光素子としては、前述のとおり、本実施形態の高分子化合物が正孔輸送層および/または電子輸送層に含まれているものも含む。また、本実施形態の発光素子としては、本実施形態の高分子化合物が正孔注入層および/または電子注入層に含まれているものも含む。
【0440】
本実施形態の高分子化合物または組成物が正孔注入層に用いられる場合には、電子受容性化合物と同時に用いられることが好ましい。本実施形態の高分子化合物または組成物が電子注入層に用いられる場合には、電子供与性化合物と同時に用いられることが好ましい。ここで、同時に用いるためには、混合、共重合、側鎖としての導入等の方法がある。
【0441】
電荷注入層の具体例としては、導電性高分子を含む層、陽極と正孔輸送層との間に設けられ、陽極材料と正孔輸送層に含まれる正孔輸送材料との中間の値のイオン化ポテンシャルを有する材料を含む層、陰極と電子輸送層との間に設けられ、陰極材料と電子輸送層に含まれる電子輸送材料との中間の値の電子親和力を有する材料を含む層等が挙げられる。
【0442】
電荷注入層が導電性高分子を含む層の場合、該導電性高分子の電気伝導度は、10
−5S/cm以上10
3S/cm以下であることが好ましく、発光画素間のリーク電流を小さくするためには、10
−5S/cm以上10
2S/cm以下がより好ましく、10
−5S/cm以上10
1S/cm以下がさらに好ましい。通常、該導電性高分子の電気伝導度を10
−5S/cm以上10
3S/cm以下とするために、該導電性高分子に適量のイオンをドープする。
【0443】
ドープするイオンの種類は、正孔注入層であればアニオン、電子注入層であればカチオンである。アニオンの例としては、ポリスチレンスルホン酸イオン、アルキルベンゼンスルホン酸イオン、樟脳スルホン酸イオン等が挙げられる。カチオンの例としては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオン等が挙げられる。
【0444】
電荷注入層の厚さは、通常、1nm〜100nmであり、2nm〜50nmが好ましい。
【0445】
電荷注入層に用いる材料は、電極や隣接する層の材料との関係で適宜選択すればよく、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリピロールおよびその誘導体、ポリフェニレンビニレンおよびその誘導体、ポリチエニレンビニレンおよびその誘導体、ポリキノリンおよびその誘導体、ポリキノキサリンおよびその誘導体、芳香族アミン構造を主鎖または側鎖に含む重合体等の導電性高分子、金属フタロシアニン(銅フタロシアニン等)、カーボンが例示される。
【0446】
絶縁層の厚さは、通常、0.5〜7.0nmであり、電荷注入を容易にする機能を有するものである。絶縁層の材料としては、金属フッ化物、金属酸化物、有機絶縁材料等が挙げられる。
【0447】
絶縁層を設けた発光素子としては、陰極に隣接して絶縁層を設けた発光素子、陽極に隣接して絶縁層を設けた発光素子が挙げられる。具体的には、例えば、以下のq)〜ab)の構造が挙げられる。
q)陽極/絶縁層/発光層/陰極
r)陽極/発光層/絶縁層/陰極
s)陽極/絶縁層/発光層/絶縁層/陰極
t)陽極/絶縁層/正孔輸送層/発光層/陰極
u)陽極/正孔輸送層/発光層/絶縁層/陰極
v)陽極/絶縁層/正孔輸送層/発光層/絶縁層/陰極
w)陽極/絶縁層/発光層/電子輸送層/陰極
x)陽極/発光層/電子輸送層/絶縁層/陰極
y)陽極/絶縁層/発光層/電子輸送層/絶縁層/陰極
z)陽極/絶縁層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
aa)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/絶縁層/陰極
ab)陽極/絶縁層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/絶縁層/陰極
【0448】
本実施形態の発光素子は、上記a)〜ab)に例示した素子構造において、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層のうちのいずれかに、本実施形態の高分子化合物または組成物を含む。好ましくは正孔注入層および/または正孔輸送層に本実施形態の高分子化合物または組成物を含む。
【0449】
本実施形態の発光素子は、通常、基板上に形成される。この基板は、電極を形成し、有機物の層を形成する際に変化しないものであればよい。基板の材料としては、例えば、ガラス、プラスチック、高分子フィルム、シリコン等が挙げられる。不透明な基板の場合には、反対の電極(すなわち、基板から遠い方の電極)が透明または半透明であることが好ましい。通常、本実施形態の発光素子が有する陽極および陰極の少なくとも一方が透明または半透明である。陽極側が透明または半透明であることが好ましい。
【0450】
陽極の材料としては、導電性の金属酸化物膜、半透明の金属薄膜等が用いられる。具体的には、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、およびそれらの複合体であるインジウム・スズ・オキサイド(ITO)、インジウム・亜鉛・オキサイド等からなる導電性ガラスを用いて作製された膜(NESA等)や、金、白金、銀、銅等が用いられ、ITO、インジウム・亜鉛・オキサイド、酸化スズが好ましい。陽極の作製方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法等が挙げられる。また、陽極として、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体等の有機の透明導電膜を用いてもよい。
【0451】
陽極の厚さは、光の透過性と電気伝導度とを考慮して、適宜調整することができるが、通常、10nm〜10μmであり、好ましくは20nm〜1μm、さらに好ましくは40nm〜500nmである。
【0452】
陽極上に、電荷注入を容易にするために、フタロシアニン誘導体、導電性高分子、カーボン等からなる層、または金属酸化物や金属フッ化物、有機絶縁材料等からなる層を設けてもよい。
【0453】
陰極の材料としては、仕事関数の小さい材料が好ましい。例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウム等の金属、およびそれらのうち2つ以上の合金、またはそれらのうち1つ以上と、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫のうち1つ以上との合金、グラファイトまたはグラファイト層間化合物等が用いられる。合金の例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、カルシウム−アルミニウム合金が挙げられる。陰極を2層以上の積層構造としてもよい。
【0454】
陰極の厚さは、電気伝導度および耐久性を考慮して、適宜調整することができるが、例えば、10nm〜10μmであり、好ましくは20nm〜1μm、より好ましくは50nm〜500nmである。
【0455】
陰極の作製方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、また金属薄膜を熱圧着するラミネート法等が用いられる。また、陰極と有機層との間に、導電性高分子からなる層、または金属酸化物や金属フッ化物、有機絶縁材料等からなる層を設けてもよく、陰極作製後、該発光素子を保護する保護層を設けてもよい。発光素子を長期安定的に用いるためには、素子を外部から保護するために、保護層および/または保護カバーを設けることが好ましい。
【0456】
保護層としては、高分子化合物、金属酸化物、金属フッ化物、金属ホウ化物、金属窒化物、有機無機ハイブリッド材料等を用いることができる。保護カバーとしては、ガラス板、表面に低透水率処理を施したプラスチック板等を用いることができ、該カバーを熱硬化樹脂や光硬化樹脂で素子基板と貼り合わせて密閉する方法が好適に用いられる。スペーサーを用いて空間を維持すれば、素子がキズつくのを防ぐことが容易である。該空間に窒素やアルゴンのような不活性なガスを封入すれば、陰極の酸化を防止することができ、さらに酸化バリウム等の乾燥剤を該空間内に設置することにより製造工程で吸着した水分が素子にタメージを与えるのを抑制することが容易となる。これらのうち、いずれか1つ以上の方策をとることが好ましい。
【0457】
本実施形態の発光素子は、例えば、曲面状光源、平面状光源等の面状光源(例えば、照明);セグメント表示装置(例えば、セグメントタイプの表示素子)、ドットマトリックス表示装置(例えば、ドットマトリックスのフラットディスプレイ)、液晶表示装置(例えば、液晶表示装置、液晶ディスプレイのバックライト)等の表示装置に用いることができる。
【0458】
本実施形態の発光素子を用いて面状の発光を得るためには、面状の陽極と陰極が重なり合うように配置すればよい。パターン状の発光を得るためには、面状の発光素子の表面にパターン状の窓を設けたマスクを設置する方法、非発光部の有機物層を極端に厚く形成し実質的に非発光とする方法、陽極または陰極のいずれか一方、または両方の電極をパターン状に形成する方法がある。これらのいずれかの方法でパターンを形成し、いくつかの電極を独立にON/OFFできるように配置することにより、数字や文字、簡単な記号等を表示できるセグメントタイプの表示素子が得られる。更に、ドットマトリックス素子とするためには、陽極と陰極をともにストライプ状に形成して直交するように配置すればよい。複数の種類の発光色の異なる高分子蛍光体を塗り分ける方法や、カラーフィルターまたは蛍光変換フィルターを用いる方法により、部分カラー表示、マルチカラー表示が可能となる。ドットマトリックス素子は、パッシブ駆動も可能であるし、TFT等と組み合わせてアクティブ駆動してもよい。これらの表示素子は、コンピュータ、テレビ、携帯端末、携帯電話、カーナビゲーション、ビデオカメラのビューファインダー等の表示装置として用いることができる。
【0459】
面状の発光素子は、自発光薄型であり、液晶表示装置のバックライト用の面状光源、または面状の照明用光源として好適に用いることができる。フレキシブルな基板を用いれば、曲面状の光源や表示装置としても使用できる。
【実施例】
【0460】
以下、本発明をより詳細に説明するために実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0461】
[測定方法]
以下の合成例、実施例では、数平均分子量および重量平均分子量の測定、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、NMR、LC−MS、TLC−MS、高分子化合物のエネルギーギャップの測定を、以下のようにして実施した。
【0462】
(数平均分子量および重量平均分子量)
数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)については、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により分析し、その分析結果からポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)を算出した。
<分析条件>
測定装置:HLC−8320GPC(東ソー株式会社製)
カラム:PLgel MIXED−B(ポリマーラボラトリーズ社製)
カラム温度:40℃
移動層:テトラヒドロフラン
流量:2.0mL/min
検出波長:228nm
【0463】
(高速液体クロマトグラフィー(HPLC))
化合物の純度の指標として、HPLC面積百分率の値を用いた。測定する化合物は、0.01〜0.2重量%の濃度になるようにテトラヒドロフランまたはクロロホルムに溶解させ、HPLCに、濃度に応じて1〜10μL注入した。
<分析条件1>
測定装置:LC−20A(島津製作所製)
カラム:Kaseisorb LC ODS 2000(東京化成工業製)、または同等の性能を有するカラム
検出器:SPD−M20A(島津製作所製)
検出波長:254nm
HPLCの移動相には、アセトニトリルおよびテトラヒドロフランを用い、1mL/分の流速で、アセトニトリル/テトラヒドロフラン=100/0〜0/100(容積比)のグラジエント分析で流した。
<分析条件2>
測定装置:分析条件1と同等の性能を有する装置
カラム:Ascentis Express C18、または同等の性能を有するカラム
検出器:分析条件1と同等の性能を有する装置
検出波長:目的物および不純物が測定可能な波長
HPLCの移動相には、水およびテトラヒドロフランを用い、1mL/分の流速で、水/テトラヒドロフラン=100/0〜0/100(容積比)のグラジエント分析で流した。
【0464】
NMRの測定は、測定試料5〜20mgを約0.5mLの有機溶媒に溶解させたサンプルで行った。測定データに測定周波数を記載する。300MHzは、NMR(バリアン(Varian,Inc.)製、商品名:INOVA300)を用いて行った。
【0465】
LC−MSの測定は、以下の方法で行った。測定試料を1〜10mg/mLの濃度になるように適切な有機溶媒(クロロホルム、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、トルエン等)に溶解させて、LC−MSにて測定し、解析した。LC−MSの移動相には、イオン交換水、アセトニトリル、テトラヒドロフランまたはそれらの混合液を用い、必要に応じて酢酸を添加した。
<分析条件1>
測定装置:1100LCMSD(アジレント・テクノロジー製)
カラム:L−column 2 ODS(3μm)(化学物質評価研究機構製、内径:4.6mm、長さ:250mm、粒子径3μm)
<分析条件2>
測定装置:分析条件1と同等の性能を有する装置
カラム:Zorbax Extend C18(内径:4.6mm、長さ:50mm、粒子径5μm)
【0466】
TLC−MSの測定は、以下の方法で行った。測定試料を1〜10mg/mLの濃度になるように適切な有機溶媒(クロロホルム、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、トルエン等)に溶解させて、試料溶液をガラスプレートにのせ、TLC−MSにて測定し、解析した。
測定装置:Accu TOF TLC(日本電子製)
【0467】
(高分子化合物のエネルギーギャップの測定方法および算出方法)
高分子化合物の0.8重量%キシレン溶液を、石英板上にスピンコートすることで高分子化合物からなる有機薄膜を作製した。該有機薄膜を測定試料として、高分子化合物の吸収スペクトルを紫外・可視分光光度計(Varian社製、商品名:Cary5E)により測定した。
得られた吸収端波長と、下記計算式(E)を用いて、高分子化合物のエネルギーギャップを算出した。
計算式(E):エネルギーギャップ(eV)=1239/吸収端波長(nm)
【0468】
<合成例1:単量体CM1、単量体CM3〜CM17および単量体CM22〜CM24の合成>
CM1は特開2010−189630号公報記載の合成法に従い合成した。
CM2は下記の方法により合成した。
CM3は特開2010−189630号公報記載の合成法に従い合成した。
CM4は特開2010−189630号公報記載の合成法に従い合成した。
CM5は特開2011−174061号公報記載の合成法に従い合成した。
CM6はWO2002/045184記載の合成法に従い合成した。
CM7はWO2009/131255記載の合成法に従い合成した。
CM8はWO2002/045184記載の合成法に従い合成した。
CM9はWO2009/131255記載の合成法に従い合成した。
CM10はWO2005/049546記載の合成法に従い合成した。
CM11はWO2011/049241記載の合成法に従い合成した。
CM12は特開2009−052032号公報記載の合成法に従い合成した。
CM13は、WO2009/110642記載の合成法に従い合成した。
CM14はWO2002/045184号公報記載の合成法に従い合成した。
CM15は特開2006−169265号公報記載の合成法に従い合成した。
CM16は特開2006−169265号公報記載の合成法に従い合成した。
CM17は特開2010−189630号公報記載の合成法に従い合成した。
CM18は下記の方法により合成した。
CM19は下記の方法により合成した。
CM20は下記の方法により合成した。
CM21は下記の方法により合成した。
CM22は特開2008−106241号公報記載の合成法に従い合成した。
CM23は特開2010−215886号公報記載の合成法に従い合成した。
CM24は特開2010−215886号公報記載の合成法に従い合成した。
CM25は下記の方法により合成した。
CM26は下記の方法により合成した。
CM27は下記の方法により合成した。
CM28は下記の方法により合成した。
【0469】
【化150】
[この文献は図面を表示できません]
【0470】
【化151】
[この文献は図面を表示できません]
【0471】
【化152】
[この文献は図面を表示できません]
【0472】
【化153】
[この文献は図面を表示できません]
【0473】
<合成例2:単量体CM2の合成>
滴下ロートを備えた四つ口フラスコを遮光し、フラスコ内をアルゴンガスで置換した後に、1,4−ジブチルベンゼン(100g、0.53mol)、鉄粉(2.9g、0.053mol)、CHCl
3(140mL)およびトリフルオロ酢酸(以下、「TFA」ということがある。)(4mL)を加えた。その後、フラスコを氷浴にて冷却しながら、臭素(185g、1.16mol)をCHCl
3(330mL)に溶かした溶液を、前記滴下ロートより滴下した。滴下終了後、遮光、氷浴の条件下にて4時間撹拌した。その後、反応溶液を2Mの水酸化カリウム水溶液(250mL)で洗浄し、イオン交換水(250mL)で水層が無色透明になるまで繰り返し洗浄した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させた後、溶媒を減圧留去するとオレンジ色の液体が得られた。この液体をヘキサン(500mL)に溶解させ、活性炭(15g)を加え撹拌した後に、珪藻土濾過を行い、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をエタノール(100mL)にて3回再結晶を行うことで、極僅かに黄味を帯びた白色粉末CM2aを120g得た(収率94%)。
1HNMR(300MHz,CDCl
3):δ(ppm)=7.35(s,2H),2.64(t,J=8.0Hz,4H),1.61−1.51(m,4H),1.42−1.35(m,4H),0.94(t,J=7.4Hz,6H).
13CNMR(75.5MHz,CDCl
3):δ(ppm)=141.56,134.05,123.35,35.52,32.24,22.73,14.21.
分析条件1で測定したLC−MS(APPI,positive):m/z
+=346([M]
+).
【0474】
【化154】
[この文献は図面を表示できません]
【0475】
セパラブルフラスコに前記CM2a(100g、288mmol)、ビスピナコレートジボロン(168g、660mmol)、酢酸カリウム(170g、1724mmol)および脱水ジオキサン(1340mL)を加えて、30分間アルゴンガスでバブリングを行った。その後、PdCl
2(dppf)
2・CH
2Cl
2(14.12g、17.28mmol)を加え、110℃で12時間加熱撹拌した後、溶媒を減圧留去した。残渣をトルエン(1.5L)に分散させ、セライトを用いて濾過を行った。濾液をイオン交換水(1.5L)で繰り返し洗浄した。有機層をNa
2SO
4にて脱水し、溶媒を減圧留去すると、暗赤色タール状の生成物が185g得られた。この生成物をトルエン(2L)に溶解させ、活性炭200gを加え、80℃で2時間加熱撹拌を行い、セライトを用いて熱時濾過し、溶媒を減圧留去した。残渣をヘキサン(150mL)、エタノール(800mL)、エタノール(550mL)の順番で再結晶を繰り返し行い、得られた白色結晶を減圧乾燥させ、目的とする単量体CM2を80g得た(収率63%)。
1HNMR(300MHz,CDCl
3):δ(ppm)=7.53(s,2H),2.82(t,J=7.9Hz,4H),1.59−1.33(mult,32H(4H+4H+24H)),0.92(t,J=7.2Hz,6H).
13CNMR(75.5MHz,CDCl
3):δ(ppm)=146.09,136.47,83.26,35.97,35.19,24.83,23.00,14.02.
TLC−MS(DART,positive):m/z
+=440([M]
+),441([M+H]
+).
【0476】
<合成例3:単量体CM18の合成>
単量体CM18は以下の第一工程〜第六工程に従い合成した。
【化155】
[この文献は図面を表示できません]
【0477】
<第一工程:化合物CM18cの合成>
窒素ガス雰囲気下、1−ブロモ−3,5−ジ−n−ヘキシルベンゼン(化合物CM18a、650g)およびテトラヒドロフラン(6.5L)からなる溶液に、−75〜−70℃にてn−ブチルリチウム(1.6Mヘキサン溶液、1237mL)を1時間かけて滴下し、同温度でさらに4時間攪拌した。次いで、2,7−ジブロモフルオレノン(化合物CM18b、613g)を−75〜−70℃にて1時間かけて加え、攪拌しながら反応混合物の温度を室温まで上げた。次いで、2M塩酸(982mL)を加え、反応混合物のpHを7に調整した。減圧下、テトラヒドロフランを除去し、残った混合物にn−ヘキサンを加え攪拌し、分液して得られた油層を水洗した。該油層に無水硫酸ナトリウムを加え攪拌し、濾過したのち、濾液を減圧濃縮して溶媒を除去し、油状物を得た。該油状物をn−ヘキサンによって再結晶することにより、目的とする化合物CM18c(674g)を得た。
【0478】
<第二工程:化合物CM18dの合成>
窒素ガス雰囲気下、化合物CM18c(674g)にn−ヘキサン(1215mL)を加え、10℃にて攪拌しながらトリフルオロ酢酸(877mL)を加え、次いで、トリエチルシラン(147g)およびn−ヘキサン(300mL)からなる溶液を10−15℃にて滴下した。次いで、反応混合物を室温にて一晩攪拌した。次いで、得られた反応混合物に、10℃にて水(1200mL)をゆっくり加え、減圧濃縮により溶媒を除去した。得られた混合物に、n−ヘキサンを加えて攪拌し、静置後分液した水層を油層から分離した。得られた油層に、10%リン酸カリウム水溶液(5L)を加え、2時間攪拌し、静置後分液した水層を油層から分離した。該油層を水洗した後、無水硫酸ナトリウムを加え攪拌し、濾過した濾液を減圧濃縮することによって溶媒を除去し、油状物を得た。該油状物をジクロロメタン(610mL)に溶解して調製した溶液を、攪拌したメタノール(8.5L)に1時間かけて加え、さらに3時間攪拌し、析出した結晶を濾過し、減圧下乾燥することにより、目的とする化合物CM18dを538g得た。
【0479】
<第三工程:化合物CM18eの合成>
窒素ガス雰囲気下、化合物CM18d(25g)、1−ブロモオクタン(12.9g)、テトラエチルアンモニウムクロライド(Aldrich製:商標Aliquat336)からなる混合物に、攪拌しながら85℃にて26.7重量%水酸化カリウム水溶液をゆっくり加え、同温度にて20時間攪拌した。得られた反応混合物に、室温にて、水(120mL)およびジクロロメタン(250mL)を加え攪拌し、静置後分液して得られた水層を油層から除去した。該油層に無水硫酸ナトリウムを加えて攪拌し、濾過して得られた濾液を減圧濃縮し、溶媒を除去し、油状物を得た。該油状物にジクロロメタンとメタノールを加え、再結晶することにより、白色固体を得た。該固体をイソプロピルアルコールから再結晶することにより、目的とする、化合物CM18eを22g得た。
【0480】
<第四工程:化合物CM18fの合成>
窒素ガス雰囲気下、化合物CM18e(125g)、2,4,6−トリメチルアニリン(54.63g)、トルエン(1.7L)、[トリス(ジベンジリデンアセトン)]ジパラジウム(0.84g)、トリ−tert−ブチルホスフィンテトラフルオロボレート(t−Bu
3P・BF
4H、0.400g)、ナトリウムtert−ブトキシド(53g)を還流下、16時間攪拌した。次いで、室温にて、水(400mL)を加え攪拌し、静置後分液した水層を油層から除去した。該油層を減圧濃縮して溶媒を除去し、油状物を得た。該油状物をトルエン(500mL)に溶解して溶液を調製し、セライトを敷き詰めた濾過器、シリカゲルを敷き詰めた濾過器の順に該溶液を通した。得られた濾液を減圧濃縮して溶媒を除去し、油状物を得た。該油状物にイソプロピルアルコールおよびジクロロメタンを加え、静置して析出した結晶を濾過し、黄色固体を得た。該固体をイソプロピルアルコールおよびトルエンにて再結晶することにより、目的とする化合物CM18fを94g得た。
【0481】
<第五工程:化合物CM18gの合成>
窒素ガス雰囲気下、化合物CM18f(94.2g)、ブロモベンゼン(32mLg)、トルエン(1.4L)、[トリス(ジベンジリデンアセトン)]ジパラジウム(1.09g)、トリ−tert−ブチルホスフィンテトラフルオロボレート(t−Bu
3P・BF
4H、0.69g)、ナトリウムtert−ブトキシド(34.4g)を還流下、一晩攪拌した。次いで、室温にて、水(300mL)を加え攪拌し、静置後分液した水層を油層から除去した。該油層を減圧濃縮して溶媒を除去し、油状物を得た。該油状物をトルエン(200mL)に溶解して溶液を調製し、セライトを敷き詰めた濾過器、シリカゲルを敷き詰めた濾過器の順に該溶液を通した。得られた濾液を減圧濃縮して溶媒を除去し、油状物を得た。該油状物にイソプロピルアルコールおよびメタノールを加え攪拌し、静置して分液した上澄みを除去し、得られた油状物から減圧下溶媒を除去することにより、目的とする化合物CM18gを82g得た。
【0482】
<第六工程:単量体CM18の合成>
化合物CM18g(55.8g)およびクロロホルム(550mL)からなる溶液に、攪拌しながら−15℃にてN−ブロモスクシンイミド(NBS、21.2g)およびN,N−ジメチルホルムアミド(550mL)からなる溶液を滴下し、同温度で3時間攪拌した。次いで、室温にてメタノール(400mL)を加え攪拌し、水(400mL)を加え攪拌し、減圧下濃縮して溶媒を除去した。得られた混合物を静置した後、上澄みを除去して褐色固体を得た。該固体にジクロロメタン(500mL)を加え溶解させ、水を加えて攪拌し、静置後分液した水層を油層から除去した。次いで、10%炭酸ナトリウム水溶液を加えて攪拌し、静置後分液した水層を油層から除去した。次いで、水を加えて攪拌し、静置後分液した水層を油層から除去した。得られた油層を減圧下で溶媒を除去し、褐色の油状物を得た。該褐色の油状物を、セライトとシリカゲルを使用したカラムクロマトグラフィーを行い、溶媒を除去することにより、透明な油状物を得た。該透明な油状物にイソプロピルアルコールとトルエンを加えて攪拌し、静置した後、上澄みを除去して粘性の高い固体を得た。次いで、該固体にメタノールを加えて激しく攪拌し、得られた固体を濾過した。次いで、メタノールおよび酢酸n−ブチルを使用して再結晶することにより、目的とする単量体CM18を40.6g得た。
【0483】
<合成例4:単量体CM19の合成>
単量体CM19は以下の第一工程〜第七工程に従い合成した。
【0484】
【化156】
[この文献は図面を表示できません]
【0485】
<第一工程>
反応容器に、アセトアミド(59.1g、1.00mol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(3.66g、4mmol)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(通称Xantphos、6.94g、12mmol)、炭酸セシウム(391g、1.20mol)、1,4−ジオキサン(800ml)およびイオン交換水(7.2ml)を加え、更にアルゴンガスをバブリングすることにより反応容器内をアルゴンガス雰囲気に置換した。100℃まで加熱した後に、9,9−ジヘキシル−2,7−ジブロモフルオレン(上記化合物CM19a、98.5g、200mmol)を1,4−ジオキサン(300ml)に溶解した溶液を約0.5時間かけてゆっくりと加えた後に、同温度で4時間攪拌した。得られた反応混合物をシリカゲルパッドに通液し、得られたろ液を濃縮してからイオン交換水中に、ゆっくりと加え、攪拌することにより析出した固体をろ取し、イオン交換水で洗浄し、減圧乾燥することにより、94.5gの固体を得た。得られた固体を、エタノール−イオン交換水を用いて再結晶した後に、更に、クロロホルム−ヘキサンで2回再結晶し、更に、エタノールに溶解した状態で活性炭を加えて加熱還流した後にセライトろ過により活性炭をろ別した。その後、ろ液を濃縮し、ヘキサンを加え固体を析出させる操作を行うことにより精製した。得られた固体を、ろ取、減圧乾燥することにより、目的物である化合物CM19b(52.8g)を肌色固体として得た。収率58.9%。得られた化合物CM19bの分析条件1で測定したHPLC面積百分率値は97.6%を示した。
1H−NMR(300MHz,THF−d
8)δ(ppm)=9.05(s,2H),7.69(s,2H),7.51(t,4H),2.06(s,6H),1.95(m,4H),1.10(m,12H),0.78(t,6H),0.66(m,4H).
13C−NMR(75MHz,THF−d
8)δ(ppm)=169.1,152.9,140.8,138.3,120.9,119.6,115.3,56.9,42.7,33.7,31.9,25.8,25.3,24.6,15.5.
【0486】
<第二工程>
上記化合物CM19b(43.1g、96mmol)、炭酸カルシウム(11.5g、115mmol)、クロロホルム(384ml)、メタノール(384ml)を混合し、窒素ガスをバブリングすることにより系内を窒素ガス雰囲気に置換した。遮光下で、上記混合物を攪拌しながら、ベンジルトリメチルアンモニウムトリブロミド(89.84g、230mmol)を1時間かけて少しずつゆっくりと加えた。その後、室温で17時間攪拌し、ついで、50℃に加熱しながら、2時間攪拌し、再び室温で23時間攪拌し、50℃で9時間攪拌した。室温まで冷却した後に、不溶物をろ過により除去した後に、10重量%亜硫酸ナトリウム水溶液(384ml)を加え、1時間攪拌した後、水層を分液により除き、得られた油層を5重量%炭酸水素ナトリウム水溶液(384ml)、イオン交換水(384ml)、15重量%食塩水(384ml)で順次洗浄し、減圧濃縮することにより、約80gの固体を得た。得られた固体を酢酸エチル(400ml)に室温にて溶解させた後に、シリカゲル(40g)を加え、30分攪拌してから、シリカゲルをろ過により除去し、得られたろ液を濃縮した。酢酸エチル(80ml)に加熱溶解させ、ヘキサン(320ml)を滴下し、室温まで冷却してから、析出した固体をろ取した。得られた固体を、再度酢酸エチル(68ml)に加熱溶解させ、ヘキサン(280ml)を滴下し、室温まで冷却してから、析出した固体をろ取した。得られた固体を、減圧乾燥することにより、目的物である化合物CM19c(39.0g)を薄黄色固体として得た。収率67.0%。得られた化合物の分析条件1で測定したHPLC面積百分率値は98.5%を示した。なお、再結晶のろ液を合一して濃縮した後に、同様の条件で再結晶精製し、得られた結晶をろ取、減圧乾燥することにより、化合物CM19c(7.56g)を回収した。収率13.0%。得られた化合物CM19cの分析条件1で測定したHPLC面積百分率値は96.6%を示した。以上より総収率は80.0%であった。
1H−NMR(300MHz,THF−d
8)δ(ppm)=8.36(s,2H),8.26(s,2H),7.96(s,2H),2.16(s,6H),1.98(m,4H),1.11(m,12H),0.79(t,6H),0.68(m,4H).
13C−NMR(75MHz,THF−d
8)δ(ppm)=169.5,152.8,139.1,137.8,125.5,120.0,114.8,57.3,41.9,33.5,31.7,25.8,25.2,24.6,15.5.
【0487】
<第三工程>
上記化合物CM19c(42.5g、70mmol)、ブチルボロン酸(28.5g、280mmol)、酢酸パラジウム(157mg、0.70mmol)、トリ−tert−ブチルホスフィンテトラフルオロボレート塩(204mg、0.70mmol)、無水炭酸カリウム(58.1g、420mmol)、市販脱水トルエン(700ml)を混合し、アルゴンガスをバブリングすることにより、系中を不活性ガスで置換した。オイルバスで加熱し、還流下で19時間攪拌した。HPLCにより反応進行を確認した後に、トルエン(350ml)および酢酸エチル(350ml)で希釈し、室温まで冷却した後に、セライトろ過およびシリカゲルパッドへの通液を行うことで不溶物および極性の高い不純物を除去した。得られた溶液を濃縮した後に、酢酸エチルを用いて再結晶精製し、得られた結晶をろ取、減圧乾燥することにより、目的物である化合物CM19d(19.3g)を白色固体として得た。得られた化合物のHPLC面積百分率値は99.2%(UV254nm)を示した。収率49.1%。なお、上記で用いたセライト、シリカゲルの残渣から目的成分をクロロホルムで抽出し、上記と同様の操作で精製することにより、化合物CM19d(8.7g)を白色固体として回収した。得られた化合物CM19dの分析条件1で測定したHPLC面積百分率値は99.3%(UV254nm)を示した。収率22.1%。以上より総得量で28.0g、収率71.2%。
1H−NMR(300MHz,THF−d
8)δ(ppm)=8.30(s,2H),7.66(s,2H),7.49(s,2H),2.66(t,4H),2.07(s,6H),1.93(m,4H),1.67(m,4H),1.44(m,4H),1.15(m,12H),0.99(t,6H),0.79(t,6H),0.73(m,4H).
13C−NMR(75MHz,THF−d
8)δ(ppm)=169.1,150.7,139.9,137.3,135.6,121.5,121.3,56.5,42.3,34.3,33.6,33.2,31.9,26.7,25.9,24.8,24.6,15.6,15.5.
【0488】
<第四工程>
上記化合物CM19d(28.0g、50mmol)を2−プロパノール(500ml)に室温にて溶解させた後に、48重量%濃度のHBr水溶液(569ml)、イオン交換水(50ml)を加え、加熱還流下で33時間攪拌した。この時、フラスコ内は白色のスラリー状であった。反応終了後、室温まで冷却し、析出した固体をろ取、イオン交換水(250ml)で2回洗浄した。その後、室温で5時間減圧乾燥した後に、50℃で一晩減圧乾燥することにより、目的物である化合物CM19e(26.3g)を白色固体として得た。収率82.2%。得られた化合物CM19eの分析条件1で測定したHPLC面積百分率値は92.7%を示した。
1H−NMR(300MHz,Methanol−d
4)δ(ppm)=7.93(s,2H),7.44(s,2H),4.91(s,6H),2.85(t,4H),2.09(m,4H),1.80(m,4H),1.56(m,4H),1.07(m,18H),0.77(t,6H),0.59(m,4H).
13C−NMR(75MHz,Methanol−d
4)δ(ppm)=152.4,143.0,137.8,130.6,124.1,119.9,57.3,42.0,34.2,33.5,32.2,31.4,25.83,24.7,24.3,15.2,15.1.
【0489】
<第五工程>
上記化合物CM19e(12.8g、20mmol)、市販脱水テトラヒドロフラン(1000ml)、市販脱水エタノール(200ml)、48重量%濃度のHBr水溶液(60ml)を順次加えた。この時、溶液は薄黄色透明を呈していた。氷浴により内温を1℃まで冷却してから、亜硝酸−tert−ブチル(tert−BuONO、含量90%、4.82g、42mmol)を市販脱水テトラヒドロフラン(252ml)に希釈した溶液を30分間かけて滴下することにより加えた。氷浴のまま、更に30分間攪拌した後に、50重量%ジ亜燐酸水溶液(H
3PO
2、200ml)を1時間かけて滴下することにより加えた。滴下終了後、氷浴のまま、5時間攪拌した後に、室温にて一晩静置した。得られた反応溶液にイオン交換水を加え、酢酸エチルで3回抽出し、得られた有機層を合一してから、5重量%炭酸水素ナトリウム水溶液、イオン交換水、15重量%食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、不溶物をろ別し、ろ液を濃縮することにより、10.8gの黒色アメ状物を得た。
上記と同様の操作により、化合物CM19e(9.58g)から得た7.98gの黒色アメ状物と合一した後に、中圧シリカゲルクロマトグラフィー(φ6x30cm、ヘキサン)で精製し、目的物が含まれるフラクションを合一し、活性白土(31g)を加え、1時間室温にて攪拌した後に、固体をろ別し、ろ液を濃縮することにより、目的物である化合物CM19f(10.72g)を黄色油状物として得た。収率68.6%。得られた化合物CM19fの分析条件1で測定したHPLC面積百分率値は95.1%を示した。
1H−NMR(300MHz,CDCl
3)δ(ppm)=7.49(s,2H),7.20(d,2H),7.08(d,2H),2.68(t,4H),1.89(m,4H),1.67(m,4H),1.40(m,4H),1.04(m,12H),0.95(t,6H),0.76(t,6H),0.66(m,4H).
13C−NMR(75MHz,CDCl
3)δ(ppm)=148.8,141.56,141.52,127.4,122.9,119.7,54.6,40.7,36.2,34.3,31.9,30.2,24.2,23.0,22.9,14.40,14.36.
【0490】
<第六工程>
上記化合物CM19f(10.1g、23mmol)、クロロホルム(345ml)を加え、アルゴンガスをバブリングした後に、遮光下、室温にて、N−ブロモスクシンイミド(12.31g、69mmol)を加え、室温にて、10分間攪拌した。氷浴にて、0℃に冷却した後に、トリフルオロ酢酸(85ml)を30分間かけて滴下することにより加えた。滴下終了後、氷浴を外し、室温にて1.5時間攪拌した。別の容器に移した後、メタノール(1700ml)を加え、室温にて1時間攪拌した。析出した固体をろ取、メタノールで洗浄、減圧乾燥することにより、11.1gの白色固体を得た。中圧シリカゲルクロマトグラフィー(φ5x30cm、ヘキサン)で精製し、目的物が含まれるフラクションを合一し、濃縮後、ヘキサン(232ml)で溶解させ、活性白土(23g)を加え、1時間室温にて攪拌した。その後、固体をろ別し、ろ液を濃縮し、その後酢酸エチルから再結晶、ろ取、減圧乾燥することにより、目的物である化合物CM19g(10.85g)を薄黄色結晶として得た。収率74.8%。得られた化合物CM19gの分析条件1で測定したHPLC面積百分率値は99.52%を示した。
1H−NMR(300MHz,CDCl
3)δ(ppm)=7.49(s,2H),7.43(s,2H),2.79(t,4H),1.86(m,4H),1.67(m,4H),1.45(m,4H),1.05(m,12H),0.99(t,6H),0.78(t,6H),0.63(m,4H).
13C−NMR(75MHz,CDCl
3)δ(ppm)=149.1,148.2,130.5,120.9,83.5,54.8,40.3,36.3,36.2,31.8,31.0,25.3,24.0,23.3,22.9,14.5,14.4.
TLC−MS:[M]
+=602.
【0491】
<第七工程>
上記化合物CM19g(10.6g、17.5mmol)に、ビスピナコラートジボロン(13.3g、52.5mmol)、市販脱水1,4−ジオキサン(140ml)を加え、45℃に加熱し溶解させた後に、アルゴンガスで30分間バブリングした。酢酸カリウム(10.3g、105mmol)を加え、再度アルゴンガスでバブリングした後に、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド ジクロロメタン付加物(PdCl
2(dppf)・CH
2Cl
2、400mg、0.49mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(dppf、290mg、0.53mmol)を加え、オイルバスにより加熱しながら、還流下で20時間攪拌した。トルエン(100ml)で希釈し、室温まで冷却した。その後、セライトを敷いたろ過器に通液することにより、不溶物を除去し、更にセライトをトルエン(100mlで2回)洗浄し、ろ液を合一した後に、濃縮した。次に、ヘキサン(280ml)、活性炭(21g)を加え、加熱還流下で1時間攪拌した後に、室温まで冷却し、セライトを敷いたろ過器に通液することにより、不溶物を除去した。更にセライトをトルエン(100mlで2回)洗浄し、ろ液を合一した後に、濃縮するという操作を二回繰り返した後に、エタノール(250ml)を加え、加熱還流下で1時間攪拌した。その後、室温まで冷却し、固体をろ取、エタノール(30mlで2回)洗浄し、減圧乾燥することにより、11.3gの白色固体を得た。ヘキサン(45ml)に加熱完溶させ、エタノール(270g)を滴下することにより加え、室温まで冷却した後に、析出した固体をろ取、少量のメタノールで洗浄し、減圧乾燥するという操作を2回繰り返すことにより、目的物である単量体CM19(9.88g)を白色結晶として得た。収率69.8%。得られた単量体CM19の分析条件1で測定したHPLC面積百分率値は99.96%を示した。
1H−NMR(300MHz,CDCl
3)δ(ppm)=7.66(s,2H),7.49(s,2H),2.95(t,4H),1.93(m,4H),1.59(m,4H),1.41(m,28H),1.08(m,12H),0.95(t,6H),0.76(t,6H),0.64(m,4H).
13C−NMR(75MHz,CDCl
3)δ(ppm)=149.1,148.2,130.5,120.9,83.5,54.8,40.3,36.3,36.2,31.8,31.0,25.3,24.0,23.3,22.9,14.5,14.4.
TLC−MS:[M]
+=698.
【0492】
<合成例5:単量体CM20の合成>
単量体CM20は以下の第一工程〜第七工程に従い合成した。
【0493】
【化157】
[この文献は図面を表示できません]
【0494】
<第一工程>
アルゴンガス雰囲気下、還流冷却装置を取り付けた反応容器内で、3−ブロモ−4−クロロトルエン(上記化合物CM20a、30.82g、150mmol)、2,5−ジメチルフェニルボロン酸(上記化合物CM20b、24.75g、165mmol)、無水炭酸カリウム(124.39g、900mmol)、酢酸パラジウム(II)(0.67g、6mmol)、トリシクロヘキシルホスフィン(1.68g、12mmol)、ジメチルアセトアミド(市販脱水品、600ml)、ピバル酸(15.32g、150mmol)の混合物を150℃に設定した油浴で加熱しながら10時間攪拌した。トルエン(500ml)で希釈した後に、イオン交換水を用いて3回洗浄分液を行った。続いて、得られた油層に活性白土和光純薬工業株式会社製、60g)を加えて2時間攪拌した後に、不溶物をセライトおよびシリカゲルパッドに通液することにより除去する操作2度繰り返した。得られた溶液から溶媒を減圧濃縮により除去した後に、再結晶精製(クロロホルムおよびエタノールの混合溶媒)を行い、析出した結晶をろ取、減圧乾燥することにより、目的物であるCM20c(35.5g)を薄黄色〜白色を呈する固体として得た。収率51%。得られた化合物CM20cの分析条件1で測定したHPLC面積百分率値は99.3%(UV254nm)を示した。
【0495】
<第二工程>
アルゴンガス雰囲気下、上記化合物CM20c(14.58g、75mmol)に、トリフルオロ酢酸(11.15mL、150mmol)、クロロホルム(市販脱水品、400mL)を加え、均一とした混合物を、氷浴を用いて5℃以下に冷却した。そこへ、混合物の温度が5℃を超えることが無いように注意しながら、臭素(8.46mL、165mmol)をゆっくりと加えた後、氷浴を外し、室温にて4時間攪拌し反応溶液を得た。得られた反応溶液に、亜ジチオン酸ナトリウムの飽和水溶液を加え、余剰の臭素を分解した後に、減圧下で濃縮することにより溶媒を除去し、固体を得た。得られた固体にテトラヒドロフラン(1L)を加え、70℃にて1時間攪拌した後に、室温まで冷却し、水を加え、析出している無機塩を溶解させた後に、再度減圧下で濃縮することによりテトラヒドロフランを除去したところ、固液混合物を得た。析出している固体をろ取し、トルエンを加え溶解させた後に、シリカゲルショートカラムに通液し、得られたトルエン溶液を濃縮することにより固体を得た。得られた固体をトルエンおよびイソプロパノールの混合溶媒を用いて再結晶精製する操作を繰り返すことにより、目的物である化合物CM20d(22.3g)を得た(収率84%)。得られた化合物CM20dは、分析条件1で測定したHPLC面積百分率値(UV254nm)で>99.9%を示した。
1H−NMR(300MHz,CDCl
3):δ(ppm)=7.67(s,2H),7.58(s,2H),3.79(s,2H),2.48(s,6H).
【0496】
<第三工程>
上記化合物CM20d(12.22g、34.70mmol)にピリジン(34.70mL)を加えた後に、室温にて、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド(40%ピリジン溶液)(下記に従い調製、0.87mL)を加え、反応容器内に大気を通気させながら、40℃のオイルバスで加熱し、16時間攪拌した。その後、再度、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド(40%ピリジン溶液)(下記に従い調製、0.87mL)を加え、60℃のオイルバスで加熱し、8時間攪拌することにより、反応溶液を得た。
得られた反応溶液にイオン交換水と酢酸を加え、酸性条件とした後に、室温にて1時間攪拌し、析出した黄色固体をろ取し、水でよく洗浄した。得られた固体は、乾燥した後に、テトラヒドロフランおよびメタノールの混合溶媒(テトラヒドロフラン/メタノール=4/30(v/v))に分散させ、80℃のオイルバスで加熱しながら1.5時間攪拌し、室温まで冷却した後に析出している固体をろ取、減圧乾燥することにより、目的物である化合物CM20e(11.87g)を黄色固体として得た。収率93.5%。得られた化合物CM20eは分析条件1で測定したHPLC面積百分率値(UV254nm)で96.7%を示した。
1H−NMR(300MHz,CDCl
3):δ(ppm)=7.77(s,2H),7.36(s,2H),2.47(s,6H).
分析条件1で測定したLC−MS(APPI(posi)):364[M]
+.
【0497】
<ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド(40%ピリジン溶液)の調製>
ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド(40%メタノール溶液)(通称TRITON B、関東化学株式会社製、50mL)に対してピリジン(50mL)を加えた後にエバポレーターにて25mL以下まで濃縮し、再度、ピリジンを加えて50mLになるように希釈することにより調製した。この操作により得られた溶液を、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド(40%ピリジン溶液)と呼ぶ。
【0498】
<第四工程>
アルゴンガス雰囲気下、3,5−ジ−n−ヘキシル−1−ブロモベンゼン(上記化合物CM20f,13.82g、42.5mmol)をテトラヒドロフラン(市販脱水品、324mL)に溶解させた溶液を攪拌しながら、−78℃のドライアイス−メタノールバスを用いて冷却した。その後、上記溶液の温度が−75℃以下を保持するように、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.63mol/L、25.7mL)をゆっくりと滴下することにより加え、更に1時間攪拌した。次いで、上記化合物CM20e(11.87g、32.4mmol)を、上記溶液の温度が−75℃以下を保持するように、少量ずつ加え、更に、2時間攪拌した後に、メタノール(約20mL)をゆっくりと滴下により加えてから、ドライアイス−メタノールバスを外し、室温までゆっくりと昇温した。得られた反応溶液は、溶媒を減圧濃縮により留去した後に、ヘキサンを加え、イオン交換水で洗浄することにより、油層を得た。得られた油層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、不溶分をろ別した後に、減圧濃縮により溶媒を留去し、更に、再結晶精製(ヘキサン)を行い、ろ取、減圧乾燥することにより、目的物である化合物CM20g(9.12g)を白色固体として得た。収率45%。得られた化合物CM20gは分析条件1で測定したHPLC面積百分率値(UV254nm)で97.9%を示した。
分析条件1で測定したLC−MS(ESI(posi)):610[M]
+.
【0499】
<第五工程>
アルゴンガス雰囲気下、上記化合物CM20g(9.12g、14.89mmol)、トリエチルシラン(4.53mL、59.6mmol)、ヘキサン(39mL)を混合し、70℃のオイルバスで加熱を開始した後に、トリフルオロ酢酸(4.5mL、59.6mmol)を滴下により加え、更に3時間加熱下で攪拌することにより反応溶液を得た。
得られた反応溶液を室温まで冷却した後に、10重量%濃度のリン酸カリウム水溶液を加え、更に、有機層を飽和食塩水により洗浄し、無水硫酸ナトリウムにより乾燥し、不溶物をろ別した後に、減圧濃縮および減圧乾燥により溶媒を留去し、化合物CM20hを含む油状物(8.9g)を得た。得られた油状物は、これ以上の精製は行わずに次工程に用いた。
分析条件1で測定したLC−MS(ESI(posi)):594[M]
+.
【0500】
<第六工程>
アルゴンガス雰囲気下、上記化合物CM20hを含む油状物(8.9g)にN,N−ジメチルホルムアミド(74mL)を加え均一な溶液を得た。アルゴンガスバブリングを15分間行い、次いで、氷浴を用いて5℃以下に冷却した後に、水酸化カリウム(2.76g、49.1mmol)をイオン交換水(2.4mL)に溶解させた後にアルゴンガスをバブリングすることによりアルゴンガス雰囲気に置換した水酸化カリウム水溶液を加えた。続いて、ヨウ化メチル(6.34g、44.7mmol)を滴下により加え、0〜5℃にて4時間攪拌した。氷浴を外し、イオン交換水を加え、更にヘキサンにより抽出することにより、油層を得た。得られた油層を無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、不溶物をろ別、溶媒を留去した後に、中圧シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)により精製した。目的物CM20iを含むフラクションを統合し、濃縮した後に、再結晶精製(ヘキサンおよびイソプロパノールの混合溶媒)を行い、得られた結晶をろ取、減圧乾燥することにより、目的物である化合物CM20i(7.10g)を白色固体として得た。収率77%。得られた化合物CM20iは分析条件1で測定したHPLC面積百分率値(UV254nm)で>99.9%を示した。
1H−NMR(300MHz,CDCl
3):δ(ppm)=7.57(s,2H),7.35(s,2H),6.83(s,1H),6.71(s,2H),2.50−2.44(m,10H),1.79(s,3H),1.54−1.45(m,4H),1.34−1.17(m,12H),0.84(t,6H).
分析条件1で測定したLC−MS(ESI(posi)):608[M]
+.
【0501】
<第七工程>
アルゴンガス雰囲気下、ビスピナコールジボロン(9.10g、35.9mmol)、酢酸カリウム(7.04g、71.7mmol)、1,4−ジオキサン(36mL)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)のジクロロメタン錯体(1:1)(Pd(dppf)Cl
2・CH
2Cl
2、CAS番号95464−05−4、Sigma−Aldrich Co. LLC製、0.293g、0.36mmol)の混合物を115℃のオイルバスで加熱しながら攪拌した中へ、別途調製した上記化合物CM20i(7.13g、11.9mmol)を1,4−ジオキサン(36mL)に溶解した溶液を2時間かけて滴下することにより加えた後に、同温度で約18時間攪拌することにより、反応溶液を得た。得られた反応溶液を室温まで冷却した後に、トルエンを加えて希釈し、続いて、セライトおよびシリカゲルパッドに通液することにより不溶物と極性成分を除去した。得られた溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、不溶物をろ別した後に、減圧濃縮により溶媒を留去してから、トルエンを加え均一な溶液を得た。得られた溶液に活性炭を加え、70℃のオイルバスで加熱しながら30分間攪拌し、室温まで冷却した後に不溶物をセライトろ過により除去する操作を行い、得られた溶液を濃縮した後に再結晶精製(トルエンおよびアセトニトリルの混合溶媒)を行った。得られた結晶をろ取、減圧乾燥することにより、目的物である単量体CM20(6.94g)を白色固体として得た。収率82%。得られた単量体CM20は分析条件1で測定したHPLC面積百分率値(UV254nm)で>99.9%を示した。
1H−NMR(300MHz,CDCl
3):δ(ppm)=7.64(s,2H),7.55(s,2H),6.81(s,2H),6.77(s,1H),2.62(s,6H),2.48−2.42(m,4H),1.85(s,3H),1.55−1.45(m,4H),1.31(s,24H),1.31−1.17(m,12H),0.83(t,6H).
分析条件1で測定したLC−MS(ESI(posi)):704[M]
+.
【0502】
<合成例6:単量体CM21の合成>
単量体CM21は以下の第一工程〜第三工程に従い合成した。
【0503】
【化158】
[この文献は図面を表示できません]
【0504】
<第一工程>
窒素ガス雰囲気下、テトラヒドロフラン(市販脱水品、600mL)、マグネシウム(168.2g、6.92mol)、ヨウ素(0.7g、2.7mmol)の混合物を45℃に加熱した後に、n−ヘキシルブロミド(224g、1.36mol)を滴下により加え、テトラヒドロフラン(市販脱水品、880mL)を加え、更に、n−ヘキシルブロミド(895g、5.42mol)をテトラヒドロフラン(市販脱水品、1.82L)で希釈した溶液を3時間かけて滴下により加え、続いて50℃で2時間撹拌した。[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]ニッケル(II)ジクロリド(NiCl
2(dppp),29.4g、54.2mmol)を加え、次いで、4−クロロトルエン(上記化合物CM21a,343.5g、2.71mol)を45℃で滴下により加えた。続いて加熱により65℃まで昇温し、同温度で5時間撹拌することにより反応溶液を得た。得られた反応溶液にテトラヒドロフラン(市販脱水品、5.5L)を加えた。続いて室温まで冷却した後に、該溶液を、7℃まで冷却した2mol/L濃度の塩酸(3.4L)へ滴下により加えた。続いてトルエンを用いて有機層を抽出し、得られた有機層を水で洗浄した後に、減圧下で溶媒を留去することにより、目的物である化合物CM21b(425g)を微黄色油状物として得た。収率82%。化合物CM21bはこれ以上の精製をせずに次工程に用いた。
分析条件1で測定したLC−MS(APPI、positive):[M
+]176.
【0505】
<第二工程>
窒素ガス雰囲気下、上記化合物CM21b(424.4g、純分393.3g、2.23mmol)、ジクロロメタン(1.7L)、ヨウ素(56.6g、223mmol)を仕込み、3℃まで冷却して臭素(908.7g、5.69mol)を2時間かけて滴下により加えた。5℃で1時間撹拌したのち、10重量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液を滴下した。イオン交換水およびジクロロメタンを流入して抽出し、得られた有機層を減圧濃縮した。トルエン、活性炭を加え、室温で1時間撹拌したのち濾過した。得られた有機層を減圧下で濃縮することにより、目的物である化合物CM21c(745.7g)を黄色油状物として得た。収率87%。化合物CM21cはこれ以上の精製をせずに次工程に用いた。
LC−MS(APPI、positive):[M
+]332.
【0506】
<第三工程>
アルゴンガス雰囲気下、化合物CM21c(744.5g、純分644.9g、1.93mol)、1,2−ジメトキシエタン(6.2L)、酢酸カリウム(1136g、11.6mol)、ビス(ピナコラート)ジボロン(別名4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ−1,3,2−ジオキサボロラン、1.12kg、4.44mol)を仕込み、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド ジクロロメタン付加物(PdCl
2(dppf)・CH
2Cl
2、47.3g、57.9mmol)を加えて加熱し、85℃で24時間撹拌した。室温でトルエンと水を加えて抽出し、得られた有機層を減圧下で溶媒留去した。得られた濃縮残渣にトルエンと活性炭を加え、室温で1時間撹拌したのち濾過した。得られた有機層を塩化ナトリウム水溶液および水で洗浄した後、減圧濃縮し、メタノールを加え、析出した固体をろ取し、乾燥させた。得られた固体にイソプロパノールを加え、加熱溶解したのちに冷却し、析出した固体をろ取し、乾燥させることにより、単量体CM21(709g)を白色粉末固体として得た。収率86%。得られた単量体CM21の分析条件1で測定したHPLC面積百分率値は>99.5%を示した。
1H−NMR(300MHz,CDCl
3)δ(ppm)=7.53(s,2H),2.81(t,2H),2.48(s,3H),1.55−1.29(m,32H),0.88(t,3H).
LC−MS(APPI、positive):[M
+]428.
【0507】
<合成例7:単量体CM25の合成>
単量体CM25は以下の第一工程〜第二工程に従い合成した。
【0508】
【化159】
[この文献は図面を表示できません]
【0509】
<第一工程:化合物CM25bの合成>
窒素ガス雰囲気下、N,N’−ジフェニルベンジジン(CM25a,65.16g,194mmol)、1−ブロモ−4−n−ブチル−2,5−ジメチルベンゼン(140.13g,582mmol)、トルエン(750mL)に[トリス(ジベンジリデンアセトン)]ジパラジウム(6.99g,4.3mmol)、トリ−tert−ブチルホスフィンテトラフルオロボレート(t−Bu
3P・BF
4H、2.53g,8.7mmol)、ナトリウム−tert−ブトキシド(74.44g, 775mmol)を加えて、130℃で24時間反応させた。次いで、0℃で水(500mL)を加えて、静置後、分液した油層を水層から分離し、水層のトルエン抽出分と合一した。該油層に硫酸マグネシウムを加えてろ過し、ろ液を減圧濃縮して溶媒を除去し、油状物を得た。該油状物をトルエンに溶解させ、シリカゲルを敷き詰めた濾過器にヘキサン/トルエン混合溶媒で通して、得られたろ液を減圧濃縮し、油状物を得た。該油状物をヘキサン/トルエン混合溶媒に溶解させ、フロリジールを敷き詰めた濾過器にヘキサン/トルエン混合溶媒で通して、得られたろ液を減圧濃縮し、油状物を得た。該油状物をヘキサンに溶解させ、フロリジールを敷き詰めた濾過器にヘキサンで通して、得られたろ液を減圧乾燥し、油状物を得た。該油状物にイソプロパノールを加え、得られた油状物にメタノールを加えて、固体を濾過した。該固体をメタノール/トルエンで再結晶し、ジクロロメタン/メタノールを加えて、目的とする化合物CM25bを95.79g得た。得られた化合物CM25bの分析条件2で測定したHPLC面積百分率値は99.21%を示した。
【0510】
<第二工程:単量体CM25の合成>
窒素ガス雰囲気下、化合物CM25b(95.79g,146mmol)をジクロロメタン(1420mL)に溶解させた溶液に、0℃で、N−ブロモスクシンイミド(52.16g,293mmol)を加えて、室温まで昇温させて一晩攪拌した。
反応溶液をジクロロメタン(650mL)で希釈し、10wt%炭酸ナトリウム水溶液および水で分液し、油層に硫酸マグネシウムを加えてろ過し、ろ液を減圧濃縮して溶媒を除去し、油状物を得た。該油状物をジクロロメタンに溶解させ、シリカゲルを敷き詰めた濾過器に通して、得られたろ液を減圧乾燥し、油状物を得た。該油状物にイソプロパノールを加えて得られた固体を濾過した。該固体をトルエン/イソプロパノール、トルエン/酢酸ブチル、トルエン/アセトニトリルで再結晶した。得られた固体をジクロロメタンに溶解させ、ろ紙で濾過し、イソプロパノールを加えて固体を得た。
該固体をアセトニトリルで1時間加熱還流し、室温まで冷却後に得られた固体を濾過し、目的とする単量体CM25を83.77g得た。得られた単量体CM25の分析条件2で測定したHPLC面積百分率値は99.69%を示した。
1H−NMR(600MHz,CDCl
3)δ(ppm)=7.39(d,J=8.4Hz,4H),7.27(d,J=8.8Hz,4H),6.99(d,J=8.1Hz,4H),6.93(s,4H),6.86(d,J=8.7Hz,4H),2.58(t,J=7.74Hz,4H),2.00(s,12H),1.62(m,4H),1.39(m,4H),0.96(t,J=7.38Hz,6H).
【0511】
<合成例8:単量体CM26の合成>
単量体CM26は以下の第一工程〜第二工程に従い合成した。
【0512】
【化160】
[この文献は図面を表示できません]
【0513】
<第一工程:化合物CM26bの合成>
窒素ガス雰囲気下、N,N’−ジフェニルベンジジン(CM26a,59.51g,228.6mmol)、2,6−ジメチル−4−ヘキシルブロモベンゼン(129.24g,480mmol)、トルエン(1500mL)に[トリス(ジベンジリデンアセトン)]ジパラジウム、トリ−tert−ブチルホスフィンテトラフルオロボレート(t−Bu
3P・BF
4H)、ナトリウム−tert−ブトキシドを加えて、16時間加熱還流させた。次いで、0℃で1時間攪拌後、静置し、分液した油層を水層から分離し、水層のトルエン抽出分と合一し、該油層を減圧濃縮して溶媒を除去し、油状物を得た。該油状物をトルエンに溶解させ、フロリジール/シリカゲル/アルミナを敷き詰めた濾過器にヘキサン/トルエン混合溶媒で通して、得られたろ液を減圧濃縮し、油状物を得た。該油状物にヘキサンを加えて攪拌し、固体を濾過し、目的とする化合物CM26bを得た。得られた化合物CM26bの分析条件2で測定したHPLC面積百分率値は99.3%を示した。
【0514】
<第二工程:単量体CM26の合成>
窒素ガス雰囲気下、化合物CM26b(50g, 78.5mmol)をジクロロメタン(1000mL)に溶解させた溶液に、−30℃で、N−ブロモスクシンイミド(28.65g,161.0mmol)を加えて、室温まで昇温させて一晩攪拌した。
反応溶液を水洗し、油層に硫酸マグネシウムを加えてろ過し、ろ液を減圧濃縮して溶媒を除去し、固体を得た。該固体をヘキサンで洗浄し、加熱したトルエン/イソプロパノールで6回再結晶し、白色固体として、目的とする単量体CM26を得た。得られた単量体CM26の分析条件2で測定したHPLC面積百分率値は99.62%を示した。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ(ppm)=7.22(d,J=9Hz,4H),6.90(s,4H),6.84(s,4H),6.75(d,J=9Hz,4H),2.54(m,4H),1.99(s,12H),1.33(m,12H),0.99(t,6H).
【0515】
<合成例9:単量体CM27の合成>
単量体CM27は以下の第一工程〜第二工程に従い合成した。
【0516】
【化161】
[この文献は図面を表示できません]
【0517】
<第一工程:化合物CM27bの合成>
窒素ガス雰囲気下、CM27a(26g,39.6mmol)をテトラヒドロフラン(500mL)に溶解させ、0℃〜5℃に冷却した。カリウム−tert−ブトキシド (17.75g,158.5mmol)を0℃〜5℃の範囲でゆっくりと加えて、反応溶液を室温まで昇温させ、24時間攪拌した。反応溶液に氷水(500mL)を加え、静置後分液した油層を水層から分離し、水層の酢酸エチル抽出分と合一した。該油層を減圧濃縮して溶媒を除去し、油状物を得た。該油状物をヘキサンを用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製し、目的とする化合物CM27bを14.5g得た。得られた化合物CM27bの分析条件2(検出波長240nm)で測定したHPLC面積百分率値は99.68%を示した。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ(ppm)=7.37(s,2H),5.81−5.87(m,2H),4.96−5.07(m,4H),2.67(t,J=7.64Hz,4H),2.09−2.15(m,4H),1.57−1.64(m,4H),1.47−1.53(m,4H).
13C−NMR(100MHz,CDCl
3)δ(ppm)=141.19,138.67,133.79,123.08,114.60,35.36,33.54,29.28,28.56.
【0518】
<第二工程:単量体CM27の合成>
窒素ガス雰囲気下、化合物CM27b(11.66g,29.1mmol)をテトラヒドロフラン(220mL)に溶解させ、−75℃に冷却し、sec−ブチルリチウム(94mL,131.1mmol)を内温−65℃以下で2時間かけて滴下し、内温−65℃以下で5.5時間攪拌した。この反応溶液にビス(ピナコレート)ジボロン(30mL,145.7mmol)を−70℃で30分かけて滴下した。反応溶液を室温に昇温し、一晩攪拌した。次に反応溶液を0℃に冷却し、2mol/L塩酸のジエチルエーテル溶液を反応溶液が透明になるまで滴下した。生成物はジエチルエーテルで抽出し、減圧濃縮して溶媒を除去し固体を得た。該固体にアセトニトリル(150mL)を加えて室温で2時間攪拌し、得られた固体をろ過した。該固体に再度、アセトニトリル(100mL)を加えて室温で2時間攪拌し、さらにアセトニトリルで2回再結晶し、目的とする単量体CM27を3.60g得た。得られた単量体CM27の分析条件2で測定したHPLC面積百分率値は99.90%を示した。
再結晶時のアセトニトリルのろ液を合一し、アセトニトリルで2回再結晶し、CM27を1.4g(分析条件2で測定したHPLC面積百分率値は99.76%)を得た。
1H−NMR(500MHz,THF)δ(ppm)=7.53(s,2H),5.83(m,2H),4.99(d,2H),4.90(d,2H),2.82(t,4H),2.07(m,4H),1.56(m,4H),1.45(m,4H),1.33(s,24H).
【0519】
<合成例10:単量体CM28の合成>
単量体CM28は、以下の第一工程〜第五工程に従い合成した。
【0520】
【化162】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、波線は、当該波線を有する化合物が幾何異性体混合物であることを示す。]
【0521】
<第一工程>
撹拌器を備えた2000mLの四つ口フラスコに、CM28a(35.31g)とメタノール(1100mL)を入れ、フラスコ内の気体をアルゴンで置換した。そこに、1,3−アセトンジカルボン酸ジメチル(34.65g)をゆっくり加えた後、ナトリウムメトキシド(5mol/L メタノール溶液)(67.62g)をゆっくり滴下した。その後、室温で2時間保温させた後、還流温度まで昇温し、6時間保温しながら撹拌した。反応液を室温まで冷却し、35%塩酸(37.41g)を加えた。水およびトルエンを入れ、室温で撹拌後、水層を分離し、有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。得られた有機層に硫酸ナトリウムを入れ、ろ過後、濃縮し、CM28bを60.1g得た。
その後、撹拌器を備えた1000mLの四つ口フラスコに、CM28b(60.10g)、酢酸(450mL)、イオン交換水(60mL)を入れ、フラスコ内の気体をアルゴンで置換した。その後、還流温度まで昇温し、5時間保温しながら撹拌した。反応液を室温まで冷却し、水およびトルエンを入れ、水層を分離し、有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。得られた有機層に硫酸ナトリウムを入れ、ろ過後、濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラム(展開溶媒 ヘキサン/酢酸エチル混合液)を用いて精製し、白色固体としてCM28cを19.5g得た。
LC−MS(APCI、positive):[M+H]
+457.
【0522】
<第二工程>
撹拌器を備えた1Lの四つ口フラスコにヘプチルトリフェニルホスホニウムブロミド(82.29g)入れ、フラスコ内の気体をアルゴンで置換した。このフラスコ内に、トルエン(520mL)を入れ、5℃以下に冷却した。カリウムtert−ブトキシド(20.92g)を入れ、室温まで昇温した後、室温で3時間保温撹拌した。反応液中に生じた赤色スラリーに、CM28c(18.0g)を入れ、室温で6時間30分保温撹拌した。反応液に酢酸(7.2g)を入れて15分撹拌した後、水およびヘキサンを入れ、室温で撹拌後、水層を分離し、有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。得られた有機層に硫酸ナトリウムを入れ、ろ過後、濃縮することで粗生成物が得られた。この粗生成物をシリカゲルカラム(展開溶媒 ヘキサン)にて精製し、得られたヘキサン溶液に活性炭を加え、50℃で1時間、保温しながら撹拌した。室温まで冷却し、セライトをプレコートした濾過器により濾過し、残渣をヘキサンで複数回洗浄し、複数回分のろ液を合わせて濃縮し、無色透明液体としてCM28dを18.8g得た。
LC−MS(APCI、positive):[M+H]
+621.
【0523】
<第三工程>
撹拌器を備えた1Lの四つ口フラスコにCM28d(18.6g)を入れた後、酢酸エチル(165mL)とエタノール(150mL)を入れ、フラスコ内の気体を窒素で置換した。5重量%Pd/C(約50重量%含水品)(3.7g)を入れた後、フラスコ内の気体を水素で置換し、水素雰囲気下、50℃で49時間保温しながら撹拌した。室温まで冷却し、セライトをプレコートした濾過器により濾過し、残渣を酢酸エチルで複数回洗浄し、複数回分のろ液を合わせて濃縮することにより、粗生成物を得た。この粗生成物をシリカゲルカラム(展開溶媒 ヘキサン)にて精製し、得られたヘキサン溶液に活性炭を加え、50℃で1時間、保温しながら撹拌した。室温まで冷却し、セライトをプレコートした濾過器により濾過し、残渣をヘキサンで複数回洗浄し、複数回分のろ液を合わせて濃縮し、無色透明液体としてCM28eを17.6g得た。
LC−MS(APCI、positive):[M+H]
+625.
【0524】
<第四工程>
撹拌器を備えた500mLの四つ口フラスコにCM28e(17.0g)を入れ、フラスコ内の気体をアルゴンで置換した。このフラスコ内に、クロロホルム(230mL)、トリフルオロ酢酸(22mL)を入れ、5℃以下に冷却した。四つ口フラスコ全体を遮光し、臭素(8.9g)とクロロホルム(45mL)の混合物を、15分かけてフラスコ内に滴下し、3時間保温しながら撹拌した。反応液に10重量%亜硫酸ナトリウム水溶液入れ、室温まで昇温した。反応液から水層を分離し、油層を水、5重量%炭酸水素ナトリウム水溶液、水の順に洗浄した。得られた油層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、ろ液を濃縮することにより、粗生成物を得た。この粗生成物をシリカゲルカラム(展開溶媒 ヘキサン)にて精製し、得られたヘキサン溶液に活性炭を加え、50℃で1時間、保温しながら撹拌した。室温まで冷却し、セライトをプレコートした濾過器により濾過し、残渣をヘキサンで複数回洗浄し、複数回分のろ液を合わせて濃縮した。この操作を2回繰り返すことにより、無色透明液体としてCM28fを19.3g得た。
LC−MS(APCI、positive):[M+H]
+781.
1H−NMR(CDCl
3、300MHz)δ(ppm):0.91(12H、m)、1.18〜1.43(36H、m)、1.56〜1.77(8H、m)、2.15〜2.33(4H、m)、2.70〜2.75(4H、m)、7.39〜7.53(2H、m)、7.61〜7.66(2H、m).
【0525】
<第五工程>
撹拌器を備えた1000mLの四つ口フラスコに脱水テトラヒドロフラン(210mL)を入れ、−70℃以下に冷却した。n−ブチルリチウム(1.6M ヘキサン溶液)(70mL)を30分以上かけてゆっくり滴下し、30分保温しながら撹拌した。そこにCM28f(18.2g)と脱水テトラヒドロフラン(210mL)の混合物を30分以上かけてゆっくり滴下し、1時間保温しながら撹拌した。2−イソプロポキシ−4、4、5、5−テトラメチル−1、3、2−ジオキサボロラン(32mL)を10分以上かけて滴下し、室温まで昇温した後、室温で4時間保温撹拌した。トルエンを入れ、反応液を希釈後、水を加え、室温で撹拌後、水層を分離し、有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。得られた有機層に硫酸ナトリウムを入れ、ろ過後、濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラム(展開溶媒 ヘキサン/酢酸エチル混合液)で処理した後、トルエンとアセトニトリルの混合液で、再結晶を行うことにより、白色固体として単量体CM28を14.6g得た。
LC−MS(APCI、positive):[M+H]
+877.
1H−NMR(CD
2Cl
2、300MHz)δ(ppm):0.94(12H、m)、1.27〜1.44(60H、m)、1.64〜1.74(8H、m)、2.25〜2.45(4H、m)、2.94(4H、m)、7.67〜7.82(4H、m).
【0526】
<合成例11:燐光発光材料1の合成>
燐光発光材料1は、WO2002/066552に記載の合成法に従い合成した。
【0527】
【化163】
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【0528】
<合成例12:燐光発光材料2の合成>
燐光発光材料2は、WO2006/062226に記載の合成法に従い合成した。
【0529】
【化164】
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【0530】
<実施例M1:単量体MM1の合成>
単量体MM1は以下の第一工程〜第三工程に従い合成した。
【0531】
【化165】
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【0532】
<第一工程:化合物MM1bの合成>
窒素ガス雰囲気下、化合物MM1a(100g, 370mmol)、トルエン(2L)からなる溶液にナトリウム−tert−ブトキシド (92g, 960mmol)を加えて、窒素ガスをバブリングした後、[トリス(ジベンジリデンアセトン)]ジパラジウム(10g,11mmol)、トリ−tert−ブチルホスフィンテトラフルオロボレート(t−Bu
3P・BF
4H、6.4g,22mmol)を加えて窒素ガスをバブリングした。そこにアニリン(38g,410mmolを加えて、還流下、110℃で16時間攪拌した。次いで、室温にて、酢酸エチル(200mL)で反応溶液を希釈してセライトを敷き詰めた濾過器に該溶液を通した。得られた濾液を水洗し、静置後分液した水層を油層から除去した。該油層を減圧濃縮して溶媒を除去し、油状物を得た。該油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的とする化合物MM1bを90g得た。得られた化合物MM1bの分析条件2(検出波長272nm)で測定したHPLC面積百分率値は99.27%を示した。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ(ppm)=7.16(s,1H),7.01−7.05(m,2H),6.91(s,2H),6.52−6.55(m,1H),6.35(d,J=7.7Hz,2H),2.48−2.50(m,2H),2.08(s,6H),1.52−1.59(m,2H),1.23−1.31(m,6H),0.85(t,J=6.7Hz,3H).
13C−NMR(100MHz,DMSO−d
6)δ(ppm)=147.32,139.33,136.10,135.56,128.96,128.16,116.28,112.25,34.81,31.18,31.06,28.51,22.11,18.10,13.99.
分析条件2で測定したLC−MS:[M]
+=281.
【0533】
<第二工程:化合物MM1cの合成>
窒素ガス雰囲気下、化合物CM22(84.5g,160mmol)、トルエン(1.7L)からなる溶液に、化合物MM1b(94.5g,336mmol)、ナトリウム−tert−ブトキシド(76.8g,800mmol)を加えて、窒素ガスでバブリングした後、2−(2’−ジ−tert−ブチルホスフィン)−ビフェニルパラジウム(II)酢酸(2.22g,4.8mmol)を加えて、還流下、120℃で16時間攪拌した。次いで、室温にて、酢酸エチル(50mL)で反応溶液を希釈してセライトを敷き詰めた濾過器に該溶液を通した。得られた濾液を水洗し、静置後分液した水層を油層から除去した。該油層を減圧濃縮して溶媒を除去し、油状物を得た。該油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的とする化合物MM1cを69.5g得た。得られた化合物MM1cの分析条件2(検出波長379nm)で測定したHPLC面積百分率値は99.35%を示した。
1H−NMR(300MHz,CDCl
3)δ(ppm)=7.45−7.68(m,2H),7.05−7.19(m,6H),6.87−6.97(m,7H),6.80−6.85(m,7H),6.45−6.66(m,4H),3.06−3.14(m,8H),2.52−2.70(m,4H),1.97(s,12H),1.59−1.66(m,4H),1.30−1.43(m,12H),0.85−0.94(m,6H).
分析条件2で測定したLC−MS:[M]
+=928.
【0534】
<第三工程:単量体MM1の合成>
窒素ガス雰囲気下、化合物MM1c(29.6g,31.9mmol)、クロロホルム(300mL)からなる溶液に、N―ブロモスクシンイミド(11.3g,63.8mmol)のジメチルホルムアミド(100mL)溶液を−20℃で2時間30分かけて滴下し、3時間攪拌した。その後、室温で16時間攪拌し、該反応溶液を氷水(500mL)にゆっくりと滴下した。該油層を水洗し、静置後分液した水層を油層から除去し、該油層を減圧濃縮して溶媒を除去し、油状物を得た。該油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより繰り返し精製し(7回)、目的とする単量体MM1を26g得た。得られた単量体MM1の分析条件2(検出波長350nm)で測定したHPLC面積百分率値は99.68%を示した。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ(ppm)=7.57(d,J=8.2Hz,2H),7.27−7.30(m,4H),6.97(s,4H),6.81−6.85(m,6H),6.65−6.69(m,6H),6.51(s,2H),3.03−3.05(m,4H),2.96−2.99(m,4H),2.51−2.53(m,4H),1.85(s,12H),1.52−1.63(m,4H),1.18−1.30(m,12H),0.82(t,J=7.0Hz,6H).
分析条件2で測定したLC−MS:[M]
+=1084.
【0535】
<実施例M2:単量体MM2の合成>
(1)化合物MM2cの合成は、下記の第一工程〜第二工程に従い合成した。
【0536】
【化166】
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【0537】
<第一工程:化合物MM2c−2の合成>
窒素ガス雰囲気下、化合物MM2c−1(40g, 219mmol)をテトラヒドロフラン(400mL)に溶解させた溶液に、sec−ブチルリチウム(1.4mol/L,187mL,262mmol)を−75℃で滴下した。得られた溶液を2時間攪拌し、1−ブロモ5−クロロペンテン(36.9g, 198.7mmol)をテトラヒドロフラン(300mL)に溶解させた溶液に−75℃で滴下した。溶液を室温まで昇温させ、一晩攪拌し、2mol/L塩酸(50mL)でクエンチした。静置後分液した油層を水層から分離し、水層のジクロロメタン抽出分と合一した。該油層を減圧濃縮して溶媒を除去し、油状物を得た。得られた油状物(MM2c−2,84g)の分析条件2で測定したHPLC面積百分率値は90%を示した。
【0538】
<第二工程:化合物MM2cの合成>
窒素ガス雰囲気下、化合物MM2c−2(77g, 370mmol)をアセトン(300mL)に溶解させた溶液に、ヨウ化ナトリウム(166g,1100mmol)をアセトン(800mL)に溶解させた溶液を室温で滴下した。得られた溶液を一晩加熱還流した。反応溶液を減圧濃縮して溶媒を除去し、得られた固形分をジクロロメタンに溶解させ、水洗し、分液後の油層を減圧濃縮して溶媒を除去し、茶色の油状物(105g)を得た。油状物の70gをヘキサン:ジクロロメタン=4:1のカラムクロマトグラフィーで精製し、黄色オイル(MM2c,67g,分析条件2で測定したHPLC面積百分率値は84%)を得た。
1H−NMR(600MHz,CDCl
3)δ(ppm)=7.01(d,1H),6.97(d,1H),6.89(s,1H),3.19(t,2H),3.15(m,4H),2.59(t,2H),1.87(q,2H),1.63(q,2H),1.45(q,2H).
【0539】
(2)単量体MM2の合成は、下記の第一工程〜第四工程に従い合成した。
【0540】
【化167】
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【0541】
<第一工程:化合物MM2bの合成>
窒素ガス雰囲気下、リチウムジイソプロピルアミド(2mol/LのTHF溶液,117mL,233mmol)を、1,4−ジブロモベンゼン(MM2a,25g,106mmol)、テトラヒドロフラン(250mL)、トリメチルシリルクロライド(25.3g,233mmol)からなる溶液に−75℃で滴下した。得られたオレンジ色溶液を室温まで昇温させ、一晩攪拌した。その後、反応溶液を−10℃に冷却し、15%硫酸水溶液(50mL)を加えた。静置後、分液した油層を水層から分離し、水層のエーテル抽出分と合一した。該油層を減圧濃縮して溶媒を除去し、油状物を得た。該油状物を冷却したメタノール(500mLを3回)で洗浄し、濾過して得られた固体を乾燥させた。目的とする化合物MM2bを16.5g得た。得られた化合物MM2bの分析条件2で測定したHPLC面積百分率値は100%を示した。
1H−NMR(600MHz,CDCl
3)δ(ppm)=7.51(s,2H),0.38(s,18H).
【0542】
<第二工程:化合物MM2dの合成>
窒素ガス雰囲気下、化合物MM2b(31.5g, 83mmol)をテトラヒドロフラン(320mL)に溶解させた溶液に、sec−ブチルリチウム(1.4mol/L,71mL,99.4mmol)を−75℃で滴下した。溶液は−75℃で2時間攪拌し、化合物MM2c(26.1g,87mmol)をTHF(400mL)に溶解させた溶液を−75℃で滴下した。反応溶液を室温まで昇温させ、一晩攪拌した。反応溶液の内温を−5℃に保って、塩酸(2mol/L,50mL)を加えた。静置後分液した油層を水層から分離し、水層のジクロロメタン抽出分と合一した。該油層を減圧濃縮して溶媒を除去し、油状物を得た。該油状物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン100%)により精製し、目的とする化合物MM2dを27.5g得た。得られた化合物MM2dの分析条件2で合成したHPLC面積百分率値は92.2%を示した。
1H−NMR(600MHz,CDCl
3)δ(ppm)=7.58(s,1H),7.25(s,1H),7.03(d,1H),6.98(d,1H),6.92(s,1H),3.17(s,4H),2.64(m,4H),1.68(m,2H),1.62(m,2H),1.49(m,2H),0.41(s,9H),0.34(s,9H).
【0543】
<第三工程:MM2eの合成>
窒素ガス雰囲気下、化合物MM2d(27.5g, 58mmol)を用いて、化合物MM2dの合成と同様の手順で反応を実施した。反応混合物は、室温でアセトニトリルを加えて白色固体として、目的とする化合物MM2eを25.2g得た。得られた化合物MM2eの分析条件2で測定したHPLC面積百分率値は96.2%を示した。
1H−NMR(600MHz,CDCl
3)δ(ppm)=7.25(s,2H),7.02(d,2H),6.96(d,2H),6.90(s,2H),3.14(s,8H),2.65(m,4H),2.60(t,4H),1.64(m,8H),1.47(m,4H),0.31(s,18H).
【0544】
<第四工程:単量体MM2の合成>
窒素ガス雰囲気下、N−ブロモスクシンイミド(15.6g, 87.6mmol)をジメチルホルムアミド(50mL)に溶解させ、窒素ガスでバブリングした溶液を、化合物MM2e(24.2g,42.7mmol)を酢酸、クロロホルム、ジメチルホルムアミドの混合溶媒[1.8:10:4](v/wt)に溶解させた溶液に室温で滴下した。一晩、室温で攪拌し、水(250mL)を加えた。静置後分液した油層を水層から分離し、水層のジクロロメタン抽出分と合一した。該油層を減圧濃縮して溶媒を除去し、油状物を得た。該油状物は、室温でアセトニトリルを加えて白色固体として、目的とする単量体MM2を22g得た。得られた単量体MM2の分析条件2で測定したHPLC面積百分率値は98.8%を示した。
1H−NMR(600MHz,CDCl
3)δ(ppm)=7.33(s,2H),7.03(d,2H),6.95(d,2H),6.87(s,2H),3.14(s,8H),2.64(m,4H),2.59(t,4H),1.63(m,8H),1.42(m,4H).
【0545】
<実施例M3:単量体MM3の合成>
単量体MM3の合成は、下記に従い合成した。
【0546】
【化168】
[この文献は図面を表示できません]
【0547】
<単量体MM3の合成>
窒素ガス雰囲気下、単量体MM2(17.1g,29.4mmol)、ビス(ピナコレート)ジボロン(16.4g,64.6mmol)をトルエン(170mL)に溶解させ、窒素ガスでバブリングした溶液に、ジクロロメタン1,1’−ビス(ジペニルフォスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(Pd(dppf)Cl2、0.36g,0.44mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(dppf,0.25g,0.44mmol)を加え、反応溶液を窒素ガスでバブリングした。酢酸カリウム(17.3g,176.2mmol)を加え、110℃で一晩反応させた。反応溶液は、シリカゲル/フロリジール/セライトを敷き詰めた濾過器に通し、トルエンに溶解させ、反応混合物を得た(22g,分析条件2で測定したHPLC面積百分率値は97.4%)。反応混合物を室温でアセトニトリルを加えて攪拌濾過し、再結晶は、アセトニトリル、トルエン/アセトニトリル、酢酸ブチル/アセトニトリルで実施し、目的とする単量体MM3を22g得た。得られた単量体MM3の分析条件2で測定したHPLC面積百分率値は98.8%を示した。
1H−NMR(600MHz,CDCl
3)δ(ppm)=7.54(s,2H),7.01(d,2H),6.95(d,2H),6.89(s,2H),3.14(s,8H),2.83(m,4H),2.57(t,4H),1.63(m,4H),1.57(m,4H),1.42(m,4H),1.33(s,24H).
【0548】
<実施例1:高分子化合物1の合成>
窒素雰囲気下、単量体CM1(1.7273g)、単量体CM10(2.6836g)、単量体CM11(0.2231g)および溶媒となるトルエン(73ml)の混合物を約80℃に加熱した後に、酢酸パラジウム(0.77mg)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(4.90mg)および20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(12.3g)を加え、還流下で約4時間攪拌した。次に、フェニルボロン酸(85.6mg)、酢酸パラジウム(0.72mg)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(4.89mg)および20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(12.3g)を加え、更に還流下で約19.5時間攪拌した。その後、N,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(0.98g)をイオン交換水(20ml)に溶解した溶液を加え、85℃に加熱しながら2時間攪拌した。その後、有機層を3.6重量%塩酸で2回、2.5重量%アンモニア水溶液で2回、イオン交換水で5回、順次洗浄した。有機層をメタノールに滴下し高分子化合物を沈殿させ、ろ取、乾燥させることにより、固体を得た。この固体をトルエンに溶解させ、予めトルエンを通液したシリカゲルカラムおよびアルミナカラムに通液した。得られた溶液をメタノールに滴下し高分子化合物を沈殿させ、ろ取、乾燥させることにより、高分子化合物1(2.907g)を得た。高分子化合物1のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)は、Mn=1.9×10
4、Mw=9.9×10
4であった。
【0549】
高分子化合物1は、単量体の仕込み比率から以下の構成単位およびモル比率を有し、(PA)の構成単位と(PB)から選ばれる構成単位とが交互に重合した高分子化合物と推定される。
【0550】
【化169】
[この文献は図面を表示できません]
【0551】
上記の方法で、高分子化合物1のエネルギーギャップを算出したところ、3.01eVであった。
【0552】
<実施例2:高分子化合物2の合成>
窒素雰囲気下、単量体CM2(1.4280g)、単量体CM10(2.5001g)、単量体CM11(0.2079g)および溶媒となるトルエン(63ml)の混合物を約80℃に加熱した後に、酢酸パラジウム(1.11mg)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(6.91mg)および20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(11.5g)を加え、還流下で約5.5時間攪拌した。次に、フェニルボロン酸(39.7mg)、酢酸パラジウム(1.16mg)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(6.94mg)および20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(11.5g)を加え、更に還流下で約17時間攪拌した。その後、N,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(1.40g)をイオン交換水(28ml)に溶解した溶液を加え、85℃に加熱しながら2.5時間攪拌した。その後、有機層をイオン交換水で2回、3重量%酢酸で2回、イオン交換水で2回、順次洗浄した。有機層をメタノールに滴下し高分子化合物を沈殿させ、ろ取、乾燥させることにより、固体を得た。この固体をトルエンに溶解させ、予めトルエンを通液したシリカゲルカラムおよびアルミナカラムに通液した。得られた溶液をメタノールに滴下し高分子化合物を沈殿させ、ろ取、乾燥させることにより、高分子化合物2(2.601g)を得た。高分子化合物2のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)は、Mn=2.7×10
4、Mw=2.7×10
5であった。
【0553】
高分子化合物2は、単量体の仕込み比率から以下の構成単位およびモル比率を有し、(PA)の構成単位と(PB)から選ばれる構成単位とが交互に重合した高分子化合物と推定される。
【0554】
【化170】
[この文献は図面を表示できません]
【0555】
上記の方法で、高分子化合物2のエネルギーギャップを算出したところ、3.01eVであった。
【0556】
<実施例3:高分子化合物3の合成>
窒素雰囲気下、単量体CM1(0.8534g)、単量体CM3(0.7051g)、単量体CM10(2.6361g)、単量体CM11(0.2192g)および溶媒となるトルエン(67ml)の混合物を約80℃に加熱した後に、酢酸パラジウム(1.20mg)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(7.21mg)および20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(12.1g)を加え、還流下で約6時間攪拌した。次に、フェニルボロン酸(42.0mg)、酢酸パラジウム(1.17mg)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(7.33mg)および20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(12.1g)を加え、更に還流下で約16時間攪拌した。その後、N,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(1.53g)をイオン交換水(30ml)に溶解した溶液を加え、85℃に加熱しながら2時間攪拌した。その後、有機層をイオン交換水で2回、3重量%酢酸で2回、イオン交換水で2回、順次洗浄した。有機層をメタノールに滴下し高分子化合物を沈殿させ、ろ取、乾燥させることにより、固体を得た。この固体をトルエンに溶解させ、予めトルエンを通液したシリカゲルカラムおよびアルミナカラムに通液した。得られた溶液をメタノールに滴下し高分子化合物を沈殿させ、ろ取、乾燥させることにより、高分子化合物3(2.689g)を得た。高分子化合物3のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)は、Mn=2.3×10
4、Mw=2.0×10
5であった。
【0557】
高分子化合物3は、単量体の仕込み比率から以下の構成単位およびモル比率を有し、(PA)の構成単位と(PB)から選ばれる構成単位とが交互に重合した高分子化合物と推定される。
【0558】
【化171】
[この文献は図面を表示できません]
【0559】
上記の方法で、高分子化合物3のエネルギーギャップを算出したところ、3.01eVであった。
【0560】
<実施例4:高分子化合物4の合成>
窒素雰囲気下、単量体CM1(1.0465g)、単量体CM4(0.4817g)、単量体CM10(2.7100g)、単量体CM11(0.2253g)および溶媒となるトルエン(83ml)の混合物を約80℃に加熱した後に、ビストリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド(2.43mg)および20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(12.1g)を加え、還流下で約30時間攪拌した。次に、フェニルボロン酸(42.5mg)、ビストリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド(2.45mg)、および20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(12.1g)を加え、更に還流下で約17.5時間攪拌した。その後、N,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(1.94g)をイオン交換水(39ml)に溶解した溶液を加え、85℃に加熱しながら3時間攪拌した。その後、有機層をイオン交換水で2回、3重量%酢酸で2回、イオン交換水で2回、順次洗浄した。有機層をメタノールに滴下し高分子化合物を沈殿させ、ろ取、乾燥させることにより、固体を得た。この固体をトルエンに溶解させ、予めトルエンを通液したシリカゲルカラムおよびアルミナカラムに通液した。得られた溶液をメタノールに滴下し高分子化合物を沈殿させ、ろ取、乾燥させることにより、高分子化合物4(2.62g)を得た。高分子化合物4のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)は、Mn=1.3×10
4、Mw=5.2×10
4であった。
【0561】
高分子化合物4は、単量体の仕込み比率から以下の構成単位およびモル比率を有し、(PA)の構成単位と(PB)から選ばれる構成単位とが交互に重合した高分子化合物と推定される。
【0562】
【化172】
[この文献は図面を表示できません]
【0563】
上記の方法で、高分子化合物4のエネルギーギャップを算出したところ、3.01eVであった。
【0564】
<実施例5:高分子化合物5の合成>
窒素雰囲気下、単量体CM1(1.4951g)、単量体CM12(3.4363g)、単量体CM11(0.1931g)および溶媒となるトルエン(33ml)の混合物を約80℃に加熱した後に、ビストリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド(2.17mg)および20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(10.4g)を加え、還流下で約48時間攪拌した。次に、フェニルボロン酸(0.3671g)、ビストリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド(2.12mg)および20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(10.4g)を加え、更に還流下で約23時間攪拌した。その後、N,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(1.83g)をイオン交換水(33ml)に溶解した溶液を加え、85℃に加熱しながら2.5時間攪拌した。その後、有機層をイオン交換水で2回、3重量%酢酸で2回、イオン交換水で2回、順次洗浄した。有機層をメタノールに滴下し高分子化合物を沈殿させ、ろ取、乾燥させることにより、固体を得た。この固体をトルエンに溶解させ、予めトルエンを通液したシリカゲルカラムおよびアルミナカラムに通液した。得られた溶液をメタノールに滴下し高分子化合物を沈殿させ、ろ取、乾燥させることにより、高分子化合物5(3.349g)を得た。高分子化合物5のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)は、Mn=2.6×10
4、Mw=4.4×10
4であった。
【0565】
高分子化合物5は、単量体の仕込み比率から以下の構成単位およびモル比率を有し、(PA)の構成単位と(PB)から選ばれる構成単位とが交互に重合した高分子化合物と推定される。
【0566】
【化173】
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【0567】
上記の方法で、高分子化合物5のエネルギーギャップを算出したところ、3.14eVであった。
【0568】
<実施例6:高分子化合物9の合成>
窒素雰囲気下、単量体CM1(3.7376g)、単量体CM10(5.8070g)、および単量体CM22(0.5943g)と溶媒となるトルエン(182ml)の混合物を約80℃に加熱した後に、ジクロロビス(トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン)パラジウム(6.62mg)、20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(26.0g)を加え、還流下で約7.5時間攪拌した。次に、フェニルボロン酸(91.4mg)、ジクロロビス(トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン)パラジウム(6.62mg)、および20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(26.0g)を加え、更に還流下で約15時間攪拌した。その後、N,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(4.17g)をイオン交換水(84ml)に溶解した溶液を加え、85℃に加熱しながら2時間攪拌した。有機層をイオン交換水で2回、3.0重量%酢酸水溶液で2回、イオン交換水で2回、順次洗浄した。有機層をメタノールに滴下し高分子化合物を沈殿させ、ろ取、乾燥させることにより、固体を得た。この固体をトルエンに溶解させ、予めトルエンを通液したシリカゲルカラムおよびアルミナカラムに通液した。得られた溶液をメタノールに滴下し高分子化合物を沈殿させ、ろ取、乾燥させることにより、高分子化合物9(6.34g)を得た。高分子化合物9のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)は、Mn=5.5×10
4、Mw=1.4×10
5であった。
【0569】
高分子化合物9は、単量体の仕込み比率から以下の構成単位およびモル比率を有し、(PA)の構成単位と(PB)から選ばれる構成単位とが交互に重合した高分子化合物と推定される。
【0570】
【化174】
[この文献は図面を表示できません]
【0571】
上記の方法で、高分子化合物9のエネルギーギャップを算出したところ、3.01eVであった。
【0572】
<実施例7:高分子化合物10の合成>
窒素雰囲気下、単量体CM1(0.9967g)、単量体CM10(1.4574g)、単量体CM22(0.1057g)、および単量体CM23(0.0920g)と溶媒となるトルエン(47ml)の混合物を約80℃に加熱した後に、ジクロロビス(トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン)パラジウム(1.76mg)、20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(7.5g)を加え、還流下で約23時間攪拌した。次に、フェニルボロン酸(26.6mg)、ジクロロビス(トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン)パラジウム(1.76mg)、および20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(7.5g)を加え、更に還流下で約23時間攪拌した。その後、N,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(1.11g)をイオン交換水(22ml)に溶解した溶液を加え、85℃に加熱しながら3時間攪拌した。有機層をイオン交換水で2回、3.0重量%酢酸水溶液で2回、イオン交換水で2回、順次洗浄した。有機層をメタノールに滴下し高分子化合物を沈殿させ、ろ取、乾燥させることにより、固体を得た。この固体をトルエンに溶解させ、予めトルエンを通液したシリカゲルカラムおよびアルミナカラムに通液した。得られた溶液をメタノールに滴下し高分子化合物を沈殿させ、ろ取、乾燥させることにより、高分子化合物10(1.46g)を得た。高分子化合物10のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)は、Mn=1.7×10
4、Mw=1.0×10
5であった。
【0573】
高分子化合物10は、単量体の仕込み比率から以下の構成単位およびモル比率を有し、(PA)の構成単位と(PB)から選ばれる構成単位とが交互に重合した高分子化合物と推定される。
【0574】
【化175】
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【0575】
上記の方法で、高分子化合物10のエネルギーギャップを算出したところ、3.01eVであった。
【0576】
<実施例8:高分子化合物11の合成>
窒素雰囲気下、単量体CM21(0.8564g)、単量体CM10(1.5485g)、および単量体CM22(0.1585g)と溶媒となるトルエン(47ml)の混合物を約80℃に加熱した後に、ジクロロビス(トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン)パラジウム(1.78mg)、20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(7.8g)を加え、還流下で約7.5時間攪拌した。次に、フェニルボロン酸(26.5mg)、ジクロロビス(トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン)パラジウム(1.77mg)、および20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(7.8g)を加え、更に還流下で約15時間攪拌した。その後、N,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(1.11g)をイオン交換水(22ml)に溶解した溶液を加え、85℃に加熱しながら1.5時間攪拌した。有機層をイオン交換水で2回、3.0重量%酢酸水溶液で2回、イオン交換水で2回、順次洗浄した。有機層をメタノールに滴下し高分子化合物を沈殿させ、ろ取、乾燥させることにより、固体を得た。この固体をトルエンに溶解させ、予めトルエンを通液したシリカゲルカラムおよびアルミナカラムに通液した。得られた溶液をメタノールに滴下し高分子化合物を沈殿させ、ろ取、乾燥させることにより、高分子化合物11(1.30g)を得た。高分子化合物11のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)は、Mn=8.4×10
4、Mw=1.6×10
4であった。
【0577】
高分子化合物11は、単量体の仕込み比率から以下の構成単位およびモル比率を有し、(PA)の構成単位と(PB)から選ばれる構成単位とが交互に重合した高分子化合物と推定される。
【0578】
【化176】
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【0579】
上記の方法で、高分子化合物11のエネルギーギャップを算出したところ、3.00eVであった。
【0580】
<実施例9:高分子化合物12の合成>
窒素雰囲気下、単量体CM1(0.9967g)、単量体CM13(0.8189g)、単量体CM9(0.2578g)、単量体CM23(0.0920g)、および単量体CM24(0.1337g)と溶媒となるトルエン(44ml)の混合物を約80℃に加熱した後に、酢酸パラジウム(0.3mg)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(3.0mg)、20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(8.8g)を加え、還流下で約18時間攪拌した。次に、フェニルボロン酸(0.25g)、酢酸パラジウム(0.5mg)、およびトリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(3.0mg)、を加え、還流下で約4時間攪拌した。更に、ブロモベンゼン(0.45g)を加え、還流下で約4時間攪拌した。その後、N,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(1.1g)をイオン交換水(22ml)に溶解した溶液を加え、85℃に加熱しながら6時間攪拌した。有機層をイオン交換水で2回、3.0重量%酢酸水溶液で2回、イオン交換水で2回、順次洗浄した。有機層をメタノールに滴下し高分子化合物を沈殿させ、ろ取、乾燥させることにより、固体を得た。この固体をトルエンに溶解させ、予めトルエンを通液したシリカゲルカラムおよびアルミナカラムに通液した。得られた溶液をメタノールに滴下し高分子化合物を沈殿させ、ろ取、乾燥させることにより、高分子化合物12(1.030g)を得た。高分子化合物12のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)は、Mn=8.8×10
4、Mw=3.0×10
5であった。
【0581】
高分子化合物12は、単量体の仕込み比率から以下の構成単位およびモル比率を有し、(PA)の構成単位と(PB)から選ばれる構成単位とが交互に重合した高分子化合物と推定される。
【0582】
【化177】
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【0583】
上記の方法で、高分子化合物12のエネルギーギャップを算出したところ、3.12eVであった。
【0584】
<実施例10:高分子化合物13の合成>
窒素雰囲気下、単量体CM19(1.4924g)、単量体CM10(1.6539g)、および単量体CM11(0.1375g)と溶媒となるトルエン(57ml)の混合物を約80℃に加熱した後に、酢酸パラジウム(0.80mg)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(4.57mg)、20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(7.7g)を加え、還流下で約6時間攪拌した。次に、フェニルボロン酸(26.3mg)、酢酸パラジウム(0.82mg)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(4.58mg)、および20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(7.7g)を加え、更に還流下で約14.5時間攪拌した。その後、N,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(1.21g)をイオン交換水(24ml)に溶解した溶液を加え、85℃に加熱しながら2時間攪拌した。有機層をイオン交換水で2回、3重量%酢酸で2回、イオン交換水で3回、順次洗浄した。有機層をメタノールに滴下し高分子化合物を沈殿させ、ろ取、乾燥させることにより、固体を得た。この固体をトルエンに溶解させ、予めトルエンを通液したシリカゲルカラムおよびアルミナカラムに通液した。得られた溶液をメタノールに滴下し高分子化合物を沈殿させ、ろ取、乾燥させることにより、高分子化合物13(2.148g)を得た。高分子化合物13のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)は、Mn=4.2×10
4、Mw=2.9×10
5であった。
【0585】
高分子化合物13は、単量体の仕込み比率から以下の構成単位およびモル比率を有し、(PA)の構成単位と(PB)から選ばれる構成単位とが交互に重合した高分子化合物と推定される。
【0586】
【化178】
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【0587】
上記の方法で、高分子化合物13のエネルギーギャップを算出したところ、2.99eVであった。
【0588】
<実施例11:高分子化合物14の合成>
窒素雰囲気下、単量体CM20(1.4093g)、単量体CM10(1.4574g)、単量体CM22(0.1057g)、および単量体CM23(0.0920g)と溶媒となるトルエン(58ml)の混合物を約80℃に加熱した後に、ジクロロビス(トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン)パラジウム(3.53mg)、20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(6.29g)を加え、還流下で約4.5時間攪拌した。次に、フェニルボロン酸(24.4mg)、ジクロロビス(トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン)パラジウム(1.76mg)、および20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(6.29g)を加え、更に還流下で約18時間攪拌した。その後、N,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(1.11g)をイオン交換水(27ml)に溶解した溶液を加え、85℃に加熱しながら2時間攪拌した。
有機層をイオン交換水で2回、3.0重量%酢酸水溶液で2回、イオン交換水で2回、順次洗浄した。有機層をメタノールに滴下し高分子化合物を沈殿させ、ろ取、乾燥させることにより、固体を得た。この固体をトルエンに溶解させ、予めトルエンを通液したシリカゲルカラムおよびアルミナカラムに通液した。得られた溶液をメタノールに滴下し高分子化合物を沈殿させ、ろ取、乾燥させることにより、高分子化合物14(1.77g)を得た。高分子化合物14のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)は、Mn=4.7×10
4、Mw=2.8×10
5であった。
【0589】
高分子化合物14は、単量体の仕込み比率から以下の構成単位およびモル比率を有し、(PA)の構成単位と(PB)から選ばれる構成単位とが交互に重合した高分子化合物と推定される。
【0590】
【化179】
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【0591】
上記の方法で、高分子化合物14のエネルギーギャップを算出したところ、2.97eVであった。
【0592】
<実施例12:高分子化合物15の合成>
窒素雰囲気下、単量体CM1(0.9967g)、単量体CM18(1.7587g)、単量体CM22(0.1057g)、および単量体CM23(0.0920g)と溶媒となるトルエン(55ml)の混合物を約80℃に加熱した後に、ジクロロビス(トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン)パラジウム(1.77mg)、20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(7.5g)を加え、還流下で約6時間攪拌した。
次に、フェニルボロン酸(26.1mg)、ジクロロビス(トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン)パラジウム(1.76mg)、および20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(7.5g)を加え、更に還流下で約15時間攪拌した。その後、N,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(1.11g)をイオン交換水(26ml)に溶解した溶液を加え、85℃に加熱しながら2時間攪拌した。有機層をイオン交換水で2回、3.0重量%酢酸水溶液で2回、イオン交換水で2回、順次洗浄した。有機層をメタノールに滴下し高分子化合物を沈殿させ、ろ取、乾燥させることにより、固体を得た。この固体をトルエンに溶解させ、予めトルエンを通液したシリカゲルカラムおよびアルミナカラムに通液した。得られた溶液をメタノールに滴下し高分子化合物を沈殿させ、ろ取、乾燥させることにより、高分子化合物15(1.57g)を得た。高分子化合物15のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)は、Mn=3.5×10
4、Mw=2.8×10
5であった。
【0593】
高分子化合物15は、単量体の仕込み比率から以下の構成単位およびモル比率を有し、(PA)の構成単位と(PB)から選ばれる構成単位とが交互に重合した高分子化合物と推定される。
【0594】
【化180】
[この文献は図面を表示できません]
【0595】
上記の方法で、高分子化合物15のエネルギーギャップを算出したところ、3.04eVであった。
【0596】
<実施例13:高分子化合物16の合成>
窒素雰囲気下、単量体CM20(1.4093g)、単量体CM18(1.7587g)、単量体CM22(0.1057g)、および単量体CM23(0.0920g)と溶媒となるトルエン(45ml)の混合物を約80℃に加熱した後に、ジクロロビス(トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン)パラジウム(1.81mg)、20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(7.3g)を加え、還流下で約9時間攪拌した。次に、フェニルボロン酸(24.6mg)、ジクロロビス(トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン)パラジウム(1.74mg)、および20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(7.4g)を加え、更に還流下で約13.5時間攪拌した。その後、N,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(1.11g)をイオン交換水(31ml)に溶解した溶液を加え、85℃に加熱しながら2時間攪拌した。有機層をイオン交換水で2回、3.0重量%酢酸水溶液で2回、イオン交換水で2回、順次洗浄した。有機層をメタノールに滴下し高分子化合物を沈殿させ、ろ取、乾燥させることにより、固体を得た。この固体をトルエンに溶解させ、予めトルエンを通液したシリカゲルカラムおよびアルミナカラムに通液した。得られた溶液をメタノールに滴下し高分子化合物を沈殿させ、ろ取、乾燥させることにより、高分子化合物16(1.92g)を得た。高分子化合物16のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)は、Mn=6.4×10
4、Mw=2.9×10
5であった。
【0597】
高分子化合物16は、単量体の仕込み比率から以下の構成単位およびモル比率を有し、(PA)の構成単位と(PB)から選ばれる構成単位とが交互に重合した高分子化合物と推定される。
【0598】
【化181】
[この文献は図面を表示できません]
【0599】
上記の方法で、高分子化合物16のエネルギーギャップを算出したところ、2.97eVであった。
【0600】
<実施例14:高分子化合物17の合成>
窒素雰囲気下、単量体CM1(1.0148g)、単量体CM18(1.7588g)、単量体CM22(0.2114g)および溶媒となるトルエン(55ml)の混合物を約80℃に加熱した後に、ジクロロビス(トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン)パラジウム(7.09mg)、および20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(6.9g)を加え、還流下で約9時間攪拌した。次に、フェニルボロン酸(24.5mg)、ジクロロビス(トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン)パラジウム(1.76mg)、および20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(6.9g)を加え、更に還流下で約12時間攪拌した。その後、N,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(1.11g)をイオン交換水(26ml)に溶解した溶液を加え、80℃に加熱しながら2時間攪拌した。その後、有機層をイオン交換水で2回、3.0重量%酢酸水溶液で2回、イオン交換水で2回、順次洗浄した。有機層をメタノールに滴下し高分子化合物を沈殿させ、ろ取、乾燥させることにより、固体を得た。この固体をトルエンに溶解させ、予めトルエンを通液したシリカゲルカラムおよびアルミナカラムに通液した。得られた溶液をメタノールに滴下し高分子化合物を沈殿させ、ろ取、乾燥させることにより、高分子化合物17(1.64g)を得た。高分子化合物17のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)は、Mn=4.0×10
4、Mw=2.5×10
5であった。
【0601】
高分子化合物17は、単量体の仕込み比率から以下の構成単位およびモル比率を有し、(PA)の構成単位と(PB)から選ばれる構成単位とが交互に重合した高分子化合物と推定される。
【0602】
【化182】
[この文献は図面を表示できません]
【0603】
上記の方法で、高分子化合物17のエネルギーギャップを算出したところ、3.04eVであった。
【0604】
<実施例15:高分子化合物18の合成>
窒素雰囲気下、単量体CM20(1.0661g)、単量体CM10(1.1614g)、単量体CM22(0.1189g)および溶媒となるトルエン(50ml)の混合物を約80℃に加熱した後に、ジクロロビス(トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン)パラジウム(1.33mg)、および20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(5.4g)を加え、還流下で約7時間攪拌した。次に、フェニルボロン酸(18.4mg)、ジクロロビス(トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン)パラジウム(1.32mg)、および20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(5.4g)を加え、更に還流下で約12時間攪拌した。その後、N,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(0.90g)をイオン交換水(22ml)に溶解した溶液を加え、80℃に加熱しながら2時間攪拌した。その後、有機層をイオン交換水で2回、3.0重量%酢酸水溶液で2回、イオン交換水で2回、順次洗浄した。有機層をメタノールに滴下し高分子化合物を沈殿させ、ろ取、乾燥させることにより、固体を得た。この固体をトルエンに溶解させ、予めトルエンを通液したシリカゲルカラムおよびアルミナカラムに通液した。得られた溶液をメタノールに滴下し高分子化合物を沈殿させ、ろ取、乾燥させることにより、高分子化合物18(1.16g)を得た。高分子化合物18のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)は、Mn=4.4×10
4、Mw=3.2×10
5であった。
【0605】
高分子化合物18は、単量体の仕込み比率から以下の構成単位およびモル比率を有し、(PA)の構成単位と(PB)から選ばれる構成単位とが交互に重合した高分子化合物と推定される。
【0606】
【化183】
[この文献は図面を表示できません]
【0607】
上記の方法で、高分子化合物18のエネルギーギャップを算出したところ、2.97eVであった。
【0608】
<実施例16:高分子化合物19の合成>
窒素雰囲気下、単量体CM1(1.4953g)、単量体CM25(1.9554g)、単量体CM22(0.1585g)、単量体CM23(0.1381g)および溶媒となるトルエン(73ml)の混合物を約80℃に加熱した後に、ジクロロビス(トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン)パラジウム(2.60mg)、および20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(10g)を加え、還流下で約4時間攪拌した。次に、フェニルボロン酸(36.6mg)、ジクロロビス(トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン)パラジウム(2.60mg)、および20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(10g)を加え、更に還流下で約14時間攪拌した。その後、N,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(1.67g)をイオン交換水(33ml)に溶解した溶液を加え、80℃に加熱しながら2時間攪拌した。その後、有機層をイオン交換水で2回、3.0重量%酢酸水溶液で2回、イオン交換水で2回、順次洗浄した。有機層をメタノールに滴下し高分子化合物を沈殿させ、ろ取、乾燥させることにより、固体を得た。この固体をトルエンに溶解させ、予めトルエンを通液したシリカゲルカラムおよびアルミナカラムに通液した。得られた溶液をメタノールに滴下し高分子化合物を沈殿させ、ろ取、乾燥させることにより、高分子化合物19(1.74g)を得た。高分子化合物19のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)は、Mn=5.0×10
4、Mw=2.3×10
5であった。
【0609】
高分子化合物19は、単量体の仕込み比率から以下の構成単位およびモル比率を有し、(PA)の構成単位と(PB)から選ばれる構成単位とが交互に重合した高分子化合物と推定される。
【0610】
【化184】
[この文献は図面を表示できません]
【0611】
上記の方法で、高分子化合物19のエネルギーギャップを算出したところ、3.08eVであった。
【0612】
<実施例17:高分子化合物20の合成>
窒素雰囲気下、単量体CM1(1.4801g)、単量体CM26(1.9074g)、単量体CM22(0.1585g)、単量体CM23(0.1381g)および溶媒となるトルエン(73ml)の混合物を約80℃に加熱した後に、ジクロロビス(トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン)パラジウム(2.60mg)、および20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(10g)を加え、還流下で約4時間攪拌した。次に、フェニルボロン酸(36.6mg)、ジクロロビス(トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン)パラジウム(2.60mg)、および20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(10g)を加え、更に還流下で約14時間攪拌した。その後、N,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(1.67g)をイオン交換水(33ml)に溶解した溶液を加え、80℃に加熱しながら2時間攪拌した。その後、有機層をイオン交換水で2回、3.0重量%酢酸水溶液で2回、イオン交換水で2回、順次洗浄した。有機層をメタノールに滴下し高分子化合物を沈殿させ、ろ取、乾燥させることにより、固体を得た。この固体をトルエンに溶解させ、予めトルエンを通液したシリカゲルカラムおよびアルミナカラムに通液した。得られた溶液をメタノールに滴下し高分子化合物を沈殿させ、ろ取、乾燥させることにより、高分子化合物20(1.92g)を得た。高分子化合物20のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)は、Mn=4.9×10
4、Mw=7.4×10
5であった。
【0613】
高分子化合物20は、単量体の仕込み比率から以下の構成単位およびモル比率を有し、(PA)の構成単位と(PB)から選ばれる構成単位とが交互に重合した高分子化合物と推定される。
【0614】
【化185】
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【0615】
上記の方法で、高分子化合物20のエネルギーギャップを算出したところ、3.13eVであった。
【0616】
<実施例18:高分子化合物21の合成>
窒素雰囲気下、単量体CM1(1.7941g)、単量体CM27(0.2215g)、単量体MM3(0.3036g)、単量体CM18(4.9464g)および溶媒となるトルエン(110ml)の混合物を約80℃に加熱した後に、ジクロロビス(トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン)パラジウム(4.00mg)、および20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(15g)を加え、還流下で約4時間攪拌した。次に、フェニルボロン酸(54.9mg)、ジクロロビス(トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン)パラジウム(4.00mg)、および20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(15g)を加え、更に還流下で約14時間攪拌した。その後、N,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(2.50g)をイオン交換水(50ml)に溶解した溶液を加え、80℃に加熱しながら2時間攪拌した。その後、有機層をイオン交換水で2回、3.0重量%酢酸水溶液で2回、イオン交換水で2回、順次洗浄した。有機層をメタノールに滴下し高分子化合物を沈殿させ、ろ取、乾燥させることにより、固体を得た。この固体をトルエンに溶解させ、予めトルエンを通液したシリカゲルカラムおよびアルミナカラムに通液した。得られた溶液をメタノールに滴下し高分子化合物を沈殿させ、ろ取、乾燥させることにより、高分子化合物21(3.32g)を得た。高分子化合物21のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)は、Mn=3.3×10
4、Mw=2.6×10
5であった。
【0617】
高分子化合物21は、単量体の仕込み比率から以下の構成単位およびモル比率を有し、(PA)の構成単位と(PB)から選ばれる構成単位とが交互に重合した高分子化合物と推定される。
【0618】
【化186】
[この文献は図面を表示できません]
【0619】
上記の方法で、高分子化合物21のエネルギーギャップを算出したところ、3.04eVであった。
【0620】
<実施例19:高分子化合物22の合成>
窒素雰囲気下、単量体CM1(1.4951g)、単量体CM18(2.6381g)、単量体MM1(0.3261g)、単量体CM23(0.1381g)および溶媒となるトルエン(73ml)の混合物を約80℃に加熱した後に、ジクロロビス(トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン)パラジウム(2.60mg)、および20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(10g)を加え、還流下で約4時間攪拌した。次に、フェニルボロン酸(36.6mg)、ジクロロビス(トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン)パラジウム(2.60mg)、および20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(10g)を加え、更に還流下で約14時間攪拌した。その後、N,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(1.67g)をイオン交換水(33ml)に溶解した溶液を加え、80℃に加熱しながら2時間攪拌した。その後、有機層をイオン交換水で2回、3.0重量%酢酸水溶液で2回、イオン交換水で2回、順次洗浄した。有機層をメタノールに滴下し高分子化合物を沈殿させ、ろ取、乾燥させることにより、固体を得た。この固体をトルエンに溶解させ、予めトルエンを通液したシリカゲルカラムおよびアルミナカラムに通液した。得られた溶液をメタノールに滴下し高分子化合物を沈殿させ、ろ取、乾燥させることにより、高分子化合物22(2.87g)を得た。高分子化合物22のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)は、Mn=3.8×10
4、Mw=3.5×10
5であった。
【0621】
高分子化合物22は、単量体の仕込み比率から以下の構成単位およびモル比率を有し、(PA)の構成単位と(PB)から選ばれる構成単位とが交互に重合した高分子化合物と推定される。
【0622】
【化187】
[この文献は図面を表示できません]
【0623】
上記の方法で、高分子化合物22のエネルギーギャップを算出したところ、3.03eVであった。
【0624】
<実施例20:高分子化合物23の合成>
窒素雰囲気下、単量体CM28(1.1061g)、単量体CM18(1.0992g)、単量体CM22(0.0660g)、単量体CM23(0.0575g)および溶媒となるトルエン(47ml)の混合物を約80℃に加熱した後に、ジクロロビス(トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン)パラジウム(1.15mg)、および20重量%テトラブチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(7.6g)を加え、還流下で約6時間攪拌した。次に、フェニルボロン酸(15.3mg)、ジクロロビス(トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン)パラジウム(1.06mg)、および20重量%テトラブチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(7.6g)を加え、更に還流下で約16時間攪拌した。その後、N,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(0.71g)をイオン交換水(22ml)に溶解した溶液を加え、80℃に加熱しながら2時間攪拌した。その後、有機層をイオン交換水で2回、3.0重量%酢酸水溶液で2回、イオン交換水で2回、順次洗浄した。有機層をメタノールに滴下し高分子化合物を沈殿させ、ろ取、乾燥させることにより、固体を得た。この固体をトルエンに溶解させ、予めトルエンを通液したシリカゲルカラムおよびアルミナカラムに通液した。得られた溶液をメタノールに滴下し高分子化合物を沈殿させ、ろ取、乾燥させることにより、高分子化合物23(1.58g)を得た。高分子化合物23のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)は、Mn=4.8×10
4、Mw=2.9×10
5であった。
【0625】
高分子化合物23は、単量体の仕込み比率から以下の構成単位およびモル比率を有し、(PA)の構成単位と(PB)から選ばれる構成単位とが交互に重合した高分子化合物と推定される。
【0626】
【化188】
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【0627】
上記の方法で、高分子化合物23のエネルギーギャップを算出したところ、3.00eVであった。
【0628】
<比較例1:高分子化合物6の合成>
窒素雰囲気下、単量体CM5(3.3249g)、単量体CM10(3.4842g)、単量体CM11(0.2897g)および溶媒となるトルエン(100ml)の混合物を約80℃に加熱した後に、酢酸パラジウム(1.5mg)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(9.5mg)および20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(15.2g)を加え、還流下で約22時間攪拌した。次に、フェニルボロン酸ピナコールエステル(0.9268g)、酢酸パラジウム(1.4mg)およびトリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(9.4mg)を加え、更に還流下で約4時間攪拌した。その後、N,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(2.74g)をイオン交換水(27ml)に溶解した溶液を加え、85℃に加熱しながら2時間攪拌した。その後、有機層をイオン交換水で2回、3重量%酢酸で2回、イオン交換水で2回、順次洗浄した。有機層をメタノールに滴下し高分子化合物を沈殿させ、ろ取、乾燥させることにより、固体を得た。この固体をトルエンに溶解させ、予めトルエンを通液したシリカゲルカラムおよびアルミナカラムに通液した。得られた溶液をメタノールに滴下し高分子化合物を沈殿させ、ろ取、乾燥させることにより、高分子化合物6(4.254g)を得た。高分子化合物6のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)は、Mn=4.3×10
4、Mw=1.3×10
5であった。
【0629】
高分子化合物6は、単量体の仕込み比率から以下の構成単位およびモル比率を有し、(PA)の構成単位と(PB)から選ばれる構成単位とが交互に重合した高分子化合物と推定される。
【0630】
【化189】
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【0631】
上記の方法で、高分子化合物6のエネルギーギャップを算出したところ、2.78eVであった。
【0632】
<比較例2:高分子化合物7の合成>
窒素雰囲気下、単量体CM5(1.4773g)、単量体CM12(2.2909g)、単量体CM11(0.1287g)、メチルトリオクチルアンモニウムクロライド(商品名:Aliquat(登録商標)336、アルドリッチ社製)(0.277g)および溶媒となるトルエン(40ml)の混合物を約80℃に加熱した後に、酢酸パラジウム(0.9mg)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(3.5mg)および17.5重量%炭酸ナトリウム水溶液(10.9g)を加え、還流下で約29時間攪拌した。次に、フェニルボロン酸ピナコールエステル(0.21g)を加え、更に還流下で約18時間攪拌した。その後、N,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(1.22g)をイオン交換水(12ml)に溶解した溶液を加え、85℃に加熱しながら2時間攪拌した。その後、有機層をイオン交換水で2回、3重量%酢酸で2回、イオン交換水で2回、順次洗浄した。有機層をメタノールに滴下し高分子化合物を沈殿させ、ろ取、乾燥させることにより、固体を得た。この固体をトルエンに溶解させ、予めトルエンを通液したシリカゲルカラムおよびアルミナカラムに通液した。得られた溶液をメタノールに滴下し高分子化合物を沈殿させ、ろ取、乾燥させることにより、高分子化合物7(2.32g)を得た。高分子化合物7のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)は、Mn=4.5×10
4、Mw=1.1×10
5であった。
【0633】
高分子化合物7は、単量体の仕込み比率から以下の構成単位およびモル比率を有し、(PA)の構成単位と(PB)から選ばれる構成単位とが交互に重合した高分子化合物と推定される。
【0634】
【化190】
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【0635】
上記の方法で、高分子化合物7のエネルギーギャップを算出したところ、2.76eVであった。
【0636】
<比較例3:高分子化合物8の合成>
窒素雰囲気下、単量体CM6(21.218g)、単量体CM8(5.487g)、単量体CM13(16.377g)、単量体CM11(2.575g)、メチルトリオクチルアンモニウムクロライド(商品名:Aliquat(登録商標)336、アルドリッチ社製)(5.17g)および溶媒となるトルエン(400ml)の混合物を約80℃に加熱した後に、ビストリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド(56.2mg)および17.5重量%炭酸ナトリウム水溶液(109g)を加え、還流下で約6時間攪拌した。
次に、フェニルボロン酸(0.49g)を加え、更に還流下で約2時間攪拌した。その後、N,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(24.3g)をイオン交換水(240ml)に溶解した溶液を加え、85℃に加熱しながら2時間攪拌した。その後、有機層をイオン交換水で2回、3重量%酢酸で2回、イオン交換水で2回、順次洗浄した。有機層をメタノールに滴下し高分子化合物を沈殿させ、ろ取、乾燥させることにより、固体を得た。この固体をトルエンに溶解させ、予めトルエンを通液したシリカゲルカラムおよびアルミナカラムに通液した。得られた溶液をメタノールに滴下し高分子化合物を沈殿させ、ろ取、乾燥させることにより、高分子化合物8(26.23g)を得た。高分子化合物8のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)は、Mn=6.4×10
4、Mw=1.9×10
5であった。
【0637】
高分子化合物8は、単量体の仕込み比率から以下の構成単位およびモル比率を有し、(PA)の構成単位と(PB)から選ばれる構成単位とが交互に重合した高分子化合物と推定される。
【0638】
【化191】
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【0639】
上記の方法で、高分子化合物8のエネルギーギャップを算出したところ、2.79eVであった。
【0640】
<合成例13:高分子化合物L1の合成>
窒素雰囲気下、単量体CM1(0.8222g)、単量体CM9(0.8507g)、単量体CM17(0.2097g)および溶媒となるトルエン(37ml)の混合物を約80℃に加熱した後に、酢酸パラジウム(0.41mg)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(2.30mg)および20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(5.8g)を加え、還流下で約4時間攪拌した。次に、フェニルボロン酸(40.6mg)を加え、更に還流下で約2時間攪拌した。その後、N,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(0.46g)をイオン交換水(9ml)に溶解した溶液を加え、85℃に加熱しながら2時間攪拌した。その後、有機層を3.6重量%塩酸で2回、2.5重量%アンモニア水溶液で2回、イオン交換水で5回、順次洗浄した。有機層をメタノールに滴下し高分子化合物を沈殿させ、ろ取、乾燥させることにより、固体を得た。この固体をトルエンに溶解させ、予めトルエンを通液したシリカゲルカラムおよびアルミナカラムに通液した。得られた溶液をメタノールに滴下し高分子化合物を沈殿させ、ろ取、乾燥させることにより、高分子化合物L1(1.110g)を得た。高分子化合物L1のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)は、Mn=8.7×10
4、Mw=2.3×10
5であった。
【0641】
高分子化合物L1は、単量体の仕込み比率から以下の構成単位およびモル比率を有し、(PA)の構成単位と(PB)から選ばれる構成単位とが交互に重合した高分子化合物と推定される。
【0642】
【化192】
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【0643】
<合成例14:高分子化合物L2の合成>
不活性ガス雰囲気下、単量体CM8(9.0g、16.4mmol)、単量体CM15(1.3g、1.8mmol)、単量体CM7(13.4g、18.0mmol)、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド(43.0g、58.3mmol)、酢酸パラジウム(8mg、0.04mmol)、トリ(2−メトキシフェニル)ホスフィン(0.05g、0.1mmol)およびトルエン(200mL)を混合し、90℃で8時間加熱攪拌した。次いで、フェニルボロン酸(0.22g、1.8mmol)を添加し、得られた混合物を14時間撹拌した。放冷後、水層を除去し、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム水溶液を添加し撹拌した後、水層を除去し、有機層を水、3%酢酸水で洗浄した。有機層をメタノールに注いで高分子化合物を沈殿させた後、濾取した高分子化合物を再度トルエンに溶解させ、シリカゲルおよびアルミナのカラムに通液した。高分子化合物を含む溶出トルエン溶液を回収し、回収した前記トルエン溶液をメタノールに注いで高分子化合物を沈殿させた。沈殿した高分子化合物を50℃で真空乾燥し、高分子化合物L2(12.5g)を得た。高分子化合物L2のポリスチレン換算の重量平均分子量は3.1×10
5であり、分子量分布指数(Mw/Mn)は2.9であった。
【0644】
高分子化合物L2は、単量体の仕込み比率から以下の構成単位およびモル比率を有し、(PA)の構成単位と(PB)から選ばれる構成単位とが交互に重合した高分子化合物と推定される。
【0645】
【化193】
[この文献は図面を表示できません]
【0646】
<実施例D1:発光素子D1の作製と評価>
スパッタ法により45nmの厚みでITO膜を付けたガラス基板に、ポリチオフェンスルホン酸のエチレングリコールモノブチルエーテル/水=3/2(体積比)の混合溶液(シグマアルドリッチ社、商品名:Plexcore OC 1200)を用いてスピンコートにより65nmの厚さで成膜し、ホットプレート上で170℃で15分間乾燥させた。次に、高分子化合物1をキシレンに溶解させ0.8重量%のキシレン溶液を調製した。
このキシレン溶液を用いて、上記のPlexcore OC 1200が成膜されたガラス基板にスピンコートすることにより、厚さ20nmの高分子化合物1の有機薄膜を成膜した。これを窒素ガス雰囲気中において、ホットプレート上で180℃、60分間加熱することで、不溶化有機薄膜とした。
【0647】
次に、高分子化合物L2/燐光発光材料2=95重量%/5重量%となるように混合した組成物をキシレンに溶解させ、1.7重量%のキシレン溶液を調製した。このキシレン溶液を用いて、上記の高分子化合物1の不溶化有機薄膜が形成されたガラス基板上にスピンコートすることにより厚さ80nmの有機薄膜を成膜し、窒素雰囲気中において130℃で10分加熱乾燥させた。その後、陰極として、フッ化ナトリウムを約4nm、次いでアルミニウムを約80nm蒸着して、発光素子D1を作製した。なお、真空度が、1×10
−4Pa以下に到達した後に金属の蒸着を開始した。
【0648】
得られた発光素子D1に電圧を印加したところ、この素子から625nmにピークを有するEL発光が得られ、最大の外部量子効率は13.8%であった。結果を表3に示す。
【0649】
<実施例D2:発光素子D2の作製と評価>
実施例D1における高分子化合物1に代えて高分子化合物2を用い、0.7重量%のキシレン溶液を調製したこと以外は、実施例D1と同様にして発光素子D2を作製した。得られた発光素子D2に電圧を印加したところ、この素子から625nmにピークを有するEL発光が得られ、最大の外部量子効率は13.7%であった。結果を表3に示す。
【0650】
<実施例D3:発光素子D3の作製と評価>
実施例D1における高分子化合物1に代えて高分子化合物3を用い、0.7重量%のキシレン溶液を調製したこと以外は、実施例D1と同様にして発光素子D3を作製した。得られた発光素子D3に電圧を印加したところ、この素子から625nmにピークを有するEL発光が得られ、最大の外部量子効率は13.7%であった。結果を表3に示す。
【0651】
<実施例D4:発光素子D4の作製と評価>
実施例D1における高分子化合物1に代えて高分子化合物13を用い、0.7重量%のキシレン溶液を調製したこと以外は、実施例D1と同様にして発光素子D4を作製した。得られた発光素子D4に電圧を印加したところ、この素子から625nmにピークを有するEL発光が得られ、最大の外部量子効率は13.6%であった。結果を表3に示す。
【0652】
<比較例CD1:発光素子CD1の作製と評価>
実施例D1における高分子化合物1に代えて高分子化合物7を用い、0.8重量%のキシレン溶液を調製したこと以外は、実施例D1と同様にして発光素子CD1を作製した。得られた発光素子CD1に電圧を印加したところ、この素子から625nmにピークを有するEL発光が得られ、最大の外部量子効率は9.0%であった。結果を表3に示す。
【0653】
【表3】
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【0654】
<実施例D5:発光素子D5の作製と評価>
スパッタ法により45nmの厚みでITO膜を付けたガラス基板に、ポリチオフェンスルホン酸のエチレングリコールモノブチルエーテル/水=3/2(体積比)の混合溶液(シグマアルドリッチ社、商品名:Plexcore OC 1200)を用いてスピンコートにより65nmの厚さで成膜し、ホットプレート上で170℃で15分間乾燥させた。次に、高分子化合物1をキシレンに溶解させ0.8重量%のキシレン溶液を調製した。
このキシレン溶液を用いて、上記のPlexcore OC 1200が成膜されたガラス基板にスピンコートすることにより、厚さ20nmの高分子化合物1の有機薄膜を成膜した。これを窒素ガス雰囲気中において、ホットプレート上で180℃、60分間加熱することで、不溶化有機薄膜とした。
【0655】
次に、高分子化合物L1/燐光発光材料1=70重量%/30重量%となるように混合した組成物をキシレンに溶解させ、2.0重量%のキシレン溶液を調製した。このキシレン溶液を用いて、上記の高分子化合物1の不溶化薄膜が形成されたガラス基板上にスピンコートすることにより厚さ80nmの有機薄膜を成膜し、窒素雰囲気中において130℃で10分加熱乾燥させた後、陰極として、フッ化ナトリウムを約4nm、次いでアルミニウムを約80nm蒸着して、発光素子D5を作製した。なお、真空度が、1×10
−4Pa以下に到達した後に金属の蒸着を開始した。
【0656】
得られた発光素子D5に電圧を印加したところ、この素子から520nmにピークを有するEL発光が得られ、最大の外部量子効率は21.3%であった。また、初期輝度12,000cd/m
2で定電流駆動した際に、輝度が初期輝度の60%となるまでの時間(LT60)は、116.2時間であった。結果を表4に示す。
【0657】
<実施例D6:発光素子D6の作製と評価>
実施例D5における高分子化合物1に代えて高分子化合物2を用い、0.7重量%のキシレン溶液を調製したこと以外は、実施例D5と同様にして発光素子D6を作製した。得られた発光素子D6に電圧を印加したところ、この素子から520nmにピークを有するEL発光が得られ、最大の外部量子効率は22.8%であった。結果を表4に示す。
【0658】
<実施例D7:発光素子D7の作製と評価>
実施例D5における高分子化合物1に代えて高分子化合物3を用い、0.7重量%のキシレン溶液を調製したこと以外は、実施例D5と同様にして発光素子D7を作製した。得られた発光素子D7に電圧を印加したところ、この素子から520nmにピークを有するEL発光が得られ、最大の外部量子効率は23.6%であった。結果を表4に示す。
【0659】
<実施例D8:発光素子D8の作製と評価>
実施例D5における高分子化合物1に代えて高分子化合物4を用い、1.0重量%のキシレン溶液を調製したこと以外は、実施例D5と同様にして発光素子D8を作製した。得られた発光素子D8に電圧を印加したところ、この素子から520nmにピークを有するEL発光が得られ、最大の外部量子効率は23.2%であった。結果を表4に示す。
【0660】
<実施例D9:発光素子D9の作製と評価>
実施例D5における高分子化合物1に代えて高分子化合物5を用い、0.9重量%のキシレン溶液を調製したこと以外は、実施例D5と同様にして発光素子D9を作製した。得られた発光素子D9に電圧を印加したところ、この素子から515nmにピークを有するEL発光が得られ、最大の外部量子効率は23.4%であった。結果を表4に示す。
【0661】
<実施例D10:発光素子D10の作製と評価>
実施例D5における高分子化合物1に代えて高分子化合物9を用い、0.7重量%のキシレン溶液を調製したこと以外は、実施例D5と同様にして発光素子D10を作製した。得られた発光素子D10に電圧を印加したところ、この素子から520nmにピークを有するEL発光が得られ、最大の外部量子効率は21.9%であった。結果を表4に示す。
【0662】
<実施例D11:発光素子D11の作製と評価>
実施例D5における高分子化合物1に代えて高分子化合物10を用い、0.8重量%のキシレン溶液を調製したこと以外は、実施例D5と同様にして発光素子D11を作製した。得られた発光素子D11に電圧を印加したところ、この素子から520nmにピークを有するEL発光が得られ、最大の外部量子効率は22.2%であった。また、初期輝度12,000cd/m
2で定電流駆動した際に、輝度が初期輝度の60%となるまでの時間(LT60)は、129.6時間であった。結果を表4に示す。
【0663】
<実施例D12:発光素子D12の作製と評価>
実施例D5における高分子化合物1に代えて高分子化合物11を用い、0.7重量%のキシレン溶液を調製したこと以外は、実施例D5と同様にして発光素子D12を作製した。得られた発光素子D12に電圧を印加したところ、この素子から520nmにピークを有するEL発光が得られ、最大の外部量子効率は20.9%であった。結果を表4に示す。
【0664】
<実施例D13:発光素子D13の作製と評価>
実施例D5における高分子化合物1に代えて高分子化合物12を用い、0.7重量%のキシレン溶液を調製したこと以外は、実施例D5と同様にして発光素子D13を作製した。得られた発光素子D13に電圧を印加したところ、この素子から520nmにピークを有するEL発光が得られ、最大の外部量子効率は23.8%であった。結果を表4に示す。
【0665】
<実施例D14:発光素子D14の作製と評価>
実施例D5における高分子化合物1に代えて高分子化合物13を用い、0.7重量%のキシレン溶液を調製したこと以外は、実施例D5と同様にして発光素子D14を作製した。得られた発光素子D14に電圧を印加したところ、この素子から520nmにピークを有するEL発光が得られ、最大の外部量子効率は22.2%であった。結果を表4に示す。
【0666】
<実施例D15:発光素子D15の作製と評価>
実施例D5における高分子化合物1に代えて高分子化合物14を用い、0.7重量%のキシレン溶液を調製したこと以外は、実施例D5と同様にして発光素子D15を作製した。得られた発光素子D15に電圧を印加したところ、この素子から520nmにピークを有するEL発光が得られ、最大の外部量子効率は19.2%であった。また、初期輝度12,000cd/m
2で定電流駆動した際に、輝度が初期輝度の60%となるまでの時間(LT60)は、154.6時間であった。結果を表4に示す。
【0667】
<実施例D16:発光素子D16の作製と評価>
実施例D5における高分子化合物1に代えて高分子化合物15を用い、0.7重量%のキシレン溶液を調製したこと以外は、実施例D5と同様にして発光素子D16を作製した。得られた発光素子D16に電圧を印加したところ、この素子から520nmにピークを有するEL発光が得られ、最大の外部量子効率は21.4%であった。また、初期輝度12,000cd/m
2で定電流駆動した際に、輝度が初期輝度の60%となるまでの時間(LT60)は、218.0時間であった。結果を表4に示す。
【0668】
<実施例D17:発光素子D17の作製と評価>
実施例D5における高分子化合物1に代えて高分子化合物16を用い、0.7重量%のキシレン溶液を調製したこと以外は、実施例D5と同様にして発光素子D17を作製した。得られた発光素子D17に電圧を印加したところ、この素子から520nmにピークを有するEL発光が得られ、最大の外部量子効率は18.7%であった。また、初期輝度12,000cd/m
2で定電流駆動した際に、輝度が初期輝度の60%となるまでの時間(LT60)は、192.9時間であった。結果を表4に示す。
【0669】
<実施例D18:発光素子D18の作製と評価>
実施例D5における高分子化合物1に代えて高分子化合物17を用い、0.7重量%のキシレン溶液を調製したこと以外は、実施例D5と同様にして発光素子D18を作製した。得られた発光素子D18に電圧を印加したところ、この素子から520nmにピークを有するEL発光が得られ、最大の外部量子効率は21.4%であった。また、初期輝度12,000cd/m
2で定電流駆動した際に、輝度が初期輝度の60%となるまでの時間(LT60)は、167.0時間であった。結果を表4に示す。
【0670】
<実施例D19:発光素子D19の作製と評価>
実施例D5における高分子化合物1に代えて高分子化合物18を用い、0.7重量%のキシレン溶液を調製したこと以外は、実施例D5と同様にして発光素子D19を作製した。得られた発光素子D19に電圧を印加したところ、この素子から520nmにピークを有するEL発光が得られ、最大の外部量子効率は18.7%であった。また、初期輝度12,000cd/m
2で定電流駆動した際に、輝度が初期輝度の60%となるまでの時間(LT60)は、112.0時間であった。結果を表4に示す。
【0671】
<実施例D20:発光素子D20の作製と評価>
実施例D5における高分子化合物1に代えて高分子化合物19を用い、0.7重量%のキシレン溶液を調製したこと以外は、実施例D5と同様にして発光素子D20を作製した。得られた発光素子D20に電圧を印加したところ、この素子から520nmにピークを有するEL発光が得られ、最大の外部量子効率は22.3%であった。結果を表4に示す。
【0672】
<実施例D21:発光素子D21の作製と評価>
実施例D5における高分子化合物1に代えて高分子化合物20を用い、0.7重量%のキシレン溶液を調製したこと以外は、実施例D5と同様にして発光素子D21を作製した。得られた発光素子D21に電圧を印加したところ、この素子から520nmにピークを有するEL発光が得られ、最大の外部量子効率は23.4%であった。結果を表4に示す。
【0673】
<実施例D22:発光素子D22の作製と評価>
実施例D5における高分子化合物1に代えて高分子化合物21を用い、0.7重量%のキシレン溶液を調製したこと以外は、実施例D5と同様にして発光素子D22を作製した。得られた発光素子D22に電圧を印加したところ、この素子から520nmにピークを有するEL発光が得られ、最大の外部量子効率は19.9%であった。結果を表4に示す。
【0674】
<実施例D23:発光素子D23の作製と評価>
実施例D5における高分子化合物1に代えて高分子化合物22を用い、0.7重量%のキシレン溶液を調製したこと以外は、実施例D5と同様にして発光素子D23を作製した。得られた発光素子D23に電圧を印加したところ、この素子から520nmにピークを有するEL発光が得られ、最大の外部量子効率は19.6%であった。結果を表4に示す。
【0675】
<実施例D24:発光素子D24の作製と評価>
実施例D5における高分子化合物1に代えて高分子化合物23を用い、0.7重量%のキシレン溶液を調製したこと以外は、実施例D5と同様にして発光素子D24を作製した。得られた発光素子D24に電圧を印加したところ、この素子から520nmにピークを有するEL発光が得られ、最大の外部量子効率は20.2%であった。結果を表4に示す。
【0676】
<比較例CD2:発光素子CD2の作製と評価>
実施例D5における高分子化合物1に代えて高分子化合物6を用い、0.8重量%のキシレンを調製したこと以外は、実施例D5と同様にして発光素子CD2を作製した。得られた発光素子CD2に電圧を印加したところ、この素子から520nmにピークを有するEL発光が得られ、最大の外部量子効率は13.1%であった。結果を表4に示す。
【0677】
<比較例CD3:発光素子CD3の作製と評価>
実施例D5における高分子化合物1に代えて高分子化合物7を用い、0.8重量%のキシレン溶液を調製したこと以外は、実施例D5と同様にして発光素子CD3を作製した。得られた発光素子CD3に電圧を印加したところ、この素子から520nmにピークを有するEL発光が得られ、最大の外部量子効率は9.3%であった。結果を表4に示す。
【0678】
<比較例CD4:発光素子CD4の作製と評価>
実施例D5における高分子化合物1に代えて高分子化合物8を用い、0.7重量%のキシレン溶液を調製したこと以外は、実施例D5と同様にして発光素子CD4を作製した。得られた発光素子CD4に電圧を印加したところ、この素子から520nmにピークを有するEL発光が得られ、最大の外部量子効率は11.0%であった。結果を表4に示す。
【0679】
【表4】
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【0680】
<実施例D25:発光素子D25の作製と評価>
スパッタ法により45nmの厚みでITO膜を付けたガラス基板に、ポリチオフェンスルホン酸のエチレングリコールモノブチルエーテル/水=3/2(体積比)の混合溶液(シグマアルドリッチ社、商品名:Plexcore OC 1200)を用いてスピンコートにより65nmの厚さで成膜し、ホットプレート上で170℃で15分間乾燥させた。次に、高分子化合物1をキシレンに溶解させ0.8重量%のキシレン溶液を調製した。
このキシレン溶液を用いて、上記のPlexcore OC 1200が成膜されたガラス基板にスピンコートすることにより、厚さ20nmの高分子化合物1の有機薄膜を成膜した。これを窒素ガス雰囲気中において、ホットプレート上で180℃、60分間加熱することで、不溶化有機薄膜とした。
【0681】
次に、高分子化合物L2をキシレンに溶解させ、1.3重量%のキシレン溶液を調製した。このキシレン溶液を用いて、上記の高分子化合物1の不溶化薄膜が形成されたガラス基板上にスピンコートすることにより厚さ60nmの有機薄膜を形成し、窒素雰囲気中において130℃で10分加熱乾燥させた後、陰極としてフッ化ナトリウムを約4nm、次いでアルミニウムを約80nm蒸着して、発光素子D25を作製した。なお、真空度が、1×10
−4Pa以下に到達した後に金属の蒸着を開始した。
【0682】
得られた発光素子D25に電圧を印加したところ、この素子から460nmにピークを有するEL発光が得られ、最大の外部量子効率は6.1%であった。また、初期輝度4,000cd/m
2で定電流駆動した際に、輝度が初期輝度の50%となるまでの時間(LT50)は、37.9時間であった。結果を表5に示す。
【0683】
<実施例D26:発光素子D26の作製と評価>
実施例D25における高分子化合物1に代えて高分子化合物2を用い、0.7重量%のキシレン溶液を調製したこと以外は、実施例D25と同様にして発光素子D26を作製した。得られた発光素子D26に電圧を印加したところ、この素子から460nmにピークを有するEL発光が得られ、最大の外部量子効率は6.6%であった。結果を表5に示す。
【0684】
<実施例D27:発光素子D27の作製と評価>
実施例D25における高分子化合物1に代えて高分子化合物3を用い、0.7重量%のキシレン溶液を調製したこと以外は、実施例D25と同様にして発光素子D27を作製した。得られた発光素子D27に電圧を印加したところ、この素子から460nmにピークを有するEL発光が得られ、最大の外部量子効率は6.6%であった。結果を表5に示す。
【0685】
<実施例D28:発光素子D28の作製と評価>
実施例D25における高分子化合物1に代えて高分子化合物4を用い、1.0重量%のキシレン溶液を調製したこと以外は、実施例D25と同様にして発光素子D28を作製した。得られた発光素子D28に電圧を印加したところ、この素子から460nmにピークを有するEL発光が得られ、最大の外部量子効率は6.8%であった。結果を表5に示す。
【0686】
<実施例D29:発光素子D29の作製と評価>
実施例D25における高分子化合物1に代えて高分子化合物9を用い、0.7重量%のキシレン溶液を調製したこと以外は、実施例D25と同様にして発光素子D29を作製した。得られた発光素子D29に電圧を印加したところ、この素子から460nmにピークを有するEL発光が得られ、最大の外部量子効率は6.0%であった。結果を表5に示す。
【0687】
<実施例D30:発光素子D30の作製と評価>
実施例D25における高分子化合物1に代えて高分子化合物10を用い、0.8重量%のキシレン溶液を調製したこと以外は、実施例D25と同様にして発光素子D30を作製した。得られた発光素子D30に電圧を印加したところ、この素子から460nmにピークを有するEL発光が得られ、最大の外部量子効率は6.0%であった。また、初期輝度4,000cd/m
2で定電流駆動した際に、輝度が初期輝度の50%となるまでの時間(LT50)は、78.0時間であった。結果を表5に示す。
【0688】
<実施例D31:発光素子D31の作製と評価>
実施例D25における高分子化合物1に代えて高分子化合物11を用い、0.7重量%のキシレン溶液を調製したこと以外は、実施例D25と同様にして発光素子D31を作製した。得られた発光素子D31に電圧を印加したところ、この素子から460nmにピークを有するEL発光が得られ、最大の外部量子効率は6.0%であった。結果を表5に示す。
【0689】
<実施例D32:発光素子D32の作製と評価>
実施例D25における高分子化合物1に代えて高分子化合物12を用い、0.7重量%のキシレン溶液を調製したこと以外は、実施例D25と同様にして発光素子D32を作製した。得られた発光素子D32に電圧を印加したところ、この素子から460nmにピークを有するEL発光が得られ、最大の外部量子効率は6.0%であった。結果を表5に示す。
【0690】
<実施例D33:発光素子D33の作製と評価>
実施例D25における高分子化合物1に代えて高分子化合物13を用い、0.7重量%のキシレン溶液を調製したこと以外は、実施例D25と同様にして発光素子D33を作製した。得られた発光素子D33に電圧を印加したところ、この素子から460nmにピークを有するEL発光が得られ、最大の外部量子効率は6.8%であった。結果を表5に示す。
【0691】
<実施例D34:発光素子D34の作製と評価>
実施例D25における高分子化合物1に代えて高分子化合物14を用い、0.7重量%のキシレン溶液を調製したこと以外は、実施例D25と同様にして発光素子D34を作製した。得られた発光素子D34に電圧を印加したところ、この素子から460nmにピークを有するEL発光が得られ、最大の外部量子効率は6.8%であった。また、初期輝度4,000cd/m
2で定電流駆動した際に、輝度が初期輝度の50%となるまでの時間(LT50)は、82.5時間であった。結果を表5に示す。
【0692】
<実施例D35:発光素子D35の作製と評価>
実施例D25における高分子化合物1に代えて高分子化合物15を用い、0.7重量%のキシレン溶液を調製したこと以外は、実施例D25と同様にして発光素子D35を作製した。得られた発光素子D35に電圧を印加したところ、この素子から460nmにピークを有するEL発光が得られ、最大の外部量子効率は6.9%であった。また、初期輝度4,000cd/m
2で定電流駆動した際に、輝度が初期輝度の50%となるまでの時間(LT50)は、80.5時間であった。結果を表5に示す。
【0693】
<実施例D36:発光素子D36の作製と評価>
実施例D25における高分子化合物1に代えて高分子化合物16を用い、0.7重量%のキシレン溶液を調製したこと以外は、実施例D25と同様にして発光素子D36を作製した。得られた発光素子D36に電圧を印加したところ、この素子から460nmにピークを有するEL発光が得られ、最大の外部量子効率は5.7%であった。また、初期輝度4,000cd/m
2で定電流駆動した際に、輝度が初期輝度の50%となるまでの時間(LT50)は、104.1時間であった。結果を表5に示す。
【0694】
<実施例D37:発光素子D37の作製と評価>
実施例D25における高分子化合物1に代えて高分子化合物17を用い、0.7重量%のキシレン溶液を調製したこと以外は、実施例D25と同様にして発光素子D37を作製した。得られた発光素子D37に電圧を印加したところ、この素子から460nmにピークを有するEL発光が得られ、最大の外部量子効率は6.8%であった。また、初期輝度4,000cd/m
2で定電流駆動した際に、輝度が初期輝度の50%となるまでの時間(LT50)は、53.9時間であった。結果を表5に示す。
【0695】
<実施例D38:発光素子D38の作製と評価>
実施例D25における高分子化合物1に代えて高分子化合物18を用い、0.7重量%のキシレン溶液を調製したこと以外は、実施例D25と同様にして発光素子D38を作製した。得られた発光素子D38に電圧を印加したところ、この素子から460nmにピークを有するEL発光が得られ、最大の外部量子効率は6.5%であった。また、初期輝度4,000cd/m
2で定電流駆動した際に、輝度が初期輝度の50%となるまでの時間(LT50)は、56.0時間であった。結果を表5に示す。
【0696】
<実施例D39:発光素子D39の作製と評価>
実施例D25における高分子化合物1に代えて高分子化合物19を用い、0.7重量%のキシレン溶液を調製したこと以外は、実施例D25と同様にして発光素子D39を作製した。得られた発光素子D39に電圧を印加したところ、この素子から460nmにピークを有するEL発光が得られ、最大の外部量子効率は6.9%であった。結果を表5に示す。
【0697】
<実施例D40:発光素子D40の作製と評価>
実施例D25における高分子化合物1に代えて高分子化合物20を用い、0.7重量%のキシレン溶液を調製したこと以外は、実施例D25と同様にして発光素子D40を作製した。得られた発光素子D40に電圧を印加したところ、この素子から460nmにピークを有するEL発光が得られ、最大の外部量子効率は7.1%であった。結果を表5に示す。
【0698】
<実施例D41:発光素子D41の作製と評価>
実施例D25における高分子化合物1に代えて高分子化合物21を用い、0.7重量%のキシレン溶液を調製したこと以外は、実施例D25と同様にして発光素子D41を作製した。得られた発光素子D41に電圧を印加したところ、この素子から460nmにピークを有するEL発光が得られ、最大の外部量子効率は6.1%であった。結果を表5に示す。
【0699】
<実施例D42:発光素子D42の作製と評価>
実施例D25における高分子化合物1に代えて高分子化合物22を用い、0.7重量%のキシレン溶液を調製したこと以外は、実施例D25と同様にして発光素子D42を作製した。得られた発光素子D42に電圧を印加したところ、この素子から460nmにピークを有するEL発光が得られ、最大の外部量子効率は5.9%であった。結果を表5に示す。
【0700】
<実施例D43:発光素子D43の作製と評価>
実施例D25における高分子化合物1に代えて高分子化合物23を用い、0.7重量%のキシレン溶液を調製したこと以外は、実施例D25と同様にして発光素子D43を作製した。得られた発光素子D43に電圧を印加したところ、この素子から460nmにピークを有するEL発光が得られ、最大の外部量子効率は6.4%であった。結果を表5に示す。
【0701】
<比較例CD5:発光素子CD5の作製と評価>
実施例D25における高分子化合物1に代えて高分子化合物6を用い、0.8重量%のキシレン溶液を調製したこと以外は、実施例D25と同様にして発光素子CD5を作製した。得られた発光素子CD5に電圧を印加したところ、この素子から470nmにピークを有するEL発光が得られ、最大の外部量子効率は5.3%であった。結果を表5に示す。
【0702】
<比較例CD6:発光素子CD6の作製と評価>
実施例D25における高分子化合物1に代えて高分子化合物7を用い、0.8重量%のキシレン溶液を調製したこと以外は、実施例D25と同様にして発光素子CD6を作製した。得られた発光素子CD6に電圧を印加したところ、この素子から460nmにピークを有するEL発光が得られ、最大の外部量子効率は5.2%であった。結果を表5に示す。
【0703】
<比較例CD7:発光素子CD7の作製と評価>
実施例D25における高分子化合物1に代えて高分子化合物8を用い、0.7重量%のキシレン溶液を調製したこと以外は、実施例D25と同様にして発光素子CD7を作製した。得られた発光素子CD7に電圧を印加したところ、この素子から475nmにピークを有するEL発光が得られ、最大の外部量子効率は5.2%であった。結果を表5に示す。
【0704】
【表5】
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【0705】
<実施例D42:発光素子D42の作製と評価>
スパッタ法により45nmの厚みでITO膜を付けたガラス基板に、ポリチオフェンスルホン酸のエチレングリコールモノブチルエーテル/水=3/2(体積比)の混合溶液(シグマアルドリッチ社、商品名:Plexcore OC 1200)を用いてスピンコートにより65nmの厚さで成膜し、ホットプレート上で170℃で15分間乾燥させた。高分子化合物14/燐光発光材料1=70重量%/30重量%となるように混合した組成物をキシレンに溶解させ、2.0重量%のキシレン溶液を調製した。このキシレン溶液を用いて、上記のPlexcore OC 1200が成膜されたガラス基板にスピンコートすることにより、厚さ80nmの有機薄膜を成膜した。これを窒素ガス雰囲気中において、ホットプレート上で180℃、60分間加熱することで、不溶化有機薄膜とした。 その後、陰極として、フッ化ナトリウムを約4nm、次いでアルミニウムを約80nm蒸着して、発光素子D42を作製した。なお、真空度が、1×10
−4Pa以下に到達した後に金属の蒸着を開始した。
【0706】
得られた発光素子D42に電圧を印加したところ、この素子から520nmにピークを有するEL発光が得られ、最大の外部量子効率は2.7%であった。
【0707】
<比較例CD8:発光素子CD8の作製と評価>
実施例D42における高分子化合物14に代えて高分子化合物6を用い、高分子化合物6/燐光発光材料1=70重量%/30重量%となるように混合した2.0重量%のキシレン溶液を調製したこと以外は、実施例D42と同様にして発光素子CD8を作製した。得られた発光素子CD8に電圧を印加したところ、この素子から520nmにピークを有するEL発光が得られ、最大の外部量子効率は0.1cd/Aであった。