(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記削減システムを含む電子機器製造システムに関連する情報を前記インターフェイスシステムに提供するステップをさらに含む、ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
前記インターフェイスが、前記選択する設定効率及び前記ガス情報に基づいて前記最適な強度設定を決定する論理プログラミングを含む、ことを特徴とする請求項5に記載のシステム。
前記削減システムを含む電子機器製造システムに関する情報を前記インターフェイスシステムに提供するステップをさらに含み、前記システム情報が、構成情報、設備情報及び設定情報の1又はそれ以上を含む、ことを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、電子機器製造中に生じる望ましくない物質の削減を最適化するための方法及び装置に関する。より詳細には、本発明は、電子機器製造ツールの排出物中の望ましくない物質を減衰又は排除するようにされた削減システムを最適化することに関する。
【0016】
最適化された削減システムは、削減処理中に望ましくない物質を減衰又は排除することができる。削減処理は、排出物中の異なる望ましくない物質に対して異なる種類及び/又は量の資源を使用することができる。最適化された量及び/又は種類の資源を望ましくない物質に対して使用することにより、最適化された削減システムが、メンテナンスを行うのに費やされる時間を含めて、資源の使用を最小限に抑えることができる。
【0017】
削減すべき物質の量及び/又は種類を知ることにより、削減資源を最適化することができる。削減すべき物質は、本明細書ではレシピロットと呼ぶ基材のロットを処理するために使用されるレシピの詳細と相関する。第1のレシピから第2のレシピへの変更を行うと、この新たなレシピにより、第2の新たなレシピロットの処理中に削減すべき物質を同様に変更することができる。従って、本発明の少なくとも1つの実施形態では、削減処理中に(例えば、原位置で及び/又はリアルタイムで)及び/又は後述するような照合システムから以前に取得した情報に基づいて、排出物から削減すべき物質の量及び/又は種類が決定される。
【0018】
本発明の態様の利点として、資源の保護及び/又はメンテナンスの低減を挙げることができる。例えば、望ましくない物質を減衰させるために必要な量の電力のみを使用することにより、従来では使用していたであろう電力量よりも少ない電力量で済み、これにより削減システムの運転コストが削減される。他の例として、削減システムの定期的メンテナンス間隔の延長、望ましくない物質の高破壊効率などを挙げることができる。
【0019】
排出物中の望ましくない物質の種類及び量は、実施する処理及び使用するレシピに基づき、電子機器製造ツールによって変化し得る。排出物中の望ましくない物質を測定したり、予測したりすることができる。ガス情報をセンサなどによって測定し、又はレシピ管理ツールによって提供することができ、このガス情報は、レシピガス又は排ガスの詳細を含むことができる。このような情報を、インターフェイスに、又は情報を分析するようにされた別の適当な装置に提供することができる。インターフェイスは、分析結果を削減システムに提供することができ、削減システムは、結果を使用して削減資源を最適に使用し、或いはその使用を別様に改善することができる。
【0020】
削減処理は、水、RF電力、温度、天然ガスなどを使用して排出物を削減することができる。削減処理の破壊効率は、使用する資源の量に関連することができる。破壊効率は、排出物の種類及び組成にも関連する。少なくとも1つの実施形態では、(例えば、原位置で及び/又はリアルタイムで及び/又は照合システムに基づいて)削減システムに排出物の種類及び組成に関する情報が提供される。削減システムは、この情報を使用して資源の使用量を調整する。従って、資源を過度に使用することなく所望の破壊効率を達成することができる。
【0021】
さらに、最初、削減システムは、排出物情報の分析に基づいてより低いレベルの設定に調整(例えば、低下)できる1又はそれ以上の最大又は高レベル設定に設定された状態で削減を開始することができる。これらのより低いレベルの設定は、使用中のレシピの排ガスにとって最適な削減設定を表す。対応するレシピが使用されている間は、レシピの詳細についての具体的な知識がなくても、これらの最適な削減設定を使用することができる。新たなレシピを使用する場合、新たなレシピにとって最適な削減設定を決定している間に、削減設定を慎重に高レベル設定に戻すことができる。高レベル設定を使用すると、最大強度未満の削減の必要性を示すであろう排出物情報が存在しない場合の予防措置として、最大削減力を達成することができる。
【0022】
例示的な電子機器製造システム
図1は、本発明による、電子機器製造ツール、ポンプ、インターフェイス、及び削減システムを有する電子機器製造システムを示す概略図である。電子機器製造システム100は、電子機器製造ツール102、ポンプ104、及び削減システム106を含むことができる。電子機器製造ツール102は、処理チャンバ108を有することができる。処理チャンバ108は、真空ライン110を介して削減システム106に結合することができる。ポンプ104は、導管112を介して削減システム106に結合することができる。処理チャンバ108は、流体ライン116を介して化学物質送出装置114にも結合することができる。インターフェイス118は、信号線120を介して処理チャンバ108、化学物質送出装置114、ポンプ104及び削減システム106に結合することができる。削減システム106は、電力/燃料供給部124、反応物供給部126及び冷却供給部128に結合できるリアクタ122を含むことができる。
【0023】
電子機器製造ツール102は、様々な処理を使用して電子機器を製造(例えば、加工)するようにすることができる。処理は、処理チャンバ108内で、(1気圧(atm)などの)周囲圧力未満の圧力で実施することができる。例えば、処理によっては、約8〜700ミリトール(mTorr)の圧力で実施できるものもあるが、他の圧力を使用することもできる。このような圧力を達成するために、ポンプ104が、処理チャンバ108から(ガス、プラズマなどの)排出物を除去することができる。排出物は、真空ライン110によって搬送することができる。
【0024】
様々な手段により、ポンプ104によって除去される排出物の(SiH
4、NF
3、CF
4、BCl
3などの)化学的前駆体を処理チャンバ108に追加することができる。例えば、これらの化学的前駆体を、化学物質送出装置114から流体ライン116を介して処理チャンバ108へ流すことができる。また、化学物質送出装置114を、この化学物質送出装置114が信号線120を介して提供する化学的前駆体に関連する(圧力、化学組成、流量などの)レシピ情報を信号線120を介して提供するようにすることができる。
【0025】
レシピ情報は、公知のレシピに基づくことができ、或いは未公開のレシピから得ることもできる。未公開のレシピからレシピ情報を得る場合、化学物質送出装置114又は流体ライン116に統合される可能性のあるマスフローコントローラなどの様々なセンサを使用して前駆体の組成又は質量流量を求めなければならないことがある。マスフローコントローラ(MFC)は、ガス流を測定して制御するために使用する装置である。マスフローコントローラは、特定の種類のガスを特定の範囲の流量に制御するように設計及び較正される。ガス組成センサ又は装置は、システム内で測定されるガス情報の一部としてガス組成情報を提供するMFCを伴い、或いはこれと一体化することができる。
【0026】
マスフローコントローラは、入口ポート、出口ポート、質量流量センサ及び比例制御弁を有することができる。MFCには、最大測定限界範囲の0〜100%の設定点を与えることができるが、MFCは、通常は最大測定限界の10〜90%で動作し、この範囲で最良の精度が達成される。このとき、この装置は、流量を特定の設定点に制御する。MFCには、必要な流量を達成するために質量流量センサからの値と比較して比例弁を適宜調整する入力信号をオペレータ(又は外部回路/コンピュータ)によって与えることができる閉ループ制御システムを装着することができる。流量は、較正した最大測定限界流量のパーセンテージとして特定され、電圧信号としてMFCに供給される。従来、マスフローコントローラは、供給ガスが特定の圧力範囲内にあることを必要とする。低圧では、MFCにガスが不足して設定点を実現できない可能性がある一方で、高圧では、流量が不安定になる可能性がある。
【0027】
インターフェイス118は、電子機器製造システム100からさらなるレシピ情報を受け取るようにすることができる。例えば、インターフェイス118は、処理チャンバ108内の処理に関連するレシピ情報を受け取ることができる。この情報は、(基材タイプ、処理タイプ、処理ステップの時間、温度、圧力、プラズマ、流量などの)処理情報を含むことができ、センサ、コントローラ又はその他の適当な装置がこの情報を提供することができる。インターフェイス118は、このような情報を使用して、排出物のパラメータなどの追加情報を求めることができる。
【0028】
レシピ情報から特定される排出物情報により、電子機器製造ツール102から排出される実際の排出物を予測することができる。これに加えて、或いはこれとは別に、処理チャンバ108から排出される実際の排出物を、チャンバ108から排出されると同時に、真空ライン110を移動している間に、及び/又は削減システム106に入ると同時に直接測定することができる。排出物の直接的な測定には、例えばガス組成センサ及びMFCの使用が必要となる場合がある。この排出物情報を、削減する必要がある物質を最適に削減するための削減設定を調整する基礎として使用することができる。
【0029】
1又はそれ以上の実施形態では、インターフェイス118が、処理関連パラメータの既知の挙動に関する情報を含む1又はそれ以上のデータベースから情報を受け取ることもできる。既に組み入れている米国特許出願第11/685,993号(代理人整理番号9137号)に記載されるように、データベースには、システムパラメータを経時的に正確に測定することができる、第2の電子機器製造システム100などの又はこの電子機器製造システム100と同様に設計された計器搭載照合システムから得た情報を投入することができる。
【0030】
照合システムが取り込んだパラメータ測定値を使用して、パラメータの1又はそれ以上の挙動を経時的に、或いは1又はそれ以上のその他のパラメータの関数として記述する(最適曲線、正規分布方程式などの)関数を引き出すことができる。その後、インターフェイス118がアクセスできるデータベース内で体系化できる定数を使用して、これらの関数を記述することができる。インターフェイス118は、データベース内の情報を使用して所望の及び/又は最適な値を判断し、電子製造システム100の実パラメータをこれらの値に調整することができる。
【0031】
インターフェイス118は、削減システム106に排出物に関連する情報を提供することができる。このような排出物情報を使用して、削減システム106のパラメータを調整することができる。排出物は、真空ライン110により処理チャンバ108から削減システム106へ搬送することができる。ポンプ104は、排出物を処理チャンバ108から除去して削減システム106へ移動させることができる。削減システム106は、電力/燃料供給部124、反応物供給部126及び/又は冷却供給部128を使用して排出物中の望ましくない物質を減衰させるようにすることができる。
【0032】
例示的な実施形態では、削減システム106をプラズマ削減システムとすることができる。例示的なプラズマ削減システムは、カリフォルニア州サンホセのMetron Technology社から販売されているLITMAS(商標)システムであってもよいが、他の削減システムを使用することもできる。削減システム106は、燃料/電力供給部124により供給される燃料/電力、反応物供給部126より供給される(水、水蒸気、O
2、H
2などの)反応物、及び冷却供給部128により供給される冷却水又は別の適当な流体を使用することができる。以下でより詳細に説明するが、削減システム106はプラズマを形成し、これを使用して排出物中の望ましくない物質を減衰又は排除することができる。
【0033】
同じ又は代替の実施形態には、ポストポンプ削減システムを含めることができる。例えば、削減システム106が電子機器製造システム100内に存在しなくてもよい。代わりに、ポンプ104の下流にポストポンプ削減システムを含めることができる。或いは、削減システム106に加えてポストポンプ削減システムを使用することもできる。このポストポンプ削減システムに、排出物に関連する情報を提供することもできる。
【0034】
例示的な方法の実施形態
図2は、本発明の実施形態による、削減システム106を調整する方法を示すフロー図である。方法200はステップ202から開始し、このステップは、レシピロットの基材を処理するステップを含むことができる。開始ステップ202は、基材の処理を開始すると同時にレシピロットからの排ガスの削減を開始することができる。
【0035】
開始ステップ202では、排出物の削減を、削減システム106を高レベル設定にして開始することができる。高レベル設定は、削減システム106の最大強度に匹敵することができる。最大強度設定は、排出物情報が存在しない場合に、排出物中の削減が必要な物質が削減されない可能性に対する予防措置として使用することができる。最大強度の削減を使用すると、資源の使用効率が一時的に悪くなるが、これは、レシピロットの最適な削減設定を決定して実施したときに削減レベルの設定を調整することにより修正することができる。
【0036】
その後、情報取得ステップ204を実行することができ、ここでは、インターフェイス118又は別の適当な装置が、パラメータセットに関する情報を取得することができる。これらのパラメータはレシピロットの処理に関連し、例えばレシピ情報及び/又は排出物情報を含むことができ、これらを測定し、判定し、又は組み合わせることができる。測定及び判定は、直接的なものであっても、又は間接的なものであってもよい。
【0037】
情報取得ステップ204では、インターフェイス118が、電子機器製造システム100、内部又は外部データベース、予測的解決法、照合システムなどの1又はそれ以上の情報源から情報を取得することができる。この情報は、電子機器製造システム100により発生した1又はそれ以上の排出物に関する情報に関連し、又は該情報を得るために使用することができる。この情報は、システム構成情報などのシステム情報、及び/又は電子機器製造システム100が使用することができる削減システム106の種類、能力及び動作範囲などの設備情報を含むこともできる。また、システム情報は、所定の時点におけるシステムの設備による使用中の設定に関する設定情報を含むことができる。その後、情報分析ステップ206を開始することができる。
【0038】
情報分析ステップ206では、インターフェイス118及び/又は削減システム106が、ステップ204で取得した情報を分析して少なくとも1つの所望の削減パラメータ値を求めることができる。必要であれば、この所望の削減パラメータ値を、削減システム106の最適な削減設定に変換することができる。さらに、インターフェイスは、情報を分析して、削減システム106のパラメータを、レシピ及び削減システム106の種類に関して排出物の削減を最適化するように調整する必要があり得ると判断することができる。例えば、(ペルフルオロカーボン(PFC)、選択された有機化合物(VOC)などの)気体化学物質を減衰させるプレポンププラズマ削減システム106では、プラズマ出力を調整することができる。気体化学物質が減衰する量は、気体化学物質に印加されるプラズマ出力の量に比例することができる。例えば、PFCでは、分子当たり何十もの電子が実質的な解離を引き起こすことにより、PFCを所望のレベルに減衰させることが必要となり得る。
【0039】
削減調整ステップ208では、削減設定を最適な削減設定に調整して、最適化された削減パラメータに近づけることができる。例えば、プラズマ出力を最適レベルに調整することにより、削減処理を最適化することができる。本発明の態様は、削減設定を、最大削減強度を得るように最初に設定された高レベル設定から引き下げることにより削減パラメータを低減させることができる。削減設定を最大強度レベルから引き下げると、資源消費量及び設備の摩耗が減少する。例えば、最適よりも多くの量のプラズマ出力は過剰であり、リアクタ122の壁部に望ましくない損傷を与える恐れがある。より詳細には、リアクタ122の壁部の損傷は、プラズマ内に存在する分子当たり電子量に比例し得る。従って、最適な量のプラズマ出力を提供することにより、リアクタ122が摩耗によって損傷しにくくなり、従ってそれほど頻繁に交換しなくて済むようになる。
【0040】
他の実施形態では、削減調整ステップ208中に、他の種類の削減システム106を調整することができる。例えば、ポストポンププラズマ、触媒、及び/又は燃焼削減システム106を使用することができる。ポストポンププラズマ削減システム106では、最適に調整できるパラメータとして、電力、パージガス流、反応物及び冷却剤流を挙げることができる。ポストポンプ触媒削減システム106では、調整できるパラメータとして、パージガス流、反応物及び冷却剤流を挙げることができる。ポストポンプ燃焼触媒削減システム106では、最適に調整できるパラメータとして、燃料流、パージガス流、反応物及び冷却剤流を挙げることができる。
【0041】
さらに、削減調整ステップ208では、レシピ及び/又はその他の削減前処理を調整して、排出物中の削減が必要な物質を、排出物が生じる前に先制して削減することができる。例えば、排出物情報を取得して分析することにより、削減を必要とする追加物質を不必要に生成する過剰な前駆体物質が使用されていることを示すことができる。
【0042】
本発明の態様によれば、ステップ206における情報の分析及びステップ208における削減調整を、適当な設備、コンピュータハードウェア及び/又はコンピュータソフトウェアによって自動的に行うことができる。例えば、インターフェイス118は、コンピュータハードウェアと相互作用して削減システム106などの製造システム100内の設備を自動的にモニタして制御するソフトウェアを含むことができる。同様に、インターフェイス118は、選択する設定効率及びガス情報に基づいて最適な設定を決定する、ソフトウェア又はファームウェアの形の論理プログラムを含むことができる。以下でさらに説明するが、選択する設定効率は、増分単位の効率のための資源消費に関連して望ましくない物質を削減することの重要性の認識を示すユーザ入力データを含むことができる。
【0043】
本発明のこのような自動化された実施形態では、削減システム106が、削減設定及びパラメータを最適な削減設定及び所望のパラメータ値に適合するように自動的に調整することができる。例えば、排出物中のPFC量の増加を受けて、プラズマ出力を所望の量に増加させることができる。或いは、最大強度又はこの近くでの削減設定で開始した場合、削減設定を排出物情報に照らして最適な削減設定に下げて、資源を保護しながら削減を最適化することができる。
【0044】
終了ステップ210では、その後、方法200を終了することができ、レシピロット処理の完了及び新たなレシピロットの開始を含むことができる。新たなレシピロットの開始により、開始ステップ202において方法200を再開できるようになる。
【0045】
本発明の自動化された実施形態に関して上記で紹介したように、本発明の態様は、コンピュータハードウェア上で実行されるコンピュータソフトウェアを使用して、方法の実施形態の1又はそれ以上の動作を行うステップを含むことができる。これらの動作に対応するパラメータ及び論理は、コンピュータプロセッサが編集及び実行するためのコンピュータプログラミングコードの形で具体化することができる。製造工程及び/又は設備の自動化においては慣習的であるが、コードを実行するコンピュータプロセッサは、例えば、システムデータ、処理のフィードバック又はユーザ入力に部分的に基づいて動作の実行を調整することができる。例えば、温度センサは、排出物の流量を調整するためのコンピュータ命令を起動できる温度データを提供することができる。
【0046】
本発明の実施形態によるシステムの1又はそれ以上の態様の自動化とともに、処理及び/又は設備自動化のためのコンピュータソフトウェアを、コンパイル済みのフォーマットであるかコンパイルされていないフォーマットであるかに関わらず、コンピュータ可読媒体の形で、又はコンピュータ間通信の形で具体化することができる。コンピュータ間通信は、例えば、サードパーティの制御下にあるオフサイトソフトウェア又はハードウェアによるオンサイト設備の遠隔アクセス及び/又は制御を含むことができる。適当なコンピュータソフトウェア及び/又はハードウェアをシステム又はシステム構成要素に一体化し、又は埋め込み、或いは別個に提供することができる。
【0047】
第1の例示的な削減設定関係
図3は、本発明による例示的な削減処理を採用するプラズマ削減システムが使用する破壊効率とプラズマ出力との例示的な第1の関係を示す曲線である。第1の関係300は、削減処理の破壊効率302とプラズマ出力304との関係とすることができる。この第1の関係300では、プラズマ出力304の設定の調整を、最適な破壊効率302に近づくように最適化することができる。
【0048】
図3では、減衰する望ましくない物質をPFCとして示している。所望の破壊効率306を、水平方向の点線で示すことができる。削減システム106を介したPFC流量の破壊効率302とプラズマ出力304との第1の関係300を、低PFCフロー曲線308、中PFCフロー曲線310、及び高PFCフロー曲線312によって示すことができる。最大プラズマ出力設定は、x軸の最も右側となる。従って、低出力線314、中位出力線316及び高出力線318は、x軸に沿って次第に右方向へずれる。出力線314、316及び318は、PFCに印加されるプラズマ出力304の量を示すことができる。
【0049】
PFCの破壊効率302は、PFCの流量に関連することができる。例えば、削減システム106を通る流量が高いほど、所定のプラズマ出力304においてPFCの破壊効率302は低くなり得る。従って、所望の破壊効率306を達成するようにプラズマ出力304を調整することができる。所望の破壊効率306は、約85パーセント〜約100パーセントの範囲にわたることができる。高PFC流量の場合、高PFCフロー曲線312を使用して、高PFC流量の所望の破壊効率306を達成するために必要とされ得るプラズマ出力304の量を求めることができる。高出力線318が、所望の破壊効率306を達成するために必要なプラズマ出力304の量を示している。このようにして、適当なレベルのプラズマ出力304を選択することができる。
【0050】
高レベル又は最大レベルのプラズマ出力設定で開始する本発明の実施形態では、破壊効率が100%に近づくことができる。しかしながら、曲線308、310、312が右へ向かって横ばい状態になるにつれ、プラズマ出力304の限界伸び率が破壊効率302に及ぼす効果の増加は減少する傾向にある。このように、第1の関係300を設定効率によって特徴付けることができ、この場合、設定効率は、削減設定の基準削減設定からの単位増加当たり限界破壊効率の相対的な増減を表す、削減設定対破壊効率の微分関係に対応することができる。例えば、曲線308の設定効率は、出力線314の前では1を上回るように見える(例えば、曲線308は勾配が急である)が、出力線314を越えると1未満に落ちる(例えば、曲線308は平坦になる)。
【0051】
削減すべき物質によっては、選択する設定効率に合わせて材料を削減するように選択することにより、資源の使用に対するリターンの減少を避ける判断を行うことができる。
図3では、選択する設定効率が所望の破壊効率306に対応しており、これは、(プラズマ出力304などの)資源の保護と破壊効率302との間の意図的譲歩を表す。従って、最適な削減設定は、例えば、高PFCフロー312のプラズマ出力線318を含むと考えることができる。
【0052】
代替の実施形態では、選択できるプラズマ出力304のレベル数を、
図3に示すような3よりも多く、又は少なくすることができる。例えば、4以上のプラズマ出力304のレベルを選択に利用できるようにすることもできる。より詳細には、連続範囲のプラズマ出力304を選択に利用できるようにすることができる。或いは、低レベルのPFCフローのためのプラズマ出力304のオン/オフ印加に単一の出力レベルを利用できるようにすることもできる。同様に、所望の破壊効率306を達成するのに適したレベルの電力の選択に、4以上のフロー曲線を利用できるようにすることもできる。例えば、プラズマ出力304と破壊効率302の関係を、連続範囲のPFC流量にわたって定義することができる。このような関係及び対応する関係曲線は、設定調整が破壊効率に与える実際の結果を予測して、望ましくない物質を調整される設定に関して減衰させるための予測的解決法に到達するための予測ツールを表すことができる。
【0053】
第2の例示的な削減設定関係
図4は、本発明による例示的な削減処理を採用するプラズマ削減システムにおける破壊効率と反応物としての水流との例示的な第2の関係を示す曲線を示す図である。
図3の場合と同様に、破壊効率302と水流402の第2の関係400を、PFCを削減すべき物質とする低PFCフロー曲線404及び高PFCフロー曲線406によって示している。この第2の関係400では、水流402の設定の調整を、最適な破壊効率302に近づくように最適化することができる。最大水流設定は、x軸の最も右側となる。従って、低水流線408が、低PFCフロー曲線404のピークを示す。それよりもさらに右側では、高水流線410が、高PFCフロー曲線406のピークを示す。
【0054】
水402を適当なピーク水流に調整することにより、所望の破壊効率306を達成し又は超えることができる。2つのPFCフロー曲線を示しているが、本発明の実施形態では、曲線を1つのみ又は3つ以上使用することができる。或いは、本発明は、連続範囲のPFC流量を使用することができる。本発明は、このような関係を使用して、排出物中のPFCを最適に減衰させるのに適した水流を求めることができる。
【0055】
高レベル又は最大レベルの水流設定で開始する本発明の実施形態では、破壊効率が100%から逸脱することがある。従って、曲線404、406は、右へ向かって横ばいになるだけでなく、ピークに達して下がり始める。従って、削減すべき物質の流れにもよるが、水流402の限界伸び率が破壊効率302に及ぼす効果は、最初は漸減的に増加し、その後減少を示すことができる。
【0056】
第1の関係300の場合と同様に、第2の関係400も設定効率によって特徴付けることができ、この場合、設定効率は、削減設定対破壊効率の微分関係に対応することができる。
図4では、曲線404及び406が、削減設定の基準削減設定からの単位増加当たり限界破壊効率の増加及び減少の両方を示す。例えば、曲線404の設定効率は、フロー線408の前では1を上回るように見える(例えば、曲線408は上昇する)が、フロー線408を越えると1未満に落ちる(例えば、曲線308は下降する)。
【0057】
削減すべき物質によっては、最大反応物設定を、削減すべき物質の最高予測可能フローの破壊効率曲線のピークに対応する設定に制限するように選択することにより、資源の使用に対するリターンの減少を避ける判断を行うことができる。また、削減設定のために任意の設定効率を選択することもできる。
【0058】
図4では、選択する設定効率がフロー線408、410に対応することができ、
図3の所望の破壊効率306を上回る。従って、最適な削減設定は、例えば、高PFCフロー曲線406の水流線410を含むと考えることができる。或いは、選択する設定効率が対応する排出物の流れの最高破壊効率を下回ることにより、選択する設定効率が所望の破壊効率306に対応するようにすることができ、これは、(反応物の流れ402などの)資源の保護と破壊効率302との間の意図的譲歩を表す。
【0059】
また、関係400は、削減処理の化学反応に関連することもできる。例えば、四フッ化炭素(CF
4)の削減は、炭素を酸化してフッ素を水素化するステップを含むことができる。水素及び酸素を、CF
4+2H
2O→CO
2+4HFという反応に基づいて酸化水素(水)として供給することができ、この場合、完全な変換のためにはCF4が1に対して水が2必要となり得る。従って、水流をCF4のフローの2倍とすることができる。いくつかの実施形態では、CF4又はその他のPFCガス流の最大約7倍までの水流を使用することができる。
【0060】
上述の説明では、本発明の例示的な実施形態のみを開示している。当業者には、上記開示した装置及び方法の修正も本発明の範囲に含まれるということが容易に明らかとなるであろう。例えば、電子機器製造ツールにインターフェイスを含め、削減システムを電子機器製造ツールと通信可能に結合して、排出物に関連する情報を取得することができる。
【0061】
従って、例示的な実施形態に関連して本発明を開示したが、以下の特許請求の範囲により定義されるように、本発明の思想及び範囲には他の実施形態も含まれ得ることを理解されたい。