特許第5956232号(P5956232)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5956232
(24)【登録日】2016年6月24日
(45)【発行日】2016年7月27日
(54)【発明の名称】吸水性樹脂の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C08F 2/18 20060101AFI20160714BHJP
   C08F 20/00 20060101ALI20160714BHJP
【FI】
   C08F2/18
   C08F20/00 510
【請求項の数】10
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-98814(P2012-98814)
(22)【出願日】2012年4月24日
(65)【公開番号】特開2013-227377(P2013-227377A)
(43)【公開日】2013年11月7日
【審査請求日】2014年12月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000195661
【氏名又は名称】住友精化株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(74)【代理人】
【識別番号】100084146
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100156122
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 剛
(72)【発明者】
【氏名】今井 貴宏
(72)【発明者】
【氏名】礒川 翔
(72)【発明者】
【氏名】深田 佳奈子
(72)【発明者】
【氏名】高木 修治
【審査官】 赤澤 高之
(56)【参考文献】
【文献】 特表平01−500759(JP,A)
【文献】 特開平03−296502(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/121124(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08F 2/00− 2/60
C08F 20/00− 22/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液を炭化水素溶媒中で、ラジカル重合開始剤を用いて逆相懸濁重合させて吸水性樹脂を製造する方法において、加熱をマイクロ波により行い、かつ、直列および/または並列に配列した反応器を用いて連続重合させることを特徴とし、単位マイクロ波照射エネルギーあたりの吸水性樹脂の製造量が1〜5kg/kw・hrである、吸水性樹脂の製造方法。
【請求項2】
水溶性エチレン性不飽和単量体が、アクリル酸およびそのアルカリ金属塩、ならびにメタクリル酸およびそのアルカリ金属塩からなる群から選ばれた少なくとも1種である、請求項1に記載の吸水性樹脂の製造方法。
【請求項3】
炭化水素溶媒が、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン、トルエンおよびキシレンからなる群から選ばれた少なくとも1種である、請求項1または2に記載の吸水性樹脂の製造方法。
【請求項4】
界面活性剤および/または高分子保護コロイドの存在下で重合する請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸水性樹脂の製造方法。
【請求項5】
界面活性剤が、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、および一端または両端にドデシルグリコール基からなる疎水基を有しかつポリオキシエチレン鎖により形成されるポリ(オキシエチレン)グリコール/ドデシルグリコールブロック共重合物からなる群より選ばれた少なくとも1種である、請求項4に記載の吸水性樹脂の製造方法。
【請求項6】
高分子保護コロイドが、エチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、酸化変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリブタジエン、および無水マレイン酸変性エチレン・プロピレン共重合体からなる群から選ばれた少なくとも1種である、請求項4に記載の吸水性樹脂の製造方法。
【請求項7】
架橋剤の存在下で重合する請求項1〜6のいずれか1項に記載の吸水性樹脂の製造方法。
【請求項8】
架橋剤が、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、およびN,N'−メチレンビスアクリルアミドからなる群より選ばれた少なくとも1種である、請求項7に記載の吸水性樹脂の製造方法。
【請求項9】
水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液(W)と炭化水素溶媒(O)との質量比(W/O比)が0.2〜2.0である請求項1〜8のいずれか1項に記載の吸水性樹脂の製造方法。
【請求項10】
反応器が管型反応器である請求項に記載の吸水性樹脂の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸水性樹脂の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
吸水性樹脂は、近年、生理用品、紙おむつ、使い捨て雑巾等の衛生材料、保水剤、土壌改良剤等の農園芸材料、汚泥の凝固剤、建材の結露防止剤、油類の脱水剤等の工業資材等の種々の分野に有用である。これらの中でも特に生理用品、紙おむつ等の衛生材料で吸水性樹脂が広く使用されている。
【0003】
このような吸水性樹脂としては、アクリル酸塩重合体架橋物は吸水能が高いうえ、その原料であるアクリル酸は工業的に入手が容易であり、品質が一定で、安価に製造でき、しかも腐敗等の欠点もない等の数々の利点を有することから、好ましい吸水性樹脂であるとされている。
【0004】
従来、吸水性樹脂としてアクリル酸塩重合体架橋物を得る方法としては、アクリル酸またはアクリル酸アルカリ金属塩を、塊状重合、水溶液重合、逆相乳化重合および逆相懸濁重合して得る方法等が知られている。これらの中で、塊状重合および水溶液重合により吸水性樹脂を得る方法では重合熱の除去が難しく、重合液の粘性が極端に高くなることから一般的な反応槽を用いて製造することが困難であり、また粉末状の製品を得難い等の不具合がある。
【0005】
一方、逆相乳化重合および逆相懸濁重合により吸水性樹脂を得る方法として、α,β−不飽和カルボン酸(塩)から粉末状の重合体を得る方法等が開示されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4および特許文献5)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特公昭34−010644号公報
【特許文献2】特開昭53−046389号公報
【特許文献3】特開昭56−026909号公報
【特許文献4】特開昭62−172006号公報
【特許文献5】特開2006−001976号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1等に開示されている一般的な反応槽を使用する逆相乳化重合および逆相懸濁重合では、製造を効率よく行おうとした場合に反応槽を大きくすることが必要であり、反応槽の増大と共に、重合熱の除去が問題となる場合がある。さらに、重合が開始する温度に昇温する際、反応槽外部から加熱しており、水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液だけでなく、炭化水素溶媒等全てを昇温するためにエネルギーが消費され、重合に必要なエネルギー以上の加熱を要する等、エネルギー的に課題がある。
【0008】
また、一般的に、逆相乳化重合および逆相懸濁重合では、水溶性不飽和単量体水溶液(水相)の比率が高くなるほど生産性が良くなるものの、重合時に反応溶液中の重合粒子の濃度が高くなり、撹拌が困難になる等の設備上の不具合が生じるおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、以下に示すとおりの吸水性樹脂の製造方法に関する。
すなわち、
項1.水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液を炭化水素溶媒中で逆相懸濁重合させて吸水性樹脂を製造する方法において、加熱をマイクロ波により行うことを特徴とする吸水性樹脂の製造方法。
項2.水溶性エチレン性不飽和単量体が、アクリル酸およびそのアルカリ金属塩、ならびにメタクリル酸およびそのアルカリ金属塩からなる群から選ばれた少なくとも1種である、項1に記載の吸水性樹脂の製造方法。
項3.炭化水素溶媒が、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン、トルエンおよびキシレンからなる群から選ばれた少なくとも1種である、項1または2に記載の吸水性樹脂の製造方法。
項4.界面活性剤および/または高分子保護コロイドの存在下で重合する項1〜3のいずれか1項に記載の吸水性樹脂の製造方法。
項5.界面活性剤が、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、および一端または両端にドデシルグリコール基からなる疎水基を有しかつポリオキシエチレン鎖により形成されるポリ(オキシエチレン)グリコール/ドデシルグリコールブロック共重合物からなる群より選ばれた少なくとも1種である、項4に記載の吸水性樹脂の製造方法。
【0010】
項6.高分子保護コロイドが、エチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、酸化変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリブタジエン、および無水マレイン酸変性エチレン・プロピレン共重合体からなる群から選ばれた少なくとも1種である、項4に記載の吸水性樹脂の製造方法。
項7.架橋剤の存在下で重合する項1〜6のいずれか1項に記載の吸水性樹脂の製造方法。
項8.架橋剤が、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、およびN,N'−メチレンビスアクリルアミドからなる群より選ばれた少なくとも1種である、項7に記載の吸水性樹脂の製造方法。
項9.水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液(W)と炭化水素溶媒(O)との質量比(W/O比)が0.2〜2.0である項1〜8のいずれか1項に記載の吸水性樹脂の製造方法。
項10.水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液を炭化水素溶媒中で逆相懸濁重合させて吸水性樹脂を製造する方法において、直列および/または並列に配列した反応器を用いて連続重合させる項1〜9のいずれか1項に記載の吸水性樹脂の製造方法。
項11.反応器が管型反応器である項10に記載の吸水性樹脂の製造方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液を炭化水素溶媒中で逆相懸濁重合させる際、加熱をマイクロ波により行うことで、エネルギーおよび生産性等の観点から工業的に有利な吸水性樹脂の製造方法を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明者らは前記課題に対し種々検討を行った結果、水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液を炭化水素溶媒中で逆相懸濁重合させて吸水性樹脂を製造する方法において、加熱をマイクロ波により行うことで、エネルギーおよび生産性等の観点から工業的に有利に吸水性樹脂の製造方法を提供できることを見出した。
【0013】
本発明にかかる吸水性樹脂の製造方法において、エネルギーおよび生産性等の観点から工業的に有利に製造できる理由は、明らかではないが、次のように考えられる。逆相懸濁重合の加熱をマイクロ波により行うことで、本来加熱する必要の無い炭化水素溶媒等を実質的に加熱せず、水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液のみを選択的に加熱することができるためであると考えられる。すなわち、従来の加熱方法では、反応槽外部のジャケットからの加熱により反応槽を加熱し、伝熱により水溶性不飽和単量体水溶液、炭化水素溶媒等全てを昇温する。しかしながら、加熱をマイクロ波により行う方法は、反応槽および炭化水素溶媒等が加熱されにくく、これらの加熱に要するエネルギーが必要でないためエネルギー的にも優れている。さらに、従来の伝熱による加熱方法と比較して、水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液で発生した重合熱が加熱されにくい炭化水素溶媒に奪われるためか、重合が極めてマイルドに進行することも判明した。このマイルドな重合を利用し、従来の反応槽を用いる方法では難しかった水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液と炭化水素溶媒との質量比を大きくしても重合粒子の凝集を起こすことなく重合が可能であることを見出した。
【0014】
本発明に用いられる水溶性エチレン性不飽和単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸およびそのアルカリ金属塩、アンモニウム塩等(本明細書においては「アクリル」および「メタクリル」を合わせて「(メタ)アクリル」と表記する。以下同様);2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびそのアルカリ金属塩、アンモニウム塩等;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の非イオン性単量体;N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレートおよびジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のアミノ基含有不飽和単量体およびその4級化物等が挙げられ、これらは、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。これらのなかでは、工業的に入手が容易であること等から、アクリル酸またはそのアルカリ金属塩、メタクリル酸またはそのアルカリ金属塩が好ましく用いられる。
【0015】
前記水溶性エチレン性不飽和単量体は、水溶液として用いられる。水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液における水溶性エチレン性不飽和単量体の濃度は、25質量%〜飽和濃度であることが好ましい。
【0016】
水溶性エチレン性不飽和単量体が酸基を含む場合、その酸基をアルカリ金属塩、アンモニウム塩等によって中和してもよい。前記アルカリ金属塩等による中和度は、得られる吸水性樹脂の浸透圧を高くし、吸水速度を早め、余剰のアルカリ金属の存在により安全性等に問題が生じないようにする観点等から、水溶性エチレン性不飽和単量体の酸基の10〜100モル%であることが好ましい。中和する際の塩としては、リチウム、ナトリウム、およびカリウム等のアルカリ金属塩が好ましく、中でも、ナトリウムおよびカリウムが好ましい。
【0017】
本発明に用いられる炭化水素溶媒としては、脂肪族炭化水素溶媒、脂環族炭化水素溶媒および芳香族炭化水素溶媒等が挙げられる。前記脂肪族炭化水素溶媒としては、例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタンおよびリグロイン等が挙げられる。脂環族炭化水素溶媒としては、例えば、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサンおよびメチルシクロヘキサン等が挙げられる。芳香族炭化水素溶媒としては、ベンゼン、トルエンおよびキシレン等が挙げられる。これらの炭化水素溶媒は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
また、これらの炭化水素溶媒の中では、工業的に品質が一定しており、かつ入手が容易で安価である等の観点からn−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン、トルエンおよびキシレンが好ましく用いられる。なお、前記炭化水素溶媒は、加熱をマイクロ波により行う場合、水または水溶性エチレン性不飽和単量体と比較して、加熱されにくく、本発明によるマイクロ波を利用した逆相懸濁重合に適していると考えられる。
【0018】
前記炭化水素溶媒の使用量は、前記水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液(W)と前記炭化水素溶媒(O)の質量比(W/O比)が0.2〜2.0となる量が好ましく、より好ましくは0.6〜1.7となる量である。ここに、WおよびOは、使用される、各々、水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液のみの質量および炭化水素溶媒のみの質量を示し、これらは架橋剤、重合開始剤、界面活性剤、高分子保護コロイド等の質量を含まない。質量比(W/O比)が0.2未満の場合、容積効率が悪化し、経済的でなくなるおそれがある。また、質量比が2.0を超える場合、重合時に水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液と炭化水素溶媒との懸濁状態が不安定になったり、重合粒子の凝集が起こりやすくなるおそれがある。
【0019】
本発明に用いられるマイクロ波は、一般的に用いられる波長のマイクロ波が使用できる。具体的には、波長1m〜100μm、周波数300MHz〜3THzのマイクロ波が用いられる。なお、工業的には主に使用されているマイクロ波は電子レンジに使用されているものと同じ波長12.2cm、周波数2.45GHzのものであり、本発明においてもこの波長のものが好適に使用できる。前記マイクロ波は、高速に、かつ効率よく加熱することができること、熱応答性を有すること、すなわち電源のON/OFFにより瞬時の加熱・停止が可能であること、表面からではなく内部から均一に加熱できること、局所加熱することができること等の特性がある。
【0020】
加熱をマイクロ波により行う際の逆相懸濁重合の反応温度は、使用する重合開始剤によって異なるが、通常20〜110℃である。重合を迅速に進行させることで重合時間を短くし、重合熱を除去することが容易で、かつ円滑に反応を行う等の観点から、好ましくは30〜110℃、より好ましくは60〜80℃である。反応時間はマイクロ波の波長および周波数等によって異なるが、通常、0.05〜10分間である。なお、前記反応は、必要に応じて窒素またはアルゴン雰囲気下で行なうことが好ましい。
【0021】
本発明にかかる吸水性樹脂の製造方法において、界面活性剤および/または高分子保護コロイドの存在下で重合することもできる。
【0022】
前記界面活性剤としては、例えば、非イオン界面活性剤、または非イオン界面活性剤とアニオン界面活性剤との併用物等が挙げられる。これらの中ではソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、および一端または両端にドデシルグリコール基からなる疎水基を有しかつポリオキシエチレン鎖により形成されるポリ(オキシエチレン)グリコール/ドデシルグリコールブロック共重合物からなる群から選ばれた少なくとも1種であることが好ましい。前記界面活性剤の使用量は水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液100質量部に対し、0.05〜5質量部が好ましく、より好ましくは0.1〜3質量部である。
【0023】
前記高分子保護コロイドとしては、例えば、無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、無水マレイン酸変性エチレン・プロピレン共重合体、無水マレイン酸変性ポリブタジエン、エチレン・無水マレイン酸共重合体、エチレン・プロピレン・無水マレイン酸共重合体、ブタジエン・無水マレイン酸共重合体、酸化型ポリエチレン、エチレン・アクリル酸共重合体、エチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、酸化変性ポリエチレン等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。これらの中でも、エチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、酸化変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリブタジエンおよび無水マレイン酸変性エチレン・プロピレン共重合体からなる群から選ばれた少なくとも1種が好ましく用いられる。高分子保護コロイドの使用量は水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液100質量部に対し、0.1〜5質量部が好ましく、より好ましくは0.2〜3質量部である。
【0024】
本発明にかかる吸水性樹脂の製造方法において、得られる吸水性樹脂の水溶性の性質が抑制され、十分な吸水性能等を確保するために、架橋剤を用いることが好ましい。架橋剤を用いる場合は、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、およびN,N’−メチレンビスアクリルアミド等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。前記架橋剤は通常、水溶性エチレン性不飽和単量体に添加して使用するが、その使用量は水溶性エチレン性不飽和単量体100質量部に対し、0.001〜5質量部が好ましく、より好ましくは0.01〜2質量部である。
【0025】
本発明にかかる吸水性樹脂を製造する方法において、通常、重合開始剤を用いる。重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤を用い、具体的には、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、および過硫酸ナトリウム等の一般的に使用される水溶性ラジカル重合開始剤を用いることが好ましい。このようなラジカル重合開始剤は、亜硫酸塩等と併用してレドックス系開始剤として用いることもできる。
【0026】
また、前記ラジカル重合開始剤としては、油溶性ラジカル重合開始剤を用いることもできる。ただし、油溶性ラジカル重合開始剤を用いる場合は、生成する重合体が一般的に水溶性であるため、吸水性樹脂を得るためには前記した架橋剤を用いることが好ましい。なお、油溶性ラジカル重合開始剤としては、過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリル等が好ましく用いられる。
【0027】
前記重合開始剤の使用量は、通常、水溶性エチレン性不飽和単量体1モルに対して0.0001〜0.1モルであることが好ましく、より好ましくは0.0002〜0.05モルである。0.0001モルよりも少ない場合は重合反応に長時間を要することになり、0.1モルを超える場合は必要以上に急激な重合反応が起こるため好ましくない。
【0028】
また、本発明によれば、炭化水素溶媒等を実質的に加熱せず、水溶性エチレン性不飽和単量体を選択的に加熱することができるため、重合熱の除去が容易であり、重合時間も極めて短いこと等から連続重合によっても製造できる。連続重合する方法としては、特に限定されないが、例えば、炭化水素溶媒、および水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液、所望により界面活性剤および/または高分子保護コロイド等の原料を混合させ逆相懸濁液を調製した後、その逆相懸濁液を連続重合させる方法が用いられる。
【0029】
前記連続重合法の反応器は槽型であっても管型であってもよく、また二基以上の反応器を直列および/または並列に配列して用いてもよい。但し、槽型反応器一基で高いモノマー転化率を得ることが困難である場合には、後続に管型反応器を連結するか、もしくは槽型反応器のみであれば二基以上、さらに好ましくは三基以上連結することが好ましい。連続重合の際の各原料の導入方法は、特に限定されず、用いる反応器の形状や各原料の質量比等によって適宜設定することができる。反応器を二基以上連結する場合は、二基目以降の反応器の少なくとも一基以上に水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液の一部を導入することで、より安定に吸水性樹脂を得ることができる場合もある。本発明においては、連続重合の容易さ、反応器の設計の容易さ等から管型反応器が好ましい。
【0030】
管型反応器を用いて製造する場合には、例えば、水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液と、所望により界面活性剤および/または高分子保護コロイドを溶解した炭化水素溶媒からなる溶媒組成物とを別に調製し、混合器中で混合し、予め逆相懸濁液を用意する。一方、マイクロ波反応装置に管型反応器をセットし、ポンプにより用意された逆相懸濁液を通液し、マイクロ波を照射することにより連続重合を行うことができる。
【0031】
また、管型反応器の場合は、前記の連続重合する方法以外であっても、所望により界面活性剤および/または高分子保護コロイドを溶解した炭化水素溶媒からなる溶媒組成物と、水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液を別々に通液して連続重合することもできる。この方法を用いる場合、マイクロ波は、水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液を重合が開始する所定の温度まで昇温するために消費されるが、逆相懸濁液中の水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液の液滴径は数μmから数百μmと非常に小さいため、短時間のうちに溶媒組成物に熱が伝わり、結果として昇温したい水溶性エチレン性不飽和単量体の温度を下げてしまうおそれもある。その際には、溶媒組成物の温度を予め高めておくことで効率的に製造することができる。
【0032】
本発明にかかる製造方法において、反応器の材質は、マイクロ波に反応せず、マイクロ波を透過する材質、であれば特に限定されず、通常、ガラス製、ポリテトラフルオロエチレン製が用いられる。
【0033】
本発明の方法によれば、加熱をマイクロ波により行うことにより、水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液と炭化水素溶媒との質量比が大きくても安定的に重合できること、極めて短い時間での重合が可能なこと等により、単位マイクロ波照射エネルギーあたりの吸水性樹脂の製造量は1〜5kg/kw・hrと非常に効率よく吸水性樹脂の製造が可能である。
【0034】
具体的な製造方法に関しては、実施例により、詳細を記述するが、その概略は、槽型反応器の場合には、マイクロ波反応装置(四国計測工業社製)に撹拌機、温度計、冷却器、窒素ガス導入管を備えた反応器を設置し、界面活性剤および/または高分子保護コロイドを溶解した炭化水素溶媒からなる溶媒組成物を調製し、次いで必要により架橋剤および重合開始剤を溶解させた水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液を投入後撹拌を行うことにより逆相懸濁液を得る。次いで、窒素置換を行った後に、充分なマイクロ波を照射することにより加熱を行う。数秒のうちに重合反応が開始する温度に内温が上昇し、まもなく重合が終了する。
【0035】
衛生材料等で広く使用されている吸水性樹脂においては、粉末状のものが好ましく用いられ、その粉末粒子の粒度は一般的に数μm〜数百μm程度のものが好ましく用いられる。従って、本発明にかかる吸水性樹脂の製造方法において、使用する炭化水素溶媒、水溶性エチレン性不飽和単量体、ならびに所望により用いる界面活性剤や高分子保護コロイドの選択が重要である。さらに、吸水性樹脂に各種性能を保持させるために架橋剤の選択も重要である。
【実施例】
【0036】
以下実施例および比較例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例によって何ら限定されるものではない。各実施例で得られた吸水性樹脂の、中位粒子径、生理食塩水吸水能、残存モノマー含量および水溶解分を、以下に示す方法により評価した。
【0037】
<中位粒子径>
JIS標準篩を上から、目開き850μmの篩、目開き600μmの篩、目開き500μmの篩、目開き425μmの篩、目開き300μmの篩、目開き250μmの篩、目開き150μmの篩および受け皿の順に組み合わせ、組み合わせた最上の篩に、吸水性樹脂50gを入れ、ロータップ式振とう器を用いて20分間振とうさせて分級した。
分級後、各篩上に残った吸水性樹脂の質量を全量に対する質量百分率として計算し、粒子径の大きい方から順に積算することにより、篩の目開きと篩上に残った吸水性樹脂の質量百分率の積算値との関係を対数確率紙にプロットした。確率紙上のプロットを直線で結ぶことにより、積算質量百分率50質量%に相当する粒子径を中位粒子径とした。
【0038】
<生理食塩水吸水能>
500mL容のビーカーに、0.9質量%塩化ナトリウム水溶液(生理食塩水)500gを量り取り、600rpmで撹拌させながら、吸水性樹脂2.0gを、ママコが発生しないように分散させた。撹拌させた状態で60分間放置し、吸水性樹脂を十分に膨潤させた。その後、予め目開き75μm標準篩の質量Wa(g)を測定しておき、これを用いて、前記ビーカーの内容物をろ過し、篩いを水平に対して約30度の傾斜角となるように傾けた状態で、30分間放置することにより余剰の水分をろ別した。吸水ゲルの入った篩いの質量Wb(g)を測定し、以下の式により、生理食塩水吸水能を求めた。
式:生理食塩水吸水能(g/g)=[Wb−Wa](g)/吸水性樹脂の質量(g)
【0039】
<吸水性樹脂の残存モノマー含量>
500mL容のビーカーに、0.9質量%塩化ナトリウム水溶液(生理食塩水)500gを量り取り、これに吸水性樹脂2.0gを添加して60分間撹拌した。前記ビーカーの内容物を、目開き75μmのJIS標準篩、さらに、ろ紙(ADVANTEC社製、No.3)によりろ過して、吸水ゲルと抽出液を分離した。得られた抽出液中に溶解しているモノマー含量を、高速液体クロマトグラフィーにより測定した。測定値を、吸水性樹脂質量あたりの値に換算して残存モノマー含量(ppm)とした。
【0040】
<水溶解分>
500mL容のビーカーに、0.9質量%塩化ナトリウム水溶液(生理食塩水)500±0.1gを量り取り、マグネチックスターラーバー(8mmφ×30mmのリングなし)を投入し、マグネチックスターラー〔イウチ(Iuchi)社製、品番:HS−30D〕の上に配置した。引き続きマグネチックスターラーバーを600rpmで回転するように調整し、さらに、マグネチックスターラーバーの回転により生ずる渦の底部は、マグネチックスターラーバーの上部近くになるように調整した。
【0041】
次に、吸水性樹脂2.0±0.002gを、ビーカー中の渦中央とビーカー側面の間に素早く流し込み分散させ、3時間撹拌した。3時間撹拌後の吸水性樹脂分散水を、標準篩(目開き75μm)でろ過し、得られたろ液をさらに桐山式ロート(ろ紙No.6)を用い吸引ろ過した。
【0042】
得られたろ液を恒量化した100mL容のビーカーに80±0.1g量り取り、140℃の熱風乾燥機〔アドバンテック(ADVANTEC)社製〕で恒量になるまで乾燥させ、ろ液固形分の質量Wd(g)を測定した。
一方、吸水性樹脂を用いずに上記操作と同様に行ない、ろ液固形分の質量We(g)測定し、式:溶解分(質量%)=〔[(Wd−We)×(500/80)]/2〕×100
に基づいて、溶解分を算出した。
【0043】
実施例1
撹拌機、還流冷却器、温度計、および窒素ガス導入管を備えた500mlの四つ口フラスコに80質量%のアクリル酸水溶液92g(1.03モル)、イオン交換水2.16gを仕込み、液温が30℃を超えないように外部より氷冷しつつ、30質量%の水酸化ナトリウム水溶液104.2g(0.78モル)を徐々に滴下してアクリル酸の76モル%を中和した。次に、水溶性ラジカル重合開始剤として過硫酸カリウム73.6mg(0.387ミリモル)、架橋剤としてエチレングリコールジグリシジルエーテル10.1mg(0.058ミリモル)およびイオン交換水37.1gを加えて溶解し水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液を調製した。
【0044】
これとは別に、マイクロ波反応装置(四国計測工業(株)製、商品名:μReactorEX)の中に、撹拌機、還流冷却器、滴下ロート、および窒素ガス導入管を付した四つ口フラスコを設置し、この四つ口フラスコにn−へプタン290gと高分子保護コロイドとして無水マレイン酸変性エチレン・プロピレン共重合体(三井化学(株)製、商品名:ハイワックス1105A)0.736gと界面活性剤HLB3としてショ糖ステアリン酸エステル(三菱化学フーズ(株)製、商品名:サーフホープSS−3)0.736gを添加し、n−へプタンに溶解させ炭化水素溶媒組成物を調製した。
【0045】
続いて、上記の水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液の全量を炭化水素溶媒組成物に加え、30℃に保ち撹拌下で懸濁させた。その時同時に、充分な窒素ガスを吹き込んで残存酸素を追い出した。
この時の、水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液と、炭化水素溶媒との質量比(W/O比)は、0.81であった。
【0046】
引き続き、マイクロ波反応装置により、周波数2.45GHzのマイクロ波を出力1kWで照射し逆相懸濁重合を行った。重合は速やか、かつ穏やかに進行し80秒の照射後、内温が70℃に達した時にマイクロ波の照射を止めた。
重合終了後、マイクロ波反応装置よりフラスコを取り出し、水およびn−へプタンを蒸留により留去し、乾燥することにより吸水性樹脂90.9gを得た。
得られた吸水性樹脂は、中位粒子径60μm、生理食塩水吸水能54g/g、残存モノマー含量207ppm、水溶解分7.6質量%であった。
【0047】
実施例2
実施例1において、n−へプタンの使用量を160gに変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。この時の、水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液と、炭化水素溶媒との質量比(W/O比)は、1.46であった。
重合は速やか、かつ穏やかに進行し69秒の照射後、内温が70℃に達した時にマイクロ波の照射を止めた。重合終了後、マイクロ波反応装置よりフラスコを取り出し、水およびn−へプタンを蒸留により留去し、乾燥することにより吸水性樹脂90.5gを得た。
得られた吸水性樹脂は、中位粒子径61μm、生理食塩水吸水能64g/g、残存モノマー含量220ppm、水溶解分9.6質量%であった。
【0048】
実施例3
撹拌機、還流冷却器、温度計、および窒素ガス導入管を備えた3Lの四つ口フラスコに80質量%のアクリル酸水溶液920g(10.3モル)、イオン交換水21.6gを仕込み、液温が30℃を超えないように外部より氷冷しつつ、30質量%の水酸化ナトリウム水溶液1042.3g(7.8モル)を徐々に滴下してアクリル酸の76モル%を中和した。次に、水溶性ラジカル重合開始剤として過硫酸カリウム736mg(3.87ミリモル)、架橋剤としてエチレングリコールジグリシジルエーテル101mg(0.58ミリモル)およびイオン交換水371gを加えて溶解し水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液を調製した。
【0049】
これとは別に、撹拌機、還流冷却器、温度計、および窒素ガス導入管を備えた7Lの四つ口フラスコにn−へプタン2900gと高分子保護コロイドとして無水マレイン酸変性エチレン・プロピレン共重合体(三井化学(株)製、商品名:ハイワックス1105A)7.36g、界面活性剤HLB3としてショ糖ステアリン酸エステル(三菱化学フーズ(株)製、商品名:サーフホープSS−3)7.36gを添加し、炭化水素溶媒組成物を調製した。
【0050】
続いて、上記の水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液の全量に炭化水素溶媒組成物を加え、30℃に保ち撹拌下で懸濁させた。その時同時に、充分な窒素ガスを吹き込んで残存酸素を追い出した。この混合液を懸濁液1とした。
この時の、水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液と、炭化水素溶媒との質量比(W/O比)は、0.81であった。
【0051】
マイクロ波反応装置(四国計測工業(株)製、商品名:μReactorEX)に内径10mm、長さ50cmのガラス製U字型連続反応管(反応管の体積は39ml)を設置し、前記ガラス製U字型連続反応管に懸濁液1を毎分78gの速さで通液させた。懸濁液の反応管内の滞留時間は30秒である。
通液5分後、周波数2.45GHzのマイクロ波を出力1kWで照射して、逆相懸濁重合を行った。反応管内の通液はマイクロ波照射後もスムースであった。マイクロ波照射開始5分後から10分間の懸濁重合液を採取し、水およびn−へプタンを蒸留により留去し、乾燥することにより吸水性樹脂135gを得た。
得られた吸水性樹脂は、中位粒子径68μm、生理食塩水吸水能51g/g、残存モノマー含量210ppm、水溶解分10.4質量%であった。
【0052】
実施例4
実施例3において、n−へプタンの使用量を1600gに変更した以外は、実施例3と同様の操作を行った。この時の、水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液と、炭化水素溶媒との質量比(W/O比)は、1.46であった。
重合終了後、マイクロ波反応装置よりフラスコを取り出し、水およびn−へプタンを蒸留により留去し、乾燥することにより吸水性樹脂178gを得た。
得られた吸水性樹脂は、中位粒子径73μm、生理食塩水吸水能52g/g、残存モノマー含量220ppm、水溶解分10.9質量%であった。
【0053】
【表1】
【0054】
比較例1
実施例1において、マイクロ波反応装置の代わりにウォーターバスにより加熱することによりフラスコ内の逆相懸濁液を昇温した。逆相懸濁液が70℃に達すると急激に重合が起こり、水相部がゲル状の塊状となり、粒子状の吸水性樹脂は得られなかった。
【0055】
比較例2
比較例1において、n−へプタンの使用量を160gに変更した以外は比較例1と同様の操作を行った。この時の水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液と、炭化水素溶媒との質量比(W/O比)は、1.46であった。
逆相懸濁液の温度が70℃に達すると急激に重合が起こり、水相部がゲル状の塊状となり、粒子状の吸水性樹脂は得られなかった。