(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
(第1の実施形態)
以下に、本発明の第1の実施形態を
図1〜
図20により説明する。
【0018】
図1はペット用使い捨ておむつを展開した状態の平面図である。本実施の形態において「ペット」とは、脊椎動物(哺乳類、爬虫類、鳥類、両性類)や無脊椎動物を広く包含するが、典型的には猫、犬、ウサギ、ハムスター、馬、牛、豚、山羊といった愛玩動物がこれに該当する。本実施の形態において、「展開した状態」もしくは「展開状態」とは、ペットに装着されていない状態のペット用使い捨ておむつを解放し、伸縮性弾性部材の収縮力が発現していない状態を示す。
【0019】
ペット用使い捨ておむつ10は、腹側胴周り域110と、背側胴周り域130と、腹側胴周り域110と背側胴周り域130の間に配置される股下域120を有する。ペットがペット用使い捨ておむつ10を着用した場合において、腹側胴周り域110はペットの腹に、背側胴周り域130はペットの背に、股下域120はペットの股下にそれぞれ当接される。
この腹側胴周り域110、背側胴周り域130、股下域120が、本発明に係る「背側胴周り域と、腹側胴周り域と、該背側胴周り域と腹側胴周り域の間に位置する股下域」のそれぞれ一例である。
【0020】
ペット用使い捨ておむつ10は、
図1に示される展開状態において、腹側胴周り域110と股下域120と腹側胴周り域130が連続する方向であるおむつ長手方向Yと、おむつ長手方向Yと交差する方向であるおむつ長手交差方向Xとを有する。本明細書において「交差する」とは、特に説明を行わない限り「直交する」ことを示す。
このおむつ長手方向Yと、おむつ長手交差方向Xとが、本発明に係る「前記ペット用使い捨ておむつがペットに装着されていない状態において、前記背側胴周り域と前記股下域と前記腹側胴周り域が連続する方向であるおむつ長手方向と、該おむつ長手方向と交差する方向であるおむつ長手交差方向」の一例である。
【0021】
ペット用使い捨ておむつ10は、ペットに装着される側である内側表面100Z1と、この内側表面100Z1と反対側の表面である外側表面100Z2とを有する。
なお、本実施の形態において、内側表面100Z1をペット側表面、ペット装着面と記す場合がある。
【0022】
ペット用使い捨ておむつ10は、おむつ長手方向Y上において、腹側胴周り域110に形成される端部110Aと、背側胴周り域130に形成される端部130Aを有する。
この腹側胴周り域110に形成される端部110Aが、本発明に係る「前記おむつ長手方向上における腹側胴周り域端部」の一例である。
この背側胴周り域130に形成される端部130Aが、本発明に係る「前記おむつ長手方向上における背側胴周り域端部」の一例である。
【0023】
ペット用使い捨ておむつ10は、おむつ長手交差方向X上において一対の端部100Aを有する。端部100Aは、腹側フラップ部150におけるおむつ長手交差方向上の端部150Bおよび背側端部150Cと、背側フラップ部160におけるおむつ長手交差方向上の端部160Bと、腹側フラップ部150の背側端部150Cと背側フラップ部160の長手交差方向上の端部160Bとの間に位置する脚周り端部100Aとに亘り連続される。
この端部100Aが本発明に係る「おむつ長手交差方向上における両端部」の一例である。
なお、背側フラップ部160におけるおむつ長手交差方向上の端部160Bは、側端部とも称される。
【0024】
ペット用使い捨ておむつ10は、おむつ長手方向Yの所定領域に尻尾挿通開口190を有する。尻尾挿通開口190は、内側表面100Z1と外側表面100Z2に亘り貫通する弧状の開口用切込み191により形成される。
なお、この第1の実施形態においては弧状の開口用切込み191により尻尾挿通開口190を形成したが、環状の切込みにより円形の開口を設けることもできる。
この尻尾挿通開口190が、本発明における「おむつ長手方向の所定領域に設けられた尻尾挿通開口」の一例である。
【0025】
ペット用使い捨ておむつ10は、おむつ長手方向Yに、尻尾挿通開口190の一方側に形成され、股下域120と腹側胴周り域110の所定領域に配置される吸収性コア200を有する。吸収性コア200は、腹側端部210と、背側端部220と、一対のおむつ長手交差方向側端部230とを有する。
吸収性コア200は、粒子状や繊維状の高吸収性ポリマーとフラッフパルプとの混合物や、粒子状や繊維状の高吸収性ポリマーとフラッフパルプと熱可塑性剛性樹脂繊維との混合物により形成される。また、その型崩れや高吸収性ポリマーの脱落を防止するため、全体がティッシュペーパーや親水性繊維不織布等の透液性シートで被覆されることが好ましい。また、吸収性コア200を、所定の厚みとすべく製造工程により圧縮することが好ましい。なお、高吸収性ポリマーは、合成ポリマー系、デンプン系、セルロース系などのものを適宜使用することができる。
この吸収性コア200が、本発明に係る「おむつ長手方向において尻尾挿通開口の一方側に形成され、股下域と前記腹側胴周り域の所定領域に配置される吸収性コア」の一例である。
【0026】
図2に示す通り、ペット用使い捨ておむつ10において、吸収性コア200が配置されていない領域は吸収性コア非配置領域170とされる。
吸収性コア非配置領域170において、吸収性コア200の腹側端部210と、背側端部220と、ペット用使い捨ておむつ10の背側端部130Aと隣り合うそれぞれの領域は、後に説明する起立部700を構成するための起立領域とされる。起立領域の内、吸収性コア200の腹側端部210と隣り合う領域は、腹側起立領域171とされる。また、吸収性コア200の背側端部220と隣り合う領域は、股下起立領域173とされる。また、ペット用使い捨ておむつ10の背側端部130Aと隣り合う領域は、背側起立領域172とされる。
【0027】
なお、ペット用使い捨ておむつ10の設計次第では、この吸収性コア非配置領域170の内、特に起立領域に吸収性コア200の一部の構成が配置される場合がある。具体的には、ティッシュペーパーや、パルプ繊維もしくは高吸水性ポリマーの一部が配置される場合がある。そのような場合であっても、起立領域がその柔軟性を維持しており起立部700を形成するのであれば、実質的には吸収性コア非配置領域170が形成されており、起立領域も同時に形成されているものとされる。
【0028】
ペット用使い捨ておむつ10は、腹側フラップ部150のおむつ長手交差方向上の両端部150Aに、止着部300を有する。
図3に示す通り、止着部300は止着部長手方向300Xと、止着部長手交差方向300Yとを有する。止着部長手方向300Xにおいては、止着部300がペット用使い捨ておむつ10に固定されている領域である固定部320と、止着領域900に止着される自由部310とを有する。
【0029】
止着部300には、ポリオレフィン系の熱可塑性合成繊維から形成された繊維不織布またはポリオレフィン系の熱可塑性合成樹脂から形成されたプラスチックフィルムが使用される。自由部310におけるおむつ内側表面100Z1側には、多数のフック(図示せず)が取り付けられている。フックは、ポリオレフィン系の熱可塑性合成樹脂から形成されている。なお、このフックは止着領域900に止着するための構成であるが、止着領域900の構造によっては他の構成を選択することができる。例えば、フックではなく粘着剤を使用することができる。
この止着部300が、本発明に係る「前記腹側胴周り域に設けられるとともに所定の長さを有する止着部」の一例である。
【0030】
ペット用使い捨ておむつ10は、フラップ部140Aを有する。フラップ部140Aは、おむつ長手交差方向上の両端部100Aにおける腹側胴周り域110のおむつ長手交差方向に設けられた一対の腹側フラップ部150と、おむつ長手交差方向上の両端部100Aにおける背側胴周り域130のおむつ長手交差方向上に設けられた一対の背側フラップ部160とにより構成される。フラップ部140Aは、ペット用使い捨ておむつ10のおむつ長手交差方向上の端部100A同士を結んだおむつ長手交差方向X上における直線の内、最も短い箇所である端部100A上の点である最短幅点100APを通過するおむつ長手方向上の仮想線100Y1により規定される。すなわちこの仮想線100Y1はフラップ境界線とされ、一対のフラップ境界線100Y1よりも外側の領域がフラップ部(腹側フラップ部150、背側フラップ部160)とされる。一方、一対のフラップ境界線100Y1同士の内側の領域が本体部140Bとされる。なお、このフラップ境界線100Y1自体は、おむつ長手方向上の任意の直線である基準仮想直線とすることもできる。
この腹側フラップ部150が、本発明に係る「前記腹側胴周り域に設けられる腹側フラップ部」の一例である。
この背側フラップ部160が、本発明に係る「前記背側胴周り域に設けられる背側フラップ部」の一例である。
【0031】
次にフラップ部140Aの構成につき、
図4に基づき説明する。なお
図4は、腹側フラップ部150と背側フラップ部160とを比較するために、フラップ境界線100Y1を基準とし、腹側フラップ部150と背側フラップ部160を上下に並べたものである。
まず、フラップ部140Aのおむつ長手交差方向Xにおける長さを定義する。一対のフラップ部140Aにおけるおむつ長手交差方向上の端部同士を結んだおむつ長手交差方向Xにおける直線の内、最も長い直線となる一対のフラップ部140Aにおけるおむつ長手交差方向上の点として最大幅点を規定する。この最大幅点は、腹側フラップ部150における最大幅点150APとして図示され、背側フラップ部160における最大幅点160APとして図示される。
次に、フラップ境界線100Y1からこの最大幅点までのおむつ長手交差方向Xまでの最短距離を測定し、これをフラップ部140Aにおけるおむつ長手交差方向Xの長さとする。このフラップ部140Aにおけるおむつ長手交差方向Xの長さとして、腹側フラップ部150の長さが150Lとして図示され、背側フラップ部160の長さが160Lとして図示される。
本発明において、腹側フラップ部150の長さL150と、背側フラップ部160の長さ160Lとは、異なった長さとされている。
このような構成とすることにより、腹側フラップ部150と背側フラップ部160の内のどちらか一方のおむつ長手交差方向Xにおける長さを短くすることができる。その結果、短い方のフラップ部140Aの折れ曲りが生ずる可能性を減少することができる。
ここで、本実施の形態における「折れ曲り」とは、フラップ部140Aにおける内側表面100Z1同士が接触する状態、フラップ部140Aにおける外側表面100Z2同士が接触する場合、もしくは、ペット用使い捨ておむつ10がペットαに対してフィット性を損なうほどにフラップ部140Aに皺が入っている状態をしめす。
なお、本発明に係る第1の実施形態においては、背側フラップ部160の長さ160Lが、腹側フラップ部150の長さ150Lよりも短く構成されている。
【0032】
次に
図5に基づき、背側フラップ部160の構成を説明する。
背側フラップ部160の側端部160Bは、おむつ長手交差方向Xにおけるフラップ部境界線100Y1から側端部160Bまでの距離が、測定位置毎に異なる形状とされている。
この結果、背側フラップ部の側端部160Bの形状は、前記おむつ長手方向Yに関して暫時異なるように形成されている。
本実施の形態において、背側フラップ部160における側端部160Bの具体的な形状は、円弧状の曲線とされている。なお、本実施の形態において「円弧状」とは、必ずしも正円における円弧を示すものではない。例えば、楕円における円弧を含み、また、正円における円弧と楕円における円弧の組み合わせとすることもできる。すなわち、本実施の形態における「円弧状」とは、「直線状ではない」と換言することができる。
背側フラップ部160における側端部160Bの形状をこのように構成することにより、使用者が背側フラップ部160を把持した場合、その触感により側端部160Bのどの部分を把持しているかを確認することができる。
【0033】
背側フラップ部160における側端部160Bの中央領域は、フラップ部境界線100Y1と側端部160Bとの間の距離が最大となる極大領域160B1が形成されている。本実施の態様において「中央領域」とは、特に背側フラップ部160における背側端部160Aが延出されて後述する識別領域10Aが形成されている場合、この識別領域10Aを含まない領域を示すものである。
この極大領域160B1は、具体的には、背側フラップ部160における側端部160Bが、極大領域160B1を最大値とするような円弧状曲線により形成されることにより構成される。
極大領域160B1を形成したことにより、使用者が背側フラップ部160を把持した場合、その触感により側端部160Bのどの部分を把持しているかをさらに容易に確認することができる。
【0034】
この極大領域160B1を通過するおむつ長手交差方向Xにおける仮想線160B11上に、後述する止着領域900が設けられる。
具体的には、極大領域160B1を通過するおむつ長手交差方向Xにおける仮想線160B11上に、後述する止着領域900における第2の止着領域900Bが配置される。
このような極大領域160B1と止着領域900の関係により、使用者は腹側フラップ部150の止着部300と、背側フラップ部160の止着領域900との位置決めが容易となる。すなわち、使用者が背側フラップ部160を把持した場合、極大領域160B1を認識することにより、止着領域900の位置を同時に認識することができる。
【0035】
さらに、背側フラップ部160の側端部160Bの形状と、止着領域900におけるおむつ長手交差方向X上の端部900BBの形状が異なっている。なお、止着領域900におけるおむつ長手交差方向X上の端部は、「側端部」とも称される。
具体的には、背側フラップ部160の側端部160Bの形状が曲線状であるのに対し、第2の止着領域900Bにおける側端部900BBの形状は、おむつ長手方向Yと平行である直線状とされている。
このような背側フラップ部160の側端部160Bと、止着領域900の側端部900BBとの関係により、使用者は腹側フラップ部150の止着鵜300と、背側フラップ部160の止着領域900との位置決めが容易となる。すなわち、使用者が背側フラップ部160を把持した場合、極大領域160B1を認識することにより、止着領域900の位置を同時に認識することができる。さらに、背側フラップ部160の側端部160Bの側端部と、止着領域900の側端部900BBの形状が異なることから、止着領域900の側端部900BBの位置そのものや、止着領域900におけるおむつ長手交差方向X上の位置を容易に認識することができる。
【0036】
フラップ部140Aには、識別領域10Aが形成される。この識別領域10Aは、ペット用使い捨ておむつ10をペットαに装着した状態において、ペット用使い捨ておむつ10を外部から視認した場合、背側フラップ160の状態が異常であることを判別するために設けるものである。
この識別領域10Aが、本発明に係る「前記背側フラップ部と前記腹側フラップ部の少なくとも一方は識別領域を有し、前記ペット用使い捨ておむつの外部からの前記識別領域の視認情報に基づき、前記背側フラップ部の状態が異常であることを判別可能に構成されている」の一例である。
この際、本実施の形態においては、識別領域10Aがペット用使い捨ておむつ10の外部から視認できる場合は「背側フラップ部160の状態が正常である」とする。また、識別領域10Aがペット用使い捨ておむつ10の外部から視認できない場合は「背側フラップ部160の状態が異常である」とする。なお、本実施の形態において「識別領域10Aが視認できる」とは、必ずしも「識別領域10Aの全体が視認される」ことのみを示すものではない。すなわち、「識別領域10Aの一部を視認する」ことにより、背側フラップ部160の状態が正常もしくは異常であることが認識できれば、それで足りるものである。
これが、本発明に係る「前記識別領域が前記ペット用使い捨ておむつの外部から視認できる場合は前記背側フラップ部の状態を正常とし、前記識別領域が前記ペット用使い捨ておむつの外部から視認できない場合は前記背側フラップ部の状態を異常とする」の一例である。
なお、背側フラップ部160の状態が「正常」とは、ペット用使い捨ておむつ10をペットαに装着した状態において、背側フラップ部160が折れ曲っていない状態を示す。また、なお、背側フラップ部160の状態が「異常」とは、ペット用使い捨ておむつ10をペットαに装着した状態において、背側フラップ部160が折れ曲っている状態を示す。
これが、本発明に係る「前記背側フラップ部の状態が正常とはペット用使い捨ておむつをペットに装着した状態において前記背側フラップ部が折れ曲っていない状態であり、前記背側フラップ部の状態が異常とはペット用使い捨ておむつをペットに装着した状態において前記背側フラップ部の少なくとも一部が折れ曲っている状態である」の一例である。
【0037】
次に、識別領域10Aの具体的な構成につき説明する。
本実施の形態において、識別領域10Aは背側フラップ部160に設けられる。これが、本発明に係る「前記識別領域が、前記背側フラップ部に設けられている」の一例である。
識別領域10Aは、背側フラップ160のおむつ長手方向Y上の端部160Aと、この端部160Aに隣接する側端部160Bの領域を、おむつ長手交差方向Xに延出することにより形成されている。この、背側フラップ160における側端部160Bの所定領域が延出されることにより形成された識別領域10Aを、第1の延出識別領域10A1とする。
これが、本発明に係る「前記識別領域が、前記背側フラップ部の長手交差方向上に延出された第1の延出識別領域である」の一例である。
【0038】
この識別領域10Aは、ペット用使い捨ておむつ10をペットαに装着した場合において、腹側フラップ150部におけるおむつ長手方向Y上の端部150Aから突出されるべく構成される。
これが、本発明に係る「前記ペット用使い捨ておむつを前記ペットが装着している状態においては、前記背側フラップ部に設けられた前記識別領域が、前記腹側フラップ部における長手方向上の端部から突出している」の一例である。
このように、腹側フラップ部150の端部150Aから、識別領域10Aが突出する構成に係る具体的な構造を
図6に基づき説明する。
図6においては、腹側フラップ部150と、背側フラップ部160における識別領域10Aとの関係が判りやすいよう、腹側フラップ部150と背側フラップ部160とを並列して示すものである。
まず、背側フラップ160において、識別領域10Aにおけるおむつ長手方向Y上の端部を通過する、おむつ長手交差方向Xにおける仮想線を第1の仮想線10A11とする。
この第1の仮想線10A11が、本発明に係る「前記背側フラップ部における前記識別領域の背側方向端部を通過するおむつ長手交差方向の仮想線である第1の仮想線」の一例である。
次に、背側フラップ160において、止着領域900における第2の止着領域900Bの背側方向端部900BCを通過する、おむつ長手交差方向Xにおける仮想線を第2の仮想線900BC1とする。
この第2の仮想線900BC1が、本発明に係る「前記背側フラップ部における前記止着領域の背側方向端部を通過するおむつ長手交差方向の仮想線である第2の仮想線」の一例である。
次に、第1の仮想線10A11と、第2の仮想線900BC1とを結ぶおむつ長手方向Yにおける仮想線を、第3の仮想線D160とする。
この第3の仮想線D160が、本発明に係る「前記第1の仮想線と前記第2の仮想線とを結ぶおむつ長手方向の仮想線である第3の仮想線」の一例である。
次に、腹側フラップ150において、止着手段300の背側方向端部300Cを通過するおむつ長手交差方向Xにおける仮想線を、第4の仮想線300C1とする。
この第4の仮想線300C1が、本発明に係る「前記腹側フラップ部における前記止着手段の背側方向端部を通過するおむつ長手交差方向の仮想線である第4の仮想線」の一例である。
次に、腹側フラップ部150の腹側方向端部150Aを通過するおむつ長手交差方向Xにおける仮想線を、第5の仮想線150A1とする。
この第5の仮想線150A1が、本発明に係る「前記腹側フラップ部における腹側方向端部を通過するおむつ長手交差方向の仮想線である第5の仮想線」の一例である。
次に、第4の仮想線300C1と、第5の仮想線150A1とを結ぶおむつ長手方向Yにおける仮想線を、第6の仮想線D150とする。
この第6の仮想線D150が、本発明に係る「前記第4の仮想線と前記第5の仮想線とを結ぶおむつ長手方向の仮想線である第6の仮想線」の一例である。
そして、第3の仮想線D160の長さが、第6の仮想線D150の長さよりも長く形成されている。
この第3の仮想線D160と第6の仮想線D150との関係が、本発明に係る「前記第3の仮想線の長さが、前記第6の仮想線の長さよりも長く形成されている」の一例である。
このように第3の仮想線D160の長さを第6の仮想線D150の長さよりも長く形成した場合、識別領域10Aの確認が容易となる。
すなわち、ペット用使い捨ておむつ10をペットαに装着した場合、背側フラップ部160における止着領域900の第2の止着領域900Bのどの位置に対し、腹側フラップ部150における止着部300の固定部310を止着しても、識別領域10Aは必ず腹側フラップ部150の腹側方向端部150Aから突出することとなる。
【0039】
次に、止着領域900の説明を行う。まず、
図1に基づき、止着領域900の基本構成につき説明する。
止着領域900は、ペット用使い捨ておむつ10における少なくとも背側胴周り域130に設けられ、止着部300の自由部310に配置されたフック部に着脱自在に係止される。
この止着領域900が、本発明に係る「前記背側胴周り領域に設けられるとともに前記止着部を受ける止着領域」の一例である。
止着領域900は、ペット用使い捨ておむつ10の外側表面100Z2を形成する外層シート930として、止着部300のフック部に着脱資材に係止することができる構成の不織布を使用している。この止着部300のフック部に着脱自在に係止することができる構成の不織布により、第1の止着領域900Aが構成されている。
第1の止着領域900Aは、吸収性コア非配置領域170に設けられる。すなわち、第1の止着領域900Aはペットαの背側に配置される。一方、ペットαの種類によっては、背側の傾斜が大きいものである。よって、ペットαの背中にフィットさせるためには、止着部300を係止する領域である止着領域900をフレキシブルな構成とする必要がある。
なお、ペット用使い捨ておむつ10の背側胴周り域130における吸収性コア非配置領域170の、前記おむつ長手交差方向に、後述する背側胴周り用伸縮性弾性部材520が配置される。背側胴周り用伸縮性弾性部材520は、具体的にはペット用使い捨ておむつ10の背側端部130A付近に、伸長状態にて配置される。
ペット用使い捨ておむつ10をペットに装着する場合、背側胴周り用伸縮性弾性部材520は収縮する。この結果、後述の第1の背側湾曲部542を形成する。よって、ペット用使い捨ておむつ10の背側胴周り域130を、よりペットαに装着しやすいこととなる。
【0040】
なお、第1の止着領域900Aと止着部300の係合力は1.1〜4.2Nの範囲であることが望ましい。
なお、前記第1の止着領域900Aにおける外側表面100Z2には、第1の止着領域900Aよりも止着部300のフック部との係合力が高く形成された第2の止着領域900Bが配置されている。
第2の止着領域900Bは、具体的には、ポリオレフィン系の熱可塑性合成樹脂繊維から形成された繊維不織布またはポリオレフィン系の熱可塑性合成樹脂から形成されたプラスチックフィルムに、ポリオレフィン系の熱可塑性合成樹脂からなる多数のループ(図示せず)を取り付けたターゲットテープにより構成される。
このように構成することにより、ペット用使い捨ておむつ10のペットαへの装着がより強固となる。
すなわち、使用者がペット用使い捨ておむつ10をペットαに装着する場合、止着部300のフック部の一部のみを第2の止着領域900B(ターゲットテープ)に止着する場合がある。このような場合であっても、第2の止着領域900Bに止着されないフック部は、第1の止着領域900Aに止着する。よって、どのような状況においても止着部300のフックは、第1の止着領域900Aもしくは第2の止着領域900Bのいずれかに止着するため、ペット用使い捨ておむつ10のペットαへの撞着を確実なものとすることができる。
【0041】
次に、第1の止着領域900Aの構成を、
図7および
図8に基づき説明する。
図7は、第1の止着領域900Aを拡大した説明図である。
図8は、第1の止着領域900Aに形成された囲繞部930Dを拡大した説明図である。
第1の止着領域900Aを構成する外層シート930には、熱可塑性繊維が使用されている。
外層シート930は、第1の方向に延びるとともに、熱可塑性繊維が溶融されて形成された第1の溶着部930Aを有する。
この第1の溶着部930Aは、複数形成されることにより第1の溶着部群930AAを構成する。
さらに第1の溶着部930Aは、隣り合う一対の第1の溶着部930Aにより、第1の隣接溶着部群930ABを構成する。
外層シート930は、第1の方向と交差する方向である第2の方向に延びるとともに、熱可塑性繊維が溶融されて形成された第2の溶着部930Bを有する。なお、この「交差」とは、必ずしも直交を意味しないものである。
この第2の溶着部930Bは、複数形成されることにより第2の溶着部群930BAを構成する。
さらに第2の溶着部930Bは、隣り合う一対の第2の溶着部930Bにより、第2の隣接溶着部群930BBを構成する。
第1の隣接溶着部群930ABと、第2の隣接溶着部群930BBが交差することにより囲まれた領域に、平行四辺形の囲繞部930Dが形成される。この場合、「平行四辺形」とは、正方形や長方形を含むものである。
外層シート930は、前記第1の方向および前記第2の方向と交差する方向である第3の方向に延びるとともに、前記熱可塑性繊維が溶融されて形成され、囲繞部930D内に配置される第3の溶着部930Cを有する。なお、この「交差」とは、必ずしも直交を意味しないものである。
この第3の溶着部930Cは、複数形成されることにより第3の溶着部群930CAを構成する。
さらに第3の溶着部930Cは、隣り合う一対の第3の溶着部930Cにより、第3の隣接溶着部群930CBを構成する。
第1の溶着部930Aと第3の溶着部930Cとの間には、溶着されていない熱可塑性繊維により、第1のループ部930L1が形成される。すなわち、第1のループ部930L1は、その両端部が第1の溶着部930Aと第3の溶着部930Cとに固定されているともに、この両端部間の繊維にてループが形成されてなるものである。この第1のループ部930L1は、係止部300のフック部に着脱自在に係止される。
第2の溶着部930Bと第3の溶着部930Cとの間には、溶着されていない熱可塑性繊維により、第2のループ部930L2が形成される。すなわち、第2のループ部930L2は、その両端部が第2の溶着部930Bと第3の溶着部930Cとに固定されているともに、この両端部間の繊維にてループが形成されてなるものである。この第2のループ部930L2は、係止部300のフック部に着脱自在に係止される。
【0042】
囲繞部930Dは平行四辺形であるため、第1の対角線930D1と第2の対角線930D2とを有する。また、囲繞部930Dは、第3の溶着部930Cにより第1の囲繞部930DAと、第2の囲繞部930DBとに分けられる。
第3の溶着部930Cが延びる方向である第3の方向は、囲繞部930Dを形成する平行四辺形の対角線の内、いずれか一方の対角線と平行であることが好ましい。
この場合、さらに、第3の溶着部930Cが、囲繞部930Dを形成する平行四辺形の対角線の内、いずれか一方の対角線上に形成されていることが好ましい。本実施形態においては、第3の溶着部930Cは、囲繞部930Dの第1の対角線930D1上に配置されている。このように第3の溶着部930Cを囲繞部930Dの対角線上に配置した場合は、第1の囲繞部930DAと第2の囲繞部930DBが同一の大きさとなる。よって、第1の囲繞部930DAと第2の囲繞部930DBとにそれぞれ形成される第1のループ部930L1および第2のループ部930L2の大きさを、第1の囲繞部930DAと第2の囲繞部930DBとで均一化することができる。
なお、囲繞部930Dは、第1の辺930D3と、第2の辺930D4とを有する。一般的に使用されている止着部300のフック部に対し良好な止着状態を得るため、囲繞部930Dの第1の辺930D3の長さD930D3と、第2の辺930D4の長さD930D4は、それぞれ2〜10mmの範囲にあることが好ましい。
【0043】
本実施の形態において、第1の溶着部930Aは連続した線状にて形成されており、第1の溶着連続線930A1とされている。
本実施の形態において、第2の溶着部930Bは連続した線状にて形成されており、第2の溶着連続線930B1とされている。
本実施の形態において、第3の溶着部930Cは連続した線状にて形成されており、第3の溶着連続線930C1とされている。
【0044】
なお、第1の溶着部930Aと、第2の溶着部930Bの幅は、0.2〜2mmの範囲が好ましい。第3の溶着部930Cの幅は、0.2〜5mmの範囲が好ましい。第3の隣接溶着部を構成する一対の第3の溶着部930C同士の間隔は、2〜10mmの範囲にあることが好ましい。第1の溶着部930Aの幅と、第2の溶着部930Bの幅と、第3の隣接溶着部を構成する一対の第3の溶着部930C同士の間隔がこのような数値であると、ペット用使い捨ておむつ10の外側表面100Z2を構成する外層シート930としての柔軟性や風合いを損なわない。
【0045】
次に、第1の止着領域900Aの作用につき説明する。
使用者がペット用使い捨ておむつ10をペットαに装着するために、止着部300のフック部を、第1の止着領域900Aに取り付ける。この場合、止着部300のフック部が、第1のループ部930L1と第2のループ部930L2の少なくとも一方に係合する。
止着部300に剪断力が生じた場合、止着部300のフック部に係合した第1のループ部930L1、第2のループ部930L2がフック部の移動に伴い移動する。一方、第1のループ部930L1の両端部は第1の溶着部930Aと第3の溶着部930Bとにより固定されており、第2のループ部930L2の両端部は第2の溶着部930Bと第3の溶着部930Cとにより固定されている。よって、第1のループ部930L1と第2のループ部930L2との移動は拘束されているため、フック部との係止状態が解除されにくいものである。
【0046】
第1の止着領域900Aを構成する外層シート930は、1−3dtexの繊度を有する熱可塑性繊維のフィラメントまたはステープルの集合体であり、より好ましくはフィラメントの集合体である。ステープルは、その長さが後述する囲繞部930Dにおける最大辺の長さの少なくとも2倍であるものが好ましい。具体的には、50mm以上のものが好ましい。
外層シート930は、15〜40g/m2 の単位面積当たり質量を有する。
外層シート930は、このようなフィラメントもしくはステープルの集合体に、後述する第1の溶着部930A、第2の溶着部930B、第3の溶着部930Cを形成することにより不織布としての形態を有することができる。一方、このような不織布の形態に代えて、サーマルボンド不織布等の不織布に第1の溶着部930A、第2の溶着部930B、第3の溶着部930Cを形成することもできる。
【0047】
第1の止着領域900Aである外層シート930の形成にあっては、まず、外層シート930となるべき熱可塑性繊維の集合体によるウェブを得る。
そのウェブを一方向に連続的に供給しながら、加熱されたエンボス加工ロールによって局所的な圧力を加える。加熱されたエンボス加工ロールにより熱可塑性繊維が溶着され、第1の溶着部930Aと、第2の溶着部930Bと、第3の溶着部930Cが形成される。この第1の溶着部930Aと、第2の溶着部930Bと、第3の溶着部930Cとによりウェブが固定され、外層シート930が得られる。
【0048】
エンボス加工ロールは、熱可塑性繊維が溶融する温度にまで加熱された状態で使用される。そのようにして得られる第1の溶着部930Aと、第2の溶着部930Bと、第3の溶着部930Cとは、熱可塑性繊維同士が互いに分離することのできない程度にまで溶着されている。
このように、第1の溶着部930Aと、第2の溶着部930Bと、第3の溶着部930Cとはエンボス加工ロールにより形成される。よって、第1の溶着部930Aと、第2の溶着部930Bと、第3の溶着部930Cとは、これらが形成されていない外層シート930の箇所と比して窪んだ状態となる。
従って、外層シート930を使用しペット用使い捨ておむつ10を形成した場合、第1の溶着部930Aと、第2の溶着部930Bと、第3の溶着部930Cとは、止着領域900の外側表面100Z2から窪んだ状態となる。
すなわち、第1の溶着部930Aと、第2の溶着部930Bと、第3の溶着部930Cが形成されていない領域である囲繞部930Dは、止着領域900における第1の止着部900Aの外側表面100Z2において、突出した部分を形成すると言える。
よって、止着部300のフック部を第1の止着部900Aに止着する場合、使用者は容易に作業を行えるものである。
【0049】
次に、腹側フラップ部150の構成につき説明する。
図3に示す通り、腹側フラップ部150においては、そのおむつ長手交差方向上の端部150Bから止着部300の自由端310が突出される。この端部150Bと止着部300の境界において、止着部300における止着部長手交差方向300Yを2分した点が止着部中間点300P1とされる。
また、腹側フラップ部150の背側端部150Cは弧状であり、腹側フラップ部150のおむつ長手交差方向上の端部150Bから脚周り端部120Aにわたり連続する。
【0050】
次に腹側フラップ部150として好適な構造を、
図9〜
図10に基づき説明する。
図9において、おむつ長手方向中心線100Y2は、ペット用使い捨ておむつ10におけるおむつ長手交差方向Xの中心を通過する。つまり、おむつ長手方向中心線100Y2は、ペット用使い捨ておむつ10の腹側端部110Aを2分した位置である腹側端部中心点110APと、背側端部130Aを2分した位置である背側中心点130APとを結ぶ線上に位置する。
さらに、おむつ長手方向中心線100Y2上における、腹側端部110Aと背側端部130Aとを結んだ長さがおむつ長手方向長さD1とされる。
さらに、おむつ長手方向長さD1を2分した位置が、おむつ中心点100Pとされる。
【0051】
本発明の発明者は、腹側フラップ150を構成するにあたり、止着部300の止着部中心点300P1とおむつ長手方向中心線100Y2とを結んだ直線と、腹側フラップ部150の背側端部150Cの形状との関係に着目し、鋭意検討を行った。
特に、止着部300の止着部中心点300P1からおむつ長手方向中心線100Y2に伸ばした直線の内、腹側フラップ部150の背側端部150Cを経由した最短の直線距離300Lと、おむつ中心点100Pとが交わる点である最短直線点300P2との関係に着目した。
その結果、最短直線点300P2が、おむつ中心点100Pよりもペット用使い捨ておむつ10の腹側端部110A方向にある場合、腹側フラップ150として好適な構成となることを見出した。
【0052】
すなわち、最短直線点300P2の位置は、腹側フラップ150の背側端部150Cの形状と大きな関係がある。背側端部150Cは、前述の如く弧状とされ、フラップ部150の長手交差方向端部150Bと、ペット用使い捨ておむつ10の脚周り端部120Aに亘り形成される。
この点、最短直線点300Pがおむつ中心点よりも背側胴周り域130側に位置する場合を仮定する。この場合、腹側フラップ部150の背側端部150Cと脚周り端部120Aとの接続位置は、本発明に係る構成よりも背側胴周り域130側となる。この結果、腹側フラップ部150の面積は大きくなる。よって、ペット用使い捨ておむつ10をペットαに着用した場合、腹側フラップ部150がペットの脚Α1に接触する長さが長くなる。
一方、本発明に係る最短直線点300P2の位置であると、
図10に示す通り、腹側フラップ150の面積を小さくすることができ、腹側フラップ部150の背側端部150Cとペットの脚α1とが接触する長さを減ずることができる。
【0053】
ペット用使い捨ておむつ10は、様々な大きさのペットに対応し、様々な大きさのものが提供されている。ここで、ペットを犬または猫と限定する。この場合、最短直線点300P2と、ペット用使い捨ておむつ10の腹側端部中心点110APとを結んだ距離である測定長さD2が170mm〜250mmとすると、いずれの大きさのペット用使い捨ておむつ10であっても、好適な腹側フラップ部150とすることができる。
【0054】
さらに、測定長さD2と、ペット用使い捨ておむつ10のおむつ長手方向長さD1との関係についても検討を行った。この結果、おむつ長手方向長さD1に対する測定長さD2の割合が、45.5%〜50.0%であると、いずれの大きさのペット用使い捨ておむつ10であっても、好適な腹側フラップ部150とすることができる。
【0055】
ペット用使い捨ておむつ10において、おむつ長手交差方向上の端部100Aと吸収性コア200との間における吸収性コア非配置領域170には、脚周り用伸縮性弾性部材400が配置される。
この脚周り用伸縮性弾性部材400は伸長状態にて配置される。一方、ペット用使い捨ておむつ10を使用する場合、収縮して後述する脚周りギャザー410を形成する。
この脚周り用伸縮性弾性部材400は、ペット用使い捨ておむつ10の腹側端部110Aから背側端部130Aに亘り、おむつ長手方向Yに沿って配置される。
【0056】
ここで、ペット用使い捨ておむつ10の「腹側端部110Aから背側端部130Aに亘り」の意味は、脚周り用伸縮性弾性部材400が腹側端部110Aの末端から背側端部130Aの末端まで連続的に存在することのみを指すものではない。すなわち、脚周り用伸縮性弾性部材400が、腹側端部110Aもしくは背側端部130Aの末端から距離を空けて存在していたとしても、その収縮力が腹側端部110Aもしくは背側端部130Aに影響を及ぼし起立部700を形成すればよい。
脚周り用弾性部材400は、糸状の合成ゴムや天然ゴムにより構成される。
【0057】
ペット用使い捨ておむつ10は、胴周り用伸縮性弾性部材500を有する。この腰周り用伸縮性弾性部材500は、おむつ長手方向上の端部110Aと吸収性コア200の腹側端部210との間における吸収性コア非配置領域170に配置された腹側胴周り用伸縮性弾性部材510と、おむつ長手方向上の端部130Aと吸収性コア200の背側端部220との間における吸収性コア非配置領域170に配置された背側胴周り用伸縮性弾性部材520とにより構成される。
胴周り用伸縮性弾性部材500は伸長状態にて配置される。一方、ペット用使い捨ておむつ10を使用する場合、収縮して胴周りギャザー530を形成する。
【0058】
胴周り用伸縮性弾性部材500と脚周り用伸縮性弾性部材400とは、重ねられて配置される。ここで、本実施の形態における「重ねる」の意味は、胴周り用伸縮性弾性部材500と脚周り用伸縮性弾性部材400が直接接していることのみを指すものではない。すなわち、胴周り用伸縮性弾性部材500と脚周り用伸縮性弾性部材400とが直接接していない場合であっても、それぞれの収縮力が互いに影響を及ぼし、収縮力交差領域180を形成すればよい。
胴周り用弾性部材500は、ウレタン製の発泡シート材により構成される。
【0059】
ペット用使い捨ておむつ10は、防漏シート800を有する。
防漏シート800には、防漏シート用伸縮性弾性部材600が伸長状態にて配置されている。
防漏シート800は、ペット用使い捨ておむつ10の長手交差方向上の端部100Aからペット用使い捨ておむつ10の本体部140Bに亘る所定の領域に配置される。
防漏シート用伸縮性弾性部材600は、防漏シート800の内側端部の折り返し部810により生ずる空間内に配置され、おむつ長手方向Yに沿って延在される。
【0060】
図11に示す通り、防漏シート800は、接着剤(図示しない)によりペット用使い捨ておむつ10の他の構成部品(液透過性シート910、液抵抗性シート920、外層シート930)と固定される固定部830を形成する。
図11において、斜線で示した領域が固定部830である。
一方、吸収性コア200のおむつ長手交差方向X側の端部230と重なるおむつ長手方向Y上の領域には固定部830が形成されていない。この固定部830が形成されていない領域は、防漏シート用伸縮性弾性部材600の収縮により起立され、後述する防漏壁820が形成される。また、防漏シート用伸縮性弾性部材600の収縮により、防漏シート600には防漏ギャザー840が形成される。
【0061】
なお防漏シート用伸縮性弾性部材600は、この固定部830が存在しない領域(防漏壁820が形成される領域)におけるおむつ長手方向Yのすべての長さに存在する必要はない。例えば、防漏壁820が形成される領域におけるおむつ長手方向Yの一部の領域にのみ、防漏シート用伸縮性弾性部材600を配置すれば足りる。すなわち、防漏壁820が形成される領域のおむつ長手方向Y上の固定部830において、防漏シート用伸縮性弾性部材600の収縮力が影響すれば足りるものである。ここで、防漏壁820が形成される領域のおむつ長手方向Y上の固定部830を収縮力固定部610とする。
【0062】
収縮力固定部610は、腹側収縮力固定部620と、背側収縮力固定部630とを有する。
この内、背側収縮力固定部630は、吸収性コア200の背側端部220と尻尾挿通開口190との間に設けられる。すなわち、この構成によって、防漏シート用伸縮性弾性部材600の収縮により吸収性コア200の背側端部220と尻尾挿通開口190間の吸収性コア非配置領域170が起立され、起立部700が形成される。
また、腹側収縮力固定部620は、吸収性コア200の腹側端部210とペット用使い捨ておむつ10における腹側端部110Aとの間に設けられる。すなわち、この構成によって、後述する通り、防漏シート用伸縮性弾性部材の収縮により吸収性コア200の腹側端部210とペット用使い捨ておむつ10の腹側端部110Aとの間の吸収性コア非配置領域170が起立され、起立部700が形成される。
【0063】
ペット用使い捨ておむつ10は、液透過性シート910と、液吸収性コア200と、液抵抗性シート920と、外層シート930と、防漏シート800とにより構成される。
図12〜
図14に示す通り、液透過性シート910は、ペット用使い捨ておむつ10の内側表面100Z1側に配置される。また、吸収性コア200は、液透過性シート910と液抵抗性シート920との間に配置される。液抵抗性シート920の外側表面100Z2側には外層シート930が配置される。防漏シート800は、おむつ長手交差方向Xにおいて液透過性シート910と、液抵抗性シート920と、外層シート930とに亘り配置される。この結果、腹側フラップ部150および背側フラップ部160は、防漏シート800と外層シート930とにより構成される。
脚周り用伸縮性弾性部材400は、防漏シート800と液抵抗性シート920との間に配置される。
防漏シート用伸縮性弾性部材600は、防漏シート800における端部に形成された折り返し部810内の空間に配置される。
【0064】
図12に示す通り、止着部300は、防漏シート800と外層シート930との間に配置される。
図12および
図13に示す通り、固定部830が形成されていない防漏シート800は、防漏シート用伸縮性弾性部材600の伸縮により起立され、防漏壁820を形成する。この際、防漏シート800には多数の皺である防漏ギャザー840が形成される。
図14に示す通り、止着領域900における第2の止着領域900Bは、外層シート930の外側表面100Z2方向に設けられる。
図示しないが、胴周り用伸縮性弾性部材500は、液透過性シート910と液抵抗性シート920との間に配置される。
【0065】
液透過性シート910、液抵抗性シート920、防漏シート800は、不織布にて形成される。この不織布としては、スパンレース、ニードルパンチ、メルトブローン、サーマルボンド、スパンボンド、ケミカルボンドの各製法により製造されたものを選択することができる。
図示しないが、液透過性シート910、液抵抗性シート920、外層シート930、防漏シート800同士の固定や、脚周り用伸縮性弾性部材400、防漏シート用弾性伸縮性弾性部材600、胴周り用伸縮性弾性部材500の固定にあっては、接着剤が使用される。接着剤は、ホットメルト型接着剤を使用することが好ましい。その他の接着剤として、アクリル系接着剤や、ゴム系接着剤を使用することもできる。
接着剤は、スパイラル状、波状、ドット状、縞状のうち、いずれかの態様で塗布されることが好ましい。
【0066】
次に、脚周り用伸縮性弾性部材400と、胴周り用伸縮性弾性部材500とにおける収縮力の関係を、
図15〜
図16に基づき説明する。なお、
図15〜
図16において、説明の便宜上、腹側フラップ部150および背側フラップ部160を省略し、本体部140Bのみを図示する。
図15に示す通り、脚周り用伸縮性弾性部材400は、そのおむつ長手方向Y上の端部方向から内側方向へ向かい収縮する。すなわち、脚周り用伸縮性弾性部材400の収縮力F1はおむつ長手方向Yに沿って内側方向へ向かい働く。
胴周り用伸縮性弾性部材500は、そのおむつ長手交差方向X上の端部方向から内側方向へ向かい収縮する。すなわち、胴周り用伸縮性弾性部材500の収縮力F2は、おむつ長手交差方向Xに沿って内側方向へ向かい働く。
収縮力交差領域180は、脚周り用伸縮性弾性部材400の収縮力F1と、胴周り用伸縮性弾性部材500の収縮力F2が交差する領域である。よって、収縮力交差領域180の収縮力F3は、おむつ長手方向Yとおむつ長手交差方向Xの双方に交差する方向に沿って、内側方向へ向かい働く。
収縮力交差領域180は、ペット用使い捨ておむつ10の腹側端部110A方向に形成された第1の収縮力交差領域181と、背側端部130A方向に形成された第2の収縮力交差領域182とからなる。
【0067】
この結果、
図16に示す通り、ペット用使い捨ておむつ10の腹側端部110Aおよび背側端部130Aには、胴周り用伸縮性弾性部材500の収縮力F2により、ペット用使い捨ておむつ10の内側表面Α1から外側表面Z2方向に向かい突出する第1の湾曲部540が形成される。
第1の湾曲部540は、ペット用使い捨ておむつ10の腹側端部110Aに形成された第1の腹側湾曲部541と、背側端部130Aにされた第1の背側湾曲部542とを有する。
【0068】
また、収縮力交差領域180には、収縮力交差領域180にかかる収縮力F3により、ペット用使い捨ておむつ10の内側表面100Z1へ向かい湾曲した第2の湾曲部183が形成される。
第2の湾曲部183は、第1の収縮力交差領域181に形成された第2の腹側湾曲部184と、第2の収縮力交差領域182に形成された第2の背側湾曲部185とを有する。
【0069】
次に
図17に基づき、脚周り用伸縮性弾性部材400と、防漏シート用伸縮性弾性部材600が収縮した状態につき説明する。
図17は、
図1におけるD−D線断面図であるが、説明の便宜上、液透過性シート910、液抵抗性シート920、外層シート930の一部および吸収性コア200、止着領域900の全部の構成を省略する。
図17において、脚周り用伸縮性弾性部材400と、防漏シート用伸縮性弾性部材600とは収縮した状態である。この結果、脚周り用伸縮性弾性部材400と、防漏シート用伸縮性弾性部材600の収縮力に影響され起立部700が形成される。すなわち、吸収性コア非配置領域170における腹側起立領域171、背側起立領域172、股下起立領域173、がそれぞれ起立され、起立部700が形成される。
起立部700は、腹側起立部710と、背側起立部720と、股下起立部730とからなる。
【0070】
腹側起立部171は、脚周り用伸縮性弾性部材400の収縮により腹側起立領域171が起立され、形成される。
なお、防漏シート用伸縮性弾性部材600の端部よりも脚周り用伸縮性弾性部材400の端部の方が、ペット用使い捨ておむつ10の腹側端部110Aにより近い位置に配置される。よって、腹側起立部171は、脚周り用伸縮性弾性部材400の収縮力の影響をより強く受ける。一方、腹側起立部171は、脚周り用伸縮性弾性部材400よりも弱いものの、防漏シート用伸縮性弾性部材600の収縮力の影響を受ける。すなわち、収縮力固定部610の腹側固定部620が防漏シート用弾性部材600の収縮力により移動されることにより、腹側起立領域171が起立される。よって、防漏シート用伸縮性弾性部材600も腹側起立部171を形成する。
なお、本発明において起立部700を形成する「起立する」とは、単一種類の伸縮性弾性部材による収縮力、もしくは複数の伸縮性弾性部材のそれぞれの収縮力が合わせられた収縮力によって、吸収性コア非配置領域170が変形されることを示すものである。
【0071】
背側起立部720は、脚周り用伸縮性弾性部材400の収縮により、背側起立領域172が起立され形成される。
【0072】
また、脚周り用伸縮性弾性部材400は、胴周り用伸縮性弾性部材500に重ねられる。すなわち、脚周り用伸縮性弾性部材400の両端部は、それぞれ腹側胴周り用伸縮性弾性部材510と背側胴周り用伸縮性弾性部材520とに重ねられる。
胴周り伸縮性弾性部材500は、おむつ長手交差方向上に所定の長さで配置されている。そのため、腹側起立部710は腹側胴周り用伸縮性弾性部材510を、背側起立部720は背側胴周り用伸縮性弾性部材520をそれぞれ起立させる。よって、腹側起立領域171と背側起立領域172とは、それぞれ安定した起立状態とされる。すなわち、この腹側胴周り用伸縮性弾性部材510と、背側胴周り用伸縮性弾性部材520は、起立部700の起立状態を確実なものとするための起立シート740とされる。
【0073】
股下起立部730は、防漏シート用伸縮性弾性部材600の収縮により収縮力固定部610の背側固定部173が移動されることに伴い、股下起立領域173が起立されることにより形成される。
なお、上述の如く、防漏シート用伸縮性弾性部材600の収縮により、防漏壁820が形成される。この防漏壁820と、腹側起立部710と、股下起立部730と、吸収性コア(
図17では図示せず)に囲まれた空間が、排泄物収容空間850とされる。
【0074】
ペット用使い捨ておむつ10の腹側端部110Aから尻尾挿通口190に亘る領域には、脚周り用伸縮性弾性部材400と防漏シート用伸縮性弾性部材600の収縮力F1により、ペット用使い捨ておむつ10の内側表面100Z1から外側表面100Z2方向に向かい突出する第3の湾曲部186が形成される。
ペット用使い捨ておむつ10の尻尾挿通口190から背側端部130Aに亘る領域には、主に脚周り用伸縮性弾性部材400の収縮力F1により、ペット用使い捨ておむつ10の内側表面100Z1から外側表面100Z2方向に向かい突出する第4の湾曲部187が形成される。
【0075】
次に、
図18〜
図20に基づき、ペット用使い捨ておむつ10の装着について説明する。使用者が、ペット用使い捨ておむつ10をパッケージから取り出す。多くの場合、パッケージ内においてはペット用使い捨ておむつ10の腹側フラップ部150と背側フラップ部160が内側方向に折り畳まれている。ペット用使い捨ておむつ10自体も2つ折り、3つ折り等にて折り畳まれている。
使用者は使用に際し、この折り畳まれている構成を解放する。すると、脚周り用伸縮性弾性部材400と、胴周り用弾性伸縮性弾性部材500と、防漏シート伸縮性弾性部材600とが収縮する。この結果、起立部700として腹側起立部710と、背側起立部720と、股下起立部730が形成される。また、防漏壁820が形成される。さらに、第1の湾曲部540と、第2の湾曲部183と、第3の湾曲部186と、第4の湾曲部187が形成される。さらに、脚周りギャザー410と胴周りギャザー530と防漏ギャザー840が形成される。そして、ペット用使い捨ておむつ10は脚周り用伸縮性弾性部材400と、胴周り用弾性伸縮性弾性部材500と、防漏シート伸縮性弾性部材600の収縮により、形状が安定化される。
【0076】
次に使用者は、ペット用使い捨ておむつ10の尻尾挿通開口190にペットαの尻尾を挿通する。
次に使用者は、背側胴周り域110をペットαの背に密接させつつ、股下域120および腹側胴周り域130でペットαの股間乃至腹を被覆するとともに、止着部300の自由部310を止着領域900に止着する。これにより、ペットαへのペット用使い捨ておむつ10の装着がなされる。
このペット用使い捨ておむつ10のペットαの装着に係る事項が、本発明に係る「前記ペット用使い捨ておむつを前記ペットへ装着する状態においては、前記背側胴周り域が前記ペットの背に密接されつつ、前記股下域および前記腹側胴周り域が前記ペットの股間乃至腹に被覆されるとともに、前記止着部が前記止着領域に止着され」の一例である。
【0077】
ここで、使用者が背側胴周り域110をペットαの背に密接させる際のペット用使い捨て紙おむつ10の状態を、
図18に基づき説明する。
背側端部130Aには、おむつ外側表面100Z2方向に突出されている第1の湾曲部540が形成されている。また、第4の湾曲部187により背側端部110Aから尻尾挿通口190に亘る領域の形状が安定している。また、第2の湾曲部183により、第2の収縮力交差領域182とともに背側フラップ部160がペット用使い捨ておむつ10の内側表面100Z1方向に湾曲される。
すなわち、背側端部130Aをペットαの背の湾曲に容易に配置することができる。
また、背側端部130Aがめくれる可能性が低い。
【0078】
ここで、使用者が、股下域120および腹側胴周り域130でペットαの股間乃至腹を被覆するとともに、止着部300の自由部310を止着領域900に止着する際のペット用使い捨ておむつ10の状態を、
図19にて説明する。
腹側端部110Aには、おむつ外側表面100Z2方向に突出されている第1の湾曲部540が形成されている。また、第3の湾曲部186により腹側端部110Aから尻尾挿通口190に亘る領域の形状が安定している。
また、第2の湾曲部183により、第1の収縮力交差領域181とともに腹側フラップ部150がペット用使い捨ておむつ10の内側方向100Z1に湾曲される。一方、腹側フラップ部150は止着部300を有しているため、腹側フラップ部150は、本体部140Bとの境界部分よりも、長手交差方向側端部150Bの方が重い。よって、腹側フラップ部150における本体140Bとの境界部分は第2の湾曲部183とともに内側方向100Z1へ向けて湾曲する。一方、腹側フラップ部150における長手交差方向側端部150Aは、その自重により外側方向100Z2へ向けて湾曲する。この結果、止着部300は真下に垂れ下がらない状態で腹側フラップ部150に支持される。
すなわち、使用者は、腹側端部110Aをペットαの腹の湾曲に容易に配置することができる。
また、腹側端部110Aがめくれる可能性が低い。
また、使用者は止着部300を容易に把持しやすい。
さらに、止着部300を使用者が止着領域900へ向けて移動させる際、第1の収縮力交差領域180の影響を受ける。よって、使用者が、止着部300をどのような位置に移動させても収縮力が働く。この結果、使用者は容易に止着部300を止着領域900の所望の位置に移動することができる。
【0079】
図20は、ペット用使い捨ておむつ10をペットαに着用した状態を示す図である。
ペット用使い捨ておむつ10をペットに装着した後でも、脚周り用伸縮性弾性部材400と、胴周り用弾性伸縮性弾性部材500と、防漏シート伸縮性弾性部材600との収縮状態は継続する。この結果、起立部700として形成された腹側起立部710と、背側起立部720と、股下起立部730はその起立状態を継続する。また、防漏壁820の形成状態は継続する。さらに、第1の湾曲部540と、第2の湾曲部183と、第3の湾曲部186と、第4の湾曲部187の湾曲状態は継続する。さらに、脚周りギャザー410と胴周りギャザー530と防漏ギャザー840の形成状態は継続する。
【0080】
ペットαが排泄を行った場合、排泄物収容空間850内に排泄物が保持される。排泄物が尿である場合は、吸収性コア200に吸収される。排泄物が便の場合は、便の一部が吸収性コア200に吸収され、残りの便が排泄物収容空間850内に保持される。
排泄物がいずれの場合であっても、吸収性コア200の重量は、止着部300の自由部310における止着部長手方向300Xで受けられる。
これが、本発明に係る「前記ペット用使い捨ておむつを前記ペットが装着している状態においては、排泄時の前記吸収性コアの重量が前記止着部の長手方向で受けられる」の一例である。
【0081】
ペットαに着用されたペット用使い捨ておむつ10を取り外す場合には、係止領域900から係止部300を取り外す。そして、尻尾挿通開口190からペット用使い捨ておむつ10を引き抜く。そして、ペット用使い捨ておむつ10を廃棄する。
この内、係止領域900から係止部300を取り外し、尻尾挿通開口190からペット用使い捨ておむつ10を引き抜く工程において、腹側端部130Aは、ペットαの斜め
下側方向に向けられる。この場合であっても、腹側起立部710により、便が転落する可能性を減少させることができる。
【0082】
以下、
図21〜
図50に基づき、本発明に係る第2の実施形態〜第29の実施形態につき説明する。なお、第2の実施形態〜第29の実施形態の説明において、上記第1の実施形態と同様の構成を有する構成要素は、その説明、図面符号などを省略する。
【0083】
(第2の実施形態)
本発明に係る第2の実施形態を、
図21に基づき説明する。第2の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ11は、第1の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ10に比して、識別領域11Aが第2の延出識別領域11A1として形成されているものである。
すなわち、識別領域11Aは、ペット用使い捨ておむつ11の背側フラップ160における長手方向端部からおむつ長手方向に向かって延出されている。
この識別領域11Aと第2の延出識別領域11A1との関係が、本発明に係る「前記識別領域が、前記背側フラップ部の長手方向上に延出された第2の延出識別領域」の一例である。
識別領域11Aを第2の延出識別領域11A1として構成することにより、ペット用使い捨ておむつ11をペットに装着した場合、背側フラップ部160の折れ曲りを確認することができる。すなわち、ペット用使い捨ておむつ11をペットに装着した場合、第2の延出識別領域11A1が視認できれば背側フラップ部160は折れ曲っていない。一方、第2の延出識別領域11A1が視認できない場合や、第2の延出識別領域11A1が折れ曲っている場合は、背側フラップ部160が折れ曲っている。
【0084】
(第3の実施形態)
本発明に係る第3の実施形態を、
図22に基づき説明する。第3の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ12は、第1の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ10に比して、識別領域12Aが背側フラップ部160における他の領域とは異なる配色を施された配色識別領域12A1として構成されている。
この識別領域12Aと配色識別領域12A1との関係が、本発明に係る「前記識別領域が、前記背側フラップ部における他の領域とは異なる配色を施された配色識別領域である」の一例である。
識別領域12Aを配色識別領域12A1として構成することにより、ペット用使い捨ておむつ12をペットに装着した場合、背側フラップ部160の折れ曲りを確認することができる。すなわち、ペット用使い捨ておむつ12をペットに装着した場合、配色識別領域12A1が視認できれば背側フラップ部160は折れ曲っていない。一方、配色識別領域12A1が視認できない場合や、配色識別領域12A1が折れ曲っている場合は、背側フラップ部160が折れ曲っている。
【0085】
(第4の実施形態)
本発明に係る第4の実施形態を、
図23に基づき説明する。第4の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ13は、第1の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ10に比して、識別領域13Aが腹側フラップ部150に設けられている。
これが、本発明に係る「前記識別領域が、前記腹側フラップ部に設けられている」の一例である。
この腹側フラップ部150に設けられた識別領域13Aは、背側フラップ部160の状態を確認するための視認領域13A1とされる。
この視認領域13A1が、本発明に係る「前記識別領域が、前記背側フラップ部の状態を確認するために前記腹側フラップ部に設けられた視認領域である」の一例である。
第4の実施形態においては、視認領域13A1は、光線を透過することができる光線透過識別領域13A2にて形成されている。
この光線透過識別領域13A2が、本発明に係る「前記視認領域が、光線を透過することができる光線透過識別領域である」の一例である。
光線透過識別領域13A2は、具体的には光線を透過することができる周知の不織布もしくは周知のフィルムにて、腹側フラップ部150を形成することにより実現される。なお、光線を透過することができる程度とは、背側フラップ部160の上に腹側フラップ150を配置した場合、背側フラップ部160から腹側フラップ150が透けて見えれば足りるものである。
識別領域13Aを、視認領域13A1である光線透過識別領域13A2として構成することにより、ペット用使い捨ておむつ13をペットに装着した場合、背側フラップ部160の折れ曲りを確認することができる。すなわち、ペット用使い捨ておむつ13をペットに装着した場合、光線透過識別領域13A2を通して背側フラップ部160の状況を視認することができる。
【0086】
(第5の実施形態)
本発明に係る第5の実施形態を、
図24に基づき説明する。第5の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ14は、第1の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ10に比して、識別領域14Aである視認領域14A1が、腹側フラップ部の腹側方向端部を切欠いて形成された切欠き識別領域14A2にて構成されている。
この切欠き識別領域14A2が、本発明に係る「前記視認領域が、前記腹側フラップ部の腹側方向端部を切欠いて形成された切欠き識別領域である」の一例である。
識別領域14Aを、視認領域14A1である切欠き識別領域14A2として構成することにより、ペット用使い捨ておむつ14をペットに装着した場合、背側フラップ部160の折れ曲りを確認することができる。すなわち、ペット用使い捨ておむつ14をペットに装着した場合、切欠き識別領域14A2を通して背側フラップ部160の状況を視認することができる。
【0087】
(第6の実施形態)
本発明に係る第6の実施形態を、
図25に基づき説明する。第6の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ15は、第1の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ10に比して、識別領域15Aである視認領域15A1が、腹側フラップ部160を開口して形成された第1の開口識別領域15A2にて構成されている。
この第1の開口識別領域15A2が、本発明に係る「前記視認領域が、前記腹側フラップ部を開口して形成された第1の開口識別領域」の一例である。
識別領域15Aを、視認領域15A1である第1の開口識別領域15A2として構成することにより、ペット用使い捨ておむつ15をペットに装着した場合、背側フラップ部160の折れ曲りを確認することができる。すなわち、ペット用使い捨ておむつ15をペットに装着した場合、第1の開口識別領域15A2を通して背側フラップ部160の状況を視認することができる。
【0088】
(第7の実施形態)
本発明に係る第7の実施形態を、
図26に基づき説明する。第7の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ16は、第1の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ10に比して、識別領域16Aである視認領域16A1が、腹側フラップ部160を開口して形成された第2の開口識別領域16A2と、第2の開口識別領域16A2を覆うとともに該第2の開口識別領域16A2に対して開閉自在に形成された蓋領域16A22とにより構成されている。
この第2の開口領域16A2と蓋領域16A22が、本発明に係る「前記視認領域が、前記腹側フラップ部を開口して形成された第2の開口識別領域と、該第2の開口識別領域を覆うとともに該第2の開口識別領域に対して開閉自在に形成された蓋領域とにより構成されている」の一例である。
第2の開口領域16A2は、腹側フラップ部160に設けられた開口部16A21により形成される。
蓋領域16A22は、第1の蓋部16A221と、第2の蓋部16A223とにより形成される。第1の蓋部16A221と第2の蓋部16A223は、開口部16A21を覆うように並べて配置されている。第1の蓋部16A221と第2の蓋部16A223が対向する箇所は、開口部16A21の中央部に相当する。第1の蓋部16A221における、第2の蓋部16A223との対向箇所以外の端部は、第1の接着領域16A222として接着剤により外層シートに接続されている。第2の蓋部16A223における、第1の蓋部16A221との対向箇所以外の端部は、第2の接着領域16A224として接着剤により外層シートに接続されている。
識別領域16Aを、視認領域16A1である第2の開口識別領域16A2と蓋領域16A22として構成することにより、ペット用使い捨ておむつ16をペットに装着した場合、背側フラップ部160の折れ曲りを確認することができる。すなわち、ペット用使い捨ておむつ16をペットに装着した場合、
図27に示すように、第1の蓋部16A221と第2の蓋部16A223を押し広げ、第2の開口識別領域16A2を露出させる。そして、第2の開口領域16A2を通して背側フラップ部160の状況を視認することができる。
【0089】
なお、第1の実施形態〜第7の実施形態により、識別領域の構成を種々説明した。一方、本願発明に係る識別領域の構成は、上述した構成に限らないものである。
さらに、識別領域を、背側フラップ部に設けられた背側フラップ部識別領域と、腹側フラップ部に設けられた腹側フラップ部領域とにより構成することも可能である。
これが、本発明に係る「前記識別領域が、前記背側フラップ部に設けられた背側フラップ部識別領域と、前記腹側フラップ部に設けられた腹側フラップ部領域とにより形成されている」の一例である。
【0090】
(第8の実施形態)
本発明に係る第8の実施形態を、
図28に基づき説明する。第8の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ17は、背側フラップ部161の側端部161Bの形状が、おむつ長手方向に関して暫時異なる。この暫時異なる側端部161Bの形状は、直線により形成されている。
また、側端部161Bの極大領域161B1は、第1の直線部161BAと第2の直線161BB分とが交差する部分により形成されている。したがって、極大領域161B1とおむつ長手方向の仮想線とが交差する部分は点状となる。
このように構成された第8の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ17は、第1の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ10と同等の作用・効果を奏する。
【0091】
(第9の実施形態)
本発明に係る第9の実施形態を、
図29に基づき説明する。第9の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ18は、背側フラップ部162の側端部162Bの形状が、おむつ長手方向に関して暫時異なる領域と、おむつ長手方向に平行な領域とにより構成されている。
また、背側フラップ部162における側端部162Bの形状がおむつ長手方向に関して暫時異なる領域が、概ね円弧状の曲線により形成されている。この概ね円弧状の曲線は、第1の円弧部162BAと第2の円弧部162BCとにより構成される。
また、背側フラップ部162の側端部162Bにおける形状が、極大領域162B1を極大値とする直線部162BBにより形成されている。
このように構成された第9の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ18は、第1の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ10と同等の作用・効果を奏する。
【0092】
(第10の実施形態)
本発明に係る第10の実施形態を、
図30に基づき説明する。第10の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ19は、背側フラップ部163の側端部163Bの形状が、おむつ長手方向に関して暫時異なる領域と、おむつ長手方向に平行な領域とにより構成されている。
また、背側フラップ部163における側端部163Bの形状がおむつ長手方向に関して暫時異なる領域が、直線により形成されている。この直線は、第1の直線部163BAと第3の直線部163BCとにより構成される。
また、背側フラップ部163の側端部163Bにおける形状が、極大領域163B1を極大値とする第3の直線部163BBにより形成されている。
このように構成された第10の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ19は、第1の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ10と同等の作用・効果を奏する。
【0093】
(第11の実施形態)
本発明に係る第11の実施形態を、
図31に基づき説明する。第11の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ20は、第2の止着領域901Bにおける側端部901BBの形状が、おむつ長手方向に関して暫時異なるように構成されている。
この際、第2の止着領域901Bの側端部における側端部901BBの形状が概ね円弧状とされている。
このように構成された第11の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ20は、第1の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ10と同等の作用・効果を奏する。
【0094】
(第12の実施形態)
本発明に係る第12の実施形態を、
図32に基づき説明する。第12の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ21は、第2の止着領域902Bにおける側端部902BBの形状が、おむつ長手方向に関して暫時異なるように構成されている。
この際、第2の止着領域902Bの側端部における側端部902BBの形状が直線状とされている。すなわち、側端部901BBは、第1の直線部902BB1と第2の直線部902BB2とにより構成されている。
このように構成された第12の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ21は、第1の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ10と同等の作用・効果を奏する。
【0095】
(第13の実施形態)
本発明に係る第13の実施形態を、
図33に基づき説明する。第13の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ22は、背側フラップ部164におけるおむつ長手交差方向の長さは、腹側フラップ部151における前記おむつ長手交差方向の長さよりも長い
このように構成された第13の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ22は、第1の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ10と同等の作用・効果を奏する。
【0096】
(第14の実施形態)
本発明に係る第14の実施形態を、
図34に基づき説明する。第14の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ23は、止着領域901として第1の止着領域901Aのみがペット用使い捨ておむつ23の外側表面100Z2全体に亘り配置されている。
このように構成された第14の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ23は、第1の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ10と同等の作用・効果を奏する。
【0097】
(第15の実施形態)
本発明に係る第15の実施形態を、
図35に基づき説明する。第15の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ24は、止着領域902として第1の止着領域902Aが、背側胴周り域におけるおむつ本体部と背側フラップ部とに亘る外側表面100Z2に配置されている。
なお、第1の止着領域902Aが配置されていない外側表面100Z2には、止着部のフック部に対し係合力を有さない不織布を使用することができる。
このように構成された第15の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ24は、第1の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ10と同等の作用・効果を奏する。
【0098】
(第16の実施形態)
本発明に係る第16の実施形態を、
図36に基づき説明する。第16の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ25は、止着領域903として第1の止着領域903Aが、背側胴周り域におけるおむつ本体部の外側表面100Z2に配置されている
なお、第1の止着領域903Aが配置されていない背側フラップ部外側表面には、止着部のフック部に対し係合力を有さない不織布を使用することができる。
このように構成された第16の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ25は、第1の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ10と同等の作用・効果を奏する。
【0099】
(第17の実施形態)
本発明に係る第17の実施形態を、
図37および
図38に基づき説明する。第17の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ26は、係止領域904の第1の係止領域904Aにおいて、第3の溶着部931Cが、間隔を空けて連続して配置された第3の溶着短線931C2により形成されている。
ここで、第3の溶着部931Cが、第3の溶着短線931C2である場合における、第3の隣接溶着部931CBにおける一対の第3の溶着短線931C2の関係を説明する。
まず、第3の溶着短線931C2の両端部を経由する、第3の方向と直交する方向へ延びる直線を仮想線931CBLとする。
第3の隣接溶着部931CBにおいては、隣接する一対の第3の溶着部931C同士において、一方の第3の溶着部931Cにおいては仮想線931CBL内に第3の溶着短線931C2が配置される。しかし、他方の第3の溶着部931Cにおいては、他方の第3の溶着短線931C2同士の間隔が存在するものである。このような関係を「隣接溶着部における溶着短線が、互いに重ならない」と定義する。
一方、第3の溶着部931Cが第3の溶着短線931C2である場合において、第3の隣接溶着部931CBとなる一対の第3の溶着部931Cの他の配置形態を考慮する。
第3の隣接溶着部931CBにおいて、第3の方向と直交する方向に一対の第3の溶着短線931C2同士が存在する場合がある。このような関係を「隣接溶着部における溶着短線が、互いに重なり合う」と定義する。
この、「隣接溶着部における溶着短線が、互いに重なり合う」関係や、「溶着隣接部における溶着短線が、互いに重ならない」関係は、第1の溶着部、第2の溶着部にもそれぞれ形成される。すなわち、得るべきループ部の構成に応じて、これらの「隣接溶着部における溶着短線」の関係を、適宜選択し得るものである。
【0100】
図38にて、第17の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ26の囲繞部931Dの説明を行う。
第1の溶着部931Aである第1の溶着連続線931A1と、第2の溶着部931Bである第2の溶着連続線931B1とにより囲繞部931Dが形成されている。
この囲繞部931Dにおいては、第1のループ部931L1と、第2のループ部931L2が形成されている。
さらに、第3の溶着部931Cが第3の溶着短線931C2であることから、第1の溶着部931Aから、第3の溶着部931Cにおける第3の溶着短線931C2同士の間隔を経由して第2の溶着部931Bに亘る熱可塑性繊維により形成され、止着部のフック部に着脱自在に係止される第3のループ部931L3が形成される。
さらに、第1の隣接溶着部931ABにおける一方の第1の溶着部931Aから、第3の溶着部931Cにおける第3の溶着短線931C2同士の間隔を経由して他方の第1の溶着部931Aに亘る熱可塑性繊維により形成され、止着部のフック部に着脱自在に形成される第4のループ部931L4が形成される。
さらに、第2の隣接溶着部931BBにおける一方の第2の溶着部931Bから、第3の溶着部931Cにおける第3の溶着短線931C2同士の間隔を経由して他方の第2の溶着部931Bに亘る熱可塑性繊維により形成され、止着部のフック部に着脱自在に形成される第5のループ部931L5が形成される。
このように構成された第17の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ26は、第1の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ10に比して、異なる構成のフック部に適した構成となる。
【0101】
(第18の実施形態)
本発明に係る第18の実施形態を、
図39に基づき説明する。第18の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ27は、係止領域905の第1の係止領域905Aにおいて、第1の溶着部932Aが第1の溶着短線932A2として形成され、第2の溶着部932Bが第2の溶着短線932B2として形成され、第3の溶着部932Cが第3の溶着短線932C2として形成されている。
この構成により、第1〜第5のループ部の他に、隣接する囲繞部932D間に亘る熱可塑性繊維により形成され、止着部のフック部に着脱自在に形成される第6のループ部を形成することができる。
なお、第1の隣接溶着部932ABにおける第1の溶着短線932A2は、互いに重なり合う。第2の隣接溶着部932BBにおける第2の溶着短線932B2は、互いに重なり合う。
このように構成された第18の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ27は、第1の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ10に比して、異なる構成のフック部に適した構成となる。
【0102】
(第19の実施形態)
本発明に係る第19の実施形態を、
図40に基づき説明する。第19の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ28は、係止領域906の第1の係止領域906Aにおいて、第1の溶着部933Aが第1の溶着短線933A2として形成され、第2の溶着部933Bが第2の溶着短線933B2として形成され、第3の溶着部933Cが第3の溶着短線933C2として形成されている。
第3の溶着短線933C2は、隣接する囲繞部933Dに亘り設けられている。
この構成により、第1〜第6のループ部として、前述の第1の実施形態、第17の実施形態、第18の実施形態とは異なる長さの第1〜第6のループ部を形成することができる。
このように構成された第19の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ28は、第1の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ10に比して、異なる構成のフック部に適した構成となる。
【0103】
(第20の実施形態)
本発明に係る第20の実施形態を、
図41に基づき説明する。第20の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ29は、係止領域907の第1の係止領域907Aにおいて、第1の溶着部934Aが第1の溶着短線934A2として形成され、第2の溶着部934Bが第2の溶着短線934B2として形成され、第3の溶着部934Cが第3の溶着短線934C2として形成されている。
さらに、第1の溶着部934Aが、並列された第1の溶着部934Aにより構成されている。第2の溶着部934Bが、並列された第2の溶着部934Bにより構成されている。
この構成により、第1〜第6のループ部として、前述の第1の実施形態、第17の実施形態、第18の実施形態、第19の実施形態とは異なる長さの第1〜第6のループ部を形成することができる。
このように構成された第20の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ29は、第1の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ10に比して、異なる構成のフック部に適した構成となる。
【0104】
(第21の実施形態)
本発明に係る第21の実施形態を、
図42に基づき説明する。第21の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ30は、第1の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ10に比して、脚周り用伸縮性弾性部材401を複数の脚周り用伸縮性弾性部材により構成するものである。すなわち、この第21の実施形態に係る脚周り用伸縮性弾性部材401は、複数の脚周り用伸縮性弾性部材をおむつ長手方向に間隔をあけて連続的に配置することで構成されている。この場合、連続的に配置される脚周り用伸縮性弾性部材の数については、実現しようとするペット用使い捨ておむつに応じて選択し得るものである。
本発明に係る第21の実施形態においては、おむつ長手方向に連続する脚周り用伸縮性弾性部材401を、3つの脚周り用伸縮性弾性部材により形成している。すなわち、腹側胴周り域に配置される脚周り用伸縮性弾性部材401A、股下域に配置される脚周り用伸縮性弾性部材401B、腰周り用伸縮性弾性部材401Cとにより構成されている。
この第21の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、起立部700として、腹側起立部710と、背側起立部720と、股下起立部730が形成される。また、防漏壁820が形成される。また、第1の湾曲部540として第1の腹側湾曲部541と第1の背側湾曲部542と、第2の背側湾曲部184として第2の腹側湾曲部185と第2の背側湾曲部185と、第3の湾曲部186と、第4の湾曲部187が形成される。また、脚周りギャザー410と胴周りギャザー530と防漏ギャザー840が形成される。
よって、この第21の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ30は、上述した第1の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ10と同様の作用および効果を奏する。
さらに、脚周り用伸縮性弾性部材401が、3つの脚周り用伸縮性弾性部材により形成されているため、それぞれの脚周り用伸縮性弾性部材の伸縮力が影響しにくい。よって、例えば腹側胴周り域でズレが生じていても、背側胴周り域への影響が少なく、全体としてズレを生じにくい構成となる。
【0105】
(第22の実施形態)
本発明に係る第22の実施形態を、
図30に基づき説明する。第22の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ31は、第1の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ10に比して、脚周り用伸縮性弾性部材402がおむつ長手方向に連続されていないものである。
すなわち、本発明に係る第22の実施形態においては、脚周り用伸縮性弾性部材402は、ペット用使い捨ておむつ31の腹側胴周り域に配置された脚周り用伸縮性弾性部材402Aと、背側胴周り域に配置された脚周り用伸縮性弾性部材402Bとにより構成される。
この第22の実施形態と第1の実施形態と比較すると、第22の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ31は、脚周り用伸縮性弾性部材402Aおよび402Bが配置された領域にのみ脚周りギャザー410、第4の湾曲部187が形成されるという点で異なる。
一方、起立部700として、腹側起立部710と、背側起立部720と、股下起立部730が形成される。また、防漏壁820が形成される。また、第1の湾曲部540として第1の腹側湾曲部541と第1の背側湾曲部542と、第2の湾曲部183として第2の腹側湾曲部184と第2の背側湾曲部185と、第3の湾曲部186と、第4の湾曲部187の一部が形成される。また、脚周りギャザー410の一部と、胴周りギャザー530と、防漏ギャザー840が形成される。
よって、この第22の実施形態のペット用使い捨ておむつ31は、上述した第1の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ10が奏する作用および効果の内、脚周りギャザー410の全部および第4の湾曲部187の全部が奏する以外の作用および効果を奏する。
さらに、吸収性コアが配置された股下領域で伸縮性弾性部材を有さず、防漏ギャザー自由端の伸縮性弾性部材を有さないため、吸収性コアが縮まない。よって、吸収性コアの面積を有効に使うことができる。
また、吸収性コアにおける長手方向上の両端部にポケット空間を設けやすい。
加えて、止着領域に伸縮性弾性部材が無い。よって、止着領域が縮まないため、止着部材を止着領域に係合させやすい。
【0106】
(第23の実施形態)
本発明に係る第23の実施形態を、
図44に基づき説明する。第23の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ32は、第1の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ10に比して、脚周り用伸縮性弾性部材403が背側胴周り域に配置されていないものである。また、防漏シート用弾性伸縮性弾性部材の収縮力は、ペット用使い捨ておむつ32の腹側端部には影響を及ぼさないものである。
この第23の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ32と、第1の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ10とを比較する。第23の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ32は、脚周り用伸縮性弾性部材403が配置された領域にのみ脚周りギャザー410および第4の湾曲部187が形成される。また、起立部700の内の背側起立部720と、第2の湾曲部183の内の第2の背側湾曲部185とが形成されない。
一方、起立部700として、腹側起立部710と股下起立部730が形成される。また、防漏壁820が形成される。また、第1の湾曲部540として第1の腹側湾曲部541と第1の背側湾曲部541と、第2の背側湾曲部184として第2の腹側湾曲部185と、第3の湾曲部186と、第4の湾曲部187の一部とが形成される。また、脚周りギャザー410の一部と胴周りギャザー530と防漏ギャザー840が形成される。
よって、この第23の実施形態のペット用使い捨ておむつ32は、上述した第1の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ10が奏する作用および効果の内、脚周りギャザー410の全部と、背側起立部720と、第2の背側湾曲部185と、第4の湾曲部187の全部とが奏する以外の作用および効果を奏する。
さらに、吸収性コアの背側端部方向および腹側端部方向にポケット空間を設けやすい。
【0107】
(第24の実施形態)
本発明に係る第24の実施形態を、
図45に基づき説明する。第24の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ33は、第1の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ10に比して、脚周り用伸縮性弾性部材404が腹側胴周り域に配置されていないものである。また、防漏シート用弾性伸縮性弾性部材の収縮力は、ペット用使い捨ておむつ33の背側端部には影響を及ぼさないものである。
この第24の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ33と、第1の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ10とを比較する。第24の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ33は、脚周り用伸縮性弾性部材404が配置された領域にのみ脚周りギャザー410が形成される。また、起立部700の内の腹側起立部710と、第2の湾曲部183の内の第2の腹側湾曲部184とが形成されない。
一方、起立部700として、背側起立部720と股下起立部730が形成される。また、防漏壁820が形成される。また、第1の湾曲部540として第1の腹側湾曲部541と第1の背側湾曲部185と、第2の背側湾曲部184として第2の腹側湾曲部185と、第3の湾曲部186と、第4の湾曲部187とが形成される。また、脚周りギャザー410の一部と胴周りギャザー530と防漏ギャザー840が形成される。
よって、この第24の実施形態のペット用使い捨ておむつ33は、上述した第1の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ10が奏する作用および効果の内、脚周りギャザー410の全部と、腹側起立部710と、第2の腹側湾曲部184とが奏する以外の作用および効果を奏する。
さらに、吸収性コアに収縮力が働かないため、吸収性コアの面積を有効活用できる。
また、背側領域側にのみに脚周り用伸縮性弾性部材を有するため、ペットの背中にペット用使い捨ておむつを沿わせやすい。その結果、止着部を止着領域に係合させやすい。
【0108】
(第25の実施形態)
本発明に係る第25の実施形態を、
図46に基づき説明する。第25の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ34は、第1の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ10に比して、脚周り用伸縮性弾性部材を有さないものである。一方、防漏シート用伸縮性弾性部材601が、ペット用使い捨ておむつ34の腹側端部から背側端部に亘り配置されている。この際、防漏シートの固定部において、腹側固定部および背側固定部は、それぞれペット用使い捨ておむつ34の腹側端部および背側端部に形成されている。また、防漏シート用伸縮性弾性部材601は胴周り用伸縮性弾性部材の内、腹側胴周り用伸縮性弾性部材と背側胴周り用弾性部材のそれぞれと重ねられている。
この第25の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ34と、第1の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ10とを比較する。第25の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ34は、防漏シート用伸縮性弾性部材601により、起立部700として腹側起立部710と背側起立部720と、防漏壁820と、防漏ギャザー840と、第3の湾曲部186と、第4の湾曲部187が形成される。
胴周り伸縮性弾性部材として、腹側胴周り用伸縮性弾性部材により第1の腹側湾曲部541が、背側胴周り用伸縮性弾性部材により第1の背側湾曲部542がそれぞれ形成される。
防漏シート用伸縮性弾性部材601の収縮力と、腹側胴周り用伸縮性弾性部材の収縮力により第1の収縮力交差領域181が形成され、第2の腹側湾曲部184が形成される。
防漏シート用伸縮性弾性部材601の収縮力と、背側胴周り用伸縮性弾性部材の収縮力により第2の収縮力交差領域182が形成され、第2の背側湾曲部185が形成される。
すなわち、第25の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ34においては、第1の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ10に比して、股下側起立部730と、脚周りギャザー410が形成されない。
よって、この第25の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ34は、上述した第1の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ10が奏する作用および効果の内、脚周りギャザー410と、股下側起立部730とが奏する以外の作用および効果を奏する。
さらに、この第25の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ34にあっては、脚周り用伸縮性弾性部材が形成されていないため、ペット用使い捨ておむつ34の長手交差方向上の端部を、吸収性コアに近づけることができる。この結果、ペット用使い捨ておむつ34において、ペットの脚周りに接触する部分をより減少させることができる。
また、脚周りを形成するシートが無いため、ペット用使い捨ておむつを装着した際に、脚周りをすっきりさせることができる。
【0109】
(第26の実施形態)
本発明に係る第26の実施形態を、
図47に基づき説明する。第26の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ35は、第1の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ10に比して、脚周り用伸縮性弾性部材404が腹側胴周り域と背側胴周り域に配置されていないものである。また、防漏シート用弾性伸縮性弾性部材の収縮力は、ペット用使い捨ておむつ35の腹側端部には影響を及ぼさないものである。また、腹側胴周り用伸縮性弾性部材511は、係止部301と重ねられている。本発明に係る「腹側胴周り用伸縮性弾性部材と係止部が重なる」とは、腹側胴周り用伸縮性弾性部材と係止部とが直接接触していることを指すものではない。つまり、腹側胴周り用伸縮性弾性部材の収縮力が、フラップ部を経由せずに、直接的に係止部に作用することを示すものである。
この第26の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ35と、第1の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ10とを比較する。第26の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ35は、脚周り用伸縮性弾性部材405が配置された領域にのみ脚周りギャザー410が形成される。また、起立部700の内の腹側起立部710と背側起立部720が形成されない。第2の湾曲部183の内の第2の腹側湾曲部184と第2の背側湾曲部185とが形成されない。第4の湾曲部187は、脚周り用伸縮性弾性部材405が配置されている領域にのみ形成される。
一方、起立部700として、股下起立部730が形成される。また、防漏壁820が形成される。また、第1の湾曲部540として第1の腹側湾曲部541と第1の背側湾曲部185と、第3の湾曲部186と、第4の湾曲部187の一部とが形成される。脚周りギャザー410の一部と、防漏ギャザー840が形成される。
よって、この第26の実施形態のペット用使い捨ておむつ35は、上述した第1の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ10が奏する作用および効果の内、股下起立部730と、防漏壁820と、第1の腹側湾曲部541と、第1の背側湾曲部185と、第3の湾曲部186と、第4の湾曲部187の一部と、脚周りギャザー410の一部と、防漏ギャザー840に基づく作用、効果を奏する。
さらに、腹側胴周り用伸縮性弾性部材511が係止部301と重なっている。よって、ペット用使い捨ておむつ35を装着するにあたり、腹側胴周り域をペットの腹に当接した場合、係止部301が腹側胴周り用伸縮性弾性部材511の収縮力の影響を受け、おむつ内面方向へ湾曲する。よって、使用者が止着部301を把持しやすくなる。
【0110】
(第27の実施形態)
本発明に係る第27の実施形態を、
図48に基づき説明する。第27の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ36は、第1の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ10に比して、脚周り用伸縮性弾性部材406がペット用使い捨ておむつ36の腹側胴周り域および背側胴周り域に形成されていないものである。一方、防漏シート用伸縮性弾性部材603が、ペット用使い捨ておむつ36の腹側端部から背側端部に亘り配置されている。この際、防漏シートの固定部において、腹側固定部および背側固定部は、それぞれペット用使い捨ておむつ36の腹側端部および背側端部に形成されている。また、防漏シート用伸縮性弾性部材603は胴周り用伸縮性弾性部材の内、腹側胴周り用伸縮性弾性部材512と背側胴周り用弾性部材のそれぞれと重ねられている。また、腹側胴周り用伸縮性弾性部材512は、係止部302と重ねられている。
この第27の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ36と、第1の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ10とを比較する。第27の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ36は、防漏シート用伸縮性弾性部材603により、起立部700として腹側起立部710と背側起立部720と、防漏壁820と、防漏ギャザー840と、第3の湾曲部186と、第4の湾曲部187が形成される。
胴周り伸縮性弾性部材として、腹側胴周り用伸縮性弾性部材512により第1の腹側湾曲部541が、背側胴周り用伸縮性弾性部材により第1の背側湾曲部542がそれぞれ形成される。
防漏シート用伸縮性弾性部材603の収縮力と、腹側胴周り用伸縮性弾性部材の収縮力により第1の収縮力交差領域181が形成され、第2の腹側湾曲部184が形成される。
防漏シート用伸縮性弾性部材603の収縮力と、背側胴周り用伸縮性弾性部材の収縮力により第2の収縮力交差領域182が形成され、第2の背側湾曲部185が形成される。
すなわち、第27の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ36においては、第1の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ10に比して、股下側起立部730と、脚周りギャザー410の一部が形成されない。
よって、この第27の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ36は、上述した第1の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ10が奏する作用および効果の内、脚周りギャザー410の全部と、股下側起立部730とが奏する以外の作用および効果を奏する。
さらに、腹側領域および背側領域に胴周り用伸縮性弾性部材を有さないことにより、ペットの胴周りに沿わせて、止着部材を係合させることができる。
また、吸収性コアにおけるおむつ長手方向の両端部にポケットを形成することできる。
さらに、腹側胴周り用伸縮性弾性部材512が係止部302と重なっている。よって、ペット用使い捨ておむつ36を装着するにあたり、腹側胴周り域をペットの腹に当接した場合、係止部302が腹側胴周り用伸縮性弾性部材512の収縮力の影響を受け、おむつ内面方向へ湾曲する。よって、使用者が止着部302を把持しやすくなる。
【0111】
(第28の実施形態)
本発明に係る第28の実施形態を、
図49に基づき説明する。第28の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ37は、第1の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ10に比して、防漏シート用伸縮性弾性部材604が、ペット用使い捨ておむつ37の腹側端部から背側端部に亘り配置されている。この際、防漏シートの固定部において、腹側固定部および背側固定部は、それぞれペット用使い捨ておむつ37の腹側端部および背側端部に形成されている。また、防漏シート用伸縮性弾性部材604は胴周り用伸縮性弾性部材の内、腹側胴周り用伸縮性弾性部材513と背側胴周り用弾性部材のそれぞれと重ねられている。また、腹側胴周り用伸縮性弾性部材513は、係止部303と重ねられている。
この第28の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ37と、第1の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ10とを比較する。第28の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ37は、脚周り用伸縮性弾性部材407と防漏シート用伸縮性弾性部材604とにより、起立部700として腹側起立部710と背側起立部720と、脚周りギャザー410と、防漏壁820と、防漏ギャザー840と、第3の湾曲部186と、第4の湾曲部187が形成される。
胴周り伸縮性弾性部材として、腹側胴周り用伸縮性弾性部材513により第1の腹側湾曲部541が、背側胴周り用伸縮性弾性部材により第1の背側湾曲部542がそれぞれ形成される。
第1の収縮交差領域181としては、脚周り用伸縮性弾性部材407の収縮力と腹側胴周り用伸縮性弾性部材513の収縮力の交差によるものと、防漏シート用伸縮性弾性部材604の収縮力と腹側胴周り用伸縮性弾性部材513の収縮力によるものとの2つの構成が形成される。よって、第2の腹側湾曲部184としても、この2つの第1の収縮力交差領域181に伴い2つの構成が形成される。
第2の収縮交差領域182としては、脚周り用伸縮性弾性部材407の収縮力と背側胴周り用伸縮性弾性部材の収縮力の交差によるものと、防漏シート用伸縮性弾性部材604の収縮力と背側胴周り用伸縮性弾性部材収縮力によるものとの2つの構成が形成される。よって、第2の背側湾曲部185としても、この2つの第2の収縮力交差領域182に伴い2つの構成が形成される。
すなわち、第28の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ37においては、第1の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ10に比して、股下側起立部730が形成されない。
よって、この第28の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ37は、上述した第1の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ10が奏する作用および効果の内、股下側起立部730が奏する以外の作用および効果を奏する。
さらに、腹側胴周り用伸縮性弾性部材513が係止部303と重なっている。よって、ペット用使い捨ておむつ37を装着するにあたり、腹側胴周り域をペットの腹に当接した場合、係止部303が腹側胴周り用伸縮性弾性部材513の収縮力の影響を受け、おむつ内面方向へ湾曲する。よって、使用者が止着部303を把持しやすくなる。
また、おむつ長手方向全体に収縮力が働くため、排泄物の漏れを生じにくい。よって、特に寝たきり状態のペットに適したものである。
【0112】
(第29の実施形態)
本発明に係る第29の実施形態を、
図50に基づき説明する。第29の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ38は、第1の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ10に比して、脚周り用伸縮性弾性部材408が背側胴周り域に形成されていない。さらに、防漏シート用伸縮性弾性部材605が、ペット用使い捨ておむつ38の腹側端部にまで形成されている。この際、防漏シートの固定部において、腹側固定部はペット用使い捨ておむつ38の腹側端部に形成されている。また、防漏シート用伸縮性弾性部材604は胴周り用伸縮性弾性部材の内、腹側胴周り用伸縮性弾性部材514と重ねられている。また、腹側胴周り用伸縮性弾性部材514は、係止部304と重ねられている。
この第29の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ38と、第1の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ10とを比較する。第29の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ38は、脚周り用伸縮性弾性部材407と防漏シート用伸縮性弾性部材604とにより、起立部700として腹側起立部710と股下側起立部730と、脚周りギャザー410の一部と、防漏壁820と、防漏ギャザー840と、第3の湾曲部186と、第4の湾曲部187の一部が形成される。
胴周り伸縮性弾性部材として、腹側胴周り用伸縮性弾性部材514により第1の腹側湾曲部541が形成される。
第1の収縮交差領域181としては、脚周り用伸縮性弾性部材408の収縮力と腹側胴周り用伸縮性弾性部材514の収縮力の交差によるものと、防漏シート用伸縮性弾性部材605の収縮力と腹側胴周り用伸縮性弾性部材514の収縮力によるものとの2つの構成が形成される。よって、第2の腹側湾曲部184としても、この2つの第1の収縮力交差領域181に伴い2つの構成が形成される。
すなわち、第29の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ38においては、第1の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ10に比して、背側起立部720と、脚周りギャザー410の一部と、第1の背側湾曲部541と、第2の背側湾曲部542と、第4の湾曲部187の一部とが構成されない。
よって、この第29の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ38は、上述した第1の実施形態に係るペット用使い捨ておむつ10が奏する作用および効果の内、背側起立部720と、脚周りギャザー410の全部と、第1の背側湾曲部541と、第2の背側湾曲部542と、第4の湾曲部187の全部が奏する以外の作用および効果を奏する。
腹側領域にのみ収縮力が強く働く構成であり、吸収性コアの腹側領域方向にポケットを形成しやすい、よって、雄用のペット用使い捨ておむつとして好適である。
さらに、腹側胴周り用伸縮性弾性部材514が係止部304と重なっている。よって、ペット用使い捨ておむつ38を装着するにあたり、腹側胴周り域をペットの腹に当接した場合、係止部304が腹側胴周り用伸縮性弾性部材514の収縮力の影響を受け、おむつ内面方向へ湾曲する。よって、使用者が止着部304を把持しやすくなる。
【0113】
なお、本発明に係るペット用使い捨ておむつの構成は上述した構造に限らないものである。また、第1〜第29の実施形態に係る構成を適宜組み合わせることも可能である。
【0114】
(実施の形態と本発明の各構成要素の対応について)
ペット用使い捨ておむつ10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38は、本発明に係る「ペット用使い捨ておむつ」の一例である。背側胴周り域130は、本発明に係る「背側胴周り域」の一例である。腹側胴周り域110は、本発明に係る「腹側胴周り域」の一例である。股下域120は、本発明に係る「股下域」の一例である。おむつ長手方向Yは、本発明に係る「おむつ長手方向」の一例である。おむつ長手交差方向Xは、本発明に係る「おむつ長手交差方向」の一例である。背側胴周り域端部130Aは、本発明に係る「背側胴周り端部」の一例である。腹側胴周り域端部110Aは、本発明に係る「腹側胴周り端部」の一例である。長手交差方向上における両端部100Aは、本発明に係る「端部」の一例である。背側フラップ部160、161、162、163、164は、本発明に係る「背側フラップ部」の一例である。腹側フラップ部150は、本発明に係る「腹側フラップ部」の一例である。尻尾挿通開口190は、本発明に係る「尻尾挿通開口」の一例である。吸収性コア200は、本発明に係る「吸収性コア」の一例である。止着部300、301、302、303、304は、本発明に係る「止着部」の一例である。止着領域900、901、902、903、904、905、906、907は、本発明に係る「止着領域」の一例である。識別領域10A、11A、12A、13A、14A、15A、16Aは、本発明に係る「識別領域」の一例である。第1の延出識別領域10A1は、本発明に係る「第1の延出識別領域」の一例である。第2の延出識別領域11A1は、本発明に係る「第2の延出識別領域」の一例である。配色識別領域12A1は、本発明に係る「配色識別領域」の一例である。第1の仮想線10A11は、本発明に係る「第1の仮想線」の一例である。第2の仮想線900BC1は、本発明に係る「第2の仮想線」の一例である。第3の仮想線D160は、本発明に係る「第3の仮想線」の一例である。第4の仮想線300C1は、本発明に係る「第4の仮想線」の一例である。第5の仮想線150A1は、本発明に係る「第5の仮想線」の一例である。第6の仮想線D150は、本発明に係る「第6の仮想線」の一例である。視認領域13A1、14A1、15A1、16A1は、本発明に係る「視認領域」の一例である。光線透過識別領域13A2は、本発明に係る「光線透過識別領域」の一例である。切欠き識別領域14A2は、本発明に係る「切欠き識別領域」の一例である。第1の開口識別領域15A2は、本発明に係る「第1の開口識別領域」の一例である。第2の開口識別領域16A2は、本発明に係る「第2の開口識別領域」の一例である。蓋領域16A22は、本発明に係る「蓋領域」の一例である。
【0115】
以上の本発明の特質に鑑み、以下の各種の構成態様が構築できる。
(態様1)
ペット用使い捨ておむつであって、
背側胴周り域と、腹側胴周り域と、該背側胴周り域と腹側胴周り域の間に位置する股下域と、
前記ペット用使い捨ておむつがペットに装着されていない状態において、前記背側胴周り域と前記股下域と前記腹側胴周り域が連続する方向であるおむつ長手方向と、該おむつ長手方向と交差する方向であるおむつ長手交差方向と、
前記おむつ長手方向上における背側胴周り域端部と、前記おむつ長手方向上における腹側胴周り域端部と、前記おむつ長手交差方向上における両端部と、
前記背側胴周り域に設けられる背側フラップ部と、
前記腹側胴周り域に設けられる腹側フラップ部と、
前記おむつ長手方向の所定領域に設けられる尻尾挿通開口と、
前記おむつ長手方向において前記尻尾開通口の一方側に形成され、前記股下域と前記腹側胴周り域の所定領域に配置される吸収性コアと、
前記腹側フラップ部に配置されるとともに所定の長さを有する止着部と、
前記背側胴周り領域に設けられるとともに前記止着部を受ける止着領域と、を有し、
前記背側フラップ部と前記腹側フラップ部の少なくとも一方は識別領域を有し、
前記ペット用使い捨ておむつを前記ペットへ装着する状態においては、前記背側胴周り域が前記ペットの背に密接されつつ、前記股下域および前記腹側胴周り域が前記ペットの股間乃至腹に被覆されるとともに、前記止着部が前記止着領域に止着され、
前記ペット用使い捨ておむつを前記ペットが装着している状態においては、排泄時の前記吸収性コアの重量が前記止着部の長手方向で受けられるとともに、前記ペット用使い捨ておむつの外部からの前記識別領域の視認情報に基づき、前記背側フラップ部の状態が異常であることを判別可能に構成されていることを特徴とするペット用使い捨ておむつ。
(態様2)
態様1に記載されたペット用使い捨ておむつにおいて、
前記識別領域が前記ペット用使い捨ておむつの外部から視認できる場合は前記背側フラップ部の状態を正常とし、
前記識別領域が前記ペット用使い捨ておむつの外部から視認できない場合は前記背側フラップ部の状態を異常とすることを特徴とするペット用使い捨ておむつ。
(態様3)
態様1または2のいずれか1項に記載されたペット用使い捨ておむつにおいて、
前記背側フラップ部の状態が正常とはペット用使い捨ておむつをペットに装着した状態において前記背側フラップ部が折れ曲っていない状態であり、
前記背側フラップ部の状態が異常とはペット用使い捨ておむつをペットに装着した状態において前記背側フラップ部の少なくとも一部が折れ曲っている状態であることを特徴とするペット用使い捨ておむつ。
(態様4)
態様1〜3のいずれか1項に記載されたペット用使い捨ておむつにおいて、
前記識別領域が、前記背側フラップ部に設けられていることを特徴とするペット用使い捨ておむつ。
(態様5)
態様4に記載されたペット用使い捨ておむつにおいて、
前記識別領域が、前記背側フラップ部の長手交差方向上に延出された第1の延出識別領域であることを特徴とするペット用使い捨ておむつ。
(態様6)
態様4に記載されたペット用使い捨ておむつにおいて、
前記識別領域が、前記背側フラップ部の長手方向上に延出された第2の延出識別領域であることを特徴とするペット用使い捨ておむつ。
(態様7)
態様4に記載されたペット用使い捨ておむつにおいて、
前記識別領域が、前記背側フラップ部における他の領域とは異なる配色を施された配色識別領域であることを特徴とするペット用使い捨ておむつ。
(態様8)
態様4に記載されたペット用使い捨ておむつにおいて、
前記ペット用使い捨ておむつを前記ペットが装着している状態においては、前記背側フラップ部に設けられた前記識別領域が、前記腹側フラップ部における長手方向上の端部から突出していることを特徴とするペット用使い捨ておむつ。
(態様9)
態様8に記載されたペット用使い捨ておむつにおいて、
前記背側フラップ部における前記識別領域の背側方向端部を通過するおむつ長手交差方向の仮想線である第1の仮想線と、
前記背側フラップ部における前記止着領域の背側方向端部を通過するおむつ長手交差方向の仮想線である第2の仮想線と
前記第1の仮想線と前記第2の仮想線とを結ぶおむつ長手方向の仮想線である第3の仮想線と、
前記腹側フラップ部における前記止着手段の背側方向端部を通過するおむつ長手交差方向の仮想線である第4の仮想線と、
前記腹側フラップ部における腹側方向端部を通過するおむつ長手交差方向の仮想線である第5の仮想線と、
前記第4の仮想線と前記第5の仮想線とを結ぶおむつ長手方向の仮想線である第6の仮想線と、を有し、
前記第3の仮想線の長さが、前記第6の仮想線の長さよりも長く形成されていることを特徴とするペット用使い捨ておむつ。
(態様10)
態様1〜3のいずれか1項に記載されたペット用使い捨ておむつにおいて、
前記識別領域が、前記腹側フラップ部に設けられていることを特徴とするペット用使い捨ておむつ。
(態様11)
態様10に記載されたペット用使い捨ておむつにおいて、
前記識別領域が、前記背側フラップ部の状態を確認するために前記腹側フラップ部に設けられた視認領域であることを特徴とするペット用使い捨ておむつ。
(態様12)
態様10に記載されたペット用使い捨ておむつにおいて、
前記視認領域が、光線を透過することができる光線透過識別領域であることを特徴とするペット用使い捨ておむつ。
(態様13)
態様10に記載されたペット用使い捨ておむつにおいて、
前記視認領域が、前記腹側フラップ部の腹側方向端部を切欠いて形成された切欠き識別領域であることを特徴とするペット用使い捨ておむつ。
(態様14)
態様10に記載されたペット用使い捨ておむつにおいて、
前記視認領域が、前記腹側フラップ部を開口して形成された第1の開口識別領域であることを特徴とするペット用使い捨ておむつ。
(態様15)
態様10に記載されたペット用使い捨ておむつにおいて、
前記視認領域が、前記腹側フラップ部を開口して形成された第2の開口識別領域と、該第2の開口識別領域を覆うとともに該第2の開口識別領域に対して開閉自在に形成された蓋領域とにより構成されていることを特徴とするペット用使い捨ておむつ。
(態様16)
態様1〜15までのいずれか1項に記載されたペット用使い捨ておむつにおいて、
前記識別領域が、前記背側フラップ部に設けられた背側フラップ部識別領域と、前記腹側フラップ部に設けられた腹側フラップ部領域とにより形成されていることを特徴とするペット用使い捨ておむつ。