特許第5956324号(P5956324)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5956324
(24)【登録日】2016年6月24日
(45)【発行日】2016年7月27日
(54)【発明の名称】搬送基台及び搬送システム
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20160714BHJP
   B65G 49/07 20060101ALI20160714BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20160714BHJP
   H01L 21/205 20060101ALI20160714BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20160714BHJP
【FI】
   H01L21/68 A
   B65G49/07 C
   H01L21/302 101G
   H01L21/205
   H01L21/31 B
【請求項の数】10
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2012-272534(P2012-272534)
(22)【出願日】2012年12月13日
(65)【公開番号】特開2014-120522(P2014-120522A)
(43)【公開日】2014年6月30日
【審査請求日】2015年4月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】511122075
【氏名又は名称】テクノダイナミックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125254
【弁理士】
【氏名又は名称】別役 重尚
(74)【代理人】
【識別番号】100118278
【弁理士】
【氏名又は名称】村松 聡
(72)【発明者】
【氏名】廣木 勤
(72)【発明者】
【氏名】中山 剛宏
【審査官】 宮久保 博幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−012720(JP,A)
【文献】 特開2004−265894(JP,A)
【文献】 特開2002−134587(JP,A)
【文献】 特開2011−077334(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
B65G 49/07
H01L 21/205
H01L 21/3065
H01L 21/31
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を移動させる搬送アームと、該搬送アームを駆動させるモータと、該モータへ供給される電力を制御するモータドライバとを備え、搬送室内を移動する搬送基台であって、
前記モータドライバに前記モータの動作を指令する制御装置が前記搬送基台以外の場所に配置され、
前記モータドライバ及び前記制御装置は無線通信を行うことを特徴とする搬送基台。
【請求項2】
前記搬送室内は減圧されていることを特徴とする請求項1記載の搬送基台。
【請求項3】
搬送室と、前記搬送室内を移動する搬送基台とを備え、少なくとも1つの処理室が接続される搬送システムであって、
前記搬送基台は、基板を移動させる搬送アームと、該搬送アームを駆動させるモータと、該モータへ供給される電力を制御するモータドライバとを備え、
前記モータドライバに前記モータの動作を指令する制御装置が前記搬送基台以外の場所に配置され、
前記モータドライバ及び前記制御装置は無線通信を行うことを特徴とする搬送システム。
【請求項4】
ホストコンピュータをさらに備え、
前記ホストコンピュータ及び前記制御装置は有線通信を行うことを特徴とする請求項3記載の搬送システム。
【請求項5】
前記搬送室は、前記移動する基板の位置を検知する少なくとも1つのセンサを有し、
前記少なくとも1つのセンサ及び前記制御装置は有線通信を行うことを特徴とする請求項3又は4記載の搬送システム。
【請求項6】
前記搬送基台を移動させる移動機構と、前記搬送基台以外の場所に配置される前記移動機構のドライバとをさらに備え、
前記移動機構のドライバ及び前記制御装置は有線通信を行うことを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載の搬送システム。
【請求項7】
前記搬送室内は減圧されていることを特徴とする請求項3乃至6のいずれか1項に記載の搬送システム。
【請求項8】
前記モータドライバ及び前記制御装置は無線でシリアル通信を行うことを特徴とする請求項3乃至7のいずれか1項に記載の搬送システム。
【請求項9】
前記シリアル通信の通信速度は10Mbps以上であることを特徴とする請求項8記載の搬送システム。
【請求項10】
前記無線通信は、電波、音波又は光を用いる無線通信であることを特徴とする請求項3乃至9のいずれか1項に記載の搬送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板を移動させる搬送アームを有し且つ移動可能な搬送基台及び該搬送基台を備える搬送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
基板、例えば、半導体デバイス用ウエハ(以下、単に「ウエハ」という。)へ処理を施す基板処理システムは、枚葉でウエハに処理を施す基板処理装置であるプロセスモジュールを複数備え、ウエハの処理の効率を向上する。
【0003】
基板処理システムは、当該基板処理システムへのウエハの搬出入を行う搬出入装置であるロードロックモジュールと、該ロードロックモジュールに接続された搬送システムであるトランスファモジュールとをさらに備え、複数のプロセスモジュールはトランスファモジュールに接続される。トランスファモジュールはウエハを搬送する搬送基台としてのスライドボックスを有し、該スライドボックスはウエハを載置する伸縮・旋回自在な搬送アームを有し、且つトランスファモジュール内を移動することにより、ウエハをロードロックモジュール及び各プロセスモジュールの間で搬送する。
【0004】
通常、複数のプロセスモジュールを効率よく配置するためにトランスファモジュールはスライドボックスの移動方向に延伸されたチャンバからなるが、近年、トランスファモジュールを複数のブロック状の搬送ユニットによって構成し、搬送ユニットの数を変更することによってトランスファモジュールのスライドボックスの移動方向に関するトランスファモジュールの長さを変更することが提案されている。これにより、トランスファモジュールに接続されるプロセスモジュールの数を変更して半導体デバイスの生産量やウエハに施されるプロセスの変更に柔軟に対応することができる(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
この基板処理システムは、スライドボックスの外に設けられて基板処理システム全体の動作を制御するホストコンピュータと、スライドボックス内に設けられて該スライドボックスが有する搬送アームのサーボモータの動作を制御するモータコントローラとを備えるが、トランスファモジュールの長さが変更された際にスライドボックスの移動範囲を制限しないために、ホストコンピュータとスライドボックス内のモータコントローラとの間の通信は無線通信で行われる。
【0006】
図5は、ホストコンピュータとスライドボックス内のモータコントローラとが無線通信を行うトランスファモジュールの構成を概略的に示す斜視図である。図5では、説明のためにトランスファモジュールの内部及びスライドボックスの内部が透けて見え、スライドボックスにおいて搬送アームが省略された状態で描かれている。
【0007】
図5において、トランスファモジュール50内を矢印方向に移動するスライドボックス51は、搬送アームを2軸方向に関して駆動するサーボモータ52と、該サーボモータ52へ供給される電力を制御するサーボモータドライバ53と、該サーボモータドライバ53にサーボモータ52の動作を指令するサーボモータコントローラ54と、第1の光通信デバイス55とを備える。また、スライドボックス51の外、具体的にはトランスファモジュール50の本体の側面に第1の光通信デバイス55と対向する第2の光通信デバイス56が配置される。
【0008】
図6は、図5のトランスファモジュールを備える基板処理システムのブロック図である。
【0009】
図6において、スライドボックス51では、サーボモータ52がサーボモータドライバ53へ接続され、サーボモータドライバ53がサーボモータコントローラ54に接続され、サーボモータコントローラ54が第1の光通信デバイス55に接続される。
【0010】
また、スライドボックス51の外ではホストコンピュータ58が第2の光通信デバイス56へ接続され、トランスファモジュール50内に設けられ、搬送アームによって搬送されるウエハの位置を確認する各センサ59が第2の光通信デバイス56へ接続され、スライドボックス51の移動に用いられるリニアモータ機構のリニアモータドライバ60も第2の光通信デバイス56へ接続されている。
【0011】
サーボモータコントローラ54は、ホストコンピュータ58からの工程情報や各センサ59からのウエハの位置情報を、第1の光通信デバイス55及び第2の光通信デバイス56からなる光通信手段を介して受け取り、これらの情報に基づいてウエハの位置を適切に調整すべく、サーボモータ52の制御信号やリニアモータ機構の制御信号を生成し、サーボモータドライバ53やリニアモータドライバ60へ伝送する。これらの位置情報や制御信号の伝送はスライドボックス51の移動中も光通信手段を介して行われる。
【0012】
スライドボックス51では、スループット向上のために、搬送アームがウエハを載置して伸縮する際、1方向ではなく同時に2方向に関して移動してウエハの各プロセスモジュールに対する位置を調整する。
【0013】
具体的には、図7に示すように、搬送アームがウエハWをプロセスモジュールへ向けて搬送する際、搬送アームのフォーク61に載置されたウエハWが各センサ59の上方を通過したときのウエハWの位置情報に基づいて、サーボモータコントローラ54がウエハW(フォーク61)の図7中X方向及びY方向に関する動作を算出し、さらに各動作に応じた制御信号を生成してサーボモータドライバ53やリニアモータドライバ60へ伝送することにより、ウエハの当該プロセスモジュールに対する位置を調整する。このとき、ウエハW(フォーク61)の図7中X方向及びY方向に関する移動は同時に行われ、ウエハWの移動軌跡は曲線を描く。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特願2012−116851号 明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、製造される半導体デバイスの微細化に伴い、プロセスモジュールに対するウエハWの位置の調整は高精度が要求され、また、2方向に関する移動を同時に行うことから、各センサ59から光通信手段を介してサーボモータコントローラ54へ伝送される位置情報の量は膨大なものとなる。
【0016】
一方、光通信手段では伝送される情報量がさほど多くないため、伝送される位置情報が制限されてウエハWの位置を正確に調整するのが困難である。
【0017】
また、通常、トランスファモジュール50の内部は各プロセスモジュールの内部と連通するために減圧されており、スライドボックス51は放熱されにくいが、サーボモータコントローラ54は制御信号算出の際に熱を放出する。さらに、サーボモータコントローラ54がスライドボックス51の内部の一部を占めるため、スライドボックス51内の放熱空間が減少する。その結果、スライドボックス51の温度が上昇し、スライドボックス51内の他の機器が熱で破損されるおそれがある。
【0018】
さらに、スライドボックス51はトランスファモジュール50の本体とリニアモータ機構によって非接触状態に維持されるため、スライドボックス51へ供給される電力量には一定の制限があるが、サーボモータコントローラ54は制御信号算出の際に電力を消費するため、サーボモータ52等の電力が不足するおそれがある。
【0019】
また、サーボモータコントローラ54をスライドボックス51へ配置すると、該スライドボックス51の慣性重量が増すため、リニアモータ機構によってもスライドボックス51を円滑に移動させることができないおそれがある。
【0020】
本発明の目的は、搬送される基板の位置を正確に調整し、搬送基台内の他の機器の熱による破損を防止し、搬送基台内の他の機器の電力不足を防止し、且つ搬送基台を円滑に移動させることができる搬送基台及び搬送システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記目的を達成するために、請求項1記載の搬送基台は、基板を移動させる搬送アームと、該搬送アームを駆動させるモータと、該モータへ供給される電力を制御するモータドライバとを備え、搬送室内を移動する搬送基台であって、前記モータドライバに前記モータの動作を指令する制御装置が前記搬送基台以外の場所に配置され、前記モータドライバ及び前記制御装置は無線通信を行うことを特徴とする。
【0022】
請求項2記載の搬送基台は、請求項1記載の搬送基台において、前記搬送室内は減圧されていることを特徴とする。
【0023】
上記目的を達成するために、請求項3記載の搬送システムは、搬送室と、前記搬送室内を移動する搬送基台とを備え、少なくとも1つの処理室が接続される搬送システムであって、前記搬送基台は、基板を移動させる搬送アームと、該搬送アームを駆動させるモータと、該モータへ供給される電力を制御するモータドライバとを備え、前記モータドライバに前記モータの動作を指令する制御装置が前記搬送基台以外の場所に配置され、前記モータドライバ及び前記制御装置は無線通信を行うことを特徴とする。
【0024】
請求項4記載の搬送システムは、請求項3記載の搬送システムにおいて、ホストコンピュータをさらに備え、前記ホストコンピュータ及び前記制御装置は有線通信を行うことを特徴とする。
【0025】
請求項5記載の搬送システムは、請求項3又は4記載の搬送システムにおいて、前記搬送室は、前記移動する基板の位置を検知する少なくとも1つのセンサを有し、前記少なくとも1つのセンサ及び前記制御装置は有線通信を行うことを特徴とする。
【0026】
請求項6記載の搬送システムは、請求項3乃至5のいずれか1項に記載の搬送システムにおいて、前記搬送基台を移動させる移動機構と、前記搬送基台以外の場所に配置される前記移動機構のドライバとをさらに備え、前記移動機構のドライバ及び前記制御装置は有線通信を行うことを特徴とする。
【0027】
請求項7記載の搬送システムは、請求項3乃至6のいずれか1項に記載の搬送システムにおいて、前記搬送室内は減圧されていることを特徴とする。
【0028】
請求項8記載の搬送システムは、請求項3乃至7のいずれか1項に記載の搬送システムにおいて、前記モータドライバ及び前記制御装置は無線でシリアル通信を行うことを特徴とする。
【0029】
請求項9記載の搬送システムは、請求項8記載の搬送システムにおいて、前記シリアル通信の通信速度は10Mbps以上であることを特徴とする。
【0030】
請求項10記載の搬送システムは、請求項3乃至9のいずれか1項に記載の搬送システムにおいて、前記無線通信は、電波、音波又は光を用いる無線通信であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、モータドライバにモータの動作を指令する制御装置が搬送室における搬送基台以外の場所に配置されるので、搬送室に配置されて基板の位置を検知するセンサを制御装置へ有線で接続することができ、もって、センサからの位置情報を大量に制御装置へ伝送することができる。その結果、制御装置は大量の位置情報に基づいて基板の2軸方向に関する動作を同時且つ正確に算出することができ、搬送される基板の位置を正確に調整することができる。
【0032】
また、制御装置が搬送基台において熱を放出することがないので、搬送基台の他の機器が熱で破損されるのを防止することができ、制御装置が搬送基台において電力を消費することがないので、搬送基台の他の機器の電力が不足するのを防止することができ、制御装置によって慣性重量が増すことがないので、搬送基台を円滑に移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明の実施の形態に係る搬送システムを備える基板処理システムの構成を概略的に示す平面図である。
図2図1における搬送ユニットの内部のコイル列、給電線及びスライドボックスの位置関係を説明するための斜視図である。
図3図1におけるトランスファモジュールの構成を概略的に示す斜視図である。
図4図1における基板処理システムのブロック図である。
図5】ホストコンピュータとスライドボックス内のモータコントローラとが無線通信を行うトランスファモジュールの構成を概略的に示す斜視図である。
図6図5のトランスファモジュールを備える基板処理システムのブロック図である。
図7】搬送アームがウエハをプロセスモジュールへ向けて搬送する際のウエハの移動軌跡を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0035】
図1は、本発明の実施の形態に係る搬送システムを備える基板処理システムの構成を概略的に示す平面図である。なお、図1では説明のために、後述の各搬送ユニット11の蓋が除去された状態を示す。また、以下の図1乃至図3に関し、図中のY方向、X方向、Z方向はそれぞれ後述のスライドボックス17の移動方向、ウエハの搬送面におけるスライドボックス17の移動方向と垂直な方向、後述のトランスファモジュール12の高さ方向である。
【0036】
図1において、基板処理システム10は、複数の筐体状のチャンバからなる搬送ユニット11が直列に連結されて構成されるトランスファモジュール12(搬送システム)と、各搬送ユニット11に接続される複数のプロセスモジュール13と、トランスファモジュール12の一端に接続された2つのロードロックモジュール14とを備える。
【0037】
搬送ユニット11の各々では、2つのプロセスモジュール13が当該搬送ユニット11を挟んで相対するように配置される。各プロセスモジュール13は内部が減圧され、該内部に収容したウエハWにプラズマ処理、例えば、ドライエッチング処理や成膜処理を施す。
【0038】
トランスファモジュール12では、連結された各搬送ユニット11の内部が互いに連通されて搬送室Sが形成され、該搬送室Sはトランスファモジュール12が備える排気装置や圧力弁(いずれも図示しない)によって内部が大気圧よりも減圧される。具体的には、搬送室Sの内部の圧力は各プロセスモジュール13の内部の圧力とほぼ同じに設定される。
【0039】
トランスファモジュール12は、各搬送ユニット11の配列方向に沿って配置された一対のコイル列15と、該コイル列15と平行に配置された2つの給電線16と、搬送室Sの内部に配置された直方体状のスライドボックス17(搬送基台)とを有する。
【0040】
各コイル列15は各搬送ユニット11の底部内側において2列且つ平行に配置された複数の矩形状のコイル18によって構成される。各コイル18にはトランスファモジュール12の外部から電力が供給され、各コイル18は電力の供給に応じて磁極を切り換えながら電磁力を発生する。各給電線16は各搬送ユニット11の底部内側に配置された管状体からなり、各給電線16にはトランスファモジュール12の外部から電力が供給される。
【0041】
図2は、図1における搬送ユニットの内部のコイル列、給電線及びスライドボックスの位置関係を説明するための斜視図である。なお、図2において、説明を簡単にするために、後述の搬送アーム21や搬送ユニット11の側壁が省略され、スライドボックス17を搬送ユニット11の底部から離間させて示している。
【0042】
図2において、スライドボックス17は一対のコイル列15に挟まれるように配置され、スライドボックス17の両側面には各コイル列15と対向するように複数の永久磁石19が配置される。各コイル列15及び各永久磁石19はリニアモータ機構を構成し、各コイル18が発生する電磁力により、スライドボックス17を電磁駆動して各コイル列15に沿って移動させる。スライドボックス17は一対のコイル列15に挟まれるため、コイル列15の各々へ引きつけられ、両コイル列15の中央に位置していずれのコイル列15にも接触することがない。これにより、接触等に起因する金属粉等のパーティクルの発生を抑制することができ、スライドボックス17によって搬送されるウエハWがパーティクルによって汚染されるのを防止することができる。なお、スライドボックス17はガイド(図示しない)に担持されるか、各搬送ユニット11の側壁内側等に配置された磁石列(図示しない)によって浮上支持される。
【0043】
図1に戻り、スライドボックス17は上部に旋回、伸縮自在の搬送アーム21を有し、内部に後述するサーボモータ23、サーボモータドライバ24及び第1の光通信デバイス26を有し、底部に受電トランス(図示しない)を有する。搬送アーム21は先端に設けられたフォーク20にウエハWを載置し、各給電線16は受電トランスを介して非接触でスライドボックス17へ電力を供給する。
【0044】
トランスファモジュール12では、スライドボックス17の移動、及び搬送アーム21の旋回、伸縮を組み合わせることにより、各プロセスモジュール13へのウエハWの搬出入を実現する。また、搬送室Sの内部において、各プロセスモジュール13の搬入口(図示しない)の近傍には上方を指向する一対のセンサ22が配され、該センサ22は搬送アーム21によって搬送されるウエハWの位置を検知し、ウエハWの位置情報を出力する。
【0045】
図3は、図1におけるトランスファモジュールの構成を概略的に示す斜視図である。図3では、説明のためにトランスファモジュール12の内部及びスライドボックス17の内部が透けて見え、スライドボックス17において搬送アーム21が省略された状態で描かれている。
【0046】
図3において、トランスファモジュール12内を矢印方向に移動するスライドボックス17は、搬送アーム21を2軸方向に関して駆動するサーボモータ23と、該サーボモータ23へ供給される電力を制御するサーボモータドライバ24と、第1の光通信デバイス26とを備える。
【0047】
また、スライドボックス17の外、具体的にはトランスファモジュール12の側壁には第1の光通信デバイス26と対向する第2の光通信デバイス27が配置され、スライドボックス17以外の場所、具体的にはトランスファモジュール12の外にサーボモータコントローラ25(制御装置)が配置される。
【0048】
本実施の形態では、サーボモータドライバ24及びサーボモータコントローラ25が第1の光通信デバイス26及び第2の光通信デバイス27を介して光通信によって互いに情報を伝送する。また、上述したように、各給電線16が非接触でスライドボックス17へ電力を供給する。すなわち、トランスファモジュール12では、スライドボックス17がトランスファモジュール12の筐体状の本体と有線で接続されないため、スライドボックス17の移動方向(図3中のY方向)に関し、スライドボックス17の移動に制約がない。
【0049】
図4は、図1における基板処理システムのブロック図である。
【0050】
図4において、スライドボックス17では、サーボモータ23が配線によってサーボモータドライバ24へ接続され、サーボモータドライバ24が配線によって第1の光通信デバイス26に接続される。また、スライドボックス17の外、具体的にはトランスファモジュール12の本体の外では、ホストコンピュータ28、各センサ22及びリニアモータ機構の各コイル18へ供給される電力を制御するリニアモータドライバ29(移動機構のドライバ)のそれぞれが配線30によってサーボモータコントローラ25に接続され、サーボモータコントローラ25が配線31で第2の光通信デバイス27へ接続される。
【0051】
サーボモータコントローラ25は、ホストコンピュータ28からの工程情報や各センサ22からのウエハWの位置情報を、有線通信手段である配線30を介して受け取り、これらの情報に基づいてウエハWの位置を適切に調整すべく、搬送アーム21を駆動するサーボモータ23の制御信号やスライドボックス17を移動させるリニアモータ機構の制御信号を生成し、サーボモータドライバ24やリニアモータドライバ29へ伝送する。これらの位置情報や制御信号の伝送はスライドボックス17の移動中も行われるが、特に、サーボモータコントローラ25及びサーボモータドライバ24の間の制御信号の伝送は、第1の光通信デバイス26及び第2の光通信デバイス27からなる光通信手段を介して、例えば、通信速度が10Mbps以上のシリアル通信で行われる。
【0052】
図1に戻り、各ロードロックモジュール14は、トランスファモジュール12及び基板処理システム10の外部とのウエハWの搬出入を行う。各ロードロックモジュール14の内部は減圧可能に構成され、基板処理システム10の外部からウエハWをトランスファモジュール12へ搬入する際、ロードロックモジュール14は、ウエハWの容器、例えば、FOUPからウエハWを内部へ収容した後、当該内部を搬送室Sの内部と同じ圧力まで減圧してスライドボックス17の搬送アーム21へウエハWを渡す。また、トランスファモジュール12から基板処理システム10の外部へウエハWを搬出する際、ロードロックモジュール14は、搬送アーム21からウエハWを内部へ受け取った後、当該内部を大気圧まで昇圧してFOUPへ渡す。
【0053】
基板処理システム10では、搬送ユニット11を増設することによってトランスファモジュール12を延伸することができる。具体的には、トランスファモジュール12のロードロックモジュール14が接続されている端部とは反対側の端部に、新たな搬送ユニット11を連結し、さらに新たな搬送ユニット11の内部を搬送室Sと連通させることによってトランスファモジュール12を延伸する。新たな搬送ユニット11にも、他の搬送ユニット11と同様に、底部内側において、複数の矩形状のコイル18が2列且つ平行に配置されるとともに、2つの給電線16が配置されるので、新たな搬送ユニット11がトランスファモジュール12に連結された際、当該新たな搬送ユニット11の複数のコイル18はトランスファモジュール12の一対のコイル列15を延伸し、当該新たな搬送ユニット11の各給電線16はトランスファモジュール12の各給電線16を延伸する。
【0054】
したがって、基板処理システム10では簡便にトランスファモジュール12を延伸することができ、これに伴って搬送ユニット11へ接続されるプロセスモジュール13を増設することができる。また、トランスファモジュール12から搬送ユニット11を除去することにより、簡便にトランスファモジュール12を短縮することができ、これに伴ってプロセスモジュール13を削減することができる。すなわち、基板処理システム10では容易にウエハWの処理数を増減することができる。
【0055】
本発明の実施の形態に係る搬送システムによれば、サーボモータドライバ24にサーボモータ23の動作を指令するサーボモータコントローラ25がスライドボックス17以外の場所、具体的にはトランスファモジュール12の外に配置されるので、搬送室Sの内部に配置されてウエハWの位置を検知するセンサ22をサーボモータコントローラ25へ配線30で接続することができ、もって、センサ22からのウエハWの位置情報を大量にサーボモータコントローラ25へ伝送することができる。その結果、サーボモータコントローラ25は大量の位置情報に基づいてウエハWの2軸方向(X方向及びY方向)に関する動作を同時且つ正確に算出することができ、搬送されるウエハWの位置を正確に調整することができる。
【0056】
また、上述したトランスファモジュール12では、搬送室Sの内部は減圧されているので、スライドボックス17から熱が搬送室Sの内部へ放出されず、スライドボックス17は内蔵する機器が放出する熱によって加熱されるが、サーボモータコントローラ25がスライドボックス17において熱を放出することがないので、スライドボックス17はさほど加熱されず、その結果、スライドボックス17内に配置されるサーボモータ23やサーボモータドライバ24が熱で破損されるのを防止することができる。
【0057】
上述したトランスファモジュール12では、スライドボックス17へ非接触で電力が供給されるため、スライドボックス17内の消費可能な電力は制限されるが、サーボモータコントローラ25がスライドボックス17において電力を消費することがないので、スライドボックス17内に配置されるサーボモータ23等の電力が不足するのを防止することができる。
【0058】
また、上述したトランスファモジュール12では、スライドボックス17がリニアモータ機構によって移動されるが、サーボモータコントローラ25によってスライドボックス17の慣性重量が増すことがないので、スライドボックス17を円滑且つ正確に移動させることができる。
【0059】
さらに、上述したトランスファモジュール12では、ホストコンピュータ28及びサーボモータコントローラ25は配線30を介した有線通信を行うので、サーボモータコントローラ25はホストコンピュータ28から大量の工程情報を得ることができ、スライドボックス17の動作を正確に算出することができる。
【0060】
また、リニアモータドライバ29及びサーボモータコントローラ25も配線30を介した有線通信を行うので、サーボモータコントローラ25は大量の制御信号をリニアモータドライバ29へ伝送することができ、もって、スライドボックス17の動作をより正確に算出することができる。
【0061】
以上、本発明について、実施の形態を用いて説明したが、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではない。
【0062】
上述したトランスファモジュール12では、サーボモータドライバ24及びサーボモータコントローラ25が光通信によって互いに情報を伝送したが、サーボモータドライバ24及びサーボモータコントローラ25の間の通信形態は光通信に限られず、配線を用いない通信であれば、これを用いることができる。例えば、電波通信や音波通信を用いてもよいが、特に、高速シリアル通信であることが好ましい。
【0063】
また、サーボモータドライバ24及びサーボモータコントローラ25の間の光通信はシリアル通信に限られず、より大量の情報を伝送可能なコマンドレベルの通信であってもよい。
【0064】
さらに、搬送室Sの内部は減圧されていなくてもよく、例えば、スライドボックス17の内部が大気圧に維持されている場合であっても、本発明をトランスファモジュール12へ適用することができる。
【0065】
サーボモータコントローラ25の配置場所は、トランスファモジュール12の外に限られず、単にスライドボックス17へ配置されなければよい。但し、ウエハWの2軸方向に関する動作を同時且つ正確に算出するために、サーボモータコントローラ25は各センサ22と配線30によって接続可能な場所に配置されるのが好ましい。また、ホストコンピュータ28の配置場所も、トランスファモジュール12の外に限られず、単にスライドボックス17へ配置されなければよい。
【符号の説明】
【0066】
S 搬送室
W ウエハ
10 基板処理システム
12 トランスファモジュール
13 プロセスモジュール
17 スライドボックス
22 センサ
23 サーボモータ
24 サーボモータドライバ
25 サーボモータコントローラ
26 第1の光通信デバイス
27 第2の光通信デバイス
28 ホストコンピュータ
29 リニアモータドライバ
30 配線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7