【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明の対象は、任意の立体異性体形態又は任意の比率の立体異性体形態の混合物である(in any of its steretoisomeric forms or a mixture of stereoisomeric forms in any ratio)式I:
【化2】
〔式中、
Aは、C(R
1)及びNから成る系列より選択され;
Dは、C(R
2)及びNから成る系列より選択され;
Eは、C(R
3)及びNから成る系列より選択され;
Lは、C(R
4)及びNから成る系列より選択され;
上記において、A、D、E又はLのうちの少なくとも1つ、そして多くても2つは、Nであり(where at least one and at most two of A, D, E or L is N);
Gは、R
71−O−C(O)−、R
72−N(R
73)−C(O)−及びテトラゾール−5−イルから成る系列より選択され;
R
1は、水素、ハロゲン、(C
1−C
6)−アルキル、HO−、(C
1−C
6)−アルキル−O−、(C
1−C
6)−アルキル−S(O)
m−及びNC−から成る系列より選択され;
R
2は、水素、ハロゲン、(C
1−C
7)−アルキル、(C
1−C
6)−アルキル−O−、(C
1−C
6)−アルキル−CO−、(C
1−C
6)−アルキル−CO−HN−、−NR
12R
13、Het
2、(C
3−C
7)−シクロアルキル−C
sH
2s−及びAr−C
sH
2s−(上記において、sは、0、1、2及び3から成る系列より選択される整数である)から成る系列より選択され;
R
3は、水素、ハロゲン、(C
1−C
6)−アルキル、(C
1−C
6)−アルキル−S(O)
m−、Het
4−(O)
t−、−NR
12R
13、Het
2、R
11−O−、R
12−N(R
13)−C(O)−O−及びHet
2−C(O)−O−及びNC−(上記において、sは、0、1、2及び3から成る系列より選択される整数であり、そして上記において、tは、0及び1から成る系列より選択される整数である)から成る系列より選択され;
R
4は、水素、ハロゲン、(C
1−C
6)−アルキル、(C
1−C
6)−アルキル−O−、HO−、NR
12R
13、Het
2から成る系列より選択され;
【0013】
R
10は、水素、ハロゲン、(C
1−C
6)−アルキル、(C
1−C
6)−アルキル−O−、(C
1−C
6)−アルキル−S(O)
m−、HO−、−NR
12R
13、Het
2、フェニル−C
sH
2s−(O)
t−(上記において、sは、0、1、2及び3から成る系列より選択される整数であり、そして上記において、tは、0及び1から成る系列より選択される整数である)から成る系列より選択され;
又は
R
1及びR
2、又はR
2及びR
3は、ピリジルを形成し(or R
1 and R
2 or R
2 and R
3 or form pyridyl);
又は
R
1及びR
2は、−C((C
1−C
3)−アルキル)=N−N((C
1−C
3)−アルキル)−であり;
又は
R
2及びR
3は、−NH−CH=N−であり;
但し、R
1、R
2、R
3、R
4又はR
10のうちの1つは、環状置換基(cyclic substituent)であることを条件とするものとし;
R
11は、水素、R
14、(C
3−C
7)−シクロアルキル、Ar及びHet
3から成る系列より選択され;
R
12及びR
13は、互いに、独立して、水素及びR
15から成る系列より選択され;
R
14は、(C
1−C
10)−アルキルであり、該(C
1−C
10)−アルキルは、場合により
、ハロゲン、HO−、R
16−O−、オキソ、(C
3−C
7)−シクロアルキル、Ar、Het
1、Het
3、NC−、H
2N−C(O)−、(C
1−C
4)−アルキル−NH−C(O)−、ジ((C
1−C
4)−アルキル)N−C(O)−、Het
1−C(O)−、(C
1−C
4)−アルキル−C(O)−NH−及び(C
1−C
4)−アルキル−S(O)
m−から成る系列より選択される、1つ又はそれより多い同一又は相異なる置換基によって置換されていることもあり;
R
15は、(C
1−C
6)−アルキルであり、該(C
1−C
6)−アルキルは、場合により、ハロゲン、HO−及び(C
1−C
6)−アルキル−O−から成る系列より選択される、1つ又はそれより多い同一又は相異なる置換基によって置換されていることもあり;
R
16は、(C
1−C
6)−アルキルであり、該(C
1−C
6)−アルキルは、場合により、HO−、(C
1−C
4)−アルキル−O−及びNC−から成る系列より選択される、1つ又はそれより多い同一又は相異なる置換基によって置換されていることもあり;
R
30は、R
31、(C
3−C
7)−シクロアルキル、R
32−C
uH
2u−及びHet
3−C
uH
2u−(上記において、uは、0、1、2及び3から成る系列より選択される整数である)から成る系列より選択され;
R
31は、(C
1−C
10)−アルキルであり、該(C
1−C
10)−アルキルは、場合により、ハロゲン、(C
3−C
7)−シクロアルキル、HO−、(C
1−C
6)−アルキル−O−、(C
1−C
6)−アルキル−S(O)
m−及びNC−から成る系列より選択される、1つ又はそれより多い同一又は相異なる置換基によって置換されていることもあり;
【0014】
R
32は、フェニル、及び芳香族の5員又は6員の単環式へテロ環(該へテロ環は、窒素、酸素及び硫黄から成る系列より選択される、1つ、2つ若しくは3つの、同一又は相異なる環へテロ原子を含み、そして環炭素原子を介して結合する)から成る系列より選択され、上記において、フェニル及びヘテロ環はすべて、場合により、ハロゲン、(C
1−C
6)−アルキル、(C
3−C
7)−シクロアルキル、R
33、HO−、(C
1−C
6)−アルキル−O−、R
33−O−、R
33−(C
1−C
4)−アルキル−O−、−O−CH
2−O−、−O−CF
2−O−、(C
1−C
6)−アルキル−S(O)
m−、H
2N−S(O)
2−、(C
1−C
4)−アルキル−NH−S(O)
2−、ジ((C
1−C
4)−アルキル)N−S(O)
2−、H
2N−、(C
1−C
6)−アルキル−NH−、ジ((C
1−C
6)−アルキル)N−、Het
1、(C
1−C
4)−アルキル−C(O)−NH−、Ar−C(O)−NH−、(C
1−C
4)−アルキル−S(O)
2−NH−及びNCから成る系列より選択される、1つ又はそれより多い同一又は相異なる置換基によって置換されていることもあり;
R
33は、フェニル、及び芳香族の5員又は6員の単環式へテロ環(該へテロ環は、窒素、酸素及び硫黄から成る系列より選択される、1つ、2つ若しくは3つの、同一又は相異なる環へテロ原子を含み、そして環炭素原子を介して結合する)から成る系列より選択され、上記において、フェニル及びヘテロ環はすべて、場合により、ハロゲン、(C
1−C
6)−アルキル、(C
3−C
7)−シクロアルキル、HO−、(C
1−C
6)−アルキル−O−、(C
1−C
6)−アルキル−S(O)
m−、H
2N−S(O)
2−、(C
1−C
4)−アルキル−NH−S(O)
2−、ジ((C
1−C
4)−アルキル)N−S(O)
2−及びNC−から成る系列より選択される、1つ又はそれより多い同一又は相異なる置換基によって置換されていることもあり;
R
40は、水素及び(C
1−C
4)−アルキルから成る系列より選択され;
又は
R
30及びR
40は一緒になって、(CH
2)
x(上記において、xは、2、3、4及び5から成る系列より選択される整数である)であり、これは、場合により、1つ又はそれより多い同一又は相異なる(C
1−C
4)−アルキル置換基によって置換されていることもあり;
R
50は、水素、(C
1−C
6)−アルキル、HO−及び(C
1−C
6)−アルキル−O−から成る系列より選択され;
R
60は、水素及び(C
1−C
6)−アルキルから成る系列より選択され;
又は
R
50及びR
60は一緒になって、(CH
2)
y(上記において、yは、2、3、4及び5から成る系列より選択される整数である)であり、これは、場合により、1つ又はそれより多い同一又は相異なる(C
1−C
4)−アルキル置換基によって置換されていることもあり;
【0015】
R
71は、水素及び(C
1−C
8)−アルキル[これは、場合により、(C
1−C
6)−アルキル−O−及び(C
1−C
6)−アルキル−C(O)−O−から成る系列より選択される、1つ又はそれより多い同一又は相異なる置換基によって置換されていることもある]から成る系列より選択され;
R
72は、水素、(C
1−C
6)−アルキル、(C
3−C
6)−シクロアルキル、−CH
2−(CH
2)
b−(C
3−C
6)−シクロアルキル、Het
4及び−(CH
2)
b−Het
4から成る系列より選択され、上記において、アルキル又はシクロアルキルは、場合により、ハロゲン、HO−、HOOC−、(C
1−C
6)−アルキル−O−及び(C
1−C
6)−アルキル−C(O)−O−、NC−、N((C
1−C
4)−アルキル)
2から成る系列より選択される、1つ又はそれより多い同一又は相異なる置換基によって置換されていることもあり、そして bは、0、1又は2であり;
R
73は、水素、(C
1−C
6)−アルキルから成る系列より選択され;
又は
R
72及びR
73は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、飽和の4員〜7員の単環式へテロ環を形成し、該へテロ環は、場合により、窒素、酸素及び硫黄から成る系列より選択される1つの更なる環ヘテロ原子を含んでいることもあり、こうしたヘテロ環は、場合により、ハロゲン、(C
1−C
4)−アルキル、HO−及び(C
1−C
4)−アルキル−O−から成る系列より選択される、1つ又はそれより多い同一又は相異なる置換基によって置換されていることもあり;
Arは、他のすべての基Arとは独立して、フェニル、及び芳香族の5員又は6員の単環式へテロ環(該へテロ環は、窒素、酸素及び硫黄から成る系列より選択される、1つ、2つ若しくは3つの、同一又は相異なる環へテロ原子を含み、そして環炭素原子を介して結合する)から成る系列より選択され、上記において、フェニル及びヘテロ環はすべて、場合により、ハロゲン、(C
1−C
6)−アルキル、HO−(C
1−C
6)−アルキル、Het
4、−(CH
2)
x−フェニル、(C
1−C
6)−アルキル−O−、(C
3−C
7)−シクロアルキル−(CH
2)
x−O−、−CF
3、−CO−(C
1−C
6)−アルキル、−NR
12R
13、Het
2、−CO−NR
12R
13、CO−Het
2、(C
1−C
6)−アルキル−S(O)
m−、H
2N−S(O)
2−及びNC−から成る系列より選択される、1つ又はそれより多い同一又は相異なる置換基によって置換されていることもあり;
そして、上記において、フェニルは、−CH=CH−CH=CH−、−O−CH
2−O−、−O−CH
2−CH
2−O−、−O−CF
2−O−又は−N((C
1−C
3)−アルキル)−CH=CH−によって置換されていてもよく;
【0016】
Het
1は、他のすべての基Het
1とは独立して、飽和又は不飽和の、4員〜8員の単環式へテロ環であり、該ヘテロ環は、Het
1が結合する環窒素原子を含み、そして、場合により、窒素、酸素及び硫黄から成る系列より選択される、1つ若しくは2つの、同一又は相異なる更なる環ヘテロ原子を含んでいることもあり、こうしたヘテロ環は、場合により、ハロゲン、(C
1−C
4)−アルキル、HO−、(C
1−C
4)−アルキル−O−、オキソ及びNC−から成る系列より選択される、1つ又はそれより多い同一又は相異なる置換基によって置換されていることもあり;
Het
2は、飽和の、4員〜7員の単環式へテロ環であり、該ヘテロ環は、Het
2が結合する環窒素原子を含み、そして、場合により、窒素、酸素及び硫黄から成る系列より選択される1つの更なる環ヘテロ原子を含んでいることもあり、こうしたヘテロ環は、場合により、ハロゲン、(C
1−C
4)−アルキル、HO−及び(C
1−C
4)−アルキル−O−
から成る系列より選択される、1つ又はそれより多い同一又は相異なる置換基によって置換されていることもあり;
Het
3は、他のすべての基Het
3とは独立して、飽和の、4員〜7員の単環式へテロ環であり、該ヘテロ環は、窒素、酸素及び硫黄から成る系列より選択される、1つ若しくは2つの、同一又は相異なる環へテロ原子を含み、そして環炭素原子を介して結合し、こうしたヘテロ環は、場合により、フッ素、(C
1−C
4)−アルキル及びオキソから成る系列より選択される、1つ又はそれより多い同一又は相異なる置換基によって置換されていることもあり;
Het
4は、他のすべての基Het
4とは独立して、飽和又は不飽和の、4員〜8員の単環式へテロ環であり、該ヘテロ環は、窒素、酸素及び硫黄から成る系列より選択される1つ〜4つの環ヘテロ原子を含み、こうしたヘテロ環は、場合により、ハロゲン、(C
1−C
4)−アルキル、HO−、(C
1−C
4)−アルキル−O−、オキソ及びNC−から成る系列より選択される、1つ又はそれより多い同一又は相異なる置換基によって置換されていることもあり;
【0017】
mは、他のすべての数mとは独立して、0、1及び2から成る系列より選択される整数であり;
上記において、シクロアルキル基はすべて、互いに独立して、場合により、フッ素及び(C
1−C
4)−アルキルから成る系列より選択される、1つ又はそれより多い同一又は相異なる置換基によって置換されていることもあり;
上記において、アルキル、C
sH
2s、C
uH
2u、(CH
2)
x及び(CH
2)
y基は、すべて、互いに独立して、そして他の任意の置換基とは独立して、場合により、1つ又はそれより多いフッ素置換基によって置換されていることもある〕
の化合物、又はその生理学的に許容される塩、又はそれらのいずれかの生理学的に許容される溶媒和物である。
【0018】
例えば、基、置換基又は数などの構造エレメントが式Iの化合物中に複数回存在しうる場合には、それらはすべて、互いに独立しており、そしてそれぞれの場合に、任意の指示されている意味を有することができ、そしてそれらはそれぞれの場合に、他のいずれかのそのようなエレメントと同一であってもよいし、それとも異なっていてもよい。例えば、ジアルキルアミノ基では、このアルキル基は、同一であっても、それとも相異なっていてもよい。
【0019】
アルキル基、すなわち、飽和炭化水素残基は、直線(直鎖状)であっても、それとも分岐鎖状であってもよい。これはまた、これらの基が置換されている場合、あるいは別の基の一部分である場合、例えば、アルキル−O−基(アルキルオキシ基、アルコキシ基)、又はHO−によって置換されたアルキル基(ヒドロキシアルキル基)にも適用される。それぞれの定義に応じて、アルキル基中の炭素原子の数は、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個、あるいは1、2、3、4、5、6、7又は8個、あるいは1、2、3、4、5又は6個、あるいは1、2、3又は4個、あるいは1、2又は3個、あるいは1又は2個、あるいは1個であることができる。本発明の一実施態様では、式Iの化合物中に存在する(C
1−C
10)−アルキル基は、(C
1−C
8)−アルキル基であり、別の実施態様では(C
1−C
6)−アルキル基であり、別の実施態様では(C
1−C
4)−アルキル基であり、別の実施態様では(C
1−C
3)−アルキル基であり、別の実施態様では(C
1−C
2)−アルキル基であり、別の実施態様では(C
2−C
3)−アルキル基であり、別の実施態様ではメチル基である。本発明の一実施態様では、式Iの化合物のいずれかの位置に存在する(C
1−C
8)−アルキル基は、(C
1−C
6)−アルキル基であり、別の実施態様では(C
1−C
4)−アルキル基であり、別の実施態様では(C
1−C
3)−アルキル基であり、別の実施態様では(C
1−C
2)−アルキル基であり、別の実施態様では(C
2−C
3)−アルキル基であり、別の実施態様ではメチル基であり、上記において、式Iの
化合物中に存在するどの(C
1−C
8)−アルキル基も、他のすべての(C
1−C
8)−アルキル基とは独立して、これらの実施態様のいずれかの基でありうる。本発明の一実施態様では、式Iの化合物のいずれかの位置に存在する(C
1−C
6)−アルキル基は、(C
1−C
4)−アルキル基であり、別の実施態様では(C
1−C
3)−アルキル基であり、別の実施態様では(C
1−C
2)−アルキル基であり、別の実施態様では(C
2−C
3)−アルキル基であり、別の実施態様ではメチル基であり、上記において、式Iの化合物中に存在するどの(C
1−C
6)−アルキル基も、他のすべての(C
1−C
6)−アルキル基とは独立して、これらの実施態様のいずれかの基でありうる。本発明の一実施態様では、式Iの化合物のいずれかの位置に存在する(C
1−C
4)−アルキル基は、(C
1−C
3)−アルキル基であり、別の実施態様では(C
1−C
2)−アルキル基であり、別の実施態様では(C
2−C
3)−アルキル基であり、別の実施態様ではメチル基であり、上記において、式Iの化合物中に存在するどの(C
1−C
4)−アルキル基も、他のすべての(C
1−C
4)−アルキル基とは独立して、これらの実施態様のいずれかの基でありうる。アルキル基の例には、メチル基、エチル基、プロピル(すなわち、n−プロピル)及びイソプロピルを含むプロピル基、ブチル(すなわち、n−ブチル)、sec−ブチル、イソブチル及びtert−ブチルを含むブチル基、ペンチル(すなわち、n−ペンチル)、1−メチルブチル、イソペンチル、ネオペンチル及びtert−ペンチルを含むペンチル基、ヘキシル(すなわち、n−ヘキシル)、3,3−ジメチルブチル及びイソヘキシルを含むヘキシル基、ヘプチル(すなわち、n−ヘプチル)を含むヘプチル基、オクチル(すなわち、n−オクチル)を含むオクチル基、ノニル(すなわち、n−ノニル)を含むノニル基、及びデシル(すなわち、n−デシル)を含むデシル基がある。アルキル−O−基の例には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ(すなわち、n−プロポキシ)、イソプロポキシ、ブトキシ(すなわち、n−ブトキシ)、イソブトキシ、tert−ブトキシ、ペントキシ(すなわち、n−ペントキシ)がある。アルキル−S(O)
m−の例には、メチルスルファニル−(CH
3−S−)、メタンスルフィニル−(CH
3−S(O)−)、メタンスルホニル(CH
3−S(O)
2−)、エチルスルファニル−(CH
3−CH
2−S−)、エタンスルフィニル−(CH
3−CH
2−S(O)−)、エタンスルホニル(CH
3−CH
2−S(O)
2−)、1−メチルエチルスルファニル−((CH
3)
2CH−S−)、1−メチルエタンスルフィニル−((CH
3)
2CH−S(O)−)、1−メチルエタンスルホニル((CH
3)
2CH−S(O)
2−)がある。本発明の一実施態様では、数mは、0及び2から選択され、上記において、数mはすべて、互いに独立しており、そして同一であっても、それとも相異なっていてもよい。別の実施態様では、そのいずれかの出現する数mは、他に出現する場合のその意味とは独立して、0である。別の実施態様では、そのいずれかの出現する数mは、他に出現する場合のその意味とは独立して、2である。
【0020】
置換アルキル基は、それぞれの化合物が医薬活性化合物として十分に安定であり、かつ適切であるという条件で、任意の位置で置換することができる。式Iの特定の基及び化合物が医薬活性化合物として十分に安定であり、かつ適切であるという前提条件は、式Iの化合物中のすべての基の定義に関して一般的に適用される。本発明の一実施態様では、式Iの化合物中の任意のアルキル基、並びに、例えば、シクロアルキル基及びヘテロ環基(heterocyclic groups)などの他の基中の各炭素原子は、他のあらゆる炭素原子とは独立して、例えば、HO−、(C
1−C
4)−アルキル−O−、又は(C
1−C
4)−アルキル−S(O)
m−置換基などの酸素原子、窒素原子又は硫黄原子を介して結合している1つより多い置換基を持っていない。場合により、1つ又はそれより多いフッ素置換基によって置換されていることもあるアルキル基は非置換であってもよく、すなわち、フッ素置換基を持っていなくてもよく、あるいは、このアルキル基は、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10若しくは11個のフッ素置換基によって、又は1、2、3、4、5、6若しくは7個のフッ素置換基によって、又は1、2、3、4若しくは5個のフッ素置換基によって、又は1、2若しくは3個のフッ素置換基によって置換されていてもよく、これらは任意の位置に位置することができる。例えば、フルオロ置換アルキル基では、1つ又はそれより多いメチル基は、それぞれ3個のフッ素置換基を持つことができ、そしてトリフルオロメチル基として存在することができ、及び/又は、1つ又はそれより多いメチレン基(CH
2)は、それぞれ2個のフッ素置換基を持つことができ、そしてジフルオロメチレン基として存在することができる。フッ素による基の置換に関する説明はまた、この基がこれに加えて他の置換基を持っている場合、及び/又は別の基の一部分である場合、例えば、アルキル−O−基の一部分である場合にも適用される。フルオロ置換アルキル基の例には、トリフルオロメチル、2−フルオロエチル、1−フルオロエチル、1,1−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、3,3,3−トリフルオロプロピル、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル、4,4,4−トリフルオロブチル及びヘプタフルオロイソプロピルがある。フルオロ置換アルキル−O−基の例には、トリフルオロメトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、ペンタフルオロエトキシ及び3,3,3−トリフルオロプロポキシがある。フルオロ置換アルキル−S(O)
m−基の例には、トリフルオロメチルスルファニル−(CF
3−S−)、トリフルオロメタンスルフィニル−(CF
3−S(O)−)及びトリフルオロメタンスルホニル−(CF
3−S(O)
2−)がある。
【0021】
アルキル基に関する上記の説明は、二価の基であるC
sH
2s、C
uH
2u、(CH
2)
x及び(CH
2)
yを含むアルカンジイル基(二価のアルキル基)にも同様に適用される。また置換アルキル基のアルキル部分は、アルカンジイル基とみなす場合もありうる。すなわち、アルカンジイル基はまた、直鎖であっても、それとも分岐鎖であってもよく、隣接する基への結合は任意の位置に位置することができ、そして同じ炭素原子からでも、異なった炭素原子からでも出発することができ、そしてそれらはフッ素置換基によって置換されていてもよい。基C
sH
2s及びC
uH
2u、並びにそれらがポリメチレン鎖を構成するような場合である、基(CH
2)
xを含むアルカンジイル基の例には、−CH
2−、−CH
2−CH
2−、−CH
2−CH
2−CH
2−、−CH
2−CH
2−CH
2−CH
2−、−CH
2−CH
2−CH
2−CH
2−CH
2−、−CH(CH
3)−、−C(CH
3)
2−、−CH(CH
3)−CH
2−、−CH
2−CH(CH
3)−、−C(CH
3)
2−CH
2−、−CH
2−C(CH
3)
2−がある。例えば、1、2、3、4、5又は6個のフッ素置換基、あるいは1、2、3又は4個のフッ素置換基、あるいは1又は2個のフッ素置換基を含みうるフルオロ置換アルカンジイル基の例には、−CHF−、−CF
2−、−CF
2−CH
2−、−CH
2−CF
2−、−CF
2−CF
2−、−CF(CH
3)−、−C(CF
3)
2−、−C(CH
3)
2−CF
2−、−CF
2−C(CH
3)
2−がある。
【0022】
(C
3−C
7)−シクロアルキル基中の環炭素原子の数は、3、4、5、6又は7個でありうる。シクロアルキルの例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロヘプチルがある。場合により、シクロアルキル基が、1つ又はそれより多い(C
1−C
4)−アルキル置換基によって置換されていることもあることについていえば、それらは非置換(すなわち、それらは、アルキル置換基を持っていない)であってもよいし、あるいは、例えば、1、2、3若しくは4個、又は1若しくは2個の、同一又は相異なる(C
1−C
4)−アルキル置換基、例えば、メチル基によって置換されていてもよく、この置換基は任意の位置に位置することができる。こうしたアルキルによって置換されているシクロアルキル基の例には、1−メチルシクロプロピル、2,2−ジメチルシクロプロピル、1−メチルシクロペンチル、2,3−ジメチルシクロペンチル、1−メチルシクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル、4−イソプロピルシクロヘキシル、4−tert−ブチルシクロヘキシル及び3,3,5,5−テトラメチルシクロヘキシルがある。場合により、シクロアルキル基が、1つ又はそれより多いフッ素置換基によって置換されていることもあることについていえば、それらは非置換[すなわち、それらは、フッ素置換基を持っていない]であってもよいし、あるいは、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10若しくは11個のフッ素置換基によって、又は1、2、3、4、5若しくは6個のフッ素置換基によって、又は1、2、3又は4個のフッ素置換基によって、又は1若しくは2個のフッ素置換基によって置換されていてもよい。このフッ素置換基は、シクロアルキル基の任意の位置に位置することができ、そしてまたシクロアルキル基上のアルキル置換基中に位置することもできる。フルオロによって置換されているシクロアルキル基の例には、1−フルオロシクロプロピル、2,2−ジフルオロシクロプロピル、3,3−ジフルオロシクロブチル、1−フルオロシクロヘキシル、4,4−ジフルオロシクロヘキシル及び3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロヘキシルがある。シクロアルキル基はまた、フッ素及びアルキルによって同時に置換されうる。R
11又はR
30に相当しうる(C
3−C
7)−シクロアルキルによって置換されているアルキル基の例には、例えば、シクロプロピルメチル−、シクロブチルメチル−、シクロペンチルメチル−、シクロヘキシルメチル−、シクロヘプチルメチル−、1−シクロプロピルエチル−、2−シクロプロピルエチル−、1−シクロブチルエチル−、2−シクロブチルエチル−、1−シクロペンチルエチル−、2−シクロペンチルエチル−、1−シクロヘキシルエチル−、2−シクロヘキシルエチル−、1−シクロヘプチルエチル−、2−シクロヘプチルエチル−がある。シクロアルキル基に関する説明は、2つの基R
30及びR
40が一緒になって(CH
2)
xである場合、又は2つの基R
50及びR
60が一緒になって(CH
2)
yである場合に存在しうる、二価のシクロアルキル基(シクロアルカンジイル基)にも同様に適用される。また、置換シクロアルキル基のシクロアルキル部分は、シクロアルカンジイル基とみなすことができる。従って、例えば、シクロアルカンジイル基が隣接する基にそれを介して結合する結合は、任意の位置に位置することができ、R
30及びR
40が一緒になって(CH
2)
xであるか、あるいは2つの基R
50及びR
60が一緒になって(CH
2)
yである場合に存在するシクロアルカンジイル基の場合と同様に、同じ環炭素原子から出発してもよいし、それとも異なる環炭素原子から出発してもよい。
【0023】
置換フェニル基では、この置換基は、任意の位置に位置することができる。フェニル基及び芳香族へテロ環上に位置しうる、二価の置換基−O−CH
2−O−(メチレンジオキシ)及び−O−CF
2−O−(ジフルオロメチレンジオキシ)の場合は、2つの酸素原子がフェニル基又は芳香族へテロ環の隣接する環炭素原子に結合し、親系(parent system)の2つの水素原子が置き換えられる。一置換フェニル基では、この置換基は、2の位置、3の位置又は4の位置に位置することができる。二置換フェニル基では、各置換基は、2,3の位置、2,4の位置、2,5の位置、2,6の位置、3,4の位置、又は3,5の位置に位置することができる。三置換フェニル基では、各置換基は、2,3,4の位置、2,3,5の位置、2,3,6の位置、2,4,5の位置、2,4,6の位置、又は3,4,5の位置に位置することができる。フェニル基が4個の置換基を持っている場合には、そのうちの一部はフッ素原子でありえ、例えば、置換基は、2,3,4,5の位置、2,3,4,6の位置、あるいは2,3,5,6の位置に位置することができる。多置換フェニル基が異なる置換基を持っている場合には、それぞれの置換基は、任意の適切な位置に位置することができ、そしてこの発明は、位置異性体をすべて含んでなる。場合により、置換されていることもあるフェニル基中の置換基の数は、1、2、3、4又は5個でありうる。本発明の一実施態様では、場合により、置換されていることもあるフェニル基は、式Iの化合物中の、場合により、置換されていることもあるフェニル基の他のいずれかとは独立して、1、2、3、又は4個の、別の実施態様では、1、2、又は3個の、別の実施態様では、1又は2個の、別の実施態様では1個の、同一又は相異なる置換基を有し、そして別の実施態様では非置換である。
【0024】
同様に、R
32、R
33及びArに相当しうる、芳香族の5員及び6員の単環式へテロ環、Het
1に相当しうる飽和及び不飽和の、4員〜8員の単環式へテロ環、並びにHet
2及びHet
3に相当しうる飽和の4員〜7員の単環式へテロ環を含む、置換ヘテロ環基では、置換基は任意の位置に位置することができ、環炭素原子上及び/又は適切な環窒素原子上に存在することができる。この発明は、位置異性体をすべて含んでなる。式Iの化合物中の置換へテロ環上に存在することができる置換基の数は、環の大きさ、環へテロ原子の数及び種類、並びに不飽和の程度に左右される。本発明の一実施態様では、式Iの化合物中のすべてのヘテロ環基上の同一又は相異なる置換基の数は、この基の他のいずれかの出現する置換基の数、及び式Iの化合物中の他のすべてのヘテロ環基中の置換基の数とは独立して、1、2、3、4又は5個であり、別の実施態様では、1、2、3又は4個であり、別の実施態様では、1、2又は3個であり、別の実施態様では、1又は2個であり、別の実施態様では1個である。場合により、置換基を持っていることもある環窒素原子は、こうした環がそれを介して結合する環窒素原子以外の飽和ヘテロ環の環中の環窒素原子、そして親へテロ環中に水素原子を持っている、ピロール、イミダゾール又はトリアゾールなどの5員の芳香族式ヘテロ環中の環窒素原子を含む。本発明の一実施態様では、炭素原子を介して結合しているヘテロ環基中のいずれかのこうした環窒素原子上の置換基は、それぞれの基の定義で特定されているそれらの置換基から、例えば、(C
1−C
6)−アルキル、(C
3−C
7)−シクロアルキル及びR
33から成る系列より選択され、別の実施態様では、R
32に相当しうる芳香族式ヘテロ環の場合には、(C
1−C
6)−アルキル及び(C
3−C
7)−シクロアルキルから成る系列より選択され、R
33に相当しうる芳香族式ヘテロ環の場合には、(C
1−C
6)−アルキル及び(C
3−C
7)−シクロアルキルから成る系列より選択され、そしてArに相当しうる芳香族式ヘテロ環の場合には、(C
1−C
6)−アルキルであり、Het
1、Het
2及びHet
3の場合には、(C
1−C
4)−アルキルである。通例、場合により、それぞれの基の定義中に指示されている置換基を持っていることもあることのほかに、式Iの化合物中のヘテロ環基、特に、R
32、R
33及びArに相当しうるヘテロ環基のような芳香族式へテロ環基[例えば、ピリジニル基中の環窒素原子]中の適切な環窒素原子はまた、オキシド置換基−O
-を持つことができ、そしてN−オキシドとして存在しうる。
【0025】
R
32、R
33及びArに相当しうる芳香族の5員及び6員の単環式ヘテロ環、並びにHet
1、Het
2、Het
3及びHet
4に相当するヘテロ環を含む、式Iの化合物中のヘテロ環基の定義において特定された環へテロ原子は通例、任意の組み合わせで存在することができ、そして任意の適切な環の位置に位置することができる。但し、この結果生じた基及び式Iの化合物は、上記に言及したごとく医薬活性化合物として十分に安定で、かつ適切であることを条件とするものとする。本発明の一実施態様では、式Iの化合物中のすべてのヘテロ環式環中の2つの酸素原子は、環の隣接した位置に存在することはできない。別の実施態様では、式Iの化合物中のすべての非芳香族ヘテロ環式環中の2つの環へテロ原子は、環の隣接した位置に存在することはできない。別の実施態様では、水素原子又は置換基を持っており、そして単結合によって隣接する環原子に結合しているN原子(複数)、非芳香族ヘテロ環中のO原子及びS原子から成る系列より選択される2つの環へテロ原子は、隣接する環の位置に存在することはできない。芳香族ヘテロ環では、環へテロ原子の選択及びそれらの位置は、その環が芳香族式である、すなわち、これは6個の非局在化したパイ電子の環系を含んでいるという前提条件によって制限される。従って、例えば、芳香族単環式の6員のヘテロ環では、窒素原子だけが環へテロ原子として存在することができ、そして芳香族単環式の5員のヘテロ環では、水素原子又は置換基を持っているO原子、S原子及びN原子から成る系列より選択される、1つの環へテロ原子だけが存在することができる。Het
1に相当しうる不飽和ヘテロ環は、芳香族であってもよいし[例えば、環窒素原子を介して結合し、Het
1に相当しうるピロリル、イミダゾリル、又はトリアゾリル基の場合]、それとも非芳香族であってもよく、そして環内に任意の位置に存在することができる1つ又は2つの二重結合を含むことができる。一実施態様では、Het
1に相当する4員のヘテロ環は、不飽和であることはできない。ヘテロ環基は、それぞれの基の定義中で示されているごとく、任意の環炭素原子を介して、あるいは、任意の適切な環窒素原子を介して、それぞれ結合することができる。基Het
1は、4員、5員、6員又は7員又は8員でありうる。基Het
2及びHet
3は、4員、5員、6員又は7員でありうる。
【0026】
本発明の一実施態様では、R
32、R
33及びAr、及び適用可能である限り、基Het
1に相当しうる芳香族の5員及び6員の単環式ヘテロ環が、その任意の1つ若しくは複数から選択される、芳香族式ヘテロ環の例には、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール([1,3]オキサゾール)、イソオキサゾール([1,2]オキサゾール)、チアゾール([1,3]チアゾール)、イソチアゾール([1,2]チアゾール)、[1,2,3]トリアゾール、[1,2,4]トリアゾール、[1,3,4]オキサジアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン及びピラジンがあり、これらはすべて、いずれかの環炭素原子を介して結合していてもよいし、それともいずれかの適切な環窒素原子を介して結合していてもよく、そしてこれらはすべて、場合により、式Iの化合物に関して上記又は下記に、一般的に指示されている通り、あるいは具体的に明確に述べられているあらゆる実施態様中で指示されている通りに、置換されていることもある。本発明の一実施態様では、R
32、R
33又はAr、及び適用可能である限り、基Het
1に相当しうる芳香族の5員又は6員の単環式ヘテロ環残基が、その任意の1つ若しくは複数から選択される、芳香族式ヘテロ環の特定の残基の例には、ピロール−1−イル、ピロール−2−イル、ピロール−3−イル、フラン−2−イル、フラン−3−イル、チオフェン−2−イル(2−チエニル)、チオフェン−3−イル(3−チエニル)、イミダゾール−1−イル、イミダゾール−2−イル、イミダゾール−4−イル、イミダゾール−5−イル、ピラゾール−1−イル、ピラゾール−3−イル、ピラゾール−4−イル、ピラゾール−5−イル、オキサゾール−2−イル、オキサゾール−4−イル、オキサゾール−5−イル、イソオキサゾール−3−イル、イソオキサゾール−4−イル、イソオキサゾール−5−イル、チアゾール−2−イル、チアゾール−4−イル、チアゾール−5−イル、イソチアゾール−3−イル、イソチアゾール−4−イル、イソチアゾール−5−イル、[1,2,3]トリアゾール−1−イル、[1,2,3]トリアゾール−4−イル、[1,2,3]トリアゾール−5−イル、[1,2,4]トリアゾール−1−イル、[1,2,4]トリアゾール−3−イル、[1,2,4]トリアゾール−4−イル、[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル、ピリジン−2−イル(2−ピリジル)、ピリジン−3−イル(3−ピリジル)、ピリジン−4−イル(4−ピリジル)、ピリダジン−3−イル、ピリダジン−4−イル、ピリミジン−2−イル、ピリミジン−4−イル、及びピラジン−2−イルがあり、これらはすべて、場合により、式Iの化合物に関して上記又は下記に、一般的に指示されている通り、あるいは具体的に明確に述べられているあらゆる実施態様中で指示されている通りに、置換されていることもある。
【0027】
本発明の一実施態様では、基Het
1、Het
2、Het
3及びHet
4が、互いに独立して、その任意の1つ若しくは複数から選択される、飽和ヘテロ環及び非芳香族の不飽和ヘテロ環の例には、環の大きさ及び飽和の程度に対して適応可能である限り、アゼチジン、オキセタン、チエタン、ピロリジン、2,5−ジヒドロ−1H−ピロール、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、ピラゾリジン、イミダゾリジン、4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール、[1,3]ジオキソラン、オキサゾリジン、チアゾリジン、ピペリジン、1,2,3,6−テトラヒドロピリジン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロチオピラン、ピペラジン、[1,3]ジオキサン、[1,4]ジオキサン、モルホリン、チオモルホリン、アゼパン、オキセパン、チエパン、[1,3]ジアゼパン、[1,4]ジアゼパン、[1,4]オキサゼパン、[1,4]チアゼパン及びアゾカンがあり、これらはすべて、場合により、式Iの化合物に関して上記又は下記に、一般的に指示されている通り、あるいは具体的に明確に述べられているあらゆる実施態様中で指示されている通りに、置換されていることもある。本発明の一実施態様では、基Het
1、Het
2、Het
3及びHet
4が、互いに独立して、その任意の1つ若しくは複数から選択される、飽和ヘテロ環及び非芳香族の不飽和ヘテロ環の具体的な残基の例には、環の大きさ、飽和の程度及び残基がそれを介して結合している原子の種類に対して適応可能である限り、アゼチジン−1−イル、オキセタン−3−イル、チエタン−3−イル、ピロリジン−1−イル、ピロリジン−2−イル、ピロリジン−3−イル、2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル、テトラヒドロフラン−2−イル、テトラヒドロフラン−3−イル、テトラヒドロチオフェン−2−イル、テトラヒドロチオフェン−3−イル、ピラゾリジン−1−イル、ピラゾリジン−4−イル、イミダゾリジン−1−イル、イミダゾリジン−2−イル、イミダゾリジン−4−イル、4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル、1,3−ジオキソラン−2−イル、1,3−ジオキソラン−4−イル、オキサゾリジン−2−イル、オキサゾリジン−3−イル、オキサゾリジン−4−イル、オキサゾリジン−5−イル、チアゾリジン−2−イル、チアゾリジン−3−イル、チアゾリジン−4−イル、チアゾリジン−5−イル、ピペリジン−1−イル、ピペリジン−2−イル、ピペリジン−3−イル、ピペリジン−4−イル、1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−1−イル、テトラヒドロピラン−2−イル、テトラヒドロピラン−3−イル、テトラヒドロピラン−4−イル、テトラヒドロチオピラン−2−イル、テトラヒドロチオピラン−3−イル、テトラヒドロチオピラン−4−イル、ピペラジン−1−イル、ピペラジン−2−イル、[1,3]ジオキサン−2−イル、[1,3]ジオキサン−4−イル、[1,3]ジオキサン−5−イル、[1,4]ジオキサン−2−イル、モルホリン−2−イル、モルホリン−3−イル、モルホリン−4−イル、チオモルホリン−2−イル、チオモルホリン−3−イル、チオモルホリン−4−イル、アゼパン−1−イル、アゼパン−2−イル、アゼパン−3−イル、アゼパン−4−イル、オキセパン−2−イル、オキセパン−3−イル、オキセパン−4−イル、[1,3]ジアゼパン−1−イル、[1,4]ジアゼパン−1−イル、[1,4]オキサゼパン−1−イル及び[1,4]チアゼパン−1−イルがあり、これらはすべて、場合により、式Iの化合物に関して上記又は下記に、一般的に指示されている通り、あるいは具体的に明確に述べられているあらゆる実施態様中で指示されている通りに、置換されていることもある。
【0028】
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素である。本発明の一実施態様では、式Iの化合物中のいずれかに出現するハロゲンは、すべての他に出現する場合とは独立して、フッ素、塩素又は臭素であり、別の実施態様では、フッ素又は塩素であり、別の実施態様ではフッ素である。
【0029】
オキソ置換基、すなわち、炭素原子に結合するときに、二重結合を介して結合する酸素原子は、それに結合している親系の炭素原子上の2つの水素原子と置き換えられる。すなわち、CH
2基がオキソによって置換されている場合には、これは、カルボニル基(C(O)、C=O)になる。オキソ置換基は、芳香族式環中の炭素原子上には存在することはできない。炭素原子上のほかに、オキソ置換基はまた、基Het
1中[特に基Het
1が飽和である場合に]及び基Het
3中の環硫黄原子上に存在することもでき、1つのオキソ置換基が硫黄原子上に存在する場合には、環員S(O)(S=O、すなわち、スルホキシド基)を付与することが可能であり、あるいは2つのオキソ置換基が硫黄原子上に存在する場合には、環員S(O)
2(S(=O)
2、すなわち、スルホン基)を付与することが可能である。Het
1及びHet
3に相当しえ、そして環硫黄原子上にオキソ置換基を持っているヘテロ環の例には、1,1−ジオキソ−テトラヒドロチオフェン、1−オキソ−チオモルホリン及び1,1−ジオキソ−チオモルホリンを挙げることができ、これらはすべて、場合により、式Iの化合物に関して上記又は下記に、一般的に指示されている通り、あるいは具体的に明確に述べられているあらゆる実施態様中で指示されている通りに、(C
1−C
4)−アルキル置換基などの更なる置換基によって置換されていることもある。
【0030】
この発明は、式Iの化合物のすべての立体異性体形態、例えば、シス/トランス異性体を含む、すべてのエナンチオマー及びジアステレオマーを含んでなる。本発明は同様に、2つ又はそれより多い立体異性体形態の混合物、例えば、すべての比率での、シス/トランス異性体を含むエナンチオマー及び/又はジアステレオマーの混合物を含む。式Iの化合物中[例えば、非置換又は置換アルキル基中]に含まれる不斉中心はすべて、互いに独立してS立体配置(configuration)又はR立体配置を有しうる。本発明は、鏡像異性的
に純粋な形態、及び実質的に鏡像異性的に純粋な形態[例えば、99:1又はそれより大きい2つのエナンチオマーのモル比を有する]、及びラセミ体形態、及びあらゆる比率の2つのエナンチオマーの混合物の形態での、エナンチオマー類、左旋性及び右旋性対掌体の双方に関する。本発明は同様に、純粋なジアスレテオマー形態及び実質的に純粋なジアステレオマー形態の、及びあらゆる比率の2つ又はそれより多いジアステレオマーの混合物の形態のジアステレオマーに関する。本発明はまた、純粋な形態及び実質的に純粋な形態[例えば、99:1又はそれより大きいシス/トランス異性体のモル比を有する]で、及びあらゆる比率のシス異性体とトランス異性体の混合物の形態で、式Iの化合物のシス/トランス異性体をすべて含む。シス/トランス異性は、置換された環内で生じうる。個々の立体異性体の製造は、所望であれば、通例となっている方法に従って混合物を分割することによって行なうことができ、例えば、クロマトグラフィー又は結晶化により、あるいは合成において立体化学的に均一な出発化合物を用いることにより、あるいは立体選択的反応による。場合により、立体異性体の分離の前に、誘導体化を行なうことができる。立体異性体の混合物の分離は、合成の過程において式Iの化合物のステージで、あるいは、中間体のステージで行なうことができる。本発明はまた、式Iの化合物の互変異性体形態をすべて含んでなる。
【0031】
製薬学的に利用可能な塩を含む、式Iの化合物の生理学的に許容される塩は通例、非毒性塩成分を含んでなる。これらは無機又は有機塩成分を含むことができる。こうした塩は、例えば、酸性基、例えば、カルボン酸基(ヒドロキシカルボニル基、HO−C(O)−)、及び非毒性無機又は有機塩基を含む式Iの化合物から形成することができる。適切な塩基には、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、又は炭酸水素ナトリウムなどのアルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物、又はアンモニア、有機アミノ化合物及び水酸化第4級アンモニウムがある。塩を製造するために式Iの化合物を塩基と反応させることは通例、溶媒又は希釈剤中、慣例的な手順に従って行なわれる。従って、酸性基の塩の例には、窒素原子上の1つ又はそれより多い有機基を持つこともできるナトリウム、カリウム、マグネシウム又はカルシウム塩、あるいはアンモニウム塩がある。塩基性の、すなわち、プロトン化可能な基、例えば、アミノ基又は塩基性ヘテロ環を含む式Iの化合物は、例えば、塩化水素、臭化水素、リン酸、硫酸、酢酸、安息香酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸との塩のようなそれらの生理学的に許容される酸との酸付加塩の形で存在することができ、これらは一般的に、慣習的に行なわれている手順に従って溶媒又は希釈剤中の酸と反応させることによって式Iの化合物から製造することができる。式Iの化合物が分子中に酸性基と塩基性基を同時に含んでいる場合には、本発明はまた、言及した塩形態のほかに内部塩(ベタイン類、両性イオン類)を含む。この発明はまた、低い生理学的許容性のために、医薬としての使用に直接的には適切ではないが、化学反応、又は生理学的に許容される塩の製造のための中間体として[例えば、陰イオン交換又は陽イオン交換によって]適切である式Iの化合物のすべての塩を含んでなる。この発明はまた、水和物、すなわち、水との付加物などの生理学的に許容される溶媒和物、及び(C
1−C
4)−アルカノールのようなアルコールとの付加物を含む、式Iの化合物及びそれらの塩のすべての溶媒和物、並びに式Iの化合物の活性代謝物、及び式Iの化合物のプロドラッグ[すなわち、インビトロでは必ずしも薬理学的活性を示す可能性がないが、インビボで式Iの薬理学的活性化合物に変換される化合物であり、例えば、カルボン酸基がエステルの形で、あるいはアミドの形で存在する化合物のような式Iの化合物に代謝的加水分解によって変換される化合物]を含んでなる。
【0032】
本発明の一実施態様では、基Aは、C(R
1)であり、別の実施態様では、AはNであり、本発明の一実施態様では、基Dは、Nから成る系列より選択され、別の実施態様では、C(R
2)から成る系列より選択され、本発明の一実施態様では、基Eは、Nから成る系列より選択され、別の実施態様では、C(R
3)から成る系列より選択され、本発明の一実施態様では、基Lは、Nから成る系列より選択され、別の実施態様では、C(R
4)から成る系列より選択され、但し、基A、D、E、Lのうちの1つ又は2つは、Nであることを条件とする。
【0033】
本発明の別の実施態様では、基Aは、Nであり、そして基D、E及びLは、C(R
2)、C(R
3)及びC(R
4)である。
【0034】
本発明の別の実施態様では、基Dは、Nであり、そして基A、E及びLは、C(R
1)、C(R
3)及びC(R
4)である。
【0035】
本発明の別の実施態様では、基Eは、Nであり、そして基A、D及びLは、C(R
1)、C(R
2)及びC(R
4)である。
【0036】
本発明の別の実施態様では、基Lは、Nであり、そして基A、D及びEは、C(R
1)、C(R
2)及びC(R
3)である。
【0037】
本発明の別の実施態様では、基A及びDは、Nであり、そして基E及びLは、C(R
3)及びC(R
4)である。
【0038】
本発明の別の実施態様では、基A及びEは、Nであり、そして基D及びLは、C(R
2)及びC(R
4)である。
【0039】
本発明の別の実施態様では、基A及びLは、Nであり、そして基D及びEは、C(R
2)及びC(R
3)である。
【0040】
本発明の別の実施態様では、基D及びEは、Nであり、そして基A及びLは、C(R
1)及びC(R
4)である。
【0041】
本発明の別の実施態様では、基D及びLは、Nであり、そして基A及びEは、C(R
1)及びC(R
3)である。
【0042】
本発明の別の実施態様では、基E及びLは、Nであり、そして基A及びDは、C(R
1)及びC(R
2)である。
【0043】
A、D、E又はLの意味を組み込むことによる式Iから生じる式の観点から見ると、本発明の一実施態様では、式Iの化合物は、任意の立体異性体形態又は任意の比率の立体異性体形態の混合物である式I−1〜I−7の任意の1つ又はそれより多い化合物、例えば、式I−1の化合物、又は式I−2の化合物、又は式I−3の化合物、又は式I−4の化合物、又は式I−5の化合物、又は式I−6の化合物、又は式I−7の化合物、又はその生理学的に許容される塩、又はそれらのいずれかの生理学的に許容される溶媒和物であり、上記において、式I−1〜I−7の化合物では、基A、D、E、G、R
1、R
2、R
3、R
10、R
30、R
40、R
50及びR
60は、上記又は下記の、一般的に式Iの化合物における、あるいは特定化されている任意の実施態様における定義と同様である。
【0044】
【化3】
【0045】
本発明の一実施態様では、基Gは、R
71−O−C(O)−、R
72−N(R
73)−C(O)−及びテトラゾール−5−イルから成る系列より選択され、別の実施態様では、R
71−O−C(O)−及びR
72−N(R
73)−C(O)−から成る系列より選択され、別の実施態様では、Gは、R
71−O−C(O)−であり、そして別の実施態様では、Gは、R
72−N(R
73)−C(O)−である。
【0046】
本発明の一実施態様では、基R
1は、水素、ハロゲン、(C
1−C
6)−アルキル、HO−、(C
1−C
6)−アルキル−O−、及びNC−から成る系列より選択され、別の実施態様では、水素、ハロゲン、(C
1−C
6)−アルキル、(C
1−C
6)−アルキル−O−及びNC−から成る系列より選択され、別の実施態様では、水素、ハロゲン、(C
1−C
6)−アルキル及びNC−から成る系列より選択され、別の実施態様では、水素、ハロゲン、(C
1−C
6)−アルキル、HO−及び(C
1−C
6)−アルキル−O−から成る系列より選択され、別の実施態様では、水素、ハロゲン、(C
1−C
6)−アルキル及び(C
1−C
6)−アルキル−O−から成る系列より選択され、別の実施態様では、水素、ハロゲン及び(C
1−C
6)−アルキルから成る系列より選択され、別の実施態様では、水素及びハロゲンから成る系列より選択され、別の実施態様では、水素、フッ素及び塩素から成る系列より選択され、そして別の実施態様では、R
1は水素である。本発明の一実施態様では、R
1中に見出される(C
1−C
6)−アルキル基は、(C
1−C
4)−アルキル基であり、別の実施態様では、(C
1−C
2)−アルキル基であり、別の実施態様では、これはメチルである。
【0047】
本発明の一実施態様では、基R
2は、(C
1−C
7)−アルキル及び(C
3−C
7)−シクロアルキル−C
sH
2s−から成る系列より選択され、別の実施態様では、(C
3−C
7)−シクロアルキル−C
sH
2s−及びAr−C
sH
2s−から成る系列より選択され、別の実施態様では、R
2は、(C
1−C
7)−アルキルであり、別の実施態様では、R
2は、(C
3−C
7)−シクロアルキル−C
sH
2s−であり、そして別の実施態様では、R
2は、Ar−C
sH
2s−である。一実施態様では、sは、0、1及び2から成る系列より選択される整数であり、別の実施態様では、0及び1から成る系列より選択される整数であり、別の実施態様では、1及び2から成る系列より選択される整数であり、別の実施態様では、sは0であり、そして別の実施態様では、sは1である。本発明の一実施態様では、R
2は、Ar−C
sH
2s−であり、そしてsは0であり、すなわち、R
2は、基Arであり、従って、基Dは、基N(Ar)である。一実施態様では、二価のアルカンジイル基C
sH
2sは、直鎖状の基である。一実施態様では、R
2に相当する(C
1−C
7)−アルキル基は、(C
3−C
7)−アルキル基であり、別の実施態様では、(C
3−C
6)−アルキル基である。一実施態様では、R
2中に見出される(C
3−C
7)−シクロアルキル基は、(C
3−C
6)−シクロアルキル基であり、別の実施態様では、(C
5−C
6)−シクロアルキル基であり、別の実施態様では、シクロプロピル基である。一実施態様では、R
2中に見出される基Arは、フェニル及び芳香族の5員又は6員のヘテロ環から成る系列より選択され、該ヘテロ環は、窒素、酸素及び硫黄から成る系列より選択される1つ若しくは2つの同一又は相異なる環ヘテロ原子を含み、環炭素原子を介して結合しており、別の実施態様では、フェニル及び芳香族の6員のヘテロ環から成る系列より選択され、該ヘテロ環は、環ヘテロ原子として1つ又は2つの窒素原子を含んでおり、別の実施態様では、フェニル、チオフェニル、ピリジニル及びピリミジニルから成る系列より選択され、別の実施態様では、フェニル及びチオフェニルから成る系列より選択され、別の実施態様では、フェニル、ピリジニル及びピリミジニルから成る系列より選択され、別の実施態様では、フェニル及びピリジニルから成る系列より選択され、そして別の実施態様では、R
2中に見出される基Arはフェニルであり、これらの基はすべて、場合により、式Iの化合物に関して上記又は下記に、一般的に指示されている通り、あるいは具体的に明確に述べられているあらゆる実施態様中で指示されている通りに、置換されていることもある。一実施態様では、R
2に存在する基Arは、場合により、1つ、2つ又は3つの同一又は相異なる置換基によって置換されていることもあり、別の実施態様では、これは、場合により、1つ若しくは2つの同一又は相異なる置換基によって置換されていることもあり、別の実施態様ではこれは、場合により、1つの置換基によって置換されていることもあり、別の実施態様では、これは1つ、2つ若しくは3つの同一又は相異なる置換基によって置換されており、別の実施態様では、これは、1つ若しくは2つの同一又は相異なる置換基によって置換されており、そして別の実施態様ではこれは1つの置換基によって置換されている。一実施態様では、場合により、R
2中に見出される基Ar上に存在することもある置換基は、ハロゲン、(C
1−C
6)−アルキル、(C
1−C
6)−アルキル−O−、(C
1−C
6)−アルキル−S(O)
m−及びNC−から成る系列より選択され、別の実施態様では、ハロゲン、(C
1−C
6)−アルキル、(C
1−C
6)−アルキル−O−及び(C
1−C
6)−アルキル−S(O)
m−から成る系列より選択され、別の実施態様では、ハロゲン、(C
1−C
6)−アルキル及び(C
1−C
6)−アルキル−S(O)
m−から成る系列より選択され、別の実施態様では、ハロゲン及び(C
1−C
6)−アルキルから成る系列より選択され、別の実施態様では、ハロゲンから成る系列より選択され、別の実施態様では、フッ素及び塩素から成る系列より選択され、別の実施態様では、フッ素、塩素及びメチルから成る系列より選択される。本発明の一実施態様では、R
2中に見出される(C
1−C
6)−アルキル基は、(C
1−C
4)−アルキル基であり、別の実施態様では、(C
1−C
2)−アルキル基であり、別の実施態様では、これはメチルである。
【0048】
本発明の一実施態様において、R
2中に見出される基Arがその任意の1つ又は複数から選択される、R
2中に見出されうる基Arの例には、フェニル、2−フルオロ−フェニル、3−フルオロ−フェニル、4−フルオロ−フェニル、2−クロロ−フェニル、3−クロロ−フェニル、4−クロロ−フェニル、3−ブロモ−フェニル、4−ブロモ−フェニル、2,3−ジクロロ−フェニル、2,4−ジクロロ−フェニル、2,5−ジクロロ−フェニル、2,6−ジクロロ−フェニル、3,4−ジクロロ−フェニル、2,3−ジフルオロ−フェニル、2,4−ジフルオロ−フェニル、2,5−ジフルオロ−フェニル、2,6−ジフルオロ−フェニル、3,4−ジフルオロ−フェニル、2−クロロ−6−フルオロ−フェニル、3,4,5−トリフルオロ−フェニル、2−メチル−フェニル(o−トリル)、3−メチル−フェニル(m−トリル)、4−メチル−フェニル(p−トリル)、2,3−ジメチル−フェニル、2,4−ジメチル−フェニル、2,5−ジメチル−フェニル、2,6−ジメチル−フェニル、3,4−ジメチル−フェニル、2−エチル−フェニル、3−エチル−フェニル、4−エチル−フェニル、3−イソプロピル−フェニル、3−tert−ブチル−フェニル、4−tert−ブチル−フェニル、3−トリフルオロメチル−フェニル、4−トリフルオロメチル−フェニル、2−フルオロ−5−メチル−フェニル、3−クロロ−2−メチル−フェニル、5−クロロ−2−メチル−フェニル、5−クロロ−2−フルオロ−3−メチル−フェニル、2−フルオロ−3−トリフルオロメチル−フェニル、2−フルオロ−5−トリフルオロメチル−フェニル、4−フルオロ−3−トリフルオロメチル−フェニル、5−フルオロ−3−トリフルオロメチル−フェニル、3−クロロ−4−トリフルオロメチル−フェニル、5−クロロ−2−トリフルオロメチル−フェニル、5−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル、2−メトキシ−フェニル、3−メトキシ−フェニル、4−メトキシ−フェニル、3−エトキシ−フェニル、3−プロポキシ−フェニル、3−イソプロポキシ−フェニル、4−tert−ブトキシ−フェニル、3−トリフルオロメトキシ−フェニル、4−トリフルオロメトキシ−フェニル、3−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−フェニル、5−クロロ−2−メトキシ−フェニル、3−クロロ−4−メトキシ−フェニル、5−フルオロ−3−イソプロポキシ−フェニル、2−フルオロ−3−トリフルオロメトキシ−フェニル、4−メトキシ−3,5−ジメチル−フェニル、3−メトキシ−5−トリフルオロメチル−フェニル、2,3−メチレンジオキシ−フェニル、2,3−ジフルオロメチレンジオキシ−フェニル、3,4−メチレンジオキシ−フェニル、3,4−ジフルオロメチレンジオキシ−フェニル、3−メチルスルファニル−フェニル、3−エチルスルファニル−フェニル、3−トリフルオロメチルスルファニル−フェニル、3−メタンスルホニル−フェニル、3−エタンスルホニル−フェニル、3−スルファモイル−フェニル、2−シアノ−フェニル、3−シアノ−フェニル、4−シアノ−フェニル、チオフェン−2−イル、チオフェン−3−イル、3−クロロ−チオフェン−2−イル、4−クロロ−チオフェン−2−イル、5−クロロ−チオフェン−2−イル、4,5−ジクロロ−チオフェン−2−イル、5−クロロ−チオフェン−3−イル、2,5−ジクロロ−チオフェン−3−イル、4−メチル−チオフェン−2−イル、5−メチル−チオフェン−3−イル、4,5−ジメチル−チオフェン−2−イル、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピリジン−4−イル、2−クロロ−ピリジン−3−イル、5−クロロ−ピリジン−2−イル、6−クロロ−ピリジン−3−イル、2−クロロ−ピリジン−4−イル、2,6−ジクロロ−ピリジン−3−イル、6−メトキシ−ピリジン−3−イル、2−クロロ−6−メトキシ−ピリジン−3−イルがある。
【0049】
本発明の一実施態様では、基R
3は、水素、ハロゲン、(C
1−C
6)−アルキル、(C
1−C
6)−アルキル−O−、及びNC−から成る系列より選択され、別の実施態様では、水素、ハロゲン、(C
1−C
6)−アルキル及びNC−から成る系列より選択され、別の実施態様では、水素、ハロゲン、(C
1−C
6)−アルキル及び(C
1−C
6)−アルキル−O−から成る系列より選択され、別の実施態様では、水素、ハロゲン及び(C
1−C
6)−アルキルから成る系列より選択され、別の実施態様では、水素及びハロゲンから成る系列より選択され、別の実施態様では、水素及び(C
1−C
6)−アルキルから成る系列より選択され、別の実施態様では、水素、フッ素及び塩素から成る系列より選択され、別の実施態様では、R
3は水素であり、そして別の実施態様では、R
3は(C
1−C
6)−アルキルである。本発明の一実施態様では、R
3中に見出される(C
1−C
6)−アルキル基は、(C
1−C
4)−アルキル基であり、別の実施態様では、(C
1−C
2)−アルキル基であり、別の実施態様では、これはメチルである。
【0050】
本発明の一実施態様では、基R
10は、R
11−O−及びR
12−N(R
13)−C(O)−O−から成る系列より選択され、別の実施態様では、R
12−N(R
13)−C(O)−O−及びHet
2−C(O)−O−から成る系列より選択され、そして別の実施態様ではR
10はR
11−O−である。
【0051】
一実施態様では、基R
2、R
3、R
4又はR
10中に見出されうる基Het
2は、飽和の4員〜6員の単環式ヘテロ環であり、別の実施態様では、5員又は6員の単環式ヘテロ環であり、別の実施態様では、5員の単環式ヘテロ環であり、これはHet
2がそれを介して結合している環窒素のほかに、場合により、窒素、酸素及び硫黄から成る系列より選択される1つの更なる環へテロ原子を含んでいることもある。一実施態様では、基R
2、R
3、R
4又はR
10中に見出されうる基Het
2は、Het
2がそれを介して結合している環窒素原子のほかに更なる環ヘテロ原子を含んでいない。一実施態様では、基R
2、R
3、R
4又はR
10中に見出されうる基Het
2は、ピロリジン、ピペリジン及びモルホリンから成る系列より選択される。一実施態様では、基R
2、R
3、R
4又はR
10中に見出されうる基Het
2上に、場合により、存在していることもある置換基の数は、1、2、3又は4個であり、別の実施態様では、1、2又は3個であり、別の実施態様では、1又は2個であり、別の実施態様では1個であり、そして別の実施態様では、こうした基Het
2は非置換である。一実施態様では、基R
2、R
3、R
4又はR
10中に見出されうる基Het
2上に、場合により存在していることもある置換基は、フッ素、(C
1−C
4)−アルキル、HO−及び(C
1−C
4)−アルキル−O−から成る系列より選択され、別の実施態様では、(C
1−C
4)−アルキル、HO−及び(C
1−C
4)−アルキル−O−から成る系列より選択され、別の実施態様では、(C
1−C
4)−アルキル及びHO−及び(C
1−C
4)−アルキル−O−から成る系列より選択され、別の実施態様では、それらは(C
1−C
4)−アルキル置換基であり、そして別の実施態様では、それらはHO−置換基である。
【0052】
本発明の一実施態様では、基R
11は、水素、R
14、(C
3−C
7)−シクロアルキル及びHet
3から成る系列より選択され、別の実施態様では、水素及びR
14から成る系列より選択され、別の実施態様では、水素、R
14及び(C
3−C
7)−シクロアルキルから成る系列より選択され、別の実施態様では、(C
3−C
7)−シクロアルキル、Ar及びHet
3から成る系列より選択され、別の実施態様では、(C
3−C
7)−シクロアルキル及びHet
3から成る系列より選択され、別の実施態様では、R
11は水素であり、別の実施態様では、R
11はR
14であり、そして別の実施態様では、R
11はArである。一実施態様では、R
11に相当する基Arは、フェニルであり、該フェニルは、場合により、式Iの化合物に関して上記又は下記に、一般的に指示されている通り、あるいは具体的に明確に述べられているあらゆる実施態様中で指示されている通りに、置換されていることもある。一実施態様では、R
11に相当する基Arは、場合により、1つ、2つ若しくは3つの同一又は相異なる置換基によって置換されていることもあり、別の実施態様では、これは、場合により、1つ若しくは2つの同一又は相異なる置換基によって置換されていることもあり、別の実施態様では、これは、場合により、1つの置換基によって置換されていることもある。一実施態様では、場合により、R
11に相当する基Ar上に存在していることもある置換基は、ハロゲン、(C
1−C
4)−アルキル、(C
1−C
4)−アルキル−O−及びNC−から成る系列より選択され、別の実施態様では、ハロゲン、(C
1−C
4)−アルキル及び(C
1−C
4)−アルキル−O−から成る系列より選択され、別の実施態様では、ハロゲン及び(C
1−C
4)−アルキルから成る系列より選択される。一実施態様では、R
11に相当する(C
3−C
7)−シクロアルキル基は、(C
3−C
6)−シクロアルキル基である。一実施態様では、R
11に相当する基Het
3は、飽和の4員〜6員の単環式ヘテロ環であり、該ヘテロ環は、1つ若しくは2つの同一又は相異なる環へテロ原子を含み、別の実施態様では、1つの環ヘテロ原子を含み、上記のこうした環へテロ原子は、窒素、酸素及び硫黄から成る系列より選択され、別の実施態様では、これは、窒素及び酸素から成る系列より選択される1つの環ヘテロ原子を含み、別の実施態様では、酸素及び硫黄から成る系列より選択される1つの環ヘテロ原子を含み、そして別の実施態様では、これは環ヘテロ原子として、1つの酸素原子を含み、上記において、該ヘテロ環は、環炭素原子を介して結合しており、そして該へテロ環は、場合により、フッ素、(C
1−C
4)−アルキル及びオキソから成る系列より選択される、別の実施態様では、フッ素及び(C
1−C
4)−アルキルから成る系列より選択される、1つ、2つ、3つ若しくは4つの、別の実施態様では、1つ若しくは2つの、同一又は相異なる置換基によって置換されていることもある。
【0053】
本発明の一実施態様では、基R
12及びR
13は、互いに独立して、水素及びR
15から成る系列より選択され、別の実施態様では、R
15及びArから成る系列より選択され、そして別の実施態様では、それらは同一又は相異なる基R
15である。一実施態様では、基R
12及びR
13の一方は、R
15及びArから成る系列より選択され、そして他方は基R
15である。一実施態様では、R
12又はR
13に相当する基Arは、フェニルであり、該フェニルは、場合により、ハロゲン及び(C
1−C
4)−アルキルから成る系列より選択される、1つ又は2つの、別の実施態様では、1つの、同一又は相異なる置換基によって置換されていることもあり、そして別の実施態様では、これは非置換のフェニルである。
【0054】
本発明の一実施態様では、基R
14に相当する(C
1−C
10)−アルキル基は、(C
1−C
8)−アルキル基であり、別の実施態様では、(C
1−C
7)−アルキル基であり、別の実施態様では、(C
1−C
4)−アルキル基であり、別の実施態様では、(C
1−C
3)−アルキル基であり、別の実施態様では、(C
1−C
2)−アルキル基であり、別の実施態様ではメチル基であり、別の実施態様では、(C
4−C
8)−アルキル基であり、別の実施態様では、(C
4−C
7)−アルキル基であり、別の実施態様では、(C
5−C
7)−アルキル基であり、別の実施態様ではC
6−アルキル基であり、上記において、こうしたアルキル基はすべて、式Iの化合物中のアルキル基に一般に適用されるように、直鎖状、又は分岐鎖であり、そして、場合により、式Iの化合物に関して上記又は下記に、一般的に指示されている通り、あるいは具体的に明確に述べられているあらゆる実施態様中で指示されている通りに、1つ又はそれより多い同一又は相異なる置換基によって置換されていることもある。本発明の一実施態様では、R
14に相当するアルキル基中の場合により存在する置換基(optional substituents)の数は、1、2、3又は4個であり、別の実施態様では、1、2又は3個であり、別の実施態様では、1又は2個であり、別の実施態様では1個である。一実施態様では、R
14に相当するアルキル基は、非置換であり、そして別の実施態様では、これは、指示されている1つ、2つ、3つ又は4つの置換基によって、別の実施態様では、1つ、2つ又は3つの置換基によって、別の実施態様では、1つ又は2つの置換基によって、別の実施態様では、1つの置換基によって置換される。
【0055】
一実施態様では、R
14に相当するアルキル基上の置換基として見出される(C
3−C
7)−シクロアルキル基は、(C
3−C
6)−シクロアルキル基であり、別の実施態様では、これはシクロプロピル基である。一実施態様では、R
14に相当するアルキル基上の置換基として見出される基Arは、フェニルであるか、あるいは、窒素、酸素及び硫黄から成る系列より選択される1つ若しくは2つの同一又は相異なる環ヘテロ原子を含む、芳香族の5員又は6員の単環式ヘテロ環であり、そして別の実施態様では、環ヘテロ原子として1つの窒素原子を含み、そして5員のヘテロ環の場合には、窒素、酸素及び硫黄から成る系列より選択される1つの追加の環へテロ原子を含み、そして別の実施態様では、R
14に相当するアルキル基中の置換基として見出される基Arは、フェニル、ピラゾリル、イソキサゾリル及びチアゾリルから選択され、上記において、こうした基Arはすべて、場合により、式Iの化合物に関して上記又は下記に、一般的に指示されている通り、あるいは具体的に明確に述べられているあらゆる実施態様中で指示されている通りに、1つ又はそれより多い同一又は相異なる置換基によって置換されていることもある。一実施態様では、R
14に相当するアルキル基中の置換基として見出される基Ar上の場合により存在する置換基の数は、1、2、又は3個であり、別の実施態様では、1又は2個であり、別の実施態様では1個である。一実施態様では、R
14に相当するアルキル基中の置換基として見出される基Ar上に場合により存在していることもある置換基は、ハロゲン、(C
1−C
4)−アルキル、(C
1−C
4)−アルキル−O−及びNC−から成る系列より選択され、別の実施態様では、ハロゲン、(C
1−C
4)−アルキル及び(C
1−C
4)−アルキル−O−から成る系列より選択され、別の実施態様では、ハロゲン及び(C
1−C
4)−アルキルから成る系列より選択され、そして別の実施態様では、それらは(C
1−C
4)−アルキル基である。
【0056】
一実施態様では、R
14に相当するアルキル基上の置換基として見出される基Het
1は、飽和又は不飽和の、4員〜6員のヘテロ環であり、別の実施態様では5員又は6員のヘテロ環であり、該へテロ環は、Het
1がそれを介して結合している環窒素原子を含み、そして場合により、窒素、酸素及び硫黄から成る系列より選択される1つの更なる環へテロ原子を含んでいることもあり、そして場合により、式Iの化合物に関して上記又は下記に、一般的に指示されている通り、あるいは具体的に明確に述べられているあらゆる実施態様中で指示されている通りに、置換されていることもある。一実施態様では、R
14に相当するアルキル基上の置換基として見出される基Het
1は、Het
1がそれを介して結合している環窒素原子のほかに更なるどんな環ヘテロ原子も含んでいない。一実施態様では、R
14に相当するアルキル基上の置換基として見出される基Het
1は、飽和であり、別の実施態様では、これは不飽和である。一実施態様では、R
14に相当するアルキル基上の置換基として見出される基Het
1上に、場合により、存在していることもある置換基の数は、1、2、3又は4個であり、別の実施態様では、1、2、又は3個であり、別の実施態様では、1又は2個であり、別の実施態様では1個である。一実施態様では、R
14に相当するアルキル基上の置換基として見出される基Het
1上に、場合により存在していることもある置換基は、ハロゲン、(C
1−C
4)−アルキル、HO−、(C
1−C
4)−アルキル−O−及びオキソから成る系列より選択され、別の実施態様では、フッ素、(C
1−C
4)−アルキル、HO−及びオキソから成る系列より選択され、別の実施態様では、フッ素、(C
1−C
4)−アルキル及びオキソから成る系列より選択され、別の実施態様では、(C
1−C
4)−アルキル及びオキソから成る系列より選択され、そして別の実施態様では、それらはオキソ置換基である。一実施態様では、R
14に相当するアルキル基上の置換基として見出される基Het
1上に、場合により、存在していることもあるオキソ置換基の数は、2個以下であり、そして別の実施態様では、これは1個以下である。
【0057】
一実施態様では、R
14に相当するアルキル基上の置換基Het
1−C(O)−中に見出される基Het
1は、4員〜6員のヘテロ環であり、別の実施態様では、5員又は6員のヘテロ環であり、該へテロ環は、飽和又は不飽和であり、そしてHet
1がそれを介して結合している環窒素原子を含み、そして場合により、窒素、酸素及び硫黄から成る系列より選択される1つの更なる環ヘテロ原子を含んでいることもあり、そして場合により、式Iの化合物に関して上記又は下記に、一般的に指示されている通り、あるいは具体的に明確に述べられているあらゆる実施態様中で指示されている通りに、置換されていることもある。一実施態様では、R
14に相当するアルキル基上の置換基Het
1−C(O)−中に見出される基Het
1は、Het
1がそれを介して結合している環窒素原子のほかに更なるどんな環ヘテロ原子も含まない。一実施態様では、R
14に相当するアルキル基上の置換基Het
1−C(O)−中に見出される基Het
1は、飽和であるか、あるいは環内に1つの二重結合を含み、そして別の実施態様では、これは飽和である。一実施態様では、R
14に相当するアルキル基上の置換基Het
1−C(O)−中に見出される基Het
1上に、場合により、存在していることもある置換基の数は、1、2、3又は4個であり、別の実施態様では、1、2又は3個であり、別の実施態様では、1又は2個であり、別の実施態様では1個である。一実施態様では、R
14に相当するアルキル基上の置換基Het
1−C(O)−中に見出される基Het
1上に、場合により、存在していることもある置換基は、ハロゲン、(C
1−C
4)−アルキル、HO−、(C
1−C
4)−アルキル−O−及びオキソから成る系列より選択され、別の実施態様では、フッ素、(C
1−C
4)−アルキル、HO−及びオキソから成る系列より選択され、別の実施態様では、フッ素、(C
1−C
4)−アルキル及びオキソから成る系列より選択され、別の実施態様では、(C
1−C
4)−アルキル及びオキソから選択され、別の実施態様では、これらはオキソ置換基であり、そして別の実施態様では、それらは(C
1−C
4)−アルキル置換基である。一実施態様では、R
14に相当するアルキル基上の置換基Het
1−C(O)−中に見出される基Het
1上に、場合により、存在していることもあるオキソ置換基の数は、2個以下であり、そして別の実施態様では、これは1個以下であり、そして別の実施態様では、オキソ置換基は、こうした基Het
1上には存在しない。
【0058】
一実施態様では、R
14に相当するアルキル基上の置換基として見出される基Het
3は、飽和の4員〜6員の単環式ヘテロ環であり、該ヘテロ環は、窒素、酸素及び硫黄から成る系列より選択される、1つ若しくは2つの同一又は相異なる環ヘテロ原子を含み、そして別の実施態様では、1つの環ヘテロ原子を含み、そして環炭素原子を介して結合しており、そして場合により、式Iの化合物に関して上記又は下記に、一般的に指示されている通り、あるいは具体的に明確に述べられているあらゆる実施態様中で指示されている通りに、置換されていることもある。一実施態様では、R
14に相当するアルキル基上の置換基として見出される基Het
3中の環ヘテロ原子は、窒素及び酸素から成る系列より選択され、別の実施態様では酸素及び硫黄から成る系列より選択され、別の実施態様では、それらは窒素原子であり、そして別の実施態様では、それらは酸素原子である。一実施態様では、R
14に相当するアルキル基上の置換基として見出される基Het
3上に、場合により、存在していることもある置換基の数は、1、2、3又は4個であり、別の実施態様では、1、2又は3個であり、別の実施態様では、1又は2個であり、別の実施態様では1個である。一実施態様では、R
14に相当するアルキル基上の置換基として見出される基Het
3上に、場合により、存在していることもある置換基は、フッ素及び(C
1−C
4)−アルキルから成る系列より選択され、別の実施態様では、(C
1−C
4)−アルキル及びオキソから成る系列より選択され、別の実施態様では、それらは(C
1−C
4)−アルキル置換基であり、そして別の実施態様では、それらはオキソ置換基である。一実施態様では、R
14に相当するアルキル基上の置換基として見出される基Het
3上に、場合により、存在していることもあるオキソ置換基の数は、2個以下であり、そして別の実施態様では、これは1個以下である。
【0059】
一実施態様では、R
14に相当するアルキル基上に、場合により、存在していることもある置換基は、ハロゲン、HO−、R
16−O−、オキソ、(C
3−C
7)−シクロアルキル、Ar、Het
1、Het
3、H
2N−C(O)−、(C
1−C
4)−アルキル−NH−C(O)−、ジ((C
1−C
4)−アルキル)N−C(O)−及びHet
1−C(O)−から成る系列より選択され、別の実施態様では、ハロゲン、HO−、R
16−O−、オキソ、(C
3−C
7)−シクロアルキル、Het
1、Het
3、H
2N−C(O)−、(C
1−C
4)−アルキル−NH−C(O)−、ジ((C
1−C
4)−アルキル)N−C(O)−及びHet
1−
C(O)−から成る系列より選択され、別の実施態様では、ハロゲン、HO−、R
16−O−、オキソ、(C
3−C
7)−シクロアルキル、Het
1、Het
3、ジ((C
1−C
4)−アルキル)N−C(O)−及びHet
1−C(O)−から成る系列より選択され、別の実施態様では、ハロゲン、HO−、R
16−O−、オキソ、(C
3−C
7)−シクロアルキル、Het
1及びHet
3から成る系列より選択され、別の実施態様では、ハロゲン、HO−、R
16−O−、オキソ、(C
3−C
7)−シクロアルキル、Ar、Het
1及びHet
3から成る系列より選択され、別の実施態様では、HO−、R
16−O−、オキソ、(C
3−C
7)−シクロアルキル、Ar、Het
1、ジ((C
1−C
4)−アルキル)N−C(O)−及びHet
1−C(O)−から成る系列より選択され、別の実施態様では、HO−、R
16−O−、オキソ、(C
3−C
7)−シクロアルキル、Ar、ジ((C
1−C
4)−アルキル)N−C(O)−及びHet
1−C(O)−から成る系列より選択され、別の実施態様では、HO−、R
16−O−、オキソ、(C
3−C
7)−シクロアルキル及びArから成る系列より選択され、別の実施態様では、HO−、R
16−O−、オキソ、(C
3−C
7)−シクロアルキル、ジ((C
1−C
4)−アルキル)N−C(O)−及びHet
1−C(O)−から成る系列より選択され、別の実施態様では、HO−、R
16−O−、オキソ、(C
3−C
7)−シクロアルキル、Het
1及びHet
3から成る系列より選択され、別の実施態様では、HO−、R
16−O−、オキソ、(C
3−C
7)−シクロアルキル及びHet
3から成る系列より選択され、別の実施態様では、HO−、オキソ、(C
3−C
7)−シクロアルキル及びHet
3から成る系列より選択され、別の実施態様では、HO−、オキソ及び(C
3−C
7)−シクロアルキルから成る系列より選択され、別の実施態様では、HO−、オキソ及びHet
3から成る系列より選択され、別の実施態様では、HO−及びオキソから成る系列より選択され、別の実施態様では、HO−、R
16−O−、(C
3−C
7)−シクロアルキル及びHet
3から成る系列より選択され、別の実施態様では、HO−、(C
3−C
7)−シクロアルキル及びHet
3から成る系列より選択され、別の実施態様では、HO−及び(C
3−C
7)−シクロアルキルから成る系列より選択され、別の実施態様では、HO−及びHet
3から成る系列より選択され、別の実施態様では、それらはHO−置換基であり、そして別の実施態様では、それらはオキソ置換基である。一実施態様では、R
14に相当するアルキル基上に、場合により、存在していることもあるオキソ置換基の数は、2個以下であり、そして別の実施態様では、1個以下である。一実施態様では、R
14に相当するアルキル基上の置換基として見出されるハロゲン原子は、フッ素及び塩素原子から成る系列より選択され、そして別の実施態様では、それらはフッ素原子であり、そしてこの後者の実施態様では、他の置換基によって置換されることに加えて、従って、R
14に相当するアルキル基は、場合により、式Iの化合物中のアルキル基に一般に適用されるように、フッ素置換基によって置換されていることもある。
【0060】
本発明の一実施態様において、そのR
14がその任意の1つ又は複数から選択されるR
14に相当しうる基の例には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、シクロプロピルメチル、ベンジル、2−ヒドロキシ−エチル、2−ヒドロキシ−プロピル、2−ヒドロキシ−ブチル、2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピル、2−ヒドロキシ−2−メチル−ブチル、2−ヒドロキシ−3−メチル−ブチル、2−ヒドロキシ−2,3−ジメチル−ブチル、2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル−ブチル、2−エチル−2−ヒドロキシ−ブチル、2−ヒドロキシ−2,3,3−トリメチル−ブチル、2−エチル−2−ヒドロキシ−3−メチル−ブチル、2−エチル−2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル−ブチル、2−シクロプロピル−2−ヒドロキシ−エチル、2−シクロプロピル−2−ヒドロキシ−プロピル、2−シクロプロピル−2−ヒドロキシ−ブチル、2−オキソ−プロピル、2−オキソ−ブチル、3−メチル−2−オキソ−ブチル、3,3−ジメチル−2−オキソ−ブチル、2−シクロプロピル−2−オキソ−エチルがある。
【0061】
R
14に相当しうる前に列挙した基の例を含む、R
14に相当する、場合により、置換されていることもあるアルキル基が、キラル炭素原子を含んでいる場合には、式Iの化合物は、この炭素原子に対して立体異性体のいずれかの形態、すなわちR立体配置又はS立体配置の形態、あるいは任意の比率の立体異性体形態の混合物の形態、例えば、1:1のモル比での2つの立体異性体形態の混合物として存在することができ、このことは式Iの化合物中のすべてのキラル炭素原子に適用される。本発明の一実施態様では、式Iの化合物は、R
14中のキラル炭素原子で、純粋な立体化学的配置(pure stereochemical configuration)、R立体配置又はS立体配置のどちらか、あるいは実質的に純粋な立体化学的配置、例えば、2つの立体化学的配置のモル比が99:1又はそれ以上である立体化学的配置を有する。
【0062】
本発明の一実施態様では、基R
15に相当する(C
1−C
6)−アルキル基は、(C
1−C
4)−アルキル基であり、別の実施態様では、(C
1−C
2)−アルキル基であり、別の実施態様では、メチル基であり、上記において、こうしたアルキル基はすべて、場合により、式Iの化合物に関して上記又は下記に、一般的に指示されている通り、あるいは具体的に明確に述べられているあらゆる実施態様中で指示されている通りに、1つ又はそれより多い同一又は相異なる置換基によって置換されていることもある。本発明の一実施態様では、R
15に相当するアルキル基中の場合により存在することもある置換基の数は、1又は2個であり、別の実施態様では、1個である。一実施態様では、R
15に相当するアルキル基は、非置換である。一実施態様では、R
15に相当するアルキル基上に場合により、存在していることもある置換基は、HO−及び(C
1−C
4)−アルキル−O−から成る系列より選択される。
【0063】
本発明の一実施態様では、基R
16に相当する(C
1−C
6)−アルキル基は、(C
1−C
4)−アルキル基であり、別の実施態様では、(C
1−C
3)−アルキル基であり、別の実施態様では、(C
2−C
3)−アルキル基であり、別の実施態様では、エチル基であり、別の実施態様では、メチル基であり、上記において、こうしたアルキル基はすべて、場合により、式Iの化合物に関して上記又は下記に、一般的に指示されている通り、あるいは具体的に明確に述べられているあらゆる実施態様中で指示されている通りに、1つ又はそれより多い同一又は相異なる置換基によって置換されていることもある。本発明の一実施態様では、R
16に相当するアルキル基中の場合により存在することもある置換基の数は、1又は2個であり、別の実施態様では、1個である。一実施態様では、R
14に相当するアルキル基は非置換であり、別の実施態様では、これは1つ若しくは2つの同一又は相異なる置換基によって置換されており、別の実施態様では、これは1つの置換基によって置換されている。一実施態様では、R
15に相当するアルキル基上に、場合により、存在していることもある置換基は、HO−及び(C
1−C
4)−アルキル−O−から成る系列より選択され、別の実施態様では、それらはHO−置換基であり、別の実施態様では、それらは(C
1−C
4)−アルキル−O−置換基であり、そして別の実施態様では、それらは(C
1−C
2)−アルキル−O−置換基である。
【0064】
本発明の一実施態様では、基R
30は、R
31、(C
3−C
7)−シクロアルキル及びHet
3−C
uH
2u−から成る系列より選択され、別の実施態様では、(C
3−C
7)−シクロアルキル、R
32−C
uH
2u−及びHet
3−C
uH
2u−から成る系列より選択され、別の実施態様では、R
32−C
uH
2u−及びHet
3−C
uH
2u−から成る系列より選択され、別の実施態様では、R
30は、R
32−C
uH
2u−であり、そして別の実施態様ではR
30はR
31である。一実施態様では、uは、0、1及び2から成る系列より選択される整数、別の実施態様では、0及び1から成る系列より選択される整数、別の実施態様では、1及び2から成る系列より選択される整数であり、別の実施態様では、uは0であり、そして別の実施態様では、uは1である。一実施態様では、R
30は、R
32−C
uH
2u−であり、そしてuは0であり、すなわち、この実施態様では、R
30は、フェニル及び芳香族の5員又は6員の単環式ヘテロ環から成る系列より選択され、該ヘテロ環は、窒素、酸素及び硫黄から成る系列より選択される1つ、2つ又は3つの同一又は相異なる環ヘテロ原子を含み、そして環炭素原子を介して結合しており、上記において、フェニル及びヘテロ環は、すべて、場合により、式Iの化合物に関して上記又は下記に、一般的に指示されている通り、あるいは具体的に明確に述べられているあらゆる実施態様中で指示されている通りに、置換されていることもある。一実施態様では、二価のアルカンジイル基C
uH
2uは直鎖状の基である。
【0065】
一実施態様では、R
30に相当する(C
3−C
7)−シクロアルキル基は、(C
3−C
6)−シクロアルキル基であり、別の実施態様では、(C
5−C
6)−シクロアルキル基であり、別の実施態様では、シクロプロピル基である。一実施態様では、R
30中に見出される基Het
3は、飽和の4員〜6員の単環式ヘテロ環であり、別の実施態様では、飽和の5員又は6員のヘテロ環であり、別の実施態様では、飽和の6員のヘテロ環であり、該へテロ環は、窒素、酸素及び硫黄から成る系列より選択される、1つ若しくは2つの同一又は相異なる環ヘテロ原子を含み、そして別の実施態様では、1つの環ヘテロ原子を含み、そして該へテロ環は、環炭素原子を介して結合しており、そして場合により、式Iの化合物に関して上記又は下記に、一般的に指示されている通り、あるいは具体的に明確に述べられているあらゆる実施態様中で指示されている通りに、置換されていることもある。一実施態様では、R
30中に見出される基Het
3中の環ヘテロ原子は、窒素及び酸素から成る系列より選択され、別の実施態様では、酸素及び硫黄から成る系列より選択され、別の実施態様では、それらは窒素原子であり、そして別の実施態様では、それらは酸素原子である。一実施態様では、R
30中に見出される基Het
3上に、場合により、存在していることもある置換基の数は、1、2、3又は4個であり、別の実施態様では、1、2、又は3個であり、別の実施態様では、1又は2個であり、別の実施態様では、1個であり、そして別の実施態様では、R
30中に見出される基Het
3は、非置換である。一実施態様では、R
30中に見出される基Het
3上に、場合により、存在していることもある置換基は、フッ素及び(C
1−C
4)−アルキルから成る系列より選択され、別の実施態様では、それらは(C
1−C
4)−アルキル置換基である。
【0066】
本発明の一実施態様では、R
31に相当する(C
1−C
10)−アルキル基は、(C
1−C
8)−アルキル基であり、別の実施態様では、(C
1−C
4)−アルキル基であり、別の実施態様では、(C
1−C
3)−アルキル基であり、別の実施態様では、(C
1−C
2)−アルキル基であり、別の実施態様では、メチル基であり、別の実施態様では、(C
4−C
8)−アルキル基であり、別の実施態様では、(C
5−C
8)−アルキル基であり、上記において、こうしたアルキル基はすべて、場合により、式Iの化合物に関して上記又は下記に、一般的に指示されている通り、あるいは具体的に明確に述べられているあらゆる実施態様中で指示されている通りに、1つ又はそれより多い同一又は相異なる置換基によって置換されていることもある。本発明の一実施態様では、R
31に相当するアルキル基中の場合により存在していることもある置換基(optional substituents)の数は、1、2又は3個であり、別の実施態様では、1又は2個であり、別の実施態様では1個である。一実施態様では、R
31に相当するアルキル基は、非置換であり、そして別の実施態様では、これは、指示されている1つ、2つ又は3つの置換基によって、別の実施態様では、1つ又は2つの置換基によって、別の実施態様では、1つの置換基によって置換されている。一実施態様では、R
31に相当するアルキル基上の場合により存在していることもある置換基は、ハロゲン、(C
3−C
7)−シクロアルキル、(C
1−C
6)−アルキル−O−及びNC−から成る系列より選択され、別の実施態様では、ハロゲン、(C
3−C
7)−シクロアルキル及び(C
1−C
6)−アルキル−O−から成る系列より選択され、別の実施態様では、ハロゲン及び(C
3−C
7)−シクロアルキルから成る系列より選択され、そして別の実施態様では、それらは(C
3−C
7)−シクロアルキル置換基である。一実施態様では、R
31に相当するアルキル基上の置換基として見出されるハロゲン原子は、フッ素及び塩素原子から成る系列より選択され、そして別の実施態様では、それらはフッ素原子であり、そしてこの後者の実施態様では、他の置換基によって置換されることに加えて、従って、R
31に相当するアルキル基は、場合により、式Iの化合物中のアルキル基に一般に適用されるように、フッ素置換基によって置換されていることもある。一実施態様では、R
30に相当するアルキル基上の置換基として見出される(C
3−C
7)−シクロアルキル基は、(C
3−C
6)−シクロアルキル基であり、別の実施態様では、(C
5−C
6)−シクロアルキル基であり、別の実施態様では、シクロプロピル基である。
【0067】
本発明の一実施態様では、基R
32は、フェニル、及び芳香族の5員又は6員の単環式ヘテロ環から成る系列より選択され、該ヘテロ環は、1つ若しくは2つの、同一又は相異なる環ヘテロ原子を含み、別の実施態様では、1つの環ヘテロ原子を含み、該環へテロ原子は、窒素、酸素及び硫黄から成る系列より選択され、そして環炭素原子を介して結合しており、別の実施態様では、フェニル、及び芳香族の6員の単環式ヘテロ環から成る系列より選択され、該ヘテロ環は、環ヘテロ原子として1つ又は2つの窒素原子を含み、上記において、フェニル及びヘテロ環はすべて、場合により、式Iの化合物に関して上記又は下記に、一般的に指示されている通り、あるいは具体的に明確に述べられているあらゆる実施態様中で指示されている通りに、1つ又はそれより多い同一又は相異なる置換基によって置換されていることもある。一実施態様では、R
32に相当する芳香族のヘテロ環中の環ヘテロ原子は、窒素及び硫黄から成る系列より選択され、別の実施態様では、それらは窒素原子である。一実施態様では、R
32は、定義されている、フェニル及び芳香族の6員のヘテロ環から成る系列より選択され、別の実施態様では、R
32は定義されている6員の単環式ヘテロ環であり、別の実施態様では、R
32は、フェニル、チオフェニル及びピリジニルから成る系列より選択され、別の実施態様では、フェニル及びピリジニルから成る系列より選択され、別の実施態様では、R
32はフェニルであり、そして別の実施態様では、R
32はピリジニルであり、これらはすべて、場合により、式Iの化合物に関して上記又は下記に、一般的に指示されている通り、あるいは具体的に明確に述べられているあらゆる実施態様中で指示されている通りに、1つ又はそれより多い同一又は相異なる置換基によって置換されていることもある。一実施態様では、R
32に相当するフェニル基及び芳香族のヘテロ環上に、場合により、存在していることもある置換基の数は、1、2、3又は4個であり、別の実施態様では、1、2又は3個であり、別の実施態様では、1又は2個であり、別の実施態様では1個である。
【0068】
一実施態様では、R
32に相当するフェニル基、及び芳香族のヘテロ環上に、特にフェニル基上に、場合により、存在していることもある置換基は、ハロゲン、(C
1−C
6)−アルキル、(C
3−C
7)−シクロアルキル、R
33、(C
1−C
6)−アルキル−O−、R
33−O−、R
33−(C
1−C
4)−アルキル−O−、−O−CH
2−O−、−O−CF
2−O−、(C
1−C
6)−アルキル−S(O)
m−、H
2N−S(O)
2−、(C
1−C
4)−アルキル−NH−S(O)
2−、ジ((C
1−C
4)−アルキル)N−S(O)
2−、(C
1−C
6)−アルキル−NH−、ジ((C
1−C
6)−アルキル)N−、Het
1、(C
1−C
4)−アルキル−C(O)−NH−、Ar−C(O)−NH−、(C
1−C
4)−アルキル−S(O)
2−NH−及びNC−から成る系列より選択され、別の実施態様では、ハロゲン、(C
1−C
6)−アルキル、(C
3−C
7)−シクロアルキル、R
33、(C
1−C
6)−アルキル−O−、R
33−O−、R
33−(C
1−C
4)−アルキル−O−、−O−CH
2−O−、−O−CF
2−O−、(C
1−C
6)−アルキル−S(O)
m−、H
2N−S(O)
2−、(C
1−C
4)−アルキル−NH−S(O)
2−、ジ((C
1−C
4)−アルキル)N−S(O)
2−、(C
1−C
6)−アルキル−NH−、ジ((C
1−C
6)−アルキル)N−、Het
1及びNC−から成る系列より選択され、別の実施態様では、ハロゲン、(C
1−C
6)−アルキル、(C
3−C
7)−シクロアルキル、R
33、(C
1−C
6)−アルキル−O−、R
33−O−、R
33−(C
1−C
4)−アルキル−O−、−O−CH
2−O−、−O−CF
2−O−、(C
1−C
6)−アルキル−S(O)
m−、(C
1−C
6)−アルキル−NH−、ジ((C
1−C
6)−アルキル)N−、Het
1及びNC−から成る系列より選択され、別の実施態様では、ハロゲン、(C
1−C
6)−アルキル、R
33、(C
1−C
6)−アルキル−O−、R
33−O−、−O−CH
2−O−、−O−CF
2−O−、(C
1−C
6)−アルキル−S(O)
m−、Het
1及びNC−から成る系列より選択され、別の実施態様では、ハロゲン、(C
1−C
6)−アルキル、R
33、(C
1−C
6)−アルキル−O−、R
33−O−、−O−CH
2−O−、−O−CF
2−O−及びNC−から成る系列より選択され、別の実施態様では、ハロゲン、(C
1−C
6)−アルキル、R
33、(C
1−C
6)−アルキル−O−、R
33−O−及びNC−から成る系列より選択され、別の実施態様では、ハロゲン、(C
1−C
6)−アルキル、(C
3−C
7)−シクロアルキル、R
33、(C
1−C
6)−アルキル−O−、R
33−O−、R
33−(C
1−C
4)−アルキル−O−、−O−CH
2−O−、−O−CF
2−O−、(C
1−C
6)−アルキル−S(O)
m−、ジ((C
1−C
4)−アルキル)N−S(O)
2−、H
2N−、ジ((C
1−C
6)−アルキル)N−、Het
1、(C
1−C
4)−アルキル−C(O)−NH−、Ar−C(O)−NH−及びNC−から成る系列より選択され、別の実施態様では、ハロゲン、(C
1−C
6)−アルキル、(C
3−C
7)−シクロアルキル、R
33、(C
1−C
6)−アルキル−O−、R
33−O−、R
33−(C
1−C
4)−アルキル−O−、−O−CH
2−O−、−O−CF
2−O−、(C
1−C
6)−アルキル−S(O)
m−、ジ((C
1−C
4)−アルキル)N−S(O)
2−、H
2N−、ジ((C
1−C
6)−アルキル)N−、Het
1及びNC−から成る系列より選択され、別の実施態様では、ハロゲン、(C
1−C
6)−アルキル、(C
3−C
7)−シクロアルキル、R
33、(C
1−C
6)−アルキル−O−、R
33−O−、R
33−(C
1−C
4)−アルキル−O−、−O−CH
2−O−、−O−CF
2−O−、(C
1−C
6)−アルキル−S(O)
m−、ジ((C
1−C
4)−アルキル)N−S(O)
2−、ジ((C
1−C
6)−アルキル)N−、Het
1及びNC−から成る系列より選択され、別の実施態様では、ハロゲン、(C
1−C
6)−アルキル、(C
3−C
7)−シクロアルキル、R
33、(C
1−C
6)−アルキル−O−、R
33−O−、R
33−(C
1−C
4)−アルキル−O−、(C
1−C
6)−アルキル−S(O)
m−、ジ((C
1−C
4)−アルキル)N−S(O)
2−、ジ((C
1−C
6)−アルキル)N−、Het
1及びNC−から成る系列より選択され、別の実施態様では、ハロゲン、(C
1−C
6)−アルキル、R
33、(C
1−C
6)−アルキル−O−及びR
33−O−から成る系列より選択され、別の実施態様では、ハロゲン、(C
1−C
6)−アルキル、R
33及び(C
1−C
6)−アルキル−O−から成る系列より選択され、別の実施態様では,ハロゲン、(C
1−C
6)−アルキル及びR
33から成る系列より選択され、別の実施態様では,ハロゲン及び(C
1−C
6)−アルキルから成る系列より選択される。一実施態様では、(C
3−C
7)−シクロアルキル、R
33、R
33−O−、R
33−(C
1−C
4)−アルキル−O−、−O−CH
2−O−、−O−CF
2−O−、Het
1及びAr−C(O)−NH−から成る系列からの置換基が、R
32に相当するフェニル基、及び芳香族のヘテロ環上に存在する場合には、2つ以下のこうした置換基が、別の実施態様では、1つ以下のこうした置換基が、他の置換基が何もない状態で、あるいは他の任意の置換基と共に存在する。
【0069】
一実施態様では、R
32に相当するフェニル基及び芳香族のヘテロ環上の置換基中に見出される(C
1−C
6)−アルキル基は、(C
1−C
4)−アルキル基であり、別の実施態様では、(C
1−C
3)−アルキル基であり、別の実施態様では、(C
1−C
2)−アルキル基であり、別の実施態様では、メチル基である。一実施態様では、R
32に相当するフェニル基及び芳香族のヘテロ環上の置換基として見出される(C
3−C
7)−シクロアルキル基は、(C
3−C
6)−シクロアルキル基であり、別の実施態様では、(C
3−C
5)−シクロアルキル基であり、別の実施態様では、(C
3−C
4)−シクロアルキル基であり、別の実施態様では、これはシクロプロピル基である。一実施態様では、R
32に相当するフェニル基及び芳香族のヘテロ環上の置換基に見出される基Arは、フェニル、及び芳香族の5員又は6員のヘテロ環から成る系列より選択され、該ヘテロ環は、1つ若しくは2つの同一又は相異なる環ヘテロ原子を含み、別の実施態様では、1つの環ヘテロ原子を含み、該環へテロ原子は、窒素、酸素及び硫黄から成る系列より選択され、該へテロ環は環炭素原子を介して結合しており、そして別の実施態様では、これはフェニル基であり、これらの基はすべて、場合により、式Iの化合物に関して上記又は下記に、一般的に指示されている通り、あるいは具体的に明確に述べられているあらゆる実施態様中で指示されている通りに、置換されていることもある。一実施態様では、R
32に相当するフェニル基及び芳香族のヘテロ環上の置換基中に見出される基Ar上の場合により存在していることもある置換基の数は、1又は2個であり、別の実施態様では、1個であり、そして場合により置換されていることもある置換基は、ハロゲン、(C
1−C
4)−アルキル、(C
1−C
4)−アルキル−O−、(C
1−C
4)−アルキル−S(O)
m−及びNC−から成る系列より選択され、別の実施態様では、ハロゲン、(C
1−C
4)−アルキル及び(C
1−C
4)−アルキル−O−から成る系列より選択され、別の実施態様では、ハロゲン及び(C
1−C
4)−アルキルから成る系列より選択され、そして別の実施態様では、こうした基Arは、非置換である。
【0070】
一実施態様では、R
32に相当するフェニル基又は芳香族のヘテロ環上の置換基として見出される基Het
1は、飽和又は不飽和の4員〜6員の単環式ヘテロ環であり、別の実施態様では、5員又は6員のヘテロ環であり、該へテロ環は、Het
1がそれを介して結合している環窒素原子を含み、そして場合により、1つ又は2つの更なる環ヘテロ原子を含んでいることもあり、別の実施態様では、1つの更なる環ヘテロ原子を含み、これらは窒素、酸素及び硫黄から成る系列より選択され、こうしたヘテロ環は、場合により、式Iの化合物に関して上記又は下記に、一般的に指示されている通り、あるいは具体的に明確に述べられているあらゆる実施態様中で指示されている通りに、置換されていることもある。一実施態様では、R
32に相当するフェニル基又は芳香族のヘテロ環上の置換基として見出される基Het
1は、Het
1がそれを介して結合している環窒素原子のほかに、更なるいずれかの環ヘテロ原子を含むことはない。一実施態様では、R
32に相当するフェニル基又は芳香族のヘテロ環上の置換基として見出される基Het
1は、飽和であり、別の実施態様では、これは不飽和である。一実施態様では、R
32に相当するフェニル基又は芳香族のヘテロ環上の置換基として見出される基Het
1上に場合により存在することもある置換基の数は、1、2、3又は4個であり、別の実施態様では、1、2又は3個であり、別の実施態様では、1又は2個であり、別の実施態様では1個であり、そして別の実施態様では、こうした基Het
1は、非置換である。一実施態様では、R
32に相当するフェニル基又は芳香族のヘテロ環上の置換基として見出される基Het
1上に、場合により存在することもある置換基は、ハロゲン、(C
1−C
4)−アルキル、HO−、(C
1−C
4)−アルキル−O−及びオキソから成る系列より選択され、別の実施態様では、フッ素、(C
1−C
4)−アルキル、HO−及びオキソから成る系列より選択され、別の実施態様では、フッ素、(C
1−C
4)−アルキル及びオキソから成る系列より選択され、そして別の実施態様では、それらは(C
1−C
4)−アルキル置換基である。
【0071】
本発明の一実施態様では、そのR
32がその任意の1つ又は複数から選択される基R
32の例には、フェニル、2−フルオロ−フェニル、3−フルオロ−フェニル、4−フルオロ−フェニル、2−クロロ−フェニル、3−クロロ−フェニル、4−クロロ−フェニル、3−ブロモ−フェニル、4−ブロモ−フェニル、2,3−ジクロロ−フェニル、2,4−ジクロロ−フェニル、2,5−ジクロロ−フェニル、2,6−ジクロロ−フェニル、3,4−ジクロロ−フェニル、2,3−ジフルオロ−フェニル、2,4−ジフルオロ−フェニル、2,5−ジフルオロ−フェニル、2,6−ジフルオロ−フェニル、3,4−ジフルオロ−フェニル、2−クロロ−6−フルオロ−フェニル、3,4,5−トリフルオロ−フェニル、2−メチル−フェニル(o−トリル)、3−メチル−フェニル(m−トリル)、4−メチル−フェニル(p−トリル)、2,3−ジメチル−フェニル、2,4−ジメチル−フェニル、2,5−ジメチル−フェニル、2,6−ジメチル−フェニル、3,4−ジメチル−フェニル、2−エチル−フェニル、3−エチル−フェニル、4−エチル−フェニル、3−イソプロピル−フェニル、3−tert−ブチル−フェニル、4−tert−ブチル−フェニル、3−トリフルオロメチル−フェニル、4−トリフルオロメチル−フェニル、2−フルオロ−5−メチル−フェニル、3−クロロ−2−メチル−フェニル、5−クロロ−2−メチル−フェニル、5−クロロ−2−フルオロ−3−メチル−フェニル、2−フルオロ−3−トリフルオロメチル−フェニル、2−フルオロ−5−トリフルオロメチル−フェニル、4−フルオロ−3−トリフルオロメチル−フェニル、5−フルオロ−3−トリフルオロメチル−フェニル、3−クロロ−4−トリフルオロメチル−フェニル、5−クロロ−2−トリフルオロメチル−フェニル、5−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル、2−メトキシ−フェニル、3−メトキシ−フェニル、4−メトキシ−フェニル、3−エトキシ−フェニル、3−プロポキシ−フェニル、3−イソプロポキシ−フェニル、4−tert−ブトキシ−フェニル、3−トリフルオロメトキシ−フェニル、4−トリフルオロメトキシ−フェニル、3−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−フェニル、5−クロロ−2−メトキシ−フェニル、3−クロロ−4−メトキシ−フェニル、5−フルオロ−3−イソプロポキシ−フェニル、2−フルオロ−3−トリフルオロメトキシ−フェニル、4−メトキシ−3,5−ジメチル−フェニル、3−メトキシ−5−トリフルオロメチル−フェニル、2,3−メチレンジオキシ−フェニル、2,3−ジフルオロメチレンジオキシ−フェニル、3,4−メチレンジオキシ−フェニル、3,4−ジフルオロメチレンジオキシ−フェニル、3−メチルスルファニル−フェニル、3−エチルスルファニル−フェニル、3−トリフルオロメチルスルファニル−フェニル、3−メタンスルホニル−フェニル、3−エタンスルホニル−フェニル、3−スルファモイル−フェニル、2−シアノ−フェニル、3−シアノ−フェニル、4−シアノ−フェニル、チオフェン−2−イル、チオフェン−3−イル、3−クロロ−チオフェン−2−イル、4−クロロ−チオフェン−2−イル、5−クロロ−チオフェン−2−イル、4,5−ジクロロ−チオフェン−2−イル、5−クロロ−チオフェン−3−イル、2,5−ジクロロ−チオフェン−3−イル、4−メチル−チオフェン−2−イル、5−メチル−チオフェン−3−イル、4,5−ジメチル−チオフェン−2−イル、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピリジン−4−イル、2−クロロ−ピリジン−3−イル、5−クロロ−ピリジン−2−イル、6−クロロ−ピリジン−3−イル、2−クロロ−ピリジン−4−イル、2,6−ジクロロ−ピリジン−3−イル、6−メトキシ−ピリジン−3−イル、2−クロロ−6−メトキシ−ピリジン−3−イルがある。
【0072】
本発明の一実施態様では、基R
33は、フェニル及び芳香族の5員又は6員の単環式ヘテロ環から成る系列より選択され、該ヘテロ環は、1つ若しくは2つの同一又は相異なる環ヘテロ原子を含み、別の実施態様では、1つの環ヘテロ原子を含み、該環ヘテロ原子は、窒素、酸素及び硫黄から成る系列より選択され、そして該へテロ環は、環炭素原子を介して結合しており、上記において、フェニル及びヘテロ環はすべて、場合により、式Iの化合物に関して上記又は下記に、一般的に指示されている通り、あるいは具体的に明確に述べられているあらゆる実施態様中で指示されている通りに、1つ又はそれより多い同一又は相異なる置換基によって置換されていることもある。一実施態様では、R
33に相当する芳香族のヘテロ環中の環ヘテロ原子は、窒素及び硫黄から成る系列より選択され、別の実施態様では、それらは窒素原子である。一実施態様では、R
33は、定義されている、フェニル及び芳香族の6員のヘテロ環から成る系列より選択され、別の実施態様では、フェニル及び芳香族の6員のヘテロ環から成る系列より選択され、該ヘテロ環は、環ヘテロ原子として1つ又は2つの窒素原子を含み、別の実施態様では、R
33は、定義されている、6員の単環式ヘテロ環であり、別の実施態様では、これは芳香族の6員のヘテロ環であり、該ヘテロ環は、環ヘテロ原子として1つ又は2つの窒素原子を含み、別の実施態様では、R
33は、フェニル、チオフェニル及びピリジニルから成る系列より選択され、別の実施態様では、フェニル及びピリジニルから成る系列より選択され、別の実施態様では、R
33はフェニルであり、そして別の実施態様では、R
33はピリジニルであり、これらはすべて、場合により、式Iの化合物に関して上記又は下記に、一般的に指示されている通り、あるいは具体的に明確に述べられているあらゆる実施態様中で指示されている通りに、1つ又はそれより多い同一又は相異なる置換基によって置換されていることもある。一実施態様では、場合により、R
33に相当するフェニル基及び芳香族のヘテロ環上に存在していることもある置換基の数は、1、2又は3個であり、別の実施態様では、1又は2個であり、別の実施態様では1個である。
【0073】
一実施態様では、場合により、R
33に相当するフェニル基及び芳香族のヘテロ環上に存在していることもある置換基は、ハロゲン、(C
1−C
6)−アルキル、(C
3−C
7)−シクロアルキル、HO−、(C
1−C
6)−アルキル−O−、(C
1−C
6)−アルキル−S(O)
m−、H
2N−S(O)
2−、ジ((C
1−C
4)−アルキル)N−S(O)
2−及びNC−から成る系列より選択され、別の実施態様では、ハロゲン、(C
1−C
6)−アルキル、(C
3−C
7)−シクロアルキル、HO−、(C
1−C
6)−アルキル−O−、H
2N−S(O)
2−、ジ((C
1−C
4)−アルキル)N−S(O)
2−及びNC−から成る系列より選択され、別の実施態様では、ハロゲン、(C
1−C
6)−アルキル、(C
3−C
7)−シクロアルキル、HO−、(C
1−C
6)−アルキル−O−及びNC−から成る系列より選択され、そしてハロゲン、(C
1−C
4)−アルキル、(C
1−C
4)−アルキル−O−、(C
1−C
4)−アルキル−S(O)
m−及びNC−から成る系列より選択され、別の実施態様では、ハロゲン、(C
1−C
4)−アルキル、(C
1−C
4)−アルキル−O−及びNC−から成る系列より選択され、別の実施態様では、ハロゲン、(C
1−C
4)−アルキル及び(C
1−C
4)−アルキル−O−から成る系列より選択され、別の実施態様では、ハロゲン及び(C
1−C
4)−アルキルから成る系列より選択される。一実施態様では、R
33に相当するフェニル基及び芳香族のヘテロ環上の置換基中に見出される(C
1−C
6)−アルキル基は、(C
1−C
4)−アルキル基であり、別の実施態様では、(C
1−C
3)−アルキル基であり、別の実施態様では、(C
1−C
2)−アルキル基であり、別の実施態様ではメチル基である。一実施態様では、R
32に相当するフェニル基及び芳香族のヘテロ環上の置換基として見出される(C
3−C
7)−シクロアルキル基は、(C
3−C
6)−シクロアルキル基であり、別の実施態様では、(C
3−C
5)−シクロアルキル基であり、別の実施態様では、(C
3−C
4)−シクロアルキル基であり、別の実施態様では、これはシクロプロピル基である。
【0074】
本発明の一実施態様では、基R
40は、水素及び(C
1−C
2)−アルキルから成る系列より選択され、別の実施態様では、水素及びメチルから成る系列より選択され、そして別の実施態様では、R
40は水素である。R
30及びR
40が異なっており、従ってR
30及びR
40を持っている炭素原子がキラルである場合は、本発明の一実施態様において、式Iの化合物は、この炭素原子の地点で、純粋な立体化学的配置、R立体配置、それともS立体配置を有するか、あるいは、例えば、2つの立体配置が99:1又はそれ以上であるモル比を有する、実質的に純粋な立体化学的配置を有する。R
30が、R
32−C
uH
2u−であり、かつuが0であり、すなわち、R
30が、定義されている、フェニル又は芳香族のヘテロ環であり、R
40が水素であり、そしてR
50が水素である場合は、本発明の一実施態様では、式Iの化合物は、R
30及びR
40を持っている炭素原子の地点で、純粋なS立体配置を有するか、あるいは、例えば、S立体配置がR立体配置に対して99:1又はそれ以上であるモル比を有する、実質的に純粋なS立体配置を有する。
【0075】
R
30及びR
40が一緒になって二価の基(CH
2)
xである場合には、2つの基、R
30及びR
40は、それらを持っている炭素原子と一緒になって、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン及びシクロヘキサンから選択されるシクロアルカン環を形成し、これが同じ環炭素原子上に、式Iに示されているモイエティ−C(O)−NH及び−C(R
50)(R
60)−Gを持つことになる。本発明の一実施態様では、基(CH
2)
x上に、場合により、存在することもある(C
1−C
4)−アルキル置換基の数は、1、2、3又は4個であり、別の実施態様では、1又は2個であり、そして別の実施態様では、基(CH
2)
x上にアルキル置換基は存在しない。一実施態様では、基(CH
2)
x上に置換基として見出される(C
1−C
4)−アルキル基は、メチル基である。一実施態様では、整数xは、2、4及び5から成る系列より選択され、別の実施態様では、4及び5から選択され、別の実施態様では、xは2であり、そして別の実施態様では、xは4である。本発明の一実施態様では、R
30及びR
40は、一緒になって(CH
2)
xであることはなく、従ってこうした実施態様では、R
30及びR
40は、それらの定義された他の意味のみを有する。
【0076】
本発明の一実施態様では、基R
50は、水素、(C
1−C
4)−アルキル及びHO−から成る系列より選択され、別の実施態様では、水素及び(C
1−C
4)−アルキルから成る系列より選択され、別の実施態様では、水素及び(C
1−C
2)−アルキルから成る系列より選択され、別の実施態様では、水素及びメチルから成る系列より選択され、別の実施態様では、水素及びHO−から成る系列より選択され、そして別の実施態様では、R
50は水素である。
【0077】
本発明の一実施態様では、基R
60は、水素及び(C
1−C
4)−アルキルから成る系列より選択され、別の実施態様では、水素及び(C
1−C
3)−アルキルから成る系列より選択され、別の実施態様では、水素及び(C
1−C
2)−アルキルから成る系列より選択され、別の実施態様では、水素及びメチルから成る系列より選択され、そして別の実施態様では、R
60は水素である。本発明の一実施態様では、R
50及びR
60は、双方とも水素である。R
50及びR
60が異なっており、従ってR
50及びR
60を持っている炭素原子がキラルである場合には、本発明の一実施態様では、式Iの化合物は、この炭素原子の地点で、純粋な立体化学的配置、R立体配置、それともS立体配置のどちらかを有するか、あるいは、例えば、2つの立体配置が99:1又はそれ以上であるモル比を有する、実質的に純粋な立体化学的配置を有する。
【0078】
R
50及びR
60が一緒になって二価の基(CH
2)
yである場合には、2つの基、R
50及びR
60は、それらを持っている炭素原子と一緒になって、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン及びシクロヘキサンから選択されるシクロアルカン環を形成し、これが同じ環炭素原子上に、式Iに示されているモイエティ−C(R
30)(R
40)−及びGを持つことになる。本発明の一実施態様では、基(CH
2)
y上に、場合により、存在することもある(C
1−C
4)−アルキル置換基の数は、1、2、3又は4個であり、別の実施態様では、1又は2個であり、そして別の実施態様では、基(CH
2)
y上にアルキル置換基は存在しない。一実施態様では、基(CH
2)
y上に置換基として見出される(C
1−C
4)−アルキル基は、メチル基である。一実施態様では、整数yは、2、4及び5から成る系列より選択され、別の実施態様では、4及び5から選択され、別の実施態様では、yは2であり、そして別の実施態様では、yは4である。本発明の一実施態様では、R
50及びR
60は、一緒になって(CH
2)
yであることはなく、従ってこうした実施態様では、R
50及びR
60は、それらの定義された他の意味のみを有する。本発明の一実施態様では、R
30及びR
40が、同時に一緒になって(CH
2)
xである場合には、R
50及びR
60は一緒になって(CH
2)
yであることはできない。
【0079】
本発明の一実施態様では、基R
71は、水素及び(C
1−C
6)−アルキルから成る系列より選択され、別の実施態様では、水素及び(C
1−C
4)−アルキルから成る系列より選択され、別の実施態様では、水素及び(C
1−C
3)−アルキルから成る系列より選択され、別の実施態様では、水素及び(C
1−C
2)−アルキルから成る系列より選択され、別の実施態様では、R
71は水素であり、別の実施態様では、R
71は(C
1−C
6)−アルキルであり、別の実施態様では、R
71は(C
1−C
4)−アルキルであり、別の実施態様では、R
71は(C
1−C
3)−アルキルであり、そして別の実施態様では、R
71は(C
1−C
2)−アルキルであり、上記において、こうしたアルキル基はすべて、場合により、式Iの化合物に関して上記又は下記に、一般的に指示されている通り、あるいは具体的に明確に述べられているあらゆる実施態様中で指示されている通りに、置換されていることもある。一実施態様では、R
71に相当するアルキル基上に、場合により、存在していることもある置換基の数は、1又は2個であり、別の実施態様では、これは1個であり、別の実施態様では、R
71に相当するアルキル基は、非置換である。一実施態様では、R
71に相当するアルキル基上に、場合により、存在していることもある置換基は、(C
1−C
6)−アルキル−O−置換基であり、別の実施態様では、(C
1−C
4)−アルキル−O−置換基であり、別の実施態様では、(C
1−C
3)−アルキル−O−置換基であり、別の実施態様では、(C
1−C
6)−アルキル−C(O)−O−置換基であり、別の実施態様では、(C
1−C
4)−アルキル−C(O)−O−置換基であり、別の実施態様では、(C
1−C
3)−アルキル−C(O)−O−置換基である。
【0080】
一実施態様では、基R
72は、水素、(C
1−C
6)−アルキル、(C
3−C
6)−シクロアルキル−CH
2−(CH
2)
b−(C
3−C
6)−シクロアルキル及び−(CH
2)
b−Het
4から成る系列より選択され、ここで、アルキル又はシクロアルキルは、場合により、ハロゲン、HO−、HOOC−、(C
1−C
6)−アルキル−O−及び(C
1−C
6)−アルキル−C(O)−O−、NC−、N((C
1−C
4)−アルキル)
2から成る系列より選択される、1つ又はそれより多い同一又は相異なる置換基によって置換されていることもあり、そしてbは、0、1又は2であり、そして基R
73は、水素、(C
1−C
6)−アルキルから成る系列より選択される。
【0081】
別の実施態様では、基R
72及びR
73は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、飽和の、4員〜7員の単環式ヘテロ環を形成し、該ヘテロ環は、場合により、窒素、酸素及び硫黄から成る系列より選択される更なる1つの環ヘテロ原子を含んでいることもあり、そして場合により、ハロゲン、(C
1−C
4)−アルキル、HO−及び(C
1−C
4)−アルキル−O−から成る系列より選択される、1つ又はそれより多い同一又は相異なる置換基によって置換されていることもある。
【0082】
別の実施態様では、基R
72は、水素、(C
1−C
6)−アルキル、(C
3−C
6)−シクロアルキル、Het
4及び―CH
2−Het
4から成る系列より選択され、ここで、アルキル又はシクロアルキルは、場合により、ハロゲン、HO−、HOOC−、(C
1−C
6)−アルキル−O−及び(C
1−C
6)−アルキル−C(O)−O−、NC−、N((C
1−C
4)−アルキル)
2から成る系列より選択される、1つ又はそれより多い同一又は相異なる置換基によって置換されていることもあり、そして基R
73は、水素、(C
1−C
6)−アルキルから成る系列より選択される。
【0083】
別の実施態様では、基R
72及びR
73は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、飽和の、5員〜6員の単環式ヘテロ環を形成し、該ヘテロ環は、場合により、窒素、酸素及び硫黄から成る系列より選択される更なる1つの環ヘテロ原子を含んでいることもあり、そして場合により、ハロゲン、(C
1−C
4)−アルキル、HO−及び(C
1−C
4)−アルキル−O−から成る系列より選択される、1つ又はそれより多い同一又は相異なる置換基によって置換されていることもある。
【0084】
一実施態様では、基R
72は、水素、(C
1−C
6)−アルキル、(C
3−C
6)−シクロアルキル及び―CH
2−Het
4から成る系列より選択され、ここで、アルキル又はシクロアルキルは、場合により、ハロゲン、HO−、HOOC−、(C
1−C
6)−アルキル−O−及び(C
1−C
6)−アルキル−C(O)−O−、NC−、N((C
1−C
4)−アルキル)
2から成る系列より選択される、1つ又はそれより多い同一又は相異なる置換基によって置換されていることもあり、そして基R
73は、水素、及び(C
1−C
6)−アルキルから成る系列より選択される。
【0085】
別の実施態様では、基R
72及びR
73は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、飽和の、5員〜6員の単環式ヘテロ環を形成し、該ヘテロ環は、更に環へテロ原子を含むことはなく、そして場合により、ハロゲン、(C
1−C
4)−アルキル、HO−及び(C
1−C
4)−アルキル−O−から成る系列より選択される、1つ又はそれより多い同一又は相異なる置換基によって置換されていることもある。
【0086】
一実施態様では、基R
72は、水素、2,2−ジメチル−ブタン−3−イル、2,2−ジメチル−プロパン−3−イル、ペンタン−3−イル、プロパン−2−イル、2−メチル−プロパン−2−イル、ブタン−1−イル、ブタン−2−イル、2−メチル−ブタン−3−イル、2−メチル−ブタン−2−イル、−CH
2CHF
2、−CHCF
3、CH
2CN、−CH
2CH
2OCH
3、−CH(CH
2OH)CH(CH
3)
2、−CH
2C(CH
3)
2−CH
2OH、CH(C
2H
5)CH
2OCH
3、CH
2CH
2CH
2N(CH
3)
2、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン及び−CH
2−Het
4から成る系列より選択され、そして基R
73は水素である。
【0087】
別の実施態様では、基R
72及びR
73は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ピロリジンを形成し、このピロリジンは、場合により、HO−によって置換されていることもある。別の実施態様では、基R
72は、水素、(C
1−C
6)−アルキルから成る系列より選択され、上記において、アルキルは、1回又は複数回、HO−によって置換され、そして基R
73は水素である。
【0088】
本発明の一実施態様では、基R
72及びR
73は、互いに独立して、水素及び(C
1−C
2)−アルキルから成る系列より選択され、別の実施態様では、水素及びメチルから成る系列より選択される。一実施態様では、基R
72及びR
73の一方は、水素であり、そして他方は、水素及び(C
1−C
4)−アルキルから成る系列より選択され、別の実施態様では、水素及び(C
1−C
2)−アルキルから成る系列より選択され、別の実施態様では、水素及びメチルから成る系列より選択され、そして別の実施態様では、基R
72及びR
73の双方とも水素である。
【0089】
本発明の一実施態様では、基Het
4は、他のすべての基Het
4とは独立して、飽和又は不飽和の4員〜8員の単環式ヘテロ環であり、該へテロ環は、窒素、酸素及び硫黄から成る系列より選択される1つ〜4つの環ヘテロ原子(one to four ring heteroatoms)を含み、そして場合により、ハロゲン、(C
1−C
4)−アルキル、HO−、(C
1−C
4)−アルキル−O−、オキソ及びNC−から成る系列より選択される、1つ又はそれより多い同一又は相異なる置換基によって置換されていることもあり;
別の実施態様では、基Het
4は、他のすべての基Het
4とは独立して、飽和又は不飽和の5員〜6員の単環式ヘテロ環であり、該へテロ環は、窒素、酸素及び硫黄から成る系列より選択される1つ〜4つの環ヘテロ原子を含み、そして場合により、ハロゲン、(C
1−C
4)−アルキル、HO−、(C
1−C
4)−アルキル−O−、オキソ及びNC−から成る系列より選択される、1つ又はそれより多い同一又は相異なる置換基によって置換されていることもあり;
別の実施態様では、基Het
4は、他のすべての基Het
4とは独立して、不飽和の5員〜6員の単環式ヘテロ環であり、該へテロ環は、窒素、酸素及び硫黄から成る系列より選択される1つ〜4つの環ヘテロ原子を含み、そして場合により、ハロゲン、(C
1−C
4)−アルキル、HO−、(C
1−C
4)−アルキル−O−及びNC−から成る系列より選択される、1つ又はそれより多い同一又は相異なる置換基によって置換されていることもあり;
別の実施態様では、基Het
4は、他のすべての基Het
4とは独立して、1,2−オキサジアゾリル、テトラゾリル(tetrazlolyl)、ピラゾリル、フラニル、ピリジニル、ピリミジニル(pyriminyl)から選択され、こうした基は、場合により、メチルによって置換されていることもある。
【0090】
本発明の一実施態様では、式Iの化合物中の出現するあらゆる基Arは、他のすべての基Arとは独立して、フェニル及び芳香族の5員又は6員の単環式ヘテロ環から成る系列より選択され、該へテロ環は、1つ若しくは2つの同一又は相異なる環ヘテロ原子を含み、別の実施態様では、1つの環ヘテロ原子を含み、こうしたヘテロ環は窒素、酸素及び硫黄から成る系列より選択され、そして環炭素原子を介して結合しており、別の実施態様では、Arは、フェニル及び芳香族の6員のヘテロ環から成る系列より選択され、該へテロ環は、環ヘテロ原子として1つ又は2つの窒素原子を含み、別の実施態様では、Arは、フェニル、チオフェニル及びピリジニルから成る系列より選択され、別の実施態様では、フェニル及びチオフェニルから成る系列より選択され、別の実施態様では、フェニル及びピリジニルから成る系列より選択され、別の実施態様では、基Arはフェニルであり、そして別の実施態様では、基Arはピリジニルであり、上記において、フェニル及びヘテロ環はすべて、場合により、式Iの化合物に関して上記又は下記に、一般的に指示されている通り、あるいは具体的に明確に述べられているあらゆる実施態様中で指示されている通りに、置換されていることもある。一実施態様では、場合により、基Ar上に存在していることもある置換基の数は、他のすべての基Arとは独立して、1、2、3又は4個であり、別の実施態様では、1、2又は3個であり、別の実施態様では、1又は2個であり、別の実施態様では1個であり、そして別の実施態様では、基Arは非置換である。
【0091】
一実施態様では、−CH=CH−CH=CH−、−O−CH
2−CH
2−O−、−N((C
1−C
3)−アルキル)−CH=CH−、−O−CH
2−O−及び−O−CF
2−O−から成る系列からの置換基が、フェニルである基Ar上に存在する場合には、2個以下のこうした置換基が、別の実施態様では、1個以下のこうした置換基が、他には置換基がない状態か、あるいは他の任意の置換基と共に存在する。一実施態様では、場合により、基Ar上に存在していることもある置換基は、他のすべての基Arとは独立して、ハロゲン、(C
1−C
6)−アルキル、HO−(C
1−C
6)−アルキル、Het
4、−(CH
2)
x−フェニル、(C
1−C
6)−アルキル−O−、(C
3−C
7)−シクロアルキル−(CH
2)
x−O−、−CF
3、−CO−(C
1−C
6)−アルキル、−NR
12R
13、Het
2、−CO−NR
12R
13、CO−Het
2、(C
1−C
6)−アルキル−S(O)
m−、H
2N−S(O)
2−及びNC−から成る系列より選択され;別の実施態様では、ハロゲン、(C
1−C
6)−アルキル、(C
1−C
6)−アルキル−O−、(C
1−C
6)−アルキル−S(O)
m−及びNC−から成る系列より選択され、別の実施態様では、ハロゲン、(C
1−C
6)−アルキル、(C
1−C
6)−アルキル−O−及びNC−から成る系列より選択され、別の実施態様では、ハロゲン、(C
1−C
6)−アルキル及び(C
1−C
6)−アルキル−O−から成る系列より選択され、別の実施態様では、ハロゲン、(C
1−C
4)−アルキル及び(C
1−C
4)−アルキル−O−から成る系列より選択され、別の実施態様では、ハロゲン及び(C
1−C
4)−アルキルから成る系列より選択される。
【0092】
本発明の対象は、式Iのすべての化合物であり、式Iにおいて、基、置換基、及び数などの任意の1つ又はそれより多い構造エレメントは、エレメントに関するあらゆる具体的に述べた実施態様又は定義中の通りに定義されているか、あるいはエレメントの例として本明細書中に言及されている1つ又はそれより多い具体的に明確にした意味を有しており、そして1つ又はそれより多い具体的に述べた実施態様及び/又は定義及び/又はエレメントの具体的に明確にした意味のすべての組み合わせがこの発明の対象である。また、こうした式Iのすべての化合物に関しては、それらのあらゆる立体異性体形態、及び任意の比率の立体異性体形態の混合物、及びそれらの生理学的に許容される塩、及びそれらのいずれかの生理学的に許容される溶媒和物がこの発明の対象である。
【0093】
いずれかの構造エレメントに関して本発明の具体的に述べた実施態様又はこうしたエレメントの定義中の通りに定義されている、本発明の化合物の例として、式I
[式Iにおいて、
Gは、R
71−O−C(O)−及びR
72−N(R
73)−C(O)−から成る系列より選択され;
R
30は、R
32−C
uH
2u−(上記において、uは、0及び1から成る系列より選択される整数である)であり;
R
32は、フェニル及び芳香族の6員の単環式へテロ環から成る系列より選択され、該へテロ環は、環へテロ原子として、1つ若しくは2つの窒素原子を含み、上記において、フェニルへテロ環はすべて、場合により、ハロゲン、(C
1−C
6)−アルキル、(C
3−C
7)−シクロアルキル、R
33、HO−、(C
1−C
6)−アルキル−O−、R
33−O−、R
33−(C
1−C
4)−アルキル−O−、−O−CH
2−O−、−O−CF
2−O−、(C
1−C
6)−アルキル−S(O)
m−、ジ((C
1−C
4)−アルキル)N−S(O)
2−、H
2N−、ジ((C
1−C
6)−アルキル)N−、Het
1、(C
1−C
4)−アルキル−C(O)−NH−、Ar−C(O)−NH−及びNC−から成る系列より選択される、1つ又はそれより多い同一又は相異なる置換基によって置換されていることもあり;
R
33は、フェニル及び芳香族の6員の単環式へテロ環から成る系列より選択され、該へテロ環は、環へテロ原子として、1つ若しくは2つの窒素原子を含み、上記において、フェニル及びへテロ環はすべて、場合により、ハロゲン、(C
1−C
6)−アルキル、(C
3−C
7)−シクロアルキル、HO−、(C
1−C
6)−アルキル−O−、(C
1−C
6)−アルキル−S(O)
m−、H
2N−S(O)
2−、ジ((C
1−C
4)−アルキル)N−S(O)
2−及びNC−から成る系列より選択される、1つ又はそれより多い同一又は相異なる置換基によって置換されていることもあり;
R
40は、水素である]
の化合物が言及されうる。
【0094】
いずれかの構造エレメントに関して本発明の具体的に述べた実施態様又はこうしたエレメントの定義中の通りに定義されている、本発明の化合物の別のそうした例として、式I[式Iにおいて、
Gは、R
71−O−C(O)−であり;
R
30は、R
32−C
uH
2u−(上記において、uは、0である)であり;
R
32は、フェニルから成る系列より選択され、上記において、該フェニルは、場合により、ハロゲン、(C
1−C
6)−アルキル、(C
3−C
7)−シクロアルキル、R
33、HO−、(C
1−C
6)−アルキル−O−、R
33−O−、R
33−(C
1−C
4)−アルキル−O−、−O−CH
2−O−、−O−CF
2−O−、(C
1−C
6)−アルキル−S(O)
m−、ジ((C
1−C
4)−アルキル)N−S(O)
2−、H
2N−、ジ((C
1−C
6)−アルキル)N−、Het
1、(C
1−C
4)−アルキル−C(O)−NH−、Ar−C(O)−NH−及びNC−から成る系列より選択される、1つ又はそれより多い同一又は相異なる置換基によって置換されていることもあり;
R
33は、フェニルから成る系列より選択され、該フェニルは、場合により、ハロゲン、(C
1−C
6)−アルキル、(C
3−C
7)−シクロアルキル、HO−、(C
1−C
6)−アルキル−O−、(C
1−C
6)−アルキル−S(O)
m−、H
2N−S(O)
2−、ジ((C
1−C
4)−アルキル)N−S(O)
2−及びNC−から成る系列より選択される、1つ又はそれより多い同一又は相異なる置換基によって置換されていることもあり;
R
40は、水素である]
の化合物が言及されうる。
【0095】
いずれかの構造エレメントに関して本発明の具体的に述べた実施態様又はこうしたエレメントの定義中の通りに定義されている、本発明の化合物の別のそうした例として、式I(式Iにおいて、
R
50は、水素であり;
R
60は、水素である)
の化合物が言及されうる。
【0096】
いずれかの構造エレメントに関して本発明の具体的に述べた実施態様又はこうしたエレメントの定義中の通りに定義されている、本発明の化合物の別のそうした例として、下位式(subformulae)I−1〜I−7の系列から選択される、式Iの化合物を言及することができる。
【0097】
【化4】
【0098】
いずれかの構造エレメントに関して本発明の具体的に述べた実施態様又はこうしたエレメントの定義中の通りに定義されている、本発明の化合物の別のそうした例として、式I−1:
【化5】
[式中、
R
2は、Ar−C
sH
2s−(上記において、sは、0から成る系列より選択される整数である)であり;
R
3は、水素、ハロゲン、R
11−O−、HO−、(C
1−C
6)−アルキル及び(C
1−C
6)−アルキル−O−;好ましくは、HO−及び(C
1−C
6)−アルキルから成る系列より選択され;
R
4は、水素であり;
R
10は、水素である]
の化合物がある。
【0099】
いずれかの構造エレメントに関して本発明の具体的に述べた実施態様又はこうしたエレメントの定義中の通りに定義されている、本発明の化合物の別のそうした例として、式I−1:
【化6】
[式中、
R
1は、水素であり;
R
3は、水素、ハロゲン、(C
1−C
6)−アルキル、(C
1−C
6)−アルキル−S(O)
m−、フェニル−C
sH
2s−(O)
t−、Het
4−(O)
t−、−NR
12R
13、Het
2、R
11−O−、R
12−N(R
13)−C(O)−O−及びHet
2−C(O)−O−及びNC−(上記において、sは、0、1、2及び3から成る系列より選択される整数であり、そしてtは、0及び1から成る系列より選択される整数である)から成る系列より選択され;
R
4は、水素であり;
R
10は、水素、ハロゲン、(C
1−C
6)−アルキル、(C
1−C
6)−アルキル−O−、(C
1−C
6)−アルキル−S(O)
m−、HO−、−NR
12R
13、Het
2、フェニル−C
sH
2s−(O)
t−(上記において、sは、0、1、2及び3から成る系列より選択される整数であり、そしてtは、0及び1から成る系列より選択される整数である)から成る系列より選択される]
の化合物がある。
【0100】
本発明の対象はまた、本明細書中に開示されている具体的に明確にした任意の式Iの化合物から選択される式Iの化合物であるか、又は本明細書中に開示されている具体的に明確にした式Iの化合物のうちのいずれかであり、それらが遊離の化合物として及び/又は特定の塩として開示されているか、それともその生理学的に許容される塩として開示されているか、それともそれらのいずれかの生理学的に許容される溶媒和物として開示されているかとは無関係であり、上記において、式Iの化合物は、任意の立体異性体形態又は任意の比率の立体異性体形態の混合物を含めて本発明の対象である。
【0101】
例えば、本発明の対象は、下記から選択される式Iの化合物:
(S)−3−[(5−メトキシ−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−o−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−(2,4−ジクロロ−フェニル)−3−[(5−メトキシ−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−プロピオン酸、
(S)−3−[(6−クロロ−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−o−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−{[3−(4,6−ジメトキシ−ピリミジン−2−イルオキシ)−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−o−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−[(6−ブロモ−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−o−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−{[4−(ピリミジン−2−イルスルファニル)−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−o−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−[(6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−o−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−[(5−フェニル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−o−トリル−プロピオン酸、
【0102】
(S)−3−{[5−(2−クロロ−フェニル)−ピリジン−3−カルボニル]−アミノ}−3−o−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−{[5−(2,3−ジクロロ−フェニル)−ピリジン−3−カルボニル]−アミノ}−3−o−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−{[5−(2,3−ジメチル−フェニル)−ピリジン−3−カルボニル]−アミノ}−3−o−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−o−トリル−3−[(6−m−トリル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(2−クロロ−フェニル)−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−o−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(2−フルオロ−フェニル)−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−o−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(2,3−ジフルオロ−フェニル)−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−o−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−o−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−o−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(2,3−ジメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−o−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(5−フルオロ−2−メチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−o−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(2−メトキシ−4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−o−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(4−クロロ−2−メトキシ−フェニル)−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−o−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(2−フルオロ−5−メトキシ−フェニル)−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−o−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(2−フルオロ−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−o−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(2−フルオロ−5−メチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−o−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−[(5−メトキシ−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−p−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−[(5−メトキシ−6−o−トリル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−p−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−{[5−メトキシ−6−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−p−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(3−フルオロ−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−p−トリル−プロピオン酸、
【0103】
(S)−3−{[5−メトキシ−6−(2−メトキシ−フェニル)−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−p−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(2−クロロ−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−p−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(2−フルオロ−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−p−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−p−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(2,3−ジクロロ−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−p−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(2−クロロ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−p−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(3−フルオロ−2−メチル−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−(2−フルオロ−フェニル)−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(2−クロロ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−(2−フルオロ−フェニル)−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(2,3−ジフルオロ−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−p−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−p−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(2,5−ジクロロ−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−p−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(3,5−ジメチル−イソオキサゾール−4−イル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−p−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−p−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(2,3−ジメチル−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−p−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−[(3,2’−ジメトキシ−[2,3’]ビピリジニル−6−カルボニル)−アミノ]−3−p−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(5−フルオロ−2−メチル−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−p−トリル−プロピオン酸、
【0104】
(S)−3−{[6−(4−フルオロ−2−メトキシ−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−p−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(5−フルオロ−2−メトキシ−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−p−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(2−フルオロ−5−メチル−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−p−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(3−クロロ−2−メチル−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−p−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(3−フルオロ−2−メチル−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−p−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(5−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−p−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−(2−フルオロ−フェニル)−3−[(5−メトキシ−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(2,4−ジクロロ−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−(2−フルオロ−フェニル)−プロピオン酸、
(S)−3−(2−フルオロ−フェニル)−3−[(5−メトキシ−6−o−トリル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−プロピオン酸、
(S)−3−(2−フルオロ−フェニル)−3−{[5−メトキシ−6−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−プロピオン酸、
(S)−3−(2−フルオロ−フェニル)−3−{[5−メトキシ−6−(2−メトキシ−フェニル)−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(2−クロロ−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−(2−フルオロ−フェニル)−プロピオン酸、
(S)−3−(2−フルオロ−フェニル)−3−{[6−(2−フルオロ−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−(2−フルオロ−フェニル)−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(2,3−ジクロロ−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−(2−フルオロ−フェニル)−プロピオン酸、
【0105】
(S)−3−{[6−(2,3−ジフルオロ−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−(2−フルオロ−フェニル)−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−(2−フルオロ−フェニル)−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−(2−フルオロ−フェニル)−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(3,5−ジメチル−イソオキサゾール−4−イル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−(2−フルオロ−フェニル)−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(2,3−ジメチル−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−(2−フルオロ−フェニル)−プロピオン酸、
(S)−3−[(3,2’−ジメトキシ−[2,3’]ビピリジニル−6−カルボニル)−アミノ]−3−(2−フルオロ−フェニル)−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(5−フルオロ−2−メチル−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−(2−フルオロ−フェニル)−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(4−フルオロ−2−メトキシ−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−(2−フルオロ−フェニル)−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(5−フルオロ−2−メトキシ−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−(2−フルオロ−フェニル)−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(2−フルオロ−5−メチル−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−(2−フルオロ−フェニル)−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(3−クロロ−2−メチル−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−(2−フルオロ−フェニル)−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(5−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−(2−フルオロ−フェニル)−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−(2−フルオロ−フェニル)−プロピオン酸、
(S)−3−(2−フルオロ−フェニル)−3−{[5−メトキシ−6−(2−メチル−フラン−3−イル)−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(2−クロロ−3−メチル−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−(2−フルオロ−フェニル)−プロピオン酸、
(S)−3−(2−クロロ−フェニル)−3−[(5−メトキシ−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−プロピオン酸、
【0106】
(S)−3−(2−クロロ−フェニル)−3−{[6−(2,4−ジクロロ−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−プロピオン酸、
(S)−3−(2−クロロ−フェニル)−3−{[6−(4−フルオロ−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−プロピオン酸、
(S)−3−{[5−メトキシ−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−o−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(2,4−ジクロロ−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−o−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(4−フルオロ−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−o−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(4−クロロ−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−o−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−[(5−メトキシ−6−p−トリル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−o−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(3−クロロ−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−o−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−{[5−メトキシ−6−(2−メトキシ−フェニル)−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−o−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−[(5−メトキシ−6−m−トリル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−o−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(2−クロロ−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−o−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(3,4−ジフルオロ−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−o−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−o−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(2,5−ジクロロ−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−o−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(3,5−ジメチル−イソオキサゾール−4−イル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−o−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(2,3−ジメチル−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−o−トリル−プロピオン酸、
【0107】
(S)−3−{[6−(2,4−ジメチル−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−o−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(4−フルオロ−2−メトキシ−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−o−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(2−クロロ−5−メチル−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−o−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−(2−クロロ−フェニル)−3−[(6−メトキシ−5−o−トリル−ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−プロピオン酸、
(S)−3−(2−クロロ−フェニル)−3−{[5−メトキシ−6−(2−メトキシ−フェニル)−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−プロピオン酸、
(S)−3−(2−クロロ−フェニル)−3−[(5−メトキシ−6−m−トリル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−プロピオン酸、
(S)−3−(2−クロロ−フェニル)−3−{[6−(2−クロロ−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−プロピオン酸、
(S)−3−(2−クロロ−フェニル)−3−{[6−(2−フルオロ−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−プロピオン酸、
(S)−3−(2−クロロ−フェニル)−3−{[6−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−プロピオン酸、
(S)−3−(2−クロロ−フェニル)−3−{[6−(2,3−ジクロロ−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−プロピオン酸、
(S)−3−(2−クロロ−フェニル)−3−{[6−(2,3−ジフルオロ−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−プロピオン酸、
(S)−3−(2−クロロ−フェニル)−3−{[6−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−プロピオン酸、
(S)−3−(2−クロロ−フェニル)−3−{[6−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−プロピオン酸
(S)−3−(2−クロロ−フェニル)−3−{[6−(2,3−ジメチル−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−プロピオン酸、
(S)−3−(2−クロロ−フェニル)−3−[(3,2’−ジメトキシ−[2,3’]ビピリジニル−6−カルボニル)−アミノ]−プロピオン酸、
(S)−3−(2−クロロ−フェニル)−3−{[6−(5−フルオロ−2−メチル−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−プロピオン酸、
【0108】
(S)−3−(2−クロロ−フェニル)−3−{[6−(4−フルオロ−2−メトキシ−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(4−クロロ−2−メトキシ−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−(2−クロロ−フェニル)−プロピオン酸、
(S)−3−(2−クロロ−フェニル)−3−{[6−(5−フルオロ−2−メトキシ−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−プロピオン酸、
(S)−3−(2−クロロ−フェニル)−3−{[6−(2−フルオロ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−プロピオン酸、
(S)−3−{[5−メトキシ−6−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−o−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−o−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−o−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−[(3,2’−ジメトキシ−[2,3’]ビピリジニル−6−カルボニル)−アミノ]−3−o−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−[(3’−フルオロ−3−メトキシ−[2,4’]ビピリジニル−6−カルボニル)−アミノ]−3−o−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−{[5−メトキシ−6−(2−メチル−フラン−3−イル)−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−o−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(4−シアノ−2−フルオロ−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−o−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−(2−クロロ−フェニル)−3−{[6−(2−フルオロ−5−メトキシ−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−プロピオン酸、
(S)−3−(2−クロロ−フェニル)−3−{[6−(2−フルオロ−5−メチル−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(3−クロロ−2−メチル−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−(2−クロロ−フェニル)−プロピオン酸、
(S)−3−(2−クロロ−フェニル)−3−{[6−(3−フルオロ−2−メチル−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(5−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−(2−クロロ−フェニル)−プロピオン酸、
【0109】
(S)−3−(2−クロロ−フェニル)−3−[(3’−フルオロ−3−メトキシ−[2,4’]ビピリジニル−6−カルボニル)−アミノ]−プロピオン酸、
(S)−3−(2−クロロ−フェニル)−3−[(5−メトキシ−6−ピラジン−2−イル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−(2−クロロ−フェニル)−プロピオン酸、
(S)−3−(2−クロロ−フェニル)−3−{[5−メトキシ−6−(2−メチル−フラン−3−イル)−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(2−クロロ−3−フルオロ−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−(2−クロロ−フェニル)−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(2−クロロ−3−メチル−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−(2−クロロ−フェニル)−プロピオン酸、
3−ビフェニル−4−イル−3−[(6−クロロ−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−プロピオン酸、
(S)−3−[(6−クロロ−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−o−トリル−プロピオン酸
(S)−3−[(3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−o−トリル−プロピオン酸、
3−ビフェニル−4−イル−3−[(3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボニル)−アミノ]−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(2−フルオロ−フェニル)−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−フェニル−プロピオン酸、
(S)−3−(3−フルオロ−フェニル)−3−{[6−(2−フルオロ−フェニル)−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−プロピオン酸、
(S)−3−(2−フルオロ−フェニル)−3−{[6−(2−フルオロ−フェニル)−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−プロピオン酸、
(S)−3−(4−フルオロ−フェニル)−3−{[6−(2−フルオロ−フェニル)−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−プロピオン酸、
3−(2−クロロ−フェニル)−3−[(6−メトキシ−キノリン−2−カルボニル)−アミノ]−プロピオン酸、
(S)−3−[(6−メトキシ−ビフェニル−3−カルボニル)−アミノ]−3−o−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(2−クロロ−フェニル)−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−m−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(2−フルオロ−フェニル)−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−(4−メトキシ−フェニル)−プロピオン酸、
【0110】
(S)−3−{[6−(2−クロロ−フェニル)−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−(2−フルオロ−フェニル)−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(2−クロロ−フェニル)−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−(4−フルオロ−フェニル)−プロピオン酸、
(S)−3−(3−クロロ−フェニル)−3−{[6−(2−フルオロ−フェニル)−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−プロピオン酸、
(S)−3−(4−クロロ−フェニル)−3−{[6−(2−フルオロ−フェニル)−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−プロピオン酸、
(S)−3−(4−クロロ−フェニル)−3−{[6−(2−クロロ−フェニル)−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−プロピオン酸、
(S)−3−(3−クロロ−フェニル)−3−{[6−(2−クロロ−フェニル)−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−プロピオン酸、
3−(2−クロロ−フェニル)−3−{[6−(2−クロロ−フェニル)−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(2−フルオロ−フェニル)−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(2−クロロ−フェニル)−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−(2,4−ジクロロ−フェニル)−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(2−クロロ−フェニル)−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(2−クロロ−フェニル)−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−ブロモ−5−(3,3−ジメチル−2−オキソ−ブトキシ)−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−o−トリル−プロピオン酸。
【0111】
更に、本発明の対象は、例えば、下記から選択される式Iの化合物:
(S)−3−[(5−メトキシ−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−o−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(2,3−ジメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−o−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(2−クロロ−フェニル)−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−o−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(2−フルオロ−フェニル)−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−o−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(5−フルオロ−2−メチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−o−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−o−トリル−3−[(6−m−トリル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−プロピオン酸、
(S)−3−({6−[3−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−フェニル]−ピリジン−2−カルボニル}−アミノ)−3−o−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−(2,4−ジクロロ−フェニル)−3−[(5−メトキシ−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−プロピオン酸、
(S)−3−[(2,6−ジメトキシ−ピリミジン−4−カルボニル)−アミノ]−3−o−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−[(5−フェニル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−o−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−{[3−(4,6−ジメトキシ−ピリミジン−2−イルオキシ)−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−o−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−{[4−(ピリミジン−2−イルスルファニル)−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−o−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−{[5−(2,3−ジクロロ−フェニル)−ピリジン−3−カルボニル]−アミノ}−3−o−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−{[5−(2,3−ジメチル−フェニル)−ピリジン−3−カルボニル]−アミノ}−3−o−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−{[5−(2−クロロ−フェニル)−ピリジン−3−カルボニル]−アミノ}−3−o−トリル−プロピオン酸
(S)−3−{[6−(2,3−ジフルオロ−フェニル)−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−o−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(2−フルオロ−5−メトキシ−フェニル)−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−o−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(2−フルオロ−5−メチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−o−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(2−メトキシ−4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−o−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−({5−メトキシ−6−[3−(5−メチル−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)−フェニル]−ピリジン−2−カルボニル}−アミノ)−3−o−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−(2−クロロ−フェニル)−3−[(5−メトキシ−6−ナフタレン−2−イル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−プロピオン酸、
【0112】
(S)−3−(2−クロロ−フェニル)−3−[(5−メトキシ−6−ピラジン−2−イル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−プロピオン酸、
(S)−3−(2−クロロ−フェニル)−3−[(6−メトキシ−5−ナフタレン−2−イル−ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−プロピオン酸、
(S)−3−(2−クロロ−フェニル)−3−{[5−メトキシ−6−(2−メチル−フラン−3−イル)−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−プロピオン酸、
(S)−3−(2−クロロ−フェニル)−3−{[6−(2,3−ジメチル−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−プロピオン酸、
(S)−3−(2−クロロ−フェニル)−3−{[6−(2−クロロ−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−プロピオン酸、
(S)−3−(2−フルオロ−フェニル)−3−{[5−メトキシ−6−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−プロピオン酸、
(S)−3−(2−フルオロ−フェニル)−3−{[5−メトキシ−6−(1−メチル−1H−インドール−5−イル)−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−プロピオン酸、
(S)−3−[(5−メトキシ−6−m−トリル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−o−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(2−クロロ−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−o−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(3,5−ジメチル−イソオキサゾール−4−イル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−o−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(4−クロロ−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−o−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(4−クロロ−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−p−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(5−アセチル−チオフェン−2−イル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−(2−クロロ−フェニル)−プロピオン酸、
(S)−3−{[6−(2−フルオロ−フェニル)−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−o−トリル−プロピオン酸、
又はこうした化合物のいずれかである式Iの化合物、又はその生理学的に許容される塩、又はそれらのいずれかの生理学的に許容される溶媒和物であり、上記において、式Iの化合物は、具体的に述べた立体異性体形態がそれぞれの化合物中の任意の炭素原子に対して具体的に明記されていない限り、任意の立体異性体形態又は任意の比率の立体異性体形態の混合物を含んだ形で本発明の対象である。
【0113】
この発明の別の対象は、下記に説明されており、化合物がそれによって得ることができる式Iの化合物の製造方法である。例えば、式Iの化合物の製造は、式IIの化合物を式IIIの化合物と反応させて、アミド結合を形成させることによって行なうことができる。アミド結合を形成するための様々な合成方法については、例えば、C. A. G. N. Montalbetti et al., Tetrahedron 61 (2005), 10827-10852中に記載されている。
【0114】
通例、この特許において述べられている化合物は、一般的スキームに従って合成される:
【化7】
【0115】
カルボン酸とβ−アミノ酸の間のアミド結合の形成は、当技術分野の当業者に周知の、例えば、Tetrahedron (2005), 61(46), 10827-10852中に述べられているカップリング剤を使用することによって行うことができる。カルボン酸の代わりの選択肢としては、カルボン酸クロリドが、遊離のβ−アミノ酸の代わりの選択肢としては、β−アミノ酸エステル、特にメチルエステル又はエチルエステルが使用されうる。
【0116】
この処理のうちで使用されるβ−アミノ酸は、商業的に入手可能であるか、又は、例えば、JACS 1935, 1279、若しくはRhodionowによるChem. Abstr. 1953, 1051中に記載されている方法によって製造される。Rhodionowのスキームを下記に図示する:
【化8】
【0117】
エナンチオピュアなβ−アミノ酸は、商業的に得ることができるか、又はBioscience, Biotechnology and Biochemistry, 2006, 1941中に記載されている手順によってラセミ体物質から調製することができる。
【0118】
ヘテロ環カルボン酸を用いるカップリング方法の場合の一般的な手順は下記に述べられている。使用するカルボン酸は商業的に入手可能である。
【0119】
手順A
0.25mmolのカルボン酸を、反応バイアル内に秤量し、1mlのDMF中の1.25mmolのN−エチルモルホリンを加え、引き続いて、0.5mlDMF中の0.245mmolのTOTUを加えた。この混合物を室温で30分間反応させた。0.5mlのDMF中に懸濁した0.275mmolのアミノ酸を加え、このバイアルをスクリューキャップで密閉し、そして室温で終夜にわたって振とうした。0.2mlのTFAを加え、この溶液をシリンジフィルターに通してろ過し、直ちに分取HPLCに付した。
生成物の収率:5%〜80%
【0120】
別の一般的な手順は、アミノ酸誘導体を、下記に示した次の鈴木(Suzuki)反応に適切な官能基を用いて合成することから成る。
【化9】
【0121】
合成工程をより詳細に下記に記載する:
工程1:β−アミノ酸のエステル化
(S)−3−アミノ−3−(2−フルオロ−フェニル)−プロピオン酸エチルエステルの合成
5.0g(27.3mmol)の(S)−3−アミノ−3−(2−フルオロフェニル)−プロピオン酸を27mlのメチル−THF及び16mlのエタノール中に懸濁し、そして80℃に加熱した。2.45ml(4.02;33.8mml;1.24当量)のSOCl
2を加え、そしてその結果生じた混合物を、80℃で2.5時間撹拌した。この混合物を室温に達せしめ、そして終夜撹拌した。溶媒を真空中で蒸発させると、9.2gの粗製物が得られ、これをジイソプロピルエーテルで数回洗浄すると、6.34gの純粋な物質が得られた(収率:94%)。
【0122】
この手順によって、下記の誘導体が製造された:
(S)−3−アミノ−3−(2−クロロ−フェニル)−プロピオン酸エチルエステル、
(S)−3−アミノ−3−o−トリル−プロピオン酸エチルエステル、
(S)−3−アミノ−3−p−トリル−プロピオン酸エチルエステル。
【0123】
工程2:1からの生成物の塩素又は臭素原子で置換されたヘテロ環カルボン酸へのカップリング:
(S)−3−[(6−ブロモ−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−
3−(2−クロロ−フェニル)−プロピオン酸エチルエステルの合成
4.87g(21mmol)の6−ブロモ−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボン酸及び4.17g(25.2mmol,1.2当量)のCDIを、54mlのMe−THF中に懸濁し、そして50℃に加熱した。この温度で3.5時間撹拌した後、この混合物を氷浴で0℃に冷却し、そして3.39ml(24.2,1.15当量)のトリエチル−アミンを加えた。その後、6.1g(23.1mmol,1.1当量)の(S)−3−アミノ−3−(2−クロロ−フェニル)−プロピオン酸エチルエステルを20分以内に加え、その結果生じた混合物を室温に達せしめ、そして終夜撹拌した。50mlの水を加えると、相分離し、そして有機相を50mlの飽和NaHCO
3溶液、引き続いて、50mlの1N HCl溶液で数回洗浄した。有機相を真空中で蒸発させると、8.43gの生成物が得られた。収率:89%。
【0124】
この手順によって、下記の誘導体が製造された:
(S)−3−[(6−ブロモ−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−o−トリル−プロピオン酸エチルエステル、
(S)−3−[(6−ブロモ−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−p−トリル−プロピオン酸エチルエステル、
(S)−3−[(6−ブロモ−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−(2−フルオロ−フェニル)−プロピオン酸エチルエステル、
(S)−3−[(5−クロロ−6−メトキシ−ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−3−o−トリル−プロピオン酸エチルエステル、
(S)−3−[(5−クロロ−6−メトキシ−ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−3−(2−クロロ−フェニル)−プロピオン酸エチルエステル、
(S)−3−[(5−ブロモ−ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−3−o−トリル−プロピオン酸エチルエステル、
(S)−3−[(2−クロロ−6−メトキシ−ピリジン−4−カルボニル)−アミノ]−3−o−トリル−プロピオン酸エチルエステル、
(S)−3−[(2−クロロ−ピリジン−4−カルボニル)−アミノ]−3−o−トリル−プロピオン酸エチルエステル、
(S)−3−[(6−クロロ−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−o−トリル−プロピオン酸エチルエステル。
【0125】
工程3:工程2からの生成物の加水分解:
(S)−3−[(5−クロロ−6−メトキシ−ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−3−(2−クロロ−フェニル)−プロピオン酸の合成
8.03g(20.21mmol)の(S)−3−[(5−クロロ−6−メトキシ−ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−3−(2−クロロ−フェニル)−プロピオン酸エチルエステルを、15.2ml(30.32mmol,1.5当量)の2N NaOH溶液中に溶解し、そして50℃で9時間撹拌した。この結果生じた混合物を室温で終夜撹拌した。105mlの水及び30mlのイソプロパノールを加え、そしてpHを、2N HClを用いてpH=3.0に調整した。沈殿物を分離し、そして真空中で乾燥すると、3.74gの生成物が供給された(収率:50%)。
【0126】
この手順によって、下記の誘導体が製造された:
(S)−3−[(6−ブロモ−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−(2−クロロ−フェニル)−プロピオン酸、
(S)−3−[(6−ブロモ−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−o−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−[(6−ブロモ−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−p−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−[(6−ブロモ−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−(2−フルオロ−フェニル)−プロピオン酸、
(S)−3−[(5−クロロ−6−メトキシ−ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−3−o−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−[(5−ブロモ−ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−3−o−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−[(2−クロロ−6−メトキシ−ピリジン−4−カルボニル)−アミノ]−3−o−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−[(2−クロロ−ピリジン−4−カルボニル)−アミノ]−3−o−トリル−プロピオン酸、
(S)−3−[(6−クロロ−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−o−トリル−プロピオン酸。
【0127】
鈴木(Suzuki)カップリングの手順:
一般的手順B
(S)−3−(2−フルオロ−フェニル)−3−[(5−メトキシ−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−プロピオン酸(実施例263)の合成
50mg(0.12mmol)の(S)−3−[(6−ブロモ−5−メトキシ−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−(2−フルオロ−フェニル)−プロピオン酸を、3mlのDMF中に溶解し、120mg(0.16mmol,1.35当量)のフェニルボロン酸、触媒としての10mgのビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド及び1mlの1N Na
2CO
3溶液を加え、その結果生じた混合物を6時間、100℃に加熱した。この混合物を、セライトパッドを介してろ過し、そして分取HPLCクロマトグラフィーに付すと、15mg(31%)の生成物が生じた。
【0128】
一般的手順C
(S)−3−(2−クロロ−フェニル)−3−[(6−メトキシ−5−フェニル−ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−プロピオン酸(実施例353)の合成
3mlのDMF中の50mg(0.13mmol)の(S)−3−[(5−クロロ−6−メトキシ−ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−3−(2−クロロ−フェニル)−プロピオン酸の溶液に、下記を加えた:25mg(0.21mmol,1.5当量)のフェニルボロン酸、60mgのNa
2CO
3(0.56mmol,4.2当量)及び触媒としての10mg(0.13当量)のDI-MICRO-CHLOROBIS[2-[(DIMETHYLAMINO)METHYL]PHENYL-C,N]DIPAL(ジ−μ−クロロビス[2−[(ジメチルアミノ)メチル]フェニル−C,N]ジパラジウム)。1mlの水を添加した後、その結果生じた混合物を6時間、100℃に加熱し、この反応物を、セライトパッドを介してろ過し、そしてこの結果生じた溶液を分取HPLCクロマトグラフィーに付すと、16mgの生成物が生じた(収率:29%)。
【0129】
6−ブロモ−5−(3,3−ジメチル−2−オキソ−ブトキシ)−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステルの合成
【化10】
3.85g(21.55mmol)の1−ブロモピナコロン(1-bromopinacolone)を、100mlのアセトン中の6−ブロモ−5−ヒドロキシ−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(5.0g,21.55mmol)及び炭酸セシウム(21.06g,64.65mmol)に加え、その結果生じた混合物を室温で終夜撹拌した。この混合物をろ過し、溶媒を真空中で除去すると、粗生成物(6g,収率84%)が得られ、これは更に精製することなく次の工程で使用した。
【0130】
6−ブロモ−5−(3,3−ジメチル−2−オキソ−ブトキシ)−ピリジン−2−カルボン酸の合成
【化11】
6g(18.17mmol)の6−ブロモ−5−(3,3−ジメチル−2−オキソ−ブトキシ)−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステルを、80mlのMeOH中に溶解し、そして36.34mlの1N NaOH(2当量)を加え、その結果生じた混合物を終夜撹拌した。溶媒を真空中で除去し、残留物を60mlのCH
2Cl
2と40mlの1N HClの混合物に加え、有機相を分離し、そしてNa
2SO
4で乾燥した。溶媒を真空中で除去し、そして粗生成物は更に精製することなく次の工程で使用した(5.0g,収率73%)。
【0131】
5−(3,3−ジメチル−2−オキソ−ブトキシ)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボン酸の合成
【化12】
3.4g(10.7mmol)の6−ブロモ−5−(3,3−ジメチル−2−オキソ−ブトキシ)−ピリジン−2−カルボン酸及び1.5g(12.34mmol)のフェニルボロン酸を、180mlのDMF及び70mlの水中の炭酸セシウム(5.22g,16.02mmol)及びジクロロビス(トリフェニルホスフィンパラジウム(II)クロリド(750mg,0.1mol%)と共に、100℃で24時間加熱した。溶媒を真空中で蒸発させ、そして残留物をHPLCクロマトグラフィーに付すと、450mgの生成物(13%)が生じた。
【0132】
(S)−3−{[5−(3,3−ジメチル−2−オキソ−ブトキシ)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−o−トリル−プロピオン酸の合成
【化13】
5−(3,3−ジメチル−2−オキソ−ブトキシ)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボン酸(300mg,0.96mmol)を、5mlのDMF中に溶解し、トリエチルアミン(194mg,1.914mmol)、TOTU(345mg,1.053mmol)及び(S)−3−アミノ−3−(2−メチル−フェニル)−プロピオン酸を加え、その結果生じた混合物を室温で終夜撹拌した。溶媒を真空中で除去し、そして残留物をHPLCクロマトグラフィーに付すと、180mg(40%)の生成物が供給された。
【0133】
(S)−3−{[5−((R)−2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル−ブトキシ)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−o−トリル−プロピオン酸及び(R)−3−{[5−((R)−2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル−ブトキシ)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−o−トリル−プロピオン酸の合成
【化14】
(S)−3−{[5−(3,3−ジメチル−2−オキソ−ブトキシ)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−o−トリル−プロピオン酸(135mg,0.284mmol)を、5mlのMeOH中に溶解し、そして12.5mg(0.330mmol)のNaBH
4を0℃で加えた。この混合物を室温に達せしめ、撹拌を4時間継続し、そしてこの反応を水及び1N HCl(それぞれ、10ml)でクエンチした。酢酸エチルで抽出した後、溶媒を真空中で除去し、そして残留物をHPLCクロマトグラフィーに付した:上記に示した双方のジアステレオマーを単離し、キラルアルコール炭素上のR立体配置は、HPLCカラムでのより短い保持時間を有するジアステレオマーに任意に割り当てられた。
【0134】
式II及びIIIの化合物中の基A、D、E、L、G、R
10、R
30、R
40、R
50及びR
60は、式Iの化合物中の場合と同様に定義され、そしてこれに加えて、官能基は、後で最終の基に変換する保護された形で存在しうるか、あるいは前駆体基の形で存在することができる。式IIの化合物中の基Jは、HO−(ヒドロキシ)[すなわち、式IIの化合物はそれ故、カルボン酸でありうる]でありうるか、あるいは、置換反応で式IIIの化合物中の基NHによって置き換えられうる別の基でありえ、例えば、場合により、置換され
ていることもあるフェノキシなどのアリールオキシ基であるか、あるいは(C
1−C
4)−アルキル−O−基[例えば、メトキシ又はエトキシのような(C
1−C
3)−アルキル−O−基]などのアルキルオキシ基であるか、あるいは例えば、塩素又は臭素などのハロゲンであり、すなわち、式IIの化合物は、それぞれのカルボン酸のアリールエステル又はアルキルエステル、例えば、メチルエステル又はエチルエステルのような反応性エステルでありうるか、又はそれぞれのカルボン酸の酸ハロゲン化物、例えば、酸クロリド又は酸ブロミドでありうる。式II及びIIIの化合物はまた、式IIIの化合物のハロゲン化水素塩などの酸付加塩、例えば、塩酸塩、及び/又はJがHO−である式IIの化合物のアルカリ金属塩、例えば、ナトリウム塩で使用することができ、式Iの化合物を塩の形で得ることができる。同様に、出発化合物の製造を含む、式Iの化合物の製造における他のすべての反応でも、複数の化合物が使用することができ、そして/又は生成物も塩の形で得ることができる。
【0135】
JがHO−である式IIの化合物が使用される場合には、カルボン酸基HO−C(O)−は通例、インサイチュで従来から行なわれているアミドカップリング試薬によって活性化するか、あるいはインサイチュで、又は単離して製造することができる反応性カルボン酸誘導体に変換する。例えば、JがHO−である式IIの化合物は、塩化チオニル、五塩化リン、三臭化リン又はオキサリルクロリドで処理することによって、Jが塩素又は臭素である式IIの化合物のような酸ハロゲン化物に変換するか、あるいはクロロギ酸エチル又はクロロギ酸イソブチルのようなクロロギ酸アルキルで処理すると、混合酸無水物を生じさせることができる。酸クロリドに変換する好都合な方法では、酸を炭化水素又は塩素化炭化水素又はエーテルなどの不活性溶媒中、約0℃〜約60℃の温度、例えば、室温で、触媒量のアミド、例えば、N,N−ジメチルホルムアミドの存在下でオキサリルクロリドと処理する。使用することができる通常のアミドカップリング試薬には、プロパンホスホン酸無水物、N,N’−カルボニルジイミダゾール(CDI)のようなN,N’−カルボニルジアゾール類、1,3−ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)又は1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC)のようなカルボジイミド類、1−ヒドロキシ−ベンゾトリアゾール(HOBT)又は1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(HOAT)のような付加物を加えたカルボジイミド類、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート(HATU)、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート(HBTU)又はO−(シアノ(エトキシカルボニル)メチレンアミノ)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート(TOTU)のようなウロニウムベースカップリング試薬、並びに(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスファート(BOP)、(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスファート(PyBOP)又はブロモトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスファート(PyBroP)のようなホスホニウムベースカップリング試薬がある。
【0136】
式Iの化合物を、式II及びIIIの化合物から製造する場合の反応条件は、具体的なケースの詳細、例えば、基Jの意味、又は使用するカップリング試薬によって左右されるが、当技術分野の通常の知識に鑑みて当業者が精通しているところである。例えば、Jがメトキシ又はエトキシのようなアルキル−O−である式IIの化合物を式IIIの化合物と反応させる場合には通例、反応は、不活性溶媒中、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム又はジクロロエタンのような炭化水素又は塩素化炭化水素、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル又はジメトキシエタン(DME)のようなエーテル、又は溶媒の混合物中、高温、例えば、約40℃〜約140℃の温度で、特に、約50℃〜約120℃の温度で、例えば、ほぼその溶媒の沸騰温度で行なわれる。Jが塩素又は臭素のようなハロゲンである式IIの化合物が、式IIIの化合物と反応する場合には通例、この反応は、不活性溶媒中、例えば、上述した溶媒のごとき炭化水素又は塩素化炭化水素又はエーテル、酢酸エチル又は酢酸ブチルのようなエステル、アセトニトリルのようなニトリル、又は水、又は水と、水と混和性若しくは非混和性の有機溶媒の混合物を含む溶媒の混合物中で、約−10℃〜約100℃の温度で、特に、約0℃〜約80℃の温度で、例えば、およそ室温で、同様に行なわれる。Jがハロゲンである式IIの化合物の式IIIの化合物との反応は、トリエチルアミン、N−エチル−ジイソプロピルアミン(EDIA)、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリンのような第3級アミン、あるいはピリジン、あるいは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム又は炭酸水素ナトリウムのようなアルカリ金属水酸化物、炭酸塩又は炭酸水素塩などの無機塩基などの塩基の存在下で行なわれるのが好都合である。
【0137】
JがHO−である、式IIの化合物を、式IIIの化合物と反応させ、そしてこのカルボン酸基を、例えば、カルボジイミド又はTOTUなどのアミドカップリング試薬によって活性化する場合には、この反応は通例、無水条件のもとで、不活性の非プロトン性溶媒、例えば、THF、ジオキサン又はDMEのようなエーテル、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)又はN−メチルピロリドン(NMP)のようなアミド中、トリエチルアミン、EDIA、N−メチルモルホリン又はN−エチルモルホリンのような第3級アミンなどの塩基の存在下、約−10℃〜約40℃の温度で、特に、約0℃〜約30℃の温度で、例えば、室温で、行なわれる。式IIIの化合物が式IIの化合物との反応において、酸付加塩の形で使用される場合には通例、十分な量の塩基が式IIIの遊離の化合物を遊離させるために加えられる。
【0138】
上記に示したごとく、式IIとIIIの化合物の間にアミド結合が形成される間、式II及びIIIの化合物中の官能基は、保護されている形か、あるいは前駆体基の形で存在することができる。具体的なケースの詳細にもよるが、保護基によっていずれかの官能基を一時的に遮断し、その後それらを除去すること、又は官能基を、その後所望の最終的な基に変換する前駆体基の形で存在させておくことが、反応の好ましくない過程、又は副反応を回避するために必要であり、又は望ましいことでありうる。このことは、中間体、出発化合物及びビルディングブロックの合成を含めて、式Iの化合物の合成過程におけるすべての反応に同様に適用される。当技術分野における個々の合成ストラティジーが通例、使用される。保護基に関する詳細及びその導入及び除去については、例えば、P. G. M. Wuts and T. W. Greene, Greene's Protective Groups in Organic Synthesis, 4. ed. (2007), John Wiley & Sons中に記載されている。言及しうる保護基の例には、ヒドロキシ基のベンジルエーテルそしてカルボン酸基のベンジルエステルの形で存在することができ、そしてベンジル基がパラジウム触媒の存在下で触媒的水素化によって除去することができるベンジル保護基、カルボン酸基のtert−ブチルエステルの形で存在することができ、tert−ブチル基がトリフルオロ酢酸で処理することによって除去することができるtert−ブチル保護基、ヒドロキシ基及びアミノ基をエステル及びアミドの形で保護するのに使用することができ、そして酸又は塩基による加水分解によって開裂することができるアシル保護基、並びにアミノ基のtert−ブトキシカルボニル誘導体の形で存在することができ、そしてトリフルオロ酢酸で処理することによって開裂することができるアルキルオキシカルボニル保護基がある。カルボン酸基の好ましくない反応、例えば、Gが式Iの所望の化合物においてカルボン酸基である場合、式IIIの化合物に存在するカルボン酸基の好ましくない反応はまた、式IIの化合物と反応する際に別のエステルの形で、例えば、加水分解[例えば、水酸化ナトリウム又は水酸化リチウムのようなアルカリ金属水酸化物によって]によって開裂することができるメチル又はエチルエステルのようなアルキルエステルの形でそれらを使用することによって回避することもできる。前駆体基の例としては、例えば、加水分解条件下にて、カルボン酸基、カルボン酸エステル基及びカルボキサミド基に、あるいは還元によってアミノメチル基に変換することができるシアノ基(NC−、N≡C−)、及び還元によって、例えば、触媒的水素化によって、又は例えば、亜ジチオン酸ナトリウムを用いる還元によってアミノ基に変換することができるニトロ基を挙げることができる。前駆体基の更なる例には、オキソ基があり、該オキソ基は、ヒドロキシ基を含む式Iの化合物の合成過程で最初に存在しえ、これは例えば、水素化ホウ素ナトリウムなどのヒドリド錯体で還元することができ、あるいは、例えば、グリニャール化合物である有機金属化合物と反応することができる。何らかの保護基又は前駆体基が式II及びIIIの化合物中に存在し、そして反応の直接生成物がまだ所望の最終化合物ではない場合には、保護基の除去又は所望の化合物への変換は、一般にインサイチュで行うこともできる。
【0139】
式Iの化合物の合成のための出発化合物は通例、文献中に記載されている手順に従って、あるいはそうした手順に準じて製造することができるか、あるいは商業的に入手可能である。
【0140】
式IIIのβ−アミノ酸及び誘導体は、商業上入手可能であるか、あるいは容易に入手可能な出発物質から、周知の標準的な方法によって、又はそうした方法に準じて合成することができる。例えば、R
50及びR
60が水素である式IIIのβ−アミノ酸及びそのアルキルエステルを製造する場合は、式R
30−C(O)−R
40のカルボニル化合物、特に、式R
32−C(O)−Hのアルデヒドは、エタノールのようなアルコールなどの溶媒中、水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物などの塩基の存在下で、マロン酸モノ−エチルエステル及びアンモニアと反応させることができ[このことは、V. M. Rodionov et al.,
Izv. Akad. Nauk SSSR, Ser. Khim. (1952), 696-702 (Chem. Abstr. 47 (1953), abstr. no. 61888)中に記載されている]、あるいは、V. Scudi, J. Am. Chem. Soc. 57 (1935), 1279; 又は M. K. Tse et al., Chem. Eur. J. 12 (2006), 1855-1874中に記載されているように、カルボニル化合物のマロン酸又はマロン酸ジエチルとの縮合生成物中の二重結合にアンモニアを添加し、そしてマロン酸ジエチルとの縮合生成物については反応生成物を塩酸などの酸で処理し、そして上記の説明の如く所望の場合、得られた生成物中で、それぞれエステル基を加水分解してカルボン酸にするか、又はカルボン酸基をエステル化する。例えば、鏡像異性的に純粋な(enantiomerically pure)こうした式IIIの化合物が、酒石酸などの光学的に活性な酸を用いて塩を結晶化させることによって、そして、例えば、M. K. Tse et al., によって言及されている論文中、又はJ. Mano et al., Bioscience, Biotechnology and Biochemistry 70 (2006), 1941-1946中に記載されている如く、立体選択的酵素又は微生物分解することによって、ラセミ化合物から得ることができる。こうした化合物の別の合成ストラティジー、特に、R
40、R
50及びR
60が水素であり、R
30がR
32である化合物、対応するアルデヒドから得ることができる、それぞれの3−置換アクリル酸は、例えば、オキサリルクロリドを用いて、酸クロリドに変換され、そしてこの酸クロリドはアルコールを用いてエステルに変換[例えば、tert−ブタノールを用いてtert−ブチルエステルに変換する]され、次いでアミノ基が、光学的に活性なアミンのリチウム塩、例えば、(R)−(+)−N−ベンジル−N−(1−フェニルエチル)アミンのリチウム塩との反応によって、導入され、そして得られた3−置換tert−ブチル 3−(N−ベンジル−N−(1−フェニルエチル)アミノ)プロピオナート中のベンジル基及びフェニルエチル基が触媒的水素化によって切断される(S. G. Davies et al., Tetrahedron: Asymmetry 2 (1991), 183-186); S. G. Davies et al., J. Chem. Soc. Perkin Trans. 1 (1994), 1129-1139参照)。
【0141】
合成過程における式の化合物の構造モイエティの導入はまた、上記に説明した以外の別の順序でも生じさせることができる。例えば、R
10がヒドロキシ以外の別の基である式Iの化合物の場合には、基R
10を含む式IIの化合物を製造し、そしてそれを式IIIの化合物と反応させる代わりに、基R
10の代わりにヒドロキシ基を具体的に含む式IIcの化合物を式IIIの化合物と反応させ、次いで得られる式Iaの化合物をヒドロキシ基上で、式VIIIの化合物と反応させて、R
10がヒドロキシと異なる式Iの化合物、すなわち式Ibの化合物を得ることによって、変更する。最後に、上記に説明したように製造されるときに、式Iの化合物中の場合のように、式Ibの化合物中の任意の保護基を更に脱保護してもよいし、そして/又は前駆体基を最終の基に変換してもよい。
【0142】
【化15】
【0143】
式Ia、Ib及びIIcの化合物中の基A、D、E、L、G、R
30、R
40、R
50及びR
60は、式Iの化合物中の場合の定義と同様であり、そしてこれに加えて官能基が、後に最終の基に変換される、保護された形か、あるいは前駆体基の形で存在することができる。式IIcの化合物中の基Jは、式IIの化合物中の場合の定義と同様である。式Ibの化合物中の基R
10aは、式IIb及びVIIIの化合物中の場合の定義と同様である。式IIとIIIの化合物の反応、及び式IIaとVIIIの化合物の反応に関して上記に与えられた説明は、式IIcとIIIの化合物の反応、及び式IaとVIIIの化合物の反応にそれぞれ同様に適用される。
【0144】
式Iの更なる化合物を得る場合、官能基の様々な変換を、式Iの化合物あるいは式Iの化合物の合成の中間体又は出発化合物において標準的な条件のもとで、行うことができる。例えば、式Iの化合物中のR
10に相当するヒドロキシ基を含めて、ヒドロキシ基は、DMF又はNMPのようなアミド、又はアセトン又はブタン−2−オンのようなケトンなどの不活性溶媒中、炭酸カリウム又は炭酸セシウムのようなアルカリ金属炭酸塩などの塩基の存在下で、上記に説明したように、例えば、ハロゲン化合物、例えば、ブロミド又はヨージドを用いて、又は上記に言及した光延反応の条件下でそれぞれのアルコールを用いてアルキル化することによって、エーテル化することができる。ヒドロキシ基は、エステル化して、カルボン酸エステル又はスルホン酸エステルを生じさせることができ、あるいはハロゲン化剤で処理することによってハライドに変換することができる。ハロゲン原子は、出発化合物中の水素原子を置き換える、適切なハロゲン化剤によって、例えば、元素状態の臭素(elemental bromine)、塩化スルフリル又は1−クロロメチル−4−フルオロ−1,4−ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンビス(テトラフルオロボラート)(1-chloromethyl-4-fluoro-1,4-diazoniabicyclo[2.2.2]octane bis(tetrafluoroborate))によって導入することができ、それらはそれぞれ臭素、塩素及びフッ素置換基を、例えば、式IIbの化合物の4の位置に導入する。ハロゲン原子は通例、遷移金属触媒反応でもありうる置換反応中の種々の基で置き換えられうる。ニトロ基は、例えば、触媒的水素化によって、還元されてアミノ基になることができる。アミノ基は、例えば、ハロゲン化合物との反応によるか、又はカルボニル化合物の還元的アミノ化による、アルキル化のための標準的条件のもとで、あるいは、例えば、酸クロリド若しくは酸無水物のような活性化カルボン酸、又はカルボン酸誘導体、あるいはスルホン酸クロリドとの反応によるアシル化又はスルホニル化のための標準的条件のもとで修飾することができる。カルボン酸エステル基は、酸又は塩基条件下で加水分解され、カルボン酸を生じさせることができる。酸基は、活性化するか、あるいは上記に説明したように反応性誘導体に変換することができ、そしてアルコール又はアミン又はアンモニアと反応すると、エステル又はアミドが生じる。第1級アミドは脱水するとニトリルが生じうる。アルキル−S−基中又はヘテロ環式環中の硫黄原子は、過酸化水素又は過酸のような過酸化物で酸化されると、スルホキシドモイエティ S(O)又はスルホンモイエティ S(O)
2が生じうる。カルボン酸基、カルボン酸エステル基及びケトン基は、例えば、水素化アルミニウムリチウム、水素化ホウ素リチウム又は水素化ホウ素ナトリウムなどのヒドリド錯体を用いて、還元するとアルコールになりえ、又は有機金属化合物又はグリニャール化合物と反応すると、アルコールが生じうる。第1級及び第2級ヒドロキシ基はまた、酸化されると、オキソ基になりうる。式Iの化合物の製造におけるすべての反応は、それ自体公知であり、標準的な文献、例えば、Houben-Weyl, Methods of Organic Chemistry, Thieme; 又はOrganic Reactions, John Wiley & Sons; 又はR. C. Larock, Comprehensive Organic Transformations: A Guide to Functional Group Preparations, 2. ed. (1999), John Wiley & Sons、及びその中に引用されている参照に記載されている手順に従って、又はそれらに準じて、当技術分野の当業者が精通している方法で行なうことができる。
【0145】
この発明の別の対象は、その任意の立体異性体形態又は任意の比率の立体異性体形態の混合物の形にある、式Iの化合物の合成において出現する新規な出発化合物及び中間体{これには、式Ia、Ib、Ic、II、IIc、III、IIIa、IV、V及びVIII[上記において、基A、D、E、L、G、J、T、R
2、R
10、R
10a、R
30、R
40、R
50及びR
60は、上記の定義と同様である]が含まれる}、及びその塩、及びそれらのいずれかの溶媒和物、並びに合成中間体又は出発化合物としてのそれらの使用である。式Iの化合物について上記に与えられている、一般的説明、実施態様の詳述、並びに数及び基の定義はすべて、前記中間体及び出発化合物に同様に適用される。本発明の対象は特に、本明細書中に述べられている新規な具体的に述べた出発化合物及び中間体である。それらが遊離の化合物として述べられているか、及び/それとも特定の塩として述べられているかには無関係に、そして特定の塩が述べられていたとしても、これに加えて特有の塩の形で述べられていたとしても、それらは遊離の化合物の形で、及びそれらの塩の形での双方が本発明の対象である。
【0146】
式Iの化合物は、プロテアーゼであるカテプシンAを阻害し、このことは下記の薬理試験及び当技術分野の当業者に知られている他の試験で実証されうる。それ故、式Iの化合物及びそれらの生理学的に許容される塩及び溶媒和物は、価値のある医薬活性化合物である。式Iの化合物及びそれらの生理学的に許容される塩及び溶媒和物は、例えば、収縮期心不全、拡張期心不全、糖尿病性心不全及び駆出率保持心不全(heart failure with preserved ejection fraction)を含む心不全、心筋症、心筋梗塞、心筋梗塞後の左心室機能不全を含む左心室機能不全、心臓肥大、梗塞後又は心臓手術後の心筋リモデリングを含む心筋リモデリング、心臓弁膜症、血管肥大、血管スティフネス(vascular stiffness)を含む血管リモデリング、肺高血圧症を含む高血圧症、門脈高血圧症及び収縮期高血圧症、アテローム性動脈硬化症、末梢動脈閉塞性疾患(PAOD)、再狭窄、血栓症及び血管透過性障害、心臓虚血及び/又は虚血を含む再灌流障害及び/又は心臓の再灌流障害などの心臓血管疾患、並びに網膜の虚血及び/又は再灌流障害、炎症及び関節リウマチ及び骨関節炎などの炎症性疾患、腎乳頭壊死及び虚血/再灌流後の腎不全を含む腎不全などの腎疾患、嚢胞性線維症、慢性気管支炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、気道感染及び肺がんなどの肺疾患、免疫疾患、糖尿病性腎障害及び糖尿病性心筋症を含む糖尿病性合併症、特発性肺線維症を含む肺線維症、心臓線維症、血管線維症、血管周囲線維症、腎尿細管間質性線維症(renal tubulointerstitial fibrosis)を含む腎線維症、ケロイド形成を含む線維化性皮膚病変(fibrosing skin conditions)、膠原病及び強皮症、及び肝臓線維症、肝硬変などの肝疾患などの線維性疾患、神経障害性疼痛、糖尿病性疼痛及び炎症性疼痛などの疼痛、黄斑変性症、神経変性疾患又は精神障害の処置のため、又は心筋梗塞後及び心臓手術後の心臓保護を含む心臓保護のため、又は腎臓保護のため使用することができる。疾患の処置は、軽減、緩和又は治癒の目的のために、現存する病変、又は生体の機能不全、又は現存する症状の治療と、それに罹患する可能性があり、そしてこれらの発症の防止又は抑制、又はこれらの発症の場合における減衰の目的のために、こうした予防又は防止を必要としているヒト又は動物における病変、又は生体の機能不全、又は症状の予防又は防止のどちらも意味するものと理解されなければならない。例えば、患者の疾患歴のために心筋梗塞に罹患しやすい患者では、予防するか又は防止する医学的処置によって、心筋梗塞の発症又は再発は防止することできるか、又はその程度及び続発症を減じることができるか、あるいは喘息発作に罹患しやすい患者では、予防するか又は防止する医学的処置によって、そうした発作は防止できるか、又はその重篤度を減じることができる。疾患の処置は、急性の場合及び慢性の場合の双方において起こりうる。式Iの化合物の有効性は、下記の薬理試験及び当技術分野の当業者に知られている他の試験において実証することができる。R
72−N(R
73)−C(O)−から選択されるGを有する式Iの化合物、及びそれらの生理学的に許容される塩及び溶媒和物はまた、プロドラッグとしても使用することができる。
【0147】
それ故、式Iの化合物、及びそれらの生理学的に許容される塩及び溶媒和物は、動物、特に哺乳類、そしてとりわけ、ヒトにおいて、単独で、相互の混合物で、あるいは医薬組成物の形で医薬として、又は薬剤として使用することができる。この発明の対象はまた、医薬として使用するための式Iの化合物、及びそれらの生理学的に許容される塩及び溶媒和物、並びに有効成分として有効な用量の少なくとも1つの式Iの化合物及び/又はその生理学的に許容される塩及び/又はその溶媒和物、及び生理学的に許容される担体、すなわち、1つ又はそれより多い製薬学的に有害でない、又は無害のビヒクル及び/又は賦形剤、そして所望により1つ又はそれより多い他の医薬活性化合物を含んでなる医薬組成物及び薬剤である。更にこの発明の対象は、いずれかの言及した疾患の処置を含む上記又は下記に言及した疾患の処置[例えば、心不全、心筋梗塞、心臓肥大、糖尿病性腎障害、糖尿病性心筋症、心臓線維症、又は虚血及び/又は再灌流障害の処置]に使用するための、又は、心臓保護のための式Iの化合物、及びそれらの生理学的に許容される塩及び溶媒和物;いずれかの言及した疾患の処置を含む、上記又は下記に言及した疾患を処置[例えば、心不全、心筋梗塞、心臓肥大、糖尿病性腎障害、糖尿病性心筋症、心臓線維症、又は虚血及び/又は再灌流障害の処置]し、又は心臓を保護する薬剤を製造するための式Iの化合物、及びそれらの生理学的に許容される塩及び溶媒和物の使用(上記において、疾患の処置は、上記に言及したそれらの治療及び予防を含む)、並びにカテプシンAを阻害する薬剤の製造のためのそれらの使用である。本発明の対象はまた、いずれかの言及した疾患の処置を含む、上記又は下記に言及した疾患の処置[例えば、心不全、心筋梗塞、心臓肥大、糖尿病性腎障害、糖尿病性心筋症、心臓線維症、又は虚血及び/又は再灌流障害の処置]方法、又は心臓保護のための方法であって、それを必要とするヒト又は動物に、有効な量の少なくとも1つの式Iの化合物、及び/又はその生理学的に許容される塩、及び/又はその溶媒和物を投与することを含んでなる、上記方法である。式Iの化合物及びそれを含む医薬組成物及び薬剤は、経腸的に、例えば、経口、舌下又は直腸投与により、非経口的に、例えば、静脈内、筋肉内、皮下又は腹腔内注射又は注入により、あるいは局所的、経皮的(percutaneous)、経皮的(transdermal)、関節内又は眼球内投与などの別の投与形態によっても投与することができる。
【0148】
式Iの化合物、及びそれらの生理学的に許容される塩及び溶媒和物はまた、他の医薬活性化合物と組み合わせて使用することができ、上記において、こうした組み合わせ使用では、式Iの化合物及び/又はそれらの生理学的に許容される塩及び/又は溶媒和物と、1つ又はそれより多い他の医薬活性化合物が、分離して、同時に又は順に投与するために、1つの同じ医薬組成物中に存在するか、あるいは2つ若しくはそれより多い医薬組成物中に存在することができる。他のこうした医薬活性化合物の例には、利尿剤、水利尿薬、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、アンジオテンシン受容体遮断薬、レニン阻害剤、βブロッカー、ジゴキシン、アルドステロン拮抗薬、一酸化窒素ドナー、硝酸塩(nitrates)、ヒドララジン、イオノトロープ、バソプレッシン受容体拮抗薬(vasopressin receptor antagonists)、可溶性グアニル酸シクラーゼアクチベーター、スタチン類、ペルオキシソーム増殖剤活性化受容体α(PPAR−α)アクチベーター、ペルオキシソーム増殖剤活性化受容体γ(PPAR−γ)アクチベーター、ロシグリタゾン、ピオグリタゾン、メトホルミン、スルホニル尿素、グルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)アゴニスト、ジペプチジルペプチダーゼIV(DPPIV)阻害薬、インスリン、抗不整脈薬、エンドセリン受容体拮抗薬、カルシウム拮抗薬、ホスホジエステラーゼ阻害剤、ホスホジエステラーゼ5(phosphodiesterase typw 5)(PDE5)阻害剤、第II因子/第IIa因子阻害剤、第IX因子/第IXa因子阻害剤、第X因子/第Xa因子阻害剤、第XIII因子/第XIIIa因子阻害剤、ヘパリン、糖タンパク質IIb/IIIa拮抗薬、P2Y12受容体拮抗薬、クロピドグレル、クマリン(coumarins)、シクロオキシゲナーゼ阻害剤、アセチルサリチル酸、RAFキナーゼ阻害薬及びp38マイトジェン活性化プロテインキナーゼ阻害剤がある。この発明の対象はまた、任意の1つ又はそれより多い本明細書中に開示されている式Iの化合物及びそれらの生理学的に許容される塩及び溶媒和物と、任意の1つ又はそれより多い例えば、1つ又は2つの言及した他の医薬活性化合物との前記の組み合わせ使用である。
【0149】
本発明による医薬組成物及び薬剤は通例、約0.5〜約90%(重量)の式Iの化合物及び/又はその生理学的に許容される塩及び/又はその溶媒和物を含有し、そして式I及び/又はその生理学的に許容される塩及び/又は溶媒和物の活性成分の量は通例、約0.2mg〜約1.5gであり、特に約0.2mg〜約1gであり、更に特に、約0.5mg〜約0.5gであり、例えば、単位投薬量あたり、約1mg〜約0.3gである。医薬組成物の種類、及び具体的な場合の他の詳細に左右されるが、この量は指示された量から逸脱しうる。医薬組成物及び薬剤の製造については、それ自体公知の方法で行うことができる。この場合、式Iの化合物及び/又はそれらの生理学的に許容される塩及び/又は溶媒和物を、1つ又はそれより多い固体又は液体ビヒクル及び/又は賦形剤と一緒に、所望であれば、また上記に言及したもののような他の1つ又はそれより多い医薬活性化合物と組み合わせて混和し、そして、その後ヒト医薬又は獣医薬に使用することができる投与量及び投与のための適切な形態とする。
【0150】
希釈剤又は増量剤及び賦形剤としても見なされうるビヒクルとしては、式Iの化合物と好ましくない形で反応しない適切な有機及び無機物質を使用することができる。医薬組成物及び薬剤中に含むことができる賦形剤、又は添加剤の種類の例としては、滑沢剤、保存剤、増粘剤、安定剤、崩壊剤、湿潤剤、デポ効果を達成する薬剤、乳化剤、塩[例えば、浸透圧に影響を与える]、緩衝剤物質、着色剤、矯味矯臭剤及び芳香剤を挙げることができる。ビヒクル及び賦形剤の例には、水、植物油、ワックス、エタノール、イソプロパノール、1,2−プロパンジオール、ベンジルアルコール、グリセロール、ポリオールなどのアルコール類、ポリエチレングリコール又はポリプロピレングリコール、三酢酸グリセロール、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、セルロース、乳糖又はとうもろこしデンプンのようなデンプンなどの炭水化物、塩化ナトリウム、ステアリン酸及びステアリン酸マグネシウムなどのその塩、タルク、ラノリン、ワセリン、又はその混合物、例えば、生理食塩水又はアルコール類と水の混合物などの1つ又はそれより多い有機溶媒と水の混合物がある。経口及び直腸使用の場合には、例えば、錠剤、フィルムコーティング錠、糖衣錠、顆粒剤、ハード及びソフトゼラチンカプセル、坐剤、溶液[油性、アルコール性又は水溶液を含む]、シロップ、ジュース又はドロップ、更に懸濁液又はエマルションなどの医薬形態を使用することができる。非経口使用、例えば、注射又は注入の場合には、溶液、例えば、水溶液などの医薬形態を使用することができる。局所使用の場合には、軟膏、クリーム、ペースト、ローション、ゲル、スプレー、泡状物、エアロゾル、溶液又は粉末などの医薬形態を使用することができる。更なる適切な医薬形態には、例えば、インプラント及びパッチ及び吸入に適した形態がある。式Iの化合物及びそれらの生理学的に許容される塩はまた、例えば、注射可能な組成物を製造するために、凍結乾燥することもでき、そして得られた凍結乾燥物を使用することができる。特に、局所適用の場合にはまた、リポソーム組成物が適切である。医薬組成物及び薬剤はまた、1つ又はそれより多い他の活性成分、及び/又は、例えば、1つ又はそれより多いビタミン類を含むことができる。
【0151】
通常のごとく、式Iの化合物の投与量は、具体的なケースの状況によって左右され、そして慣習的な基準及び手順に従って医師によって調整される。例えば、これは投与される式Iの化合物、及びその効力、及び作用期間、個々の症状の性質及び重篤度、性別、年齢、体重及び処置される個々のヒト又は動物の反応性、処置が急性的であるか、それとも常習的であるか、それとも予防的であるか、あるいは更なる医薬活性化合物が式Iの化合物に加えて投与されるか否かによって左右される。通例、約75kgの体重の成人への投与の場合には、約0.1mg〜約100mg/kg/日、特に、約1mg〜約20mg/kg/日、例えば、約1mg〜約10mg/kg/日(それぞれの場合に体重1kgあたりのmg)の投与量が投与される。1日の投与量は、単回投与の形で投与してもよいし、あるいはそれぞれの投与数、例えば、2、3又は4回のそれぞれの用量に分割した形で投与してもよい。投与はまた、連続的に、例えば、連続的注入又は点滴によって行なうこともできる。具体的な場合の個々の挙動に応じて、指示された投与量から上方にも、下方にも逸脱することが必要である場合がありうる。
【0152】
更に、ヒト医薬及び獣医薬における医薬活性化合物として、式Iの化合物はまた、生化学検討における補助として、あるいは科学的ツールとして、あるいは診断目的、例えば、カテプシンAの阻害が意図されている場合に、生体サンプルのインビトロでの診断のために使用することができる。式Iの化合物及びそれらの塩はまた、中間体として、例えば、別の医薬活性物質を製造するために使用することもできる。
【0153】
次の実施例によって本発明が説明される。
【0154】
略語
ACN アセトニトリル
DCM ジクロロメタン
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
EA 酢酸エチル
EDIA N−エチル−ジイソプロピルアミン
FA ギ酸
MOH メタノール
NEM N−エチル−モルホリン
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
TOTU O−(シアノ(エトキシカルボニル)メチレンアミノ)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート
【0155】
塩基性基を含む実施例化合物が逆相(RP)カラム物質・分取高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)によって精製され、そして慣例の如く、溶離剤が、トリフルオロ酢酸を含む水とアセトニトリルのグラジエント混合物であるときは、それらは蒸発又は凍結乾燥条件などの後処理の詳細に左右されるが、一部はトリフルオロ酢酸との酸付加塩の形で得られた。こうして含まれているトリフルオロ酢酸は、実施例化合物の名前及び構造式中には明示されていない。同様に、酸付加塩の形で得られた実施例化合物の他の酸成分もその名前及び式の中では一般に明示されていない。
【0156】
製造された化合物は通例、分光分析データ及びクロマトグラフィーデータ、特に、質量分析(MS)及びHPLC保持時間(Rt;分単位)によって特徴付けられ、該データは、HPLC/MS分析のキャラクタリゼーションの組み合わせ(LC/MS)によって、及び/又は核磁気共鳴(NMR)スペクトルによって得られた。別途明記しない限り、
1H−NMRスペクトルは、溶媒としてのD
6−DMSO中、298K、500MHzで記録された。NMRキャラクタリゼ−ションでは、化学シフトδ(ppm単位)、水素原子の数(H)、及びグラフで示されているスペクトルから判定されたピークの多重度(s:一重線、d:二重線、dd:二重線の二重線、t:三重線、q:四重線、m:多重線)が与えられる。MSキャラクタリゼーションでは通例、分子イオン[M]、例えば、[M
+]、あるいは、イオン[M+1]、例えば、[(M+1)
+]、すなわち、プロトン化された分子イオン[(M+H)
+]、又はイオン[M−1]、例えば、[(M−1)
-]、すなわち、脱プロトン化された分子イオン[(M−H)
-][こうしたものは、使用されるイオン化方法によって形成された]などの関連するイオンのピークの質量数(m/z)が与えられる。通常、イオン化方法は、エレクトロスプレーイオン化(ES)であった。使用されたLC/MS方法の詳細は次の通りであった。
【0157】
方法LC1
カラム:YMC-Pack Jsphere H80,33×2.1mm,4μm;流速:1.3ml/分;室温;溶離剤A:水+0.05%TFA;溶離剤B:ACN+0.05%TFA;グラジエント:95%A+5%B〜5%A+95%B(2.5分以内);MSイオン化方法:ES
+。
【0158】
方法LC2
カラム:Waters XBridge C18,50×4.6mm,2.5μm;流速:1.3ml/分;室温;溶離剤A:水+0.1%FA;溶離剤B:ACN+0.08%FA;グラジエント:97%A+3%B〜40%A+60%B(3.5分以内),次いで2%A+98%Bまで(0.5分以内),次いで2%A+98%B(1.0分間),次いで97%A+3%Bまで(0.2分以内),次いで97%A+3%B(1.3分間);MSイオン化方法:ES
-。
【0159】
方法LC3
カラム:YMC-Pack Jsphere H80,33×2.1mm,4μm;流速:1.0ml/分;室温;溶離剤A:水+0.05%TFA;溶離剤B:ACN+0.05%TFA;グラジエント:98%A+2%B(1.0分間),次いで5%A+95%Bまで(4.0分以内),次いで5%A+95%B(1.25分間);MSイオン化方法:ES
+。
【0160】
方法LC4
カラム:Waters XBridge C18,50×4.6mm,2.5μm;流速:1.3ml/分;40℃;溶離剤A:水+0.1%FA;溶離剤B:ACN+0.1%FA;グラジエント:97%A+3%B〜40%A+60%B(3.5分以内),次いで2%A+98%Bまで(0.5分以内),次いで2%A+98%B(1.0分間),次いで97%A+3%Bまで(0.2分以内),次いで97%A+3%B(1.3分間);MSイオン化方法:ES
-。
【0161】
方法LC5
カラム:Waters XBridge C18,50×4.6mm,2.5μm;流速:1.7ml/分;40℃;溶離剤A:水+0.05%TFA;溶離剤B:ACN+0.05%TFA;グラジエント:95%A+5%B〜5%A+95%B(3.3分以内),次いで5%A+95%B(0.55分間),次いで95%A+5%Bまで(0.15分以内);MSイオン化方法:ES
+。
【0162】
方法LC6
カラム:Waters XBridge C18,50×4.6mm,2.5μm;流速:1.7ml/分;50℃;溶離剤A:水+0.05%TFA;溶離剤B:ACN+0.05%TFA;グラジエント:95%A+5%B(0.2分間),次いで5%A+95%Bまで(2.2分以内),次いで5%A+95%B(1.1分間),次いで95%A+5%B(0.1分以内),次いで95%A+5%B(0.9分間);MSイオン化方法:ES
+。
【0163】
方法LC7
カラム:Waters XBridge C18,50×4.6mm,2.5μm;流速:1.7ml/分;40℃;溶離剤A:水+0.05%TFA;溶離剤B:ACN+0.05%TFA;グラジエント:95%A+5%B(0.2分間),次いで5%A+95%Bまで(2.2分以内),次いで5%A+95%B(0.8分間),次いで95%A+5%Bまで(0.1分以内),次いで95%A+5%B(0.7分間);MSイオン化方法:ES
+。
【0164】
方法LC8
カラム:Waters XBridge C18,50×4.6mm,2.5μm;流速:1.7ml/分;40℃;溶離剤A:水+0.05%TFA;溶離剤B:ACN+0.05%TFA;グラジエント:95%A+5%B(0.3分間),次いで5%A+95%Bまで(3.2分以内),次いで5%A+95%B(0.5分間);MSイオン化方法:ES
+。
【0165】
方法LC9
カラム:Merck Chromolith FastGrad RP-18e,50×2mm;流速:2.0ml/分;室温;溶離剤A:水+0.05%TFA;溶離剤B:ACN+0.05%TFA;グラジエント:98%A+2%B(0.2分間),次いで2%A+98%Bまで(2.2分以内),次いで2%A+98%B(0.8分間),次いで98%A+2%Bまで(0.1分以内),次いで98%A+2%B(0.7分間);MSイオン化方法:ES
+。
【0166】
方法LC10
カラム:Waters XBridge C18,50×4.6mm,2.5μm;流速:1.3ml/分;45℃;溶離剤A:水+0.1%FA;溶離剤B:ACN+0.1%FA;グラジエント:97%A+3%B〜40%A+60%B(3.5分以内),次いで2%A+98%Bまで(0.5分以内),次いで2%A+98%B(1.0分間),次いで97%A+3%Bまで(0.2分以内),次いで97%A+3%B(1.3分間);MSイオン化方法:ES
+。
【0167】
方法LC11
カラム:Waters UPLC BEH C18,50×2.1mm,1.7μm;流速:0.9ml/分;55℃;溶離剤A:水+0.1%FA;溶離剤B:ACN+0.08%FA;グラジエント:95%A+5%B〜5%A+95%B(1.1分以内),次いで5%A+95%B(0.6分間),次いで95%A+5%Bまで(0.1分以内),次いで95%A+5%B(0.2分間);MSイオン化方法:ES
+。
【0168】
方法LC11_2
カラム:Waters UPLC BEH C18,50×2.1mm,1.7μm;流速:0.9ml/分;55℃;溶離剤A:水+0.05%FA;溶離剤B:ACN+0.035%FA;グラジエント:95%A+5%B〜5%A+95%B(1.1分以内)、次いで5%A+95%B(0.6分間),次いで95%A+5%Bまで(0.1分以内),次いで95%A+5%B(0.2分間);MSイオン化方法:ES
+。
【0169】
方法LC11_3
カラム:Waters UPLC BEH C18,50×2.1mm,1.7μm;流速:0.9ml/分;55℃;溶離剤A:水+0.05%FA;溶離剤B:ACN+0.035%FA;グラジエント:95%A+5%B〜5%A+95%B(1.1分以内),次いで5%A+95%B(0.6分間),次いで95%A+5%Bまで(0.2分以内),次いで95%A+5%B(0.1分間);MSイオン化方法:ES
+。
【0170】
方法LC11_X
カラム:Waters UPLC BEH C18,50×2.1mm,1.7μm;流速:0.9ml/分;55℃;溶離剤A:水+0.05%TFA;溶離剤B:ACN+0.035%TFA;グラジエント:98%A+2%B〜5%A+95%B(2.0分以内),次いで5%A+95%B(0.6分間),次いで95%A+5%Bまで(0.1分以内),次いで95%A+5%B(0.3分間);MSイオン化方法:ES
+。
【0171】
方法LC_X
カラム:Waters XBridge C18,50x4.6mm,2.5μm;流速:1.7ml/分;40℃;溶離剤A:水+0.05%TFA;溶離剤B:ACN+0.05%TFA;グラジエント:95%A+5%B〜95%A+5%B(0.2分以内)、次いで5%A+95%Bまで(2.2分以内),次いで5%A+95%B(0.8分間),次いで95%A+5%Bまで(0.1分以内),次いで95%A+5%B(0.7分間);MSイオン化方法:ES
+。
【0172】
方法LC12
カラム:YMC-Pack Jsphere H80,33×2.1mm,4μm;流速:1.0ml/分;室温;溶離剤A:水+0.05%TFA;溶離剤B:MOH+0.05%TFA;グラジエント:98%A+2%B(1.0分間),次いで5%A+95%Bまで(4.0分以内),次いで5%A+95%B(1.25分間);MSイオン化方法:ES
+。
【0173】
方法LC13
カラム:Waters XBridge C18,50×4.6,2.5μm;流速:1.3ml/分;室温;溶離剤A:水+0.1%FA;溶離剤B:ACN+0.08%FA;グラジエント:97%A+3%B〜2%A+98%B(18.0分以内),次いで2%A+98%B(1.0分間),次いで97%A+3%Bまで(0.5分以内),次いで97%A+3%B(0.5分間);MSイオン化方法:ES
+。
【0174】
方法LC14
カラム:Waters XBridge C18 4.6*50 mm;2.5μm,流速:1.3ml/分;溶離剤A:H
2O+0.1%FA;溶離剤B:ACN+0.08%FA;グラジエント:97%A+3%B〜2%A+98%B(18分以内),次いで2%A+98%B(1分間),次いで97%A+3%Bまで(0.5分以内),次いで97:3まで(0.5分間)。
【0175】
合成実施例中で述べられている場合に準じて、表1に列挙されている式Iの実施例化合物を製造した。
【0176】
【表1】
【0177】
【表2】
【0178】
【表3】
【0179】
【表4】
【0180】
【表5】
【0181】
【表6】
【0182】
【表7】
【0183】
【表8】
【0184】
【表9】
【0185】
【表10】
【0186】
【表11】
【0187】
【表12】
【0188】
【表13】
【0189】
【表14】
【0190】
【表15】
【0191】
【表16】
【0192】
【表17】
【0193】
【表18】
【0194】
【表19】
【0195】
【表20】
【0196】
【表21】
【0197】
【表22】
【0198】
【表23】
【0199】
【表24】
【0200】
【表25】
【0201】
【表26】
【0202】
【表27】
【0203】
【表28】
【0204】
【表29】
【0205】
【表30】
【0206】
【表31】
【0207】
【表32】
【0208】
【表33】
【0209】
【表34】
【0210】
【表35】
【0211】
【表36】
【0212】
【表37】
【0213】
【表38】
【0214】
【表39】
【0215】
【表40】
【0216】
【表41】
【0217】
【表42】
【0218】
【表43】
【0219】
【表44】
【0220】
【表45】
【0221】
【表46】
【0222】
【表47】
【0223】
【表48】
【0224】
【表49】
【0225】
【表50】
【0226】
【表51】
【0227】
【表52】
【0228】
【表53】
【0229】
【表54】
【0230】
【表55】
【0231】
薬理試験
a)カテプシンA阻害活性
組み換えヒトカテプシンA(29−480残基,C末端に10−Hisタグを含む;R&D Systems,#1049-SE)を、組み換えヒトカテプシンL(R&D Systems, # 952-CY)でタンパク質分解的に活性化させた。手短に言えば、カテプシンAを、活性化緩衝液(25mM 2−(モルホリン−4−イル)−エタンスルホン酸(MES),pH 6.0,5mM
ジチオトレイトール(DTT)を含有する)中、1μg/ml カテプシンLと共に、10μg/mlで、37℃で15分間インキュベートした。次いでカテプシンL活性を、システインプロテアーゼ阻害剤E−64[N−(トランス−エポキシスクシニル)−L−ロイシン−4−グアニジノブチルアミド);Sigma-Aldrich,# E3132;活性化緩衝液/DMSO中に溶解されている]を添加することによって停止させ、10μMの終濃度とした。
【0232】
活性化したカテプシンAを、アッセイ緩衝液(25mM MES,pH5.5,5mM DTTを含む)中に希釈し、そして試験化合物(3%(v/v) DMSOを含むアッセイ緩衝液中に溶解した)と混和し、あるいは対照実験では、マルチプルアッセイプレート中のビヒクルと混和した。室温で15分間インキュベートした後、次いで基質として、N末端Bodipy FL(登録商標)(4,4−ジフルオロ−5,7−ジメチル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン−3−プロピオニル)標識(JPT Peptide Technologies GmbH;アッセイ緩衝液に溶解した)を持っているブラディキニンをこの混合物に加えた。カテプシンAの終濃度は、833ng/mlであり、そして標識したブラディキニンの終濃度は2μMであった。室温で15分間インキュベーションした後、この反応を停止緩衝液(130mM 2−(4−(2−ヒドロキシ−エチル)−ピペラジン−1−イル)−エタンスルホン酸,pH7.4,0.013%(v/v)Triton(登録商標)X-100,0.13% コーティング試薬3(Coating Reagent 3)(Caliper Life Sciences),6.5% DMSO、及び20μM エベラクトンB(ebelactone B)(Sigma, # E0886)を含む)を添加して停止させた。
【0233】
次いで非分解基質と生成物を、LabChip(登録商標)3000ドラッグディスカバリーシステム(12−シッパー−チップ(12-Sipper-Chip);Caliper Life Sciences)を用いてマイクロフルイディックキャピラリー電気泳動(microfluidic capillary electrophoresis)によって分離し、そしてそれぞれのピーク面積を決定することによって数値化した。基質ターンオーバーを、生成物ピーク面積を基質と生成物ピーク面積の総計で割ることによって計算し、こうして試験化合物の酵素活性及び阻害効果を数値化した。試験化合物で観察されたいくつかの濃度でのカテプシンA活性の阻害パーセンテージから、阻害濃度IC
50、すなわち、酵素活性の50%阻害をもたらす濃度を計算した。種々の実施例化合物のIC
50値を表1にμM単位で示した。
【0234】
B)インビボでの抗肥大(antihypertrophic)及び腎保護活性
本発明の化合物のインビボでの薬理学的活性は、例えば、片側腎摘出術を施したDOCA−食塩感受性ラットのモデルにおいて検討できる。手短に述べれば、このモデルの左腎臓の片側腎摘出術(UNX)を体重150g〜200gのスプラーグドーリーラットで行なった。手術後及びその後の各週の始めに、30mg/kg(体重)のDOCA(酢酸デスオキシコルチコステロン: desoxycorticosterone acetate)を、皮下注射によってラットに投与した。DOCAで処理した腎摘出したラット(UNX/DOCAラット)に、1%の塩化ナトリウムを含有する飲水を供した。このUNX/DOCAラットは、高血圧症、内皮機能不全、心筋肥大及び線維症、並びに腎不全を発症した。試験群(UNX/DOCA試験)及び無作為化されたUNX/DOCAラットから成るプラセボ群(UNX/DOCAプラセボ)において、ラットを、それぞれ、試験化合物の1日投与量(例えば、ビヒクル中に、10mg/kg(体重)を溶解させた)、あるいはビヒクルのみを、午前6時と午後6時の時点で2回の部分投与で強制経口投与によって処理した。UNX及びDOCA投与を施さなかった動物から成る対照群(コントロール)においては、動物に通常の飲水が与えられ、そしてビヒクルのみで処理された。処理の5週間後に、収縮期血圧(SBP)及び心拍数(HR)を、テイルカフ法(tail cuff method)によって非侵襲的に測定した。アルブミン尿及びクレアチニンを測定するために、24時間尿を代謝檻(metabolic cages)に回収した。以前に述べられているごとく(W. Linz et al., JRAAS (Journal of the renin-angiotensin-aldosterone system) 7 (2006), 155-161)、内皮機能を、胸部大動脈をリング状に切除して(in excised rings)評価した。心筋肥大及び線維症の測定には、心臓重量、左心室重量、及びヒドロキシプロリンとプロリンの関係が切除心臓部分で決定された。