特許第5957618号(P5957618)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5957618-固体電解質層を含む二次電池 図000006
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5957618
(24)【登録日】2016年6月24日
(45)【発行日】2016年7月27日
(54)【発明の名称】固体電解質層を含む二次電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/0562 20100101AFI20160714BHJP
   H01M 10/0585 20100101ALI20160714BHJP
   H01M 10/052 20100101ALI20160714BHJP
   H01M 4/13 20100101ALI20160714BHJP
   H01M 4/62 20060101ALI20160714BHJP
【FI】
   H01M10/0562
   H01M10/0585
   H01M10/052
   H01M4/13
   H01M4/62 Z
【請求項の数】8
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-550349(P2015-550349)
(86)(22)【出願日】2014年11月25日
(65)【公表番号】特表2016-502746(P2016-502746A)
(43)【公表日】2016年1月28日
(86)【国際出願番号】KR2014011382
(87)【国際公開番号】WO2015080450
(87)【国際公開日】20150604
【審査請求日】2015年2月18日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0144586
(32)【優先日】2013年11月26日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100109841
【弁理士】
【氏名又は名称】堅田 健史
(74)【代理人】
【識別番号】100167933
【弁理士】
【氏名又は名称】松野 知紘
(74)【代理人】
【識別番号】100173185
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 裕
(72)【発明者】
【氏名】リー,ス−ヘ
(72)【発明者】
【氏名】ビュン,ウォン−ベ
(72)【発明者】
【氏名】キム,ドン−フワン
(72)【発明者】
【氏名】パク,チェー−スン
【審査官】 ▲辻▼ 弘輔
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/105574(WO,A1)
【文献】 特開2011−065982(JP,A)
【文献】 特開2003−346895(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/00 − 0587
H01M 4/00 − 62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次電池であって、
正極、負極、及び前記正極と前記負極との間に介在された固体電解質層を備えてなり、
前記正極及び前記負極が、固体電解質粒子として、第1固体電解質粒子のみを含んでなり、
前記固体電解質層が、固体電解質粒子として、第2固体電解質粒子のみを含んでなり、
前記第2固体電解質粒子の平均粒径が、前記第1固体電解質粒子の平均粒径よりも大きいものであり、
前記第1固体電解質粒子の平均粒径が、1nmから100nmであり、
前記第2固体電解質粒子の平均粒径が、2μmから10μmであり、
前記第1固体電解質粒子及び前記第2固体電解質粒子が、下記化学式(1)で表わされる複合酸化物であり、
Li3xLa(2/3-x)TiO3(0<x<0.16) 化学式(1)
前記第1固体電解質粒子内の2次相の比率が、前記第1固体電解質粒子の総重量に対して0.1重量%から5重量%であり、
前記第2固体電解質粒子内の2次相の比率が、前記第2固体電解質粒子の総重量に対して0.1重量%から5重量%であることを特徴とする、二次電池。
【請求項2】
前記第1固体電解質粒子の比表面積(BET)が100m2/gから400m2/gであり、
前記第2固体電解質粒子の比表面積(BET)が10m2/gから50m2/gであることを特徴とする、請求項1に記載の二次電池。
【請求項3】
前記第1固体電解質粒子が、正極活物質と混合されて正極層に含まれることを特徴とする、請求項1又は2に記載の二次電池。
【請求項4】
前記第1固体電解質粒子及び前記正極活物質の混合重量比が、1:1から1:5であることを特徴とする、請求項3に記載の二次電池。
【請求項5】
前記第1固体電解質粒子が、負極活物質と混合されて負極層に含まれることを特徴とする、請求項1〜4の何れか一項に記載の二次電池。
【請求項6】
前記第1固体電解質粒子及び前記負極活物質の混合重量比が、1:1から1:5であることを特徴とする、請求項5に記載の二次電池。
【請求項7】
前記固体電解質層の厚さが、10μmから20μmであることを特徴とする、請求項1〜6の何れか一項に記載の二次電池。
【請求項8】
前記第1固体電解質粒子のイオン伝導度が、室温で9.0×10-4S/cmから4.0×10-3S/cmであり、
前記第2固体電解質粒子のイオン伝導度が、室温で1.0×10-3S/cmから5.0×10-3S/cmであることを特徴とする、請求項1〜7の何れか一項に記載の二次電池。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電極及び固体電解質層を含むリチウム二次電池に関し、より具体的には、前記電極及び固体電解質層は、それぞれ互いに異なる粒径を有する固体電解質粒子を含むことを特徴とする二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話、ノートパソコン、カムコーダなどの携帯機器だけでなく、電気自動車に至るまで充放電が可能な二次電池の適用分野がますます拡大しており、これにより、二次電池の開発が活発になされている。また、二次電池の開発時に容量密度及び非エネルギーを向上させるための電池設計に対する研究開発も進められている。
一般に、電池の安全性は、液体電解質<ゲルポリマー電解質<固体電解質の順序で向上されるが、これに反して電池性能が減少するものと知られている。
【0003】
従来の電気化学反応を利用した電池、電気二重層キャパシタなどの電気化学素子用の電解質としては、液体状態の電解質、特に非水系有機溶媒に塩を溶解したイオン伝導性有機液体電解質が主に用いられてきた。しかし、このように液体状態の電解質を用いると、電極物質が劣化して有機溶媒が揮発する可能性が大きいだけでなく、周囲温度及び電池自体の温度上昇による燃焼などの安全性に問題がある。
【0004】
特に、リチウム二次電池に用いられる電解質は液体状態であって、高温環境における可燃性の危険があるので、電気自動車への適用に少なからぬ負担要因となり得る。液体状態のリチウム電解質を固体状態の電解質で代替する場合、このような問題を解決することができる。よって、現在まで多様な固体電解質が研究開発されてきた。
【0005】
固体電解質は、難燃性の素材を主に用いており、これによって安定性が高く、不揮発性素材で構成されているので高温で安定する。また、固体電解質が分離膜の役割をするので、既存の分離膜が不要であり薄膜工程の可能性がある。
【0006】
その中で、Li0.33La0.66TiO3(LLTO)の化学式を有するペロブスカイト(perovskite)結晶構造の酸化物は、高い化学的安定性と耐久性を有している物質なので、これに対する多くの研究が進められている。
【0007】
しかし、従来の固体電解質は、電極と固体電解質との間の接触により、界面抵抗が高くイオン伝導度が低くなり、柔軟性が落ちて工程の面で様々な問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の一実施形態は、前記のような問題点を解決しようとしたものであって、電極と固体電解質層との間の接触による界面抵抗を下げることができ、イオン伝導度の減少を最小限に抑えることができる二次電池を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記のような目的を達成するために、本発明は、正極、負極、及び前記正極と負極との間に介在された固体電解質層を含み、前記正極及び負極は第1固体電解質粒子を含み、前記固体電解質層は第2固体電解質粒子を含み、前記第2固体電解質粒子の粒径は第1固体電解質粒子の粒径よりも大きいことを特徴とする二次電池を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一実施形態に係る二次電池は、電極及び固体電解質層がそれぞれ粒径が互いに異なる固体電解質粒子を含み、前記固体電解質層に含まれる第2固体電解質粒子の粒径が電極に含まれる第1固体電解質粒子の粒径に比べて大きいことを利用することにより、電極は固体電解質粒子と電極活物質との接触面積を増加させてリチウムイオン等の移動量を増加させることができ、固体電解質層は前記電極と固体電解質層との間の接触による界面抵抗を下げることにより、イオン伝導度の減少を最小限に抑えることができるので、二次電池の安定性及び性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
次の図等は、本発明の好適な実施例を例示するものであり、前述した発明の内容とともに本発明の技術思想を更に理解させる役割をするものであるため、本発明はこのような図に記載された事項にのみ限定されて解釈されてはならない。
図1】本発明の一実施形態に係る二次電池の断面構造を模式的に示す断面模式図である。
【符号の説明】
【0012】
100:二次電池
11:正極
12:固体電解質層
13:負極
14:第1固体電解質粒子
15:第2固体電解質粒子
16:正極活物質
17:負極活物質
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に対する理解を助けるために、本発明を更に詳細に説明する。
【0014】
本明細書及び特許請求の範囲で用いられる用語や単語は、通常的且つ辞典的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者は、自分の発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができるとの原則に立脚して、本発明の技術的思想に符合する意味と概念として解釈されるべきである。
【0015】
本発明の一実施形態に係る二次電池は、正極、負極、及び前記正極と負極との間に介在された固体電解質層を含み、前記正極及び負極は第1固体電解質粒子を含み、前記固体電解質層は第2固体電解質粒子を含み、前記第2固体電解質粒子の粒径は第1固体電解質粒子の粒径よりも大きいことを特徴とする。
【0016】
前記本発明の一実施形態に係る二次電池において、前記第1固体電解質粒子及び第2固体電解質粒子は、それぞれ独立的に下記化学式(1)で表わされる複合酸化物(LLTO)を含むことができる:
【化1】
【0017】
前記化学式(1)で表わされる固体電解質粒子は、ペロブスカイト(perovskite)結晶構造を有し、優れたリチウムイオン伝導度、高い化学的安定性と耐久性を有している酸化物粒子である。
【0018】
前記本発明の一実施形態に係る二次電池において、正極と負極、及び固体電解質層に前記化学式(1)で表わされる、互いに異なる粒径を有する固体電解質粒子がそれぞれ含まれ、但し、前記正極及び負極に含まれる第1固体電解質粒子はナノサイズの粒子を有するものであってよく、前記固体電解質層に含まれる第2固体電解質粒子はマイクロサイズの粒子を有するものであってよい。
【0019】
このように、正極と負極がナノサイズの第1固体電解質粒子を含むことにより、固体電解質粒子と活物質との接触面積が増加されてリチウムイオン等の移動量が増加され、二次電池の性能を向上させることができる。また、固体電解質層がマイクロサイズの第2固体電解質粒子を含むことにより、結晶粒界(grain boundary)の個数を減らすことができるので、結晶粒界によるイオン伝導度の減少が最小化され得る。
【0020】
また、前記本発明の一実施形態に係る二次電池において、正極及び負極に含まれる前記第1固体電解質粒子の平均粒径(D50)は、1nmから100nm、具体的には20nmから100nm、より具体的には20nmから50nmであり得る。
【0021】
前記第1固体電解質粒子の平均粒径(D50)が1nm未満の場合、前記平均粒径未満の固体電解質粒子を製造する工程自体に困難があり得、100nmを超過する場合、比表面積の増加による電極-電解質の接触面積の増加が十分にできないので、界面でのリチウムイオン等の移動が容易でないこともあり得る。
【0022】
また、前記本発明の一実施形態に係る二次電池において、固体電解質層に含まれる前記第2固体電解質粒子の平均粒径(D50)は、1μmから10μm、具体的には2μmから10μm、より具体的には2μmから7μmであり得る。
【0023】
前記第2固体電解質粒子の平均粒径(D50)が1μm未満の場合、結晶粒界の個数を減らし難いので、結晶粒界によるイオン伝導度の減少を減らす効果が微々たるものであり得、10μmを超過する場合、過剰な固体電解質粒子の粒径の大きさにより、焼結体の形成における粒子間の結着性が不良になって空隙(pore)が存在することとなり、その結果、固体電解質粒子のイオン伝導度が低下し、固体電解質層と電極との間の結着性が低下して寿命特性が大きく減少され得る。
【0024】
本発明において、平均粒径(D50)は、例えば、レーザー回折法(laser diffraction method)または走査型電子顕微鏡(SEM)写真を用いて測定することができる。前記レーザー回折法は、一般にサブミクロン(submicron)領域から数mm程度の粒径の測定が可能であり、高再現性及び高分解性の結果を得ることができる。固体電解質粒子の平均粒径(D50)は、粒径分布の50%基準での粒径で定義することができる。
【0025】
また、前記本発明の一実施形態に係る二次電池において、前記第1固体電解質粒子の比表面積(BET)は100m2/gから400m2/gであり、第2固体電解質粒子の比表面積(BET)は10m2/gから50m2/gであり得る。
【0026】
本発明において、前記固体電解質粒子の比表面積はBET(Brunauer-Emmett-Teller; BET)法で測定することができる。例えば、細孔分布測定器(Porosimetry analyzer; Bell Japan Inc、Belsorp-II mini)を用いて、窒素ガス吸着流通法によりBET6点法で測定することができる。
【0027】
また、前記本発明の一実施形態に係る二次電池において、前記第1固体電解質粒子及び第2固体電解質粒子は、それぞれ化学式(1)で表わされる複合酸化物(LLTO)粒子上に境界(boundary)が形成されて1つの粒子内に複数の結晶粒(crystal grain)が形成され、このような結晶粒は1つ以上のLLTO結晶を含むことができる。
【0028】
すなわち、前記第1固体電解質粒子及び第2固体電解質粒子の結晶粒(crystal grain)とは、前記LLTOの1つの粒子をなす微細単位体であって、1つ以上のLLTO結晶を含むことを意味する。すなわち、それぞれの結晶粒は、LLTO粒子の表面または内部に形成された境界により定義され得る。このような結晶粒及びLLTO粒子上の境界は、例えば、電子顕微鏡写真(SEM)またはX線回折分析(XRD)などを介して観察され得る。
【0029】
本発明において、結晶粒の大きさをX線回折分析(XRD)により測定する場合、第1及び第2固体電解質粒子をそれぞれホルダに入れてX-線を粒子に照射して出てくる回折格子を分析して求めることができる。
【0030】
具体的に、前記第1固体電解質粒子の結晶粒(crystal grain)の大きさは1nmから10nmであり、前記第2固体電解質粒子の結晶粒の大きさは50nmから100nmであり得る。
【0031】
また、前記本発明の一実施形態に係る二次電池において、前記第1固体電解質粒子及び第2固体電解質粒子は、それぞれの化学式(1)で表わされる複合酸化物(LLTO)の結晶相以外にLi2TiO3、LaTiO3などの複合酸化物の2次相(secondary phase)を不純物として更に含むことができる。
【0032】
前記第1固体電解質粒子及び第2固体電解質粒子内に含まれた前記2次相の存在はXRDを介して確認することができ、その含量はXRDに示された全ての結晶相を100重量%に定めたとき、Li0.33La0.557TiO3相を除いた残りの2次相の比率を計算して確認することができる。
【0033】
具体的に、前記第1固体電解質粒子は、前記2次相を前記第1固体電解質粒子の総重量に対して5重量%以下、より具体的には0.1重量%から5重量%で含むことができる。また、前記第2固体電解質粒子は、前記2次相を前記第2固体電解質粒子の総重量に対して5重量%以下、より具体的には0.1重量%から5重量%で含むことができる。第1または第2固体電解質粒子内の2次相の含量が5重量%を超過する場合、電解質粒子のイオン伝導度が低くなり、その結果として電池の容量特性が劣化する恐れがある。
【0034】
また、前記本発明の一実施形態に係る二次電池において、前記第1固体電解質粒子は、イオン伝導度(ionic conductivity)(S/cm)が室温(25℃)で測定時9.0 X 10-4S/cmから4.0 X 10-3S/cmであり、第2固体電解質粒子は、イオン伝導度が室温(25℃)で測定時1.0 X 10-3S/cmから5.0 X 10-3S/cmであり得る。
【0035】
前記イオン伝導度の測定方法は、例えば、第1固体電解質粒子及び第2固体電解質粒子の粉末をステンレスモールドに入れて圧搾し、ペレット(pellet)形態に作った後、電気炉を用いて約1250℃で12時間の間熱処理して焼結体を製造することができる。焼結体の上部及び下部にハードマスクを用いて金(Au)を100W、アルゴン(Ar)雰囲気で蒸着することによりセルを完成した後、インピーダンス分析器(Zahner、IM6)を用いて2つの遮断電極を置いて交流を加え得られた応答から25℃でのイオン伝導度を測定することができる。
【0036】
一方、本発明の一実施形態に係る二次電池に含まれる前記第1固体電解質粒子及び第2固体電解質粒子は、当分野で通常用いられるLLTOの製造方法を用いて製造可能である。例えば、リチウム前駆体、ランタン前駆体及びチタン前駆体を利用して固相法または液相法を用いることができ、これに限定されるものではない。しかし、本発明の一実施形態に係るナノサイズを有する第1固体電解質粒子は、ナノサイズの粒子の具現のため、具体的に液相法を用いて製造され得る。
【0037】
より具体的に検討してみると、本発明の一実施形態により液相法を用いた前記第1固体電解質粒子の製造方法は、水系または有機溶媒下にチタン前駆体、ランタン前駆体及びリチウム前駆体を混合して前駆体溶液を製造する段階(段階i);及び前記前駆体溶液を熱処理する段階(段階ii)を含むことができる。
【0038】
本発明の一実施形態により使用可能な前記チタン前駆体としては、0.5nmから10nmの平均粒径(D50)を有するチタン酸化物粒子を含むチタン酸化物粉末(powder)を用いるか、またはチタン酸化物コロイド溶液の形態で用いることができる。
【0039】
前記チタン酸化物コロイド溶液の製造は、当分野で通常用いられる方法により製造されるか、市販されるものを利用することができ、本発明がこれに限定されるものではない。
【0040】
また、前記チタン酸化物コロイド溶液を用いる場合、例えば、アルコールにチタンアルコキシドと安定化剤を順次添加して反応させた後、反応物に蒸留水及び塩基性溶液を添加して混合し、結果の混合溶液を中和反応させることにより得ることができる。
また、本発明の一実施形態によれば、前記チタン前駆体は、前駆体溶液の総重量を基準として30重量%から50重量%の量で用いることができる。
【0041】
また、本発明の一実施形態により使用可能な前記ランタン前駆体は、ランタンを含むアルコキシド、塩化物、酸化物、水酸化物、オキシ水酸化物、硝酸塩、炭酸塩、酢酸塩及びシュウ酸塩よりなる群から選択されたいずれか、またはこれらのうち2種以上の混合物であり得る。この中でもランタンナイトレート(La(NO33)のようなランタン含有硝酸塩の場合、最終に製造される電解質粒子中にLaTiO3などの不純物2次相が発生する可能性が高いので、より具体的に、前記ランタン前駆体としては、ランタンカーボネート(La2(CO33)及び酸化ランタン(La23)よりなる群から選択されたいずれか、またはこれらのうち2種以上の混合物を用いることができる。
また、前記ランタン前駆体は、前駆体混合物の総重量を基準として40重量%から60重量%の量で用いられ得る。
【0042】
また、本発明の一実施形態により使用可能な前記リチウム前駆体は、塩化リチウム(LiCl)、炭酸リチウム(Li2CO3)、水酸化リチウム(LiOH)、リン酸リチウム(Li3PO4)及び硝酸リチウム(LiNO3)よりなる群から選択されたいずれか、またはこれらのうち2種以上の混合物であり得る。
前記リチウム前駆体は、前駆体混合物の総重量を基準として5重量%から10重量%を用いることができる。
【0043】
一方、前記有機溶媒は、アセトンまたはメチルエチルケトンなどのケトン類; テトラヒドロフランなどのエーテル類; メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールまたはブタノールなどのアルコール類; 酢酸エチルなどのエステル類; またはジクロロメタン、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素などを挙げることができる。
【0044】
前記水系または有機溶媒下にチタン前駆体、ランタン前駆体及びリチウム前駆体の混合は、均一な混合及び均一な粒径分布を有する固体電解質粒子を製造するために機械的ミーリングを利用することができる。前記機械的ミーリングは、例えばロールミル(roll-mill)、ボールミル(ball-mill)またはジェットミル(jet-mill)など)を利用することができる。前記混合は、1時間から8時間の間、好ましくは1時間から6時間の間、行うことができる。
【0045】
また、本発明の一実施形態に係る第1固体電解質粒子の製造時、前記段階ii)で、前駆体溶液の熱処理は、例えば、電気炉を用いて700℃から1000℃の温度範囲で、約1分から60分の間、好ましくは1分から10分の間維持するのが良い。
一方、本発明の一実施形態に係るマイクロサイズを有する第2固体電解質粒子は、通常用いられる固相法または液相法の両方を利用して得ることができる。
【0046】
固相法を例に挙げると、前記第1固体電解質粒子の製造時に言及された前記リチウム前駆体、ランタン前駆体及びチタン前駆体粉末を混ぜて900℃から1400℃の高温で熱処理した後、粉砕工程を介して所望の粒径の大きさを有する第2固体電解質粒子を得ることができるが、これに限定されるものではない。このとき、用いられるチタン前駆体の平均粒径(D50)は、0.5nmから200nmを有するチタン酸化物粒子を含むチタン酸化物粉末(powder)を利用することができる。
【0047】
また、液相法を利用する場合、前記第1固体電解質粒子の製造時に用いられた液相法を利用することができ、このとき、チタン前駆体の平均粒径を調整してマイクロサイズの第2固体電解質粒子を得ることができる。本発明の一実施形態によれば、チタン前駆体の平均粒径が大きいほど、製造される固体電解質粒子の粒径が大きくなり得る。
【0048】
一方、前記本発明の一実施形態に係る二次電池において、前記固体電解質層は、当分野で通常用いられる方法で形成され得る。例えば、前記第2固体電解質粒子をバインダ及び有機溶媒と混合した後、例えば、基板上にコーティングまたはスクリーン印刷などを利用して厚膜の形態に製造した後、基板を除去して固体電解質層を製造することができる。
【0049】
このとき、前記バインダは、第2固体電解質粒子間の接着及び固体電解質層と電極等との間の接着力を表すことができるようにする含量で用いられてよく、具体的には前記第2固体電解質粒子100重量部に対して0.1から20重量部、より具体的には1から10重量部で含まれてよい。
また、前記固体電解質層の厚さは10μmから20μmであり得る。
【0050】
また、前記本発明の一実施形態に係る二次電池において、前記電極は、前記第1固体電解質粒子を用いて、当分野で知られている通常の方法で製造することができる。例えば、電極活物質に第1固体電解質粒子を混合して得られた混合物を溶媒、必要に応じてバインダ、導電材、分散剤を混合及び攪拌してスラリーを製造した後、これを金属材料の集電体に塗布(コーティング)し圧縮してから、乾燥して電極を製造することができる。このとき、前記電極活物質は正極活物質または負極活物質であり得る。
【0051】
また、前記第1固体電解質粒子及び正極活物質の混合重量比は、1:1から1:5であることが好ましい。これと同様に、前記第1固体電解質粒子及び負極活物質の混合重量比は、1:1から1:5であることが好ましい。
【0052】
前記正極活物質としては、当分野で通常用いられる正極活物質を用いることができ、例えば、LiCoO2、LiNiO2、LiMnO2、LiMn24、LiNi1-yCoy2、LiCo1-yMny2、LiNi1-yMny2(O≦y<1)、Li(NiaCobMnc)O4(0<a<2、0<b<2、0<c<2、a+b+c=2)、LiMn2-zNiz4、LiMn2-zCoz4(0<z<2)、LiCoPO4及びLiFePO4よりなる群から選択されるいずれか、またはこれらのうち2種以上の混合物を用いることができ、これらに限定されるものではない。また、このような酸化物(oxide)以外に硫化物(sulfide)、セレン化物(selenide)及びハロゲン化物(halide)なども用いられ得る。
【0053】
前記負極活物質としては、通常、リチウムイオンが吸蔵及び放出可能な炭素材、リチウム金属、ケイ素または錫などを用いることができる。好ましくは、炭素材を用いることができるが、炭素材としては低結晶性炭素及び高結晶性炭素などが全て用いられ得る。低結晶性炭素としては軟質炭素(soft carbon)及び硬質炭素(hard carbon)が代表的であり、高結晶性炭素としては天然黒鉛、キッシュ黒鉛(Kish graphite)、熱分解炭素(pyrolytic carbon)、液晶ピッチ系炭素繊維(mesophase pitch based carbon fiber)、炭素微小球体(meso-carbon microbeads)、液晶ピッチ(Mesophase pitches)及び石油と石炭系コークス(petroleum or coal tar pitch derived cokes)などの高温焼成炭素が代表的である。
【0054】
前記正極及び/または負極は、バインダと溶媒、必要に応じて通常用いられ得る導電材と分散剤を混合及び攪拌してスラリーを製造した後、これを集電体に塗布し、圧縮して製造することができる。
【0055】
また、前記本発明の一実施形態に係る二次電池において、前記二次電池の外形には特別な制限がないが、缶を用いた円筒形、角形、ポーチ(pouch)型またはコイン(coin)型などになり得る。
【0056】
また、前記二次電池は、小型デバイスの電源として用いられる電池セルに用いられ得るだけでなく、多数の電池セルを含む中大型電池モジュールの単位電池としても好適に用いられ得る。前記中大型デバイスの好ましい例としては、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、プラグインハイブリッド電気自動車、電力貯蔵用システムなどが挙げられるが、これらだけに限定されるものではない。
【実施例】
【0057】
以下、本発明を具体的に説明するために実施例を挙げ詳細に説明する。しかし、本発明に係る実施例は様々な他の形態に変形可能であり、本発明の範囲が以下で詳述する実施例に限定されるものとして解釈されてはならない。本発明の実施例は、当業界で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。
以下で実施例及び実験例を挙げて更に説明するが、本発明がこれらの実施例及び実験例により制限されるものではない。
【0058】
製造例1:第1固体電解質粒子の製造
エタノール200ml中に平均粒径が2〜3nmのTiO2を固形粉濃度50mg/mlの水準で含むTiO2水系コロイド溶液87.14ml、La23 4.977g及びLi2CO3 0.665gを添加した後、これを最大限よく混合するためにボールミル(ball mill)を利用して6時間の間混合し、前駆体溶液を製造した。前記前駆体溶液を100℃で乾燥させて液体を全て除去した後、アルミナるつぼに入れてこれを電気炉に入れ、昇温速度50℃/minで850℃まで昇温した後、850℃に温度が維持された状態で10分間維持した。その後、50℃/minで常温まで急速に冷却させ、Li0.33La0.557TiO3である第1固体電解質粒子を得た。このとき、第1固体電解質粒子の平均粒径は30nmであった。
【0059】
製造例2:第2固体電解質粒子の製造
平均粒径が100nmのTiO2を含むTiO2水系コロイド溶液を用いたことを除いては、製造例1と同一の方法を行ってLi0.33La0.557TiO3である第2固体電解質粒子を得た。このとき、第2固体電解質粒子の平均粒径は2μmであった。
【0060】
製造例3:第1固体電解質粒子の製造
平均粒径が20nmのTiO2を含むTiO2水系コロイド溶液を用いたことを除いては、製造例1と同一の方法を行ってLi0.33La0.557TiO3である第1固体電解質粒子を得た。このとき、第1固体電解質粒子の平均粒径は100nmであった。
【0061】
製造例4:第1固体電解質粒子の製造
平均粒径が50nmのTiO2を含むTiO2水系コロイド溶液を用いたことを除いては、製造例1と同一の方法を行ってLi0.33La0.557TiO3である第1固体電解質粒子を得た。このとき、第1固体電解質粒子の平均粒径は0.5μmであった。
【0062】
製造例5:第2固体電解質粒子の製造
平均粒径が5μmのTiO2を含むTiO2水系コロイド溶液を用いたことを除いては、製造例1と同一の方法を行ってLi0.33La0.557TiO3である第2固体電解質粒子を得た。このとき、第2固体電解質粒子の平均粒径は12μmであった。
【0063】
製造例6:第1固体電解質粒子の製造
La23の代わりにLa(NO33を用いたことを除いては、製造例1と同一の方法で行ってLi0.33La0.557TiO3である第1固体電解質粒子を得た。このとき、第1固体電解質粒子の平均粒径は30nmであったが、2次相としてLaTiO3が一部生成された。
【0064】
製造例7:第1固体電解質粒子の製造
La23の代わりにLa(NO33を用いたことを除いては、製造例3と同一の方法で行ってLi0.33La0.557TiO3である第1固体電解質粒子を得た。このとき、第1固体電解質粒子の平均粒径は100nmであったが、2次相としてLaTiO3が一部生成された。
【0065】
実施例1:リチウム二次電池の製造
<正極の製造>
前記製造例1で製造された平均粒径が30nmであるLi0.33La0.557TiO3の第1固体電解質粒子、及びLiMn0.33Ni0.33Co0.332の正極活物質を1:3重量比で均一に混合した混合物を用いた。
【0066】
前記混合物、アセチレンブラックの導電材及びポリビニリデンフルオライドのバインダを用いて85:5:10の重量比で混合し、これらを溶媒であるN-メチル-2-ピロリドンに混合して正極活物質スラリーを製造した。
【0067】
製造された正極活物質スラリーを厚さが20μm程度の正極集電体であるアルミニウム(Al)薄膜に塗布して乾燥した後、ロールプレス(roll press)を行って正極を製造した。
【0068】
<負極の製造>
前記製造例1で製造された平均粒径が30nmであるLi0.33La0.557TiO3の第1固体電解質粒子、及び球状の天然黒鉛の負極活物質を1:3重量比で均一に混合した混合物を用いた。
【0069】
前記混合物、導電材としてsuper-p、バインダとしてSBR及びカルボキシメチルセルロース(CMC)を95.5:1.5:1.5:1.5の重量比で混合し、溶媒であるNMPに添加して負極活物質スラリーを製造し、スラリーを銅箔一面にコーティングして乾燥した後、ロールプレス(roll press)を行って負極を製造した。
【0070】
<リチウム二次電池の製造>
前記製造例2で製造された平均粒径が2μmであるLi0.33La0.557TiO3の第2固体電解質粒子、エチルセルロースをブチルカルビトールに溶かしたバインダ溶液及びテルピネオールを混合した後、これを前記で製造した正極上に最終乾燥後の厚さが10μmになるようにスクリーン印刷して220℃で十分に乾燥した後、負極層をその上にラミネートしてリチウム二次電池の製造を完成した。このとき、第2固体電解質粒子とエチルセルロースを94:6の重量比で混合した。
【0071】
実施例2:リチウム二次電池の製造
前記正極及び負極の製造において、製造例3で製造された粒径100nmのLi0.33La0.557TiO3の第1固体電解質粒子を用いたことを除いては、前記実施例1と同一の方法でリチウム二次電池を製造した。
【0072】
実施例3:リチウム二次電池の製造
前記正極及び負極の製造において、製造例4で製造された平均粒径0.5μmのLi0.33La0.557TiO3の第1固体電解質粒子を用いたことを除いては、前記実施例1と同一の方法でリチウム二次電池を製造した。
【0073】
比較例1:リチウム二次電池の製造
前記正極及び負極の製造において、製造例1で製造されたLi0.33La0.557TiO3の第1固体電解質粒子を用いずに、活物質、導電材及びバインダのみを用いたことを除いては、前記実施例1と同一の方法でリチウム二次電池を製造した。
【0074】
比較例2:リチウム二次電池の製造
前記固体電解質層の製造において、製造例1で製造された平均粒径が30nmであるLi0.33La0.557TiO3の第1固体電解質粒子を用いたことを除いては、前記実施例1と同一の方法でリチウム二次電池を製造した。
【0075】
実験例1:比表面積(BET)の測定
前記製造例1及び2で製造された第1固体電解質粒子及び第2固体電解質粒子の比表面積は、BET(Brunauer-Emmett-Teller; BET)法で測定することができる。すなわち、細孔分布測定器(Porosimetry analyzer; Bell Japan Inc、Belsorp-II mini)を用いて、窒素ガス吸着流通法によりBET 6点法で測定した。
その結果を下記表1に示した。
【表1】
【0076】
実験例2:2次相比率の測定
前記製造例1から7で製造した第1及び第2固体電解質粒子内にLi0.33La0.557TiO3結晶相以外にLi2TiO3、LaTiO3などの他の2次相が形成されているか調査した。
【0077】
詳しくは、前記製造例1から7で製造した第1及び第2固体電解質粒子をX線回折計(X-ray diffractometer; XRD)を用いて分析し、XRDに表れた全ての結晶相を100重量%に定めたとき、Li0.33La0.557TiO3相を除いた残りの2次相の比率を計算した。その結果を下記表2に示した。
【0078】
実験例3:イオン伝導度の測定
前記製造例1から7で製造した第1及び第2固体電解質粒子の粉末をそれぞれステンレスモールドに入れて圧搾し、ペレット(pellet)形態に作った後、電気炉を用いて約1250℃で12時間の間熱処理して焼結体を製造した。製造された焼結体の直径は16mmであり、前記焼結体の上部及び下部にハードマスクを用いて金(Au)を100W、アルゴン(Ar)雰囲気で100nmの厚さに蒸着することによりセルを完成した。インピーダンス分析器(Zahner、IM6)を用いて2つの遮断電極を置いて交流を加え得られた応答から25℃でのイオン伝導度を測定した。その結果を表2に示した。
【表2】
【0079】
前記表2から分かるように、製造例1から7で製造した第1及び第2固体電解質粒子に対してイオン伝導度を測定した結果、固体電解質粒子内の2次相を同一含量で含む製造例1及び3において、製造例1の場合、イオン伝導度が0.98 X 10-3S/cmであり、製造例3の場合、2.3 X 10-3S/cmであって、製造例3が製造例1に比べて高いイオン伝導度を示した。これは、固体電解質粒子の平均粒径が増加するほどイオン伝導度が増加することを示す。
【0080】
また、同一の平均粒子直径を有する製造例1と6、さらに製造例3と7の固体電解質粒子をそれぞれ比較すると、製造例6の場合、イオン伝導度が8.2 X 10-5S/cmであって、製造例1に比べて著しく低下したイオン伝導度を示し、また、製造例7の場合、イオン伝導度が7.1 X 10-5S/cmであって、製造例3に比べて著しく低下したイオン伝導度を示した。これは、固体電解質粒子内の2次相の含量が増加するほどイオン伝導度が低下されることを示す。
【0081】
また、製造例1、2及び4の固体電解質粒子を比較すると、製造例1、4及び2の順に平均粒径は増加し、2次相の含量は次第に減少しており、その結果、製造例1、4及び2の順にイオン伝導度が増加した。
【0082】
一方、製造例4と5を比較すると、製造例5の固体電解質粒子は、製造例4に比べて平均粒径がさらに大きく、固体電解質内の2次相の比率がさらに低いにもかかわらず、X 10-5S/cm水準の著しく低いイオン伝導度を示した。これは、固体電解質層を形成する固体電解質の平均粒径が増加するほどイオン伝導度に優れているが、平均粒径が10μmを超過して過度に大きい場合、焼結体の形成時に固体電解質粒子間の空隙が過度に多く存在することになるに伴い、むしろイオン伝導度が低下することを示す。
【0083】
実験例4:電池容量の評価
前記実施例及び比較例を介して製作した固体二次電池の単位セルに対して、充放電評価装置を用いて容量評価の実験を進めた。0.05mA/cm2の定電流密度で充電した後、放電させて最終の放電容量を測定した。充電上限電圧は4.0Vを維持し、放電下限電圧は2.5Vを維持した。このようにして、各サンプルの放電容量を下記表3に示した。
【表3】
【0084】
前記表3から分かるように、固体電解質層に含まれる第2固体電解質粒子の平均粒径が、正極及び負極活物質層内に含まれる第1固体電解質粒子の平均粒径に比べて大きい実施例1から3は、正極及び負極活物質層に固体電解質粒子を含ませずに、固体電解質層にのみ固体電解質粒子を含ませた比較例1と比べて優れた放電容量を示した。
【0085】
また、前記実施例1から3は、正極及び負極活物質層と固体電解質層内に含まれた固体電解質粒子の平均粒径が全て同一の比較例2と比べても優れた放電容量を示した。これは、比較例2の場合、固体電解質層におけるイオン伝導度が低いためである。
【0086】
また、実施例1から3の中でも、正極及び負極活物質層内に含まれた第1固体電解質粒子の平均粒径が1から100nmである実施例1及び2は、実施例3に比べてさらに優れた放電容量を示した。
【0087】
本発明の一実施形態に係る二次電池は、電極及び固体電解質層がそれぞれ粒径が互いに異なる固体電解質粒子を含み、前記固体電解質層に含まれる第2固体電解質粒子の粒径が電極に含まれる第1固体電解質粒子の粒径に比べて大きいことを利用することにより、電極は固体電解質粒子と電極活物質との接触面積を増加させてリチウムイオン等の移動量を増加させることができ、固体電解質層は前記電極と固体電解質層との間の接触による界面抵抗を下げることにより、イオン伝導度の減少を最小限に抑えることができるので、二次電池の安定性及び性能を向上させることができる。
これにより、前記二次電池は、小型デバイスの電源として用いられる電池セルに用いられ得るだけでなく、多数の電池セルを含む中大型電池モジュールの単位電池としても有用に用いられ得る。
図1